特許第6383517号(P6383517)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6383517
(24)【登録日】2018年8月10日
(45)【発行日】2018年8月29日
(54)【発明の名称】両面塗布方法及び装置
(51)【国際特許分類】
   B05D 1/28 20060101AFI20180820BHJP
   B05C 9/14 20060101ALI20180820BHJP
   B05C 1/08 20060101ALI20180820BHJP
   B05C 9/04 20060101ALI20180820BHJP
   B05C 13/02 20060101ALI20180820BHJP
   B05D 1/36 20060101ALI20180820BHJP
   H01M 2/14 20060101ALI20180820BHJP
   H01M 2/16 20060101ALI20180820BHJP
【FI】
   B05D1/28
   B05C9/14
   B05C1/08
   B05C9/04
   B05C13/02
   B05D1/36 Z
   H01M2/14
   H01M2/16 P
【請求項の数】13
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2017-250170(P2017-250170)
(22)【出願日】2017年12月26日
【審査請求日】2017年12月28日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000145884
【氏名又は名称】株式会社小林製作所
(74)【代理人】
【識別番号】100081385
【弁理士】
【氏名又は名称】塩川 修治
(72)【発明者】
【氏名】望月 章仁
(72)【発明者】
【氏名】大庭 健吾
【審査官】 横島 隆裕
(56)【参考文献】
【文献】 特開2004−250614(JP,A)
【文献】 国際公開第2017/131181(WO,A1)
【文献】 特開2017−162753(JP,A)
【文献】 特開2017−183230(JP,A)
【文献】 特表平08−506269(JP,A)
【文献】 特開2014−226638(JP,A)
【文献】 特開2015−217321(JP,A)
【文献】 特開2006−122780(JP,A)
【文献】 特開2011−092915(JP,A)
【文献】 特開2017−213554(JP,A)
【文献】 特開2000−176357(JP,A)
【文献】 特開平10−297094(JP,A)
【文献】 特開2016−036761(JP,A)
【文献】 特開昭54−161652(JP,A)
【文献】 特開2006−081996(JP,A)
【文献】 特開2003−053234(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B05D 1/00−7/26
B05C 1/00−21/00
H01M 2/14−2/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基材の走行ラインに沿う上流側から下流側の各位置に第1塗布装置と第2塗布装置と乾燥装置を順に配置し、第1塗布装置によって基材の一側面に塗布剤を塗布し、第2塗布装置によって基材の他側面に塗布剤を塗布し、両面に塗布剤が塗布された基材を乾燥装置によって乾燥処理する両面塗布方法であって、
第1塗布装置で塗布剤が塗布された基材の一側面と、第2塗布装置で塗布剤が塗布された基材の他側面を、他の部材と接触することのない非接触状態で、それらの各塗布装置から乾燥装置の出口に渡って通過させ、
第2塗布装置では、基材の走行方向に向けて正転するとともに塗布剤を随伴する塗布バーの外周に基材の他側面を接触させることにより、当該塗布剤を当該基材の他側面に所定厚みになるように計量して塗布し
前記乾燥装置が、基材の走行ラインに沿う上下の各複数位置に上下の各熱風吹出しノズルを配置したフローティングドライヤによって構成され、
乾燥装置の最も入口側に配置される熱風吹出しノズルが基材の一側面に向けて熱風を吹出し、この熱風により基材を第2塗布装置の塗布バーに押付ける両面塗布方法。
【請求項2】
前記第2塗布装置の塗布バーから乾燥装置の最も入口側に配置される熱風吹出しノズルまでの距離が、500mm以上2000mm以下の範囲内である請求項に記載の両面塗布方法。
【請求項3】
前記塗布剤が塗布された基材が、リチウムイオン電池用セパレータを構成する多孔質プラスチックフィルムである請求項1又は2のいずれかに記載の両面塗布方法。
【請求項4】
