特許第6383205号(P6383205)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6383205
(24)【登録日】2018年8月10日
(45)【発行日】2018年8月29日
(54)【発明の名称】麻雀ゲーム装置
(51)【国際特許分類】
   A63F 13/80 20140101AFI20180820BHJP
   A63F 13/42 20140101ALI20180820BHJP
   A63F 13/53 20140101ALI20180820BHJP
【FI】
   A63F13/80 A
   A63F13/42
   A63F13/53
【請求項の数】6
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2014-155411(P2014-155411)
(22)【出願日】2014年7月30日
(65)【公開番号】特開2016-30190(P2016-30190A)
(43)【公開日】2016年3月7日
【審査請求日】2017年3月1日
(73)【特許権者】
【識別番号】503362784
【氏名又は名称】栢 孝文
(74)【代理人】
【識別番号】100166372
【弁理士】
【氏名又は名称】山内 博明
(74)【代理人】
【識別番号】100115451
【弁理士】
【氏名又は名称】山田 武史
(74)【代理人】
【識別番号】100198317
【弁理士】
【氏名又は名称】横堀 芳徳
(72)【発明者】
【氏名】栢 孝文
【審査官】 目黒 大地
(56)【参考文献】
【文献】 特開2012−192153(JP,A)
【文献】 特開昭61−033691(JP,A)
【文献】 特開2000−354651(JP,A)
【文献】 高森 健一,KONAMI OFFICIAL GUIDE パーフェクトシリーズ 麻雀マスター 公式ガイド 初版 KONAMI OFFICIAL GUIDE MAHJONG MASTER,コナミ株式会社 KONAMI,1997年 2月18日,第1版,24〜25頁
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F9/24
13/00−13/98
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
矩形状の麻雀卓画像を囲う縁部分の画像が表示画面の左端部及び上下端部まで表示され、前記縁部分の画像のうち下側の縁部分の画像に自家ユーザの手牌画像が重畳表示される麻雀ゲーム装置であって、
1回目の副露指示があった場合に当該副露の種別を判定する判定手段と、
前記判定手段によって判定された副露の種別が槓である場合に前記表示画面上の手牌画像の右上部である第1領域に前記手牌画像と同じ表示比率で1回目の副露牌画像の表示を行い、
2回目の副露指示があった場合に前記第1領域に表示されている副露牌画像を当該第1領域の下の第2領域に全表示するとともに、前記第1領域に前記手牌画像と同じ表示比率で2回目の副露牌画像の表示を行い、
3回目の副露指示があった場合に当該指示が加槓を指示するものである場合を除き前記第2領域の左の第3領域に前記手牌画像と同じ表示比率で3回目の副露牌画像の表示を行う表示手段と、
を備える麻雀ゲーム装置。
【請求項2】
前記表示手段は、
前記判定手段によって判定された副露の種別が槓以外である場合に前記手牌画像と同じ表示比率で前記第2領域に副露牌画像の表示を行い、
2回目の副露指示があった場合に当該指示が加槓を指示するものである場合を除き前記第1領域に前記手牌画像と同じ表示比率で2回目の副露牌画像の表示を行い、
3回目の副露指示があった場合に前記第3領域に前記手牌画像と同じ表示比率で3回目の副露牌画像の表示を行う、
請求項1記載の麻雀ゲーム装置。
【請求項3】
前記表示手段は、
前記副露牌画像によって示される副露牌に対する加槓指示があった場合に当該副露牌画像の加槓表示を行う、
請求項1記載の麻雀ゲーム装置。
【請求項4】
前記表示手段は、
前記手牌画像及び自摸牌画像の全てが表示できない場合には、前記第2領域に表示している副露牌画像のうち右側の牌画像が見きれた状態で表示する、
請求項1記載の麻雀ゲーム装置。
