特許第6383433号(P6383433)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6383433バッファ状態報告(BSR)のトリガー方法及び装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6383433
(24)【登録日】2018年8月10日
(45)【発行日】2018年8月29日
(54)【発明の名称】バッファ状態報告(BSR)のトリガー方法及び装置
(51)【国際特許分類】
   H04W 92/18 20090101AFI20180820BHJP
   H04W 72/04 20090101ALI20180820BHJP
   H04W 28/06 20090101ALI20180820BHJP
【FI】
   H04W92/18
   H04W72/04 136
   H04W28/06 110
【請求項の数】10
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2016-560537(P2016-560537)
(86)(22)【出願日】2015年3月27日
(65)【公表番号】特表2017-513403(P2017-513403A)
(43)【公表日】2017年5月25日
(86)【国際出願番号】CN2015075283
(87)【国際公開番号】WO2015149657
(87)【国際公開日】20151008
【審査請求日】2016年9月30日
(31)【優先権主張番号】201410125864.6
(32)【優先日】2014年3月31日
(33)【優先権主張国】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】502012727
【氏名又は名称】電信科学技術研究院
(74)【代理人】
【識別番号】100091096
【弁理士】
【氏名又は名称】平木 祐輔
(74)【代理人】
【識別番号】100102576
【弁理士】
【氏名又は名称】渡辺 敏章
(74)【代理人】
【識別番号】100101063
【弁理士】
【氏名又は名称】松丸 秀和
(72)【発明者】
【氏名】ジャオ,ヤリ
(72)【発明者】
【氏名】ツォン,エリン
【審査官】 松野 吉宏
(56)【参考文献】
【文献】 CATT,D2D Communication Resource Allocation Mode 1,3GPP TSG-RAN WG2♯85bis R2-141195,フランス,3GPP,2014年 3月22日,Paragraph 2.2
【文献】 MediaTek,Scheduling mechanism for carrier aggregation,3GPP TSG-RAN WG2♯69bis R2-102109,フランス,3GPP,2010年 4月 2日,Paragraph 2.1
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 7/24 − 7/26
H04W 4/00 − 99/00
3GPP TSG RAN WG1−4
SA WG1−4
CT WG1、4
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
UEは、D2N MAC PDUを整理する場合パディングPaddingリソースサイズを決定するステップであって、前記D2N MAC PDUはD2Nネットワークリンクにおけるメディア接続制御層のプロトコルデータユニットである前記決定ステップと、
前記UEは、前記Paddingリソースサイズ及びD2D Padding BSR MAC CEの優先レベルに基づき、D2D Padding BSRをトリガーするか否かを判断するステップであって、前記D2D Padding BSR MAC CEはD2D通信のパディングバッファ状態報告を搬送するメディア接続制御層制御エレメントであり、前記D2D Padding BSRはD2D通信のパディングバッファ状態報告である前記判断ステップと、
を備え、
前記UEが、前記Paddingリソースサイズ及びD2D Padding BSR MAC CEの優先レベルに基づき、D2D Padding BSRをトリガーするか否かを判断するステップは、
D2D Padding BSR MAC CEの優先レベルがD2N Padding BSR MAC CEの優先レベルより低い場合、前記PaddingリソースがD2D Padding BSR及びD2N Padding BSRの搬送に十分に足りる場合、D2D Padding BSR及びD2N Padding BSRをトリガーするように決定し、前記PaddingリソースがD2N Padding BSRを伝送した後、残りリソースがD2D Padding BSRの伝送に足りない場合、D2N Padding BSRをトリガーするがD2N Padding BSRをトリガーしないように決定するステップであって、前記D2N BSRは、D2Nネットワークリンクパディングバッファ状態報告である前記決定ステップと、