前記塗布剤が塗布された基材が、リチウムイオン電池用セパレータを構成する不織布である請求項1又は2に記載の両面塗布方法。
【請求項5】
基材の走行ラインに沿う上流側から下流側の各位置に第1塗布装置と第2塗布装置と乾燥装置が順に配置され、第1塗布装置によって基材の一側面に塗布剤を塗布し、第2塗布装置によって基材の他側面に塗布剤を塗布し、両面に塗布剤が塗布された基材を乾燥装置によって乾燥処理するように構成された両面塗布装置であって、
第1塗布装置で塗布剤が塗布された基材の一側面と、第2塗布装置で塗布剤が塗布された基材の他側面を、他の部材と接触することのない非接触状態で、それらの各塗布装置から乾燥装置の出口に渡って通過させるように構成され、
第2塗布装置は、基材の走行方向に向けて正転するとともに塗布剤を随伴する塗布バーの外周に基材の他側面を接触させることにより、当該塗布剤を当該基材の他側面に所定厚みになるように計量して塗布するように構成され
前記乾燥装置が、基材の走行ラインに沿う上下の各複数位置に上下の各熱風吹出しノズルを配置したフローティングドライヤによって構成され、
乾燥装置の最も入口側に配置される熱風吹出しノズルが基材の一側面に向けて熱風を吹出し、この熱風により基材を第2塗布装置の塗布バーに押付け可能する両面塗布装置。
【請求項6】
第2塗布装置の塗布バーから乾燥装置の最も入口側に配置される熱風吹出しノズルまでの距離が、500mm以上2000mm以下の範囲内である請求項に記載の両面塗布装置。
【請求項7】
前記基材が、フィルム厚みを5μm以上30μm以下の範囲内とするポリエチレンフィルム又はポリプロピレンフィルムである請求項5又は6に記載の両面塗布装置。
【請求項8】
前記塗布剤が塗布された基材が、リチウムイオン電池用セパレータを構成する多孔質プラスチックフィルムである請求項に記載の両面塗布装置。
【請求項9】
前記基材が、基材厚みを10μm以上30μm以下の範囲内とする不織布である請求項5又は6に記載の両面塗布装置。
【請求項10】
前記塗布剤が塗布された基材が、リチウムイオン電池用セパレータを構成する不織布である請求項に記載の両面塗布装置。
【請求項11】
前記基材の走行速度が、5m/min以上150m/min以下の範囲内である請求項8又は10に記載の両面塗布装置。
【請求項12】
前記塗布剤が、粘度を0.5mPa・s以上100mPa・s以下の範囲内とする塗布液である請求項8又は10に記載の両面塗布装置。
【請求項13】
前記基材の原反を巻出し、この基材を第1塗布装置、第2塗布装置及び乾燥装置に通過させて巻取るオフライン設備にて構成される請求項5乃至12のいずれかに記載の両面塗布装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、基材の両面に塗布剤を塗布する両面塗布方法及び装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、基材の両面に塗布剤を塗布する両面塗布装置として、特許文献1、2に記載のものがある。
【0003】
特許文献1に記載の両面塗布装置は、プラスチックや金属等で構成された基材の走行ラインに沿う上流側から下流側の各位置に第1塗布装置と第2塗布装置と乾燥装置が順に配置され、第1塗布装置によって基材の一側面に塗布剤を塗布し、第2塗布装置によって基材の他側面に塗布剤を塗布し、両面に塗布剤が塗布された基材を乾燥装置によって乾燥処理するものを記載している。
【0004】
特許文献2に記載の両面塗布装置は、リチウムイオン電池用セパレータを構成する基材の走行ラインに沿う上流側から下流側の各位置に第1塗布装置と第2塗布装置が順に配置され、第1塗布装置によって基材の一側面に塗布剤を塗布し、第2塗布装置によって基材の他側面に塗布剤を塗布するものを記載している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】WO2014/188671A1
【特許文献2】CNU206184699
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1、2に記載の両面塗布装置において、第1塗布装置と第2塗布装置は、塗布剤を随伴して回転駆動されるグラビアロール又はワイヤバーの外周に基材の一側面と他側面を順に接触させることにより、当該基材の両面のそれぞれに当該塗布剤を所定厚みになるように計量して塗布する。このようにして第1塗布装置と第2塗布装置によって両面に塗布剤が塗布された基材は、下工程の乾燥装置に導入されて乾燥処理される。
【0007】
このとき、特許文献1に記載の両面塗布装置において、乾燥装置に導入される基材は、該基材の幅方向における両端の一側面と他側面にある無塗布領域のそれぞれを一対の支持ロールによって上下から挟み込み支持する。これにより、乾燥装置の内部でばたつく基材の振動が第2塗布装置に及ぶことを抑制し、第2塗布装置による塗布品質が損なうことを回避しようとしている。
