(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
水素燃料をトレーラー車両で配送する配送事業者端末と、水素燃料を製造する水素製造所端末と、のうち少なくとも1つに、前記注目日よりも予め設定された日数前の出力日にインターネットを介して前記注目日における前記水素燃料の必要量を出力することを特徴とする請求項1記載の水素ステーションの予約システムの制御方法。
外部端末からインターネットを介して前記水素充填予約表にアクセスし、前記外部端末から前記予約情報を受信することを特徴とする請求項1又は2記載の水素ステーションの予約システムの制御方法。
請求項1〜4いずれか記載の水素ステーションの充填予約装置の制御方法によって出力された前記注目日における前記水素燃料の必要量を、インターネットを介して水素製造所端末に入力する工程と、
前記水素製造所端末に入力された前記注目日における前記水素燃料の必要量に基づいて、前記水素ステーションの低圧蓄圧器に前記水素燃料の必要量が示す水素燃料を前記注目日に蓄圧可能な量の水素燃料を製造する工程と、
水素燃料を配送する配送事業者のトレーラー車両に製造された水素燃料を充填する工程と、
を備えたことを特徴とする水素燃料製造方法。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
そこで、本発明の一態様は、水素燃料の充填を円滑に行うことが可能な充填予約装置、予約システムの制御方法、及び水素燃料製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一態様の水素ステーションの予約システムの制御方法は、
ユーザの車両が水素ステーションで水素燃料を充填する日時を予約するための予約情報を
充填日時の前日までに入力可能にすると共に、入力された予約情報を登録可能な水素充填予約表を作成する工程と、
作成された水素充填予約表を記憶装置に記憶する工程と、
ユーザから水素充填予約表へのアクセスを受け、予約情報を受信する工程と、
受信された予約情報を水素充填予約表に
充填日時の前日までに登録する工程と、
登録された予約情報の内容がユーザからアクセスされた水素充填予約表上に表示されるように水素充填予約表を更新する工程と、
予約情報が登録された水素充填予約表を記憶装置から読み出し、読み出された水素充填予約表を用いて読み出した日から予め設定された日数が経過した注目日における水素燃料の必要量を算出する工程と、
注目日よりも前に注目日における水素燃料の必要量を出力する工程と、
を備えたことを特徴とする。
【0008】
また、水素燃料をトレーラー車両で配送する配送事業者端末と、水素燃料を製造する水素製造所端末と、のうち少なくとも1つに、注目日よりも予め設定された日数前の出力日にインターネットを介して注目日における水素燃料の必要量を出力すると好適である。
【0009】
また、外部端末からインターネットを介して水素充填予約表にアクセスし、外部端末から予約情報を受信すると好適である。
【0010】
或いは、水素ステーションに来店したユーザからの予約情報が入力装置を介して受信され、入力された予約情報が水素充填予約表に登録され、
登録された予約情報の内容が表示されたユーザ毎の個別予約表情報を作成する工程と、
作成された個別予約表情報をユーザ毎の個別予約表に出力する工程と、
をさらに備えても好適である。
【0011】
本発明の一態様の水素燃料製造方法は、
上述した水素ステーションの予約システムの制御方法によって出力された注目日における水素燃料の必要量を、インターネットを介して水素製造所端末に入力する工程と、
水素製造所端末に入力された注目日における水素燃料の必要量に基づいて、水素ステーションの低圧蓄圧器に水素燃料の必要量が示す水素燃料を注目日に蓄圧可能な量の水素燃料を製造する工程と、
水素燃料を配送する配送事業者のトレーラー車両に製造された水素燃料を充填する工程と、
を備えたことを特徴とする。
【0012】
本発明の一態様の水素ステーションの充填予約装置は、
ユーザの車両が水素ステーションで水素燃料を充填する日時を予約するための予約情報を
充填日時の前日までに入力可能にすると共に、入力された予約情報を登録可能な水素充填予約表を作成する予約表作成部と、
作成された水素充填予約表を記憶する記憶部と、
ユーザから水素充填予約表へのアクセスを受け、予約情報を受信する受信部と、
受信された予約情報を水素充填予約表に
充填日時の前日までに登録する登録部と、
登録された予約情報の内容がユーザからアクセスされた水素充填予約表上に表示されるように水素充填予約表を更新する更新部と、
予約情報が登録された水素充填予約表を記憶装置から読み出し、読み出された水素充填予約表を用いて読み出した日から予め設定された日数が経過した注目日における水素燃料の必要量を算出する必要量算出部と、
注目日よりも前に注目日における水素燃料の必要量を出力する出力部と、
を備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明の一態様によれば、ユーザ車両は確実に水素燃料の充填ができると共に、水素ステーションでは効率的な水素燃料の準備およびユーザ車両への供給ができる。
【発明を実施するための形態】
【0015】
実施の形態1.
