(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6383546
(24)【登録日】2018年8月10日
(45)【発行日】2018年8月29日
(54)【発明の名称】複数の多機能センサデバイスにおけるオフセットのばらつきを低減するためのシステムおよび方法
(51)【国際特許分類】
G01C 19/00 20130101AFI20180820BHJP
G08C 15/06 20060101ALI20180820BHJP
H01L 29/84 20060101ALI20180820BHJP
B81B 7/02 20060101ALI20180820BHJP
【FI】
G01C19/00 Z
G08C15/06 H
H01L29/84 A
B81B7/02
【請求項の数】20
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2014-41570(P2014-41570)
(22)【出願日】2014年3月4日
(65)【公開番号】特開2014-174166(P2014-174166A)
(43)【公開日】2014年9月22日
【審査請求日】2017年2月28日
(31)【優先権主張番号】13/791,329
(32)【優先日】2013年3月8日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】504199127
【氏名又は名称】エヌエックスピー ユーエスエイ インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】NXP USA,Inc.
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100091214
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 進介
(72)【発明者】
【氏名】マーク イー シュラーマン
(72)【発明者】
【氏名】デヨウ ファン
(72)【発明者】
【氏名】キース エル クレイヴァー
(72)【発明者】
【氏名】マイク エー マルグレス
(72)【発明者】
【氏名】ヒロト サハラ
【審査官】
梶田 真也
(56)【参考文献】
【文献】
米国特許第04354393(US,A)
【文献】
米国特許出願公開第2010/0162813(US,A1)
【文献】
特開2010−145273(JP,A)
【文献】
特表2011−503522(JP,A)
【文献】
国際公開第2013/002085(WO,A1)
【文献】
特開昭57−029907(JP,A)
【文献】
特開2005−172561(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01C 19/00 − 19/72
B81B 1/00 − 7/04
B81C 1/00 − 99/00
G01B 21/00 − 21/32
G08C 13/00 − 25/04
H01L 27/20
H01L 29/84
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
多機能センシングデバイスであって、該多機能センシングデバイスは、
微小電気機械(MEMS)ジャイロスコープであって、該MEMSジャイロスコープは第1のクロック信号を生成するように構成されている、MEMSジャイロスコープと、
リセット機構であって、該リセット機構は前記第1のクロック信号のエッジに応答してリセット信号を生成するように構成されている、リセット機構と、
第2のセンサであって、該第2のセンサは少なくとも1つの第2のクロック信号を含み、該第2のセンサは前記リセット信号を受信して、該リセット信号に応答して前記第2のクロック信号と前記第1のクロック信号との間の相対周期位相整合を設定するように構成されている、第2のセンサとを備える、多機能センシングデバイス。
【請求項2】
前記MEMSジャイロスコープはマスタクロック信号をさらに生成し、前記第2のセンサは、前記マスタクロック信号と前記第2のクロック信号が同期するように前記マスタクロック信号を使用して前記第2のクロック信号を生成する、請求項1に記載の多機能センシングデバイス。
【請求項3】
前記リセット信号は前記MEMSジャイロスコープにさらに結合され、前記リセット信号は、前記MEMSジャイロスコープ内の前記第1のクロック信号のレートよりも低いレートで動作する回路をリセットするために使用される、請求項1に記載の多機能センシングデバイス。
【請求項4】
前記第2のセンサは、慣性センサおよび圧力センサ、磁気センサ、電磁放射センサ、光センサ、温度センサ、湿度センサ、応力センサ、歪みセンサ、ならびに化学的検出センサから成る群から選択されるセンサを備える、請求項1に記載の多機能センシングデバイス。
【請求項5】
前記多機能センシングデバイスは、第3のクロック信号を含む第3のセンサを含み、該第3のセンサは、前記リセット信号を受信し、該リセット信号に応答して前記第3のクロック信号と前記第1のクロック信号との間の相対周期位相整合を設定するように構成されている、請求項1に記載の多機能センシングデバイス。