D2D Padding BSR MAC CEの優先レベルがD2N Padding BSR MAC CEの優先レベルより高い場合、前記PaddingリソースがD2D Padding BSRの伝送に十分に足りる場合、D2D Padding BSRをトリガーするように決定するステップと、
を含むことを特徴とするバッファ状態報告(BSR)のトリガー方法。
【請求項2】
前記D2D Padding BSR MAC CEの優先レベルがD2N Padding BSR MAC CEの優先レベルより高い場合、前記PaddingリソースがD2D Padding BSRの伝送に十分に足りる場合、D2D Padding BSRをトリガーするように決定するステップは、
前記PaddingリソースがD2D Padding BSRを伝送した後、残りリソースがD2N Padding BSRの伝送に足りない場合、D2D Padding BSRをトリガーするがD2N Padding BSRをトリガーしないように決定するステップと、
前記PaddingリソースがD2D Padding BSR及びD2N Padding BSRの伝送に十分に足りる場合、D2D Padding BSR及びD2N Padding BSRをトリガーするように決定するステップと、
を備えることを特徴とする請求項に記載のバッファ状態報告(BSR)のトリガー方法。
【請求項3】
前記Paddingリソースサイズを決定するステップは、
前記D2N MAC PDUが位置するサブフレームにおける前記UEのアップリンクリソースから、以下のリソースを引いて、前記Paddingリソースサイズを取得するステップを備え、
D2N Padding BSRを搬送する以外の他のD2N MAC CEにより占有されたリソース、前記占有されたリソースはMACサブヘッド及びペイロードに占有されたリソースを含み、及び、
アップリンク共有制御チャネル(UL−CCCH)以外の、D2Nリンクにおけるロジカルチャネルデータに占有されたリソース、前記占有されたリソースはMACサブヘッド及びペイロードに占有されたリソースを含み、及び、
D2D Padding BSRを搬送するためのリソース以外の他のD2D MAC CEにより占有されたリソース、前記占有されたリソースはMACサブヘッド及びペイロードに占有されたリソースを含むことを特徴とする請求項1に記載のバッファ状態報告(BSR)のトリガー方法。
【請求項4】
第1優先レベル順番または第2優先レベル順番に従い、前記D2N MAC PDUが位置するサブフレームにおける前記UEのアップリンクリソースからリソースを引き、
前記第1優先レベル順番において、優先レベルの高低順は、
前記D2N Padding BSRを搬送する以外の他のD2N MAC CEにより占有されたリソース、
前記UL−CCCH以外のD2Nリンクにおけるロジカルチャネルデータに占有されたリソース、
前記D2D Padding BSRを搬送するためのリソース以外の他のD2D MAC CEにより占有されたリソース、との順番であり、
前記第2優先レベル順番において、優先レベルの高低順は、
前記D2N Padding BSRを搬送する以外の他のD2N MAC CEにより占有されたリソース、
前記D2D Padding BSRを搬送するためのリソース以外の他のD2D MAC CEにより占有されたリソース、
前記UL−CCCH以外のD2Nリンクにおけるロジカルチャネルデータに占有されたリソース、との順番であることを特徴とする請求項3に記載のバッファ状態報告(BSR)のトリガー方法。
【請求項5】
前記D2N MAC PDUに含まれるMAC CEに対応するMACサブヘッドすべては、含まれるデータユニットに対応するMACサブヘッドの前においておき、前記D2N MAC PDUにおいて、前記MAC CE及びデータユニットがMAC PDUペイロードにおけるおく順番は対応のMACサブヘッドのおく順番とマッチすることを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれか一項に記載のバッファ状態報告(BSR)のトリガー方法。
【請求項6】
D2N MAC PDUを整理する場合パディングPaddingリソースサイズを決定する決定ユニットであって、前記D2N MAC PDUはD2Nネットワークリンクにおけるメディア接続制御層のプロトコルデータユニットである前記決定ユニットと、
前記Paddingリソースサイズ及びD2D Padding BSR MAC CEの優先レベルに基づき、D2D Padding BSRをトリガーするか否かを判断する判断ユニットであって、前記D2D Padding BSR MAC CEはD2D通信のパディングバッファ状態報告を搬送するメディア接続制御層制御エレメントであり、前記D2D Padding BSRはD2D通信のパディングバッファ状態報告である前記判断ユニットと、
を備え、
前記判断ユニットは、
