(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6383635
(24)【登録日】2018年8月10日
(45)【発行日】2018年8月29日
(54)【発明の名称】構造物に対する変位計の取付具
(51)【国際特許分類】
G01B 7/00 20060101AFI20180820BHJP
【FI】
G01B7/00 101R
【請求項の数】3
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2014-215447(P2014-215447)
(22)【出願日】2014年10月22日
(65)【公開番号】特開2016-80660(P2016-80660A)
(43)【公開日】2016年5月16日
【審査請求日】2017年8月30日
(73)【特許権者】
【識別番号】000201478
【氏名又は名称】前田建設工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100130362
【弁理士】
【氏名又は名称】小川 嘉英
(72)【発明者】
【氏名】成瀬 忠
(72)【発明者】
【氏名】堀 伸輔
【審査官】
池田 剛志
(56)【参考文献】
【文献】
特開2002−005633(JP,A)
【文献】
韓国公開特許第10−2008−0035246(KR,A)
【文献】
特開2013−246108(JP,A)
【文献】
特開2004−317137(JP,A)
【文献】
特開2014−145683(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01B 7/00− 7/34
11/00−11/30
21/00−21/32
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
変位測定対象となる構造物に、変位計を取り付けるための取付具であって、
前記構造物の変位計測方向に沿って、それぞれ複数の変位計を直列に配置した第1の変位計群及び第2の変位計群と、
前記構造物に対して、前記第1の変位計群及び第2の変位計群を取り付ける複数の基台と、
前記変位計測方向に沿って隣り合う一組の基台に、前記第1の変位計群及び前記第2の変位計群を構成する各変位計の各端部を固定する固定部と、
を備え、
前記第1の変位計群を構成する各変位計と、前記第2の変位計群を構成する各変位計は、前記隣り合う一組の基台の一方をそれぞれ共有するとともに、前記変位計測方向の横断面において両者が重なり合わないように取付位置をずらして、前記固定部に固定することを特徴とする構造物に対する変位計の取付具。
【請求項2】
前記基台は、前記構造物に取り付ける取付部と、当該取付部と一体となったターゲット部とを備えたことを特徴とする請求項1に記載の構造物に対する変位計の取付具。
【請求項3】
前記変位計は、本体部と、当該本体部から突出する方向に付勢力を与えられて当該本体部の長さ方向に移動可能な移動部と、前記本体部に対する前記移動部の移動量に基づいて電気信号を発生する電気信号発生部とを備えた電気式変位計であることを特徴とする請求項1又は2に記載の構造物に対する変位計の取付具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、構造物に対して変位計を取り付けるための取付具に関するものであり、詳しくは、変位計の長さによる制約を受けることなく測定区間の最小値を設定することが可能な構造物に対する変位計の取付具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、構造物の変位を測定するために種々の技術が提案されている。例えば、特許文献1には、実構造物に生じる長さ変化量を長時間にわたって測定するための技術が開示されている。このコンクリート構造物表面の長さ変化測定方法及び装置は、一端に標点を設けた所定の長さからなる2本一対の測定尺を、各測定尺の一端を所定の小さい間隔を介して近接させ、各測定尺の長さ方向を実構造物の表面の長さ測定方向に向けて、各測定尺の他端を実構造物の表面に支持固定することにより、実構造物の表面に設置して、この一対の測定尺の各標点間の間隔長さを測定する技術である。
【0003】
