特許第6383596号(P6383596)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6383596
(24)【登録日】2018年8月10日
(45)【発行日】2018年8月29日
(54)【発明の名称】直管灯用取付具
(51)【国際特許分類】
   H01R 41/00 20060101AFI20180820BHJP
   H01R 4/58 20060101ALI20180820BHJP
   H01R 33/08 20060101ALI20180820BHJP
   H01R 33/88 20060101ALI20180820BHJP
   F21V 21/34 20060101ALN20180820BHJP
【FI】
   H01R41/00 D
   H01R4/58 E
   H01R33/08
   H01R33/88 Z
   !F21V21/34 500
【請求項の数】1
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2014-153144(P2014-153144)
(22)【出願日】2014年7月28日
(65)【公開番号】特開2016-31815(P2016-31815A)
(43)【公開日】2016年3月7日
【審査請求日】2017年7月5日
(73)【特許権者】
【識別番号】505416418
【氏名又は名称】栢森 秀幸
(74)【代理人】
【識別番号】100074332
【弁理士】
【氏名又は名称】藤本 昇
(74)【代理人】
【識別番号】100114432
【弁理士】
【氏名又は名称】中谷 寛昭
(72)【発明者】
【氏名】栢森 秀幸
【審査官】 高橋 学
(56)【参考文献】
【文献】 特開2009−200023(JP,A)
【文献】 登録実用新案第3157497(JP,U)
【文献】 実開昭53−12593(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01R 41/00
H01R 4/58
F21V 21/34−21/35
H01R 33/08
H01R 33/88
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
建物に取り付けられたダクトであって、間隔をあけて配置された一対の側壁と、各側壁の端部から相手側の側壁に向けて延出された一対の被係止片であって、互いに間隔をあけて配置されることで開口を画定した一対の被係止片と、各側壁の対向面上に配置された一対の接点とを有するダクトに着脱可能に設けられた照明用ソケット本体と、該照明用ソケット本体に連設された照明体接続部とを有する照明用ソケットを二つ備え、
前記一方の照明体接続部は、直管状の照明体の一方の被接続部を支持するように構成され、他方の照明体接続部は、直管状の照明体の他方の被接続部を支持するように構成され、
少なくとも一方の照明体接続部は、一方の被接続部に対して電気的に接続されるよう構成され、
前記各照明用ソケット本体は、前記照明体接続部を挟んで一方側および他方側に配置され回転操作又はスライド操作可能に構成された一方および他方の操作部と、前記一方の操作部に対する操作に伴って前記一方の被係止片に係止可能な状態となる一方の係止部と、前記他方の操作部に対する操作に伴って前記他方の被係止片に係止可能な状態となる他方の係止部とを備え、
前記少なくとも一方の照明用ソケット本体は、前記ダクトに取り付けられたときに前記照明体接続部の一方側で前記一方の接点と対向する一方の導通部と、前記ダクトに取り付けられたときに前記照明体接続部の他方側で前記他方の接点と対向する他方の導通部と、一方の操作部に対する操作に伴って一方の導通部を一方の接点に接触するように誘導する一方の誘導部と、他方の操作部に対する操作に伴って他方の導通部を他方の接点に接触するように誘導する他方の誘導部とを備えたことを特徴とする直管灯用取付具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、建物(天井や壁)に取り付けられたダクトに装着される照明用ソケットであって、照明体とダクトとを機械的且つ電気的に接続するための照明用ソケット及び直管灯用取付具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来のこの種の照明装置としては、光源としての発光ダイオード(LED素子)が透光性筒体で包囲されるとともに、両端に被接続部を有する直管状の照明体が取り付けられたものが提供されている。該照明装置は、例えば、図9に示す如く、建物(天井や壁)に取り付けられるダクト100と、ダクト100に取り付けられる一対のソケット101,101であって、前記照明体が取り付けられる一対のソケット101,101とを備える(特許文献1参照)。
