【文献】
Akinc, Akin et al.,A combinatorial library of lipid-like materials for delivery of RNAi therapeutics,NATURE BIOTECHNOLOGY,2008年,26(5),561-569, Supplementary Information 1-26
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記少なくとも1つのヘルパー脂質が、3βOH−ステロール;ホスファチジルコリン;ホスファチジルエタノールアミン;レシチン;グリセロールエステル;スフィンゴ脂質;脂肪酸エステル;セレブロシド;ピペラジンベースの陽イオン性脂質;ホスファチジルグリセロール;ジ第四級アンモニウム塩;N,N'−ジセチル飽和アナログ;ジホスファチジルグリセロール;ホスファチジルセリン;エチル−PC;セラミド;およびそれらの誘導体から選択される、請求項3記載のトランスフェクション複合体。
前記少なくとも1つのヘルパー脂質が、コレステロール;DOPE(ジオレオイルホスファチジルエタノールアミン);およびDOPC(ジオレオイルホスファチジルコリン)またはそれらの薬学的に許容可能な塩から選択される、請求項3記載のトランスフェクション複合体。
【発明を実施するための形態】
【0030】
ここで、本発明のいくつかの実施形態について詳細に言及される。本発明は、下記で論じられる実施形態と併せて説明されるが、それは、本発明をそれらの実施形態に限定すると意図されていないことが理解されるだろう。それどころか、本発明は、添付の請求項によって定義されるような本発明の範囲内に含まれる代替物、改変および等価物を包含すると意図されている。
【0031】
I.定義および省略形
本発明が、特定のデバイスまたは生体系に限定されないことが理解されるべきであり、本発明は、当然のことながら変化し得る。本明細書および添付の請求項において使用されるとき、単数形「a」、「an」および「the」は、その内容が明らかに他のことを表していない限り、単数および複数の指示対象を含むこともまた理解されるべきである。したがって、例えば、「脂質(a lipid)」への言及は、1つ以上の脂質を含む。本明細書中で使用される任意の用語が、特定の実施形態だけを説明する目的のものであって、限定すると意図されないことが、なおもさらに理解されるべきである。
【0032】
本明細書全体を通して使用される用語は、本発明の文脈において、および各用語が使用される特定の文脈において、当該分野におけるその通常の意味を広く有する。本発明の一般的な実施形態ならびにそれを生成するおよび使用する方法を説明する際に、当業者に対して追加の指図を提供するために、ある特定の用語が下記または本明細書の他の箇所で論じられる。同じことが2つ以上の方法で述べられ得ることが容易に認識されるだろう。その結果として、代替の言語および同義語が、本明細書中で論じられる用語の任意の1つ以上に対して使用されることがあり、ある用語が本明細書中で詳細に詳しく述べられるかまたは論じられるか否かに関係なく、それにいかなる特別な重大さもあるわけではない。ある特定の用語に対する同義語が提供される。1つ以上の同義語の記述によって、他の同義語の使用が排除されない。本明細書中で論じられる任意の用語の例を含む、本明細書のいずれの箇所での例の使用も、単なる例証であって、本発明または例証される任意の用語の範囲および意味を決して限定しない。
【0033】
本発明の化合物は、特定の幾何異性体または立体異性体として存在し得る。本発明は、本発明の範囲内に入る、cis−およびtoms−異性体、R−およびS−エナンチオマー、ジアステレオマー、(D)−異性体、(L)−異性体、それらのラセミ混合物およびそれらの他の混合物を含むそのような化合物のすべてを企図する。さらなる不斉炭素原子が、アルキル基などの置換基に存在する。そのような異性体のすべてならびにそれらの混合物は、本発明に含まれると意図される。
【0034】
任意の種々の異性体比を含む異性体混合物が、本発明に従って使用される。例えば、2つだけの異性体が混和されている場合、50:50、60:40、70:30、80:20、90:10、95:5、96:4、97:3、98:2、99:1または100:0の異性体比を含む混合物のすべてが、本発明によって企図される。当業者は、より複雑な異性体混合物について類似の比が企図されることを容易に認識するだろう。例えば、本発明の化合物の特定のエナンチオマーが望まれる場合、それは、不斉合成またはキラル補助剤を用いた誘導によって調製され、ここで、得られたジアステレオ異性混合物は分離され、補助剤基が切断されることにより、所望の純粋なエナンチオマーが得られる。あるいは、分子が、アミノなどの塩基性の官能基またはカルボキシルなどの酸性の官能基を含む場合、適切な光学活性な酸または塩基を用いてジアステレオ異性塩が形成された後、このように形成されたジアステレオマーが当該分野で周知の分別結晶法またはクロマトグラフィー手段によって分割され、続いて、純粋なエナンチオマーが回収される。
【0035】
別段述べられない限り、本明細書中で使用される以下の用語、定義および省略形は、以下の意味を有すると意図される。
【0036】
用語「保護基」は、本明細書中で使用されるとき、特定の官能部分、例えば、O、SまたはNを一時的に遮断する基のことを指し、それにより、ある反応が多官能性化合物における別の反応性部位において選択的に行われる。保護基は、良好な収率で選択的に反応することにより、計画された反応にとって安定である保護された基質をもたらし、保護基は、他の官能基を攻撃しない容易に入手可能な試薬によって、良好な収率で選択的に除去可能であり;保護基は、容易に分離可能な誘導体を形成し;保護基は、さらなる反応部位を回避するためにさらなる官能性を最低限しか有しない。
【0037】
本明細書中で詳述されるように、酸素、硫黄、窒素および炭素保護基が使用される。例示的なヒドロキシル保護基の非限定的な例としては、メチル、メトキシルメチル(MOM)、メチルチオメチル(MTM)、t−ブチルチオメチル、(フェニルジメチルシリル)メトキシメチル(SMOM)、ベンジルオキシメチル(BOM)、p−メトキシベンジルオキシメチル(PMBM)、(4−メトキシフェノキシ)メチル(p−A0M)、グアイアコールメチル(GUM)、t−ブトキシメチル、4−ペンテニルオキシメチル(POM)、シロキシメチル、2−メトキシエトキシメチル(MEM)、2,2,2−トリクロロエトキシメチル、ビス(2−クロロエトキシ)メチル、2−(トリメチルシリル)エトキシメチル(SEMOR)、テトラヒドロピラニル(THP)、3−ブロモテトラヒドロピラニル、テトラヒドロチオピラニル、1−メトキシシクロヘキシル、4−メトキシテトラヒドロピラニル(MTHP)、4−メトキシテトラヒドロチオピラニル、4−メトキシテトラヒドロチオピラニルS,S−ジオキシド、1−[(2−クロロ−4−メチル)フェニル]−4−メトキシピペリジン−4−イル(CTMP)、1,4−ジオキサン−2−イル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロチオフラニル、2,3,3a,4,5,6,7,7a−オクタヒドロ−7,8,8−トリメチル−4,7−メタノベンゾフラン−2−イル、1−エトキシエチル、1−(2−クロロエトキシ)エチル、1−メチル−1−メトキシエチル、1−メチル−1−ベンジルオキシエチル、1−メチル−1−ベンジルオキシ−2−フルオロエチル、2,2,2−トリクロロエチル、2−トリメチルシリルエチル、2−(フェニルセレニル)エチル、t−ブチル、アリル、p−クロロフェニル、p−メトキシフェニル、2,4−ジニトロフェニル、ベンジル、p−メトキシベンジル、3,4−ジメトキシベンジル、o−ニトロベンジル、p−ニトロベンジル、p−ハロベンジル、2,6−ジクロロベンジル、p−シアノベンジル、p−フェニルベンジル、2−ピコリル、4−ピコリル、3−メチル−2−ピコリルiV−オキシド、ジフェニルメチル、p,p'−ジニトロベンズヒドリル、5−ジベンゾスベリル、トリフェニルメチル、α−ナフチルジフェニルメチル、p−メトキシフェニルジフェニルメチル、ジ(p−メトキシフェニル(niethoxyphenyl))フェニルメチル、トリ(p−メトキシフェニル)メチル、4−(4'−ブロモフェナシルオキシフェニル)ジフェニルメチル、4,4',4"−トリス(4,5−ジクロロフタルイミドフェニル)メチル、4,4',4"−トリス(レブリノイルオキシフェニル)メチル、4,4',4"−トリス(ベンゾイルオキシフェニル)メチル、3−(イミダゾール−1−イル)ビス(4',4"−ジメトキシフェニル)メチル、1,1−ビス(4−メトキシフェニル)−1'−ピレニルメチル、9−アントリル、9−(9−フェニル)キサンテニル、9−(9−フェニル−10−オキソ)アントリル、1,3−ベンゾジチオラン−2−イル、ベンズイソチアゾリルS,S−ジオキシド、トリメチルシリル(TMS)、トリエチルシリル(TES)、トリイソプロピルシリル(TIPS)、ジメチルイソプロピルシリル(IPDMS)、ジエチルイソプロピルシリル(DEIPS)、ジメチルテキシルシリル、t−ブチルジメチルシリル(TBDMS)、t−ブチルジフェニルシリル(TBDPS)、トリベンジルシリル、トリ−p−キシリルシリル、トリフェニルシリル、ジフェニルメチルシリル(DPMS)、t−ブチルメトキシフェニルシリル(TBMPS)、ホルメート、ベンゾイルホルメート、アセテート、クロロアセテート、ジクロロアセテート、トリクロロアセテート、トリフルオロアセテート、メトキシアセテート、トリフェニルメトキシアセテート、フェノキシアセテート、p−クロロフェノキシアセテート、3−フェニルプロピオネート、4−オキソペンタノエート(レブリネート)、4,4−(エチレンジチオ)ペンタノエート(レブリノイルジチオアセタール)、ピバロエート、アダマントエート、クロトネート、4−メトキシクロトネート、ベンゾエート、p−フェニルベンゾエート、2,4,6−トリメチルベンゾエート(メシトエート)、アルキルメチルカーボネート、9−フルオレニルメチルカーボネート(Fmoc)、アルキルエチルカーボネート、アルキル2,2,2−トリクロロエチルカーボネート(Troc)、2−(トリメチルシリル)エチルカーボネート(TMSEC)、2−(フェニルスルホニル)エチルカーボネート(Psec)、2−(トリフェニルホスホニオ)エチルカーボネート(Peoc)、アルキルイソブチルカーボネート、アルキルビニルカーボネートアルキルアリルカーボネート、アルキルp−ニトロフェニルカーボネート、アルキルベンジルカーボネート、アルキルp−メトキシベンジルカーボネート、アルキル3,4−ジメトキシベンジルカーボネート、アルキルo−ニトロベンジルカーボネート、アルキルp−ニトロベンジルカーボネート、アルキルS−ベンジルチオカーボネート、4−エトキシ−1−ナフチル(napththyl)カーボネート、メチルジチオカーボネート、2−ヨードベンゾエート、4−アジドブチレート、4−ニトロ−4−メチルペンタノエート、o−(ジブロモメチル)ベンゾエート、2−ホルミルベンゼンスルホネート、2−(メチルチオメトキシ)エチル、4−(メチルチオメトキシ)ブチレート、2−(メチルチオメトキシメチル)ベンゾエート、2,6−ジクロロ−4−メチルフェノキシアセテート、2,6−ジクロロ−4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)フェノキシアセテート、2,4−ビス(1,1−ジメチルプロピル)フェノキシアセテート、クロロジフェニルアセテート、イソブチレート、モノスクシノエート、(E)−2−メチル−2−ブテノエート、o−(メトキシカルボニル)ベンゾエート、α−ナフトエート、ニトレート、アルキルN,N,N',N'−テトラメチルホスホロジアミデート、アルキルN−フェニルカルバメート、ボレート、ジメチルホスフィノチオイル、アルキル2,4−ジニトロフェニルスルフェネート、スルフェート、メタンスルホネート(メシレート)、ベンジルスルホネートおよびトシレート(Ts)が挙げられる。
【0038】
1,2−または1,3−ジオールを保護する場合、例示的な保護基の非限定的な例としては、メチレンアセタール、エチリデンアセタール、1−t−ブチルエチリデンケタール、1−フェニルエチリデンケタール、(4−メトキシフェニル)エチリデンアセタール、2,2,2−トリクロロエチリデンアセタール、アセトニド、シクロペンチリデンケタール、シクロヘキシリデンケタール、シクロヘプチリデンケタール、ベンジリデンアセタール、p−メトキシベンジリデンアセタール、2,4−ジメトキシベンジリデンケタール、3,4−ジメトキシベンジリデンアセタール、2−ニトロベンジリデンアセタール、メトキシメチレンアセタール、エトキシメチレンアセタール、ジメトキシメチレンオルトエステル、1−メトキシエチリデンオルトエステル、1−エトキシエチリジンオルトエステル、1,2−ジメトキシエチリデンオルトエステル、α−メトキシベンジリデンオルトエステル、1−(N,N−ジメチルアミノ)エチリデン誘導体、α−(N,N'−ジメチルアミノ)ベンジリデン誘導体、2−オキサシクロペンチリデンオルトエステル、ジ−t−ブチルシリレン基(DTBS)、1,3−(1,1,3,3−テトライソプロピルジシロキサニリデン)誘導体(TIPDS)、テトラ−t−ブトキシジシロキサン−1,3−ジイリデン誘導体(TBDS)、環状カーボネート、環状ボロネート、エチルボロネートおよびフェニルボロネートが挙げられる。
【0039】
例示的なアミノ保護基の非限定的な例としては、メチルカルバメート、エチルカルバメート(ethyl carbamante)、9−フルオレニルメチルカルバメート(Fmoc)、9−(2−スルホ)フルオレニルメチルカルバメート、9−(2,7−ジブロモ)フルオロエニルメチルカルバメート、2,7−ジ−f−ブチル−[9−(10,10−ジオキソ−10,10,10,10−テトラヒドロチオキサンチル)]メチルカルバメート(DBD−Tmoc)、4−メトキシフェナシルカルバメート(Phenoc)、2,2,2−トリクロロエチルカルバメート(Troc)、2−トリメチルシリルエチルカルバメート(Teoc)、2−フェニルエチルカルバメート(hZ)、1−(1−アダマンチル)−1−メチルエチルカルバメート(Adpoc)、1,1−ジメチル−2−ハロエチルカルバメート、1,1−ジメチル−2,2−ジブロモエチルカルバメート(DB−t−BOC)、1,1−ジメチル−2,2,2−トリクロロエチルカルバメート(TCBOC)、1−メチル−1−(4−ビフェニリル)エチルカルバメート(Bpoc)、1−(3,5−ジ−t−ブチルフェニル)−1−メチルエチルカルバメート(t−Bumeoc)、2−(2'−および4'−ピリジル)エチルカルバメート(Pyoc)、2−(N,N−ジシクロヘキシルカルボキサミド)エチルカルバメート、t−ブチルカルバメート(BOC)、1−アダマンチルカルバメート(Adoc)、ビニルカルバメート(Voc)、アリルカルバメート(Alloc)、1−イソプロピルアリルカルバメート(Ipaoc)、シンナミルカルバメート(Coc)、4−ニトロシンナミル(nitrocimiamyl)カルバメート(Noc)、8−キノリルカルバメート、N−ヒドロキシピペリジニルカルバメート、アルキルジチオカルバメート、ベンジルカルバメート(Cbz)、p−メトキシベンジルカルバメート(Moz)、p−ニトロベンジル(nitobenzyl)カルバメート、p−ブロモベンジルカルバメート、p−クロロベンジルカルバメート、2,4−ジクロロベンジルカルバメート、4−メチルスルフィニルベンジル(methylsulfmylbenzyl)カルバメート(Msz)、9−アントリルメチルカルバメート、ジフェニルメチルカルバメート、2−メチルチオエチルカルバメート、2−メチルスルホニルエチルカルバメート、2−(p−トルエンスルホニル)エチルカルバメート、[2−(1,3−ジチアニル)]メチルカルバメート(Dmoc)、4−メチルチオフェニルカルバメート(Mtpc)、2,4−ジメチルチオフェニルカルバメート(Bmpc)、2−ホスホニオエチルカルバメート(Peoc)、2−トリフェニルホスホニオイソプロピルカルバメート(Ppoc)、1,1−ジメチル−2−シアノエチルカルバメート、m−クロロ−p−アシルオキシベンジルカルバメート、p−(ジヒドロキシボリル)ベンジルカルバメート、5−ベンズイソオキサゾリルメチルカルバメート、2−(トリフルオロメチル)−6−クロモニルメチルカルバメート(Tcroc)、m−ニトロフェニルカルバメート、3,5−ジメトキシベンジルカルバメート、o−ニトロベンジルカルバメート、3,4−ジメトキシ−6−ニトロベンジルカルバメート、フェニル(o−ニトロフェニル)メチルカルバメート、フェノチアジニル−(10)−カルボニル誘導体、N'−p−トルエンスルホニルアミノカルボニル誘導体、N'−フェニルアミノチオカルボニル誘導体、t−アミルカルバメート、S−ベンジルチオカルバメート、p−シアノベンジルカルバメート、シクロブチルカルバメート、シクロヘキシルカルバメート、シクロペンチルカルバメート、シクロプロピルメチルカルバメート、p−デシルオキシベンジルカルバメート、2,2−ジメトキシカルボニルビニルカルバメート、o−(N,N−ジメチルカルボキサミド)ベンジルカルバメート、1,1−ジメチル−3−(N,N−ジメチルカルボキサミド)プロピルカルバメート、1,1−ジメチルプロピニルカルバメート、ジ(2−ピリジル)メチルカルバメート、2−フラニルメチルカルバメート、2−ヨードエチルカルバメート、イソボルニル(isoborynl)カルバメート、イソブチルカルバメート、イソニコチニルカルバメート、p−(p'−メトキシフェニルアゾ)ベンジルカルバメート、1−メチルシクロブチルカルバメート、1−メチルシクロヘキシルカルバメート、1−メチル−1−シクロプロピルメチルカルバメート、1−メチル−1−(3,5−ジメトキシフェニル)エチルカルバメート、1−メチル−1−(p−フェニルアゾフェニル)エチルカルバメート、1−メチル−1−フェニルエチルカルバメート、1−メチル−1−(4−ピリジル)エチルカルバメート、フェニルカルバメート、p−(フェニルアゾ)ベンジルカルバメート、2,4,6−トリ−t−ブチルフェニルカルバメート、4−(トリメチルアンモニウム)ベンジルカルバメート、2,4,6−トリメチルベンジルカルバメート、ホルムアミド、アセトアミド、クロロアセトアミド、トリクロロアセトアミド、トリフルオロアセトアミド、フェニルアセトアミド、3−フェニルプロパンアミド、ピコリンアミド、3−ピリジルカルボキサミド、N−ベンゾイルフェニルアラニル誘導体、ベンズアミド、p−フェニルベンズアミド、o−ニトロフェニルアセトアミド(nitophenylacetamide)、o−ニトロフェノキシアセトアミド、アセトアセトアミド、(N'−ジチオベンジルオキシカルボニルアミノ)アセトアミド、3−(p−ヒドロキシフェニル)プロパンアミド、3−(o−ニトロフェニル)プロパンアミド、2−メチル−2−(o−ニトロフェノキシ)プロパンアミド、2−メチル−2−(o−フェニルアゾフェノキシ)プロパンアミド(propanarnide)、4−クロロブタンアミド、3−メチル−3−ニトロブタンアミド、o−ニトロシンナミド、N−アセチルメチオニン誘導体、o−ニトロベンズアミド、o−(ベンゾイルオキシメチル)ベンズアミド、4,5−ジフェニル−3−オキサゾリン−2−オン、N−フタルイミド、N−ジチアスクシンイミド(Dts)、N−2,3−ジフェニルマレイミド、N−2,5−ジメチルピロール、N−1,1,4,4−テトラメチルジシリルアザシクロペンタン付加物(STABASE)、5−置換1,3−ジメチル−1,3,5−トリアザシクロヘキサン−2−オン、5−置換1,3−ジベンジル−1,3,5−トリアザシクロヘキサン−2−オン、1−置換3,5−ジニトロ−4−ピリドン、N−メチルアミン、N−アリルアミン、N−[2−(トリメチルシリル)エトキシ]メチルアミン(SEM)、N−3−アセトキシプロピルアミン、N−(1−イソプロピル−4−ニトロ−2−オキソ−3−ピロリン(pyroolin)−3−イル)アミン、第四級アンモニウム塩、N−ベンジルアミン、N−ジ(4−メトキシフェニル)メチルアミン、N−5−ジベンゾスベリルアミン、N−トリフェニルメチルアミン(Tr)、N−[(4−メトキシフェニル)ジフェニルメチル]アミン(MMTr)、N−9−フェニルフルオレニルアミン(PhF)、N−2,7−ジクロロ−9−フルオレニルメチレンアミン、N−フェロセニルメチルアミノ(Fcm)、N−2−ピコリルアミノN'−オキシド、N−1,1−ジメチルチオメチレンアミン、N−ベンジリデンアミン、N−p−メトキシベンジリデンアミン、N−ジフェニルメチレンアミン、N−[(2−ピリジル)メシチル]メチレンアミン、N−(N',N'−ジメチルアミノメチレン)アミン、NN'−イソプロピリデンジアミン、N−p−ニトロベンジリデンアミン、N−サリチリデンアミン、N−5−クロロサリチリデンアミン、N−(5−クロロ−2−ヒドロキシフェニル)フェニルメチレンアミン、N−シクロヘキシリデンアミン、N−(5,5−ジメチル−3−オキソ−1−シクロヘキセニル)アミン、N−ボラン誘導体、N−ジフェニルボリン酸誘導体、N−[フェニル(ペンタカルボニルクロム−またはタングステン)カルボニル]アミン、N−銅キレート、N−亜鉛キレート、N−ニトロアミン、N−ニトロソアミン、アミンN−オキシド、ジフェニルホスフィンアミド(Dpp)、ジメチルチオホスフィンアミド(Mpt)、ジフェニルチオホスフィンアミド(Ppt)、ジアルキルホスホルアミデート、ジベンジルホスホルアミデート、ジフェニルホスホルアミデート、ベンゼンスルフェンアミド、o−ニトロベンゼンスルフェンアミド(Nps)、2,4−ジニトロベンゼンスルフェンアミド、ペンタクロロベンゼンスルフェンアミド、2−ニトロ−4−メトキシベンゼンスルフェンアミド、トリフェニルメチルスルフェンアミド、3−ニトロピリジンスルフェンアミド(Npys)、p−トルエンスルホンアミド(Ts)、ベンゼンスルホンアミド、2,3,6,−トリメチル−4−メトキシベンゼンスルホンアミド(Mtr)、2,4,6−トリメトキシベンゼンスルホンアミド(Mtb)、2,6−ジメチル−4−メトキシベンゼンスルホンアミド(Pme)、2,3,5,6−テトラメチル−4−メトキシベンゼンスルホンアミド(Mte)、4−メトキシベンゼンスルホンアミド(Mbs)、2,4,6−トリメチルベンゼンスルホンアミド(Mts)、2,6−ジメトキシ−4−メチルベンゼンスルホンアミド(iMds)、2,2,5,7,8−ペンタメチルクロマン−6−スルホンアミド(Pmc)、メタンスルホンアミド(Ms)、β−トリメチルシリルエタンスルホンアミド(SES)、9−アントラセンスルホンアミド、4−(4',8'−ジメトキシナフチルメチル)ベンゼンスルホンアミド(DNMBS)、ベンジルスルホンアミド、トリフルオロメチルスルホンアミドおよびフェナシルスルホンアミドが挙げられる。
