特許第6383531号(P6383531)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6383531
(24)【登録日】2018年8月10日
(45)【発行日】2018年8月29日
(54)【発明の名称】防護柵
(51)【国際特許分類】
   E01F 15/04 20060101AFI20180820BHJP
【FI】
   E01F15/04 B
【請求項の数】2
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2013-216676(P2013-216676)
(22)【出願日】2013年10月17日
(65)【公開番号】特開2015-78544(P2015-78544A)
(43)【公開日】2015年4月23日
【審査請求日】2016年9月26日
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】000002462
【氏名又は名称】積水樹脂株式会社
(72)【発明者】
【氏名】橋本 泰志
(72)【発明者】
【氏名】釜谷 隆広
【審査官】 荒井 良子
(56)【参考文献】
【文献】 特開2008−063852(JP,A)
【文献】 特開2011−038363(JP,A)
【文献】 特開2012−017611(JP,A)
【文献】 特開2007−247251(JP,A)
【文献】 実開昭63−136004(JP,U)
【文献】 特開昭60−026704(JP,A)
【文献】 実開昭60−050219(JP,U)
【文献】 特開2004−211406(JP,A)
【文献】 米国特許第05720470(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E01F 13/00−15/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
並んで立設された2つの主支柱と、
前記2つの主支柱の間に立設された中間支柱と、
前記2つの主支柱に架設され、固定されたビームと、
前記中間支柱の車道側の前面に取り付けられる中間ブラケットとを備え、
前記中間ブラケットは、前記2つの主支柱の間で前記ビームが単に載置されるとともに該ビームと締結されることなく該ビームの中央部を下支えするように支持する板状部を有することを特徴とする
防護柵。
【請求項2】
前記中間ブラケットの車道側の前端は、前記ビームの下方に位置し、前記ビームの下端から車道側に突出して位置すると共に、前記ビームの車道側の前端より前記中間支柱側に位置する
請求項1に記載の防護柵。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両用防護柵に関し、特にガードパイプの支柱への取り付け構造に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、道路を外れて車両が路外に進行することを抑えるために、道路(車道)に沿って車両用防護柵が設けられている。このような車両用防護柵としては、支柱の側面に波型の板材を取り付けて構成されるガードレール、及び支柱の側面に筒状のビームを取り付けて構成されるガードパイプ等がある。ガードパイプは、ガードレールと異なり棒状体より構成されるため、柵により遮蔽される領域が小さいという利点がある。従って、ガードパイプを歩道及び車道の境界(歩車道境界)に設けた場合には、歩道の視認性を高め、高確率で歩道から車道への人等の飛び出しに対応することが可能となる。
【0003】
このようなガードパイプでは、ビームはブラケット(継手金具)を介して支柱の車道側の前面に取り付けられる。このようなブラケットを利用した車両用防護柵を開示する文献としては、例えば特許文献1等に記載のものがある。特許文献1の車両用防護柵においては、支柱の前面に筒形断面形状のブラケットが固定され、このブラケットに円筒状のインナースリーブの中央部が取り付けられ、さらにインナースリーブの両端部にビームの端部が外嵌・固定されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第3998210号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、特許文献1等に記載の従来の防護柵では、積雪等によりビームに上方からの大きな荷重がかかった場合、ブラケットの変形や破損が発生するという問題がある。そして、このようなブラケットの変形や破損は、ビームの長さが長くなるに従って発生し易くなる。
