(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】
図1は、本発明の一般化された実施形態にかかる多結晶シリコンウェハ上にパターニングされた光捕捉構造を生成するためのシステムを示す平面側の斜視図である。
【
図2】
図2は、
図1のシステムを利用したパターニングされた光捕捉構造を生成するための簡略化された方法を示すフロー図である。
【
図3】
図3は、本発明の実施形態にかかるマスク印刷プロセスを示す平面図である。
【
図4】
図4は、
図3の処理において利用される微小バネ型導管を含む例示的な印刷ヘッドを示す斜視図である。
【
図5A】
図5Aは、第1の特定の実施形態にかかる微小バネ型導管を示す斜視側面図である。
【
図5B】
図5Bは、第1の特定の実施形態にかかる微小バネ型導管を示す斜視正面図である。
【
図6A】
図6Aは、第2の特定の実施形態にかかる微小バネ型導管を示す斜視側面図である。
【
図6B】
図6Bは、第2の特定の実施形態にかかる微小バネ型導管を示す斜視正面図である。
【
図7】
図7は、第3の特定の実施形態にかかる微小バネ型導管を示す斜視側面図である。
【
図7A】
図7Aは、他の特定の実施形態にかかる微小バネ型導管によって利用される他の流路の特徴を示す断面図である。
【
図7B】
図7Bは、他の特定の実施形態にかかる微小バネ型導管によって利用される他の流路の特徴を示す断面図である。
【
図7C】
図7Cは、他の特定の実施形態にかかる微小バネ型導管によって利用される他の流路の特徴を示す断面図である。
【
図8】
図8は、本発明の他の実施形態にかかる印刷ヘッドを示す平面側の斜視図である。
【
図9A】
図9Aは、本発明の関連する具体的な実施形態にしたがって利用される他のマスク材料供給システムを示す簡略化された側断面図である。
【
図9B】
図9Bは、本発明の関連する具体的な実施形態にしたがって利用される他のマスク材料供給システムを示す簡略化された側断面図である。
【
図9C】
図9Cは、本発明の関連する具体的な実施形態にしたがって利用される他のマスク材料供給システムを示す簡略化された側断面図である。
【
図10A】
図10Aは、本発明の他の特定の実施形態にしたがって利用される様々な導管の配置を示す簡略化された平面図である。
【
図10B】
図10Bは、本発明の他の特定の実施形態にしたがって利用される様々な導管の配置を示す簡略化された平面図である。
【
図10C】
図10Cは、本発明の他の特定の実施形態にしたがって利用される様々な導管の配置を示す簡略化された平面図である。
【
図10D】
図10Dは、本発明の他の特定の実施形態にしたがって利用される様々な導管の配置を示す簡略化された平面図である。
【
図11】
図11は、本発明の特定の実施形態にしたがって印刷される直線マスク材料パターンを含むウェハを示す簡略化された平面図である。
【
図13】
図13は、本発明の他の特定の実施形態にしたがって印刷される他の直線マスク材料パターンを含むウェハを示す簡略化された平面図である。
【
図14A】
図14Aは、本発明の他の特定の実施形態にしたがって印刷される波線状マスク材料パターンを含むウェハを示す簡略化された平面図である。
【
図14B】
図14Bは、本発明の他の特定の実施形態にしたがって印刷される波線状マスク材料パターンを含むウェハを示す簡略化された平面図である。
【
図15A】
図15Aは、本発明の他の特定の実施形態にしたがって印刷されるドット状マスク材料パターンを含むウェハを示す簡略化された平面図である。
【
図15B】
図15Bは、本発明の他の特定の実施形態にしたがって印刷されるドット状マスク材料パターンを含むウェハを示す簡略化された平面図である。
【
図16】
図16は、本発明の他の特定の実施にかかる2つのオフセット・印刷ヘッドを利用したマスク印刷システムを示す簡略化された平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明は、低コストの太陽電池の製造中に多結晶シリコンウェハ上に光捕捉構造を生成するのに使用されるマスクパターンを印刷するための方法の改善に関する。以下の説明は、当業者が特定の用途及びその要件の文脈において提供されるような本発明を作製して使用するのを可能とするために提示される。本願明細書では、「上」、「下」、「下向き」、「前」、「後」などの方向を示す用語は、説明のために相対位置を提示することを意図しており、基準の絶対的なフレームを指定することを意図するものではない。さらに、語句「一体に接続された」及び「一体に成形された」は、単一の成形又は機械加工された構造の2つの部分間の接続関係を説明するために本願明細書において使用され、例えば、接着剤、ファスナ、クリップ又は可動継ぎ手を介して接合される2つの別個の構造を示す(修飾語「一体に」を有しない)用語「接続された」又は「連結された」とは区別される。望ましい実施形態に対する様々な変更は、当業者にとって明らかであり、本願明細書において定義される一般的な原理は、他の実施形態に適用することができる。したがって、本発明は、図示されて説明された特定の実施形態に限定されることを意図するものではなく、本願明細書に開示された原理及び新規な特徴と一致する最も広い範囲を与えられるべきである。
【0019】
図1は、多結晶シリコン(mc−Si)ウェハ101−1及び101−2の平坦面102上に一体パターニングされた光捕捉構造105を生成するためのシステム100を示す平面斜視図であり、
図2は、本発明の一般化された実施形態にかかるシステム100を用いて一体パターニングされた光捕捉構造105を生成するための方法を示すフロー図である。語句「一体パターニングされた光捕捉構造」における用語「一体」は、光捕捉構造105が(例えば、mc−Siウェハ材料の隣接部分をエッチング/除去することにより)ウェハ101−1及び101−2を構成するmc−Si材料の一部によって全体的に形成されており、ウェハ101−1及び101−2上に配設又は形成された光捕捉構造とは語句「一体パターニングされた光捕捉構造」を区別することを示している。図示のために
