特許第6383490号(P6383490)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6383490
(24)【登録日】2018年8月10日
(45)【発行日】2018年8月29日
(54)【発明の名称】眼鏡型電子機器
(51)【国際特許分類】
   A61B 3/10 20060101AFI20180820BHJP
   A61B 5/11 20060101ALI20180820BHJP
   A61B 5/0478 20060101ALI20180820BHJP
   A61B 5/0408 20060101ALI20180820BHJP
   A61B 5/0492 20060101ALI20180820BHJP
【FI】
   A61B3/10 E
   A61B5/11 200
   A61B5/04 300M
   A61B5/04 300J
【請求項の数】5
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2017-521926(P2017-521926)
(86)(22)【出願日】2016年5月27日
(86)【国際出願番号】JP2016065821
(87)【国際公開番号】WO2016194849
(87)【国際公開日】20161208
【審査請求日】2017年11月16日
(31)【優先権主張番号】特願2015-111665(P2015-111665)
(32)【優先日】2015年6月1日
(33)【優先権主張国】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000010098
【氏名又は名称】アルプス電気株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100108006
【弁理士】
【氏名又は名称】松下 昌弘
(74)【代理人】
【識別番号】100085453
【弁理士】
【氏名又は名称】野▲崎▼ 照夫
(74)【代理人】
【識別番号】100135183
【弁理士】
【氏名又は名称】大窪 克之
(72)【発明者】
【氏名】宮▲崎▼ 駿
【審査官】 永田 浩司
(56)【参考文献】
【文献】 特開2012−85747(JP,A)
【文献】 特開2002−297088(JP,A)
【文献】 特表2014−512596(JP,A)
【文献】 欧州特許出願公開第2499960(EP,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 3/10
A61B 5/04 − 5/053
A61B 5/11
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
眼鏡フレームのモダン部に電子回路部品が収納されるとともに前記眼鏡フレームのブリッジ部に人体の鼻に接触して眼電位を検出する人体特性検出装置が取付けられた眼鏡型電子機器であって、
前記電子回路部品と前記人体特性検出装置は前記眼鏡フレームのテンプル部内に前記モダン部と連なるように設けられた第1の導体収納部に収納されるとともに前記眼鏡フレームのリム部内に前記ブリッジ部と連なるように設けられた第2の導体収納部に前記眼鏡フレームのヒンジ部を介して収納された導体によって電気的に接続され、
前記第1の導体収納部内に前記電子回路部品への水分や埃等の侵入を防ぐ第1の防水部材が組み込まれるとともに前記第2の導体収納部内に前記人体特性検出装置への水や埃等の侵入を防ぐ第2の防水部材が組み込まれている眼鏡型電子機器。
【請求項2】
前記第1の防水部材は前記第1の導体収納部における前記導体と前記電子回路部品の接続部の近傍に組み込まれるとともに前記第2の防水部材は前記第2の導体収納部における前記導体と前記人体特性検出装置の接続部の近傍に組み込まれている請求項1に記載の眼鏡型電子機器。
【請求項3】
前記導体はフレキシブルプリント基板により構成されている請求項1または請求項2に記載の眼鏡型電子機器。
【請求項4】
前記フレキシブルプリント基板の一端部はコネクタ部を介して前記電子回路部品に接続されている請求項3に記載の眼鏡型電子機器。
【請求項5】
