(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述の通り、振動部の圧電素子がハウジングに保持され、且つ振動板が圧電素子と液体供給部とに挟持されているため、振動板によって霧化された液体の噴霧方向を可変させることができない。
【0005】
本発明は、上記事情に鑑みて創案されたものであって、その目的とするところは、液体の噴霧方向を可変させることが可能な液体噴霧装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明の第1液体噴霧装置は、ハウジングと、噴霧部と、液体供給部とを備えている。前記噴霧部は、液体を霧化して外部に放出可能な構成である。前記噴霧部は、前記ハウジングに回動又は揺動可能に設けられている。前記噴霧部は、振動部と、保持部とを有している。前記保持部は、前記振動部を保持した構成とすることが可能である。前記液体供給部は、前記噴霧部に固定されており且つ
前記液体を吸い上げ、前記振動部に供給可能な吸液芯である。
前記液体供給部は、固定部と、折り曲げ部とを有している。前記固定部は前記保持部に固定され且つ前記振動部に当接している。前記折り曲げ部は、前記噴霧部の回動又は揺動に応じて折り曲げ可能になっている。
【0007】
このような態様の第1液体噴霧装置による場合、噴霧部で霧化された液体の噴霧方向を可変させることができる。なぜなら、液体供給部が噴霧部に固定されており且つ当該噴霧部がハウジングに対して回動又は揺動したとき、部分的に折り曲げられるからである。
また、液体供給部によって供給された液体が振動部によって生じた振動によって霧化され、放出される。
【0008】
前記噴霧部は、回動又は揺動可能、且つ前記ハウジングに対して離反及び接近可能となるように前記ハウジングに設けられていても良い。この場合、前記液体供給部は、前記噴霧部の離反及び接近に応じて前記ハウジングに対して少なくとも部分的に伸縮可能な構成であると良い。
【0009】
本発明の第2液体噴霧装置は、ハウジングと、液体を霧化して外部に放出可能な構成であって、前記ハウジングに回動又は揺動可能に設けられた噴霧部と、前記噴霧部に固定されており且つ当該噴霧部に前記液体を供給可能な液体供給部とを備えている。前記噴霧部は、振動部と、前記振動部を保持した保持部とを有しており、前記保持部は、スリーブを有している。前記液体供給部は、前記保持部に固定され且つ前記振動部に当接した固定部と、前記噴霧部の回動又は揺動に応じて折り曲げ可能な折り曲げ部とを有している。前記液体供給部の前記固定部が前記スリーブ内に挿通され、前記液体供給部の前記折り曲げ部が前記スリーブの近傍に位置している。
このような態様の第2液体噴霧装置による場合、
噴霧部で霧化された液体の噴霧方向を可変させることができる。なぜなら、液体供給部が噴霧部に固定されており且つ当該噴霧部がハウジングに対して回動又は揺動したとき、部分的に折り曲げられるからである。また、液体供給部によって供給された液体が振動部によって生じた振動によって霧化され、放出される。さらに、液体供給部の折り曲げ部がスリーブの近傍に位置しているので、噴霧部が回動又は揺動するとき、液体供給部の折り曲げ部が容易に折り曲げられる。
【0010】
前記ハウジングは、前記液体供給部が挿通されたスリーブを有する構成とすることが可能である。前記折り曲げ部は、前記ハウジングの前記スリーブと前記保持部の前記スリーブとの間に位置した構成とすることが可能である。このような態様の
第2液体噴霧装置による場合、噴霧部が回動又は揺動するときに、液体供給部の折り曲げ部に負荷がかかり易くなるため、折り曲げ部の折り曲げが更に容易になる。
【0011】
前記保持部の前記スリーブは、第1スリーブと、第2スリーブとを有する構成とすることが可能である。第2スリーブは、前記第1スリーブよりも前記液体供給部の前記折り曲げ部側に位置した構成とすることが可能である。前記第2スリーブの内径は前記第1スリーブの内径よりも大きい構成とすることが可能である。このような態様の
第2液体噴霧装置による場合、液体供給部の固定部が第2スリーブ内に間隙を有して挿通されている。このため、噴霧部が回動又は揺動するときに、液体供給部の固定部が第2スリーブに押圧されるのを抑制することができる。
【0012】
前記第1
または第2液体噴霧装置は、軸部と、軸受け部とを更に備えた構成とすることが可能である。前記軸部は、前記ハウジング及び前記噴霧部の何れか一方に設けられた構成とすることが可能である。前記軸受け部は、前記ハウジング及び前記噴霧部の他方に設けられており且つ前記軸部を軸支する構成とすることが可能である。
【0013】
前記軸部は、前記軸受け部に対して着脱可能な構成とすることが可能である。前記液体供給部は、前記ハウジングに対して少なくとも部分的に伸縮可能な構成とすることが可能である。このような態様の第1
または第2液体噴霧装置による場合、噴霧部がハウジングに対して離反可能となるため、噴霧部で霧化された液体の噴霧方向のバリエーションを増やすことができる。
【0014】
上記第1
または第2液体噴霧装置は、前記軸部及び前記軸受け部の代りに、ガイド凸部及びガイド凹部を備えた構成とすることが可能である。前記ガイド凸部は、前記ハウジング及び前記噴霧部の何れか一方に設けられた構成とすることが可能である。前記ガイド凹部は、前記ハウジング及び前記噴霧部の他方に設けられており且つ前記ガイド凸部を移動自在にガイドする構成とすることが可能である。
【0015】
前記ガイド凸部は、前記ガイド凹部に対して着脱可能な構成とすることが可能である。前記液体供給部は、前記ハウジングに対して少なくとも部分的に伸縮可能な構成とすることが可能である。このような態様の第1
または第2液体噴霧装置による場合、噴霧部がハウジングに対して離反可能となるため、噴霧部で霧化された液体の噴霧方向のバリエーションを増やすことができる。
【0016】
前記ハウジングは、当該ハウジングにスライド自在に設けられており且つ前記噴霧部を支持するスライダーを有する構成とすることが可能である。又は、前記噴霧部は、前記ハウジングにスライド自在に保持されたスライダーを有する構成とすることが可能である。前記液体供給部は、前記スライダーのスライドに応じて前記ハウジングに対して少なくとも部分的に伸縮可能な構成とすることが可能である。これらの態様の第1
または第2液体噴霧装置による場合、スライダーのスライドによって噴霧部がハウジングに対してスライド自在となるので、噴霧部で霧化された液体の噴霧方向のバリエーションを更に増やすことができる。
【0017】
本発明の第3液体噴霧装置は、ハウジングと、液体を霧化して外部に放出可能な構成であって、前記ハウジングに回動又は揺動可能に設けられた噴霧部と、前記噴霧部に固定されており且つ当該噴霧部に前記液体を供給可能な液体供給部とを備えている。前記噴霧部は、振動部と、前記振動部を保持した保持部とを有している。前記液体供給部は、前記保持部に固定され且つ前記振動部に当接した固定部と、前記噴霧部の回動又は揺動に応じて折り曲げ可能な折り曲げ部とを有している。前記折り曲げ部は、当該折り曲げ部を半径方向又は短手方向に貫通する貫通孔を有している。又は、前記折り曲げ部は、前記液体供給部の当該折り曲げ部以外の部分よりも細い。
これらの態様の
第3液体噴霧装置による場合、
噴霧部で霧化された液体の噴霧方向を可変させることができる。なぜなら、液体供給部が噴霧部に固定されており且つ当該噴霧部がハウジングに対して回動又は揺動したとき、部分的に折り曲げられるからである。また、液体供給部によって供給された液体が振動部によって生じた振動によって霧化され、放出される。さらに、液体供給部の折り曲げ部の折り曲げが更に容易になる。
【0026】
本発明の第
4液体噴霧装置は、ハウジングと、液体を霧化して外部に放出可能な構成であって、前記ハウジングに回動又は揺動可能に設けられた噴霧部と、前記噴霧部に固定されており且つ当該噴霧部に前記液体を供給可能な液体供給部と、前記ハウジング及び前記噴霧部の何れか一方に設けられた軸部と、前記ハウジング及び前記噴霧部の他方に設けられており且つ前記軸部を軸支する軸受け部とを備えている。前記軸部は、前記軸受け部に対して着脱可能な構成である。前記噴霧部は、振動部と、前記振動部を保持した保持部とを有している。前記液体供給部は、前記保持部に固定され且つ前記振動部に当接した固定部と、前記噴霧部の回動又は揺動に応じて折り曲げ可能な折り曲げ部とを有している。前記液体供給部は、前記ハウジングに対して少なくとも部分的に伸縮可能な構成であって、筒部と、前記筒部内にスライド自在に設けられた芯部とをさらに有している。
本発明の第
