特許第6383460号(P6383460)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6383460エンコーダ用受光モジュール及びエンコーダ
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6383460
(24)【登録日】2018年8月10日
(45)【発行日】2018年8月29日
(54)【発明の名称】エンコーダ用受光モジュール及びエンコーダ
(51)【国際特許分類】
   G01D 5/347 20060101AFI20180820BHJP
   H01L 31/0232 20140101ALI20180820BHJP
   H01L 31/02 20060101ALI20180820BHJP
【FI】
   G01D5/347 110V
   H01L31/02 C
   H01L31/02 B
【請求項の数】5
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2017-107863(P2017-107863)
(22)【出願日】2017年5月31日
【審査請求日】2018年7月13日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000236436
【氏名又は名称】浜松ホトニクス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100088155
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷川 芳樹
(74)【代理人】
【識別番号】100113435
【弁理士】
【氏名又は名称】黒木 義樹
(74)【代理人】
【識別番号】100140442
【弁理士】
【氏名又は名称】柴山 健一
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 貴幸
(72)【発明者】
【氏名】辻 勇治
【審査官】 深田 高義
(56)【参考文献】
【文献】 特開2005−37333(JP,A)
【文献】 特開2015−118046(JP,A)
【文献】 特開2007−256692(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01D 5/347
H01L 31/02
H01L 31/0232
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
底壁部、及び、前記底壁部の一方側において前記底壁部上に配置された側壁部を有する支持体と、
受光面を有し、前記受光面が前記一方側を向くように前記底壁部上に配置され、前記一方側から見た場合に前記側壁部によって包囲された受光素子と、
複数の光ファイバの一端面により構成された入力面、及び、前記複数の光ファイバの他端面により構成された出力面を有し、前記出力面が前記受光面と向かい合うように前記受光素子上に配置されたファイバオプティックプレートと、を備え、
前記側壁部における前記一方側の端面は、前記受光面よりも前記一方側に位置しており、前記入力面は、前記端面よりも前記一方側に位置している、エンコーダ用受光モジュール。
【請求項2】
前記側壁部の内側において、前記底壁部に設けられた配線、及び、前記受光素子に設けられた端子に接続されたワイヤと、
前記側壁部の内側において前記底壁部上に配置され、前記配線、前記端子及び前記ワイヤを覆う樹脂部材と、を更に備え、
前記端面は、前記ワイヤよりも前記一方側に位置しており、前記入力面は、前記樹脂部材よりも前記一方側に位置している、請求項1に記載のエンコーダ用受光モジュール。
【請求項3】
前記ファイバオプティックプレートは、前記樹脂部材によって前記受光素子に対して固定されている、請求項2に記載のエンコーダ用受光モジュール。
【請求項4】
光通過パターンを有し、前記受光面と前記出力面との間に配置された遮光層を更に備える、請求項1〜3のいずれか一項に記載のエンコーダ用受光モジュール。
【請求項5】
光通過パターンを有する回転板と、
前記回転板に対して一方側に配置された光源と、
前記回転板に対して他方側に配置された請求項1〜4のいずれか一項に記載のエンコーダ用受光モジュールと、を備えるエンコーダ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エンコーダ用受光モジュール及びエンコーダに関する。
【背景技術】
【0002】
光通過パターンを有する回転板と、回転板に対して一方側に配置された光源と、回転板に対して他方側に配置された受光素子と、を備えるエンコーダが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005−37333号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述したようなエンコーダでは、例えば物理的な接触から受光素子を保護するために、底壁部及び側壁部を有する支持体に受光素子を配置することが考えられる。より具体的には、一方側から見た場合に側壁部によって包囲されるように、底壁部上に受光素子を配置することが考えられる。しかしながら、受光面が一方側を向くように底壁部に受光素子を配置したとしても、回転板に側壁部が接触する直前までしか、受光面を光通過パターンに近づけることができない。光通過パターンを有する固定板が回転板と共に設けられている場合にも、回転板又は固定板に側壁部が接触する直前までしか、受光面を光通過パターンに近づけることができない。受光面を光通過パターンに近づけることができないと、光の拡散等によってエンコーダの検出精度が低下するおそれがある。
