(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の実施形態による引違サッシについて、
図1乃至
図17に基づいて説明する。
図1および
図2に示すように、本実施形態による引違サッシ1は、構造物11の開口部12に固定されたサッシ枠(枠体)2と、サッシ枠2の内部に見付け方向にスライド可能に設置される室外側サッシ障子(サッシ障子)3Aおよび室内側サッシ障子(サッシ障子)3Bと、を有している。
【0015】
サッシ枠2は、見付け方向に延在する上枠21および下枠22(
図2参照)と、上下方向に延在する一対の縦枠23,23と、を有している。
図1乃至
図3に示すように、室外側サッシ障子3Aおよび室内側サッシ障子3Bは、見付け方向に延在する上框4および下框5(
図2参照)と、上下方向に延在する召合せ框6および縦框(戸先框)7と、これらの框4〜7の内側に配置されるガラス31と、室外側サッシ障子3Aおよび室内側サッシ障子3Bを下枠22に沿って移動可能に支持する一対の戸車部8,8と、をそれぞれ有している。
【0016】
図4(a)に示すように、上框4は、上枠21と係合する上枠係合部41と、ガラス31を支持するガラス支持部42と、上枠係合部41とガラス支持部42との間に配置された筒状部43と、を有している。これらの上枠係合部41、ガラス支持部42および筒状部43は、一体に形成されていて、それぞれ見付け方向に延在している。
上枠係合部41は、上方が開放されていて、上方から上枠21のレール21aが挿入可能に構成されている。筒状部43の内部には、見付け方向に貫通する中空部44が形成されている。なお、上枠係合部41の内側と中空部44とは、連通しないように構成されている。
【0017】
図4(b)に示すように、下框5は、下枠22と係合する下枠係合部51と、ガラス31を支持するガラス支持部52と、下枠係合部51とガラス支持部52との間に配置された筒状部53と、を有している。これらの下枠係合部51、ガラス支持部52および筒状部53は、一体に形成されていて、それぞれ見付け方向に延在している。
下枠係合部51は、下方が開放されていて、下方から下枠22のレール22aが挿入可能に構成されている。筒状部53の内部には、見付け方向に貫通する中空部54が形成されている。
【0018】
このような下框5は、板面が上下方向を向きガラス31の下側に配置された上板部55と、上板部55から下方に延びて板面が見込み方向を向き見込み方向に間隔をあけて配置された一対の側板部56,56と、板面が上下方向を向き見込み方向の両端部57a,57aがそれぞれ一対の側板部56,56の高さ方向の中間部と連続するように形成された下板部57と、を有している。
そして、一対の側板部56,56の内側で上板部55および下板部57に挟まれた空間に中空部54が形成されていて、一対の側板部56,56の内側で下板部57の下方の空間に下枠22のレール22aが挿入可能に構成されている。
【0019】
また、下框5には、見付け方向の両端部近傍に、それぞれ戸車部8が収容される戸車収容部58,58が形成されている。戸車収容部58は、一対の側板部56,56の内側に形成されている。なお、下框5の戸車収容部58が形成されている部分には、下板部57が設けられておらず、下枠係合部51の内側と中空部54とが連通している。このため、戸車収容部58を介して、中空部54が下枠係合部51の下方の空間と連通している。
そして、戸車部8は、中空部54と下枠係合部51の内側にわたるように配置されている。
なお、戸車収容部58が形成されている部分以外は、下板部57が下枠係合部51の内側と中空部54とを上下方向に遮断している。
【0020】
図4(b)、
図5乃至
図8に示すように、戸車部8は、下枠22のレール22a(
図4(b)参照)に沿って走行する戸車本体81と、下框5に固定されて戸車本体81を回転可能に支持する支持部82と、戸車本体81の位置を調整するための戸車調整ネジ83(
図5および
図6参照)と、を有している。戸車調整ネジ83は、下框5の見付け方向の端部側から調整されるように構成されている。
【0021】
また、
図5乃至
図8に示すように、下枠係合部51のうち、戸車収容部58が形成されている部分およびその近傍の領域において、一対の側板部56,56の一方には、他方と対向する側の面に戸車収容部加熱発泡材91が設けられている。戸車収容部加熱発泡材91は、火災の熱によって発泡して膨張する公知のもので、シート状に形成されて、火災の熱によって面外方向に発泡するように構成されている。