図1における斜線部分によって示されているが、パターニングされた光捕捉構造105は、平面ウェハ表面102の一部をエッチング/除去することによって形成された3次元のmc−Si構造(例えば、ピラミッド又はトラフ状の特徴)を含むことが理解される。
【0020】
図1に示されるように、システム100は、一般に、マスク材料供給源120から液体マスク材料125を受け取る印刷ヘッド・アセンブリ110と、印刷ヘッド・アセンブリ110の下方に多結晶シリコン(mc−Si)ウェハ101−1及び101−2を搬送するための搬送ベルト130と、ウェハ101−1及び101−2上にエッチャント145を塗布するためのエッチングステーション140とを含む。
【0021】
図2の上部を参照すると、一般化された方法は、マスク材料125が導管113−1から113−5のアレイの先端部から排出されるように、印刷ヘッド・アセンブリ110に対して液体マスク材料125を送ることを含む(ブロック210)。
図1の上部に示されるように、印刷ヘッド・アセンブリ110は、供給源120からのマスク材料125を受ける容器112と、基板111から並列に延在する密集した並列の細長導管113−1から113−5とを有する基板111を含む。各導管113−1から113−5は、液体マスク材料125(望ましくは、ワックス、樹脂、ポリマー、脂肪酸及びエステルなどの有機化合物)が容器112から導管113−1から113−5内に送られる(流れる)ようにマスク材料源120と連通している。各細長導管113−1から113−5は、基板111に取り付けられた基部と、基板111から離れて配設された先端部と、容器112から先端部へとマスク材料の流れを導くための毛細管流路を画定する本体部とを含む。例えば、導管113−1は、基部114−1と先端部116−1との間において本体部に沿って延在する流路115−1を含み、導管113−5は、基部114−5と先端部116−5との間に延在する流路115−5を含む。
図1の右上部において破線楕円によって示されるように、液体マスク材料125の送り(流れ)は、排出されたマスク材料部分125−1から125−5が表面102上に密集したマスク特徴126−1から126−5(例えば、連続線又は一連の連続した「ドット」)から構成されたマスク材料パターン126を形成するように、各導管113−1から113−5の毛細管流路に沿った(例えば、導管113−5の流路115−5に沿った)十分な液体マスク材料の流れを引き起こすために、以下に記載される流れ発生方法の1つを利用することを含む。例えば、
図1において破線矢印によって示されるように、マスク材料部分125−1は、ウェハ101−1の上面102上にマスク特徴126−1を形成するように導管113−1の先端部116−1から排出される前に、流路115−1に沿って容器112から流れる。それと同時に、マスク材料部分125−5は、流路115−5に沿って容器112から流れ、ウェハ101−1の上面102上にマスク特徴126−5を形成するように導管113−5の先端部116−5から排出される。マスク材料部分125−2、125−3及び125−4は、同様に、ウェハ101−1及び101−2の上面102にマスク特徴126−2から126−4を形成するように導管113−2、113−3及び113−4からそれぞれ同時に排出される。
【0022】
図2のブロック220を参照すると、本方法は、さらに、排出されたマスク材料125が各ウェハ上にマスク材料パターン126を形成するように、印刷ヘッド・アセンブリ110の下方(すなわち、導管アレイの下方)にウェハ101−1及び101−2を移動させることを含む。
図1に示される例示的な実施形態によれば、ウェハ101−1及び101−2は、排出されたマスク材料部分125−1から125−5がウェハ101−1及び101−2の上面102上に離隔された線状特徴126−1から126−5の形態でマスク材料パターン126を生成するように、113−1から113−5の下方に(すなわち、液体マスク材料が導管113−1から113−5の先端部から排出されているときに)連続して高速(例えば、125mm/s以上)でコンベア130によって移動される。1つの実施形態において、コンベア130は、細長線状の特徴126−1から126−5がウェハ101−1及び101−2の関連する離隔された表面部分を被覆(マスク)するように、(例えば、
図1における矢印「X」の方向に)導管113−1から113−5の下方に一定速度でウェハ101−1及び101−2を支持して移動させるベルト式可動構造である。具体的には、ウェハ101−1上に示されるように、特徴126−1から126−5は、各隣接する特徴対(例えば、特徴126−1及び126−2)が露出された溝状の表面部分102−2によって分離された平坦上面102の「マスクされた」部分102−1上に配設される。搬送機構130によって提供されるウェハ速度によって印刷ヘッド110を介したマスク材料125の流れを一致させることにより、本発明は、高いコスト効率で多結晶シリコンウェハ101−1及び101−2上へのパターニングされた光捕捉構造105の形成を容易とする高速で単一経路のマスク印刷方法を提供する。
【0023】
図2におけるブロック230によって示されるように、マスク材料パターン126を形成した後に、ウェハ101−1及び101−2は、エッチャント145が一体パターニングされた光捕捉構造105を形成するように各ウェハの上面102上に塗布されるエッチングステーション140の下方に又はそれを通って移動される。本発明の態様によれば、
