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特許6383549マルチホップネットワークにおけるリレーノードの干渉制御方法及び装置並びにノード対の干渉制御方法及び装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6383549
(24)【登録日】2018年8月10日
(45)【発行日】2018年8月29日
(54)【発明の名称】マルチホップネットワークにおけるリレーノードの干渉制御方法及び装置並びにノード対の干渉制御方法及び装置
(51)【国際特許分類】
   H04B 1/10 20060101AFI20180820BHJP
   H04W 84/18 20090101ALI20180820BHJP
【FI】
   H04B1/10 A
   H04W84/18
【請求項の数】19
【全頁数】29
(21)【出願番号】特願2014-49895(P2014-49895)
(22)【出願日】2014年3月13日
(65)【公開番号】特開2014-179988(P2014-179988A)
(43)【公開日】2014年9月25日
【審査請求日】2017年2月1日
(31)【優先権主張番号】61/778,718
(32)【優先日】2013年3月13日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】10-2013-0063917
(32)【優先日】2013年6月4日
(33)【優先権主張国】KR
(31)【優先権主張番号】10-2014-0008318
(32)【優先日】2014年1月23日
(33)【優先権主張国】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】390019839
【氏名又は名称】三星電子株式会社
【氏名又は名称原語表記】Samsung Electronics Co.,Ltd.
(74)【代理人】
【識別番号】110000051
【氏名又は名称】特許業務法人共生国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】辛 原 在
(72)【発明者】
【氏名】イブラヒム, イッサ
(72)【発明者】
【氏名】サイラス, エル フォング
(72)【発明者】
【氏名】エー, サルマン アベスティメア
(72)【発明者】
【氏名】盧 元 鐘
(72)【発明者】
【氏名】林 鐘 扶
(72)【発明者】
【氏名】張 景 訓
【審査官】 浦口 幸宏
(56)【参考文献】
【文献】 特開2012−085282(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 1/10− 1/14
H04B 15/00−15/06
H04W 84/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
リレーノードの干渉制御方法であって、
ソースノードからシンボル受信するステップと、
前記ソースノードから受信したシンボルに対する複数のシンボル送信過程毎にチャネル係数をそれぞれ異なるように調整するステップと、
前記調整されたチャネル係数を用いて宛先ノードに前記ソースノードと前記宛先ノードとの間のチャネルを介して前記シンボルを中継するステップと、を有し、
前記シンボルを受信するステップ及び前記シンボルを中継するステップは、前記ソースノードと前記宛先ノードとの間のシンボル送信過程で行われ
前記シンボルを中継するステップは、
前記チャネル係数を調整して前記ソースノードと前記宛先ノードとの間のチャネルのうちの干渉チャネルを除去するステップと、
前記干渉チャネルが除去された前記ソースノードと前記宛先ノードとの間のチャネルを用いて前記シンボルを中継するステップと、を含み、
前記複数のシンボル送信過程の数は、受信したシンボルの数以上であり、
前記宛先ノードは、前記複数のシンボル送信過程でそれぞれ受信した信号を用いて前記ソースノードから送信されたシンボルを抽出することを特徴とするリレーノードの干渉制御方法。
【請求項2】
前記シンボルを中継するステップは、前記チャネル係数に基づいて、増幅及びフォワード(Amplify and Forward:AF)方式、量子化及びフォワード(Quantize and Forward:QF)方式、又はコンピュート及びフォワード(Compute and Forward:CF)方式のいずれか1つを用いることを特徴とする請求項1に記載のリレーノードの干渉制御方法。
【請求項3】
前記シンボル送信過程は、タイムスロットに対応することを特徴とする請求項1に記載のリレーノードの干渉制御方法。
【請求項4】
前記シンボル送信過程は、周波数帯域に対応することを特徴とする請求項1に記載のリレーノードの干渉制御方法。
【請求項5】
前記干渉チャネルを除去するステップは、
複数のソースノードのうちの少なくとも1つのソースノードから、該ソースノードと前記リレーノードとの間のチャネル情報を受信するステップと、
複数の宛先ノードのうちの少なくとも1つの宛先ノードと前記リレーノードとの間のチャネル情報を該宛先ノードに送信するステップと、
前記少なくとも1つの宛先ノードから前記リレーノードと該宛先ノードとの間のチャネル情報がフィードバックされるステップと、
前記フィードバックされたチャネル情報に基づいて、前記チャネル係数を調整して前記干渉チャネルを除去するステップと、を含むことを特徴とする請求項に記載のリレーノードの干渉制御方法。
【請求項6】
前記シンボルを中継するステップは、
前記ソースノードと前記リレーノードとの間の第1チャネルマトリックス、前記リレーノードと前記宛先ノードとの間の第2チャネルマトリックス、及び前記チャネル係数を用いて終端間チャネルマトリックスを生成するステップと、
前記終端間チャネルマトリックスを用いて前記シンボルを前記ソースノードから前記宛先ノードに中継するステップと、を含むことを特徴とする請求項に記載のリレーノードの干渉制御方法。
【請求項7】
前記ソースノード数が2個であり、前記宛先ノード数が2個である場合、前記シンボルを受信するステップ及び前記シンボルを中継するステップは、第1シンボル送信過程、第2シンボル送信過程、及び第3シンボル送信過程で行われることを特徴とする請求項1に記載のリレーノードの干渉制御方法。
【請求項8】
前記シンボルを中継するステップは、
前記第1シンボル送信過程で第2ソースノードと第1宛先ノードとの間の干渉チャネルを除去して前記シンボルを中継するステップと、
前記第2シンボル送信過程で第1ソースノードと第2宛先ノードとの間の干渉チャネルを除去して前記シンボルを中継するステップと、
前記第3シンボル送信過程で前記ソースノードと前記宛先ノードとの間のチャネルを用いて前記シンボルを中継するステップと、を含むことを特徴とする請求項に記載のリレーノードの干渉制御方法。
【請求項9】
前記第3シンボル送信過程で前記シンボルを受信するステップは、
前記第1ソースノードから、前記第1シンボル送信過程で該第1ソースノードから受信したシンボルと同一のシンボルを受信し、
前記第2ソースノードから、前記第2シンボル送信過程で該第2ソースノードから受信したシンボルと同一のシンボルを受信することを特徴とする請求項に記載のリレーノードの干渉制御方法。
【請求項10】
前記第1シンボル送信過程で前記シンボルを中継するステップは、
前記第2ソースノードから該第2ソースノードと前記リレーノードとの間のチャネル情報を受信するステップと、
前記リレーノードと前記第1宛先ノードとの間のチャネル情報を該第1宛先ノードに送信するステップと、
前記第1宛先ノードから前記リレーノードと該第1宛先ノードとの間のチャネル情報がフィードバックされるステップと、
前記フィードバックされたチャネル情報に基づいて、前記チャネル係数を調整して前記第2ソースノードと前記第1宛先ノードとの間の干渉チャネルを除去するステップと、を含むことを特徴とする請求項に記載のリレーノードの干渉制御方法。
【請求項11】
前記第2シンボル送信過程で前記シンボルを中継するステップは、
前記第1ソースノードから該第1ソースノードと前記リレーノードとの間のチャネル情報を受信するステップと、
前記リレーノードと前記第2宛先ノードとの間のチャネル情報を該第2宛先ノードに送信するステップと、
前記第2宛先ノードから前記リレーノードと該第2宛先ノードとの間のチャネル情報がフィードバックされるステップと、
前記フィードバックされたチャネル情報に基づいて、前記チャネル係数を調整して前記第1ソースノードと前記第2宛先ノードとの間の干渉チャネルを除去するステップと、を含むことを特徴とする請求項に記載のリレーノードの干渉制御方法。