5液体噴霧装置は、ハウジングと、液体を霧化して外部に放出可能な構成であって、前記ハウジングに回動又は揺動可能に設けられた噴霧部と、前記噴霧部に固定されており且つ当該噴霧部に前記液体を供給可能な液体供給部と、前記ハウジング及び前記噴霧部の何れか一方に設けられたガイド凸部と、前記ハウジング及び前記噴霧部の他方に設けられており且つ前記ガイド凸部を移動自在にガイドするガイド凹部とを備えている。前記ガイド凸部は、前記ガイド凹部に対して着脱可能な構成である。前記噴霧部は、振動部と、前記振動部を保持した保持部とを有している。前記液体供給部は、前記保持部に固定され且つ前記振動部に当接した固定部と、前記噴霧部の回動又は揺動に応じて折り曲げ可能な折り曲げ部とを有している。前記液体供給部は、前記ハウジングに対して少なくとも部分的に伸縮可能な構成であって、筒部と、前記筒部内にスライド自在に設けられた芯部とをさらに有している。
本発明の第
6液体噴霧装置は、ハウジングと、液体を霧化して外部に放出可能な構成であって、前記ハウジングに回動又は揺動可能に設けられた噴霧部と、前記噴霧部に固定されており且つ当該噴霧部に前記液体を供給可能な液体供給部とを備えている。前記ハウジングは、当該ハウジングにスライド自在に設けられており且つ前記噴霧部を支持するスライダーを有している。前記噴霧部は、振動部と、前記振動部を保持した保持部とを有している。前記液体供給部は、前記保持部に固定され且つ前記振動部に当接した固定部と、前記噴霧部の回動又は揺動に応じて折り曲げ可能な折り曲げ部とを有している。前記液体供給部は、前記スライダーのスライドに応じて前記ハウジングに対して少なくとも部分的に伸縮可能な構成であって、筒部と、前記筒部内にスライド自在に設けられた芯部とをさらに有している。
本発明の第
7液体噴霧装置は、ハウジングと、液体を霧化して外部に放出可能な構成であって、前記ハウジングに回動又は揺動可能に設けられた噴霧部と、前記噴霧部に固定されており且つ当該噴霧部に前記液体を供給可能な液体供給部とを備えている。前記噴霧部は、振動部と、前記振動部を保持した保持部と、前記ハウジングにスライド自在に保持されたスライダーとを有している。前記液体供給部は、前記保持部に固定され且つ前記振動部に当接した固定部と、前記噴霧部の回動又は揺動に応じて折り曲げ可能な折り曲げ部とを有している。前記液体供給部は、前記スライダーのスライドに応じて前記ハウジングに対して少なくとも部分的に伸縮可能な構成であって、筒部と、前記筒部内にスライド自在に設けられた芯部とをさらに有している。
【0027】
上記第4〜
7液体噴霧装置は、前記液体を貯留可能な液体容器と、ストッパとを更に備えた構成とすることが可能である。前記ストッパは、前記ハウジング又は前記液体容器に設けられた構成とすることが可能である。前記ストッパは、前記芯部のスライド方向に前記筒部が移動するのを規制する構成とすることが可能である。このような態様の第1及び第2液体噴霧装置による場合、芯部がスライド移動するとき、筒部が芯部と共にスライド方向に移動するのを防止することができる。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下、本発明の実施例1〜3について説明する。
【実施例1】
【0030】
以下、本発明の実施例1に係る液体噴霧装置D1について
図1A〜
図3Cを参照しつつ説明する。液体噴霧装置D1は、芳香剤、消臭剤、殺虫剤、防虫剤等の液体(液体)を噴霧可能な装置である。液体噴霧装置D1は、ハウジング100と、噴霧部200と、液体供給部300と、液体容器400と、基板500と、制御部600とを備えている。以下、液体噴霧装置D1の各構成要素について詳しく説明する。なお、
図1A〜
図1Bに示すZ−Z’方向は液体噴霧装置D1の高さ方向及び液体供給部300の長さ方向である。Z方向はZ−Z’方向のうちの一方(上方)であり、Z’方向はZ−Z’方向のうちの他方(下方)である。
図1A〜
図1Bに示すX−X’方向は液体噴霧装置D1の幅方向である。X方向はX−X’方向のうちの一方であり、X’方向はX−X’方向のうちの他方である。
図1A〜
図1B及び
図2Bに示すY−Y’方向は、液体噴霧装置D1の奥行き方向であり且つ噴霧部200の回動方向である。Y方向はY−Y’方向のうちの一方(回動方向の一方)であり、Y’方向はY−Y’方向のうちの他方(回動方向の他方)である。
【0031】
噴霧部200は液体を噴霧可能な構成となっている。液体は液体容器400に貯留されている。液体容器400内の液体は図示省略されている。噴霧部200は、振動部210と、保持部220と、ケース230と、一対の軸部240と、一対の把持部250と、一対の保護部260とを有している。ケース230は、第1ケース231と、第2ケース232とを有している。第1、第2ケース231、232は互いに組み合わせられている。第1ケース231の天井には噴霧口231aが設けられている。第2ケース232の底には、開口232aが設けられている。開口232aの中心は、噴霧口231aの中心の鉛直線上に位置している。
【0032】
保護部260のうちの一方は、
図2Aに最も良く示されているように、第2ケース232の底の開口232aよりもX方向側の部分に設けられている。保護部260のうちの他方は、第2ケース232の底の開口232aよりもX’方向側の部分に設けられている。各保護部260は、
図2Cに最も良く示されているように、略U字状の部位であって、当該保護部260内に位置する把持部250を保護している。
【0033】
把持部250のうちの一方は、一方の保護部260内に位置するように、第2ケース232の底に設けられている。把持部250のうちの他方は、他方の保護部260内に位置するように、第2ケース232の底に設けられている。各把持部250は、アームと、把持部本体とを有している。把持部250のアームは、第2ケース232の底からZ’方向に延びている。把持部250の把持部本体は、アームに連接された下向き略U字状である。把持部本体は、内周面と、複数の凹部251とを有している。凹部251は、把持部本体の内周面に当該内周面の周方向に間隔をあけて設けられている。
【0034】
軸部240は、
図2A及び
図3Aに最も良く示されているようにX−X’方向に延びた略円柱である。軸部240は、
図2C及び
図3Cに最も良く示されているように把持部250の把持部本体に把持されている。そのため、軸部240の外径が噴霧部200の把持部250の把持部本体の内径よりも若干小さい又は略同じである。各軸部240は、外周面と、複数の凸部241とを有している。凸部241は、軸部240の外周面に当該外周面の周方向に間隔をあけて設けられている。凸部241は把持部250の凹部251に各々嵌合している。これにより、軸部240の把持部250内での回転が防止されている。
【0035】
振動部210は振動することによって液体を霧化させることが可能な圧電素子である。保持部220は、
図2A及び
図2Bに最も良く示されているようにケース230内で振動部210を保持している。すなわち、保持部220及び振動部210はケース230の第1、第2ケース231、232内に収容されている。保持部220は、第1保持部221と、第2保持部222と、取付部223と、4つのネジ部224と、第1スリーブ225と、第2スリーブ226と、一対の連結部227とを有している。
【0036】
第1、第2保持部221、222は互いに組み合わせられ、振動部210の外周部を挟持している。第1保持部221には、噴霧口231aに連通する第1開口221aが設けられている。第1開口221a及び噴霧口231aから霧化された液体が噴霧部200の外部に噴霧される。第2保持部222には、第2開口222aが設けられている。第2開口222aの中心は噴霧口231aの中心の鉛直線上に位置している。第2保持部222には、
図2Dに最も良く示されているように一対の連結部227が180°間隔で設けられている。連結部227のうちの一方が2つのネジ部224に螺着され、他方が残り2つのネジ部224に螺着されている。このようにネジ部224及び連結部227によって、第1保持部221の第1開口221aがケース230の噴霧口231aに連通するように第1、第2保持部221、222が第1、第2ケース231、232内で保持されている。
【0037】
ネジ部224は、
図2A〜
図3Cに示されるように取付部223に各々設けられている。ネジ部224のうちの二つは、ケース230内で一方の連結部227を保持している。ネジ部224のうちの残りの二つは、ケース230内で他方の連結部227を保持している。取付部223はケース230に取り付けられている。本実施例1では、取付部223は、ケース230の第1、第2ケース231、232に挟持されている。取付部223には貫通孔が設けられている。