図1におけるウェハ101−2上の斜線表面によって示されるように、エッチャント145は、残り(エッチングされた)mc−Siウェハ材料(すなわち、マスク特徴126−1から126−5によってエッチャント145から保護される部分)が一体パターニングされた光捕捉構造105を形成するように、各ウェハの露出された平坦表面部分102−2をエッチングする(すなわち、その部分を除去する)ように塗布される。例示的な実施形態において、エッチャント145は、残りの多結晶シリコンウェハ材料が所望のパターニングされた光捕捉構造105(例えば、トラフ状構造)を形成するように塗布されるHF/硝酸/酢酸混合物の1つを含む。
【0024】
図2の下部におけるブロック240を参照すると、マスク材料パターン126は、その後、公知の技術を用いて任意に除去される。例えば、マスクは、完全に切り取られ、マスクがエッチング槽から濾過される基板からリフトオフされることができる。他の方法は、KOH又はK
2CO
3を用いた塩基性溶液内でマスク材料をエッチングすることであろう。
【0025】
図2の方法は、多結晶ウェハ101−1及び101−2においてパターニングされたピラミッド又はトラフ状特徴を生成するためのコスト効率が高い方法を提供している。すなわち、本願明細書に記載された方法で導管113−1から113−5を介して液体マスク材料を排出することにより、本発明は、インクジェット、スクリーン印刷及びフレキソ印刷アプローチよりもコスト効率が高い方法で太陽電池の形成に関連する最小線幅仕様を満たすマスク印刷方法を容易とする。
【0026】
本発明の態様によれば、各導管113−1から113−5は、基板111に取り付けられた(固定)基部と、基板111から離れて配設された先端部とを有するカンチレバー型構造を含み、各導管の基部から先端部へのマスク材料の流れ(すなわち、流路)を制御する毛細管(流れ)流路を含む/定義する。例えば、
図1の右上部に示される破線泡を参照すると、導管113−5は、基部114−5と先端部116−5との間に延在している毛細管流路115−5を取り囲む(画定する)チューブ状構造を含み、マスク材料部分125−5が、基部114に隣接して配設された開口(第1の)端を介して流路115−5に入り、先端部116−5に向かって基部114−5から導管113−5に沿って導かれ(流れ)、マスク特徴126−5を形成するように先端部116−5における開口(第2の)端から排出されるように、毛細管流路115−5が容器112と連通している。導管113−1から113−4は、同様に、それらがマスク特徴126−1から126−4をそれぞれ形成するように、マスク材料部分125−1から125−4を導くように容器112と連通している。導管113−1から113−5の各毛細管流路は、狭いマスク特徴の形成を容易とするミクロンレベルの公称流路幅を有している。例えば、
図1の右上部において破線泡で示されるように、毛細管流路115−5は、約10ミクロン以下の公称幅Wを有する線状マスク特徴126−5の形成を容易とする3から10ミクロンの範囲内の公称流路幅(間隙距離G)を有する。カンチレバー型導管113−1から113−5を利用することの利点は、排出されるマスク材料部分125−1から125−5が1から10ミクロンの範囲内の所望の公称幅W及び公称厚Tを有するマスク特徴126−1から126−5を形成するように、十分な液体マスク材料が送達される(例えば、毛細管流路115−1から115−5に沿って流れる)ということであり、それにより、マスク印刷プロセスは、「単一経路」印刷工程において達成される。すなわち、本願明細書に記載された方法で導管113−1から113−5を介して液体マスク材料125を排出することにより、本発明は、太陽電池の形成に関連する最小線幅仕様を双方とも満たすマスク印刷方法を容易とし、マスク特徴の単一経路印刷(すなわち、第2の印刷層を回避するように十分なマスク材料を印刷する)を容易とするように十分なマスク材料を蒸着し、このアプローチをインクジェット、スクリーン印刷及びフレキソ印刷のアプローチよりも優れたものとする。この配置はまた、非常に薄くて密集した導管(例えば、インチあたり1000本以上の導管)の形成を容易とし、それにより、太陽電池の製造に関連する最小線幅要件を満たす高スループットの印刷プロセスを提供する。
【0027】
図3は、mc−Siウェハ101が印刷ヘッド110の下方に(すなわち、図の下向きに)移動され、複数の並列の線状マスク特徴126が上述した方法を用いてウェハ101上に印刷されるマスク印刷プロセスを示す平面図である。この場合、印刷ヘッド110は、それらがウェハ101の幅W
Wに及ぶように、エンド・ツー・エンドで配置された3つのセグメント110−1、110−2及び110−3(すなわち、3つの別個の基板111−1、111−2及び111−3上に形成された)を含み、各セグメント110−1、110−2及び110−3は、ウェハ101の対応する部分上にマスク材料を蒸着するように配置されている(例えば、セグメント110−2は、通常mc−Si PV装置上にみられるバスバー106の間にマスク特徴126を形成するように配設されている)。特定の実施形態において、各セグメントの基板(例えば、基板111−2)は、3インチの公称幅W
Sを有し、ウェハ101は、6インチの幅W
Wを有する。
【0028】
