【実施例】
【0013】
(パチンコ機の概略構成について)
実施例に係るパチンコ機Pは、
図1〜3に示すように、遊技店に設けられた「島」とも称される設置枠台(図示せず)に固定される固定枠としての外枠Aと、該外枠Aに対して着脱および開閉可能に枢支された本体枠としての中枠Bと、該中枠Bに着脱交換可能に取り付けられて所要の遊技領域33が画成された遊技盤Dと、中枠Bの前面側に着脱および開閉可能に枢支され、該中枠Bに配設した遊技盤Dを透視保護する透明板19が配設される前枠Cとを備えている。前枠Cの前側には、透明板19が配設された窓口21の下方に、遊技球を貯留可能な上球皿(上球貯留部)Eが配設されると共に、該上球皿Eの下方に、遊技球を貯留可能な下球皿(下球貯留部)Fや、中枠Bに配設された打球発射装置J(
図2参照)および前枠Cに配設された球送り装置K(
図2参照)を作動させるハンドルユニットGが、左右に並んで配設されている。
【0014】
このようなパチンコ機Pでは、上球皿Eから球送り装置Kを介して打球発射装置Jへ供給され、該打球発射装置Jにより遊技盤Dの遊技領域33へ打ち込まれた遊技球が、後述する第1始動入賞口37または第2始動入賞口38(
図4、
図5参照)に入賞することにより、機後側に配設されたメイン制御基板250において入賞時情報が取得されて大当り抽選が行なわれると共に該大当り抽選結果に基づいた制御信号が遊技盤Dの後側に配設された統括制御基板251に出力され、該統括制御基板251の制御のもとで遊技盤Dに配設された図柄表示装置Hの表示部H1(
図3参照)での図柄変動演出が開始される。そしてパチンコ機Pは、図柄変動演出の結果として、表示部H1に図柄が所定の組み合わせで停止することにより遊技者に有利な特別遊技状態(例えば「大当り」)が発生すると、遊技盤Dの遊技領域33に設けられた特別入賞装置39(
図4、
図5参照)の特別入賞口39Aが開放されて多数の遊技球の入賞が可能となり、遊技球の入賞に基づいて機後側に設けられた球払出制御基板253の制御により作動する球払出装置254から多数の遊技球が賞球として上球皿Eへ払出されるよう構成されている。
【0015】
(中枠)
中枠Bは、
図2に示すように、上縁をなす上枠部10と、下縁をなして、打球発射装置J等が設置された下枠部11と、左側縁をなす左枠部12と、右側縁をなす右枠部13とから構成され、全体が外枠Aの開口に整合する矩形枠状に形成される。中枠Bには、遊技盤Dを前側から着脱可能に設置し得る遊技盤保持部14が設けられている。そして中枠Bは、外枠Aの左上および左下に設けられたヒンジ15,15を介して該外枠Aに枢支され、中枠Bは外枠Aに対して左側端部を中心として開閉し得るようになっている。なお中枠Bは、上下左右の各枠部10,11,12,13が一体成形されたものであってもよい。
【0016】
(前枠)
前枠Cは、
図1および
図2に示すように、中枠Bの外郭形状に略合致する板状に形成されると共に前後方向に開口する窓口21が開設された枠本体20の前側に、該窓口21を囲むように複数の装飾部材22が取付けられている。装飾部材22内には、LEDチップを実装した照明基板(図示せず)が配設され、該LEDチップが発光制御されることで装飾部材22の光透過部分が明輝されるようになっている。更に、枠本体20における窓口21の下部前側には、上球皿E等を前側から覆う第1前装飾部材23や、下球皿E等を前側から覆う第2前装飾部材24が配設されている。
【0017】
(遊技盤)
遊技盤Dは、
図4および
図5に示すように、ベニア等を貼り合わせた木製合板や合成樹脂を材質とし、中枠Bに設けられた遊技盤保持部14の内縁形状に整合する外形形状に形成された略矩形の平板状の部材である。遊技盤Dの前側には、左下部から右上部にかけて円弧状に延在する外レール30と、この外レール30の内側に中央下部から左上部にかけて並べて配置された内レール31と、外レール30の右上部から内レール31の下部までの間に右方へ凹む湾曲形状に構成された盤面飾り部材32等が配設されており、両レール30,31および盤面飾り部材32で囲まれた内側が遊技領域33として構成されている。遊技領域33内には、流路変更部材としての多数の遊技釘34やゲート部材35が配設され、該遊技領域33における左側の第1球流下領域33Aの下方には複数(実施例では3個)の普通入賞具40が配設されると共に、該遊技領域33における右側の第2球流下領域33Bの下方には特別入賞装置39や普通入賞具40等が配設されている。また、遊技領域33の最下部には、アウト口41が設けられている。
【0018】
(枠状装飾部材)
遊技盤Dには、
図4および
図5に示すように、前後に開口する貫通口が形成されており、該貫通口の開口縁には枠状装飾部材45が配設されている。これにより遊技領域33は、前述したように、枠状装飾部材45の左側に位置する第1球流下領域33Aと、枠状装飾部材45の上方から右側に位置する第2球流下領域33Bとに分かれている。そして、遊技盤Dに装着された枠状装飾部材45の内側開口領域が、遊技領域33と仕切られた演出領域46となっている。ここで演出領域46は、枠状装飾部材45の内側において、遊技領域33の上下中央よりもやや下方において左右方向に延在するように配設された球案内部材49を境として、該球案内部材49から上側が第1演出領域47とされると共に、該球案内部材49から下側が第2演出領域48とされている。第1演出領域47には、遊技盤Dの後側に取付けられた後述する設置部材50に配設された図柄表示装置Hの表示部H1や、該設置部材50に配設された可動演出装置L等が臨むようになっている。また、第2演出領域48には、設置部材50に配設された遊技演出装置Mが臨むように構成されている。
【0019】
枠状装飾部材45には、
図3および
図4に示すように、左右方向で最大幅となる部分の左端部に、図柄表示装置Hの表示部H1における図柄変動演出の契機となる第1始動入賞口37が設けられていると共に、左右方向で最大幅となる部分の右端部に、図柄表示装置Hの表示部H1における図柄変動演出の契機となる第2始動入賞口38が設けられている。ここで、実施例のパチンコ機Pでは、第1始動入賞口37に入賞して該第1始動入賞口37に配設された第1入賞球検知センサ(図示せず)で検知された検知後遊技球は、枠状装飾部材45に配設された前述の球案内部材49の上面を右方へ転動した後に第2演出領域48へ落下して、該第2演出領域48に配設された前述の遊技演出装置Mの遊技に供される遊技球として使用されるようになっている。また、第2始動入賞口38に入賞して該第2始動入賞口38に配設された第2入賞球検知センサ(図示せず)で検知された検知後遊技球は、遊技盤Dの後側へ通出された後に、機後側に設けられた排出経路を介して機外へ排出されるようになっている。
【0020】
(設置部材)
遊技盤Dの後側に取付けられる設置部材50は、
図6および
図7に示すように、前方に開放する略矩形のケース状に一体成形された合成樹脂製の部材であって、前側の開放端を遊技盤Dの後面に突き合わせて該遊技盤Dに取り付けられる。設置部材50は、遊技盤Dの後面に対して後方から所要の間隔で平行に対向する設置壁部51と、この設置壁部51の周縁から前方へ延出形成された外周壁部52と、この外周壁部52の前端から外方に向けて屈曲した形状に形成された取付板部53等を備えている。すなわち設置部材50は、外周壁部52で囲われて遊技盤D側に開放する前部開口が略矩形状に形成されると共に、取付板部53の外周縁が、遊技盤Dの外周縁より一回り小さい形状および大きさで形成されている。そして設置部材50は、取付板部53を遊技盤Dの後面にネジ止めすることで該遊技盤Dに取付けられ、遊技盤Dの後面と該後面から離間した設置壁部51の前側に空間を画成し、実施例の可動演出装置Lや遊技演出装置Mおよびその他が設置壁部51の前側に配設されるのを可能とする。
【0021】
設置部材50の設置壁部51には、
図7に示すように、前後に貫通する表示開口54が形成されている。また、設置壁部51には、表示開口54を囲む平坦状の取付部55が形成されている。この取付部55の前面には、実施例の可動演出装置Lが取付けられる(
図6参照)。なお、設置壁部51には、実施例の可動演出装置Lの他に、遊技演出装置Mや各種構成部品等が取付けられる。
【0022】
(図柄表示装置)
また、設置壁部51の後側には、表示開口54に表示部H1を臨ませた状態で図柄表示装置Hが着脱可能に取付けられる。図柄表示装置Hの表示部H1は、表示開口54の開口形状に略合致する横長矩形状の表示領域を備えている。図柄表示装置Hは、表示部H1を構成する液晶パネルが収容ケースに収容されたユニット部材であって、該収容ケースの後面には、該図柄表示装置Hの表示部H1の表示制御を行なう表示制御基板252と、該表示制御基板252に制御信号を送信する前述の統括制御基板251が配設される。
【0023】
実施例の図柄表示装置Hは、表示制御基板252による制御により、
図27〜
図30に例示するように、表示部H1の表示領域において図柄変動に関連する種々の動画像60の表示演出が行なわれる。ここで、動画像60は、図柄を変動表示可能な図柄列61,61,61(
図27参照)や、表示領域の全体に表示される背景画像や、図柄変動演出の途中等に表示されるリーチ演出に関連する動画等、表示部H1の表示領域に表示されるものである。なお、各図柄列61,61,61の変動表示は、第1始動入賞口37または第2始動入賞口38への入賞を契機として開始されるようになっている。そして、実施例の図柄表示装置Hでは、表示領域の略全体において動画像60を表示した標準表示演出(
図27参照)や、表示領域内において動画像60の外形形状(外周輪郭形状)を変形させた変形表示演出(
図28〜
図32参照)が可能に構成されている。変形表示演出は、動画像60の外形形状を標準表示演出の外形形状を相似的に縮小させた第1変形表示演出(
図28参照)や、斜め方向から見たような立体平面状に変形させた第2変形表示演出(
図29参照)や、左右方向における幅を上下において異ならせた第3変形表示演出(
図30参照)や、左側が後方へ押されたり右側が後方へ押されて斜めに変形させた第4変形表示演出(
図31参照)や、左側が前方へ押されたり右側が前方へ押されて斜めに変形させた第5変形表示演出(
図32参照)等である。
