(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明の実施形態に係るコネクタ(たとえばオスコネクタ)1は、たとえば、
図11で示すように、燃焼圧センサ素子(図示せず)を一体として有し、エンジン3のシリンダヘッド等のコネクタ設置体5に、たとえば螺合することで締結されて使用されるものであり、
図1、
図2で示すように、工具係合部(締結部)7とフード部9とリブ11とを備えて構成されている。なお、工具係合部7は、金属で構成されており、フード部9とリブ11とは絶縁性を備えた合成樹脂で構成されており、フード部9とリブ11とは一体成形されている。
【0016】
工具係合部7は、オスコネクタ1をコネクタ設置体5に締結をするときに使用されるものであり、工具(図示せず)が係合する多角柱状(正多角柱状)に形成されている。
【0017】
フード部9は、工具係合部7の中心軸C1の延伸方向の一方の側で工具係合部7に一体的に設けられている。工具係合部7の中心軸C1の延伸方向から見ると、
図1で示すように、フード部9は、工具係合部7の内側に位置しており、また、外周13の角数が工具係合部7の外周15の角数よりも少ない多角柱(正多角柱)の筒状に形成されている。
【0018】
フード部9の中心軸は工具係合部7の中心軸C1と一致している。また、フード部9の内周の角数も外周の各数と等しくなっており、フード部9の外周13の各角部19(19A,19B,19C)の偏角のそれぞれと、フード部9の内周17の各角部21(21A,21B,21C)の偏角のそれぞれとはお互いが一致している。
【0019】
すなわち、フード部9の中心軸C1および工具係合部7の中心軸C1との延伸方向が見たときの中心軸C1を極座標の原点とし、フード部9の外周13の各角部19(19A,19B,19C)のうちの所定の1つの角部19Aの偏角を0°とすると、フード部9の外周13の各角部19(19A,19B,19C)の動径r
foのそれぞれは、お互いが等しくなっており、フード部9の外周13の各角部19(19A,19B,19C)の偏角θ
foのそれぞれは、θ
fo=(360°/n
fo)×m
foになっている。ただし、n
foは、3よりも大きい自然数であり、m
foは、0、1・・・(n
fo−1)である。また、フード部9の内周17の各角部21(21A,21B,21C)の動径r
fi(ただし、r
fi<r
fo)のそれぞれは、お互いが等しくなっており、フード部9の内周17の各角部21(21A,21B,21C)の偏角θ
fiのそれぞれは、偏角θ
foのそれぞれと等しくなっている。これにより、フード部9の肉厚がほぼ一定になっている。
【0020】
また、工具係合部7の外周15の各角部23(23A,23B,23C,23D,23E,23F)の動径r
to(ただし、r
fo<r
to)のそれぞれは、お互いが等しくなっており、工具係合部7の外周15の各角部23(23A,23B,23C,23D,23E,23F)の偏角θ
toのそれぞれは、θ
to=(360°/n
to)×m
toになっている。ただし、n
toは、n
foよりも大きい自然数であり、m
toは、0、1、・・・(n
to−1)である。
【0021】
さらに、詳しくは後述するが、フード部9の外周13の各角部19(19A,19B,19C)のうちの少なくとも1つの角部の偏角θ
foと、工具係合部7の外周15の各角部23(23A,23B,23C,23D,23E,23F)のうちの少なくとも1つの角部の偏角θ
toとはお互いが一致していることが望ましい。
【0022】
また、工具係合部7の中心軸C1の延伸方向から見ると、工具係合部7は正六角形状に形成されているが、フード部9の外周13は、たとえば、概ね正三角形状に形成されており、完全な正三角形状に形成されているのではない。
【0023】
つまり、フード部9の各辺部25は、外側に凸な円弧状(半径が大きい円弧であってほぼ直線とみなせる程度の円弧状)に形成されている。なお各辺部25が直線状であってもよい。フード部9の各角部19は尖っておらず円弧状に丸められている。
【0024】
