(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記特許文献1,2に開示された減圧加熱濃縮によれば、果実の香味成分を有する新鮮なジャム等を製造することができる。しかし、近年、食の安全や家庭で美味しいものを食べることへの要求が高まっているのに対して、上記特許文献1,2で用いられる果汁濃縮装置はこのような家庭用、飲食店用又は小規模店舗用の用途に適したものではなかった。即ち、上記特許文献1,2では、大量処理を目的とした工業用の用途が想定されており、大型で構造が複雑な濃縮装置が用いられる。このような工業用の装置では、濃縮加工の完了後に濃縮物を個々の容器に移し替え、その後容器内を再び減圧する必要がある。このように煩雑な工程が必要になることから、飲食店向けや、小規模店舗向けや、家庭向けの装置としては適したものではなかった。
【0006】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、飲食店用、小規模店舗用又は家庭用の用途に適した濃縮装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
(1)本発明の一局面に係る濃縮装置は、食材を加熱濃縮する濃縮装置である。上記濃縮装置は、前記食材が収容される密閉可能な容器と、前記容器を昇温させる昇温装置と、前記容器の内部を減圧する減圧装置と、前記昇温装置及び前記減圧装置を制御する制御装置と、を備えている。前記容器には、前記容器の内部の気体を外部に排出する排気部
と、前記制御装置により制御可能に構成され、前記容器の内部に空気を導入するための空気導入部と、が設けられている。前記減圧装置は、前記排気部に対して着脱可能に構成されている。前記制御装置は、前記昇温装置及び前記減圧装置を制御することにより、前記容器の内部を減圧した状態で前記容器を昇温させることによって前記食材を加熱濃縮する濃縮運転モードを実行するように構成されている
と共に、前記減圧装置及び前記空気導入部を制御することにより前記容器の内部における減圧と復圧を繰り返す繰り返し運転モードを前記濃縮運転モードの前に実行するように構成されている。
【0008】
上記濃縮装置によれば、容器の内部を減圧した状態で食材を加熱濃縮することにより(減圧加熱濃縮)、常圧下で加熱濃縮する場合に比べてより低温で濃縮することができる。このため、食材の香味、栄養価、色合い等が損なわれず、新鮮な濃縮物を得ることができる。また減圧加熱濃縮が完了した後、減圧装置を容器の排気部から取り外すことで、当該容器を排気系から切り離すことができる。このため、濃縮加工に使用した容器内を減圧状態に維持した状態で冷蔵庫等の保管場所に移してそのまま保管することができる。即ち、上記濃縮装置は、食材を一つの容器に収容した状態で減圧加熱濃縮から保管までの一連の工程を行うことができる構成となっており、飲食店用、小規模店舗用又は家庭用の用途に適したものとなっている。
【0009】
(2)上記濃縮装置において、前記減圧装置は、前記容器の内部を所定の目標圧力よりも低い圧力まで減圧可能に構成されていてもよい。前記容器には、前記減圧装置によって減圧される前記容器の内部が前記目標圧力に調整されるように前記容器の内部に気体を導入する圧力調整部が設けられていてもよい。
【0010】
これにより、減圧加熱濃縮中において圧力調整部から容器の内部に気体を導入することで、容器内の圧力を目標圧力において一定に保持することができる。
【0011】
(3)上記濃縮装置において、前記排気部は、前記容器の内部の気体を外部に排出する減圧口を開閉する減圧弁を有していてもよい。前記減圧弁は、前記減圧装置が前記排気部に取り付けられて動作しているときは前記減圧口を開き、かつ、前記減圧装置が前記排気部から取り外されたときは前記減圧口を閉じるように構成されていてもよい。
【0012】
これにより、減圧加熱濃縮の完了後において減圧口から容器の内部に気体が流入することが防止され、容器の内部を減圧状態に保持することができる。このため、濃縮物を所望の減圧条件下で保管することができる。
【0013】
(4)上記濃縮装置において、前記圧力調整部は、前記容器の内部に気体を導入する気体導入口を開閉する圧力調整弁を有していてもよい。前記圧力調整弁は、前記容器の内部の圧力が前記目標圧力を下回った過減圧状態において前記気体導入口を開き、かつ、前記過減圧状態以外の状態において前記気体導入口を閉じるように構成されていてもよい。
【0014】
これにより、容器の内部が目標圧力を下回った過減圧状態において気体導入口を開くことで容器内に気体を流入させ、減圧加熱濃縮中において容器内の圧力を目標圧力に調整することができる。しかも、過減圧状態以外の状態においては気体導入口を閉じることで容器の内部に気体が流入することが防止され、容器の内部を減圧状態に保持することができる。このため、濃縮物を所望の減圧条件下で保管することができる。ここで、「過減圧状態以外の状態」としては、減圧装置による減圧開始前の状態、減圧開始後であって容器内が目標圧力に到達する前の状態、容器内が目標圧力を下回った後に気体が導入されることで目標圧力に調整された状態、容器内が目標圧力に調整された後に容器内に気体が流入して当該目標圧力よりも高くなった状態、などが含まれる。
