特許第6383535号(P6383535)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6383535
(24)【登録日】2018年8月10日
(45)【発行日】2018年8月29日
(54)【発明の名称】包装シート及び棒状包装飯塊
(51)【国際特許分類】
   A23L 7/10 20160101AFI20180820BHJP
   B65D 85/50 20060101ALI20180820BHJP
   B65D 65/10 20060101ALI20180820BHJP
   B65D 65/28 20060101ALI20180820BHJP
【FI】
   A23L7/10 F
   B65D85/50 140
   B65D65/10 A
   B65D65/28
【請求項の数】4
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2013-245052(P2013-245052)
(22)【出願日】2013年11月27日
(65)【公開番号】特開2015-100330(P2015-100330A)
(43)【公開日】2015年6月4日
【審査請求日】2016年11月4日
(73)【特許権者】
【識別番号】591154751
【氏名又は名称】鈴木 允
(73)【特許権者】
【識別番号】598157096
【氏名又は名称】鈴木 栄一
(74)【代理人】
【識別番号】100066728
【弁理士】
【氏名又は名称】丸山 敏之
(74)【代理人】
【識別番号】100141841
【弁理士】
【氏名又は名称】久徳 高寛
(74)【代理人】
【識別番号】100119596
【弁理士】
【氏名又は名称】長塚 俊也
(74)【代理人】
【識別番号】100100099
【弁理士】
【氏名又は名称】宮野 孝雄
(74)【代理人】
【識別番号】100100114
【弁理士】
【氏名又は名称】西岡 伸泰
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 允
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 栄一
【審査官】 上村 直子
(56)【参考文献】
【文献】 特開2012−090621(JP,A)
【文献】 特開2002−345420(JP,A)
【文献】 特開平10−045160(JP,A)
【文献】 特開2011−246145(JP,A)
【文献】 登録実用新案第3174938(JP,U)
【文献】 特開2006−333709(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A23L 7/00−7/25
B65D 65/00−65/46
B65D 85/50
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
棒状飯塊の周面と端面を包装する包装シートであって、
長手方向を前記棒状飯塊の前記周面に巻き付けて、前記棒状飯塊の前記面を矩形のシート本体と、
前記シート本体に対し、前記シート本体の幅方向端縁より内熱溶着され、前記シート本体から幅方向にはみ出したはみ出し部を有し、前記はみ出し部が包装状態において前記棒状飯塊の前記端面を覆い、先端が前記棒状飯塊の前記周面に被さる被せフィルムと
を具え、
前記被せフィルムは、前記はみ出し部の前記端を折り曲げて二重に構成される垂れ止めを具える、
ことを特徴とする包装シート。
【請求項2】
前記垂れ止めは、前記はみ出し部の前記先端を折り曲げて二重とし、重なった被せフィルムどうしを熱溶着することで、環状に形成される、
請求項1に記載の包装シート。
【請求項3】
前記シート本体は、矩形の外フィルムと内フィルムとの間にシート状食品を挟み、前記外フィルムと前記内フィルムを前記シート状食品の周縁にて熱溶着して形成される、
請求項1又は請求項2に記載の包装シート。
【請求項4】
請求項1乃至請求項3の何れかに記載の包装シートによって棒状飯塊を包装してなる棒状包装飯塊であって、
前記垂れ止めが前記棒状飯塊の前記面と当接するように、前記はみ出し部を折り返して前記棒状飯塊の前記面を覆い、前記シート本体を前記棒状飯塊の前記周面に巻き付けて包装される、
ことを特徴とする棒状包装飯塊。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、棒状飯塊を包装する包装シート及び棒状飯塊を包装シートで包装した棒状包装飯塊に関するものである