【請求項12】
前記ソースノード数が3個であり、前記宛先ノード数が3個である場合、前記シンボルを受信するステップ及び前記シンボルを中継するステップは、第1シンボル送信過程及び第2シンボル送信過程で行われることを特徴とする請求項1に記載のリレーノードの干渉制御方法。
【請求項13】
前記シンボルを中継するステップは、
前記第1シンボル送信過程で第1ソースノードと第2宛先ノードとの間の干渉チャネル及び第1ソースノードと第3宛先ノードとの間の干渉チャネルを除去して前記シンボルを中継するステップと、
前記第2シンボル送信過程で前記ソースノードと前記宛先ノードとの間のチャネルを用いて前記シンボルを中継するステップと、を含むことを特徴とする請求項12に記載のリレーノードの干渉制御方法。
【請求項14】
前記シンボルを受信するステップは、
前記第1シンボル送信過程で第1ソースノード及び第2ソースノードのそれぞれから前記シンボルを受信し、
前記第2シンボル送信過程で第2ソースノード及び第3ソースノードのそれぞれから前記シンボルを受信することを特徴とする請求項13に記載のリレーノードの干渉制御方法。
【請求項15】
ノード対の干渉制御方法であって、
リレーノードが、複数のシンボル送信過程のうちにソースノードからシンボル受信し、前記複数のシンボル送信過程毎にチャネル係数をそれぞれ異なるように調整して宛先ノードに信号を送信するステップと、
宛先ノードが、受た信号から前記シンボルを抽出するステップと、を有し、
前記宛先ノードに信号を送信するステップは、
前記チャネル係数を調整して前記ソースノードと前記宛先ノードとの間のチャネルのうちの干渉チャネルを除去するステップと、
前記干渉チャネルが除去された前記ソースノードと前記宛先ノードとの間のチャネルを用いて前記シンボルを中継するステップと、を含み、
前記複数のシンボル送信過程の数は、受信したシンボルの数以上であり、
前記宛先ノードは、前記複数のシンボル送信過程でそれぞれ受信した信号を用いて前記ソースノードから送信されたシンボルを抽出することを特徴とするノード対の干渉制御方法。
【請求項16】
前記ソースノードからシンボルを受信するステップは、前記ソースノードから実数成分シンボル及び虚数成分シンボル受信
前記シンボルを中継するステップは、前記調整されたチャネル係数を用いて前記宛先ノードに前記実数成分シンボル及び前記虚数成分シンボルを中継すことを特徴とする請求項1に記載のリレーノードの干渉制御方法。
【請求項17】
前記ソースノードからシンボルを受信するステップは、前記ソースノードから実数成分シンボル及び虚数成分シンボルを受信
前記シンボルを抽出するステップは、前記た信号から前記実数成分シンボル及び前記虚数成分シンボルを抽出すことを特徴とする請求項15に記載のノード対の干渉制御方法。
【請求項18】
ソースノードからシンボル受信し、前記ソースノードから受信したシンボルに対する複数のシンボル送信過程毎にチャネル係数をそれぞれ異なるように調整し、前記調整されたチャネル係数を用いて宛先ノードに前記ソースノードと前記宛先ノードとの間のチャネルを介して前記シンボルを中継するリレーノードを備え、
前記リレーノードは、
前記ソースノードと前記宛先ノードとの間のシンボル送信過程で前記シンボルを同時に受信して前記シンボルを中継し、
前記チャネル係数を調整して前記ソースノードと前記宛先ノードとの間のチャネルのうちの干渉チャネルを除去し、
前記干渉チャネルが除去された前記ソースノードと前記宛先ノードとの間のチャネルを用いて前記シンボルを中継し、
前記複数のシンボル送信過程の数は、受信したシンボルの数以上であり、
前記宛先ノードは、前記複数のシンボル送信過程でそれぞれ受信した信号を用いて前記ソースノードから送信されたシンボルを抽出することを特徴とするリレーノードにおける干渉制御装置。
【請求項19】
複数のシンボル送信過程のうちにソースノードからシンボル受信し前記複数のシンボル送信過程毎にチャネル係数をそれぞれ異なるように調整して宛先ノードに信号を送信するリレーノードと
前記受た信号から前記シンボルを抽出する宛先ノードと、を備え
前記リレーノードは、
前記チャネル係数を調整して前記ソースノードと前記宛先ノードとの間のチャネルのうちの干渉チャネルを除去し、
前記干渉チャネルが除去された前記ソースノードと前記宛先ノードとの間のチャネルを用いて前記シンボルを中継し、
前記複数のシンボル送信過程の数は、受信したシンボルの数以上であり、
前記宛先ノードは、前記複数のシンボル送信過程でそれぞれ受信した信号を用いて前記ソースノードから送信されたシンボルを抽出することを特徴とするノード対における干渉制御装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、マルチホップネットワークにおけるリレーノードの干渉制御方法及び装置並びにノード対の干渉制御方法及び装置に関する。
【背景技術】
【0002】
通信システムは、統合された形態で相互接続及び接続される個別的な通信ネットワーク、送信システム、リレーステーション、データ端末装置(data terminal equipment:DTE)の集合である。しかし、現在存在する独立型の電子機器又はモバイル機器のうちの1%のみがネットワークに互いに接続されて用いられている。しかし、通信技術の発達と機器統合による単一化傾向によりスマートフォン、センサ機器、その他の通信機能を備えた様々な機器が巨大なネットワークを構成している。それだけではなく、多くの通信端末のユーザは、機器間の直接接続によってコンテンツ共有、同期化、出力、及びゲームなどの様々なアプリケーションを容易に活用している。このような市場の変化要求に反応するために既存のインフラストラクチャー(infra−structure)を用いたセルラー通信を超えた機器間の直接接続(Device−to−Device通信)をサポートすることのできる無線接続技術がある。
【0003】
初期のD2D通信の形態は単一ホップを仮定した送信方式であったが、今後のD2D通信はマルチホップを活用するものと見られる。追加的に、1つの通信シナリオはソースノードが1つであり、宛先ノードが1つである場合を仮定し、ダイバシティ利得(diversity gain)や多重化利得(multiplexing gain)を取得するために複数のリレーノードを用いる。しかし、これからはMULTIPLE UNICAST MULTI−HOP NETWORKのように複数のノード対(node pair)が一度に信号を送信する場合が頻繁に発生するものと予想される。これによって、複数のノード対及び複数のリレーノードの間の干渉を制御するための研究が続いている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、上記従来技術に鑑みてなされたものであって、本発明の目的は、マルチホップネットワークにおいて、リレーノードのチャネル係数を調整してソースノードと宛先ノードとの間の干渉チャネルを除去し、より向上した送信率及び自由度(DoF)を提供する干渉制御方法及び装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するためになされた本発明の一態様によるリレーノードの干渉制御方法は、ソースノードからシンボルを同時に受信するステップと、チャネル係数を調整するステップと、調整されたチャネル係数を用いて宛先ノードに前記シンボルを中継するステップと、を有し、前記シンボルを受信するステップ及び前記シンボルを中継するステップは、前記ソースノードと前記宛先ノードとの間のシンボル送信過程で行われる。
【0006】
前記シンボル送信過程の数は、同時に受信したシンボルの数以上であり得る。
前記シンボルを中継するステップは、前記チャネル係数に基づいて、増幅及びフォワード(Amplify and Forward:AF)方式、量子化及びフォワード(Quantize and Forward:QF)方式、又はコンピュート及びフォワード(Compute and Forward:CF)方式のいずれか1つを用い得る。
前記シンボル送信過程は、タイムスロットに対応し得る。
前記シンボル送信過程は、周波数帯域に対応し得る。
【0007】
前記シンボルを中継するステップは、前記ソースノードと前記宛先ノードとの間のチャネルを介して該シンボルを中継し得る。
前記シンボルを中継するステップは、前記チャネル係数を調整して前記ソースノードと前記宛先ノードとの間のチャネルのうちの干渉チャネルを除去するステップと、干渉チャネルが除去された前記ソースノードと前記宛先ノードとの間のチャネルを用いて前記シンボルを中継するステップと、を含み得る。