【請求項6】
前記リセット機構はリセット要求信号を受信するように構成されており、前記リセット機構は、前記リセット要求信号に続いて前記第1のクロック信号の前記エッジが受信されるのに応答して前記リセット信号を生成することによって、前記第1のクロック信号の前記エッジに応答して前記リセット信号を生成するように構成されている、請求項1に記載の多機能センシングデバイス。
【請求項7】
前記第1のクロック信号は前記MEMSジャイロスコープの機械的振動に位相ロックされている、請求項1に記載の多機能センシングデバイス。
【請求項8】
前記第1のクロック信号は前記MEMSジャイロスコープの機械的振動に位相ロックされているクロックの分数調波である、請求項1に記載の多機能センシングデバイス。
【請求項9】
前記第2のセンサはMEMSセンサであり、前記MEMSジャイロスコープおよび前記第2のセンサは同じ基板上に形成されている、請求項1に記載の多機能センシングデバイス。
【請求項10】
センシングデバイスであって、
微小電気機械(MEMS)ジャイロスコープであって、該MEMSジャイロスコープは該MEMSジャイロスコープ内の機械的振動または該機械的振動の分数調波に位相ロックされている第1のクロック信号を生成するように構成されている、MEMSジャイロスコープと、
リセット機構であって、該リセット機構は、前記第1のクロック信号およびリセット要求信号を受信するように構成されており、該リセット機構は、前記リセット要求信号の受信、および、該リセット要求信号の受信に続く前記第1のクロック信号のエッジに応答してリセット信号を生成するように構成されている、リセット機構と、
第2のMEMSセンサであって、該第2のMEMSセンサは第2のクロック信号を含み、該第2のMEMSセンサは、MEMS慣性センサおよびMEMS圧力センサから成る群から選択され、該第2のMEMSセンサは、前記リセット信号を受信し、該リセット信号に応答して前記第2のクロック信号と前記第1のクロック信号との間の相対周期位相整合を設定するように構成されている、第2のMEMSセンサと、
第3のMEMSセンサであって、該第3のMEMSセンサは第3のクロック信号を含み、該第3のMEMSセンサは、MEMS慣性センサおよびMEMS圧力センサから成る群から選択され、該第3のMEMSセンサは、前記リセット信号を受信し、該リセット信号に応答して前記第3のクロック信号と前記第1のクロック信号との間の相対周期位相整合を設定するように構成されている、第3のMEMSセンサとを備える、センシングデバイス。
【請求項11】
前記リセット信号は前記MEMSジャイロスコープにさらに結合され、前記リセット信号は、前記MEMSジャイロスコープ内の前記第1のクロック信号のレートよりも低いレートで動作する回路をリセットするために使用される、請求項10に記載のセンシングデバイス。
【請求項12】
多機能センシングデバイスを動作させる方法であって、該多機能センシングデバイスは、微小電気機械(MEMS)ジャイロスコープおよび第2のセンサを含み、該方法は、
前記MEMSジャイロスコープ内の第1のクロック信号を生成するステップと、
前記第1のクロック信号と前記第2のセンサ内の第2のクロック信号との間の相対周期位相整合を設定するステップとを備える、方法。
【請求項13】
前記第2のセンサは、慣性センサおよび圧力センサ、磁気センサ、電磁放射センサ、光センサ、温度センサ、湿度センサ、応力センサ、歪みセンサ、ならびに化学的検出センサから成る群から選択されるセンサを備える、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記多機能センシングデバイスは第3のセンサをさらに含み、前記方法は、前記第1のクロック信号と前記第3のセンサ内の第3のクロック信号との間の相対周期位相整合を設定するステップをさらに備える、請求項12に記載の方法。
【請求項15】
前記MEMSジャイロスコープ内の前記第1のクロック信号のレートよりも低いレートで動作する回路をリセットするステップをさらに備える、請求項12に記載の方法。
【請求項16】
前記第1のクロック信号と前記第2のセンサ内の前記第2のクロック信号との間の相対周期位相整合を設定するステップは、前記第1のクロック信号およびリセット要求信号を受信するステップと、前記リセット要求信号に続いて前記第1のクロック信号のエッジが受信されるのに応答してリセット信号を生成するステップを備える、請求項12に記載の方法。
【請求項17】
前記第1のクロック信号は前記MEMSジャイロスコープの機械的振動に位相ロックされている、請求項12に記載の方法。
【請求項18】
前記第1のクロック信号は前記MEMSジャイロスコープの機械的振動に位相ロックされているクロックの分数調波である、請求項12に記載の方法。
【請求項19】
前記第1のクロック信号と前記第2のセンサ内の前記第2のクロック信号との間の相対周期位相整合を設定するステップは、マスタクロック信号を受信し、前記マスタクロック信号を使用して、前記マスタクロックと前記第2のクロック信号が同期するように前記第2のクロック信号を生成するステップを備える、請求項12に記載の方法。
【請求項20】