【0006】
このような問題に対しては、通常のインナースリーブを支持する主支柱及び主ブラケットとは別に、隣り合う主支柱の間に、中間支柱及び中間ブラケットを設けることが考えられる。つまり、複数のビームの連結部分、つまりインナースリーブの中央部でなく、ビームの例えば長手方向の中央部を支持する中間支柱及び中間ブラケットを設け、ビーム上方からの荷重の一部を中間支柱及び中間ブラケットに負担させることが考えられる。
【0007】
しかしながら、ビームが架設された既設の主支柱に対して後追いで中間支柱を設ける場合には、中間ブラケットとして筒形断面形状のブラケットを用いると、ビームを主支柱から取り外した後、取り外したパイプを中間ブラケットに挿入する必要がある。従って、中間支柱及び中間ブラケットの設置に手間を要する。
そこで、本発明は、かかる問題点に鑑み、主ブラケットの変形や破損の発生を容易に抑えることが可能な防護柵を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、本発明の一態様に係る防護柵は、並んで立設された2つの主支柱と、前記2つの主支柱の間に立設された中間支柱と、前記2つの主支柱に架設され、固定されたビームと、前記中間支柱の車道側の前面に取り付けられる中間ブラケットとを備え、前記中間ブラケットは、前記2つの主支柱の間で前記ビームが単に載置されるとともに該ビームと締結されることなく該ビームの中央部を下支えするように支持する板状部を有することを特徴とする。
【0009】
ここで、前記中間ブラケットの車道側の前端は、前記ビームの下方に位置し、前記ビームの下端から車道側に突出して位置すると共に、前記ビームの車道側の前端より前記中間支柱側に位置してもよい。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、主ブラケットの変形や破損の発生を容易に抑えることが可能な防護柵を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明の実施形態に係る防護柵の構成を示す正面図である。
図2】本発明の実施形態に係る防護柵の構成を示す平面図である。
図3】本発明の実施形態に係る防護柵の構成を示す断面図である。
図4】本発明の実施形態に係る防護柵の構成を示す断面図である。
図5】本発明の実施形態に係る防護柵の上段中間ブラケットの支持部の構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の実施形態について、図面を用いて詳細に説明する。
まず、本発明の実施形態に係る防護柵100の全体構成について、図1〜4を用いて説明する。
【0013】
図1は、本実施形態に係る防護柵100の構成を示す正面図である。図2は、本実施形態に係る防護柵100の構成を示す平面図である。図3は、本実施形態に係る防護柵100の構成を示す断面図(図1のAA’線における断面図)である。図4は、本実施形態に係る防護柵100の構成を示す断面図(図1のBB’線における断面図)である。
【0014】
なお、図1は主支柱10の前方から見たときの防護柵100の正面図であり、図2は主支柱10の上方から見たときの防護柵100の平面図であり、図3及び図4は上段ビーム40a及び40b並びに下段ビーム30a及び30bの延設方向から見た防護柵100の断面図である。
【0015】
防護柵100は、車道に沿って設けられた複数の主支柱10と、これら複数の主支柱10の間に設けられた中間支柱20と、主支柱10の車道側の側面(前面)に取り付けられた下段主ブラケット11及び上段主ブラケット12と、中間支柱20の前面に取り付けられた下段中間ブラケット21及び上段中間ブラケット22とを備えている。
【0016】
防護柵100は、さらに、下段主ブラケット11に保持された下段インナースリーブ60と、この下段インナースリーブ60の両端部に外嵌・固定され、略同一方向(図1図4の延設方向)に延設された筒状の下段ビーム30a及び30bとを備えている。
【0017】
防護柵100は、さらに、上段主ブラケット12に保持された上段インナースリーブ70と、この上段インナースリーブ70の両端部に外嵌・固定され、略同一方向(図1図4の延設方向)に延設された筒状の上段ビーム40a及び40bとを備えている。
