【実施例】
【0054】
以下、本発明を実施例に基づいて具体的に説明するが、これらは本発明の目的を限定するものではない。
【0055】
まず、実施例で使用した資材は下記の通りである。
アルギン酸ナトリウム(1):イナゲルGS−20 伊那食品工業社製
(重量平均分子量Mw200000)
アルギン酸ナトリウム(2):イナゲルGS−30 伊那食品工業社製
(重量平均分子量Mw250000)
アルギン酸ナトリウム(3):イナゲルGS−50 伊那食品工業社製
(重量平均分子量Mw500000)
アルギン酸カリウム(1):イナゲルGP−20 伊那食品工業社製
(重量平均分子量Mw200000)
アルギン酸アンモニウム(1):イナゲルGA−20 伊那食品工業社製
(重量平均分子量Mw200000)
寒天(1):伊那寒天M−13(高融点寒天) 伊那食品工業社製
寒天(2):伊那寒天UM−11(高融点寒天) 伊那食品工業社製
寒天(3):伊那寒天S−10 伊那食品工業社製
寒天(4):伊那寒天カリコリカン(高融点寒天) 伊那食品工業社製
塩化ナトリウム:食卓塩 JT製
塩化カルシウム:富田製薬社製
塩化カリウム:富田製薬社製
塩化アンモニウム:赤穂化成社製
ヘキサメタリン酸ナトリウム:エフシー化学社製
リン酸1水素カルシウム:太平化学社製
クエン酸ナトリウム:磐田化学社製
また、特に指定がない限り%は重量%を示すものとする。
【0056】
以下、実施例における物性の測定は下記の通りである。
(1)アルギン酸塩のモノマー単位に対するカルシウム(2価カチオン)及びナトリウム(1価カチオン)のモル比
ICP(ICPE−9000島津製作所社製)を使用して、乾燥物中のカルシウム量(2価カチオン量)(重量%)とナトリウム量(1価カチオン量)(重量%)を測定した。アルギン酸塩の重量平均分子量(Mw)は、HPLCを使用してGPC用により測定した。下記に示すとおり、アルギン酸塩を含まない寒天のみの乾燥物を同様に作製し、カルシウム量(2価カチオン量)(重量%)とナトリウム量(1価カチオン量)(重量%)を測定し、乾燥物中のアルギン酸塩に含まれるカルシウム量(2価カチオン量)とナトリウム量(1価カチオン量)を算出した。アルギン酸塩中に含まれる1価カチオン量、2価カチオン量、アルギン酸塩の重量平均分子量(Mw)を使用して乾燥物中に含まれるアルギン酸塩のモノマー単位に対するカルシウム及びナトリウムのモル比を算出した。
【0057】
【数1】
【0058】
【数2】
【0059】
A:寒天・アルギン酸塩乾燥物中のカルシウム含量(2価カチオン量)(重量%)
B:Aに含まれる寒天と同重量の寒天のみで作製した乾燥物中のカルシウム含量(2価カチオン量)(重量%)
C:寒天・アルギン酸塩乾燥物中のナトリウム含量(1価カチオン量)(重量%)
D:Cに含まれる寒天と同重量の寒天のみで作製した乾燥物中のナトリウム含量(1価カチオン量)(重量%)
【0060】
(2)吸水量
乾燥物各2.0gについて、20℃の蒸留水600gに30分間浸漬し吸水膨潤させ、150μm篩を使用しよく水切りを行った後、この膨潤物の重量を測定し、以下の式により吸水量を算出した。
同様に乾燥物各2.0gについて、90℃の蒸留水600gに3分間浸漬し吸水膨潤させ、150μm篩を使用しよく水切りを行った後、この膨潤物の重量を測定し、以下の式により吸水量を算出した。
【0061】
【数3】
【0062】
(3)形状の維持
乾燥物の平均粒子径を300μmに粉砕し調整した粒子状組成物1gを300mLのビーカーに入れ、これに90℃の蒸留水300gを加え吸水膨潤させ、更にビーカーを沸騰水中に3分間浸し、膨潤粒子が溶液とならず形状が維持されているかを確認した。
○:形状を維持
△:形状は維持しているが、膨潤が悪い
×:形状を維持せず溶解またはほとんど溶解
【0063】
(4)平均粒子径
粒度分布測定機(MICROTRAC MT3000、日機装社製)を使用し、99.5%エタノールを分散液として測定した。
【0064】
(5)溶け出し率(%)
実施例または比較例で作製した平均粒子径300μmの乾燥物各2.0gを95℃の蒸留水600g中に5分間浸漬した後、150μm篩を使用して固形物のみを取り除いた。固形物を取り除いた蒸留水を蒸発乾固し、乾燥物から溶け出した固形物の重量(g)を測定した。この固形物重量から、1価カチオン量(Na)(g)と2価カチオン量(Ca)(g)を差し引いて、下記の式により、溶け出した寒天またはアルギン酸Naの量を測定した。なお、1価カチオン量(Na)と2価カチオン量(Ca)は上記(1)と同様にICPを使用して測定した。
【0065】
【数4】
【0066】
(実験例1:カルシウム含量による変化(1))