【0003】
ダクト100は、長尺状に形成され、間隔をあけて対向する一対の側壁100b,100bと、各側壁100b,100bの端部から相手側の側壁100b,100bに向けて延出した一対の延出部であって、互いに間隔をあけて配置されることで開口100aを画定した一対の延出部とを備える。また、ダクト100は、各側壁100b,100bから相手方の側壁部100b,100bに向けて突出した一対の突片103,103であって、それぞれが長手方向に延びる一対の突片103,103と、各側壁100b,100bの内面に取り付けられた一対の接点104,104であって、それぞれが長手方向に延びる一対の接点104,104とを備える。
【0004】
各ソケット101は、照明体が接続される照明体接続部101aと、照明体接続部101aに連設された接続部101bとを備える。接続部101bは、ダクト100の溝に挿入される軸105と、軸105の外周から径方向外方に延出した一対の係止片106,106と、一対の係止片106,106のそれぞれに対して軸105の軸心方向に間隔をあけて配置された一対の導通部107,107であって、照明体接続部101aに給電可能に電気的に接続される一対の導通部107,107とを備える。
【0005】
かかる構成の照明装置によれば、各ソケット101をダクト100に取り付けることで、照明体に電気供給可能な状態で取り付け得る。具体的には、一対の係止片106,106が一対の延出部に沿った姿勢で軸105がダクト100の開口100aから該ダクト100内に挿入される。そして、軸105を中心にして、ソケット101全体を回転させることで、ダクト100の一対の突片103,103のそれぞれに一対の係止片106,106のそれぞれが係止されるとともに、一対の接点104,104のそれぞれに、一対の導通部107が接触する。これにより、ソケット101は、ダクト100に対して機械的に接続される。また、ソケット101は、ダクト100(接点104)から電気供給可能に該ダクト100へ接続される。すなわち、ソケット101は、照明体接続部101aに接続される照明体(光源)に対して給電可能になる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】実用新案登録第3157497号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、上記構成の照明装置の場合、ソケット101の軸105をダクト100の溝に挿入して、軸105を中心にして、ソケット101全体を回転させ、ソケット101の一対の係止片106,106をダクト100の一対の突片103,103に係止させているため、ソケット101の回転が不十分な状態で係止することがある。この場合、ソケット101の導通部107とダクト100の接点104との接触も不十分になり、接触不良が生じるという問題がある。
【0008】
そこで、本発明は、斯かる実情に鑑み、既設のダクトに容易に且つ確実に取り付けることができる直管灯用取付具を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0017】
本発明に係る直管灯用取付具は、建物に取り付けられたダクトであって、間隔をあけて配置された一対の側壁と、各側壁の端部から相手側の側壁に向けて延出された一対の被係止片であって、互いに間隔をあけて配置されることで開口を画定した一対の被係止片と、各側壁の対向面上に配置された一対の接点とを有するダクトに着脱可能に設けられた照明用ソケット本体と、該照明用ソケット本体に連設された照明体接続部とを有する照明用ソケットを二つ備え、前記一方の照明体接続部は、直管状の照明体の一方の被接続部を支持するように構成され、他方の照明体接続部は、直管状の照明体の他方の被接続部を支持するように構成され、少なくとも一方の照明体接続部は、一方の被