(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0023】
まず、
図1を用いて、本実施形態に係る太陽エネルギー利用システム1について説明する。
なお、以下の説明では、比較的温度の低い水を「水」、比較的温度の高い水を「湯」と記載するが、水と湯は温度の違い以外に実質的な差異はない。
【0024】
太陽エネルギー利用システム1は、太陽光を受けて得られる太陽エネルギーを利用するためのものである。太陽エネルギー利用システム1は、主として人工光合成装置10、第一熱交換装置20、蓄熱装置30、熱媒体循環装置40、第一温度センサ50、第二温度センサ60及び制御装置70を具備する。
【0025】
人工光合成装置10は、太陽光を受けて水を分解する触媒を有し、太陽光を受けて人工的に水の分解(人工光合成)を行うものである。ここで、「人工光合成」とは、水と光(本実施形態においては、特に太陽光)を用いて、人工的に水素及び酸素等のエネルギー源を発生させるものである。人工光合成装置10は、日当たりの良い場所に設置される。人工光合成装置10は、主として筐体11及び当該筐体11内に収容された触媒等を具備する。
【0026】
筐体11は、広い面で太陽光を受けることができるように、上下方向の厚さに対して前後方向及び左右方向の幅が広い直方体状(略平板状)に形成される。筐体11は、内部に水を貯溜することが可能な空間を有する箱状に形成される。筐体11の上面は、太陽光を透過する材料(例えば、ガラス等)により形成される。筐体11の側面は、断熱材により覆われる。筐体11の底面は、熱伝導性の高い材料(例えば、ステンレス等)により形成される。筐体11には供給管路11a及び排出管路11bが接続される。
【0027】
供給管路11aを介して、外部から筐体11内へと水が供給される。また、人工光合成により発生した水素及び酸素は、排出管路11bを介して筐体11内から外部へと排出される。当該排出管路11bから排出された水素及び酸素は、エネルギー源(燃料等)として利用することができる。人工光合成により水が分解された場合には、当該分解された水の分だけ供給管路11aから新たな水が供給される。
【0028】
筐体11内に収容される触媒は、太陽光を受けて水を分解するもの(光触媒)である。前記触媒は、筐体11内に貯溜された水を分解し、水素及び酸素を発生させることができる。本実施形態においては、前記触媒として生体触媒(例えば、光化学系2・ヒドロゲナーゼ等)が用いられる。
【0029】
第一熱交換装置20は、人工光合成装置10との間で熱交換を行うものである。第一熱交換装置20は、直方体状(略平板状)に形成される。第一熱交換装置20は、人工光合成装置10の筐体11の底面全域と接するように配置される。第一熱交換装置20の周囲の面(人工光合成装置10と接する面以外の面)は断熱材によって覆われる。第一熱交換装置20内には、不凍液が流通可能な金属製の配管(不図示)が設けられる。第一熱交換装置20は、人工光合成装置10の筐体11(より詳細には、筐体11内の水)又は当該第一熱交換装置20内を流通する不凍液のうち、温度が高い方から低い方へと熱を移動させることができる。
【0030】
蓄熱装置30は、熱媒体(本実施形態においては、水(湯))を貯溜することで熱を蓄えるものである。蓄熱装置30は、主として蓄熱タンク31及び第二熱交換装置32を具備する。
【0031】
蓄熱タンク31は、内部に水(湯)を貯溜することが可能な空間を有する箱状に形成される。蓄熱タンク31は、温められた水(湯)を貯溜することで、熱を蓄えることができる。蓄熱タンク31には、供給管路31a及び排出管路31bが接続される。
【0032】
供給管路31aを介して、外部から蓄熱タンク31内へと水(上水)が供給される。また、外部の給湯需要(例えば、住宅の浴室等)からの要求に応じて、蓄熱タンク31内の温められた水(湯)が排出管路31bを介して当該給湯需要へと供給される。
【0033】
第二熱交換装置32は、蓄熱タンク31との間で熱交換を行うものである。第二熱交換装置32は、蓄熱タンク31の内部に設けられる。第二熱交換装置32内には、不凍液が流通可能な配管(不図示)が設けられる。第二熱交換装置32は、蓄熱タンク31内の水(湯)又は当該第二熱交換装置32内を流通する不凍液のうち、温度が高い方から低い方へと熱を移動させることができる。
【0034】
熱媒体循環装置40は、第一熱交換装置20と蓄熱タンク31との間で熱媒体を循環させるものである。熱媒体循環装置40は、主として往管路41、復管路42及びポンプ43を具備する。
【0035】
往管路41は、第一熱交換装置20と第二熱交換装置32とを連通するものである。往管路41の周囲は断熱材によって覆われる。往管路41の一端は、第二熱交換装置32(より詳細には、第二熱交換装置32内に設けられた配管の一端)に接続される。往管路41の他端は、第一熱交換装置20(より詳細には、第一熱交換装置20内に設けられた配管の一端)に接続される。
【0036】
