特許第6383399号(P6383399)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6383399部位形状測定器具、並びに、部位形状測定装置及び方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6383399
(24)【登録日】2018年8月10日
(45)【発行日】2018年8月29日
(54)【発明の名称】部位形状測定器具、並びに、部位形状測定装置及び方法
(51)【国際特許分類】
   G01B 11/24 20060101AFI20180820BHJP
   G01B 3/14 20060101ALI20180820BHJP
【FI】
   G01B11/24 K
   G01B3/14
【請求項の数】10
【全頁数】20
(21)【出願番号】特願2016-251109(P2016-251109)
(22)【出願日】2016年12月26日
(65)【公開番号】特開2017-120262(P2017-120262A)
(43)【公開日】2017年7月6日
【審査請求日】2017年8月21日
(31)【優先権主張番号】特願2015-255709(P2015-255709)
(32)【優先日】2015年12月28日
(33)【優先権主張国】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】503154765
【氏名又は名称】株式会社デジタルハンズ
(74)【代理人】
【識別番号】100100413
【弁理士】
【氏名又は名称】渡部 温
(74)【代理人】
【識別番号】100110777
【弁理士】
【氏名又は名称】宇都宮 正明
(72)【発明者】
【氏名】清水 敏雄
(72)【発明者】
【氏名】清水 亮佑
(72)【発明者】
【氏名】池谷 樹里
【審査官】 小野寺 麻美子
(56)【参考文献】
【文献】 特開平9−42921(JP,A)
【文献】 特開2002−296019(JP,A)
【文献】 特開2011−174192(JP,A)
【文献】 国際公開第2006/112308(WO,A1)
【文献】 特開2005−140547(JP,A)
【文献】 特開平2−80607(JP,A)
【文献】 特開平10−15287(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2015/0201691(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2015/0035945(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01B 11/00 − G01B 11/30
G01B 21/00 − G01B 21/32
G01B 3/00 − G01B 3/08
G01B 3/11 − G01B 3/56
A41G 1/00 − G01B 11/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
開口を有し、複数の基準マークが主面に設けられた基板と、
平面視で前記基板の開口内に配置され、格子形状を有するネット状測定部と、
を備える部位形状測定器具。
【請求項2】
前記基板と前記ネット状測定部との間に接続された伸縮可能な環状の中間材をさらに備える、請求項1記載の部位形状測定器具。
【請求項3】
開口を有し、複数の基準マークが主面に設けられた基板と、
複数の測定マークが設けられたキャップ状測定部と、
前記基板の開口の周辺部と前記キャップ状測定部の外周部との間に接続可能な環状の中間材と、
前記キャップ状測定部を前記中間材に着脱可能とし、又は、前記中間材を前記基板に着脱可能とする複数の留め具と、
を備える部位形状測定器具。
【請求項4】
前記基板の主面が、前記開口の周囲に沿って色相、明度、又は、彩度が変化する着色が施された領域を含む、請求項1〜3のいずれか1項記載の部位形状測定器具。
【請求項5】
開口を有し、複数の基準マークが主面に設けられた基板と、平面視で前記基板の開口内に配置され、格子形状を有するネット状測定部とを含む部位形状測定器具を用いて部位の形状を測定する部位形状測定装置であって、
前記部位形状測定器具が装着された部位を撮像して画像データを生成する撮像部と、
複数の異なる角度で部位を撮像して得られる複数の画像の各々を表す画像データに画像処理を施すことにより、各々の画像から前記基板の複数の基準マークを特徴点として抽出し、前記基板の複数の基準マークの位置に基づいて前記ネット状測定部の複数の格子点を特徴点として抽出して、複数の特徴点の座標を求める特徴点抽出部と、
前記複数の画像における複数の特徴点の座標に基づいて、前記ネット状測定部の複数の格子点の3次元座標を計算し、前記ネット状測定部の複数の格子点の間の点を補間して、測定された部位の形状を表す3次元画像データを生成する3次元座標計算部と、
を備える部位形状測定装置。
【請求項6】
開口を有し、複数の基準マークが主面に設けられた基板と、平面視で前記基板の開口内に配置され、複数の測定マークが設けられたキャップ状測定部とを含む部位形状測定器具を用いて部位の形状を測定する部位形状測定装置であって、
前記部位形状測定器具が装着された部位を撮像して画像データを生成する撮像部と、
複数の異なる角度で部位を撮像して得られる複数の画像の各々を表す画像データに画像処理を施すことにより、各々の画像から前記基板の複数の基準マークを特徴点として抽出し、前記基板の複数の基準マークの位置に基づいて前記キャップ状測定部の複数の測定マークを特徴点として抽出して、複数の特徴点の座標を求める特徴点抽出部と、
前記複数の画像における複数の特徴点の座標に基づいて、前記キャップ状測定部の複数の測定マークの3次元座標を計算し、前記キャップ状測定部の複数の測定マークの間の点を補間して、測定された部位の形状を表す3次元画像データを生成する3次元座標計算部と、
を備える部位形状測定装置。
【請求項7】
前記部位形状測定器具の基板の主面が、前記開口の周囲に沿って色相、明度、又は、彩度が変化する着色が施された領域を含み、
前記特徴点抽出部が、前記基板の色相、明度、又は、彩度に基づいて、複数の異なる角度で部位を撮像して得られる複数の画像から、同一の基準マークを対応する特徴点として抽出する、請求項5又は6記載の部位形状測定装置。
【請求項8】
前記部位形状測定器具の基板の複数の基準マーク間の距離に関する基準マーク情報を格納する格納部をさらに備え、
前記3次元座標計算部が、前記格納部から読み出された基準マーク情報を用いて、前記ネット状測定部の複数の格子点又は前記キャップ状測定部の複数の測定マークの3次元座標を計算する、請求項5〜7のいずれか1項記載の部位形状測定装置。
【請求項9】
開口を有し、複数の基準マークが主面に設けられた基板と、平面視で前記基板の開口内に配置され、格子形状を有するネット状測定部とを含む部位形状測定器具を用いて部位の形状を測定する部位形状測定方法であって、
前記部位形状測定器具が装着された部位を複数の異なる角度で撮像して複数の画像を表す画像データを生成すると共に、各々の画像を表す画像データに画像処理を施すことにより、各々の画像から前記基板の複数の基準マークを特徴点として抽出し、前記基板の複数の基準マークの位置に基づいて前記ネット状測定部の複数の格子点を特徴点として抽出して、複数の特徴点の座標を求めるステップ(a)と、