【0024】
(可動演出装置)
次に、実施例の可動演出装置Lについて、図面を引用しながら説明する。なお、可動演出装置Lの上下、左右、前後の各方向は、該可動演出装置Lが遊技盤Dに配設された状態(
図4の状態)を基準として指称する。
【0025】
実施例の可動演出装置Lは、
図7、
図8および
図9に示すように、設置部材50の設置壁部51の前側に前向きに配設され、表示開口54を挟んだ左側および右側に所要距離離間して配設された一対の可動体100,100を備えている。各可動体100,100は、略矩形板状に形成されて表示開口54より一回り小さい矩形の開口部104が中央に形成されたベース体103に、該開口部104を挟んだ左右両側に各々配設されている。すなわち可動演出装置Lは、ベース体103の前面および後面に、各可動体100,100や関連の構成部材を取付けてユニット化されており、設置部材50の設置壁部51に設けられた取付部55の前面にネジ等により固定される。
【0026】
各可動体100,100は、
図9および
図10に示すように、ベース体103の上部に配設された上作動機構101の支持アーム(支持体)147に上端部100Aが支持されると共に、該ベース体103の下部に配設された下作動機構102の支持アーム(支持体)147に下端部100Bが支持され、各支持アーム147,147間において上下方向へ延在するよう架設されている。そして、各支持アーム147,147が駆動機構146,146により各々姿勢変位することで、各可動体100,100は左右方向への移動が可能に配設されている。また、各可動体100,100は、上下の各作動機構101,102が同期して同時に作動することで、図柄表示装置Hの表示部H1が臨んだ表示開口54の側方へ退避した待機姿勢(
図4、
図9、
図27参照)と、表示開口54の前側に移動した第1動作姿勢(
図8、
図14、
図28参照)との間を移動可能に構成されている。また、各可動体100,100は、下作動機構102を停止させて上作動機構101だけを作動させることで、上端部100A側が表示開口54の前側に延出すると共に下端部100B側が該表示開口54から退避した第2動作姿勢(
図29,
図30における左側の可動体100の状態)と、上作動機構101を停止させて下作動機構102だけを作動させることで、上端部100A側が表示開口54から退避すると共に下端部100B側が該表示開口54の前側に延出した第3動作姿勢(
図29における右側の可動体100の状態)とに姿勢変位可能に構成されている。更に、各可動体100,100は、待機姿勢と第1動作姿勢との間を移動する際、待機姿勢と第2動作姿勢との間を移動する際、待機姿勢と第3動作姿勢との間を移動する際に、上端部100Aと下端部100Bとが近接すると共に上下方向の中間部分が前後方向へ変形し得るように構成されている。
【0027】
(ベース体)
ベース体103は、
図20、
図21、
図22(a)および
図22(b)に示すように、中央に矩形状の開口部104が設けられて全体が矩形板状に一体成形された成形部材である。ベース体103は、開口部104の左縁および該開口部104の上縁側および下縁側へ一部かかるように設けられた左機構配設部105と、開口部104の右縁および該開口部104の上縁側および下縁側へ一部かかるように設けられた右機構配設部106と、開口部104の上縁に沿って左右に延在して左機構配設部105の上部および右機構配設部106の上部に連設された上連結板部107と、開口部104の下縁に沿って左右に延在して左機構配設部105の下部および右機構配設部106の下部に連設された下連結板部108とから構成されている。ここで、ベース体103の左右長(左機構配設部105の左縁から右機構配設部106の右縁までの長さ)は、設置部材50の設置壁部51に設けられた取付部55の左右長と同じであり、該ベース体103の上下長(上連結板部107の上縁から下連結板部108の下縁までの長さ)は、取付部55の上下長と同じである。ベース体103は、設置壁部51の取付部55の前側にネジ等により固定され、左機構配設部105は表示開口54の左方において該設置壁部51の前側に位置すると共に、右機構配設部106が表示開口54の右方において該設置壁部51の前側に位置する。
【0028】
(機構配設部)
左機構配設部105には、
図22(a)および
図22(b)に示すように、左右一対の可動体における左側の可動体100と、該左側の可動体100を動作させる上下一対の作動機構101,102とが配設され、右機構配設部106には、右側の可動体100および該右側の可動体100を動作させる上下一対の作動機構101,102が配設されている。左機構配設部105および右機構配設部106は、左右対称形状に構成されて基本的な構成が同じである。従って、ここでは、左機構配設部105について説明し、右機構配設部106は、左機構配設部105と同一部材、部位について同一の符号で指示する。
【0029】
左機構配設部105は、
図22(a)および
図22(b)に示すように、上連結板部107の左側に隣接する部位に、上作動機構101を配設する上配設部109が設けられると共に、下連結板部108の左側に隣接する部位に、下作動機構102を配設する下配設部110が設けられている。また、上配設部109と下配設部110との間(開口部104の左側)には、発光装飾体140(
図14、
図16、
図20および
図24参照)を配設する中配設部111が設けられている。
【0030】
上配設部109は、
図22(a)および
図22(b)に示すように、上連結板部107の左側に位置して該上連結板部107の前面より前側へ突出した第1配設部112と、該第1配設部112の左側から開口部104の左側上部に位置して該第1配設部112より前側へ突出した第2配設部113とからなる。第1配設部112には、
図9および
図14に示すように、上作動機構101におけるリンク機構145が配設され、第2配設部113には、該上作動機構101における駆動機構146が配設されるようになっている。
【0031】
上配設部109における第1配設部112の前面上部には、
図22(a)に示すように、上作動機構101におけるリンク機構145の支持アーム147を回転可能に支持する支持軸部115が、前方へ延出した状態で形成されている。また、第1配設部112において支持軸部115の下方に、該支持軸部115を中心とした円弧状の貫通孔116が、下方へ凸となるよう開口形成されている。貫通孔116には、支持アーム147の後側に設けられた被検知片156(
図24参照)が前側から突入するようになり、該支持アーム147が支持軸部115を中心に旋回する際に、該被検知片156が貫通孔116内を移動するよう構成されている。また、第1配設部112の前面上部には、複数(実施例では2個)の取付ボス117,117が、前方へ延出した状態に形成されている。各取付ボス117には、支持軸部115の前端側に配設される保持部材118が取付けられる(
図9参照)。更に、第1配設部112の後側には、基板設置部119が設けられている(
図22(b)参照)。この基板設置部119には、
図20に示すように、被検知片156を検知する検知センサ121が実装されたセンサ基板120が設置され、該基板設置部119に当該センサ基板120を設置すると検知センサ121が貫通孔116内に位置して、前述した被検知片156の検知が可能に構成されている。なお、基板設置部119に設置されたセンサ基板120は、上連結板部107の後面より後方へ突出しないようになっている(
図10、
図15参照)。
【0032】
上配設部109における第2配設部113の前面上部および前面下部には、
図22(a)に示すように、複数(実施例では3個)の固定ボス122が、前方へ延出した状態に設けられている。各固定ボス122には、上作動機構101における駆動機構146のギアボックス167が固定されるようになっている(
図9、
図15参照)。なお、第2配設部113における上下方向の中間部(下側の固定ボス122の上方)に、後方へ凹んだ退避部123が形成されている。この退避部123は、リンク機構145における連結レバー158の端部との干渉を回避するためのものである。
【0033】
下配設部110は、
図22(a)および
図22(b)に示すように、下連結板部108の左側に位置して該下連結板部108の前面より前側へ突出した第1配設部125と、該第1配設部125の左側から開口部104の左側上部に位置して該第1配設部125より前側へ突出した第2配設部126とからなる。第1配設部125には、
図9および
図14に示すように、下作動機構102におけるリンク機構145が配設され、第2配設部126には、該下作動機構102における駆動機構146が配設されるようになっている。
【0034】
下配設部110における第1配設部125の前面上部には、
図22(a)に示すように、下作動機構102におけるリンク機構145の支持アーム147を回転可能に支持する支持軸部127が、前方へ延出した状態で形成されている。また、第1配設部125において支持軸部127の上方に、該支持軸部127を中心とした円弧状の貫通孔128が、上方へ凸となるように開口形成されている。貫通孔128には、支持アーム147の後側に設けられた被検知片156が前側から突入するようになり、該支持アーム147が支持軸部127を中心に旋回する際に、該被検知片156が貫通孔128内を移動するよう構成されている。また、第1配設部125の前面下部には、複数(実施例では2個)の取付ボス129,129が、前方へ延出した状態に形成されている。各取付ボス129には、支持軸部127の前端側に配設される保持部材130が取付けられる(
図9参照)。更に、第1配設部125の後側には、基板設置部131が設けられている(
図22(b)参照)。この基板設置部131には、
図20に示すように、被検知片156を検知する検知センサ133が実装されたセンサ基板132が設置され、該基板設置部131に当該センサ基板132を設置すると、検知センサ133が貫通孔128内に位置して、前述した被検知片156の検知が可能に構成されている。なお、基板設置部131に設置されたセンサ基板132は、下連結板部108の後面より後方へ突出しないようになっている(
図10、
図15参照)。
【0035】