【請求項5】
前記表示手段は、
4回目の副露指示があった場合に前記第3領域の左の第4領域に前記手牌画像と同じ表示比率で4回目の副露牌画像の表示を行う、
請求項1記載の麻雀ゲーム装置。
【請求項6】
矩形状の麻雀卓画像を囲う縁部分の画像が表示画面の左端部及び上下端部まで表示され、前記縁部分の画像のうち下側の縁部分の画像に自家ユーザの手牌画像が重畳表示される麻雀ゲーム装置の手牌表示方法であって、
1回目の副露指示があった場合に当該副露の種別を判定するステップと、
前記判定した副露の種別が槓である場合に前記表示画面上の手牌画像の右上部である第1領域に前記手牌画像と同じ表示比率で1回目の副露牌画像の表示を行うステップと、
2回目の副露指示があった場合に前記第1領域に表示されている副露牌画像を当該第1領域の下の第2領域に全表示するとともに、前記第1領域に前記手牌画像と同じ表示比率で2回目の副露牌画像の表示を行うステップと、
3回目の副露指示があった場合に当該指示が加槓を指示するものである場合を除き前記第2領域の左の第3領域に前記手牌画像と同じ表示比率で3回目の副露牌画像の表示を行うステップと、
を含む麻雀ゲーム装置の手牌表示方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、麻雀ゲーム装置に関し、特に、携帯電話機、スマートフォンなどの小型の表示画面を備える情報処理装置における麻雀ゲーム装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、従来にはない新たな面白みが付加され、遊技者が飽きを感じることなく麻雀ゲームを充分に楽しむことが可能なものとして、ストーリー性を有する演出画像を表示させるための複数の演出画像データのみならず、特別のストーリー性を有する特別の演出画像を表示させるための工夫がされた麻雀ゲームが開示されている。
【0003】
【特許文献1】特開2005−21523号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、麻雀ゲーム装置の場合には、手牌画像の視認性が求められている。なぜなら、実際の麻雀ゲームでは、例えば視力に乏しいユーザが、手牌中の何らかの牌が何を表示するものであるかを視認できない場合には、その牌を手に取り、目から近づけたり遠ざけたりすることで、その牌の表示内容を理解できるが、麻雀ゲーム装置の場合には、そのようにできないためである。
【0005】
麻雀ゲーム装置で手牌画像の視認性を高めるためには、手牌画像を拡大して表示することが考えられるが、特に、携帯電話機、スマートフォンなどの小型の表示画面を備える情報処理装置の場合には、その表示画面の大きさから拡大上限に制約がある。また、そもそも、麻雀卓画像の大きさを無視して拡大することも、現実性が欠如するという問題もある。
【0006】
そこで、本発明は、上記の様々な要請を考慮して、総合的に満足度の高い表示が可能な麻雀ゲーム装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明は、
矩形状の麻雀卓画像を囲う縁部分の画像が表示画面の左端部及び上下端部まで表示され、前記縁部分の画像のうち下側の縁部分の画像に自家ユーザの手牌画像が重畳表示される麻雀ゲーム装置であって、
1回目の副露指示があった場合に当該副露の種別を判定する判定手段と(例えば、図8に示すステップS12を実行する手段)、
前記判定手段によって判定された副露の種別が槓である場合に前記表示画面上の手牌画像の右上部である第1領域に前記手牌画像と同じ表示比率で1回目の副露牌画像の表示を行い(例えば、図8に示すステップS13)、
2回目の副露指示があった場合に前記第1領域に表示されている副露牌画像を当該第1領域の下の第2領域に全表示するとともに、前記第1領域に前記手牌画像と同じ表示比率で2回目の副露牌画像の表示を行い(例えば、図8に示すステップS15)、
3回目の副露指示があった場合に当該指示が加槓を指示するものである場合を除き前記第2領域の左の第3領域に前記手牌画像と同じ表示比率で3回目の副露牌画像の表示を行う(例えば、図8に示すステップS22)表示手段と、
を備える。
【0008】