前記複数の画像における複数の特徴点の座標に基づいて、前記ネット状測定部の複数の格子点の3次元座標を計算するステップ(b)と、
前記ネット状測定部の複数の格子点の間の点を補間して、測定された部位の形状を表す3次元画像データを生成するステップ(c)と、
を備える部位形状測定方法。
【請求項10】
開口を有し、複数の基準マークが主面に設けられた基板と、平面視で前記基板の開口内に配置され、複数の測定マークが設けられたキャップ状測定部とを含む部位形状測定器具を用いて部位の形状を測定する部位形状測定方法であって、
前記部位形状測定器具が装着された部位を複数の異なる角度で撮像して複数の画像を表す画像データを生成すると共に、各々の画像を表す画像データに画像処理を施すことにより、各々の画像から前記基板の複数の基準マークを特徴点として抽出し、前記基板の複数の基準マークの位置に基づいて前記キャップ状測定部の複数の測定マークを特徴点として抽出して、複数の特徴点の座標を求めるステップ(a)と、
前記複数の画像における複数の特徴点の座標に基づいて、前記キャップ状測定部の複数の測定マークの3次元座標を計算するステップ(b)と、
前記キャップ状測定部の複数の測定マークの間の点を補間して、測定された部位の形状を表す3次元画像データを生成するステップ(c)と、
を備える部位形状測定方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、人間の頭部等の部位の形状を測定するために用いられる部位形状測定器具に関する。さらに、本発明は、そのような部位形状測定器具を用いて部位の形状を測定する部位形状測定装置及び部位形状測定方法等に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、人間の頭部に装着する「かつら」をオーダーメイドで作製する際に、頭部の形状を測定することが行われている。そのために、例えば、複数のカメラを被測定者の周囲に配置して、それらのカメラによって被測定者の頭部を撮影し、取得された頭部のパターン画像に基づいて、頭部の三次元形状を算出する装置が提案されている。
【0003】
関連する技術として、特許文献1には、被測定者に圧迫感や威圧感を与えることなく頭部の形状を測定することが可能であり、頭部の位置決めの簡易化や撮影時間の短縮化を実現できる頭部形状測定装置が開示されている。この頭部形状測定装置は、頭部を撮影して画像データを出力する複数の撮像手段と、画像データに基づいて頭部の三次元形状を算出する画像処理手段とを備え、それらの撮像手段が、頭部の上方に位置する被配置部材に取り付けられ、この取り付けられた位置を固定位置として頭部を撮影する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2014−178173号公報(段落0017−0018、図1
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1の頭部形状測定装置においては、図1に示されているように、複数の撮像手段が取り付けられた被配置部材を頭部の上方に設置する必要があるので、頭部形状測定装置が大型になり、被測定者の家庭を訪問して被測定者の頭部の形状を測定するような用途には使用できない。
【0006】
一方、ステレオ写真測量によって頭部の形状を測定することも行われているが、従来のステレオ写真測量においては、特徴点として多数の反射マーカー等を設置する必要があるので非効率的である。また、長さや間隔等の距離を測定する場合には、スケールバーを設置する必要もある。さらに、従来の画像処理はノンパラメトリックであるので、複数の異なる角度で頭部を撮像して得られる複数の画像間における特徴点の対応付けが困難であるという問題がある。
【0007】
また、オーダーメイドの「かつら」の場合には、実際に使用する際の頭部の形状に合わせて作製することが、フィット感向上のために望ましい。一般的には、被測定者の頭部の形状を測定する際に、被測定者がナイロン製等のキャップを頭部に被ることになるが、従来の測定装置によれば、髪の毛の膨らみによって頭部の形状を正確に測定できない場合もある。
【0008】
そこで、上記の点に鑑み、本発明の第1の目的は、持ち運び可能な小型の部位形状測定装置によって部位の形状を効率的かつ正確に測定することを可能にする部位形状測定器具を提供することである。また、本発明の第2の目的は、そのような部位形状測定器具を用いて部位の形状を効率的かつ正確に測定する部位形状測定装置及び部位形状測定方法等を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
以上の課題の少なくとも一部を解決するため、本発明の第1の観点に係る部位形状測定器具は、開口を有し、複数の基準マークが主面に設けられた基板と、平面視で基板の開口内に配置され、格子形状を有するネット状測定部とを備える。
【0010】
また、本発明の第1の観点に係る部位形状測定装置は、開口を有し、複数の基準マークが主面に設けられた基板と、平面視で基板の開口内に配置され、格子形状を有するネット状測定部とを含む部位形状測定器具を用いて部位の形状を測定する部位形状測定装置であって、部位形状測定器具が装着された部位を撮像して画像データを生成する撮像部と、複数の異なる角度で部位を撮像して得られる複数の画像の各々を表す画像データに画像処理を施すことにより、各々の画像から基板の複数の基準マークを特徴点として抽出し、基板の複数の基準マークの位置に基づいてネット状測定部の複数の格子点を特徴点として抽出して、複数の特徴点の座標を求める特徴点抽出部と、複数の画像における複数の特徴点の座標に基づいて、ネット状測定部の複数の格子点の3次元座標を計算し、ネット状測定部の複数の格子点の間の点を補間して、測定された部位の形状を表す3次元画像データを生成する3次元座標計算部とを備える。
【0011】
さらに、本発明の第1の観点に係る部位形状測定方法は、開口を有し、複数の基準マークが主面に設けられた基板と、平面視で基板の開口内に配置され、格子形状を有するネット状測定部とを含む部位形状測定器具を用いて部位の形状を測定する部位形状測定方法であって、部位形状測定器具が装着された部位を複数の異なる角度で撮像して複数の画像を表す画像データを生成すると共に、各々の画像を表す画像データに画像処理を施すことにより、各々の画像から基板の複数の基準マークを特徴点として抽出し、基板の複数の基準マークの位置に基づいてネット状測定部の複数の格子点を特徴点として抽出して、複数の特徴点の座標を求めるステップ(a)と、複数の画像における複数の特徴点の座標に基づいて、ネット状測定部の複数の格子点の3次元座標を計算するステップ(b)と、ネット状測定部の複数の格子点の間の点を補間して、測定された部位の形状を表す3次元画像データを生成するステップ(c)とを備える。
【0012】
そして、本発明の第2の観点に係る部位形状測定器具は、開口を有し、複数の基準マークが主面に設けられた基板と、複数の測定マークが設けられたキャップ状測定部と、基板の開口の周辺部とキャップ状測定部の外周部との間に接続可能な環状の中間材と、キャップ状測定部を中間材に着脱可能とし、又は、中間材を基板に着脱可能とする複数の留め具とを備える。
【0013】