表1に示した配合の寒天及びアルギン酸塩よりなる乾燥物を作製した。具体的には、寒天(1)とアルギン酸ナトリウム(1)を水に分散溶解後、高圧釜を使用し110℃に加温し溶解した後、更に表2に示した塩化ナトリウムを加えた。これを容器に充填し冷却凝固させた後に、麺状(10mm角×20cm)に切断した。この麺状ゲル化物を表2に示した濃度の塩化カルシウム溶液に5時間浸漬した。この時の塩化カルシウム液量は1000g、ゲル量は500gとした。浸漬後、麺状ゲルを取り出し60℃にて乾燥させ、これらの乾燥物について、さらに粉砕機(ハンマーミル、ホソカワミクロン社製およびジェット粉砕機、アイシン社製)を使用して粉砕し、平均粒子径10μm、300μm、1mm及び2mmの粒子状に調整し、実施例1〜5及び比較例2〜3の寒天及びアルギン酸塩よりなる粒子状組成物を作製した。塩化ナトリウムを使用しなかったものも同様に作製した(比較例1)。得られた乾燥物中に含まれるアルギン酸塩のモノマー単位に対するカルシウムのモル比とナトリウムのモル比、およびそれらの比を表2に記載し、各粒子径における吸水量、形状の維持について結果を表3に示した。
【0067】
なお、下記全ての表中に示した注釈は、以下に示すとおりである。
*1:乾燥物中に含まれるアルギン酸塩のモノマー単位に対するカルシウムのモル比
*2:乾燥物中に含まれるアルギン酸塩のモノマー単位に対するナトリウムのモル比
*3:膨潤粒子がほとんど溶解し測定不能
(注):極わずか溶け出しが観察されたが外観には問題のない程度であった。
*4:乾燥物中Ca:Na(モル比)
*5:膨潤粒子が溶解し測定不能
*6:寒天が少なすぎて冷却後の成形ができない
*7:乾燥物中に含まれるアルギン酸塩のモノマー単位に対するカリウムのモル比
*8:乾燥物中に含まれるアルギン酸塩のモノマー単位に対するアンモニウムのモル比
*9:乾燥物中Ca:K又はNH
3(モル比)
実施例20及び比較例11はCa:K
実施例21及び比較例12はCa:NH
3
【0068】
【表1】
【0069】
【表2】
【0070】
【表3】
【0071】
以上のように、アルギン酸塩のモノマー単位に対して2価カチオンが0.04〜0.30倍モルもので且つカルシウムとナトリウムのモル比が1.0:0.35〜1.0:8.70のものは吸水倍率が高く、良好であった。
【0072】
(実験例2:カルシウム含量による変化(2) 塩化ナトリウム含量一定の場合)
表4に示した配合の寒天及びアルギン酸塩よりなる乾燥物を作製した。具体的には、寒天(2)とアルギン酸ナトリウム(2)を水に分散溶解後、加温し沸騰溶解した。これを容器に充填し冷却凝固させた後に、麺状(10mm角×20cm)に切断した。この麺状ゲル化物を表5に示した濃度の塩化カルシウム及び塩化ナトリウムの混合溶液に5時間浸漬した。この時の塩化カルシウム液量は1000g、ゲル量は500gとした。浸漬後、麺状ゲルを取り出し60℃にて乾燥し乾燥物とし、これらの乾燥物について、さらに粉砕機(ハンマーミル、ホソカワミクロン社製およびジェット粉砕機、アイシン社製)を使用して粉砕し、平均粒子径10μm、300μm、1mm及び2mmの粒子状に調整し、実施例6〜9、比較例5〜7の寒天及びアルギン酸塩よりなる粒子状組成物を作製した。また、塩化ナトリウムを使用しなったもの(比較例4)も同様に作製した。実験例1と同様に物性を測定し表6に記載した。
【0073】
【表4】
【0074】
【表5】
【0075】
【表6】
【0076】
以上のように、アルギン酸塩のモノマー単位に対し、2価カチオンが0.04〜0.30倍モルの範囲のものは吸水倍率が高く、良好であった。
【0077】
(実験例3:寒天とアルギン酸塩の重量比率による変化)
表7に示した配合(重量%)にて寒天及びアルギン酸塩よりなる乾燥物を作製した。具体的には、寒天(3)とアルギン酸ナトリウム(3)を水に分散溶解後、加温し沸騰溶解した(作製量1000g)。これを容器に充填し冷却凝固させた後に、麺状(10mm角×10cm)に切断した。この麺状ゲル化物500gを0.20重量%濃度の塩化カルシウム溶液1000gに5時間浸漬した。浸漬後、麺状ゲルを取り出し60℃にて乾燥し乾燥物とした。この乾燥物に食塩0.5gを水10gに溶解し噴霧しさらに乾燥させ、これらの乾燥物について、さらに粉砕機(ハンマーミル、ホソカワミクロン社製およびジェット粉砕機、アイシン社製)を使用して粉砕し、平均粒子径10μm、300μm、1mm及び2mmの粒子状に調整し、実施例10〜14及び比較例8〜9の寒天及びアルギン酸塩よりなる粒子状組成物を作製した。実験例1と同様に物性を測定し表8に記載した。
【0078】
【表7】
【0079】
【表8】
【0080】
以上のように、寒天とアルギン酸ナトリウムの重量比率が1:1〜1:20のものは吸水倍率が高く、良好であった。
【0081】
(実験例4:寒天とアルギン酸塩の使用濃度による変化)