これにより、槓という4つの副露牌画像の表示を、自家ユーザの手牌画像及び麻雀卓画像の大きさを変更することなく配置することができ、その後に、第2回目以降の副露指示があった場合にも、実際の麻雀ゲームで副露牌を麻雀卓に配する場合と同様に配することができる。
【0009】
また、前記表示手段は、
前記判定手段によって判定された副露の種別が槓以外である場合に前記手牌画像と同じ表示比率で前記第2領域に副露牌画像の表示を行い(例えば、図8に示すステップS16)、
2回目の副露指示があった場合に当該指示が加槓を指示するものである場合を除き前記第1領域に前記手牌画像と同じ表示比率で2回目の副露牌画像の表示を行い(例えば、図8に示すステップS19)、
3回目の副露指示があった場合に前記第3領域に前記手牌画像と同じ表示比率で3回目の副露牌画像の表示を行ってもよい(例えば、図8に示すステップS22)。
【0010】
さらに、前記表示手段は、
前記副露牌画像によって示される副露牌に対する加槓指示があった場合に当該副露牌画像の加槓表示を行ってもよい(例えば、図8に示すステップS23)。
【0011】
また、前記表示手段は、
前記手牌画像及び自摸牌画像の全てが表示できない場合には、前記第2領域に表示している副露牌画像のうち右側の牌画像が見きれた状態で表示してもよい(例えば、図8に示すステップS16、図9に示すステップS29)。
【0012】
また、前記表示手段は、
4回目の副露指示があった場合に前記第3領域の左の第4領域に前記手牌画像と同じ表示比率で4回目の副露牌画像の表示を行ってもよい(例えば、図9に示すステップS27)。
【0013】
また、本発明は、矩形状の麻雀卓画像を囲う縁部分の画像が表示画面の左端部及び上下端部まで表示され、前記縁部分の画像のうち下側の縁部分の画像に自家ユーザの手牌画像が重畳表示される麻雀ゲーム装置の手牌表示方法であって、
1回目の副露指示があった場合に当該副露の種別を判定するステップ(例えば、図8に示すステップS12)と、
前記判定手段によって判定された副露の種別が槓である場合に前記表示画面上の手牌画像の右上部である第1領域に前記手牌画像と同じ表示比率で1回目の副露牌画像の表示を行うステップ(例えば、図8に示すステップS13)と、
2回目の副露指示があった場合に前記第1領域に表示されている副露牌画像を当該第1領域の下の第2領域に全表示するとともに、前記第1領域に前記手牌画像と同じ表示比率で2回目の副露牌画像の表示を行うステップ(例えば、図8に示すステップS15)と、
3回目の副露指示があった場合に当該指示が加槓を指示するものである場合を除き前記第2領域の左の第3領域に前記手牌画像と同じ表示比率で3回目の副露牌画像の表示を行うステップ(例えば、図8に示すステップS22)と、
を含む。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本発明の実施形態の麻雀ゲーム装置に係る表示画面の模式図である。
図2】自家ユーザから、下家ユーザの捨牌に対して、1回目の副露指示として槓の指示があり、その後、2回目の副露指示としてポンの指示があった場合になされる表示画面を示す図である。
図3】自家ユーザから、1回目の副露指示として槓の指示があり、その後、2回目の副露指示として槓の指示があり、さらに、3回目の副露指示としてポンの指示があった場合になされる表示画面を示す図である。
図4】自家ユーザから、下家ユーザの捨牌に対して、1回目の副露指示として槓の指示があり、その後、2回目、3回目、さらに、4回目の副露指示として、各々、槓の指示があった場合になされる表示画面を示す図である。
図5】自家ユーザから、対面ユーザの捨牌に対して、1回目の副露指示としてポンの指示があった場合になされる表示画面を示す図である。
図6】自家ユーザから、上家ユーザの捨牌に対して、1回目の副露指示としてポンの指示があり、その後、2回目の副露指示としてチーの指示があった場合になされる表示画面を示す図である。
図7】自家ユーザから、下家ユーザの捨牌に対して、1回目の副露指示としてポンの指示があり、その後、2回目、3回目、4回目の副露指示としてポンの指示があった場合になされる表示画面を示す図である。
図8図1図7に示した表示画像を実現するために情報処理装置で実行されるフローチャートである。