また、本発明の第2の観点に係る部位形状測定装置は、開口を有し、複数の基準マークが主面に設けられた基板と、平面視で基板の開口内に配置され、複数の測定マークが設けられたキャップ状測定部とを含む部位形状測定器具を用いて部位の形状を測定する部位形状測定装置であって、部位形状測定器具が装着された部位を撮像して画像データを生成する撮像部と、複数の異なる角度で部位を撮像して得られる複数の画像の各々を表す画像データに画像処理を施すことにより、各々の画像から基板の複数の基準マークを特徴点として抽出し、基板の複数の基準マークの位置に基づいてキャップ状測定部の複数の測定マークを特徴点として抽出して、複数の特徴点の座標を求める特徴点抽出部と、複数の画像における複数の特徴点の座標に基づいて、キャップ状測定部の複数の測定マークの3次元座標を計算し、キャップ状測定部の複数の測定マークの間の点を補間して、測定された部位の形状を表す3次元画像データを生成する3次元座標計算部とを備える。
【0014】
さらに、本発明の第2の観点に係る部位形状測定方法は、開口を有し、複数の基準マークが主面に設けられた基板と、平面視で基板の開口内に配置され、複数の測定マークが設けられたキャップ状測定部とを含む部位形状測定器具を用いて部位の形状を測定する部位形状測定方法であって、部位形状測定器具が装着された部位を複数の異なる角度で撮像して複数の画像を表す画像データを生成すると共に、各々の画像を表す画像データに画像処理を施すことにより、各々の画像から基板の複数の基準マークを特徴点として抽出し、基板の複数の基準マークの位置に基づいてキャップ状測定部の複数の測定マークを特徴点として抽出して、複数の特徴点の座標を求めるステップ(a)と、複数の画像における複数の特徴点の座標に基づいて、キャップ状測定部の複数の測定マークの3次元座標を計算するステップ(b)と、キャップ状測定部の複数の測定マークの間の点を補間して、測定された部位の形状を表す3次元画像データを生成するステップ(c)とを備える。
【発明の効果】
【0015】
本発明の第1の観点によれば、部位形状測定器具の基板の主面に複数の基準マークが設けられているので、部位形状測定器具が装着された部位を撮像して得られた画像から複数の基準マークを抽出することにより、それらの位置に基づいてネット状測定部の複数の格子点を抽出して複数の画像間で対応付けることができる。また、ネット状測定部が部位に圧力をかけることにより、髪の毛の膨らみ等の形状歪みを抑え込むことができる。その結果、持ち運び可能な小型の部位形状測定装置によって部位の形状を効率的かつ正確に測定することが可能になる。
【0016】
そして、本発明の第2の観点によれば、部位形状測定器具の基板の主面に複数の基準マークが設けられているので、部位形状測定器具が装着された部位を撮像して得られた画像から複数の基準マークを抽出することにより、それらの位置に基づいてキャップ状測定部の複数の測定マークを抽出して複数の画像間で対応付けることができる。また、キャップ状測定部が部位に圧力をかけることにより、髪の毛の膨らみ等の形状歪みを抑え込むことができる。その結果、持ち運び可能な小型の部位形状測定装置によって部位の形状を効率的かつ正確に測定することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本発明の第1の実施形態に係る部位形状測定器具を示す平面図。
図2図1に示すネット状測定部の一部を拡大して示す平面図。
図3】本発明の第2の実施形態に係る部位形状測定器具を示す斜視図。
図4図3に示すキャップ状測定部に設けられる測定マークの例を示す平面図。
図5】円形の測定マークが設けられた部位形状測定器具の具体例を示す斜視図。
図6】本発明の一実施形態に係る部位形状測定装置の構成例を示すブロック図。
図7】ステレオ写真測量法を説明するための概念図。
図8】本発明の一実施形態に係る部位形状測定方法を示すフローチャート。
図9】本発明の一実施形態に係る部位形状測定方法を示すフローチャート。
図10】本発明の一実施形態に係る部位形状測定方法を示すフローチャート。
図11】本発明の一実施形態に係る部位形状測定装置における測定精度を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、同一の構成要素には同一の参照符号を付して、重複する説明を省略する。以下においては、一例として、人間の頭部の形状を測定する場合について説明する。
【0019】
<部位形状測定器具1>
図1は、本発明の第1の実施形態に係る部位形状測定器具を示す平面図である。図1に示す部位形状測定器具は、被測定者の頭部の形状を測定する際に、被測定者の頭部に装着される。その前に、被測定者が、ナイロン製等のキャップを被るようにしても良い。
【0020】
図1に示すように、第1の実施形態に係る部位形状測定器具は、開口を有する基板(校正板ともいう)1と、平面視で基板1の開口内に配置され、格子形状(メッシュ形状)を有するネット状測定部2とを含んでおり、基板1とネット状測定部2との間に接続された伸縮可能な環状の中間材3をさらに含んでも良い。基板1としては、例えば、中央部分に開口を有する環状の基板が用いられる。なお、本願において、平面視とは、基板の主面(図1等に示す面)に垂直な方向から各部を視ることをいう。
【0021】
基板1は、例えば、発泡スチロール等で構成され、基板1の主面には、複数の基準マークが設けられている。基準マークの個数は、3個以上であることが望ましく、4個以上であることがさらに好ましい。図1には、一例として、図中のX軸方向において互いに対向する第1群の基準マーク4及び第2群の基準マーク5と、図中のY軸方向において互いに対向する第3群の基準マーク6及び第4群の基準マーク7とが示されている。基準マーク4〜7の各々は、例えば、印刷によって形成され、円形の黒い領域内に円形の白い領域を有している。
【0022】
基準マーク4〜7には、それらの基準マークを特定するコードが定義されている。各群の基準マークの内の少なくとも1つは、部位形状測定器具が装着された頭部を撮像して得られる画像からネット状測定部2の複数の格子点を抽出するために用いられる。さらに、各群において複数の基準マークが設けられていることにより、基板1の変形を検出することが容易になる。また、基準マーク4〜7を特定するコードには、基準マーク4〜7の3次元座標等の3次元情報が関連付けられていても良い。
【0023】
基板1の主面は、開口の周囲に沿って色相、明度、又は、彩度が変化する着色が施された領域を含んでも良い。図1に示す例においては、基板1の主面に、基準マーク4〜7が設けられた領域を除き、開口の周囲に沿って明度が連続的に変化する着色が施されている。それにより、部位形状測定器具が装着された頭部を撮像して得られる画像において、部位形状測定器具の向きを検出することが容易になる。
【0024】
ネット状測定部2としては、例えば、ナイロン製のファイバーで構成されたシニヨンネット等が用いられる。ネット状測定部2が頭部に圧力をかけることにより、髪の毛の膨らみ等の形状歪みを抑え込むことができる。ネット状測定部2の格子形状に含まれている単位格子は、四角形でも良いし、六角形でも良いし、その他の多角形でも良い。ネット状測定部2の複数の格子点は、部位形状測定器具が装着された頭部を撮像して得られる画像に基づいて3次元座標が計算される測定点に相当する。
【0025】