【背景技術】
【0002】
棒状の飯塊を包装シートで包装してなる棒状包装飯塊が知られている。
出願人は、外フィルム、海苔などのシート状食品及び内フィルムからなるシート本体と、シート本体の側縁から突設され棒状飯塊の端面を覆う被せフィルムからなる包装シートを提案している(例えば、特許文献1参照)。
棒状飯塊は、内フィルムの長手方向に略直交するように載せ、被せフィルムで棒状飯塊の端面を覆い、シート本体を巻き付けることで包装される。
【0003】
棒状包装飯塊は、販売等の際に陳列台に横置きして陳列されている。しかしながら、横置きすると、陳列スペースに限りがあるから棒状包装飯塊どうしを積み重ねざるを得ず、下側の棒状包装飯塊が押されて変形したり、棒状包装飯塊を取ろうとしたときに崩れてしまうことがある。また、陳列台が濡れている場合には、シート状食品が湿ってしまうことがある。
【0004】
そこで、棒状包装飯塊を陳列の際に縦置きとすることが望まれる。これにより、上記問題を解決できると共に、棒状飯塊に入れられた具材を視認することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】実用新案登録第3174938号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、棒状包装飯塊を縦置きすると、棒状飯塊が下方に垂れてしまう。棒状飯塊が垂れると、見栄えが悪いだけでなく、包装を解く際にシート状食品が上手く棒状飯塊に被さらなくなることがある。
【0007】
本発明の目的は、縦置きしたときに、棒状飯塊が垂れ難い包装シート及びこの包装シートで棒状飯塊を包装してなる棒状包装飯塊を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、本発明の包装シートは、
棒状飯塊7の周面73を包み、矩形のフィルムを含むシート本体11と、
前記シート本体11の側端縁より幅方向内側に熱溶着44され、前記棒状飯塊7の端面を覆う被せフィルム4と、
を具えた包装シートであって、
前記被せフィルム4の先端には、前記被せフィルム4を折り曲げて構成される垂れ止め43を具える。
【0009】
前記垂れ止め43は、前記被せフィルム4の先端を折り曲げ、重なった被せフィルム4どうしを熱溶着44することで、環状に形成されることが望ましい。
【0010】
前記シート本体11は、矩形の外フィルム2と内フィルム3との間にシート状食品5を挟み、前記外フィルム2と前記内フィルム3を前記シート状食品5の周縁にて熱溶着して形成することができる。
【0011】
また、本発明の棒状包装飯塊は、
上記記載の包装シート1によって棒状飯塊7を包装してなる棒状包装飯塊であって、
前記垂れ止め43が前記棒状飯塊7の周面73と当接するように、前記被せフィルム4で前記棒状飯塊7の端面72,74を覆い、前記シート本体11を前記棒状飯塊7に巻き付けて包装される。
【発明の効果】
【0012】
本発明の包装シート1は、被せフィルム4の先端の垂れ止め43は、折り曲げることで二重となっているので、分厚く構成される。従って、この包装シート1で棒状飯塊7を包装すると、垂れ止め43が棒状飯塊7の周面73に緊密に当接する。従って、本発明の包装シート1により包装した棒状包装飯塊8は、棒状包装飯塊8を縦置きしても、棒状飯塊7が下方に垂れてしまうことを防ぐことができ、棒状包装飯塊8の見栄えを維持できる。また、包装を解く際にも棒状飯塊7が垂れていないので、シート本体11にシート状食品5を含む場合には、上手くシート状食品5を棒状飯塊7に巻き付けることができる。
【0013】
また、垂れ止め43を熱溶着して環状とすることで、折り曲げた部分に空気が入り、垂れ止め43にさらに厚みを持たせることができるから、棒状飯塊7への密着性を高めることができ、棒状飯塊7の垂れをより効果的に防ぐことができる。
【0014】
本発明の包装シート1は、被せフィルム4の先端を折り曲げているだけで、棒状飯塊7の端面72,74に当たる被せフィルム4は二重にはなっていないので、棒状包装飯塊8を端面72,74側から見たときに、棒状飯塊7の具材等の視認性を阻害することはない。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1図1は、本発明の一実施形態に係る包装シートを内フィルム側から見た分解斜視図である。
図2図2は、内フィルムと被せフィルムを溶着した状態を示す斜視図である。