復管路42は、第一熱交換装置20と第二熱交換装置32とを、往管路41とは異なる経路を介して連通するものである。復管路42の周囲は断熱材によって覆われる。往管路41の一端は、第一熱交換装置20(より詳細には、第一熱交換装置20内に設けられた配管の他端)に接続される。往管路41の他端は、第二熱交換装置32(より詳細には、第二熱交換装置32内に設けられた配管の他端)に接続される。
【0037】
ポンプ43は、不凍液を圧送するためのものである。ポンプ43は往管路41の中途部に設けられる。ポンプ43を駆動させることによって、往管路41内の不凍液を圧送し、当該往管路41、第一熱交換装置20、復管路42及び第二熱交換装置32の順に循環させることができる。
【0038】
第一温度センサ50は、人工光合成装置10の温度を検出するためのものである。第一温度センサ50は、人工光合成装置10の筐体11内に設けられる。第一温度センサ50は、人工光合成装置10(より具体的には、筐体11内に貯溜された水)の温度を検出することができる。
【0039】
第二温度センサ60は、蓄熱装置30の温度を検出するためのものである。第二温度センサ60は、蓄熱タンク31内に設けられる。第二温度センサ60は、蓄熱装置30(より具体的には、蓄熱タンク31内に貯溜された水(湯))の温度を検出することができる。
【0040】
制御装置70は、太陽エネルギー利用システム1の動作を制御するものである。制御装置70は、主としてCPU等の演算処理装置、RAMやROM等の記憶装置、I/O等の入出力装置、並びにモニター等の表示装置等により構成される。制御装置70には、太陽エネルギー利用システム1の動作を制御するための種々の情報やプログラム等が予め記憶される。
【0041】
制御装置70は第一温度センサ50に接続され、人工光合成装置10の温度に関する信号を受信することができる。
制御装置70は第二温度センサ60に接続され、蓄熱タンク31の温度に関する信号を受信することができる。
制御装置70はポンプ43に接続され、当該ポンプ43の動作を制御することができる。
【0042】
以下では、上述の如く構成された太陽エネルギー利用システム1の基本的な動作について説明する。
【0043】
太陽エネルギー利用システム1において、人工光合成装置10の筐体11に太陽光が照射されると、当該筐体11内の触媒によって人工光合成(水の分解)が行われる。供給管路10aを介して筐体11内へと供給された水は、当該筐体11内の触媒によって水素及び酸素に分解される。当該水素及び酸素は、排出管路11bを介して排出される。当該水素及び酸素は、エネルギー源として利用することができる。
【0044】
また、制御装置70によってポンプ43が駆動されると、不凍液が往管路41、第一熱交換装置20、復管路42及び第二熱交換装置32の順に循環される。
【0045】
この際、人工光合成装置10の温度(筐体11内の水の温度)が蓄熱装置30の温度(蓄熱タンク31内の水(湯)の温度)よりも高い場合には、当該人工光合成装置10の熱(太陽熱)が不凍液を介して蓄熱タンク31へと移動する。これによって、蓄熱タンク31内の水(湯)が温められ、当該蓄熱タンク31に太陽熱を蓄えることができる。当該温められた水(湯)は、排出管路31bを介して給湯需要へと供給することができる。このようにして、給湯需要において太陽熱を利用することができる。
【0046】
一方、人工光合成装置10の温度が蓄熱装置30の温度よりも低い場合には、当該蓄熱装置30の熱が不凍液を介して人工光合成装置10へと移動する。これによって、人工光合成装置10が温められる。この場合、蓄熱装置30が人工光合成装置10へ供給される熱の源(熱源)となる。
【0047】
ここで、人工光合成装置10に用いられる生体触媒の特性について説明する。
【0048】
図2に示すように、有機系の生体触媒には、反応速度(水を分解する速度)が比較的高くなる温度領域が存在する。具体的には、
図2に示した例では、人工光合成装置10(筐体11内の水)の温度(人工光合成装置温度)TpがT1からT2までの間(T1<T2)で、触媒の反応速度が高くなる。従って、人工光合成装置温度Tpを、T1からT2までの間の値になるように調整することで、太陽エネルギーの変換効率を向上させることができる。
【0049】
例えば、早朝や冬季においては、人工光合成装置温度Tpは低くなるため、当該人工光合成装置10を温めることが望ましい。また、日中(昼間)は太陽光によって人工光合成装置10が温められて人工光合成装置温度Tpが高くなるため、当該人工光合成装置10の温度を下げることが望ましい。
【0050】
以上のことから、本実施形態に係る太陽エネルギー利用システム1では、制御装置70によって、人工光合成装置温度Tpを調整するための制御が行われる。以下では、当該制御装置70による制御について具体的に説明する。
【0051】
制御装置70による制御は、大きく4つの制御に分類される。具体的には、制御装置70による制御は、プレヒート時間決定制御(
図3のステップS101からステップS104まで)、プレヒート実行制御(
図4のステップS201からステップS204まで)、昇温制御(
図4のステップS401からステップS403まで)及び集熱制御(
図4のステップS501からステップS503まで)に分類される。
【0052】