図2は、図1に示すネット状測定部の一部を拡大して示す平面図である。図2に示すように、ネット状測定部2の複数の格子点には、それらの格子点を特定するコードP(X,Y)が定義されている。図2には、一例として、9つの格子点のコードP(−1,−1)〜P(1,1)が示されている。
【0026】
再び図1を参照すると、ネット状測定部2は、基板1に直接接続されても良いし、中間材3を介して基板1に接続されても良い。中間材3は、例えば、伸縮可能な布で構成され、基板1にネット状測定部2を連結することにより、基板1の基準マーク4〜7とネット状測定部2の複数の格子点との相対的な位置関係を一定の範囲内に制限する。
【0027】
また、中間材3は、伸縮することによって頭部にフィットするので、様々な大きさを有する頭部をホールドすることができる。中間材3が頭部に固定されると、ネット状測定部2が、頭部に一定の圧力をかけて髪の毛の膨らみを抑え込み、頭部の形状を正確に測定できるようにする。
【0028】
被測定者が、明るい色(例えば、白色)のキャップを被る場合には、ネット状測定部2及び中間材3は、暗い色(例えば、黒色)とすることが望ましい。それにより、部位形状測定器具が装着された頭部を撮像して得られる画像において、キャップ上のネット状測定部2が明瞭に写し出されると共に、キャップと中間材3との間の境界が明確になる。
【0029】
<部位形状測定器具2>
図3は、本発明の第2の実施形態に係る部位形状測定器具を示す斜視図である。図3に示すように、第2の実施形態に係る部位形状測定器具は、開口を有する基板(校正板ともいう)1aと、複数の測定マーク8が設けられたキャップ状測定部2aと、基板1aの開口の周辺部とキャップ状測定部2aの外周部との間に接続可能な環状の中間材3aと、複数の留め具9とを含んでいる。
【0030】
複数の留め具9は、キャップ状測定部2aを中間材3aに着脱可能とし、又は、中間材3aを基板1aに着脱可能とする。図3には、被測定者の頭部の形状を測定する際に、複数の留め具9を用いて一体化された部位形状測定器具が被測定者の頭部に装着された状態が示されている。一体化された部位形状測定器具を用いて被測定者の頭部の形状を測定する際には、キャップ状測定部2aが、平面視で基板1aの開口内に配置されている。
【0031】
基板1aは、例えば、発泡スチロール等で構成され、基板1aの形状や色は任意である。基板1aの主面には、複数の基準マークが設けられている。基準マークの個数は、3個以上であることが望ましい。図3には、一例として、四角形の形状を有する基板1aの主面の四隅に設けられた4つの基準マーク4a〜7aが示されている。
【0032】
基準マーク4a〜7aは、画像認識可能なマークであれば良く、基準マーク4a〜7aの形状や色は任意である。図3に示す例において、基準マーク4a〜7aの各々は、例えば、印刷によって形成され、基板1aの白い領域内に円形の黒い領域を有している。また、基板1aの主面は、図1に示す基板1と同様に、開口の周囲に沿って色相、明度、又は、彩度が変化する着色が施された領域を含んでも良い。
【0033】
基準マーク4a〜7aには、それらの基準マークを特定するコードが定義されている。基準マーク4a〜7aの内の少なくとも3つは、部位形状測定器具が装着された頭部を撮像して得られる画像からキャップ状測定部2aの複数の測定マーク8を抽出するために用いられる。さらに多くの基準マークが設けられている場合には、基板1aの変形を検出することが容易になる。また、基準マーク4a〜7aを特定するコードには、基準マーク4a〜7aの3次元座標等の3次元情報が関連付けられていても良い。
【0034】
キャップ状測定部2aとしては、例えば、ナイロン製のファイバーで構成されたシニヨンネットやストッキング等のように伸縮性を有するメッシュキャップが用いられる。キャップ状測定部2aが頭部に圧力をかけることにより、髪の毛の膨らみ等の形状歪みを抑え込むことができる。また、部位形状測定器具が被測定者の頭部に装着された際に被測定者の目や鼻や耳を塞がないように、キャップ状測定部2aに凹部2b及び2cが形成されていても良い。
【0035】
図4は、図3に示すキャップ状測定部に設けられる測定マークの例を示す平面図である。キャップ状測定部2aに設けられる複数の測定マーク8は、画像認識可能なマークであれば良く、測定マーク8の形状や色は任意である。例えば、図4(A)に示す測定マークは、十字型の形状を有しており、格子の一部を構成しても良い。図4(B)に示す測定マークは、円形の形状を有している。
【0036】
図5は、円形の測定マークが設けられた部位形状測定器具の具体例を示す斜視図である。このように、図3に示す部位形状測定器具において、円形の形状を有する測定マーク8がキャップ状測定部2aに設けられても良い。また、測定マークの形状は、図4(C)に示すような四角形でも良いし、図4(D)に示すような三角形でも良いし、又は、図4(E)に示すような六角形でも良いし、その他の多角形でも良い。
【0037】
再び図3を参照すると、キャップ状測定部2aに設けられた複数の測定マーク8は、部位形状測定器具が装着された頭部を撮像して得られる画像に基づいて3次元座標が計算される測定点に相当する。そのために、複数の測定マーク8には、それらの測定マークを特定するコードP(X,Y)が定義されている。
【0038】
中間材3aは、例えば、伸縮可能な布で構成されており、中間材3aの色は任意である。中間材3aは、基板1aに結合されてキャップ状測定部2aとの間で着脱可能であっても良いし、キャップ状測定部2aに結合されて基板1aとの間で着脱可能であっても良いし、基板1a及びキャップ状測定部2aとの間で着脱可能であっても良い。
【0039】
留め具9としては、ボタン、ホック、磁石、マジックテープ等を用いることができる。図3には、一例として、中間材3aを基板1aに着脱可能とする複数の留め具9によって、中間材3aが基板1aに連結された状態が示されている。例えば、留め具9としてボタンが用いられる場合には、中間材3aと基板1aとの内の一方にボタンが取り付けられ、中間材3aと基板1aとの内の他方にボタン穴が形成される。
【0040】
また、留め具9としてホックが用いられる場合には、中間材3aと基板1aとの内の一方にホックの外側パーツが取り付けられ、中間材3aと基板1aとの内の他方にホックの内側パーツが取り付けられる。あるいは、留め具9として磁石が用いられる場合には、中間材3a及び基板1aにそれぞれの磁石が設けられる。
【0041】
基板1a又はキャップ状測定部2a又は中間材3aにおいて留め具9が取り付けられる位置は、最低でも2点必要である。例えば、部位形状測定器具が被測定者の頭部に装着された際に、被測定者の前後(例えば、額と襟足の付近)又は左右(例えば、両耳の下付近)に留め具9が位置しても良い。
【0042】
また、基板1aとキャップ状測定部2aとの位置合わせのために、キャップ状測定部2a及び中間材3aに目印が付されていても良い。それにより、キャップ状測定部2aを中間材3aに連結した際に、基板1aとキャップ状測定部2aとの相対的な位置関係を一定の範囲内に制限することができる。
【0043】
あるいは、基板1aとキャップ状測定部2aとの位置合わせのために、中間材3a及び基板1aに目印が付されていても良い。それにより、中間材3aを基板1aに連結した際に、基板1aとキャップ状測定部2aとの相対的な位置関係を一定の範囲内に制限することができる。