前記干渉チャネルを除去するステップは、複数のソースノードのうちの少なくとも1つのソースノードから、該ソースノードと前記リレーノードとの間のチャネル情報を受信するステップと、複数の宛先ノードのうちの少なくとも1つの宛先ノードと前記リレーノードとの間のチャネル情報を該宛先ノードに送信するステップと、前記少なくとも1つの宛先ノードから前記リレーノードと該宛先ノードとの間のチャネル情報がフィードバックされるステップと、前記フィードバックされたチャネル情報に基づいて、前記チャネル係数を調整して前記干渉チャネルを除去するステップと、を含み得る。
前記シンボルを中継するステップは、前記ソースノードと前記リレーノードとの間の第1チャネルマトリックス、前記リレーノードと前記宛先ノードとの間の第2チャネルマトリックス、及び前記チャネル係数を用いて終端間チャネルマトリックスを生成するステップと、前記終端間チャネルマトリックスを用いて前記シンボルを前記ソースノードから前記宛先ノードに中継するステップと、を含み得る。
【0008】
前記ソースノード数が2個であり、前記宛先ノード数が2個である場合、前記シンボルを受信するステップ及び前記シンボルを中継するステップは、第1シンボル送信過程、第2シンボル送信過程、及び第3シンボル送信過程で行われ得る。
前記シンボルを中継するステップは、前記第1シンボル送信過程で第2ソースノードと第1宛先ノードとの間の干渉チャネルを除去して前記シンボルを中継するステップと、前記第2シンボル送信過程で第1ソースノードと第2宛先ノードとの間の干渉チャネルを除去して前記シンボルを中継するステップと、前記第3シンボル送信過程で前記ソースノードと前記宛先ノードとの間のチャネルを用いて前記シンボルを中継するステップと、を含み得る。
前記第3シンボル送信過程で前記シンボルを受信するステップは、前記第1ソースノードから、前記第1シンボル送信過程で該第1ソースノードから受信したシンボルと同一のシンボルを受信し、前記第2ソースノードから、前記第2シンボル送信過程で該第2ソースノードから受信したシンボルと同一のシンボルを受信し得る。
前記第1シンボル送信過程で前記シンボルを中継するステップは、前記第2ソースノードから該第2ソースノードと前記リレーノードとの間のチャネル情報を受信するステップと、前記リレーノードと前記第1宛先ノードとの間のチャネル情報を該第1宛先ノードに送信するステップと、前記第1宛先ノードから前記リレーノードと該第1宛先ノードとの間のチャネル情報がフィードバックされるステップと、前記フィードバックされたチャネル情報に基づいて、前記チャネル係数を調整して前記第2ソースノードと前記第1宛先ノードとの間の干渉チャネルを除去するステップと、を含み得る。
前記第2シンボル送信過程で前記シンボルを中継するステップは、前記第1ソースノードから該第1ソースノードと前記リレーノードとの間のチャネル情報を受信するステップと、前記リレーノードと前記第2宛先ノードとの間のチャネル情報を該第2宛先ノードに送信するステップと、前記第2宛先ノードから前記リレーノードと該第2宛先ノードとの間のチャネル情報がフィードバックされるステップと、前記フィードバックされたチャネル情報に基づいて、前記チャネル係数を調整して前記第1ソースノードと前記第2宛先ノードとの間の干渉チャネルを除去するステップと、を含み得る。
【0009】
前記ソースノード数が3個であり、前記宛先ノード数が3個である場合、前記シンボルを受信するステップ及び前記シンボルを中継するステップは、第1シンボル送信過程及び第2シンボル送信過程で行われ得る。
前記シンボルを中継するステップは、前記第1シンボル送信過程で第1ソースノードと第2宛先ノードとの間の干渉チャネル及び第1ソースノードと第3宛先ノードとの間の干渉チャネルを除去して前記シンボルを中継するステップと、前記第2シンボル送信過程で前記ソースノードと前記宛先ノードとの間のチャネルを用いて前記シンボルを中継するステップと、を含み得る。
前記シンボルを受信するステップは、前記第1シンボル送信過程で第1ソースノード及び第2ソースノードのそれぞれから前記シンボルを受信し、前記第2シンボル送信過程で第2ソースノード及び第3ソースノードのそれぞれから前記シンボルを受信し得る。
【0010】
上記目的を達成するためになされた本発明の一態様によるノード対の干渉制御方法は、少なくとも1つのシンボル送信過程毎にソースノードからシンボルを同時に受信するステップと、調整されたチャネル係数を用いて前記少なくとも1つのシンボル送信過程毎に宛先ノードに信号を送信するステップと、前記送信された信号から前記シンボルを抽出するステップと、を有する。
【0011】
上記目的を達成するためになされた本発明の他の態様によるリレーノードの干渉制御方法は、ソースノードから実数成分シンボル及び虚数成分シンボルを同時に受信するステップと、調整されたチャネル係数を用いて宛先ノードに前記実数成分シンボル及び前記虚数成分シンボルを中継するステップと、を有し、前記シンボルを受信するステップ及び前記シンボルを中継するステップは、前記ソースノードと前記宛先ノードとの間のシンボル送信過程で行われる。
【0012】
上記目的を達成するためになされた本発明の他の態様によるノード対の干渉制御方法は、少なくとも1つのシンボル送信過程毎にソースノードから実数成分シンボル及び虚数成分シンボルを受信するステップと、調整されたチャネル係数を用いて前記少なくとも1つのシンボル送信過程毎に宛先ノードに信号を送信するステップと、前記送信された信号から前記実数成分シンボル及び前記虚数成分シンボルを抽出するステップと、を有する。
【0013】
上記目的を達成するためになされた本発明の一態様による干渉制御装置は、ソースノードからシンボルを同時に受信し、チャネル係数を調整し、該調整されたチャネル係数を用いて宛先ノードに前記シンボルを中継するリレーノードを備え、前記リレーノードは、前記ソースノードと前記宛先ノードとの間のシンボル送信過程で前記シンボルを同時に受信して前記シンボルを中継する。
【0014】
上記目的を達成するためになされた本発明の一態様によるノード対における干渉制御装置は、少なくとも1つのシンボル送信過程毎にソースノードからシンボルを同時に受信し、調整されたチャネル係数を用いて前記少なくとも1つのシンボル送信過程毎に宛先ノードに信号を送信し、該送信された信号から前記シンボルを抽出するリレーノードを備える。
【発明の効果】
【0015】
本発明によると、マルチホップネットワークにおいて、リレーノードのチャネル係数を調整してソースノードと宛先ノードとの間の干渉チャネルを除去し、より向上した送信率及び自由度(DoF)を提供する干渉制御方法及び装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】一実施形態によるマルチホップネットワーク及びオルタネィティングトポロジーを説明するための図である。
図2A】一実施形態によるノード対の数が2個であるときのマルチホップネットワークにおける干渉制御方式を説明するための図である。
図2B】一実施形態によるノード対の数が2個であるときのマルチホップネットワークにおける干渉制御方式を説明するための図である。
図2C】一実施形態によるノード対の数が2個であるときのマルチホップネットワークにおける干渉制御方式を説明するための図である。
図3A】一実施形態によるノード対の数が3個であるときのマルチホップネットワークにおける干渉制御方式を説明するための図である。
図3B】一実施形態によるノード対の数が3個であるときのマルチホップネットワークにおける干渉制御方式を説明するための図である。
図4】一実施形態によるマルチホップネットワークにおける信号の分離を用いた干渉制御方法を説明するための図である。
図5】一実施形態によるマルチホップネットワークにおけるリレーノードの干渉制御方法のフローチャートである。
図6】一実施形態によるマルチホップネットワークにおけるノード対の干渉制御方法のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明を実施するための形態の具体例を、図面を参照しながら詳細に説明する。しかし、本発明が一実施形態によって制限されたり限定されたりすることはない。また、各図面に示した同一の参照符号は同一の部材を示す。
【0018】
<一実施形態によるマルチホップネットワーク及びオルトネイティントポロジー>
【0019】
図1は、一実施形態によるマルチホップネットワーク及びオルタネィティングトポロジー(alternating topology)を説明するための図である。
【0020】