ここで、「プレヒート」とは、人工光合成装置10が太陽光を受けることが可能になる(例えば、日の出の時刻になる、天気が曇りや雨から晴れに変わる、等)前に、当該人工光合成装置10の温度を予め上昇させることを意味する。
【0053】
制御装置70は、上記プレヒート時間決定制御(
図3に示す制御)を所定時間毎に行う。本実施形態においては、制御装置70は、午前0時から1時間毎に上記制御を行うものとする。すなわち、制御装置70は、午前0時、午前1時、午前2時・・・の各時刻に上記プレヒート時間決定制御を行う。以下では、制御装置70が上記プレヒート時間決定制御を行う各時刻を、単に「制御時刻」と称する。
一方、制御装置70は、上記プレヒート実行制御、昇温制御及び集熱制御(
図4に示す制御)を上記制御時刻に限らず随時行う。
【0054】
なお制御装置70は、原則的には、人工光合成装置温度TpがT1からT2までの間の値(すなわち、触媒の反応速度が比較的高くなる温度)となるように調整を行う。従って、制御装置70は初期状態において、目標下限温度TL(目標となる人工光合成装置温度Tpの下限値)としてT1、目標上限温度TH(目標となる人工光合成装置温度Tpの上限値)としてT2をそれぞれ設定する。なお、T1及びT2の値は触媒によって定まるものであるため、目標下限温度TL及び目標上限温度THの値も触媒に応じて適宜定められる。
【0055】
まず、
図3を用いて、制御装置70によるプレヒート時間決定制御について説明する。制御装置70は、現在時刻が制御時刻(例えば、午前0時)になった場合、当該プレヒート時間決定制御を開始する。
【0056】
ステップS101において、制御装置70は、熱源温度TSが目標下限温度TLより低いか否かを判定する。
ここで、「熱源温度TS」とは、蓄熱装置30の温度を意味する。
制御装置70は、熱源温度TSが目標下限温度TLより低いと判定した場合、ステップS102に移行する。
制御装置70は、熱源温度TSが目標下限温度TL以上であると判定した場合、ステップS103に移行する。
【0057】
ステップS102において、制御装置70は、目標下限温度TLの値として熱源温度TSを代入する。すなわち、制御装置70は、目標下限温度TLとして、T1ではなく熱源温度TSの値を用いる。
制御装置70は、当該ステップS102の処理を行った後、ステップS103に移行する。
【0058】
ステップS103において、制御装置70は、人工光合成装置温度Tpを目標下限温度TLまで上昇させるために、当該人工光合成装置10へと供給する必要がある熱量(必要熱量)QNを算出する。
必要熱量QNは、「必要熱量QN=(目標下限温度TL−人工光合成装置温度Tp)×人工光合成装置水量V×比熱C」の数式を用いて算出することができる。
【0059】
ここで、「人工光合成装置水量V」は、人工光合成装置10(筐体11)内の水の総量である。
また、「比熱C」は、人工光合成装置10内の水の比熱である。
人工光合成装置水量V及び比熱Cの値は太陽エネルギー利用システム1の構成から予め分かっており、制御装置70に記憶されている。
【0060】
制御装置70は、当該ステップS103の処理を行った後、ステップS104に移行する。
【0061】
ステップS104において、制御装置70は、人工光合成装置10への熱の供給を開始する時刻(供給開始時刻)HPを算出する。
供給開始時刻HPは、「供給開始時刻HP=受光開始時刻HS−必要時間WN」の数式を用いて算出することができる。
【0062】
ここで、「受光開始時刻HS」は、人工光合成装置10が太陽光を受けることが可能になると予測される時刻である。受光開始時刻HSは、本実施形態においては日の出の時刻(日照予定時刻)であり、人工光合成装置10に太陽光が照射され始める時刻である。日照予定時刻(例えば、予め予測された日の出の時刻等)は、予め制御装置70に記憶されている。
【0063】
また、「必要時間WN」は、必要熱量QNを蓄熱装置30から人工光合成装置10へと供給するのに要する時間である。必要時間WNは、「必要時間WN=必要熱量QN/(熱源温度TS−人工光合成装置温度Tp)/流量R/比熱C」の数式を用いて算出することができる。
【0064】
ここで、「流量R」は、ポンプ43によって圧送される不凍液の流量である。
【0065】
制御装置70は、当該ステップS104の処理を行った後、ステップS201(
図4参照)に移行する。
【0066】
次に、
図4を用いて、制御装置70によるプレヒート実行制御について説明する。
【0067】
ステップS104から移行したステップS201において、制御装置70は、現在時刻がプレヒート時間帯に含まれるか否かを判定する。
ここで、前記「プレヒート時間帯」とは、具体的には、人工光合成装置10が太陽光を受けることができない時刻(本実施形態においては、日没の時刻から日の出の時刻まで)であって、供給開始時刻HPから受光開始時刻HSまでの時間帯である。すなわち制御装置70は、現在時刻から受光開始時刻HSまでの時間が必要時間WN(ステップS104参照)未満であるか否かを判定することになる。なお、日没の時刻は、予め制御装置70に記憶されている。