【0044】
中間材3aは、伸縮することによって頭部にフィットするので、様々な大きさを有する頭部をホールドすることができる。中間材3aが頭部に固定されると、キャップ状測定部2aが、頭部に一定の圧力をかけて髪の毛の膨らみを抑え込み、頭部の形状を正確に測定できるようにする。
【0045】
<部位形状測定装置>
次に、本発明のいずれかの実施形態に係る部位形状測定器具を用いて部位の形状を測定する部位形状測定装置について、図1図6を参照しながら説明する。
図6は、本発明の一実施形態に係る部位形状測定装置の構成例を示すブロック図である。図6に示すように、この部位形状測定装置は、撮像部10と、特徴点抽出部20と、3次元座標計算部30と、画像データ生成部40と、表示部50と、操作部60と、制御部70と、格納部80とを含んでいる。
【0046】
格納部80は、画像データ格納部81と、座標情報格納部82と、撮像パラメーター格納部83と、基準マーク情報格納部84と、3次元座標データ格納部85と、3次元画像データ格納部86とを含んでいる。なお、図6に示す構成要素の一部を省略又は変更しても良いし、あるいは、図6に示す構成要素に他の構成要素を付加しても良い。
【0047】
例えば、部位形状測定装置がハンディタブレットで構成される場合に、撮像部10は、ハンディタブレットのカメラ部分で構成される。あるいは、撮像部10として、デジタルスチルカメラ等を用いても良い。撮像部10は、部位形状測定器具が装着された頭部を撮像して画像データを生成する。撮像部10を用いて、複数の異なる角度で頭部を撮像することにより、複数の画像を表す画像データが得られる。
【0048】
特徴点抽出部20〜画像データ生成部40、及び、制御部70は、CPU(中央演算装置)と、CPUに各種の処理を行わせるためのソフトウェア(部位形状測定プログラム)とで構成しても良い。ソフトウェアは、格納部80の記録媒体に記録される。記録媒体としては、ハードディスク、フレキシブルディスク、MO、MT、各種のメモリー、CD−ROM、又は、DVD−ROM等を用いることができる。
【0049】
操作部60は、例えば、操作キーやボタンスイッチ等を含む入力装置であり、部位形状測定装置を操作するために用いられる。操作部60は、オペレーターによる操作に応じた操作信号を制御部70に出力する。制御部70は、操作部60から出力される操作信号に応答して、部位形状測定装置の各部を制御する。
【0050】
撮像部10によって生成された画像データが画像データ格納部81に格納されると、特徴点抽出部20は、画像データ格納部81から画像データを読み出して、複数の異なる角度で頭部を撮像して得られる複数の画像の各々を表す画像データに画像処理を施す。
【0051】
それにより、特徴点抽出部20は、各々の画像から、図1に示す部位形状測定器具の基板1の複数の基準マークを特徴点として抽出し、さらに、基板1の複数の基準マークの位置に基づいてネット状測定部2の複数の格子点を特徴点として抽出して、複数の特徴点の座標を求める。
【0052】
あるいは、特徴点抽出部20は、各々の画像から、図3に示す部位形状測定器具の基板1aの複数の基準マークを特徴点として抽出し、さらに、基板1aの複数の基準マークの位置に基づいてキャップ状測定部2aの複数の測定マークを特徴点として抽出して、複数の特徴点の座標を求める。
【0053】
この画像処理においては、例えば、アクティブ・アピアランス・モデルが用いられる。アクティブ・アピアランス・モデルとは、対象となる物体の画像を形状(shape)とテクスチャー(appearance)とに分けて、それぞれを主成分分析(principal component analysis)によって次元圧縮することにより、少ないパラメーターで対象の形状の変化とテクスチャーの変化とを表現できるようにしたモデルである。形状及びテクスチャーの情報は、低次元のパラメーターで表現することができる。
【0054】
アクティブ・アピアランス・モデルにおいて、全特徴点を並べた形状ベクトルxは、予め学習データにおいて求められた平均形状ベクトルuと、平均形状ベクトルuからの偏差を主成分分析して得られる固有ベクトル行列Pとを用いて、次式(1)によって表される。
x=u+P ・・・(1)
ここで、bは、パラメーターベクトルであり、形状パラメーターと呼ばれる。
【0055】
また、正規化されたテクスチャーの輝度値を並べたアピアランスベクトルgは、予め学習データから求められた平均アピアランスベクトルvと、平均アピアランスベクトルvからの偏差を主成分分析して得られる固有ベクトル行列Pとを用いて、次式(2)によって表される。
g=v+P ・・・(2)
ここで、bは、パラメーターベクトルであり、アピアランスパラメーターと呼ばれる。形状パラメーターb及びアピアランスパラメーターbは、平均からの変化を表すパラメーターであり、これらを変化させることによって、形状及びアピアランスを変化させることができる。
【0056】
また、形状とアピアランスとの間に相関があることから、形状パラメーターb及びアピアランスパラメーターbをさらに主成分分析することにより、形状とアピアランスとの両方を制御する低次元のパラメーターベクトルcを用いて、形状ベクトルx(c)及びテクスチャーベクトルg(c)が、次式(3)及び(4)によって表される。
x(c)=u+P−1c ・・・(3)
g(c)=v+Pc ・・・(4)
ここで、Wは、形状ベクトルとアピアランスベクトルとの単位の違いを正規化する行列であり、Qは、形状に関する固有ベクトル行列であり、Qは、アピアランスに関する固有ベクトル行列である。このようにして、パラメーターベクトルcを制御することによって、形状とアピアランスとを同時に扱い、対象の変化を表現することが可能となる。
【0057】
次に、対象が、画像中のどこに、どんなサイズで、どんな向きで存在するかという広域的な変化に関するパラメーターqを考慮する。パラメーターqは、次式(5)によって表される。
q=[roll scale trans_x trans_y] ・・・(5)
ここで、rollは、画像平面に対するモデルの回転角度を表し、scaleは、モデルのサイズを表し、trans_x及びtrans_yは、x軸方向及びy軸方向におけるモデルの平行移動量をそれぞれ表している。
【0058】
アクティブ・アピアランス・モデルにおいて、モデルの探索とは、モデルをパラメーターc及びqによって局所的及び広域的に変化させて対象の画像を生成し、生成された画像と入力画像とを比較して、誤差が最小となるようなパラメーターc及びqを求めることである。アクティブ・アピアランス・モデルによれば、対象の方向の変化に対して頑健かつ高速に特徴点を抽出することが可能である。
【0059】
ただし、従来の画像処理はノンパラメトリックであるので、複数の異なる角度で頭部を撮像して得られる複数の画像間における特徴点の対応付けが困難であるという問題がある。それに対し、本実施形態においては、図1に示す部位形状測定器具の基板1の主面に設けられた複数の基準マーク4〜7と、ネット状測定部2の複数の格子点との相対的な位置関係が一定の範囲内に限定されている。
【0060】
あるいは、図3に示す部位形状測定器具の基板1aの主面に設けられた複数の基準マーク4a〜7aと、キャップ状測定部2aの複数の測定マークとの相対的な位置関係が一定の範囲内に限定されている。従って、パラメトリックな画像処理が可能になる。ここで、パラメトリックな画像処理とは、母集団のデータが特定の分布に従うことを前提にしている画像処理のことをいう。