【0038】
第1スリーブ225は、取付部223の上面に貫通孔に連通するように設けられた筒であって、取付部223から上方に延びている。第1スリーブ225の内径は、液体供給部300の外径よりも大きい。第2スリーブ226は、取付部223の下面に貫通孔に連通するように設けられた筒であって、取付部223から下方に延びている。第2スリーブ226の内径は、第1スリーブ225の内径よりも大きい。第2スリーブ226が第2ケース232の開口232aに挿通されている。第1、第2スリーブ225、226の中心は噴霧口231aの中心の鉛直線上に位置している。なお、第1、第2スリーブ225、226が特許請求の範囲の保持部のスリーブに相当する。
【0039】
ハウジング100は、内側ハウジング101と、外側ハウジング102と、第1収容部110と、一対の軸受け部120と、仕切り部130と、第2収容部140と、スリーブ150とを有している。内側ハウジング101の上部には第1収容部110が、内側ハウジング101の下部には第2収容部140が設けられている。第1収容部110は、噴霧部200を部分的に収容可能な略矩形状の筒である。第1収容部110が外側ハウジング102内に嵌合している。第2収容部140は、液体容器400の上端部が嵌合可能な略円筒である。内側ハウジング101には、第1、第2収容部110、140の間を仕切る仕切り部130が更に設けられている。仕切り部130には、貫通孔131が設けられている。仕切り部130上には、貫通孔131に連通するようにスリーブ150が設けられている。スリーブ150は、仕切り部130からZ方向に延びている。スリーブ150の中心は、噴霧部200の第1、第2スリーブ225、226の中心の鉛直線上に位置している。
【0040】
軸受け部120は、
図2Aに最も良く示されているように噴霧部200の軸部240を軸支している。軸受け部120のうちの一方は、第1収容部110の仕切り部130からZ方向に延びた壁であって、貫通孔131及びスリーブ150のX方向側に位置している。他方は第1収容部110の仕切り部130からZ方向に延びた壁であって、貫通孔131及びスリーブ150のX’方向側に位置している。軸受け部120には、
図2A及び
図3Aに最も良く示されているように軸受け孔121が設けられている。軸受け孔121が軸部240を回転可能に支持している。これにより、噴霧部200が軸部240を支点に、初期位置からY方向に略90°回動可能(
図3A〜
図3C参照)且つ初期位置からY’方向に略90°回動可能となる。なお、本実施例1では、噴霧部200の初期位置は、
図1A〜
図2C示すように、噴霧部200の噴霧口231aがZ方向に向いた位置である。
【0041】
液体供給部300は、
図2A、
図2B、
図3A及び
図3Bに示されているように、液体容器400内の液体を吸い上げ、噴霧部200の振動部210に供給可能な吸液芯である。液体供給部300によって供給された液体が、振動部210の振動によって霧化される。霧化された液体は、噴霧部200の第1開口221a及び噴霧口231aを通じて噴霧部200外に放出される(噴霧される)。液体供給部300はZ−Z’方向に延びた可撓性を有する円柱である。液体供給部300は、固定部310と、折り曲げ部320と、浸漬部330と、中間部340と、図示しない毛細管とを有している。固定部310は、液体供給部300のZ方向側の端部(上端部)である。固定部310の外径は、噴霧部200の第1、第2スリーブ225、226の内径よりも若干小さい。固定部310は、噴霧部200の取付部223の貫通孔及び第1、第2スリーブ225、226を挿通し、振動部210に当接している。固定部310は、第1、第2スリーブ225、226の何れかにワイヤー等で固定されている。浸漬部330は、液体供給部300のZ’方向側の端部(下端部)である。浸漬部330は、液体容器400内に収容され、当該液体容器400内の液体に漬かっている。前記毛細管は液体供給部300内部に設けられている。この毛細管により、液体が浸漬部330から固定部310に吸い上げ可能となっている。
【0042】
中間部340は、液体供給部300の浸漬部330よりもZ方向側に位置する部分である。中間部340の外径はハウジング100のスリーブ150及び貫通孔131の内径よりも若干小さい。中間部340はスリーブ150及び貫通孔131に挿通され、支持されている。折り曲げ部320は、液体供給部300の固定部310と中間部340との間の部分である。折り曲げ部320は、噴霧部200が初期位置に位置したとき、噴霧部200の第2スリーブ226とハウジング100のスリーブ150との間に位置している。より具体的には、噴霧部200の第2スリーブ226のZ’方向側の近傍に位置している。折り曲げ部320は、Y−Y’方向(噴霧部200の回動方向)に折り曲げ可能である。折り曲げ部320は、貫通孔321を有している。貫通孔321は、折り曲げ部320をY−Y’方向に直交するX−X’方向(液体供給部300の半径方向の一つ)に貫通している。これにより、折り曲げ部320がY−Y’方向に容易に折り曲げ可能となっている。
【0043】
基板500は、
図2A及び
図3Aに示すように、ハウジング100内に収容されている。基板500は、図示しないリード線を介して噴霧部200の振動部210に接続されている。
【0044】
制御部600は、基板500に実装されたマイコンや電子回路等である。制御部600は、液体散布プログラムが記録されたメモリを有している。制御部600が、所定の信号に応じて又は所定時間毎に液体散布プログラムを処理することにより、振動部210に対して駆動電圧を供給し、振動部210を振動させるようになっている。振動部210が液体供給部300に当接した状態で振動することにより、液体供給部300に吸い上げられた液体が霧化され、噴霧部200の噴霧口231aから噴霧される。なお、前記信号は、図示しない操作入力部(操作スイッチやタッチスイッチ等)が操作されることにより当該操作入力部から出力される信号又はセンサ(人感センサや明暗センサ等)から出力される信号である。前記所定時間は、制御部600内のタイマー回路によりカウントされる構成とすることが可能である。
【0045】
以下、液体噴霧装置D1の組立手順について詳しく説明する。噴霧部200の振動部210及び保持部220を用意する。振動部210を保持部220の第1、第2保持部221、222の何れか一方内に収容させる。その後、第1、第2保持部221、222を組み合わせて固定する。これにより、振動部210が保持部220に保持される。その後、保持部220の連結部227をネジ部224に螺着させる。これにより、保持部220の第1、第2スリーブ225、226の中心が第2保持部222の第2開口222aの中心の鉛直線上に位置する。
【0046】
その一方で、内側ハウジング101と、噴霧部200の第2ケース232、把持部250及び保護部260とを用意する。その後、内側ハウジング101の第1収容部110内の軸受け部120の間に、把持部250及び保護部260を配置する。このとき、一方の軸受け部120の軸受け孔121と一方の把持部250の把持部本体とが隣接配置され、他方の軸受け部120の軸受け孔121と他方の把持部250の把持部本体とが隣接配置される。その後、噴霧部200の軸部240を用意する。軸部240の一方を一方の軸受け部120の軸受け孔121に挿入し、一方の把持部250に把持させる。軸部240の他方を他方の軸受け部120の軸受け孔121に挿入し、他方の把持部250に把持させる。その後、振動部210を保持した保持部220の第2スリーブ226を第2ケース232の開口232aに挿入し、当該保持部220の取付部223を第2ケース232内に収容させる。
【0047】
その後、液体供給部300を用意する。液体供給部300の固定部310を、Z’方向側から内側ハウジング101の貫通孔131、内側ハウジング101のスリーブ150、保持部220の第2スリーブ226、保持部220の貫通孔、保持部220の第1スリーブ225及び第2保持部222の第2開口222aに順次挿入する。そして、固定部310を保持部220に保持された振動部210に当接させる。この状態で、固定部310を第1、第2スリーブ225、226の何れか一方に固定する。これにより、固定部310が第1、第2スリーブ225、226に支持され、液体供給部300の中間部340がスリーブ150に支持される。その後、噴霧部200の第1ケース231を用意する。第1ケース231を第2ケース232に組み合わせる。これにより、保持部220の取付部223が第1、第2ケース231、232に挟持される。保持部220の第1保持部221の第1開口221aが第1ケース231の噴霧口231aに連通する。以上のように噴霧部200が組み立てられ、噴霧部200が第1収容部110に部分的に収容される。