【0018】
下段インナースリーブ60の外径は下段ビーム30a及び30bの内径より小さくされ、上段インナースリーブ70の外径は上段ビーム40a及び40bの内径より小さくされている。
【0019】
主支柱10及び中間支柱20は、共に地面に垂直方向に延設されており、略同じ高さを持っている。そして、下段主ブラケット11及び下段中間ブラケット21は主支柱10及び中間支柱20の略同じ高さ位置に取り付けられており、上段主ブラケット12及び上段中間ブラケット22も主支柱10及び中間支柱20の略同じ高さ位置に取り付けられている。
【0020】
下段主ブラケット11は、下段ビーム30a及び30bを主支柱10の前面に取り付けるための取付金具であり、主支柱10及び下段主ブラケット11を前後方向に貫通するように配置されたボルトにより、主支柱10の前面に固定されている。下段主ブラケット11は、下段インナースリーブ60の中央部及び下段主ブラケット11を垂直方向に貫通するように配置されたボルトにより、下段インナースリーブ60の中央部に固定されている。そして、下段インナースリーブ60の両端部は、下段インナースリーブ60の両端部並びに下段ビーム30a及び30bを垂直方向に貫通するように配置されたボルトにより、下段ビーム30a及び30bに固定されている。これにより、下段ビーム30a及び30bの両端部は、下段主ブラケット11及び下段インナースリーブ60を介して主支柱10の前面に固定されている。
【0021】
下段主ブラケット11は、板材を折り曲げて形成された取付金具であり、主支柱10の前面に取り付けられる垂直方向に延びる縦壁部11bと、この縦壁部11bの上下両端から前方に突設され、下段インナースリーブ60が内挿されて保持される保持部11cとを備えている。
【0022】
縦壁部11bは、主支柱10及び縦壁部11bを前後方向に貫通するように配置されたボルトにより、主支柱10に固定されている。保持部11cは、下段インナースリーブ60及び保持部11cを垂直方向に貫通するように配置されたボルト等の締結具により、下段インナースリーブ60に締結されて固定されている。
【0023】
上段主ブラケット12は、上段ビーム40a及び40bを主支柱10の上端に取り付けるための取付金具であり、主支柱10の上方から上端の開口に挿入されている。上段主ブラケット12は、上段インナースリーブ70の中央部及び上段主ブラケット12を垂直方向に貫通するように配置されたボルトにより、上段インナースリーブ70の中央部に固定されている。そして、上段インナースリーブ70の両端部は、上段インナースリーブ70の両端部並びに上段ビーム40a及び40bを垂直方向に貫通するように配置されたボルトにより、上段ビーム40a及び40bに固定されている。これにより、上段ビーム40a及び40bの両端部は、上段主ブラケット12及び上段インナースリーブ70を介して主支柱10の上端に固定されている。
【0024】
上段主ブラケット12は、主支柱10の上端に被せられ、下部が略円筒形状となされた支柱キャップ12bと、支柱キャップ12bの前面に固定された保持部12cとから構成されている。
【0025】
支柱キャップ12bは、その上端が主支柱10の前面側から背面(車道と反対側の側面)側に向けて片流れ状に下方に傾斜する平坦な傾斜面となされて、その上部は側面視略三角形状となされている。支柱キャップ12bの下部の外周面には凹溝が全周にわたって形成され、この凹溝内には合成樹脂に球形のガラスビーズが間隔をおいて配置された帯状の反射体が巻回されている。この支柱キャップ12bの凹溝の下部には主支柱10の上端の開口内に挿入される挿入部が突設されている。支柱キャップ12bは、主支柱10及び支柱キャップ12bを前後方向に貫通するように配置されたボルトにより主支柱10に固定されている。
【0026】
保持部12cは、支柱キャップ12bの前面に当接される縦長の当接板部と、この当接板部の両側端から主支柱10の前方斜め上に向けて突設された縦板部と、この縦板部間に横方向に差し渡されて、上段インナースリーブ70が内側に挿入される短筒状部とを有している。短筒状部は、上段インナースリーブ70及び短筒状部を垂直方向に貫通するように配置されたボルト等の締結具により、上段インナースリーブ70に締結されて固定されている。
【0027】