【0008】
しかしながら、特許文献1に記載の両面塗布装置にあっては、基材の一側面と他側面の両端に、一対の支持ロールで挟み込み支持するための無塗布領域を設ける必要があって、基材の一側面と他側面の全面を第1塗布装置と第2塗布装置による塗布領域にできず、塗布装置の生産性を損なう。
【0009】
尚、基材がリチウムイオン電池用セパレータを構成する如くの薄いプラスチックフィルムであるときには、当該プラスチックフィルムの一側面と他側面の両端だけを一対の支持ロールで挟み込み支持しても、乾燥装置の内部でばたつく基材の振動が該基材の幅方向の全域で第2塗布装置に及ぶことを十分には抑制できず、第2塗布装置による塗布品質を損なうおそれがある。
【0010】
また、特許文献2に記載の両面塗布装置では、第1塗布装置と第2塗布装置で塗布剤が塗布された基材の一側面と他側面を未乾燥のまま第1と第2の回転軸のそれぞれに巻き掛けて下工程へと搬送している。従って、第1塗布装置と第2塗布装置で基材の一側面と他側面に塗布された塗布剤の塗膜が乾燥処理の前段階で、上記各回転軸への巻き掛けによって乱され、第1塗布装置と第2塗布装置による塗布品質を損なう。
【0011】
本発明の課題は、基材の両面に塗布剤を塗布する両面塗布方法及び装置の生産性及び塗布品質を向上することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
請求項1に係る発明は、基材の走行ラインに沿う上流側から下流側の各位置に第1塗布装置と第2塗布装置と乾燥装置を順に配置し、第1塗布装置によって基材の一側面に塗布剤を塗布し、第2塗布装置によって基材の他側面に塗布剤を塗布し、両面に塗布剤が塗布された基材を乾燥装置によって乾燥処理する両面塗布方法であって、第1塗布装置で塗布剤が塗布された基材の一側面と、第2塗布装置で塗布剤が塗布された基材の他側面を、他の部材と接触することのない非接触状態で、それらの各塗布装置から乾燥装置の出口に渡って通過させ、第2塗布装置では、基材の走行方向に向けて正転するとともに塗布剤を随伴する塗布バーの外周に基材の他側面を接触させることにより、当該塗布剤を当該基材の他側面に所定厚みになるように計量して塗布し、前記乾燥装置が、基材の走行ラインに沿う上下の各複数位置に上下の各熱風吹出しノズルを配置したフローティングドライヤによって構成され、乾燥装置の最も入口側に配置される熱風吹出しノズルが基材の一側面に向けて熱風を吹出し、この熱風により基材を第2塗布装置の塗布バーに押付けるようにしたものである。
【0013】
請求項2に係る発明は、請求項1に係る発明において更に、前記第2塗布装置の塗布バーから乾燥装置の最も入口側に配置される熱風吹出しノズルまでの距離が、500mm以上2000mm以下の範囲内であるようにしたものである。
【0014】
請求項3に係る発明は、請求項1又は2に係る発明において更に、前記塗布剤が塗布された基材が、リチウムイオン電池用セパレータを構成する多孔質プラスチックフィルムであるようにしたものである。
【0015】
請求項4に係る発明は、請求項1又は2に係る発明において更に、前記塗布剤が塗布された基材が、リチウムイオン電池用セパレータを構成する不織布であるようにしたものである。
【0016】
請求項5に係る発明は、基材の走行ラインに沿う上流側から下流側の各位置に第1塗布装置と第2塗布装置と乾燥装置が順に配置され、第1塗布装置によって基材の一側面に塗布剤を塗布し、第2塗布装置によって基材の他側面に塗布剤を塗布し、両面に塗布剤が塗布された基材を乾燥装置によって乾燥処理するように構成された両面塗布装置であって、第1塗布装置で塗布剤が塗布された基材の一側面と、第2塗布装置で塗布剤が塗布された基材の他側面を、他の部材と接触することのない非接触状態で、それらの各塗布装置から乾燥装置の出口に渡って通過させるように構成され、第2塗布装置は、基材の走行方向に向けて正転するとともに塗布剤を随伴する塗布バーの外周に基材の他側面を接触させることにより、当該塗布剤を当該基材の他側面に所定厚みになるように計量して塗布するように構成され、前記乾燥装置が、基材の走行ラインに沿う上下の各複数位置に上下の各熱風吹出しノズルを配置したフローティングドライヤによって構成され、乾燥装置の最も入口側に配置される熱風吹出しノズルが基材の一側面に向けて熱風を吹出し、この熱風により基材を第2塗布装置の塗布バーに押付け可能するようにしたものである。
【0017】
請求項6に係る発明は、請求項5に係る発明において更に、第2塗布装置の塗布バーから乾燥装置の最も入口側に配置される熱風吹出しノズルまでの距離が、500mm以上2000mm以下の範囲内であるようにしたものである。