D2D Padding BSR MAC CEの優先レベルがD2N Padding BSR MAC CEの優先レベルより低い場合、前記PaddingリソースがD2D Padding BSR及びD2N Padding BSRの搬送に十分に足りる場合、D2D Padding BSR及びD2N Padding BSRをトリガーするように決定し、前記PaddingリソースがD2N Padding BSRを伝送した後、残りリソースがD2D Padding BSRの伝送に足りない場合、D2N Padding BSRをトリガーするがD2N Padding BSRをトリガーしないように決定し、前記D2N Padding BSRはD2Nネットワークリンクのパディングバッファ状態報告であり、
D2D Padding BSR MAC CEの優先レベルがD2N Padding BSR MAC CEの優先レベルより高い場合、前記PaddingリソースがD2D Padding BSRの伝送に十分に足りる場合、D2D Padding BSRをトリガーするように決定することを特徴とするバッファ状態報告(BSR)トリガー装置。
【請求項7】
前記判断ユニットは、
前記PaddingリソースがD2D Padding BSRを伝送した後、残りリソースがD2N Padding BSRの伝送に足りない場合、D2D Padding BSRをトリガーするがD2N Padding BSRをトリガーしないように決定し、
前記PaddingリソースがD2D Padding BSR及びD2N Padding BSRの伝送に十分に足りる場合、D2D Padding BSR及びD2N Padding BSRをトリガーするように決定することを特徴とする請求項6に記載のバッファ状態報告(BSR)トリガー装置。
【請求項8】
前記決定ユニットは、
前記D2N MAC PDUが位置するサブフレームにおける前記UEのアップリンクリソースから、以下のリソースを引いて、前記Paddingリソースサイズを取得し、
D2N Padding BSRを搬送する以外の他のD2N MAC CEにより占有されたリソース、前記占有されたリソースはMACサブヘッド及びペイロードに占有されたリソースを含み、及び、
除アップリンク共有制御チャネル(UL−CCCH)以外の、D2Nリンクにおけるロジカルチャネルデータに占有されたリソース、前記占有されたリソースはMACサブヘッド及びペイロードに占有されたリソースを含み、及び、
D2D Padding BSRを搬送するためのリソース以外の他のD2D MAC CEにより占有されたリソース、前記占有されたリソースはMACサブヘッド及びペイロードに占有されたリソースを含むことを特徴とする請求項6に記載のバッファ状態報告(BSR)トリガー装置。
【請求項9】
前記決定ユニットは、
第1優先レベル順番または第2優先レベル順番に従い、前記D2N MAC PDUが位置するサブフレームにおける前記UEのアップリンクリソースからリソースを引き、
前記第1優先レベル順番において、優先レベルの高低順は、
前記D2N Padding BSRを搬送する以外の他のD2N MAC CEにより占有されたリソース、
前記UL−CCCH以外のD2Nリンクにおけるロジカルチャネルデータに占有されたリソース、
前記D2D Padding BSRを搬送するためのリソース以外の他のD2D MAC CEにより占有されたリソース、との順番であり、
前記第2優先レベル順番において、優先レベルの高低順は、前記D2N Padding BSRを搬送する以外の他のD2N MAC CEにより占有されたリソース、
前記D2D Padding BSRを搬送するためのリソース以外の他のD2D MAC CEにより占有されたリソース、
前記UL−CCCH以外のD2Nリンクにおけるロジカルチャネルデータに占有されたリソース、との順番であることを特徴とする請求項8に記載のバッファ状態報告(BSR)トリガー装置。
【請求項10】
前記D2N MAC PDUに含まれるMAC CEに対応するMACサブヘッドすべては、含まれるデータユニットに対応するMACサブヘッドの前においておき、前記D2N MAC PDUにおいて、前記MAC CE及びデータユニットがMAC PDUペイロードにおけるおく順番は対応のMACサブヘッドのおく順番とマッチすることを特徴とする請求項6ないし請求項9のいずれか一項に記載のバッファ状態報告(BSR)トリガー装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は無線通信分野に関し、特にバッファ状態報告(BSR)のトリガー方法及び装置に関する。
【背景技術】
【0002】
未来のモバイル通信システムの発展とともに、ユーザーの需要をさらに満足させ、機器間の情報交換率を向上させるため、D2D発見(Device to Device Discovery)及びD2D通信(Device to Device Communication)メカニズムが導入されている。
【0003】
LTE(Long Term Evolution)システムにおいて、通信にはネットワーク集中制御モード、即ち、D2Nネットワーク(Device to Network)伝送モードが採用され、図1はD2N伝送のシステムアーキテクチャを示す図である。図1に示すように、UE(User`s Equipment)のUL_DLデータすべてはeNodeB(evolve NodeB)の制御に従って送受信される。UEとUE間の通信はeNodeBにより転送・制御される。よって、UEとUEには、直接の通信回線がない。
