特許第6383112号(P6383112)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社東芝の特許一覧 ▶ 東芝電機サービス株式会社の特許一覧

<>
  • 特許6383112-制御装置 図000002
  • 特許6383112-制御装置 図000003
  • 特許6383112-制御装置 図000004
  • 特許6383112-制御装置 図000005
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6383112
(24)【登録日】2018年8月10日
(45)【発行日】2018年8月29日
(54)【発明の名称】制御装置
(51)【国際特許分類】
   G06F 13/00 20060101AFI20180820BHJP
【FI】
   G06F13/00 351N
【請求項の数】5
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2017-541503(P2017-541503)
(86)(22)【出願日】2016年9月6日
(86)【国際出願番号】JP2016076202
(87)【国際公開番号】WO2017051702
(87)【国際公開日】20170330
【審査請求日】2017年10月23日
(31)【優先権主張番号】特願2015-188741(P2015-188741)
(32)【優先日】2015年9月25日
(33)【優先権主張国】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000003078
【氏名又は名称】株式会社東芝
(73)【特許権者】
【識別番号】598076591
【氏名又は名称】東芝インフラシステムズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】特許業務法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】弘田 達夫
(72)【発明者】
【氏名】岡部 基彦
【審査官】 大石 博見
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2002/086712(WO,A1)
【文献】 国際公開第2014/165077(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 13/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
外部の制御対象機器の制御に関わる複数のモジュールを有する制御装置であって、
前記複数のモジュールは、
前記モジュールの制御に関する制御データを算出し、当該制御データに基づいて前記複数のモジュールを制御し、前記制御対象機器および前記モジュールの少なくとも一方の故障に関する第1情報を取得し、かつ当該取得した第1情報を、第1ネットワークを介して、監視装置に対して送信するコントローラモジュールと、
前記制御データおよび前記第1情報を記憶可能なメモリを有し、前記第1ネットワークとは異なる第2ネットワークを介して、前記監視装置を含む外部装置に対して、所定時間毎に、前記メモリに記憶された前記制御データおよび前記第1情報を送信する通信モジュールと、
を備えた制御装置。
【請求項2】
前記モジュール同士を接続するフィールドバスをさらに備え、
前記フィールドバスを介さずに、前記各モジュールから、前記第1情報を取得して、当該取得した第1情報を前記メモリに書き込む検知部を備えた請求項1に記載の制御装置。
【請求項3】
前記検知部は、前記コントローラモジュールを介さずに、前記各モジュールから前記第1情報を取得する請求項2に記載の制御装置。
【請求項4】
前記検知部は、前記コントローラモジュールを制御して、前記フィールドバスを介して前記メモリにアクセスして、当該アクセスの成否に従って、前記フィールドバスおよび前記メモリの故障を検知し、前記フィールドバスおよび前記メモリの故障の検知結果を前記第1情報として取得する請求項3に記載の制御装置。
【請求項5】
前記メモリは、当該メモリに記憶された前記第1情報の誤りを検知しかつ訂正する機能を有する請求項1に記載の制御装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
マイクロコンピュータ(所謂、マイコン)を有するコンピュータでは、機能拡張用のモジュール間を接続するインタフェースとして、PCI-Expressが広く普及している。また、フィールド機器,モータ,バルブ,センサ,流量計等の制御対象機器を制御および監視する制御装置においても、PCI-Expressを備えたものが普及してきている。
【0003】
また、制御装置のマザーボードに実装された複数のモジュールの故障を検知する故障診断においては、制御装置を制御するモジュールであるコントローラモジュールが、PCI-Expressを介して、各モジュールの故障を検知するとともに、通信用のモジュールを介して、外部の監視装置に対して、各モジュールの故障の検知結果を通知している。