制御装置70は、現在時刻が前記プレヒート時間帯に含まれると判定した場合、ステップS202に移行する。
制御装置70は、現在時刻が前記プレヒート時間帯に含まれないと判定した場合、ステップS301に移行する。
【0068】
ステップS202において、制御装置70は、人工光合成装置温度Tpが目標下限温度TL未満であるか否かを判定する。
制御装置70は、人工光合成装置温度Tpが目標下限温度TL未満であると判定した場合、ステップS203に移行する。
制御装置70は、人工光合成装置温度Tpが目標下限温度TL以上であると判定した場合、ステップS601に移行する。
【0069】
ステップS203において、制御装置70は、人工光合成装置温度Tpが熱源温度TS未満であるか否かを判定する。
制御装置70は、人工光合成装置温度Tpが熱源温度TS未満であると判定した場合、ステップS204に移行する。
制御装置70は、人工光合成装置温度Tpが熱源温度TS以上であると判定した場合、ステップS601に移行する。
【0070】
ステップS204において、制御装置70は、ポンプ43を駆動させることにより、蓄熱装置30の熱を人工光合成装置10へと供給する。以下、具体的に説明する。
【0071】
ポンプ43が駆動されると、不凍液が往管路41、第一熱交換装置20、復管路42及び第二熱交換装置32の順に循環する。この際、人工光合成装置温度Tpは熱源温度TSよりも低いため(ステップS203参照)、蓄熱装置30の熱が不凍液を介して第一熱交換装置20へと供給され、さらに当該第一熱交換装置20から人工光合成装置10へと供給される。
【0072】
制御装置70は、当該ステップS204の処理を行った後、ステップS601に移行する。
【0073】
ステップS201から移行したステップS301において、制御装置70は、現在時刻が日の出の時刻(受光開始時刻HS)から日没の時刻までの時間帯に含まれるか否かを判定する。すなわち、制御装置70は、現在時刻が人工光合成装置10が太陽光を受けることが可能な時間であるか否かを判定する。
制御装置70は、現在時刻が日の出の時刻から日没の時刻までの時間帯に含まれると判定した場合、ステップS401に移行する。
制御装置70は、現在時刻が日の出の時刻から日没の時刻までの時間帯に含まれないと判定した場合、ステップS601に移行する。
【0074】
次に、制御装置70による昇温制御について説明する。
【0075】
ステップS401において、制御装置70は、人工光合成装置温度Tpが目標下限温度TL未満であるか否かを判定する。
制御装置70は、人工光合成装置温度Tpが目標下限温度TL未満であると判定した場合、ステップS402に移行する。
制御装置70は、人工光合成装置温度Tpが目標下限温度TL以上であると判定した場合、ステップS501に移行する。
【0076】
ステップS402において、制御装置70は、人工光合成装置温度Tpが熱源温度TS未満であるか否かを判定する。
制御装置70は、人工光合成装置温度Tpが熱源温度TS未満であると判定した場合、ステップS403に移行する。
制御装置70は、人工光合成装置温度Tpが熱源温度TS以上であると判定した場合、ステップS601に移行する。
【0077】
ステップS403において、制御装置70は、ポンプ43を駆動させることにより、蓄熱装置30の熱を人工光合成装置10へと供給する。以下、具体的に説明する。
【0078】
ポンプ43が駆動されると、不凍液が往管路41、第一熱交換装置20、復管路42及び第二熱交換装置32の順に循環する。この際、人工光合成装置温度Tpは熱源温度TSよりも低いため(ステップS401参照)、蓄熱装置30の熱が不凍液を介して第一熱交換装置20へと供給され、さらに当該第一熱交換装置20から人工光合成装置10へと供給される。
【0079】
制御装置70は、当該ステップS403の処理を行った後、ステップS601に移行する。
【0080】
次に、制御装置70による集熱制御について説明する。
【0081】
ステップS401から移行したステップS501において、制御装置70は、人工光合成装置温度Tpが目標上限温度THより高いか否かを判定する。
制御装置70は、人工光合成装置温度Tpが目標上限温度THより高いと判定した場合、ステップS502に移行する。
制御装置70は、人工光合成装置温度Tpが目標上限温度TH以下であると判定した場合、ステップS601に移行する。
【0082】
ステップS502において、制御装置70は、人工光合成装置温度Tpが熱源温度TSより高いか否かを判定する。
制御装置70は、人工光合成装置温度Tpが熱源温度TSより高いと判定した場合、ステップS503に移行する。
制御装置70は、人工光合成装置温度Tpが熱源温度TS以下であると判定した場合、ステップS601に移行する。
【0083】
ステップS503において、制御装置70は、ポンプ43を駆動させることにより、人工光合成装置10の熱を蓄熱装置30へと供給する。以下、具体的に説明する。
【0084】
ポンプ43が駆動されると、不凍液が往管路41、第一熱交換装置20、復管路42及び第二熱交換装置32の順に循環する。この際、人工光合成装置温度Tpは熱源温度TSよりも高いため(ステップS502参照)、人工光合成装置10の熱が第一熱交換装置20へと供給され、さらに当該第一熱交換装置20から不凍液を介して蓄熱装置30へと供給される。
