(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記カバーセクションの前記ベント開口部が、少なくとも、第1の内径の第1のサイズの開口部と、前記第1の内径よりも小さい第2の内径の第2のサイズの開口部とを含み、
少なくとも、前記第1のサイズの開口部の第1のグループが、前記第2のサイズの開口部の第2のグループよりも、前記カバーセクションの中心からさらに離れているように配列される、
請求項1に記載のデバイス。
【背景技術】
【0004】
人間に虫刺されからの防護を提供するために様々な技術が開発されてきた。建物内での昆虫制御に対しては、昆虫が建物内に全く入らないようにすること(たとえば、窓にスクリーンをかけること)に主に重点が置かれる。このことは、時には、室内空気の化学的処理及び/又はトラップの使用で補われている。たとえば、米国特許第6,582,714,号、米国特許第7,175,815号、及び米国特許第7,621,511号、並びに、米国特許出願公開第2005/0079113号、米国特許出願公開第2006/0039835号、及び米国特許出願公開第2006/0137241号を参照されたい。
【0005】
実効的にスクリーンをかけることができない区域である屋外に人がいるとき、及び、人が特定の区域にほぼとどまっているときには(たとえば、ピクニックにおいて、又は、建物の近くの中庭にいるとき)、主にトラップや区域防虫剤に焦点が当てられる。
【0006】
代替的には、人が、自身が管理する単一の区域から離れて動いているときには、人は、しばしば、衣類に、或いは直接自分の皮膚に個人用の防虫剤をかける。しかしながら、自分の皮膚又はデリケートな衣類に防虫剤を直接かけることには抵抗感がある消費者もいる。
【0007】
その結果、ファン及び殺虫源を有する持ち運び可能な電気デバイスが開発された。これらデバイスは、これらをベルト、小物入れ、さらにはポケットに簡単に装着することができるように、したがって、消費者が屋外で移動するときに「着用(worn)」することができるように、クリップを有していることがある。本デバイスは、防虫剤又は他の空気処理薬剤を含浸した基材を通して空気を吸い込み、或いは基材を通過させて空気を吹き出すことができ、それによって、活性物質が、空気中に、好ましくは(防虫剤の場合には)人間の衣類の外面に沿って放出される。たとえば、米国特許第6,926,902号、米国特許第7,007,861号、米国特許第7,152,809号、及び米国特許第7,168,630号、並びに米国特許出願公開第2009/0060799号を参照されたい。
【0008】
しかしながら、いくつかのこのようなデバイスは、活性物質を人体から遠くに吹き飛ばしすぎ、活性物質が主要な関心の場所(たとえば、足首の近く)にほとんど届かないことがある。他のこのようなデバイスは、たとえば、使用と次の使用との間にブロワーの動作が中断している間などに、活性物質の浪費を最小限に抑えるための方法を提供するものではない。さらに他のこのようなデバイスは、コストが高すぎ、重すぎ、或いは他の欠陥を有する。
【0009】
上記のデバイスの欠陥は、米国特許第7,892,487号、米国特許第7,833,492号、米国特許第7,917,018号、及び米国特許第8,524,158号、並びに米国特許出願公開第2011/0038761号に記載されるウェアラブル薬剤ディスペンサにより対処されてきた。しかしながら、依然として、特に、(i)防虫剤又は他の空気処理薬剤を含浸させた基材を交換する必要がある旨の指示をユーザに提供すること、(ii)リフィル基材がデバイスに正しく配置されていることを保証すること、(iii)高いエネルギー効率で空気処理薬剤の分散を一様にすること、及び(iv)表面にディスペンサを配置してするための、又はディスペンサを懸下するための手段をユーザに提供することという点に関して、このタイプの製品をさらに改善することが望ましい。
【0010】
したがって、依然として、これらの分野においてウェアラブル薬剤ディスペンサを改善する必要がある。
【発明の概要】
【0012】
1つの実施形態では、空気処理薬剤を放出するためのウェアラブルデバイスが提供される。本デバイスは、円形ハウジングであって、ハウジングの内部空間に空気が入ることを可能にするための吸入口、及び、ハウジングの周囲に実質的に360度に離間している複数の吐出口を含み、吐出口は、空気処理薬剤と混合した空気が内部空間から出ることを可能にする。本デバイスは、ハウジングのスロットを介して、ハウジングに配置されるように寸法が決定された基材を含む。基材は、空気処理薬剤を担持する。ハウジング内に、遠心ファンが装着される。ファンは、基材に隣接する吸入口から空気を移動させることが可能であり、それにより、移動している空気へと空気処理薬剤を混合し、次いで、空気と空気処理薬剤との混合物を、吐出口を通してハウジングの外側に送達する。本デバイスの1つのバージョンでは、吸入口は、複数の離間したアパーチャを含む第1のセクションと、複数の離間したベント開口部を含むカバーセクションとを備え、カバーセクションは、第1のセクションの複数の離間したアパーチャをカバーセクションが覆う第1の位置から、カバーセクションの複数の離間したベント開口部が、第1のセクションの複数の離間したアパーチャと少なくとも部分的に整列している第2の位置まで移動可能である。
【0013】
本デバイスの別のバージョンでは、ハウジング内に、電源及びモータが装着される。モータは、電源により電力供給され、モータにファンが接続される。電源は、電池を含み、モータは、電池が完全に充電されたときにデバイスの電力が50ミリワット以上になるような電流ドローを有する。
【0014】
本デバイスの別のバージョンでは、カバーセクションのベント開口部は、少なくとも、第1の内径の第1のサイズの開口部と、前記第1の内径よりも小さい第2の内径の第2のサイズの開口部とを含み、少なくとも、第1のサイズの開口部の第1のグループは、第2のサイズの開口部の第2のグループよりも、カバーセクションの中心からさらに離れているように配列される。
【0015】
本デバイスの別のバージョンでは、カバーセクションのベント開口部は、複数のサイズの開口部を含み、最大内径を有するサイズの開口部は、カバーセクションの中心とカバーセクションの外周との間のほぼ中間に配列される。
【0016】
本デバイスの別のバージョンでは、ハウジングの外側壁に、クリップが回転可能に接続され、クリップは、ハウジングに関して360度回転する構造を有する。クリップは、スロットを含み得る。
【0017】
さらに別の実施形態では、空気処理薬剤を放出するためのウェアラブルデバイスで使用するように適合されたリフィルが提供される。本ウェアラブルデバイスは、ハウジングであって、ハウジングの内部空間に空気が入ることを可能にする吸入口、及び、空気処理薬剤と混合した空気が内部空間から出ることを可能にする吐出口を備える、ハウジングを含む。本リフィルは、ハウジングのスロットを介して、ハウジングに配置されるように寸法決定された基材を含む。基材は、第1の端部、第1の端部に対向する第2の端部、第1の側部、及び第1の側部に対向する第2の側部を有し、基材は、空気処理薬剤を担持する。基材の第2の側部は、基材が、ハウジング中で使用するために配置されたときに、基材の第1の端部がスロットの開口部から離れるように向き、基材の第2の側部が吸入口に向くようにスロットの整列構造と協働する整列プロファイル含む。
【0018】
本リフィルの1つのバージョンでは、整列プロファイルは、基材の第1の端部に隣接する外側壁のセクションのノッチにより部分的に画定される。
【0019】
本リフィルの1つのバージョンでは、整列プロファイルは、基材の第2の端部に隣接する基材の第2の側部から離れるように延びるタブにより部分的に画定される。