【0015】
(5)上記濃縮装置において、前記制御装置は、前記濃縮運転モードの実行時間を計測する時間計測部を有していてもよい。前記制御装置は、前記実行時間が予め定められた時間を経過した時点で前記濃縮運転モードを終了してもよい。
【0016】
これにより、時間計測部によって減圧加熱濃縮を行う時間をより正確に管理することができる。
【0017】
(6)上記濃縮装置は、前記食材が収容された前記容器の重量を測定する重量測定装置を備えていてもよい。前記制御装置は、測定された前記容器の重量が予め定められた値に達した時点で前記濃縮運転モードを終了してもよい。
【0018】
これにより、加熱濃縮によって水分が蒸発した後の食材の重量を基準とすることで、食材の濃縮度をより正確に管理することができる。
【0021】
(
7)
本発明の他局面に係る濃縮装置
は、食材を加熱濃縮する濃縮装置であって、前記食材が収容される密閉可能な容器と、前記容器を昇温させる昇温装置と、前記容器の内部を減圧する減圧装置と、前記昇温装置及び前記減圧装置を制御する制御装置と、を備えている。前記容器には、
前記容器の内部の気体を外部に排出する排気部と、前記制御装置により制御可能に構成され、前記容器の内部に空気を導入するための空気導入部
と、が設けられてい
る。前記制御装置は、前記減圧装置及び前記空気導入部を制御することにより前記容器の内部における減圧と復圧を繰り返す前工程と、前記昇温装置及び前記減圧装置を制御することにより前記容器の内部を減圧した状態で前記容器を昇温させることによって前記食材を加熱濃縮する後工程と、を順に行う自動濃縮運転モードを実行するように構成されてい
る。
【0022】
これにより、果汁濃縮加工を行う場合において、減圧加熱濃縮の前に容器内の減圧と復圧を繰り返すことで果実の離水を促進させることができる。これにより、濃縮加工の全体の時間の短縮を図ることができる。
【発明の効果】
【0023】
本発明によれば、飲食店用、小規模店舗用又は家庭用の用途に適した濃縮装置を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、図面に基づいて、本発明の実施形態につき詳細に説明する。なお、本明細書では、圧力値をゲージ圧により表記するものとする。
【0026】
[実施形態1]
(濃縮装置の構成)
まず、本発明の実施形態1に係る濃縮装置1の全体構成について、
図1を参照して説明する。
図1は、濃縮装置1の全体構成を示している。濃縮装置1は、食材Fを加熱濃縮する装置であり、飲食店、小規模店舗又は家庭でジャム等の濃縮物を作るために用いられる。濃縮装置1は、食材Fが収容される容器10と、容器10を昇温させる昇温装置20と、容器10の内部10Aを減圧する減圧装置30と、昇温装置20及び減圧装置30を制御する制御装置40と、を有する。食材Fは、ジャムの原料である果汁等に限定されず、果実や野菜等でもよく、食材となるものであれば何でもよい。また、水分等の液状の成分が含まれた食材にも限定されない。
【0027】
容器10は、上端に開口部が形成された容器本体11と、当該開口部全体を覆うように配置された蓋12と、により構成される。容器本体11は、底壁部11Bと、底壁部11Bの周縁から立設された側壁部11Cと、からなり、側壁部11Cにより取り囲まれた内部10Aに食材Fが収容される。容器本体11は、ポリプロピレン(PP)、ポリスチレン(PS)又はポリカーボネート等の内容物を視認可能な透明な樹脂材料により構成されることが好ましいがこれに限定されず、熱伝導性に優れたアルミニウム等の金属材料により構成されていてもよい。また容器本体11は、−100kPa以下の耐圧、100℃以上の耐熱を有することが好ましい。
【0028】
蓋12は、シール部材であるO(オー)リング13を挟んで容器本体11の上端に配置されている。Oリング13によって、容器10の外部から内部10Aへの空気の流入が抑制されている。つまり、容器10はOリング13によって密閉可能に構成されている。なお、容器10はOリング13以外のシール部材を用いて密閉可能な構造となっていてもよい。
【0029】
蓋12には、排気部50と、圧力調整部60と、空気導入部90と、が設けられている。排気部50は、減圧装置30による減圧中に容器10の内部10Aの気体を外部に排出するための部位である。圧力調整部60は、減圧装置30による減圧中に容器10の内部10Aに気体を導入することにより、当該内部10Aにおける圧力を目標圧力に調整するための部位である。また圧力調整部60は、容器10内外の圧力差によって圧力調整弁を動作させることにより内部10Aに空気を導入するものであり、制御装置40によって制御されるものではない。空気導入部90は、制御装置40により制御可能に構成された開閉弁からなり、容器10の内部10Aに空気を導入することにより復圧する際に用いられる。排気部50及び圧力調整部60の詳細な構成については後述する。なお、排気部50、圧力調整部60及び空気導入部90は、蓋12に設けられる場合に限定されず、容器本体11に設けられていてもよい。