図9図1図7に示した表示画像を実現するために情報処理装置で実行されるフローチャートである。
【符号の説明】
【0015】
10 麻雀卓画像
20 捨牌画像
30a〜30d 手牌画像
40 各種設定ボタン画像
【発明の実施の形態】
【0016】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して説明する。はじめに、本発明の実施形態の麻雀ゲーム装置の全体的な部分について説明し、実施例で、本発明の課題を解決するため具体的な手法について説明する。
【0017】
図1は、本発明の実施形態の麻雀ゲーム装置に係る表示画面の模式図である。本実施形態では、携帯電話機或いはスマートフォンといった小型の表示画面を備える情報処理装置とインターネットなどのネットワークとを用いて行う、いわゆるオンライン麻雀ゲームを想定して、発明の構成及び動作を説明する。もっとも、本発明は、オンラインでない、情報処理装置でのスタンドアローン型の麻雀ゲームにも適用することができる。
【0018】
図1に示す表示画面は、いわゆる全自動麻雀卓を模した矩形状の麻雀卓画像10と、麻雀ゲームの各種設定ボタン画像40が表示されている領域とに大別される。各種設定ボタン画像40は、麻雀ゲームのルールの選択などの機能が割り当てられたボタン画像としている。この領域の下側には、自家ユーザの点数、捨牌を選択するまでの持ち時間などが表示されている。
【0019】
麻雀卓画像10は、その縁部分の画像10Aが、左側が麻雀ゲーム装置の表示画面の左端部まで表示され、その上下側がそれぞれ麻雀ゲーム装置の表示画面の上下端部まで表示される。こうすると、麻雀卓画像10を麻雀ゲーム装置の表示画面に最大限表示させることができるため、捨牌画像20の視認性がよい。なお、図1には、麻雀卓画像10の下側の縁部分の画像は、手牌画像30aが重畳されて表示されているため、見えていない状態を示している。
【0020】
このように、麻雀卓画像10には、各ユーザによって選択された捨牌を示す捨牌画像20が重畳され、加えて、各ユーザに配された手牌を示す手牌画像30a〜30dなども評定されて、表示されている。手牌画像30aは、自家ユーザへの見やすさの配慮から、他のユーザに係る手牌画像30b〜30dよりも大きく表示し、かつ、あたかも倒牌したかのように表示されている。しかし、手牌画像30aの内容は、麻雀ゲーム進行中には、他のユーザは知ることはできないようにしてある。
【0021】
なお、本発明の本質でないため、詳述は割愛するが、麻雀卓画像10、手牌画像30a等の各画像の表示は、図示しない画像処理部が行う。具体的には、例えば、これらの各種画像をメモリに保存しておき、画像処理部が麻雀卓画像10及び所望の手牌画像30a等を読み出し、予め設定された画像を重畳すべき位置情報に基づいて、麻雀卓画像10上に当該手牌画像30a等をスプライト制御などの手法によって表示させている。
【0022】
打牌或いは副露などにより、手牌画像30a等を移動させる必要がある場合にも、同様に、画像の重畳すべき位置情報に基づいて、スプライト制御などの手法によって表示位置を変更すればよい。以下、自家ユーザから副露指示がされた場合になされる表示画面例につき、図1に示す例とは異なる表示画面例も踏まえて説明する。
【0023】
図1に示すように、本実施形態に係る表示画面は、いわゆる全自動麻雀卓を真上から見たかのような麻雀卓画像10に対して、ピクチャーインピクチャーのコンセプトで、麻雀牌を正面から見たかのように、手牌画像30aを表示させている。これは、オンライン麻雀ゲームでありつつも、実際の麻雀ゲームのように手牌を見る際の視線と、捨て牌等を含めた手牌以外を見る際の視線とが顕著に異なる等の現実性をユーザに対して付与することと、手牌画像30aの視認性をユーザに対して付与することとの双方を実現するために行っている。
【0024】
図1には、自家ユーザから、下家ユーザの捨牌に対して、1回目の副露指示として槓の指示があった場合になされる表示画面を示している。
【0025】
具体的には、ここでは、自家ユーザから下家ユーザの捨牌「東」を槓(明槓)する指示がされたことにより、手牌画像30aの右上であって情報処理装置の表示画面の右端部から麻雀卓画像10の右側の縁部画像10A周辺までの第1領域50Aに、手牌画像30aと同じ表示比率で、4つの「東」の副露牌画像の表示がされる。