図1を参照すると、マルチホップネットワーク110は、複数のソースノード、複数のリレーノード、及び複数の宛先ノードを含む。例えば、マルチホップネットワーク110は、K個のソースノード、K個のリレーノード、及びK個の宛先ノードを含む。マルチホップネットワークにおいて、ソースノードは、リレーノードを介して宛先ノードに信号を送信する。マルチホップネットワークの一例として、セルラーシステムの多重ユーザが複数のリレーを介して複数の基地局にデータを送信する場合が挙げられる。複数のノード対が一度に信号を送信する場合、互いに異なるノード対の間の信号(又は、シンボル、ストリーム)がマルチホップ過程で混合しながらストリーム間干渉(inter−stream interference)を発生することがある。従って、本実施形態では、リレーノード及びノード対の間の協力を用いてマルチホップネットワークで干渉を制御可能にする。
【0021】
マルチホップネットワーク110において、S及びSはそれぞれのソースノードを示し、u及びvはリレーノードを示し、d及びdは宛先ノードを示す。ここで、ソースノードSが宛先ノードdにシンボルを送信しようとする場合、ソースノードSと宛先ノードdは対を組む。それぞれのソースノードSは対を組むそれぞれの宛先ノードd(i∈{1,2})に送信するための各メッセージ(又は、シンボル)Wを含む。また、ソースノードとリレーノードとの間のチャネルマトリックスをHと称し、
で示され、リレーノードと宛先ノードとの間のチャネルをHと称し、
で示される。一実施形態において、チャネル利得は実数であり、連続分布(continuous distribution)によって導き出される。ノード対及びリレーノードが通信する間にチャネルマトリックスは固定され、チャネルマトリックスは全てのノードに知らされる。
【0022】
タイムスロットkでソースノードSの送信信号は
で定義され、リレーノードrにおける送信信号は
で定義される。タイムスロットkでリレーノードrが受信する信号を意味するYr,kは下記の数式1のように示され、タイムスロットkで宛先ノードdが受信する信号を意味するYi,kは下記の数式2のように示される。
【0023】
【数1】
【0024】
【数2】
【0025】
ここで、
は、それぞれリレーノードにおけるi.i.d(independently and indentically distributed)ノイズ及び宛先ノードにおけるi.i.dノイズを示し、
の分布に従う。また、
はメッセージ{W,W}に対して独立的である。Xはランダムカラムベクトル[X…Xを定義するために示され、S⊆{1,2,…、n}である場合、Xは{X|k∈S}で定義される。
【0026】
本実施形態によるマルチホップネットワーク110における干渉制御方式において、リレーノード及びノード対は相互間の協力を用いてマルチホップネットワーク110で干渉を制御する。マルチホップネットワーク110における干渉制御方式において、リレーノードは、チャネル係数を調整して干渉チャネルを除去することで、図1に示したトポロジー120〜トポロジー150のようなオルタネィティングトポロジーを生成する。一実施形態において、オルタネィティングトポロジーは、干渉チャネルの接続性が時間又は周波数に応じて変わることにより、ソースノードと宛先ノードとの間の最初(original)のネットワークから順序通りに繰り返して発生するか又は交代で発生するソースノードと宛先ノードとの間のネットワークを意味する。
【0027】
ノード対は、オルタネィティングトポロジーを用いて少なくとも1つのシンボルを送受信する。K個のノード対が同時にN個のシンボルを送信する場合、K個のソースノードは、M(≧N)個のシンボル送信過程を経てN個のシンボルをリレーノードに送信する。ここで、シンボル送信過程毎にリレーノードのチャネル係数はそれぞれ異なるように調整され、これによりシンボル送信過程毎にK個の宛先ノードが対ではないソースノードから受ける干渉信号の程度が変わる。これはシンボル送信過程毎に複数のソースノードから複数の宛先ノードへの干渉チャネルが変わることを意味する。例えば、トポロジー120で、ソースノードSから宛先ノードdへの干渉チャネル及びソースノードSから宛先ノードdへの干渉チャネルは全て存在する。トポロジー130で、ソースノードSから宛先ノードdへの干渉チャネルは存在するが、ソースノードSから宛先ノードdへの干渉チャネルは存在せず、トポロジー140で、ソースノードSから宛先ノードdへの干渉チャネルは存在するが、ソースノードSから宛先ノードdへの干渉チャネルは存在しない。トポロジー150で、ソースノードSから宛先ノードdへの干渉チャネル及びソースノードSから宛先ノードdへの干渉チャネルは両方とも存在しない。複数の宛先ノードd、dは、オルタネィティングトポロジーにより、M個のシンボル送信過程毎に干渉チャネルから受信した信号を用いてN個のシンボルを復号化する。
【0028】
<一実施形態によるノード対の数が2個であるときのマルチホップネットワークにおける干渉制御方式>
【0029】
図2A図2Cは、一実施形態によるノード対の数が2個であるときのマルチホップネットワークにおける干渉制御方式を説明するための図である。図2A図2Cにおいて、2個のノード対に対する干渉制御方式を示したが、通常の技術者は追加的なノード対が具現されることを認識できる。
【0030】
図2Aを参照すると、マルチホップネットワーク210は、2個のソースノードS及びS、2個の宛先ノードd及びd、2個のリレーノードR及びRを含む。マルチホップネットワークにおける干渉制御方式において、リレーノードR及びRとノード対S、S、d、及びdは、線形時変増幅及びフォワード(Linear Time−Varying Amplify and Forward、以下、Linear Time−Varying AF)方式を用いる。また、一実施形態において、リレーノードR及びRとノード対S、S、d、及びdは、線形時変量子化及びフォワード(Linear Time−Varying Quantize and forward)方式又は線形時変コンピュート及びフォワード(Linear Time−Varying compute and forward)方式を用いてもよい。他の実施形態において、リレーノードR及びRとノード対S、S、d、及びdは、少なくとも1つのタイムスロットの代わりに少なくとも1つの周波数帯域に基づいてマルチホップネットワークにおける干渉を制御する。例えば、マルチホップネットワークにおける干渉制御方式において、リレーノードR及びRとノード対S、S、d、及びdは、線形周波数選択増幅及びフォワード(Linear Frequency−Selecting AF)方式、線形周波数選択量子化及びフォワード(Linear Frequency−Selecting QF)方式、又は線形周波数選択コンピュート及びフォワード(Linear Frequency−Selecting CF)方式を用いる。以下、線形時変(AF)方式に基づいて説明する。
【0031】
ノード対の数が2個であり、リレーノードR及びRとノード対S、S、d、及びdが線形時変(Linear Time−Varying:AF)方式を用いる場合、マルチホップネットワークにおける干渉制御方式において、コンディション(c−1)、(c−2)、及び(c−3)が仮定される。ここで、コンディション(c−1)は全てのチャネル利得が0ではないことを意味する。コンディション(c−2)及び(c−3)は次のような数式3のように示される。
【0032】
【数3】
【0033】
タイムスロットkで宛先ノードd及びdが受信する信号は、下記の数式4のように示される。
【0034】
【数4】
【0035】
ここで、μ及びλはタイムスロットkにおけるチャネル係数(又は、AF係数)を意味し、
は、宛先ノードd(i∈{1,2})における有効ノイズを意味し、
で示される。Gは、等価的な終端間チャネルマトリックス(end to end channel matrix)を意味し、
で示される。
【0036】
また、Gは次の数式5のように示される。
【0037】
【数5】
【0038】
また、G
で示される。
はチルダ符号〜を除去してZi,kで示してもよい。これによって、リレーノードR及びRは、終端間チャネルマトリックスを用いて少なくとも1つのシンボルをソースノードS及びSから宛先ノードd及びdに中継する。タイムスロットkで宛先ノードd及びdが受信する信号は数式6のように示される。
【0039】
【数6】
【0040】
ここで、Zi,kは、チャネル係数及びAFファクターにのみ依存的である。従って、Zi,kは電力定数(power constraint)Pによってスケールが変化しない。
【0041】
マルチホップネットワークにおける干渉制御方式において、リレーノードR及びRとノード対S、S、d、及びdが線形時変(AF)方式を用いてノード対が送信するシンボルの数が2個である場合、リレーノードR及びRとノード対S、S、d、及びdは3個のシンボル送信過程により干渉を制御する。