下段中間ブラケット21は、下段ビーム30aの延設方向の中央部を中間支柱20に支持させるための支持金具であり、中間支柱20の前面にボルトで固定されている。これにより、下段ビーム30aの延設方向の中央部は、下段中間ブラケット21を介して中間支柱20に下支えするように支持されている。このとき、下段ビーム30aは、下段中間ブラケット21に対して下段主ブラケット11のようにボルトで連結されておらず、ボルトレスで単に下段中間ブラケット21で支持されている。従って、下段ビーム30aは、主支柱10にはボルト及びブラケットを介して固定されるが、中間支柱20にはボルト及びブラケットを介して固定されない。
【0028】
下段中間ブラケット21は、板材を折り曲げて形成されたL字状の支持金具であり、中間支柱20の前面に取り付けられる垂直方向に延びる縦壁部21bと、この縦壁部21bの上端から前方に突設された板状部21cとを備え、板状部21cの表面に下段ビーム30aの延設方向の中央部がボルト、リベット、ピン及びバンド金具等の締結具によって締結されることなく単に載置された状態で支持されている。
【0029】
縦壁部21bは、中間支柱20及び縦壁部21bを前後方向に貫通するように配置されたボルトにより、中間支柱20に固定されている。板状部21cは、板状部21cつまり下段中間ブラケット21が下段ビーム30aの下方から車道側に突き出ないように、その前端24が下段ビーム30aの下端32より前方に位置するが下段ビーム30aの前端31より後方に位置するように設けられている。
【0030】
上段中間ブラケット22は、上段ビーム40aの延設方向の中央部を中間支柱20の上端に支持させるための支持金具であり、中間支柱20の上端に取り付けられている。これにより、上段ビーム40aの延設方向の中央部は、上段中間ブラケット22を介して中間支柱20に下支えするように支持されている。このとき、上段ビーム40aは、上段中間ブラケット22に対して上段主ブラケット12のようにボルトで連結されておらず、ボルトレスで単に上段中間ブラケット22で支持されている。従って、上段ビーム40aは、主支柱10にはボルト及びブラケットを介して固定されるが、中間支柱20にはボルト及びブラケットを介して固定されない。
【0031】
上段中間ブラケット22は、中間支柱20の上端に被せられ、下部が略円筒形状となされた支柱キャップ22bと、支柱キャップ22bの前面に固定された支持部22cとから構成されている。
【0032】
支柱キャップ22bは、その上端が中間支柱20の前面側から背面側に向けて片流れ状に下方に傾斜する平坦な傾斜面となされて、その上部は側面視略三角形状となされている。支柱キャップ22bの下部の外周面には凹溝が全周にわたって形成され、この凹溝内には合成樹脂に球形のガラスビーズが間隔をおいて配置された帯状の反射体が巻回されている。この支柱キャップ22bの凹溝の下部には中間支柱20の上端の開口内に挿入される挿入部が突設されている。支柱キャップ22bは、中間支柱20及び支柱キャップ22bを前後方向に貫通するように配置されたボルトにより中間支柱20に固定されている。
次に、本発明の実施形態に係る上段中間ブラケット22の支持部22cの詳細な構成について、図4及び図5を用いて説明する。
図5は、本実施形態に係る上段中間ブラケット22の支持部22cの構成を示す図である。
【0033】
なお、図5において、(a)は支持部22cの正面図、(b)は支持部22cの左面図、(c)は支持部22cの右側面、(d)は支持部22cの背面図、(e)は支持部22cの上面図、(f)は支持部22cの下面図を示している。
【0034】
支持部22cは、支柱キャップ22bの前面に当接される縦長の当接板部53と、この当接板部53の両側端から中間支柱20の前方斜め上に向けて突設された縦板部52と、この縦板部52間に横方向に差し渡された板状部51とを有し、板状部51の表面に上段ビーム40aの延設方向の中央部がボルト、リベット、ピン及びバンド金具等の締結具によって締結されることなく単に載置された状態で支持されている。
【0035】
板状部51は、前後方向において下方に突出するように折り曲げられており、上段ビーム40aの外周面に沿った円弧形状を上段ビーム40aの載置面に有している。板状部51は、板状部51つまり上段中間ブラケット22が上段ビーム40aの下方から車道側に突き出ないように、その前端25が上段ビーム40aの下端42より前方つまり車道側に位置するが上段ビーム40aの前端41より後方つまり中間支柱20側に位置するように設けられている。
【0036】