【0030】
昇温装置20は、容器10を昇温させることにより、当該容器10に収容された食材Fを加熱するためのものである。昇温装置20は、伝熱板21と、プレートヒータ22と、コードヒータ23と、断熱材24と、を有する。昇温装置20は、容器10を約60℃に昇温させる容量を有する。
【0031】
伝熱板21は、ヒータ22,23の熱を容器本体11に伝えるための金属製の部材であり、容器本体11の形状の沿った形状を有する。具体的には、伝熱板21は、容器本体11の底壁部11Bの外面に接触する底板部21Aと、側壁部11Cの外面に接触する側板部21Bと、が接続された形状を有する。このように容器本体11の略全体を取り囲むことにより、容器本体11全体を均一に昇温させることができる。
【0032】
プレートヒータ22は、容器本体11の底壁部11Bを主に昇温させるためのヒータである。プレートヒータ22は、容器本体11の底壁部11Bに沿うように、伝熱板21の底板部21Aよりも下側に配置されている。コードヒータ23は、容器本体11の側壁部11Cを主に昇温させるためのヒータである。コードヒータ23は、容器本体11の深さ方向に沿って伝熱板21の側板部21Bの外面に巻回されている。断熱材24には、容器本体11が配置される凹部が設けられ、当該凹部に沿って伝熱板21及びヒータ22,23が配置されている。また断熱材24の上面には、熱切板25が配置されている。
【0033】
昇温装置20は、容器10を昇温可能な構成であればよく、上述のように伝熱板21及びヒータ22,23を備えるものに限定されない。例えば、コードヒータ23に代えて容器本体11の側壁部11Cに接触するプレートヒータが設けられてもよい。また伝熱板21が省略されてもよいし、プレートヒータ22が省略されてもよいし、コードヒータ23が省略されてもよい。また昇温装置20は、ヒータを含む構成に限定されず、IH式の昇温機構となっていてもよい。この場合、容器本体11に磁性金属からなる発熱体を設け、容器本体11の周囲に加熱コイルが配置される。そして、加熱コイルへの電流の供給により発生した磁界によって発熱体に渦電流を発生させ、当該渦電流により生じるジュール熱によって容器本体11を昇温させる。
【0034】
減圧装置30は、真空ポンプによって構成されており、排気部50に取り付けられている。減圧装置30は、容器10の内部10Aを食材Fの加熱濃縮時の目標圧力(−75kPa〜−85kPa)よりも低い圧力(−85kPa〜−90kPa)まで減圧可能なポンプ能力を有する。また後に詳細に説明するように、減圧装置30は、排気部50に対して着脱可能に構成されている。
【0035】
制御装置40は、昇温装置20、減圧装置30及び空気導入部90の動作を制御するためのものであり、各装置に接続されている。
図2の機能ブロック図に示すように、制御装置40は、運転制御部41と、時間計測部42と、操作部43と、記憶部44と、を有する。
【0036】
運転制御部41は、ヒータ22,23、減圧装置30及び空気導入部90の各動作を制御する。操作部43は、ユーザが濃縮装置1の各種操作を行う部分であり、濃縮装置1の運転モードを選択するモード選択スイッチや、各運転モードを実行・停止するスタートスイッチ及び終了スイッチなどを含む。濃縮装置1の運転モードとしては、食材の減圧濃縮加工を行う濃縮運転モード及び自動濃縮運転モード、並びに食材の含浸・乾燥を行う含浸・乾燥運転モード(繰り返し運転モード)があり、制御装置40によって昇温装置20、減圧装置30及び空気導入部90の各装置を制御することで、これらの運転モードを実行可能となっている。
【0037】
時間計測部42は、各運転モードの実行時間を計測するタイマーである。具体的には、時間計測部42は、濃縮運転モード及び自動濃縮運転モードでは食材Fが減圧加熱濃縮される時間を計測し、含浸・乾燥運転モードでは容器10内が減圧される時間を計測する。そして、運転制御部41は、時間計測部42により計測された時間が所定時間を経過した時に、ヒータ22,23、減圧装置30又は空気導入部90の動作を停止させる。
【0038】
このように上記濃縮装置1は、温度センサや圧力センサを設置してこれらの検知結果に基づいて温度・圧力制御を行うものではなく、タイマーによって処理時間を制御するだけの飲食店用、小規模店舗用又は家庭用の簡易な構成となっている。記憶部44は、各運転モードの動作プログラムやユーザにより入力される各種設定情報を記憶するための部分である。具体的には、濃縮運転モード及び自動濃縮運転モードの開始前に、ユーザが入力した減圧加熱濃縮の時間等の情報を記憶部44に記憶させることができる。