そして、戸車収容部加熱発泡材91は発泡すると、戸車収容部58およびその近傍の領域において、戸車部8の下部側を覆うとともに下枠係合部51の内側を塞ぎ、中空部54と下枠係合部51の下方の空間とを遮断するように構成されている。
【0022】
また、本実施形態では、
図6に示すように、室外側サッシ障子3Aの下框5に、サッシ障子3A,3Bが開口部12を全開せずに、所定の大きさだけ開放するように規制する小開口ストッパ(規制部)59が設けられている。
図9に示すように、小開口ストッパ59は、中空部54の内部(連通部)に配置されていて、回動して室内側の側板部56に形成された開口部56aから室内側に突出可能な突出片59aと、突出片59aを回動可能に支持する支持部59bと、を有している。
【0023】
そして、突出片59aが室内側の側板部56から室内側に突出した状態で、室外側サッシ障子3Aおよび室内側サッシ障子3B(
図1参照)の少なくとも一方を開口部を開放させる方向に移動させると、突出片59aと室内側サッシ障子3Bの召合せ框6(
図1参照)とが当接して、サッシ障子3A,3Bの開口部12を開放させる方向の移動を止めるように構成されている。
【0024】
また、小開口ストッパ59の近傍には、小開口ストッパ加熱発泡材(第1加熱発泡材)92と、小開口ストッパ加熱発泡材92を支持する小開口ストッパ加熱発泡材支持部(壁部)60が設けられている。
小開口ストッパ加熱発泡材支持部(壁部)60は、見付け方向に延在し、見付け方向に延在する断面形状が開口部56a側(室内側)に開口するC字形状に形成されている。そして、小開口ストッパ加熱発泡材支持部60は、板面が上下方向を向き上下方向に間隔をあけて配置された上板部60aおよび下板部60bと、板面が見込み方向を向き上板部60aおよび下板部60bの室外側の端部と連結された背板部60cと、板面が見付け方向を向き上板部60a、下板部60bおよび背板部60cと連結された一対の横板部60d,60dと、を有している。
【0025】
小開口ストッパ加熱発泡材支持部60の上板部60aの上面は、下框5の上板部55の下面と離間し、小開口ストッパ加熱発泡材支持部60の上板部60aと下框5の上板部55との間には隙間54aが形成されている。また、小開口ストッパ加熱発泡材支持部60の下板部60bの下面は、下框5の下板部57の上面と離間し、小開口ストッパ加熱発泡材支持部60の下板部60bと下框5の下板部57との間には隙間54bが形成されている。
このため、
図6に示すように、下框5の中空部54のうち、小開口ストッパ加熱発泡材支持部60の見付け方向の両側に位置する空間54c,54dは、小開口ストッパ加熱発泡材支持部60の上下の隙間54a,54bを介して連通している。
【0026】
図9に戻り、小開口ストッパ加熱発泡材支持部60の背板部60cの室内側の面には、小開口ストッパ加熱発泡材92が貼りつけられていて、上板部60a、下板部60b、背板部60cおよび一対の横板部60d,60dの内側に小開口ストッパ59が配置されている。
なお、本実施形態では、小開口ストッパ加熱発泡材支持部60の上板部60aが下框5の上板部55に固定具で固定されている。
【0027】
そして、小開口ストッパ加熱発泡材92は発泡すると、小開口ストッパ59を覆うとともに、小開口ストッパ59と下框5の側板部56に形成された開口部56aの縁部との隙間を塞ぐように構成されている。このとき、小開口ストッパ加熱発泡材92は、小開口ストッパ加熱発泡材支持部60の上板部60aおよび下板部60bによって、上板部60aの上部や下板部60bの下部へ発泡せず、小開口ストッパ加熱発泡材支持部60の上下の隙間54a,54bを塞がないため、下框5の中空部54を見付け方向に分断しないように構成されている。また、小開口ストッパ加熱発泡材92は、小開口ストッパ加熱発泡材支持部60の一対の横板部60d,60dによって、横板部60d,60dの側方へ発泡しないように構成されている。
【0028】
図1に戻り、召合せ框6は、ガラス31を支持するガラス支持部62と、ガラス支持部62のガラス31と離間する側に配置された筒状部63と、を有している。これらのガラス支持部62および筒状部63は、一体に形成されていて、それぞれ見付け方向に延在している。筒状部63の内部には、見付け方向に貫通する中空部64が形成されている。
【0029】
そして、