【0004】
LTE Rel-11前のバージョンにおいて、D2Nシステムアーキテクチャのバッファ状態報告(Buffer State Reporting,BSR)のトリガーメカニズムは、一般的に、標準BSR(Regular BSR)、周期BSR(Periodic BSR)及びパディングBSR(Padding BSR)を含む。
【0005】
基地局は、UEにアップリンクリソースを割り当て、当該アップリンクリソースのサイズがちょうとアップリンクデータの伝送ができるサイズであれば、BSRをトリガーしない。UEは当該アップリンクリソースにてアップリンクデータを送信する。当該アップリンクリソースがすべてのアップリンクデータの伝送に足りない場合、Regular BSRまたはPeriodic BSRを優先的に報告して、基地局は、BSRに埋め込まれたUEが必要とするアップリンクデータ量をベースとして、その後の伝送スケジューリングを行う。UEがメディア接続制御(Media Access Control,MAC)プロトコルデータユニット(Protocol Data Unit,PDU)を協調する場合、1つのMAC PDUには多くて1のBSRが含まれる。複数のBSRが同時にトリガーされる場合、最高優先レベルのBSRのみを報告する。ここで、Regular BSRの優先レベル=Periodic BSRの優先レベル>BSRの優先レベル。が含まれない。
【0006】
LTEシステムにおいて、接近する機器たちお互いにD2D Communication伝送を直接に行うことが認められている。図2はD2D伝送モードのシステムアーキテクチャを示す図である。図2に示すように、 UEとUE間の通信回線は、D2D Link(Device to Device Link)であり、UEとeNodeB間のセルラー通信回線はD2Nネットワークセルラーリンク(DeviCE to Network Link,D2Nネットワークセルラーリンク、D2N Link)である。D2D Communicationのリソース割り当てとしては、基地局によりD2D Communicationスケジューリングシグナリングを搬送するリソース及びD2D Communicationデータを搬送するリソースを割り当てる。よって、UEはD2Nセルラーリンクを介してeNodeBにD2D伝送ためのリソースをリクエストする必要がある。 D2DリソースのリクエストはD2N BSRにより実施され、また、D2DリソースのリクエストはD2N BSRと異なり、別個の動作である。
【0007】
D2D BSRのトリガーメカニズムは、D2D Regular BSR、D2D Periodic BSR及びD2D Padding BSRを含む。D2D Regular BSR及びD2D Periodic BSR場合、トリガーメカニズムは、D2N Regular BSR及びD2N Periodic BSRのトリガーメカニズムそのまま利用することができるが、D2D Padding BSRの場合、トリガーメカニズムは、D2N Padding BSRと異なり、新しいトリガーメカニズムの導入が必要となる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明に係る実施例は、BSRトリガー方法及び装置を提供し、従来にD2D Padding BSRトリガーメカニズムがない問題点を解決する。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明に係る実施例により提供されるBSRトリガー方法は、
UEはD2N MAC PDUを整理する(organize)場合Paddingリソースサイズを決定するステップであって、前記D2N MAC PDUはD2Nネットワークリンクにおけるメディア接続制御層のプロトコルデータユニットであるステップと、
前記UEは、前記Paddingリソースサイズ及びD2D Padding BSR MAC CEの優先レベルに基づき、D2D Padding BSRをトリガーするか否かを判断するステップであって、前記D2D Padding BSR MAC CEはD2D通信のパディングバッファ状態報告を搬送するメディア接続制御層制御エレメントであり、前記D2D Padding BSRはD2D通信のパディングバッファ状態報告である前記ステップと、を備える。
【0010】
本発明に係る実施例により提供されるBSRトリガー装置は、
D2N MAC PDUを整理する場合Paddingリソースサイズを決定する決定ユニットであって、前記D2N MAC PDUはD2Nネットワークリンクにおけるメディア接続制御層のプロトコルデータユニットである前記決定ユニットと、
前記Paddingリソースサイズ及びD2D Padding BSR MAC CEの優先レベルに基づき、D2D Padding BSRをトリガーするか否かを判断する判断ユニットであって、前記D2D Padding BSR MAC CEはD2D通信のパディングバッファ状態報告を搬送するメディア接続制御層制御エレメントであり、前記D2D Padding BSRはD2D通信のパディングバッファ状態報告である前記判断ユニットと、を備える。
【発明の効果】
【0011】