図3図3は、本発明の一実施形態に係る包装シートに棒状飯塊を載せた状態を示す斜視図である。
図4図4は、図3の線A−Aに沿う包装シートの断面図である。
図5図5は、本発明の一実施形態に係る包装シートで棒状飯塊を包装してなる棒状包装飯塊を縦置きした状態を示す側面図である。
図6図6は、図5の線C−Cに沿う棒状包装飯塊の断面図である。
図7図7は、包装シートを展開している状態を示す斜視図である。
図8図8は、図7の後、一方の包装シートを引っ張ってシート状食品の一部を露出させた状態の斜視図である。
図9図9は、図8の後、残る包装シートを引っ張り、シート状食品を棒状飯塊に巻き付けている状態を示す斜視図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
本発明は、棒状包装飯塊8を縦置きしたときに、棒状飯塊7が包装シート1から垂れ落ちることを防止できるようにしたものである。
以下、本発明の一実施形態について図面を参照しながら説明する。
【0017】
本発明の包装シート1は、図1に示すように、外フィルム2と内フィルム3との間に、シート状食品5を挟んで構成されたシート本体11、棒状飯塊7(図4参照)の端面72,74を覆う被せフィルム4を熱溶着して構成される。なお、本実施形態においては、シート本体11は、外フィルム2、シート状食品5及び内フィルム3から構成しているが、シート状食品5が不要である場合には、外フィルム2のみとしてもよい。
【0018】
外フィルム2は、図1に示すように矩形のフィルムを例示できる。外フィルム2は、長手方向に対して直交する幅方向に、外フィルム2を幅方向に沿って分断することのできる分断可能部21が形成されている。分断可能部21として、ミシン目の如き断続的な切条23を形成したもの、外フィルム2の内面(シート状食品5側)にカットテープを貼着や熱溶着したもの、幅方向に容易に切断できる方向性フィルムを用いたものなどを例示することができる。なお、分断可能部21として、ミシン目の如き断続的な切条23を採用する場合、図1に示すように、切条23から湿気や異物が混入することを防ぐために、切条を覆う細幅のフィルム24を分断可能部21に沿って熱溶着等しておくことが望ましい。
【0019】
シート状食品5は、海苔を例示でき、その他、シート状に形成された昆布やおぼろ昆布、鯣など、薄手の食品であれば特に限定されるものではない。
【0020】
シート状食品5は、後述するとおり、外フィルム2と内フィルム3とを熱溶着35したときに、その熱溶着35よりも内側に配置される大きさに形成される。より具体的には、シート状食品5の幅は、棒状飯塊7の長さと略一致し、その長さは、少なくとも棒状飯塊7を一周する。図示の実施形態では、シート状食品5は10cmの幅である。
【0021】
内フィルム3は、矩形の2枚のフィルム片31,32から構成することができ、外フィルム2の分断可能部21の上で重なるように形成される。なお、内フィルムのフィルム片31,32どうしの重なり部分は単に重なっているだけでもよいし、簡単に剥離するようスポット的に熱溶着を施してもよい。また、内フィルム3は、1枚のフィルムから構成し、外フィルム2の分断可能部21と重なる位置にミシン目の如き断続的な切条を形成し、分断可能となったものであってもよい。なお、ミシン目の如き断続的な切条を採用する場合、切条から湿気や異物が混入することを防ぐために、切条を覆う細幅のフィルムを切条に沿って熱溶着等しておくことが望ましい
【0022】
本実施例では、内フィルム3を構成するフィルム片31,32は、外フィルム2の分断可能部21上で重なり部を有すると共に、重ねた状態でフィルム片31,32は、長さ方向の端縁が外フィルム2の端縁に略一致するよう形成している。
【0023】
被せフィルム4は、図1乃至図3に示すように、内フィルム3の側端縁よりも幅方向内側に熱溶着46され、内フィルム3から幅方向にはみ出したはみ出し部42,42を有している。はみ出し部42,42の先端は、折り曲げられて垂れ止め43,43を形成している。垂れ止め43の折り曲げ方向は内外の何れでも構わない。なお、図示では、はみ出し部42,42の両方に垂れ止め43,43を形成しているが、棒状包装飯塊8を縦置きにする向きが決まっている場合には、下側となるはみ出し部42にのみ垂れ止め43を形成すればよい。
【0024】
はみ出し部42,42は、棒状飯塊7を包装したときに、棒状飯塊7の端面72,74を覆い、垂れ止め43,43が、棒状飯塊7の周面73まで届く大きさとする。