【0018】
請求項7に係る発明は、請求項5又は6に係る発明において更に、前記基材が、フィルム厚みを5μm以上30μm以下の範囲内とするポリエチレンフィルム又はポリプロピレンフィルムであるようにしたものである。
【0019】
請求項8に係る発明は、請求項7に係る発明において更に、前記塗布剤が塗布された基材が、リチウムイオン電池用セパレータを構成する多孔質プラスチックフィルムであるようにしたものである。
【0020】
請求項9に係る発明は、請求項5又は6に係る発明において更に、前記基材が、基材厚みを10μm以上30μm以下の範囲内とする不織布であるようにしたものである。
【0021】
請求項10に係る発明は、請求項9に係る発明において更に、前記塗布剤が塗布された基材が、リチウムイオン電池用セパレータを構成する不織布であるようにしたものである。
【0022】
請求項11に係る発明は、請求項8又は10に係る発明において更に、前記基材の走行速度が、5m/min以上150m/min以下の範囲内であるようにしたものである。
【0023】
請求項12に係る発明は、請求項8又は10に係る発明において更に、前記塗布剤が、粘度を0.5mPa・s以上100mPa・s以下の範囲内とする塗布液であるようにしたものである。
【0024】
請求項13に係る発明は、請求項5乃至12のいずれかに係る発明において更に、前記基材の原反を巻出し、この基材を第1塗布装置、第2塗布装置及び乾燥装置に通過させて巻取るオフライン設備にて構成されるようにしたものである。
【発明の効果】
【0027】
(請求項1、
(a)第1塗布装置で塗布剤が塗布された基材の一側面と、第2塗布装置で塗布剤が塗布された基材の他側面を、他の部材と接触することのない非接触状態で、それらの各塗布装置から乾燥装置の出口に渡って通過させる。従って、基材の一側面と他側面の各全面を第1塗布装置と第2塗布装置による塗布領域とし、かつ乾燥装置による乾燥領域とするものになり、両面塗布装置の生産性を向上できる。
【0028】
(b)基材は、第1と第2の各塗布装置から乾燥装置の出口に渡り、支持ロール等の他の部材と接触することのない非接触状態で通過するものとされるから、乾燥装置の内部でばたつく基材の振動が第2塗布装置に及ぶものになる。
【0029】
ところが、第2塗布装置は、基材の走行方向に向けて正転するとともに塗布剤を随伴する塗布バーの外周に基材の他側面を接触させることにより、当該塗布剤を当該基材の他側面に所定厚みになるように計量して塗布するものとされている。これにより、塗布バーの外周に随伴されて基材の他側面に持ち込まれる塗布剤は、該塗布バーの直上流側に該基材の幅方向に均一で安定した液溜まり(ビード)を形成し、ひいては該塗布バーによって計量された所定厚みの塗膜を該塗布バーの下流側に形成する。このため、乾燥装置の内部でばたつく基材の振動が第2塗布装置の側に及んでも、この振動は塗布バーによって遮断されて該塗布バーの上流側に伝搬することを抑制され、該塗布バーの直上流側の上述した液溜まりの安定状態を乱すことがないから、第2塗布装置が基材の他側面に形成する塗膜に段ムラ等の塗工欠陥を生ずることがなく、第2塗布装置による塗布品質を損なうことがない。
【0030】
(c)両面塗布装置は、第1塗布装置と第2塗布装置により基材の一側面と他側面の両面に連続的に塗布剤を塗布し、この両面に塗布剤が塗布された基材を単一の乾燥装置による一工程で乾燥処理する。従って、両面塗布装置の生産性を向上するとともに、両面塗布装置の全長を短くし、設備コストも低減できる。
【0031】
(d)乾燥装置を構成するフローティングドライヤにおいて、最も入口側に配置される熱風吹出しノズルが、基材の一側面に向けて吹出した熱風により該基材を第2塗布装置の塗布バーに押付ける。従って、基材は、第2塗布装置の塗布バーに対して浮き上がり難く、該基材の他側面を第2塗布装置の塗布バーの外周に安定的に接触して走行し、該塗布バーの直上流側に形成される液溜まりの一層の安定を維持するとともに、該塗布バーによる塗布剤の計量の安定を図り、第2塗布装置による塗布品質をより向上するものになる。
【0032】
(請求項2、6
(e)上述(d)において、第2塗布装置の塗布バーから乾燥装置の最も入口側に配置される熱風吹出しノズルまでの距離が、500mm以上2000mm以下の範囲内であるものとすることにより、第2塗布装置の塗布バーから乾燥装置の入口までの間において基材のためのサポートがないことによる、この間における基材のタルミやバタツキの発生を一層好適に抑制することができる。
【0033】
(請求項7、9