本発明の実施例によれば、UEはD2N MAC PDUを整理する場合Paddingリソースサイズを決定し、Paddingリソースサイズ及びD2D Padding BSR MAC CEの優先レベルに基づきD2D Padding BSRをトリガーするか否かを判断する。これによってD2D Padding BSRトリガーメカニズムを実現する。
【図面の簡単な説明】
【0012】
本発明に係る実施例の技術をより明確に説明するため、以下、実施例に利用される図面を簡単に紹介する。以下で説明する図面は本発明の一部の実施例にすぎず、当業者にとって、創造力を発揮しなくても、これらの図面により他の図面を取得することができる。
図1】は従来技術のD2N伝送モードのシステムアーキテクチャを示す図である。
図2】は従来技術のD2D伝送モードのシステムアーキテクチャを示す図である。
図3】は本発明に係る実施例のBSRトリガー方法のフローチャートである。
図4】は本発明に係る実施例のD2N Padding BSRへのトリガー要否を判断するフローチャートである。
図5】は本発明に係る実施例のD2D Padding BSR及びD2N Padding BSRへのトリガー要否を判断するフローチャートである。
図6】は本発明に係る実施例のD2D Padding BSRへのトリガー要否を判断するフローチャートである。
図7】は本発明に係る実施例の他のD2D Padding BSR及びD2N Padding BSRへのトリガー要否を判断するフローチャートである。
図8】は本発明に係る実施例のMACサブヘッドのフォーマットを示す図である。
図9】は本発明に係る実施例のBSRトリガー装置の構造図である。
図10】は本発明に係る実施例のUEの構造図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明の実施例における目的、技術方案と利点を明確にするため、以下に本発明の実施例における図と結合して本発明の実施例における技術方案の詳細を明確に、完全に説明する。当然、記載の実施例は本発明の実施例の一部に過ぎず、全ての実施例ではない。本発明における実施例に基づき、当業者は、創造性作業を行わないことを前提として、取得したその他の実施例は、本発明の保護範囲に属する。
【0014】
図3は、本発明に係る実施例のBSRトリガー方法のフローチャートであり、D2D Padding BSRのトリガーには、以下のステップを備える。
【0015】
ステップ31:UEはD2N MAC PDUを整理する場合Paddingリソースサイズを決定する。前記Paddingリソースは、D2N MAC PDUが位置するサブフレームにおけるUEに割り当てたアップリンクリソースから、前記UEにより伝送するD2Nデータ及び制御情報に占有されるリソースを引いた後の残りリソースである。
【0016】
このましくは、D2D Padding BSRへのトリガー要否を決定するのに利用されたPaddingリソースサイズは、UEがD2N MAC PDUが位置するサブフレームにおけるアップリンクリソースから以下のリソースを引いて、前記Paddingリソースサイズを取得する。
【0017】
D2N Padding BSRを搬送する以外の他のD2N MAC CEにより占有されたリソース。ここで、D2N MAC CEにより占有されたリソースはMACサブヘッド及びペイロードに占有されたリソースを含む。
【0018】
及び、UL−CCCH以外の、D2Nリンクにおけるロジカルチャネルデータに占有されたリソース。ここで、D2Nリンクにおけるロジカルチャネルデータに占有されたリソースはMACサブヘッド及びペイロードに占有されたリソースを含む。
【0019】
及び、D2D Padding BSRを搬送するためのリソース以外の他のD2D MAC CEにより占有されたリソース。ここで、D2D MAC CEにより占有されたリソースはMACサブヘッド及びペイロードに占有されたリソースを含む。
【0020】
さらに、D2N MAC PDUが位置するサブフレームにおけるUEのアップリンクリソースから、以下の第1優先レベル順番または第2優先レベル順番に従い、以下のリソースを引いて、前記Paddingリソースサイズを取得する。
【0021】
第1優先レベル順番において、優先レベルの高低順は、D2N Padding BSRを搬送する以外の他のD2N MAC CEにより占有されたリソース、UL−CCCH以外のD2Nリンクにおけるロジカルチャネルデータに占有されたリソース、D2D Padding BSRを搬送するためのリソース以外の他のD2D MAC CEにより占有されたリソース、との順番である。
【0022】
第2優先レベル順番において、優先レベルの高低順は、D2N Padding BSRを搬送する以外の他のD2N MAC CEにより占有されたリソース、D2D Padding BSRを搬送するためのリソース以外の他のD2D MAC CEにより占有されたリソース、UL−CCCH以外のD2Nリンクにおけるロジカルチャネルデータに占有されたリソース、との順番である。
【0023】