【0042】
線形時変(AF)方式で、サブセットu及びサブセットvは実数集合
の有限なサブセットを意味する。サブセットuは第1リレーノードのチャネル係数を含み、
サブセットvは第2リレーノードのチャネル係数を含む。
サブセットuはu={c}に設定され、サブセットvは
に設定される。ここで、定数cは実数集合
に含まれ、リレーノードで電力定数Pを満たすように選択される。電力定数cは
のように示され。ここで、lは
を意味する。ここで、コンディション(c−1)により分母は0でない。
【0043】
図2Bは、マルチホップネットワークにおけるシンボル送信過程220〜シンボル送信過程240を示す。
【0044】
図2B参照すると、シンボル送信過程220で、リレーノードR及びRはソースノードS及びソースノードSからそれぞれシンボルa及びシンボルbを受信する。ここで、
は電力定数P以下である。
ここで、リレーノードR1及びR2は、チャネル係数を調整してソースノードS2から宛先ノードd1との間の干渉チャネルを除去する。これによって、リレーノードR1のチャネル係数μ1はμ1=cに設定され、リレーノードR2のチャネル係数λ1は
に設定される。リレーノードR及びRは、ソースノードSから宛先ノードdとの間の干渉チャネルが除去されたソースノードS及びSと宛先ノードd及びdの間のチャネルを用いてシンボルa及びシンボルbを中継する。上述した数式6にμ=c及び
を代入すると、シンボル送信過程220で宛先ノードd及びdが受信する信号は数式7のように示される。
【0045】
【数7】
【0046】
ここで、y1,1はシンボル送信過程220で宛先ノードdが受信する信号を意味し、y2,1はシンボル送信過程220で宛先ノードdが受信する信号を意味し、上述したコンディション(c−1)〜(c−3)により、α1,1及びβ2,1は0でない。α2,1+β2,1はL1(a,b)で示される。ここで、L1(a,b)は、シンボルa及びシンボルbが線形的に結合された線形方程式を意味する。
【0047】
また、シンボル送信過程230で、リレーノードは、ソースノードS及びソースノードSからそれぞれシンボルa及びシンボルbを受信する。ここで、
は電力定数P以下である。
この場合、リレーノードは、チャネル係数を調整してソースノードSから宛先ノードdとの間の干渉チャネルを除去する。これによって、リレーノードR1のチャネル係数μ2はμ2=cに設定され、リレーノードR2のチャネル係数λ2は
に設定される。リレーノードは、ソースノードSから宛先ノードdとの間の干渉チャネルが除去されたソースノードと宛先ノードとの間のチャネルを用いてシンボルa及びシンボルbを中継する。上述した数式6にμ=c及び
を代入すると、シンボル送信過程230で宛先ノードが受信する信号は、下記の数式8のように示される。
【0048】
【数8】
【0049】
ここで、y1,2は、シンボル送信過程230で宛先ノードdが受信する信号を意味し、y2,2はシンボル送信過程230で宛先ノードdが受信する信号を意味し、上述したコンディション(c−1)〜(c−3)により、α1,2及びβ2,2は0でない。α1,2+β1,2はL(a,b)で示される。ここで、L(a,b)は、シンボルa及びシンボルbが線形的に結合された線形方程式を意味する。
【0050】
また、シンボル送信過程240で、リレーノードR及びRは、ソースノードSから、シンボル送信過程220でソースノードSから受信したシンボルと同一のシンボルのシンボルaを受信する。また、リレーノードR及びRは、ソースノードSから、第2シンボル送信過程230でソースノードSから受信したシンボルと同一のシンボルのシンボルbを受信する。これによって、シンボル送信過程240で、宛先ノードdがシンボルa及びシンボルbが線形的に結合されたL(a,b)を受信し、シンボルaは上述した数式7及び数式8から抽出される。宛先ノードdはL(a,b)を受信し、シンボルbは上述した数式7及び8を用いて抽出される。リレー信号R及びRは、ソースノードと宛先ノードとの間のチャネルを用いてシンボルa及びシンボルbを中継する。従って、シンボル送信過程240で、ソースノードSがシンボルaを送信し、ソースノードSがシンボルbを送信し、リレーノードRのチャネル係数μがcに設定され、リレーノードRのチャネル係数λが0に設定されると、宛先ノードd及び宛先ノードdが受信する信号は、次の数式9のように示される。
【0051】
【数9】
【0052】
ここで、y1,3はシンボル送信過程240で宛先ノードdが受信する信号を意味し、y2,3はシンボル送信過程240で宛先ノードdが受信する信号を意味し、上述したコンディション(c−1)〜(c−3)により、β1,3及びα2、3は0でない。
【0053】
これによって、上述したシンボル送信過程220〜シンボル送信過程240を行った後、宛先ノードdは受信した信号y1,1,y1,2,y1,3から下記の数式10のような信号を抽出する。
【0054】
【数10】
【0055】
ここで、
はソースノードSが送信したシンボルaに関する信号であり、
はソースノードSが送信したシンボルaに関する信号を意味する。
を信号
及び信号
におけるノイズの分散(variance)とすると、
はチャネル係数及びAFファクターに依存する。従って、これらは電力定数Pによってスケールが変化しないため、予め設定されたアウタコード(outercode)を用いて数式11のようなレートを抽出する。
【0056】
【数11】
【0057】
上述した数式11により、宛先ノードdは2/3の自由度(DoF:Degrees of Freedom)を取得する。宛先ノードdも2/3のDoFを取得するため、マルチホップネットワーク210の全体DoF(sum−DoF)は4/3になる。これは、時分割多重方式(Time Division Multiplexer:TDM)よりも33%増加することを意味する。
【0058】
リレーノードR及びRとソースノードS及びSと宛先ノードd及びdで行われるシンボル送信過程(220〜240)の順序は、上述した構成の範囲及び思想を逸脱しない範囲内で変更され得る。例えば、上述した順序と逆順でシンボル送信過程240を行った後、シンボル送信過程230及びシンボル送信過程220を行うか、或いはシンボル送信過程230を行った後、シンボル送信過程240及びシンボル送信過程220の順に行う。
【0059】
一実施形態において、シンボル送信過程(220〜240)は、例えば、直交時分割多重化(orthogonal time−division nultiplexing)又は直交周波数分割多元接続(orthogonal frequency−division multiple access)のように、時間又は周波数などのorthogonal dimensionを用いて行われる。例えば、シンボル送信過程(220〜240)は直交周波数分割多重方式(Orthogonal Frequency Division Multiplex:OFDM)で多重サブキャリア及びサブバンドを用いて行われる。
【0060】
マルチホップネットワークにおける干渉制御方式において、リレーノードR及びRは、一部のチャネル情報を用いてソースノードS及びSと宛先ノードd及びdとの間の干渉信号を除去する。これについて、図2Cを参照して詳細に説明する。
【0061】
図2Cを参照すると、シンボル送信過程250は、図2Bに示すシンボル送信過程220におけるチャネル情報フィードバックを示す。図2Bに示すシンボル送信過程220で、リレーノードR及びRは、チャネル係数を調整してソースノードSと宛先ノードdとの間の干渉チャネルを除去する。ここで、リレーノードR及びRは、ソースノードSとリレーノードR及びRとの間のチャネル情報、及びリレーノードR及びRと宛先ノードdとの間のチャネル情報を用いてチャネル係数を調整する。
【0062】