【0020】
本リフィルの1つのバージョンでは、スロットの整列構造は、吸入口から離れるように延びる停止リブを備える。基材の第1の端部がハウジングの内部空間へと向き、基材の第2の側部が吸入口に向いた状態で、基材がスロットの開口部に挿入されたときに、ノッチは、停止リブを越えて移動する。
【0021】
さらに別の実施形態では、空気処理薬剤を放出するためのウェアラブルデバイスが提供される。本デバイスは、ハウジングであって、ハウジングの内部空間に空気が入ることを可能にするための吸入口、及び、空気処理薬剤と混合した空気が内部空間から出ることを可能にする吐出口を備える、ハウジングを含む。ハウジング内に基材が配置され、基材は、空気処理薬剤を担持する。ハウジング内に電源が装着され、ハウジング内にモータが装着される。モータは、電源により電力供給される。ハウジング内にファンが装着され、モータに接続される。ファンは、基材に隣接する吸入口から空気を移動させることが可能であり、それにより、移動している空気へと空気処理薬剤を混合し、次いで、空気と空気処理薬剤との混合物を、吐出口を通してハウジングの外側に送達する。本デバイスは、モータをアクティブ化及び非アクティブ化させるためのスイッチを含む。ハウジングの上側セクションは、ハウジングの下側セクションに回転可能に結合され、ハウジングの上側セクションは、スイッチに接触し、モータをアクティブ化するために回転可能である。
【0022】
本デバイスの1つのバージョンでは、ハウジングの上側セクションは、ハウジング内に基材を配置するための第1の位置を有し、ハウジングの上側セクションは、ハウジング内に基材を固定するための第2の位置を有し、ハウジングの上側セクションは、スイッチに接触するための第3の位置を有する。
【0023】
本デバイスは、スイッチ及び基材の有効寿命インジケータと電気的に接続しているコントローラをさらに含み得る。コントローラは、スイッチからの信号に基づいてインジケータをアクティブ化するために、内蔵プログラムを実行する。
【0024】
本デバイスの1つのバージョンでは、コントローラは、(i)スイッチが接触したときにカウントデバイスの値を調整し、(ii)カウントデバイスの値が所定値に等しいときにインジケータをアクティブ化するために、内蔵プログラムを実行する。
【0025】
本デバイスは、ハウジング内に配置されたアクチュエータであって、基材がハウジング内に配置されたときに、基材がアクチュエータを作動させる、アクチュエータと、スイッチ、アクチュエータ及び基材の有効寿命インジケータと電気的に接続しているコントローラとをさらに備える。コントローラは、(i)基材がアクチュエータを作動させたときにカウントデバイスの値の調整を開始し、(ii)モータがアクティブ化したときにカウントデバイスの値を調整し、(iii)カウントデバイスの値が所定値に等しいときに記インジケータをアクティブ化するために、内蔵プログラムを実行する。カウントデバイスは、第1のタイマー及び第2のタイマーを含み、アクチュエータの作動により、第1のタイマーが始動し、モータのアクティブ化により、第2のタイマーが始動する。カウントデバイスの値は、第1のタイマーからの第1のタイミング信号及び第2のタイマーからの第2のタイミング信号に基づいて調整され得る。
【0026】
さらに別の実施形態では、空気処理薬剤を放出するためのウェアラブルデバイスが提供される。本デバイスは、ハウジングであって、ハウジングの内部空間に空気が入ることを可能にするための吸入口、及び、空気処理薬剤と混合した空気が内部空間から出ることを可能にする吐出口を備える、ハウジングと、ハウジング内に配置された基材であって、基材が空気処理薬剤を担持する、基材と、ハウジング内に装着された電源とを含む。本デバイスは、ハウジング内に装着されたモータであって、モータが、電源により電力供給される、モータと、ハウジング内に装着され、モータに接続されるファンであって、ファンが、基材に隣接する吸入口から空気を移動させることが可能であり、それにより、移動している空気へと空気処理薬剤を混合し、次いで、空気と空気処理薬剤との混合物を、吐出口を通してハウジングの外側に送達する、ファンと、基材がハウジング内に配置されたときに基材がアクチュエータを作動させるように、ハウジング内に配置されたアクチュエータとをさらに含む。本デバイスはまた、アクチュエータ、ファンをアクティブ化及び非アクティブ化するためのスイッチ、並びに基材の有効寿命インジケータと電気接続されたコントローラを含み、コントローラは、アクチュエータ及び/又はスイッチからの信号に基づいてインジケータをアクティブ化するために、内蔵プログラムを実行する。
【0027】
1つの態様では、ハウジングの上側セクションは、ハウジングの上側セクションがファンをアクティブ化するために回転できるように、ハウジングの下側セクションに回転可能に結合される。別の態様では、スイッチは、第2のアクチュエータと、ハウジングの上側セクション上の突起を備え、突起がアクチュエータに接触して、ファンをアクティブ化する。さらに別の態様では、コントローラは、多くの目的を達成するために、内部プログラムを実行する。第1に、プログラムは、基材がアクチュエータを作動させたときにカウントデバイスの値の調整を開始する。第2に、プログラムは、ファンがアクティブ化したときにカウントデバイスの値を調整する。第3に、プログラムは、カウントデバイスの値が所定値に等しいときにインジケータをアクティブ化する。
【0028】
さらに別の態様では、カウントデバイスは、第1のタイマー及び第2のタイマーを含み、アクチュエータの作動により、第1のタイマーが始動し、ファンのアクティブ化により、第2のタイマーが始動する。1つの態様では、カウントデバイスの値は、第1のタイマーからの第1のタイミング信号及び第2のタイマーからの第2のタイミング信号に基づいて調整される。別の態様では、カウントデバイスの値は、基材のパッシブリリースレートに基づく。さらに別の態様では、カウントデバイスの値はさらに、基材のアクティブリリースレートに基づく。
【0029】
1つの態様では、インジケータは、可聴インジケータ、視覚インジケータ及び/又は物理的インジケータである。別の態様では、インジケータは、視覚インジケータである。
【0030】
さらに別の実施形態では、空気処理薬剤を放出するためのウェアラブルデバイスが提供される。本デバイスは、ハウジングであって、ハウジングの内部空間に空気が入ることを可能にするための吸入口、及び、空気処理薬剤と混合した空気が内部空間から出ることを可能にする吐出口を備える、ハウジングと、ハウジング内に配置された基材であって、基材が空気処理薬剤を担持する、基材と、ハウジング内に装着された電源とを含む。本デバイスは、ハウジング内に装着されたモータであって、モータが、電源により電力供給される、モータと、ファンが、基材に隣接する吸入口から空気を移動させることが可能であり、それにより、移動している空気へと空気処理薬剤を混合し、次いで、空気と空気処理薬剤との混合物を、吐出口を通してハウジングの外側に送達するように、ハウジング内に装着され、モータに接続されるファンと、ファンをアクティブ化及び非アクティブ化するためにスイッチと電気的に接続しているコントローラとをさらに含む。本デバイスはまた、基材の有効寿命インジケータを含み、コントローラは、スイッチからの信号に基づいてインジケータをアクティブ化するために、内蔵プログラムを実行する。ハウジングの上側セクションは、ハウジングの上側セクションがファンをアクティブ化するために回転するように、ハウジングの下側セクションに回転可能に結合される。
【0031】