【0040】
用語「置換(される)」は、単独で使用されるかまたは用語「必要に応じて」および本発明の式に含まれる置換基が後ろに置かれるかを問わず、指定の置換基のラジカルによる所与の構造内の水素ラジカルの置換のことを指す。任意の所与の構造内の2つ以上の位置が、指定の基から選択される2つ以上の置換基で置換されるとき、その置換基は、すべての位置において同じであるかまたは異なる。用語「置換(される)」は、有機化合物の許容できるすべての置換基を包含する。広範な態様において、その許容できる置換基には、有機化合物の非環式および環式の分枝状および非分枝状の炭素環式および複素環式の芳香族および非芳香族の置換基が含まれる。ヘテロ原子は、そのヘテロ原子の原子価を満たす、水素置換基および/または本明細書中に記載される有機化合物の任意の許容できる置換基を有し得る。さらに、本発明は、有機化合物の許容できる置換基によって、いかなる様式でも限定されないと意図されている。置換基と変数の組み合わせは、安定な化合物の形成をもたらす組み合わせである。
【0041】
用語「安定」は、本明細書中で使用されるとき、製造を可能にするのに十分な安定性を有し、かつ検出されるのに十分な時間にわたって、好ましくは、本明細書中に詳述される目的のために有用であるのに十分な時間にわたって、化合物の完全性を維持する、化合物のことを指す。
【0042】
用語「脂肪族」は、本明細書中で使用されるとき、1つ以上の官能基で必要に応じて置換される、飽和と不飽和の両方の直鎖(すなわち、非分枝状)、分枝状、非環式、環式または多環式の脂肪族炭化水素を含む。用語「脂肪族」は、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニルおよびシクロアルキニル部分を包含するがこれらに限定されない。
【0043】
用語「アルキル」は、直鎖状、分枝状および環式のアルキル基を包含する。類似の交換が、「アルケニル」または「アルキニル」などの他の総称的な用語に適用される。用語「アルキル」、「アルケニル」および「アルキニル」は、置換された基と置換されていない基の両方を包含する。本発明において使用されるアルキル、アルケニルおよびアルキニル基は、1〜20個の脂肪族炭素原子を含む。「低級アルキル」は、1〜6個の炭素原子を有するそれらのアルキル基(環式、非環式、置換、非置換、分枝状または非分枝状のアルキル基)を指し示すために使用される。
【0044】
例示的な脂肪族基としては、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、シクロプロピル、−CH
2−シクロプロピル、ビニル、アリル、n−ブチル、sec−ブチル、イソブチル、tert−ブチル、シクロブチル、−CH
2−シクロブチル、n−ペンチル、sec−ペンチル、イソペンチル、tert−ペンチル、シクロペンチル、−CH
2−シクロペンチル、n−ヘキシル、sec−ヘキシル、シクロヘキシルおよび−CH
2−シクロヘキシル部分が挙げられるがこれらに限定されず、それらは、1つ以上の置換基である(isar)。例示的なアルケニル基としては、エテニル、プロペニル、ブテニルおよび1−メチル−2−ブテン−1−イルが挙げられるが、これらに限定されない。代表的なアルキニル基としては、エチニル、2−プロピニル(プロパルギル)および1−プロピニルが挙げられるが、これらに限定されない。
【0045】
用語「アルキル」は、本明細書中で使用されるとき、単一の水素原子の除去によって1〜20個の炭素原子を含む炭化水素部分から得られる直鎖または分枝鎖の飽和炭化水素ラジカルのことを指す。例示的なアルキルラジカルとしては、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、n−ブチル、tert−ブチル、n−ペンチル、ネオペンチル、n−ヘキシル、n−ヘプチル、n−オクチル、n−デシル、n−ウンデシルおよびドデシルが挙げられるが、これらに限定されない。
【0046】
用語「アルケニル」は、本明細書中で使用されるとき、単一の水素原子の除去によって少なくとも1つの炭素−炭素二重結合を有する炭化水素部分から得られる一価の基のことを指す。例示的なアルケニル基としては、エテニル、プロペニル、ブテニルおよび1−メチル−2−ブテン−1−イルが挙げられるが、これらに限定されない。
【0047】
用語「アルキニル」は、本明細書中で使用されるとき、単一の水素原子の除去によって少なくとも1つの炭素−炭素三重結合を有する炭化水素から得られる一価の基のことを指す。例示的なアルキニル基としては、エチニル、2−プロピニル(プロパルギル)および1−プロピニルなどが挙げられるが、これらに限定されない。
【0048】
用語「アルコキシ」および「チオアルキル」は、本明細書中で使用されるとき、それぞれ酸素原子または硫黄原子を介して親分子に結合される、先に定義されたようなアルキル基のことを指す。ある特定の実施形態において、アルキル、アルケニルおよびアルキニル基は、1〜20個の脂肪族(alipahtic)炭素原子を含む。例示的なアルコキシ基としては、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、n−ブトキシ、tert−ブトキシ、ネオペントキシおよびn−ヘキソキシが挙げられるがこれらに限定されない。例示的なチオアルキル基としては、メチルチオ、エチルチオ、プロピルチオ、イソプロピルチオおよびn−ブチルチオが挙げられるが、これらに限定されない。
【0049】
用語「アルキルアミノ」は、本明細書中で使用されるとき、構造−NHR'(R'は、1〜20個の脂肪族炭素原子を含む上で定義されたような脂肪族である)を有する基のことを指す。例示的なアルキルアミノ基としては、メチルアミノ、エチルアミノ、n−プロピルアミノ、イソ−プロピルアミノ、シクロプロピルアミノ、n−ブチルアミノ、tert−ブチルアミノ、ネオペンチルアミノ、n−ペンチルアミノ、ヘキシルアミノおよびシクロヘキシルアミノが挙げられるが、これらに限定されない。
【0050】
用語「ジアルキルアミノ」は、本明細書中で使用されるとき、構造−NRR
1(RおよびR
1は各々、1〜20個の脂肪族炭素原子を含む上で定義されたような脂肪族基である)を有する基のことを指す。RおよびR
1は、同じであるかまたは異なり、連結されることにより、芳香族または非芳香族の環構造を形成する。例示的なジアルキルアミノ基としては、ジメチルアミノ、メチルエチルアミノ、ジエチルアミノ、メチルプロピルアミノ、ジ(n−プロピル)アミノ、ジ(イソ−プロピル(propyi))アミノ、ジ(シクロプロピル)アミノ、ジ(n−ブチル)アミノ、ジ(tert−ブチル)アミノ、ジ(ネオペンチル)アミノ5ジ(n−ペンチル)アミノ、ジ(ヘキシル)アミノおよびジ(シクロヘキシル)アミノが挙げられるが、これらに限定されない。例示的な環式のジアミノアルキル基としては、アジリジニル、ピロリジニル、ピペリジニル、モルホリニル、ピロリル、イミダゾリル、1,3,4−トリアノリルおよびテトラゾリルが挙げられるが、これらに限定されない。
【0051】
用語「カルボン酸」は、本明細書中で使用されるとき、式−COOHの基を含む化合物のことを指す。
【0052】
本発明の化合物の上に記載された脂肪族部分および他の部分の置換基のいくつかの例としては、脂肪族、ヘテロ脂肪族、アリール、ヘテロアリール、アリールアルキル、ヘテロアリールアルキル、アルコキシ、アリールオキシ、ヘテロアルコキシ、ヘテロアリールオキシ、アルキルチオ、アリールチオ、ヘテロアルキルチオ、ヘテロアリールチオ、−F、−Cl、−Br、−I、−OH、−NO
2、−CN、−CF
3、−CH
2CF
3、−CHCl
2、−CH
2OH、−CH
2CH
2OH、−CH
2NH
2、−CH
2SO
2CH
3、−C(O)R
x、−CO
2(R
x)、−CON(R
X)
2、−OC(O)R
x、−OCO
2R
x、−OCON(R
x)
2、−N(R
x)
2、−S(O)
2R
xおよび−NR
x(CO)R
xが挙げられるが、これらに限定されず、ここで、R
xの各存在は、独立して、脂肪族、ヘテロ脂肪族、アリール、ヘテロアリール、アリールアルキルまたはヘテロアリールアルキルを含むがこれらに限定されず、ここで、上記および本明細書中に記載される任意の脂肪族、ヘテロ脂肪族、アリールアルキルまたはヘテロアリールアルキル置換基は、置換または非置換の分枝状または非分枝状の環式または非環式であり、上記および本明細書中に記載される任意のアリールまたはヘテロアリール置換基は、置換または非置換である。
【0053】
用語「アリール」および「ヘテロアリール」は、本明細書中で使用されるとき、3〜14個の炭素原子を有する安定な単環式または多環式、複素環式、多環式および複素多環式(polyheterocyclic)の不飽和部分(その各々は、置換または非置換である)のことを指す。置換基としては、脂肪族部分に対して上に列挙された任意の置換基が挙げられるが、これらに限定されない。用語「アリール」は、1つまたは2つの芳香族環(フェニル、ナフチル、テトラヒドロナフチル、インダニルを含むがこれらに限定されない)を有する単環式または二環式の炭素環系を包含する。用語「ヘテロアリール」は、5〜10個の環原子(そのうちの1〜3個の環原子は、S、OおよびNから選択され、残りの環原子は炭素である)を有する環式の芳香族ラジカルを包含し、そのラジカルは、任意の環原子を介して分子の残りの部分に結合される(例えば、ピリジル、ピラジニル、ピリミジニル、ピロリル、ピラゾリル、イミダゾリル、チアゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、チアジアゾリル、オキサジアゾリル、チオフェニル、フラニル、キノリニルまたはイソキノリニル)。
【0054】
アリールおよびヘテロアリール基は、非置換または置換であり、ここで、置換は、独立して以下の部分のいずれか1つ以上による、その基上の水素原子の1、2、3個またはそれ以上の置換を含み、その以下の部分としては、脂肪族、ヘテロ脂肪族、アリール、ヘテロアリール、アリールアルキル、ヘテロアリールアルキル、アルコキシ、アリールオキシ、ヘテロアルコキシ、ヘテロアリールオキシ、アルキルチオ、アリールチオ、ヘテロアルキルチオ、ヘテロアリールチオ、−F、−Cl、−Br、−I、−OH、−NO
2、−CN、−CF
3、−CH
2CF
3、−CHCl
2、−CH
2OH、−CH
2CH
2OH、−CH
2NH
2、−CH
2SO
2CH
3、−C(O)R
x、−CO
2(R
x)、−CON(R
X)
2、−OC(O)R
x、−OCO
2R
x、−OCON(R
x)
2、−N(R
x)
2、−S(O)
2R
xおよび−NR
x(CO)R
xが挙げられるがこれらに限定されず、ここで、R
xの各存在は、独立して、脂肪族、ヘテロ脂肪族、アリール、ヘテロアリール、アリールアルキルまたはヘテロアリールアルキルを含むがこれらに限定されず、上記および本明細書中に記載される任意の脂肪族、ヘテロ脂肪族、アリールアルキルまたはヘテロアリールアルキル置換基は、置換または非置換の分枝状または非分枝状の環式または非環式であり、上記および本明細書中に記載される任意のアリールまたはヘテロアリール置換基は、置換または非置換である。
【0055】
用語「シクロアルキル」は、本明細書中で使用されるとき、詳細には、3〜7個、好ましくは、3〜10個の炭素原子を有する基のことを指す。好適なシクロアルキルとしては、脂肪族、ヘテロ脂肪族、アリール、ヘテロアリール、アリールアルキル、ヘテロアリールアルキル、アルコキシ、アリールオキシ、ヘテロアルコキシ、ヘテロアリールオキシ、アルキルチオ、アリールチオ、ヘテロアルキルチオ、ヘテロアリールチオ、−F、−Cl、−Br、−I、−OH、−NO
2、−CN、−CF
3、−CH
2CF
3、−CHCl
2、−CH
2OH、−CH
2CH
2OH、−CH
2NH
2、−CH
2SO
2CH
3、−C(O)R
x、−CO
2(R
x)、−CON(R
X)
2、−OC(O)R
x、−OCO
2R
x、−OCON(R
x)
2、−N(R
x)
2、−S(O)
2R
xおよび−NR
x(CO)R
xを含むがこれらに限定されない置換基で必要に応じて置換され得る、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシルおよびシクロヘプチルが挙げられるがこれらに限定されず、ここで、R
xの各存在は、独立して、脂肪族、ヘテロ脂肪族、アリール、ヘテロアリール、アリールアルキルまたはヘテロアリールアルキルを含むがこれらに限定されず、上に記載された任意の脂肪族、ヘテロ脂肪族、アリールアルキルまたはヘテロアリールアルキル置換基は、置換または非置換、分枝状または非分枝状、環式のまたは非環式であり、上記および本明細書中に記載される任意のアリールまたはヘテロアリール置換基は、置換または非置換である。
【0056】
用語「ヘテロ脂肪族」は、本明細書中で使用されるとき、例えば炭素原子の代わりに1つ以上の酸素、硫黄、窒素、リンまたはケイ素原子を含む脂肪族部分のことを指す。ヘテロ脂肪族部分は、分枝状、非分枝状、環式または非環式であり、モルホリノ、ピロリジニルなどのような飽和および不飽和の複素環を含む。ヘテロ脂肪族部分は、脂肪族、ヘテロ脂肪族、アリール、ヘテロアリール、アリールアルキル、ヘテロアリールアルキル、アルコキシ、アリールオキシ、ヘテロアルコキシ、ヘテロアリールオキシ、アルキルチオ、アリールチオ、ヘテロアルキルチオ、ヘテロアリールチオ、−F、−Cl、−Br、−I、−OH、−NO
2、−CN、−CF
3、−CH
2CF
3、−CHCl
2、−CH
2OH、−CH
2CH
2OH、−CH
2NH
2、−CH
2SO
2CH
3、−C(O)R
x、−CO
2(R
x)、−CON(R
X)
2、−OC(O)R
x、−OCO
2R
x、−OCON(R
x)
2、−N(R
x)
2、−S(O)
2R
xおよび−NR
x(CO)R
xを含むがこれらに限定されない1つ以上の部分による、そのヘテロ脂肪族部分上の水素原子の1つ以上の独立した置換によって置換され、ここで、R
xの各存在は、独立して、脂肪族、ヘテロ脂肪族、アリール、ヘテロアリール、アリールアルキルまたはヘテロアリールアルキルを含むがこれらに限定されず、上記および本明細書中に記載される任意の脂肪族、ヘテロ脂肪族、アリールアルキルまたはヘテロアリールアルキル置換基は、置換または非置換の分枝状または非分枝状の環式または非環式であり、上記および本明細書中に記載される任意のアリールまたはヘテロアリール置換基は、置換または非置換である。
【0057】
用語「ハロ」および「ハロゲン」は、本明細書中で使用されるとき、フッ素、塩素、臭素およびヨウ素から選択される原子のことを指す。
【0058】
用語「ハロアルキル」は、それに結合された1、2または3個のハロゲン原子を有する上で定義されたようなアルキル基のことを表し、クロロメチル、ブロモエチルおよびトリフルオロメチルなどのような基によって例証される。
【0059】
用語「ヘテロシクロアルキル」または「複素環」は、本明細書中で使用されるとき、酸素、硫黄および窒素から独立して選択される1〜3個のヘテロ原子を有する縮合6員環を含む二環式基または三環式基を含むがこれらに限定されない、非芳香族の5、6もしくは7員環の基または多環式基のことを指し、ここで、(i)各5員環は、0〜1個の二重結合を有し、各6員環は、0〜2個の二重結合を有し、(ii)窒素および硫黄ヘテロ原子は、必要に応じて酸化され、(iii)窒素ヘテロ原子は、必要に応じて四級化され得、(iv)任意の上記複素環式環は、ベンゼン環に縮合される。代表的な複素環としては、ピロリジニル、ピラゾリニル、ピラゾリジニル、イミダゾリニル、イミダゾリジニル、ピペリジニル、ピペラジニル、オキサゾリジニル、イソオキサゾリジニル、モルホリニル、チアゾリジニル、イソチアゾリジニルおよびテトラヒドロフリルが挙げられるが、これらに限定されない。用語「置換」ヘテロシクロアルキルまたは複素環基が使用され、それは、本明細書中で使用されるとき、以下に限定されないが、脂肪族、ヘテロ脂肪族、アリール、ヘテロアリール、アリールアルキル、ヘテロアリールアルキル、アルコキシ、アリールオキシ、ヘテロアルコキシ、ヘテロアリールオキシ、アルキルチオ、アリールチオ、ヘテロアルキルチオ、ヘテロアリールチオ、−F、−Cl、−Br、−I、−OH、−NO
2、−CN、−CF
3、−CH
2CF
3、−CHCl
2、−CH
2OH、−CH
2CH
2OH、−CH
2NH
2、−CH
2SO
2CH
3、−C(O)R
x、−CO
2(R
x)、−CON(R
X)
2、−OC(O)R
x、−OCO
2R
x、−OCON(R
x)
2、−N(R
x)
2、−S(O)
2R
xおよび−NR
x(CO)R
xによる、その基上の1、2または3個の水素原子の独立した置換によって置換された、上で定義されたようなヘテロシクロアルキル基または複素環基のことを指し、ここで、R
xの各存在は、独立して、脂肪族、ヘテロ脂肪族、アリール、ヘテロアリール、アリールアルキルまたはヘテロアリールアルキルを含むがこれらに限定されず、上記および本明細書中に記載される任意の脂肪族、ヘテロ脂肪族、アリールアルキルまたはヘテロアリールアルキル置換基は、置換または非置換の分枝状または非分枝状の環式または非環式であり、上記および本明細書中に記載される任意のアリールまたはヘテロアリール置換基は、置換または非置換である。
【0060】