接続部に対して電気的に接続されるよう構成され、前記各照明用ソケット本体は、前記照明体接続部を挟んで一方側および他方側に配置され回転操作又はスライド操作可能に構成された一方および他方の操作部と、前記一方の操作部に対する操作に伴って前記一方の被係止片に係止可能な状態となる一方の係止部と、前記他方の操作部に対する操作に伴って前記他方の被係止片に係止可能な状態となる他方の係止部とを備え、前記少なくとも一方の照明用ソケット本体は、前記ダクトに取り付けられたときに前記照明体接続部の一方側で前記一方の接点と対向する一方の導通部と、前記ダクトに取り付けられたときに前記照明体接続部の他方側で前記他方の接点と対向する他方の導通部と、一方の操作部に対する操作に伴って一方の導通部を一方の接点に接触するように誘導する一方の誘導部と、他方の操作部に対する操作に伴って他方の導通部を他方の接点に接触するように誘導する他方の誘導部とを備えたことを特徴とする。
【0018】
かかる構成によれば、前記いずれかの照明用ソケットを二つ備えたため、両端に被支持部を有する直管状の照明体を二つの照明用ソケットにより支持することができ、既設のダクトに直管状の照明体を容易に取り付けることができる。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、既設のダクトに容易に且つ確実に取り付けることができる、という優れた効果を奏し得る。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1図1は、本発明の一実施形態に係る照明用ソケット及び直管灯用取付具を示す側面図。
図2図2は、同実施形態に係る照明用ソケット及び直管灯用取付具の要部の断面図。
図3図3は、同実施形態に係る照明用ソケット及び直管灯用取付具をダクトに係止させた状態を示す図。
図4図4は、同実施形態に係る照明用ソケット及び直管灯用取付具の導通部、係止部、接触部、及び操作部を示す分解斜視図。
図5図5は、同実施形態に係る照明用ソケット及び直管灯用取付具のソケット、及び第二接続部材を示す分解斜視図。
図6図6は、同実施形態に係る照明用ソケット及び直管灯用取付具をダクトから取り外す状態を示す図。
図7図7(a),(b)は、照明用ソケットの変形例を示す概略図。
図8図8(a),(b)は、照明用ソケットの他の変形例を示す概略図。
図9図9は、従来の照明装置の要部を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明の一実施形態に係る照明用ソケット及び直管灯用取付具について図面を参照しつつ説明する。
【0022】
まず、既設のダクトについて図1及び図2を参照しつつ説明する。該ダクト2は、長手方向に延びて長尺状に形成され、長手方向に延びる帯状の開口2cを有する。より具体的には、ダクト2は、間隔をあけて互いに対向する一対の側壁2a,2aと、該一対の側壁2a,2aを連結する連結壁2bとを有し、一対の側壁2a,2a及び連結壁2bとにより溝を画定している。
【0023】
各側壁2aは、接点取付部20と、カバー係止部23とをそれぞれ備える。
【0024】
接点取付部20は、側壁2aの上部及び下部にダクト2の長手方向(以下、単に「長手方向」と称する。)に沿って形成された一対の挿入溝200,200を有する。この一対の挿入溝200,200には、後述する接点支持部材22の突片223,223が挿入される。
【0025】
接点支持部材22は、支持部220と、一対の突片223,223とを有する。
【0026】
支持部220は、長手方向に溝221が形成されている。該溝221には、照明体接続部5に給電するための接点222が挿通支持される。この接点222には、ダクト2の端部に取り付けられた電源部Cから電力が供給される。
【0027】
一対の突片223,223は、支持部220の幅方向(短手方向)の両端部から互いが離間する方向に延出して形成されている。そして、接点支持部材22の一対の突片223,223が、接点取付部20の挿入溝200,200に挿入される。これにより、接点支持部材22が接点取付部20に取り付けられる。
【0028】
カバー係止部23は、一対の側壁2a,2aの端部から相手側の側壁2aに向けて延出される一対の被係止片230,230を有する。各被係止片230は、ダクト2の長手方向に延びている。この一対の被係止片230,230は、一対の側壁2a,2aの並ぶ方向に互いに間隔をあけて配置されることで、ダクト2の開口2cを画定する。
