特許第6383442号(P6383442)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6383442通信タイミング制御方法、通信サービスシステム及び無線通信端末
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6383442
(24)【登録日】2018年8月10日
(45)【発行日】2018年8月29日
(54)【発明の名称】通信タイミング制御方法、通信サービスシステム及び無線通信端末
(51)【国際特許分類】
   H04W 28/02 20090101AFI20180820BHJP
   H04W 4/38 20180101ALI20180820BHJP
   H04W 72/12 20090101ALI20180820BHJP
【FI】
   H04W28/02
   H04W4/38
   H04W72/12 150
【請求項の数】13
【全頁数】17
(21)【出願番号】特願2016-574571(P2016-574571)
(86)(22)【出願日】2015年2月12日
(86)【国際出願番号】JP2015053782
(87)【国際公開番号】WO2016129074
(87)【国際公開日】20160818
【審査請求日】2017年7月19日
(73)【特許権者】
【識別番号】000001122
【氏名又は名称】株式会社日立国際電気
(74)【代理人】
【識別番号】110000350
【氏名又は名称】ポレール特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】石井 崇人
【審査官】 古市 徹
(56)【参考文献】
【文献】 特開2014−155161(JP,A)
【文献】 特開2010−118744(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2012/0076085(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 7/24 − 7/26
H04W 4/00 − 99/00
3GPP TSG RAN WG1−4
SA WG1−4
CT WG1、4
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
無線通信装置と無線網と上位サーバーとを備える通信サービスシステムの通信タイミング制御方法であって、
当該通信サービスシステムに前記無線網を経由して参入する前記無線通信装置に対して提供されるサービスの特性と、前記サービス提供を受けるための実行アプリケーションにおいて取り扱う通信データの特性と、前記サービス提供を受ける前記無線通信装置の移動特性と、を含む装置情報を用いて、前記無線通信装置をグループ化し、
前記グループ化された前記無線通信装置に対してグループ固有の通信タイミングを決定し、
前記グループ固有の通信タイミングに基づいて通信を行い、
前記グループ固有の通信タイミングにより送信開始のタイミングを決定し、
前記送信開始のタイミングに従って送信開始を実施し、
前記無線通信装置が扱うデータの特性により、
前記無線網内の移動管理及び無線資源管理のための無線状態制御に関わるデータである無線制御データカテゴリと、
前記装置情報、設定制御及び応答に関わるデータであるサービスシステム制御データカテゴリと、
サービスを受けるためのアプリケーションが送受信するデータであるアプリケーションデータカテゴリと、データカテゴリし、
前記無線通信装置からデータ送信をする場合には、当該データカテゴリの種類により適用する送信開始タイミングを変更する通信タイミング制御方法。
【請求項2】
請求項1において、
前記グループ固有の通信タイミングは、任意のグループに割当てられた前記無線通信装置が送信開始を許可されるタイミングであるタイミングブロックと、それぞれのタイミングブロックに対するグループ割当を示すグループパターンと、当該タイミングブロックの時間長を示すタイミングブロック長と、当該グループパターンの繰返し周期を示すグループパターン周期と、を含むタイミングブロック割当情報により与えられ、通信サービスシステム内で送信開始を許可されるタイミングである通信タイミング制御方法。
【請求項3】
請求項1において、
前記提供されるサービスの特性については、その公共性、提供を受けるユーザー数により個別の第1のスコアを付与し、
前記サービス提供を受けるための実行アプリケーションにおいて取り扱う通信データの特性については、そのデータの周期性、即時性、データ容量により個別の第2のスコアを付与し、
前記サービス提供を受ける前記無線通信装置の移動特性については、固定設置、移動速度により個別の第3のスコアを付与し、
前記第1、第2及び第3のスコアを総合したスコアによりグループ分けを実施する通信タイミング制御方法。
【請求項4】
請求項1において、
前記装置情報は、さらに前記無線通信装置の機器固有の情報と装置の状態とを含み、
前記無線通信装置から前記装置情報を送信する通信タイミング制御方法。
【請求項5】
請求項3において、
前記上位サーバーは前記装置情報を受信し、前記無線通信装置のグループを判定することでグループ化を実施する通信タイミング制御方法。
【請求項6】
請求項2において、
前記グループ化の結果及び前記タイミングブロック割当情報により設定制御情報を作成し、前記無線通信装置に送信する通信タイミング制御方法。