実施する場合、基地局がアップリンクサブフレームにおいて前記UEのために割り当てたリソースサイズが、前記UEが前記サブフレームにおいて伝送するD2Nデータ(対応のMACサブヘッド及びペイロードが含まれる)及び制御情報(D2N Padding BSRが含まれない)に占有されたリソースサイズより大きい場合、前記UEは、Paddingリソースが存在すると判断し、かつPaddingリソースサイズは、基地局が当該サブフレームにおいて割り当てたアップリンクリソースから、D2N Padding BSRを搬送する以外の他のD2N MAC CEにより占有されたリソース、UL−CCCH以外の、D2Nリンクにおけるロジカルチャネルデータに占有されたリソース、及びD2D Padding BSRを搬送するためのリソース以外の他のD2D MAC CEにより占有されたリソース、を引いた後の残りリソースである。
【0024】
ステップ32:UEは、Paddingリソースサイズ及びD2D Padding BSR MAC CEの優先レベルにより、D2D Padding BSRをトリガーするか否かを判断する。D2D Padding BSR MAC CEはD2D通信のパディングバッファ状態報告を搬送するメディア接続制御層制御エレメントであり、D2D Padding BSRはD2D通信のパディングバッファ状態報告であり、D2N Padding BSRはD2Nネットワークリンクのパディングバッファ状態報告である。
【0025】
このましくは、D2D Padding BSR MAC CEの優先レベルがD2N Padding BSR MAC CEの優先レベルより低い場合、ステップ31において取得したPaddingリソースがD2D Padding BSR及びD2N Padding BSRの搬送に十分であると判断する場合は、トリガーD2D Padding BSR及びD2N Padding BSRを決定する。ステップ31において取得したPaddingリソースがD2N Padding BSRを搬送した後の残りリソースがD2D Padding BSRの搬送に足りないと判断すれば、D2N Padding BSRをトリガーするがD2N Padding BSRをトリガーしないように決定する。
【0026】
たとえば、図4に示すように、PaddingリソースがD2N Padding BSR(MACサブヘッド及びペイロードが含まれる)の搬送のみに足りる場合、D2N Padding BSRをトリガーするが、D2D Padding BSRをトリガーしないように決定する。図5に示すように、PaddingリソースがD2D Padding BSR(MACサブヘッド及びペイロードが含まれる)及びD2N Padding BSR(MACサブヘッド及びペイロード含まれる)の伝送に十分であれば、D2D Padding BSR及びD2N Padding BSRをトリガーする。
【0027】
D2D Padding BSR MAC CEの優先レベルがD2N Padding BSR MAC CEの優先レベルより高い場合、ステップ31において取得したPaddingリソースがD2D Padding BSR(MACサブヘッド及びペイロードが含まれる)の伝送に十分であれば、D2D Padding BSRをトリガーするように決定する。
【0028】
さらに、上述のステップ31において取得したPaddingリソースがD2D Padding BSRを伝送した後、残りリソースがD2N Padding BSRの伝送に足りたいと判断すれば、D2D Padding BSRをトリガーするが、D2N Padding BSRをトリガーしないように決定する。上述のステップ31において取得したPaddingリソースがD2D Padding BSR(MACサブヘッド及びペイロードが含まれる)及びD2N Padding BSR(MACサブヘッド及びペイロードが含まれる)の伝送に十分に足りるとすれば、D2D Padding BSR及びD2N Padding BSRをトリガーするように決定する。
【0029】
例えば、D2D Padding BSR MAC CEの優先レベルがD2N Padding BSR MAC CEの優先レベルより高い場合、図6に示すように、PaddingリソースがD2D Padding BSR(MACサブヘッド及びペイロードが含まれる)の伝送のみに足りる場合、D2D Padding BSRをトリガーするが、D2N Padding BSRをトリガーしないように決定する。図7に示すように、PaddingリソースがD2D Padding BSR(MACサブヘッド及びペイロードが含まれる)及びD2N Padding BSR(MACサブヘッド及びペイロードが含まれる)の伝送に十分に足りる場合、D2D Padding BSR及びD2N Padding BSRをトリガーするように決定する。
【0030】
ステップ32の以後、UEはアップリンクデータをMAC PDUに整理し、かつMAC層以下のプロトコル層に提供して伝送する必要がある。UEがMAC PDUを整理する場合、D2N MAC PDUに含まれるMAC CEに対応するMACサブヘッドすべては、含まれるデータユニットに対応するMACサブヘッドの前におく必要がある。D2N MAC PDUにおいて、MAC CE及びデータユニットがMAC PDUペイロードにおけるおく順番は対応のMACサブヘッドのおく順番とマッチする。