本発明の化合物に含まれる例示的な非限定的な複素環式基および芳香族複素環式基としては、3−メチル−4−(3−メチルフェニル)ピペラジン、3メチルピペリジン、4−(ビス−(4−フルオロフェニル)メチル)ピペラジン、4−(ジフェニルメチル)ピペラジン、4−(エトキシカルボニル)ピペラジン、4−(エトキシカルボニルメチル)ピペラジン、A−(フェニルメチル)ピペラジン、4−(1−フェニルエチル)ピペラジン、4−(1,1−ジメチルエトキシカルボニル)ピペラジン、4−(2−(ビス−(2−プロペニル)アミノ)エチル)ピペラジン、A−(2−(ジエチルアミノ)エチル)ピペラジン、4−(2−クロロフェニル)ピペラジン、4−(2−シアノフェニル)ピペラジン、4−(2−エトキシフェニル)ピペラジン、4−(2−エチルフェニル)ピペラジン、4−(2−フルオロフェニル)ピペラジン、4−(2−ヒドロキシエチル)ピペラジン、4−(2−メトキシエチル)ピペラジン、4−(2−メトキシフェニル)ピペラジン、4−(2−メチルフェニル)ピペラジン、4−(2−メチルチオフェニル)ピペラジン、4−(2−ニトロフェニル)ピペラジン、4−(2−ニトロフェニル)ピペラジン、4−(2−フェニルエチル)ピペラジン、A−(2−ピリジル)ピペラジン、4−(2−ピリミジニル)ピペラジン、4−(2,3−ジメチルフェニル)ピペラジン、4−(2,4−ジフルオロフェニル)ピペラジン、4−(2,4−ジメトキシフェニル)ピペラジン、4−(2,4−ジメチルフェニル)ピペラジン、4−(2,5−ジメチルフェニル)ピペラジン、4−(2,6−ジメチルフェニル)ピペラジン、4−(3−クロロフェニル)ピペラジン、4−(3−メチルフェニル)ピペラジン、4−(3−トリフルオロメチルフェニル)ピペラジン、4−(3,4−ジクロロフェニル)ピペラジン、4−3,4−ジメトキシフェニル)ピペラジン、4−(3,4−ジメチルフェニル)ピペラジン、4−(3,4−メチレンジオキシフェニル)ピペラジン、4−(3,4,5−トリメトキシフェニル)ピペラジン、4−(3,5−ジクロロフェニル)ピペラジン、4−(3,5−ジメトキシフェニル)ピペラジン、4−(4−(フェニルメトキシ)フェニル)ピペラジン、4−(4−(3,1−ジメチルエチル)フェニルメチル)ピペラジン、4−(4−クロロ−3−トリフルオロメチルフェニル)ピペラジン、4−(4−クロロフェニル)−3−メチルピペラジン、4−(4−クロロフェニル)ピペラジン、4−(4−クロロフェニル)ピペラジン、4−(4−クロロフェニルメチル)ピペラジン、4−(4−フルオロフェニル)ピペラジン、4−(4−メトキシフェニル)ピペラジン、4−(4−メチルフェニル)ピペラジン、4−(4−ニトロフェニル)ピペラジン、4−(4−トリフルオロメチルフェニル)ピペラジン、4−シクロヘキシルピペラジン、4−エチルピペラジン、4−ヒドロキシ−4−(4−クロロフェニル)メチルピペリジン、4−ヒドロキシ−4−フェニルピペリジン、4−ヒドロキシピロリジン、4−メチルピペラジン、4−フェニルピペラジン、4−ピペリジニルピペラジン、4−(2−フラニル)カルボニル)ピペラジン、4−((1,3−ジオキソラン−5−イル)メチル)ピペラジン、6−フルオロ−1,2,3,4−テトラヒドロ−2−メチルキノリン、1,4−ジアザシクロヘプタン(diazacylcloheptane)、2,3−ジヒドロインドリル、3,3−ジメチルピペリジン、4,4−エチレンジオキシピペリジン、1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン、1,2,3,4−テトラヒドロキノリン、アザシクロオクタン、デカヒドロキノリン、ピペラジン、ピペリジン、ピロリジン、チオモルホリンおよびトリアゾールが挙げられる。
【0061】
用語「炭素環」は、本明細書中で使用されるとき、その環の各原子が炭素原子である芳香族環または非芳香族環のことを指す。
【0062】
用語「独立して選択される」は、それらの基が同一または異なることを指し示すために本明細書中で使用される。
【0063】
本明細書中で使用されるとき、用語「標識(される)」は、ある化合物が、放射性標識もしくは重同位体標識、または免疫標識(例えば、抗体または抗原)、または有色色素、発光色素、リン光色素もしくは蛍光色素から得られる標識を使用することによってその化合物の検出を可能にするために結合される少なくとも1つのエレメント、同位体または化学的化合物を有することを意味すると意図される。1つ以上のハロゲン部分で置換された、例えば、o−、m−およびp−アジドベンゾイル(4−アジド−2,3,5,6−テトラフルオロ安息香酸を含むがこれに限定されない)を使用する光親和性標識が、生体系における分子間相互作用の直接的な解明のために利用される。
【0064】
用語「動物」は、本明細書中で使用されるとき、ヒト、ならびに非ヒト動物(例えば、哺乳動物(例えば、げっ歯類、マウス、ラット、ウサギ、サル、イヌ、ネコ、霊長類またはブタ)、鳥類、爬虫類、両生類および魚類を含む)のことを指し得る。
【0065】
用語「細胞」とは、任意のタイプの真核細胞および任意の起源由来の真核細胞のことを広く指す。真核細胞のタイプとしては、初代細胞由来の上皮細胞、線維芽細胞、神経細胞、造血細胞、腫瘍細胞または不死化細胞株などが挙げられる。そのような細胞の起源としては、任意の動物(例えば、ヒト、イヌ、マウス、ハムスター、ネコ、ウシ、ブタ、サル、類人猿、ヒツジ、魚類、昆虫、真菌)および任意の植物(作物植物、藻類、観賞植物および樹木を含む)が挙げられる。
【0066】
「送達」は、所望の化合物が最終的に標的細胞内または標的細胞膜内もしくは標的細胞膜上に位置するように、所望の化合物が標的細胞に運搬されるプロセスのことを表すために使用される。本発明の化合物の多くの用途において、その所望の化合物は、標的細胞によって容易に取り込まれず、脂質凝集物またはトランスフェクション複合体を介した送達は、所望の化合物を細胞内の適切な細胞内コンパートメントに送達するために意図されている。特にインビボ条件下におけるある特定の用途では、特定の標的細胞型への送達が好ましく、その送達は、本発明の化合物によって容易になり得る。
【0067】
薬物とは、人間または動物の疾患の予防、診断、軽減、処置または治癒において使用される食物以外の任意の治療薬または予防薬のことを指す。
【0068】
「キット」とは、本発明の化合物またはそれらの混合物の1つ以上を備えるトランスフェクションキットまたはタンパク質発現キットのことを指す。そのようなキットは、厳重な管理下で1つ以上の容器手段(例えば、バイアル、試験管など)を収納するように区画化された運搬手段を備え得る。そのような容器手段の各々は、トランスフェクションを行うために必要な成分または成分の混合物を備える。そのようなキットは、核酸(好ましくは、1つ以上のベクター)、細胞、本発明の1つ以上の化合物、脂質凝集物形成化合物、トランスフェクションエンハンサー、生物学的に活性な物質などから選択される1つ以上の成分を備え得る。
【0069】
用語「〜と会合される」は、分子相互作用の文脈において使用されるとき、直接的または間接的な共有結合性または非共有結合性の相互作用(例えば、水素結合、ファンデルワールス相互作用、疎水性相互作用、磁性相互作用、静電相互作用など)によって連結された2つの実体のことを指す。
【0070】
用語「生体適合性」は、本明細書中で使用されるとき、細胞にとって毒性でない化合物のことを指す。化合物をインビトロにおいて細胞に添加しても20%以下の細胞死しかもたらされず、かつそれがインビボで投与されても炎症または他のそのような有害作用を誘導しない場合、その化合物は、生体適合性である。
【0071】
用語「生分解性」は、本明細書中で使用されるとき、細胞に導入されたときに、その細胞に対して有意な有毒作用なしに(すなわち、それらの成分がインビトロにおいて細胞に加えられたとき、その細胞の約20%未満しか死滅せずに)、細胞が再利用し得るかまたは処分し得る成分に分解される化合物のことを指す。それらの成分は、インビボにおいて炎症または他の有害作用を誘導しない。生分解性化合物の分解を左右する化学反応は、通常、触媒されない。用語「有効量」は、活性な物質に関して本明細書中で使用されるとき、所望の生物学的応答を誘発するのに必要な量のことを指す。物質またはデバイスの有効量は、所望の生物学的エンドポイント、送達される物質、被包性マトリックスの組成、標的組織などのような因子に応じて変動し得る。「有効量の分子」の送達は、その分子が生物学的応答を誘発する(例えば、細胞内における1つ以上の遺伝子の発現を調節する)のに十分な量での、細胞内への分子の送達である。特定の実施形態において、有効量の分子が細胞に送達され、その結果、その細胞に関係する疾患、病状または障害の回復または改善を得ることができる。「有効量のsiRNA」または「有効量またはRNAi」の送達は、細胞における標的遺伝子の発現の低下を引き起こすのに十分な量での、その細胞内へのsiRNAまたは他のRNAiの送達である。
【0072】
用語「生物学的に活性な物質」、「生理活性物質」などは、生物学的作用を有するか、あるいは生物学的作用を改変するか、引き起こすか、促進するか、増強するか、阻止するかもしくは減少させるか、または生物学的作用を有する第2の分子の生成もしくは活性を増強するかもしくは制限し、その第2の分子と反応し、かつ/または第2の分子に結合する、組成物、複合体、化合物または分子のことを広く指す。その第2の分子は、内因性分子(例えば、標的細胞内に通常存在するタンパク質または核酸などの分子)であり得るが、それである必要はない。生物学的作用は、免疫反応性応答を刺激するかまたは引き起こす作用;細胞、組織もしくは生物(例えば、動物)における生物学的プロセスに影響を及ぼす作用;病原体もしくは寄生生物における生物学的プロセスに影響を及ぼす作用;検出可能なシグナルを生成するかもしくは生成させる作用;タンパク質もしくはポリペプチドの発現を制御する作用;タンパク質もしくはポリペプチドの発現を停止するかもしくは阻害する作用;またはタンパク質もしくはポリペプチドの発現を引き起こすかもしくは増強する作用であり得るが、これらに限定されない。生物学的に活性な組成物、複合体、化合物または分子は、研究上の、治療的な、予防的なおよび診断的な方法および組成物において使用され得、一般に、それらを引き起こすように作用し得る。
【0073】
用語「陽イオン性脂質」とは、トランスフェクションのために使用され得る、生理学的条件下において少なくとも1つの正電荷を有する、任意の陽イオン性脂質のことを指す。本開示の基礎を形成するある特定のアミン含有トランスフェクション物質もまた、生理学的条件下において陽イオンとして存在することが理解されるべきであるが、この用語は、以下に限定されないが、本明細書中に記載されるようなトランスフェクション複合体を共製剤化する(co−formulate)ために使用され得る任意の陽イオン性ヘルパー脂質にまで拡張される。本明細書中に記載される新規のアミン含有トランスフェクション物質以外のさらなる陽イオン性脂質としては、例えば、DOSPA、DOTMA、DMRIE、DOT AP、DOGSおよびTMTPS、ならびに「ヘルパー脂質」と本明細書中に記載される任意の陽イオン性脂質が挙げられ得るがこれらに限定されない。
【0074】
「標的細胞」または「標的組織」とは、所望の化合物用の担体として脂質凝集物またはトランスフェクション複合体を用いて所望の化合物が送達される任意の細胞または組織のことを指す。
【0075】
トランスフェクションは、インビトロまたはインビボにおける(すなわち、動物、植物またはヒトにおける)標的細胞または標的組織への任意の核酸、タンパク質または他の高分子の送達(その結果、その核酸、タンパク質または他の高分子が、その細胞において発現されるか、その細胞に表現型を付与するか、またはその細胞において生物学的機能を有する)のことを意味するために本明細書中で使用される。
【0076】
用語「発現可能な核酸」には、分子量とは無関係にDNAとRNAの両方が含まれ、用語「発現」は、細胞内での核酸の機能的な存在の任意の顕性化(一過性の発現と安定な発現の両方を含むがこれらに限定されない)を意味する。
【0077】
用語「トランスフェクション複合体」は、本明細書中で使用されるとき、インビボまたはインビトロにおいて細胞または組織に生物学的に活性な物質(例えば、核酸、タンパク質、高分子など)を送達するために製剤化された組成物のことを広く指す。本明細書中で使用されるトランスフェクション複合体は、アミン含有トランスフェクション化合物の少なくとも1つ以上を、送達される生理活性物質に加えて、送達される生物学的に活性な化合物とともに、必要に応じて1つ以上のヘルパー脂質、1つ以上のペグ化脂質、1つ以上の標的化部分と組み合わせて、含み得る。本明細書中に記載される目的のために、用語「トランスフェクション複合体」は、生理活性物質と接触されるリポプレックス(lipoplex)または脂質凝集物と考えられ得る。したがって、以下の開示において場合によっては、リポプレックス、脂質凝集物などのような用語は、1つ以上の生理活性物質または「搭載物」を欠くトランスフェクション複合体のことを言及するために使用され得る。
【0078】
用語「ヘルパー脂質」は、本明細書中で使用されるとき、本明細書中に開示されるトランスフェクション複合体の調製および形成における使用に適した脂質のことを広く指す。好適なヘルパー脂質としては、コレステロール、コレステロール誘導体、ステロール(フィトステロール、動物ステロールおよびホパノイドを含む)または細胞もしくは組織の内部に外来性の生理活性分子を導入することを可能にするかもしくは容易にすると知られている任意の中性脂質もしくは陽イオン性脂質が挙げられ得るが、これらに限定されない。いくつかの実施形態において、2つ以上のヘルパー脂質が、本明細書中に記載されるトランスフェクション複合体の製剤化において使用され得る。ここで開示されるトランスフェクション複合体の調製における使用について企図される例示的であるが非限定的な中性脂質または陽イオン性脂質としては、以下から選択される1つ以上の脂質が挙げられ得る:BMOP(N−(2−ブロモエチル)−N,N−ジメチル−2,3−ビス(9−オクタデセニルオキシ)−プロパンアミニウムブロミド)、DDPES(ジパルミトイルホスファチジルエタノールアミン5−カルボキシスペルミルアミド)、DSPC、CTAB:DOPE(臭化セチルトリメチルアンモニウム(CATB)とDOPEとの配合物)、POPC(1−パルミトイル−2−オレオイル−sn−グリセロ−3−ホスホコリン)、DOPE(ジオレオイルホスファチジルエタノールアミン)、DMG、DMAP(4−ジメチルアミノピリジン)、DMPE(ジミリストイルホスファチジルエタノールアミン)、DOMG、DMA、DOPC(ジオレオイルホスファチジルコリン)、DMPC(ジミリストイルホスファチジルコリン)、DPEPC(ジパルミトイルエチルホスファチジルコリン)、DODAC(ジオレオイルジメチルアンモニウムクロリド)、DOSPER(1,3−ジ−オレオイルオキシ−2−(6−カルボキシスペルミル)−プロピルアミド)、DOTMA(N−[1−(2,3−ジオレイルオキシ)プロピル]−n,n,n−トリメチルアンモニウムクロリド)、DDAB(ジデシルメチルアンモニウムブロミド)、DOTAP(N−[1−(2,3−ジオレオイルオキシ)プロピル]−N,N,N−トリメチル−アンモニウムメチルスルフェート)、DOTAP・Cl、DC−chol(3,β−N,(N',N'−ジメチルアミノエタン)−カルバモイル]コレステロール)、DOSPA(2−(スペルミンカルボキサミド)エチル)−N,N−ジメチル−アンモニウムトリフルオロアセテート)、DC−6−14(O,O'−ジテトラデカノイル−N−(アルファトリメチルアンモニオアセチル)ジエタノールアミンクロリド)、DCPE(ジカプロイルホスファチジルエタノールアミン)、DLRIE(ジラウリルオキシプロピル−3−ジメチルヒドロキシエチルアンモニウムブロミド)、DODAP(1,2−ジオレオイル−3−ジメチルアンモニウム−プロパン)、エチル−PC、DOSPA(2,3−ジオレオイルオキシ−N−[2−(スペルミンカルボキサミドエチル]−N,N−ジ−メチル−1−プロパンアミニウムトリフルオロアセテート)、DOGS(ジオクタデシルアミドグリシルカルボキシスペルミン)、DMRIE(N−[1−(2,3ジミリスチルオキシ)プロピル]−N,N−ジメチル−N−(2−ヒドロキシエチル)アンモニウムブロミド)、DOEPC(ジオレオイルエチル−ホスホコリン)、DOHME(N−[1−(2,3−ジオレオイルオキシ)プロピル]−N−[1−(2−ヒドロキシエチル)]−N,Nジメチルアンモニウムヨージド)、GAP−DLRIE:DOPE(N−(3−アミノプロピル)−N,N−ジメチル−2,3−ビス(ドデシルオキシ)−1−プロパンイミニウムブロミド/ジオレイルホスファチジルエタノールアミン)、DPPC(ジパルミトイルホスファチジルコリン)、DOPG(1,2−ジオレオイル−sn−グリセロ−3−[ホスホ−rac−(3−リシル(1−グリセロール))・Cl)、N−ラウロイルサルコシン、(R)−(+)−リモネン、レシチン類(およびそれらの誘導体);ホスホチジルエタノールアミン(およびその誘導体);ホスファチジルエタノールアミン類、ジオレオイルホスファチジルエタノールアミン)、DPhPE(ジフィタノイルホスファチジルエタノールアミン)、DPPEジパルミトイルホスファチジルエタノールアミン)、ジパルミトイルホスファチジルエタノールアミン、O−Chol(3ベータ[1−オルニチンアミドカルバモイル]コレステロール)、POPE(パルミトイルオレオイルホスファチジルエタノールアミン)およびジステアロイルホスファチジルエタノールアミン;ホスホチジルコリン;ホスファチジルコリン類、DPPC(ジパルミトイルホスファチジルコリン)POPC(パルミトイルオレオイルホスファチジルコリン)およびジステアロイルホスファチジルコリン;ホスファチジルグリセロール;ピペラジンベースの陽イオン性脂質、ホスファチジルグリセロール類、例えば、DOPG(ジオレオイルホスファチジルグリセロール)、DPPG(ジパルミトイルホスファチジルグリセロール)およびジステアロイルホスファチジルグリセロール;ホスファチジルセリン(およびその誘導体);ホスファチジルセリン類、例えば、ジオレオイル−またはジパルミトイルホスファチジルセリン;ジ第四級アンモニウム塩、例えば、N,N'−ジオレイル−N,N,N',N'−テトラメチル−1,2−エタンジアミン(TmedEce)、N,N'−ジオレイル−N,N,N',N'−テトラメチル−1,3−プロパンジアミン(PropEce)、N,N'−ジオレイル−N,N,N',N'−テトラメチル−1,6−ヘキサンジアミン(HexEce)およびそれらの対応するN,N'−ジセチル飽和アナログ(TmedAce、PropAceおよびHexAce)、ジホスファチジルグリセロール類;脂肪酸エステル類;一価陽イオン性トランスフェクション脂質、例えば、1−デオキシ−1−[ジヘキサデシル(メチル)アンモニオ]−D−キシリトール;1−デオキシ−1−[メチル(ジテトラデシル)アンモニオ]−Dアラビニトール;1−デオキシ−1−[ジヘキサデシル(メチル)アンモニオ]−D−アラビニトール;1−デオキシ−1−[メチル(ジオクタデシル)アンモニオ]−Dアラビニトール、グリセロールエステル類;スフィンゴ脂質;カルジオリピン;セレブロシド類;およびセラミド類;ならびにそれらの混合物。中性脂質にはまた、とりわけ、コレステロールおよび他の3βOH−ステロール、ならびにその誘導体ホスファチジルコリンまたは商業的に入手可能な陽イオン性脂質混合物、例えば、LIPOFECTIN(登録商標)CELLFECTIN(登録商標)(N,NI,NII,NIII−テトラメチル−N,NI,NII,NIII−テトラパルミチルスペルミン(TMTPS)とジオレオイルホスファチジルエタノールアミン(DOPE)との1:1.5(M/M)配合物、LIPOFECTACE(登録商標)、GS 2888 CYTOFECTIN(登録商標)、FUGENE 6(登録商標)、EFFECTENE(登録商標)およびLIPOFECTAMINE(登録商標)、LIPOFECTAMINE 2000(登録商標)、LIPOFECTAMINE PLUS(登録商標)、LIPOTAXI(登録商標)、POLYECT(登録商標)、SUPERFECT(登録商標)、TFXN(商標)、TRANSFAST(商標)、TRANSFECTAM(登録商標)、TRANSMESSENGER(登録商標)、ベクタミジン(3−テトラデシルアミノ−N−tert−ブチル−N'−テトラデシルプロピオンアミジン(ジC14−アミジンとしても知られる)、OLIGOFECTAMINE(登録商標)が含まれる。上に列挙されたヘルパー脂質の組み合わせの任意の混合物もまた企図される。以下の特許文書、特許出願または参考文献は、それらの全体が、特に、本発明のトランスフェクション複合体を構成するために使用され得る陽イオン性ヘルパー脂質および中性ヘルパー脂質を含むトランスフェクション物質の開示のために、本明細書中で参考として援用される:米国特許第6,075,012号;同第6,020,202号;同第5,578,475号;同第5,736,392号;同第6,051,429号;同第6,376,248号;同第5,334,761号;同第5,316,948号;同第5,674,908号;同第5,834,439号;同第6,110,916号;同第6,399,663号;同第6,716,882号;同第5,627,159号;WO04063342A2として公開されたPCT/US/2004/000430;WO0027795A1として公開されたPCT/US/9926825;WO04105697として公開されたPCT/US/04016406;およびWO07130073A2として公開されたPCT/US2006/019356。
【0079】