【0026】
ここで、4つの「東」の副露牌画像を、仮に手牌画像30aの右側に表示させようとすると、例えば、手牌画像30aと4つの「東」の副露牌画像との表示比率を小さく変更しないと、情報処理装置の表示画面内に、手牌画像30a等の全てを表示することができない。しかし、これでは、手牌画像30a等の視認性が低下してしまう。
【0027】
一方、手牌画像30aと副露牌画像との表示比率を変更しないで、手牌画像30aの右側に表示させようとすると、情報処理装置の表示画面内に、4つの「東」の副露牌画像の一番右の牌を表示することができず、せいぜい、副露牌は3枚しか表示できず、これでは、副露牌が槓によるものなのか、ポンによるものなのか、表示画面からは即座に把握することができず、ユーザに混乱を与えることになる。
【0028】
そこで、本実施形態では、1回目の副露の種別が槓である場合には、上記のように、第1領域50Aに手牌画像30aと同じ表示比率で、4つの「東」の副露牌画像が表示されるようにしている。
【0029】
図2には、自家ユーザから、下家ユーザの捨牌に対して、1回目の副露指示として槓の指示があり、その後、2回目の副露指示としてポンの指示があった場合になされる表示画面を示している。
【0030】
具体的には、ここでは、自家ユーザから下家ユーザの捨牌「中」を槓(明槓)する指示がされたことにより、まずは、第1領域50Aに手牌画像30aと同じ表示比率で、4つの「中」の副露牌画像の表示がされる。ここまでの表示処理は、図1を用いて説明した場合と同様である。
【0031】
その後に、自家ユーザから下家ユーザの捨牌「六索」をポンする指示がされると、第1領域50Aに表示されている「中」の副露牌画像を第2領域50Bに移行するとともに、第1領域50Aに手牌画像30aと同じ表示比率で「六索」の副露牌画像の表示を行う。
【0032】
ここで、現実の麻雀ゲームでは、麻雀卓の右隅に、麻雀卓の右隅角に1回目の副露牌、ついで、その上側又は左側に2回目の副露牌、さらに、それに続き3回目の副露牌が並べられていくといったように、順次、副露牌を一定方向に並べていくことが通例である。
【0033】
このような実情から、本実施形態では、2回目の副露指示があった場合に第1領域50Aに表示されている槓による副露牌画像を、第2領域50Bに移行するとともに、第1領域50Aに手牌画像30aと同じ表示比率で2回目の副露牌画像の表示を行うようにしている。
【0034】
図3には、自家ユーザから、1回目の副露指示として槓の指示があり、その後、2回目の副露指示として槓の指示があり、さらに、3回目の副露指示としてポンの指示があった場合になされる表示画面を示している。
【0035】
具体的には、ここでは、自家ユーザから「白」を槓(暗槓)する指示がされたことにより、第1領域50Aに手牌画像30aと同じ表示比率で、4つの「白」の副露牌画像の表示がされる。ここまでの表示処理は、図1を用いて説明した場合と同様である。
【0036】
ついで、下家ユーザの捨牌「發」を槓する指示がされると、第1領域50Aに表示されている「白」の副露牌画像を第2領域50Bに移行するとともに、第1領域50Aに「發」の副露牌画像の表示を行う。ここまでの表示処理は、図2を用いて説明した場合と同様である。
【0037】
その後に、自家ユーザから下家ユーザの捨牌「中」をポンする指示がされると、第2領域50Bの左の第3領域50Cに手牌画像30aと同じ表示比率で「中」の副露牌画像の表示を行う。
【0038】
なお、本明細書では、暗槓、加槓も含めて、副露に含まれるものとして説明する。したがって、図3に示す例では、自家ユーザの自摸牌が「中」であることから、この牌を自家ユーザが加槓するといった指示をした場合には、第3領域50Cに表示中の3つの「中」の副露牌の表示は、4つの「中」の副露牌の表示となる。
【0039】
ここで、既述のように、現実の麻雀ゲームでは、麻雀卓の右隅に、順次、副露牌を上方向又は左方向に一定方向に並べていくことが通例である。したがって、図3に示す副露牌画像の表示態様は、厳密にいえば、現実の麻雀ゲームの場合と異なる点は否めない。しかし、それでも、第1領域の上側に第3領域を設けると、自家ユーザの点数等、或いは、各種設定ボタン画像40の表示内容を見ることができなくなる。