また、リブ11は、工具係合部7の中心軸C1の延伸方向から見たときに、フード部9の外周13の各辺部25(25A,25B,25C)であって工具係合部7の各角部23のうちの所定の角部23B,23C,23Fと向かい合っている(対向している)辺部に設けられている。さらに説明すると、リブ11は、工具係合部7の中心軸C1の延伸方向から見たときに、工具係合部7の内側に設けられており、各辺部25は、お互いが隣接する角部19の間で延伸している。具体的には、リブ11Aは、角部23Bからの距離が最も小さい辺部25Aに設けられており、リブ11Bは、角部23Dからの距離が最も小さい辺部25Bに設けられており、リブ11Cは、角部23Fからの距離が最も小さい辺部25Cに設けられている。
【0025】
工具係合部7の中心軸C1の延伸方向から見たときに、
図1で示すように、リブ11は、フード部9の外周から外側(フード部9の中心軸C1から離れる側)に突出している。また、リブ11は、フード部9の外周13の辺部25から工具係合部7の角部(外周15の角部であって辺部25に対向している角部)23のところにわたって設けられていている。
【0026】
たとえば、1つ目のリブ11Aは、辺部25Aから角部23Bのところにわたって設けられており、2つ目のリブ11Bは、辺部25Bから角部23Dのところにわたって設けられており、3つ目のリブ11Cは、辺部25Cから角部23Fのところにわたって設けられている。
【0027】
ただし、必ずしもこのように設けられている必要は無い。たとえば、工具係合部7の中心軸C1の延伸方向から見たときに、
図3で示すように、リブ11のうちの少なくとも一部のリブ11が、フード部9の外周13の辺部25から工具係合部7の角部23を離れたところにわたって設けられていてもよい。
【0028】
たとえば、1つ目のリブ11Aが、辺部25Aから角部23Bを離れた部位にわたって設けられており、2つ目のリブ11Bが、辺部25Bから角部23Dを離れた部位にわたって設けられており、3つ目のリブ11Cが、辺部25Cから角部23Fのところにわたって設けられていてもよい。
【0029】
また、
図1や
図3で示すものでは、リブ11が、フード部9の外周13の総ての辺部25に設けられているが、必ずしもこのように構成されている必要はなく、フード部9の外周13の各辺部25のうちの少なくとも1つの辺部にリブ11が設けられていてもよい。
【0030】
オスコネクタ1についてさらに説明すると、上述したように、オスコネクタ1の工具係合部7は六角柱状に形成されており、フード部9は三角柱の筒状に形成されている。
【0031】
また、工具係合部7の中心軸C1の延伸方向から見ると、
図1、
図3で示すように、工具係合部7は正六角形状に形成されているが、フード部9の外周13は概ね正三角形状に形成されており、上述したように、完全な正三角形状に形成されているのではない。
【0032】
工具係合部7の中心軸C1の延伸方向から見ると、工具係合部7の6つの角部23(23A〜23F)のうちで1つおきに配置されている第1群の3つの角部23A,23C,23Eの各偏角0°,120°,240°のそれぞれと、フード部9の外周13の3つの角部19A,19B,19Cの各偏角のそれぞれとがお互いに一致している(各偏角のそれぞれが0°,120°,240°になっている)。
【0033】
リブ11は、フード部9の外周13の辺部25(たとえば3つ辺部25A,25B,25C)それぞれの中間部(たとえば中央部)に設けられている。リブ11(11A,11B,11C)は、工具係合部7の第1群の以外の第2群の3つの角部23B,23D,23Fのところにわたって設けられている。
【0034】
すなわち、工具係合部7の外周15の各角部23の偏角θ
toのそれぞれは、θ
to=0°、60°、120°、180°、240°、300°になっており、フード部9の外周13の各角部19の偏角θ
foのそれぞれは、0°、120°、240°になっている。リブ11の偏角θ
toのそれぞれは、60°、180°、300°になっている。
【0035】
なお、上述したように、リブ11A,11Bが、角部23B,23Dから離れていてもよい(
図3参照)。
【0036】
また、工具係合部7の中心軸C1の延伸方向から見ると、