【0085】
制御装置70は、当該ステップS503の処理を行った後、ステップS601に移行する。
【0086】
ステップS601において、制御装置70は、現在時刻が次の制御時刻に達したか否かを判定する。
制御装置70は、現在時刻が次の制御時刻に達したと判定した場合、ステップS101に移行する。
制御装置70は、現在時刻が次の制御時刻に達していないと判定した場合、ステップS201に移行する。
例えば、制御装置70は、午前0時に前記プレヒート時間決定制御(
図3参照)を開始した場合、午前1時までは、ステップS601からステップS201に移行し、プレヒート実行制御、昇温制御及び集熱制御を繰り返し、午前1時になった時点で、制御装置70はステップS601からステップS101(
図3参照)に移行する。
【0087】
このように制御装置70は、プレヒート時間決定制御において、目標下限温度TL及び人工光合成装置温度Tpから必要熱量QNを算出し(ステップS103)、当該必要熱量QNを用いて供給開始時刻HPを算出する(ステップS104)。このように算出された供給開始時刻HPからプレヒート(人工光合成装置10への熱の供給)を開始することで、受光開始時刻HSになるまでに人工光合成装置10の温度を目標下限温度TL以上まで上昇させることができる。
【0088】
またこの際、制御装置70は、熱源温度TSが目標下限温度TLより低い場合には(ステップS101)、目標下限温度TLの値として熱源温度TSを用いる(ステップS102)。このように、熱源温度TSが目標下限温度TLより低い場合には、人工光合成装置温度Tpは最大でも熱源温度TSまでしか上昇させることができないため、制御装置70は目標下限温度TLとして熱源温度TSの値を用いる。
【0089】
また制御装置70は、プレヒート実行制御において、現在時刻が前記プレヒート時間帯に含まれており(ステップS201)、人工光合成装置温度Tpが目標下限温度TL未満かつ熱源温度TS未満である場合(ステップS202及びステップS203)、蓄熱装置30の熱を人工光合成装置10へと供給する(ステップS204)。
【0090】
このように制御装置70は、前記プレヒート時間帯において蓄熱装置30の熱を人工光合成装置10へと供給することで、受光開始時刻HSになるタイミングに合わせて、当該人工光合成装置温度Tpを目標下限温度TLまで上昇させることができる。これによって、人工光合成装置10は受光開始時刻HSになった時点から効率良く人工光合成を行うことができ、ひいては太陽エネルギーの変換効率を向上させることができる。
【0091】
また制御装置70は、日の出から日没までの時間帯において(ステップS301)、適宜昇温制御又は集熱制御を行う。
【0092】
具体的には、制御装置70は、昇温制御において、人工光合成装置温度Tpが目標下限温度TL未満かつ熱源温度TS未満である場合(ステップS401及びステップS402)、蓄熱装置30の熱を人工光合成装置10へと供給する(ステップS403)。
【0093】
このように制御装置70は、日の出から日没までの時間帯において、人工光合成装置温度Tpが低い場合には、当該人工光合成装置温度Tpを上昇させることができる。これによって、人工光合成装置10は効率良く人工光合成を行うことができ、ひいては太陽エネルギーの変換効率を向上させることができる。
【0094】
また制御装置70は、集熱制御において、人工光合成装置温度Tpが目標上限温度TH以上かつ熱源温度TS以上である場合(ステップS501及びステップS502)、人工光合成装置10の熱を蓄熱装置30へと供給する(ステップS503)。
【0095】
このように制御装置70は、日の出から日没までの時間帯において、太陽光を受けて人工光合成装置温度Tpが高くなった場合には、人工光合成装置10の熱(太陽熱)を集めて蓄熱装置30へと供給することで、当該人工光合成装置温度Tpを下げることができる。これによって、人工光合成装置10は効率良く人工光合成を行うことができ、ひいては太陽エネルギーの変換効率を向上させることができる。
【0096】
また、当該人工光合成装置10の熱(太陽熱)は蓄熱装置30(蓄熱タンク31)へと蓄えられ、任意の目的で使用することができる。このように、太陽熱の余剰分を利用することができるため、太陽エネルギーの変換効率をさらに向上させることができる。さらに、このようにして蓄熱装置30に蓄えられた太陽熱を、プレヒート実行制御(ステップS204参照)において人工光合成装置10へと供給する熱として利用することもできるため、太陽エネルギーの変換効率をより向上させることができる。
【0097】
以上の如く、本実施形態に係る太陽エネルギー利用システム1は、太陽光を受けて水を分解する触媒を有する人工光合成装置10と、人工光合成装置10との間で熱交換可能な第一熱交換装置20(熱交換装置)と、水(熱媒体)を貯溜することで熱を蓄える蓄熱装置30と、第一熱交換装置20と蓄熱装置30との間で不凍液(熱媒体)を循環させることで熱を伝達する熱媒体循環装置40と、を具備するものである。
【0098】