前記フレキシブルプリント基板の一端部は前記第1の導体収納部内に設けられた位置決め固定部材を介してコネクタ部に取り付けられている請求項4に記載の眼鏡型電子機器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、人体の頭部に装着して人体の特性を検出する眼鏡型電子機器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、人体の精神活動や体調の状態を示すパラメータとする皮膚電気活動(Electro Dermal Activity)が知られている。
この人体の皮膚電気活動は人体の皮膚の電位を検出し、人体の特性を検出することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2013−244370
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
現在、眼鏡型電子機器において、人体の皮膚、特に鼻の表面の電位(眼電位)を検出し、これらを基に人体の様々な生体情報を得たいという要請がある。その一例として、特許文献1の機器が提案されている。
【0005】
この機器は、眼鏡フレームのノーズパッドの表面に眼電位を検出する一対の電極を設けたものである。また、ブリッジの表面にも眼電位を検出する電極が設けられている。
上記各電極にて検出された眼電位は導体である電線で接続された外付の眼電図処理ユニットに送られ眼電図信号が処理されるようになっている。
【0006】
上記電線は眼鏡フレームの外部に引き回す配線方法が考えられるが、上記電線が外部に露出すると機器の使用時に上記電線に手等が触れ、断線する恐れがある。
【0007】
そこで、上記電線を眼鏡フレーム内に収納することが考えられるが、上記眼鏡フレーム内に設けた電線収納部の電線収納口等から水分や埃等が上記電線収納部内に入り込み、水分や埃等が上記眼鏡フレームの収納される電子部品等に侵入する恐れがある。
また、上記眼鏡フレームは細く、上記眼鏡フレーム内に設ける上記電線収納部のスペースも制限され、上記電線の配線は構造も複雑となり、配線作業も煩雑となる。
また、上記眼鏡フレーム内に電線を配線するに際しても、上記電線と上記眼鏡フレーム内に収納される電子部品等との安定した接続状態を維持することが必要となる。
【0008】
本発明はかかる事情に鑑みてなされたものであり、その目的は眼鏡フレーム内に収納された電子回路部品及び眼鏡フレームに取り付けられた人体特性検出装置への水分や埃等の侵入を防ぐとともに、導体と電子回路部品との安定した接続状態を維持できる眼鏡型電子機器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上述した問題点を解決し、上述した目的を達成するために、眼鏡フレームのモダン部に電子回路部品が収納されるとともに前記眼鏡フレームのブリッジ部に人体の鼻に接触して眼電位を検出する人体特性検出装置が取付けられた眼鏡型電子機器であって、前記電子回路部品と前記人体特性検出装置は前記眼鏡フレームのテンプル部内に前記モダン部と連なるように設けられた第1の導体収納部に収納されるとともに前記眼鏡フレームのリム部内に前記ブリッジ部と連なるように設けられた第2の導体収納部に前記眼鏡フレームのヒンジ部を介して収納された導体によって電気的に接続され、前記第1の導体収納部内に前記電子回路部品への水分や埃等の侵入を防ぐ第1の防水部材が組み込まれるとともに前記第2の導体収納部内に前記人体特性検出装置への水や埃等の侵入を防ぐ第2の防水部材が組み込まれている。
【0010】
上記構成によれば、前記眼鏡フレームのモダン部に収納された電子回路部品及び前記眼鏡フレームに取り付けられた人体特性検出装置への水分や埃等の侵入を防ぐことができる。
【0011】
好適には、前記第1の防水部材は前記第1の導体収納部における前記導体と前記電子回路部品の接続部の近傍に組み込まれるとともに前記第2の防水部材は前記第2の導体収納部における前記導体と前記人体特性検出装置の接続部の近傍に組み込まれている。
このような構成によれば、前記電子回路部品及び前記人体特性検出装置への水分や埃等の侵入に対する防水機能をさらに高めることができる。
【0012】
好適には、前記導体はフレキシブルプリント基板により構成されている。
このような構成によれば、眼鏡フレームへの導体の配線を容易に行うことができる。