【0048】
その後、制御部600が実装された基板500を用意する。基板500を内側ハウジング101に固定する。その後、基板500を振動部210にリード線等を用いて接続する。その後、外側ハウジング102を用意する。内側ハウジング101の第1収容部110を外側ハウジング102内に嵌合させる。これにより、基板500及び制御部600が内側ハウジング101と外側ハウジング102との間(すなわち、ハウジング100内)に収容される。その後、液体が貯留された液体容器400を用意する。その後、液体容器400を内側ハウジング101の第2収容部140に嵌合させる。このとき、液体供給部300の浸漬部330が、液体容器400内に収容され、液体容器400内の液体に浸漬される。以上のように液体噴霧装置D1が組み立てられる。
【0049】
上述した液体噴霧装置D1は、以下の技術的特徴を有している。第1に、噴霧部200の液体の噴霧方向を可変させることができる。その理由は以下の通りである。噴霧部200がハウジング100にY−Y’方向に回動可能に設けられている。液体供給部300の固定部310が噴霧部200に固定されているため、液体供給部300の折り曲げ部320が噴霧部200の回動に応じて折り曲げ可能である。
【0050】
第2に、液体供給部300の折り曲げ部320の折り曲げが容易に行うことができる。液体供給部300の固定部310が噴霧部200のスリーブ(第1、第2スリーブ225、226)に支持され、液体供給部300の中間部340がハウジング100のスリーブ150に支持されている。折り曲げ部320が噴霧部200のスリーブとハウジング100のスリーブ150との間で、噴霧部200のスリーブの近傍に位置している。このため、噴霧部200が回動するときに、折り曲げ部320を折り曲げるための負荷が当該折り曲げ部320にかかり易くなる。しかも、折り曲げ部320の折り曲げ時に、折り曲げ部320の貫通孔321が潰れる。よって、小さな前記負荷で折り曲げ部320が折り曲げ可能となっている。
【0051】
第3に、折り曲げ部320の折り曲げ時に固定部310にかかる負荷を軽減することができる。液体供給部300の固定部310が噴霧部200の第2スリーブ226に間隙を有して挿通されている。このため、折り曲げ部320の折り曲げ時に、固定部310が噴霧部200の第2スリーブ226に押圧され難くなる。第4に、噴霧部200を回動させるときに、振動部210に対して負荷がかからない。固定部310が振動部210に当接した状態で噴霧部200に固定されているからである。
【実施例2】
【0052】
以下、本発明の実施例2に係る液体噴霧装置D2について
図4A〜
図5Cを参照しつつ説明する。液体噴霧装置D2は、次の相違点で液体噴霧装置D1と相違する以外、装置D1と同じ構成である。第1相違点は、噴霧部200’がハウジング100’に対して離反及び接近可能になっていることである。すなわち、実施例2の噴霧部200’はハウジング100’に対して回動可能に設けられていない。第2相違点は、ハウジング100’の構成が実施例1のハウジング100の構成と相違していることにある。第3相違点は、噴霧部200’の構成が実施例1の噴霧部200の構成と相違していることにある。第4相違点は、液体供給部300’がハウジング100’に対して伸縮可能な構成であることである。以下、上記相違点について詳しく説明し、装置D2について装置D1と重複する説明は省略する。装置D2の構成要素のうち、装置D1の構成要素と相違する構成要素の符号については、’又は別の符号を付して装置D1の構成要素と区別する。
【0053】
図4A〜
図4Bに示すZ−Z’方向は液体噴霧装置D2の高さ方向及び液体供給部300’の長さ方向である。Z方向はZ−Z’方向のうちの一方(上方)であり、Z’方向はZ−Z’方向のうちの他方(下方)である。
図4A〜
図4Bに示すX−X’方向は液体噴霧装置D2の幅方向である。X方向はX−X’方向のうちの一方であり、X’方向はX−X’方向のうちの他方である。
図4A〜
図4Bに示すY−Y’方向は、液体噴霧装置D2の奥行き方向である。Y方向はY−Y’方向のうちの一方であり、Y’方向はY−Y’方向のうちの他方である。
【0054】
噴霧部200’は、次の点で実施例1の噴霧部200と相違している。第1に、噴霧部200’のケース230’の開口232a’の径及び保持部220’の第2スリーブ226’の内径が、
図5A及び
図5Bに示すように、液体供給部300’の後述する大径部320’の外径よりも大きく且つ第2スリーブ226’の外径がハウジング100’の後述するスリーブ150’の内径よりも若干小さい。第2に、噴霧部200’の一対の把持部250’及び保護部260’の形状が、実施例1の噴霧部200の一対の把持部250及び保護部260の形状と相違している。第3に、噴霧部200’が軸部240を備えていない。以下、説明の便宜上、一対の把持部250’のうちの一方を、一方の把持部250’、他方を他方の把持部250’と称する。
【0055】
各保護部260’は、
図5Cに示すように略半円弧状である。各把持部250’は、アームと、把持部本体とを有している。アームは、保護部260’の頂部からZ’方向に延びている。把持部本体はアームに連接された半円弧状である。把持部本体は、内周面と、複数の凹部251’とを有している。凹部251’は、把持部本体の内周面に当該内周面の周方向に間隔をあけて設けられている。
【0056】
ハウジング100’は、次の相違点で実施例1のハウジング100と相違している。第1に、ハウジング100’は、実施例1の一対の軸受け部120の代りに、一対の支持部160を備えている。第2に、ハウジング100’のスリーブ150’の内径及び仕切り部130’の貫通孔131’の径が、
図5A及び
図5Bに示すように、噴霧部200’の第2スリーブ226’の外径よりも若干大きい。
【0057】
支持部160は、噴霧部200’を着脱自在に支持している。支持部160のうちの一方は、第1収容部110の仕切り部130’からZ方向に延びた壁であって、貫通孔131’及びスリーブ150’のX方向側に位置している。他方は第1収容部110の仕切り部130’からZ方向に延びた壁であって、貫通孔131’及びスリーブ150’のX’方向側に位置している。各支持部160には、
図5Aに示すようにX−X’方向に延びた支持棒161が設けられている。支持棒161のうちの一方が噴霧部200’の一方の把持部250’の把持部本体に着脱自在に把持されている。支持棒161のうちの他方が他方の把持部250’の把持部本体に着脱自在に把持されている。このため、支持棒161の外径が噴霧部200’の把持部250’の把持部本体の内径よりも若干小さい又は略同じである。
【0058】
支持棒161が把持部250’に把持された状態(噴霧部200’が支持部160に支持された状態)で、噴霧部200’の第2スリーブ226’がハウジング100’のスリーブ150’内に挿入され、支持されている。これは、上述したように第2スリーブ226’の外径がスリーブ150’の内径よりも若干小さいためである。
図4Bに示されるように支持棒161が把持部250’から外れる(噴霧部200’が支持部160から外れる)ことによって、噴霧部200’がハウジング100’に対して離反及び接近可能(移動自在)となる。各支持棒161は、外周面と、複数の凸部162とを有している。凸部162は、支持棒161の外周面に当該外周面の周方向に間隔をあけて設けられている。凸部162は、
図5Cに最も良く示されているように把持部250’の凹部251’に各々嵌合している。
【0059】
液体供給部300’は、実施例1の液体供給部300と同様に、毛細管現状によって、液体容器400内の液体を吸い上げ、噴霧部200’の振動部210に供給可能な吸液芯である。液体供給部300’は、
図5A及び
図5Bに示すように、小径部310’と、大径部320’とを有している。小径部310’は、Z−Z’方向に延びた円柱である。小径部310’の内部には図示しない毛細管が設けられている。小径部310’は、大径部320’の後述する第1端部321’に固着されている。小径部310’の外径は、噴霧部200’の第1スリーブ225の内径よりも若干小さい。小径部310’は、噴霧部200’の取付部223の貫通孔及び第1スリーブ225を挿通し、振動部210に当接している。
【0060】