このように構成することにより、太陽エネルギーの変換効率の向上を図ることができる。
すなわち、第一熱交換装置20と蓄熱装置30との間で不凍液を循環させることで、人工光合成装置10の温度(人工光合成装置温度Tp)を調整することができる。人工光合成装置温度Tpを、触媒の反応速度が高くなる温度領域に調整することで、太陽エネルギーの変換効率の向上を図ることができる。また、人工光合成装置10の熱を蓄熱装置30に蓄えることができ、当該熱を任意の目的で使用することで、太陽エネルギーの変換効率をより向上させることができる。
【0099】
また、太陽エネルギー利用システム1は、人工光合成装置温度Tp(人工光合成装置10の温度)を検出する第一温度センサ50(第一温度検出手段)と、熱源温度TS(蓄熱装置30の温度)を検出する第二温度センサ60(第二温度検出手段)と、人工光合成装置温度Tpが目標下限温度TL(第一目標温度)未満であり、かつ人工光合成装置温度Tpが熱源温度TS未満である場合に、熱媒体循環装置40によって第一熱交換装置20と蓄熱装置30との間で熱媒体を循環させることで、蓄熱装置30の熱を人工光合成装置10へと伝達するプレヒート実行制御及び昇温制御(第一制御)を行う制御装置70と、をさらに具備するものである。
【0100】
このように構成することにより、太陽エネルギーの変換効率の向上を図ることができる。
すなわち、人工光合成装置温度Tpが目標下限温度TL未満である場合には、蓄熱装置30の熱を人工光合成装置10へと伝達し、人工光合成装置温度Tpを上昇させることができる。この際、目標下限温度TLの値を、触媒の反応速度が高くなる温度領域の下限値付近に設定することによって、触媒の反応速度を高めることができ、ひいては太陽エネルギーの変換効率の向上を図ることができる。
【0101】
また、太陽エネルギー利用システム1は、人工光合成装置温度Tpを検出する第一温度センサ50と、熱源温度TSを検出する第二温度センサ60と、人工光合成装置温度Tpが目標上限温度TH(第二目標温度)より高く、かつ人工光合成装置温度Tpが熱源温度TSより高い場合に、熱媒体循環装置40によって第一熱交換装置20と蓄熱装置30との間で熱媒体を循環させることで、人工光合成装置10の熱を蓄熱装置30へと伝達する集熱制御(第二制御)を行う制御装置70と、をさらに具備するものである。
【0102】
このように構成することにより、太陽エネルギーの変換効率の向上を図ることができる。
すなわち、人工光合成装置温度Tpが目標上限温度THより高い場合には、人工光合成装置10の熱を蓄熱装置30へと伝達し、人工光合成装置温度Tpを下げることができる。この際、目標上限温度THの値を、触媒の反応速度が高くなる温度領域の上限値付近に設定することによって、触媒の反応速度を高めることができ、ひいては太陽エネルギーの変換効率の向上を図ることができる。また、蓄熱装置30へと伝達された熱を任意の目的に利用することができ、太陽エネルギーの変換効率をより向上させることができる。
【0103】
また、太陽エネルギー利用システム1は、人工光合成装置温度Tpを検出する第一温度センサ50と、熱源温度TSを検出する第二温度センサ60と、人工光合成装置温度Tpが目標下限温度TL未満であり、かつ人工光合成装置温度Tpが熱源温度TS未満である場合に、熱媒体循環装置40によって第一熱交換装置20と蓄熱装置30との間で熱媒体を循環させることで、蓄熱装置30の熱を人工光合成装置10へと伝達するプレヒート実行制御及び昇温制御を行うと共に、人工光合成装置温度Tpが目標下限温度TLよりも高い値に設定された目標上限温度THより高く、かつ人工光合成装置温度Tpが熱源温度TSより高い場合に、熱媒体循環装置40によって第一熱交換装置20と蓄熱装置30との間で熱媒体を循環させることで、人工光合成装置10の熱を蓄熱装置30へと伝達する集熱制御を行う制御装置70と、をさらに具備するものである。
【0104】
このように構成することにより、太陽エネルギーの変換効率の向上を図ることができる。
すなわち、人工光合成装置温度Tpを目標下限温度TL以上かつ目標上限温度TH以下に調整することができる。この際、目標下限温度TL及び目標上限温度THの値を、触媒の反応速度が高くなる温度領域の下限値付近及び上限値付近にそれぞれ設定することによって、触媒の反応速度を高めることができ、ひいては太陽エネルギーの変換効率の向上を図ることができる。また、蓄熱装置30へと伝達された熱を任意の目的に利用することができ、太陽エネルギーの変換効率をより向上させることができる。
【0105】
また、制御装置70は、人工光合成装置10が太陽光を受けることができない時刻(日没の時刻から日の出の時刻まで)に前記第一制御を行う場合には、人工光合成装置温度Tpが目標下限温度TLになるために必要な必要熱量QNを算出し、必要熱量QNを蓄熱装置30から人工光合成装置10へと伝達させるのに要する必要時間WN(所要時間)を算出し、現在時刻から、受光開始時刻HS(人工光合成装置10が太陽光を受けることが可能になると予測される時刻)までの時間が必要時間WN以下になった場合にのみ、プレヒート実行制御を行うものである。
【0106】