【0039】
(排気部・圧力調整部の構成)
次に、蓋12に設けられた排気部50及び圧力調整部60の詳細な構成について、
図3〜
図7を参照して説明する。
図3は、容器10内の減圧中における排気部50及び圧力調整部60の各状態を示している。
図4は、容器10内の減圧停止中における排気部50及び圧力調整部60の各状態を示している。
図5は、容器10内の減圧中における排気部50の拡大図である。
図6は、容器10内の減圧停止中における排気部50の拡大図である。
【0040】
まず、排気部50の構成について説明する。排気部50においては、蓋12を貫通する蓋孔12Aが形成されており、蓋孔12Aの孔壁面から水平に延びる第1フランジ部52及び第2フランジ部54が設けられている。第1フランジ部52及び第2フランジ部54は、蓋12の厚み方向に間隔を空けて配置されている。第1フランジ部52は、第2フランジ部54よりも蓋下面12C側に設けられている。第1フランジ部52には、容器本体11の内部10Aの気体を外部に排出するための減圧口53が形成されている。
【0041】
排気部50は、第1パッキン55と、第2パッキン56と、リブ部材57と、を有する。第1パッキン55は、減圧口53の孔径よりも大きくかつ蓋孔12Aの孔径よりも小さい幅を有し、第1フランジ部52と第2フランジ部54との間に配置されている。このため、第1パッキン55の側面と孔壁面との間には、気体が流通可能な隙間が形成されている。第1パッキン55は、容器10内が減圧下にある状態(
図4,6)において、減圧口53を塞ぐように第1フランジ部52の両側の部位に跨っている。第1パッキン55は、減圧装置30の吸引力によって上下に移動することにより減圧口53を開閉する減圧弁である。
【0042】
リブ部材57は、
図7に示すように複数(8つ)のリブ57Aが放射状に設けられた部材であり、第2フランジ部54の下面に配置されている。第2パッキン56は、減圧装置30と第2フランジ部54との隙間をシールする部材であり、第2フランジ部54の上面に配置されている。
【0043】
ここで、排気部50への減圧装置30の着脱について説明する。減圧装置30には、吸引口30Aが形成された吸引部31が設けられており、
図3に示すように吸引部31が蓋孔12Aの上部に挿入された状態で排気部50に配置される。吸引部31には、第2パッキン56の上面に気密状に接触する面と、蓋上面12Bに気密状に接触する面と、が設けられている。
【0044】
図3に示すように吸引部31が蓋孔12Aに上部に挿入された状態で減圧装置30を動作させると、容器10の内部10A及び蓋孔12Aの内側領域が減圧状態となる。このとき、容器10内外の圧力差によって減圧装置30に外圧が加わり、当該外圧によって減圧装置30が排気部50に押し付けられて固定される。
【0045】
一方、減圧装置30の動作を停止すると(
図4)、減圧装置30による吸引力がなくなるため第1パッキン55が下側に移動し、減圧口53が閉じられる。これにより、蓋孔12Aの内側領域が第1パッキン55よりも蓋上面12B側の領域12Dと蓋下面12C側の領域12Eとに仕切られる。このとき、吸引部31が挿入される領域12Dは減圧状態に保持されないため、減圧装置30には減圧中のように排気部50に押し付けられる外圧が加わらず、減圧装置30を取り外すことができる。このように、減圧装置30は、減圧中は容器10内外の圧力差によって排気部50に対して固定可能とされ、減圧解除中は排気部50から取り外し可能とされることで、排気部50に対して着脱可能となっている。
【0046】
次に、圧力調整部60の構成について説明する。圧力調整部60においては、排気部50と同様に、蓋12を貫通する蓋孔12Fが形成されており、蓋孔12Fの孔壁面において第3フランジ部61と第4フランジ部62とが間隔を空けて設けられている。第3フランジ部61は、第4フランジ部62よりも蓋上面12B側に設けられている。第3フランジ部61には、容器10の内部10Aに気体を導入するための気体導入口63が形成されている。
【0047】
圧力調整部60は、気体導入口63を開閉する圧力調整弁64と、圧力調整弁64を支持する支持部65と、を有する。圧力調整弁64は、蓋孔12F内において第3フランジ部61と第4フランジ部62との間に配置されている。圧力調整弁64は、気体導入口63の孔径よりも大きく蓋孔12Fの孔径よりも小さい幅を有する弁体64Aと、弁体64Aに接続されたバネ64Bと、を有し、バネ64Bが支持部65により支持されている。このため、弁体64Aの外面と孔壁面との間には、気体が流通可能な隙間が形成されている。
【0048】
圧力調整弁64は、容器10内外の圧力差に起因して弁体64Aが押されてバネ64Bが収縮することにより気体導入口63を開閉する。即ち、バネ64Bが縮むと弁体64Aの上面が第3フランジ部61の下面から離れることにより気体導入口63が開かれ(