【0005】
そこで、本発明は、受光素子の保護を図りながらも、エンコーダに適用した場合に良好な検出精度を得ることができるエンコーダ用受光モジュール、及びそのような受光モジュールを備えるエンコーダを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明のエンコーダ用受光モジュールは、底壁部、及び、底壁部の一方側において底壁部上に配置された側壁部を有する支持体と、受光面を有し、受光面が一方側を向くように底壁部上に配置され、一方側から見た場合に側壁部によって包囲された受光素子と、複数の光ファイバの一端面により構成された入力面、及び、複数の光ファイバの他端面により構成された出力面を有し、出力面が受光面と向かい合うように受光素子上に配置されたファイバオプティックプレートと、を備え、側壁部における一方側の端面は、受光面よりも一方側に位置しており、入力面は、端面よりも一方側に位置している。
【0007】
このエンコーダ用受光モジュールでは、側壁部における一方側の端面が、受光素子の受光面よりも一方側に位置している。これにより、例えば物理的な接触から受光素子を確実に保護することができる。また、ファイバオプティックプレートが、出力面が受光面と向かい合うように受光素子上に配置されている。これにより、入力面に入射した光を受光面に確実に導光することができる。そして、ファイバオプティックプレートの入力面が、側壁部における一方側の端面よりも一方側に位置している。これにより、入力面をエンコーダの光通過パターンに近づけることができる。その結果、光通過パターンを通過した光が拡散して受光面に入射するのを抑制することができる。よって、このエンコーダ用受光モジュールによれば、受光素子の保護を図りながらも、エンコーダに適用した場合に良好な検出精度を得ることができる。
【0008】
本発明のエンコーダ用受光モジュールは、側壁部の内側において、底壁部に設けられた配線、及び、受光素子に設けられた端子に接続されたワイヤと、側壁部の内側において底壁部上に配置され、配線、端子及びワイヤを覆う樹脂部材と、を更に備え、端面は、ワイヤよりも一方側に位置しており、入力面は、樹脂部材よりも一方側に位置していてもよい。これによれば、配線、端子及びワイヤが樹脂部材によって覆われているため、エンコーダの使用時に飛散する油等から、配線、端子及びワイヤを保護することができる。また、側壁部の端面がワイヤよりも一方側に位置しているため、ワイヤに外力が作用するのを抑制することができる。更に、樹脂部材に邪魔されることなく、入力面をエンコーダの光通過パターンに近づけることができる。
【0009】
本発明のエンコーダ用受光モジュールでは、ファイバオプティックプレートは、樹脂部材によって受光素子に対して固定されていてもよい。これによれば、ファイバオプティックプレートを受光素子に対して固定するための構成を省略することができ、構成を簡易化することができる。
【0010】
本発明のエンコーダ用受光モジュールは、光通過パターンを有し、受光面と出力面との間に配置された遮光層を更に備えていてもよい。これによれば、エンコーダの回転板が有する光通過パターンを通過した光を、受光面に適切に入射させることができる。また、遮光層の光通過パターンと受光面とが近いため、遮光層の光通過パターンと受光面との間の位置精度を向上させることができる。また、遮光層の光通過パターンと受光面とが出力面を介して入力面に転像されるため、遮光層の光通過パターンと受光面とを回転板の光通過パターンに光学的に近づけることができる。その結果、エンコーダに適用した場合の検出精度が一層良好なものとなる。
【0011】
本発明のエンコーダは、光通過パターンを有する回転板と、回転板に対して一方側に配置された光源と、回転板に対して他方側に配置された上記エンコーダ用受光モジュールと、を備える。このエンコーダによれば、上述したとおり、受光素子の保護を図りながらも、良好な検出精度を得ることができる。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、受光素子の保護を図りながらも、エンコーダに適用した場合に良好な検出精度を得ることができるエンコーダ用受光モジュール、及びそのような受光モジュールを備えるエンコーダを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】一実施形態に係るエンコーダの斜視図である。
図2図1に示される受光モジュールの平面図である。
図3図2のIII-III線に沿っての断面図である。