前記第2のセンサはMEMSセンサであり、前記MEMSジャイロスコープおよび前記第2のセンサは同じ基板上に形成されている、請求項12に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般的には微小電気機械システム(MEMS)デバイスに関する。より具体的には、本発明は、多機能MEMSセンサデバイスに関する。
【背景技術】
【0002】
微小電気機械システム(MEMS)技術は、従来のバッチ半導体処理技法を使用して非常に小さな電気機械構造を作成する方法を提供するため、近年において広く高い評判を勝ち得ている。MEMSの1つの一般的な用途が、センサデバイスの設計および製造である。MEMSセンサは、自動車、慣性誘導システム、家庭用電化製品、ゲームデバイス、さまざまなデバイスのための保護システム、ならびに、多くの他の産業、科学、および工学システムのような用途に広く使用されている。
【0003】
MEMSセンサの1つの例が、MEMSジャイロスコープである。代替的に「角速度センサ」、「ジャイロスコープ」、「ジャイロメータ」、「振動ジャイロスコープ」、「ジャイロスコープセンサ」または「ヨー・レート・センサ」と称されるMEMSジャイロスコープは、1つ以上の軸を中心とした角回転または運動速度を感知する。MEMSジャイロスコープは、さまざまなセンシング用途に広く使用されている。たとえば、車両または自動車用途は、車両エアバッグを展開するか、または安定制御システムおよび/もしくはトラクション・コントロール・システムを起動するときを決定するためにMEMSジャイロスコープを使用する場合がある。加えて、ビデオ・ゲーム・コントローラ、パーソナル・メディア・プレーヤ、携帯電話、およびデジタルカメラのような家庭用電子機器も、デバイスの向きを追跡し、かつ/またはその回転運動に応答するためにさまざまな用途においてMEMSジャイロスコープを使用する。
【0004】
MEMSセンサデバイスの他の例は、MEMS慣性センサおよびMEMS圧力センサを含む。概して、MEMS慣性センサは、加速を含むさまざまな異なるタイプの慣性変化を感知するように構築および構成されることができる。同様に、MEMS圧力センサは、さまざまなタイプの圧力変化を感知するように構成されることができる。
【図面の簡単な説明】
【0005】
以下の図面と併せて考察して詳細な説明および請求項を参照することで、より完全に本発明を理解することができる。これらの図面では全般にわたり同様の参照符号は類似の項目を示している。
【0006】
【
図1】本発明の一実施形態に応じた多機能センシングデバイスの概略図。
【
図2】本発明の一実施形態に応じた多機能センシングデバイスの概略図。
【
図3】本発明の別の実施形態に応じた多機能センシングデバイスの概略図。
【
図4】本発明の一実施形態に関する例示的なタイミング波形を示すタイミング図。
【
図5】多機能センサデバイスにおけるさまざまなクロックの例示的なタイミング波形を示すタイミング図。
【発明を実施するための形態】
【0007】
下記の詳細な記載は本来説明のためのものに過ぎず、本主題の実施形態またはこのような実施形態の適用および使用を限定することを意図しない。さらに、上記技術分野、背景技術、または以下の詳細な説明で提示される、いかなる表示または暗示された理論によっても束縛されることは意図されていない。
【0008】
以下の記載は、ともに「接続される」または「結合される」ものとして要素もしくはノードまたは特徴に言及している。本明細書において使用される場合、別途明確に述べられていない限り、「接続される」とは、1つの要素が別の要素に直接的に結び付けられている(または直接的にそれと通信する)ことを意味し、必ずしも機械的にではない。同様に、別途明確に述べられていない限り、「結合される」とは、1つの要素が別の要素に直接的にまたは間接的に結び付けられている(または直接的にもしくは間接的にそれと通信する)ことを意味し、必ずしも機械的にではない。従って、図面に示されている概略図は要素の例示的な構成を図示しているが、追加の介在する要素、デバイス、特徴、または構成要素が図示される主題の実施形態において存在してもよい。
【0009】
簡潔にするために、微小電気機械システム(MEMS)作成および開発、MEMSセンシング、アナログ回路設計、ならびにシステムの他の機能的態様(およびシステムの個々の動作構成要素)に関連する従来の技法は、本明細書において詳細に説明されていない場合がある。さらに、本明細書に含まれるさまざまな図面において示されている接続線は、さまざまな要素間の例示的な機能的関係および/または物理結合を表すように意図されている。なお、多くの代替形態または追加の機能的関係または物理接続が本主題の一実施形態において存在してもよい。本明細書に記載の回路は、シリコンもしくは別の半導体材料、または代替的にそのソフトウェアコード表現のいずれかにおいて実装されてもよいことは理解されたい。加えて、特定の専門用語は以下の説明においては参考のみを目的として使用されている場合もあり、従って、限定であるようには意図されておらず、構造を指す「第1の」、「第2の」といった用語、および他のこのような数に関する用語は文脈において明確に指示されていない限り、並びまたは順序を暗示してはいない。
【0010】