シンボル送信過程250で、リレーノードRはソースノードSからソースノードSとリレーノードRとの間のチャネル情報を受信し、リレーノードRはソースノードSからソースノードSとリレーノードRとの間のチャネル情報を受信する。ここで、ソースノードSとリレーノードRとの間のチャネル情報及びソースノードSとリレーノードRとの間のチャネル情報はCSIR(Channel State Information at Receiver)情報である。リレーノードRは、リレーノードRと宛先ノードdとの間のチャネル情報を推定し、推定されたチャネル情報を宛先ノードdに送信し、リレーノードRは、リレーノードRと宛先ノードdとの間のチャネル情報を推定し、推定されたチャネル情報を宛先ノードdに送信する。ここで、リレーノードRと宛先ノードdとの間のチャネル情報及びリレーノードRと宛先ノードdとの間のチャネル情報はCSIT(Channel State Information at Transmitter)である。リレーノードRは宛先ノードdからリレーノードRと宛先ノードdとの間のチャネル情報がフィードバックされ、リレーノードRは、宛先ノードdからリレーノードRと宛先ノードdとの間のチャネル情報がフィードバックされる。リレーノードR及びRは、フィードバックされたチャネル情報に基づいて、チャネル係数を調整してソースノードSと宛先ノードdとの間の干渉チャネルを除去する。これによって、シンボル送信過程250で、リレーノードR及びRは、ノード対とリレーノードとの間の全体チャネル情報ではない一部のチャネル情報(例えば、ソースノードSとリレーノードR及びRとの間のチャネル情報、リレーノードR及びRと宛先ノードdとの間のチャネル情報)を用いて、ソースノードSと宛先ノードdとの間の干渉チャネルを除去する。
【0063】
図2Bに示すシンボル送信過程230で、リレーノードR及びRは、チャネル係数を調整してソースノードSと宛先ノードdとの間の干渉チャネルを除去する。ここで、リレーノードR及びRは、ソースノードSとリレーノードR及びRとの間のチャネル情報、及びリレーノードR及びRと宛先ノードdとの間のチャネル情報を用いてチャネル係数を調整する。
【0064】
シンボル送信過程260で、リレーノードRはソースノードSからソースノードSとリレーノードRとの間のチャネル情報を受信し、リレーノードRはソースノードSからソースノードSとリレーノードRとの間のチャネル情報を受信する。ここで、ソースノードSとリレーノードRとの間のチャネル情報及びソースノードSとリレーノードRとの間のチャネル情報はCSIR情報である。リレーノードRは、リレーノードRと宛先ノードdとの間のチャネル情報を推定し、推定されたチャネル情報を宛先ノードdに送信し、リレーノードRは、リレーノードRと宛先ノードdとの間のチャネル情報を推定し、推定されたチャネル情報を宛先ノードdに送信する。ここで、リレーノードRと宛先ノードdとの間のチャネル情報及びリレーノードRと宛先ノードdとの間のチャネル情報はCSITである。リレーノードRは、宛先ノードdからリレーノードRと宛先ノードdとの間のチャネル情報がフィードバックされ、リレーノードRは、宛先ノードdからリレーノードRと宛先ノードdとの間のチャネル情報がフィードバックされる。リレーノードR及びRは、フィードバックされたチャネル情報に基づいて、チャネル係数を調整してソースノードSと宛先ノードdとの間の干渉チャネルを除去する。これによって、シンボル送信過程260で、リレーノードR及びRは、ノード対とリレーノードR及びRとの間の全体チャネル情報ではない一部のチャネル情報(例えば、ソースノードSとリレーノードR及びRとの間のチャネル情報、リレーノードR及びRと宛先ノードdとの間のチャネル情報)を用いてソースノードSと宛先ノードdとの間の干渉チャネルを除去する。
【0065】
図2Bに示すシンボル送信過程240で、リレーノードR及びRは、ソースノードS及びSと宛先ノードd及びdとの間のチャネルを用いて少なくとも1つのシンボルを中継する。図2Bのシンボル送信過程240で、リレーノードR及びRは、ソースノードS及びSと宛先ノードd及びdとの間の干渉チャネルを除去しない。従って、シンボル送信過程270で、ソースノードS及びSとリレーノードR及びRとの間のチャネル情報、及びリレーノードR及びRと宛先ノードd及びdとの間のチャネル情報は必要でない。
【0066】
ノード対及びリレーノードの数が2個である場合、チャネル情報フィードバックは、シンボル送信過程250〜シンボル送信過程270の3個のタイムスロット毎に周期的に行われる。また、シンボル送信過程毎にリレーノードR及びRは全体チャネル情報のうちの一部のチャネル情報のみがフィードバックされるため、アップリンクの送信率が向上する。
【0067】
図2A図2Cを参照すると、マルチホップネットワークの干渉制御方式において、少なくとも1つのリレーノードは、ソースノードS及びSと宛先ノードd及びdとの間の干渉を除去するためにプロセッサ又はコントローラを含む。少なくとも1つのリレーノードは、干渉制御方式を行うために、送信機、プロセッサ、及び受信機を含む。
【0068】
<一実施形態によるノード対の数が3個であるときのマルチホップネットワークにおける干渉制御方式>
【0069】
図3A及び図3Bは、一実施形態によるノード対の数が3個であるときのマルチホップネットワークにおける干渉制御方式を説明するための図である。
【0070】
図3Aを参照すると、マルチホップネットワーク310は、3個のソースノード、3個の宛先ノード、及び3個のリレーノードを含む。この場合、マルチホップネットワークにおける干渉制御方式において、ノード対の数及びリレーノードの数の増加により更に多くのユーザ干渉が制御されるため、トポロジーは様々に変化する。ノード対の数が2個である場合と同様に、マルチホップネットワークにおける干渉制御方式において、リレーノード及びノード対は、線形時変AF方式、線形時変QF方式、線形時変CF方式、線形周波数選択AF方式、線形周波数選択QF方式、及び線形周波数選択CF方式のいずれか1つを用いる。以下、線形時変(AF)方式に基づいて説明する。
【0071】
タイムスロットkで宛先ノードは、ソースノードとリレーノードとの間の第1チャネルマトリックス、リレーノードのチャネル係数、及びリレーノードと宛先ノードとの間の第2チャネルマトリックスを介して信号を受信し、これは下記の数式12のように示される。
【0072】
【数12】
【0073】
ここで、μは、第1シンボル送信過程におけるリレーノードRのチャネル係数、λはリレーノードRのチャネル係数、κはリレーノードRにおけるチャネル係数を意味する。マルチホップネットワークにおける干渉制御方式において、リレーノードは、第1チャネルマトリックス、第2チャネルマトリックス、及びチャネル係数を用いて終端間チャネルマトリックスGを生成し、第1シンボル送信過程における終端間チャネルマトリックスは
のように示される。これによって、リレーノードは、終端間チャネルマトリックスを用いて少なくとも1つのシンボルをソースノードから宛先ノードに中継する。
【0074】
図3Bを参照すると、シンボル送信過程320で、ソースノードS及びソースノードSはそれぞれシンボルa及びシンボルbを送信する。この場合、ソースノードSはシンボル送信を実行しない。リレーノードは、チャネル係数を調整してソースノードSから宛先ノードdへの干渉チャネル及びソースノードSから宛先ノードdへの干渉チャネルを除去する。ここで、ソースノードSはシンボルを送信しないため、終端間チャネルマトリックス
で、α2,1及びα3,1は0である。従って、シンボル送信過程320におけるチャネル係数は
である。ここで、記号
はElement−wise multiplierを意味する。これによって、宛先ノードdが受信する信号はシンボルa及びシンボルbが線形的に結合されたL(a,b)であり、宛先ノードdが受信する信号はシンボルbであり、宛先ノードdが受信する信号もシンボルbである。
【0075】
また、シンボル送信過程330で、ソースノードS及びソースノードSはそれぞれシンボルb及びシンボルcを送信する。ここで、ソースノードSはシンボル送信を実行しない。リレーノードは、チャネル係数を調整してソースノードSから宛先ノードdへの干渉チャネル及びソースノードSから宛先ノードdへの干渉チャネルを除去する。これによって、シンボル送信過程330におけるチャネル係数は
に調整される。従って、宛先ノードdが受信する信号はシンボルbであり、宛先ノードdが受信する信号はシンボルb及びシンボルcが線形的に結合されたL(b,c)であり、宛先ノードdが受信する信号はシンボルb及びシンボルcが線形的に結合されたL(b,c)である。宛先ノードdは、シンボル送信過程320でL(a,b)を受信したが、シンボル送信過程330でシンボルbを受信したため、L(a,b)でシンボルaを抽出する。同様に、宛先ノードdは、シンボル送信過程330でL(b,c)を受信したが、シンボル送信過程320でシンボルbを受信したため、L(b,c)でシンボルcを抽出する。宛先ノードdがシンボル送信過程320でシンボルbを受信したため、宛先ノードd、d、及びdは、リレーノードから受信した信号に基づいてソースノードS、S、及びSが送信したシンボルを抽出する。
【0076】
一実施形態において、シンボル送信過程320及びシンボル送信過程330によって宛先ノードdは1/2のDoFを取得し、宛先ノードd、dもそれぞれ1/2のDoFを取得する。これによって、マルチホップネットワーク310の全体DoF(sum−DoF)は3/2になる。これは、時分割多重方式(TDM)よりも50%増加し、干渉整列(Interference Alignment:IA)方式におけるDoFと同一なものである。
