(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記コントローラは、前記ハプティク・アクチュエータにそれぞれスイッチング制御した連続する基本パルス電圧を印加して定常振動を発生させる請求項1に記載の触覚フィードバック・システム。
【発明を実施するための形態】
【0014】
[ハプティク・アクチュエータ]
図1は、本実施の形態にかかるハプティク・アクチュエータ(以下、アクチュエータ)の構成の一例を説明するための図である。本実施の形態では、定常振動を利用する振動モードと過渡振動を利用する衝撃モードで動作するデュアル・モード・タイプのアクチュエータ100を例示して説明するが、衝撃モードだけで動作するシングル・モード・タイプを採用することもできる。衝撃モードでは、たとえば、ユーザがソフトウェア・キーボードの打鍵を知覚できるようにタッチスクリーンに一過性の強い振動を与える。また、振動モードでは、たとえば、メールの着信やWebサイトからのプッシュ通知を知らせたりする場合にユーザが気づくまでに必要な比較的長い時間筐体を振動させる。
【0015】
振動モードと衝撃モードの切り換えは、アクチュエータ100に印加する交流のパルス電圧を制御することで行うことができる。衝撃モードでは一例において5〜7個程度の所定数のパルス電圧を印加する。振動モードでは、定常振動させる時間だけ一定振幅で一定周波数のパルス電圧を印加する。振動モードのときに印加するパルス電圧の振幅は衝撃モードのときに印加するパルス電圧の振幅に対して小さい。また、衝撃モードと振動モードのパルス電圧の周波数は、ともに可動子150の近辺の周波数であるが相互に異なる値を採用することができる。
【0016】
振動モードに比べて衝撃モードでは振動体の振動振幅および振動加速度が大きい。アクチュエータ100はLRAの原理を採用しており、下部筐体101aと上部筐体101bの内部に可動子150を含む振動機構を収納している。
図1(A)は上部筐体101bを取り除いた状態の平面図で、
図1(B)は長手方向の中心で切断した断面図である。
【0017】
両側に設けたシャフト103a、103bは、それぞれ両端部が固定部105a〜105dで下部筐体101aに固定されている。シャフト103a、103bは、錘107a、107bの両端を錘107a、107bが往復直線運動をできるように貫通している。固定部105a〜105dと錘107a、107bの間には、圧縮コイル・バネ109a〜109dを設けている。上部ヨーク111bの下面には、磁極の方向が異なるマグネット113a、113bを貼り付けている。上部ヨーク111bと下部ヨーク111aが形成するコイル空間には、コイル115を配置している。
【0018】
コイル115は、図示しない固定部材で下部筐体101aに固定している。マグネット113a、113bが放射した磁束は、上部ヨーク111b、下部ヨーク111a、およびコイル空間で構成した磁路を流れる。下部ヨーク111aには、振動方向の端面にシャフト117a、117bを固定している。上部ヨーク111b、下部ヨーク111a、錘107a、107b、マグネット113a、113b、およびシャフト117a、117bは、可動子150を構成する。なお、アクチュエータ100は、可動子がコイルを含み、マグネットおよびヨークを下部筐体101aに固定するように構成してもよい。
【0019】
アクチュエータ100は、振動モードで動作するときにコイル115に可動子150の共振周波数に相当する周波数の交流電流(駆動電流)を流すと、マグネット113a、113bが形成する磁界によりコイル115に発生したローレンツ力と圧縮コイル・バネ109a〜109dの弾力で、可動子150が矢印Aの方向に往復直線運動をして振動する。可動子150の往復動作による振動は、下部筐体101aと上部筐体101bに伝搬する。
【0020】
振動モードでの可動子150の振幅は、シャフト117a、117bの先端が下部筐体101aの内面に接触しないように設定している。衝撃モードでの可動子150の振幅は、振動モードの振幅より大きい。一例において衝撃モードのときに、シャフト117a、117bの先端が下部筐体101aに衝突するように構成することができる。