【請求項7】
無線通信装置と無線網と上位サーバーとを備える通信サービスシステムであって、
前記上位サーバーは、
当該通信サービスシステムに前記無線網を経由して参入する前記無線通信装置に対して提供されるサービスの特性と、前記サービス提供を受けるための実行アプリケーションにおいて取り扱う通信データの特性と、前記サービス提供を受ける前記無線通信装置の移動特性と、を含む装置情報を用いて、前記無線通信装置をグループ化し、
前記グループ化される前記無線通信装置に対してグループ固有の通信タイミングを決定し、
前記グループ固有の通信タイミングを前記無線通信装置に送信し、
前記無線通信装置は、前記グループ固有の通信タイミングに基づいて通信を行い、
前記グループ固有の通信タイミングにより送信開始のタイミングを決定し、
前記送信開始のタイミングに従って送信開始を実施し、
前記無線通信装置が扱うデータの特性により、
前記無線網内の移動管理及び無線資源管理のための無線状態制御に関わるデータである無線制御データカテゴリと、
前記装置情報、設定制御及び応答に関わるデータであるサービスシステム制御データカテゴリと、
サービスを受けるためのアプリケーションが送受信するデータであるアプリケーションデータカテゴリと、データカテゴリし、
前記無線通信装置からデータ送信をする場合には、当該データカテゴリの種類により適用する送信開始タイミングを変更する通信サービスシステム。
【請求項8】
請求項7において、
前記グループ固有の通信タイミングは、任意のグループに割当てられた前記無線通信装置が送信開始を許可されるタイミングであるタイミングブロックと、それぞれのタイミングブロックに対するグループ割当を示すグループパターンと、当該タイミングブロックの時間長を示すタイミングブロック長と、当該グループパターンの繰返し周期を示すグループパターン周期と、を含むタイミングブロック割当情報により与えられ、
通信サービスシステム内で送信開始を許可されるタイミングである通信サービスシステム。
【請求項9】
請求項7において、
前記提供されるサービスの特性については、その公共性、提供を受けるユーザー数により個別の第1のスコアを付与し、
前記サービス提供を受けるための実行アプリケーションにおいて取り扱う通信データの特性については、そのデータの周期性、即時性、データ容量により個別の第2のスコアを付与し、
前記サービス提供を受ける前記無線通信装置の移動特性については、固定設置、移動速度により個別の第3のスコアを付与し、
前記第1、第2及び第3のスコアを総合したスコアによりグループ分けを実施する通信サービスシステム。
【請求項10】
請求項7において、
前記装置情報は、さらに前記無線通信装置の機器固有の情報と装置の状態とを含み、
前記無線通信装置から前記装置情報を送信する通信サービスシステム。
【請求項11】
請求項9において、
前記上位サーバーは前記装置情報を受信し、前記無線通信装置のグループを判定することでグループ化を実施する通信サービスシステム。
【請求項12】
請求項8において、
前記グループ化の結果及び前記タイミングブロック割当情報により設定制御情報を作成し、前記無線通信装置に送信する通信サービスシステム。
【請求項13】
無線通信端末とデータ端末装置とを有する無線通信装置と、無線網と、上位サーバーとを備える通信サービスシステムに用いられる無線通信端末であって、
当該通信サービスシステムに前記無線網を経由して参入する前記無線通信装置に対して提供されるサービスの特性と、前記サービス提供を受けるための実行アプリケーションにおいて取り扱う通信データの特性と、前記サービス提供を受ける前記無線通信装置の移動特性と、を含む装置情報を前記データ端末装置から前記上位サーバーに送信し、
前記装置情報に基づいて前記無線通信装置がグループ化され、前記グループ化される前記無線通信装置に対してグループ固有の通信タイミングが決定され、前記上位サーバーから送信される前記グループ固有の通信タイミングにより送信開始のタイミングを決定し、前記送信開始のタイミングに従って送信開始を実施し、
前記グループ固有の通信タイミングにより送信開始のタイミングを決定し、
前記送信開始のタイミングに従って送信開始を実施し、
扱うデータの特性により、
前記無線網内の移動管理及び無線資源管理のための無線状態制御に関わるデータである無線制御データカテゴリと、
前記装置情報、設定制御及び応答に関わるデータであるサービスシステム制御データカテゴリと、
サービスを受けるためのアプリケーションが送受信するデータであるアプリケーションデータカテゴリと、データカテゴリし、
データ送信をする場合には、当該データカテゴリの種類により適用する送信開始タイミングを変更する無線通信端末。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は通信サービスシステムに関し、例えば通信サービスシステムにおける無線通信装置の無線通信端末の通信タイミングの制御方法に適用可能である。
【背景技術】
【0002】
例えば、無線通信システムは、複数の無線通信端末を備え、工場やプラントにおける機器監視や、自動販売機などの在庫情報や、電力、ガス、水道の使用量メータのデータなどを無線通信によって収集する通信サービスシステムとして用いられている。また、無線通信システムでは、無線通信端末を経由して収集したデータを管理するために、有線ネットワークを介してサーバ等と接続されることがある。