【0077】
ノード対の数が2個である場合と同様に、シンボル送信過程320、330の順序は、上述した構成の範囲及び思想を逸脱しない範囲内で変更され得る。
【0078】
図3A及び図3Bを参照すると、マルチホップネットワークの干渉制御方式において、少なくとも1つのリレーノードは、ソースノードS、S、及びSと宛先ノードd、d、及びdとの間の干渉を除去するためにプロセッサ又はコントローラを含む。少なくとも1つのリレーノードは、干渉制御方式を行うため、送信機、プロセッサ、及び受信機を含む。
【0079】
<一実施形態によるマルチホップネットワークで信号の分離を用いた干渉制御方式>
【0080】
図4は、一実施形態によるマルチホップネットワークにおける信号の分離を用いた干渉制御方法を説明するための図である。
【0081】
図4を参照すると、リレーノードは、ノード対のうちのソースノードから受信したシンボルをソースノードと対の目的地ノード(宛先ノード)に中継する。ソースノードは、シンボルを実数成分シンボル及び虚数成分シンボルに分離してソースノードと対の目的地ノードに送信する。リレーノードは、実数成分シンボル及び虚数成分シンボルをソースノードと対の目的地ノードに中継する。一実施形態において、宛先ノードが受信する信号は、下記の数式13のように示される。
【0082】
【数13】
【0083】
ここで、Yは宛先ノードが受信する実数成分シンボルを示し、Yは宛先ノードが受信する虚数成分シンボルを示し、Xはソースノードが送信する実数成分シンボルを示し、Xはソースノードが送信する虚数成分シンボルを示す。
はソースノードと宛先ノードとの間のチャネルマトリックスを意味し、Nはノイズ信号の実数成分を示し、Nはノイズ信号の虚数成分を示す。
【0084】
一実施形態において、ノード対の数が2個であり、リレーノード数が2個である場合、リレーノードは、ソースノードから同時に実数成分シンボル及び虚数成分シンボルを受信し、チャネル係数を調整して宛先ノードに実数成分シンボル及び虚数成分シンボルを中継する。宛先ノードは、リレーノードから信号を受信し、リレーノードから受信した信号に基づいて実数成分シンボル及び虚数成分シンボルを抽出する。一実施形態において、リレーノードは、シンボル送信過程によってノード対に実数成分シンボル及び虚数成分シンボルを中継する。例えば、ノード対及びリレーノードは、第1シンボル送信過程〜第3シンボル送信過程によって信号を送信する。
【0085】
シンボル送信過程410で、第1ソースノードは実数成分シンボルaR1及び虚数成分シンボルaI1を第1リレーノードに送信し、第2ソースノードは実数成分シンボルbR1及び虚数成分シンボルbI1を第2リレーノードに送信する。リレーノードは、チャネル係数を調整して、受信した実数成分シンボル及び虚数成分シンボルを宛先ノードに中継する。一実施形態において、リレーノードは、チャネル係数を調整して全体干渉チャネルのうちの第1ソースノードから第2宛先ノードの間の実数成分シンボルaR1に対する干渉チャネルのみを許容し、残りの干渉チャネルを除去する。リレーノードは、除去された干渉チャネルを除いた残りチャネルを用いて、ソースノードから受信した実数成分シンボル及び虚数成分シンボルを宛先ノードに中継する。
【0086】
シンボル送信過程420で、第1ソースノードは実数成分シンボルaR2及び虚数成分シンボルaI2を第1リレーノードに送信し、第2ソースノードは実数成分シンボルbR2及び虚数成分シンボルbI2を第2リレーノードに送信する。リレーノードは、チャネル係数を調整して、受信した実数成分シンボル及び虚数成分シンボルを宛先ノードに中継する。一実施形態において、リレーノードは、チャネル係数を調整して全体の干渉チャネルのうちの第2ソースノードから第1宛先ノードの間の実数成分シンボルbR2に対する干渉チャネルのみを許容し、残りの干渉チャネルを除去する。リレーノードは、除去された干渉チャネルを除いた残りのチャネルを用いて、ソースノードから受信した実数成分シンボル及び虚数成分シンボルを宛先ノードに中継する。
【0087】
シンボル送信過程430で、第1ソースノードは実数成分シンボルaR1及び虚数成分シンボルaI3を第1リレーノードに送信し、第2ソースノードは実数成分シンボルbR2及び虚数成分シンボルbI3を第2リレーノードに送信する。リレーノードは、チャネル係数を調整して、受信した実数成分シンボル及び虚数成分シンボルを宛先ノードに中継する。一実施形態において、リレーノードは、チャネル係数を調整して全体の干渉チャネルのうちの第1ソースノードから第2宛先ノードの間の実数成分シンボルaR1に対する干渉チャネル及び第2ソースノードから第1宛先ノードの間の実数成分シンボルbR2に対する干渉チャネルのみを許容し、残りの干渉チャネルを除去する。リレーノードは、除去された干渉チャネルを除いた残りのチャネルを用いて、ソースノードから受信した実数成分シンボル及び虚数成分シンボルを宛先ノードに中継する。
【0088】
<一実施形態によるマルチホップネットワークにおけるリレーノードの干渉制御方法>
【0089】
図5は、一実施形態によるマルチホップネットワークにおけるリレーノードの干渉制御方法のフローチャートである。
【0090】
図5を参照すると、一実施形態によるリレーノードの干渉制御方法において、複数のノード対が同時に少なくとも1つのシンボルを送信する場合、リレーノードは、ソースノードから少なくとも1つのシンボルを受信する(ステップS510)。ここで、複数のノード対はK個のノード対で表され、少なくとも1つのシンボルはN個のシンボルで表される。リレーノードの干渉制御方法において、リレーノードは、シンボル送信過程によって少なくとも1つのシンボルを中継する。シンボル送信過程は、M個のシンボル送信過程で示される。M個のシンボル送信過程の数は、K個のノード対が送信するN個のシンボルの数以上である。M個のシンボル送信過程はM個のタイムスロットに対応する。これによって、各シンボル送信過程は時間が変化しながら行われる。また、M個のシンボル送信過程はM個の周波数帯域に対応する。例えば、各シンボル送信過程は、OFDMで多重サブキャリア及びサブバンドを用いて行われる。
【0091】
一実施形態において、リレーノードは、リレーノードとソースノードとの間のチャネルマトリックスを用いてソースノードを受信する。
【0092】
他の実施形態において、リレーノードは、ソースノードから同時に実数成分シンボル及び虚数成分シンボルを受信する。
【0093】
また、リレーノードの干渉制御方法において、リレーノードは、チャネル係数を調整してソースノードから宛先ノードに少なくとも1つのシンボルを送信する(ステップS520)。ここで、チャネル係数はM個のシンボル送信過程により調整される。一実施形態において、リレーノードは、チャネル係数に基づいて増幅及びフォワード(Amplify and Forward:AF)方式、量子化及びフォワード(Quantize and Forward:QF)方式、又はコンピュート及びフォワード(Compute and Forward:CF)方式のいずれか1つを用いる。この場合、AF方式はソース信号に電力スケーリング(power scaling)を用いて増幅してこれを宛先ノードに送信する方式を意味し、QF方式はソース信号を量子化した後に圧縮された信号を送信する方式を意味する。CF方式はソース信号に基づいて格子コード(lattice code)を用いて新しい信号を生成した後これを宛先ノードに送信する方式を意味する。
【0094】
一実施形態において、リレーノードは、ノード対とリレーノードとの間のチャネルを用いて少なくとも1つのシンボルを中継する。リレーノードはチャネル係数を調整してソースノードと宛先ノードとの間のチャネルのうちの少なくとも1つの干渉チャネルを除去する。この場合、リレーノードは、複数のソースノードのうちの少なくとも1つのソースノードから、少なくとも1つのソースノードとリレーノードとの間のチャネル情報を受信し、複数の宛先ノードのうちの少なくとも1つの宛先ノードとリレーノードとの間のチャネル情報を少なくとも1つの宛先ノードに送信する。また、リレーノードは、少なくとも1つの宛先ノードからリレーノードと少なくとも1つの宛先ノードとの間のチャネル情報がフィードバックされ、フィードバックされたチャネル情報に基づいて、チャネル係数を調整して少なくとも1つの干渉チャネルを除去する。
【0095】
リレーノードは、少なくとも1つの干渉チャネルが除去されたソースノードと宛先ノードとの間のチャネルを用いて少なくとも1つのシンボルを中継する。
【0096】