本明細書に記載のさまざまな実施形態は、改善された多機能センシングを提供するためのシステムおよび方法を提供する。これらの実施形態において、多機能センシングデバイスは、微小電気機械(MEMS)ジャイロスコープおよび少なくとも1つの第2のセンサを含む。MEMSジャイロスコープは、第1のクロック信号を生成するように構成されており、第2のセンサは、第2のクロック信号を含む。多機能センシングデバイスはリセット機構をさらに含み、リセット機構は、第1のクロック信号に対する第2のクロック信号の相対周期位相を整合させるためのリセット信号を生成するように構成されている。下記により詳細に説明するように、MEMSジャイロスコープのクロックに対する他のセンサデバイスのクロックの相対周期位相を整合させることで、複数のセンシングデバイスにおいて変動する出力オフセットが発生する可能性を低減することによってデバイスの性能を改善することができる。
【0011】
特定の実施形態において、多機能センシングデバイスは、リセット機構と、MEMSジャイロスコープと、少なくとも第2のMEMSセンサおよび第3のMEMSセンサとを含む。この実施形態において、第1のMEMSセンサおよび第2のMEMSセンサは両方とも、MEMS慣性センサおよびMEMS圧力センサから成る群から選択される。MEMSジャイロスコープは、MEMSジャイロスコープ内の振動質量部の機械的振動の少なくとも分数調波と整合した第1のクロック信号位相を生成するように構成されている。第2のMEMSセンサは第2のクロック信号を含み、第3のMEMSセンサは第3のクロック信号を含む。リセット機構は、第1のクロック信号およびリセット要求信号を受信するように構成されている。リセット機構は、リセット要求信号の受信に応答して第1のクロック信号のエッジに続いてリセット信号を生成するように構成されており、リセット信号は、第2のクロック信号および第3のクロック信号に第1のクロック信号と位相整合させるために、第2のMEMSセンサおよび第3のMEMSセンサに結合される。具体的には、第2のクロック信号、第3のクロック信号、および第1のクロック信号の間で相対周期位相整合を設定するためである。ここでも、下記により詳細に説明するように、他のMEMSセンサデバイスに対するクロックと、MEMSジャイロスコープの第1のクロックの間での一貫した相対周期位相整合を設定することで、複数のMEMSセンシングデバイスにおいて変動する出力オフセットが発生する可能性を低減することによってデバイスの性能を改善することができる。
【0012】
MEMSセンサのようなセンサデバイスは一般的に、概して「オフセット」と称されるものを有する。概して、オフセットは、ヌルまたは0入力がセンサに与えられるときに生成されるセンサ出力を指す。これらのオフセットは、MEMSセンサ作製中に発生する製造および較正における一般的なばらつきを含む、さまざまな要因から生じる可能性がある。ほとんどのMEMSセンサデバイスを含むほとんどのセンサデバイスは、そのようなオフセットを補償または他の様態で「消去」するための機構を提供し、それによって、オフセットが動作中にセンサ出力を許容不能に変化させることはない。たとえば、MEMSセンサデバイスは、デバイス設定中にオフセットが低減され、取り除かれ、または他の様態で補償されることを可能にするプログラム可能な「タイミング値」を含む場合がある。オフセットを低減し、または取り除くためのそのような値をプログラムするプロセスは、一般的に「トリミング」と称される。
【0013】
しかしながら、そのような技法は、センシング動作中に、またはセンシング動作とセンシング動作との間で変動するか、または他の様態で変化する可能性があるオフセットへの対処の有効性が制限されている。多機能センサデバイスにおいて発生する1つのそのようなタイプの変動するオフセットは、一般的に「マルチモーダルオフセット」と称される。マルチモーダルオフセットは、複数のデバイスの間の相互作用に起因して多機能センサデバイスにおいて発生する可能性がある。デバイス間のこれらの相互作用は、共有電力または戻り経路、熱的結合、電磁的結合、機械的結合、および共有回路を含み得る。これらの相互作用は、MEMSセンサデバイスがMEMSジャイロスコープと同じ基板上に形成されるときに特に強くなる可能性がある。これらの相互作用の結果として、多機能MEMSセンサデバイスはいくつかの異なる値の間で確率的に変動するオフセットを有する可能性がある。たとえば、離散的な値のセットの間でランダムに変動する値を有する、電源投入するごとに変化する可能性のあるオフセットが、マルチモーダルと称される。トリミングは1つの可能性のあるオフセット値セットを補償するにすぎないため、電源投入するごとに変動する場合があるマルチモーダルオフセットの補償の有効性が制限されている。すなわち、デバイスが1つのオフセット値についてトリミングされ、かつマルチモーダルな変化が結果として異なるオフセット値をもたらす場合、結果として報告されるセンサ値に誤りが生じる可能性がある。これらの誤りはデバイスの精度に悪影響を及ぼす可能性がある。
【0014】