【0029】
連結壁2bは、内面にアース線支持部24を備える。アース線支持部24は、連結壁2bの幅方向中央に長手方向に沿って形成される。また、アース線支持部24は、アース線25が挿通される溝26が形成され、この溝26にアース線25が挿通支持される。アース線25は、建物(例えば、天井や壁面)に照明用ソケット1を取り付ける際に、ボルトBのネジ部が挿通され、該ボルトBを介して接地(アース)される。
【0030】
つぎに、照明体Lについて図1を参照しつつ説明する。該照明体Lは、光源としての複数の発光ダイオードと、光源を包囲する透光性筒体L2と、透光性筒体L2の両端に連結される被接続部L1,L1であって、一対の照明体接続部5,5によって支持される被接続部L1,L1とを有する。一方の被接続部L1には、直列に接続された光源(発光ダイオード)の電気回路の端子が設けられている(図示せず)。また、他方の被接続部L1には、前記電気回路の端子ではなく、照明体接続部5が被接続部L1を支持するために用いられる端子(即ち、電気的な接続には用いられない端子)が設けられている。
【0031】
つぎに、本実施形態に係る直管灯用取付具Aについて説明する。該直管灯用取付具Aは、図1図3に示す如く、照明用ソケット1を二つ備える。また、本実施形態の直管灯用取付具Aは、二つの照明用ソケット1,1間におけるダクト2の開口2cを塞ぐ図略の中間カバー部を有する。
【0032】
照明用ソケット1は、ダクト2に着脱可能な照明用ソケット本体10と、照明用ソケット本体10に連接された照明体接続部5とを備える。この照明体接続部5は、照明体Lをダクト2の接点222と導通させる(電気的に接続する)。
【0033】
照明用ソケット本体10は、少なくとも一つの操作部Sと、操作部Sの操作に伴ってダクト2の被係止片230に係止可能な少なくとも一対の係止部875,875と、照明用ソケット本体10がダクト2に取り付けられたときに該ダクト2の一対の接点222のそれぞれと対向する一対の導通部80,80と、一対の導通部80,80を誘導する誘導部872と、を備える。また、本実施形態の照明用ソケット本体10は、カバー部3を有する。さらに、本実施形態の照明用ソケット本体10は、該照明用ソケット本体10と照明体接続部5とを接続するのに用いられる接続部6を有する。以下、具体的に説明する。尚、本実施形態の各照明用ソケット本体10は、照明体接続部5を挟んで配置される二つの操作部Sをそれぞれ有する。
【0034】
カバー部3は、図4及び図5に示す如く、カバー部本体30と、該カバー部本体30の裏面に形成された突条31,31と、を有する。カバー部本体30は、板状の部位である。本実施形態のカバー部本体30は、ダクト2の長手方向に長い矩形状の板部材である。このカバー部本体30は、ボルトBが挿通される二つの挿通孔32,32と、両挿通孔32,32の間に形成された貫通孔33と、該貫通孔33及び二つの挿通孔32,32を挟んで両側に形成された一対の挿通孔34,34とを有する。そして、カバー部本体30は、照明用ソケット1がダクト2に取り付けられたときに、ダクト2の一対の被係止片230,230間に形成される開口2cであって、長手方向に延びる開口2cを塞ぐ。
【0035】
ボルトBの挿通孔32,32は、カバー部3(カバー部本体30)における照明体接続部5の取付位置に形成されている。また、一対の挿通孔32,32は、後述する第二接続部材90の第一接続片94のボルトBの挿通孔940、及び第二接続片95のボルトBの挿通孔950に連通する。
【0036】
カバー部本体30の貫通孔33は、上述のように二つの挿通孔32,32間に形成されており、照明体接続部5と導通部80とを電気的に接続するリード線(図示せず)を挿通するために用いられる。
【0037】
突条31,31は、カバー部本体30の裏面において長手方向に延び、幅方向に所定の間隔をあけて突設されている。この突条31,31は、後述する操作部Sの一対の係止部875,875をカバー部本体30の裏面から離間させて回動可能に支持する。
【0038】
そして、カバー部本体30と突条31と操作部Sと連接する係止部875とが、ダクト2の被係止片230を係止する溝を画定する。
【0039】