このように構成することにより、受光開始時刻HSに合わせて人工光合成装置温度Tpを目標下限温度TLまで上昇させることができる。これによって、人工光合成装置10が太陽光を受け始めた時点から、水の分解を効率良く行うことができる。
【0107】
また、制御装置70は、目標下限温度TLが熱源温度TSより高い場合、目標下限温度TLの値として熱源温度TSを用いるものである。
【0108】
このように構成することにより、人工光合成装置温度Tpを目標下限温度TLまで上昇させることができない場合には、当該人工光合成装置温度Tpを可能な限り(すなわち、熱源温度TSまで)上昇させることができる。これによって、可能な限り太陽エネルギーの変換効率の向上を図ることができる。
【0109】
また、人工光合成装置10の筐体11の側面や、熱媒体循環装置40の往管路41及び復管路42の周囲は、断熱材によって覆われる。
このように構成することにより、熱の損失を抑制することができ、冬場の水や不凍液等の温度低下の抑制等を図ることができる。
【0110】
また、太陽エネルギー利用システム1においては、人工光合成装置10及び第一熱交換装置20によって太陽熱を集熱し、蓄熱装置30に当該太陽熱を蓄えるシステム(太陽熱温水システム)が構築されている。このように、簡素な太陽熱温水システムを用いて、人工光合成装置10の温度を調整することができるため、その他の特殊な機器を用いる必要が無く、コストの削減を図ることができる。
【0111】
なお、第一熱交換装置20は、本発明に係る熱交換装置の実施の一形態である。
また、水(湯)及び不凍液は、本発明に係る熱媒体の実施の一形態である。
また、第一温度センサ50は、本発明に係る第一温度検出手段の実施の一形態である。
また、第二温度センサ60は、第二温度検出手段の実施の一形態である。
また、目標下限温度TLは、本発明に係る第一目標温度の実施の一形態である。
また、制御装置70が行うプレヒート実行制御及び昇温制御は、本発明に係る第一制御の実施の一形態である。
また、目標上限温度THは、本発明に係る第二目標温度の実施の一形態である。
また、制御装置70が行う集熱制御は、本発明に係る第二制御の実施の一形態である。
また、必要時間WNは、本発明にかかる所要時間の実施の一形態である。
【0112】
なお、本実施形態においては、蓄熱装置30が貯溜する熱媒体として水(湯)を、熱媒体循環装置40が循環させる熱媒体として不凍液を、それぞれ例示して説明したが、本発明はこれに限るものではない。すなわち、熱媒体は、熱を伝達したり蓄えたりすることができるものであれば、限定するものではない。
【0113】
また、本実施形態においては、蓄熱装置30の熱媒体(水)と熱媒体循環装置40の熱媒体(不凍液)との間で第二熱交換装置32によって熱交換を行う構成としたが、本発明はこれに限るものではない。例えば、熱媒体循環装置40は、第二熱交換装置32を用いない構成とすることも可能である。この場合、往管路41及び復管路42が直接蓄熱装置30(蓄熱タンク31)に接続され、当該蓄熱装置30の熱媒体(水)が第一熱交換装置20との間で循環される。
【0114】
また、本実施形態においては、人工光合成装置10には外部から水が供給され、当該水が分解されるものとした。しかし、人工光合成装置10に供給される水は、純粋な水だけでなく、何らかの物質が水に溶解した液体(水溶液)であっても良い。
【0115】
また、本実施形態においては、目標下限温度TLとしてT1、目標上限温度THとしてT2をそれぞれ設定したが、本発明はこれに限るものではない。すなわち、目標下限温度TL及び目標上限温度THは任意に設定することができる。例えば、目標下限温度TLをT1よりも若干高い温度に、目標上限温度THをT2よりも若干低い温度に設定することで、より確実に人工光合成装置温度Tpを触媒の反応速度が高くなる温度領域内に調整することができる。なお、触媒の反応速度を高めるために、目標下限温度TL及び目標上限温度THは、当該触媒の反応速度が高くなる温度領域の下限値付近及び上限値付近にそれぞれ設定することが望ましい。
【0116】
また、本実施形態においては、各制御時刻(本実施形態においては、午前0時から1時間毎)にプレヒート時間決定制御(
図3参照)を行うものとしたが、本発明はこれに限るものではない。例えば、当該プレヒート時間決定制御は各制御時刻に毎回行わず、1日のうち決められた時刻に1回又は数回だけ行う構成とすることも可能である。
【0117】
また、本実施形態においては、人工光合成装置10が太陽光を受けることが可能になる時刻(受光開始時刻HS)とは、日の出の時刻を意味するものとして説明を行ったが、本発明はこれに限るものではない。例えば、人工光合成装置10が太陽光を受けていたとしても、日射量が少ない場合には触媒が十分な人工光合成を行うことができない場合もある。そこで、人工光合成装置10に照射される太陽光の日射量が所定値以上となった時刻を、受光開始時刻HSと定めても良い。このように構成することにより、特に天気の悪い日(曇りの日など)であっても、効率良く人工光合成を行うことができる。
【0118】