【0025】
垂れ止め43は、図1乃至図4に示すように、はみ出し部42を折り曲げた後、重なった部分を熱溶着44し、環状に形成することが望ましい。これにより、垂れ止め43の内部に空気が入り、垂れ止め43に厚みを持たせることができる。熱溶着44は、空気の漏れを抑えるために線溶着とすることが好適であるが、1又は複数の点溶着であってもよい。また、熱溶着44に代えて、接着等しても構わない。
【0026】
被せフィルム4は、図2及び図3に示すように、棒状飯塊7への巻き始め端12となる内フィルム3のフィルム片31に予め熱溶着46,46により接合することができる。熱溶着46,46は、図示の例では線溶着であるが、1又は複数の点溶着であってもよい。
【0027】
予め内フィルム3と被せフィルム4を熱溶着46,46する場合、これらの間隔は、シート状食品5の幅や棒状飯塊7の長さよりも短くする。これは、外フィルム2と内フィルム3を次工程にて熱溶着35する際に、熱溶着46と熱溶着35が重ならないようにするためである。
【0028】
次工程において、被せフィルム4を熱溶着35によって外フィルム2及び内フィルム3と一体に熱溶着35する場合には、熱溶着46,46は省略できる。しかしながら、この場合であっても、予め被せフィルム4を内フィルム3に熱溶着46しておくことで、被せフィルム4を内フィルム3と一体に扱うことができる利点がある。
【0029】
図示の実施形態では、被せフィルム4は、1枚のフィルムから形成しているが、被せフィルム4は2枚のフィルムから構成することもできる。この場合、夫々の被せフィルム4は、はみ出し部42,42の先端に垂れ止め43が位置するように内フィルム3に熱溶着46すればよい。
【0030】
被せフィルム4を接合した内フィルム3(図2)と、外フィルム2の内側にシート状食品5を載置し、図3及び図4に示すように、シート状食品5の周縁に沿って、外フィルム2と内フィルム3とを連続的に又は断続的に熱溶着35等により接合する。本実施形態においては、熱溶着35は、被せフィルム4にも施している。
【0031】
接合された外フィルム2の長手方向端部には、図3に示すように、巻き始め端12とは逆側の巻き終わり端14に、包装後に包装シート1を止着するシール部材6が貼着される。シール部材6は、外フィルム2と対向する面に糊などの接着剤が塗布されており、外フィルム2の長手方向端部から一部がはみ出すように外フィルム2に貼着される。なお、シール部材6は、棒状飯塊7を包装した後に貼着するようにしてもよい。
【0032】
なお、本実施形態では、図3に示すように、シール部材6には、ミシン目の如き断続的な2条の切条64,64を形成し、これら切条64,64間の切取り部66を切り離して、シール部材6を分断できるようにしている。なお、切取り部66には接着剤を塗布しなくても構わない。
【0033】
棒状飯塊7は、白米の塊、具材78を巻いたもの、かやくご飯などを棒状に固めたものであり、図示の実施例では周面73を断面略円形としている。棒状飯塊7は、三角柱状や四角柱状、楕円柱状等であってもよい。
【0034】
上記構成の包装シート1により、棒状飯塊7は包装される。
【0035】
より詳細には、図3に示すように、内フィルム3側を上向きにして、巻き始め端12側の端部近傍に棒状飯塊7を載せる。なお、被せフィルム4が内フィルム3を幅方向に横断するように形成されている場合には、被せフィルム4の上に棒状飯塊7を載せることとなる。
【0036】
次に、被せフィルム4は、図3中矢印Bで示すように、はみ出し部42,42が、棒状飯塊7の端面72,74を覆い、先端の垂れ止め43,43が棒状飯塊7の周面73に被さるように折り返す。
【0037】
被せフィルム4は、棒状飯塊7の端面72,74よりも内側で内フィルム3のみに熱溶着46、すなわち、被せフィルム4に熱溶着35を施さない構成にすると、はみ出し部42,42は外フィルム2を引っ張ることはなく、また、被せフィルム4のはみ出し部42,42により棒状飯塊7の端面72,74を包んだときの皺を発生し難くすることができる。
【0038】
この後、包装シート1を棒状飯塊7の周面73に巻き付ける。包装シート1を棒状飯塊7に巻き付けた後、巻き終わり端14を包装シート1にシール部材6で止着する。
【0039】
上記によって、棒状飯塊7は、図5及び図6に示すように、包装シート1により包装されて、棒状包装飯塊8を得ることができる。
【0040】