【0013】
好適には、前記フレキシブルプリント基板の一端部はコネクタ部を介して前記電子回路部品に接続されている。
このような構成によれば、フレキシブルプリント基板と電子回路部品との接続を簡単に行うことができる。
【0014】
好適には、前記フレキシブルプリント基板の一端部は前記第1の導体収納部内に設けられた位置決め固定部材を介してコネクタ部に取り付けられている。
このような構成によれば、導体と電子回路部品との安定した接続状態を維持できる
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、眼鏡フレーム内に収納された電子回路部品及び眼鏡フレームに取り付けられた人体特性検出装置への水分や埃等の侵入を防ぐとともに、導体と電子回路部品との安定した接続状態を維持できる眼鏡型電子機器を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】本発明の実施形態に係る眼鏡型電子機器の背面側から見た外観斜視図である。
図2】眼鏡型電子機器の左側テンプル部及び右側テンプル部の分解斜視図である。
図3】眼鏡型電子機器の人体特性検出装置の部分を背面側から見た拡大外観斜視図である。
図4】眼鏡型電子機器の左側モダン部の近傍の分解拡大斜視図である。
図5】眼鏡型電子機器の右側モダン部の近傍の分解拡大斜視図である。
図6】眼鏡型電子機器のフレキシブルプリント基板の配線状態を示す分解拡大斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の実施形態に係る眼鏡型電子機器1について、図面を参照し説明する。
図1に示すように、眼鏡型電子機器1はプラステイックからなる眼鏡フレーム2を有している。
【0018】
眼鏡フレーム2は人体の左耳の部分に掛けられる左側テンプル部3と人体の右耳にかけられ右側テンプル部4を有している。これら各テンプル部3、4は各耳に掛けるための角度が付けられておらず、人体の左側頭部及び右側頭部を包み込むようなストレート形状をなしている。このような各テンプル部3、4を備えた眼鏡フレーム2はホールド感が高い。
【0019】
また、眼鏡フレーム2はレンズ60、60が取り付けられた左側リム部5と右側リム部6を有している。そして、これら各リム部5、6はブリッジ部7を介して連結されている。
ブリッジ部7には後述する眼電位を検出する人体特性検出装置50が取り付けられており、人体の鼻の部分に装着されるようになっている。なお、本発明は人体特性検出装置50が取り付けられていないものにも適用される。
【0020】
また、左側テンプル部3と左側リム部5との間には左側ヒンジ部8が設けられており、右側テンプル部4と右側リム部6との間には右側ヒンジ部9が設けられている。
各テンプル部3、4は各ヒンジ部8、9を介して各リム部5、6に対して折曲自在に取り付けられている。なお、眼鏡型電子機器1の未使用時には、一般的に眼鏡フレーム2は左側テンプル部3を先に折り畳み、その後に右側テンプル部4を左側テンプル部3の上に重ね合わせるように折り畳まれる。
【0021】
左側テンプル部3の先端側の左耳にかかる部分は左側傾斜部10を介して左側モダン部11が一体的に設けられている。また、右側テンプル部4の先端側の右耳にかかる部分も右側傾斜部12を介して右側モダン部13に一体的に設けられている。
これら各モダン部11、13は一般的に先セル、耳あて、イヤーパッドと呼ばれている。各テンプル部3、4と各モダン部11、13の連結部分は眼鏡型電子機器1の加重がかかる箇所である。
【0022】
図2に示すように、左側テンプル部3と左側モダン部11は内側ハーフ14と外側ハーフ15に二分割されている。各ハーフ14、15は重ね合わせられており、各ハーフ14、15間には左側テンプル部3から左側モダン部11に亘り第1の導体収納部となる細長の左側電子部品収納部16が形成されている。
【0023】
また、右側テンプル部4と右側モダン部13も内側ハーフ17と外側ハーフ18に二分割されている。各ハーフ17、18は重ね合わせられており、各ハーフ17、18間には右側テンプル部4から右側モダン部13に亘り第1の導体収納部となる細長の右側電子部品収納部19が形成されている。
【0024】