図1は、実施の形態1における水素ステーションの予約システムの構成を示す構成図の一例である。
図1において、水素ステーションの予約システム100は、管理サーバ110(充填予約装置)、水素(H
2)製造所端末120、及びトレーラー配送事業者端末130を備えている。管理サーバ110、H
2製造所端末120、及びトレーラー配送事業者端末130は、例えばインターネットといったネットワークを介して互いに通信可能に接続されている。
【0016】
管理サーバ110は、水素ステーション102内に配置される。水素ステーション102内には、計量機112(充填機)、低圧蓄圧器114、圧縮機116、及び高圧蓄圧器118が配置される。H
2製造所端末120は、水素製造所104内に配置される。水素製造所104内には、水素燃料(水素ガス)を製造する水素製造設備105が配置される。トレーラー配送事業者端末130は、トレーラー配送事業者106内に配置される。
【0017】
また、車両10のユーザ(運転者、顧客)は、携帯端末11(外部端末の一例)を所持していると好適である。ユーザの携帯端末11は、付近の基地局140との間で無線通信を行う。また、基地局140は、インターネット(ネットワークの一例)に接続される。よって、携帯端末11は、基地局140を介して、無線通信とインターネット通信により、管理サーバ110等に通信可能に配置される。
【0018】
なお、管理サーバ110等に通信する外部装置として、携帯端末11を一例に挙げているが、これに限るものではない。その他のインターネットに接続可能な固定された端末装置等でもよい。
【0019】
水素製造所104内の水素製造設備105によって製造された水素燃料は、トレーラー配送事業者106が所有或いは管理するトレーラー車両108に充填(搭載)され、水素ステーション102に配送される。そして、トレーラー車両108に搭載された水素燃料は、トレーラー車両108からまず低圧蓄圧器114に充填される。例えば、45MPaで充填される。低圧蓄圧器114に充填された水素燃料は、次に、圧縮機116(コンプレッサ)によって圧縮され、高圧蓄圧器118に充填される。例えば、82MPaで充填される。
【0020】
ここで、水素燃料を燃料とするユーザ車両10は、電気化学的に発電する図示しない燃料電池を搭載する。ユーザ車両10は、数十MPa(例えば、70MPa)の高圧で水素燃料(水素ガス)を貯蔵する図示しない水素貯蔵容器や水素吸蔵合金を利用したMH式の水素貯蔵容器を搭載している。そして、図示しない水素貯蔵容器から燃料電池に水素が供給されて発電し、発電した電力で図示しない走行モータを駆動して走行する。或いは水素を内燃機関に供給して走行する車両も開発されている。内燃機関を利用する車両では、水素貯蔵容器に貯蔵された水素を内燃機関で燃焼して駆動力を得て走行する。ユーザ車両10の水素貯蔵容器が空になると、或いは残圧が低下すると、水素貯蔵容器に水素燃料を充填する必要がある。かかる場合、ユーザ車両10は水素ステーション102に到来する。そして、高圧蓄圧器118に充填された高圧の水素燃料は、計量機112によって充填する水素量を計量しながら到来したユーザ車両10に充填される。
【0021】
ここで、
図1では、実施の形態1を説明する上で必要な構成を記載している。水素ステーションの予約システム100にとって、通常、必要なその他の構成を備えていても構わない。
【0022】
図2は、実施の形態1における管理サーバの内部構成の一例を示す構成図である。
図2において、管理サーバ110は、水素ステーション102の予約システム100の制御装置の一例である。管理サーバ110内には、予約表作成部50、予約表表示部52、予約情報受信部54、判定部55、登録部56、更新部58、水素必要量算出部62、水素必要量送信部64、判定部68、予約カード情報作成部70、出力部74、磁気ディスク装置等の記憶装置60,66,72、通信制御部80、及びメモリ82が配置される。予約表作成部50、予約表表示部52、予約情報受信部54、判定部55、登録部56、更新部58、水素必要量算出部62、水素必要量送信部64、判定部68、予約カード情報作成部70、及び出力部74といった各機能は、プログラムといったソフトウェアで構成されても良い。或いは、電子回路等のハードウェアで構成されてもよい。或いは、これらの組み合わせであってもよい。管理サーバ110内の各機能のうちソフトウェアで構成される機能に必要な入力データ或いは演算された結果はその都度メモリ82に記憶される。