【0021】
シャフト117a、117bを下部筐体101aに衝突しないように構成する場合は、シャフト117a、117bを設ける必要はない。アクチュエータ100は、たとえば
図2に示すようにスマートフォン10の筐体やタッチスクリーン11の内側に貼り付けることができる。
図1に示したアクチュエータ100の構造は一例であり、可動子、ヨーク、マグネット、および圧縮コイル・バネなどの配置、構造および数などは特に本発明を限定するものではない。
【0022】
[触覚フィードバック・システム]
図3は、スマートフォン10に搭載した触覚フィードバック・システム200の構成を説明するための機能ブロック図である。触覚フィードバック・システム200は、スマートフォンに限らず、タブレット端末やATMのようなタッチスクリーンを搭載する電子機器一般に搭載することができる。
図3において、太線は電力ラインを示し細線は信号ラインを示している。一例において、直流電力源201を、単一セルのリチウム・イオン電池、電池コントローラ、および充電器などで構成している。
【0023】
電圧レギュレータ203は、直流電力源201の出力電圧Vをシステム・デバイス205が要求する複数の使用電圧に変換する。システム・デバイス205は、CPU、システム・メモリ、およびI/Oインターフェースなどの機能を組み込んだ半導体チップ(SoC)、カメラ、スピーカ、タッチスクリーン11、および無線モジュールなどのI/Oデバイスなどで構成している。なお、システム221のハードウェアはシステム・デバイス205で構成する。
【0024】
駆動回路219の共通の入力端子220には、衝撃モードで直流電圧V
Hが印加され、振動モードで直流電圧V
Lが印加される。駆動回路219は、直流電圧V
H、V
Lを交流の駆動電圧に変換してアクチュエータ100のコイル115に印加するDC/ACインバータである。駆動電圧の波形は、正弦波、三角波、または矩形波などを採用することができ、特に限定する必要はない。また、衝撃モードの波形と振動モードの波形は同一でも異なってもよい。
【0025】
駆動回路219は内部で降圧や昇圧をしないで、衝撃モードでは直流電圧V
Hから生成した駆動電圧を出力し、振動モードでは直流電圧V
Lから生成した駆動電圧を出力する。したがって衝撃モードで印加する駆動電圧の振幅は、振動モードで印加する駆動電圧の振幅より大きい。駆動回路219は、入力端子220に直流電圧V
Hだけを受け取って、PWM制御で降圧してから振動モードに適した振幅の駆動電圧を出力することもできる。しかし、スイッチング・レギュレータは電圧を変換するときに入力と出力の電圧差が大きいほど大きな電力損失が発生するため、駆動回路219は、内部で駆動電圧への電圧変換をする必要がない直流電圧V
H、V
Lを受け取ると効率よく動作できる。
【0026】
バイパス・スイッチ211は、直流電力源201の出力電圧Vを直接駆動回路219に直流電圧V
Lとして供給する。昇圧器209は、直流電力源201の出力電圧Vが、アクチュエータ100が振動モードで十分な振動を発生することができない値まで低下した場合に、駆動回路219に印加する電圧を昇圧する。駆動回路219が、直流電力源201の電圧レンジでアクチュエータ100を適正に駆動できる場合は、昇圧器209を設けなくてもよい。
【0027】
昇圧器215は、直流電力源201の出力電圧Vを直流電圧V
Hに昇圧して、駆動回路219に供給する。スイッチ207は、アクチュエータ100が振動モードで動作するときにオン状態になり、衝撃モードで動作するときにオフ状態になる。スイッチ213は、アクチュエータ100が衝撃モードで動作するときにオン状態になり、振動モードで動作するときにオフ状態になる。
【0028】
コントローラ217は、システム221から受け取ったハプティク・コマンドおよび直流電力源201の出力電圧Vに応じて、スイッチ207、211、213、昇圧器209、215および駆動回路219の動作を制御する。コントローラ217は、駆動回路219に衝撃モードと振動モードの指示をする信号、および衝撃モードのときに基本パルス電圧をPWM制御する信号を送る。