得られた棒状包装飯塊8は、断面図6に示すように、垂れ止め43,43が棒状飯塊7の周面73と巻き付けられた包装シート1(本実施形態では内フィルム3)によって挟まれた状態となる。垂れ止め43,43は、被せフィルム4を二重に構成しているから、はみ出し部42,42の他の部分よりも厚みを持っているから、棒状飯塊7と包装シート1との間でずれ難くできる。
【0041】
特に、垂れ止め43を熱溶着44により環状に形成した場合には、垂れ止め43の内部に空気が入り、さらに厚みを持たせることができるから、ずれ止めの効果がさらに高くなる。
【0042】
上記包装シート1によって包装された棒状包装飯塊8を、図5及び図6に示すように縦置きすると、棒状飯塊7は重力によって下方に移動しようとする。しかしながら、図6に示すように、棒状飯塊7の端面(本実施形態では下側の端面72)は、被せフィルム4のはみ出し部42によって覆われており、はみ出し部42は、先端に形成された垂れ止め43が、棒状飯塊7と包装シート1との間にずれることなく挟まれている。このため、棒状飯塊7が下方に垂れてしまうことを防止できる。
【0043】
なお、被せフィルム4を内フィルム3に熱溶着35している場合には、棒状飯塊7の端面72,74近傍で被せフィルム4が浮いてしまうことがないので、棒状飯塊7は被せフィルム4から滑り難く、より効果的に棒状飯塊7の垂れを防止できる。
【0044】
棒状包装飯塊8を縦置きできることで、棒状包装飯塊8を手に取らずとも上から視認することで具材78を確認できる。また、縦置きできることで、陳列台と接触するのは、包装シート1の端縁だけとなる。従って、横置きで陳列する場合に比べて、陳列台との接触面積を小さくすることができ、また、陳列台が濡れていても、シート状食品5は、陳列台から離れているから、湿ってしまうこともなく、衛生面でもすぐれる。
【0045】
上記のように垂れ止め43を設けた本発明の棒状包装飯塊8と、垂れ止めの形成されてない包装シートを採用した棒状包装飯塊(比較例)を共に載置台に縦置きしたところ、比較例は数時間ではみ出し部が棒状飯塊7に押されてずれ始め、その後、棒状飯塊7は載置台に接触するまで垂れていた。
【0046】
一方、本発明の棒状包装飯塊8は、数日間縦置きしても棒状飯塊7は垂れることはなかった。従って、上記した効果を長期に亘って維持できる。
【0047】
上記棒状包装飯塊8の包装を解くには、まず、シール部材6の切取り部66の端部を摘んで引っ張り、シール部材6を分断する。そして、図7に示すように、包装シート1を巻き終わり端14側から展開する。
【0048】
包装シート1を展開した後、巻き始め端12側の包装シート1を棒状飯塊7を掴むように外側から握り、図8に示すように、巻き終わり端14側の包装シート1を図中矢印αで示すように引っ張ると、包装シート1は、巻き終わり端14側の既に分断された外フィルム2とこれに熱溶着35された内フィルム3のフィルム片32が一緒に引き出されて、シート状食品5の略半分が露出する。
【0049】
その次に、露出したシート状食品5の上に棒状飯塊7を転がし、シート状食品5の上から棒状飯塊7を掴みつつ、図9中矢印βで示すように残りの外フィルム2と内フィルム3のフィルム片31を引っ張ることで、シート状食品5が完全に包装シート1から引き出される。その後、シート状食品5を棒状飯塊7に巻き付ければよい。棒状飯塊7は、垂れ止め43により垂れることなく維持されているから、シート状食品5を巻き付けるときにも、シート状食品5が棒状飯塊7に対してずれて巻き付けられることも防止できる。
【0050】
上記説明は、本発明を説明するためのものであって、特許請求の範囲に記載の発明を限定し、或いは範囲を限縮するように介すべきではない。また、本発明の各部構成は、上記実施例に限らず、特許請求の範囲に記載の技術的範囲内で種々の変形が可能であることは勿論である。
【0051】
なお、上記実施形態における包装シート1の構成は一例であり、たとえば、分断可能部21の構成や位置、展開方法などは上記実施形態に限定されるものでないことは勿論である。
【0052】
また、外フィルム2、内フィルム3、被せフィルム4は、透明フィルム、着色フィルム、エンボス加工を施したフィルムなど種々選択することができる。
【符号の説明】
【0053】
1 包装シート
11 シート本体
2 外フィルム
3 内フィルム
4 被せフィルム
42 はみ出し部
43 垂れ止め
5 シート状食品
7 棒状飯塊
8 棒状包装飯塊
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9