(f)基材が、フィルム厚みを5μm以上30μm以下の範囲内とする薄いポリエチレンフィルム又はポリプロピレンフィルムとするとき、或いは基材厚みを10μm以上30μm以下の範囲内とする不織布とするとき、乾燥装置の内部でばたつく基材の振動が第2塗布装置に及び易くなることに起因する不都合を、上述(b)、(d)、(e)によって顕著に改善できる。
【0034】
(請求項3、4、8、10
(g)前記塗布剤が塗布された基材が、リチウムイオン電池用セパレータを構成する多孔質プラスチックフィルムであるとき、或いはリチウムイオン電池用セパレータを構成する不織布であるとき、乾燥装置の内部でばたつく基材の振動が第2塗布装置に及び易くなることに起因する不都合を、前述(b)、(d)、(e)によって顕著に改善できる。
【0035】
(請求項11
(h)上述(g)の基材の走行速度を5m/min以上150m/min以下の範囲内とする。5m/min以上とすることにより、生産性を確保できる。150m/min以下とするととにより、走行速度の速すぎを回避し、基材に形成される塗膜の塗布スジ発生を抑制するとともに、膜厚調整が容易になる。
【0036】
(請求項12
(i)上述(g)の塗布剤の粘度を0.5mPa・s以上100mPa・s以下の範囲内とする。これにより、粘度の高すぎを回避し、基材に形成される塗膜の塗布スジ発生を抑制するとともに、膜厚調整が容易になる。
【0037】
(請求項13
(j)両面塗布装置が、上述(g)の基材の原反を巻出し、この基材を第1塗布装置、第2塗布装置及び乾燥装置に通過させて巻取るオフライン設備にて構成される。これにより、高品質の基材を投入できるし、この基材を低張力搬送にて走行させ、高品質のリチウムイオン電池用セパレータを生産できる。
【図面の簡単な説明】
【0038】
図1図1は両面塗布装置を示す模式図である。
図2図2は第2塗布装置を示す模式図である。
図3図3は塗布バーを示す模式図である。
図4図4は塗布バーのポケットに塗布剤が随伴された状態を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0039】
図1に示した両面塗布装置100は、基材1の走行ラインLに沿う上流側から下流側の各位置に、巻出し装置10、第1塗布装置20、第2塗布装置30、乾燥装置40、巻取り装置50を順に配置している。
【0040】
両面塗布装置100は、基材1の原反を巻出し装置10から巻出し、この基材1に対して第1塗布装置20、第2塗布装置30によって両面塗工を施し、乾燥装置40により乾燥する一連の処理を連続して行ない、乾燥した基材1を巻取り装置50に巻取るオフライン設備にて構成される。
【0041】
基材1は、プラスチックや金属で構成された柔軟なシート材からなり、長尺の帯状をなして芯材にロール状に巻かれた原反の状態で、両面塗布装置100に供給される。
【0042】
本実施形態において、基材1は、フィルム厚みを例えば5μm以上30μm以下の範囲内とする薄いポリエチレンフィルム又はポリプロピレンフィルムとすることができる。
【0043】
また、本実施形態において、塗布剤(耐熱剤又は接着剤)が塗布された基材1は、リチウムイオン電池用セパレータを構成する多孔質プラスチックフィルムとすることができる。このとき、基材1の走行速度は、5m/min以上150m/min以下の範囲内とすることが好ましい。また、基材1に塗布される上述の塗布剤は、粘度を0.5mPa・s以上100mPa・s以下の範囲内とする塗布液とすることが好ましい。
【0044】
尚、リチウムイオン電池用セパレータは、近年、モバイルフォン、液晶テレビ、自動車等において広く普及しており、このセパレータには多孔質を特徴とするポリエチレンフィルム、又はポリプロピレンフィルムが用いられる。リチウムイオン電池用セパレータの機能としては、正極と負極を隔離してそれらの短絡を防止し、電解液を保持しつつリチウムイオン電導用の通路を形成し、異常発熱したときには安全性確保のために上記多孔質が閉孔して電池反応を停止させるシャットダウン機能を有する。
【0045】
ここで、リチウムイオン電池用セパレータでは、多孔質のポリエチレンフィルム又はポリプロピレンフィルムが加熱によって変形を生じ、それらの多孔質フィルムの正極又は負極に対する接着性が低下するため、熱変形し難く、広い温度領域で十分な接着性を有することが要望されている。従って、リチウムイオン電池用セパレータでは、ポリエチレンフィルム又はポリプロピレンフィルムからなる基材1の両面に、セラミック系の耐熱剤(耐熱塗料)を塗布して熱変形を抑制し、十分な接着性を有する接着剤を塗布することとしている。
【0046】
尚、本発明の実施において、基材1としては、基材厚みを例えば10μm以上30μm以下の範囲内とする薄い不織布とすることもできる。
【0047】
