(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6383498
(24)【登録日】2018年8月10日
(45)【発行日】2018年8月29日
(54)【発明の名称】防水バックライトモジュール
(51)【国際特許分類】
F21S 2/00 20160101AFI20180820BHJP
F21V 31/00 20060101ALI20180820BHJP
【FI】
F21S2/00 443
F21V31/00 200
F21V31/00 100
【請求項の数】10
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2017-534674(P2017-534674)
(86)(22)【出願日】2015年1月15日
(65)【公表番号】特表2018-500745(P2018-500745A)
(43)【公表日】2018年1月11日
(86)【国際出願番号】CN2015070743
(87)【国際公開番号】WO2016106855
(87)【国際公開日】20160707
【審査請求日】2017年8月1日
(31)【優先権主張番号】201410841177.4
(32)【優先日】2014年12月30日
(33)【優先権主張国】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】515203228
【氏名又は名称】深▲せん▼市華星光電技術有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100143720
【弁理士】
【氏名又は名称】米田 耕一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100080252
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 征四郎
(72)【発明者】
【氏名】張▲彦▼學
【審査官】
竹中 辰利
(56)【参考文献】
【文献】
特開2010−129376(JP,A)
【文献】
特開2011−018587(JP,A)
【文献】
米国特許出願公開第2012/0028383(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F21S 2/00
F21V 31/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
導光板と、
前記導光板の底部に設けられた反射板と、
前記導光板の上面に順次重なりあって設けられた光学フィルム及び表示パネルと、からなる防水バックライトモジュールであって,
前記導光板の側面と前記光学フィルムの側面とには、さらにプラスチックフレームが設けられ、
そのうち、前記表示パネルの側面と前記プラスチックフレームとの連結部の継ぎ目には防水用の第1シーリング材が設けられ、前記プラスチックフレームと前記反射板との連結部の継ぎ目には防水用の第2シーリング材が設けられ、
前記表示パネルの側の前記プラスチックフレームの端部には、第一密封溝が設けられ、
前記第一密封溝は、階段状を呈するとともに、第一面と第二面とからなり、
前記第1シーリング材は、前記第一面と前記表示パネルの側面とを封止し、
前記第一面と前記表示パネルの側面とは高さがそろえられ、
前記第1シーリング材の上表面と前記第二面とは高さがそろえられる
ことを特徴とする防水バックライトモジュール。
【請求項2】
請求項1に記載の防水バックライトモジュールにおいて、
前記反射板の側の前記プラスチックフレームの端部には、第二密封溝が設けられ、
前記第二密封溝は、前記反射板に向かって階段状を呈するとともに、前記第二密封溝は、第三面と第四面からなり、
前記反射板は前記第二密封溝の中に差し込まれる
ことを特徴とする防水バックライトモジュール。
【請求項3】
導光板と、
前記導光板の底部に設けられた反射板と、
前記導光板の上面に順次重なりあって設けられた光学フィルム及び表示パネルと、からなる防水バックライトモジュールであって,
前記導光板の側面と前記光学フィルムの側面とには、さらにプラスチックフレームが設けられ、
そのうち、前記表示パネルの側面と前記プラスチックフレームとの連結部の継ぎ目には防水用の第1シーリング材が設けられ、前記プラスチックフレームと前記反射板との連結部の継ぎ目には防水用の第2シーリング材が設けられ、
前記反射板の側の前記プラスチックフレームの端部には、第二密封溝が設けられ、
前記第二密封溝は、前記反射板に向かって階段状を呈するとともに、前記第二密封溝は、第三面と第四面からなり、
前記反射板は前記第二密封溝の中に差し込まれ,