1つの態様では、ハウジングの上側セクションは、ハウジング内に基材を配置するための第1の位置、ハウジング内に基材を固定するための第2の位置、及びファンをアクティブ化するための第3の位置を有する。別の態様では、基材がハウジング内に配置されたときに、基材がアクチュエータを作動させるように、ハウジング内にアクチュエータが配置される。さらに別の態様では、スイッチは、第2のアクチュエータと、ハウジングの上側セクション上の突起を備え、突起がアクチュエータに接触して、ファンをアクティブ化する。
【0032】
さらに別の態様では、コントローラは、多くの目的を達成するために、内部プログラムを実行する。第1に、プログラムは、基材がアクチュエータを作動させたときにカウントデバイスの値の調整を開始する。第2に、プログラムは、ファンがアクティブ化したときにカウントデバイスの値を調整する。第3に、プログラムは、カウントデバイスの値が所定値に等しいときにインジケータをアクティブ化する。1つの態様では、カウントデバイスは、第1のタイマー及び第2のタイマーを含み、アクチュエータの作動により、第1のタイマーが始動する一方で、ファンのアクティブ化により、第2のタイマーが始動する。別の態様では、カウントデバイスの値は、第1のタイマーからの第1のタイミング信号及び第2のタイマーからの第2のタイミング信号に基づいて調整される。さらに別の態様では、カウントデバイスの値は、基材のパッシブリリースレートに基づく。1つの態様では、カウントデバイスの値はさらに、基材のアクティブリリースレートに基づく。別の態様では、インジケータは、可聴インジケータ、視覚インジケータ及び/又は物理的インジケータである。
【0033】
さらに別の実施形態では、空気処理薬剤を放出するための方法が提供される。本方法は、ハウジングを含むデバイスを提供するステップを含む。ハウジングは、ハウジングの下側ハウジングセクションと、下側ハウジングに回転可能に結合された上側ハウジングセクションと、ハウジングの内部空間に空気が入ることを可能にするための吸入口と、空気処理薬剤と混合した空気が内部空間から出ることを可能にする吐出口とを有する。デバイスはまた、ハウジング内に装着された電源と、ハウジング内に装着されたモータであって、モータが、電源により電力供給される、モータと、ハウジング内に装着され、モータに接続されるファンであって、ファンが、基材に隣接する吸入口から空気を移動させることが可能であり、それにより、移動している空気へと空気処理薬剤を混合し、次いで、空気と空気処理薬剤との混合物を、吐出口を通してハウジングの外側に送達する、ファンとを含む。本方法は、第1の位置において、上側ハウジングセクションを有するハウジング内に、空気処理薬剤を担持する基材を配置するステップと、ハウジング内で基材を固定するために、第1の位置から第2の位置まで上側ハウジングセクションを回転させるステップと、ファンをアクティブ化するために、第2の位置から第3の位置まで上側ハウジングを回転させるステップとさらに含む。
【0034】
本発明の利点は、デバイスのユーザがリフィルユニットを簡単に装着し、リフィルユニットを固定して、ファンをオン及びオフして、ディスペンサを動作させることを可能にするために、回転するスライドカバーを有するウェアラブル薬剤ディスペンサを提供することである。
【0035】
本発明のさらなる利点は、ディスペンサに組み込まれるアクチュエータのセットを提供することである。アクチュエータは、リフィルユニットの有効寿命が満了したときにユーザに知らせるように構成され得る。アクチュエータは、新しいリフィルユニットが装着されたとき、並びに、ファンがオンのときを感知することができる。リフィルユニット中の薬剤に関連付けられたアクティブリリースレートデータ及びパッシブリリースレートデータに基づいて、いつリフィルユニットを交換するべきかについて、ユーザに指示することができる。本発明のさらなる利点は、アクチュエータに関連付けられた信号に基づいてユーザに指示を伝達するのに役立つ、LEDのような有効寿命インジケータを含むことである。
【0036】
以下の詳細な説明、図面及び特許請求の範囲を考慮すると、本発明のこれら及び他の利点がよりよく理解されるであろう。
【発明を実施するための形態】
【0038】
ウェアラブル薬剤ディスペンサ18の非限定的な例を
図1〜
図16に示す。1つの実施形態では、ディスペンサ18は、ディスペンサ18に収容された交換可能なカートリッジ44(以下、「リフィルユニット」)から、防虫剤のような薬剤を放出するための持ち運び可能なファンベースのデバイスである。さらに、ディスペンサ18は、ユーザの衣類(たとえば、ベルト)にクリップ110を用いて取り付けることができ、ディスペンサの前面でスライドカバー30を回転させることによって動作させる。スライドカバー30は、(i)ディスペンサ18にリフィルユニット44を挿入する/配置するための「装着(load:ロード)」設定、(ii)ディスペンサ18中にリフィルユニット44を固定するための「ロック」設定、及び(iii)リフィルユニット44に薬剤をアクティブに放出するためにファン60を動作させるための「オン」設定を含む3つの設定の間で回転することができる。
【0039】
ディスペンサ18の1つの特徴は、有効寿命インジケータ49である。リフィルユニット44の有効寿命は、部分的には、リフィルユニット44中の薬剤が放出されるパッシブレート(受動レート)及びアクティブレート(能動レート)によって判断されることが了解できる。1つの態様では、パッシブリリースレート(受動放出レート)は、ファン60がオフであり、ディスペンサ18が動作中ではない(すなわち、オフである)ときにリフィルユニット44から薬剤がリリースされるレートとして定義することができる。別の態様では、アクティブリリースレート(能動放出レート)は、ファン60がオンであり、ディスペンサ18が動作中である(すなわち、オンである)ときにリフィルユニット44から薬剤がリリースされるレートとして定義することができる。1つの例では、有効寿命インジケータ49はLEDであり、リフィルユニット44を交換すべき(たとえば、リフィルユニット44中に残っている防虫剤の量が、昆虫を追い払うにはもはや有効ではない)ときに、ユーザに知らせるために点灯する。リフィルユニット44の有効寿命は、ディスペンサ18に収容された2つのアクチュエータを用いて判断される。第1のアクチュエータは、リフィルスイッチアクチュエータ36であり、リフィルユニット44が装着されるとトリガーされる。第2のアクチュエータは、オン/オフスイッチアクチュエータ56であり、スライドカバー30が「オン」位置へと回転するとトリガーされる。1つの態様では、リフィルスイッチアクチュエータは、リフィルユニットからの薬剤のパッシブリリースレートを考慮し、オン/オフスイッチアクチュエータは、リフィルユニットから薬剤のレートのアクティブリリースを考慮する。
【0040】
図1〜
図5及び
図10は、組み付けられたウェアラブル薬剤ディスペンサ18の図を示す。ウェアラブル薬剤ディスペンサ18は、上側ハウジングセクション20上に配設されたスライドカバー30を含む(
図8及び
図9を参照)。スライドカバー30及び上側ハウジング20は、上側壁28、23から延びた概ね球面のセグメントを特徴とする側壁29、22をそれぞれ有する。使用時には、スライドカバー30の上側壁28は、典型的には前方に配設され、上側ハウジング20と組み合わせて前面カバーとして働く。複数の離間したアパーチャ24が、上側ハウジングセクション20の上側壁23に径方向に配列される。アパーチャ24は、ウェアラブル薬剤ディスペンサ18の内部空間に空気が入ることを可能にするための吸入口を提供する。
【0041】