図4は、本発明の実施形態にかかる単一の印刷ヘッド・セグメント110Aを示す斜視図であり、セグメント110Aは、基板111Aに対して片持ち型の配置で固定される湾曲した微小バネ型導管113Aの線形アレイを含む。具体的には、各微小バネ型導管113Aは、基板111Aの平坦面に取り付けられた基(固定端)部114Aと基板111Aからオフセットされた(すなわち、離れて配設された)先端(自由端)部116Aとを有する微小バネ構造を含む。1つの実施形態において、各微小バネ型導管113Aは、本発明の譲受人によって開発された高密度相互接続(HDI)プラットフォーム技術に準拠した独自ClawConnect(商標)に利用されるものと同様の技術を用いて作製された応力−金属微小バネ構造を備える。ClawConnect技術によれば、各微小バネ型導管113Aは、応力−工業用フィルムとして蒸着された後に、その最下部(すなわち、基板111Aの上面に隣接した蒸着材料)がその上側部分(すなわち、基板111Aから最も遠くに位置する水平層)よりも低い内部引張応力を有するバネ材料島(平坦構造)を形成するようにパターニングされる自己湾曲バネ金属を用いて形成され、それにより、その後の剥離プロセス中に基板111Aから離れるように上向きに湾曲させるようにバネ金属島の狭い「指」部を生じさせる内部応力の変化を応力−工業用金属フィルムに有させる。応力−工業用金属フィルムにおけるこのような内部応力の変化を生成するための方法は、例えば、米国特許第3,842,189号明細書(異なる内部応力を有する2つの金属の蒸着)及び米国特許第5,613,861号明細書(例えば、プロセスパラメータを変化させながらスパッタリングされる単一の金属)に教示されており、双方とも参照することによって本願明細書に組み込まれる。1つの実施形態において、チタン(Ti)剥離材料層が基板111上に蒸着され、その後、応力−工業用金属フィルムは、剥離材料上にスパッタリング蒸着又はメッキされたモリブデン(Mo)、「モリ−クロム」合金(MoCr)、タングステン(W)、チタン−タングステン合金(Ti:W)、クロム(Cr)、銅(Cu)、ニッケル(Ni)及びニッケル−ジルコニウム合金(NiZr)のうちの1つ以上を含む。応力−工業用金属フィルムが良好な母材として機能しない場合には、任意のパッシベーション金属層(図示しない;例えば、金(Au)、白金(Pt)、パラジウム(Pd)又はロジウム(Rh))が後続のメッキプロセスのためのシード材料として作用するように応力−工業用金属フォルムの上面に蒸着されてもよい。パッシベーション金属層はまた、完成したバネ構造における接触抵抗を改善するために設けられてもよい。代替的な実施形態において、ニッケル(Ni)、銅(Cu)又はニッケル−ジルコニウム(NiZr)フィルムがシード層を有さずに直接メッキされることができるように形成されてもよい。無電解メッキが使用される場合、電極層の蒸着は、省略することができる。さらに他の代替的な実施形態において、自己湾曲バネ材料は、公知の技術にしたがって作製されるバイモルフ/バイメタル化合物(例えば、金属1/金属2、シリコン/金属、シリコン酸化物/金属、シリコン/窒化シリコン)のうちの1つ以上とすることができる。各場合において、高導電性材料(例えば、金)の外層は、導電性を高めてマイクロプラズマの生成を容易とするために「基」バネ金属材料上に形成される。さらに他の実施形態において、各微小バネ型導管は、その基(アンカー)部が任意の支持構造(例えば、剥離層の保持部又は予め形成された導電性基体構造)を介して下方基板に接続されるように作製される。
【0029】
本発明の微小バネ型導管は、製造プロセスが各微小バネ構造/導管の長さに沿って延在する適切な毛細管流路を設けるように変更されるという点で、ClawConnect技術によって形成される標準的な微小バネ型プローブとは異なり、それにより、微小バネ構造の一部に又は微小バネ構造の一部によって形成された毛細管流路に沿ってマスク材料部分の一部を同時に流れさせることによって各微小バネ型導管からの液体マスク材料の排出が行われる。例示的な毛細管流路特徴は、
図5−
図7を参照しながら以下に説明される。
【0030】
図5A及び
図5Bは、それぞれ、第1の特定の実施形態にかかるスリット状の毛細管流路115Bを含む微小バネ型導管113Bを示す斜視側面図及び正面図である。各微小バネ型導管113Bは、
図3を参照して上述したように基板(図示しなし)に取り付けられた基部114B及び基板から離れて配設された先端部116Bを有する関連する並列の湾曲した応力−金属微小バネ113B−1及び113B−2を含み、関連する微小バネ113B−1及び113B−2は、スリット状の毛細管流路115Bがそれらの間に画定されるように離隔されている。この場合、液体マスク材料を送ることは、マスク材料がスリット状の毛細管流路115Bに沿って流れて先端部116Bの間から排出されるように、微小バネ113B−1及び113B−2の基部114Bの間の地点にマスク材料を供給することを含む。3から10ミクロンの範囲内の公称間隙距離Gを有する微小バネ113B−1及び113B−2を形成することにより、マスク材料は、それが基部114Bと先端部116Bとの間を流れるのにともない毛細管作用(力)を介してスリット状の毛細管流路115B内に維持される。液体の流れのために使用されることができる密集した微小バネ型導管を生成するための技術は、例えば、共同所有の米国特許第7,241,420号明細書(「応力金属を用いた液体抽出、輸送及び分配用の毛細管流路プローブ」)に開示されており、これは、その全体を参照することによって本願明細書に組み込まれる。
【0031】
図6A及び
図6Bは、それぞれ、第2の特定の実施形態にかかるチューブ状の微小バネ型導管113Cを示す斜視側面図及び正面図である。この場合、液体マスク材料は、例えば矩形断面を有する壁によって画定された(すなわち、四方を囲まれた)中空のチューブ状の毛細管流路115C内を流れ、チューブ状の毛細管流路115Cは、微小バネ型導管113Cの基端114Cと先端116Cとの間に延在している。この場合、マスク材料は、必要な流量を生成する圧力で封入された容器(図示しない)から毛細管流路115C内に供給される。液体の流れのために使用されることができるチューブ状の微小バネ型導管を生成するための技術は、例えば、共同所有の米国特許第8,080,293(「カプセル化を使用した微小加工構造の製造」)に開示されており、これは、その全体を参照することによって本願明細書に組み込まれる。