前記第三面と前記導光板の側面とは高さがそろえられ、
前記反射板の反射面が延伸して前記導光板の側面を超える部分は前記第三面上に貼り付けられ、
前記第四面と前記反射板の側面は高さがそろえられ、
前記第2シーリング材は、前記第四面と前記反射板との連結の継ぎ目を封止する
ことを特徴とする防水バックライトモジュール。
【請求項4】
導光板と、
前記導光板の底部に設けられた反射板と、
前記導光板の上面に順次重なりあって設けられた光学フィルム及び表示パネルと、からなる防水バックライトモジュールであって,
前記導光板の側面と前記光学フィルムの側面とには、さらにプラスチックフレームが設けられ、
そのうち、前記表示パネルの側面と前記プラスチックフレームとの連結部の継ぎ目には防水用の第1シーリング材が設けられ、前記プラスチックフレームと前記反射板との連結部の継ぎ目には防水用の第2シーリング材が設けられ、
前記反射板の側の前記プラスチックフレームの端部と前記導光板の底面とは高さがそろえられ、
前記反射板の反射面は、前記導光板の底面と、前記プラスチックフレームの端面に貼り付けられ、
前記第2シーリング材は、前記反射板の端面と前記プラスチックフレームの表面を封止する
ことを特徴とする防水バックライトモジュール。
【請求項5】
導光板と、
前記導光板の底部に設けられた反射板と、
前記導光板の上面に順次重なりあって設けられた光学フィルム及び表示パネルと、からなる防水バックライトモジュールであって,
前記導光板の側面と前記光学フィルムの側面とには、さらにプラスチックフレームが設けられ、
そのうち、前記表示パネルの側面と前記プラスチックフレームとの連結部の継ぎ目には防水用の第1シーリング材が設けられ、前記プラスチックフレームと前記反射板との連結部の継ぎ目には防水用の第2シーリング材が設けられ、
前記表示パネルの側の前記プラスチックフレームの端部には、第一密封溝が設けられ、
前記第一密封溝は、階段状を呈するとともに、第一面と第二面とからなり、
前記第1シーリング材は、前記第一面と前記表示パネルの側面とを封止し、
前記反射板の側の前記プラスチックフレームの端部と前記導光板の底面とは高さがそろえられ、
前記反射板の反射面は、前記導光板の底面と、前記プラスチックフレームの端面に貼り付けられ、
前記第2シーリング材は、前記反射板の端面と前記プラスチックフレームの表面を封止する
ことを特徴とする防水バックライトモジュール。
【請求項6】
請求項1に記載の防水バックライトモジュールにおいて、
前記反射板の側の前記プラスチックフレームの端部と前記導光板の底面とは高さがそろえられ、
前記反射板の反射面は、前記導光板の底面と前記プラスチックフレームの端面とに貼り付けられ、
前記第2シーリング材は、前記反射板の端面と前記プラスチックフレームの表面を封止する
ことを特徴とする防水バックライトモジュール。
【請求項7】
請求項4から請求項6のいずれかに記載の防水バックライトモジュールにおいて、
前記反射板の端面と前記プラスチックフレームの表面は高さがそろえられる
ことを特徴とする防水バックライトモジュール。
【請求項8】
導光板と、
前記導光板の底部に設けられた反射板と、
前記導光板の上面に順次重なりあって設けられた光学フィルム及び表示パネルと、からなる防水バックライトモジュールであって,
前記導光板の側面と前記光学フィルムの側面とには、さらにプラスチックフレームが設けられ、
そのうち、前記表示パネルの側面と前記プラスチックフレームとの連結部の継ぎ目には防水用の第1シーリング材が設けられ、前記プラスチックフレームと前記反射板との連結部の継ぎ目には防水用の第2シーリング材が設けられ、
前記表示パネルの側の前記プラスチックフレームの端部には、第一密封溝が設けられ、
前記第一密封溝は、階段状を呈するとともに、第一面と第二面とからなり、
前記第1シーリング材は、前記第一面と前記表示パネルの側面とを封止し、
さらに、
前記反射板の側の前記プラスチックフレームの端部には、第三密封溝が設けられ、
前記第三密封溝と前記第一密封溝は、反対の方向を向き、
前記第三密封溝は階段状を呈し第五面と第六面からなり、
前記プラスチックフレームと前記導光板は高さがそろえられ、
前記反射板は、前記導光板と前記プラスチックフレームの端面に貼り付けられ、
さらに、前記反射板の端面と前記第五面とは高さがそろえられ、
前記第2シーリング材は前記第五面と前記反射板の端面とを封止する
ことを特徴とする防水バックライトモジュール。
【請求項9】
請求項1に記載の防水バックライトモジュールにおいて、
前記反射板の側の前記プラスチックフレームの端部には、第三密封溝が設けられ、
前記第三密封溝と前記第一密封溝は、反対の方向を向き、
前記第三密封溝は、階段状を呈し第五面と第六面からなり、