大径部320’は、Z−Z’方向に延びた可撓性を有する円柱である。大径部320’の内部には図示しない毛細管が設けられている。大径部320’は、第1端部321’と、浸漬部322’とを有している。第1端部321’は、大径部320’の長さ方向の一端部である。浸漬部322’は、液体容器400内に挿入され、液体に浸漬されている。
【0061】
大径部320’の長さ寸法は、噴霧部200’がハウジング100’に対する移動距離よりも長い。大径部320’の外径は、小径部310’の外径よりも大きく且つ噴霧部200’の第2スリーブ226’の内径よりも小さい。大径部320’の第1端部321’が第2スリーブ226’内に挿入され、当該第2スリーブ226’にワイヤー等で固定されている。これにより、小径部310’が振動部210に当接した状態が維持されている。このように液体供給部300’の大径部320’の第1端部321’及び小径部310’が特許請求の範囲の固定部に相当している。大径部320’は、ハウジング100’のスリーブ150’及び貫通孔131’を移動自在に挿通している。これにより、液体供給部300’が、噴霧部200’の移動に応じて、ハウジング100’に対して伸縮可能となっている。なお、液体供給部300’自体は伸縮しない。このように本発明における液体供給部のハウジングに対する伸縮は、液体供給部自体が伸縮しないものを含んでいる。
【0062】
以下、液体噴霧装置D2の組立手順について詳しく説明する。噴霧部200’の振動部210及び保持部220’を用意する。振動部210を、実施例1と同様に保持部220’に保持させる。その後、保持部220’の連結部227をネジ部224に螺着させる。これにより、保持部220’の第1、第2スリーブ225、226’の中心が第2保持部222の第2開口222aの中心の鉛直線上に位置する。
【0063】
その後、噴霧部200’の第2ケース232’、把持部250’及び保護部260’とを用意する。振動部210を保持した保持部220’の第2スリーブ226’を第2ケース232’の開口232a’に挿入し、当該保持部220’の取付部223を第2ケース232’内に収容させる。その後、液体供給部300’を用意する。液体供給部300’の小径部310’を、保持部220’の第2スリーブ226’から、保持部220’の貫通孔、保持部220’の第1スリーブ225及び第2保持部222の第2開口222aに順次挿入し、小径部310’を保持部220’に保持された振動部210に当接させる。これと共に、液体供給部300’の大径部320’の第1端部321’が保持部220’の第2スリーブ226’に挿入される。この状態で、第1端部321’を第2スリーブ226’に固定する。これにより、液体供給部300’の小径部310’が第1スリーブ225に支持され、液体供給部300’の第1端部321’が第2スリーブ226’に支持される。その後、噴霧部200’の第1ケース231を用意する。第1ケース231を第2ケース232’に組み合わせる。これにより、保持部220’の取付部223が第1、第2ケース231、232’に挟持される。保持部220’の第1保持部221の第1開口221aが第1ケース231の噴霧口231aに連通する。以上のように噴霧部200’が組み立てられる。
【0064】
その後、内側ハウジング101’を用意する。液体供給部300’の大径部320’を内側ハウジング101’の第1収容部110からスリーブ150’に挿入する。これと共に、噴霧部200’の第2スリーブ226’を内側ハウジング101’の第1収容部110からスリーブ150’に挿入する。このとき、噴霧部200’の把持部250’に内側ハウジング101’の支持部160の支持棒161を把持させる。
【0065】
その後、実施例1と同様に、制御部600が実装された基板500を内側ハウジング101’に固定し、内側ハウジング101’の第1収容部110を外側ハウジング102内に嵌合させる。その後、液体が貯留された液体容器400を用意する。液体容器400を内側ハウジング101’の第2収容部140に嵌合させる。このとき、液体供給部300’の浸漬部322’が、液体容器400内に収容され、液体容器400内の液体に浸漬される。以上のように液体噴霧装置D2が組み立てられる。
【0066】
上述した液体噴霧装置D2は、以下の技術的特徴を有している。第1に、噴霧部200’の液体の噴霧方向を可変させることができる。具体的には以下の通りである。噴霧部200’をハウジング100’に対して離反させる。すると、噴霧部200’の把持部250’のハウジング100’の支持部160に対する把持が解除される。噴霧部200’の第2スリーブ226’がハウジング100’のスリーブ150’から取り出される。液体供給部300’の小径部310’が噴霧部200’に固定されているので、液体供給部300’の大径部320’がハウジング100’の貫通孔131’及びスリーブ150’を通って液体容器400から導出される。このように液体供給部300’がハウジング100’に対して伸長する。液体供給部300’が伸びた状態で、噴霧部200’の向きを任意に変えることができる。液体供給部300’は可撓性を有しているため、噴霧部200’の向きに応じて湾曲する。その後、噴霧部200’をハウジング100’に対して接近させる。噴霧部200’の第2スリーブ226’をハウジング100’のスリーブ150’内に挿入させる。液体供給部300’の大径部320’がハウジング100’の貫通孔131’及びスリーブ150’を通って液体容器400内に収容される。これにより、液体供給部300’がハウジング100’に対して縮む。噴霧部200’の把持部250’にハウジング100’の支持部160を把持させる。これにより、噴霧部200’が支持部160に支持される。
【0067】
第2に、噴霧部200’がハウジング100’の支持部160に支持された状態が安定する。噴霧部200’が支持部160に支持された状態で、噴霧部200’の第2スリーブ226’がハウジング100’のスリーブ150’内に挿入され、当該スリーブ150’に支持されるからである。第3に、噴霧部200’の把持部250’にハウジング100’の支持部160を容易に把持させることができる。噴霧部200’の第2スリーブ226’をハウジング100’のスリーブ150’内に挿入させることによって、把持部250’にハウジング100’の支持部160の支持棒161に案内されるからである。
【0068】
第3に、噴霧部200’を移動させるときに、振動部210に対して負荷がかからない。液体供給部300’の小径部310’が振動部210に当接した状態で当該液体供給部300’の大径部320’が噴霧部200’に固定されているからである。
【実施例3】
【0069】
以下、本発明の実施例3に係る液体噴霧装置D3について
図6A〜
図8Cを参照しつつ説明する。液体噴霧装置D3は、次の相違点で液体噴霧装置D1と相違する以外、装置D1と同じ構成である。第1相違点は、噴霧部200’’がハウジング100’’に対して初期位置と係合位置との間を昇降自在(離反及び接近可能)になっていることである。すなわち、実施例3の噴霧部200’’もハウジング100’’に対して回動可能に設けられていない。第2相違点は、ハウジング100’’の構成が実施例1のハウジング100の構成と相違していることにある。第3相違点は、噴霧部200’’の構成が実施例1の噴霧部200の構成と相違していることにある。第4相違点は、液体供給部300’’がハウジング100’’に対して伸縮可能な構成であることである。第5相違点は、液体容器700がストッパ710を備えていることである。以下、上記相違点について詳しく説明し、装置D3について装置D1と重複する説明は省略する。装置D3の構成要素のうち、装置D1の構成要素と相違する構成要素の符号については、’’又は別の符号を付して装置D1の構成要素と区別する。
【0070】
図6A〜
図6Bに示すZ−Z’方向は液体噴霧装置D3の高さ方向及び液体供給部300’’の長さ方向である。Z方向はZ−Z’方向のうちの一方(上方)であり、Z’方向はZ−Z’方向のうちの他方(下方)である。
図6A〜
図6Bに示すX−X’方向は液体噴霧装置D3の幅方向である。X方向はX−X’方向のうちの一方であり、X’方向はX−X’方向のうちの他方である。
図6A〜
図6Bに示すY−Y’方向は、液体噴霧装置D3の奥行き方向である。Y方向はY−Y’方向のうちの一方であり、Y’方向はY−Y’方向のうちの他方である。
【0071】
噴霧部200’’は、一対の把持部250、一対の保護部260及び一対の軸部240に代えて、スライダー270a、270bを備えている点で、実施例1の噴霧部200と相違している。
【0072】