他の実施形態において、リレーノードは、ソースノードとリレーノードとの間の第1チャネルマトリックス、リレーノードと宛先ノードとの間の第2チャネルマトリックス、及びチャネル係数を用いて終端間チャネルマトリックスを生成し、終端間チャネルマトリックスを用いて少なくとも1つのシンボルをソースノードから宛先ノードに中継する。
【0097】
一実施形態において、ノード対の数が2個である場合、リレーノードは第1シンボル送信過程〜第3シンボル送信過程によって少なくとも1つのシンボルを中継する。
【0098】
第1シンボル送信過程で、リレーノードは、第2ソースノードと第1宛先ノードとの間の干渉チャネルを除去して少なくとも1つのシンボルを中継する。ここで、リレーノードは、第2ソースノードから第2ソースノードとリレーノードとの間のチャネル情報を受信し、リレーノードと第1宛先ノードとの間のチャネル情報を第1宛先ノードに送信する。また、リレーノードは、第1宛先ノードからリレーノードと第1宛先ノードとの間のチャネル情報がフィードバックされ、フィードバックされたチャネル情報に基づいて、チャネル係数を調整して第2ソースノードと第1宛先ノードとの間の干渉チャネルを除去する。
【0099】
第2シンボル送信過程で、リレーノードは、第1ソースノードと第2宛先ノードとの間の干渉チャネルを除去して少なくとも1つのシンボルを中継する。ここで、リレーノードは、第1ソースノードから第1ソースノードとリレーノードとの間のチャネル情報を受信し、リレーノードと第2宛先ノードとの間のチャネル情報を第2宛先ノードに送信する。また、リレーノードは、第2宛先ノードからリレーノードと第2宛先ノードとの間のチャネル情報がフィードバックされ、フィードバックされたチャネル情報に基づいて、チャネル係数を調整して第1ソースノードと第2宛先ノードとの間の干渉チャネルを除去する。
【0100】
第3シンボル送信過程で、リレーノードは、ソースノードと宛先ノードとの間のチャネルを用いて少なくとも1つのシンボルを中継する。ここで、リレーノードは、第1ソースノードから、第1シンボル送信過程で第1ソースノードから受信したシンボルと同一のシンボルを受信し、第2ソースノードから、第2シンボル送信過程で第2ソースノードから受信したシンボルと同一のシンボルを受信する。
【0101】
一実施形態においてノード対の数が3個である場合、リレーノードは、第1シンボル送信過程及び第2シンボル送信過程によって少なくとも1つのシンボルを中継する。
【0102】
第1シンボル送信過程で、リレーノードは、第1ソースノードと第2宛先ノードとの間の干渉チャネル、及び第1ソースノードと第3宛先ノードとの間の干渉チャネルを除去して少なくとも1つのシンボルを中継する。ここで、リレーノードは、第1ソースノード及び第2ソースノードのそれぞれから少なくとも1つのシンボルを受信する。
【0103】
第2シンボル送信過程で、リレーノードは、ソースノードと宛先ノードとの間のチャネルを用いて少なくとも1つのシンボルを中継する。ここで、リレーノードは、第2ソースノード及び第3ソースノードのそれぞれから少なくとも1つのシンボルを受信する。
【0104】
他の実施形態において、リレーノードは、チャネル係数を調整して宛先ノードに実数成分シンボル及び虚数成分シンボルを中継する。
【0105】
図5に示す一実施形態によるマルチホップネットワークにおけるリレーノードの干渉制御方法には、図1図4を参照して説明した内容がそのまま適用されるため、より詳細な説明は省略する。
【0106】
<一実施形態によるマルチホップネットワークにおけるノード対の干渉制御方法>
【0107】
図6は、一実施形態によるマルチホップネットワークにおけるノード対の干渉制御方法のフローチャートである。
【0108】
図6を参照すると、一実施形態によるマルチホップネットワークにおけるノード対の干渉制御方法において、ソースノードは、シンボル送信過程毎にリレーノードに少なくとも1つのシンボルを同時に送信する(ステップS610)。この場合、M個のシンボル送信過程の数はK個のノード対が送信するN個のシンボルの数以上である。また、M個のシンボル送信過程は、M個のタイムスロットに対応し、M個の周波数帯域に対応する。
【0109】
他の実施形態において、ソースノードは、シンボル送信過程毎にリレーノードに実数成分シンボル及び虚数成分シンボルを同時に送信する。
【0110】
また、ノード対の干渉制御方法において、宛先ノードは、シンボル送信過程毎に、チャネル係数が調整されるリレーノードから信号を受信する(ステップS620)。
【0111】
また、ノード対の干渉制御方法において、宛先ノードは、受信した信号に基づいて少なくとも1つのシンボルを抽出する(ステップS630)。これによって、宛先ノードは、M個のシンボル送信過程毎に、受信した信号に基づいて、宛先ノードと対のソースノードが送信したN個のシンボルを抽出(又は、復号化)する。
【0112】
他の実施形態において、宛先ノードは、受信した信号に基づいて実数成分シンボル及び虚数成分シンボルを抽出する。
【0113】
図6に示す一実施形態によるマルチホップネットワークにおけるノード対の干渉制御方法には、図1図4を参照して説明した内容がそのまま適用されるため、より詳細な説明は省略する。
【0114】
上述したソースノード、リレーノード、及び宛先ノードは、ハードウェア構成要素、ソフトウェア構成要素、及び/又はハードウェア構成要素及びソフトウェア構成要素の組み合わせで具現される。例えば、実施形態で説明したソースノード、リレーノード、及び宛先ノードは、例えば、プロセッサ、コントローラ、ALU(arithmetic logic unit)、デジタル信号プロセッサ(digital signal processor)、マイクロコンピュータ、FPA(field programmable array)、PLU(programmable logic unit)、マイクロプロセッサー、又は命令(instruction)を実行して応答する異なる装置のように、1つ以上の汎用コンピュータ又は特殊目的のコンピュータを用いて具現される。処理装置は、オペレーティングシステム(OS)及びOS上で行われる1つ以上のソフトウェアアプリケーションを実行する。また、処理装置は、ソフトウェアの実行に応答してデータをアクセス、格納、操作、処理、及び生成する。理解の便宜のために、処理装置は1つ使用するものとして説明する場合もあるが、当該の技術分野で通常の知識を有する者は、処理装置が複数の処理要素(processing element)及び/又は複数類型の処理要素を含むことが分かる。例えば、処理装置は、複数のプロセッサ又は1つのプロセッサ及び1つのコントローラを含む。また、並列プロセッサ(parallel processor)のような、他の処理構成も可能である。
【0115】
ソフトウェアは、コンピュータプログラム、コード、命令、又はこれらのうちの1つ以上の組み合わせを含み、希望通りに作動するように処理装置を構成して独立的又は統合的に処理装置に命令を実行させる。ソフトウェア及び/又はデータは、処理装置によって解釈されて処理装置に命令又はデータを提供するための全ての種類の機械、構成要素、物理的装置、仮想装置、コンピュータ格納媒体又は装置、送信される信号波を媒介として永久的又は一時的に具体化される。ソフトウェアは、ネットワークに接続されたコンピュータシステム上に分散され、分散された方法で格納されて実行される。ソフトウェア及びデータは1つ以上のコンピュータ読み取り可能な記録媒体に格納され得る。
【0116】
上述した実施形態による方法は、多様なコンピュータ手段を介して様々な処理を実行するプログラム命令の形態で具現され、コンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録され得る。コンピュータ読み取り可能な媒体は、プログラム命令、データファイル、データ構造などのうちの1つ又はそれらの組み合わせを含む。記録媒体に記録されるプログラム命令は、本発明の目的のために特別に設計されて構成されたものでもよく、コンピュータソフトウェア分野の技術を有する当業者にとって公知のものであり、使用可能なものであってもよい。
【0117】
以上、本発明の実施形態について図面を参照しながら詳細に説明したが、本発明は、上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の技術的範囲から逸脱しない範囲内で多様に変更実施することが可能である。
【符号の説明】
【0118】
110、210、310 マルチホップネットワーク
120〜150 トポロジー
220〜270、320、330、410〜430 シンボル送信過程
図1
図2A
図2B
図2C
図3A
図3B
図4
図5
図6