【0029】
システム221は、システム・デバイス205などのハードウェアおよびデバイス・ドライバ、OSおよびアプリケーションなどのソフトウェアの協働により構成する。システム221は、触覚フィードバックを生成するタイミングを与え、衝撃モードまたは振動モードの識別子を含むハプティク・コマンドをコントローラ217に通知する。システム221はさらに、タッチスクリーン11に後に説明する振動強度を調整するためのユーザ・インターフェースを提供する。
【0030】
[振動モードで印加する駆動電圧]
図4は、アクチュエータ100が振動モードで動作するときの様子を説明するための図である。駆動電圧301は、駆動回路219が直流電圧V
Lから生成した連続する交流の基本パルス電圧Pで構成されている。振動波形303は、スマートフォン10の筐体に発生したアクチュエータ100の振動軸方向の加速度を示している。
【0031】
基本パルス電圧の振幅Hnは一定とし、周波数(周期2Tn)は、可動子150の共振周波数またはそれに近い値に設定する。アクチュエータ100は、駆動電圧301を印加した直後の過渡状態を経過すると可動子150がほぼ一定の振幅と駆動電圧301の周波数で振動する。この状態をアクチュエータ100の定常状態という。定常状態ではアクチュエータ100の最大の振動加速度は振幅Hnに応じた一定の値になる。コントローラ217は、すべての基本パルス電圧Pを
図6に示す小パルス電圧Sでスイッチング制御して、定常状態の振動加速度を制御することができる。
【0032】
[衝撃モードで印加する駆動電圧]
図5は、アクチュエータ100が衝撃モードで動作するときの様子を説明するための図である。駆動電圧305は、駆動回路219が直流電圧V
Hから生成した交流の7個の基本パルス電圧P1〜P7で構成されている。駆動電圧305は、6個の加速用の基本パルス電圧P1〜P6と、それに続く減速用の基本パルス電圧P7を含む。
【0033】
以後加速に利用する基本パルス電圧P1〜P6を加速パルス電圧305aといい、減速に利用する基本パルス電圧P7を減速パルス電圧305bという。アクチュエータ100は、加速パルス電圧305aのうち最後尾の基本パルス電圧P6で最大振動加速度G6を得るようになっている。加速パルス電圧305aの個数は、特に限定しないが衝撃性の触覚フィードバックにはできるだけ少ないほうが望ましい。また、減速パルス電圧305bの個数は複数でもよい。
【0034】
駆動電圧305の振幅Hは一定とし、周波数(周期2T)は、共振周波数とそれより10%程度高い周波数の間から可動子150の慣性や、圧縮コイル・バネ109a〜109dのバネ常数などに応じて決定することができる。振動波形311は、左右に振動する可動子150の最大振幅の位置でピーク値Q1〜Q7を示している。振動加速度307は、加速度波形311のピークツーピークの値に対応し、駆動電圧305を時刻t0で印加し時刻t2で停止したときに、スマートフォン10の筐体に発生したアクチュエータ100の振動軸方向の過渡的な振動加速度を示している。
【0035】
この例では、時刻t0で先頭の基本パルス電圧P1が印加され、後続の基本パルス電圧P2〜P5が印加されるにしたがって振動加速度G1〜G6と振動周波数が徐々に上昇し、基本パルス電圧P6を印加した時刻t1で振動周波数がほぼ共振周波数に達して所望の振動加速度(最大振動加速度)G6が得られるようになっている。最大振動加速度G6を得るために必要な基本パルス電圧の数は、アクチュエータごとに決めておくことができる。
【0036】
時刻t2以降も加速パルス電圧305aの印加を継続すれば、やがて振動モードに移行して定常振動をする。ただし、この場合の振動加速度は駆動電圧の波高値がV
Hであるため、波高値がV
Lの駆動電圧による振動モードの振動加速度より大きい。時刻t0〜t1で発生する短時間の強い振動を、人間は指先で一過性の振動すなわち衝撃として感じる。減速パルス電圧305bを印加しない場合には、時刻t1以降で加振力がなくなるため可動子150は自由振動(残振動)をする。
【0037】