また、特許文献2には、工事影響範囲が長い距離にわたる場合や構造物が湾曲しているような場合であっても、構造物の変位を測定するための技術が開示されている。この構造物の変位測定方法は、一組となる基準点間に、構造物の長手方向に沿って複数の計測線を相互に複数の測定点を重複させて順次張架し、一端側の計測線の一端の基準点と次の測定点は変位を生じない領域に配置する。そして、次の測定点の計測変位量と基準点との間の距離及び基準点とこの計測線と次の計測線の重複する測定点までの距離とから重複する測定点の変位量を演算し、同様に順次当該計測線とその次の計測線の重複する測定点の変位量を他端側の計測線の他端の基準点に到達するまで演算し、各測定点でそれぞれの計測線の位置を計測してその変位量を演算する技術である。
【0004】
また、特許文献3には、計測対象構造物の被計測部に対する反射プリズムの取付位置を調整して、構造物の取付面に固定するための技術が開示されている。この計測用ターゲット取付装置は、構造物の被計測部に固定される台座板部材と、台座板部材に垂設される支柱部材と、支柱部材の軸線方向の周り方向に回転可能な第1取付部材と、第1取付部材の一方の端面側に設けられ第1取付部材を支柱部材に固定する第1固定部材と、他方の端面側に第1の方向に対して直交する第2の方向に中心線が向くように設けられる筒状案内部材と、平面視L字状の部材であって、一方の部位が第2の方向の周り方向に揺動可能に設けられ、他方の部位に計測光の反射を行う反射プリズムが固定されている第2取付部材と、第2取付部材を第1取付部材に固定するための第2固定部材とを備えた構成となっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2013−246108号公報
【特許文献2】特開2004−317137号公報
【特許文献3】特開2014−145683号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、実構造物や構造実験において、構造物の2点間の変位を測定する際に、構造物自体が区間内で均等に変位しているとは限らない場合、もしくは、予測できない一部分に大きなひび割れ、破壊などの変形が集中する場合、区間内の変形の分布、支配的な破壊の位置と挙動を測定するためには、測定区間をできるだけ細かく分割してそれぞれを個別に計測する必要がある。
【0007】
一般的に普及している比較的安価な変位計として、変位を電気信号に変換するタイプのものが存在する。このような変位計では、変位計の両端の延長上で構造物に固定されたターゲットの区間の変位を測定するようになっている。そして、ターゲットの最小区間は、変位計自体の長さ以下にすることができないという制約がある。すなわち、連続した区間の変位を計測する条件は、隣接する変位計が必ずターゲットを共有することであるため、上述した従来の変位計では、測定区間の最小値は測定に使用する変位計の長さ以上となり、それ以下の小さい区間での測定はできないことになる。
【0008】
このような問題に対する解決策の一つとしてレーザー式変位計を用いることが考えられる。しかし、レーザー式変位計は、非常に高価な装置であり、特に至近距離の距離計測を行う場合に、計測値の分解能(精度)が電気信号を用いた変位計と比較して劣っている。例えば、電気信号を用いた変位計の分解能は、一般的に1/500mm程度であるが、レーザー式変位計の分解能は一般的に1/10〜1/100mm程度である。
【0009】
上述した課題に対して、特許文献1に記載された技術では、測定区間を細かく分割することができない。また、特許文献2に記載された技術では、複数の計測線を張架する必要がある。また、特許文献3に記載された技術では、レーザー式変位計を使用している。このように、従来の技術では上述した課題に対して根本的な解決を図ることはできない。
【0010】
本発明は、上述した事情に鑑み提案されたもので、変位計の長さによる制約を受けることなく測定区間の最小値を設定することが可能な変位計の取付具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の構造物に対する変位計の取付具は、上述した目的を達成するため、以下の特徴点を有している。すなわち、本発明の構造物に対する変位計の取付具は、構造物の変位計測方向に沿って、それぞれ複数の変位計を直列に配置した第1の変位計群及び第2の変位計群と、構造物に対して、第1の変位計群及び第2の変位計群を取り付ける複数の基台と、変位計測方向に沿って隣り合う一組の基台に、第1の変位計群及び第2の変位計群を構成する各変位計の各端部を固定する固定部とを備える。
【0012】
そして、第1の変位計群を構成する各変位計と、第2の変位計群を構成する各変位計は、隣り合う一組の基台の一方をそれぞれ共有するとともに、変位計測方向の横断面において両者が重なり合わないように取付位置をずらして、固定部に固定することを特徴とするものである。