スライダー270aは、
図7A及び
図8Aに最も良く示されているように、噴霧部200’’の第2ケース232の底の開口232aよりもX方向側の部分に設けられている。スライダー270aは、スライダー本体271aと、係合凸部272aとを有している。スライダー本体271aは、第2ケース232の底からZ’方向に延びている。係合凸部272aは、スライダー本体271aの下端部にX方向に凸となるように設けられている。
【0073】
スライダー270bは、
図7A及び
図8Aに最も良く示されているように、噴霧部200’’の第2ケース232の底の開口232aよりもX’方向側の部分に設けられている。スライダー270bは、スライダー本体271bと、係合凸部272bとを有している。スライダー本体271bは、第2ケース232の底からZ’方向に延びている。係合凸部272bは、スライダー本体271bの下端部にX’方向に凸となるように設けられている。
【0074】
噴霧部200’’は、スライダー270a、270bがハウジング100’’に初期位置と係合位置と間をスライド移動自在に保持されることによって、ハウジング100’’に対して初期位置と係合位置との間を昇降自在となっている。なお、スライダー270a、270bの初期位置は、
図7A及び
図7Cに最も良く示されているようにスライダー270a、270bがハウジング100’’の仕切り部130上に設置された位置である。スライダー270aの係合位置は、
図8A及び
図8Cに最も良く示されているようにスライダー270aがハウジング100’’の後述する一対の係合部173aに係合された位置であり、スライダー270bの係合位置は、スライダー270bがハウジング100’’の後述する一対の係合部173bに係合された位置である。スライダー270a、270bの移動経路は、初期位置から係合位置まである。噴霧部200’’の初期位置は、スライダー270a、270bが初期位置に位置する位置である。噴霧部200’’の係合位置は、スライダー270a、270bが係合位置に位置する位置である。
【0075】
ハウジング100’’は、
図6Bに最も良く示されているように、実施例1の一対の軸受け部120の代りに、支持部170a、170bを備えており且つスリーブ150が省略されている点で、実施例1のハウジング100と相違している。
【0076】
支持部170aは、噴霧部200’’のスライダー270aを昇降自在に支持している。支持部170aは、第1収容部110の仕切り部130上の貫通孔131よりもX方向側の部分に設けられている。支持部170aは、
図7C及び
図8Cに示すように、ガイド壁171a、172aと、一対の係合部173aとを有している。ガイド壁171a、172aは、仕切り部130上にY−Y’方向に間隔をあけて設けられている。ガイド壁171a、172aは、第1壁と、第2壁とを各々有している。ガイド壁171aの第1壁からガイド壁172aの第1壁までY−Y’方向の距離は、ガイド壁171aの第2壁からガイド壁172aの第2壁までY−Y’方向の距離よりも大きく且つスライダー270aのスライダー本体271aのY−Y’方向の寸法よりも若干大きい。ガイド壁171a、172aの第1壁にスライダー270aのスライダー本体271aがZ−Z’方向にスライド自在(昇降自在)にガイドされている。ガイド壁171aの第2壁からガイド壁172aの第2壁までY−Y’方向の距離は、スライダー270aの係合凸部272aのY−Y’方向の寸法よりも若干大きい。
【0077】
一対の係合部173aうちの一方はガイド壁171aの第2壁の上端部(スライダー270aの移動経路)に設けられている。一方の係合部173aはガイド壁172a側に凸の凸部である。係合部173aのうちの他方はガイド壁172aの第2壁の上端部(スライダー270aの移動経路)に設けられている。他方の係合部173aはガイド壁171a側に凸の凸部である。一方の係合部173aから他方の係合部173aまでのY−Y’方向の距離は、スライダー270aの係合凸部272aのY−Y’方向の寸法よりも若干小さい。係合部173aが、
図8Cに示すように、スライダー270aの係合凸部272aを係合位置で係合可能となっている。
【0078】
支持部170bは、
図6A及び
図6Bに最も良く示されているように噴霧部200’’のスライダー270bを昇降自在に支持している。支持部170bは第1収容部110の仕切り部130上の貫通孔131よりもX’方向側の部分に設けられている。支持部170bは、支持部170aと同じ構成である。支持部170bのガイド壁171b、172bの第1壁にスライダー270bがZ−Z’方向にスライド自在(昇降自在)にガイドされている。支持部170bのガイド壁171b、172bの第2壁上の一対の係合部173bが、
図8Cに示すように、スライダー270bの係合凸部272bを係合位置で係合可能となっている。
【0079】
液体供給部300’’は、実施例1の液体供給部300と同様に、毛細管現状によって、液体容器700内の液体を吸い上げ、噴霧部200’’の振動部210に供給可能な吸液芯である。液体供給部300’’は、
図7A、
図7B、
図8A及び
図8Bに最も良く示されているように、芯部310’’と、筒部320’’とを有している。芯部310’’は、Z−Z’方向に延びた円柱である。芯部310’’の内部には図示しない毛細管が設けられている。芯部310’’は、固定部311’’と、スライド部312’’を有している。固定部311’’は、芯部310’’のZ方向側の端部(上端部)である。固定部311’’は、実施例1の固定部310と同じ構成である。固定部311’’は、噴霧部200’’の取付部223の貫通孔及び第1、第2スリーブ225、226を挿通し、振動部210に当接している。固定部311’’は、第1、第2スリーブ225、226の何れかにワイヤー等で固定されている。スライド部312’’は、芯部310’’のZ’方向側の端部(下端部)である。
【0080】
筒部320’’は、Z−Z’方向に延びた円筒である。筒部320’’の内部には図示しない毛細管が設けられている。筒部320’’の長さ寸法は、芯部310’’の長さ寸法よりも小さい。筒部320’’の内径は、芯部310’’の外径に対応している。筒部320’’内に芯部310’’のスライド部312’’がZ−Z’方向にスライド自在に挿入されている。具体的には、噴霧部200’’が初期位置に位置しているとき、スライド部312’’の全てが筒部320’’内に挿入されている。噴霧部200’’が係合位置に位置しているとき、スライド部312’’のZ方向側の部分が筒部320’’から突出する。
【0081】
液体容器700は、ストッパ710を更に有している以外、実施例1の液体容器400と同じ構成である。ストッパ710は、液体容器700の天板に固定されている。ストッパ710は、第1、第2筒711、712を有している。第1筒711の内径は、芯部310’’の外径よりも若干大きい。第1筒711には、芯部310’’が上下動自在に挿通されている。第2筒712の内径は、筒部320’’の外径よりも若干大きい。第2筒712には、筒部320’’が嵌合している。これにより、筒部320’’が芯部310’’のスライド方向(Z−Z’方向)に移動しないように移動規制している。
【0082】
以下、液体噴霧装置D3の組立手順について詳しく説明する。まず、液体供給部300’’、液体容器700及び内側ハウジング101’’を用意する。この液体容器700のストッパ710の第1筒711には、液体供給部300’’の芯部310’’が挿通しており、ストッパ710の第2筒712には、筒部320’’が嵌合している。芯部310’’のスライド部312’’及び筒部320’’が液体容器700の液体に浸漬されている。芯部310’’及びストッパ710の第1筒711を内側ハウジング101’’の仕切り部130の貫通孔131に挿通させ、支持部170a、170bの間に配置させる。
【0083】
その後、噴霧部200’’の第2ケース232及びスライダー270a、270bを用意する。その後、スライダー270aを内側ハウジング101’’の支持部170aのガイド壁171a、172a間に挿入し、仕切り部130上に設置する。これと共に、スライダー270bを内側ハウジング101’’の支持部170bのガイド壁171b、172b間に挿入し、仕切り部130上に設置する。このとき、液体供給部300’’の芯部310’’が第2ケース232の開口232aを挿通する。
【0084】
その一方で、噴霧部200’’の振動部210及び保持部220を用意する。実施例と1同様に、振動部210を保持部220に保持させる。その後、保持部220のネジ部224を取付部223に固定する。