また、スライドカバー30は、上側壁28に径方向に配列された複数の離間したアパーチャ31を備えている。アパーチャ31は、上側ハウジング20の上側壁23のアパーチャ24と整列させたときに、ウェアラブル薬剤ディスペンサ18の内部空間に空気が入ることを可能にするための吸入口を提供する。スライドカバー30のさらなる態様は、上側ハウジング20の半円形スロット27を通って延びるカム突起32である(
図9を参照)。スライドカバー30は、スライドカバー30が上側ハウジングセクション20に対して回転することができるように、上側ハウジングセクション20に結合される。スライドカバー30は、「装着」位置、「ロック」位置、及び「オン」位置を含む3つの特徴のある位置の間で回転することができる。「ロック」位置では、スライドカバー30は、上側ハウジングセクション20の上側壁23に径方向に配列されたアパーチャ24を遮蔽する。「オン」位置では、スライドカバー30の開口部31は、上側ハウジングセクション20の上側壁23に径方向に配列されたアパーチャ24と整列している。
【0042】
図10に示すように、リフィルユニット44は、ウェアラブル薬剤ディスペンサ18を備えている。上側ハウジングセクション20とフレーム50とを組み付けると(たとえば、
図6〜
図7参照)、内部空間を有するハウジングが形成される。「ローディング」位置では、スライドカバー30と上側ハウジング20とが整列して、ウェアラブルディスペンサ18中の内部空間へ装着するためにリフィルユニット44を通すことができるリフィル装着スロット33が形成される。スライドカバー30が、「ロック」位置又は「オン」位置のいずれかまで方向Rに回転すると、スライドカバー30の側壁29の一部分が、装着スロット33の上に配置される(したがって、装着スロット33へのアクセスを妨げる)。
【0043】
図10に示すように、リフィルユニット44は、概ね平板上の支持構造45を有する。平面図では、リフィルユニット44の全体的な外観は、基本的に、一端が概ね円形の部分であり、もう一端が概ね三角形の部分である洋ナシ形状をしている。リフィルユニット44を貫通する円形開口部を横切ってスポーク支持部47がある。スポーク支持部47にわたって布製の基材48が配置される。空気を吸い込むと、空気は、布製の基材48を通過する。布の選択及びその空隙率、空気流の速度、並びに活性成分の蒸気圧は、活性物質を使い果たす速度を、底部カバー102の窓25を通じて見える有効寿命インジケータ49(
図4〜
図5及び
図7〜
図8を参照)をアクティブ化するためのカウンタに同調させる際の主要な因子である。非限定的な例示的リフィルユニットは、12時間のアクティブ使用寿命(すなわち、ファンオン)を有する。インジケータ49は、リフィルユニットの有効寿命の満了時に、ウェアラブルディスペンサ18のユーザにアラートを提供するように設計される。インジケータ49をいつアクティブ化するべきか判定するための方法について以下に詳細に説明する。
【0044】
適切な空気処理薬剤を布製の基材48に含浸させることによって、ディスペンサに入る空気は、揮発性薬剤の一部をとらえ、それをディスペンサから放出する。0.2ミリグラム/時(mg/hr)以上のアクティブリリースレートが好ましい。特に、好適な活性成分は、メトフルトリン、トランスフルトリン、プラレトリン、ベイポスリン、テフルトリン、及びエスビオスリン、或いは他の合成ピレスロイドである。含浸材料は、純粋な活性物質とすることができ、或いは、処理しやすいように、炭化水素又は他の溶剤に含浸材料を溶解してもよい。代替的に、又はそれに加えて、布はまた、香料、脱臭剤又は他の空気処理薬剤を担持することができる。基材上の圧力降下が40パスカル(Pa)以下となるように構成された布製の基材48を有することが好ましい。好適な布は、空気流に対する抵抗を最小限に抑える織布材料又は不織布材料で作製することができる。
【0045】
布製の基材48は、材料上にドーズされた活性成分を保持することも可能でなければならず、また、吸気流に応じた蒸発が可能になるように、表面への活性物質の移動の準備も可能でなければならない。好適な材料には、単に例として、ポリエステル、ポリプロピレン、綿、セルロース、ポリレーヨン及び他の同様の布が含まれる。これらは、合成ポリマー材料、天然ポリマー材料、又は合成と天然の混合のポリマー材料で製造された、10グラム/平方メートル(g/m
2)から40グラム/平方メートル(g/m
2)の範囲の坪量の不織布とすることができる。
【0046】
また、理想的な布製の基材48は、基材全体にわたる効率的な分布を保証するように、ドーズの後に活性成分のウィッキングを可能にし、その後、蒸発する活性成分を、通過する空気流によって補給するために、基材表面への活性成分の移行を可能にしなければならない。ドーズは、基材への液体活性成分の滴下、噴霧、プリント、又は他の従来の吐出によるものであり得る。特に望ましい布は、ポリエチレンテレフタレートから製造された、20〜30g/m
2の坪量の不織布フェルト材料である。
【0047】
ウェアラブル薬剤ディスペンサ18のリフィルユニット44の下方に、フレーム50が配置される。フレーム50の外周は、概ね円形であり、リフィルユニット44を支持する(
図8を参照)。リフィルユニット44の板状部分43は、リフィルユニット44の円形部分よりも薄いことを留意されたい。板状部分43は、フレーム50の上側の隆起特徴部51の上を通り、それによって、消費者がリフィルユニット44をディスペンサ18に不正確に装着することを防止するように設計される。さらに、リフィルユニット44の板状部分43は、ウェアラブルディスペンサ18内に配置されたリフィルスイッチアクチュエータ36を作動させるように設計される。リフィルスイッチアクチュエータ36とのリフィルユニット44の板状部分43の間の相互作用を
図11〜
図12に示す。リフィルスイッチアクチュエータ36は、ウェアラブルディスペンサ18へと方向Dに移動させることによってリフィルユニット44を装着したときに、第1の端部39aがリフィルユニット44の板状部分43に接触するように配置される。アクチュエータ36の第2の端部39bは、シャーシ80中に配置された触知性スイッチ37に接触している。リフィルスイッチアクチュエータは、ばね35のような抵抗手段を用いて、ディスペンサの上面に向かって付勢される。アクチュエータ36の第1の端部は、ウェアラブルディスペンサ18へとリフィルユニット44を装着したときに、板状部分43がアクチュエータ36を変位させるように、カム表面38を有する。アクチュエータ36の変位は、触知性スイッチ37により検出され、触知性スイッチ37は、プリント回路板(PCB)70と電気的に接続している。
【0048】
フレーム50は、ファンハウジング40上に配設される。フレーム50及びファンハウジング40は共に、概ねリング形状である。ディスペンサ18を組み付けるときには、フレーム50の円形開口部とファンハウジング40とを整列させる。
図8を参照すると、ディスペンサは、リフィルユニット44が、フレーム50、ファンハウジング40及びファン60の上方にその順序で位置するように組み付けられる。この構成により、リフィルユニット44及び円形開口部52を通って吸い込まれることが可能になる。さらに説明するように、この空気は、次に、リフィルユニット44からリリースされる薬剤と混合され、ファンハウジング40の側壁41の開口部42を通過することができる。
【0049】
図8及び
図15に着目すると、ウェアラブル薬剤ディスペンサ18のファン60が示されている。ファン60は、概ねディスク形状のロータ61を有し、ロータ61は、ロータ61の軸上に管状の装着要素66を含む。好適なファン60は、14枚のファンブレード68を含む(