【0013】
また、上述した構成に加えて、基台は、構造物に取り付ける取付部と、当該取付部と一体となったターゲット部とを備えた構成とすることが可能である。
【0014】
また、上述した構成に加えて、変位計は、本体部と、当該本体部から突出する方向に付勢力を与えられて当該本体部の長さ方向に移動可能な移動部と、本体部に対する移動部の移動量に基づいて電気信号を発生する電気信号発生部とを備えた電気式変位計であることが好ましい。
【発明の効果】
【0015】
本発明に係る変位計の取付具によれば、構造物の変位計測方向に沿って2群の変位計群を配置し、各変位計群を構成する変位計は、隣り合う一組の基台の一方をそれぞれ共有している。また、変位計測方向の横断面において、両変位計群が重なり合わないように取付位置をずらして、固定部に固定している。
【0016】
したがって、ターゲットに対して一列に変位計を設置した場合に、各変位計の長さに制約されていた測定区間を狭めることができる。具体的には、2群(2列)の変位計群を配置した場合に、各変位計の長さをLとすると、測定区間の平均値を2/Lに設定することができる。すなわち、測定区間の平均値が2/Lとなる範囲で、測定区間の距離を自由に設定することができる。
【0017】
また、ターゲットとなる基台は、構造物への取付部とターゲット部とを備えていればよく、変位測定対象となる構造物の形状、設置場所等に応じて自由に設計することができるので、適用対象に制約を受けることがない。
【0018】
このように、本発明に係る変位計の取付具を使用することにより、変位計の長さによる制約を受けることなく測定区間の最小値を設定することができ、構造物の変位が複雑な場合にも、容易かつ正確に変位量を測定することが可能となる。さらに、本発明に係る変位計の取付具を使用することにより、特別な変位計を用いることなく、安価で測定精度が高い市販の電気式変位計を用いることができ、費用面や汎用性において有利となる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】本発明の実施形態に係る取付具に変位計を取り付けた状態の斜視図。
【
図2】断面コ字状の取付具に変位計を取り付けた状態の平面図。
【
図3】断面コ字状の取付具に変位計を取り付けた状態の縦断面図。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、図面を参照して、本発明に係る変位計の取付具の実施形態を説明する。
図1〜
図3は、本発明の実施形態に係る変位計の取付具を説明するもので、
図1は取付具に変位計を取り付けた状態の斜視図、
図2は取付具に変位計を取り付けた状態の平面図であり、
図2(a)は第1の変位計群、
図2(b)は第2の変位計群を示す。また、
図3は取付具に変位計を取り付けた状態の断面図であり、
図3(a)は第1の変位計群、
図3(b)は第2の変位計群を示す。
【0021】
<変位計の取付具の概要>
本発明の実施形態に係る変位計の取付具は、構造物の変位計測方向に沿って、それぞれ複数の変位計を直列に配置した2つの変位計群を取り付けるための器具であり、これらの変位計の計測値の総和が、変位計群の両端の変位値と等しくなければならない場合に使用する。この変位計の取付具は、基本的な構成要素として、
図1〜
図3に示すように、ターゲットとなる基台20と、基台20に変位計10を取り付けるための固定部30とを備えている。そして、各変位計群を構成する各変位計10は、隣り合う一組の基台20の一方をそれぞれ共有するとともに、変位計測方向の横断面において両者が重なり合わないように取付位置をずらして、固定部30に固定されている。
【0022】
<変位計>
変位計10は、一般に市販されている電気式変位計を用いる。この電気式変位計は、例えば、本体部11と、当該本体部11から突出する方向に付勢力を与えられて当該本体部11の長さ方向に移動可能な移動部12と、本体部11に対する移動部12の移動量に基づいて電気信号を発生する電気信号発生部(図示せず)とを備えている。なお、電気式変位計10の構成は、上述したものに限定されず、測定に必要な分解能を有していれば、どのような機構を備えていてもよい。また、分解能は、例えば1/500mm程度とするが、測定に必要な条件を満たしていれば特に限定されない。
【0023】