下配設部110における第2配設部126の前面上部および前面下部には、
図22(a)に示すように、複数(実施例では3個)の固定ボス134が、前方へ延出した状態に設けられている。各固定ボス134には、下作動機構102における駆動機構146のギアボックス167が固定されるようになっている(
図9、
図15参照)。なお、第2配設部126における上下方向の中間部分(上側の固定ボス134の)に、後方へ凹んだ退避部135が形成されている。この退避部135は、リンク機構145における連結レバー158の端部との干渉を回避するためのものである。
【0036】
中配設部111は、
図22(a)および
図22(b)に示すように、開口部104の左縁から左方にいくにつれて前方へ突出する階段状に形成されている。中配設部111の左右略中間には、上下方向に延在すると共に開口部104側へ凸となる円弧状に開口する照明口136が設けられている。そして、中配設部111の前側において、照明口136の左側には、
図9および
図20に示すように、装飾部材141が取付けられている。この装飾部材141は、右縁が照明口136に沿う円弧状に形成されると共に左にいくにつれて前方へ突出する階段状に形成され、外面がメッキ等により加飾されている。また、中配設部111の後側には、
図16、
図20および
図21に示すように、発光装飾体140が配設されるようになっている。
【0037】
図22(a)および
図22(b)に示すように、中配設部111の上方において開口部104の左上角部に臨む部分および該中配設部111の下方において該開口部104の左下角部に臨む部分は、該中配設部111より後方へ凹んだ嵌凹部138,138が設けられている。上方の嵌凹部138は、
図9に示すように、可動体100の上端部100Aが、ベース体103に接触するのを回避するために設けられている。また、下方の嵌凹部138は、
図9に示すように、可動体100の下端部100Bが、ベース体103に接触するのを回避するために設けられている。
【0038】
(発光装飾体)
中配設部111に設置される発光装飾体140は、
図16、
図20および
図21に示すように、照明口136に臨ように中配設部111の後側に固定されるレンズ部材142と、レンズ部材142の後側に配設される発光基板143とから構成されている。レンズ部材142は、照明口136に臨む部位の後面が、凹凸に形成された光拡散面となっており、発光基板143に配設された発光手段としてのLEDチップ143Aからの照射光が該光拡散面により拡散されて、照明口136を明輝するようになっている。
【0039】
(上作動機構)
上作動機構101は、
図9〜
図13に示すように、支持アーム147および連結レバー158からなるリンク機構145と、リンク機構145の連結レバー158に連係された駆動機構146とを備えている。上作動機構101は、駆動機構146の駆動モータ165を作動させることで連結レバー158が移動し、支持軸部127に旋回可能に配設された支持アーム147を、支持軸部127を中心として、表示部H1に整合する開口部104から左方へ退避した初期位置(
図9〜
図12参照)と、該表示部H1に整合する開口部104の前方へ移動した作動位置(
図14、
図17および
図18参照)との間で旋回させるよう構成されている。
【0040】
(支持アーム)
支持体としての支持アーム147は、
図17、
図18、
図23および
図24に示すように、第1アーム部材148と、第1アーム部材148の後側に固定される第2アーム部材149とを備えている。支持アーム147は、瓢箪状に形成されて、長手方向の略中間から一方の側が他方の側より幅広に形成されている。支持アーム147の長手方向における一方の端部には、前述した支持軸部115が挿通される円筒形の支持筒部151が、軸心が前後方向に延在するように設けられている。また、支持アーム147における長手方向の反対の端部には、可動体100の上端部100Aに配設された第1ジョイント部材220が回転可能に連結される支持軸152が、軸心が前後方向に延在するように設けられている。
【0041】
また、支持アーム147は、第1アーム部材148における前板部150の後側に、連結レバー158が回転可能に連結される連結軸153が、前後に軸心が延在する状態に形成されている(
図24参照)。なお、連結軸153は、支持筒部151と支持軸152との間において、該支持筒部151に隣接した位置に形成されている。
【0042】
支持アーム147の支持筒部151の内径は、第1支持軸部115の外形より大径に形成されている。すなわち、支持筒部151には、前端部および後端部にスリーブ155が配設され、該支持筒部151と支持軸部115とが直接に接触しないようになっている(
図23および
図24参照)。なお、スリーブ155は、自己潤滑性を有する合成樹脂材(ポリアセタール等)から形成されている。
【0043】
支持アーム147の第2アーム部材149は、
図17、
図23および
図24に示すように、第1アーム部材148の幅狭側における支持軸152の端部から幅広側における支持筒部151の側方に亘って延在する部材である。第2アーム部材149は、第1アーム部材148の前板部150との間に支持軸152および連結軸153を挟んだ状態で、該第1アーム部材148の後側に取付けられる。すなわち、第2アーム部材149は、支持軸152に連結された第1ジョイント部材220が該支持軸152から外れるのを防止すると共に、連結軸153に連結された連結レバー158が該連結軸153から外れるのを防止している。
【0044】
また、支持アーム147の後側には、
図12および
図24に示すように、前述した貫通孔128に前側から突入する被検知片156が、後方へ延出すると共に支持筒部151の中心を中心とする円弧に沿って円弧状に設けられている。被検知片156は、支持アーム147が支持軸部115を中心に旋回する際に貫通孔128内を往復移動して、該貫通孔128に臨む検知センサ121により検知可能となっている。なお、被検知片156が検知センサ121で検知された位置が、支持アーム147の初期位置とされる。また、支持アーム147は、第1アーム部材148に第2アーム部材149を組付けると、側方に開口した空間が内部に画成され(
図24参照)、該支持アーム147が初期位置においては、連結レバー158の一部が該空間内に収容されるようになっている(
図11、
図12参照)。
【0045】
(連結レバー)
連結レバー158は、
図17、
図18、
図23および
図24に示すように、長手方向の中間に屈曲部159を有する長尺の部材である。連結レバー158は、長手方向における一端部に、支持アーム147に設けられた連結軸153が嵌合する第1連結孔160が形成され、長手方向における他端部に、駆動機構146における回転体166に設けられた連係ピン179(
図18、
図26参照)が係合する第2連結孔161が形成されている。
【0046】
(駆動機構)
駆動機構146は、
図17、
図18、
図26(a)および
図26(b)に示すように、駆動手段としての駆動モータ165と、該駆動モータ165の駆動により回転し、前述した連係ピン179が設けられた回転体166とを備えている。駆動モータ165および回転体166は、第2配設部126に設けられた固定ボス122に固定されるギアボックス167に配設されている。ギアボックス167は、前後に組付けられる第1ボックス部材168と第2ボックス部材169とから構成され、第1ボックス部材168と第2ボックス部材169とを組付けることで内部に収容空間が画成されるようになっている。第1ボックス部材168には、駆動モータ165が固定されるモータ固定部170と、回転体166を回転可能に支持する円形の第1支持孔171とが形成されている。また、第2ボックス部材169には、回転体166を回転可能に支持する円形の第2支持孔172が形成されている。
【0047】
駆動モータ165は、駆動軸165Aをギアボックス167内に延出させた状態で第1ボックス部材168のモータ固定部170に固定され、該ギアボックス167から前方へ突出している。ギアボックス167内へ延出した駆動軸165Aの先端には、平歯車である駆動ギア173が固定されている。なお、駆動モータ165は、ステッピングモータやパルスモータ等が採用されている。
【0048】
回転体166は、
図17、
図18、
図26(a)および
図26(b)に示すように、円形状の回転部材であって、ギアボックス167内で回転可能に配設されている。すなわち回転体166は、駆動ギア173に噛合する平歯車である従動ギア175と、従動ギア175の後側に該従動ギア175と一体に形成され、該従動ギア175より大径のフランジ部176と、従動ギア175の前側に該従動ギア175と一体に形成され、ギアボックス167の第1支持孔171に摺動可能に支持される第1支持ボス177と、フランジ部176の後側に該フランジ部176と一体に形成され、ギアボックス167の第2支持孔172に摺動可能に支持される第2支持ボス178とを備えている。従って、回転体166は、第1支持ボス177を第1支持孔171に嵌合すると共に第2支持ボス178を第2支持孔172に嵌合させることで、ギアボックス167内で回転可能に支持されると共に、従動ギア175が駆動ギア173に噛合するようになっている。また、回転体166の第2支持ボス178は、第2支持孔172を介してギアボックス167の後外方へ露出しており、該第2支持ボス178の後端所要位置に、後方へ突出した連係ピン179が突設されている(
図18、
図26(b))。
【0049】
前述のように構成された上作動機構101は、
図20および
図21に示すように、リンク機構145における支持アーム147を、上配設部109の第1配設部125に設けられた支持軸部115に支持させると共に、駆動モータ165および回転体166を配設したギアボックス167を、第2配設部126に設けられた各固定ボス122に固定し、連結レバー158を支持アーム147および回転体166に各々連結させた状態で上配設部109に配設される。そして、駆動モータ165を駆動制御すると、駆動ギア173および従動ギア175の回転により回転体166が回転し、これに伴って回転体166に設けられた連係ピン179が円弧状に移動して連結レバー158が移動することで、支持アーム147が初期位置(