【0004】
ここで、コントローラモジュールにおける各モジュールの故障の検知方法としては、各モジュールが備えるメモリに記憶されたエラー情報を定期的に読み出す方法(所謂、ポーリング)、各モジュールからの割り込み信号により当該各モジュールの異常箇所を検知する方法等が一般的に用いられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2013−211773号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、コントローラモジュールが監視装置に対して各モジュールの故障の検知結果を通知する方法においては、コントローラモジュール自体に異常が発生した場合に、監視装置に対して、当該検知結果を通知することができない。
【課題を解決するための手段】
【0007】
実施形態の制御装置は、外部の制御対象機器の制御に関わる複数のモジュールを有する制御装置であって、当該複数のモジュールは、コントローラモジュールと、通信モジュールと、を備える。コントローラモジュールは、モジュールの制御に関する制御データを算出し、当該制御データに基づいて複数のモジュールを制御し、制御対象機器およびモジュールの少なくとも一方の故障に関する第1情報を取得し、かつ当該取得した第1情報を、第1ネットワークを介して、監視装置に対して送信する。通信モジュールは、制御データおよび第1情報を記憶可能なメモリを有し、第1ネットワークとは異なる第2ネットワークを介して、監視装置を含む外部装置に対して、所定時間毎に、メモリに記憶された制御データおよび第1情報を送信する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、本実施形態にかかる制御システムの構成の一例を示す図である。
図2図2は、本実施形態にかかる制御システムの制御装置の機能構成の一例を示す図である。
図3図3は、本実施形態にかかる制御システムにおける制御データおよび故障情報の共有処理の一例を説明するための図である。
図4図4は、本実施形態にかかる制御システムにおける制御データおよび故障情報の共有処理の一例を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、添付の図面を用いて、本実施形態にかかる制御装置を適用した制御システムについて説明する。
【0010】
図1は、本実施形態にかかる制御システムの構成の一例を示す図である。図1に示すように、本実施形態にかかる制御システムは、複数の制御装置101、計算機201、監視装置301、制御対象機器501等を有している。制御対象機器501は、フィールド機器、モータ、バルブ、センサ、流量計など、後述する制御装置101によって制御される外部機器である。
【0011】
制御装置101は、外部の制御対象機器501の制御に関わる複数のモジュールを有する。そして、制御装置101は、当該モジュールによって制御系の演算処理を実行して、TC-net I/O(登録商標)401を介して、制御対象機器501を制御する。また、制御装置101は、イーサネット(登録商標)等の情報系のネットワークNT1(以下、情報系ネットワークと言う。第1ネットワークの一例)を介して、他の制御装置101、計算機201、監視装置301等と接続されている。そして、制御装置101は、情報系ネットワークNT1を介して、外部の監視装置301に対して、故障情報を送信する。ここで、故障情報(所謂、RAS情報。第1情報の一例)は、制御装置101が有するモジュール自身および制御対象機器501の少なくとも一方の故障に関する情報である。
【0012】
さらに、制御装置101は、IEC61784-2/61158で標準化されたTC-net(登録商標)であるリアルタイムイーサネット(登録商標)等に従った制御系のネットワークNT2(以下、制御系ネットワークと言う。第2ネットワークの一例)を介して、他の制御装置101、監視装置301、および計算機201と接続されている。また、制御装置101は、制御データおよび故障情報を記憶可能なスキャンメモリ105aを有する。ここで、制御データは、制御装置101が有するモジュールの制御に関する情報である。そして、制御装置101は、制御系ネットワークNT2を介して、スキャンメモリ105aに記憶された制御データおよび故障情報を、他の制御装置101(外部装置の一例)、監視装置301、および計算機201(外部装置の一例)に対して、定期的に(所定時間毎に)、同報送信する。本実施形態では、制御装置101は、制御データおよび故障情報を、監視装置301、他の制御装置101、および計算機201(以下、監視装置301等と記載する)に対して、所定時間毎に同報送信しているが、制御データおよび故障情報を、監視装置301等に対して、所定時間毎に送信するものであれば良い。これにより、制御装置101は、スキャンメモリ105aに記憶された制御データおよび故障情報を、他の制御装置101、監視装置301、および計算機201と共有する。