上記構成を有する防護柵100の設置において、まず主支柱10が設置された後、下段ビーム30a及び30b並びに上段ビーム40a及び40bが下段インナースリーブ60、上段インナースリーブ70、下段主ブラケット11及び上段主ブラケット12を介して主支柱10に固定される。その後、主支柱10の間に中間支柱20が設置された後、下段ビーム30aが中間支柱20に下段中間ブラケット21を介して支持され、上段ビーム40aが中間支柱20に上段中間ブラケット22を介して支持される。なお、下段中間ブラケット21及び上段中間ブラケット22は、中間支柱20が設置された後に中間支柱20に取り付けられてもよいし、中間支柱20が設置される前に中間支柱20に取り付けられていてもよい。
【0037】
以上のように本実施形態の防護柵100は、並んで立設された2つの主支柱10と、2つの主支柱10の間に立設された中間支柱20と、2つの主支柱10に架設され、固定された上段ビーム40a及び下段ビーム30aとを備える。防護柵100は、さらに、中間支柱20の車道側の前面に取り付けられ、上段ビーム40aを締結することなく支持する上段中間ブラケット22と、中間支柱20の車道側の前面に取り付けられ、下段ビーム30aを支持する下段中間ブラケット21とを備える。
【0038】
このような構成により、上段ビーム40a上方からの荷重の一部を中間支柱20及び上段中間ブラケット22に負担させ、下段ビーム30a上方からの荷重の一部を中間支柱20及び下段中間ブラケット21に負担させることができる。その結果、上段主ブラケット12及び下段主ブラケット11の変形や破損の発生を抑えることができる。
【0039】
このとき、既設の主支柱10に対して後追いで中間支柱20を設ける場合でも、上段ビーム40aを上段中間ブラケット22に支持させるだけで良く、上段ビーム40aを主支柱10から取り外す必要も、上段中間ブラケット22にボルトで固定する必要もない。同様に、下段ビーム30aを下段中間ブラケット21に支持させるだけで良く、下段ビーム30aを主支柱10から取り外す必要も、下段中間ブラケット21にボルトで固定する必要もない。従って、中間支柱20、上段中間ブラケット22及び下段中間ブラケット21の設置を容易に行うことができる。
【0040】
また、本実施形態の防護柵100では、上段中間ブラケット22の車道側の前端25は、上段ビーム40aの下方に位置し、上段ビーム40aの下端42から車道側に突出して位置すると共に、上段ビーム40aの車道側の前端41より中間支柱20側に位置する。同様に、下段中間ブラケット21の車道側の前端24は、下段ビーム30aの下方に位置し、下段ビーム30aの下端32から車道側に突出して位置すると共に、下段ビーム30aの車道側の前端31より中間支柱20側に位置する。
【0041】
このような構成により、上段中間ブラケット22はその前端25が上段ビーム40aの前端41より後側に位置するので、上段中間ブラケット22の車道側への突出を抑えることができる。同様に、下段中間ブラケット21はその前端24が下段ビーム30aの前端31より後側に位置するので、下段中間ブラケット21の車道側への突出を抑えることができる。その結果、上段中間ブラケット22及び下段中間ブラケット21で自動車が傷付くのを抑えることができる。また、自動車の金属片等が上段中間ブラケット22及び下段中間ブラケット21に付着し、その付着した金属片が歩道側の自転車又はその運転手に触れて事故が発生するのを抑えることができる。
【0042】
以上、本発明の防護柵について、実施形態に基づいて説明したが、本発明は、この実施形態に限定されるものではない。本発明の要旨を逸脱しない範囲内で当業者が思いつく各種変形を施したものも本発明の範囲内に含まれる。
【産業上の利用可能性】
【0043】
本発明は、車両用防護柵、特にガードパイプ等において広く利用することができる。
【符号の説明】
【0044】
10 主支柱
11 下段主ブラケット
11b、21b 縦壁部
11c、12c 保持部
12 上段主ブラケット
12b、22b 支柱キャップ
20 中間支柱
21 下段中間ブラケット
21c、51 板状部
22 上段中間ブラケット
22c 支持部
24、25、31、41 前端
30a、30b 下段ビーム
32、42 下端
40a、40b 上段ビーム
52 縦板部
53 当接板部
60 下段インナースリーブ
70 上段インナースリーブ
100 防護柵
図1
図2
図3
図4
図5