【0061】
例えば、画像データ格納部81には、ダミーヘッド等を用いて予め撮影された部位形状測定器具の画像を表す画像データ(学習データ)と、その画像において基板1の基準マーク4〜7又は基板1aの基準マーク4a〜7aを特定する情報とが格納されている。それに基づいて、特徴点抽出部20は、複数の異なる角度で頭部を撮像して得られる複数の画像の各々から、基板1又は1aの複数の基準マークを特徴点として抽出し、それらの基準マークの座標を求めて、基準マークの座標を基準マークのコードに対応付ける。
【0062】
その際に、部位形状測定器具の基板1又は1aの主面が、開口の周囲に沿って色相、明度、又は、彩度が変化する着色が施された領域を含む場合には、特徴点抽出部20が、基板1又は1aの色相、明度、又は、彩度に基づいて、複数の異なる角度で頭部を撮像して得られる複数の画像から、同一の基準マークを対応する特徴点として抽出する。
【0063】
次に、特徴点抽出部20は、少なくとも3つの基準マークの位置に基づいて、図1に示すネット状測定部2の複数の格子点を特徴点(測定点)として抽出し、それらの格子点の座標を求めて、格子点の座標を格子点のコードP(X,Y)に対応付ける。ネット状測定部2の複数の格子点は、基板1の基準マーク4〜7の位置に対して限定された範囲内に存在するので、ネット状測定部2の複数の格子点の座標とそれらの格子点のコードP(X,Y)との対応付けが容易になる。
【0064】
あるいは、特徴点抽出部20は、少なくとも3つの基準マークの位置に基づいて、図3に示すキャップ状測定部2aの複数の測定マークを特徴点(測定点)として抽出し、それらの測定マークの座標を求めて、測定マークの座標を測定マークのコードP(X,Y)に対応付ける。キャップ状測定部2aの複数の測定マークは、基板1aの基準マーク4a〜7aの位置に対して限定された範囲内に存在するので、キャップ状測定部2aの複数の測定マークの座標とそれらの測定マークのコードP(X,Y)との対応付けが容易になる。
【0065】
さらに、特徴点抽出部20は、複数の特徴点の座標をそれらの特徴点のコードに対応付けて、座標情報として座標情報格納部82に格納する。また、特徴点抽出部20は、複数の特徴点のテクスチャー(色相、明度、又は、彩度)に関する情報も、それらの特徴点のコードに対応付けて座標情報格納部82に格納する。
【0066】
特徴点抽出部20によって求められた座標情報等が座標情報格納部82に格納されると、3次元座標計算部30は、座標情報格納部82から座標情報等を読み出す。3次元座標計算部30は、複数の画像における複数の特徴点の座標に基づいて、ネット状測定部2の複数の格子点又はキャップ状測定部2aの複数の測定マークの3次元座標を計算する。
【0067】
座標情報格納部82に格納されている座標情報において、複数の特徴点の座標が、撮像部10におけるレンズの焦点距離の誤差やレンズの歪によって本来の座標と異なる場合がある。そこで、撮像パラメーター格納部83は、撮像部10におけるレンズ等に関する撮像パラメーターを格納している。
【0068】
撮像パラメーターとしては、例えば、レンズの焦点距離、投影面上における1画素当りの幅、及び、画像の中心点等が該当する。3次元座標計算部30は、撮像パラメーター格納部83から読み出された撮像パラメーターに基づいて、複数の画像における複数の特徴点の座標を補正する。
【0069】
また、基準マーク情報格納部84は、図1又は図3に示す部位形状測定器具の基板1又は1aに設けられた複数の基準マーク間の距離に関する基準マーク情報を格納している。さらに、基準マーク情報格納部84は、複数の基準マークの3次元座標等の3次元情報をそれらの基準マークを特定するコードに関連付けて、基準マーク情報として格納しても良い。この3次元情報は、複数の基準マークに対する撮像部10の位置又は姿勢を計算する際に利用することができる。
【0070】
3次元座標計算部30は、基準マーク情報格納部84から読み出された基準マーク情報を用いて、ネット状測定部2の複数の格子点又はキャップ状測定部2aの複数の測定マークの3次元座標を計算する。3次元座標の計算には、例えば、複数の視点から撮影した画像に基づいて測定点の位置を算出するステレオ写真測量法が用いられる。
【0071】
図7は、ステレオ写真測量法を説明するための概念図である。ステレオ写真測量法は、1つの撮像部を2つの異なる位置(視点)に移動させて特徴点を撮影した2つの画像から特徴点の3次元座標を計算する場合にも適用できる。図7に示すように、測定対象における特徴点P(x,y,z)が、ステレオ画像上の点P(x,y)及びP(x,y)として撮影される。
【0072】
特徴点P(x,y,z)と2つの異なる位置における撮像部の投影中心(焦点)とを含む平面(エピポーラ面)が2つの投影面と交わる交線を、エピポーラ線という。一方の画像上において1つの点(例えば、P(x,y))が与えられると、他方の画像上におけるその対応点(例えば、P(x,y))は、必ず対応するエピポーラ線上にある。
【0073】
上記の関係は、次式(6)によって表される。
wEw’=0 ・・・(6)
ここで、Eは、2つの異なる位置における撮像部間の回転行列及び並進ベクトルの関数である基本行列を表し、w及びw’は、2つの画像上における対応点の正規化画像座標の同次座標ベクトルを表している。
【0074】
一方、撮像部の内部変数の関数である基礎行列Fは、撮像部の内部行列A(2つの撮像部を用いる場合には、A及びA’)を用いて、次式(7)によって表される。
F=A−TEA’−1 ・・・(7)
従って、撮像部の内部変数を知れば、基礎行列Fから基本行列Eを求めることができる。さらに、基本行列Eに基づいて、2つの異なる位置における撮像部の相対的な位置及び姿勢を求めることができる。
【0075】
次に、2つの異なる位置における撮像部の投影中心(焦点)から2つの画像上における対応点をそれぞれ通る2本の直線を引き、2本の直線が3次元空間において交わる点の座標が特徴点の座標として計算される。一連の計算は、線形計算で行うことができるが、線形計算を連続して行うと誤差が増大する。そこで、バンドル調整法を用いて、最適な結果を計算するようにしても良い。
【0076】
バンドル調整法とは、3次元空間における点を2次元画像に逆投影して得られた位置と2次元画像における実際の特徴点の位置との間のユークリッド距離の自乗和を最小にする手法である。このユークリッド距離の自乗和の平均根は、逆投影誤差と呼ばれている。3次元座標計算部30は、逆投影誤差を計算することにより、逆投影誤差を最小にする最適な3次元座標を求めることができる。
【0077】
一般に、1つの撮像部を2つの異なる位置に移動させてステレオ画像を得る場合には、特徴点として多数の反射マーカー等を設置する必要があるので非効率的である。また、長さや間隔等の距離を測定する場合には、スケールバーを設置する必要もある。それに対し、本実施形態においては、図1又は図3に示す部位形状測定器具の基板1又は1aの主面に複数の基準マークが設けられているので、反射マーカーやスケールバー等を設置する必要がなく、効率的な測定を行うことができる。
【0078】