図4】変形例に係る受光モジュールの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の一実施形態について、図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、以下の説明において、同一又は相当要素には同一符号を用い、重複する説明を省略する。
【0015】
図1に示されるように、エンコーダ1は、回転軸2と、回転板3と、固定板4と、光源5と、受光モジュール6と、処理部7と、を備えている。回転軸2は、軸線Aを中心線として回転する。エンコーダ1は、いわゆるアブソリュート型のロータリーエンコーダであり、回転軸2に連結された測定対象物の絶対角度を検出するための装置である。
【0016】
回転板3は、回転軸2に固定されており、回転軸2と共に回転する。回転板3は、例えば、円板状に形成され、軸線Aと直交するように中心部において回転軸2に取り付けられている。回転板3は、グレイコード等の所定パターンを表す光通過パターン3aを有している。光通過パターン3aは、回転板3を貫通する複数のスリットによって構成されている。これらのスリット内は、空隙となっていてもよいし、スリット内に透明なガラス部が配置されていてもよい。
【0017】
固定板4は、回転板3と向かい合う位置で固定されている。固定板4は、例えば、矩形板状に形成され、回転板3と平行に配置されている。固定板4は、光源5と回転板3の光通過パターン3aとを結ぶ直線上に位置するように形成された光通過パターン4aを有している。光通過パターン4aは、固定板4を貫通する複数のスリットによって構成されている。本実施形態では、5つのスリットが回転板3の半径方向に沿って並設されている。これらのスリット内は、空隙となっていてもよいし、スリット内に透明なガラス部が配置されていてもよい。
【0018】
光源5は、例えばLED(Light Emitting Diode)等の発光素子である。光源5は、固定板4に対して回転板3とは反対側の位置で固定されており、回転板3に向けて光を出射する。受光モジュール6は、回転板3及び固定板4に対して光源5とは反対側の位置で固定されている。受光モジュール6は、複数の受光面21aを有しており(図2及び図3)、各受光面21aに入射した光を検出する。
【0019】
エンコーダ1では、光源5と受光モジュール6の受光面21aとを結ぶ直線上において回転板3の光通過パターン3aと固定板4の光通過パターン4aとが重なると、光源5からの光が回転板3及び固定板4を通過して受光面21aに入射する。一方、光通過パターン3aと光通過パターン4aとが重ならない場合、光源5からの光は、回転板3により遮られて受光面21aに入射しない。処理部7は、例えば信号処理回路であり、各受光面21aにおける光検出結果を符号化し、回転軸2の回転角の絶対値を表すグレイコードG0,G1,G2,G3及びG4を出力する。
【0020】
続いて、受光モジュール6の構成について更に説明する。図2及び図3に示されるように、受光モジュール6は、支持体11と、受光素子12と、ファイバオプティックプレート(以下、「FOP」ともいう)13と、ワイヤ14と、樹脂部材15と、を備えている。
【0021】
支持体11は、一面が開口した略直方体状の箱体であり、矩形板状の底壁部16と、底壁部16の一方側Sにおいて底壁部16上に配置された側壁部17と、を有している。側壁部17は、底壁部16の外縁に沿って設けられ、一方側Sから見た場合に矩形環状をなしている。支持体11は、例えば、共にガラスエポキシ樹脂からなる底壁部16と側壁部17とを積層することによって形成されている。
【0022】
底壁部16には、受光モジュール6から外部に信号を出力するための複数の配線18が設けられている。配線18は、底壁部16における一方側Sの主面16a、主面16aとは反対側の主面16b、及び、主面16a,16bに連なる側面16cに露出している。
【0023】
受光素子12は、矩形板状の受光チップであり、複数の受光部21を有している。受光部21は、例えば、フォトダイオード又はフォトダイオードアレイ等であり、受光素子12の一方面12a側に受光面21aを有している。受光素子12は、受光面21aが一方側Sを向くように、底壁部16上に配置(固定)されている。受光素子12は、一方側Sから見た場合に、側壁部17によって包囲されている。受光素子12の一方面12aには、受光部21からの信号を出力するための複数の端子19が設けられている。一方面12aにおいては、中央側の領域に各受光面21aが配置され、当該領域よりも外側に各端子19が配置されている。
【0024】
FOP13は、複数(多数)の光ファイバが束ねられて構成された光学デバイスである。例えば、FOP13には、数nm〜数十nmの直径の光ファイバが数千万本含まれている。FOP13は、例えば、直方体状をなしており、互いに対向する入力面13a及び出力面13bを有している。入力面13aは、複数の光ファイバの一端面により構成され、出力面13bは、それら複数の光ファイバの他端面により構成されている。FOP13は、出力面13bが受光部21の受光面21aと向かい合うように、受光素子12上に配置されている。より詳細には、出力面13bは、一方面12aにおける受光面21aが配置された中央側の領域と向かい合っている。