操作部Sは、回転軸87と、該回転軸87の一端部に設けられた摘み871とを備える。この操作部Sの端部(摘み871と反対側の端部)には、回転軸87の径方向に拡がる鍔部870が連接されている。
【0040】
鍔部870は、カバー部本体30に対して平行な板状の部位である。この鍔部870は、操作部Sの回転軸87の他端部からカバー部本体30と平行に拡がる。鍔部870は、短辺が突条31,31の間隔と同一寸法で、長辺がダクト2の一対の被係止片230,230を跨ぐ長さに設定されている。鍔部870の長辺方向の両端部(詳しくは、長辺方向において、回転軸87の外周面から外側に延びている部位)のそれぞれがダクト2の被係止片230に係止される係止部875を構成する。即ち、鍔部870は、一対の係止部875,875を備える。鍔部870は、カバー部3の長手方向に対して、該鍔部870の長辺方向が直交する姿勢(係止位置)のときに、2つの突条31,31及びカバー部本体30と共同して、ダクト2の被係止片230,230が挿入される溝を画定する。即ち、鍔部870が係止位置のときに、係止部875とカバー部本体30とが、ダクト2の被係止片230を挟持する。
【0041】
鍔部870は、その上面に、誘導部872を有する。本実施形態の誘導部872は、板バネ81の突片810が挿入される楕円形状の凹部である。また、鍔部870の下面には、位置決め部85の凸部853が係止する凹部873が形成されている。
【0042】
接続部6は、図4及び図5に示す如く、カバー部3の内側(裏面側)に配置された第一接続部材70と、カバー部3の外側(表面側)に配置された第二接続部材90とを備える。以下では、先ず、接続部6によって照明用ソケット本体10に接続される照明体接続部5について説明し、その後、接続部6について具体的に説明する。
【0043】
照明体接続部5は、照明体Lの被接続部L1,L1を支持する。この照明体接続部5は、被接続部L1が係合する図略の係合部を有する。ここで、本実施形態の直管灯用取付具Aに取り付けられる照明体Lでは、一方の被接続部L1のみに、光源の電気回路の端子が設けられている。このため、本実施形態の直管灯用取付具Aにおける一対の照明用ソケット1,1のうちの一方の照明用ソケット1の照明体接続部5は、被接続部L1が前記係合部に係合されても、照明体Lの被接続部L1を支持するだけであり、前記一対の照明用ソケット1,1のうちの他方の照明用ソケット1の照明体接続部5は、被接続部L1が前記係合部に係合されることで、該被接続部L1に設けられている光源の電気回路の端子と、ダクト2の接点222とを導通させる(即ち、電気的に接続する)。また、照明体接続部5は、上部の両側に設けられた溝500によって形成された一対の被支持片50,50を有する。この照明体接続部5は、接続部6(第一接続部材70、第二接続部材90)によってカバー部3の表面に着脱可能に取り付けられる。
【0044】
第一接続部材70は、本体71と、押さえ板72とを備える。
【0045】
本体71は、第一取付部710と、第二取付部711と、一対の導通部80,80と、位置決め部85と、支持部86とを有する。
【0046】
第一取付部710は、本体71の下端に設けられた一対の雌ねじであって、第二接続部材90をカバー部3に取り付けるための一対の雌ねじである。この一対の雌ねじは、長手方向に間隔をおいて配置されている。
【0047】
第二取付部711は、本体71の上端に設けられた一対の雌ねじであって、押さえ板72を取り付けるための一対の雌ねじである。この一対の雌ねじは、長手方向に間隔をおいて配置されている。
【0048】
本実施形態の直管灯用取付具Aには、一対の照明用ソケット1,1が設けられ、導通部80は、一対の照明用ソケット1,1の少なくともいずれか一方の照明用ソケット1の第一接続部材70に設けられる。本実施形態の導通部80は、板バネ81と、図略のリード線とを有する。具体的には、以下の通りである。
【0049】
第一接続部材70の本体71は、該本体71の内部に形成されたスペース713であって、導通部80の一対の板バネ81,81の基端部81a,81aを挿入可能なスペース713と、一対の板バネ81,81を支持する一対の段部714,714と、を備える。なお、板バネ81,81は、ダクト2の接点222との電気的な接続に用いられる。
【0050】