本明細書中で使用される用語「ペグ化脂質」は、1つ以上のポリエチレングリコール部分に共有結合的に結合体化された脂質のことを広く指す。本明細書中のリポプレックスの実施形態のためのペグ化脂質は、ホスファチジルエタノールアミン(PE)ベースのペグ化脂質、例えば、1,2−ジミリストイル−sn−グリセロ−3−ホスホエタノールアミン−N−[メトキシ(ポリエチレングリコール)−MW](MWは、ポリエチレングリコール部分の平均MWのことを指す)を含む。そのようなジミリストイル−PEG−PE脂質は、一般に、14:0PEG(MW)PEと称される。そのポリエチレングリコール部分の平均MWは、例えば、25、350、550、750、1000、2000、3000、5000、6000、8000または12000であり得る。ホスファチジルエタノールアミンベースのペグ化脂質の脂肪酸鎖は、例えば、18:1PEG(MW)PEの場合などの1,2−ジオレオイル基、16:0PEG(MW)PEの場合などの1,2−ジパルミトイル基または18:0PEG(MW)PEの場合などの1,2−ジステアロイル基を含み得る。さらにホスファチジルエタノールアミン(PE)ベースのペグ化脂質には、例えば、DSPE−MOD PEG(MW)とも呼ばれる1,2−ジステアロイル−sn−グリセロ−3−ホスホエタノールアミン−N−[MOD(ポリエチレングリコール)−MW](MODとは、アミン、ビオチン、カルボン酸、ホレート、マレイミド、PDPまたはカルボキシフルオレセイン部分などの官能性部分のことを指す)が含まれる。そのMWは、例えば、2000または5000であり得る。本明細書中に記載される実施形態のためのペグ化脂質には、セラミドベースのペグ化脂質、例えば、C8 PEG(MW)セラミドと称されるN−オクタノイル−スフィンゴシン−1−{スクシニル[メトキシ(ポリエチレングリコール)MW]}(MWは、例えば、750、2000または5000である)も含まれる。あるいは、脂肪酸部分は、C16 PEG(MW)セラミドの場合などのN−パルミトイル(C16)基を有し得る。
【0080】
「リポソーム組成物」は、一般に、1つ以上のリポソームを含む配合物である。場合によっては、用語「リポソーム組成物」は、用語「トランスフェクション複合体」と交換可能に使用され得る。これらの配合物は、通常、コロイドであるが、乾燥された配合物でもあり得る。リポソームは、自己組織化した両親媒性の分子から構成される小胞のコロイド粒子である。本発明のリポソーム組成物は、通常、単独で、または必要に応じて、標準的な方法を用いて処理されることによりリポソーム含有コロイド懸濁液を形成する1つ以上のヘルパー脂質(すなわち、中性脂質、コレステロールまたはコレステロール誘導体、陽イオン性脂質)と組み合わせて、少なくとも1つ以上の陽イオン性脂質を含む。本発明のリポソーム組成物は、必要に応じて1つ以上の中性脂質および/もしくはヘルパー脂質または当該分野で公知の任意の非限定的な標準的方法によって処理される標的化部分とともに、1つ以上のアミン含有トランスフェクション脂質、1つ以上のヘルパー脂質、1つ以上のペグ化脂質を含むことにより、リポソームを形成する組成物である。リポソーム組成物は、粒径測定値によって互いに区別され得る。異なる組成物は、粒径および粒径の均一性、例えば、平均粒径および多分散性の差異を示す。異なる組成物は、リポソームの形態で存在する組成物の程度の差異を示す。いくつかの非限定的な実施形態において、リポソーム組成物は、120nmおよび800nmの範囲内の粒径を示し、一般に、低い多分散性を示す。リポプレックスの粒径(siRNAまたは他のカーゴを含む)は、約40nm〜135nmの範囲であり得る。いくつかの実施形態において、リポプレックスの粒径は、50nm〜120nm、50nm〜100nm、60nm〜90nm、70nm〜90nmまたは約85nmである。
【0081】
用語「脂質凝集物」または「リポプレックス」は、単層と多層の両方のすべてのタイプのリポソーム、ならびにベシクル、ミセルおよびよりアモルファスな凝集物を含む総称的な用語である。陽イオン性脂質凝集物は、その脂質凝集物が正味の正電荷を有するように、1つ以上の陽イオン性化合物の組み合わせを必要に応じて非陽イオン性脂質(中性脂質を含む)とともに含む脂質凝集物である。本発明のアミン含有トランスフェクション化合物は、必要に応じてヘルパー脂質とともに、さらに必要に応じて1つ以上のペグ化脂質および/または1つ以上の標的化部分とともに、脂質凝集物を形成し得、次いでそれは、好適な生理活性物質と接触されると、脂質−生理活性物質複合体を形成し得る。用語「脂質凝集物」または「リポプレックス」は、本明細書中において、「裸の」トランスフェクション複合体、すなわち、一般に、インビトロまたはインビボにおいて細胞または組織に送達される搭載物である生理活性物質を欠くトランスフェクション複合体のことを指すために広く使用される。
【0082】
用語「脂質−生理活性物質」は、脂質または脂質凝集物と生理活性物質(例えば、核酸、ポリペプチドなど)との非共有結合性会合物のことを広く指す。
【0083】
本明細書中で使用されるとき、「核酸」およびその文法上の等価物は、一本鎖または二本鎖のヌクレオチドのあらゆる種類のポリマーを含み、天然の起源から単離された;PCR増幅または化学合成などの手法を用いてインビトロで調製される;インビボで、例えば、組換えDNA技術を介して調製される;または任意の公知の方法によって調製されるかもしくは得られる、核酸(DNA、RNAおよびDNA−RNAハイブリッド分子を含む)を含む。核酸は、通常、2つ以上のヌクレオチド(デオキシリボヌクレオチドおよび/またはリボヌクレオチド)またはそのバリアント、誘導体および/もしくはアナログの直鎖を含むポリヌクレオチド分子のことを指す。正確なサイズは、多くの因子に依存し、そしてそれは、当該分野で周知であるように、最終的な使用条件に依存する。本発明の核酸としては、プライマー、プローブ、オリゴヌクレオチド、ベクター、構築物、プラスミド、遺伝子、導入遺伝子、ゲノムDNA、cDNA、RNA、RNAi、siRNA、shRNA、stRNA、PCR産物、制限フラグメント、オリゴヌクレオチドなどが挙げられるが、これらに限定されない。
【0084】
本明細書中で使用されるとき、用語「ヌクレオチド」は、糖部分(ペントース)、リン酸および窒素含有複素環式塩基を含むDNAまたはRNAの任意のモノマー単位を含み、そのようなヌクレオチドの一リン酸、二リン酸および三リン酸の形態も含み得る。上記塩基は、通常、グリコシドの炭素を介して(ペントースの1'炭素において)糖部分に連結され、その塩基と糖の組み合わせは、「ヌクレオシド」と呼ばれる。その塩基が、ヌクレオチドを特徴づけ、DNAの4つの通例の塩基は、アデニン(A)、グアニン(G)、シトシン(C)およびチミン(T)である。イノシン(I)は、天然に存在する4種の塩基(A、C、GまたはT)のいずれかの代わりになるために使用できる合成塩基の例である。4種のRNA塩基は、A、G、Cおよびウラシル(U)である。したがって、核酸は、隣接するペントースの3'炭素と5'炭素との間のホスホジエステル結合によって接続されたヌクレオチドの直線配列を含むヌクレオチド配列であり得る。他の改変されたヌクレオチドが公知であり、本発明の実施において使用され(sued)得る。ヌクレオチドという用語は、リボヌクレオシド三リン酸ATP、UTP、ITP、CTG、GTPおよびデオキシリボヌクレオシド三リン酸(例えば、dATP、dCTP、dITP、dUTP、dGTP、dTTP)またはそれらの誘導体を包含する。そのような誘導体としては、例えば、[αS]dATP、7−デアザ−dGTPおよび7−デアザ−dATP、ならびにそれらを含む核酸分子にヌクレアーゼ耐性を付与するヌクレオチド誘導体が挙げられる。本明細書中で使用されるヌクレオチドという用語は、ジデオキシリボヌクレオシド三リン酸(ddNTP)およびそれらの誘導体のことも指す。ジデオキシリボヌクレオシド三リン酸の例証される例としては、ddATP、ddCTP、ddGTP、ddITPおよびddTTPが挙げられるが、これらに限定されない。本発明によると、「ヌクレオチド」は、標識されていないこともあるし、周知の手法によって検出可能に標識されることもある。検出可能な標識としては、例えば、放射性同位元素、蛍光標識、化学発光標識、生物発光標識および酵素標識が挙げられる。当該分野で公知の様々な標識方法が、本発明の実施において使用され得る。
【0085】
「RNA」または「RNA分子」とは、ウイルス、原核生物および真核生物由来のRNAを含む、任意の起源由来の任意の配列を有する任意のサイズの任意のRNA分子またはその機能的な一部のことを指す。そのRNA分子は、化学的に改変され得、任意の形態(線状または環状の一本鎖または二本鎖を含むがこれらに限定されない)であり得る。RNA分子の非限定的な例としては、rRNA、tRNA、mRNA、mtRNA、tmRNA、RNAi、siRNA、shRNAおよびstRNAが挙げられる。いくつかの実施形態において、本発明の実施において有用なsiRNA分子は、例えば、U.S.2004/0014956として公開されている米国特許出願番号10/357,529、U.S.2004/0054155として公開されている10/357,826、U.S.2006/0009409として公開されている11/049,636、U.S.2009/0023216として公開されている11/776,313および2008年4月3日出願の12/062,380に記載されているもの;ならびにWO2003/064626として公開されているPCT公開出願PCT/US03/03223およびWO03/064625として公開されているPCT/US03/03208に記載されているものを含む(それらの米国出願およびPCT出願は、本明細書中で参考として援用される)。本発明の実施において有用なさらなるsiRNA分子は、例えば、2009年3月26日にWO2009/039173として公開されているPCT特許出願PCT/US2008/076675に記載されているものを含む;その出願は、本明細書中で参考として援用される。
【0086】
用語「ペプチド」、「ポリペプチド」または「タンパク質」は、本明細書中で使用されるとき、ペプチド結合によって共に連結されて連なった少なくとも3つのアミノ酸のことを指す。用語「タンパク質」および「ペプチド」は、交換可能に使用され得るが、「ポリペプチド」または「タンパク質」は、一般にペプチドよりも大きいと理解されている。「ペプチド」は、個別のペプチドまたはペプチドの一群のことを指し得る。
【0087】
用語「ポリヌクレオチド」または「オリゴヌクレオチド」は、本明細書中で使用されるとき、ヌクレオチドのポリマーのことを指す。通常、ポリヌクレオチドは、少なくとも3つのヌクレオチドを含む。そのポリマーは、天然のヌクレオシド(すなわち、アデノシン、チミジン、グアノシン、シチジン、ウリジン、デオキシアデノシン、デオキシチミジン、デオキシグアノシンおよびデオキシシチジン)、ヌクレオシドアナログ(例えば、2−アミノアデノシン、2−チオチミジン、イノシン、ピロロ−ピリミジン、3−メチルアデノシン、C5−プロピニルシチジン、C5−プロピニルウリジン、C5−ブロモウリジン、C5−フルオロウリジン、C5−ヨードウリジン、C5−メチルシチジン、7−デアザアデノシン、7−デアザグアノシン、8−オキソアデノシン、8−オキソグアノシン、O(6)−メチルグアニンおよび2−チオシチジン)、化学的に改変された塩基、生物学的に改変された塩基(例えば、メチル化された塩基)、インターカレートされた塩基、改変された糖(例えば、2'−フルオロリボース、リボース、2'−デオキシリボース、アラビノースおよびヘキソース)または改変されたリン酸基(例えば、ホスホロチオエートおよび5'−N−ホスホルアミダイト結合)を含み得る。
【0088】
用語「脂質」とは、脂肪、油およびトリグリセリド(triglyderides)を包含する疎水性または両親媒性の有機化合物のことを指す。
【0089】
II.本発明の実施形態
アミン含有トランスフェクション化合物
本発明は、トランスフェクション試薬として有用な様々なアミン含有化合物およびそれを合成する方法を記載する。より詳細には、本発明のいくつかの実施形態によると、一般構造Iを有する化合物またはその薬学的に許容可能な塩が提供され:
【化4】
式中、X
1およびX
2の各々は、O、S、N−AおよびC−Aからなる群から独立して選択される部分であり、ここで、Aは、水素およびC
1−C
20炭化水素鎖からなる群から選択され;YおよびZの各々は、CH−OH、C=O、C=S、S=OおよびSO
2からなる群から独立して選択される部分であり;R
1、R
2、R
3、R
4、R
5、R
6およびR
7の各々は、水素、環式または非環式の置換または非置換の分枝状または非分枝状の脂肪族基、環式または非環式の置換または非置換の分枝状または非分枝状のヘテロ脂肪族基、置換または非置換の分枝状または非分枝状のアシル基、置換または非置換の分枝状または非分枝状のアリール基、置換または非置換の分枝状または非分枝状のヘテロアリール基からなる群から独立して選択される部分であり、xは、1以上10以下の値を独立して有する整数であり、nは、1以上3以下の値を独立して有する整数であり、mは、0以上20以下の値を独立して有する整数であり、pは、0または1の値を独立して有する整数であり、ここで、m=p=0である場合、R
2は、水素であるが、但しさらに、nまたはmの少なくとも1つが2という値を有する場合、R
3および構造I中の窒素は:
【化5】
からなる群から選択される部分を形成し、式中、g、eおよびfの各々は、1以上6以下の値を独立して有する整数であり、「HCC」は、炭化水素鎖を表し、各
*は、構造I中の窒素原子を示す。
【0090】
いくつかの実施形態において、R
3は、ポリアミンである。他の実施形態において、R
3は、ケタールである。いくつかの実施形態において、一般構造I中のR
1およびR
2の各々は、独立して、3〜約20個の炭素原子(例えば、8〜約18個の炭素原子)および0〜4個の二重結合(例えば、0〜2個の二重結合)を有する置換または非置換の分枝状または非分枝状の任意のアルキル基またはアルケニル基である。
【0091】
いくつかの実施形態において、nおよびmの各々が独立して1または3という値を有する場合、R
3は、以下の部分のいずれかであり:
【化6】
式中、各「HCC」は、炭化水素鎖を表し、各
*は、構造I中の窒素原子に対するR
3の潜在的な結合点を示し、ここで、任意の
*位における各Hは、構造I中の窒素原子への結合を達成するために置換され得る。
【0092】
いくつかの実施形態によると、一般構造Iの化合物は、各々が水素であるR
4、R
5、R
6およびR
7、各々がC=OであるYおよびZ、各々が同じであるR
1およびR
2、各々が同じであるX
1およびX
2を有し得る。そのような化合物は、一般構造IIによって表され(これは、一般構造Iの化合物の亜属である):
【化7】
式中、n=p=0であるとき、R
2は、Hである。
【0093】
一般構造IIの化合物において、少なくとも1つのX
1は、NHであるか、または少なくとも1つのX
1は、Oである。さらに、いくつかの実施形態において、一般構造IIの化合物では、各R
1は独立して、3〜約20個の炭素原子、例えば、8〜約18個の炭素原子、および0〜4個の二重結合、例えば、0〜2個の二重結合を有する、置換または非置換の分枝状または非分枝状の任意のアルキル基またはアルケニル基である。さらに、いくつかの実施形態において、nおよびmの各々が、独立して1または3という値を有する場合、R
3は、以下の部分のいずれかであり:
【化8】
式中、各「HCC」は、炭化水素鎖を表し、各
*は、構造II中の窒素原子に対するR
3の潜在的な結合点を示し、ここで、任意の
*位における各Hは、構造II中の窒素原子への結合を達成するために置換され得る。
【0094】
いくつかの実施形態において、一般構造II中のnまたはmの少なくとも1つが、2という値を有する場合、R
3は、以下の部分のいずれかであり:
【化9】
式中、g、eおよびfの各々は、1以上6以下の値を独立して有する整数であり、各「HCC」は、炭化水素鎖を表し、各
*は、構造II中の窒素原子に対するR
3の結合点を示す。
【0095】
本発明の実施形態によると、一般構造Iもしくは一般構造IIまたはその両方の範囲内の種であるいくつかの特定の化合物が提供される。そのような特定の化合物の非限定的な例は、以下の脂質1〜87のいずれかもしくは化合物1〜87の各々の任意の異性体、または化合物1〜87の各々に対する異性体の任意の組み合わせであり得る:
【化10-1】
【化10-2】
【化10-3】
【化10-4】
【化10-5】
【化10-6】
【化10-7】
【化10-8】
【化10-9】
【化10-10】
【化10-11】
【化10-12】
【化10-13】
【化10-14】
【化10-15】
【化10-16】
【化10-17】
【化10-18】
【化10-19】
【化10-20】
【化10-21】
【化10-22】
【化10-23】
【化10-24】
【化10-25】
【化10-26】
【化10-27】
【化10-28】
【化10-29】
【化10-30】
【化10-31】
【化10-32】
【化10-33】
【化10-34】
【化10-35】
【化10-36】
【0096】
上に示された化合物1〜87のうちのいくつかを使用して、いくつかの脂質組成物を調製した。これらの組成物は、下記の実施例9に詳細に記載され、実施例9中の表1に示される。表1の1番目の縦列における化合物の番号は、上に示された化合物の番号に対応する。
【0097】
本発明の他の実施形態によると、上に記載された本発明の化合物は、アミノ成分を不飽和成分と反応させることによって、例えば、アミノ成分の第一級アミノ基を不飽和成分の二重結合に付加することによって、合成され得る(その二重結合は、例えば、カルボニルなどの求電子(electrophlic)基と共役する)。通常、本合成方法は、1当量のアミノ成分を1当量以上の不飽和成分と反応させる工程を包含する。そのアミノ成分は、第一級アミンNH
2−R
3、ジアミン、ポリアミンまたはそれらの組み合わせを含む。その不飽和成分は、構造R
1−X
1−Y−(CR
4R
5)
n−Brを有する少なくとも1つの第1中間体および構造R
2−X
2−Z−(CR
6R
7)
m−Brを有する第2中間体を含み、ここで、それらの構造の(CR
4R
5)
nおよび(CR
6R
7)
m部分において、各R
4は、同じであるかまたは異なり、各R
5は、同じであるかまたは異なり、各R
6は、同じであるかまたは異なり、各R
7は、同じであるかまたは異なり、第1および第2中間体は、同じであるかまたは異なる。いくつかの実施形態において、不飽和成分の第1および/または第2中間体は、アクリレートまたはアクリルアミドであり得る。
【0098】
ある特定の実施形態において、アミンNH
2−R
3、ジアミンまたはポリアミンのアミノ基のすべてが、不飽和成分と完全に反応することにより、第三級アミンが形成される。他の実施形態では、すべてのアミノ基がそのように反応して第三級アミンを形成するとは限らず、それにより、脂質分子において第一級または第二級アミンがもたらされる。
【0099】
本発明の化合物の合成は、溶媒ありまたはなしで行われ得、その合成は、室温〜約100℃の範囲の温度、例えば、約95℃において行われ得る。反応は、酸、塩基または金属を加えることによって、必要に応じて触媒され得る。当業者は、その合成が行われる最適条件を選択することにより、必要であれば適切な触媒を選択し、アミノ成分と不飽和成分とのモル比を選択し得る。例えば、アミノ成分が、第一級アミンNH
2−R
3であるとき、不飽和成分と第一級アミンNH
2−R
3とのモル比は、約1:1〜約6:1であり得る。調製された脂質は、必要に応じて精製され得る。その脂質はまた、ハロゲン化アルキル(例えば、ヨウ化メチル)または他のアルキル化剤を用いてアルキル化され得る。
【0100】
1つの例示的な非限定的実施形態において、合成プロセスは、以下の反応スキームによって例証され得る。
【化11】
【0101】
不飽和成分を構成する第1および第2中間体の上に提供された構造において、X
1およびX
2の各々は、O、S、N−AおよびC−Aからなる群から独立して選択される部分であり、ここで、Aは、水素およびC
1−C
20炭化水素鎖からなる群から選択され;YおよびZの各々は、CH−OH、C=O、C=S、S=OおよびSO
2からなる群から独立して選択される部分であり;R
1、R
2、R
4、R
5、R
6およびR
7の各々は、水素、環式または非環式の置換または非置換の分枝状または非分枝状の脂肪族基、環式または非環式の置換または非置換の分枝状または非分枝状のヘテロ脂肪族基、置換または非置換の分枝状または非分枝状のアシル基、置換または非置換の分枝状または非分枝状のアリール基、置換または非置換の分枝状または非分枝状のヘテロアリール基からなる群から独立して選択される部分であり、nおよびmの各々は、1以上3以下の値を独立して有する整数である。
【0102】
いくつかの実施形態において、不飽和成分の第1および第2中間体の上に提供された構造におけるnまたはmの少なくとも1つが、2という値を有し、かつ第一級アミンNH
2−R
3が、アミノ成分として使用される場合、上に提供された第一級アミンの構造におけるR
3は、以下の部分のいずれかであり:
【化12】
式中、g、eおよびfの各々は、1以上6以下の値を独立して有する整数であり、各「HCC」は、炭化水素鎖を表し、各
*は、第一級アミンNH
2−R
3中のアミノ基に対するR
3の結合点を示す。
【0103】
いくつかの実施形態において、不飽和成分の第1および第2中間体の上に提供された構造におけるR
1およびR
2の各々は、独立して、3〜約20個の炭素原子(例えば、8〜約18個の炭素原子)および0〜4個の二重結合(例えば、0〜2個の二重結合)を有する置換または非置換の分枝状または非分枝状の任意のアルキル基またはアルケニル基である。