図9)と作動位置(
図14)との間を支持軸部115を中心として旋回して、支持軸152側が円弧状に移動するようになる。
【0050】
ここで、支持軸部115に支持された支持アーム147は、初期位置においては支持軸152が支持軸部115の左下方に位置し(
図11参照)、作動位置においては支持軸152が支持軸部115の右下方に位置する(
図17参照)ように設定されている。しかも、
図17に示すように、支持軸部115の軸中心を垂直に通る基準垂線Sに対し、初期位置における支持アーム147の傾斜角度R1が、作動位置における支持アーム147の傾斜角度R2より大きくなるように設定されている。従って、支持アーム147が初期位置と作動位置との間を旋回する際の支持軸152の上下方向の高さ位置は、初期位置より作動位置の方が低くなっている。なお、支持軸152の高さ位置は、該支持軸152が支持軸部115を中心として円弧状に移動するから、支持軸部115の垂直下方(基準垂線S上)にある場合に最も低い位置となる。
【0051】
(下作動機構)
下作動機構102は、
図11、
図12、
図17および
図18に示すように、該下作動機構102を構成する各部材が、前述した上作動機構101を構成する各部材と上下対称の形状および配置関係で構成され、ギアボックス167の形状および駆動モータ165の配設位置が異なっているだけである。すなわち、リンク機構145における支持アーム147および連結レバー158は上下対称形状に形成されると共に上下対称位置に配設され、ギアボックス167に配設された回転体166の配設位置も上下対称位置となっている。また、駆動モータ165は、上作動機構101では回転体166の上方に配設されているのに対し、下作動機構102では回転体166の上方に配設されている点が異なっているが、駆動モータ165により回転体166が回転する構成は同じである。従って、下作動機構102については、上作動機構101と同一部材、部位について同一の符号で指示し、簡単に説明するにとどめる。但し、下作動機構102の支持アーム147には、可動体100と中継基板(図示せず)とを接続する配線を保持する配線保持片154が設けられている(
図23参照)。
【0052】
上作動機構101と上下対称の関係で構成された下作動機構102は、
図11、
図12、
図17、
図18および
図20に示すように、リンク機構145における支持アーム147を、下配設部110の第1配設部125に設けられた支持軸部127に支持させると共に、駆動モータ165および回転体166を配設したギアボックス167を、第2配設部126に設けられた各固定ボス134に固定し、連結レバー158を支持アーム147および回転体166に各々連結させることで、下配設部110に配設される。そして、駆動モータ165を駆動制御すると、駆動ギア173および従動ギア175の回転により回転体166が回転し、これに伴って回転体166に設けられた連係ピン179が円弧状に移動して連結レバー158が移動することで、支持アーム147が初期位置(
図9)と作動位置(
図14)との間を支持軸部127を中心として旋回して、支持軸152側が円弧状に移動するようになる。なお、支持軸部127の前側には、第2配設部126に設けられた保持部材130が配設され、支持軸部127に枢支された支持アーム147が該支持軸部127から外れるのを防止するようになっている。
【0053】
ここで、下作動機構102では、支持軸部127に支持された支持アーム147は、初期位置においては支持軸152が支持軸部127の左上方に位置し(
図11参照)、作動位置において、支持軸152が支持軸部127の右上方に位置する(
図17参照)ように設定されている。しかも、
図17に示すように、支持軸部127の軸中心を垂直に通る基準垂線Sに対し、初期位置における支持アーム147の傾斜角度R1が、作動位置における支持アーム147の傾斜角度R2より大きくなるように設定させている。従って、支持アーム147が初期位置と作動位置との間を旋回する際の支持軸152の上下方向の高さ位置は、初期位置より作動位置の方が高くなるように設定されている。なお、支持軸152の高さ位置は、該支持軸152が支持軸部127を中心として円弧状に移動するから、支持軸部127の垂直上方(基準垂線S上)にある場合に最も高い位置となる。
【0054】
(上下の作動機構の作動態様)
前述のように構成された上作動機構101および下作動機構102は、
図17に示すように、可動体100を支持する各々の支持アーム147,147が作動位置に停止している場合(
図17に実線で表示)における各支持軸152,152間の上下方向の支持間距離W(W2)が、各支持アーム147,147が各々初期位置に停止している場合(
図17に2点鎖線で表示)における各支持軸152,152の上下方向の支持間距離W(W1)より小さくなるように構成されている。また、両支持アーム147,147の支持軸152,152が、支持軸部115を通る基準垂線S上に位置した際、すなわち初期位置と作動位置との間の中途位置において、該支持軸152,152間の支持間距離W(W3)が最小となる。すなわち、支持軸152,152の支軸間距離は、W1>W2>W3の関係となっている。
【0055】
(可動体)
左右の各可動体100,100は、
図9〜
図19に示すように、上下方向が長手方向となり、長手方向における上端部100Aが上作動機構101における支持アーム147に支持されると共に、長手方向における下端部100Bが下作動機構102における支持アーム147に支持され、上下の各支持アーム147,147に支持された状態で架設されている。そして、左右の可動体100,100は、上端部100Aと下端部100Bとの間が長手方向と交差する前後方向へ変位すると共に、上端部100Aおよび下端部100Bが長手方向で近接、離間移動する変形が可能に構成されている。なお、左側の可動体100と右側の可動体100は、左右対称に構成されて基本的な構成が同じであり、ここでは、左側の可動体100について図面を引用しながら説明し、右側の可動体100については、左側の可動体100と同一部材、同一部位に同一の符号で指示する。
【0056】
左側の可動体100は、
図12、
図13、
図18、
図19、
図23および
図24に示すように、長手方向に並んだ複数(実施例では2つ)の可動部材190,191を備えている。上方に位置する第1可動部材190と下方に位置する第2可動部材191とは、ヒンジ部としての連結部192で相互連結され、一方に対して他方が回転可能に構成されている。なお、第1可動部材190および第2可動部材191は、後述するコネクタ端子用の開口部198の開口形状が異なるものの、外形形状は上下対称となっている。
【0057】
(第1可動部材)
第1可動部材190は、
図23および
図24に示すように、上下方向に長い矩形状に形成されたベース部193と、該ベース部193の下縁193Aより下方に設けられた第1連結孔194と、ベース部193の上縁193Bより上方に設けられた第2連結孔195とを備えている。ベース部193は、後述する第1装飾部材230が固定される固定板部196と、該固定板部196の外周縁に沿って延在して後方へ延出した外周枠部197とを備え、該外周枠部197の下面に、第1連結孔194が貫通した筒体部が一体成形されると共に、該外周枠部197の上面に、第2連結孔195が貫通した筒体部が一体成形されている。ここで、第2連結孔195が形成された筒体部の上面が、当該可動体100の上端部100Aとなっている。ベース部193の固定板部196には、第1装飾部材230に配設された発光基板234のコネクタ端子234Bが挿通する開口部198が形成されると共に、該固定板部196の後側には、該コネクタ端子234Bに接続される配線(図示せず)を掛止する配線掛止片199が設けられている。
【0058】
(第2可動部材)
第2可動部材191は、
図23および
図24に示すように、上下方向に長い矩形状に形成されたベース部203と、該ベース部203の上縁203Aから上方に設けられた第1連結孔204と、ベース部203の下縁203Bから下方に設けられた第2連結孔205とを備えている。ベース部203は、後述する第3装飾部材232が固定される固定板部206と、該固定板部206の外周縁に沿って延在して後方へ延出した外周枠部207とを備え、該外周枠部207の上面に、第1連結孔204が貫通した筒体部が一体成形されると共に、該外周枠部207の下面に、第2連結孔205が貫通した筒体部が一体成形されている。ここで、第2連結孔205が形成された筒体部の下面が、当該可動体100の下端部100Bとなっている。ベース部203の固定板部206には、第3装飾部材232に配設された発光基板234のコネクタ端子234Bが挿通する開口部208が形成されると共に、該固定板部206の後側には、該コネクタ端子234Bに接続される配線(図示せず)を掛止する配線掛止片209が設けられている。
【0059】
(連結部)
ヒンジ部としての連結部192は、
図23および
図24に示すように、第1可動部材190の第1連結孔194に挿通される第1連結ピン210と、第2可動部材191の第1連結孔204に挿通される第2連結ピン211と、各第1連結孔194,204から右方へ延出した第1および第2連結ピン210,211に係止支持される第1連結部材212と、各第1連結孔194,204から左方へ延出した該第1および第2連結ピン210,211に係止支持される第2連結部材213とを備えている。第1連結部材212は、各連結ピン210,211の右端が突入係止される係止凹部212C,212Cが上下に並んで形成された支持片部212Aと、該支持片部212Aの前端から右方へ折曲して、第2装飾部材231が取付けられる取付板部212Bとから構成されている。また、第2連結部材213は、各連結ピン210,211の左端が突入係止される係止凹部213C,213Cが上下に並んで形成された支持片部213Aと、該支持片部213Aの前端から左方へ折曲して、第2装飾部材231が取付けられる取付板部213Bとから構成されている。
【0060】