【0031】
たとえば、MAC PDUサブヘッドには、D2N Padding BSRを搬送する以外の他のD2N MAC CEにより占有されたリソース、D2D Padding BSRを搬送するためのリソース以外の他のD2D MAC CEにより占有されたリソース、D2N Padding BSR MAC CE、D2D Padding BSR MAC CE及びD2Nデータに対応するMACサブヘッドが含まれる例において、MACサブヘッドの1つの可能なフォーマットは、図8に示すように、以下の順番に従っておいておく。D2N Padding BSRを搬送する以外の他のD2N MAC CEサブヘッド、D2D Padding BSRを搬送するためのリソース以外の他のD2DMAC CEサブヘッド、D2N Padding BSR MAC CEサブヘッド、D2D Padding BSR MAC CEサブヘッド、D2Nデータに対応するMACサブヘッド。
【0032】
本発明の上述の実施例において、UEはD2N MAC PDUを整理する場合Paddingリソースサイズを決定し、Paddingリソースサイズ及びD2D Padding BSR MAC CEの優先レベルに基づきD2D Padding BSRをトリガーするか否かを判断する。こうして、D2D Padding BSRトリガーメカニズムを実現する。
【0033】
上述の実施例と同様な思想に基づき、本発明に係る実施例は、BSRトリガー装置をさらに提供し、図9に示すように、当該装置は、決定ユニット91と、判断ユニット92とを備える。
【0034】
前記決定ユニット91は、D2N MAC PDUを整理する場合Paddingリソースサイズを決定する。前記D2N MAC PDUはD2Nネットワークリンクにおけるメディア接続制御層のプロトコルデータユニットである。
【0035】
前記判断ユニット92は、前記Paddingリソースサイズ及びD2D Padding BSR MAC CEの優先レベルに基づき、D2D Padding BSRをトリガーするか否かを判断する。前記D2D Padding BSR MAC CEはD2D通信のパディングバッファ状態報告を搬送するメディア接続制御層制御エレメントであり、前記D2D Padding BSRはD2D通信のパディングバッファ状態報告である。
【0036】
このましくは、前記判断ユニット92は、D2D Padding BSR MAC CEの優先レベルがD2N Padding BSR MAC CEの優先レベルより低い場合、前記PaddingリソースがD2D Padding BSR及びD2N Padding BSRの搬送に十分に足りる場合、D2D Padding BSR及びD2N Padding BSRをトリガーするように決定する。前記PaddingリソースがD2N Padding BSRを伝送した後、残りリソースがD2D Padding BSRの伝送に足りない場合、D2N Padding BSRをトリガーするがD2N Padding BSRをトリガーしないように決定する。前記D2N Padding BSRはD2Nネットワークリンクのパディングバッファ状態報告である。D2D Padding BSR MAC CEの優先レベルがD2N Padding BSR MAC CEの優先レベルより高い場合、前記PaddingリソースがD2D Padding BSRの伝送に十分に足りる場合、D2D Padding BSRをトリガーするように決定する。
【0037】
このましくは、前記判断ユニット92は、前記PaddingリソースがD2D Padding BSRを伝送した後、残りリソースがD2N Padding BSRの伝送に足りない場合、D2D Padding BSRをトリガーするがD2N Padding BSRをトリガーしないように決定する。前記PaddingリソースがD2D Padding BSR及びD2N Padding BSRの伝送に十分に足りる場合、D2D Padding BSR及びD2N Padding BSRをトリガーするように決定する。
【0038】
このましくは、前記決定ユニット91は、前記D2N MAC PDUが位置するサブフレームにおける前記UEのアップリンクリソースから、以下のリソースを引いて、前記Paddingリソースサイズを取得する
◎ D2N Padding BSRを搬送する以外の他のD2N MAC CEにより占有されたリソース、前記に有されたリソースはMACサブヘッド及びペイロードに占有されたリソースを含む。
【0039】
◎ 及び、アップリンク共有制御チャネル(UL−CCCH)以外、D2Nリンクにおけるロジカルチャネルデータに占有されたリソース、前記占有されたリソースはMACサブヘッド及びペイロードに占有されたリソースを含む。
【0040】
◎ 及び、D2D Padding BSRを搬送するためのリソース以外の他のD2DMAC CEにより占有されたリソース、前記占有されたリソースはMACサブヘッド及びペイロードに占有されたリソースを含む。
【0041】