各板バネ81の先端部には、接触片82,82が形成されている。また、一対の板バネ81,81は、互いの基端部81a,81aが対向する位置に配置され、U字状に折り曲げられている。一対の接触片82,82のそれぞれは、板バネ81,81によって外方に向かって常時付勢され、ダクト2の長手方向に位置ずれした状態で一対の接点支持部材22,22の接点222,222に圧接される。
【0051】
一対の板バネ81,81の基端部81a,81aと照明体接続部5とが図略のリード線によって接続されることで、照明体接続部5に対してダクト2の接点222から給電される。本実施形態では、上述のように、このリード線も導通部80に含まれる。
【0052】
押さえ板72は、本体71の内部に形成されるスペース713であって、板バネ81の基端部81aが挿入されるスペース713を閉塞する。また、押さえ板72は、後述する一対の板バネ81,81の位置を固定するための凸部720,720を有する。
【0053】
位置決め部85は、カバー部3の2つの突条31,31間に配置される本体部850と、外周部の下面が2つの突条31,31に当接するとともに、第一取付部710が挿通される挿通孔851aを有する当接部851と、本体部850から延びる延出部852とを有する。該延出部852には、鍔部870の凹部873に係止する凸部853が形成されている。
【0054】
支持部86は、操作部Sを回転可能に支持する回転軸860を有する。そして、カバー部3の突条31と、位置決め部85の当接部851と、位置決め部85の本体部850とで、操作部Sの係止部875が回動可能な溝が画定される。
【0055】
第二接続部材90は、本体91と、一対の支持片92,92と、位置決め体93と、一対の第一接続片94と、第二接続片95とを備える。
【0056】
本体91は、略中央部(一対の支持片92,92の間)に開口96を有する。
【0057】
一対の支持片92,92は、開口96の周縁部の両側から突出した後、互いに内向きに延出している。そして、一対の支持片92,92は、照明体接続部5の一対の被支持片50に係止して、照明体接続部5を支持する。
【0058】
位置決め体93は、開口96の周縁から下方に突出し、且つ一対の支持片92,92を結ぶ直線方向に延びる。この位置決め体93は、照明体接続部5を当接させることにより、カバー部3における照明体接続部5の長手方向の位置決めに用いられる。
【0059】
第一接続片94は、本体91の周縁から、カバー部3の長手方向、すなわち、一対の支持片92,92を結ぶ直線に対して直交する方向に向かって延出する。また、第一接続片94は、第二接続部材90をカバー部3に固定するためのボルトBが挿通される挿通孔940を有する。このボルトBは、挿通孔940、カバー部3の挿通孔32を通過して第一接続部材70の第一取付部(雌ネジ)710に螺入される。
【0060】
第二接続片95は、一対の支持片92,92を結ぶ直線方向に延びる板状の部材である。この第二接続片95は、第二接続部材90をカバー部3に固定するためのボルトBが挿通される挿通孔950を有する。
【0061】
中間カバー部は、一対の照明用ソケット1,1のカバー部3間にあるダクト2の開口2cを閉じる(塞ぐ)ための板状の部材である。中間カバー部は、ダクト2に着脱可能に取り付けられる。また、中間カバー部は、その両端部を一対の照明用ソケット1,1のカバー部3にそれぞれ接続等することによって、一対の照明用ソケット1,1のカバー部3間にあるダクト2の開口2cを閉じてもよい。
【0062】
つぎに本実施形態に係る直管灯用取付具Aの使用態様について説明する。建物の天井の梁材等に取り付けられた既設のダクト2の開口2cを塞いでいるカバーが取り外されているものとする。また、直管灯用取付具Aは、一対の照明体接続部5,5を有する。また、各操作部Sの摘み871を回転させて、該操作部Sに連接された一対の係止部875,875のうちの一方の係止部875が、カバー部3の突条31、位置決め部85、支持部86とで形成される溝内に位置しているものとする(即ち、各操作部Sに連接された一対の係止部875,875が開放位置にある)。
【0063】
また、一対の照明用ソケット1,1のうちの少なくとも一方の照明用ソケット1では、図略のリード線がカバー部3の貫通孔33に挿通されて、照明体接続部5と導通部80とが電気的に接続されて、直管灯用取付具Aに取り付けられた照明体Lに給電できる状態になっている。
【0064】