そして、第2装飾部材231が、第1連結部材212の取付板部212Bおよび第2連結部材213の取付板部213Bにネジにより固定されることで、該第1連結部材212および第2連結部材213が各第1連結孔191,201が形成された筒体部を左右両側から挟持した状態となる。これにより、第1連結部材212および第2連結部材213に対して第1可動部材190が第1連結ピン210を中心にして回転可能に連結されると共に、該第1連結部材212および第2連結部材213に対して第2可動部材191が第2連結ピン211を中心として回転可能に連結される。従って、第1可動部材190と第2可動部材191とは、連結部192を介して一方に対して他方が回転可能に連結される。
【0061】
(同期機構)
図12、
図18、
図23および
図24に示すように、第1可動部材190の右下部には、ベース部193から第1連結孔194の右側に延出して第1連結ピン210が貫通する第1ギア部214が設けられている。同様に、第2可動部材191の右上部には、ベース部203から第1連結孔204の右側へ延出して第2連結ピン211が貫通する第2ギア部215が設けられている。ここで、第1ギア部214は、第1連結ピン210の軸中心を中心とする円弧状に延在する外歯車であると共に、第2ギア部215は、第2連結ピン211の軸中心を中心とする円弧状に延在する外歯車であり、該第1ギア部214と第2ギア部215とは、連結部192に対して第1可動部材190および第2可動部材191が回転する際に常に噛合している。このため、第1可動部材190および第2可動部材191は、第1ギア部214と第2ギア部215との噛み合いにより連結部192に対して常に同期して回転するように、上下方向において同じ角度で折曲して傾斜するようになっている。
【0062】
(ジョイント部材)
図23および
図24に示すように、可動体100の上端部100A側に設けられた第2連結孔195と作動機構101の支持アーム147に設けられた支持軸152とは、第1ジョイント部材220を介して連結される。また、可動体100の下端部100B側に設けられた第2連結孔205と下作動機構102の支持アーム147に設けられた支持軸152とは、第2ジョイント部材225を介して連結されるようになっている。ここで、第1ジョイント部材220と第2ジョイント部材225とは同一形状に形成されている。第1ジョイント部材220は、第1可動部材190の第2連結孔205に挿通支持される連結ピン221と、上作動機構101の支持アーム147に設けられた支持軸152が挿通する連結孔223が形成された連結体222とから構成されている。連結ピン221は、スリーブ224,224を介して第2連結孔195に回転可能に支持されると共に、連結体222は、支持軸152に摺動回転可能に支持される。同様に、第2ジョイント部材225は、第2可動部材191の第2連結孔205に挿通支持される連結ピン226と、下作動機構102の支持アーム147に設けられた支持軸152が挿通する連結孔228が形成された連結体227とから構成されている。連結ピン226は、スリーブ229,229を介して第2連結孔205に回転可能に支持されると共に、連結体227は、支持軸152に摺動回転可能に支持される。
【0063】
ここで、
図23および
図24に示すように、第1ジョイント部材220は、連結ピン221の軸心方向と連結孔223の軸心方向とが交差する関係になっていると共に、第2ジョイント部材225は、連結ピン226の軸心方向と連結孔228の軸心方向とが交差する関係となっている。すなわち、
図17および
図18に示すように、各支持アーム147,147の支持軸152が前後方向に軸心が延出するように設けられているから、該支持軸152に係合する連結孔223,228は、軸心が前後方向に延在している。これに対して、連結ピン221,226は、可動体100に連結されて常に水平に維持されると共に、右方(
図18では左方)に行くにつれて後方(ベース体103側)へ変位するよう軸心が延在している。なお、連結孔223(228)の軸心の延在方向を、
図16に符号T1で示すと共に、連結ピン221(226)の軸心の延在方向を、
図16に符号T2で示した。従って、第1ジョイント部材220および第2ジョイント部材225により各支持アーム147,147の支持軸152,152に連結支持された左側の可動体100は、
図16に示すように、第1可動部材190および第2可動部材191が、左端側より右端側が後方へ変位した傾斜状態で架設されており、該左側の可動体100は、右斜め前方を向いた姿勢となっている。
【0064】
一方、左側の可動体100と左右対称に構成された右側の可動体100においては、図示省略するが、第1ジョイント部材220および第2ジョイント部材225の連結ピン221,226が、左方に行くにつれて後方(ベース体103側)へ変位するよう軸心が延在している。従って、第1ジョイント部材220および第2ジョイント部材225により各支持アーム147,147の支持軸152,152に連結支持された右側の可動体100は、第1可動部材190および第2可動部材191が、右端側より左端側が後方へ変位した傾斜状態で架設されており、該右側の可動体100は、左斜め前方を向いた姿勢となっている。
【0065】
(装飾部材)
第1可動部材190の前側に固定される第1装飾部材230、連結部192の前側に固定される第2装飾部材231および第2可動部材191の前側に固定される第3装飾部材232は、基本的な構成は同じである。従って、第2装飾部材231について
図25を引用して説明し、第1装飾部材230および第3装飾部材232は、同一部材、同一部位は同一の符号で指示する。
【0066】
第2装飾部材231は、
図25(a)および
図25(b)に示すように、連結部192に支持されるベース部材233と、該ベース部材233の前側に配設される発光基板234と、該発光基板234の前側に配設されるレンズ部材235と、レンズ部材235の前側に配設される装飾体236とから構成されている。ベース部材233には、発光基板234に配設されたコネクタ端子234Bを外方へ露出される開口部237が形成されると共に、後面には、連結部192が固定される固定ボス238が形成されている。発光基板234は、表側にLEDチップ234Aが配設されると共に、裏側にコネクタ端子234Bが実装されている。レンズ部材235は、内面に光拡散面が形成され、LEDチップ234Aからの照射光を拡散させ得るようになっている。また装飾体236は、レンズ部材235を露出させる開口部239が形成されると共に所要の意匠形状に形成され、メッキ等の表面処理が施されている。第1〜第3の各装飾部材230,231,232は、統括制御基板251により個別に点灯制御され、同期的に点灯、点滅したり非同期的に点灯、点滅し得るように構成されている。
【0067】
なお、
図23および
図24に示すように、第1装飾部材230のベース部材233には、別体に形成された装飾板240が下方へ延出するように取付けられ、該第1装飾部材230を第1可動部材190のベース部193に配設すると該装飾板240で該ベース部193が被覆されるよう構成されている(
図11参照)。同様に、第3装飾部材232のベース部材233には、別体に形成された装飾板241が上方へ延出するように取付けられ、該第3装飾部材232を第2可動部材191のベース部203に配設すると該装飾板241で該ベース部203が被覆されるよう構成されている(
図11参照)。
【0068】
第1〜第3装飾部材230,231,232は、
図10〜
図13に示すように、第1可動部材190の前側に配設された第1装飾部材230が該可動体100の上部に位置し、連結部192の前側に配設された第2装飾部材231が、第1装飾部材230の下方に位置し、第2可動部材191の前側に配設された第3装飾部材232が、第2装飾部材231の下方に位置する。すなわち、第1〜第3装飾部材230,231,232は、上下方向において並んで配設されている。また第2装飾部材231が、第1装飾部材230および第3装飾部材232より前側へ常に突出した状態で配設されている(
図10、
図14参照)。
【0069】
上作動機構101の支持アーム147および下作動機構102の支持アーム147に架設された可動体100は、両支持アーム147,147が初期位置と作動位置との間を旋回する際に両支持軸152,152間の支持間距離Wが可変するように構成されていることで、両支持アーム147,147の回転に伴って長手方向において伸縮すると共に中間部に位置する連結部192が前後に変位するように変形する。ここで、両支持アーム147,147が初期位置にある場合には、支持間距離がW1であるから、待機姿勢となっている可動体100は、
図10および
図13に示すように、第2装飾部材231が第1装飾部材230および第3装飾部材232より僅かに前方へ突出した状態に保持される。
【0070】
そして、両支持アーム147,147が、初期位置と作動位置との間の中途位置、すなわち両支持軸152,152が、
図17に示す両支持軸部115,127を通る基準垂線S上となる位置まで旋回すると、両支持軸152,152の支持間距離がW3まで小さくなるから、可動体100は、
図15および
図16に各々2点鎖線で示すように、上端部100Aおよび下端部100Bが近接移動することで連結部192が前方へ変位し、これにより第2装飾部材231が大きく前方へ移動すると共に第1装飾部材230および第3装飾部材232も前方へ傾斜しながら移動するようになっている。
【0071】
また、両支持アーム147,147が、作動位置まで旋回すると、両支持軸152,152の支持間距離がW2となるから、第1演出姿勢となった可動体100は、
図15および
図16に実線で示すように、上端部100Aおよび下端部100Bは、中途位置よりも離間するよう移動することで連結部192が後方へ変位し、これにより第2装飾部材231が後方へ移動すると共に第1装飾部材230および第3装飾部材232も後方へ移動するようになっている。但し、
図16に示すように、両支持アーム147,147の初期位置における支持間距離W1より、両支持アーム147,147の作動位置における支持間距離W2が小さいから、両支持アーム147,147の作動位置における第1動作姿勢の可動体100の形状は、両支持アーム147,147が初期位置における待機姿勢の該可動体100の形状と比較すると、