図10に示すように、召合せ框6の筒状部63は、上端部が上框4の筒状部43と連結され、下端部が下框5の筒状部53と連結されている。そして、召合せ框6の中空部64は、上框4の中空部64および下框5の中空部64と連通している。
また、
図6および
図7に示すように、召合せ框6の筒状部63は、角筒状に形成されている。ここで、筒状部63を構成する板部のうち、板面が見付け方向を向き見付け方向に間隔をあけて配置された板部を、第1板部65および第2板部66とし、これらのうち、ガラス支持部62側に配置された板部を第1板部65とし、ガラス支持部62と離間する側に配置された板部を第2板部66として以下説明する。
【0030】
第1板部65には、下端部近傍に第1戸車調整孔65aが形成されている。また、第2板部66には、下端部近傍に第2戸車調整孔66aが形成されている。
これらの第1戸車調整孔65aおよび第2戸車調整孔66aは、戸車部8の戸車調整ネジ83が配置されている高さに形成されている。そして、第2板部66の外方から、第2戸車調整孔66aおよび第1戸車調整孔65aにドライバーなどを挿通させることで、外部から戸車調整ネジ83を調整可能に構成されている。
また、下框5の中空部54と召合せ框6の中空部64とは、第1戸車調整孔65aを介して連通していて、召合せ框6の中空部64は、第2戸車調整孔66aを介して外部と連通している。
【0031】
また、召合せ框6の中空部64の下端部近傍には、召合せ框下部加熱発泡材(第2加熱発泡材)93と、召合せ框下部加熱発泡材93を支持する召合せ框下部加熱発泡材支持部10と、が設けられている。
召合せ框下部加熱発泡材支持部10は、板面が見付け方向を向き筒状部63の第1板部65に当接して固定されている取付板部111と、板面が上下方向を向き取付板部111の上端部から第1板部65と第2板部66の中間部まで延びる第1上板部112と、板面が上下方向を向き第1上板部112の第2板部66側の端部から第2板部66まで延びる第2上板部113と、板面が見付け方向を向き第1上板部112の第2板部66側の端部から下方に延びる鉛直板部114と、板面が上下方向を向き鉛直板部114の下端部から第2板部66まで延びる下板部115と、を有している。
【0032】
図11に示すように、取付板部111には、召合せ框下部加熱発泡材支持部10を第1板部65(
図6および
図7参照)に仮固定するためのビスが挿通される仮固定用ビス孔111aと、召合せ框下部加熱発泡材支持部10を第1板部65に固定するためのビスが挿通される固定用ビス孔111bが形成されている。本実施形態では、仮固定用ビス孔111aが固定用ビス孔111bの上側となるように形成されている。また、取付板部111は、第1板部65の第1戸車調整孔65a上側に固定されている。
第1上板部112には、上下方向に貫通する孔部112aが形成されている。
第2上板部113は、見込み方向の寸法が中空部64の見込み方向の寸法よりも小さくなるように形成されている。
【0033】
鉛直板部114は、見込み方向の寸法が中空部64の見込み方向の寸法を略同じ寸法となるように形成されていて、見込み方向の両端部が筒状部63(
図6および
図7参照)と当接している。また、鉛直板部114には、見付け方向に貫通する固定用孔部114aと戸車調整ネジ83(
図6および
図7参照)を調整するドライバーが挿通可能な第3戸車調整孔114bとが形成されている。
固定用孔部114aは、取付板部111の仮固定用ビス孔111aおよび固定用ビス孔111bと見付け方向に重なる位置に形成されている。
第3戸車調整孔114bは、筒状部63の第1戸車調整孔65aおよび第2戸車調整孔65b(
図6および
図7参照)と見込み方向に重なる位置に形成されている。
【0034】
下板部115は、見込み方向の幅寸法が中空部64(
図6および
図7参照)の幅寸法を略同じ寸法となるように形成されていて、見込み方向の両端部が筒状部63(
図6および
図7参照)と当接している。そして、下板部115の上面の略全体には、召合せ框下部加熱発泡材93が貼りつけられている。
【0035】
そして、召合せ框下部加熱発泡材93は、発泡すると、上側に向かって膨張し、鉛直板部114によって鉛直板部114よりも第1板部65側にはほとんど膨張しないように構成されている。このため、発泡した召合せ框下部加熱発泡材93は、筒状部63の第2板部66の第2戸車調整孔66aを塞ぎ、第1板部65の第1戸車調整孔65aおよび第1上板部112の孔部112aを塞がないように構成されている。これにより、下框5の中空部54と召合せ框6の中空部64との連通は維持され、召合せ框6と外部との第2戸車調整孔66aを介した連通は遮断されるように構成されている。