各モダン部11、13は各傾斜部10、12により、各テンプル部3、4より肉厚に形成されている。従って、各モダン部11、13内には各テンプル部3、4より、広い収納スペースを確保することができる。
【0025】
左側電子部品収納部16において、左側モダン部11の部分には電子回路部品となる矩形状のバッテリー部20が収納されている。バッテリー部20は左側電子部品収納部16の左側モダン部11の部分に形成されている収納スペースの全域に亘り組み込まれており、左側モダン部11内はバッテリー部20の専用取り付け部となっている。従って、容量の大きなバッテリーを収納することができる。
【0026】
右側電子部品収納部19において、右側モダン部13の部分には電子回路部品となる電気回路部21が収納されている。この電気回路部21にはバッテリー部20の充電回路部22が搭載されている。また、右側モダン部13には電源スイッチ部(図示は省略する)が設けられている。
【0027】
また、電気回路部21には人体の姿勢を検出するセンサ部23等の電子部品が搭載されている。このセンサ部23は加速度センサやジャイロセンサ等からなる。加速度センサは眼鏡型電子機器1に作用する加速度を検出するセンサであり、互いに直交する複数の軸方向(例えば2軸、3軸)における角速度をそれぞれ検出する。また、ジャイロセンサは眼鏡型電子機器1に作用する回転動作を検出するセンサである。なお、本発明はセンサ部として6軸ジャイロセンサを設けたものであってもよく、気圧センサを設けたものであってもよく、センサの種類には限定されない。
【0028】
センサ部23により使用者の姿勢や動き、振動等の動作特性を検出するようになっている。センサ部23により検出された動作特性の信号はBluetooth(登録商標)や無線LAN等の無線通信により、スマートフォン等の携帯通信端末に送られる。
【0029】
図3に示すように、眼鏡フレーム2のブリッジ部7には人体特性検出装置50が取り付けられている。人体特性検出装置50は、人体の鼻の表面電位(例えば眼電位)を検出する。この検出により、当該皮膚の温度を基に、人体の眼の疲れ等の様々な情報を得ることができる。
【0030】
人体特性検出装置50は、人体の鼻の鼻筋に対して一方の側面側に設けられ鼻の表面に接触する左側鼻電極パッド51と、左側鼻電極パッド51が一端に取り付けられた棒状の左側鼻電極部材52と、人体の鼻の鼻筋に対して他方の側面側に設けられ鼻の表面に接触する右側鼻電極パッド53と、右側鼻電極パッド53が一端に取り付けられた棒状の右側鼻電極部材54を有している。
【0031】
また、人体特性検出装置50は人体の鼻の眉間の部分の表面に接触する平板状の眉間電極パッド55と、眉間電極パッド55の背面の中央部分に一端に取り付けられた棒状の眉間電極部材56を有している。
【0032】
左側鼻電極部材52、右側鼻電極部材54、そして眉間電極部材56は人体特性検出装置50内に設けられている配線基板58に電気的に接続されている。
【0033】
左側鼻電極部材52は左眼の眼電位を検出し、右側鼻電極部材54は右眼の眼電位を検出し、眉間電極部材56は眼電位を検出するようになっている。
【0034】
左側鼻電極部材52、右側鼻電極部材54及び眉間電極部材56は材質が銅、チタン、ステンレス等によって形成されている。なお、各鼻電極部材52、54及び眉間電極部材56は導電性の材質を有するものであればよい。
各鼻電極パッド51、53と眉間電極パッド55は各パッド自体が銅、チタン、ステンレス等によって形成されていても良く、その表面を銅、チタン等でメッキ処理されているものであっても良い。
【0035】
各電子部品収納部16、19内には導体となる1本のフレキシブルプリント基板24(以下、FPCと言う)が収納されている。FPC24により、バッテリー部20、電気回路部21及び人体特性検出装置50の配線基板58が電気的に接続されるようになっている。
【0036】
眼鏡型電子機器1の導体の配線にFPC24を使用することにより、収納スペースが狭く限定されている眼鏡フレーム2内においても配線を容易に行うことができる。また、FPC24の配線が外部に露出しないのでデザイン性に優れた眼鏡型電子機器を提供することができる。
【0037】
また、左側電子部品収納部16は二分割された内側ハーフ14と外側ハーフ15間に設けられるともに、右側電子部品収納部19も二分割された内側ハーフ17と外側ハーフ18間に設けられている。従って、FPC24を各収納部16、19へ収納するとき、各内外ハーフ14、15及び各内外ハーフ17、18を開放して行うことができ、FPC24の収納の作業性が良い。