【0013】
監視装置301は、情報系ネットワークNT1および制御系ネットワークNT2を介して、複数の制御装置101、計算機201、および監視装置301と接続される。そして、監視装置301は、情報系ネットワークNT1または制御系ネットワークNT2を介して制御装置101から受信した故障情報に基づいて、制御装置101および計算機201の状態を検知、TC-net I/O401や制御対象機器501の状態の検知等を行う。計算機201は、情報系ネットワークNT1および制御系ネットワークNT2を介して、制御装置101および監視装置301と接続されている。そして、計算機201は、制御系ネットワークNT2を介して、制御装置101から受信した故障情報に基づいて、制御装置101を制御するための演算処理を実行する。また、計算機201は、当該演算処理により算出する制御データを、制御系ネットワークNT2を介して、所定時間毎に、制御装置101に対して送信する。
【0014】
図2は、本実施形態にかかる制御システムの制御装置の機能構成の一例を示す図である。図2に示すように、本実施形態では、制御装置101は、当該制御装置101内の各モジュールを実装するベースユニット102を有する。ベースユニット102に実装されたモジュールは、電源モジュール103、コントローラモジュール104、制御伝送モジュール105、I/O制御モジュール106、拡張モジュール107、および故障監視IC108である。そして、制御装置101内の複数のモジュール同士は、PCI-Express109(フィールドバスの一例)を介して互いに接続されている。
【0015】
電源モジュール103は、制御装置101内のモジュールに電源を供給する。コントローラモジュール104は、制御データを算出する。そして、コントローラモジュール104は、当該算出する制御データに基づいて、制御装置101内のモジュールを制御する。本実施形態では、コントローラモジュール104は、CPU(Central Processing Unit)104a、記憶装置104b、DDR(Double Data Rate) SDRAM(Synchronous Dynamic Random Access Memory)104c、および通信I/F104dを有する。
【0016】
CPU104aは、後述する記憶装置104bに記憶される制御プログラムを実行して、制御装置101全体を制御する制御部である。具体的には、CPU104aは、制御装置101内のモジュールを制御するための制御系の演算(例えば、制御データの算出)を実行するとともに、当該演算の結果に従って、PCI-Express109を介して、各モジュールを制御する。また、CPU104aは、通信I/F104dを制御して、情報系ネットワークNT1を介して接続された他の制御装置101や計算機201や監視装置301等と通信可能である。
【0017】
本実施形態では、CPU104aは、後述する故障監視IC108から故障情報を取得し、当該取得した故障情報を記憶装置104bに書き込む。また、CPU104aは、通信I/F104dを制御して、情報系ネットワークNT1を介して、記憶装置104bに記憶された故障情報を監視装置301に対して送信する。
【0018】
記憶装置104bは、CPU104aにより実行される制御プログラムや、制御データ、故障情報等の各種情報を記憶可能である。DDR SDRAM104cは、CPU104aによって各種演算が実行される際の作業領域として機能する。具体的には、DDR SDRAM104cは、CPU104aによる演算結果、監視装置301に送信する故障情報等の各種情報を記憶する。また、DDR SDRAM104cは、当該DDR SDRAM104cに記憶した故障情報の誤りを検知し、検知した誤りを訂正するECC(Error Check Correct)機能を有する。通信I/F104dは、情報系ネットワークNT1を介して接続された他の制御装置101や計算機201や監視装置301等の外部装置と通信可能である。
【0019】
制御伝送モジュール105(通信モジュールの一例)は、スキャンメモリ105aおよび制御デバイス105bを有する。スキャンメモリ105aは、他の制御装置101、監視装置301、および計算機201と共有する情報(例えば、制御データおよび故障情報)を記憶可能なメモリの一例である。本実施形態では、スキャンメモリ105aは、当該スキャンメモリ105aに記憶された制御データや故障情報等の誤りを検知し、当該検知した誤りを訂正するECC機能を有している。
【0020】