図15を参照)。ウェアラブル薬剤ディスペンサ18の空気流と最小電力消費量とのバランスを理想的にするファン構成は、12〜18枚のファンブレードを含むことが分かった。好ましくは、ファンは、リフィルユニット44の寿命(たとえば、少なくとも8時間、最も好ましくは少なくとも12時間)にわたって、(設置されたリフィルユニット44を用いて)1.4〜3立方フィート/分の空気の平均体積流量を生じる。典型的には、ファンは、3000〜5000rpmで動作する。1つの例示的なウェアラブル薬剤ディスペンサ18では、リフィルユニット44の寿命(たとえば、12時間)にわたる電源からの消費電力は、0.20ワット以下である。1つの例示的な実施形態では、電源からの消費電力は、リフィルユニット44の12時間の寿命にわたって、少なくとも1.6立方フィート/分の空気の平均体積流量を12時間の間維持しながら、約0.19ワットである。電源に電池を使用すると、放電中に、電圧が変動する。ただし、総エネルギー消費量を総使用時間で除算することによって、消費電力を求めることができる。
【0050】
ウェアラブル薬剤ディスペンサ18は、電源を含む。図示した例示的な実施形態では、電源の第2の触知性スイッチ75は、バッテリー78及び電池接点76bと電気回路を完成させて触知性スイッチ75に電気を供給するために、電池接点76aと電気的に接続している。ユーザが、「ロック」位置から「オン」位置までスライドカバー30を回転させると、スライドカバー30のカム突起32がオン/オフスイッチアクチュエータ56へと駆動され、次いで、オン/オフスイッチアクチュエータ56が触知性スイッチ75と接触して電源がオンになる。リフィルスイッチアクチュエータ36と同様に、オン/オフスイッチアクチュエータは、ばね57のような抵抗手段を用いて、ディスペンサ18の前面に向かって付勢される。
【0051】
また、電源は、PCB70及び触知性スイッチ37と電気的に接続している。前述のように、スライドカバー20が「装着」位置にある間にユーザがリフィルユニット44をディスペンサ18へと挿入すると、リフィルスイッチアクチュエータ36が、触知性スイッチ37をトリガーする。ウェアラブルディスペンサ18の1つの例では、触知性スイッチ37がアクティブ化すると、第1のカウンタ(パッシブカウンタ)をアクティブ化するために、バッテリー78と回路を完成してPCB70に電力を供給する。別の態様では、「ロック」位置から「オン」位置まで上側カバー30が回転させると、ファンモータ93がオンになり、また、第2のカウンタ(アクティブカウンタ)がアクティブ化する。
【0052】
リフィルユニット44の有効寿命の終了をユーザに正確に示す1つの方法は、パッシブカウンタ及びアクティブカウンタを利用する。たとえば、リフィルユニット44がディスペンサ18へと挿入されているときに、パッシブカウンタがアクティブ化された場合、パッシブカウンタを使用して、リフィルユニット44が最初に装着された以後の経過時間(t
P)を測定することができる。1つの態様では、経過時間(t
P)は、パッシブリリースレートと相関している。特定のリフィルユニット44が、14日間の有効寿命と対応するパッシブリリースレートを有する場合、有効寿命インジケータ49のアクティブ化を介してユーザにアラートするために、パッシブカウンタを使用して、t
P=14日がいつであるかを判定することができる。
【0053】
別の例では、ファン60がオンであるときに(すなわち、スライドカバー30を「オン」位置まで回転させることによって)、アクティブカウンタがトリガーされた場合、アクティブカウンタを使用して、ディスペンサ18がアクティブ使用中である経過時間(t
A)を測定することできる。1つの態様では、経過時間(t
A)は、アクティブリリースレートと相関している。特定のリフィルユニット44が、12日間の有効寿命と対応するアクティブリリースレートを有する場合、有効寿命インジケータ49のアクティブ化を介してユーザにアラートするために、アクティブカウンタを使用して、t
A=12日がいつであるかを判定することができる。
【0054】
さらに別の例では、リフィルユニット44の有効寿命をより正確に判定するために、t
Aとt
Pとを組み合わせることができる。2つのカウンタを含んでいるこのケースでは、有効寿命は、t
Aとt
Pの両方の関数として評価される。等式f(t
A,t
P)=xの形態で表され、インジケータ49は、xがしきい値x
Tを超えたときにアクティブ化される。
【0055】
さらに別の例では、単一のカウンタを使用して、リフィルユニット44の有効寿命を判定することができる。ここで、1つの手法は、初期値x
0から所定のしきい値x
Tまでカウントするように単一のカウンタを構成することである。カウンタを増分する(又は減分する)レートを、アクティブリリースレートデータ及びパッシブリリースレートデータと相関させることができる。単一のカウンタの手法の1つの実施形態では、リフィルユニット44が、ディスペンサ18へ装着され、パッシブリリースレートに対応する第1のレートで増分するときに、カウンタが初期化される。スライドカバー30を「オン」位置まで回転させることによってファン60をオンにすると、アクティブリリースレートに対応する第2のレートでカウンタが増分される。スライドカバー30を「ロック」位置まで回転させることによってファン60をオフにした場合、カウンタは第1のレートに基づいて再び増分される。
【0056】
単一のカウンタの手法に関して、カウンタを増分するレートは、一定であっても、或いは可変であってもよい。所与の薬剤の活性物質及び/又はパッシブリリースレートが経時的に変動することが判定された場合、カウンタを増分するレートが、時間の関数として変動できるようにすることが望まれることがある。たとえば、リフィルスイッチアクチュエータ36をアクティブ化すると、カウンタが初期化され、タイムスタンプt
0が記録され、経過時間(すなわち、t−t
0、リフィルユニット44がディスペンサ18中にあった時間量)の関数である第1の(パッシブ)レートでカウンタが増分される。また、オン/オフスイッチアクチュエータ56をアクティブ化すると、同じく経過時間の関数である第2の(アクティブ)レートでカウンタが増分される。また、オン/オフスイッチアクチュエータ56を非アクティブ化すると、さらに総経過時間の関数である第1の(パッシブ)レートでカウンタをもう一度増分させる。1つの態様では、ルックアップテーブルを使用することによってレートが判定され、第1及び第2のレートは経過時間の関数として判定される。ルックアップテーブルは、所与の薬剤の測定されたアクティブリリースレート及びパッシブリリースレートについての実験結果及び/又は相関関係に基づくデータを用いてポピュレートすることができる。ただし、当業者には、本発明のウェアラブル薬剤ディスペンサ16を用いてリフィルユニット44の有効寿命の終了をユーザに示すためのシステムを実装する多くの方法があることを了解されたい。
【0057】
図8及び
図16に着目すると、ウェアラブル薬剤ディスペンサ18は、ウェアラブル薬剤ディスペンサ18の様々な構成要素を装着するための、また、ディスペンサ18からの空気流の制御に寄与するためのシャーシ80を含む。PCB70とシャーシ80とを組み付けると(たとえば、
図6〜
図7参照)、内部空間を有するハウジングが形成される。シャーシ80は、モータ凹部83及び電池区画84を含む、多くの区画を画定する側壁82を有する。電池区画84の各々は、単三電池のような単一の電池をシャーシ80に収容するように構成される。電池区画84の各々の対向する端部に、電池接点76a、76bが装着される。
【0058】
次に
図8に示すように、ファンハウジング40は、規則的に離間した開口部42を有する側壁41を含み、側壁41は、空気処理薬剤と混合した空気がウェアラブル薬剤ディスペンサ18の内部空間から出ていくことを可能するための吐出口を画定する。
図8に示した非限定的な例示的実施形態では、開口部42は、半円区域を画定し、ファンハウジング40の側壁41全体の周囲に延びている。