図3)、逆にバネ64Bが伸びると弁体64Aの上面が第3フランジ部61の下面に接触することにより気体導入口63が閉じられる(
図4)。バネ64Bは、容器10内が所定の目標圧力よりも低下した時に収縮する弾性力を有する。
【0049】
次に、容器10内の減圧中及び減圧停止中における排気部50及び圧力調整部60の各動作について説明する。まず減圧前においては、排気口53及び気体導入口63は各々閉じた状態となっている。そして減圧中(
図3,5)では、排気部50において減圧装置30の吸引力により第1パッキン55がリブ部材57側へ上昇し、減圧口53が開いた状態となる。これにより、容器10内の気体は、減圧口53を通過した後に第1フランジ部52の上面と第1パッキン55の下面との間を外側へ流れ、その後リブ57Aの隙間を流れ、減圧装置30の吸引口30Aに吸い込まれる。このようにして、容器内10内の気体が減圧口53を通じて外部に排出される。
【0050】
一方、容器10内が−80kPa〜−85kPaにまで減圧されると、圧力調整部60において容器10内外の圧力差により弁体64Aが押されてバネ64Bが収縮し、弁体64Aの上面が第3フランジ部61の下面から離れることにより気体導入口63が開かれる。これにより、容器10外の空気が気体導入口63を通過し、弁体64Aの側面と蓋孔12Fの孔壁面との隙間を通過して容器10内に導入される。これにより、容器10内は、減圧装置30の最大能力である−85kPa〜−90kPaにまで減圧されず、加熱濃縮時の目標圧力である−75kPa〜−85kPaに調整することができる。
【0051】
次に、減圧停止中(
図4,6)では、排気部50において容器10内外の圧力差により第1パッキン55が第1フランジ部52の上面に密着し、減圧口53が第1パッキン55により閉じられる。一方、圧力調整部60において容器10内外の圧力差により弁体64Aの上面が第3フランジ部61の下面に接触し、気体導入口63が閉じられる。これにより、容器10内から外部への気体の流出、及び外部から容器10内への気体の流入が防止され、容器10内を減圧状態に保持することができる。
【0052】
(濃縮運転モード)
次に、上記濃縮装置1の濃縮運転モードについて、
図8のフローチャートに沿って説明する。
【0053】
まず、容器10が準備され、その中に苺などの果実及び砂糖が収容される。そして、離水作用によって果実から水分が出され、容器10内に果汁が収容される。
【0054】
次に、容器10を昇温装置20にセットし、操作部43のモード選択スイッチを操作して濃縮運転モードを選択する(S1)。次に、操作部43において濃縮運転モードの実行時間(減圧加熱濃縮の時間)を設定時間として入力し、タイマーをセットする(S2)。なお、このモード実行時間は、制御装置40の記憶部44に予めプログラムされていてもよく、その場合タイマーセットは省略可能である。
【0055】
次に、スタートスイッチを押下することにより(S3)、時間計測部42においてタイマーカウントがスタートし(S4)、濃縮運転モードが開始する。濃縮運転モードでは、運転制御部41によってヒータ22,23を動作させることにより容器10が昇温され、食材Fが目標温度である60℃付近まで加熱される(S5)。一方、運転制御部41によって減圧装置30を動作させることにより、容器10内が減圧される(S6)。このとき、上述のように減圧装置30による減圧中に圧力調整部60から容器10内に空気が導入されるため、容器10内の圧力は温度60℃の飽和蒸気圧に近い−75kPa〜−85kPaに調整される。このため、食材Fは60℃の低温で沸騰し、蒸発した水分が容器10外へ排出され、食材Fが濃縮される。このように、容器10の内部10Aを減圧した状態で容器10を昇温させることによって食材Fを加熱濃縮することができ、ジャム等の濃縮物が得られる。
【0056】
そして、濃縮運転モードの実行時間が初めに入力した設定時間を経過すると(S7:YES)、運転制御部41によってヒータ22,23及び減圧装置30の動作が停止され、濃縮運転モードが終了する(S9)。また設定時間を経過する前は(S7:NO)は、減圧加熱濃縮が継続される。またモード実行時間が設定時間を経過する前であっても、終了スイッチを押下することで(S8)、濃縮運転モードを強制終了させることもできる(S9)。
【0057】
濃縮運転モードの終了後は、減圧装置30を排気部50から取り外すことができる。そして、容器10内を減圧状態に維持した状態で、容器10を冷蔵庫等の保管場所に移してそのまま保管することができる。このように、上記濃縮装置1によれば、食材Fを一つの容器10に収容した状態で減圧加熱濃縮から保管までの一連の工程を行うことができる。
【0058】
なお、スタートスイッチを押下した時点でタイマーカウントを開始する場合に限定されず、容器10内の圧力を測定する圧力センサや食材Fの温度を測定する温度センサを設け、これらの検出値が一定値に到達した時点でタイマーカウントを開始する構成としてもよい。