制御デバイス105bは、制御系ネットワークNT2を介して、他の制御装置101や計算機201から、制御データを受信する。また、制御デバイス105bは、PCI-Express109を介して、コントローラモジュール104により算出される制御データを取得する。また、制御デバイス105bは、後述する故障監視IC108から故障情報を取得する。制御デバイス105bは、他の制御装置101や計算機201から取得した制御データ、コントローラモジュール104から取得する制御データ、および故障監視IC109から取得する故障情報をスキャンメモリ105aに書き込む。そして、制御デバイス105bは、制御系ネットワークNT2を介して、他の制御装置101や監視装置301や計算機201等の外部装置に対して、スキャンメモリ105aに記憶された制御データおよび故障情報をスキャン伝送する。ここで、スキャン伝送は、他の制御装置101や監視装置301や計算機201等の外部装置に対して、スキャンメモリ105aに記憶された制御データおよび故障情報を同報送信する。これにより、制御装置101は、他の制御装置101や監視装置301や計算機201等の外部装置と、スキャンメモリ105aに記憶された制御データおよび故障情報を共有する。本実施形態では、制御デバイス105bは、所定時間毎に、他の制御装置101や監視装置301や計算機201等の外部装置に対して、スキャンメモリ105aに記憶された制御データおよび故障情報をスキャン伝送する。
【0021】
I/O制御モジュール106は、TC-net I/O Loop等のフィールドバスFBを介して接続された制御対象機器501と通信可能である。本実施形態では、I/O制御モジュール106は、制御デバイス106aとスキャンメモリ106bを有する。スキャンメモリ106bは、制御対象機器501と共有する故障情報を記憶する。ここで、故障情報は、制御対象機器501において発生した異常に関する情報である。
【0022】
制御デバイス106aは、制御対象機器501から、故障情報の通知を受信し、当該受信した故障情報をスキャンメモリ106bに書き込む。さらに、制御デバイス106aは、フィールドバスFBを介して接続された制御対象機器501に対して、スキャンメモリ106bに記憶された故障情報を所定時間毎に同報送信する。これにより、制御装置101は、制御対象機器501と、スキャンメモリ106bに記憶された故障情報を共有する。
【0023】
拡張モジュール107は、計算機201や監視装置301や制御対象機器501以外のその他の機器とのインタフェース機能やメモリ拡張機能等を実現するモジュールである。故障監視IC108(検知部の一例)は、コントローラモジュール104を含む制御装置101が有する各モジュールの故障情報を取得して、当該取得した故障情報を、制御デバイス105bを介してスキャンメモリ105aに書き込む。また、故障監視IC108は、I/O制御モジュール106のスキャンメモリ106bに記憶される故障情報を取得し、当該取得した故障情報を、制御デバイス105bを介してスキャンメモリ105aに書き込む。
【0024】
本実施形態では、故障監視IC108は、GPIO(General Purpose Input / Output)やLPC(Low Pin Count)インタフェースや制御装置101内のモジュールの故障を検知する。そして、故障監視IC108は、当該各モジュールの故障の検知結果を含む故障情報およびI/O制御モジュール106のスキャンメモリ106bから取得した故障情報を、CPU104aを介して、記憶装置104bに書き込む。また、故障監視IC108は、各モジュールの故障の検知結果を含む故障情報を、制御デバイス105bを介してスキャンメモリ105aに書き込む。
【0025】
次に、図2〜4を用いて、本実施形態にかかる制御システムにおける制御データおよび故障情報の共有処理について説明する。図3および図4は、本実施形態にかかる制御システムにおける制御データおよび故障情報の共有処理の一例を説明するための図である。本実施形態では、図3に示すように、制御対象機器501における故障の発生の有無に関わらず、各制御装置101の制御デバイス105bは、制御系ネットワークNT2を介して、他の制御装置101、監視装置301、および計算機201に対して、所定時間毎に、スキャンメモリ105aに記憶された制御データおよび故障情報Iを送信する。これにより、図3に示すように、時刻tにおいて、制御対象機器501(例えば、上水道の処理場に設けられるポンプ)または制御装置101のモジュールが故障した際に、情報系ネットワークNT1が混雑していたり、コントローラモジュール104が故障したりしていても、当該コントローラモジュール104から情報系ネットワークNT1を介して監視装置301に故障情報I1(t),I2(t)を送信できない場合でも、制御デバイス105bが、制御系ネットワークNT2を介して、他の制御装置101や監視装置301や計算機201に対して故障情報I1(t),I2(t)を送信できる。よって、制御対象機器501またはコントローラモジュール104が故障した場合でも、監視装置301において、制御対象機器501および制御装置101のモジュールの故障を特定し易くすることができる。
【0026】