図10および
図15から明らかなように、第1動作姿勢の方が前方へ移動した形状となっている。なお、中途位置から第1動作位置との間においては、
図16に示すように、可動体100の傾斜方向と略同じ方向において該可動体100が前後に移動するようになっている。
【0072】
すなわち、左側の可動体100は、両支持アーム147,147が初期位置から中途位置まで旋回する過程において、第1動作姿勢の状態よりも中間部が更に前方へ変位するよう変形した後(
図15、
図16に2点鎖線で示す状態)、両支持アーム147,147が中途位置から作動位置まで旋回する過程において、中間部が後方へ変位するよう変形して第1動作姿勢となる(
図15、
図16に実線で示す状態)よう構成されている。同様に、右側の可動体100は、両支持アーム147,147が初期位置から中途位置まで旋回する過程において、第1動作姿勢の状態よりも中間部が更に前方へ変位するよう変形した後、両支持アーム147,147が中途位置から作動位置まで旋回する過程において、中間部が後方へ変位するよう変形して第1動作姿勢となる。すなわち、左右の可動体100,100は、待機姿勢と第1動作姿勢との間を左右方向へ移動する際に、上端部100Aと下端部100Bとの間(第1〜第3の各装飾部材230,231,232)が、前方へ一旦大きく変位するように変形した後に後方へ変位するように変形するから、両可動体100,100が前後に変位して立体的に変形するようになっている。
【0073】
また、左右の可動体100,100は、待機姿勢と第2動作姿勢との間を左右方向へ移動する際や、待機姿勢と第3動作姿勢との間を左右に移動する際においても、両支持アーム147,147の支持軸152間の支持間距離Wが変化するようになるから、前述した待機姿勢と第1動作姿勢との間を左右方向へ移動する場合と同様に、上端部100Aと下端部100Bとの間が前後方向に変位して立体的に変形するようになっている。
【0074】
(実施例の作用)
実施例のパチンコ機Pは、前述したように、操作ハンドルGにより発射操作を行なうことで球送り装置Kおよび打球発射装置Jが作動し、上球皿E内に貯留された遊技球が、遊技盤Dの遊技領域33内へ所定間隔毎に打ち出される。そして、遊技領域33へ打出された遊技球が第1始動入賞口37または第2始動入賞口38に入賞して、第1入賞球検知センサまたは第2入賞球検知センサで検知されると、該第1入賞球検知センサまたは第2入賞球検知センサからメイン制御基板250へ検知信号が送信される。検知信号を受信したメイン制御基板250は、大当り抽選を行なうと共に、該大当り抽選結果に応じて所定の制御信号を統括制御基板251に送信する。メイン制御基板250から制御信号を受信した統括制御基板251は、所定の内部処理を行なった結果に基づいて表示制御基板252に制御信号を送信し、該表示制御基板252は、統括制御基板251からの制御信号に基づいて、図柄表示装置Hの表示部H1における表示領域に所定の動画像60を表示させて図柄変動演出を実行する。一方、統括制御基板251は、内部処理の結果に基づいて、実施例の可動演出装置Lの動作制御を実行する。
【0075】
そして、実施例のパチンコ機Pでは、表示制御基板252による図柄表示装置Hの表示部H1での動画像60の表示演出において、表示領域の略全体において該動画像60を表示した標準表示演出や、表示領域内において動画像60の外形形状(外周輪郭形状)を変形させた変形表示演出を実行するようになっている。また、統括制御基板251による可動演出装置Lの動作演出では、該表示部H1での動画像60の表示演出に合わせて、該可動演出装置Lの可動体100,100の動作演出を実行するようになっている。すなわち、実施例のパチンコ機Pは、表示部H1での動画像60の表示演出と可動演出装置Lの各可動体100,100の動作演出とを連動させた遊技演出を行なうことで、高い演出効果が得られるようになっている。そこで、表示部H1での動画像60の表示演出と可動演出装置Lの各可動体100,100の動作演出とを連動させる具体例を例示して説明する。
【0076】
(通常表示演出)
図27は、図柄表示装置Hの表示部H1において、表示領域の略全体において動画像60を表示する通常の標準表示演出の一例を示す説明図である。標準表示演出においては、表示部H1の矩形状に形成された表示領域の全体を使って、3つの図柄列61,61,61の図柄変動演出による動画像60を表示する。この標準表示演出では、統括制御基板251による可動演出装置Lの動作制御は、各々の上作動機構101および下作動機構102の各駆動モータ165,165は停止させて、各支持アーム147,147を初期位置に保持させることで、左右の各可動体100,100を待機姿勢に保持させる。これにより、各可動体100,100は、図柄表示装置Hの表示部H1から左方および右方へ退避して、該表示部H1に表示される動画像60の左縁および右縁に沿って位置するようになり、表示領域が各可動体100,100で隠れないから、表示領域の全体で表示演出される動画像60を良好に視認可能である。
【0077】
(第1変形表示演出)
図28は、図柄表示装置Hの表示部H1において、外形形状を標準表示演出の外形形状より左右方向および上下方向の両方向で相似的に小さくし、かつ表示内容も全体を縮小させて動画像60を表示する第1変形表示演出を示した説明図である。この第1変形表示演出では、統括制御基板251による可動演出装置Lの動作制御は、各可動体100,100の各上作動機構101および下作動機構102の各駆動モータ165,165を駆動させて、各支持アーム147,147を初期位置から作動位置へ旋回させることで、左右の各可動体100,100を第1動作姿勢に移動させる。これにより、各可動体100,100は、図柄表示装置Hの表示部H1の演出領域における動画像60が表示されていない前側に移動すると共に縮小された動画像60の左縁および右縁に沿って位置するようになり、表示領域に縮小表示された動画像60が各可動体100,100で押されて縮小したように演出可能となる。特に、左右の各可動体100,100が待機姿勢から第1動作姿勢へ変位する際に、前述したように、各可動体100,100が前方へ一旦大きく変位するように変形した後に後方へ変位するように変形するから、動画像60の縮小表示に連動して各可動体100,100が前後に変形して、動画像60が各可動体100,100で押されて縮小したように演出可能となる。
【0078】
(第2変形表示演出)
図29は、図柄表示装置Hの表示部H1において、動画像60の左縁および右縁を斜めにして該動画像60の外形形状を平行四辺形に変形させ、かつ表示内容も左縁および右縁の傾斜角度に合わせて傾斜させて動画像60を表示する第2変形表示演出を示した説明図である。この第2変形表示演出では、統括制御基板251による可動演出装置Lの動作制御は、左側の可動体100では、下作動機構102の駆動モータ165は停止させて支持アーム147を初期位置に停止保持させると共に、上作動機構101の駆動モータ164は駆動させて支持アーム147を初期位置から作動位置へ旋回させることで、該左側の可動体100を第2動作姿勢とする。同時に、右側の可動体100では、上作動機構101の駆動モータ165は停止させて支持アーム147を初期位置に停止保持させると共に、下作動機構102の駆動モータ164は駆動させて支持アーム147を初期位置から作動位置へ旋回させることで、該右側の可動体100を第3動作姿勢とする。これにより、各可動体100,100は、図柄表示装置Hの表示部H1の演出領域における動画像60が表示されていない前側に移動すると共に平行四辺形に変形された動画像60の左縁および右縁に沿って延在するようになり、表示領域に変形表示された動画像60が各可動体100,100で押されて変形されたように演出可能となる。特に、左側の可動体100が待機姿勢から第2動作姿勢へ変位する際および右側の可動体100が待機姿勢から第3動作姿勢へ変位する際に、前述したように、各可動体100,100が前方へ一旦大きく変位するように変形した後に後方へ変位するように変形するから、動画像60の変形表示に連動して各可動体100,100が前後に変形し、動画像60が各可動体100,100で押されて変形したように演出可能となる。
【0079】
なお、図示省略するが、図柄表示装置Hは、表示部H1に表示される動画像60の外形形状を、
図28に示した右傾斜の平行四辺形と反対の左傾斜の平行四辺形に表示することも可能である。この場合には、統括制御基板251による可動演出装置Lの動作制御は、左側の可動体100では、上作動機構101の駆動モータ165は停止させて支持アーム147を初期位置に停止保持させると共に、下作動機構102の駆動モータ164は駆動させて支持アーム147を初期位置から作動位置へ旋回させることで、該左側の可動体100を第3動作姿勢とする。同時に、右側の可動体100では、下作動機構102の駆動モータ165は停止させて支持アーム147を初期位置に停止保持させると共に、上作動機構101の駆動モータ164は駆動させて支持アーム147を初期位置から作動位置へ旋回させることで、該右側の可動体100を第2動作姿勢とする。これにより、各可動体100,100は、図柄表示装置Hの表示部H1の演出領域における動画像60が表示されていない前側に移動すると共に平行四辺形に変形された動画像60の左縁および右縁に沿って延在するようになり、表示領域に変形表示された動画像60が各可動体100,100で押されて変形したように演出することができる。
【0080】
(第3変形表示演出)