【0104】
いくつかの実施形態において、不飽和成分の第1および第2中間体の上に提供された構造において、nおよびmの各々が、独立して1または3という値を有し、かつ第一級アミンNH
2−R
3が、アミノ成分として使用される場合、上に提供された第一級アミンの構造におけるR
3は、以下の部分のいずれかであり得:
【化13】
式中、各「HCC」は、炭化水素鎖を表し、各
*は、第一級アミンNH
2−R
3中のアミノ基に対するR
3の潜在的な結合点を示し、ここで、任意の
*位における各Hは、第一級アミンNH
2−R
3中の窒素原子への結合を達成するために置換され得る。
【0105】
本発明の上に記載された化合物は、インビトロまたはインビボにおける、被験体、動物、または細胞もしくは組織への生物学的に活性な物質または治療薬の送達において使用され得る。ある特定の例証的であるが非限定的な実施形態において、それらの化合物は、特に、負に帯電した生理活性物質の送達にふさわしい場合がある。例えば、本発明のアミン(amin)含有トランスフェクション化合物は、DNA、RNA、他のポリヌクレオチド、他のアニオンまたはポリアニオンを被験体または細胞に送達するために使用され得る。
【0106】
いくつかの実施形態において、本発明の脂質は、ある物質と混和されることにより、トランスフェクション複合体(例えば、微小粒子、リポソームまたはミセル)を形成する。これらの送達ビヒクルによって送達される生理活性物質(例えば、ポリヌクレオチド、タンパク質、ペプチドまたは小分子)は、固体もしくは液体または溶解された(disolved)形態であり得る。本発明の脂質は、他の脂質、ポリマー、界面活性物質、コレステロール、炭水化物、タンパク質などと混和されることにより、粒子を形成し得る。これらの粒子は、医薬賦形剤と混和されることにより、医薬組成物を形成し得る。
【0107】
上に記載されたように合成される脂質は、任意の公知の手法によって(例えば、結晶化、クロマトグラフィー、沈殿(例えば、ジエチルエーテル、ヘキサンまたは別の有機溶媒中での再三の沈殿)または蒸留によって)さらに精製され得る。その脂質は、その脂質が有機酸または無機酸と反応したときに形成され得る塩としても単離され得る。いくつかの実施形態において、その脂質が、第三級アミン部分を含む場合、それは、任意のアルキル化剤、例えば、ヨウ化メチルなどのハロゲン化アルキルでアルキル化されることにより、その脂質の第四級アンモニウム塩を形成し得る。第四級アミンと会合されるアニオンは、任意の薬学的に許容可能な有機または無機アニオンであり得る。
【0108】
いくつかの実施形態において、上記合成プロセスは、様々な数および位置のアクリレートテイルとともにアクリルテイルを有する異性体の混合物を生じ得る。そのような混合物は、所望のとおり、さらなる精製ありまたはなしで使用され得る。アミンが、完全にアルキル化されないとき、得られる生成物は、別の求電子剤(例えば、アクリレートまたはアクリルアミド)とさらに反応させた後、必要に応じてさらに精製され得る。
【0109】
いくつかの実施形態において、種々の脂質のライブラリーが、平行して調製され得る。そのために、異なるアミンおよび/または不飽和成分が、バイアルセットの各バイアルまたはマルチウェルプレートの各ウェルに加えられ得る。その反応混合物のアレイが、脂質の形成を生じさせるのに十分な温度かつ時間の長さでインキュベートされる。次いで、それらの脂質は、公知の手法を用いて単離および精製された後、所望の特徴(例えば、溶解性、ポリヌクレオチドへの結合能、ヘパリンへの結合能、小分子への結合能、微小粒子の形成能、トランスフェクション効率を増加させる能力など)を有する脂質を同定するハイスループット法を用いてスクリーニングされ得る。
【0110】
トランスフェクション複合体
生物学的に活性な化合物を、インビトロにおいて細胞もしくは組織にまたはインビボにおいて動物の細胞もしくは組織に送達するために製剤化される新規トランスフェクション複合体を提供することが、ここで開示される実施形態のさらなる目的である。本明細書中で企図されるような細胞または組織への生物学的に活性な物質の送達は、障害を処置するための治療様式を提供するためのものであり得るか、または科学研究を行う過程において(例えば、研究ツールとして)提供され得る。
【0111】
いくつかの実施形態において、本明細書中に提供されるようなトランスフェクション複合体は、上記生物学的に活性な物質が細胞または組織に送達されることにより、所望の生物学的応答に作用し得るような脂質凝集物として製剤化される1つ以上のアミン含有トランスフェクション物質を含み得る。いくつかの実施形態において、トランスフェクション複合体は、必要に応じて、1つ以上のヘルパー脂質を含み得る。ある実施形態において、トランスフェクション複合体は、必要に応じて、1つ以上のペグ化脂質を含み得る。ある実施形態において、トランスフェクション複合体は、必要に応じて、1つ以上の標的化部分またはトランスフェクションエンハンサーを含み得る。
【0112】
ある実施形態において、トランスフェクション複合体は、一般構造Iを有するアミン含有トランスフェクション化合物またはその薬学的に許容可能な塩を含み得:
【化14】
式中、X
1およびX
2の各々は、O、S、N−AおよびC−Aからなる群から独立して選択される部分であり、ここで、Aは、水素およびC
1−C
20炭化水素鎖からなる群から選択され;YおよびZの各々は、CH−OH、C=O、C=S、S=OおよびSO
2からなる群から独立して選択される部分であり;R
1、R
2、R
3、R
4、R
5、R
6およびR
7の各々は、水素、環式または非環式の置換または非置換の分枝状または非分枝状の脂肪族基、環式または非環式の置換または非置換の分枝状または非分枝状のヘテロ脂肪族基、置換または非置換の分枝状または非分枝状のアシル基、置換または非置換の分枝状または非分枝状のアリール基、置換または非置換の分枝状または非分枝状のヘテロアリール基からなる群から独立して選択される部分であり、xは、1以上10以下の値を独立して有する整数であり、nは、1以上3以下の値を独立して有する整数であり、mは、0以上20以下の値を独立して有する整数であり、pは、0または1の値を独立して有する整数であり、ここで、m=p=0である場合、R
2は、水素であるが、但しさらに、nまたはmの少なくとも1つが2という値を有する場合、R
3および構造I中の窒素は:
【化15】
からなる群から選択される部分を形成し、式中、g、eおよびfの各々は、1以上6以下の値を独立して有する整数であり、「HCC」は、炭化水素鎖を表し、各
*は、構造I中の窒素原子を示す。
【0113】
いくつかの実施形態において、R
3は、ポリアミンである。他の実施形態において、R
3は、ケタールである。いくつかの実施形態において、一般構造I中のR
1およびR
2の各々は、独立して、3〜約20個の炭素原子(例えば、8〜約18個の炭素原子)および0〜4個の二重結合(例えば、0〜2個の二重結合)を有する置換または非置換の分枝状または非分枝状の任意のアルキル基またはアルケニル基である。
【0114】
いくつかの実施形態において、nおよびmの各々が、独立して1または3という値を有する場合、R
3は、以下の部分のいずれかであり:
【化16】
式中、各「HCC」は、炭化水素鎖を表し、各
*は、構造I中の窒素原子に対するR
3の潜在的な結合点を示し、ここで、任意の
*位における各Hは、構造I中の窒素原子への結合を達成するために置換され得る。
【0115】
いくつかの実施形態によると、一般構造Iを有するアミン含有トランスフェクション化合物を含むトランスフェクション複合体は、各々が水素であるR
4、R
5、R
6およびR
7、各々がC=OであるYおよびZ、各々が同じであるR
1およびR
2、ならびに各々が同じであるX
1およびX
2を有し得る。そのような化合物は、一般構造IIによって表され(これは、一般構造Iの化合物の亜属である):
【化17】
式中、n=p=0であるとき、R
2は、Hである。
【0116】
一般構造IIの化合物において、少なくとも1つのX
1は、NHであるか、または少なくとも1つのX
1は、Oである。さらに、いくつかの実施形態において、一般構造IIの化合物では、各R
1は独立して、3〜約20個の炭素原子、例えば、8〜約18個の炭素原子、および0〜4個の二重結合、例えば、0〜2個の二重結合を有する、置換または非置換の分枝状または非分枝状の任意のアルキル基またはアルケニル基である。さらに、いくつかの実施形態において、nおよびmの各々が、独立して1または3という値を有する場合、R
3は、以下の部分のいずれかであり:
【化18】
式中、各「HCC」は、炭化水素鎖を表し、各
*は、構造II中の窒素原子に対するR
3の潜在的な結合点を示し、ここで、任意の
*位における各Hは、構造II中の窒素原子への結合を達成するために置換され得る。
【0117】
いくつかの実施形態において、一般構造II中のnまたはmの少なくとも1つが、2という値を有する場合、R
3は、以下の部分のいずれかであり:
【化19】
式中、g、eおよびfの各々は、1以上6以下の値を独立して有する整数であり、各「HCC」は、炭化水素鎖を表し、各
*は、構造II中の窒素原子に対するR
3の結合点を示す。
【0118】
本発明の実施形態によると、トランスフェクション複合体は、一般構造Iもしくは一般構造IIまたはその両方の範囲内の種である1つ以上のアミン含有トランスフェクション化合物を含み得る。そのような特定の化合物の非限定的な例は、上に示された以下の脂質1〜87のいずれかもしくは化合物1〜87の各々の任意の異性体、または化合物1〜87の各々に対する異性体の任意の組み合わせである。
【0119】
いくつかの実施形態において、アミン含有トランスフェクション化合物のモル濃度百分率は、脂質凝集物の約15%〜約50%であり;他の実施形態において、陽イオン性脂質のモル濃度百分率は、トランスフェクション複合体の約20%〜約40%であり;いくつかの実施形態において、アミン含有トランスフェクション化合物のモル濃度百分率は、脂質凝集物の約25%〜約35%であるか;またはいくつかの実施形態において、アミン含有トランスフェクション化合物のモル濃度百分率は、脂質凝集物の約33%である。いくつかの実施形態において、アミン含有トランスフェクション化合物のモル濃度百分率は、脂質凝集物の約15%〜約35%であり;他の実施形態において、アミン含有トランスフェクション化合物のモル濃度百分率は、脂質凝集物の約20%〜約30%であるか;またはいくつかの実施形態において、アミン含有トランスフェクション化合物のモル濃度百分率は、脂質凝集物のおよそ25%である。
【0120】
いくつかの実施形態において、トランスフェクション複合体は、必要に応じて、1つ以上のヘルパー脂質を含み得る。ここで記載されるトランスフェクション複合体の製剤化における使用に適したヘルパー脂質の例証的であるが非限定的な例としては、コレステロール、コレステロール誘導体、ステロール(フィトステロール、動物ステロールおよびホパノイドを含む)または細胞もしくは組織の内部に外来性の生理活性分子を導入することを可能にするかもしくは容易にすると知られている任意の中性脂質もしくは陽イオン性脂質が挙げられる。いくつかの実施形態において、2つ以上のヘルパー脂質が、本明細書中に記載されるトランスフェクション複合体の製剤化において使用され得る。ここで開示されるトランスフェクション複合体の調製における使用について企図された例示的であるが非限定的な中性脂質または陽イオン性脂質としては、以下から選択される1つ以上の脂質が挙げられ得る:BMOP(N−(2−ブロモエチル)−N,N−ジメチル−2,3−ビス(9−オクタデセニルオキシ)−プロパンアミニウムブロミド)、DDPES(ジパルミトイルホスファチジルエタノールアミン5−カルボキシスペルミルアミド)、DSPC、CTAB:DOPE(臭化セチルトリメチルアンモニウム(CATB)とDOPEとの配合物)、POPC(1−パルミトイル−2−オレオイル−sn−グリセロ−3−ホスホコリン)、DOPE(ジオレオイルホスファチジルエタノールアミン)、DMG、DMAP(4−ジメチルアミノピリジン)、DMPE(ジミリストイルホスファチジルエタノールアミン)、DOMG、DMA、DOPC(ジオレオイルホスファチジルコリン)、DMPC(ジミリストイルホスファチジルコリン)、DPEPC(ジパルミトイルエチルホスファチジルコリン)、DODAC(ジオレオイルジメチルアンモニウムクロリド)、DOSPER(1,3−ジ−オレオイルオキシ−2−(6−カルボキシスペルミル)−プロピルアミド)、DOTMA(N−[1−(2,3−ジオレイルオキシ)プロピル]−n,n,n−トリメチルアンモニウムクロリド)、DDAB(ジデシルメチルアンモニウムブロミド)、DOTAP(N−[1−(2,3−ジオレオイルオキシ)プロピル]−N,N,N−トリメチル−アンモニウムメチルスルフェート)、DOTAP・Cl、DC−chol(3,β−N,(N',N'−ジメチルアミノエタン)−カルバモイル]コレステロール)、DOSPA(2−(スペルミンカルボキサミド)エチル)−N,N−ジメチル−アンモニウムトリフルオロアセテート)、DC−6−14(O,O'−ジテトラデカノイル−N−(アルファトリメチルアンモニオアセチル)ジエタノールアミンクロリド)、DCPE(ジカプロイルホスファチジルエタノールアミン)、DLRIE(ジラウリルオキシプロピル−3−ジメチルヒドロキシエチルアンモニウムブロミド)、DODAP(1,2−ジオレオイル−3−ジメチルアンモニウム−プロパン)、エチル−PC、DOSPA(2,3−ジオレオイルオキシ−N−[2−(スペルミンカルボキサミドエチル]−N,N−ジ−メチル−1−プロパンアミニウムトリフルオロアセテート)、DOGS(ジオクタデシルアミドグリシルカルボキシスペルミン)、DMRIE(N−[1−(2,3ジミリスチルオキシ)プロピル]−N,N−ジメチル−N−(2−ヒドロキシエチル)アンモニウムブロミド)、DOEPC(ジオレオイルエチル−ホスホコリン)、DOHME(N−[1−(2,3−ジオレオイルオキシ)プロピル]−N−[1−(2−ヒドロキシエチル)]−N,Nジメチルアンモニウムヨージド)、GAP−DLRIE:DOPE(N−(3−アミノプロピル)−N,N−ジメチル−2,3−ビス(ドデシルオキシ)−1−プロパンイミニウムブロミド/ジオレイルホスファチジルエタノールアミン)、DPPC(ジパルミトイルホスファチジルコリン)、DOPG(1,2−ジオレオイル−sn−グリセロ−3−[ホスホ−rac−(3−リシル(1−グリセロール))・Cl)、N−ラウロイルサルコシン、(R)−(+)−リモネン、レシチン類(およびそれらの誘導体);ホスホチジルエタノールアミン(およびその誘導体);ホスファチジルエタノールアミン類、ジオレオイルホスファチジルエタノールアミン)、DPhPE(ジフィタノイルホスファチジルエタノールアミン)、DPPEジパルミトイルホスファチジルエタノールアミン)、ジパルミトイルホスファチジルエタノールアミン、O−Chol(3ベータ[1−オルニチンアミドカルバモイル]コレステロール)、POPE(パルミトイルオレオイルホスファチジルエタノールアミン)およびジステアロイルホスファチジルエタノールアミン;ホスホチジルコリン;ホスファチジルコリン類、DPPC(ジパルミトイルホスファチジルコリン)POPC(パルミトイルオレオイルホスファチジルコリン)およびジステアロイルホスファチジルコリン;ホスファチジルグリセロール;ピペラジンベースの陽イオン性脂質、ホスファチジルグリセロール類、例えば、DOPG(ジオレオイルホスファチジルグリセロール)、DPPG(ジパルミトイルホスファチジルグリセロール)およびジステアロイルホスファチジルグリセロール;ホスファチジルセリン(およびその誘導体);ホスファチジルセリン類、例えば、ジオレオイル−またはジパルミトイルホスファチジルセリン;ジ第四級アンモニウム塩、例えば、N,N'−ジオレイル−N,N,N',N'−テトラメチル−1,2−エタンジアミン(TmedEce)、N,N'−ジオレイル−N,N,N',N'−テトラメチル−1,3−プロパンジアミン(PropEce)、N,N'−ジオレイル−N,N,N',N'−テトラメチル−1,6−ヘキサンジアミン(HexEce)およびそれらの対応するN,N'−ジセチル飽和アナログ(TmedAce、PropAceおよびHexAce)、ジホスファチジルグリセロール類;脂肪酸エステル類;一価陽イオン性トランスフェクション脂質、例えば、1−デオキシ−1−[ジヘキサデシル(メチル)アンモニオ]−D−キシリトール;1−デオキシ−1−[メチル(ジテトラデシル)アンモニオ]−Dアラビニトール;1−デオキシ−1−[ジヘキサデシル(メチル)アンモニオ]−D−アラビニトール;1−デオキシ−1−[メチル(ジオクタデシル)アンモニオ]−Dアラビニトール、グリセロールエステル類;スフィンゴ脂質;カルジオリピン;セレブロシド類;およびセラミド類;ならびにそれらの混合物。中性脂質にはまた、とりわけ、コレステロールおよび他の3βOH−ステロール、ならびにその誘導体ホスファチジルコリンまたは商業的に入手可能な陽イオン性脂質混合物、例えば、LIPOFECTIN(登録商標)CELLFECTIN(登録商標)(N,NI,NII,NIII−テトラメチル−N,NI,NII,NIII−テトラパルミチルスペルミン(TMTPS)とジオレオイルホスファチジルエタノールアミン(DOPE)との1:1.5(M/M)配合物、LIPOFECTACE(登録商標)、GS 2888 CYTOFECTIN(登録商標)、FUGENE 6(登録商標)、EFFECTENE(登録商標)およびLIPOFECTAMINE(登録商標)、LIPOFECTAMINE 2000(登録商標)、LIPOFECTAMINE PLUS(登録商標)、LIPOTAXI(登録商標)、POLYECT(登録商標)、SUPERFECT(登録商標)、TFXN(商標)、TRANSFAST(商標)、TRANSFECTAM(登録商標)、TRANSMESSENGER(登録商標)、ベクタミジン(3−テトラデシルアミノ−N−tert−ブチル−N'−テトラデシルプロピオンアミジン(ジC14−アミジンとしても知られる)、OLIGOFECTAMINE(登録商標)が含まれる。上に列挙されたヘルパー脂質の組み合わせの任意の混合物もまた企図される。以下の特許文書、特許出願または参考文献は、特に、本発明のトランスフェクション複合体を構成するために使用され得る陽イオン性および中性ヘルパー脂質を含むトランスフェクション物質の開示のために、それらの全体が本明細書中で参考として援用される。
【0121】
上記ヘルパー脂質または中性脂質のモル濃度百分率は、脂質凝集物の約60%〜約85%であり;いくつかの実施形態において、ヘルパー脂質または中性脂質のモル濃度百分率は、脂質凝集物の約70%〜約80%であるか;またはいくつかの実施形態において、ヘルパー脂質または中性脂質のモル濃度百分率は、脂質凝集物の約70%〜約75%である。
【0122】
いくつかの実施形態において、トランスフェクション複合体は、1つ以上のペグ化脂質を含み得る。本明細書中に開示されるトランスフェクション複合体の調製および形成における使用に適したペグ化脂質は、本明細書中に記載されるトランスフェクション複合体の形成、およびインビボにおける動物もしくはヒトへのまたはインビトロにおける組織もしくは細胞へのその投与と適合性である任意の脂質または脂質の混合物であり得る。本発明において使用されるペグ化脂質は、約250ダルトン〜約12,000、またはいくつかの実施形態において、約350ダルトンおよび約6,000ダルトン、またはいくつかの実施形態において、約500ダルトン〜約1,000ダルトン、またはいくつかの実施形態において、約1,000ダルトン〜約2,000ダルトン、またはいくつかの実施形態において、約2,000ダルトン〜5,000ダルトンの分子量を有するPEGポリマーを含む。より詳細には、好適なペグ化脂質は、ホスファチジルエタノールアミン(PE)ベースのペグ化脂質、例えば、1,2−ジミリストイル−sn−グリセロ−3−ホスホエタノールアミン−N−[メトキシ(ポリエチレングリコール)−MW](MWは、そのポリエチレングリコール部分の平均MWのことを指す)を含む。そのようなジミリストイル−PEG−PE脂質は、一般に、14:0PEG(MW)PEと称される。そのポリエチレングリコール部分の平均MWは、例えば、25、350、550、750、1000、2000、3000、5000、6000、8000または12000であり得る。ホスファチジルエタノールアミンベースのペグ化脂質の脂肪酸鎖は、例えば、18:1PEG(MW)PEの場合などの1,2−ジオレオイル基、16:0PEG(MW)PEの場合などの1,2−ジパルミトイル基または18:0PEG(MW)PEの場合などの1,2−ジステアロイル基を含み得る。さらにホスファチジルエタノールアミン(PE)ベースのペグ化脂質には、例えば、DSPE−MOD PEG(MW)とも呼ばれる1,2−ジステアロイル−sn−グリセロ−3−ホスホエタノールアミン−N−[MOD(ポリエチレングリコール)−MW](MODとは、アミン、ビオチン、カルボン酸、ホレート、マレイミド、PDPまたはカルボキシフルオレセイン部分などの官能性部分のことを指す)が含まれる。そのMWは、例えば、2000または5000であり得る。本明細書中に記載される実施形態の場合のペグ化脂質には、セラミドベースのペグ化脂質、例えば、C8 PEG(MW)セラミドと称されるN−オクタノイル−スフィンゴシン−1−{スクシニル[メトキシ(ポリエチレングリコール)MW]}(MWは、例えば、750、2000または5000である)も含まれる。あるいは、脂肪酸部分は、C16 PEG(MW)セラミドの場合などのN−パルミトイル(C16)基を有し得る。