【0085】
その後、開口232aを挿通した液体供給部300’’の芯部310’’を保持部220’’の第2スリーブ226から、保持部220’’の貫通孔、保持部220’’の第1スリーブ225及び第2保持部222の第2開口222aに順次挿入し、芯部310’’を保持部220に保持された振動部210に当接させる。これと共に、保持部220の取付部223を第2ケース232に収容させる。この状態で、芯部310’’の固定部311’’を第1、第2スリーブ225、226の何れか一方に固定する。これにより、液体供給部300’’の固定部311’’が第1、第2スリーブ225、226に支持される。その後、噴霧部200’’の第1ケース231を用意する。第1ケース231を第2ケース232に組み合わせる。これにより、保持部220’’の取付部223が第1、第2ケース231、232に挟持される。保持部220’’の第1保持部221の第1開口221aが第1ケース231の噴霧口231aに連通する。以上のように噴霧部200’’が組み立てられる。
【0086】
その後、実施例1と同様に、制御部600が実装された基板500を内側ハウジング101’’に固定し、内側ハウジング101’’の第1収容部110を外側ハウジング102内に嵌合させる。以上のように液体噴霧装置D3が組み立てられる。
【0087】
上述した液体噴霧装置D3は、以下の技術的特徴を有している。第1に、噴霧部200’’の液体の噴霧方向を可変させることができる。具体的には、以下の通りである。噴霧部200’’のスライダー270a、270bがハウジング100’’の支持部170a、170bに昇降自在に支持されている。このため、噴霧部200’’を初期位置から係合位置にかけてスライドさせる(噴霧部200’’をハウジング100’’に対して離反させる)と、スライダー270aがガイド壁171a、172a間をスライドし、スライダー270bがガイド壁171b、172b間をスライドする。そして、スライダー270aの係合凸部272aが支持部170aの一対の係合部173aを乗り越え、当該係合部173aに係合される。スライダー270bの係合凸部272bが支持部170bの一対の係合部173bを乗り越え、当該係合部173bに係合される。液体供給部300’’の芯部310’’の固定部311’’が噴霧部200’’に固定されているので、芯部310’’が噴霧部200’’のスライドに応じて筒部320’’及びハウジング100’’に対してZ方向に伸長する(移動する)。係合部173aに係合位置で支持された噴霧部200’’は液体を霧化し、放出可能となる。その後、噴霧部200’’を係合位置から初期位置にかけてスライドさせる(噴霧部200’’をハウジング100’’に対して接近させる)と、スライダー270aがガイド壁171a、172a間をスライドし、スライダー270bがガイド壁171b、172b間をスライドする。このとき、スライダー270aの係合凸部272aが支持部170aの一対の係合部173aを乗り越え、ハウジング100’’の仕切り部130に支持される。スライダー270bの係合凸部272bが支持部170bの一対の係合部173bを乗り越え、ハウジング100’’の仕切り部130に支持される。液体供給部300’’の芯部310’’が噴霧部200’’のスライドに応じて筒部320’’及びハウジング100’’に対してZ’方向に縮む(移動する)。このため、仕切り部130に初期位置で支持された噴霧部200’’は液体を霧化し、放出可能となる。
【0088】
第2に、液体供給部300’’の芯部310’’が筒部320’’に対してスライドするときに、筒部320’’がZ−Z’方向に移動するのを防止することができる。筒部320’’が液体容器700のストッパ710の第2筒712に嵌合しているためである。
【0089】
第3に、噴霧部200’’をスライドさせるときに、振動部210に対して負荷がかからない。液体供給部300’’の固定部311’’が振動部210に当接した状態で噴霧部200’’に固定されているからである。
【0090】
なお、上述した液体噴霧装置は、上記実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲の記載範囲において任意に設計変更することが可能である。以下、詳しく述べる。
【0091】
本発明の噴霧部は、液体を霧化して外部に放出可能な構成であって、ハウジングに対して回動可能、ハウジングに対して揺動可能、又はハウジングに対して離反及び接近可能である限り任意に設計変更することが可能である。噴霧部の回動角度、揺動範囲及び移動範囲は任意に設定することが可能である。噴霧部の初期位置も任意に設定することが可能である。例えば、噴霧部は所定角度に傾いた位置が初期位置とすることが可能である。また、噴霧部は、ハウジングの係合部に係合され、当該係合部に中空支持された位置が初期位置とすることが可能である。
【0092】
本発明の噴霧部の振動部は、液体を霧化させるために振動を生じさせることが可能である限り任意に設計変更することが可能である。例えば、振動部は、超音波振動によって液体を霧化させる構成とすることが可能である。
【0093】
本発明の噴霧部の保持部は、上述した何れかの態様の振動部を保持することができ且つ液体供給部の固定部が固定され得る限り任意に設計変更することが可能である。例えば、噴霧部の保持部は、上述した何れかの態様の振動部を保持する第1、第2保持部のみを有する構成とすることが可能である。第1、第2保持部の少なくとも一方を噴霧部のケースとすることが可能である。振動部によって霧化された液体は、第1、第2保持部の少なくとも一方に設けられた噴霧口から噴霧される構成とすることが可能である。また、噴霧部の保持部は、ケースと、第1、第2保持部と、取付部とを有する構成とすることが可能である。第1、第2保持部は上述した何れかの態様の振動部を保持している。取付部はケースに取り付けられ、当該ケース内で第1、第2保持部を保持している。
【0094】
本発明の噴霧部のスリーブは省略可能である。本発明の噴霧部のスリーブは液体供給部の固定部が挿通されている限り任意に設計変更することが可能である。例えば、噴霧部のスリーブは、第1保持部、第2保持部、保持部の取付部の上面、保持部の取付部の下面又は噴霧部のケースに設けられた構成とすることが可能である。また、上述した何れかの態様の噴霧部のスリーブは、保持部の取付部の上面に設けられた第1スリーブと、前記取付部の下面に設けられた第2スリーブとの少なくとも一方を有する構成とすることが可能である。第1、第2スリーブの内径及び/又は外径は同一であっても良いし、相違しても良い。上述した噴霧部のスリーブは、円筒だけでなく、角筒又は多角形の筒等とすることが可能である。
【0095】
本発明のハウジングは、上述した何れかの態様の噴霧部を回動可能、揺動可能、着脱可能又はスライド可能に支持し得る限り任意に設計変更することが可能である。
【0096】
本発明のハウジングの支持部は、上述した何れかの態様の噴霧部を支持可能である限り任意に設計変更することが可能である。例えば、支持部は、ハウジングに設けられており且つハウジングに対して接近及び離反可能な噴霧部が載置される載置部とすることが可能である。また、支持部は、ハウジングに設けられており且つハウジングに対して接近及び離反可能な噴霧部が収容される凹部とすることが可能である。また、支持部は、ハウジングに設けられており且つハウジングに対して接近及び離反可能な噴霧部を係合可能な係合凸部又は係合凹部とすることが可能である。
【0097】
本発明のハウジングのスリーブは省略可能である。本発明のハウジングのスリーブは、液体供給部が挿通されている限り任意に設計変更することが可能である。本発明のハウジングのスリーブは、上述した噴霧部が上述した支持部に支持された状態で、上述した保持部のスリーブが上述したハウジングのスリーブ内に挿入される構成としても良いし、上述したハウジングのスリーブが上述した保持部のスリーブ内に挿入される構成としても良い。両者の場合、内側のスリーブが外側のスリーブに支持される構成としても良い。
【0098】
本発明のハウジングの係合部は省略可能である。本発明のハウジングの係合部は、上述した何れかの態様のハウジングのスライダーの移動経路に設けられており且つ当該スライダーを係合可能である限り任意に設計変更することが可能である。例えば、係合部は、上記実施例又は後述する設計変形例のスライダーを、当該スライダーの移動路内で係合可能な一又は複数の係合凸部又は係合凹部とすることが可能である。複数の係合凸部又は係合凹部は、スライダーの移動方向に間隔をあけて配置することが可能である。本発明のハウジングの係合部は、本発明のハウジングの噴霧部の回動路又は揺動路に設けられており且つ当該噴霧部を係合可能な構成としても良い。具体的には、係合部は、上述した何れかの態様の噴霧部を、当該噴霧部の回動路又は揺動路内で係合可能な一又は複数の係合凸部又は係合凹部とすることが可能である。複数の係合凸部又は係合凹部は、噴霧部の回動方向又は揺動方向に間隔をあけて配置することが可能である。