【0023】
また、管理サーバ110には、例えばプリンタ等の出力装置84、キーボード86(入力装置の一例)、及びマウス88(入力装置の他の一例)がバスを介して接続されている。
【0024】
上述したように、1つの水素ステーション102に水素充填のために到来するユーザ車両10が集中する可能性があり、充填待ちの待ち時間が長くかかってしまうといった問題が生じることが考えられる。そのため、水素燃料の充填を円滑に行う手法が必要となる。また、充填のために水素ステーション102に到来したユーザ車両に対し、水素燃料が足りなくなり充填することができなくなる可能性がある。そのため、水素ステーション102への水素燃料の補給を円滑に行う手法が必要となる。そこで、実施の形態1では、水素燃料の充填を予約する水素ステーション102の予約システム100を構築すると共に、かかる予約システム100を用いて水素ステーション102に蓄圧される水素燃料が足りなくなることを防止或いは低減する。かかる予約システム100は管理サーバ110によって制御される。
【0025】
図3は、実施の形態1における水素ステーションの予約システムの制御方法の要部工程を示すフローチャート図である。
図3において、実施の形態1における水素ステーションの予約システムの制御方法は、予約表作成工程(S102)と、予約情報入力工程(S106)と、登録工程(S108)と、予約表更新工程(S110)と、水素必要量算出工程(S112)と、水素必要量出力工程(S114)と、判定工程(S116)と、予約カード情報作成工程(S118)と、予約カードへの出力工程(S120)と、水素必要量入力工程(S130)と、水素製造工程(S132)と、トレーラー充填工程(S134)と、配送工程(S136)と、いう一連の工程を実施する。
【0026】
図3に示す複数の工程は、実施の形態1における水素ステーションの充填予約装置の制御方法と、水素燃料製造方法と、水素燃料配送方法とを含んでいる。実施の形態1における水素ステーションの充填予約装置の制御方法は、予約表作成工程(S102)と、予約情報入力工程(S106)と、登録工程(S108)と、予約表更新工程(S110)と、水素必要量算出工程(S112)と、水素必要量出力工程(S114)と、判定工程(S116)と、予約カード情報作成工程(S118)と、予約カードへの出力工程(S120)と、いう一連の工程を実施する。また、水素燃料製造方法は、水素必要量入力工程(S130)と、水素製造工程(S132)と、トレーラー充填工程(S134)と、いう一連の工程を実施する。水素燃料配送方法は、配送工程(S136)を実施する。
【0027】
予約表作成工程(S102)として、予約表作成部50は、ユーザ車両10が水素ステーション102で水素燃料を充填する日時を予約するための予約情報を入力可能にすると共に、入力された予約情報を登録可能な水素充填予約表を作成する。
【0028】
図4は、実施の形態1における水素充填予約表の一例を示す図である。
図4において、水素充填予約表20は、水素の充填を行う日付毎に作成されると好適である。
図4の例では、例えば、水素の充填を行う日付、予約番号、予約者、車両情報、充填時刻(開始時刻)、及び水素残量の各情報を示すことが可能にフォーマット形成されている。ユーザ車両10が水素の充填に要する時間は数分程度と想定される。そのため、水素充填予約表20では、例えば10分毎に予約可能に作成されている。よって、
図4の例では、水素の充填を行う日付毎の水素充填予約表20について、予約番号、及び充填時刻(開始時刻)が予め決められており、決められた予約番号、及び充填時刻(開始時刻)が設定されている。
図4の例では、水素の充填を行う日付に対応する水素充填予約表20について、充填時刻(開始時刻)毎に、予約者、車両情報、及び水素残量が入力可能にフォーマット形成されている。その他、実際に予約情報が登録されるために送信された通信日時(予約日時)が属性情報として記録されることになる。よって、ユーザ側での入力対象からは除かれている。