【0123】
いくつかの実施形態において、ペグ化脂質のモル濃度百分率は、トランスフェクション複合体の約0.5%〜15%であり;いくつかの実施形態において、ペグ化脂質のモル濃度百分率は、トランスフェクション複合体の約1%〜約10%であるか;またはいくつかの実施形態において、ペグ化脂質のモル濃度百分率は、トランスフェクション複合体のおよそ1%または5%である。
【0124】
いくつかの実施形態において、トランスフェクション複合体のアミン含有トランスフェクション化合物:ヘルパー脂質:ペグ化脂質のモル濃度百分率は、15:84:1〜15:75:10、20:79:1〜20:70:10、25:74:1〜25:65:10、30:69:1〜30:60:10、40:59:1〜40:50:10または50:49:1〜50:40:10の範囲である。いくつかの実施形態において、トランスフェクション複合体のアミン含有トランスフェクション化合物:ヘルパー脂質:ペグ化脂質のモル濃度百分率は、10〜90:7〜35:5〜70、15〜85:5〜35:8〜50、30〜85:5〜35:8〜50、35〜70;10〜30:15〜45、40〜65:15〜25:20〜40、50〜60:18〜22:25〜35、50〜55:19〜21:27〜30または51〜53:20〜20.5:28〜29の範囲である。当然のことながら、代替の比が使用され得ること、および過度の実験を必要としないそのような配合の比の最適化が十分に当業者の技術レベルの範囲内であることが、当業者によって容易に認識されるだろう。
【0125】
本発明のさらなる非限定的な実施形態は、生理活性物質、例えば、ポリアニオン、ポリヌクレオチドまたはポリペプチドを細胞または組織に送達するための方法を提供し、ここで、その方法は、上に記載されたアミン含有トランスフェクション化合物の1つ以上を、必要に応じて1つ以上のヘルパー脂質および/または1つ以上のペグ化脂質とともに含むリポソームなどの脂質凝集物を形成する工程、ならびにその脂質凝集物を生理活性物質と接触させることにより、中性または正に帯電した生理活性物質−脂質凝集物複合体を形成する工程、ならびにその複合体を細胞または組織とともにインビトロでインキュベートする工程、または得られたトランスフェクション複合体を動物またはヒトに必要に応じて治療用組成物として投与する工程を包含する。そのような投与のために企図される有用な生理活性物質としては、タンパク質、ペプチドおよび核酸(例えば、DNAまたはRNA)が挙げられる。
【0126】
いくつかの実施形態において、トランスフェクション複合体は、インビトロまたはインビボにおいて細胞または標的組織に送達される1つ以上の生物学的に活性な物質を含み得る。好適な生物学的に活性な物質には、ここで記載されるアミン含有トランスフェクション試薬とトランスフェクション複合体を形成することができ、かつインビボまたはインビトロにおいて細胞の内部または組織に送達されると生物学的応答を誘発する、任意の分子が含まれ得る。ここで記載される実施形態における使用について企図される生物学的に活性な物質は、陽イオン性、中性または陰イオン性の物質であり得る。非限定的な例として、トランスフェクション複合体としての製剤化に適した例示的な生物学的に活性な物質としては;核酸(一本鎖または二本鎖の線状または環状のDNA分子(cDNA分子を含む)、一本鎖または二本鎖RNA分子、低分子干渉RNA(siRNA)分子、低分子ヘアピンRNA(shRNA)分子、マイクロRNA(miRNA)分子、オリゴヌクレオチド、アンチセンスオリゴヌクレオチド、センスオリゴヌクレオチドを含むがこれらに限定されない)、ポリペプチド、抗体、オリゴペプチド、治療用のペプチドもしくはタンパク質分子、ペプチド核酸(PNA)、陽イオン性、陰イオン性もしくは中性の有機分子または薬物がその薬学的に許容可能な塩に加えて挙げられ得るが、これらに限定されない。
【0127】
本発明のある特定の非限定的な例示的実施形態において、インビトロまたはインビボにおいて核酸分子を細胞または組織に送達する(遺伝子発現を阻害するために細胞内にRNA干渉分子(RNAi)または低分子干渉RNA分子(siRNA、shRNAまたはmiRNA)を送達することを含む)ために本発明の化合物を使用するトランスフェクション複合体および方法が提供される。
【0128】
ある特定の非限定的な例示的実施形態において、特定のタンパク質の発現を促進するためにインビボまたはインビトロにおいてmRNA分子を細胞または組織に送達するために本発明の化合物を使用するトランスフェクション複合体および方法が提供される。
【0129】
本発明の他の非限定的な例示的実施形態において、インビボまたはインビトロにおいてDNA分子(cDNA分子を含む)を細胞または組織に送達するため、特定のタンパク質の発現を促進するためまたは特定のRNA分子(mRNA分子またはRNAiもしくはmiRNAもしくはshRNA分子を含むがこれらに限定されない)を合成するために本発明の化合物を使用するトランスフェクション複合体および方法が提供される。
【0130】
いくつかの実施形態において、本明細書中に記載されるトランスフェクション複合体は、必要に応じて1つ以上の融合性または細胞透過性ペプチドを含み得る。融合性または細胞透過性ペプチドは、脂質含有複合体と細胞膜(原形質膜またはエンドソーム膜)との融合を促進することができる任意のペプチド分子である。種々の融合性または細胞透過性ペプチドが当該分野で公知であり、過度の実験なしに好適な融合性または細胞透過性ペプチドを特定することおよび本発明においてそれを使用するための条件を特定することは、十分に当業者の技術レベルの範囲内である。
【0131】
いくつかの実施形態において、本明細書中に記載されるトランスフェクション複合体は、必要に応じて1つ以上のトランスフェクションヘルパーまたは標的化部分を含み得る。標的化部分は、ペプチド、改変されたペプチド、抗体、改変された抗体、レセプター分子、改変されたレセプター分子、一本鎖もしくは二本鎖の核酸分子、改変された一本鎖もしくは二本鎖の核酸分子、ペプチドアプタマーもしくは核酸アプタマー、改変されたペプチドアプタマーもしくは核酸アプタマー、有機分子、多糖、または生物学的物質の標的化送達のためにトランスフェクション複合体を特定の組織もしくは細胞型に標的化することができる他の任意の分子(例えば、当業者に容易に明らかになるもの)であり得る。いくつかの実施形態において、ペプチド、抗体、核酸、アプタマーなどの改変は、そのペプチド、抗体、核酸、アプタマーなどをPEG部分に結合体化することを含み得る。あるいは、ペプチド、抗体、核酸、アプタマーなどの改変は、そのペプチド、抗体、核酸、アプタマーなどをPEG脂質部分に結合体化することを含み得る。種々の標的化部分は、当業者に広く公知のものであり、そのすべてが、限定されないがここで記載される実施形態での使用について企図される。
【0132】
いくつかの実施形態において、本明細書中に提供されるトランスフェクション複合体は、最長1年間にわたって安定であり得、トランスフェクトするために細胞もしくは組織と接触され得るか、または形成された直後もしくはすぐ後に動物もしくはヒトに投与され得るか、あるいは必要に応じて、細胞もしくは組織と接触させるまでまたは動物もしくはヒトに投与するまでの時間にわたって貯蔵され得る。本トランスフェクション複合体は、安定であり、室温、または凍結温度より高い温度からおよそ室温までの温度において少なくとも30分間、少なくとも45分間、少なくとも1時間、少なくとも2時間、少なくとも3時間、少なくとも4時間、少なくとも5時間、少なくとも10時間、少なくとも15時間、少なくとも20時間、少なくとも24時間、少なくとも48時間、少なくとも72時間、少なくとも5日間、少なくとも7日間、少なくとも14日間、少なくとも28日間、少なくとも1ヶ月間、少なくとも2ヶ月間、少なくとも3ヶ月間、少なくとも4ヶ月間、少なくとも5ヶ月間、少なくとも6ヶ月間または少なくとも1年間にわたって貯蔵され得る。本明細書中に記載される製剤が、生理活性な製剤の長期間の安定化および貯蔵を助ける1つ以上の安定化剤、保存剤、緩衝剤など(例えば、生物学および薬学分野の当業者が容易に理解し、かつそれを確かめるために過度の実験を必要としないもの)を含み得ることが理解されるべきである。貯蔵期間が、これらの時間のいずれかの範囲、例えば、31分間〜1時間または1時間〜24時間であり得ることも理解される。
【0133】
必要に応じて、生理活性物質−脂質凝集物複合体は、細胞と接触される前にある期間にわたって貯蔵される。ポリアニオン−脂質凝集物複合体は、安定であり、少なくとも45分間、少なくとも1時間、少なくとも2時間、少なくとも3時間、少なくとも4時間、少なくとも5時間、少なくとも10時間、少なくとも15時間、少なくとも20時間、少なくとも24時間、少なくとも48時間、少なくとも72時間、少なくとも5日間、少なくとも7日間、少なくとも14日間、少なくとも28日間、少なくとも1ヶ月間、少なくとも2ヶ月間、少なくとも3ヶ月間、少なくとも4ヶ月間、少なくとも5ヶ月間、少なくとも6ヶ月間もしくは少なくとも1年間、またはこれらの任意の時間の間の時間にわたって貯蔵され得る。
【0134】
本発明は、特に、必要に応じて化学的に改変される、siRNA、低分子ヘアピンRNA(shRNA)、マイクロRNA(miRNA)および低分子時間制御型(small temporally regulated)RNA(stRNA)を含むRNAi成分を、インビトロまたはインビボにおいて細胞または組織に送達するのにふさわしい。
【0135】
本発明のトランスフェクション複合体またはそれらの混合物を使用する送達方法は、インビトロ、エキソビボおよびインビボにおいて、特に、真核細胞または組織(動物細胞、ヒト細胞、非ヒト動物細胞、昆虫細胞、植物細胞(藻類を含む)、鳥類細胞、魚類細胞、哺乳動物細胞などを含む)のトランスフェクションのために、細胞に適用され得る。
【0136】
いくつかの実施形態において、細胞に送達される生理活性物質は、本発明の脂質凝集物と接触されることにより、生理活性物質−脂質凝集物複合体を含むトランスフェクション複合体を形成する。次いで、標的細胞または標的組織が、その複合体とともにインキュベートされるか、またはインビボで適用の場合、その複合体は、その複合体が標的細胞または標的組織と接触するように、適切な経路(例えば、静脈内、筋肉内、皮下、経皮的、経粘膜的など)によって生物に投与される。トランスフェクション複合体を、インビトロにおいて細胞もしくは組織に、またはインビボにおいて組織もしくは動物に適用するための方法は、当該分野で広く公知であり、そのような方法の使用は、以下に限定されないが、ここで記載される脂質トランスフェクション複合体を細胞、組織または動物に投与することについて本明細書中で企図される。これらの方法を、本明細書中に記載される本発明の精神および範囲から逸脱することなく、ここで記載される組成物を用いて使用することに適合することは、十分に当業者の能力の範囲内である。それらの化合物はまた、細胞標的化、取り込み、内部移行、核標的化および発現(これらのすべてが、同様に当業者の技術レベルの範囲内である)を増強するために、トランスフェクションヘルパーまたは標的化部分とも呼ばれる種々の有用な分子および物質(例えば、タンパク質、ペプチド、成長因子、抗体、核酸、アプタマーまたはそれらの改変されたバージョン(例えば、前記トランスフェクションヘルパーまたは標的化部分をPEGまたはPEG−脂質と結合体化させているもの)など)と結合体化され得るか、またはそれらと混合され得るか、またはそれらとともに使用され得る。
【0137】
さらなる実施形態は、インビボにおいて細胞または組織を核酸でトランスフェクトする方法を提供し、ここで、その方法は、1つ以上のアミン含有トランスフェクション化合物、1つ以上のペグ化脂質および必要に応じて1つ以上のヘルパー脂質を含むリポソームなどの脂質凝集物を形成する工程、その脂質凝集物を核酸と接触させることにより、中性または正に帯電した脂質凝集物−核酸複合体を形成する工程、ならびにその脂質凝集物−核酸複合体をインビトロにおいて細胞もしくは組織にまたは生物に投与して、複合体が標的細胞または標的組織と接触する工程を包含する。その脂質凝集物−核酸複合体の投与は、下記にさらに記載されるように、経口的に、静脈内に、または皮下注射もしくは筋肉内注射によって行われ得るか、あるいは組織に局部的に適用され得る。
【0138】
必要に応じて、生理活性物質−脂質凝集物複合体は、トランスフェクションのために細胞と接触される前にある期間にわたって貯蔵される。ポリアニオン−脂質凝集物複合体は、安定であり、少なくとも30分間、少なくとも45分間、少なくとも1時間、少なくとも2時間、少なくとも3時間、少なくとも4時間、少なくとも5時間、少なくとも10時間、少なくとも15時間、少なくとも20時間、少なくとも24時間、少なくとも48時間、少なくとも72時間、少なくとも5日間、少なくとも7日間、少なくとも14日間、少なくとも28日間、少なくとも1ヶ月間、少なくとも2ヶ月間、少なくとも3ヶ月間、少なくとも4ヶ月間、少なくとも5ヶ月間、少なくとも6ヶ月間もしくは少なくとも1年間、またはこれらの任意の時間の間の時間にわたって貯蔵され得る。
【0139】
別の実施形態において、本発明のトランスフェクション複合体(およそ5μl〜2000μl)が、マルチウェルプレートのウェルに提供される。標的細胞に送達される生理活性分子が選択され、それがそのウェルに加えられることにより、ポリアニオン−脂質凝集物複合体が形成され、続いてその複合体は、インビトロまたはインビボにおいて標的細胞と接触される。その脂質凝集物は、各ウェルにおいて同じ組成および濃度を有し得るか、または脂質凝集物の組成および/もしくは濃度は、ウェルごとに異なり得る(例えば、脂質凝集物中のペグ化の量は、ウェルによって異なることにより、送達およびトランスフェクションのための範囲が決定され得る)。生理活性物質が、RNAiなどの核酸である場合、その核酸は、標的細胞と接触する前にウェルに加えられ、必要に応じて貯蔵され得る。
【0140】
本発明の方法は、必要に応じて、生理活性物質を1つ以上のアミン含有トランスフェクション化合物と接触させることによりその生理活性物質を被包する脂質凝集物を形成する前またはそれと同時に、その1つ以上のアミン含有トランスフェクション化合物を、1つ以上のヘルパー脂質および1つ以上のペグ化脂質と接触させる工程を包含する。その方法はまた、必要に応じて、生理活性物質と接触させる前に脂質凝集物をリポソームに形成する工程も包含する。さらなる実施形態では、リポソームは、マイクロ流動化、押出成形または当該分野で公知の他の手段によって形成される。いくつかの実施形態において、生理活性物質には、標的遺伝子の発現を阻害するかまたは促進する、DNAまたはRNAなどの核酸分子が含まれ得る。いくつかの実施形態において、生理活性物質は、遺伝子の転写物と会合することにより、その阻害をもたらす。いくつかの実施形態において、生理活性物質は、核酸(例えば、DNA、mRNA、RNAi、siRNA、shRNA、miRNAまたはstRNA)であり、必要に応じて化学的に改変される。
【0141】
別の実施形態において、本発明は、1つ以上のアミン含有トランスフェクション化合物を、必要に応じて1つ以上のヘルパー脂質、必要に応じて1つ以上のペグ化脂質および必要に応じて1つ以上の標的化部分もしくはトランスフェクションヘルパー(上に記載されたようなもの)またはそれらの塩とともに含むリポソームを、生理活性物質、例えば、核酸と混和することによって調製される医薬も提供し、ここで、その生理活性物質を細胞または組織に導入することによって、それらの中の1つ以上の標的遺伝子の発現が調節され、それにより、少なくとも1つの生物学的応答および/または少なくとも1つの治療的利点がもたらされる。必要に応じて、その医薬はさらに、薬学および/または医学の分野の当業者に容易に明らかになり得るような追加の賦形剤または薬学的担体を含む。いくつかの実施形態において、生理活性物質は、核酸、例えば、DNAまたはRNAであり得る。いくつかの実施形態において、その核酸は、mRNA、RNAi、siRNA、shRNA、miRNAまたはstRNAであり、必要に応じて化学的に改変される。いくつかの実施形態において、細胞または組織における1つ以上の遺伝子の発現に関係する疾患、病状または障害を処置するための医薬または医薬品が提供される。薬理学的に許容可能な医薬の製剤化は、当該分野で公知である。その医薬の投与によって、有効量のポリアニオン、例えば、RNAまたはDNAが、その疾患、病状または障害に関連する細胞または組織に送達されることにより、その疾患、病状または障害が回復する。非限定的な例として、そのような医薬は、下記にさらに記載されるように、経口的に、静脈内に、または皮下注射もしくは筋肉内注射によって投与され得るか、あるいは組織に局部的に適用され得る。
【0142】
本発明は、ここで記載される本発明本発明の1つ以上のトランスフェクション複合体を調製するためのキットも提供する。そのようなキットは、例えば、本発明の1つ以上のリポソーム組成物を備え得る。そのようなキットは、通常、運搬手段(例えば、箱、カートン、チューブなど)を備え(その中に、厳重な管理下で1つ以上の容器(例えば、バイアル、チューブ、アンプル、ボトルなど)を有する)、ここで、容器は、1つ以上のアミン含有トランスフェクション化合物を、必要に応じて1つ以上のヘルパー脂質、必要に応じて上に記載された実施形態に係る1つ以上のペグ化脂質もしくは陽イオン性脂質(またはその許容可能な塩)、または本発明のリポソーム組成物とともに含む。本発明のこの態様によって包含されるキットは、さらに、本発明の組成物の1つ以上の特定の用途を行うために必要または有益な1つ以上のさらなる成分(例えば、試薬および化合物)を備え得る。いくつかの実施形態において、そのキットは、必要に応じて、本発明の脂質凝集物またはトランスフェクション複合体を保持するために適した1つ以上のマルチウェルプレートを備え得る。さらなる例において、それらのキットは、細胞の所望のトランスフェクションを行う際に有用な1つ以上の成分も備え得る。なおもさらなる例において、そのキットは、特定の疾患または身体的障害の診断、処置または予防を行う際に有用な1つ以上の成分(例えば、1つ以上のさらなる治療用の化合物または組成物、1つ以上の診断用試薬)も備え得る。通常、キットは、1つ以上の緩衝液、ポジティブまたはネガティブコントロールサンプル、担体または賦形剤など、1つ以上のさらなる本発明の組成物、1つ以上の指示書のセットなども備え得る。
【0143】
生理活性物質(例えば、核酸、DNAおよびRNAなど)をトランスフェクション複合体(すなわち、脂質凝集物−生理活性物質複合体)内に被包する方法が、いくつかの実施形態として提供される。そのような方法は、1つ以上のアミン含有トランスフェクション化合物(例えば、構造IおよびIIならびに式1〜87に表されている化合物)、1つ以上のヘルパー脂質、1つ以上のペグ化脂質および必要に応じて1つ以上のトランスフェクションヘルパーまたは標的化部分を含む脂質凝集物を、下記の条件のうちのいずれか1つ以上において形成する工程を包含し得る。
【0144】
a1)1つ以上のアミン含有トランスフェクション化合物、少なくとも1つのヘルパー脂質、必要に応じて2つ以上のヘルパー脂質および1つ以上のペグ化脂質またはそれらの塩をアルコール/水溶液中で混合する条件(そのアルコール濃度は<50%である);
【0145】
a2)1つ以上のアミン含有トランスフェクション化合物、少なくとも1つのヘルパー、必要に応じて2つ以上のヘルパー脂質および1つ以上のペグ化脂質またはそれらの塩を、1つ以上のアミン含有トランスフェクション化合物が15%〜50%で存在するようなモル濃度百分率において混合する条件;
【0146】
a3)1つ以上のアミン含有トランスフェクション化合物、少なくとも1つのヘルパー脂質、必要に応じて2つ以上のヘルパー脂質および1つ以上のペグ化脂質またはそれらの塩を、ペグ化脂質が<50%で存在するようなモル濃度百分率において混合する条件;および
【0147】
a4)1つ以上のアミン含有トランスフェクション化合物、少なくとも1つのヘルパー脂質、必要に応じて2つ以上のヘルパー脂質および1つ以上のペグ化脂質またはそれらの塩を混合する条件(そのペグ化脂質は、約2000〜12000のポリエチレングリコール分子量およびC