無線通信システムで用いられる無線通信端末としては、特定小電力無線機などを用いた自営系のシステムや、無線データモジュールなどを用いた携帯電話と同じ公衆系のネットワークシステムを利用したシステムが用いられ、1つのネットワークで無線通信端末の台数が数千〜数万台になる場合も想定される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2014−212425号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
無線通信システム(通信サービスシステム)における無線通信端末を有する無線通信装置では、外部電源が停電などにより遮断されて無線通信装置が動作停止した後、外部電源が復旧してシステム上に複数ある無線通信装置に一斉に電源が供給されると、通信サービスシステム配下の無線通信装置が一斉に通信を開始することが想定される。このような場合に、通信サービスシステムのシステム処理が輻輳し、システムダウンなどの障害に至るという問題が考えられる。
本開示の課題は、通信サービスシステム配下の無線通信装置が一斉に通信を開始することが想定される場合に、時間的集中による通信サービスシステム全体の通信負荷を軽減するする技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示のうち、代表的なものの概要を簡単に説明すれば、下記のとおりである。
すなわち、無線通信装置と無線網と上位サーバーとを備える通信サービスシステムの通信タイミング制御方法は、当該通信サービスシステムに前記無線網を経由して参入する前記無線通信装置に対して提供されるサービスの特性と、前記サービス提供を受けるための実行アプリケーションにおいて取り扱う通信データの特性と、前記サービス提供を受ける無線通信装置の移動特性と、を含む装置情報を用いて、前記無線通信装置をグループ化する。前記グループ化された無線通信装置に対してグループ固有の通信タイミングを決定する。前記決定した通信タイミングに基づいて通信を行う。
【発明の効果】
【0006】
上記通信タイミング制御方法によれば、通信サービスシステム配下の無線通信装置が一斉に通信を開始することが想定される場合に、時間的集中による通信サービスシステム全体の通信負荷を軽減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】実施例に係る無線通信装置の立上げ時の動作を説明すためのフロー図である。
図2】実施例に係る無線通信装置の通常モードにおける動作を説明すためのフロー図である。
図3】実施例に係る通信サービスシステムの位置登録/サービスシステム参入/設定制御に関するシーケンスを説明すための図である。
図4】実施例に係る通信サービスシステムのグループ割当の概念を説明すための図である。
図5】実施例に係る通信サービスシステムのグループ割当の概念を説明すための図である。
図6】実施例に係る通信サービスシステムのタイミングブロックにおけるタイミング分散の概念を説明すための図である。
図7】実施例に係る通信サービスシステムの装置情報の例を説明すための図である。
図8】実施例に係る通信サービスシステムのグループ分け概念を説明すための図である。
図9A】実施例に係る通信サービスシステムの設定制御情報の例を説明すための図である。
図9B】実施例に係る通信サービスシステムの設定制御応答の例を説明すための図である。
図10】通信サービスシステムを説明するための図である。
図11A】通信サービスシステムに用いられる無線通信装置の動作例を説明するためのフロー図である。
図11B】通信サービスシステムに用いられる無線通信装置の動作例を説明するためのフロー図である。
図12】通信サービスシステムに用いられる無線通信装置の復電後の動作例を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、実施例について、図面を用いて説明する。ただし、以下の説明において、同一構成要素には同一符号を付し繰り返しの説明を省略することがある。
【0009】
まず、通信サービスシステムについて図10を用いて説明する。図10は通信サービスシステムの構成を示す図である。
通信サービスシステム10は複数の無線通信装置A01(A01−1,A01−2,A01−3)、無線網A02及びデータサーバー(上位サーバー)A03等で構成される。無線通信装置A01は無線通信機能を持つ電力メータや自動販売機などである。無線網A02は無線通信装置A01が無線回線を介して接続する無線基地局A02_1や交換機A02_2などで構成される。上位サーバーA03は通無線通信装置A01からの各種情報を管理したり、また各種情報を無線通信装置A01に配信しサービスを提供したりして、無線通信装置と対向となり、通信サービスシステム10が提供するサービスを司る。無線通信装置A01は、無線回線により無線網A02と接続し、無線網A02を経由して上位サーバーA03に接続される。無線通信装置A01が、例えば電力計の計量値や自動販売機の在庫情報等を上位サーバーA03に報告することで、通信サービスシステム10の使用者は、電力料金の計算や自動販売機による販売商品の配送業務を運用することができる。
【0010】