【0036】
また、
図10に示すように、召合せ框6の上端部近傍には、召合せ框6の中空部64と上框4の中空部44とを連通させる孔部64aが形成されている。そして、筒状部63の上部近傍には召合せ框上部加熱発泡材94が配置されていて、召合せ框上部加熱発泡材94が発泡すると孔部64aを塞ぎ、召合せ框6の中空部64の内部と上框4の中空部44との連通を遮断するように構成されている。
【0037】
図1に戻り、縦框7は、縦枠23と係合可能な縦枠係合部71と、ガラス31を支持するガラス支持部72と、縦枠係合部71とガラス支持部72との間に配置された筒状部73と、を有している。これらの縦枠係合部71、ガラス支持部72、筒状部73は、一体に形成されていて、それぞれ見付け方向に延在している。
縦枠係合部71は、縦枠23側が開放されていて、サッシ障子3A,3Bが開口部12を閉鎖した状態において、縦枠23に形成された突出片23aが挿入可能に構成されている。
筒状部73の内部には、見付け方向に貫通する中空部74が形成されている。
【0038】
そして、
図10に示すように、縦框7の筒状部73は、上端部が上框4の筒状部43と連結されている。そして、縦框7の中空部74は、上框4の中空部44と連通している。
また、
図5および
図8に示すように、縦框7の筒状部73は、下端部が下框5の筒状部53と連結されている。そして、縦框7の中空部74は、下框5の中空部54と連通している。
縦框7の筒状部73は、角筒状に形成されている。ここで、筒状部73を構成する板部のうち、板面が見付け方向を向き見付け方向に間隔をあけて配置された板部を、第1板部75および第2板部76とし、これらのうち、ガラス支持部72側に配置された板部を第1板部75とし、縦枠係合部71側に配置された板部を第2板部76として以下説明する。
【0039】
第1板部75には、下端部近傍に第1戸車調整孔75aが形成されている。また、第2板部76には、下端部近傍に第2戸車調整孔76aが形成されている。
これらの第1戸車調整孔75aおよび第2戸車調整孔76aは、戸車部8の戸車調整ネジ83が配置されている高さに形成されている。そして、第2板部76の外方から、第2戸車調整孔76aおよび第1戸車調整孔75aにドライバーなどを挿通させることで、外部から戸車調整ネジ83を調整可能に構成されている。
また、下框5の中空部54と縦框7の中空部74とは、第1戸車調整孔75aを介して連通していて、縦框7の中空部74は、第2戸車調整孔76aを介して外部と連通している。
【0040】
また、縦框7の縦枠係合部71の内側には、下端部近傍に縦框下部加熱発泡材(第2加熱発泡材)95が設けられている。
縦框下部加熱発泡材95は、発泡すると縦枠係合部71の内側の下端部近傍を閉塞し、第2戸車調整孔76aと塞ぐように構成されている。これにより、下框5の中空部54と縦框7の中空部74との連通は維持され、縦框7と外部との第2戸車調整孔76aを介した連通は遮断されるように構成されている。なお、第2板部76に第2戸車調整孔76a以外の孔部が形成されている場合は、発泡した縦框下部加熱発泡材95が第2戸車調整孔76a以外の孔部を塞ぐように構成されている。
【0041】
また、
図10に示すように、縦框7の上端部近傍には、縦框7の中空部74と上框4の中空部44とを連通させる孔部74aが形成されている。そして、筒状部73の上部近傍には縦框上部加熱発泡材96が配置されていて、縦框上部加熱発泡材96が発泡すると孔部74aを塞ぎ、縦框7の中空部74の内部と上框4の中空部44との連通を遮断するように構成されている。
【0042】
次に、上述した引違サッシの作用・効果について図面を用いて説明する。
上述した本実施形態による引違サッシでは、火災の熱によって加熱発泡材91〜96が発泡する。
このとき、
図12乃至
図17に示すように戸車収容部加熱発泡材91は、戸車収容部58と外部との連通を遮断するように発泡する。
また、小開口ストッパ加熱発泡材92は、小開口ストッパ59を覆うとともに、小開口ストッパ59と下框5の側板部56に形成された開口部56aの縁部との隙間を塞ぐように発泡する。このとき、小開口ストッパ加熱発泡材92は、小開口ストッパ加熱発泡材支持部60によって、下框5の中空部54のうち、小開口ストッパ加熱発泡材支持部60の見付け方向の両側に位置する空間54c,54dは、小開口ストッパ加熱発泡材支持部60の上下の隙間54a,54bを介して連通させるように発泡する。これにより、火災の熱によって戸車部8や小開口ストッパ59の樹脂部分が溶融して発生した可燃性ガスを、下框5の中空部54全体に流通させることができる。