好ましくは、ファン60から開口部42まで流路は遮られていない。いくつかの他のデバイスは、吸気ベント及び排気ベントを遮蔽することによって空気流を遮断するように設計されたスライドカバーを含んだ。その目的は、ドーズされたパッドを横切る空気流を遮断することによって、ユニットが使用中でない間の活性物質の損失を最小限に抑えることであった。排気ベントを遮断する壁及びそれらを支持するジオメトリは、大きい空間を占め、デバイスのサイズが増大する原因であった。活性物質成分の損失を増大させることなく、ディスペンサ18において、これらの遮断壁をなくす。これらの例示的な開口部構成は、ウェアラブル薬剤ディスペンサ18の空気流と最小電力消費とのバランスに貢献する。
【0059】
図8及び
図16に着目すると、シャーシ80中の空間83にモータ93が配置される。モータ93は、スライドカバー30上のカム32がオン/オフスイッチアクチュエータに接触したときにモータに電力供給し、次いで、触知性スイッチ75に接触してモータ93をオンにするために、触知性スイッチ75と電気的に接続している。モータ93は、ロータ61上の管状の装着要素66に接続された駆動軸95を含む。その結果、モータ93は、ファン60を回転させることができる。電池扉96(
図8を参照)は、シャーシ80中の電池ハウジング84を覆う。電池扉96は、装着タブ97を含む。下側カバー102は、1つ又は複数の留め具を介してシャーシ80に締め付けられる。
図8では、6個のねじ72を使用して、PCB70、シャーシ80及び下側カバー102が順に1つに締め付けられている。
【0060】
次に、
図3〜
図4及び
図8に着目すると、ユーザの衣類(たとえば、ベルト又はポケット)にウェアラブル薬剤ディスペンサ18をクリップ留めするための手段が示されている。ウェアラブル薬剤ディスペンサ18は、クリップ110を含み、クリップ110の前側セクション112は、前側セクション112と後側セクション113とを接続する上側セクション114によって、クリップ110の上端部において、後側セクション113から離間している。クリップ110の下端部では、ユーザが撓曲させて離すまで、前側セクション112と下側カバー102とが接触し得る。シャーシ80、下側カバー102及びクリップ110を通って貫通孔103が延びている。貫通孔103は、クリップの枢動カバー117と整列することができる。枢動カバー117は、留め具に結合するように構成された内側シリンダをもつ、2つの同心のシリンダ要素を含む。
図8では、留め具は、ねじ115である。ねじ115は、クリップ110が回転することができるように、シャーシ80の貫通孔103を通り、下側カバー102及びクリップ110を通り、クリップ110の前側セクション112に対向する枢動カバー117に挿入される。
【0061】
構成要素の構成に関して、上側ハウジングセクション20、スライドカバー30、リフィルユニット44の支持構造45、ファンハウジング40、フレーム50、ファン60、シャーシ80、電池扉96、下側カバー102、及びクリップ110は、ポリエチレン、ポリプロピレン又はポリエステルなど、好適なポリマー材料から形成され得る。
【0062】
動作中、ウェアラブル薬剤ディスペンサ18は、その目的のためにクリップ110を使用して、ベルト、小物入れなどにクリップ留めされる。ユーザが上側ハウジングセクション20を「ロック」位置から「オン」位置へと回転させると、スライドカバー30の開口部31は、上側ハウジングセクション20の上側壁23に径方向に配列されたアパーチャ24と整列する。スライドカバー28のカム突起32は、オン/オフスイッチアクチュエータ56へと駆動され、次いで、触知性スイッチ75に接触して、モータ93を経由してファン60に電力供給するように電源に信号を送る。ウェアラブル薬剤ディスペンサ18のファン60によって、アパーチャ24及び開口部31の中を通して空気が吸い込まれる。布製の基材48を空気が通過するにつれて、空気処理薬剤が空気中に混合し、空気と空気処理薬剤との混合物は、開口部42から(好ましくは、ズボン又はドレスに沿って下方に)、径方向に吹き出される。ユーザは、空気と空気処理薬剤との混合物の経路を変更するために、上述のようにクリップ110を回転させることができる。
【0063】
本発明のデバイスは、屋外にいるときに人間が携帯するウェアラブルアイテムとして使用されることが主に意図されるが、クリップ110を下向きにし、スライドカバー30を上向きにした状態で、ピクニックテーブルなどの上に平坦に置くこともできる。このように使用すると、ピクニック又は同様の屋外アクティビティ中に一定の区域に防護を提供することができる。
【0064】
ウェアラブル薬剤ディスペンサ218の別の非限定的な例を
図17〜
図30に示す。この実施形態の1つのバージョンでは、ディスペンサ218は、ディスペンサ218に収容された交換可能なカートリッジ244(以下、「リフィルユニット」)から、防虫剤のような薬剤を放出するための持ち運び可能なファンベースのデバイスである。さらに、ディスペンサ218は、ユーザの衣類(たとえば、ベルト)にクリップ310を用いて取り付けることができ、ディスペンサの前面でスライドカバー230を回転させることによって動作させる。スライドカバー230は、(i)ディスペンサ218にリフィルユニット244を挿入する/配置するための「装着」設定、(ii)ディスペンサ218中にリフィルユニット244を固定するための「ロック」設定、及び(iii)リフィルユニット244に薬剤をアクティブに放出するためにファン260を動作させるための「オン」設定を含む3つの設定の間で回転することができる。
【0065】
ディスペンサ218の1つの特徴は、有効寿命インジケータ249である。1つの例では、有効寿命インジケータ249は、リフィルユニット244を交換すべき(たとえば、リフィルユニット244中に残っている防虫剤の量が、昆虫を追い払うにはもはや有効ではないかもしれない)時をユーザに示すために点灯するLEDである。リフィルユニット244の有効寿命は、スライドカバー230が「オン」位置へと回転するとトリガーされるオン/オフスイッチアクチュエータ237を用いて判定される(
図26〜28参照)。
【0066】
図17〜
図21は、組み付けられたウェアラブル薬剤ディスペンサ218の図を示す。ウェアラブル薬剤ディスペンサ218は、上側ハウジングセクション220上に配設されたスライドカバー230を含む(
図9を参照)。スライドカバー230及び上側ハウジング220は、上側壁228、223から延びた概ね球面のセグメントを特徴とする側壁229、222をそれぞれ有する。使用時には、スライドカバー230の上側壁228は、典型的には前方に配設され、上側ハウジング220と組み合わせて前面カバーとして働く。複数の離間したアパーチャ224が、上側ハウジングセクション220の上側壁223に径方向に配列される。アパーチャ224は、ウェアラブル薬剤ディスペンサ218の内部空間に空気が入ることを可能にするための吸入口を提供する。
【0067】
また、スライドカバー230は、上側壁228に径方向に配列された複数の離間したベント開口部231を備えている。開口部231は、上側ハウジング220の上側壁223のアパーチャ224と少なくとも部分的に整列させたときに、ウェアラブル薬剤ディスペンサ218の内部空間に空気が入ることを可能にするための吸入口を提供する。スライドカバー230は、スライドカバー230が上側ハウジングセクション220に対して回転することができるように、上側ハウジングセクション220に結合される。スライドカバー230は、「装着」位置、「ロック」位置、及び「オン」位置を含む3つの特徴のある位置の間で回転することができる。「ロック」位置では、スライドカバー230は、上側ハウジングセクション220の上側壁223に径方向に配列されたアパーチャ224を遮蔽する。「オン」位置において、スライドカバー230の開口部231は、上側ハウジングセクション220の上側壁223に径方向に配列されたアパーチャ224と少なくとも部分的に整列している。