まず、ダクト2に直管灯用取付具Aを取り付ける場合、各照明用ソケット1の第一接続部材70をダクト2の溝内に挿入させ、直管灯用取付具のカバー部3の両側縁部をダクト2の被係止片230に当接させる。この状態で、各操作部Sの摘み871を半回転させる。これにより、カバー部3の長手方向に位置していた一対の係止部875,875は、90度回転して、カバー部3の幅方向に位置するようになる(図3参照)。これにより、カバー部3の側縁部と、突条31と、係止部875とで形成された溝内にダクト2の被係止片230が位置するようになる(即ち、各操作部Sに連接された一対の係止部875,875が係止位置になる)。このとき、カバー部3は、被係止片230に係止された係止部875とともに被係止片230を挟持した状態となっている。
【0065】
このように、ダクト2の一対の被係止片230,230に係止された状態の各操作部Sに連接された一対の係止部875,875と、一対の被係止片230,230に当接するカバー部3の側縁部とが、ダクト2の一対の被係止片230,230を挟持することで、ダクト2に対する照明用ソケット1の係止強度が確保される。このように、カバー部3がダクト2に取り付けられることで、ダクト2の開口2cがカバー部3によって閉塞される。
【0066】
また、一対の接触片82,82は、鍔部870の回転により、鍔部870に設けられた誘導部(本実施形態の例では楕円形の凹部)872の短径方向における円弧状の内周面の頂部から長径方向における円弧状の内周面の頂部まで、誘導部(楕円形の凹部)872の内周面に対して突片810が摺動(移動)するに伴って板バネ81の付勢力によって外側に移動し、ダクト2の接点222とそれぞれ接触する。これにより、照明体接続部5、接続部6の導通部80、ダクト2の接点222がそれぞれ電気的に接続される。
【0067】
以上のようにして一対の照明用ソケット1,1がダクト2に取り付けられると、ダクト2における二つの照明用ソケット1,1間に中間カバー部を取り付け、該部位における開口2cを塞ぐ。最後に、一対の照明体接続部5,5に照明体Lを取り付ける(図1参照)。
【0068】
つぎに、ダクト2から直管灯用取付具Aを取り外す場合について説明する。先ず、一対の照明体接続部5,5から照明体Lを取り外す。その後、各操作部Sの摘み871を取り付け時とは逆方向に半回転させる。これにより、カバー部3の幅方向に位置していた一対の係止部875,875は、90度回転して、カバー部3の長手方向に並ぶ(一対の係止部875,875が開放位置となる。:図6参照)。これにより、カバー部3の側縁部の裏面と、突条31と、係止部875とで形成された溝からダクト2の被係止片230が離脱可能となる。その結果、ダクト2からカバー部3が取り外し可能になる。
【0069】
また、接触片82は、鍔部870の回転により、鍔部870の誘導部872の長径方向の円弧状の内周面の頂部から短径方向の円弧状の内周面の頂部まで、誘導部872の内周面に対して突片810が摺動(移動)するに伴って、ダクト2の接点222から離れる。これにより、照明体接続部5と、接続部6の導通部80と、ダクト2の接点222との電気的な接続が切断される。
【0070】
以上の照明用ソケット1及び直管灯用取付具Aによれば、操作部Sの操作に伴って、一対の係止部875,875がダクト2に設けられた一対の被係止片230,230のそれぞれに係止されるとともに、一対の導通部80,80のそれぞれが誘導部872に誘導されて一対の接点222,222のそれぞれに接触する。したがって、操作部Sの操作でダクト2に対する照明用ソケット本体10の機械的な取り付けと、導通部80に対する電気的な接続とが容易に且つ確実に行うことができる。
【0071】
本実施形態の照明用ソケット1では、ダクト2の開口2cの少なくとも一部を、照明用ソケット本体10のカバー部3によって閉じる(塞ぐ)ことができる。このため、照明用ソケット本体10が存在する領域においてダクト2の開口2cを閉じることができ、これにより、ダクト2内部の給電部(接点222または電気回路)への作業者等の該領域での誤接触を防いで感電を防止することができる。その結果、安全性が高くなる。
【0072】
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で適宜変更を加え得ることは勿論のことである。
【0073】