【0038】
図4に示すように、左側電子部品収納部16において、左側傾斜部10の部分には左側コネクタ部25が収納されており、バッテリー部20は左側コネクタ部25を介してFPCの左側端部24Aに接続されている。
【0039】
また、左側電子部品収納部16内における左側コネクタ部25の近傍には左側FPC位置決め固定部材61が設けられている。左側FPC位置決め固定部材61は外側ハーフ15に設けられたリブ61AとFPC24の左側端部24Aに取り付けた鍔部61Bとから構成されている。
鍔部61Bがリブ部61Aに係合することにより、FPC24の左側端部24Aの左側コネクタ部25からの抜けが防止されている。従って、FPC24を左側電子部品収納部16に収納する時、また左側テンプル部3を折り曲げる時に仮にFPC24に張力が加わっても、FPC24とバッテリー部20との安定した接続状態を維持することができる。
【0040】
また、左側電子部品収納部16の左側ヒンジ部8側にはFPC24を左側電子部品収納部16内へ挿入するための左側FPC収納口16Aが設けられている。
左側電子部品収納部16において、FPC24とバッテリー部20の接続部である左側コネクタ部25の近傍にはバッテリー部20へ水分や埃等の侵入を防ぐPORON(登録商標)等からなる第1の防水部材となる左側防水部材26が組み込まれている。
【0041】
左側FPC収納口16Aから水分や埃等が左側電子部品収納部16内に入り込んだとしても、水分や埃等は細長い左側電子部品収納部16の内壁に付着し、水分や埃等はバッテリー部20までは到達しないと思われる。
仮に、水分や埃等が左側コネクタ部25の近くまで侵入したとしても、最終的には左側防水部材26によりバッテリー部20への侵入を防ぐことができる。
【0042】
本発明においては、左側防水部材26により、バッテリー部20への水や埃等の侵入を防ぐことができれば、左側防水部材26の左側電子部品収納部16内での組み込み位置はFPC24とバッテリー部20の接続部分の近傍に限定されず、様々な組み込み位置が考えられる。
【0043】
また、図5に示すように、右側電子部品収納部19において、右側傾斜部12の部分には右側コネクタ部27が収納されており、電気回路部21は右側コネクタ部27を介してFPCの右側端部24Bに接続されている。
【0044】
また、右側電子部品収納部19内における右側コネクタ部27の近傍には右側FPC位置決め固定部材62が設けられている。右側FPC位置決め固定部材62は外側ハーフ17に設けられたリブ62AとFPC24の右側端部24Bに取り付けた鍔部62Bとから構成されている。
鍔部62Bがリブ部62Aに係合することにより、FPC24の右側端部24Bの右側コネクタ部27からの抜けが防止されている。従って、FPC24を右側電子部品収納部19に収納する時、また右側テンプル部4を折り曲げた時に仮にFPC24に張力が加わっても、FPC24と電気回路部21との安定した接続状態を維持することができる。
【0045】
また、右側電子部品収納部19のヒンジ部9側にはFPC24を右側電子部品収納部19内へ挿入するための右側FPC収納口19Aが設けられている。
右側電子部品収納部19において、FPC24と電気回路部21の接続部である右側コネクタ部27の近傍には電気回路部21へ水分や埃等の侵入を防ぐPORON(登録商標)等からなる第1の防水部材となる右側防水部材28が組み込まれている。
【0046】
右側FPC収納口19Aから水分や埃等が右側電子部品収納部19内に入り込んだとしても、水分や埃等は細長い右側電子部品収納部19の内壁に付着し、水分や埃等は電気回路部21までは到達しないと思われる。
仮に、水分や埃等が右側コネクタ部27の近くまで侵入したとしても、最終的には右側防水部材28により電気回路部21への侵入を防ぐことができる。
【0047】
本発明においては、右側防水部材28により、電気回路部21への水や埃等の侵入を防ぐことができれば、右側防水部材28の右側電子部品収納部19内での組み込み位置はFPC24と電気回路部21の接続部分の近傍に限定されず、様々な組み込み位置が考えられる。
【0048】