図30は、図柄表示装置Hの表示部H1において、動画像60の左縁を斜めにして外形形状を台形に変形させ、かつ表示内容も左縁側が傾斜すると共に右縁に近づくにつれて垂直となるよう動画像60を表示する第3変形表示演出を示した説明図である。この第3変形表示演出では、統括制御基板251による可動演出装置Lの動作制御は、左側の可動体100では、下作動機構102の駆動モータ165は停止させて支持アーム147を初期位置に停止保持させると共に、上作動機構101の駆動モータ164は駆動させて支持アーム147を初期位置から作動位置へ旋回させることで、該左側の可動体100を第2移動姿勢とする。また、右側の可動体100では、上下の各作動機構101,102の各駆動モータ165,165は停止させて各支持アーム147,147を待機位置に停止保持させることで、該右側の可動体100は待機姿勢とする。これにより、各可動体100,100は、台形に変形された動画像60の左縁および右縁に沿って延在するようになり、表示領域に変形表示された動画像60が左側の可動体100,100で押されて捻れた状態に変形したように演出することができる。特に、左側の可動体100が待機姿勢から第2動作姿勢へ変位する際に、前述したように、各可動体100,100が前方へ一旦大きく変位するように変形した後に後方へ変位するように変形するから、動画像60の変形表示に連動して各可動体100,100が前後に変形し、動画像60が各可動体100,100で押されて変形したように演出可能となる。
【0081】
(第4変形表示演出)
図31は、図柄表示装置Hの表示部H1において、左から右に向けて徐々に縮小すると共に左縁を右方へ移動させることで右側が後方へ移動したように見える動画像60(60A)(
図31(a)参照)と、右から左に向けて徐々に縮小すると共に右縁を左方へ移動させることで左側が後方へ移動したように見える動画像60(60B)(
図31(b)参照)とを、交互に表示する第4変形表示演出を示した説明図である。この第4変形表示演出では、動画像60Aが表示される場合には、左側の可動体100の上作動機構101および下作動機構102の各駆動モータ165,165を駆動させて、各支持アーム147,147を初期位置から作動位置へ旋回させることで、左側の可動体100を第1動作姿勢に移動させる。これにより、各可動体100,100は、縮小された動画像60の左縁および右縁に沿って位置するようになる。特に、左側の可動体100が待機姿勢から第1動作姿勢へ変位する際に、前述したように、該可動体100が前方へ一旦大きく変位するように変形した後に後方へ変位するように変形するから、動画像60が左側の可動体100により左方から押されて、これにより該動画像60が右方へ移動すると共に右側が後方へスライドするように見せる演出が可能となる。
【0082】
そして、表示部H1での表示が動画像60Aから動画像60Bに切り替わる際には、統括制御基板251の可動演出装置Lに対する動作制御では、左側の可動体100を第1動作姿勢から待機姿勢に移動させると同時に、右側の可動体100を待機姿勢から第1動作姿勢に移動させる。このとき、左側の可動体100が第1動作姿勢から待機姿勢へ変位する際に、前述したように、該可動体100が前方へ一旦大きく変位するように変形した後に後方へ変位するように変形するから、動画像60の左側が、該左側の可動体100により左方へ引張られながら後方へ押されるように見せる演出が可能となる。一方、右側の可動体100が待機姿勢から第1動作姿勢へ変位する際に、前述したように、該可動体100が前方へ一旦大きく変位するように変形した後に後方へ変位するように変形するから、動画像60の右側が、該右側の可動体100により前方へ引張られながら右方へ押されるように見せる演出が可能となる。従って、第4変形表示演出においては、動画像60を動画像60Aと動画像60Bとの間で連続的に変形するように表示制御すると共に、これに合わせて左側の可動体100と右側の可動体100とを交互に待機姿勢と第1動作姿勢に動作制御することで、各可動体100,100が動画像60(60A,60B)を左右から押したり引張りながら変形させているように見せることができ、高い演出効果が得られる。
【0083】
なお、動画像60Aと動画像60Bとに短時間で交互に繰り返し変形させる際には、左右の可動体100,100は、各支持アーム147,147を作動位置と中途位置との間で旋回させて、第1動作姿勢から待機姿勢まで戻さずに、左右の可動体100,100を第1動作姿勢と最大に前進した中途位置(
図16に2点鎖線で表示した位置)との間で往復移動させるようにすることで、動画像60A,60Bの短時間での変化に対応させることが可能である。また、左右の可動体100,100は、第1動作姿勢と中途位置に対応する中途姿勢においては、該可動体100の傾き方向と略同じ方向に変形するから、表示部H1に表示された動画像60(60A,60B)を押したり引いたりする動作をリアルに演出することが可能である。
【0084】
(第5変形表示演出)
図32は、図柄表示装置Hの表示部H1において、図柄列61が右から左に向けて徐々に拡大すると共に左縁を右方へ移動させることで左側が前方へ移動したように見える動画像60(60A)(
図32(a)参照)と、図柄列61が左から右に向けて徐々に拡大すると共に右縁を左方へ移動させることで右側が前方へ移動したように見える動画像60(60B)(
図32(b)参照)とを、交互に表示する第5変形表示演出を示した説明図である。この第5変形表示演出では、動画像60Aが表示される場合には、左側の可動体100の上作動機構101および下作動機構102の各駆動モータ165,165を駆動させて、各支持アーム147,147を初期位置から作動位置へ旋回させることで、該左側の可動体100を第1動作姿勢に移動させる。これにより、各可動体100,100は、動画像60の左縁および右縁に沿って位置するようになる。特に、左側の可動体100が待機姿勢から第1動作姿勢へ変位する際に、前述したように、該可動体100が前方へ一旦大きく変位するように変形するから、動画像60が左側の可動体100により左方から押されて、該動画像60の左側が右方へ移動すると共に前方へスライドするように見せる演出が可能となる。
【0085】
そして、表示部H1での表示が動画像60Aから動画像60Bに切り替わる際には、統括制御基板251の可動演出装置Lに対する動作制御では、左側の可動体100を第1動作姿勢から待機姿勢に移動させると同時に、右側の可動体100を待機姿勢から第1動作姿勢に移動させる。このとき、左側の可動体100が第1動作姿勢から待機姿勢へ変位する際に、前述したように、該可動体100が前方へ一旦大きく変位するように変形した後に後方へ変位するように変形するから、動画像60の左側が、該左側の可動体100により左方へ引張られながら後方へ引張られるように見せる演出が可能となる。一方、右側の可動体100が待機姿勢から第1動作姿勢へ変位する際に、前述したように、該可動体100が前方へ一旦大きく変位するように変形するから、動画像60の右側が、該右側の可動体100により左方へ押されながら前方へ押されるように見せる演出が可能となる。従って、第5変形表示演出においては、動画像60を動画像60Aと動画像60Bとの間で連続的に変形するように表示制御すると共に、これに合わせて左側の可動体100と右側の可動体100とを交互に待機姿勢と第1動作姿勢に動作制御することで、各可動体100,100が動画像60(60A,60B)を押したり引張りながら変形させているように見せることができ、高い演出効果が得られる。
【0086】
図柄表示装置Hの表示部H1で表示演出される動画像60の変形表示演出は、
図28〜
図32に例示した各変形表示演出に限らず、各可動体100,100の動作の組合わせにより、様々な演出が可能である。
【0087】
従って、実施例のパチンコ機Pでは、図柄表示装置Hの表示部H1に表示する動画像60の外周輪郭形状が変化する表示演出が行なわれると共に、該表示部H1での該動画像60の表示演出と連動して可動演出装置Lの左右の各可動体100,100の動作制御が行なわれので、表示部H1に表示される動画像60の表示演出と可動体100,100の動作演出とが連動して見えるようになり、視覚的な演出効果が高まって遊技の興趣の向上を図り得る。特に、各可動体100,100は、表示部H1に沿って並んだ第1可動部材190および第2可動部材191を備えていて、表示部H1での動画像60の外周輪郭形状の変化に連動して、各可動部材190,191が該動画像60の外周に沿う位置へ移動するよう可動体100を動作させるので、各可動部材190,191が動画像60の外周輪郭形状を変形させるように見せることができ、視覚的な演出効果を好適に高めることが可能となる。
【0088】
そして、表示部H1に表示される動画像60を縮小される表示演出の実行時には、表示部H1における該動画像60の非表示部分の前側へ可動体100を移動するよう動作させるから、該可動体100が動画像60を押して該動画像60が圧縮されているように見せることができる。また、動画像60と各可動体100,100が重ならないので、該動画像60が見難くなることも防止し得る。
【0089】
また、可動演出装置Lは、表示部H1を挟んだ左右において、第1可動部材190および第2可動部材191が上下方向に並ぶように可動体100,100が配設され、かつ各可動体100,100の上端部100Aを上作動機構101の支持アーム147で支持すると共に下端部100Bを下作動機構102の支持アーム147で支持するようにしたから、上下一対の作動機構101,102の何れか一方を動作させると、可動体100は、下端部100B側を中心として上端部100A側が表示部H1の前側へ移動した第2動作姿勢に移動したり、上端部100A側を中心して下端部100B側が表示部H1の前側へ移動した第3動作姿勢に移動可能であるから、該可動体100を表示部H1の前側において傾斜した姿勢に動作させ得る。また、上作動機構101の支持アーム147および下作動機構102の支持アーム147の両方を同時に回転させると、可動体100は長手方向における上端部100Aおよび下端部100Bが同期して移動するようになり、該可動体100を表示部H1の前側において上下方向に延在した姿勢で第1動作姿勢に動作させ得る。従って、表示部H1を挟んで左右方向で対向するように配設された各可動体100,100を個別に動作させることで、両可動体100,100の間を介して視認し得る表示部H1の形状を、正方形や長方形、平行四辺形、三角形等とすることが可能となり、様々な外周輪郭形状に変化させて動画像60を表示することが可能となる。
【0090】