【0040】
そこで、本実施形態では、副露牌が上方向又は左方向に並べられるということと、自家ユーザの点数等を見られるようにするということ、とのバランスを考慮して、図3に示すような表示態様としている。
【0041】
図4には、自家ユーザから、下家ユーザの捨牌に対して、1回目の副露指示として槓の指示があり、その後、2回目、3回目、さらに、4回目の副露指示として、各々、槓の指示があった場合になされる表示画面を示している。
【0042】
具体的には、ここでは、自家ユーザから「東」を槓(明槓)する指示がされたことにより、第1領域50Aに手牌画像30aと同じ表示比率で、4つの「東」の副露牌画像の表示がされる。ここまでの表示処理は、図1を用いて説明した場合と同様である。
【0043】
ついで、下家ユーザの捨牌「南」を槓(明槓)する指示がされると、第1領域50Aに表示されている「東」の副露牌画像を第2領域50Bに移行するとともに、第1領域50Aに「南」の副露牌画像の表示を行う。ここまでの表示処理は、図2を用いて説明した場合と同様である。
【0044】
その後、下家ユーザの捨牌「西」を槓(明槓)する指示がされると、第3領域50Cに手牌画像30aと同じ表示比率で「西」の副露牌画像の表示を行う。ここまでの表示処理は、図3を用いて説明した場合と同様である。
【0045】
その後に、自家ユーザから下家ユーザの捨牌「北」を槓(明槓)する指示がされると、第3領域50Cの左の第4領域50Dに手牌画像30aと同じ表示比率で「北」の副露牌画像の表示を行う。
【0046】
この際、第4領域50Dに4つの「北」の副露牌画像を全表示するとなると、第2領域50B及び第3領域50Cに表示されている副露牌は、右側に少しずらして表示しないと、手牌画像30a等の表示比率を変更しない限り、手牌画像30aの全てを表示することは困難である。
【0047】
一方で、こうすると、第2領域50Bに表示されている4つの「東」の副露画像は、見切り状態の表示となるという問題がある。しかし、係る場合には、三槓子又は四槓子以上の役が成立し得る状況であることから自家ユーザは見切り状態で表示される副露牌の内容については関心が高いということ、見切り状態で表示される副露牌は1回目の副露牌であることから、自家ユーザがこの副露牌に接する時間が長いため、ポンではなく槓の副露指示をしたことを通常は覚えているであろうこと、確率上は三槓子又は四槓子といった図4に示す表示となる可能性が低いことなどの理由を考慮すると、見切り状態の表示による弊害は少ないものと想定される。
【0048】
これらのことから、本実施形態では、4回目の副露牌画像の全てを表示可能でない場合には、第2領域50Bの副露牌画像を右にずらして見切り表示し、これに応じて、第3領域50Cの副露牌画像を右に移行し、第4領域50Dに新たな副露牌画像を表示するといった表示態様としている。
【0049】
図5には、自家ユーザから、対面ユーザの捨牌に対して、1回目の副露指示としてポンの指示があった場合になされる表示画面を示している。
【0050】
具体的には、自家ユーザから対面ユーザの捨牌「八筒」をポンする指示がされたことによって、第2領域50Bに手牌画像30aと同じ表示比率で、3つの「八筒」の副露牌画像の表示がされる。
【0051】
ここで、3つの「八筒」の副露牌画像を、手牌画像30aの右側の第2領域50Bに表示させようとすると、手牌画像30aと副露牌画像との表示比率を小さく変更しないと、表示画面内に、手牌画像30a等の全てを表示することができない。しかし、これでは、図1を用いて説明したように、手牌画像30a等の視認性が低下してしまう。
【0052】
一方、手牌画像30aと副露牌画像との表示比率を変更することなく、第2領域50Bに副露牌を表示する場合には、3枚の副露牌画像の全てを表示することができないものの、約2枚半分の副露牌は表示できる。つまり、副露牌のうち右側の副露牌は一部が見切られた状態で表示されるが、それでも、対面ユーザの捨牌から「八筒」をポンしたことを、表示画面から把握することができる。
【0053】