【0059】
(含浸・乾燥加工運転モード)
次に、上記濃縮装置1における含浸・乾燥運転モードについて、
図9のフローチャートに沿って説明する。
【0060】
まず、容器10が準備される。そして、含浸を行う場合には食材及び調理液(シロップ、つけ汁等)が容器10内に収容される。また乾燥を行う場合には野菜や果物等の食材が容器10内に収容される。
【0061】
次に、容器10を昇温装置20にセットし、モード選択スイッチを操作して含浸・乾燥運転モードを選択する(S10)。次に、減圧時間を設定時間として入力し、タイマーをセットする(S11)。なお、減圧時間は制御装置40の記憶部44に予めプログラムされていてもよく、その場合タイマーセットは省略可能である。
【0062】
次に、スタートスイッチを押下することにより(S12)、時間計測部42においてタイマーカウントがスタートし(S13)、含浸・乾燥運転モードが開始する。このモードでは、まず運転制御部41によって減圧装置30を動作させることにより、容器10内が所定の目標圧力にまで減圧される(S14)。そして、減圧時間が初めに入力した設定時間を経過すると、減圧装置30の動作を停止させる。次に、運転制御部41によって空気導入部90の開閉弁を開くことにより、容器10内に空気が導入される(S15)。これにより、容器10内が復圧される。そして、空気の導入時間が所定の設定時間を経過すると、再び容器10内の減圧が行われる(S14)。
【0063】
このように含浸・乾燥運転モードでは、減圧装置30及び空気導入部90を制御することにより、容器10内における減圧と復圧が繰り返される。これにより、食材Fに味を速やかに浸透させることができ、コンポート、漬物、マリネ等を短時間で作ることができる。また野菜や果物を短時間で乾燥させることもできる。その後、終了スイッチを押下することで(S16)、含浸・乾燥運転モードが終了する(S17)。
【0064】
含浸・乾燥運転モードでは、空気導入部90から容器10内に空気を導入する時間は、記憶部44に予めプログラムされていてもよい。また減圧と復圧の繰り返しは、終了スイッチにより終了させる場合に限定されず、繰り返し回数が所定回数に達した時点で終了してもよいし、所定時間が経過した時点で終了してもよい。
【0065】
また上述した濃縮運転モードによるジャム作りにおいて、濃縮運転モードの実行前に含浸・乾燥運転モードを実行することで、果実の離水作用を促進することができる。具体的には、容器10内に果物及び砂糖を収容した後、容器10内の減圧と復圧を繰り返すことで、より迅速に果実から水分を出させることができる。このように、濃縮運転モードと含浸・乾燥運転モードとを組み合わせることで、より効率的な果汁濃縮加工が可能になる。
【0066】
(自動濃縮運転モード)
次に、上記濃縮装置1における自動濃縮運転モードについて、
図10のフローチャートに沿って説明する。
【0067】
まず、容器10が準備され、その中に苺などの果実及び砂糖が収容される。次に、容器10を昇温装置20にセットし、モード選択スイッチを操作して自動濃縮運転モードが選択される(S18)。次に、操作部43において濃縮工程での減圧加熱時間や離水促進工程での減圧時間を設定時間として入力し、タイマーをセットする(S19)。なお、濃縮運転モードと同様に、減圧加熱時間は制御装置40の記憶部44に予めプログラムされていてもよく、その場合タイマーセットは省略可能である。
【0068】
次に、スタートスイッチを押下することにより(S20)、自動濃縮運転モードが開始する。自動濃縮運転モードでは、離水促進工程(前工程)と、濃縮工程(後工程)と、が順に行われる。
【0069】
まず離水促進工程では、運転制御部41によって減圧装置30を動作させることにより、容器10内が所定の目標圧力にまで減圧される(S21)。そして、減圧時間が初めに入力した設定時間を経過すると、減圧装置30の動作を停止させる。次に、運転制御部41によって空気導入部90の開閉弁が開かれることにより、容器10内に空気が導入され、容器10内が復圧する(S22)。そして、空気の導入時間が設定時間を経過すると、空気導入部90の開閉弁が閉じられる。このような容器10内の減圧と復圧が所定回数に到達するまで繰り返され(S23)、これにより果実からの離水が促される。なお、減圧と復圧の繰り返しは、終了スイッチにより終了してもよいし、所定時間が経過した時点で終了してもよい。
【0070】
次に濃縮工程に移り、時間計測部42においてタイマーカウントがスタートする(S24)。そして、運転制御部41によってヒータ22,23を動作させることにより容器10が昇温され、食材Fが60℃付近まで加熱される(S25)。一方、運転制御部41によって減圧装置30を動作させることにより、容器10内が減圧される(S26)。このとき、濃縮運転モードと同様に、圧力調整部60から容器10内への空気の導入によって容器10内の圧力が−75kPa〜−85kPaの目標圧力に調整される。このようにして、容器10の内部10Aを減圧した状態で容器10を昇温させることによって食材Fを加熱濃縮することができる。