衝撃モードではキーボードの高速打鍵に対応できるように、衝撃を発生した後は、すみやかに振動が停止することが望ましい。そのためには、残振動を短時間で強制的に減衰させる必要がある。コントローラ217は、時刻t1であらかじめ決められた加速パルス電圧305aの印加が終了すると、加速パルス電圧305aの周波数より位相が180度進んだ減速パルス電圧305bを制動電圧として印加することで残振動を短時間で減衰させる。
【0038】
ユーザが感じる衝撃性の触覚フィードバックは、最大振動加速度G6の大きさが支配的である。最大振動加速度は加速パルス電圧305aの最後尾の基本パルス電圧が印加されたときに発生する。駆動電圧305では、加速パルス電圧305bの個数を調整することで最大振動加速度を離散的な振動加速度G1〜G6の範囲で調整することができるが、ユーザの好みに応じてきめ細かく調整できれば都合がよい。
【0039】
[最大振動加速度G6の調整]
実験では、加速パルス電圧305aを構成するすべての基本パルス電圧P1〜P6が所定のデューティ比の小パルス電圧になるようにPWM制御すると、最大振動加速度G6をデューティ比αで円滑に調整できないことがわかっている。本実施の形態では一例として
図6に示すように先頭の基本パルス電圧P1だけが小パルス電圧SになるようにPWM制御して平均電圧を低下させる。
【0040】
このようなPWM制御を基本パルス電圧のオン・デューティをPWM制御する方式と区別する意味で、基本パルス電圧を小パルス電圧SでPWM制御するということにする。基本パルス電圧P1の半周期Tに対して小パルス電圧Sの周期をxT(x<1)とすれば、基本パルス電圧P1を1/x個の小パルス電圧SでPWM制御することができる。小パルス電圧Sのデューティ比をαとすれば、小パルス電圧Sのパルス幅はαxTとなる。
【0041】
図7は、小パルス電圧Sのデューティ比αを変化させることで最大振動加速度G6と振動加速度G5の間で変化する振動加速度G6xの実験結果を示している。ここで、デューティ比αが0%のときの振動加速度G6xは5個の基本パルス電圧で生成する最大の振動加速度G5に相当し、デューティ比αが100%のときの振動加速度G6xは6個の基本パルス電圧が生成する最大振動加速度G6に相当する。
【0042】
実験では一例として、駆動電圧305の周波数を156Hzとし、小パルス電圧Sの周波数を10KHzとしている。小パルス電圧Sのデューティ比αを0%から100%まで変化させたときに、デューティ比αが50%のときは振動加速度G6xがほぼ50%近くになり、全体的に振動加速度G6xは直線に近い状態で変化する。したがって、先頭の基本パルス電圧P1のデューティ比αを変化させることで振動加速度G6xを振動加速度G5から最大振動加速度G6の範囲で円滑に調整することができる。
【0043】
システム221は、タッチスクリーン11にデューティ比αに対応する0−100のスライド・バーを表示することができる。ユーザがスライド・バーのボタンにタッチ操作してデューティ比αをコントローラ217に設定すれば、衝撃の強さをスライド・バーのボタンの位置から直感的に認識して調整することができる。
【0044】
図8は、PWM制御による平均電圧の制御対象とする基本パルス電圧P1〜P6の範囲を検証するために行った実験方法を説明するための図である。駆動電圧305P1〜305P6は、6個の加速パルス電圧305aのなかでいずれか1個の基本パルス電圧だけを小パルス電圧SでPWM制御することを示している。たとえば、駆動電圧305P2は、基本パルス電圧P2だけを小パルス電圧SでPWM制御し、その他の基本パルス電圧P1、P3〜P6は基本パルス電圧にすることを示している。先頭の基本パルス電圧P1だけをPWM制御する駆動電圧305P1は、
図6の駆動電圧305に一致する。
【0045】
図9は、このときの実験結果を示している。
図9は、すべての駆動電圧305P1〜305P6において、PWM制御の対象とする基本パルス電圧のデューティ比αを50%にしたときの振動加速度G6xを
図7にプロットしたものである。デューティ比αを50%にしたときの振動加速度G6xが50%であれば、0%〜100%の間で任意に設定したデューティ比αと振動加速度G6x(%)がほぼ比例するため、ユーザは、タッチスクリーン11に表示されたスライド・バーのボタン位置から認識した振動強度に容易に設定できる。