このような把握は、下家ユーザ、上家ユーザのいずれかの捨牌をポンして副露した場合も同じく可能である。また、下家ユーザ、対面ユーザ、上家ユーザのいずれかの捨牌をチーして副露した場合も同じく可能である。こうして、自家ユーザの手牌画像30a及びその自摸牌画像の表示を優先させている。
【0054】
そこで、本実施形態では、1回目の副露の種別が槓以外である場合には、上記のように、第2領域50Bに手牌画像30aと同じ表示比率で、3つの「八筒」の副露牌画像が表示されるようにしている。もっとも、1回目の副露の種別が槓である場合と同様に、第1領域50Aに3つの「八筒」の副露牌画像が表示されるようにしてもよい。
【0055】
図6には、自家ユーザから、上家ユーザの捨牌に対して、1回目の副露指示としてポンの指示があり、その後、2回目の副露指示としてチーの指示があった場合になされる表示画面を示している。
【0056】
具体的には、上家ユーザの捨牌「四索」をポンする指示がされたことによって、既述の第2領域50Bに、手牌画像30aと同じ表示比率で、3つの「四索」の副露牌画像の表示がされる。ここまでの表示処理は、図5を用いて説明した場合と同様である。
【0057】
その後に、2回目の副露指示がなされると、「六・七・八筒」の副露牌画像を第1領域50Aに表示する。こうすると、手牌画像30aの表示牌は少なくなるので、第1領域50Aに表示されている3つの「四索」を左側にずらして、これらの全てを表示させることも可能である。このため、本実施形態では、図6に示すように、「四索」の副露牌画像と「六・七・八筒」の副露牌画像との全てを表示するようにしている。
【0058】
図7には、自家ユーザから、下家ユーザの捨牌に対して、1回目の副露指示としてポンの指示があり、その後、2回目、3回目、4回目の副露指示としてポンの指示があった場合になされる表示画面を示している。
【0059】
具体的には、下家ユーザの捨牌「東」をポンする指示がされたことによって、既述の第2領域50Bに、手牌画像30aと同じ表示比率で、3つの「東」の副露牌画像が、その右側の副露牌が見切り状態で表示される。ここまでの表示処理は、図5を用いて説明した場合と同様である。
【0060】
そして、その後に、2回目の副露指示がなされると、「南」の副露牌画像を第1領域50Aに表示するとともに、3つの「東」を左側にずらして、これらの全てを表示させる。ここまでの表示処理は、図6を用いて説明した場合と同様である。
【0061】
さらに、3回目の「西」をポンする指示がなされると、「西」の副露牌を第3領域50Cに表示し、4回目の「北」をポンする指示がなされると、「北」の副露牌を第4領域50Dに表示する。これらの表示処理は、図4を用いて説明した場合と同様である。
【0062】
図8図9は、図1図7に示した表示画像を実現するために情報処理装置で実行されるフローチャートである。
【0063】
まず、図8に示すように、自家ユーザから麻雀ゲーム装置に対して、1回目の副露指示があった場合に(ステップS11)、その副露の種別が槓であるか否かを判定する(ステップS12)。ステップS12の判定の結果、その副露の種別が槓である場合には、図1を用いて説明したように、手牌画像30aと同じ表示比率で1回目の副露牌画像の表示を第1領域50Aに行う(ステップS13)。
【0064】
その後、自家ユーザから麻雀ゲーム装置に対して、2回目の副露指示があった場合に(ステップS14)、図2を用いて説明したように、第1領域50Aに表示されている副露牌画像を第2領域50Bに全表示するとともに、第1領域50Aに手牌画像30aと同じ表示比率で2回目の副露牌画像を右寄せして全表示する(ステップS15)。
【0065】
その後、自家ユーザから麻雀ゲーム装置に対して、3回目の副露指示があった場合に(ステップS20)、その副露指示が加槓の指示であるか否かを判定する(ステップS21)。ステップS21の判定の結果、その副露指示が加槓の指示でない場合には、図3を用いて説明したように、第3領域50Cに手牌画像30aと同じ表示比率で3回目の副露牌画像の全表示を行う(ステップS22)。
【0066】
その後、自家ユーザから麻雀ゲーム装置に対して、4回目の副露指示があった場合に(ステップS24)、その副露指示が加槓の指示であるか否かを判定する(ステップS25)。ステップS25の判定の結果、その副露指示が加槓の指示でない場合には、4回目の副露牌画像の全表示が可能であるか否かを判定する(ステップS26)。