【0099】
本発明のスライダーは、上述した何れかの態様の噴霧部及びハウジングの何れか一方に設けられ、噴霧部をハウジングに対してスライド自在に支持する限り任意に設計変更することが可能である。噴霧部がスライダーを有する場合、スライダーは、上述した何れかの態様の第1、第2保持部、噴霧部のケース又は取付部に設けられた構成とすることが可能である。ハウジングがスライダーを有する場合、スライダーは上述した何れかの態様の噴霧部を支持する構成とすると良い。
【0100】
本発明の軸部は、上述した何れかの態様の噴霧部及びハウジングの何れか一方に設けられている限り任意に設計変更することが可能である。本発明の軸受け部は、前記噴霧部及びハウジングの他方に設けられ且つ前記軸部を軸支し得る限り任意に設計変更することが可能である。上述した何れかの態様の軸部は、上述した何れかの態様の軸受け部に対して着脱可能な構成とすることが可能である。
【0101】
例えば、実施例2の液体噴霧装置D2は、以下の通り設計変更することが可能である。ハウジング100’が、一対の支持部160に代えて、実施例1の一対の軸受け部120を有する構成とすることが可能である。噴霧部200’が、一対の実施例1の軸部240を更に有する構成とすることが可能である。軸部240は、把持部250’に各々着脱自在に把持されており且つ軸受け部120の軸受け孔121に各々回転可能に挿入されている。この場合、第2スリーブ226’は省略又はスリーブ150’内に挿入されない長さに設計変更される。このため、噴霧部200’が実施例1と同様に回動可能であり、液体供給部300’の大径部320’が噴霧部200’の回動に応じて折り曲げ可能である。軸部240が把持部250’の把持から解除されることによって、噴霧部200’は実施例2と同様にハウジング100’から接近及び離反可能となる。このとき、液体供給部300’の大径部320’がハウジング100’の貫通孔131’及びスリーブ150’を通って液体容器400から導出される。このように液体供給部300’がハウジング100’に対して伸長する。液体供給部300’が伸びた状態で、噴霧部200’の向きを任意に変えることができる。液体供給部300’は可撓性を有しているため、噴霧部200’の向きに応じて湾曲する。その後、噴霧部200’の軸部240を把持部250’に把持させる。このとき、液体供給部300’の大径部320’がハウジング100’の貫通孔131’及びスリーブ150’を通って液体容器400内に収容される。なお、スリーブ150’は省略可能である。
【0102】
上述した何れかの態様の軸部が噴霧部のスライダー及びハウジングの何れか一方に設けられ、上述した何れかの態様の軸受け部が前記噴霧部のスライダー及びハウジングの他方に設けられた構成とすることが可能である。上述した何れかの態様の軸部がハウジングのスライダー及び噴霧部の何れか一方に設けられ、上述した何れかの態様の軸受け部が前記ハウジングのスライダー及び噴霧部の他方に設けられた構成とすることが可能である。
【0103】
本発明の噴霧部が上述したようにハウジングに対して揺動可能である場合、軸部及び軸受け部の代りに、上述した何れかの態様の噴霧部及びハウジングの何れか一方にガイド凸部が設けられ、前記ハウジング及び前記噴霧部の他方にガイド凹部が設けられた構成とすることが可能である。ガイド凸部がガイド凹部に移動自在にガイドされることによって、噴霧部がハウジングに対して揺動自在となる。ガイド凸部は、ガイド凹部に対して着脱可能な構成とすることが可能である。上述した何れかの態様のガイド凸部が噴霧部のスライダー及びハウジングの何れか一方に設けられ、上述した何れかの態様のガイド凹部前記噴霧部のスライダー及びハウジングの他方に設けられた構成とすることが可能である。上述した何れかの態様のガイド凸部がハウジングのスライダー及び噴霧部の何れか一方に設けられ、上述した何れかの態様のガイド凹部が前記ハウジングのスライダー及び噴霧部の他方に設けられた構成とすることが可能である。
【0104】
なお、軸部及び軸受け部の何れか一方に係合凸部が設けられ、他方に係合凹部が設けられた構成とすることが可能である。係合凸部が係合凹部に係合されることによって、軸部が所定角度で軸受け部に保持される。ガイド凸部及びガイド凹部の何れか一方に係合凸部が設けられ、他方に係合凹部が設けられた構成とすることが可能である。係合凸部が係合凹部に係合されることによって、ガイド凸部が所定位置でガイド凹部に保持される。ガイド凸部自体が係合凸部を兼ねる構成とすることも可能である。
【0105】
本発明の液体供給部は、下記条件に適う限り任意に設計変更することが可能である。第1に、本発明の液体供給部は上述した何れかの態様の噴霧部に固定されていることである。第2に、本発明の液体供給部は前記噴霧部に液体を供給可能であることである。第3に、本発明の液体供給部は、前記噴霧部の回動又は揺動に応じて部分的に折り曲げ可能、又は、前記噴霧部の接近及び離反に応じてハウジングに対して部分的に伸縮可能である限り任意に設計変更することが可能である。例えば、上述の通り噴霧部がハウジングに対して接近及び離反(スライドを含む。)する場合、液体供給部は噴霧部の移動距離よりも長くなっており、且つ噴霧部の離反に応じて液体容器から導出され、ハウジングに対して伸長する一方、噴霧部の接近に応じて液体容器に収容され、ハウジングに対して縮む構成とすることが可能である。上述の通り噴霧部がハウジングに対して接近及び離反(スライドを含む。)する場合、液体供給部は、筒部と、前記筒部内にスライド自在に設けられた芯部とを有しており、且つ前記筒部及び芯部の何れか一方が噴霧部に固定される構成とすることが可能である。すなわち、実施例2の液体供給部300’と実施例3の液体供給部300’’は置換可能である。上記実施例2の設計変形例においても、実施例3の液体供給部300’’を採用することが可能である。本発明の液体供給部は、少なくとも一部が弾性変形することによって伸縮する吸液芯等である構成とすることも可能である。
【0106】
本発明の液体供給部の固定部は、上述した何れかの態様の噴霧部の保持部に固定され且つ上述した何れかの態様の振動部に当接している限り任意に設計変更することが可能である。例えば、固定部は、噴霧部の第1、第2保持部の何れか一方、取付部又はケースに固定された構成とすることが可能である。固定部の保持部に対する固定は、接着、嵌合、カシメ等の周知の固定手段を用いることが可能である。
【0107】
本発明の液体供給部の折り曲げ部は、上述した何れかの態様の噴霧部の回動又は揺動に応じて折り曲げ可能である限り任意に設計変更することが可能である。本発明の液体供給部の折り曲げは、湾曲も含む。本発明の折り曲げ部の貫通孔は省略可能である。本発明の折り曲げ部の貫通孔は、当該折り曲げ部を半径方向又は短手方向に貫通している限り任意に設計変更することが可能である。また、本発明の折り曲げ部は、貫通孔に代えて、液体供給部の当該折り曲げ部以外の部分よりも細い構成とすることが可能である。上述の通りスライダーに軸部又は軸受け部が設けられている場合、上述した何れかの態様の折り曲げ部が、噴霧部の移動距離よりも長い液体供給部に設けられた構成としても良いし、筒部及び芯部の何れか一方に設けられた構成としても良い。
【0108】
なお、本発明の液体供給部は、2種以上の材料で構成することが可能である。例えば、液体供給部の固定部及び浸漬部が異なる素材で構成されていても良い。液体供給部の固定部及び折り曲げ部が異なる素材で構成されていても良い。また、液体供給部の芯部及び筒部が異なる素材で構成されていても良い。吸液性に優れる第1材料と、剛性又は可撓性を有する第2材料とを組み合わせることが可能である。なお、本発明の液体供給部は、液体が通過可能な供給路等とすることも可能である。
【0109】
なお、上記実施例における液体噴霧装置の各構成要素を構成する素材、形状、寸法、数及び配置等はその一例を説明したものであって、同様の機能を実現し得る限り任意に設計変更することが可能である。上述した実施例及び設計変更例は、互いに矛盾しない限り、相互に組み合わせることが可能である。本発明の液体は、噴霧部によって噴霧可能である限り任意に変更することが可能である。例えば、本発明の噴霧部が噴霧可能な液体としては、水、香水、アロマオイル等がある。