そして、上述の不織布の両面に塗布剤(耐熱剤又は接着剤)が塗布された基材1により、リチウムイオン電池用セパレータを構成することができる。このとき、基材1の走行速度は、5m/min以上150m/min以下の範囲内とすることが好ましい。また、基材1に塗布される上述の塗布剤は、粘度を0.5mPa・s以上100mPa・s以下の範囲内とする塗布液とすることが好ましい。
【0048】
両面塗布装置100にあっては、巻出し装置10から巻出された基材1の他側面B(一側面Aでも可)がガイドロール2aに支持誘導され、水平に沿う走行状態で第1塗布装置20に導かれ、第1塗布装置20によって基材1の一側面Aに耐熱剤又は接着剤等の塗布剤が塗布される。第1塗布装置20で一側面Aに塗布剤が塗布された基材1は、該基材1の他側面Bがガイドロール2b、2cに支持誘導されて水平に沿う走行状態で第2塗布装置30に導かれ、第2塗布装置30によって基材1の他側面Bに耐熱剤又は接着剤等の塗布剤が塗布される。このようにして両面A、Bに塗布剤が塗布された基材1は、乾燥装置40の入口41Aから出口41Bを通過して乾燥処理された後、ガイドロール2dに支持誘導されて巻取り装置50に巻取られる。
【0049】
両面塗布装置100にあっては、第1塗布装置20で塗布剤が塗布された基材1の一側面Aと、第2塗布装置30で塗布剤が塗布された基材1の他側面Bのそれぞれが、ガイドロールの如くの他の部材と接触することのない非接触状態で、それらの各塗布装置20、30から乾燥装置40の出口41Bに渡って通過するように構成されている。
【0050】
このとき、第2塗布装置30は、図1図2に示す如くのバー方式からなるものとされ、基材1の走行方向(矢印Fの向き)に向けて正転(矢印Nの向き)するとともに塗布剤を随伴する塗布バー31の外周に、基材1の他側面Bを接触させることにより、当該塗布剤を当該基材1の他側面Bに所定厚みになるように計量して塗布するように構成されている。
【0051】
第2塗布装置30は、例えば図2に示す如く、塗布バー31とともに、塗布剤を連続的に供給する塗布剤供給手段として、塗布剤収容タンク32、ポンプ33、フィルター34、マニホールド35、回収部36を有する。塗布剤収容タンク32に収容された塗布剤2は、ポンプ33によってフィルター34経由でマニホールド35に送給され、マニホールド35の幅方向(塗布バー31の軸方向に沿う方向)に分配されてスリット35Aから、正転中の塗布バー31の外周に向けて吐出された後、該塗布バー31の外周に随伴される。そして、該塗布バー31の外周の一定容積のポケット31P(図4)に充満するように計量されて持ち込まれた一定量の塗布剤が、該塗布バー31の外周に接触して所定速度で走行している基材1の下面(他側面B)に一定の転写率(ポケット31Pの容積の例えば60乃至70%)で転写されて塗布され、該塗布バー31の下流側に通過した基材1の他側面Bに所定厚みの塗膜2Kを形成する。塗布バー31の外周のポケット31Pに持ち込まれたものの基材1の他側面Bに転写されなかった残余の塗布剤は、該塗布バー31の下流側の回収部36からタンク32に回収される。
【0052】
このとき、塗布バー31の外周に随伴されて基材1の他側面Bに転写されることとなる塗布剤は、該塗布バー31の直上流側で液溜まり2J(ビード)を形成する。塗布バー31の直上流側に形成される液溜まり2Jを安定させるために、ポンプ33として定量性、定脈動性に優れ、低剪断であるダイヤフラムポンプを採用することが好ましい。
【0053】
塗布バー31としては、図3に示したワイヤバーを採用でき、例えば外径6乃至13mmの丸棒31Aの外周面に線径0.025乃至1.5mmのワイヤ31Bをコイル状に隙間なく巻付け、巻付けられたワイヤの太さの選定によってワイヤ間の螺旋溝状空間からなるポケット31Pの容積を調整し、この容積によって計量すべき塗布量を決定する。
【0054】
塗布バー31としては、丸棒の外周面に転造加工による螺旋状(リング状でも可)の溝を彫刻し、この溝からなるポケットの容積(深さ)によって計量すべき塗布量を決定する
転造バーを採用しても良い。
【0055】
塗布バー31については、基材1と接触する表面の耐久性、離型性を向上させるためにハードクロムメッキ又はダイヤモンドライクカーボン処理等を施しても良い。
【0056】
尚、第1塗布装置20としては、第2塗布装置30におけると同様のバー方式を採用できる他、グラビア方式、スロットダイ方式等を採用できる。
【0057】
バー方式からなる第1塗布装置20は、第2塗布装置30における塗布バー31、塗布剤収容タンク32、ポンプ33、フィルター34、マニホールド35、回収部36と同様の塗布バー21、塗布剤収容タンク、ポンプ、フィルター、マニホールド、回収部を有し、図1に示す如く、基材1の走行方向に向けて正転するとともに塗布剤を随伴する塗布バー21の外周に、基材1の一側面Aを接触させることにより、当該塗布剤を当該基材1の一側面Aに所定厚みになるように計量して塗布する。