【0067】
ステップS26の判定の結果、4回目の副露牌画像の全表示が可能である場合には、第4領域50Dに手牌画像30aと同じ表示比率で4回目の副露牌画像を全表示する(ステップS27)。
【0068】
一方、ステップS26の判定の結果、4回目の副露牌画像の全表示が可能でない場合には、自家ユーザの手牌画像30a及びその自摸牌画像の表示を優先させるため、第2領域50Bの副露牌画像を右にずらして見切り表示し、これに応じて、第3領域50Cの副露牌画像を右に移行し、第4領域50Dに新たな副露牌画像を全表示する(ステップS29)。
【0069】
その後、まだ、副露牌のいずれかにポンしたものが残っているか、すなわち、加槓が可能であるか否かを判定する(ステップS28)。ステップS28の判定の結果、加槓が可能である場合には、ステップS24に移行する。一方、ステップS27の判定の結果、加槓が可能でない場合には、副露指示がされることはないので、図8図9に示す処理を終了する。
【0070】
また、ステップS12の判定の結果、その副露の種別が槓でない場合には、図5を用いて説明したように、自家ユーザの手牌画像30a及びその自摸牌画像の表示を優先させるため、像副露牌画像を第2領域50Bに見切り表示する(ステップS16)。
【0071】
その後、自家ユーザから麻雀ゲーム装置に対して、2回目の副露指示があった場合に(ステップS17)、その指示が加槓の指示であるか否かを判定する(ステップS18)。ステップS18の判定の結果、その指示が加槓の指示である場合には、ステップS13へ移行して、副露牌画像の加槓表示を行う。この結果、副露牌画像は図1に示した場合と同じにように表示されることになる。
【0072】
一方、ステップS18の判定の結果、その指示が加槓の指示でない場合には、第2領域50Bに見切り表示されている副露牌画像を全表示し、かつ、第1領域50Aに手牌画像30aと同じ表示比率で2回目の副露牌画像を右寄せして全表示する(ステップS19)。
【0073】
また、ステップS21の判定の結果、その副露指示が加槓の指示である場合には、対応する副露牌画像の加槓表示を行ってからステップS20へ移行する(ステップS23)。
【0074】
また、ステップS25の判定の結果、その副露指示が加槓の指示である場合には、第4領域50Dまで副露牌画像が表示済みであるか否かを判定する(ステップS30)。ステップS30の判定の結果、第4領域50Dまで副露牌画像が表示済みであれば、対応する副露牌画像の加槓表示を行ってからステップS26へ移行する(ステップS31)。
【0075】
一方、ステップS30の判定の結果、第4領域50Dまで副露牌画像が表示済みでなければ、対応する副露牌画像の加槓表示を行ってからステップS24へ移行する(ステップS32)。
【0076】
以上、本明細書では、麻雀ゲーム装置の表示画面のアスペクト比が、4:3である場合に好適な表示手法について説明した。もっとも、スマートフォン等の表示画面のアスペクト比は、これ以外にも、例えば、16:9、3:2、8:5等がある。
【0077】
図1等に示す向きの表示画面において、横の比率が高い場合には、図5等に示す見切り表示をしなくてもよいし、例えば、図1に示す第1領域50Aへの1回目の槓の副露牌画像の表示に代えて、第2領域50Bに1回目の槓の副露牌画像の表示をしてもよい。つまり、係る場合には、1回目の槓の副露牌画像の表示であっても、当該表示を第2領域50Bに行い、ついで、2回目の副露牌画像の表示を第1領域50Aに行ってもよい。
【0078】
一方、図1等に示す向きの表示画面において、横の比率が低い場合には、各種設定ボタン画像40の大きさを維持しつつ、或いは、多少、現状のものよりも小さくして、第3領域50Cの位置を、第1領域50Aの上方にしてもよい。さらには、自家ユーザの手牌画像30aの表示位置を、下側の縁部分画像10Aよりも下側にして、手牌画像30aと麻雀卓画像10又は縁部分画像10Aの下側と重畳しないような表示態様としてもよい。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9