前記プラスチックフレームと前記導光板は高さがそろえられ、
前記反射板は、前記導光板と前記プラスチックフレームの端面に貼り付けられ、
さらに、前記反射板の端面と前記第五面とは高さがそろえられ、
前記第2シーリング材は前記第五面と前記反射板の端面を封止する
ことを特徴とする防水バックライトモジュール。
【請求項10】
請求項8または請求項9に記載の防水バックライトモジュールにおいて、
前記第2シーリング材の上表面と前記第六面とは高さがそろえられる
ことを特徴とする防水バックライトモジュール。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示パネルの移動端末製品の防水構造に関し、特に、表示パネルの移動端末製品の防水バックライトモジュールに関する。
【背景技術】
【0002】
通信製品(携帯を代表とする)及びPad類の製品のような携帯移動端末を使用する過程において、製品が水に接触する事態は避けがたい。従来の製品設計は、防水設計の性能が悪く、不注意にて水に接触してしまうことにより、しばしばディスプレイの中に水が浸透してしまう事態がある。影響が比較的少ない場合でも、表示効果が悪くなり、影響が比較的大きい場合、製品の故障を招く。従来の製品の設計において、水がモジュールに進入する主な経路は二つある。第一に,バックライトモジュールと、表示パネルとの間にある隙間に浸透し進入する経路であり、第二に,プラスチックフレームと、反射フィルムの間にある隙間に浸透し進入する経路である。したがって、もしこれらの箇所で予防が可能なら、防水問題を解決することができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
以上の欠点を克服するため、本発明は、防水バックライトモジュールを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明の防水バックライトモジュールは、導光板と、導光板底部の反射板と、導光板上面の上に順次重なり合って設けられた光学フィルム及び表示パネルと、からなる。そのうち、導光板と、光学フィルムの側面には、プラスチックフィルムが設けられる。そのうち、前記表示パネル側面とプラスチックフィルムの連結箇所、及び、プラスチックフレームと反射板の連結の継ぎ目には、いずれも、防水シーリング材が設けられる。
【0005】
そのうち、前記表示パネル一側のプラスチックフレームには、第一密封溝が設けられて、前記第一密封溝は階段状を呈するとともに、第一面と第二面からなり、前記シーリング材は、第一面と表示パネルの側面を封止する。さらに、前記第一面と表示パネルの側面は高さがそろえられ、前記シーリング材と第二面は高さがそろえられる。
【0006】
もしくは、前記反射板一側のプラスチックフレーム端部には、第二密封溝が設けられ、前記第二密封溝は、反射板に向かって階段状を呈し、第二密封溝は、第三面と第四面とからなり、そのうち、前記反射板は第二密封溝の中に差し込まれる。
【0007】
そのうち、前記第三面と導光板の底面は高さがそろえられ、前記反射板の反射面が延伸し導光板側面を超えた部分は、第三面に貼り付けられる。また、前記第四面と反射板の底面は高さがそろえられ、シーリング材が第四面と反射板の連結の継ぎ目を封止する。
【0008】
もしくは、前記反射板一側のプラスチックフレームと導光板は高さがそろえられ、前記反射板の反射面は、導光板底面とプラスチックフレームの端面に貼り付けられ、前記シーリング材は、反射板の端面とプラスチックフィルムの表面を封止する。さらに、前記反射板端面とプラスチックフレームは高さがそろえられる。
【0009】
さらに以下の構造が可能である。前記反射板一側のプラスチックフレーム端部には、第三密封溝が設けられ、前記第三密封溝と第一密封溝は反対方向を向き、第三密封溝は階段状を呈し、第三密封溝は、第五面と第六面からなり、前記プラスチックフレーム端面と導光板は高さがそろえられ、前記反射板は、導光板とプラスチックフレームの端面に貼り付けられる。さらに、反射板の端面と第五面は高さがそろえられ、前記シーリング材は、第五面と反射板端面を封止している。さらに、前記シーリング材上面と第六面は高さがそろえられる。
【発明の効果】
【0010】
本発明による防水バックライトモジュール構造は、水蒸気が電子移動端末内部に入り、電子部品に影響することを阻止するのに有効であり、回路を正常に作動させること、構造の改造を少なくさせること、及び、加工を簡単にすることにも確実に効果があるとともに、移動電子端末製品の防水性能を確実に向上させることで、更に複雑な環境で適応させることが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図3】本発明の実施例2のプラスチックフィルム構造を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下では、図と実施例を用いて、本発明の更なる説明を行う。