【0068】
図24〜
図25に示すように、リフィルユニット244は、ウェアラブル薬剤ディスペンサ218を備えている。「ローディング」位置では、スライドカバー230と上側ハウジング220とが整列して、ウェアラブルディスペンサ218中の内部空間へ装着するためにリフィルユニット244を通すことができるリフィル装着スロット233が形成される。スライドカバー230が、「ロック」位置又は「オン」位置のいずれかまで方向Rに回転すると、スライドカバー230の側壁229の一部分が、装着スロット233の上に配置される(したがって、装着スロット33へのアクセスを妨げる)。
【0069】
図24及び
図25に示すように、リフィルユニット244は、概ね平板上の支持構造245を有する。平面図では、リフィルユニット244の全体的な外観は、基本的に、第1の端部250が概ね円形の部分であり、第2の端部251が概ね三角形の部分である洋ナシ形状をしている。リフィルユニット244を貫通する円形開口部を横切ってスポーク支持部247がある。スポーク支持部247にわたって布製の基材248が配置される。空気を吸い込むと、空気は、布製の基材248を通過する。布の選択及びその空隙率、空気流の速度、並びに活性成分の蒸気圧は、活性物質を使い果たす速度を、有効寿命インジケータ249をアクティブ化するためのカウンタと協調させる際の主要な因子である。非限定的な例示的リフィルユニットは、12時間のアクティブ使用寿命(すなわち、ファンオン)を有する。インジケータ249は、リフィルユニットの有効寿命の満了時に、ウェアラブルディスペンサ218のユーザにアラートを提供するように設計される。インジケータ249をいつアクティブ化するべきか判定するための方法について以下に詳細に説明する。布製の基材248は、上述した布製の基材48と同じ特性(たとえば、活性物質リリースレート、活性成分、含浸材料、圧力降下、布材料及び坪量、蒸発特性、など)を有することができる。
【0070】
さらに
図24及び
図25を参照すると、リフィルユニット244は、リフィルユニット244の第1の表面253から延びる外側壁252を有する。外側壁252は、リフィルユニット244の第1の端部250に隣接する外側壁252のセクション中に形成されたノッチ258を有する。ノッチ258は、消費者が、リフィルユニット244を(方向Lに)ディスペンサ218のリフィル装着スロット233へと適切に装着したときに、上側ハウジングセクション220の底側部上の停止リブ259の下を通るように設計される(
図25を参照)。ユーザが、リフィルユニット244の第1の端部250がハウジングの内部空間に向き、リフィルユニット244の第1の面253が上側ハウジングセクション220に向いた状態で、リフィルユニット244を、リフィル装着スロット233へと不正確に装着しようとした場合、リフィルユニット244の第1の端部250が、停止リブ259に接触し、ディスペンサ218のリフィル装着スロット233へのリフィルユニット244の完全な挿入を妨げる。ユーザが、リフィルユニット244の第2の端部251がハウジングの内部空間に向き、リフィルユニット244の第2の面254が上側ハウジングセクション220に向いた状態で、リフィルユニット244を、リフィル装着スロット233へと不正確に装着しようとした場合、リフィルユニット244の第2の端部251から離れるように延びるタブ255(
図24参照)が、停止リブ259に接触し、ディスペンサ218のリフィル装着スロット233へのリフィルユニット244の完全な挿入を妨げる。ユーザが、リフィルユニット244の第2の端部251がハウジングの内部空間に向き、リフィルユニット244の第1の面253が上側ハウジングセクション220に向いた状態で、リフィルユニット244を、リフィル装着スロット233へと不正確に装着しようとした場合、基材の第2の端部251が、停止リブ259に接触し、ディスペンサ218のリフィル装着スロット233へのリフィルユニット244の完全な挿入を妨げる。
【0071】
図22を参照すると、ディスペンサ218は、リフィルユニット244が、ファンハウジング240及びファン260の上方に位置するように組み付けられる。この構成により、リフィルユニット244を通して空気を吸い込むことが可能になる。さらに説明するように、この空気は、次に、リフィルユニット244からリリースされる薬剤と混合され、ファンハウジング240の側壁241の開口部242を通過することができる。
【0072】
さらに
図22に着目すると、ウェアラブル薬剤ディスペンサ218のファン260が示されている。遠心ファン260は、概ねディスク形状のロータ261を有し、ロータ261は、ロータ61の軸上の管状の装着要素ト266を含む。好適なファン260は、14枚のファンブレード268を含む。ウェアラブル薬剤ディスペンサ218の空気流と最小電力消費量とのバランスを理想的にするファン構成は、12〜18枚のファンブレードを含むことが分かった。好ましくは、ファンは、リフィルユニット244の寿命(たとえば、少なくとも8時間、最も好ましくは少なくとも12時間)にわたって、(設置されたリフィルユニット244を用いて)1.4〜3立方フィート/分の空気の平均体積流量を生じる。典型的には、ファンは、3000〜5000rpmで動作する。1つの例示的なウェアラブル薬剤ディスペンサ218では、リフィルユニット244の寿命(たとえば、12時間)にわたる電源からの消費電力は、0.20ワット以下である。1つの例示的な実施形態では、電源からの消費電力は、リフィルユニット244の12時間の寿命にわたって、少なくとも1.6立方フィート/分の空気の平均体積流量を12時間の間維持しながら、約0.19ワットである。電源に電池を使用すると、放電中に、電圧が変動する。ただし、総エネルギー消費量を総使用時間で除算することによって、消費電力を求めることができる。
【0073】
ウェアラブル薬剤ディスペンサ218は、電源を含む。図示した例示的実施形態では、電池278は、電気を提供する。
図26〜
図28に着目すると、スライドカバー230は、突起236を含む。ユーザが、
図26の「ロック」位置から
図27の「オン」位置までスライドカバー230を回転させると、スライドカバー230の突起236がオン/オフスイッチアクチュエータ237へと駆動され、次いで、オン/オフスイッチアクチュエータ237がマイクロスイッチ239のタブ238(
図28参照)と接触して電源がオンになる。オン/オフスイッチアクチュエータ237は、オフ位置にあるとき、タブ238から離れるように付勢される。電源は、コントローラとして働くプリント回路板(PCB)270と電気的に接続している。ユーザが、電池278との電気回路を完成させてPCB70に電力を供給するためにマイクロスイッチ239をアクティブ化すると、カウンタ及びファンモータ293がアクティブ化される。
【0074】
リフィルユニット244の有効寿命の終了をユーザに正確に示す1つの方法は、カウンタを利用する。たとえば、カウンタは、ファン260がオンになったときに(すなわち、「オン」位置までスライドカバー230を回転することによって)、トリガーされる。カウンタにより測定される第1の所定量の使用時間(たとえば、約10時間)後に、PCB70はLED有効寿命インジケータ249を点灯させて、リフィルユニット244と電池278の両方を交換するべき時であることをユーザにアラートする。電池の電圧の降下に基づく第2の所定量の使用時間(たとえば、約12時間)後に、PCB70は、ディスペンサ218をオフにし、したがって、ユーザは、まだ交換していない場合には、リフィルユニット244及び電池278を交換しなければならない。第1及び第2の時間期間は、リフィルユニット244及び電池278の構成に応じて変動し得る。