6−C
20アルキルまたはC
10−C
20アルケニルの脂肪酸鎖長を有する);およびそのアルコール/水溶液中の脂質凝集物を生理活性物質と複合体化することにより、トランスフェクション複合体を形成する条件(そのアルコール濃度は<50%、好ましくは、40%未満である)。いくつかの実施形態において、上記方法は、例えば、a1)およびa2)、a2)およびa3)、a1)およびa3)、a2)およびa4)、a3)およびa4)、a1)およびa4)またはa1)〜a)4を包含する。いくつかの実施形態において、上記アルコールは、C1−C4アルコールである。いくつかの実施形態において、上記アルコールは、エタノールである。いくつかの実施形態において、上記アルコールは、薬学的に許容可能なアルコール(例えば、およそ室温において液体であるアルコール、例えば、エタノール、プロピレングリコール、2−(2−エトキシエトキシ)エタノール(Transcutol(商標))、ベンジルアルコール、グリセロール、ポリエチレングリコール200、ポリエチレングリコール300、ポリエチレングリコール400またはそれらの混合物)である。いくつかの実施形態において、混合するためのアルコールは、複合体化するためのアルコールと異なる。
【0148】
本明細書中に記載される実施形態のトランスフェクション複合体は、インビボ投与のための以下の経路を介して、例えば、静脈内、皮内、動脈内、腹腔内、病巣内、頭蓋内、関節内、脳(心)室内、前立腺内(intraprostatica)、胸膜内、気管内、鼻腔内、硝子体内、膣内、子宮内、直腸内、局部的、腫瘍内、鞘内、筋肉内、皮下、結膜下、小胞内、粘膜、心膜内、臍下(intraumbilical)、眼内、経口、局部的、局所的、吸入(例えば、エアロゾル吸入)、注射、注入、持続注入、標的細胞を直接浸漬する局所的な灌流、カテーテルを介して、洗浄を介して、クリームとして、または当業者に公知であろう他の方法もしくは前述の任意の組み合わせによって(Remington's Pharmaceutical Sciences,18th Ed.,Mack Publishing Co.1990)、投与され得る。
【0149】
エキソビボまたはインビボにおいて使用するための投与量は、0.01μg〜1g/kg体重、0.1μg〜0.1g/kg体重、1μg〜0.01g/kg体重、10μg〜0.01g/kg体重、0.1mg〜10mg/kg体重であるか、または0.1mg、0.25mg、0.5mg、1.0mg、1.5mg、2mgおよび10mg/kg体重のいずれかの間およびそれらを含む範囲である。投与は、1日あたり、1週間あたり、1ヶ月間あたりまたは1年あたり1回またはそれ以上であり得る。投与は、ボーラスの形態であり得る。通常、本明細書中の実施形態のリポプレックスの有効量は、標的にされた遺伝子の発現を低下させるのに十分な量であり、標的細胞の表面において、100pM〜1μMまたは1nM〜100nMまたは2nM〜約25nMまたは約10nMまでの細胞外の濃度をもたらす。この局所的濃度を得るのに必要とされる量は、送達方法、送達部位、送達部位と標的細胞または標的組織との間の細胞層の数、送達が局所的であるかまたは全身性であるかなどをはじめとしたいくつかの因子に応じて変動する。送達部位における濃度は、それが標的細胞または標的組織の表面における濃度よりもかなり高い可能性がある。
【0150】
インビボ投与のためのいくつかの実施形態において、トランスフェクション複合体は、0.5〜1mg/mlという最終濃度で調製される。脂質凝集物と核酸との比は、標的にされる器官に応じて、約0.7:1〜1.3:1(v:w)である。当業者は、本明細書中の教示に鑑みて、インビボ投与のために、脂質凝集物と核酸との様々な比を試験することができる。例えば、5%グルコース中の1mg/mlリポプレックスの場合、投与は、例えば、静脈内投与であり得、それにより、肺、腎臓、肝臓、腫瘍または脾臓が標的化される(50〜200μlを用いる)か、腹腔内投与であり得、それにより、腫瘍または炎症が標的化される(100 lを用いる)か、鼻腔内投与であり得、それにより、肺が標的化される(50μlを用いる)か、腫瘍内もしくは後眼窩(局所的)投与であり得、それにより、眼、腫瘍、膝関節もしくは耳が標的化される(10〜100μlを用いる)か、脳内(局所的)投与であり得、それにより、脳が標的化される(0.5〜5μlを用いる)か、鞘内投与であり得、それにより、脊髄が標的化される(10μlを用いる)か、または流体力学的投与であり得、それにより、肝臓、腎臓もしくはウイルスが標的化される(0.8〜2.5mlを用いる)。
【0151】
組織特異的(Tissue−specific)送達をスクリーニングするための方法
本明細書中に記載されるさらなる実施形態は、インビボにおける組織特異的送達のために、多数のトランスフェクション化合物をスクリーニングする方法を提供する。そのような方法は、被験トランスフェクション化合物とともに、マーカーの検出を難なく容易にする化合物を含む複数のトランスフェクション複合体を調製する工程、その複数のトランスフェクション複合体の各々を被験動物に送達する工程、およびマーカーを検出する工程を包含し得る。
【0152】
いくつかの実施形態において、トランスフェクション複合体の組織特異的送達をスクリーニングするための方法は、複数のトランスフェクション複合体(各トランスフェクション複合体は、組織への送達の検出を容易にする少なくとも1つの核酸とともに少なくとも1つの被験トランスフェクション化合物を有する)を調製する工程を包含し得る。その核酸は、直接検出され得るタンパク質(例えば、緑色蛍光タンパク質(GFP)、赤色蛍光タンパク質、ルシフェラーゼなど)をコードするかまたは直接検出され得るタンパク質の発現に影響するタンパク質をコードするRNA分子またはDNA分子であり得る。
【0153】
ある実施形態において、トランスフェクション複合体の組織特異的送達をスクリーニングするための方法は、複数の独特のトランスフェクション複合体(各トランスフェクション複合体は、緑色蛍光タンパク質をコードするmRNAまたはcDNAとともに少なくとも1つの被験トランスフェクション化合物を有する)を調製する工程を包含し得る。独特のトランスフェクション複合体の各々は、マウスなどの被験動物の静脈内、皮下または組織に送達され得る。所定の時間が経過した後、そのマウスの組織が回収され得、様々な組織におけるGFPの発現が、肉眼的検査、組織学的検査または分子検出(PCR、ウエスタンブロッティングなど)によって検出されることにより、特定のトランスフェクション化合物を含むトランスフェクション複合体がどの組織に送達されたかが判定され得る。
【0154】
ある実施形態において、トランスフェクション複合体の組織特異的送達をスクリーニングするための方法は、複数の独特のトランスフェクション複合体(各トランスフェクション複合体は、ルシフェラーゼをコードするmRNAまたはcDNAとともに少なくとも1つの被験トランスフェクション化合物を有する)を調製する工程を包含し得る。独特のトランスフェクション複合体の各々は、マウスなどの被験動物の静脈内、皮下または組織に送達され得る。所定の時間が経過した後、そのマウスの組織が回収され得、様々な組織におけるルシフェラーゼの発現が、肉眼的検査、組織学的検査または分子検出(PCR、ウエスタンブロッティングなど)によって検出され得るか、またはIVIS(登録商標)Imaging System(Caliper)を用いてインビボで画像化され得る。
【0155】
ある実施形態において、トランスフェクション複合体の組織特異的送達をスクリーニングするための方法は、複数の独特のトランスフェクション複合体(各トランスフェクション複合体は、特定の転写因子をコードするmRNAまたはcDNAとともに少なくとも1つの被験トランスフェクション化合物を有する)を調製する工程を包含し得る。独特のトランスフェクション複合体の各々は、その特定の転写因子の支配下のレポーター遺伝子(例えば、ルシフェラーゼ)を発現するトランスジェニック動物の静脈内、皮下または組織に送達され得る。所定の時間が経過した後、そのトランスジェニック動物の組織が回収され得、様々な組織におけるレポーター遺伝子の発現が、肉眼的検査、組織学的検査または分子検出(PCR、ウエスタンブロッティングなど)によって検出され得る。レポーター遺伝子がルシフェラーゼである場合、検出は、IVIS(登録商標)Imaging System(Caliper)を用いてインビボで行われ得る。
【0156】
1つの非限定的な実施形態において、トランスフェクション複合体の組織特異的送達をスクリーニングするための方法は、複数の独特のトランスフェクション複合体(独特のトランスフェクション複合体の各々は、CreリコンビナーゼをコードするmRNAまたはDNA分子とともに少なくとも1つの独特の被験トランスフェクション化合物を含む)を調製する工程を包含し得る。その複数の独特のトランスフェクション複合体はまた、必要に応じて、上に記載されたおよび本明細書中に組み込まれるような、1つ以上のトランスフェクションエンハンサー、1つ以上のヘルパー脂質、1つ以上のペグ化脂質または1つ以上の標的化部分も含み得る。その独特のトランスフェクション複合体の各々は、Creリコンビナーゼの存在下においてレポーター遺伝子を発現するトランスジェニックマウスに、静脈内に(例えば、尾静脈注射によって)、皮下に、または組織内注射を介して、送達され得る。例示的な実施形態において、その独特のトランスフェクション複合体の各々は、loxP−STOP−loxP−ルシフェラーゼ遺伝子を有するトランスジェニックマウス、例えば、ホタルルシフェラーゼ遺伝子がGt(ROSA)26Sor遺伝子座に挿入されている129S6(B6)−Gt(ROSA)26トランスジェニックマウス系統のいずれかに送達され得る。このトランスジェニック系統では、そのルシフェラーゼ遺伝子は、ルシフェラーゼ導入遺伝子とそのプロモーターの間に配置されたloxP隣接STOP配列によって阻止されている。Creリコンビナーゼの存在下では(すなわち、Cre−mRNAまたはDNAを含むトランスフェクション複合体が送達される組織では)、STOP配列が切除されて、ルシフェラーゼが発現される。
【0157】
どの組織においてCreルシフェラーゼが発現されているか(およびゆえに、独特の被験トランスフェクション化合物の各々がどの組織に優先的に送達されているか)を判定するために、ルシフェラーゼ導入遺伝子の発現が、遺伝子発現を評価するために広く使用されている当業者に公知の任意の手法(例えば、PCR、ノーザンブロッティング、ウエスタンブロッティングなど、またはルシフェラーゼ活性の直接的な測定)に従って、行われ得る。いくつかの好ましい実施形態において、切除された組織のホールマウント(transgewhole mount)または組織切片が、例えば、IVIS(登録商標)In Vivoを用いて、調べられ得る。
【実施例】
【0158】
III.実施例
本発明はさらに、以下の実施例を考慮することによって明らかにされ得、その実施例は、純粋に本発明の例示であって、決してその範囲を限定しないと意図されている。
【0159】
実施例1.2−ブロモ−N−ドデシルアセトアミドの合成
表題の中間体を、以下の一般的な反応スキームに従って合成した。
【化20】
【0160】
均圧の滴下漏斗を備えた丸底フラスコにおいて、200mLのジクロロメタンに、1.5g(7.431mmol,1.05当量)の臭化ブロモアセチルを加え、その混合物を窒素下で撹拌した。そのフラスコを、氷浴を用いて約0℃に冷却した。1.31g(7.077mmol)のドデシルアミン酸0.716(983μL,7.077mmol)のトリエチルアミンを100mLのジクロロメタンに溶解した。この溶液を上記滴下漏斗に移し、臭化ブロモアセチル溶液をおよそ1時間以内でゆっくり加えた。その反応混合物を約0℃においてさらに約1時間撹拌し、氷を融解させることによって室温にゆっくり温めた。
【0161】
得られた反応混合物を分液漏斗に移し、100mLの飽和炭酸水素ナトリウム溶液で抽出した。水層を50mLのジクロロメタンで洗浄し、合わせた有機層を100mLの飽和炭酸水素ナトリウム溶液で洗浄した。最後に、水層を100mLのジクロロメタンで洗浄した。合わせた有機層を硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過することにより硫酸ナトリウムを除去し、その混合物をロータリーエバポレーターにより濃縮して、約2.022g(93.3%収率)の純粋な生成物を得た。分子量計算値:305.14,分子量実測値:306.25。
【0162】
実施例2.テトラデシル−2−ブロモアセテートの合成
表題の中間体を、以下の一般的な反応スキームに従って合成した。
【化21】
【0163】
3g(1.3mL,14.862mmol,1.05当量)の臭化ブロモアセチルを50mLのジクロロメタンに溶解した。そのフラスコを、氷浴を用いて約0℃に冷却した。3.03g(14.154mmol)のテトラデカノールを50mLのジクロロメタンに溶解し、ピペットを介して上記混合物にゆっくり加えた後、約5滴の濃硫酸を加え、約0℃で約30分間、次いで、室温で一晩撹拌した。
【0164】
約150mLの飽和炭酸水素ナトリウム溶液を加え、直ちに約30分間撹拌した。次いで、その混合物を分液漏斗に移し、有機層を回収する。水層を約100mLのジクロロメタンで洗浄した。合わせた有機層を硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、濃縮することにより、4.095g(89.7%収率)の生成物を得た。
【0165】
質量ピークは観察されなかった。構造を確かめるために、試験反応物を以下のとおり準備した:4.6mg(0.043mmol)のベンジルアミン、17mg(23μL,0.130mmol,3当量)のN,N−ジイソプロピルエチルアミンおよび22mg(0.065mmol,1.5当量)のテトラデシル−2−ブロモアセテートを1mLのDMFに溶解し、約160℃/200Wのマイクロ波の中に10分間置いた。得られた反応混合物をLCMSで解析した。分子量計算値:361.56,分子量実測値:362.42。
【0166】
実施例3.ペンタデシル−4−ブロモブタノエートの合成
表題の中間体を、以下の一般的な反応スキームに従って合成した。
【化22】
【0167】
4−ブロモブチルクロリド(1当量)をジクロロメタン(50mL)に溶解し、その反応フラスコを、氷浴を用いて約0℃に冷却した。上記の混合物に、ジクロロメタン(50mL)中の1−ペンタデカノール(1当量)を、均圧の滴下漏斗を用いて約30分間にわたってゆっくり加えた。得られた上記混合物に、触媒量(5滴)の濃硫酸を加えた。その反応混合物を約0℃で約30分間撹拌し、次いで、室温で4時間撹拌した。その反応混合物を分液漏斗に移し、有機層を飽和炭酸水素ナトリウム(×3)、水(×2)、ブライン(×1)で洗浄した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、濃縮することにより、所望の生成物であるペンタデシル−4−ブロモブタノエートを無色の油状物として得た(88%収率)。
【0168】
質量ピークは観察されなかった。予想される生成物の構造を、試験反応物を介して確かめた:ベンジルアミン(1当量)、N−メチルモルホリン(1当量)、ペンタデシル−4−ブロモブタノエート(0.9当量)を、DMF(1mL)が入った乾燥された厚肉のpyrexチューブに加えた。その反応混合物を、約170℃において約10分間、マイクロ波照射(200W)に曝露した。その照射の後、温度が約30℃未満に低下するまで、その反応混合物をその装置内の内蔵のシステムに通して冷却した。得られた反応混合物をLCMSで解析した。分子量計算値:403.64,分子量実測値:404.50。
【0169】
実施例4.テトラデシル2−[3−メチルアミノプロピル−(2−オキソ−2−テトラデコキシ−エチル)アミノ]アセテートの合成
表題の化合物を、以下の一般的な反応スキームに従って合成した。
【化23】
【0170】
20mg(0.227mmol)のN−メチルプロパン−1,3−ジアミン、上記の実施例2に記載されたように合成された160mg(0.477mmol,2.1当量)のテトラデシル−2−ブロモアセテートおよび176mg(237μl,1.361mmol,6当量)のN,N−ジイソプロピルエチルアミンを、1mlのジメチルホルムアミドに溶解し、一晩、約60℃に加熱した。得られた混合物を分取HPLCで精製した。表題化合物を含む画分を回収し、LCMSで特徴付けた。分子量計算値:596.55,分子量実測値:597.76。
【0171】
実施例5.(a)2−[2−[2−[2−[ビス[2−(ドデシルアミノ)−2−オキソ−エチル]アミノ]エチル−[2−(ドデシルアミノ)−2−オキソ−エチル]アミノ]エチルアミノ]エチル−[2−(ドデシルアミノ)−2−オキソ−エチル]アミノ]−N−ドデシル−アセトアミドおよび(b)2−[2−[2−[2−[ビス[2−(ドデシルアミノ)−2−オキソ−エチル]アミノ]エチルアミノ]エチルアミノ]エチル−[2−(ドデシルアミノ)−2−オキソ−エチル]アミノ]−N−ドデシル−アセトアミドの合成
表題の2つの化合物の混合物を、4テイルの表題化合物(a)および5テイルの表題化合物(b)を示している以下の一般的な反応スキームに従って合成した。
【化24】
【0172】
14.6mg(0.1mmol)のN,N'−ビス(2−アミノエチル)エタン−1,2−ジアミン、上記の実施例1に記載されたように得られた159mg(0.52mmol,5.2当量)の2−ブロモ−N−ドデシルアセトアミドおよび129mg(174μl,1mmol,10当量)のN,N−ジイソプロピルエチルアミンを1mlのDMFに溶解し、一晩、約60℃に加熱する。得られた混合物を分取HPLCで精製する。
【0173】
2−[2−[2−[2−[ビス[2−(ドデシルアミノ)−2−オキソ−エチル]アミノ]エチルアミノ]エチルアミノ]エチル−[2−(ドデシルアミノ)−2−オキソ−エチル]アミノ]−N−ドデシル−アセトアミド(上に示された4テイルの化合物)および2−[2−[2−[2−[ビス[2−(ドデシルアミノ)−2−オキソ−エチル]アミノ]エチル−[2−(ドデシルアミノ)−2−オキソ−エチル]アミノ]エチルアミノ]エチル−[2−(ドデシルアミノ)−2−オキソ−エチル]アミノ]−N−ドデシル−アセトアミド(上に示された5テイルの化合物)を回収し、LCMSで特徴付けた。
【0174】
4テイルの化合物については:分子量計算値は、1046.99であり、分子量実測値は、1048.28だった。5テイルの化合物については:分子量計算値は、1272.20であり、分子量実測値は、1273.50だった。
【0175】
実施例6.ペンタデシル−4−ブロモブタノエートの合成
表題の中間体を、以下の一般的な反応スキームに従って合成した。
【化25】
【0176】
4−ブロモブチルクロリド(1当量)をジクロロメタン(50mL)に溶解し、その反応フラスコを、氷浴を用いて約0℃に冷却した。上記の混合物に、ジクロロメタン(50mL)中の1−ペンタデカノール(1当量)を、均圧の滴下漏斗を用いて約30分間にわたってゆっくり加えた。得られた上記混合物に、触媒量(5滴)の濃硫酸を加えた。その反応混合物を約0℃で約30分間撹拌し、次いで、室温で4時間撹拌した。その反応混合物を分液漏斗に移し、有機層を飽和炭酸水素ナトリウム(×3)、水(×2)、ブライン(×1)で洗浄した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、濃縮することにより、所望の生成物であるペンタデシル−4−ブロモブタノエートを無色の油状物として得た(88%収率)。
【0177】
質量ピークは観察されなかった。予想される生成物の構造を、試験反応物を介して確かめた:ベンジルアミン(1当量)、N−メチルモルホリン(1当量)、ペンタデシル−4−ブロモブタノエート(0.9当量)を、ジメチルホルムアミド(1mL)が入った乾燥された厚肉のpyrexチューブに加えた。その反応混合物を、170℃において10分間、マイクロ波照射(200W)に曝露した。その照射の後、温度が30℃未満に低下するまで、その反応混合物をその装置内の内蔵のシステムに通して冷却した。得られた反応混合物をLCMSで解析した。分子量計算値:403.64,分子量実測値:404.50。
【0178】
実施例7.4−ブロモ−N−ドデシルブタンアミドの合成
表題の中間体を、以下の一般的な反応スキームに従って合成した。
【化26】
【0179】