【0058】
グラビア方式からなる第1塗布装置20は、基材1の走行方向に対して逆転するグラビアロールによって塗布剤供給タンクから塗布剤を掻き上げ、このグラビアロール上で余分な塗布剤がドクターブレードで掻き落とされた後の一定量の塗布剤を、当該基材1の一側面Aに所定厚みになるように塗布する。
【0059】
スロットダイ方式からなる第1塗布装置20は、走行中の基材1の一側面Aにダイヘッドから押し出される一定量の塗布剤を所定厚みになるように塗布する。
【0060】
乾燥装置40は、非接触乾燥方式のフローティングドライヤ41によって構成され、両面A、Bに塗布剤が塗布された基材1を通過させて乾燥処理する。
【0061】
フローティングドライヤ41は、基材1が送り込まれる入口41Aと、基材1を送り出す出口41Bを備える。走行する基材1を上下の支持ロール等によって何ら支持することなく、浮遊状態のまま通過させる。フローティングドライヤ41の内部には、基材1の走行ラインに沿う上下の各複数位置に、かつ上下互い違いに配置される上下の各熱風吹出しノズル42が配置されている。各熱風吹出しノズル42は、熱風(ドライエア)を上下から基材1に向けて吹付ける。
【0062】
フローティングドライヤ41は、走行する基材1を浮遊状態のまま通過させるものであり、薄肉の基材1では各熱風吹出しノズル42が吹付ける熱風により顕著に高周波で上下に微振動してばたつくものになる
【0063】
しかるに、乾燥装置40にあっては、フローティングドライヤ41において最も入口41Aの側に配置されている熱風吹出しノズル42が基材1の一側面Aに向けて熱風を吹出すものとされ(矢印Hの向き)、この熱風の風圧力を受けた基材1を第2塗布装置30における塗布バー31の外周面に押付けるものとしている。
【0064】
第2塗布装置30の塗布バー31から乾燥装置40の最も入口41Aの側に配置される熱風吹出しノズル42までの距離Zが長い場合、第2塗布装置30の塗布バー31から乾燥装置40の入口41Aまでの間に基材1のためのサポートがなく、基材1のフリーランが長くなるため、低テンション(低引張強度)の基材1では、基材1に十分な張力をかけることができず、結果としてその間の基材1にタルミやバタツキが発生し易くなり、塗工品質に影響を及ぼす。そこで、第2塗布装置30の塗布バー31から乾燥装置40の最も入口41Aの側に配置される熱風吹出しノズル42までの距離Zは、500mm以上2000mm以下の範囲内とし、好適には600mmとすることが好ましい。これにより、熱風吹出しノズル42が吹出す熱風の風圧力によって基材1を第2塗布装置30の塗布バー31に押付け、第2塗布装置30の塗布バー31から乾燥装置40の入口41Aまでの間における基材1のタルミやバタツキの発生を抑制する。
【0065】
従って、本実施形態によれば以下の作用効果を奏する。
(a)第1塗布装置20で塗布剤が塗布された基材1の一側面Aと、第2塗布装置30で塗布剤が塗布された基材1の他側面Bを、他の部材と接触することのない非接触状態で、それらの各塗布装置20、30から乾燥装置40の出口41Bに渡って通過させる。従って、基材1の一側面Aと他側面Bの各全面を第1塗布装置20と第2塗布装置30による塗布領域とし、かつ乾燥装置40による乾燥領域とするものになり、両面塗布装置100の生産性を向上できる。
【0066】
(b)基材1は、第1と第2の各塗布装置20、30から乾燥装置40の出口41Bに渡り、支持ロール等の他の部材と接触することのない非接触状態で通過するものとされるから、乾燥装置40の内部でばたつく基材1の振動が第2塗布装置30に及ぶものになる。
【0067】
ところが、第2塗布装置30は、基材1の走行方向に向けて正転するとともに塗布剤を随伴する塗布バー31の外周に基材1の他側面Bを接触させることにより、当該塗布剤を当該基材1の他側面Bに所定厚みになるように計量して塗布するものとされている。これにより、塗布バー31の外周に随伴されて基材1の他側面Bに持ち込まれる塗布剤は、該塗布バー31の直上流側に該基材1の幅方向で均一な安定した液溜まり2J(ビード)を形成し、ひいては該塗布バー31によって計量された所定厚みの塗膜2Kを該塗布バー31の下流側に形成する。このため、乾燥装置40の内部でばたつく基材1の振動が第2塗布装置30の側に及んでも、この振動は塗布バー31によって遮断されて該塗布バー31の上流側に伝搬することが抑制され、該塗布バー31の直上流側の上述した液溜まり2Jの安定状態を乱すことがないから、第2塗布装置30が基材1の他側面Bに形成する塗膜2Kに段ムラ等の塗工欠陥を生ずることがなく、第2塗布装置30による塗布品質を損なうことがない。
【0068】