【0032】
図7は、第3の特定の実施例にかかるパターニングされた微小バネ型導管113Dを示す斜視側面図であり、
図7A、
図7B及び
図7Cは、パターニングされた微小バネ型導管113Dによって利用される他の液体案内流路タイプを示す断面図である。
図5A及び
図5Bを参照しながら上述したスリット状の流路と同様に、各微小バネ型導管113Dは、液体マスク材料の流れが各微小バネ型導管113Dに沿って基部114Dから先端部116Dへと移動するのにともない、毛細管作用によって液体マスク材料の流れを制御するように機能する関連する液体案内流路構造115Dを含む。しかしながら、2つの隣接する微小バネを使用して形成される代わりに、導管113Dは、その表面において又はその表面に画定された液体案内流路構造115Dを含むように変更された(パターニングされた)単一の微小バネ構造を含み、液体案内流路構造115Dは、基部114Dと先端部116Dとの間の毛細管液体流れを容易とする形状を含む。
図7Aは、導管113D−1の中央表面領域から上方に延在するリブによって形成された硬質液体案内流路構造115D−1を有する第1の微小バネ型導管113D−1を示している。
図7Bは、導管113D−2の全長に沿って上面へと延在する正方形又は矩形のトラフとして形成された谷又は溝型液体案内流路構造115D−2を有する第2の微小バネ型導管113D−2を示している。
図7Cは、導管113D−3の全長に沿って上面へと延在する半円形のトラフ(谷)として形成された他の谷/溝型流路構造115D−3を有する第3の微小バネ型導管113D−3を示している。
図7A−
図7Cに示された液体案内流路構造の利点は、それらが既存のClawConnect技術を用いて作製され、したがって、長い動作寿命を有する堅牢な印刷ヘッドを提供すると考えられるということである(すなわち、150000個以上の6インチ太陽電池を製造するのに適している)。
【0033】
本発明は、望ましくは、微小バネ型導管を使用して実装されるが、他の技術もまた利用されることができる。例えば、
図8は、本発明の代替的な実施形態にしたがって形成された直線状の並列のカンチレバー部113Eを含む印刷ヘッド・セグメント110Eを示す平面側斜視図である。1つの特定の実施形態において、印刷ヘッド・セグメント110Eは、UVレーザ微小加工を用いてポリイミドシート111Eをエッチングすることによって形成される。各カンチレバー部113Eは、ポリイミドシート(基板本体)111Eに取り付けられた基部114Eを有し、シート111Eから離れて端(先端)部116Eまで延在している。適切な流路は、排出されるマスク材料部分が同時にスリット状の毛細管流路115Eに沿って流れるように、ポリイミドシート111E上に形成された容器112Eから、前記複数の直線状カンチレバー部113Eの隣接する対の間に画定されたスリット状の毛細管流路115Eまで液体マスク材料を供給する。薄い(25から50μm厚)ポリイミドは非常に適合しているため、印刷ヘッド・セグメント110Eが(絵筆と酷似するように)破壊又は失敗することなく、対象とするmc−Siウェハ全体(図示しない)を「スクライブ」することができることが想定される。すなわち、対象とするmc−Siウェハと接触したときに脆弱で破壊することができる微細加工された直線状のシリコン・カンチレバーアレイとは異なり、薄いポリイミドカンチレバー部113Eは、(上述した)応力金属微細バネカンチレバーに関連付けられたものと同様の方法で撓むことができる。また、ポリイミドは、最新のレーザ微小加工の技術を使用して容易にパターニングされ、必要とされる小さな特徴は、例えば265nmのUVレーザシステムによって得られることができる。
【0034】
上述した様々な導管への液体マスク材料の送りは、そのいくつかが
図9Aから
図9Cを参照しながら以下に説明されるいくつかの可能な機構を使用して達成される。
【0035】
図9Aは、液体マスク材料125が印刷ヘッド110Fの導管113F(1つが示されている)へと1つ以上のインクジェット印刷ヘッド120Fを介して正確な量(滴)で送達される第1の液体マスク材料供給システムを示す簡略化された側断面図である。インクジェット印刷ヘッド120Fの出口ノズルは、液体マスク材料125が各導管113Fの基部114Fに供給されるように、個々のカンチレバー型導管113Fにわたって配置される。印刷ヘッド110Fはまた、液体マスク材料125が毛細管流路115Fに沿って基部114Fから先端部116Fへと流れるように配置され、それにより、本願明細書に記載された方法で対象とするmc−Siウェハ(図示しない)へと転送される。このアプローチの利点は、インクジェット送達システムが非常に正確な量の液体材料を送達するための周知の機構であるということである。
【0036】
図9Bは、液体マスク材料125がチューブ状の導管113G(すなわち、
図6A及び
図6Bを参照しながら上述したものと同様)内へと1つ以上の加圧されたマニホールド120Gを介して送達される第2の液体マスク材料供給システムを示す簡略化された側断面図である。加圧された液体マスク材料125−Pは、ポンプ又は他の加圧供給源からマニホールド120G内部に画定された容器112Gへと送達され、容器112Gは、各チューブ状の導管113Gの基部114Gに隣接して配置された毛細管流路の第1の端部と連通しており、それにより、液体マスク材料125は、チューブ状の導管113Gに沿って押しやられ、対象とするmc−Siウェハ上に先端部116Fにおける出口から排出される。この第2のアプローチの利点は、加圧されたマニホールドが、一般に、インクジェット送達システムよりも実装するのにより複雑でなく安価であるということである。
【0037】