図1等で示すように、工具係合部7の第1群の3つの角部23A,23C,23Eの各偏角のそれぞれと、フード部9の外周13の3つの角部19A,19B,19Cの各偏角のそれぞれとがお互いに一致しているが、角部23Aは角部19Aよりも外側(中心軸C1から離れた側)に位置しており、角部23Cは角部19Bよりも外側(中心軸C1から離れた側)に位置しており、角部23Eは角部19Cよりも外側(中心軸C1から離れた側)に位置している。
【0037】
また、工具係合部7の中心軸C1の延伸方向から見ると、
図1等で示すように、フード部9の外周13の円弧状に丸められている各角部19の円弧が、工具係合部7の一対の辺部39に接しているかもしくはごくわずかに離れている。すなわち、角部19Aの円弧が辺部39Fと辺部39Aとに近接しており、角部19Bの円弧が辺部39Bと辺部39Cとに近接しており、角部19Cの円弧が辺部39Dと辺部39Eとに近接している。
【0038】
また、図示してはいないが、工具係合部が八角柱状に形成されており、フード部が四角柱状の筒状に形成されており、工具係合部の中心軸の延伸方向から見ると、工具係合部の8つの角部のうちで1つおきに配置されている第1群の4つの角部の各偏角のそれぞれとフード部の外周の4つの角部の各偏角のそれぞれとがお互いに一致しており、リブが、フード部の外周の辺部(たとえば4つ辺部それぞれ)の中間部から、工具係合部の第1群の以外の第2群の4つの角部のところにわたって設けられていてもよい。
【0039】
さらに、工具係合部が10角柱状等の偶数の柱状に形成されており、フード部が工具係合部の半分の角部の柱状で筒状に形成されており、工具係合部の各角部のうちで1つおきに配置されている第1群の各角部のそれぞれとフード部の外周の各角部のそれぞれとの偏角がお互いに一致しており、リブが、フード部の外周の各辺部の中間部から、工具係合部の第1群の以外の第2群の各角部のところにわたって設けられていてもよい。
【0040】
ところで、オスコネクタ1には、
図6等で示すように、相手側コネクタ(たとえばメスコネクタ)27が接合されるように構成されている。
【0041】
オスコネクタ1のフード部9には、
図3等で示すように、突出部29が設けられている。突出部29は、工具係合部7の中心軸C1の延伸方向から見たときに工具係合部7の内側でフード部9の外周13に設けられており、工具係合部7の中心軸C1から離れる側に突出している。また、突出部29は、
図6等で示すように、メスコネクタ27が接合されたときにメスコネクタ27の被係止部31が係止される係止部33を構成している。
【0042】
そして、メスコネクタ27をオスコネクタ1に接合するときにメスコネクタ27の被係止部31が突出部29を乗り越えることで、被係止部31が係止部33に係止されてオスコネクタ1にメスコネクタ27が接合されるように構成されている。
【0043】
さらに説明すると、フード部9は、
図4等で示すように、筒状のシール設置部35と内部にオス端子43が設けられる筒状の端子設置部37とを備えて構成されている。端子設置部37の中心軸の延伸方向の一方の側にシール設置部35が位置しており、端子設置部37の中心軸の延伸方向の他方の側に工具係合部7が位置している。端子設置部37の中心軸とシール設置部35の中心軸と工具係合部7の中心軸C1とはお互いが一致している。
【0044】
筒状のシール設置部35の外径(外形)と筒状の端子設置部37の外径(外形)とはお互いがほぼ等しくなっている。筒状のシール設置部35の内径(外形)は筒状の端子設置部37の内径(内形)よりも大きくなっている。
【0045】
突出部29は、たとえば、工具係合部7の中心軸C1の延伸方向から見たときに、
図3で示すように、フード部9の角部19Bから工具係合部7の角部23Cのところにわたって設けられている。
【0046】
また、係止部33は凹部41を備えて構成されている。凹部41は、メスコネクタ27の被係止部31の引っ掛かり高さH(
図5、
図6参照)を大きくするためのものであり、突出部29に隣接して端子設置部37の外周に設けられており、工具係合部7の中心軸C1に近づく側に凹んでいる。工具係合部7の中心軸C1の延伸方向から見たときに、突出部29の偏角と凹部41の偏角とはお互いが等しくなっており、工具係合部7の中心軸C1の延伸方向では、凹部41は突出部29よりも工具係合部7側に位置している。