また、図4に示すように、時刻t+Δtにおいて制御対象機器501または制御装置101のモジュールに故障が発生した際に、情報系ネットワークNT1が混雑していたり、コントローラモジュール104が故障したりしていても、各制御装置101の制御デバイス105bは、制御系ネットワークNT2を介して接続された他の制御装置101、監視装置301、および計算機201に対して、所定時間毎に、スキャンメモリ105aに記憶される制御データおよび故障情報I1(t+Δt),I2(t+Δt)を送信し続ける。そのため、情報系ネットワークNT2を介して接続された各制御装置101のスキャンメモリ105aに記憶される故障情報I1(t+Δt),I2(t+Δt)が送信できずに滞留することを防止できる。
【0027】
次に、図2を用いて、本実施形態にかかる制御システムにおける故障の検知処理について説明する。本実施形態では、故障監視IC108は、コントローラモジュール104のPOSTコード、DDR SDRAM104cのSMART(Self-Monitoring, Analysis and Reporting Technology)情報、DDR SDRAM104cのECC機能により検知されたエラー、電源モジュール103の異常、拡張モジュール107のエラー情報を、PCI-Express109を介さずに、各モジュール(電源モジュール103、コントローラモジュール104、制御伝送モジュール105、I/O制御モジュール106、拡張モジュール107など)から、故障情報として取得する。これにより、コントローラモジュール104と制御伝送モジュール105とを結ぶインタフェース(PCI-Express109)が故障した場合でも、故障情報を制御伝送モジュール105のスキャンメモリ105aに書き込むことができるので、当該故障情報を、制御系ネットワークNT2を介して監視装置301に通知できる。
【0028】
また、故障監視IC108は、コントローラモジュール104から故障情報を取得する際、コントローラモジュール104が故障して動作できない場合でも、コントローラモジュール104を介さずに、各モジュールから、故障情報を取得する。そして、故障監視IC108は、取得した故障情報を、制御伝送モジュール105のスキャンメモリ105aに書き込む。これにより、コントローラモジュール104に故障が発生して、PCI-Express109を介してコントローラモジュール104にアクセスすることができない場合でも、各モジュールの故障情報を取得することができるので、取得した故障情報を制御系ネットワークNT2を介して監視装置301に対して故障情報を送信することができる。
【0029】
次に、図2を用いて、本実施形態にかかる制御システムにおける故障の検知処理の他の例について説明する。故障監視IC108は、コントローラモジュール104aを制御して、PCI-Express109を介して、制御伝送モジュール105のスキャンメモリ105aにアクセスして、当該アクセスの成否に従って、PCI-Express109およびスキャンメモリ105aの故障(所謂、ヘルシー状態)を検知するヘルシーカウンタ機能を有する。
【0030】
本実施形態では、故障監視IC108は、所定時間毎に、PCI-Express109を介して、スキャンメモリ105aにアクセスして、ヘルシー状態を検知する。そして、故障監視IC108は、ヘルシー状態の検知結果を故障情報として取得して、当該取得した故障情報をスキャンメモリ105aに書き込む。これにより、ヘルシー状態を含む故障情報を監視装置301に通知することができるので、制御装置101内で発生した故障をより詳細に監視装置301において管理することができる。
【0031】
次に、図2を用いて、本実施形態にかかる制御装置101のスキャンメモリ105aが有するECC機能について説明する。本実施形態では、スキャンメモリ105aは、ECC機能を有している。スキャンメモリ105aは、当該スキャンメモリ105aに記憶される故障情報のエラーを検知する。
【0032】
そして、スキャンメモリ105aは、検知したエラーが訂正可能なコレクタブルエラーである場合には、故障情報を訂正する。一方、スキャンメモリ105aは、検知したエラーが訂正不可能なアンコレクタブルエラーである場合には、故障情報にアンコレクタブルエラーがあることをコントローラモジュール104に通知する。これにより、エラーが訂正された故障情報を監視装置301に通知することができるので、故障情報を記憶するスキャンメモリ105aの信頼性を確保することができる。
【0033】
このように、本実施形態にかかる制御装置101によれば、情報系ネットワークNT2が混雑していたり、コントローラモジュール104が故障したりしていても、監視装置301において、制御対象機器501および制御装置101のモジュールの故障を特定し易くすることができる。
【0034】
本発明の実施形態を説明したが、この実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。この新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。この実施形態は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
図1
図2
図3
図4