次に、無線通信装置A01の動作例を図11A図11B及び図12を用いて説明する。図11A及び図11Bは無線通信装置の動作の一例を示すフロー図である。図12は無線通信装置の復電後の動作例を説明するための図である。
無線通信装置A01は電源供給後、必要な装置初期化処理を実施し(ステップB1)、無線網A02との接続のために、周辺の無線基地局A02_1のサーチを行い、報知情報などの無線網情報を取得する(ステップB2)。移動通信システムにおいては、移動端末の管理を行う必要があり、無線通信装置A01は無線網A02における端末の管理のために位置登録を実施する(ステップB3)。位置登録完了後には通常処理(通常モード)へ移行する(ステップB4)。通常モードにおいて、無線通信装置A01は、自装置から上位サーバーA03にデータを送信したい場合、又は上位サーバーA03からのデータを受信したい場合などを検出し(ステップB5)、送受信データありを検出した場合は、データ送受信のための無線リンク/データリンク接続を実施し(ステップB6)、無線通信装置A01〜上位サーバーA03間のデータ通信(ユーザーデータ送受信)を行う(ステップB7)。
【0011】
しかし、図11A及び図11Bに示す無線通信装置の動作では、例えば大規模災害などで広範囲にわたり停電が生じ、その後復旧した場合(復電)を想定すると、停電からの復旧エリアに存在する全ての無線通信装置A01に対する電源供給が一斉に発生することで、無線通信装置A01から無線網A02及び上位サーバーA03に対する位置登録も一斉に発生する。これを図12を用いて説明する。復電によりそのエリアに存在する無線通信装置A01(A01−1〜A01−m〜A01−n)に対する電源供給(電源ON)が一斉に発生することで、図11に示したステップB1(初期化処理)、ステップB2(セルサーチ/無線網情報取得)及びステップB3(位置登録処理)までの動作が全無線通信装置でほぼ同時に行われることとなる。言い換えると、停電からの復旧エリアに存在する全ての無線通信装置A01が、図12の破線Cに示すように同一タイミングで一斉に位置登録を開始する。このようなケースにおいては、無線網A02及び上位サーバーA03の処理能力を超え、輻輳が発生し、停電が発生しなかったエリアにも影響を及ぼし、さらにはシステムダウンに至る懸念がある。
【0012】
そこで、実施形態に係る通信サービスシステムは、複数の無線通信装置が無線網及び通信サービスシステムが提供するサービスを司るサーバー側と通信を行う場合に、各無線通信装置の装置情報に基づいて各無線通信装置をグループに分け、かつ、当該グループに割当られた無線通信装置用の通信タイミングを設けることで、複数の無線通信装置からの通信タイミングを分散する。これにより、一斉に通信接続を行うなどの時間的集中による通信サービスシステム全体の通信負荷を軽減することができる。
【実施例】
【0013】
実施形態の実施例に係る通信サービスシステムについて説明する。実施例に係る通信サービスシステムの構成は図10に示す通信サービスシステム10の構成と同様である。無線通信装置A01は、無線網A02を介して上位サーバA03との間のデータ伝送を行う無線通信端末と、電力メータや自動販売機などのデータ端末装置(DTE)とを備える。
まず、実施例に係る通信サービスシステム(サービスシステム)を実現するための具体的な実施手段である、「装置情報によるサービスシステム参入」、「グループ分けと各グループに割当られた無線通信装置の送信許可タイミングの考え方」、「無線通信装置のグループ分けの方法」、「グループ分け結果の通知と応答」について説明する。
【0014】
<装置情報によるサービスシステム参入>
装置情報によるサービスシステム参入について図3及び図7を用いて説明する。図3は実施例に係る通信サービスシステムの無線通信装置〜無線網〜上位サーバー間シーケンスを示す図である。図7は実施例に係る通信サービスシステムの装置情報の例を示す図である。
無線通信装置A01〜無線網A02〜上位サーバーA03間でサービスを提供するための通信路を確立するために、位置登録処理(ステップ301)、無線リンク/データリンク接続処理(ステップ302)が実施される。それに引続いて、サービスシステムに対する参入処理(ステップ312)が実施される。サービスシステム参入処理(ステップ312)は、具体的には、無線通信装置A01から上位サーバーA03への装置情報の送信(ステップ303)をトリガとして、上位サーバーA03での無線通信装置A01のグループ判定及び設定制御情報の作成(ステップ304)、作成した設定制御情報(初期設定制御情報)の無線通信装置A01に対する送信(ステップ305)が実施される。
【0015】
無線通信装置A01から上位サーバーA03に送信される装置情報について図7を用いて説明する。装置情報とは、機器情報、接続情報、移動性種別、提供を受けるサービスの特性を含むサービス種別、アプリケーションデータ種別等により構成される情報である。機器情報は、例えば機種、機器ID、機器Ver、機器状態などを含む。接続情報は、データ接続方式や自装置のIPアドレスなどを含む。移動性種別は、例えば固定設置、低速移動、高速移動のような、無線通信装置の移動環境に関わる情報である。アプリケーションデータ種別は、サービスの提供を受けるための実行アプリケーションが扱うデータの周期性、即時性、データ容量などを含む。アプリケーションデータ種別はそのアプリケーションが取扱うデータが複数種ある場合に、その特性によって、複数のデータ種別を定義することも可能である。図7ではアプリケーションが取扱うデータはn種ある場合を示している。