本明細書に記載のさまざまな実施形態は、マルチモーダルオフセットを低減し、従って多機能センシングの性能を改善するためのシステムおよび方法を提供する。この技法は、ジャイロスコープにおけるクロックと他のセンサデバイスにおけるクロックとの間の相対的な位相のばらつきを取り除くことによって、マルチモーダルオフセットの可能性を低減する。
【0015】
一般的なMEMSジャイロスコープは、2次元平面、すなわち、振動平面内で共振するように駆動される小さい振動質量部を採用している。振動平面が回転すると、コリオリの力によって、振動質量部が回転速度に比例する量だけ振動平面から変位される。回転速度を決定するために、この変位が測定されて、振動質量部と同じ共振周波数で振動する電気信号に変換される。この電気信号の同相成分は回転速度に比例し、一般的にレート信号またはレート成分と称される。従って、レート信号は、ジャイロスコープの回転速度に関するデータを提供するのに使用されることができる。
【0016】
一般的なMEMSジャイロスコープは、振動質量部の機械的振動と同相である少なくとも1つのクロック信号を含む。これは、クロック信号を機械的振動に位相ロックするのに使用される位相ロックループ(PLL)を使用することによって達成されることができる。なお、この機械的振動の位相自体は、質量部の振動を駆動するのに使用される共振器の高品質係数および長時定数に起因して容易に変更することはできない。この理由から、MEMSクロック信号の位相は容易に変更することができず、従って、本明細書に記載の実施形態は、変位と位相ロックされているMEMSジャイロスコープクロック(または変位に位相ロックされているクロックの分数調波)に対する他のMEMSセンサ・デバイス・クロックの相対周期位相を整合させ、逆はない。
【0017】
ここで
図5を参照すると、3つのグラフ502、504および506は多機能センシングデバイスにおける例示的なクロックを示している。具体的には、各グラフ502、504および506は、ジャイロスコープにおける変位と位相整合されているジャイロスコープクロック(DCLK)を示している。各グラフは、高速マスタクロック(MCLK)ならびに第2のセンサのクロックおよび第3のセンサのクロックをも示している。下記により詳細に説明するように、一般的な実施態様において、高速クロック・マスタ・クロックMCLKはジャイロスコープによって生成されて他のセンサに渡され、それらの他のセンサにおいて、当該クロックは他のクロックを生成するのに使用される。これらのクロックはすべて、同じ高速マスタクロック(MCLK)を使用して生成されるため、システム全体は同期することになる。しかしながら、さまざまなセンサクロックは互いから、およびジャイロスコープ変位クロックとは無関係に生成されるため、これらのクロック間の相対周期位相整合にはばらつきがある可能性がある。また上述のように、相対位相整合のばらつきによって、トリミングが有効でない場合があるマルチモーダル出力オフセットがもたらされる。相対位相のこれらのばらつきの例が、グラフ502、504および506の間の差に示されている。具体的には、これらのグラフは、たとえそれらがすべて高速マスタクロックと同期している場合であっても、ジャイロスコープクロックとセンサクロックとの間でいかに異なる相対周期位相整合が生じ得るかを示している。各場合において、さまざまなセンサクロックは、互いの間で、およびジャイロスコープ変位クロックとの間で異なる相対周期位相関係を有し、従って異なる出力オフセットをもたらし得る。
【0018】
本明細書に記載のさまざまな実施形態は、ジャイロスコープにおけるクロックと他のセンサデバイスにおけるクロックとの間で一貫した相対位相関係を保証することによって出力オフセットのばらつきを低減する。具体的には、変位と位相ロックされているMEMSジャイロスコープにおける第1のクロック、またはMEMSジャイロスコープにおける変位の分数調波に対して、追加のMEMSセンサに使用されるクロックの相対周期位相を整合させることによる。
【0019】
なお、これらのクロック信号間の相対周期位相整合の設定は、これらのクロックの周波数が同じであることを暗示するものではない。従って、本明細書において、「周期位相整合」および「相対周期位相整合の設定」という語句は、クロックの周波数が同じであることを暗示するものではない。そうではなく、相対周期位相整合の設定は単純に、さまざまなクロックが常に同じ相対周期位相関係を有し、デバイスが再始動したときに異なる位相関係の間で切り替わらないことを保証する。たとえば、いくつかの実施形態において、さまざまなクロックは常にグラフ502に示す相対周期位相整合を有し、後に起動するときにグラフ504および506の位相整合にランダムに切り替わることはない。従って、本明細書における語句の意味に従って、クロック信号は異なるクロック周波数の必要に応じて周期的に位相整合されるのみであるが、一貫した相対周期位相整合を有する。
【0020】
ここで
図1を参照すると、多機能センシングデバイス100の簡略概略図が示されている。センシングデバイス100は、MEMSジャイロスコープ110と、少なくとも1つの第2のセンサ112(