【0046】
図9は、PWM制御の対象とする基本パルス電圧が、最後尾の基本パルス電圧P6に近いほど振動加速度G6xが小さくなることを示している。しかし、すべての基本パルス電圧P1〜P6をPWM制御したときのように、得られる振動加速度G6xが不安定になることはない。基本パルス電圧に設定するデューティ比αの大きさは、当該基本パルス電圧の印加で可動子150を振動させる際に消費するエネルギーに比例する。
【0047】
制御対象の基本パルス電圧が、ともにデューティ比αが50%で同じエネルギーを消費する場合に、駆動電圧305P6は駆動電圧305P1に比べて得られる振動加速度G6xが小さい。したがって、振動加速度G6xを調整する際のエネルギー効率は、先頭に近い基本パルス電圧をPWM制御するほど高くなる。同じデューティ比αでPWM制御された基本パルス電圧P1〜P6がアクチュエータ100に供給するエネルギーまたは加振力はそれぞれ等しいにもかかわらず、先頭に近い基本パルス電圧の平均電圧を制御すると、振動加速度G6x(%)がデューティ比αに近づく理由は以下のように推察できる。
【0048】
振動を開始した直後の可動子150の振動周波数は、共振周波数から大きく外れているが、印加される基本パルス電圧の数が増えるに従って駆動電圧の周波数すなわち共振周波数に近づき、最後尾の基本パルス電圧P6が印加されるときにほぼ共振周波数に到達する。共振周波数に近い振動周波数で振動する可動子150に対する加振力の変化は、共振周波数から外れた振動周波数で振動する可動子150に対する加振力の変化よりも振動加速度に大きな影響を与えると考えられる。
【0049】
また、基本パルス電圧P1〜P6をすべて小パルス電圧SでPWM制御すると、デューティ比αを変えたときに得られる振動加速度G6xが不安定になる。このとき、いずれか1個の基本パルス電圧だけをPWM制御すると不安定さが解消される理由は、PWM制御された基本パルス電圧にリンギングにより発生する高調波成分の量が多くなるほど可動子150の振動に大きな影響を与えているためと考えられる。
【0050】
さまざまな実験と考察により、PWM制御の対象とする基本パルス電圧の数を加速パルス電圧305aの数よりも少ない数にすること、およびできるだけ先頭に近い基本パルス電圧を制御対象とすることで振動加速度G6xをデューティ比αで調整できることがわかった。このときPWM制御の対象とする基本パルス電圧の数は複数個でもよい。なお本実施の形態ではスイッチング制御の方式をPWM制御に限定する必要はなくPFM制御を採用することもできる。
【0051】
図10は、基本パルス電圧のパルス幅をPWM制御する方法を説明する図である。
図10は、半周期Tの基本パルス電圧をデューティ比βでPWM制御する様子を示している。基本パルス電圧のパルス幅をPWM制御すれば、
図6のように基本パルス電圧を小パルス電圧SでPWM制御する場合に比べて、リンギングが少なくスイッチング・ロスを軽減することもできる。
【0052】
これまで本発明について図面に示した特定の実施の形態をもって説明してきたが、本発明は図面に示した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の効果を奏する限り、これまで知られたいかなる構成であっても採用することができることはいうまでもないことである。
【解決手段】リニア・アクチュエータは、加速に利用する所定数の基本パルス電圧P1〜P6と減速に利用する基本パルス電圧P7を印加すると過渡振動領域で往復動作をする。加速期間に印加する最後尾の基本パルス電圧P6の印加に応じて振動加速度が最大になって、電子機器のタッチスクリーンに衝撃を付与する。基本パルス電圧P6を印加したときの振動加速度の大きさを制御するために先頭の基本パルス電圧P1だけを小パルス電圧SでPWM制御する。基本パルス電圧P5に対する加速度と基本パルス電圧P6に対する加速度の間の振動加速度を小パルス電圧Sのデューティ比αにほぼ比例した大きさで制御することができる。