【0047】
なお、
図6では、工具係合部7の中心軸C1との延伸方向で、凹部41だけでなく突出部29も、端子設置部37の外周に設けられているが、突出部29を、シール設置部35に設けてもよいし、シール設置部35と端子設置部37とにわたって設けてもよい。
【0048】
筒状のシール設置部35の外径(外形)と筒状の端子設置部37の外径(外形)とがお互いがほぼ等しくなっており、筒状の端子設置部37の内径が筒状のシール設置部35の内径よりも小さくなっていることで、筒状の端子設置部37の筒の肉厚がシール設置部35の肉厚よりも厚くなっており、凹部41を設けた箇所における肉厚W1であっても、シール設置部35の肉厚より厚くなっている。
【0049】
メスコネクタ27は、
図6等で示すように、メス端子本体部(相手側端子本体部;インナハウジング)45とメス端子47とパッキン(シール)49と筒状のハウジング(アウタハウジング)51を備えている。ハウジング51には、片持ち梁状の弾性アーム53が設けられている。メスコネクタ27は、工具係合部7の中心軸C1の延伸方向で工具係合部7の反対側からオスコネクタ1に接合されるようになっている。メスコネクタ27がオスコネクタ1に接合されるとき、オスコネクタ1(シール設置部35と端子設置部37の一部)がメスコネクタ27のハウジング51の内側に入り込むようになっている。このとき、オスコネクタ1の中心軸C1(端子設置部37の中心軸)の延伸方向と、メスコネクタ27のハウジング51の中心軸の延伸方向とはお互いが一致している。
【0050】
弾性アーム53は、筒状のハウジング51の肉部の一部を構成するようにして、オスコネクタ1の中心軸C1の延伸方向に伸びている。弾性アーム53の先端部に設けられている被係止部31の一部は、筒状のハウジング51の内側(中心軸C1側)に突出している。
【0051】
ここで、オスコネクタ1の中心軸C1の延伸方向とのハウジング51の中心軸の延伸方向とがお互いが一致しており、弾性アーム53の基端が工具係合部7とは反対側に位置し弾性アーム53の先端が工具係合部7側に位置するようにして、メスコネクタ27がフード部9を間にして工具係合部7とは反対側に位置しオスコネクタ1から離れている状態を組み付け準備状態とする。
【0052】
この組み付け準備状態で、メスコネクタ27を工具係合部7側に移動すると、まず、弾性アーム53の先端部に被係止部31が突出部29に当接し、被係止部31が突出部29にのり上げて、弾性アーム53が外側に弾性変形して撓む。
【0053】
メスコネクタ27を工具係合部7側にさらに移動すると、被係止部31が突出部29を乗り越えて、凹部41に到達するとともに、弾性アーム53が復元し、メスコネクタ27のオスコネクタ1への接合が終了する。
【0054】
メスコネクタ27がオスコネクタ1に接合された状態では、
図6等で示すように、メス端子本体部45がフード部9内に入り込み、オスコネクタ1のオス端子43とメスコネクタ27のメス端子47とがお互いに接続されているとともに、メス端子本体部45とシール設置部35との間に環状のパッキン49が入り込んでオス端子43とメス端子47とのシールがされている。
【0055】
また、メスコネクタ27がオスコネクタ1に接合された状態では、被係止部31が凹部41に入り込み、凹部41の突出部側端面(突出部29と凹部41との境界面であって工具係合部7の中心軸C1に対して直交する面)55に、被係止部31の基端側端面(弾性アーム53と筒状のハウジング51の内側に突出している被係止部31の部位との境界面であって工具係合部7の中心軸C1に対して直交する面)57が当接している。このお互いが当接している面の高さ方向の寸法(工具係合部の中心軸に対して直交する所定の一方向の寸法)Hは、突出部29の突出高さと凹部41の深さとの和(突出部29の頂上から凹部41の底かまでの深さ)になっている。
【0056】
また、ハウジング51の内周には、
図8等で示すように、ハウジング51の中心軸の遠心方向に延びた溝(細長い凹部)59が形成されており、メスコネクタ27がオスコネクタ1に接合されるとき、溝59にリブ11が入り、メスコネクタ27がガイドされ間口合わせがされるようになっている。