図4の例では、水素充填予約表20の表示画面30が示されており、水素充填予約表20の上部に水素の充填を行う日付が入力可能に構成されている。また、水素充填予約表20の下部には、登録ボタンが作成されている。また、水素充填予約表20の下部には、水素ステーション102の名称が示されている。
【0029】
作成された水素充填予約表20は、記憶装置60(記憶部)に格納(記憶)される。また、予約表表示部52は、インターネットを介して外部装置からアクセス可能に水素充填予約表20の表示画面30をインターネット上にアップロードする。
【0030】
予約情報入力工程(S106)として、ユーザの外部装置から水素充填予約表20(表示画面30)へのアクセスを受け、予約情報受信部54(受信部)は、通信制御部80を介して予約情報を受信する。例えば、外部端末からインターネットを介して水素充填予約表20にアクセスし、外部端末から予約情報を受信する。具体的には、例えば、携帯端末11から水素充填予約表20(表示画面30)へのアクセスを受ける。そして、ユーザは、水素充填を希望する日付を入力して、当該日付に対応する水素充填予約表20を読み出し、携帯端末11から、表示画面30上で水素充填予約表20の予約者、車両情報、及び水素残量の各ブロックがまだ空いている予約番号(或いは充填時刻)の予約者、車両情報、及び水素残量の各ブロックに予約情報を入力する。予約情報として、予約者の名称、車両情報、及び予約時のユーザ車両10の水素残量(残圧)が挙げられる。水素燃料の残量は、圧力で定義するため、ユーザ車両10の車種によって搭載された水素貯蔵容器の内部容量(大きさ)が異なる。そのため、ユーザ車両10の車種によって充填される水素量が異なっている。よって、車両情報として、車種名を入力する。或いは搭載された水素貯蔵容器の内部容量等であってもよい。そして、各ブロックへの入力後、表示画面30上の登録ボタンを押す(クリックする)。登録ボタンが押されることによって、予約情報受信部54は、入力された予約情報を受信する。その際、通信日時の情報を予約情報の一部として合わせて受信する。かかる予約情報の入力の受付は、充填予約日の充填時刻の直前まで受け付けても構わないが、充填予約の日付の前日或いは前前日までには終了すると好適である。これにより、充填日の前日に充填日における予約状況を確定することができる。ひいては充填日に必要な水素量を計算可能にすることができる。
【0031】
なお、予約情報の入力は、外部装置からの入力に限るものではない。ユーザが水素ステーション102に到来して、キーボード86或いはマウス88といった管理サーバ110に接続された入力装置から予約情報を入力してもよい。入力装置から入力された予約情報は、予約情報受信部54によって受信される。例えば、水素充填のために水素ステーション102に到来したユーザが次回の水素充填の予約をかかる入力装置から行う場合が想定される。
【0032】
予約情報受信部54によって予約情報が受信されると、判定部55は、受信された予約情報が登録可能かどうかを判定する。例えば、予約者のブロックに車種名や水素残圧が入力された場合、車両情報のブロックに予約者名や水素残圧が入力された場合、及び水素残量のブロックに予約者名や車種名が入力された場合等は登録不可と判定する。登録不可と判定された場合、予約表表示部52は、登録不可となったブロックの表示を消去する。或いは、登録不可であることを示すエラーメッセージを表示すればよい。予約情報が登録可能であると判定された場合、登録工程(S108)へと進む。
【0033】
登録工程(S108)として、登録部56は、受信された予約情報を記憶装置60に記憶されている水素充填予約表20に登録する。
【0034】
図5は、実施の形態1における水素充填予約表の他の一例を示す図である。
図5において、水素充填予約表20は、充填時刻が8時40分と9時00分との枠について充填予約が登録されていることを示している。充填時刻が8時40分と9時00分との枠では、ユーザが登録ボタンを押して予約情報受信部54に予約情報を送信した時の通信日時(予約日時)が合わせて登録される。また、