再び図6を参照すると、3次元座標計算部30は、図1又は図3に示す部位形状測定器具のネット状測定部2の複数の格子点又はキャップ状測定部2aの複数の測定マークの3次元座標を表す3次元座標データを3次元座標データ格納部85に格納する。その後、3次元座標計算部30は、ネット状測定部2の複数の格子点又はキャップ状測定部2aの複数の測定マークの間の点を補間して、測定された頭部の形状を表す3次元画像データを生成する。
【0079】
その際に、3次元座標計算部30は、図1に示す部位形状測定器具のネット状測定部2の複数の格子点の3次元座標に基づいて、高さ方向におけるネット状測定部2の複数の格子点間の最大距離を求めても良い。ここで、高さ方向とは、基板1の主面に垂直な方向をいう。その場合に、3次元座標計算部30は、高さ方向におけるネット状測定部2の複数の格子点間の最大距離が所定の範囲内となる場合に3次元画像データを生成する。それにより、不正確な測定に基づく3次元画像データの生成を防止することができる。
【0080】
あるいは、3次元座標計算部30は、図3に示す部位形状測定器具のキャップ状測定部2aの複数の測定マークの3次元座標に基づいて、高さ方向におけるキャップ状測定部2aの複数の測定マーク間の最大距離を求めても良い。ここで、高さ方向とは、基板1aの主面に垂直な方向をいう。その場合に、3次元座標計算部30は、高さ方向におけるキャップ状測定部2aの複数の測定マーク間の最大距離が所定の範囲内となる場合に3次元画像データを生成する。それにより、不正確な測定に基づく3次元画像データの生成を防止することができる。
【0081】
3次元画像データの生成に際し、例えば、3次元座標計算部30は、左頭部の3次元座標データ及び右頭部の3次元座標データを選択して合成する。また、3次元座標計算部30は、ネット状測定部2の複数の格子点又はキャップ状測定部2aの複数の測定マークの3次元座標データに、座標情報格納部82から読み出されたテクスチャー(色相、明度、又は、彩度)に関する情報を追加する。
【0082】
さらに、3次元座標計算部30は、図1に示すX軸方向及びY軸方向の各々において隣り合う2つの格子点を結ぶ線を複数(例えば、6個)の自由曲線に分割して(自由曲線分割)、複数の格子点の間に位置する所定数の点を補間する。その結果、ネット状測定部2の単位格子が、複数(例えば、36個)の領域に分割される。それにより、3次元座標計算部30は、測定された頭部の形状を表す細分化された3次元画像データを生成する。
【0083】
あるいは、3次元座標計算部30は、図3に示すX軸方向及びY軸方向の各々において隣り合う2つの測定マークを結ぶ線を複数(例えば、6個)の自由曲線に分割して、複数の測定マークの間に位置する所定数の点を補間する。その結果、キャップ状測定部2aの4つの測定マークで囲まれた領域が、複数(例えば、36個)の領域に分割される。それにより、3次元座標計算部30は、測定された頭部の形状を表す細分化された3次元画像データを生成する。
【0084】
3次元座標計算部30は、生成された3次元画像データを3次元画像データ格納部86に格納する。また、3次元座標計算部30は、測定結果を画像データ生成部40に出力する。画像データ生成部40は、測定結果を表す表示用画像データを生成して表示部50に出力する。表示用画像データは、2次元画像データでも良い。それにより、表示部50が、測定結果を表す画像を表示する。
【0085】
<部位形状測定方法>
次に、本発明のいずれかの実施形態に係る部位形状測定器具を用いて頭部の形状を測定する部位形状測定方法について、図1図10を参照しながら説明する。
図8図10は、本発明の一実施形態に係る部位形状測定方法を示すフローチャートである。なお、互いに独立な処理については、それらを並列に行っても良い。
【0086】
図8に示すステップS11において、図1又は図3に示すような部位形状測定器具が、被測定者の頭部に装着される。ステップS12において、部位形状測定装置の撮像部10が、部位形状測定器具が装着された頭部を撮像して、頭部の画像を表す画像データを生成する。ステップS13において、撮像部10によって生成された画像データが、画像データ格納部81に格納される。
【0087】
ステップS14において、特徴点抽出部20が、画像データ格納部81から画像データを読み出して、頭部の画像を表す画像データに画像処理を施す。それにより、特徴点抽出部20は、頭部の画像から、図1に示す部位形状測定器具の基板1の複数の基準マークを特徴点として抽出し、基板1の複数の基準マークの位置に基づいてネット状測定部2の複数の格子点を特徴点として抽出して、抽出された複数の特徴点の座標を求める。
【0088】
あるいは、特徴点抽出部20は、頭部の画像から、図3に示す部位形状測定器具の基板1aの複数の基準マークを特徴点として抽出し、基板1aの複数の基準マークの位置に基づいてキャップ状測定部2aの複数の測定マークを特徴点として抽出して、抽出された複数の特徴点の座標を求めても良い。
【0089】
ステップS15において、特徴点抽出部20が、複数の特徴点の座標をそれらの特徴点のコードに対応付けて、座標情報として座標情報格納部82に格納する。また、特徴点抽出部20は、複数の特徴点のテクスチャー(色相、明度、又は、彩度)に関する情報も、それらの特徴点のコードに対応付けて座標情報格納部82に格納する。
【0090】
ステップS16において、特徴点抽出部20が、撮像を行った回数iが所定の回数N(Nは、2以上の自然数)に達したか否かを判定する。i<Nである場合には、処理がステップS12に戻って、以前の撮像角度とは異なる撮像角度で撮像が行われる。このように、部位形状測定器具が装着された頭部を複数の異なる角度で撮像して、複数の画像を表す画像データが生成される。
【0091】
また、特徴点抽出部20は、各々の画像を表す画像データに画像処理を施すことにより、各々の画像から部位形状測定器具の基板1又は1aの複数の基準マークを特徴点として抽出し、基板1又は1aの複数の基準マークの位置に基づいて、ネット状測定部2の複数の格子点又はキャップ状測定部2aの複数の測定マークを特徴点として抽出して、複数の特徴点の座標を求める。i=Nとなった場合には、処理が、図9に示すステップS21に移行する。
【0092】
図9に示すステップS21において、3次元座標計算部30が、撮像パラメーター格納部83から撮像パラメーターを読み出すと共に、基準マーク情報格納部84から基準マーク情報を読み出しておく。
【0093】
ステップS22において、3次元座標計算部30が、座標情報格納部82に格納されている2枚の画像の座標情報を順次読み出し、撮像パラメーター格納部83から読み出された撮像パラメーターに基づいて、複数の特徴点の座標を補正する。
【0094】
ステップS23において、3次元座標計算部30が、2枚の画像における複数の特徴点の座標に基づいて、ネット状測定部2の複数の格子点の3次元座標を、逆投影誤差と共に計算する。あるいは、3次元座標計算部30は、2枚の画像における複数の特徴点の座標に基づいて、キャップ状測定部2aの複数の測定マークの3次元座標を、逆投影誤差と共に計算しても良い。
【0095】
ステップS24において、3次元座標計算部30が、ネット状測定部2の複数の格子点又はキャップ状測定部2aの複数の測定マークの3次元座標を表す3次元座標データと、逆投影誤差を表す逆投影誤差データとを対応付けて、3次元座標データ格納部85に格納する。