図9Cは、印刷ヘッド110Hに供給される液体マスク材料125の粘度勾配が、それが印刷ヘッド基板111Hを介して容器112Hから導管113Hへと供給されるのにともない、液体マスク材料125を加熱することによって制御され、それにより、温度勾配Tが、導管113Hの基部114Hにおいて毛細管流路115H内の液体マスク材料125を測定するのに使用される所望の粘度勾配を形成する印刷ヘッド110Hにおいて生成される第3の液体マスク材料供給システムを示す簡略化された側断面図である。温度は、セグメント化されたヒータを介して又は印刷ヘッドのマニホールド120Hの背面からの熱勾配を形成することによってのいずれかで制御され、それにより、比較的高い粘度及び比較的低温を有する液体マスク材料125は、基板111Hに向かって容器112Hから下向きに流れるのにともない加熱される。温度勾配は、液体マスク材料125が粘度の低下の双方を受けるように設定され、それにより、沿って流れて導管113Hの先端116Hから排出されるように液体マスク材料125を供給する制御された流量を生成する。この第3のアプローチの利点は、加熱されたマニホールドが、一般に、上述した他の2つの送達システムよりも実装するのにより複雑でなく安価であるということである。
【0038】
整列している先端部を有する並列の導管の使用に加えて、
図10A−
図10Cを参照しながら以下に説明されるいくつかの代替的な導管配置が、冗長性を与えるために又は生産率を増加させるために選択的に利用される。
【0039】
図10Aは、導管の隣接する各対間に大きな空間を設けることにより、印刷されたマスク材料特徴(インク線)のマージの機会を減少させ且つより高い歩留まりを容易とするために、千鳥状に配設されている並列の導管113J−1及び113J−2の2つの組を有する印刷ヘッド110Jを示している。第1の組113J−1は、上述したように(導管が基板とウェハとの間にあることを示すように破線で示される)印刷ヘッド基板111J上に形成されて固定されたクロスプロセス(Y軸)方向に整列され、対象とするmc−Siウェハ上101J上にマスク材料特徴126J−11、126J−12及び126J−13をそれぞれ生成するために上述した方法を利用する並列の導管113J−11、113J−12及び113J−13を含む。第2の組113J−2は、同様にクロスプロセス(Y軸)方向に整列されるが、導管113J−21、113J−22及び113J−23がオフセット距離Oだけ第1の組113J−1から処理/移動(X軸)方向にオフセットされた並列の導管113J−21、113J−22及び113J−23を含む。さらに、導管113J−21、113J−22及び113J−23は、第1の組113J−1によって生成された第1のマスク特徴126J−11、126J−12及び126J−13が第2の組113J−2の対応する導管113J−21、113J−22及び113J−23によって生成された第2のマスク特徴126J−21、126J−22及び126J−23の隣接する対間に配設される(例えば、マスク特徴126J−12は、マスク特徴126J−21及び126J−22の間に配設される)ように、導管113J−11、113J−12及び113J−13に対してクロスプロセス(Y軸)方向にオフセットされている(「千鳥状にされている」)。この「千鳥状」構成は、隣接する導管を分離する空間を大きくすることによって印刷ヘッドの歩留まりを高めながら、密集したマスク材料特徴の印刷を容易とする。
【0040】
図10Bは、下流の導管(例えば、第3の導管組113K−3内の導管)から排出されたマスク材料特徴が整列される(すなわち、対応する上流側の導管(例えば、第1の導管組113K−1又は第2の導管組113K−2内の導管)から排出されたマスク材料特徴の上面に配設されることができる)ように、重複して配設された(直列配置された)パターンの3つの組の並列の導管113K−1、113K−2及び113K−3を有する印刷ヘッド110Kを示している。第1の組113K−1は、上述した方法でクロスプロセス(Y軸)方向に整列されて(破線で示される)印刷ヘッド基板111Kに固定された並列の導管113K−11、113K−12、113K−13、113K−14及び113K−15を含む。第2の組113K−2は、同様にクロスプロセス(Y軸)方向に整列されて印刷ヘッド基板111Kに固定されているが、第1の組113K−1から下流に配設された並列の導管113K−21、113K−22、113K−23、113K−24及び113K−25を含み、第3の組113K−3は、同様に整列されて第2の組113K−2から下流に配設された並列の導管113K−31、113K−32、113K−33、113K−34及び113K−35を含む。各組からの関連する導管は、プロセス(X軸)方向に直列整列されている(例えば、導管113K−11、113K−21、113K−31がY軸方向に整列され、導管113K−12、113K−22、113K−32がY軸方向に整列されるなど)。
【0041】
印刷ヘッド110Kの直列配置された導管パターンは、第1の導管からの第1の排出されたマスク材料部分が第2の直列配置された導管からの第2の排出されたマスク材料部分の上面に蒸着されるように同時に印刷するのを容易とする。例えば、
図10Bの右側に示されるように、マスク特徴126K−1は、導管113K−11から排出されたマスク材料の上面に順次印刷される導管113K−21から排出されたマスク材料の上面に印刷される導管113K−31から排出されたマスク材料を有する3層のマスク材料によって形成される。
【0042】