【0013】
(実施例1)
図1を参照する。本発明による防水バックグラウンドモジュールは、導光板10と、導光板底部の反射板20と、導光板10の上面に順次重なり合って設けられた光学フィルム30及び表示パネル40と、からなる。その内、光学フィルム30及び表示パネル40の間のフレームには、黒色の遮光層50が設けられる。導光板10と光学フィルム30の側面には、さらにプラスチックフレーム60が設けられる。特別なのは、表示パネル40側面とプラスチックフレーム60の連結箇所、及び、プラスチックフレーム60と反射板20の連結の継ぎ目に、いずれも、防水シーリング材70が設けられる、という点である。また、表示パネル40の側面の全体がシーリング材70で封止される。図から分かるように、この時のプラスチックフレーム60外表面と表示パネル40との側面と反射板20の側面の同じ箇所の平面において、シーリング材70は、それらの連結の継ぎ目だけを密封すればよい。これらの方式のシーリング材70は、明らかに突起しており,正常な組み立て作業に不便である。しかしながら、この種の構造の密封は、外部の水蒸気が表示パネル内部に入るのを隔絶し,電子機器の正常な作動に影響するのを防止することができる。
【0014】
より良い組み立て効果を得る為に,以下のその他の方式によっても、本発明の目的を達成することができる。
【0015】
(実施例2)
本実施例の実施例1との違いは、プラスチックフレーム60に密封溝が設けられる点である。
図2、
図3を参照する。表示パネル40一側のプラスチックフレーム60端部には第一密封溝61が設けられ、前記第一密封槽61は、階段状を呈するとともに、第一面611と、第二台面612とからなり、シーリング材70は、第一面611と、表示パネル40との側面を封止する。第一面611と、表示パネル40の側面は高さがそろえられ、前記シーリング材70上表面71と、第二面612は高さがそろえられる。また,反射板20の一側のプラスチックフレーム60の端部には、第二密封溝62が設けられ、前記密封溝62は、反射板20に向かって階段状を呈し、第二密封溝62は、第三面621と、第四面622とからなる。そのうち、反射板20は第二密封溝62内に差し込まれる。第三面621と導光板10の底面は高さがそろえられ,前記反射板20の反射面21が延伸して導光板10の側面を超えた部分は、第三面621上に貼り付けられる。前記第四面622と、反射板20の底面22は高さがそろえられ,シーリング材は第四面622と反射板20の連結の継ぎ目を封止する。このように表示パネル40側面を密封したシーリング材と、プラスチックフレーム60の上表面(即ち第二面612)は、同一平面上にあり,組み立て操作を正常に進行する上で便利になっている。
【0016】
(実施例3)
図4を参照する。本実施例が実施例2と異なるのは、反射板20一側のプラスチックフレーム60端部と、導光板10の側面の高さがそろえられ、シーリング材70がプラスチックフレーム60端部及び導光板10の底面に貼り付けられる、という点である。
【0017】
(実施例4)
図面5を参照する。実施例2と異なるのは、本実施例の反射板20一側のプラスチックフレーム60端部には、第三密封溝63が設けられる、という点である。前記第三密封溝63と、第一密封溝61は、反対の方向を向いている。第三密封溝63は、階段状を呈し、第三密封溝63は、第五面631と、第六面632とからなり、前記プラスチックフレーム60端面と導光板10は高さがそろえられ、反射板20は、導光板10と、プラスチックフレーム60の端面に貼り合わされる。また、反射板20の端面と第五面631は高さがそろえられ、シーリング材70は、第五面631と、反射板20端面上を封止する。さらに、前記シーリング材70の上表面71と第六面632は、高さがそろえられる。
【0018】
以上前記の内容は、本発明の好ましい実施方式に過ぎず、本技術領域の一般的な技術者は、本発明の原理を逸脱しないという前提のもと、若干の改良と修正を行うことができ、これらの改良と修正も本発明の保護範囲と見なす。
【符号の説明】
【0019】
10 導光板
20 反射板
21 反射面
22 底面
30 光学フィルム
40 表示パネル
50 黒色の遮光層
60 プラスチックフレーム
61 第一密封槽
62 第二密封溝
63 第三密封溝
611 第一面
612 第二面
621 第三面
622 第四面
631 第五面
632 第六面
70 シーリング材
71 上表面