図5の例では、充填時刻が8時50分の枠がまだ予約が入っていないことを示している。
【0035】
予約表更新/表示工程(S110)として、更新部58は、登録された予約情報の内容がユーザからアクセスされた水素充填予約表20上に表示されるように水素充填予約表20を更新する。かかる更新によって、予約情報が登録された充填時刻の枠には、その後に予約情報の入力を受け付けないようになる。そして、予約表表示部52は、予約情報が登録された水素充填予約表20をインターネット上にアップロード(出力)する。よって、ユーザは、携帯端末11等の外部端末を使ってインターネットを介して水素充填予約表20にアクセスした際に登録された予約情報の内容を確認できる。
【0036】
かかる構成により、ユーザは充填時間を予約できるので、予約時間に合わせて来店すればよい。よって、水素ステーション102でのユーザの待ち時間を減らすことができる。また、水素ステーション102側では、来店するユーザ(顧客)が特定できるので顧客毎のサービスを提供できる。言い換えれば、各ユーザは、ユーザ毎のサービスを受けることが可能になる。また、水素ステーション102側では、予約状況に合わせて水素燃料の準備やスタッフの配置などを行うことができる。よって、効率的な運用ができる。また、水素燃料の時間帯別料金を設定するなどして、ユーザの水素充填の平準化を図ることもできる。その結果、水素ステーション102の設備の稼働を一定に近づけることができ、いたずらに設備を大きくする必要を回避できる。
【0037】
水素必要量算出工程(S112)として、水素必要量算出部62(必要量算出部)は、予約情報が登録された水素充填予約表20を記憶装置60から読み出し、読み出された水素充填予約表20を用いて読み出した日から予め設定された日数が経過した注目日における水素燃料の必要量を算出する。例えば、注目日の前日の水素ステーション102の営業終了時刻に水素充填予約表20を記憶装置60から読み出し、注目日である翌日における水素燃料の必要量を算出する。かかる計算を行うために、予約情報の入力の受付は、充填予約の日付の前日の水素ステーション102の営業終了時刻までに、或いは前前日までには終了すると好適である。当該予約者の水素燃料の必要量は、予約者の車種情報から得られる水素貯蔵容器の内部容量と予約者の予約日時と予約者の車両の予約時の水素残量とを用いて計算すればよい。予約時の水素残量(残圧)から満タン(予め設定された設定圧力)にするまでに必要な水素量を所定のアルゴリズムを用いて推定できる。また、予約者の予約日時と充填時刻との差分から予約時から充填時刻までの時間を計算できる。よって、かかる時間に消費される水素量を所定のアルゴリズムを用いて推定できる。かかる推定量を予約時の水素残量から満タンにするまでに必要な水素量に加算することで当該予約者の水素燃料の必要量を計算できる。そして、注目日に予約している予約者の水素燃料の必要量の合計を計算することで、注目日における水素燃料の必要量を算出すればよい。算出された注目日における水素燃料の必要量のデータは、注目日と水素燃料の必要量とが対応するように記憶装置66に一時的に記憶される。
【0038】
水素必要量出力工程(S114)として、水素必要量送信部64(出力部)は、注目日よりも前に注目日における水素燃料の必要量を出力する。例えば、水素必要量送信部64(出力部)は、水素燃料をトレーラー車両108で配送するトレーラー配送事業者端末130(配送事業者端末)と、水素燃料を製造するH
2製造所端末120と、のうち少なくとも1つに、注目日よりも予め設定された日数前の出力日にインターネットを介して注目日における水素燃料の必要量を出力する。具体的には、水素必要量送信部64は、注目日における水素燃料の必要量データを記憶装置66から読み出し、注目日の例えば、前日の水素ステーション102の営業終了時刻付近に、通信制御部80を介してH
2製造所端末120に水素燃料の必要量データを送信する。これにより、水素製造所104では、注目日における水素燃料の必要量を入手することができる。また、水素必要量送信部64は、注目日における水素燃料の必要量データを記憶装置66から読み出し、注目日の例えば、前日の水素ステーション102の営業終了時刻付近に、通信制御部80を介してトレーラー配送事業者端末130に水素燃料の必要量データを送信する。これにより、トレーラー配送事業者106は、注目日に水素ステーション102へと配送する水素燃料の必要量を入手することができる。