更に、可動演出装置Lは、少なくとも上作動機構101または下作動機構102の何れか一方を作動させて支持アーム147を回転させることで、可動体100は、長手方向の上端部100Aと下端部100Bが上下方向で近接すると共に中間部が前後に変位するするように変形しながら移動する。すなわち可動体100は、上下の支持アーム147,147が旋回する方向に姿勢変位すると同時に、上端部100Aと下端部100Bとの間が前後方向へ変位しながら3次元的(立体的)に変形するようになるから、インパクトがある演出が実行されて演出効果を好適に高めることができる。
【0091】
また、可動体100は、待機姿勢と第1動作姿勢との間を移動する際、待機姿勢と第2移動姿勢との間を移動する際、待機姿勢と第3移動姿勢との間を移動する際において、第1可動部材190と第2可動部材191とが連結部192に対して回転しながら折曲するように変形するから、スムーズな変形が長期間に亘って維持可能である。更に、可動体100は、第1〜第3の装飾部材230,231,232を備えているから、装飾効果も高めることができる。
【0092】
(変更例)
本発明に係る遊技機は、実施例に例示の形態に限らず種々の変更が可能である。
(1)実施例では、表示部H1を挟んで該表示部H1の左側および右側に各可動体100,100を配設した構成を例示したが、表示部H1を挟んだ上側および下側に各可動体100,100を配設するようにしてもよい。この形態では、各可動体100,100は、表示部H1の上縁および下縁に沿うよう左右方向に延在した構成とされ、左端部および右端部を一対の作動機構により各々支持された状態で架設される。そして、左右の各作動機構を同時に作動させた際には、可動体100は、左右に延在した状態で昇降移動するようになり、右作動機構を停止させて左作動機構を作動させた場合には、該可動体100は、右端部側を中心として左端部側が昇降するようになり、左作動機構を停止させて右作動機構を作動させた場合には、該可動体100は、左端部側を中心として右端部側が昇降するようになる。
(2)可動体100は、表示部H1を挟んで左側および右側に各々配設せず、表示部H1の左側または右側の何れか一方にだけ配設したものであっても、表示部H1の表示領域に表示演出される動画像の外形形状の変形に対応させて可動体100を動作することは可能である。また、可動体100は、表示部H1の上側または左側の何れか一方にだけ配設するようにしても、動画像60の外形形状に変形に対応させることは可能である。
(3)実施例では、可動体100が、支持アーム147の作動位置において図柄表示装置Hの表示部H1の前側へ移動する形態となっているが、支持アーム147の作動位置においても可動体100が表示部H1の前側まで移動しないように構成してもよい。すなわち、可動体100は、表示部H1の外側において、該表示部H1に近接、離間移動するよう構成してもよい。
(4)可動体100の両端部を移動させる駆動機構は、実施例で例示した支持アームを膜動モータで回転させる形態に限定されず、該可動体100の両端部を表示部H1の前側へ移動可能でかつ、可動体100を支持する支持間距離Wが変化するものであれば、様々に変更可能である。例えば、駆動モータに替えて流体アクチュエータにより支持アームを回転させるようにしてもよい。
(5)可動体100の両端部を支持する支持体は、実施例で例示した回転タイプの支持アームに限らず、円弧状または直線状にスライド移動するスライド部材であってもよい。
(6)可動体100は、複数の可動部材が連結されたものに限らず、複数の可動部材が単独で移動可能に配設したものであってもよい。
(7)可動体100は、複数の可動部材を連結したものに限らず、例えば長手方向において撓曲的に弾性変形が可能な部材、例えば板バネ部材等であってもよい。すなわち、長尺な板バネ部材の長手方向の両端部を一対の作動機構で支持することで、該板バネ部材は、両端部が近接移動すると該両端部の間が変位するように湾曲状に変形するようになる。
(8)実施例の可動演出装置Lは、図柄表示装置Hの表示部H1の前側以外の部位に配設するようにしてもよい。
(9)実施例では、両端部の間が前後に変位するよう変形する可動体100を例示したが、可動体100は、作動機構の作動により両端部の間が上下に変形するものや、左右に変形するように構成することも可能である。
(10)実施例では、遊技機としてのパチンコ機を示したが、遊技機はパチンコ機に限られるものではなく、アレンジボール機やスロットマシン等であってもよい。
【0093】
また、本願には、以下のような技術的思想が含まれている。
(A) 遊技盤(D)の後側に配設され、図柄変動に関連する動画像(60)の表示演出が行なわれる表示部(H1)を遊技盤(D)の前側に臨ませた図柄表示装置(H)を備える遊技機において、
前記図柄表示装置(H)の表示部(H1)の前方を移動可能な可動体(100)と、
前記図柄表示装置(H)の表示部(H1)における前記動画像(60)の表示演出制御および前記可動体(100)の動作制御を行なう制御手段(251,252)とを備え、
前記制御手段(251,252)により、前記表示部(H1)に表示する前記動画像(60)の表示演出制御が行なわれると共に、該表示部(H1)での該動画像(60)の表示演出と連動して前記可動体(100)の動作制御が行なわれるよう構成され、
前記可動体(100)は、複数の支持体(147,147)により支持され、
前記複数の支持体(147,147)の何れかが姿勢変位することで前記可動体(100)を支持する支持間距離が変化するよう構成され、
前記支持間距離の変化に応じて、前記可動体(100)において前記支持体(147,147)に支持された部分の間が該支持体(147,147)の姿勢変位方向に対し交差する方向へ変形するよう構成されたことを要旨とする。
上記構成に係る発明によれば、表示部に表示する動画像の外周輪郭形状が変化する表示演出が行なわれると共に、該表示部での該動画像の表示演出と連動して可動体の動作制御が行なわれることで、表示部に表示される動画像の表示演出と可動体の動作演出とが連動して見えるようになり、視覚的な演出効果が高まって遊技の興趣の向上を図り得る。
また、支持体の何れかを姿勢変位することで、可動体において支持体に支持された部分の間が該支持体の姿勢変位方向に対し交差する方向へ変形するので、該可動体の変形に合わせて表示演出すれば、可動体および動画像によりインパクトがある表示演出が実行可能となる。
(B) 遊技盤(D)の後側に配設され、図柄変動に関連する動画像(60)の表示演出が行なわれる表示部(H1)を遊技盤(D)の前側に臨ませた図柄表示装置(H)を備える遊技機において、
前記図柄表示装置(H)の表示部(H1)の外周部に沿って上下方向または左右方向に並ぶよう該表示部(H1)における外周部外側に配設された複数の可動部材(190,191)を備え、該表示部(H1)に向けて移動可能な可動体(100)と、
前記図柄表示装置(H)の表示部(H1)における前記動画像(60)の表示演出制御および前記可動体(100)の動作制御を行なう制御手段(251,252)とを備え、
前記制御手段(251,252)により、前記表示部(H1)に表示する前記動画像(60)の外周輪郭形状が変化する表示演出制御が行なわれると共に、該表示部(H1)での該動画像(60)の外周輪郭形状の変化に連動して、前記各可動部材(190,191)が該動画像の外周に沿う位置へ移動する前記可動体(100)の動作制御が行なわれるよう構成され、
前記可動体(100)は、前記各可動部材(190,191)が並んだ長手方向の両端部(100A,100B)が、前記表示部(H1)の外側に配設されて個別に作動制御される一対の作動手段(101,102)の支持体(147,147)で各々支持され、両端部(100A,100B)間が前後方向へ変位すると共に該両端部(100A,100A)が長手方向で近接・離間移動する変形が可能に構成され、
前記各作動手段(101,102)の支持体(147,147)は、前記可動体(100)を支持する支持部(152)が、前記表示部(H1)の外側となる初期位置および該表示部(H1)の前側となる作動位置との間で姿勢変位可能に構成されると共に、前記各作動手段(101,102)は、初期位置と作動位置との間の中途位置または該作動位置における両支持体(147,147)の可動体(100)を支持する支持間距離(W/W2)が、初期位置における両支持体(147,147)の可動体(100)を支持する支持間距離(W/W1)より小さくなるよう構成され、
前記制御手段(251,252)の制御により、少なくとも前記一方の作動手段(101,102)が作動して支持体(147)が初期位置と作動位置との間で姿勢変位することで、両支持体(147,147)に支持された前記可動体(100)の形状が、前記支持間距離(W)の変化に伴い、各支持体(147,147)の初期位置での形状に比べて両端部(100A,100B)間が遊技盤(D)の前後方向へ変位した形状に変化すると共に、前記表示部(H1)に表示する前記動画像(60)を、前記可動体(100)の変形に合わせて表示演出するよう構成されたことを要旨とする。
上記構成によれば、表示部に表示する動画像の外周輪郭形状が変化する表示演出が行なわれると共に、該表示部での該動画像の表示演出と連動して可動体の動作制御が行なわれることで、表示部に表示される動画像の表示演出と可動体の動作演出とが連動して見えるようになり、視覚的な演出効果が高まって遊技の興趣の向上を図り得る。
また、表示部での動画像の外周輪郭形状の変化に連動して、各可動部材が該動画像の外周に沿う位置へ移動するよう可動体を動作させるので、各可動部材が動画像の外周輪郭形状を変化させるように見せることができ、視覚的な演出効果を高めることが可能となる。
更に、一対の作動手段の何れか一方を動作させると、可動体は長手方向における一方の端部側を中心として他方の端部側が移動するようになり、該可動体を表示部の前側において傾斜した姿勢に動作させ得る。また、一対の作動手段の両方を動作させると、可動体は長手方向における両端部が同期して移動するようになり、該可動体を表示部の前側において左右方向または上下方向に延在した姿勢で動作させ得る。
更にまた、少なくとも何れか一方の作動手段を作動させることで、可動体における長手方向の両端部間が前後に変位するように該可動体が変形しながら動作するので、該可動体の変形に合わせて動画像を前方へ突出したり後方へ凹むように表示演出すれば、可動体および動画像を立体的に見せたり前後に揺れ動くように見せることができ、インパクトがある表示演出が実行可能となる。