【0043】
また、
図13および
図15に示すように、召合せ框下部加熱発泡材93は、召合せ框6の第2戸車調整孔66aを塞いで、召合せ框6中空部64と外部との連通を遮断し、下框5の中空部54と召合せ框6の中空部64との連通は遮断しないように発泡する。
また、
図17に示すように、召合せ框上部加熱発泡材94は、召合せ框6の中空部64と上框4の中空部44との連通を遮断するように発泡する。
【0044】
また、
図12および
図16に示すように、縦框下部加熱発泡材95は、縦框7の第2戸車調整孔76aを塞いで、縦框7の中空部74と外部との連通を遮断し下框5の中空部54と縦框7の中空部74との連通は遮断しないように発泡する。
また、
図17に示すように、縦框上部加熱発泡材96は、縦框7の中空部74と上框4の中空部44との連通を遮断するように発泡する。
【0045】
これにより、火災の熱によって戸車部8や小開口ストッパ59の樹脂部分が溶融して発生した可燃性ガスを、召合せ框6および縦框7の第2戸車調整孔から外部へ漏らすことなく、下框5の中空部54、召合せ框6の中空部64および縦框7中空部74の空間に封止することができる。
そして、発生した可燃性ガスを戸車収容部58や下框5の中空部54のみに封止する場合と比べて、召合せ框6の中空部64および縦框7の中空部74も可燃性ガスを封止する空間として利用できるため、多量の可燃性ガスが発生した場合にも確実に封止し、封止された可燃性ガスが高圧状態となることを防止できる。
【0046】
また、召合せ框6の中空部64には、召合せ框下部加熱発泡材93を支持し、召合せ框下部加熱発泡材93が発泡する範囲を規制する召合せ框下部加熱発泡材支持部10が設けられていることにより、召合せ框下部加熱発泡材93が発泡しても、召合せ框下部加熱発泡材支持部10の鉛直板部114によって第1戸車調整孔65aを閉塞するのを確実に防止することができる。その結果、下框5の中空部54および戸車収容部58と召合せ框6の中空部64とが連通した状態を確実に維持することができる。
【0047】
以上、本発明による引違サッシの実施形態について説明したが、本発明は上記の実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
例えば、上記の実施形態では、小開口ストッパ加熱発泡材支持部60は、見付け方向に延在し、見付け方向に延在する断面形状が開口部56a側(室内側)に開口するC字形状に形成されているが、これ以外の形状に形成されていてもよい。
【0048】
また、上記の実施形態では、引違サッシ1には、本発明の規制部として、小開口ストッパ59が設けられているが、小開口ストッパ59に代わって、または併せてサブロックなどが規制部として設けられていてもよい。サブロックなど小開口ストッパ59以外の規制部が設けられている場合においても、発泡すると規制部を配置するために下框5に形成された開口部を閉塞可能な加熱発泡材が設けられていて、この加熱発泡材が下框5の中空部54を分断しないように発泡する構成とする。
【0049】
また、上記の実施形態では、火災が発生した際に、下框5の中空部54を召合せ框6の中空部54および縦框7の中空部74と連通させて、戸車部8や小開口ストッパ59の樹脂部分が溶融して発生した可燃性ガスを下框5の中空部54、召合せ框6の中空部54および縦框7の中空部74に封止しているが、下框5の中空部54を召合せ框6の中空部54および縦框7の中空部74と連通させずに、戸車部8や小開口ストッパ59の樹脂部分が溶融して発生した可燃性ガスを下框5の中空部54のみに封止するように構成されていてもよい。
また、火災が発生した際に、下框5の中空部54と召合せ框6の中空部54および縦框7の中空部74のいずれか一方を連通させて、戸車部8や小開口ストッパ59の樹脂部分が溶融して発生した可燃性ガスを下框5の中空部54と召合せ框6の中空部54および縦框7の中空部74のいずれか一方に封止するように構成されていてもよい。
また、火災が発生した際に、召合せ框6の中空部54および縦框7の中空部74を上框4の中空部44と連通させて、上框4の中空部44にも可燃性ガスを封止するように構成されていてもよい。