【0096】
ステップS25において、3次元座標計算部30が、複数の異なる角度で頭部を撮像して得られたN枚の画像から選択された2枚の画像の全ての組合せについて、3次元座標及び逆投影誤差が計算されたか否かを判定する。計算が終了していない場合には、処理がステップS22に戻る。一方、全ての組合せについて計算が終了している場合には、処理が、図10に示すステップS31に移行する。
【0097】
図10に示すステップS31において、3次元座標計算部30が、3次元座標データ格納部85から全ての3次元座標データ及び逆投影誤差データを読み出す。ステップS32において、3次元座標計算部30が、逆投影誤差が小さい順に3次元座標データを並べ替えて、その順に3次元座標データに番号jを付与する。N枚の画像から選択された2枚の画像の組合せがM通りである場合に、3次元座標データには1〜Mの番号が付される。例えば、N=5である場合には、M=10となる。
【0098】
ステップS33〜S35において、3次元座標データの番号jが小さい順に処理が行われる。ステップS33において、3次元座標データの番号jがM以下であるか否かが判定される。3次元座標データの番号jがM以下である場合には、ステップS34において、3次元座標計算部30が、高さ方向におけるネット状測定部2の複数の格子点間の最大距離を求める。あるいは、3次元座標計算部30は、高さ方向におけるキャップ状測定部2aの複数の測定マーク間の最大距離を求めても良い。
【0099】
ステップS35において、3次元座標計算部30が、高さ方向におけるネット状測定部2の複数の格子点間の最大距離又はキャップ状測定部2aの複数の測定マーク間の最大距離が所定の範囲内であるという条件を満たすか否かを判定する。この条件が満たされる場合には、処理がステップS37に移行する。一方、この条件が満たされない場合には、ステップS36において、3次元座標計算部30が、jの値を「1」だけインクリメントして、処理がステップS33に戻る。
【0100】
ステップS33において、3次元座標データの番号jがMを超えた場合には、条件を満たす3次元座標データが存在しないことになるので、処理がステップS38に移行する。ステップS38において、3次元座標計算部30が、測定が失敗した旨を表す測定結果を画像データ生成部40に出力すると、画像データ生成部40が、測定が失敗した旨を表す画像を表示部50に表示させる。その後、処理が終了する。
【0101】
一方、ステップS37においては、3次元座標計算部30が、左頭部の3次元座標データ及び右頭部の3次元座標データを選択して合成する。例えば、3次元座標計算部30は、逆投影誤差が最も小さい左頭部の3次元座標データ及び右頭部の3次元座標データを選択する。次に、3次元座標計算部30は、選択されたペアの3次元座標データの基準マーク平面が重なるように、少なくとも一方の3次元座標データの座標変換を行い、左頭部の3次元座標データと右頭部の3次元座標データとを合成する。さらに、3次元座標計算部30は、図1又は図3に示すX軸方向及びY軸方向の各々において隣り合う2つの格子点又は測定マークを結ぶ線について多項式の近似式を求め、高さ方向のZ座標を補正する。
【0102】
その後、ステップS39において、3次元座標計算部30が、ネット状測定部2の複数の格子点又はキャップ状測定部2aの複数の測定マークの3次元座標データに、座標情報格納部82から読み出されたテクスチャー(色相、明度、又は、彩度)に関する情報を追加する。
【0103】
さらに、ステップS40において、3次元座標計算部30が、図1に示すX軸方向及びY軸方向の各々において隣り合う2つの格子点を結ぶ線を複数の自由曲線に分割して(自由曲線分割)、複数の格子点の間に位置する所定数の点を補間する。あるいは、3次元座標計算部30は、図3に示すX軸方向及びY軸方向の各々において隣り合う2つの測定マークを結ぶ線を複数の自由曲線に分割して、複数の測定マークの間に位置する所定数の点を補間しても良い。それにより、3次元座標計算部30は、測定された頭部の形状を表す細分化された3次元画像データを生成する。
【0104】
ステップS41において、3次元座標計算部30が、生成された3次元画像データを3次元画像データ格納部86に格納する。また、3次元座標計算部30は、3次元画像データによって表される測定結果を画像データ生成部40に出力する。
【0105】
ステップS42において、画像データ生成部40が、3次元座標計算部30から出力される測定結果に基づいて、測定された頭部の形状を表す表示用画像データを生成して表示部50に出力する。ステップS43において、表示部50が、表示用画像データに基づいて、測定された頭部の形状を表す画像を表示する。その後、処理が終了する。
【0106】
図11は、本発明の一実施形態に係る部位形状測定装置における測定精度を示す図である。この測定においては、頭頂部を中心とした直径14cmの範囲内における頭部の形状が26回測定されて、それらの測定値がメジャーによる実測値と比較された。
【0107】
図11に示すように、測定値の最大誤差(+)は、0.10cmであり、測定値の最大誤差(−)は、−0.40cmである。また、測定値の平均誤差は、−0.17cmであり、誤差の標準偏差は、0.15cmである。このように、本実施形態によれば、精度の高い測定結果を得ることができる。
【0108】
以上説明したように、本発明の一実施形態によれば、部位形状測定器具の基板1又は1aの主面に複数の基準マークが設けられているので、部位形状測定器具が装着された部位を撮像して得られた画像から複数の基準マークを抽出することにより、それらの位置に基づいてネット状測定部2の複数の格子点又はキャップ状測定部2aの複数の測定マークを抽出して複数の画像間で対応付けることができる。また、ネット状測定部2又はキャップ状測定部2aが部位に圧力をかけることにより、髪の毛の膨らみ等の形状歪みを抑え込むことができる。その結果、持ち運び可能な小型の部位形状測定装置によって部位の形状を効率的かつ正確に測定することが可能になる。
【0109】
上記の実施形態においては、人間の頭部の形状を測定する場合について説明したが、本発明は、この実施形態に限定されるものではなく、人間の頭部以外の足や胸や腰等の部位の形状を測定する場合に適用することも可能である。このように、当該技術分野において通常の知識を有する者によって、本発明の技術的思想内で多くの変形が可能である。
【産業上の利用可能性】
【0110】
本発明は、人間の頭部等の部位の形状を測定するために用いられる部位形状測定器具や、そのような部位形状測定器具を用いて部位の形状を測定する部位形状測定装置及び部位形状測定方法等において利用することが可能である。
【符号の説明】
【0111】
1、1a…基板、2…ネット状測定部、2a…キャップ状測定部、2b、2c…凹部、3、3a…中間材、4〜7、4a〜7a…基準マーク、8…測定マーク、9…留め具、10…撮像部、20…特徴点抽出部、30…3次元座標計算部、40…画像データ生成部、50…表示部、60…操作部、70…制御部、80…格納部、81…画像データ格納部、82…座標情報格納部、83…撮像パラメーター格納部、84…基準マーク情報格納部、85…3次元座標データ格納部、86…3次元画像データ格納部
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