このましくは、前記決定ユニット91は、第1優先レベル順番または第2優先レベル順番に従い、前記D2N MAC PDUが位置するサブフレームにおける前記UEのアップリンクリソースからリソースを引く。前記第1優先レベル順番において、優先レベルの高低順は、前記D2N Padding BSRを搬送する以外の他のD2N MAC CEにより占有されたリソース、前記UL−CCCH以外のD2Nリンクにおけるロジカルチャネルデータに占有されたリソース、前記D2D Padding BSRを搬送するためのリソース以外の他のD2D MAC CEにより占有されたリソース、との順番である。前記第2優先レベル順番において、優先レベルの高低順は、前記D2N Padding BSRを搬送する以外の他のD2N MAC CEにより占有されたリソース、前記D2D Padding BSRを搬送するためのリソース以外の他のD2D MAC CEにより占有されたリソース、前記UL−CCCH以外のD2Nリンクにおけるロジカルチャネルデータに占有されたリソース、との順番である。
【0042】
このましくは、前記D2N MAC PDUに含まれるMAC CEに対応するMACサブヘッドすべては、含まれるデータユニットに対応するMACサブヘッドの前においておく。前記D2N MAC PDUにおいて、前記MAC CE及びデータユニットがMAC PDUペイロードにおけるおく順番は対応のMACサブヘッドのおく順番とマッチする。
【0043】
本発明の他の実施例はUEをさらに提供する。前記UEは本発明の上述の実施例のフローチャートを実施できる。図10に示すように、前記UEは、送受信機101と、メモリ102と、プロセッサ103とを備える。
【0044】
前記送受信機101は実ニーズに応じてベースバンド処理コンポーネントと、無線周波数処理コンポーネントなどの機器を備えることができ、関連情報を伝送する。
【0045】
前記メモリ102は、1つまた複数の実行可能なプログラムを実行し、前記プロセッサの設定に用いられる。
【0046】
前記プロセッサ103は、1つまたは複数の実行可能なプログラムが設定されており、前記1つまたは複数の実行可能なプログラムは、整理D2N MAC PDU時Paddingリソースサイズを決定する方法を実行する。前記D2N MAC PDUはD2Nネットワークリンクにおけるメディア接続制御層のプロトコルデータユニットである。そして、前記Paddingリソースサイズ及びD2D Padding BSR MAC CEの優先レベルに基づき、D2D Padding BSRをトリガーするか否かを判断する。前記D2D Padding BSR MAC CEはD2D通信のパディングバッファ状態報告を搬送するメディア接続制御層制御エレメントである。前記D2D Padding BSRはD2D通信のパディングバッファ状態報告である。
【0047】
本発明の実施形態の方法、装置(システム)、およびコンピュータプログラム製品のフロー図および/またはブロック図によって、本発明を記述した。理解すべきことは、コンピュータプログラム指令によって、フロー図および/またはブロック図における各フローおよび/またはブロックと、フロー図および/またはブロック図におけるフローおよび/またはブロックの結合を実現できる。プロセッサはこれらのコンピュータプログラム指令を、汎用コンピュータ、専用コンピュータ、組込み式処理装置、或いは他のプログラム可能なデータ処理装置設備の処理装置器に提供でき、コンピュータ或いは他のプログラム可能なデータ処理装置のプロセッサは、これらのコンピュータプログラム指令を実行し、フロー図における一つ或いは複数のフローおよび/またはブロック図における一つ或いは複数のブロックに指定する機能を実現する。
【0048】
これらのコンピュータプログラム指令はコンピュータまたは他のプログラム可能なデータ処理装置に格納されて、コンピュータまたは他のプログラム可能な装置において一連の動作ステップを実施してコンピュータ処理を実現する。これによって、コンピュータ或他のプログラム可能な装置において実行する指令を実行し、フロー図における一つ或いは複数のフローおよび/またはブロック図における一つ或いは複数のブロックに指定する機能のステップを実現する。
【0049】
上述した実施形態に記述された技術的な解決手段を改造し、或いはその中の一部の技術要素を置換することもできる。そのような、改造と置換は本発明の各実施形態の技術の範囲から逸脱するとは見なされない。
【0050】
無論、当業者によって、上述した実施形態に記述された技術的な解決手段を改造し、或いはその中の一部の技術要素を置換することもできる。そのような、改造と置換は本発明の各実施形態の技術の範囲から逸脱するとは見なされない。そのような改造と置換は、すべて本発明の請求の範囲に属する。
【0051】
本出願は、2014年3月31日に中国特許局に提出し、出願番号が201410125864.6であり、発明名称が「バッファ状態報告(BSR)のトリガー方法及び装置」との中国特許出願を基礎とする優先権を主張し、その開示の総てをここに取り込む。
図1
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図5
図6
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図8
図9
図10