表9に示した配合(重量%)にて寒天及びアルギン酸塩よりなる乾燥物を作製した。具体的には、寒天(4)とアルギン酸ナトリウム(3)を水に分散溶解後、加温し沸騰溶解した(作製量1000g)。これを容器に充填し冷却凝固させた後に、キューブ状(10mm角×10mm角)に切断した。このキューブ状ゲル化物500gを0.18重量%濃度の塩化カルシウム溶液1000gに5時間浸漬した。浸漬後、キューブ状ゲルを取り出し0.2%塩化ナトリウム溶液1000gに5時間浸漬した。その後、キューブ状ゲルを取り出し40℃にて真空凍結乾燥し乾燥物とし、これらの乾燥物について、さらに粉砕機(ハンマーミル、ホソカワミクロン社製およびジェット粉砕機、アイシン社製)を使用して粉砕し、平均粒子径10μm、300μm、1mm及び2mmの粒子状に調整し、実施例15〜18の寒天及びアルギン酸塩よりなる粒子状組成物を作製した。実験例1と同様に物性を測定し表10に記載した。
【0082】
【表9】
【0083】
【表10】
【0084】
(実験例5:食塩浸漬した場合)
寒天(3)及びアルギン酸ナトリウム(2)よりなる乾燥物を作製した。具体的には、寒天(3)6gとアルギン酸ナトリウム(3)14gを水に分散溶解後、加温し沸騰溶解した(作製量1000g)。これを容器に充填し冷却凝固させた後に、板状(15mm×30mm×H5mm)に切断した。この板状ゲル化物500gを0.15重量%濃度の塩化カルシウム溶液1000gに5時間浸漬した。浸漬後、板状ゲルを取り出し、0.2%食塩水1000gに5時間浸漬した。その後、板状ゲルを取り出し50℃にて真空乾燥を行い、これらの乾燥物について、さらに粉砕機(ハンマーミル、ホソカワミクロン社製およびジェット粉砕機、アイシン社製)を使用して粉砕し、平均粒子径10μm、300μm、1mm及び2mmの粒子状に調整し、実施例19の寒天及びアルギン酸塩よりなる粒子状組成物を作製した。実験例1と同様に物性を測定し表11に記載した。食塩水に浸漬しなかったものも同様にして作製し比較例10とした。
【0085】
【表11】
【0086】
以上のように、食塩水に浸漬せずCa:NaのNaが1.0:0.35以下のものは吸水が悪かった。
【0087】
(実験例6:アルギン酸カリウム又はアルギン酸アンモニウムを使用した場合)
表12に示した配合(重量%)にて寒天及びアルギン酸塩よりなる乾燥物を作製した。具体的には、寒天(3)と表12に示すアルギン酸塩を水に分散溶解後、加温し沸騰溶解した(作製量各1000g)。これを高さ10mmの容器に充填し冷却凝固させた後に、0.8%濃度の乳酸カルシウム溶液1000gに10時間浸漬した。浸漬後、ゲル化物を取り出し、キューブ状(10mm角×10mm角)に切断した。このキューブ状ゲルを実施例20においては0.6%塩化カリウム溶液1000gに5時間浸漬し、実施例21においては0.5%塩化アンモニウム溶液1000gに5時間浸漬した。その後、キューブ状ゲルを取り出し、ゲルを冷凍後50℃にて乾燥を行い、これらの乾燥物について、さらに粉砕機(ハンマーミル、ホソカワミクロン社製およびジェット粉砕機、アイシン社製)を使用して粉砕し、平均粒子径10μm、300μm、1mm及び2mmの粒子状に調整し、実施例20、21の寒天及びアルギン酸塩よりなる粒子状組成物を作製した。実験例1と同様に物性を測定し表12に記載した。塩化カリウム溶液または塩化アンモニウム溶液に浸漬しなかったものも同様にして作製し比較例11、12とした。
【0088】
【表12】
【0089】
【表13】
【0090】
以上のように、Ca:KのKまたはCa:NH
3のNH
3が1.0:0.35以下のものは吸水が悪かった。
【0091】
(実験例7:ゲルを不定形粒子状に製造した場合)
寒天(2)及びアルギン酸ナトリウム(1)よりなる乾燥物を作製した。具体的には、寒天(2)10gとアルギン酸ナトリウム(1)10gを水に分散溶解後、加温し沸騰溶解した(作製量1000g)。この溶液500gを60℃に冷却後、10℃に冷却した金属板に、直径4mmの穴から滴下し不定形粒子状に冷却凝固させた。この不定形粒子状ゲル化物を20℃の0.2%塩化カルシウム溶液1000gに1時間浸漬した後、不定形粒子状ゲルを取り出し、さらに0.5%食塩水1000gに0.5時間浸漬した。その後、取り出した粒子状ゲルを80℃にて送風乾燥を行い、これらの乾燥物について、さらに粉砕機(ハンマーミル、ホソカワミクロン社製およびジェット粉砕機、アイシン社製)を使用して粉砕し、平均粒子径10μm、300μm、1mm及び2mmの粒子状に調整し、実施例22の寒天及びアルギン酸塩よりなる粒子状組成物を作製した。実験例1と同様に物性を測定し表14に記載した。食塩水に浸漬しなかったものも同様にして作製し比較例13とした。
【0092】
【表14】
【0093】