(c)両面塗布装置100は、第1塗布装置20と第2塗布装置30により基材1の一側面Aと他側面Bの両面に連続的に塗布剤を塗布し、この両面に塗布剤が塗布された基材を単一の乾燥装置40による一工程で乾燥処理する。従って、両面塗布装置100の生産性を向上するとともに、両面塗布装置100の全長を短くし、設備コストも低減できる。
【0069】
(d)乾燥装置40を構成するフローティングドライヤ41において、最も入口41Aの側に配置される熱風吹出しノズル42が、基材1の一側面Aに向けて吹出した熱風により該基材1を第2塗布装置30の塗布バー31に押付ける。従って、基材1は、第2塗布装置30の塗布バー31に対して浮き上がり難く、該基材1の他側面Bを第2塗布装置30の塗布バー31の外周に安定的に接触して走行し、該塗布バー31の直上流側に形成される液溜まり2Jの一層の安定を維持するとともに、該塗布バー31による塗布剤の計量の安定を図り、第2塗布装置30による塗布品質をより向上するものになる。
【0070】
(e)上述(d)において、第2塗布装置30の塗布バー31から乾燥装置40の最も入口41Aの側に配置される熱風吹出しノズル42までの距離が、500mm以上2000mm以下の範囲内であるものとすることにより、第2塗布装置30の塗布バー31から乾燥装置40の入口41Aまでの間において基材1のためのサポートがないことによる、この間における基材1のタルミやバタツキの発生を一層好適に抑制することができる。
【0071】
(f)基材1が、フィルム厚みを5μm以上30μm以下の範囲内とする薄いポリエチレンフィルム又はポリプロピレンフィルムとするとき、或いは基材厚みを10μm以上30μm以下の範囲内とする不織布とするとき、乾燥装置40の内部でばたつく基材1の振動が第2塗布装置30に及び易くなることに起因する不都合を、上述(b)、(d)、(e)によって顕著に改善できる。
【0072】
(g)前記塗布剤が塗布された基材1が、リチウムイオン電池用セパレータを構成する多孔質プラスチックフィルムであるとき、或いはリチウムイオン電池用セパレータを構成する不織布であるとき、乾燥装置40の内部でばたつく基材1の振動が第2塗布装置30に及び易くなることに起因する不都合を、前述(b)、(d)、(e)によって顕著に改善できる。
【0073】
(h)上述(g)の基材1の走行速度を5m/min以上150m/min以下の範囲内とする。5m/min以上とすることにより、生産性を確保できる。150m/min以下とするととにより、走行速度の速すぎを回避し、基材1に形成される塗膜2Kの塗布スジ発生を抑制するとともに、膜厚調整が容易になる。
【0074】
(i)上述(g)の塗布剤の粘度を0.5mPa・s以上100mPa・s以下の範囲内とする。これにより、粘度の高すぎを回避し、基材1に形成される塗膜2Kの塗布スジ発生を抑制するとともに、膜厚調整が容易になる。
【0075】
(j)両面塗布装置100が、上述(g)の基材1の原反を巻出し、この基材1を第1塗布装置20、第2塗布装置30及び乾燥装置40に通過させて巻取るオフライン設備にて構成される。これにより、高品質の基材1を投入できるし、この基材1を低張力搬送にて走行させ、高品質のリチウムイオン電池用セパレータを生産できる。
【0076】
以上、本発明の実施例を図面により詳述したが、本発明の具体的な構成はこの実施例に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計の変更等があっても本発明に含まれる。
【産業上の利用可能性】
【0077】
本発明によれば、基材の両面に塗布剤を塗布する両面塗布方法及び装置の生産性及び塗布品質を向上することができる。
【符号の説明】
【0078】
1 基材
2 塗布剤
10 巻出し装置
20 第1塗布装置
30 第2塗布装置
31 塗布バー
40 乾燥装置
41 フローティングドライヤ
41A 入口
41B 出口
42 熱風吹出しノズル
50 巻取り装置
100 両面塗布装置
A 一側面
B 他側面
L 走行ライン
Z 塗布バーから熱風吹出しノズルまでの距離
【要約】
【課題】 基材の両面に塗布剤を塗布する両面塗布装置の生産性及び塗布品質を向上すること。
【解決手段】 両面塗布装置100であって、第1塗布装置20で塗布剤が塗布された基材の一側面Aと、第2塗布装置30で塗布剤が塗布された基材の他側面Bを、他の部材と接触することのない非接触状態で、それらの各塗布装置から乾燥装置40の出口41Bに渡って通過させるように構成され、第2塗布装置30は、基材の走行方向に向けて正転するとともに塗布剤を随伴する塗布バー31の外周に基材の他側面Bを接触させることにより、当該塗布剤を当該基材の他側面Bに所定厚みになるように計量して塗布するように構成されてなるもの。
【選択図】 図1
図1
図2
図3
図4