【0016】
<無線通信装置のグループ分けの方法について>
無線通信装置のグループ分けの方法について図8を用いて説明する。図8は実施例に係る通信サービスシステムのグループ分け概念を示す図である。
無線通信装置A01が送信する装置情報に基づいて、無線通信装置A01のグループ分けを行うために、装置情報内に含まれる移動性種別、サービス種別及びアプリケーションデータ種別の各パラメータ(装置報告値)により、個別のスコアを付与し、そのトータルのスコアにより、グループを決定する。装置報告値はデータ端末装置から無線通信端末に送られる。なお、図3に示すシーケンスにおいて、装置報告値がデータ端末装置から無線通信端末に送られる以外は、無線通信装置A01の動作は無線通信端末の動作である。
【0017】
図8では、トータルのスコアがより大きい場合はグループDと判定され、より小さい場合はグループAと判定される場合の例として示されている。つまり、スコアが大きいほど送信開始許可頻度が少ないということになる。
【0018】
まず、移動性種別とその個別スコアについて説明する。移動性種別については、固定設置、低速移動、高速移動の3つの場合が定義されているが、固定設置の場合はセルの移動などの周辺の無線環境の変化が少ないと考えられるので、それに伴う無線制御データを含むデータの送信も少ないと考えられる。一方、高速移動の場合は、セルの移動など周辺の無線環境の変化が多く、それに伴うデータの送信も多いと考えられる。上述したそのデータ発生契機に応じた送信開始とすることができるようにするためには、高速移動する無線通信装置A01はより送信開始許可タイミングが多いグループに割り当てられるべきであり(スコア「小」)、また、固定設置の無線通信装置A01は送信開始許可タイミングが少ないグループに割り当てられても(スコア「大」)影響は少ないというように考えることができる。よって、図8の例では個別スコアの最高点は5点、最低点は1点としているので、固定設置は5点、高速移動は1点というようにそのスコアを決定する。
【0019】
次に、サービス種別とその個別スコアについて説明する。無線通信装置A01が提供を受けるサービスの特徴により、スコアを決定する。例えば図8に示すようなサービスの特徴でスコアを決定する。すなわち、無線通信装置A01が社会インフラに関わる機器等であり、公共性が非常に高いサービス提供に適用される場合は、その通信サービスシステムで取り扱うデータは、相対的に重要度が高いと考えることができるので、社会インフラ系サービス提供に適用される無線通信装置A01はより送信開始許可タイミングが多いグループに割り当てられるべきである(スコア「小」)。また、個別のユーザーシステムに関わる機器であり、公共性が相対的に高くないサービス提供に適用される場合は、その通信サービスシステムで取り扱うデータは、相対的に重要度が低いと考えて、個別のユーザーシステムに適用される無線通信装置A01は送信開始許可タイミングが少ないグループに割り当てられても(スコア「大」)影響は少ないというように考えることができる。個別のユーザーシステムにおいても、通信サービスシステムで取扱うユーザー数等により、大規模システム、あるいは小規模システムというように分類し、大規模システムをスコア「中」、小規模システムをスコア「大」というようにすることも可能である。
【0020】
次に、アプリケーションデータ種別とその個別スコアについて説明する。無線通信装置A01が提供を受けるサービスを実行するためのアプリケーションが取扱うデータの特徴により、スコアを決定する。例えば、図8に示すようなアプリケーションデータの特徴でスコアを決定する。すなわち、データの周期性、即時性、データ容量等をパラメータとしてスコアを決定する。データの周期性に着目すると、短周期でデータが発生するような特徴をもつアプリケーションデータの場合は、より送信開始許可タイミングが多いグループに割り当てられるべきであり(スコア「小」)、長周期でデータが発生するような特徴を持つアプリケーションデータの場合は、より送信開始許可タイミングが少ないグループに割り当てられても(スコア「大」)影響は少ないというように考えることができる。データの即時性に着目すると、即時性が高いデータが発生するような特徴をもつアプリケーションデータの場合は、より送信開始許可タイミングが多いグループに割り当てられるべきであり(スコア「小」)、即時性が低いデータが発生するような特徴を持つアプリケーションデータの場合は、より送信開始許可タイミングが少ないグループに割り当てられても(スコア「大」)影響は少ないというように考えることができる。データの容量に着目すると、相対的に容量が小さいデータが発生するような特徴をもつアプリケーションデータの場合は、より送信開始許可タイミングが多いグループに割り当てても(スコア「小」)、システム資源を占有する可能性は低いと考えられ、逆に大容量のデータが発生するような特徴を持つアプリケーションデータの場合は、より送信開始許可タイミングが少ないグループに割り当てる(スコア「大」)ことで、システム資源占有による他の無線通信装置A01に与える影響を軽減することができる。また、上述したように、アプリケーションデータ種別はそのアプリケーションが取扱うデータが複数種ある場合に、その特性によって、複数のデータ種別を定義することも可能である。
【0021】