例えば、上記実施形態では、各照明用ソケット1において二つの操作部S,Sを回転させて、該照明用ソケット1をダクト2に係止するようにしたが、この構成に限定されない。照明用ソケットは、例えば、図7(a),(b)に示す如く、基端部81a,81aが固定され、略平行に配置された一対の板バネ81,81と、該一対の板バネ81,81の間に配置された楕円形の円板又は柱状の誘導部872を有する回転可能な照明体接続部5とを備えてもよい。この照明用ソケットによれば、照明体接続部5を回転させることで、一対の板バネ81,81の先端部に設けられた接触片82,82が誘導部872によって押し広げられる。これにより、一対の接触片82のそれぞれがダクト2の接点222,222に接触するとともに、一対の係止部875,875がダクト2に係止される。
【0074】
また、上記実施形態の場合、照明用ソケット1において、操作部Sは、回転するように構成されたが、この構成に限定されない。操作部Sは、例えば、図8(a),(b)に示す如く、基端部が固定され、且つ略平行に配置された一対の板バネ81,81と、該一対の板バネ81,81の間に配置された誘導部872を有するスライド可能な照明体接続部5とを備えるようにしてもよい。誘導部872は、一対の板バネ81,81の基端部同士の間隔より大きな部位であり、図8(a),(b)に示す例では、楕円形の板状又は柱状の部位である。また、照明体接続部5は、一対の板バネ81間の中心線方向にスライド可能である。この照明用ソケットによれば、照明体接続部5を一方向に延びる前記中心線に沿って板バネ81の基端部側にスライドさせることで、誘導部872によって一対の接触片82,82が押し広げられて、ダクト2の一対の接点222,222に押しつけられて接触する。
【0075】
また、上記実施形態の場合、照明用ソケット1では、一つの操作部Sによって、該操作部Sに連接される一対の係止部875,875と、一つの接触片82とを同時に操作できるようにしたが、この構成に限定されない。例えば、照明用ソケット1は、係止部875と、接触片82とを別個の操作部Sの回転操作又はスライド操作によって操作するように構成されてもよい。
【0076】
また、上記実施形態の場合、直管灯用取付具Aでは、カバー部3と、中間カバー部とが別体であったが、一体に構成されてもよい。
【0077】
また、上記実施形態の場合、一つの操作部Sの操作によって該操作部Sと連接する一対の係止部875,875が回動する(即ち、開放位置と係止位置との間で移動する)が、一つの照明用ソケット1に複数の操作部Sが設けられる場合、一つの操作部Sの操作によって該操作部Sと連接された一つの係止部875が回動する構成でもよい。この場合、照明用ソケット1において、一つの操作部Sの操作によって、一つの係止部875が、ダクト2の一対の被係止片230,230のうちの一方の被係止片230に係止され、他の操作部Sの操作によって、他の係止部875が、前記一対の被係止片230,230のうちの他方の被係止片230に係止される。
【0078】
また、上記実施形態の場合、一つの照明用ソケット1に一対の操作部Sが設けられているが、一つの照明用ソケット1に一つ、又は3つ以上の操作部Sが設けられてもよい。
【0079】
また、一対の導通部80は、直管灯用取付具Aの一対の照明体接続部5にそれぞれ設けられてもよい。かかる構成によれば、照明体Lの向きを気にせずに取り付けることができる。
【0080】
また、前記実施形態の場合、操作部Sと係止部875とが一体であるが、別体であってもよい。また、操作部Sと係止部875とが離れた位置に配置され、リンク機構等を介して接続されていてもよい。
【0081】
また、前記実施形態の場合、照明体として直管を例にとって説明したが、電球や曲管であってもよい。この場合、照明体接続部5は、電球等が取り付け可能なソケット形状等を有する。
【符号の説明】
【0082】
A…直管灯用取付具、1…照明用ソケット、2…ダクト、2c…開口、222…接点、230…被係止片、3…カバー(照明用ソケット本体)、33…貫通孔、5…照明体接続部、6…接続部、80…導通部、82…接触片、85…位置決め部、87…操作部の回転軸、870…係止片(係止部)、872…カム溝(押圧部)、S…操作部、L…照明体、L1…被接続部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9