以上のように、Ca:NaのNaが1.0:0.35以下のものは吸水が悪かった。
【0094】
(実験例8:レトルト耐性)
実施例1〜22、及び比較例1〜12(比較例9は除く)で得られた平均粒子径300μmの粒子状組成物1gに水300gを加え密封し、121℃、20分のレトルト処理を行った。処理後の20℃における粒子状組成物の粒子形状の維持と外観を調べ表15に記載した。
【0095】
【表15】
【0096】
以上のように、実施例の寒天及びアルギン酸塩よりなる粒子状組成物はレトルト処理後も形状を維持し充分に膨潤していた。
【0097】
(実験例9:アルギン酸塩のみの場合)
表16に示す配合(重量%)にてアルギン酸塩よりなる乾燥物を作製した。具体的には、アルギン酸ナトリウムを水に分散溶解後、加温し沸騰溶解した(作製量1000g)。この溶液500gを0.2%塩化カルシウム溶液1000gに直径5mmのオリフィスから押し出し5時間浸漬した。浸漬後、麺状ゲルを取り出し0.2%塩化ナトリウム溶液1000gに5時間浸漬した。その後、麺状ゲルを取り出し40℃にて真空凍結乾燥し乾燥物とし、これらの乾燥物について、さらに粉砕機(ハンマーミル、ホソカワミクロン)を使用して粉砕し、平均粒子径300μmの粒子状に調整し、比較例13〜16のアルギン酸塩よりなる粒子状組成物を作製した。実験例1と同様に物性を測定し表17に記載した。
【0098】
【表16】
【0099】
【表17】
【0100】
以上のように、寒天を含まずアルギン酸塩のみの場合、1価カチオンの塩と2価カチオンの塩とが含まれ、アルギン酸塩のモノマー単位に対し、2価カチオンが0.04〜0.30倍モルであり、さらに1価カチオンが0.10〜0.70倍モルであり、2価カチオンと1価カチオンとのモル比が1.0:0.35〜1.0:8.70であっても吸水膨潤が悪かった。
【0101】
(実験例10:2価カチオンと1価カチオンのモル比を変えた場合(1))
表18に示した配合の寒天及びアルギン酸塩よりなる乾燥物を作製した。具体的には、寒天(3)とアルギン酸ナトリウム(3)を水に分散溶解後、高圧釜を使用し105℃に加温し溶解した後、更に表19及び20に示した塩化ナトリウムを加えた。これを容器に充填し冷却凝固させた後に、麺状(10mm角×15cm)に切断した。この麺状ゲル化物を表19及び20に示した濃度の塩化カルシウム溶液に表19及び20に示した時間浸漬した。この時の塩化カルシウム液量は1000g、ゲル量は500gとした。浸漬後、麺状ゲルを取り出し60℃にて乾燥させ、これらの乾燥物について、さらに粉砕機(ハンマーミル、ホソカワミクロン社製およびジェット粉砕機、アイシン社製)を使用して粉砕し、平均粒子径10μm、300μm、1mm及び2mmの粒子状に調整し、実施例37〜43及び比較例17〜23の寒天及びアルギン酸塩よりなる粒子状組成物を作製した。得られた乾燥物中に含まれるアルギン酸塩のモノマー単位に対するカルシウムのモル比とナトリウムのモル比、およびそれらの比を表19及び20に記載し、各粒子径における吸水量、形状の維持について結果を表21に示した。
【0102】
【表18】
【0103】
【表19】
【0104】
【表20】
【0105】
【表21】
【0106】
以上のように、アルギン酸塩のモノマー単位に対して2価カチオンが0.04〜0.30倍モルであり、さらに1価カチオンが0.10〜0.70倍モルであり、且つカルシウムとナトリウムのモル比が1.0:0.35〜1.0:8.70のものは吸水倍率が高く良好であったが、カルシウムとナトリウムのモル比が1.0:0.35〜1.0:8.70以外のものは良好な結果が得られなかった。
【0107】
(実験例11:2価カチオンと1価カチオンのモル比を変えた場合(2))
表22に示した配合の寒天及びアルギン酸塩よりなる乾燥物を作製した。具体的には、寒天(4)とアルギン酸ナトリウム(2)を水に分散溶解後、高圧釜を使用し110℃に加温し溶解した後、更に表23に示した塩化ナトリウムを加えた。これを容器に充填し冷却凝固させた後に、麺状(4mm角×15cm)に切断した。この麺状ゲル化物を表23に示した濃度の塩化カルシウム溶液に表23に示した時間浸漬した。この時の塩化カルシウム液量は1000g、ゲル量は500gとした。浸漬後、麺状ゲルを取り出し60℃にて乾燥させ、これらの乾燥物について、さらに粉砕機(ハンマーミル、ホソカワミクロン社製およびジェット粉砕機、アイシン社製)を使用して粉砕し、平均粒子径10μm、300μm、1mm及び2mmの粒子状に調整し、実施例44〜45、比較例24〜29の寒天及びアルギン酸塩よりなる粒子状組成物を作製した。得られた乾燥物中に含まれるアルギン酸塩のモノマー単位に対するカルシウムのモル比とナトリウムのモル比、およびそれらの比を表23に記載し、各粒子径における吸水量、形状の維持について結果を表24に示した。