【0039】
判定工程(S116)として、判定部68は、ユーザが水素ステーション102に来店して予約情報を入力したかどうかを判定する。具体的には、キーボード86及びマウス88といった入力装置から予約情報が入力されたかどうかを判定する。来店して予約情報を入力した場合には、予約カード情報作成工程(S118)に進む。来店して予約情報を入力してない場合には、管理サーバ110(充填予約装置)の制御フローは終了する。
【0040】
予約カード情報作成工程(S118)として、予約カード情報作成部70は、登録された予約情報の内容が表示された、ユーザ毎の個別予約表情報を作成する。
【0041】
図6は、実施の形態1における個別予約カードの一例を示す図である。
図6において、個別予約カード24(個別予約表の一例)は、ユーザ毎に作成されると好適である。或いは車両毎に作成されても好適である。
図6の例では、例えば、予約者、水素ステーション102の名称、予約番号、充填時刻(開始時刻)、車両情報、及び水素残量の各情報を示すことが可能にフォーマット形成されている。水素ステーション102では、ユーザ毎(或いは車両毎)に個別予約カード24を発行する。登録工程(S108)によって、ユーザの予約情報が登録されると個別予約カード24にその内容が、個別予約カード24の記載項目に合わせた個別予約表情報として生成される。
【0042】
予約カードへの出力工程(S120)として、出力部74は、作成された個別予約表情報をユーザ毎の個別予約カード24に記録可能に出力する。具体的には、出力装置84に出力する。そして、出力装置84は、個別予約表情報をユーザ毎の個別予約カード24に出力(記録)する。具体的には、出力装置84によって個別予約表情報の内容が個別予約カード24に印刷(出力)される。これにより、ユーザは次に水素ステーション102に水素燃料の充填のために到来する日時を記録した媒体を得ることができる。
図6の例では、例えば、予約番号が2番の充填予約に基づいて水素充填のための来店時に予約番号が3番の充填予約を行って、その内容が個別予約カード24に印刷(出力)された場合を示している。
【0043】
かかる構成により、ユーザは充填時間の予約内容が記録された個別予約カード24を得ることができるので、個別予約カード24を見て予約時間に合わせて来店すればよい。よって、水素ステーション102でのユーザの待ち時間を減らすことができる。
【0044】
ここで、個別予約カード24の材質は問わない。例えば、紙であっても良いし、プラスチック材料等でも構わない。
【0045】
なお、上述した例では、インターネット等を介して水素充填予約表20を公表するとともに、来店顧客には個別予約カード24への記録を行っているが、いずれか一方だけでも構わない。
【0046】
水素必要量入力工程(S130)として、H
2製造所端末120は、インターネットを介して、当該水素ステーション102での注目日における水素燃料の必要量を入力(受信)する。具体的には、前日に翌日の水素燃料の必要量を受信する。また、同様に、トレーラー配送事業者端末130は、インターネットを介して、当該水素ステーション102での注目日における水素燃料の必要量を入力(受信)する。
【0047】
水素製造工程(S132)として、水素製造設備105は、H
2製造所端末120に入力された注目日における水素燃料の必要量に基づいて、水素ステーション102の低圧蓄圧器114に水素燃料の必要量が示す水素燃料を注目日に蓄圧可能な量の水素燃料を製造する。
【0048】
トレーラー充填工程(S134)として、水素製造設備105は、水素燃料を配送する配送事業者のトレーラー車両108に製造された水素燃料を充填する。
【0049】