また、受光開始時刻HSとして、天気が曇りや雨から晴れに変わる時刻を用いて、制御装置70による制御を行うことも可能である。この場合の受光開始時刻HSは、天気予報等に基づいて定めることが可能である。
【0119】
また、本実施形態においては、受光開始時刻HSは予め制御装置70に記憶されているものとしたが、本発明はこれに限るものではない。例えば、制御装置70はインターネット等を介して常に最新の受光開始時刻HS(予測された日の出の時刻や、天気予報等)を取得する構成とすることも可能である。また、照度計等を用いて最近の受光開始時刻HSを学習し、当該学習結果に基づいて制御装置70自身が当日の受光開始時刻HSを予測する構成とすることも可能である。
【0120】
また、本実施形態においては、有機系の生体触媒の特性として、所定の温度領域(T1からT2までの間)で反応速度が略一定となる例(
図2参照)を示したが、生体触媒の特性は
図2の例に限るものではない。例えば、所定の温度において反応速度が最大(ピーク)となる特性を有する生体触媒であっても良い。この場合、目標下限温度TLと目標上限温度THの間に反応速度が最大となる温度が含まれるように、当該目標下限温度TLと目標上限温度THの値を設定することが望ましい。
【0121】
また、本実施形態においては、人工光合成装置10が備える触媒として、有機系の生体触媒を用いるものとしたが、本発明はこれに限るものではない。すなわち、本発明は触媒の種類を限定するものではなく、有機系のその他の触媒(例えば、ポルフィリン・フラーレン系等)や無機系の触媒(例えば、タンタル酸ナトリウム等)を用いることも可能である。
【0122】
また、本発明に係る蓄熱装置の構成は、本実施形態において説明した蓄熱装置30に限るものではない。例えば蓄熱装置30として、燃料電池の排熱を蓄えるタンクを用いることも可能である。このように構成することによって、前記燃料電池の排熱を人工光合成装置10に供給して、人工光合成装置温度Tpを上昇させることができる。このように、太陽熱以外の熱も蓄熱装置に蓄える構成とすることが可能である。
【0123】
また、本実施形態においては、制御装置70が行うプレヒート実行制御及び昇温制御において、蓄熱装置30からの熱を人工光合成装置10へと供給するものとしたが(
図4のステップS204及びステップS403参照)、本発明はこれに限るものではない。例えば、蓄熱装置30に加えて(又は、蓄熱装置30に代えて)他の熱源(例えば、ガス給湯器等)からの熱を人工光合成装置10へと供給する構成とすることも可能である。
【0124】
また、本実施形態においては、制御装置70が行う集熱制御において、人工光合成装置10からの熱を蓄熱装置30へと供給するものとしたが(
図4のステップS503参照)、本発明はこれに限るものではない。例えば、人工光合成装置10からの熱を、蓄熱装置30に加えて(又は、蓄熱装置30に代えて)放熱装置(例えば、ラジエータ等)へと供給する構成とすることも可能である。
【0125】
また、本実施形態においては、人工光合成装置10(筐体11)及び第一熱交換装置20は、直方体状(略平板状)に形成されるものとしたが、本発明に係る人工光合成装置及び熱交換装置はこれに限るものではなく、任意の形状に形成することが可能である。以下では、人工光合成装置10及び第一熱交換装置20の変形例について説明する。
【0126】
図5(a)には、人工光合成装置10及び第一熱交換装置20の第一変形例に係る人工光合成装置110及び第一熱交換装置120を示している。人工光合成装置110の筐体111は、円柱の中心部分が開口された略円筒状に形成される。また、第一熱交換装置120は円柱状に形成され、筐体111の内側(中心部分)に嵌め込まれる。このように構成された人工光合成装置110と第一熱交換装置120との間で熱交換を行うことができる。
【0127】
なお、第一変形例に係る人工光合成装置110と第一熱交換装置120の形状が逆になるように形成することも可能である。すなわち、第一熱交換装置120を略円筒状に形成し、円柱状に形成された人工光合成装置110を第一熱交換装置120の内側に嵌め込む構成とすることも可能である。
【0128】
図5(b)には、人工光合成装置10及び第一熱交換装置20の第二変形例に係る人工光合成装置210及び第一熱交換装置220を示している。人工光合成装置210の筐体211は、平板状の部材に山折りと谷折りとを交互に施したような形状(略蛇腹状)に形成される。また、第一熱交換装置220は配管によって形成される。第一熱交換装置220は、筐体211の表面と裏面とを交互に通過するように当該筐体211を貫通した状態で配置される。このように構成された人工光合成装置210と第一熱交換装置220との間で熱交換を行うことができる。
【0129】
図5(c)には、人工光合成装置10及び第一熱交換装置20の第三変形例に係る人工光合成装置310及び第一熱交換装置320を示している。人工光合成装置310の筐体311は、円柱状(管状)に形成される。また、第一熱交換装置320は配管によって形成される。第一熱交換装置320は、筐体311の外周に巻きつけられた状態で配置される。このように構成された人工光合成装置310と第一熱交換装置320との間で熱交換を行うことができる。