【0057】
次に、各コネクタ1,27の設置作業について説明する。
【0058】
まず、オスコネクタ1をエンジン3のシリンダヘッドに設置する。この設置は、オスコネクタ1の工具係合部7に工具(図示せず)を係合させて、オスコネクタ1を回転させシリンダヘッドに螺合させることでなされる。
【0059】
次に、上述した組み付け準備状態とし、この組み付け準備状態で、メスコネクタ27を工具係合部7側に、被係止部31が突出部29を乗り越えて凹部41に到達するまで移動することで、メスコネクタ27のオスコネクタ1への接合が終了し、オス端子43とメス端子47との接続がなされ、パッキン49によるシールがされる。
【0060】
オスコネクタ1によれば、工具係合部7の中心軸C1の延伸方向からみると、フード部9が工具係合部7の内側に位置しており、フード部9の角数が工具係合部7の角数よりも少なくなっており、リブ11が、工具係合部7の内側でフード部9の外周の辺部25に設けられているので、フード部9の外周13の辺部25と工具係合部7の角部23との間のスペースを有効利用して、工具係合部7のサイズを大きくすることなくフード部9に設けられるリブ11を大きくすることができる。
【0061】
また、工具係合部7のサイズを大きくする必要が無いので、従来から使用していた工具(締結治具)をそのままオスコネクタ1に係合(外嵌)させることができる。
【0062】
また、オスコネクタ1によれば、工具係合部7が六角柱状に形成されており、フード部9が三角柱状の筒状に形成されており、工具係合部7の中心軸C1の延伸方向から見ると、工具係合部7の6つの角部23のうちで1つおきに配置されている第1群の3つの角部23A,23C,23Eのそれぞれと、フード部9の外周13の3つの角部19A,19B,19Cのそれぞれとの偏角が一致しているので、フード部9の各辺部25の中央部のそれぞれから工具係合部7の第2群の各角部23B,23D,23Fのそれぞれのところにわたって設けることかでき、リブ11の突出高さ(工具係合部7の中心軸C1から離れる方向の突出高さを)を最も高くしてリブ11をバランス良く設けることができる。
【0063】
また、オスコネクタ1によれば、工具係合部7の中心軸C1の延伸方向から見たときに工具係合部7の内側でフード部9の外周13に設けられメスコネクタ27が接合されたときにメスコネクタ27の被係止部31が係止される係止部33を構成する突出部29を有するので、メスコネクタ27との係止代を確保し、嵌合状態を確実に維持することができる。
【0064】
すなわち、
図6で示すように、メスコネクタ27がオスコネクタ1に接合された状態で、被係止部31が凹部41に入り込み、凹部41の突出部側端面55に、被係止部31の基端側端面57が当接している。このお互いが当接している面の高さ方向の寸法Hが、突出部29の突出高さと凹部41の深さとの和になっているので、凹部41の深さを深くしなくても突出部29の突出高さ分だけ、係止代を大きくすることができる。これにより、フード部9の端子設置部37の筒の肉厚W1を薄くする必要がなくなり、フード部9の強度が低下することを抑えることができる。
【0065】
これに対して、参考例に係る
図14で示すものでは、フード部9に突出部29を設けることなく、凹部41のみで係止部33を構成しているので、フード部9筒の肉厚W11が薄くなっている。
【0066】
上述したオスコネクタ1は、工具が係合する多角柱状の工具係合部と、前記工具係合部の一方の側に設けられ、前記工具係合部の中心軸の延伸方向から見たときに、前記工具係合部の内側に位置し、外周の角数が前記工具係合部の角数よりも少ない多角柱状で筒状に形成されているフード部とを有し、前記工具係合部の中心軸の延伸方向から見たときに前記工具係合部の内側で前記フード部の外周の辺部であって前記工具係合部の各角部のうちの所定の角部と向かい合っている辺部に設けられているリブ、前記工具係合部の中心軸の延伸方向から見たときに前記工具係合部の内側で前記フード部の外周に設けられ相手側コネクタが接合されたときに前記相手側コネクタの被係止部が係止される係止部を構成する突出部の少なくともいずれかを具備するコネクタの例である。