【0108】
【表22】
【0109】
【表23】
【0110】
【表24】
【0111】
以上のように、アルギン酸塩のモノマー単位に対して2価カチオンが0.04〜0.30倍モルであり、さらに1価カチオンが0.10〜0.70倍モルであり、且つカルシウムとナトリウムのモル比が1.0:0.35〜1.0:8.70のものは吸水倍率が高く、良好であった。アルギン酸塩のモノマー単位に対する1価カチオンが0.10〜0.70倍モル以外のものは良好な結果が得られなかった。
【0112】
(実験例12:溶け出し率の測定)
寒天(1)または寒天(3)のみを使用して表25の配合で実験例3と同様な形態のゲルを作製した(作製量1000g)。具体的には、水に寒天を入れ、寒天(1)は110℃で、寒天(3)は97℃で溶解し、冷却してゲル化させた。これを所定の大きさに切断し、60℃にて乾燥させ、これらの乾燥物について、さらに粉砕機(ハンマーミル、ホソカワミクロン社製)を使用して粉砕し、平均粒子径300μmの粒子状に調整した粒子状組成物を得た(比較例30、31)。また、寒天(3)及びアルギン酸ナトリウム(3)を使用して表25の配合で実験例3と同様に、比較例33、34の寒天及びアルギン酸塩よりなる平均粒子径300μmの粒子状組成物を作製した。比較例33、34の寒天及びアルギン酸塩よりなる乾燥物の物性を測定し表25に記載した。また、実施例1〜45、比較例1〜34について、溶け出し率(%)を測定した。溶け出し率の結果を表26に示した。
【0113】
【表25】
【0114】
【表26】
【0115】
以上のように、比較例31、32は、寒天のみであるため、お湯(95℃)へ溶け出してしまい、比較例33、34は、使用している寒天量が多いため、寒天のお湯(95℃)への溶け出しが多い結果となった。溶け出しが多いと水漬けや加熱において溶け出し率が多くなり、製品が固まったり、ぬるつき感が生じたりして好ましくない食感となってしまう問題があるが、本発明の組成物はこのような弊害が生じることがないことが示された。
【0116】
(実験例13:反応遅延剤を使用した場合との比較)
表27に示した配合の寒天及びアルギン酸塩よりなる乾燥物を作製した。具体的には、寒天(3)とアルギン酸ナトリウム(2)を水に分散溶解後、高圧釜を使用し105℃に加温し溶解した後、更に塩化ナトリウム60gを加えた。これを容器に充填し冷却凝固させた後に、麺状(4mm角×15cm)に切断した。この麺状ゲル化物を0.15%濃度の塩化カルシウム溶液に3時間浸漬した。この時の塩化カルシウム液量は1000g、ゲル量は500gとした。浸漬後、麺状ゲルを取り出し60℃にて乾燥させ、実施例46の寒天及びアルギン酸塩よりなる乾燥物を作製した。
【0117】
これとは別に、寒天(3)とアルギン酸ナトリウム(2)を水に分散溶解後、高圧釜を使用し105℃に加温し溶解した後、更に塩化ナトリウム60g、塩化カルシウム30g、ヘキサメタリン酸ナトリウム54gを加えた。この溶液を容器に流し10時間放置しゲル化させた。このゲルを麺状(4mm角×15cm)に切断し60℃にて乾燥させ、比較例35の寒天及びアルギン酸塩よりなる乾燥物を作製した。さらに比較例35において塩化ナトリウム60gを添加しないものも同様にして作製し比較例36とした。実施例46、比較例35、36について、粉砕機(ハンマーミル、ホソカワミクロン社製)を使用して粉砕し、平均粒子径300μmの粒子状に調整して粒子状組成物を作製した。
得られた乾燥物中に含まれるアルギン酸塩のモノマー単位に対するカルシウムのモル比とナトリウムのモル比、およびそれらの比を表28に記載し、粒子状組成物の吸水量、溶け出し率、形状の維持について結果を表29に示した。
【0118】
【表27】
【0119】
【表28】
【0120】
【表29】
【0121】
以上のように、寒天とアルギン酸ナトリウムと塩化ナトリウムを含む混合溶液について、冷却により寒天ゲルを形成させたものを、Ca溶液に浸漬し乾燥した実施例46は良好な結果が得られたが、寒天とアルギン酸ナトリウムと塩化ナトリウムを含む混合溶液について、反応遅延剤を使用して寒天が完全にゲル化する前にアルギン酸がゲル化を始めて形成されたゲルを乾燥した比較例35、36は、90℃の湯で粒子が溶解してしまった。
【0122】
(実験例14:1価カチオンの種類及び添加時機を変えた場合)
表30に示した配合の寒天及びアルギン酸塩よりなる乾燥物を作製した。具体的には、寒天(3)とアルギン酸ナトリウム(2)を水に分散溶解後、高圧釜を使用し105℃に加温し溶解した後、更に表31に示した塩類を加えた。これを容器に充填し冷却凝固させた後に、麺状(4mm角×15cm)に切断した。この麺状ゲル化物を0.15%濃度の塩化カルシウム溶液に3時間浸漬した。この時の塩化カルシウム液量は1000g、ゲル量は500gとした。浸漬後、麺状ゲルを取り出し60℃にて乾燥させ、寒天及びアルギン酸塩よりなる乾燥物を作製した(実施例47、比較例37〜45)。さらに粉砕機(ハンマーミル、ホソカワミクロン社製)を使用して粉砕し、平均粒子径を300μmに調整して粒子状組成物を作製した。