図1においてはセンサ2〜Nとして示されている)と、リセット機構114とを含む。リセット機構114は、MEMSジャイロスコープの第1のクロック信号に対する第2のセンサ(複数の場合もあり)112のクロック信号(複数の場合もあり)の相対周期位相(複数の場合もあり)を整合させることを容易にするように構成されている。一般的な実施態様において、リセット機構114は、1つ以上のデジタル論理回路を用いて実装されることができるが、他の実施態様が可能であってもよい。リセット機構114は、第2のセンサ(複数の場合もあり)112のクロック信号(複数の場合もあり)とMEMSジャイロスコープの第1のクロック信号との間の相対周期位相整合の一貫した設定を容易にするように構成されている。上記で説明したように、他のセンサ112のクロックのMEMSジャイロスコープ110のクロックに対する相対周期位相整合の設定は、出力オフセットの変動が発生する可能性を低減することによって、組合せ多機能センサデバイスの性能を改善することができる。1つの特定の実施形態において、他のセンサ112は、MEMS慣性センサおよび/またはMEMS圧力センサを備える。しかしながら、これらは例に過ぎず、他のセンサ(非MEMSセンサを含む)が多機能センサデバイス100内で利用されてもよく、これらの他のセンサも、それらの相対周期位相を、リセット機構114によって第1のクロック信号に整合されていてもよいクロック信号を含んでもよいことに留意されたい。たとえば、磁気センサ、電磁放射センサ(マイクロボロメータ)、光センサ、温度センサ、湿度センサ、応力センサ、歪みセンサ、および化学的検出センサが、すべて多機能センサデバイスにおいて利用され得る。
【0021】
一般的な実施形態において、MEMSジャイロスコープ110は、測定された回転速度に比例する出力を生成するレートジャイロスコープを備える。しかしながら、他の実施形態において、MEMSジャイロスコープ110は全角度ジャイロスコープを備え得る。MEMSジャイロスコープ110は、振動質量部の機械的振動と同相である第1のクロック信号または機械的振動の分数調波を含む。上述のように、これは、クロック信号を機械的振動に位相ロックするためのPLL、および、第1のクロック信号が機械的振動の分数調波である場合にはクロック分周器を使用することを含む、いくつかの方法によって達成されることができる。リセット機構114は、この位相ロックされた第1のクロック信号を受信して、それを、第1のクロック信号に対する他のセンサ112のクロック信号の相対周期位相を整合させるためのリセット信号を生成するのに使用する。従って、MEMSジャイロスコープ110および他のセンサ112はすべて、一貫した周期相対位相整合を有するクロック信号を有する。上述のように、これによってマルチモーダルオフセットの可能性が低減し、従って、多機能センサデバイス100の精度を改善することができる。
【0022】
一実施形態において、リセット機構114はリセット要求信号を受信し、第1のクロック信号のエッジがリセット要求信号に続いて受信されることに応答してリセット信号を生成するように構成されている。たとえば、リセット機構114は、第1のクロック信号のエッジと整合されたリセットパルスを発するように構成されることができる。従って、リセットパルスは、第1のクロック信号の次の立ち上がりエッジまたは第1のクロック信号の次の立ち下がりエッジにおいて発することができる。
【0023】
ここで
図2を参照すると、多機能センシングデバイス200の概略図が示されている。センシングデバイス200は、MEMSジャイロスコープ210と、第2のMEMSセンサ212と、第3のMEMSセンサ214と、リセット機構216とを含む。MEMSジャイロスコープ210は、他のMEMSセンサ212および214に対するクロックとして使用される高周波マスタクロック信号(MCLK)を生成し、システム全体の同期を行う。MEMSジャイロスコープ210は、機械的変位と同期しているクロック信号(DCLK)、および、機械的変位に対する分数調波であるクロック信号(GCLK)をも生成する。この示されている実施形態において、リセット機構216のCLK入力に提供される第1のクロック信号であるものは、分数調波クロック(GCLK)である。しかしながら、他の実施形態において、第1のクロック信号は変位クロック信号(DCLK)自体であることができる。リセット機構216は、MEMSジャイロスコープ210の第1のクロック信号に対する第2のMEMSセンサ212および第3のMEMSセンサ214のクロック信号の相対周期位相整合を一貫して設定するためのリセット信号を生成するように構成されている。ここでも、それら自体の内部クロックを生成するために各センサにおいてMCLKを使用することに起因してシステム全体が同期されているが、これらのクロック生成器回路の、互いに対する、およびジャイロスコープ内の変位に対する一貫した周期位相整合を保証するためのリセット機構216の動作がなければ、相対位相整合にばらつきが生じ、出力オフセットにおいてばらつきを引き起こす可能性があることに留意されたい。ここでも、そのような周期位相整合のばらつきの例が
図5内のグラフ502、504および506に示されている。
【0024】