【0025】
FOP13では、入力面13aに入射した光は、光ファイバ内を伝搬し、出力面13bから出力される。より詳細には、入力面13aにおける或る位置に入射した光は、出力面13bにおける当該位置に対応した位置から出射する。したがって、FOP13を受光素子12上に配置することにより、入力面13aに入射した光を拡散することなく、受光面21aに確実に導光することができる。
【0026】
ワイヤ14は、側壁部17の内側において配線18と端子19とを互いに電気的に接続するボンディングワイヤである。ワイヤ14の一端は、配線18における主面16a側の露出部分に結合されており、他端は、端子19に結合されている。ワイヤ14の中間部は、一方側Sに向かって凸となるように湾曲している。
【0027】
樹脂部材15は、側壁部17の内側において底壁部16上に配置されている。樹脂部材15は、配線18における主面16a側の露出部分、端子19及びワイヤ14を覆っており、底壁部16の主面16a、側壁部17の内面17a、受光素子12の一方面12a及び側面12b、並びにFOP13の側面13cに結合している。樹脂部材15は、一方側Sから見た場合に、FOP13を包囲する矩形環状をなしている。
【0028】
また、樹脂部材15は、受光素子12の一方面12aとFOP13の出力面13bとの間に入り込んでおり(介在しており)、FOP13を受光素子12に対して固定している。樹脂部材15は、例えば、シリコーン樹脂などの透明樹脂をポッティングすることによって形成される。このポッティングの際には、底壁部16の主面16a上に注入された硬化前の樹脂材料が、側壁部17の内面17aによって堰き止められる。
【0029】
ここで、図3を参照しつつ、底壁部16の主面16aに沿った方向から見た場合の各部の位置関係について説明する。側壁部17における一方側Sの端面17bは、受光素子12の受光面21a(一方面12a)よりも一方側Sに位置しており、入力面13aは、端面17bよりも一方側Sに位置している。また、端面17bは、ワイヤ14よりも一方側Sに位置しており、入力面13aは、樹脂部材15よりも一方側Sに位置している。なお、本実施形態では、端面17b、受光面21a及び入力面13aは、互いに平行になっている。
【0030】
以上のように構成された受光モジュール6は、FOP13の入力面13aが回転板3の光通過パターン3aと向かい合い且つ近接する位置で固定されている。上述したように、光源5と受光面21aとを結ぶ直線上において回転板3の光通過パターン3aと固定板4の光通過パターン4aとが重なると、光源5からの光が回転板3及び固定板4を通過する。回転板3及び固定板4を通過した光は、入力面13aに入射し、FOP13によって導光されて受光面21aに入射する。これにより、各受光面21aにおいて光が検出される。
【0031】
以上説明したように、受光モジュール6では、側壁部17の端面17bが、受光素子12の受光面21aよりも一方側Sに位置している。これにより、例えば物理的な接触から受光素子12を確実に保護することができる。また、FOP13が、出力面13bが受光面21aと向かい合うように受光素子12上に配置されている。これにより、入力面13aに入射した光を受光面21aに確実に導光することができる。そして、FOP13の入力面13aが、側壁部17の端面17bよりも一方側Sに位置している。これにより、入力面13aをエンコーダ1の光通過パターン3aに近づけることができる。その結果、光通過パターン3aを通過した光が拡散して受光面21aに入射するのを抑制することができる。よって、受光モジュール6によれば、受光素子12の保護を図りながらも、エンコーダ1に適用した場合に良好な検出精度を得ることができる。
【0032】
また、上述した従来のエンコーダのように、受光素子12の受光面21aを光通過パターン3aに近づけることができない場合において、光通過パターン3aを通過した光が拡散して受光面21aに入射するのを抑制するための手段としては、平行度が高い光を出射する光源5を用いることが考えられる。これに対し、受光モジュール6では、入力面13aを光通過パターン3aに近づけることによって、光通過パターン3aを通過した光が拡散して受光面21aに入射するのを抑制することができるため、必ずしも平行度が高い光を出射する光源5を用いる必要がない。そのため、光源5の選択の自由度を高めることができる。
【0033】
また、受光モジュール6は、配線18及び端子19に接続されたワイヤと、配線18、端子19及びワイヤ14を覆う樹脂部材15と、を更に備えている。そして、側壁部17の端面17bがワイヤ14よりも一方側Sに位置しており、入力面13aが樹脂部材15よりも一方側Sに位置している。これにより、配線18、端子19及びワイヤ14が樹脂部材15によって覆われているため、エンコーダ1の使用時に飛散する油等から、配線18、端子19及びワイヤ14を保護することができる。また、側壁部17の端面17bがワイヤ14よりも一方側Sに位置しているため、ワイヤ14に外力が作用するのを抑制することができる。更に、樹脂部材15に邪魔されることなく、入力面13aをエンコーダ1の光通過パターン3aに近づけることができる。
【0034】