以上のように個別のスコアを付与するが、最終的にはその取扱いデータ種別ごとにトータルスコアを算出する。図8の例では個別スコアの最高点は5点、最低点は1点としているが、例えばパラメータとしている内容により重みをつけるために、あるパラメータについては最高点10点、または20点とすることで、トータルスコア算出時にその寄与度を変更することも可能である。さらにトータルスコアにより、そのデータ種別ごとのグループ判定を行う。図8の例では、
スコア5〜10:グループA
スコア11〜15:グループB
スコア16〜20:グループC
スコア21〜25:グループD
としているので、データ#1についてはグループD、データ#kについては、グループC、データ#nについてはグループBと判定される。
【0022】
<グループ分けと各グループに割当られた無線通信装置の送信許可タイミングの考え方について>
グループ分けと各グループに割当られた無線通信装置の送信許可タイミングの考え方について図4及び図8を用いて説明する。図4は実施例に係る通信サービスシステムのグループ割り当ての概念を示す図である。
上述したように、図8の例ではA〜Dの4つのグループ分けられている例を示しているが、無線通信装置A01は割当てられたグループにより、送信タイミングが異なる。これを図4を用いて説明する。
実施例に係る通信サービスシステムにおいては、各無線通信装置A01をグループに分け、かつ、当該グループに割当られた無線通信装置用の通信タイミングを設けることで、通信タイミングの分散制御を実現する。あるグループに対する送信開始許可区間を「タイミングブロック」と定義する。無線通信装置A01は割当てられたタイミングブロックにおいて、「タイミングブロック長t<s>」で示される時間、通信開始が許可される。タイミングブロックは通信サービスシステムにおいて決定したグループパターン(例えば図4の場合、A→B→A→C→A→B→A→D→A→B→A→C→A→B→A)によって、許可グループが切替えられる。また、一連のグループパターンが周期的に繰返されるように構成され、その繰返し周期を「グループパターン周期」と定義する。すなわち、グループ化される無線通信装置A01は、「グループパターン」「タイミングブロック長」「グループパターン周期」により自装置の通信開始タイミングを判断することが可能となる。また、周期の起点タイミングとしては、例えば各正時(毎時00分00秒)とするというような取り決めをすることにより、複数の無線通信装置A01が共通の「タイミングブロック」を認識することが可能となる。
【0023】
図4はグループパターンとしてA→B→A→C→A→B→A→D→A→B→A→C→A→B→Aとなっている例を示しているが、許可ブロック数としては、以下の通りである。
グループA:8
グループB:4
グループC:2
グループD:1
すなわち、グループAは送信開始許可頻度がより多く、グループDはより少ないというような構成としている。無線通信装置A01の移動性種別、サービス種別、アプリケーションデータ種別等により適切にグループ分けを行うことで、通信開始タイミングを分散しかつそのデータ発生契機に応じた送信開始とすることができるようにする。
【0024】
<グループ分け結果の通知と応答>
グループ分け結果の通知と応答について図3図9A及び図9Bを用いて説明する。図9Aは実施例に係る通信サービスシステムの設定制御情報の例を示す図である。図9Bは実施例に係る通信サービスシステムの設定制御応答の例を示す図である。
上述のように決定したグループを無線通信装置A01に通知するために、上位サーバーA03から設定制御情報を無線通信装置A01に送信する(ステップ305)。図9Aに示すように、設定制御情報は、機器設定情報、タイミングブロック割当情報、グループ割当の結果を通知するためのグループ割当情報などにより、構成される。機器設定情報は、無線通信装置A01に対して設定や制御を行うための設定制御コマンドを含む。タイミングブロック割当情報は、グループパターン周期、タイミングブロック長、グループパターン、タイミングブロック割当更新タイミング(時刻)等を含む。上位サーバーA03からの設定制御情報を受信した無線通信装置A01は、設定制御情報を自装置内に保存し、設定内容の反映を行う(ステップ306)。そして、図9Bに示すように、設定された機器設定情報、タイミングブロック割当情報及びグループ割当情報の各情報に対してのack情報を含む設定制御の応答を作成し、上位サーバーA03に送信する(ステップ307)。
【0025】
実施例では、無線通信装置A01が装置情報を上位サーバーA03に送信して上位サーバーA03が装置情報に基づいてグループ判定を行っているが、無線装置A01が上位サーバーA03からグループ判定の基準を受信して無線装置A01が自身が有する装置情報に基づいてグループ判定を行ってもよい。この場合、設定制御情報にはグループ割当情報が不要となる。なお、無線通信装置A01はグループ判定結果を上位サーバーA03に通知する場合は、設定制御応答にグループ判定結果を含めて上位サーバーA03に送信するようにする。
【0026】
<グループパターン/グループ割当の変更>
無線通信装置全体の参入状況を考慮して実施されるグループパターン/グループ割当の変更について図3及び図5を用いて説明する。図5は実施例に係る通信サービスシステムのグループパターンの変更を示す図である。