【0071】
そして、減圧加熱時間が初めに入力した設定時間を経過すると(S27:YES)、運転制御部41によってヒータ22,23及び減圧装置30の動作が停止され、自動濃縮運転モードが終了する(S29)。また設定時間を経過する前は(S27:NO)は、減圧加熱濃縮が継続される。また減圧加熱時間が設定時間を経過する前に終了スイッチを押下した場合には(S28)、自動濃縮運転モードが強制終了する(S29)。
【0072】
(作用効果)
次に、上記濃縮装置1の特徴的な構成及び作用効果について説明する。
【0073】
上記濃縮装置1は、食材Fが収容される密閉可能な容器10と、容器10を昇温させる昇温装置20と、容器10の内部を減圧する減圧装置30と、昇温装置20及び減圧装置30を制御する制御装置40と、を備えている。容器10には、容器10の内部10Aの気体を外部に排出する排気部50が設けられている。減圧装置30は、排気部50に対して着脱可能に構成されている。制御装置40は、昇温装置20及び減圧装置30を制御することにより、容器10の内部10Aを減圧した状態で容器10を昇温させることによって食材Fを加熱濃縮する濃縮運転モードを実行するように構成されている。
【0074】
上記濃縮装置1によれば、容器10の内部10Aを減圧した状態で食材Fを加熱濃縮することにより(減圧加熱濃縮)、常圧下で加熱濃縮する場合に比べてより低温で濃縮することができる。このため、食材Fの香味、栄養価、色合い等が損なわれず、新鮮な濃縮物を得ることができ、また加熱中に攪拌しなくても容器への焦げ付きを防ぐことができる。また減圧加熱濃縮が完了した後、減圧装置30を容器10の排気部50から取り外すことで、当該容器10を排気系から切り離すことができる。このため、濃縮加工に使用した容器10内を減圧状態に維持した状態で冷蔵庫等の保管場所に移してそのまま保管することができる。即ち、上記濃縮装置1は、食材Fを一つの容器10に収容した状態で減圧加熱濃縮から保管までの一連の工程を行うことができる構成となっており、準備や後片づけなどの調理の手間を省くことができ、飲食店用、小規模店舗用又は家庭用の用途に適したものとなっている。また容器10内を減圧状態で保持することにより、砂糖の添加量を少なくした場合でも濃縮物(ジャム)の保存期間を長くすることができる。
【0075】
上記濃縮装置1において、減圧装置30は、容器10の内部10Aを所定の目標圧力よりも低い圧力まで減圧可能に構成されている。容器10には、減圧装置30によって減圧される容器10の内部10Aが目標圧力に調整されるように容器10の内部10Aに気体を導入する圧力調整部60が設けられている。これにより、減圧加熱濃縮中において容器10の内部10Aの圧力を目標圧力において一定に保持することができる。
【0076】
上記濃縮装置1において、排気部50は、容器10の内部10Aの気体を外部に排出する減圧口53を開閉する第1パッキン55を有している。第1パッキン55は、減圧装置30が排気部50に取り付けられて動作しているとき(
図3,5)は減圧口53を開き、かつ、減圧装置30が排気部50から取り外されたとき(
図4,6)は減圧口53を閉じるように構成されている。これにより、減圧加熱濃縮の完了後において減圧口53から容器10の内部10Aに気体が流入することが防止され、容器10の内部10Aを減圧状態に保持することができる。このため、濃縮物を所望の減圧条件下で保管することができる。
【0077】
上記濃縮装置1において、圧力調整部60は、容器10の内部10Aに気体を導入する気体導入口63を開閉する圧力調整弁64を有している。圧力調整弁64は、減圧口53が開いた状態(
図3)において気体導入口63を開き、かつ、減圧口53が閉じた状態(
図4)において気体導入口63を閉じるように構成されている。これにより、減圧口53が開くのに応じて気体導入口63を開くことで、減圧加熱濃縮中において容器10内の圧力を目標圧力において一定に保持することができる。しかも、減圧加熱濃縮の完了後には気体導入口63から容器10の内部10Aに気体が流入することが防止され、容器10の内部10Aを減圧状態に保持することができる。このため、濃縮物を所望の減圧条件下で保管することができる。
【0078】
上記濃縮装置1において、制御装置40は、濃縮運転モードの実行時間を計測する時間計測部42を有している。制御装置40は、上記実行時間が予め定められた時間を経過した時点で濃縮運転モードを終了する。これにより、時間計測部42によって減圧加熱濃縮を行う時間をより正確に管理することができる。
【0079】