4−ブロモブタノイルクロリド(1.05当量)を、均圧の滴下漏斗が取り付けられた、約0℃のジクロロメタン(200mL)が入った丸底フラスコに加え、窒素下で撹拌した。ドデシルアミン(1当量)およびトリエチルアミン(1当量)を別々にジクロロメタン(100mL)に溶解し、その混合物を上記滴下漏斗に移した。この混合物を、約60分間にわたって丸底フラスコに非常にゆっくり加えた。添加が完了した後、その反応混合物を約0℃でさらに15分間撹拌し、分液漏斗に移した。有機層を飽和炭酸水素ナトリウム(×3)、水(×2)およびブライン(×1)で洗浄した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、濃縮することにより、所望の生成物である4−ブロモ−N−ドデシルブタンアミドを白色固体として得た(88.7%収率)。分子量計算値:333.17,分子量実測値:334.31。
【0180】
実施例8.(a)ジペンタデシル4,4'−(3−(メチル(4−オキソ−4−(ペンタデシルオキシ)ブチル)アミノ)プロピルアザンジイル)ジブタノエートおよび(b)ペンタデシル4−(メチル(3−(4−オキソ−4−(ペンタデシルオキシ)ブチルアミノ)プロピル)アミノ)ブタノエートの合成
表題の2つの化合物の混合物を、以下の一般的な反応スキームに従って合成した。
【化27】
【0181】
小さな磁気撹拌棒が入ったマイクロ波反応合成用の乾燥容器に、N1−メチルプロパン−1,3−ジアミン(42mg,0.48mmol)、ペンタデシル−4−ブロモブタノエート(2.1当量)、N,N−ジイソプロピルエチルアミン(2.1当量)およびジメチルホルムアミド(1.0mL)を投入した。その容器を密閉し、反応混合物をCEMマイクロ波合成装置において90℃まで加熱した。約20分後、その反応を停止し、容器を約40℃に冷却した。粗反応物の分析LCMSのトレースは、所望の生成物の形成を示した。その粗材料を分取LCMSで精製した。
【0182】
所望の生成物を含むすべての画分を慎重に選択し、プールした。各画分の溶媒を、元の体積の半分まで減圧下で乾燥して減少させた後、メタノール中の1M HCl(1.0mL)を加えた。最後に、すべての溶媒を真空下で除去することにより、上記の反応スキームに示されている表題化合物(a)および(b)の塩酸塩を白色固体として得た。
【0183】
化合物(a)については:分子量計算値は、976.91であり、分子量実測値は、977.91だった。化合物(b)については:分子量計算値は、680.64であり、分子量実測値は、681.64だった。
【0184】
実施例9.インビボ送達用の脂質組成物の調製
本発明のいくつかの脂質を、コレステロール、ポリ(エチレングリコール)(PEG)脂質、緩衝液およびエタノールも含む脂質組成物に製剤化した。動物起源非含有コレステロールを、Sigma−Aldrich(St Louis,MO)から購入し、1,2−ジパルミトイル−sn−グリセロ−3−ホスホエタノールアミン−N−[メトキシ(ポリエチレングリコール)−2000](アンモニウム塩)(C16 PEG2000 PE)および1,2−ジミリストイル−sn−グリセロ−3−ホスホエタノールアミン−N−[メトキシ(ポリエチレングリコール)−2000](アンモニウム塩)(C14 PEG2000 PE)を、Avanti Lipids(Alabaster,AL)から購入した。RNAiは、安定化化学修飾を伴った25塩基対の二本鎖RNAオリゴヌクレオチドを有するSTEALTH(商標)RNAiだった。STEALTH(商標)RNAiは、Invitrogen(Carlsbad,CA)から商業的に入手可能である。
【0185】
乾燥粉末脂質を、エタノールに再懸濁し、陽イオン性脂質:コレステロールおよびPEG脂質を、それぞれ52:20:28の重量比で混合した。その脂質エタノール混合物を、200mM酢酸ナトリウムpH5.2溶液中において1:4比で非常に迅速に混合した。最終的な配合物(すなわち、合計すると本発明の脂質+PEG脂質+コレステロール)を、0.22μmフィルターで滅菌濾過し、それは、50mM酢酸ナトリウムおよび25%エタノール中において15.625mg/mlの濃度および50〜80nmのサイズを有する(プレリポソーム)。生成された配合物を、表1に記載する。
(表1)脂質配合物
【0186】
水および25%エタノール中で1.5mg/mlに希釈された等体積のプレリポソームおよびSTEALTH(商標)RNAi溶液を混合することによって、リポプレックス(siRNAプレリポソーム複合体)を調製した。混合後、その複合体を約50℃で約30分間インキュベートした。インキュベート後、そのリポプレックスを、SPECTRA/POR(登録商標)FLOAT−A−LYZER(登録商標)G2 8KDaを用いて、1リットルのPBS1×pH7.4において約2時間透析した。透析後、体積を測定し、所望のsiRNA濃度にPBSで調整した。そのリポプレックスを、インビボ尾静脈注射まで約4℃でインキュベートした。
【0187】
4〜6週齢のマウスを使用した。アンチセンス配列
を有する第VII因子(FVII)マウス遺伝子に対するRNAiおよびネガティブコントロールのMedium GC含有量−RNAiを、先に記載したようなプレリポソームと複合体化し、インビボで試験した。マウス20gあたり200μlのリポプレックス(PBS中のFVIIまたはCTRL RNAiを含む)を、10mg/kgおよび2mg/kgの用量(siRNA用量)で低圧尾静脈注射によって注射した。尾静脈注射の36時間後、肝臓組織および血清を、それぞれmRNAおよびタンパク質のノックダウン解析のために回収した。
【0188】
凍結された肝臓組織を粉末に粉砕し、TRIZOL(登録商標)PLUS RNA Purification System(Invitrogen)を用いてRNAを抽出した。第1鎖(first strand)合成用の全RNA(約750ng)を、SUPERSCRIPT(登録商標)III RTキット(Invitrogen)を用いて測定し、EXPRESS qPCR Supermix Universal(cat#11785−01K)を使用するtaqmanアッセイを用いてQPCR解析を行った。
【0189】
第VII因子血清タンパク質レベルを、以下のとおり測定した。ケタミン/キシラジン/アセプロマジン(それぞれ75/5/1mg/kg)を筋肉内注射することによって動物を麻酔し、後眼窩出血によって血液を回収し、血清を処理することにより、発色アッセイ(Biophen FVII,Aniara Corporation)を製造者のプロトコルに従って使用して第VII因子タンパク質レベルを測定した。
【0190】
図1は、発色アッセイで測定されたときの、肝臓における種々のリポプレックス配合物の、第VII因子タンパク質の残存(remaing)活性の相対%を要約しているグラフを提供している。x軸に関して、番号は、表1に示されたような試験された陽イオン性脂質化合物を指す。このデータから、そのような配合物が、インビボにおいて活性を有することが証明される。CTRLネガティブコントロールを肝臓に注射したとき、ノックダウンは観察されなかった。
【0191】
図2は、2つのTaqmanアッセイを用いてqRT−PCRで測定されたときの、第VII因子mRNAの相対%を要約しているグラフを提供している。
図2に示されているバーの各対において、左側のバーは、Taqman29アッセイを指し、右側のバーは、Taqman33アッセイ(assys)を指している。x軸に沿った番号は、表1に示されたような試験された陽イオン性脂質化合物を指す。このデータから、そのような配合物が、インビボにおいて活性を有することが証明される。CTRLネガティブコントロールを肝臓に注射したとき、ノックダウンは観察されなかった。
【0192】
実施例10.脂質組成物の調製
以下の実験セットを、以下の例外を伴って、本質的には実施例9において上に記載されたように行った。siRNA/リポプレックスの形成後に行われる透析工程は、行わなかった。さらに、IVF2.0、57NOおよび84NOサンプルの乾燥粉末の重量比は、37.8:10.4:51.8であり、57OPT、72OPTおよび84OPTサンプルの乾燥粉末の重量比は、60:7:33だった。生成された配合物を、表2に記載する。
(表2)脂質配合物
【0193】
図3は、上に記載されたようなqRT−PCRによって測定されたときの、第VII因子mRNAの相対%を要約しているグラフを提供している。結果は、正規化され、投与された投与量(mg/kg体重)に対する%残存FVII発現(y軸)として表されている。
【0194】
実施例11.インビトロ送達用の脂質組成物の調製
本発明のいくつかの脂質を、コレステロールまたはDOPE、緩衝液およびエタノールも含む脂質組成物に製剤化した。動物起源非含有コレステロールを、Sigma−Aldrich(St Louis,MO)から購入し、DOPEをAvanti Lipids(Alabaster,AL)から購入した。それぞれアンチセンス配列
を有する、Silencer(登録商標)Select CSNK2A1 siRNAおよびSilencer(登録商標)SelectネガティブコントロールsiRNA(cat#4390824 siRNA id#s3637およびcat#4390843)は、Life Technologies(Carlsbad,CA)から商業的に入手可能であり、それらを、ヌクレアーゼ非含有水で50μMのストック濃度に再懸濁し、それを下流の実験に適うようにさらに希釈した。
【0195】
化合物83および67の場合は、乾燥粉末脂質を、1mg/mlという最終濃度でエタノールに再懸濁し、脂質単独で使用したか(化合物83)、またはコレステロールと1:0.5比で併用した(化合物67)。試験された配合物を、表3に記載されるように生成した。
(表3)脂質配合物
【0196】
初代ラット皮質神経細胞を、GIBCOから購入し(Cat.No.A10840)、2%B−27(登録商標)Serum−free(50×cat#17504−044)および0.5mM GlutaMAX(商標)(cat#35050−061)が補充されたNeurobasal(商標)培地(cat#21103−049)中で維持した。初代ラット海馬神経細胞を、GIBCOから購入し(Cat.No.A10841)、2%B−27(登録商標)Serum−free(50×cat#17504−044)、0.5mM GlutaMAX(商標)(cat#35050−061)および25μM L−グルタメート(Sigma cat#G−2834)が補充されたNeurobasal(商標)培地(cat#21103−049)中で維持した。Hela細胞を、ATCCから購入し(ATCC#CCL−2)、抗生物質を含まない10%ウシ胎児血清,米国保証,加熱不活性化(cat#10082−139)が補充されたDMEM,高グルコース,GlutaMAX(商標),ピルベート(cat#10569−010)中で維持した。
【0197】
神経細胞を、トランスフェクションの2日前に、ポリ−d−リジンがコーティングされた96ウェルプレートに10K細胞/ウェルでプレーティングした。Hela細胞を、トランスフェクションの1日前に、96ウェルプレートに25K/ウェルでプレーティングした。siRNA(3pmol)を、1.5mLチューブにおいて30nMの最終濃度で20μlヌクレアーゼ非含有水に希釈した。各siRNAに対してトランスフェクトされるすべてのウェルを網羅するマスターミックスを調製した。0.15、0.3および/もしくは0.6μl/ウェル、またはコントロールとして0.3μlのLIPOFECTAMINE(商標) RNAiMAXをOpti−MEM(登録商標)I中に10μl/ウェルという最終総体積でピペットで取ることによって、脂質希釈物を調製した。その脂質およびsiRNA複合体を、10μlの脂質混合物を20μlの希釈siRNAに加えることによって調製した。その複合体を、ピペッティングすることにより混合し、室温で10分間インキュベートした。10分間のインキュベート後、次いで、30μlの複合体を、150μlを含む96ウェルプレートにおいて培養された、120μlの増殖培地を含む予めプレーティングされていた細胞に加えた。24時間後、TaqMan(登録商標)Gene Expression Cells−to−CT(商標)キット(cat#AM1728,Life Technologies)を製造者のプロトコルに従って用いて細胞を回収した。細胞を溶解した後、逆転写(RT)反応物を調製し、続いて目的の標的遺伝子(CSNK2A1(ヒトの場合、Hs00953536_m1またはラットの場合、Rn00587582_m1))に対するTaqMan Gene Expressionアッセイを用いるリアルタイムPCRを行い、真核生物18s rRNA(4333760T)を内在性コントロールとして使用した。
【0198】
図4は、HeLa細胞、ラット初代皮質神経細胞およびラット初代海馬神経細胞において化合物83リポプレックス配合物のqPCRアッセイで測定されたときの、ネガティブコントロールに対して正規化されたCSNK2A1の残存活性の相対パーセントを要約しているグラフを表している。x軸に関して、数字は、表3で要約された陽イオン性脂質配合物の各ウェルに対する最終体積を指す。
【0199】
図5は、Hela、初代皮質神経細胞および初代海馬神経細胞において化合物67リポプレックス配合物のqPCRアッセイで測定されたときの、ネガティブコントロールに対して正規化されたCSNK2A1の残存活性の相対パーセントを要約しているグラフを提供している。x軸に関して、数字は、表3に示されるような、試験された1ウェルあたりの陽イオン性脂質の最終体積を指す。このデータから、そのような配合物が、インビトロにおいて活性を有することが証明される。
【0200】
上記の結果は、上に記載された配合物が、インビボにおいて動物の様々な器官に、ならびにインビトロにおいて培養された動物細胞およびヒト細胞に、siRNA分子を導入する際に有効であることを証明する。
【0201】
実施例12.インビボにおけるmRNAの送達および発現
トランスフェクション脂質の調製
陽イオン性脂質87(上に示された)は、本明細書中に記載される方法に従ってLife Technologies,Carlsbad,CAにおいて合成され;動物起源非含有コレステロールを、Sigma−Aldrich(StLouis)から購入し、1,2−ジパルミトイル−sn−グリセロ−3−ホスホエタノールアミン−N−[メトキシ(ポリエチレングリコール)−2000](アンモニウム塩)(C16PEG))をAvanti Lipids Alabasterから購入した。CB547、コレステロールおよびC16PEGを、40℃の100%エタノール中で希釈した。次いで、その脂質混合物を、27G針を備えた注射器を用いて、20ml/分の流速で200mM酢酸ナトリウム,pH5.2中で混合した。次いで、その配合物を4℃で貯蔵した。
【0202】
CRE mRNAの調製
下に示される実験において使用されたCREに対するcDNA配列は、以下のとおりだった。
【0203】
上記cDNA配列を含むDNAプラスミドは、合成のものであり(GENEART(登録商標)Gene Synthesis)、それをプラスミドDNAベクターにクローニングした。
【0204】
精製されたプラスミドDNAを、製造者のプロトコルに従ってAseI制限酵素(New England Biosciences,Cat.No.R0526)で消化する。線状にされたDNAを、PureLink(商標) PCR精製キット(Life Technologies,Cat.No.K310001)を製造者のプロトコルに従って使用して精製し、精製水で溶出した。DNA濃度をUV吸光度によって測定した。Promega RiboMAX(商標) Large Scale RNA production System−T7(Cat.No.P1300)を使用して、製造者のプロトコルに従ってmRNAを合成した。各反応において、5〜10μgの線状DNAから、200〜250μgのmRNAが得られた。合成後、フェノール:クロロホルム抽出に続くエタノール沈殿を用いてmRNAを精製した。そのmRNA生成物を、精製水に再懸濁し、濃度を測定した。ScriptCap(商標) m
7G Capping System(Cat.No.C−SCCE0625)およびScriptCap(商標) 2'−O−Methyltransferase Kit(Cat.No.C−SCMT0625)(両方ともCellScript(商標)製)を使用して、そのmRNAをキャッピングした。キャッピングされたmRNAを、Epicentre(登録商標)Poly(A)Polymerase Tailing Kit(Cat.No.PAP5104H)を用いてポリアデニル化した。最終生成物を、フェノール:クロロホルム抽出に続く核酸沈殿によって再度精製する。精製されたmRNAを精製水に再懸濁し、濃度を測定する。濃度を、水で3mg/mlに調整し、−80℃で貯蔵した。
【0205】
脂質87およびCre mRNAを含むトランスフェクション複合体の調製
前の工程において合成されたmRNAの濃度を、25%エタノールを含む水で0.3mg/mlに調整した。等体積のプレリポソームおよびmRNA溶液を混合することによって、リポプレックス(mRNAプレリポソーム複合体)を調製した。混合後、その複合体を、50℃で30分間インキュベートし、次いで、Spectra/Por(登録商標)Float−A−Lyzer(登録商標)G2 8kDaを用いて、1リットルのリン酸緩衝食塩水(PBS),pH7.4において2時間透析した。透析後、体積を測定し、所望のmRNA濃度までPBSで調整した。そのリポプレックスを、インビボ注射まで4℃で貯蔵した。
【0206】
インビボフェクタミン(invivofectamine)−547mRNA複合体の静脈内注射
動物試験において用いたすべての手順は、Institutional Animal Care and Use Committee(IACUC)によって承認されたものであり、当てはまる地域、州および連邦の規制に一致していた。マウスをJackson laboratoriesから購入した(B6.129S4−Gt(ROSA)26Sor
tm3(CAG−luc)Tyj/J)。このマウスは、CMVプロモーターの支配下におけるloxP隣接終止コドンを有する、CMVによって駆動されるルシフェラーゼレポーター遺伝子を有する。Creリコンビナーゼの存在下において、このloxP部位は、組み換わることにより、その終止コドンを切り取り、それにより、ルシフェラーゼレポータータンパク質の翻訳が可能になる。
【0207】
lacZ実験のために、lacZ遺伝子を有する4〜6週齢のマウス(B6.129S4−Gt(ROSA)26Sor
tm1Sor/J)を購入した。lacZの発現は、標準的な方法を用いるqRT−PCRによって測定された。上に記載されたように調製された、PBS中にmRNA CREを含む200μlのリポプレックスを、1.5mg/kgおよび0.5mg/kgの用量(mRNA用量)で低圧尾静脈注射によって、マウス1匹あたり2回注射した。ルミネセンスの画像化のために、体重1kgあたり150mgのホタルルシフェラーゼ(Biosynth AG,Staad,Switzerland)をマウスにi.p.投与した。イソフルランガス(Abbott Laboratories,North Chicago,IL)で麻酔した後、マウスをXenogen IVISイメージングステーション(Xenogen Corp.,Alameda,CA)に置き、Living Image Software(Xenogen Corporation)を用いて画像化した。
【0208】
図6Aは、1.5mg/kg(左)、0.5mg/kg(中央)またはPBS(右)の、Cre mRNAおよび脂質87を含むトランスフェクション複合体で処置されたマウスの全身画像を示している。ルシフェラーゼ発現を、Xenogen IVISを用いて測定し、シグナルを定量化した。
【0209】
図6Bは、
図6Aに示された処置された2匹のマウスの各々から解剖されたホールマウントの肺、心臓、脾臓および肝臓(記載のとおり)の器官を示している。ルシフェラーゼ発現を、Xenogen IVISにおいて測定した。ルシフェラーゼ発現は、肝臓および脾臓において検出された。ルシフェラーゼ発現は、PBSを注射されたマウスでは検出されなかった(
図1)。
【0210】
図7A〜Fは、qRT−PCRで測定されたLacZ遺伝子発現の解析を示しているグラフ表示である。Cre mRNAおよび脂質87を含むトランスフェクション複合体で処置されたマウスは、Ctsで測定されたとき、コントロールと比べて、脾臓(
図7Aの脾臓コントロールHMBS発現と
図7Bの脾臓LacZ発現とを比較のこと)、肝臓(
図7Cの肝臓コントロールHMBS発現と
図7Dの肝臓LacZ発現とを比較のこと)においてlacZ遺伝子のかなり強い発現を示した。cDNA投入量を、HMBSを用いて正規化した。lacZの発現の増加は、腎臓では観察されなかった(
図7Eおよび
図7F)。
【0211】
いくつかの実施形態だけしか、詳細に記載されず、上で例証されなかったが、当業者は、記載された実施形態の教示から逸脱することなく、その記載された実施形態において多くの改変が可能であることをはっきりと理解するだろう。そのような改変のすべてが、以下の請求項の範囲内に包含されると意図される。