また、無線通信装置A01にサービスの提供を行っている通信サービスシステムに参入している他無線通信装置の数や、実行しているアプリケーションの変化により、通信サービスシステム全体のグループ割当のバランスが変わってくることが考えられる。このような場合に備えて、グループパターンの変更やグループ割当の変更を可能とすることもできる。グループパターンの変更は例えば図5に示すように、グループBに割当てられた装置が増加した場合は、図4ではグループC及びDの割当としていたタイミングブロックの一部をグループB及びC用に割当を変更するというようなタイミングブロック割当情報の更新を行う。また、グループパターン周期を2倍にするというようなタイミングブロック割当情報の更新を行う。更新した内容の通知には、図3の破線313に示すように、設定制御情報の更新(ステップ308)、更新した設定制御情報の無線通信装置A01への送信(ステップ309)、無線通信装置A01での受信、更新保持、及び反映(ステップ310)、更新結果応答のための設定制御応答(ステップ311)にて実施する。ステップ309,310,311ではそれぞれステップ305,306,309と同様な処理が行われる。無線通信装置A01での反映に関しては、タイミングブロック割当情報内のタイミングブロック割当更新タイミングにより通知されるので、そのタイミングにて自装置内への設定反映を実施する。各無線通信装置A01は、時刻を管理しておき、更新タイミングが通知されることにより、一斉にそのグループ割当を変更することが可能である。
【0027】
<無線通信装置の動作>
本実施例に係る無線通信装置の動作フローについて図1図2図6及び図9Aを用いて説明する。図1は実施例に係る通信サービスシステムの無線通信装置の電源供給直後の立上げ時の動作フロー図である。図2は実施例に係る通信サービスシステムの無線通信装置の通常動作における動作フロー図である。図6は実施例に係る通信サービスシステムのタイミングブロックにおけるタイミング分散の概念を示す図である。
【0028】
図1に示すように、無線通信装置A01に電源が供給されると、無線通信装置A01自身の初期化処理を実行する(ステップ101)。次に無線通信装置A01が在圏可能な無線網A02のセルサーチを行い、報知用のチャネルから無線網情報を取得する(ステップ102)。この無線網情報には例えば無線網A02で管理されている無線網タイミング、時刻情報、当該セル固有の無線パラメータ、セル識別情報、周辺セル情報などが含まれている。次に無線通信装置A01が提供を受けたい通信サービスシステムに参入した実績があるか否かを確認(ステップ103)する。
【0029】
まず、参入実績が無い場合(ステップ103でNoへ分岐する場合)は、引続き位置登録処理(ステップ107、ステップ301)、無線リンク/データリンク接続処理を実施する(ステップ108、ステップ302)。さらに上述したように、通信サービスシステムに参入するために、装置情報の送信を実施する(ステップ109、ステップ303)。無線通信装置A01からの装置情報を基に、上位サーバーA03では当無線通信装置A01のグループ判定を実施し、初期設定制御情報を作成、無線通信装置A01に向けて送信する。無線通信装置A01では、当該初期設定制御情報を受信する(ステップ110)。ステップ109及びステップ110により、無線通信装置A01のサービスシステムに対する参入処理が完了する。また、受信する当該初期設定制御情報は、自装置内に保持され、かつ設定及び制御が自装置に反映される(ステップ111、ステップ306)。そして、当該初期設定制御情報に含まれるタイミングブロック割当情報、及びグループ割当情報に基づいて、自装置の送信開始が許可されるタイミング(自装置送信開始タイミング)を算出し(ステップ112)、通常処理へ移行する。(ステップ113)
一方、既に参入実績がある場合(ステップ103でYesへ分岐する場合)は、既に自装置内に設定制御情報が保持されており、タイミングブロック割当情報、グループ割当情報が既知となっている。そこで、当該タイミングブロック割当情報、当該グループ割当情報を基に、前記自装置送信開始タイミングの算出方法と同様に、位置登録開始タイミングを算出する(ステップ104)。位置登録開始タイミングの算出方法としては、例えば、上述した図9Aの設定制御情報のグループ割当情報のデータ#1のグループが、無線通信装置A01のデフォルトグループであるとして取扱って、そのタイミングを算出することができる。そして、算出した位置登録開始タイミングの到来を監視し(ステップ105)、位置登録開始タイミングが到来した時、位置登録を開始するが、同一グループに割当てられた複数の無線通信装置A01の位置登録開始タイミングを分散できるように、タイミング遅延処理を実施する(ステップ106)。
【0030】
ここで、タイミング遅延処理について、図6を用いて説明する。上述したように、タイミングブロックはタイミングブロック長:t<s>時間を持っているので、その時間内での分散処理を実施する。位置登録開始タイミングが到来する時、無線通信装置A01において例えば乱数を発生させて、その乱数に基づいたタイミング遅延時間(td)を設ける。または、装置ID(機器ID)に基づいたタイミング遅延時間(td)を設ける。このタイミング遅延時間(td)経過後、実際の位置登録処理を実施し(ステップ107、ステップ301)、引続いて無線リンク/データリンク接続処理を実施する(ステップ108、ステップ302)。ステップ109〜113までの処理については、前述と同様であり、システム再参入処理(ステップ114)を実施し、自装置の送信開始タイミングを改めて算出し、通常処理へ移行する。