上記濃縮装置1において、容器10には、制御装置40により制御可能に構成され、容器10の内部10Aに空気を導入するための空気導入部90が設けられていている。制御装置40は、減圧装置30及び空気導入部90を制御することにより、容器10の内部10Aにおける減圧と復圧を繰り返す含浸・乾燥運転モード(繰り返し運転モード)を実行するように構成されている。これにより、食材Fの濃縮加工以外に含浸や乾燥などにも上記濃縮装置1を利用することができる。具体的に、含浸においては容器10内の減圧と復圧を繰り返すことにより短時間で食材に味を浸透させることができ、また食材を速やかに乾燥させることもできる。
【0080】
上記濃縮装置1において、制御装置40は、減圧装置30及び空気導入部90を制御することにより容器10の内部10Aにおける減圧と復圧を繰り返す離水促進工程(前工程)と、昇温装置20及び減圧装置30を制御することにより容器10の内部10Aを減圧した状態で容器10を昇温させることによって食材Fを加熱濃縮する濃縮工程(後工程)と、を順に行う自動濃縮運転モードを実行するように構成されている。これにより、果汁濃縮加工によるジャム作りにおいて、減圧加熱濃縮の前に容器10内の減圧と復圧を繰り返すことで果実の離水を促進させることができる。これにより、濃縮加工の全体の時間を短縮することができる。
【0081】
[実施形態2]
次に、本発明の実施形態2に係る濃縮装置2について、
図11を参照して説明する。実施形態2に係る濃縮装置2は、基本的に上記実施形態1の場合と同様の構成を備え、かつ同様の効果を奏するが、容器10の重量を測定する重量測定装置80をさらに有する点で異なっている。重量測定装置80は、食材Fが収容された容器10の重量を測定するための秤であり、昇温装置20の下部に配置されている。この重量測定装置80を用いることで、以下に説明するように濃縮運転モード及び自動濃縮運転モードにおいて食材Fの重量変化に基づいて運転停止することができる。
【0082】
まず、食材Fを容器10に収容した後、容器10を昇温装置20にセットする。ここで、加熱濃縮開始前における容器10の重量を重量測定装置80により測定し、数値が安定したことを確認した後にその測定結果を記憶部44に記憶させる。加熱濃縮中においては、水分の蒸発による重量変化が重量測定装置80により測定される。そして、食材Fが収容された容器10の重量が予め定められた設定値に達した時点で、制御装置40によりヒータ22,23及び減圧装置30の動作を停止させることで濃縮運転モードが終了する。このモード終了の基準となる重量の設定値は、記憶部44に予めプログラムされていてもよいし、加熱濃縮開始前にユーザが入力したものでもよい。このように水分を蒸発させた後の食材Fの重量をモード終了の基準とすることで、食材Fの濃縮度を正確に管理することができる。
【0083】
[その他実施形態]
最後に、本発明のその他実施形態について説明する。
【0084】
図12に示すように、伝熱板21及びコードヒータ23は、容器本体11の側壁部11C全体ではなく、側壁部11Cの中央よりも下側部分のみを昇温させる構成でもよい。また
図13に示すように、コードヒータを省略し、プレートヒータ22及び伝熱板21のみによって容器本体11の底壁部11Bを主に昇温させる構成でもよい。
【0085】
また減圧装置は、上記実施形態1,2のように真空ポンプ単体で構成されるものに限定されない。具体的には、
図14に示すように、減圧装置34は、減圧配管35と、減圧ポンプ36と、を有し、減圧配管35を介して容器10内の気体を排出する構成でもよい。この場合、減圧配管35の端部35Aにおいて蓋孔に挿入されるアダプタ35Bを設け、当該アダプタ35Bを排気部50に対して取り付け及び取り外し可能とすることで、減圧配管35が排気部50に対して着脱可能に構成される。また減圧配管35の途中に吸水剤が収容された容器からなる水分トラップ37を設けてもよい。これにより、食材Fの加熱濃縮により蒸発した水分を吸水剤に吸収させることができ、減圧ポンプ36に水分が入ることを防ぐことができる。
【0086】
また減圧装置30によって目標圧力以上に減圧しつつ圧力調整部60により目標圧力に調整する場合に限定されず、圧力調整部60を省略し、容器10内の圧力を圧力センサにより検知しつつ目標圧力に調整する構成でもよい。
【0087】
また含浸・濃縮加工モード及び自動濃縮加工モードのいずれか一方の運転モードが省略されてもよいし、両方の運転モードが省略されてもよい。また各モードにおいて、タイマーセットに代えて調理メニューを有し、調理メニューに対して予め減圧時間や加熱時間を記憶させておく構成としてもよい。そして、調理メニューを選択すると、各時間が自動設定される構成であってもよい。
【0088】
今回開示された実施形態は、全ての点で例示であって、制限的なものではないと解されるべきである。本発明の範囲は、上記した説明ではなくて特許請求の範囲により示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。