【0075】
図22に着目すると、ウェアラブル薬剤ディスペンサ218は、ウェアラブル薬剤ディスペンサ218の様々な構成要素を装着するための、また、ディスペンサ218からの空気流の制御に寄与するためのシャーシ280を含む。シャーシ280は、モータ凹部及び電池区画を含む、多くの区画を画定する側壁282を有する。ファンハウジング240は、規則的に離間した開口部242を有する側壁241を含み、側壁41は、空気処理薬剤と混合した空気がウェアラブル薬剤ディスペンサ218の内部空間から出ていくことを可能するための吐出口を画定する。
図22に示した非限定的な例示的実施形態では、開口部242の形状は半円であり、ファンハウジング240の側壁241の周囲に実質的に360度、等間隔に離間している。360度の側部開口部242は、より一様な分散を実現し、エネルギー上の利点を有する。
【0076】
さらに
図22に着目すると、シャーシ280中の空間83にモータ293が配置される。モータ293は、スライドカバー230上の突起236がオン/オフスイッチ237に接触したときにモータに電力供給するために、マイクロスイッチ75と電気的に接続している。モータ293は、ロータ261上の管状の装着要素266に接続された駆動軸295を含む。その結果、モータ293は、ファン260を回転させることができる。好ましくは、モータは、電池278が完全に充電されたときにデバイスの電力が50ミリワット以上になるような電流ドローを有する。下側カバー302は、1つ又は複数の留め具を介してシャーシ280に締め付けられる。
【0077】
次に、
図18〜
図22及び
図29〜
図30に着目すると、ウェアラブル薬剤ディスペンサ218は、クリップ310を含み、クリップ110の前側セクション312は、前側セクション312と後側セクション313とを接続する上側セクション314によって、クリップ110の上端部で後側セクション313から離間している。クリップ310の下端部では、ユーザが撓曲させて離すまで、前側セクション312と下側カバー302とが接触し得る。留め具317は、クリップ310が回転することができるように、クリップ310をシャーシ280に接続する。クリップ310は、360度枢動することができ、スロット318を含む。
図18及び
図29を参照すると、回転可能なクリップ310の3つの有用な位置が示されている。
図18では、クリップ310の湾曲端部319は、有効寿命インジケータ249に関して下向きに向いている。これは、典型的には、ディスペンサ218がユーザの衣類(たとえば、ベルト)上にクリップ留めされたときに使用される第1のクリップ位置である。
図29は、クリップ310の湾曲端部319が有効寿命インジケータ249に関して上向きに向いている第2のクリップ位置を示している。第2のクリップ位置は、典型的には、ディスペンサ218がフックなどからつりさげられているときに使用される。
図29は、クリップ310の湾曲端部319が有効寿命インジケータ249に関して横方向に向いている第3のクリップ位置を破線で示している。
図30に示すように、第3のクリップ位置は、典型的には、ディスペンサ218が表面320(たとえば、テーブル)に置かれたときに使用される。
【0078】
構成要素の構成に関して、上側ハウジングセクション220、スライドカバー230、リフィルユニット244の支持構造245、ファンハウジング240、ファン260、シャーシ280、下側カバー302、及びクリップ310は、ポリエチレン、ポリプロピレン又はポリエステルなど、好適なポリマー材料から形成され得る。
【0079】
動作時、ユーザが上側ハウジングセクション220を「ロック」位置から「オン」位置へと回転させると、スライドカバー230のベント開口部231は、上側ハウジングセクション220の上側壁223に径方向に配列されたアパーチャ224と少なくも部分的に整列する。スライドカバー228の突起232は、オン/オフスイッチアクチュエータ237へと駆動され、次いで、マイクロスイッチ239に接触して、モータ293を経由してファン260に電力供給するように電源に信号を送る。ウェアラブル薬剤ディスペンサ218のファン260によって、アパーチャ224及び開口部231の中を通して空気が吸い込まれる。布製の基材228を空気が通過するにつれて、空気処理薬剤が空気中に混合し、空気と空気処理薬剤との混合物は、開口部242から(好ましくは、ズボン又はドレスに沿って下方に)、径方向に吹き出される。ユーザは、空気と空気処理薬剤との混合物の経路を変更するために、又はディスペンサ218を手で持つために、又は表面にディスペンサ218を置くために、上述のようにクリップ310を回転させることができる。
【0080】
スライドカバー230のベント開口部231及び上側ハウジングセクション220のアパーチャ224の様々な配向が有益であり得る。ベント開口部231及びアパーチャ224のサイズ及び場所は、アパーチャ224が全開でない状態で効果があるように配列することができる。ある特定の状況では、より閉じた設計(たとえば、アパーチャ224の面積の約30%が開いているにすぎない)は、十分な効果があり、cfm単位の空気流をもたらすことができる。他のデバイスは、典型的には、エアベントを可能な限り開かせることができる。1つの非限定的な構成では、ベント開口部231は、約33%が開いている(リフィルユニット244の突出した区域)。リフィルユニット244の各四分円上で25%〜50%を開かせることが有利であり得る。ベント開口部231及びアパーチャ224のサイズは、各四分円内で変動し得、最も大きな孔は、スライドカバー230の中心とスライドカバー230の外周との間の距離のほぼ半分に配置され、最も小さな孔は、スライドカバー230の中心に向かって配置される。
【0081】
したがって、デバイスは、はるかにコンパクトかつ軽量であるが、依然として効果的である。さらに、電池の観点からの動作のコストが低減される。デバイスは、座っているときにより快適に使用することができ、放出方向全体に、より優れた制御を提供する。また、交換用のアクティブユニットリフィルの設置がより簡単である。これらの利点は、より低コストで達成され、信頼性の高い構造を提供する。
【0082】
このウェアラブルディスペンサでは、吸気グリルのサイズは、特定の範囲内のファンブレード、サイズ及びブレード角度内に入る改良型のファンと協働して作用するように設計される。ファン設計の軸方向ハブ内に、電流ドローの低いモータがはめ込まれる。360度の出力ベントを通って空気流が出る。設計上の特徴をこのように組み合わせると、空気流と最小電力消費とのバランスが理想的になり、その結果、システムの効率が高くなり、それにより、比較的小型で軽量なユニットにおける防虫効果及び使用期間になる。
【0083】
例示的実施形態について上述してきたが、本開示の趣旨及び範囲内となる本発明の他の多数の実施形態が存在することを了解されたい。例えば、本デバイスは異なるエネルギー源(たとえば、太陽光発電パネル又は着用者の動きに反応する重り)によって動力供給することができ、昆虫制御成分とともに、或いはその代わりに他の形態の活性物質(たとえば、香料或いは脱臭剤)を放出することができ、さらに、昆虫制御成分が放出されるものである場合は、蚊の制御に焦点をあてたものでなくてもよい(たとえば、他の飛ぶ又は這う昆虫又は害虫を撃退するための薬剤を使用することができる)。したがって、本発明は、図示され、記載された特定の実施形態に限定されるべきではない。