本発明においては、FPC24が一本ではなく、複数に分離され、そして連結されたものであってもよく、FPCはバッテリー部20、電気回路部21及び人体特性検出装置50の配線基板58が電気的に接続できる機能を備えていれば良い。
【0049】
眼鏡フレーム2の左側リム部5の上部側は内側ハーフ5Aと外側ハーフ5Bに二分割され、各ハーフ5A、5B間には第2の導体収納部となるFPC収納部29が設けられている。
FPC24の左側は左側ヒンジ部8を介して左側リム部5のFPC収納部29から左側電子部品収納部16に亘り収納されている。
【0050】
また、眼鏡フレーム2の右側リム部6の上部側も内側ハーフ6Aと外側ハーフ6Bに二分割され、各ハーフ6A、6B間には第2の導体収納部となるFPC収納部31が設けられている。
FPC24の右側は右側ヒンジ部9を介して右側リム部6のFPC収納部31から右側電子部品収納部19に亘り収納されている。
【0051】
また、ブリッジ部7も内側ハーフ7Aと外側ハーフ7Bに二分割され、各ハーフ7A、7B間にはFPC収納部33が設けられている。
従って、FPC24の左側と右側はブリッジ部7のFPC収納部33内で繋がっている状態となっている。
【0052】
図6に示すように、左側リム部5のFPC収納部29は湾曲のスリット形状をなし、FPC収納部29内でFPC24は基板面が水平となるように支持されている。従って、眼鏡のリム部のように細い部分でもFPC24をリム部内に収納できる。
【0053】
FPC収納部29に支持されているFPC24は左側撓み変形部24Cを有し、FPC24は左側撓み変形部24Cを介して左側ヒンジ部8の入口で略直角に捩じられ、そして、左側電子部品収納部16内に収納されている。そして、FPC24は左側電子部品収納部16内でFPC24の基板面が垂直となるように支持されている。
左側テンプル部3を折り曲げた時でもFPC24に張力が発生するようなことはない。従って、FPC24の断線が生じることはなく、バッテリー部20との安定した接続状態を維持することができる。
【0054】
また、左側リム部5のFPC収納部29内にはFPC24のFPC収納部29内での浮きを防止する左側FPC位置決め部材36が左側リム部5の外側ハーフ5Bに押し付けられるように取り付けられている。
FPC24が捩られても、左側FPC位置決め部材36により、FPC24はFPC収納部29内で基板面が水平となるように支持され、FPC24の安定した組み込み状態を維持できる。
【0055】
FPC24を左側リム部5内に組み込むとき、FPC24を左側FPC位置決め部材36によりFPC収納部29内で仮止めできるので、FPC24に邪魔をされることなく左側リム部5を組み立てることができる。
【0056】
右側リム部6のFPC収納部31は湾曲のスリット形状をなし、FPC収納部31内でFPC24は基板面が水平となるように支持されている。従って、眼鏡のリム部のように細い部分でもFPC24をリム部内に収納できる。
【0057】
FPC収納部31に支持されているFPC24は右側撓み変形部24Dを有し、FPC24は右側撓み変形部24Dを介して右側ヒンジ部9の入口で略直角に捩られ、そして右側電子部品収納部19内に収納されている。そして、FPC24は右側電子部品収納部19内でFPC24の基板面が垂直となるように支持されている。
右側テンプル部4を折り曲げた時もFPC24に張力が発生するようなことはない。従って、FPC24の断線が生じることはなく、電気回路部21との安定した接続状態を維持することができる。
【0058】
また、右側リム部6のFPC収納部31内にはFPC24のFPC収納部31内での浮きを防止する右側FPC位置決め部材42が右側リム部6の外側ハーフ6Bに押し付けられるように取り付けられている。
FPC24が捩られても、右側FPC位置決め部材42により、FPC24をFPC収納部31内で基板面が水平となるように支持され、FPC24の安定した組み込み状態を維持できる。
【0059】
FPC24を右側リム部6内に組み込むとき、FPC24を右側FPC位置決め部材42によりFPC収納部31内で仮止めできるので、FPC24に邪魔をされることなく右側リム部6を組み立てることができる。
【0060】