かかる構成により、水素製造所104側では、予約状況に合わせて水素燃料の製造を行うことができる。予め必要な製造量を取得できることで、水素製造設備105の効率的な運用ができる。予約状況が平準化されれば、水素製造設備105の稼働を一定に近づけることができ、いたずらに設備を大きくする必要を回避できる。トレーラー配送事業者106側では、予約状況に合わせて水素燃料の配送のためのトレーラー車両108の手配を行うことができる。予め配送が必要な水素量を取得できることで、トレーラー車両108手配の効率的な運用ができる。予約状況が平準化されれば、トレーラー車両108の稼働を一定に近づけることができ、いたずらにトレーラー車両108の台数を確保する必要を回避できる。
【0050】
配送工程(S136)として、トレーラー配送事業者106は、トレーラー車両108に充填された水素燃料を水素ステーション102に配送する。そして、配送先の水素ステーション102内の低圧蓄圧器114に上述した必要量以上の水素燃料を充填する。
【0051】
かかる構成により、水素ステーション102では、水素燃料が不足することを回避できる。また、何日も前から多量の水素燃料を保持する必要が無くなり、かかる点からもいたずらに設備を大きくする必要を回避できる。
【0052】
以上のように、実施の形態1によれば、ユーザ車両10は確実に水素燃料の充填ができると共に、水素ステーション102では効率的な水素燃料の準備およびユーザ車両10への供給ができる。
【0053】
実施の形態2.
実施の形態1では、水素ステーション102と水素製造所104とが別々に存在する場合について説明したが、これに限るものではない。水素ステーション102内で水素を製造してもよい。
【0054】
図7は、実施の形態2における水素ステーションの予約システムの構成を示す構成図の一例である。
図7において、水素ステーションの予約システム100は、管理サーバ110(充填予約装置)を備えている。
図7では、水素製造設備105が水素ステーション102内に配置される点、トレーラー配送事業者106及び水素製造所104を無くした点以外は
図1と同様である。トレーラー配送事業者106が不要となったことからトレーラー配送事業者端末130及びトレーラー車両108も不要となる。また、水素製造所104が不要となったことからH
2製造所端末120も不要となる。
【0055】
また、実施の形態2における水素ステーションの予約システムの制御方法は、水素必要量入力工程(S130)と、トレーラー充填工程(S134)と、配送工程(S136)とが不要となった点以外は
図3と同様である。その他、以下、特に説明する点以外の内容は実施の形態1と同様である。
【0056】
すなわち、水素必要量出力工程(S114)において水素必要量が水素ステーション102内で出力されればよい。そして、水素製造工程(S132)において、かかる水素必要量に基づいて水素ステーション102内で水素を製造すればよい。また、製造された水素は、低圧蓄圧器114に充填されればよい。
【0057】
かかる構成により、水素ステーション102では、水素燃料が不足することを回避できる。また、何日も前から多量の水素燃料を保持する必要が無くなり、かかる点からもいたずらに設備を大きくする必要を回避できる。
【0058】
以上のように、実施の形態2によれば、ユーザ車両10は確実に水素燃料の充填ができると共に、水素ステーション102では効率的な水素燃料の準備およびユーザ車両10への供給ができる。
【0059】
以上、具体例を参照しつつ実施の形態について説明した。しかし、本発明は、これらの具体例に限定されるものではない。例えば、水素製造所104と水素ステーション102とが一体であってもよい。言い換えれば、水素ステーション102内に水素製造設備105が配置されていてもよい。かかる場合、水素製造所端末120やトレーラー事業者端末130への注目日における水素燃料の必要量の送信は不要にできる。その場合、注目日における水素燃料の必要量は管理サーバ110に接続される図示しないモニタ等に表示すればよい。
【0060】
また、装置構成や制御手法等、本発明の説明に直接必要しない部分等については記載を省略したが、必要とされる装置構成や制御手法を適宜選択して用いることができる。
【0061】
その他、本発明の要素を具備し、当業者が適宜設計変更しうる全ての水素ステーションの予約システムの制御方法、水素燃料製造方法、及び水素ステーションの充填予約装置は、本発明の範囲に包含される。