【0031】
図2を用いて通常処理時の動作について説明する。通常処理に移行後、無線通信装置A01から上位サーバーA03への送信要求検出時、及び無線網A02経由でのデータ着信時(受信要求検出)にデータ送受信処理を実施する。この送信要求及び受信要求を検出する場合(ステップ201)、まず、送信要求か受信要求かを確認し(ステップ202)、送信の場合にはデータカテゴリ/アプリケーションデータ種別を確認する(ステップ209)。ここで、データカテゴリについて説明する。無線通信装置A01が扱うデータとしては、
(1)無線網内の移動管理、無線資源管理のための無線状態制御に関わるデータ:無線制御データカテゴリ
(2)装置情報、設定制御及び応答に関わるデータ:サービスシステム制御データカテゴリ
(3)サービスを受けるためのアプリケーションが送受信するデータ:アプリケーションデータカテゴリ
などがある。データカテゴリ/アプリケーションデータ種別の確認とは、上述したように、アプリケーションデータ種別はそのアプリケーションが取扱うデータが複数種ある場合に、その特性によって、複数のデータ種別を定義することが可能であり、またそれ以外に、上記(1)や(2)のデータを含めて、自装置送信開始タイミングがデータ毎に異なる場合に、どの開始タイミングを適用すべきかを判断することである。データカテゴリ/アプリケーションデータ種別の確認により、自装置送信開始タイミング算出処理で算出したタイミングから、適用すべき自装置開始タイミングが選択されるので、そのタイミングの到来を監視する(ステップ210)。そして、選択した自装置開始タイミングが到来する時、立上げ時と同様のタイミング遅延処理を実施する(ステップ211)。このタイミング遅延時間経過後、無線リンク/データリンク接続処理を実施し(ステップ212)、引続いて実際のデータ送信を実施する(ステップ213)。
【0032】
なお、上記(1)及び(2)については、あらかじめシステムでそのグループを決めておくか、又は図8の例データ#1(default)と同様のグループとするというような方法も可能である。また、図7の装置情報の例や、図8のグループ分けの概念の説明においては具体的に記載していないが、これらも(アプリケーション)データ種別の中に含めて、(アプリケーション)データ種別内の各パラメータ適切にして、装置情報として送信し、上位サーバーA03にてグループ分けの対象とすることも可能である。さらには、「グループなし」のデータ種別を定義して、任意のタイミングで送信開始可能なデータカテゴリ、またはアプリケーションデータ種別を設けることも可能である。
【0033】
一方ステップ202で受信と判断する場合は、データ受信のための無線リンク/データリンク接続処理を実施し(ステップ203)、データ受信を実施する(ステップ204)。引続いて受信データのデータカテゴリを確認し(ステップ205)、サービスシステム制御データと判断する場合には、受信した設定制御情報を保持更新、及び反映を実施する(ステップ206)。そして、必要に応じて自装置送信開始タイミングを更新する(ステップ207)。なお、ステップ206、207の処理については、立上げ動作時と同様の処理を実施する。ステップ205で無線制御データ及びアプリケーションデータと判断する場合には、その受信した無線制御データ及びアプリケーションデータに応じた処理を実施する(ステップ208)。
【0034】
<停電/復電後の動作>
次に大規模災害などで停電等により広範囲のエリアにわたり無線通信装置A01への電源供給が途絶えてた後、復電により、一斉に無線通信装置A01への電源供給が行われた場合の動作について説明する。無線通信装置A01は、当該通信サービスシステムへの参入実績があれば、上述した<無線通信装置動作>の参入実績がある場合の動作となる。すなわちステップ104の位置登録開始タイミング算出処理において、タイミングブロック割当情報、グループ割当情報が既知となっているので、一斉に位置登録を開始することはなく、電源供給が行われた無線通信装置A01はそれぞれ自装置が既に保持しているタイミングブロック割当情報、グループ割当情報を基に、それぞれのタイミングで位置登録を実施することになり、結果としてサービスシステム内の無線通信装置A01の通信タイミングが分散されることとなる。
【0035】
実施例によれば、無線通信装置の通信タイミングを分散させることができるので、大規模災害などで停電が生じ、通信サービスシステム配下の無線通信装置が復電を契機に一斉に通信を開始するような場合でも、システム処理が輻輳し、システムダウンなどの障害に至ることを低減することができる。
【0036】
以上、本発明者によってなされた発明を実施形態に基づき具体的に説明したが、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、種々変更可能であることはいうまでもない。
【符号の説明】
【0037】
A01・・・無線通信装置
A02・・・無線網
A02_1・・・無線基地局
A02_2・・・交換機
A03・・・データサーバー(上位サーバー)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9A
図9B
図10
図11A
図11B
図12