得られた乾燥物中に含まれるアルギン酸塩のモノマー単位に対するカルシウムのモル比とナトリウムのモル比、およびそれらの比を表32、33に記載し、吸水量、溶け出し率、形状の維持について結果を表34に示した。
【0123】
これとは別に、表31に示した実施例48〜50の塩類を、寒天とアルギン酸ナトリウムが溶液状態のときに加えず、塩化カルシウム溶液に浸漬しゲルとした後に、浸漬することにより添加した。具体的には、塩類溶液(0.6%溶液、1000mL)にゲル500gを1時間浸漬した後、麺状ゲルを取り出し60℃にて乾燥させ、粉砕機(ハンマーミル、ホソカワミクロン社製)を使用して粉砕し、平均粒子径300μmの粒子状に調整して寒天及びアルギン酸塩よりなる粒子状組成物を作製した。得られた乾燥物中に含まれるアルギン酸塩のモノマー単位に対するカルシウムのモル比とナトリウムのモル比、およびそれらの比を表35に記載し、粒子状組成物の吸水量、溶け出し率、形状の維持について結果を表36に示した。
【0124】
【表30】
【0125】
【表31】
【0126】
【表32】
【0127】
【表33】
【0128】
【表34】
【0129】
【表35】
【0130】
【表36】
【0131】
以上のように、塩化ナトリウムの変わりにリン酸塩やクエン酸ナトリウムなどのカルシウム封鎖作用のある塩をアルギン酸ナトリウムが溶液の状態の時に使用すると、水での吸水は良好であるが90℃での耐熱性がなく溶解してしまった。これに対し、アルギン酸カルシウムとしてゲルの状態で使用したものは、塩化ナトリウムを使用した時より若干の溶解が確認されたが、問題のない程度であった。
【0132】
(実験例15:1価カチオンの添加時機を変えた場合)
表37に示した配合の寒天及びアルギン酸塩よりなる乾燥物を作製した。具体的には、寒天(4)とアルギン酸ナトリウム(1)を水に分散溶解後、高圧釜を使用し110℃に加温し溶解した。これを容器に充填し冷却凝固させた後に、麺状(4mm角×15cm)に切断した。この麺状ゲル化物を表38に示した1価カチオン溶液に1時間浸漬した。この時の1価カチオン溶液の液量は1000g、ゲル量は500gとした。このゲルを取り出した後に0.20%濃度の塩化カルシウム溶液に3時間浸漬した。この時の塩化カルシウム液量は1000gとした。浸漬後、麺状ゲルを取り出し60℃にて乾燥させ、粉砕機(ハンマーミル、ホソカワミクロン社製)を使用して粉砕し、平均粒子径を300μmに調整して寒天及びアルギン酸塩よりなる粒子状組成物を作製した(実施例51〜54)。
得られた乾燥物中に含まれるアルギン酸塩のモノマー単位に対するカルシウムのモル比とナトリウムのモル比、およびそれらの比を表39に記載し、粒子状組成物の吸水量、溶け出し率、形状の維持について結果を表40に示した。
【0133】
【表37】
【0134】
【表38】
【0135】
【表39】
【0136】
【表40】
【0137】
以上のように、寒天をゲル化後に1価カチオンを反応させ、その後2価カチオンを反応させることにより良好な結果が得られたが、1価のカチオンとして塩化ナトリウムを使用した実施例は、ヘキサメタリン酸ナトリウムを使用したものより溶け出し率が少なく良好な結果が得られた。
【0138】
(実験例16:餡に保水効果として添加)
上記実施例1〜9、比較例3,6で作製した乾燥物を実験例1で使用した粉砕機を使用して粉砕し、篩を使用して篩い分けを行い、平均粒子径5μm、50μm、300μm、1000μm(1mm)、1500μm(1.5mm)、2000μm(2mm)、2500μm(2.5mm)の粒子状組成物を作製した。なお、5μmより小さいものは凝集等により作製することができなかった。これらの各粒子状組成物5gを水500gに添加して室温で1時間放置し膨潤させた。余分な水を除去後、これを練り餡(糖度70)2000gに添加して低カロリー餡を作製した。この餡を110℃、40分レトルト殺菌を行い、状態を観察(離水、食感)した。結果を表41〜51に示した。なお、比較として粒子状組成物を添加しない以外は同様にして作製した餡のみ(対照例1)の物性を表41に記載した。
なお、表41〜51中、食感の表示は以下のとおりである。
A:対照例1の餡と同様である。
B:硬い粒子がありざらつき感がある。
C:糊状感がある。
D:粒子状組成物が大きく違和感がある。
【0139】
【表41】
【0140】
【表42】
【0141】
【表43】
【0142】
【表44】
【0143】
【表45】
【0144】