マスタクロック信号および第1のクロック信号は両方とも、振動の機械的振動と同相である変位信号を使用して生成される。具体的には、変位信号が増幅されて位相周波数検出器(PFD)に渡され、その後ループフィルタ(LF)および電圧制御発振器(VCO)に渡され、その結果マスタクロック信号(MCLK)が生成される。マスタクロック信号MCLKはN分周器を通じてPFDにフィードバックされて、変位クロック信号(DCLK)が生成される。このフィードバックは、変位クロック信号を機械的振動に対して位相ロックする位相ロックループを実装する。この実施形態において、変位クロック信号DCLKもM分周器によって再び分割されて、分数調波クロック信号(GCLK)が生成される。この示されている実施形態において、CLK入力においてリセット機構216に提供される第1のクロック信号であるものは、この分数調波クロック信号(GCLK)である。一般的な実施態様において、Nは1000の位の値を有し、それによって、マスタクロック信号MCLKは、振動質量部の振動数よりもおよそ3桁分速い。同様に、一般的な実施態様において、Mは1以上の値を有することができる。
【0025】
動作中、リセット要求信号がリセット機構216のRA入力に提供される。それに応答して、リセット機構216はRS出力において、第1のクロック信号のエッジと整合されたリセット信号を生成する。たとえば、RS出力は、CLK入力において受信される第1のクロック信号の次の立ち上がりエッジにおいてリセットパルスを生成する。リセットパルスは、他のMEMSセンサデバイス212および214に印加される。具体的には、リセットパルスはセンサデバイス212および214のRST入力に提供され、当該パルスは、その周期位相がジャイロスコープ内の振動質量部の変位に対して、または互いに対して変動していない内部クロック信号を生成するために、それらのセンサデバイスの内部にあるクロック生成器213および215をリセットするのに使用されることになる。
【0026】
上述のように、第1のクロック信号は、振動質量部の機械的振動と位相整合されている信号または機械的振動の分数調波であることができる。一般的に、機械的振動の分数調波であるクロック信号は、MEMSジャイロスコープ内に、駆動周波数よりも低いが、当該駆動周波数と同期しているレートで動作する何らかの他の回路があるときに使用されてもよい。そのような場合、その周波数のより低い分数調波信号に同期することが好ましい場合がある。たとえば、駆動クロックを分割することによって健全性監視信号が生成される応用形態において、そのような分数調波セルフテスト信号が第1のクロック信号CLKに使用されてもよい。
【0027】
一般的に、レートのより低い分数調波クロック信号を使用することには、システムの他の要素との位相のばらつきを低減するという利点がある。すなわち、MEMSセンサ内のクロックの相対周期位相を、相対的に遅い分数調波クロックに整合させる結果として、一般的に、オフセットのばらつきが低減されることになる。この理由から、いくつかの実施態様において、使用される第1のクロック信号CLKは、変位に位相ロックされている信号の分数調波である、MEMSジャイロスコープ内で最も遅いクロック信号であってもよい。しかしながら、より遅い分数調波クロック信号を使用することによって、クロックの相対周期位相を整合させるのに必要とされる時間が増大し、従って、MEMS多機能センシングデバイスの起動時間が増大する可能性があることに留意されたい。この理由から、システム内で最も遅い分数調波クロックを第1のクロック信号CLKとして使用することが常に望ましいわけではない場合があり、それらの場合、より速い分数調波クロックが使用されることができる。
【0028】
ここで
図3を参照すると、多機能センシングデバイス300の概略図が示されている。この実施形態においては、起動時間が長くなる可能性を回避するためにより速い変位クロック信号DCLKおよびリセット信号RSが使用されている。また、この実施形態においては、MEMSジャイロスコープ310は、分数調波クロックを使用してより遅い動作速度において作動する何らかの内部回路(たとえば、回路302)を含む。たとえば、回路302は、より遅いクロック速度を必要とする内部健全性監視回路を備えることができる。
【0029】
図2の実施形態のように、リセット機構316は、MEMSジャイロスコープ310の第1のクロック信号に対する、第2のMEMSセンサおよび第3のMEMSセンサのクロック信号の相対周期位相整合を設定するためのリセット信号を生成するように構成されている。上記のように、この場合、第1のクロック信号はより遅い分数調波GLCKではなく、より速い変位クロック信号DCLKである。これによって、デバイス起動において遅延が長くなる可能性が低減する。リセット信号は、MEMSジャイロスコープ310内の回路302および/M分周器を含む、電子的にリセット可能な回路をリセットするのに使用される。従って、相対的に速い変位クロック信号DCLKを使用して、システム全体が一貫した相対周期位相整合を有するように設定される。従って、この手法は、
図2における手法と比較して起動時間を低減しながらマルチモーダルオフセットの可能性を低減する。
【0030】
ここで
図4を参照すると、多機能デバイス200の例示的なタイミング
図400が示されている。タイミング