印刷ヘッド110Kの直列配置された導管パターンはまた、欠陥導管の「発生」のために1つ以上の導管の使用を可能とすることによって冗長性を容易とする。例えば、マスク特徴126K−2は、導管113K−22から排出されたマスク材料の上面に印刷される導管113K−32から排出されたマスク材料を有する2層のマスク材料によって形成され、導管113K−12は、導管113K−32又は113K−22の1つが適切に動作しない場合に予備に保持される。同様に、マスク特徴126K−3、126K−4及び126K−5は、導管113K−33(導管113K−23及び113K−13は、予備に保持される)から排出されたマスク材料を含むマスク特徴126K−3と、導管113K−24(導管113K−34及び113K−14は、予備に保持される)から排出されたマスク材料を含むマスク特徴126K−4と、導管113K−15(導管113K−35及び113K−25は、予備に保持される)から排出されたマスク材料を含むマスク特徴126K−5とを有する単一層のマスク材料によってそれぞれ形成される。
【0043】
図10Cは、マスク印刷プロセス前にmc−Siウェハ101L上に形成された介在グリッド線127Lに備えられた間隙によって分離された2組の離隔された導管を有する印刷ヘッド110Lを示している。具体的には、導管113L−1、113L−2及び113L−3は、グリッド線127Lの第1の側にマスク特徴126L−1、126L−2及び126L−3を形成するようにピッチP1で配置されて離隔された第1の導管組を形成し、導管113L−4、113L−5及び113L−6は、グリッド線127Lの第2の側にマスク特徴126L−4、126L−5及び126L−6を形成するように配置されて離隔された第2の導管組を形成し、ピッチP1は、グリッド線127Lの幅P2よりも小さい。
【0044】
図10Dは、予想される印刷長よりも長い距離(例えば、ウェハ101M−1、101M−2及び101M−3のそれぞれの長さよりも長い距離)離隔された複数組の直列配置された導管を含む他の印刷ヘッド110Mを示しており、マスク材料が各印刷線に沿って複数の導管から印刷されるように、印刷は直列カラム多重化を使用して行われ、それにより、印刷速度を高め(すなわち、ウェハ101M−1、101M−2及び101M−3上の同時マスク印刷を可能とすることにより)、印刷経路長を減少させ、インク貯留供給時間を削減する。すなわち、第1の組113M−1(例えば、導管113M−11)は、ウェハ101M−1上にマスク特徴(例えば、特徴126M−11)を印刷するとともに、第2の組113M−2(例えば、導管113M−21)は、ウェハ101M−2上にマスク特徴(例えば、特徴126M−21)を印刷し、第3の組113M−3(例えば、導管113M−31)は、ウェハ101M−3上にマスク特徴(例えば、特徴126M−31)を印刷する。
【0045】
さらなる代替的な実施形態によれば、印刷プロセスは、マスク材料がmc−Siウェハ上に所定のパターンで印刷されるように行われ、所定のパターンの開口を介した多結晶シリコン材料の後続のエッチングは、所望の光捕捉構造パターンを生成する。ソーラーウェハによる光の吸収を増加させる多くの可能なエッチングパターンがある。周知のエッチングパターンは、溝及びいわゆるハニカムテクスチャを含む。例示的な望ましい方法は、本発明によってこれらの構造を実現する。一般に、エッチングされた特徴のピッチに比べて小さいマスクされていない領域を有することが望ましい。周知のように、これは、その深さが光捕捉のために望ましいそれらの幅に匹敵するエッチングされた特徴を生成する。
【0046】
図11は、本発明の第1の具体的な実施形態にしたがって印刷された直線状のマスク材料パターンを含むウェハ101Nを示す簡略化された平面図である。すなわち、マスク126Nは、印刷ヘッドの導管のそれぞれからマスク材料を連続的に排出することによって形成される一方で、排出されたマスク材料部分がウェハ101Nの第1の表面部102N−1上に連続した細長い並列のマスク材料線126Nを形成するように単一経路で対象とするウェハ全体を走査し、マスク材料線126Nの各隣接対は、細長い露出された平坦な表面部102N−2によって分離される。ウェハ101Nの後続のエッチングは、細長い露出された平坦な表面部102N−2にのみアクセスされる適切なエッチャントを塗布することを含む(すなわち、マスク部126Nは、第1の表面部102N−1を保護する)。
図12は、後続のエッチングプロセスが上面102Nに細長い溝型の光捕捉構造105N−1を形成した後のウェハ101Nを示す斜視図であり、溝型の光捕捉構造105N−1は、対応する細長い隆起された尾根状の構造105N−12によって分離された細長いV字状の溝105N−11を含む。
【0047】
再度
図12を参照すると、ウェハ101Nは、得られた太陽電池が変更された光捕捉構造にしたがって多種多様な散乱角を捕捉するのを可能とするウェハの両側に垂直な直線状の溝を有するように処理される。この垂直溝パターンを生成するために、溝型の光捕捉構造105N−1が第1のプロセス(X軸)方向において上面102Nに形成された後、ウェハ101Nは裏返されて90°回転され、そして、下面103Nにおいて第2のマスク/エッチングプロセスが行われる(すなわち、ウェハ101NがY軸の矢印に対応する第2のプロセス方向に処理されるように)。光捕捉構造105N−1と同様に、得られた第2の細長い溝型の光捕捉構造105N−2は、尾根状構造105N−22によって分離された溝102N−21によって形成されるが、光捕捉構造105N−1に対して垂直に整列される。対象とするウェハの両側に垂直な溝を設けることは、捕捉された光子の数を増加させることによって太陽電池の効率を高める多種多様な散乱角を達成する。
【0048】