【表46】
【0145】
【表47】
【0146】
【表48】
【0147】
【表49】
【0148】
【表50】
【0149】
【表51】
【0150】
(実験例17:飲料に増粘効果として添加)
上記実施例12〜18、比較例8〜10,12〜16で作製した乾燥物を実験例1で使用した粉砕機を使用して粉砕し、篩を使用して篩い分けを行い、平均粒子径5μm、300μm、1000μm(1mm)、2000μm(2mm)、2500μm(2.5mm)の粒子状組成物を作製した。なお、5μmより小さいものは凝集等により作製することができなかった。これらの各粒子状組成物1gを市販のピーチ飲料水250gに添加して85℃、30分殺菌を行い、状態を観察(食感)した。結果を表52〜66に示した。
なお、表52〜66中、食感の表示は以下のとおりである。
A:膨潤粒子により糊状感のない適度なとろみが付与されネクター風になる。
B:粒子状組成物が一部溶解し下部でゲル化した。
C:粒子状組成物が下部に沈殿し、且つざらつきを感ずる。
【0151】
【表52】
【0152】
【表53】
【0153】
【表54】
【0154】
【表55】
【0155】
【表56】
【0156】
【表57】
【0157】
【表58】
【0158】
【表59】
【0159】
【表60】
【0160】
【表61】
【0161】
【表62】
【0162】
【表63】
【0163】
【表64】
【0164】
【表65】
【0165】
【表66】
【0166】
(実験例18:蒸し饅頭に保水効果として添加)
上記実施例19〜22、比較例17〜23で作製した乾燥物を実験例1で使用した粉砕機を使用して粉砕し、篩を使用して篩い分けを行い、平均粒子径5μm、300μm、1000μm(1mm)、2000μm(2mm)、2500μm(2.5mm)の粒子状組成物を作製した。なお、5μmより小さいものは凝集等により作製することができなかった。これらの各粒子状組成物を蒸し饅頭の素に対粉0.5%添加して、通常の方法により蒸し饅頭を作製した。比較として、粒子状組成物を添加しないものも作製した。ポリエチレン製の袋に保管し、作製後1週間経過した時点で蒸し饅頭の状態を観察(食感)した。結果を表67〜77に示した。
なお、表67〜77中、食感の表示は以下のとおりである。
A:粒子状組成物を添加しないものに比べ、しっとり感があり老化も少なく美味しいものであった。
B:粒子状組成物を添加しないものと同様であった。
C:粒子状組成物を添加しないものに比べ、べとつき感があり美味しくなかった。
D:粒子状組成物が大きく違和感があり、しっとり感もない。
【0167】
【表67】
【0168】
【表68】
【0169】
【表69】
【0170】
【表70】
【0171】
【表71】
【0172】
【表72】
【0173】
【表73】
【0174】
【表74】
【0175】
【表75】
【0176】
【表76】
【0177】
【表77】
【0178】
(実験例19:しるこに安定効果として添加)
上記実施例37〜42、比較例24〜29で作製した乾燥物を実験例1で使用した粉砕機を使用して粉砕し、篩を使用して篩い分けを行い、平均粒子径5μm、300μm、1000μm(1mm)、2000μm(2mm)、2500μm(2.5mm)の粒子状組成物を作製した。なお、5μmより小さいものは凝集等により作製することができなかった。これらの各粒子状組成物1.5gを市販のしるこ250gに添加して110℃、40分殺菌を行い、状態を観察(沈殿、食感)した。結果を表78〜89に示した。
なお、表78〜89中、沈殿、食感の表示は以下のとおりである。
A:粒子状組成物を添加しないものに比べ、膨潤粒子により糊状感のない適度なとろみが付与され濃厚感があり、餡粒子の沈殿がない。
B:粒子状組成物が一部溶解し下部でゲル化している。
C:粒子状組成物が膨潤せず下部に餡粒子が沈殿し、且つざらつきを感ずる。
D:粒子状組成物が大きく違和感があり、下部に餡粒子が沈殿している。
【0179】
【表78】
【0180】
【表79】
【0181】
【表80】
【0182】
【表81】
【0183】
【表82】
【0184】
【表83】
【0185】
【表84】
【0186】
【表85】
【0187】
【表86】
【0188】
【表87】
【0189】
【表88】
【0190】
【表89】
【0191】
(実験例20:ギョーザに保水効果として添加)
上記実施例44〜50、比較例30〜36で作製した乾燥物を実験例1で使用した粉砕機を使用して粉砕し、篩を使用して篩い分けを行い、平均粒子径5μm、300μm、1000μm(1mm)、2000μm(2mm)、2500μm(2.5mm)の粒子状組成物を作製した。なお、5μmより小さいものは凝集等により作製することができなかった。これらの各粒子状組成物5gを水500gに添加して室温で1時間放置膨潤させた。余分な水を除去後、ギョーザの具材2000gに加えよく混合した。この具材を使用して、通常の方法により焼きギョーザを作製した。状態(食感)を、粒子状組成物を加えないものと比較し表90〜103に記載した。