図400は、MEMSジャイロスコープ210内の振動質量部の変位(DISPLACEMENTとラベリングされている)、マスタクロック信号(MCLKとラベリングされている)、第1のクロック信号(CLKとラベリングされている)、リセット要求信号(RAとラベリングされている)、およびリセット信号(RSとラベリングされている)に対応する波形の部分を示している。この実施形態において、第1のクロック信号CLKは変位と位相ロックされているが、他の実施形態において、第1のクロック信号は変位の分数調波になることに留意されたい。また、CLKおよびMCLKは調波的に関係があり、CLKはMCLKの分数調波である。
図4に示すように、リセット要求信号RAは時刻T1においてイネーブルされる。それに応答して、リセット機構は第1のクロック信号CLKの次の立ち上がりエッジと整合されたリセット信号RSを生成する。上述のように、このリセット信号RSはMEMSセンサデバイスに印加されることができ、そこで、当該信号は、第1のクロック信号に対するMEMSセンサデバイス内のクロック信号の相対周期位相を整合させるのに使用される。具体的には、リセット信号RSは、MEMSセンサデバイス内のクロック信号と第1のクロック信号との間の相対周期位相整合を設定するのに使用される。
【0031】
一般的にRA入力は、マスタ状態機械からのように、非同期的にアサートされる。たとえば、当該入力は、起動時に、または必要に応じて命令でアサートされることができる。いずれにせよ、その後、リセット機構はCLKの次の立ち上がりクロックエッジにおいてリセット信号RSを生成する。
【0032】
このように、一実施形態において、微小電気機械(MEMS)ジャイロスコープであって、当該MEMSジャイロスコープは第1のクロック信号を生成するように構成されている、MEMSジャイロスコープと、リセット機構であって、当該リセット機構は第1のクロック信号のエッジに応答してリセット信号を生成するように構成されている、リセット機構と、第2のセンサであって、当該第2のセンサは少なくとも1つの第2のクロック信号を含み、当該第2のセンサはリセット信号を受信して、当該リセット信号に応答して第2のクロック信号と第1のクロック信号との間の相対周期位相整合を設定するように構成されている、第2のセンサとを備える、多機能センシングデバイスが提供される。
【0033】
別の実施形態において、多機能センシングデバイスを動作させる方法が提供され、多機能センシングデバイスは、微小電気機械(MEMS)ジャイロスコープおよび第2のセンサを含む。方法は、MEMSジャイロスコープ内の第1のクロック信号を生成するステップと、第1のクロック信号に対する第2のセンサ内の第2のクロック信号の間の相対周期位相整合を設定するステップとを備える。
【0034】
別の実施形態において、センシングデバイスが提供される。センシングデバイスは、微小電気機械(MEMS)ジャイロスコープであって、当該MEMSジャイロスコープはMEMSジャイロスコープ内の機械的振動または当該機械的振動の分数調波に位相ロックされている第1のクロック信号を生成するように構成されている、MEMSジャイロスコープと、リセット機構であって、当該リセット機構は、第1のクロック信号およびリセット要求信号を受信するように構成されており、当該リセット機構は、リセット要求信号の受信、および、リセット要求信号の受信に続く第1のクロック信号のエッジに応答してリセット信号を生成するように構成されている、リセット機構と、第2のMEMSセンサであって、当該第2のMEMSセンサは第2のクロック信号を含み、当該第2のMEMsセンサは、MEMS慣性センサおよびMEMS圧力センサから成る群から選択され、当該第2のMEMSセンサは、リセット信号を受信し、当該リセット信号に応答して第2のクロック信号と第1のクロック信号との間の相対周期位相整合を設定するように構成されている、第2のMEMSセンサと、第3のMEMSセンサであって、当該第3のMEMSセンサは第3のクロック信号を含み、当該第3のMEMSセンサは、MEMS慣性センサおよびMEMS圧力センサから成る群から選択され、当該第3のMEMSセンサは、リセット信号を受信し、当該リセット信号に応答して第3のクロック信号と第1のクロック信号との間の相対周期位相整合を設定するように構成されている、第3のMEMSセンサとを備える。
【0035】
このように、本明細書に記載のさまざまな実施形態は、改善された多機能センシングを提供するためのシステムおよび方法を提供する。これらの実施形態において、多機能センシングデバイスは、MEMSジャイロスコープおよび少なくとも1つの第2のセンサを含む。MEMSジャイロスコープは、第1のクロック信号を生成するように構成されており、第2のMEMSセンサは、第2のクロック信号を含む。多機能センシングデバイスはリセット機構をさらに含み、リセット機構は、第1のクロック信号に対する第2のクロック信号の相対周期位相を整合させるためのリセット信号を生成するように構成されている。
【0036】
本発明の好ましい実施形態が詳細に例示および記載されてきたが、本発明の精神または添付の特許請求項の範囲から逸脱することなく、そこにさまざまな改変を行うことができることが当業者には容易に明らかとなろう。従って、例示的な実施形態は例に過ぎず、本発明の範囲、適用性または構成を限定することは意図されていないことが理解されるべきである。