また、受光モジュール6では、FOP13が、樹脂部材15によって受光素子12に対して固定されている。これにより、FOP13を受光素子12に対して固定するための構成を省略することができ、構成を簡易化することができる。
【0035】
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は、上記実施形態に限られない。例えば、各構成の材料及び形状には、上述した材料及び形状に限らず、様々な材料及び形状を採用することができる。
【0036】
また、上記実施形態のエンコーダ1では、固定板4が省略されてもよい。この場合、受光モジュール6は、FOP13の入力面13aが回転板3の光通過パターン3aと向かい合うように配置される。固定板4が省略される場合、受光モジュール6は、図4に示される変形例のように構成されてもよい。この変形例では、受光モジュール6は、受光素子12の受光面21aとFOP13の出力面13bとの間に配置された遮光層23を更に備えている。遮光層23は、受光面21a上に設けられている。より詳細には、遮光層23は、受光素子12の一方面12aにおいて出力面13bと向かい合う領域に設けられている。遮光層23は、固定板4の光通過パターン4aと対応する位置に形成された光通過パターンを有し、当該光通過パターン以外の部分において光源5からの光を遮断する。この光通過パターンは、例えば、遮光層23の一部をパターニングにより除去することによって形成されている。
【0037】
このような変形例によっても、上記実施形態と同様に、受光素子12の保護を図りながらも、良好な検出精度を得ることができる。また、回転板3が有する光通過パターン3aを通過した光を、受光面21aに適切に入射させることができる。また、遮光層23の光通過パターンと受光面21aとが近いため、遮光層23の光通過パターンと受光面21aとの間の位置精度を向上させることができる。また、遮光層23の光通過パターンと受光面21aとが出力面13bを介して入力面13aに転像されるため、遮光層23の光通過パターンと受光面21aとを回転板3の光通過パターンに光学的に近づけることができる。その結果、エンコーダ1に適用した場合の検出精度が一層良好なものとなる。なお、上記変形例では、遮光層23は、FOP13の出力面13b上に設けられてもよい。また、遮光層23は、FOP13の入力面13a上に設けられてもよい。FOP13では、入力面13aにおける或る位置に入射した光は、光ファイバ内を伝搬し、出力面13bにおける当該位置に対応した位置から出射する。したがって、入力面13a上の遮光層23を通過した光は、入力面13aにおける或る位置に入射して出力面13bにおける当該位置に対応した位置から出射され、受光素子12の受光面21aに入射するため、受光面21a上に遮光層23を形成した場合と実質的に同等の効果が得られる。
【0038】
また、上記実施形態のエンコーダ1では、光源5、固定板4、回転板3及び受光モジュール6がこの順に配置されていたが、光源5、回転板3、固定板4、受光モジュール6の順に配置されてもよい。この場合、受光モジュール6は、FOP13の入力面13aが固定板4の光通過パターン4aと向かい合うように配置される。このような変形例によっても、上記実施形態と同様に、光通過パターン4aを通過した光が拡散して受光面21aに入射するのを抑制することができ、受光素子12の保護を図りながらも、良好な検出精度を得ることができる。
【0039】
また、ワイヤ14が省略されてもよく、例えば、配線18が底壁部16の主面16aにおいて受光素子12の裏面と対向する位置に設けられると共に、端子19が受光素子12の裏面側に設けられ、受光素子12の裏面側において配線18と端子19とが接続されてもよい。この場合、樹脂部材15は省略されてもよい。また、FOP13は、樹脂部材15ではなく接着剤等によって受光素子12に対して固定されてもよい。また、本発明のエンコーダは、インクリメント型のエンコーダに適用されてもよい。
【符号の説明】
【0040】
1…エンコーダ、3…回転板、5…光源、6…受光モジュール、11…支持体、12…受光素子、13…ファイバオプティックプレート、13a…入力面、13b…出力面、14…ワイヤ、15…樹脂部材、16…底壁部、17…側壁部、18…配線、19…端子、21a…受光面、23…遮光層。
【要約】
【課題】受光素子の保護を図りながらも、エンコーダに適用した場合に良好な検出精度を得ることができるエンコーダ用受光モジュール、及びそのような受光モジュールを備えるエンコーダを提供する。
【解決手段】受光モジュール6は、底壁部16及び側壁部17を有する支持体11と、受光面21aが一方側Sを向くように底壁部16上に配置され、一方側Sから見た場合に側壁部17によって包囲された受光素子12と、複数の光ファイバの一端面により構成された入力面13a、及び、複数の光ファイバの他端面により構成された出力面13bを有し、出力面13bが受光面21aと向かい合うように受光素子12上に配置されたファイバオプティックプレート13と、を備える。側壁部17における一方側Sの端面17bは、受光面21aよりも一方側Sに位置しており、入力面13aは、端面17bよりも一方側Sに位置している。
【選択図】図3
図1
図2
図3
図4