また、各FPC収納部29、31内に収納されているFPC24のブリッジ部7側はそれぞれ基板面が略直角となるように捩られ、人体特性検出装置50に設けられたPORON(登録商標)等からなる第2の防水部材となる中央側防水部材59に挟み込まれるとともに基板面が垂直となるように、人体特性検出装置50のケース部57により、ブリッジ部7の外ハーフ7Bの内壁面に押さえ付けられるように取り付けられている。従って、FPC24はブリッジ部7側でも浮きが防止されており、FPC24の安定した支持状態を維持できる。
【0061】
また、人体特性検出装置50内のFPC24は検出信号を電気回路部21に送信できるように配線基板58に電気的に接続されている。
【0062】
FPC収納部29の左側ヒンジ部8側にはFPC24をFPC収納部29内へ挿入するためのFPC収納口29Aが設けられている。
FPC収納部29において、FPC24と配線基板58の接続部の近傍には中央側防水部材59が組み込まれている。
【0063】
FPC収納口29Aから水分や埃等がFPC収納部29内に入り込んだとしても、水分や埃等はスリット形状の細長いFPC収納部29の内壁に付着し、水分や埃等は配線基板58までは到達しないと思われる。
仮に、水分や埃等が中央側防水部材59の近くまで侵入したとしても、最終的には中央側防水部材59により配線基板58への流入を防ぐことができる。
【0064】
本発明においては、人体特性検出装置50への水や埃等の侵入を防ぐことができれば、FPC収納部29内での防水部材の組み込み位置には限定されず、様々な組み込み位置が考えられる。
【0065】
また、FPC収納部31の右側ヒンジ部9側にはFPC24をFPC収納部31内へ挿入するためのFPC収納口31Aが設けられている。
FPC収納部31において、FPC24と配線基板58の接続部の近傍には中央側防水部材59が組み込まれている。
【0066】
FPC収納口31Aから水分や埃等がFPC収納部31内に入り込んだとしても、水分や埃等はスリット形状の細長いFPC収納部31の内壁に付着し、水分や埃等は配線基板58までは到達しないと思われる。
仮に、水分や埃等が中央側防水部材59の近くまで侵入したとしても、最終的には中央側防水部材59により配線基板58への流入を防ぐことができる。
【0067】
本発明においては、人体特性検出装置50への水や埃等の侵入を防ぐことができれば、FPC収納部31内での防水部材の組み込み位置には限定されず、様々な組み込み位置が考えられる。
【0068】
上述した眼鏡型電子機器1によれば、仮に眼鏡フレーム2のFPC収納口16A、19A、29A、31Aから収納部16、19、29、31内に水分や埃等が入ったとしても、各防水部材26、28、59により電気回路部21及び人体特性検出装置50への水分や埃等の侵入を防ぐことができる。
【0069】
また、FPC24の各端部24A、24Bは、FPC位置決め固定部材61、62により、各コネクター部25、27との抜けが防止でき、FPC24とバッテリー部20及び電気回路部21との安定した接続状態を維持することができる。
【0070】
本発明は上述した実施形態に限定されない。すなわち、当業者は、本発明の技術的範囲又はその均等の範囲内において、上述した実施形態の構成に関し、様々な変更、コンビネーション、並びに代替を行ってもよい。
【産業上の利用可能性】
【0071】
本発明の眼鏡型電子機器は人体の頭部に装着し、人体の姿勢を検出するものにも適用され、自動車の運転手の居眠り防止やスポーツ選手のスピードアップ等のデータ収集に使用が可能である。
【符号の説明】
【0072】
1 眼鏡型電子機器
2 眼鏡フレーム
3 左側テンプル部
4 右側テンプル部
5 左側リム部
6 右側リム部
7 ブリッジ部
8 左側ヒンジ部
9 右側ヒンジ部
11 左側モダン部
13 右側モダン部
16 左側電子部品収納部
16A 左側FPC収納口
19 右側電子部品収納部
19A 右側FPC収納口
20 バッテリー部
21 電気回路部
24 フレキシブルプリント基板(FPC)
24A 左側端部
24B 右側端部
25 左側コネクタ部
26 左側防水部材
27 右側コネクタ部
28 右側防水部材
29、31、33 FPC収納部
29A、31A FPC収納口
50 人体特性検出装置
59 中央側防水部材
61 左側FPC位置決め固定部材
62 右側FPC位置決め固定部材

図1
図2
図3
図4
図5
図6