なお、表90〜103中、食感の表示は以下のとおりである。
A:粒子状組成物を添加しないものと同様な食感であり、且つ離水がないにもかかわらずジューシー感がある。
B:極わずか離水があったが気にならない程度であり、粒子状組成物を添加しないものと同様な食感であり、且つ離水がないにもかかわらずジューシー感がある。
C:粒子状組成物が溶解し離水となり味が薄いものになってしまう。
D:粒子状組成物が大きく違和感があり、且つ離水も少し観察される。
【0192】
【表90】
【0193】
【表91】
【0194】
【表92】
【0195】
【表93】
【0196】
【表94】
【0197】
【表95】
【0198】
【表96】
【0199】
【表97】
【0200】
【表98】
【0201】
【表99】
【0202】
【表100】
【0203】
【表101】
【0204】
【表102】
【0205】
【表103】
【0206】
(実験例21:ひじきの惣菜に保水効果として添加)
上記実施例51〜54、比較例37〜45で作製した乾燥物を実験例1で使用した粉砕機を使用して粉砕し、篩を使用して篩い分けを行い、平均粒子径5μm、300μm、1000μm(1mm)、2000μm(2mm)、2500μm(2.5mm)の粒子状組成物を作製した。なお、5μmより小さいものは凝集等により作製することができなかった。これらの各粒子状組成物5gを水500gに添加して室温で1時間放置膨潤させた。余分な水を除去後、ひじきの惣菜の作製時に加え、通常の方法によりひじきの惣菜を1kg作製した。状態(食感)を、粒子状組成物を加えないものと比較し、表104〜116に記載した。
なお、表104〜116中、食感の表示は以下のとおりである。
A:粒子状組成物を添加しないものと同様な食感であり、且つ離水少ないものができた。
B:粒子状組成物を添加しないものと同様な食感であり、若干離水があったが気にならない程度であった。
C:粒子状組成物が溶解し離水となり一部ゲル化していた。
D:粒子状組成物が大きく違和感があり、且つ離水も少し観察される。
【0207】
【表104】
【0208】
【表105】
【0209】
【表106】
【0210】
【表107】
【0211】
【表108】
【0212】
【表109】
【0213】
【表110】
【0214】
【表111】
【0215】
【表112】
【0216】
【表113】
【0217】
【表114】
【0218】
【表115】
【0219】
【表116】
【0220】
(実験例22:ハンバーグに保水効果として添加)
実施例3で作製した乾燥物を実験例1で使用した粉砕機を使用して粉砕し、篩を使用して篩い分けを行い、平均粒子径5μm、50μm、300μm、1000μm(1mm)、1500μm(1.5mm)、2000μm(2mm)、2500μm(2.5mm)の粒子状組成物を作製した。なお、5μmより小さいものは凝集等により作製することができなかった。これらの各粒子状組成物1gをハンバーグの具材500gに添加し、通常の方法によりハンバークを作製した。粒子状組成物を加えないものも比較として作製した。作製したハンバーグの状態、食感を調べ表117に記載した。
なお、表117中、状態、食感の表示は以下のとおりである。
A:粒子状組成物を添加しないものに比べ食感、ジューシー感は向上し良好であり且つ離水は極めて少なかった。
B:粒子状組成物を添加しないものに比べ食感、ジューシー感は変わらず良好であり且つ離水が少なかった。
C:粒子状組成物を添加しないものに比べ食感、ジューシー感は向上し良好であった。離水は若干見られたが問題はない程度だった。
D:粒子状組成物を添加しないものとほぼ同一であり効果がなかった。
【0221】
【表117】
【0222】
(実験例23:ジャムに保形効果及び保水効果として添加)
実施例15で作製した乾燥物を実験例1で使用した粉砕機を使用して粉砕し、篩を使用して篩い分けを行い、平均粒子径5μm、300μm、1mm、2mm、2.5mmの粒子状組成物を作製した。粒子状組成物10gを水200gに加え1時間膨潤させた。過剰な水を除去後、ジャム作製時に加え、加熱して500gのいちごジャム(糖度40)を作製した。その結果、平均粒子径5μm、300μm、1mm、2mmの粒子状組成物を使用したものは、低糖度にもかかわらず、保形性があり、離水もなく且つ味立ちの優れたものが得られた。しかし、平均粒子径2.5mmの粒子状組成物を使用したものは、粒子状組成物が大きく違和感があり、且つ離水も少し観察された。