図14Aは、ウェハ101Pが他の代替的な実施形態にかかる並列の波状マスク特徴126Pによって形成される「波線」のマスクパターンを有するように処理される簡略化された図である。波状マスク特徴126Pは、上述した印刷ヘッド及びウェハ搬送機構を使用して形成され、マスク材料は、導管(印刷ヘッド)又はウェハのいずれかがクロスプロセス方向(すなわち、ウェハの移動方向に対して横/縦方向)に往復運動(前後移動)しているときに連続的に排出され、それにより、排出されたマスク材料は、ウェハ表面102Pの波線状露光領域102P−2によって分離された関連する波線状にマスクされた部分102P−1にわたって波線126Pの形態で蒸着される。波線状露光領域102P−2のその後のエッチングは、線形1Dトラフの設計を改善する対応する光捕捉パターンを生成する。
【0049】
他の特定の実施形態において、連続的な直線状又は波状のマスク材料線は、対象とするmc−Siウェハのドット状の露出された平坦な表面部分を画定するように重複され、それにより、ドット状の露出された領域の後続のエッチングは、「ハニカム」パターンにおけるピット型の光捕捉構造を生成する。例えば、
図13は、複数の印刷経路で印刷され(例えば、上述したような特徴126O−11を印刷した後に、対象とするウェハを120°回転させ、そして、特徴126O−13を印刷した後に、対象とするウェハを120°回転させ、そして、特徴126O−13を印刷する)、それにより、三角対称性を有する露出された「孔」領域102O−2のパターンを形成する3組の直線状の並列の連続マスク材料線特徴126O−11、126O−12及び126O−13によって形成されたマスクパターン126Oを図示している。露出された「孔」領域102O−2がその後にエッチングされたとき、それらがウェハ表面内の複数の方向に光を散乱させるため溝構造よりも優れていると考えられるハニカムパターンを有する光捕捉特徴が形成される。同様に、
図14Bに示されるように、露出された「孔」領域102Q−2の三角格子を有するマスク材料パターンが、
図14Aを参照して説明されたものと同様に密集した「波状」マスク材料特徴126Qを印刷することによって達成される。三角格子が正三角形の場合には、これは、エッチングされたときにハニカムテクスチャをもたらす。そうでない場合には、歪んだハニカムテクスチャが得られる。
【0050】
さらに他の具体的な実施形態において、マスク材料は、対象とするウェハ上に一連の重複した円形ドット状のマスク材料構造(特徴)を形成する個々の液滴として蒸着される。そのようなドット状のマスク特徴は、選択された液体マスク材料「インク」などのプロセスパラメータの特定の組み合わせを有することが望ましい場合がある。
図15Aは、ms−Siウェハ102Rのマスクされた部分102R−1を被覆するドット状のマスク材料構造と重複した並列行として形成された直線状のマスク特徴126Rを示しており(例えば、直線状のマスク特徴126R−5は、ドット特徴126R−51、126R−52及び126R−53によって部分的に形成される)、ドットの行間に露出された表面領域102R−2が設けられており、溝型の光捕捉構造を生成するためにその後にエッチングされる。
図15Bは、その後にエッチングされたときに3重対称性を有する複雑な構造を製造する、略三角形に露出された「ドット」を画定するドット状のマスク材料構造125Sのオフセット行によってmc−Siウェハ101S上に形成された第2のマスクパターンを示している。
図15A及び
図15Bを参照して上述したものなどのドット状のマスク材料構造は、ペン先をウェハ表面と接触させた後に接触解除するのを繰り返すとともに、接触間において印刷ヘッドを平行移動する。上記と同様に、ペン先の間隔よりも細かい間隔を有するパターンは、複数のオフセット印刷ヘッドによって又はその間の印刷ヘッドの平行移動をともなう複数のドットの配置のいずれかによって達成することができる。
【0051】
既存のプロセスに加えて、(ペン先印刷についての特定の問題を提起することがある)機械的摩耗特性を改善するために、追加のコーティング又は材料がカンチレバーの先端領域に蒸着されることができることが想定される。特に、イリジウムなどの材料は、剥離されたカンチレバー構造上又は(それをオーバーコートしないためにマスクされた後)電気メッキ工程前のいずれかに(スパッタリングによって)蒸着されることができる。また、ロジウムなどの材料は、(カンチレバー「本体」を形成する最初の電解メッキ工程後に)先端領域に電気メッキされることができる。イリジウム及びロジウムは、双方とも、非常に硬くて耐久性のある材料であり、これらのコーティングは、印刷ヘッドの寿命を向上させることができる。
【0052】
図16は、本発明のさらに他の特定の実施形態にかかる印刷ヘッド110U−1及び110U−2を利用したマスク印刷システム100Uを示す簡略化された平面図である。印刷システム100Uは、印刷ヘッド110U−1及び110U−2のそれぞれにおける先の実施形態と同様に、導管113U−1及び113U−2を含み、対象とするウェハ101Uは、導管113U−1及び113U−2の先端部から排出された(印刷された)液体マスク材料が上述したものと同様にして対象とするウェハ101U上に線状特徴126U−1及び126U−2を形成するように、印刷ヘッド110U−1及び110U−2に対して移動される。印刷システム100Uは、導管113U−1及び113U−2がクロスプロセス(X軸)方向にオフセットされるように印刷ヘッド110U−1及び110U−2が固定相対位置に維持され、それにより、印刷ヘッド101U−1によって生成された(第1の)マスク材料線126U−1は、印刷ヘッド101U−2によって生成された(第2の)マスク材料線126U−2との間に配設される点で、先の実施形態とは異なる。この配置は、印刷ヘッドの製造歩留まりを向上させるために、各印刷ヘッド110U−1及び110U−2において隣接する導管113U−1及び113U−2の間の間隔を大きくするのを可能とする。
【0053】
本発明は、特定の実施形態に関して説明されたが、本発明の独創性のある特徴が他の実施形態にも同様に適用可能であり、それらの全てが本発明の範囲内に入ることが意図されていることは、当業者にとって明らかである。