変位計10は、基台20の固定部30に対して、その端部を固定するようになっている。なお、変位計10の端部とは、上述した電気式変位計10を例にとると、本体部11の先端部及び移動部12の先端部のことであるが、基台20の全体がターゲットとして機能するため、本体部11及び移動部12の任意の位置が基台20に固定されていればよい。したがって、以下の説明において、変位計10の端部を基台20に固定すると表現した場合には、本体部11及び移動部12の先端部だけではなく、本体部11及び移動部12の任意の位置を基台20に固定する場合も含むものとする。
【0024】
<基台>
基台20は、
図1〜
図3に示すように、横向きに開口した断面コ字状の取付部21と、取付部21の下部から下側へ向かって延長して設けたターゲット部22とを備えている。取付部21には、固定部30を用いて変位計10の端部を固定するが、この際、隣り合う一組の基台20(取付部21)に対して、変位計10の両端部をそれぞれ固定することにより、隣り合う一組のターゲットに変位計10を取り付けた状態となる。
【0025】
<取付部>
この取付部21は、2群に分かれた変位計群を構成する各変位計10を固定するための部材であり、
図1及び
図2に示すように、横向きに開口した断面コ字状となっている。ここで、第1の変位計群を構成する各変位計10を10a、10b、10c、・・・とし、第2の変位計群を構成する各変位計10を10A、10B、10C、・・・とする。また、
図1及び
図2において、左側の取付部21から順に、21a、21b、21c、21d、21e、21fとする。
【0026】
第1の変位計群を構成する変位計10aの各端部は、それぞれ隣り合う一組の基台20(取付部21)の固定部30に固定する。すなわち、
図1及び
図2(a)に示すように、変位計10aの各端部は取付部21b及び取付部21cに固定し、変位計10bの各端部は取付部21d及び取付部21eに固定し、変位計10cの一端部は取付部21fに固定する。
【0027】
一方、第2の変位計群を構成する変位計10の各端部は、隣り合う一組の基台20(取付部21)の固定部30に固定するが、この際、第1の変位計群を構成する変位計10a、10b、10c・・・と、第2の変位計群を構成する10A、10B、10C・・・とでは、隣り合う一組の基台20(取付部21)の一方を共有する。すなわち、
図1及び
図2(b)に示すように、変位計10Aの各端部は取付部21a及び取付部21bに固定し、変位計10Bの各端部は取付部21c及び取付部21dに固定し、変位計10Cの各端部は取付部21e及び取付部21fに固定する。同様に、各変位計群を構成する変位計10を取付部21に固定する。
【0028】
また、
図1及び
図3(a)、(b)に示すように、第1の変位計群は基台20(取付部21)の上部に配置し、第2の変位計群は基台20(取付部21)のコ字状部内に配置する。これにより、第1の変位計群と第2の変位計群を、変位計側方向の横断面において両者が重なり合わないように取付位置をずらして配置することができる。なお、
図1及び
図2(a)に示す例では、構造物の端部に位置する変位計10xは、一端を取付部21(21a)に固定するとともに、他端を構造物の端部から延長したスタブ面(図示せず)に接触させるようになっている。また、
図1及び
図2(a)に示すように、構造物の端部に位置する変位計10xは、隣接する変位計10との干渉を避けるために、基台20(取付部21)の開口部側にオフセットして取り付けてある。
【0029】
<ターゲット部>
ターゲット部22は、取付部21を構造物の表面に固定するための部材であり、例えば、ネジ棒22a及びナット22bにより形成する。ターゲット部22をネジ棒22a及びナット22bで形成する場合には、予め、構造物の表面から構造物内へ向かって、ネジ棒22aを埋設しておくとともに、取付部21の下部壁に、ネジ棒22aの挿通口(図示せず)を開口しておく必要がある。
図1〜
図3に示す例では、挿通口にネジ棒22aを挿通し、取付部21の下部壁を挟んで一組のナット22bを締め付けることにより、ネジ棒22aに取付部21を固定して、基台20を構成する。ネジ棒22aの埋設には、既存のアンカー埋設技術等を用いることができる。また、ターゲット部22をネジ棒22a及びナット22bにより形成するのではなく、取付部21から延長して設けた棒状部材をターゲット部22とし、接着等により棒状部材の先端部を構造物の表面に取り付けてもよい。
【0030】
<固定部>
固定部30は、取付部21に対して変位計10の端部を固定するための部材であり、例えば、ネジ棒30a、ナット30b、係止部30cを備えている。係止部30cは円環状の部材であり、予め、変位計10の両端部に、接着や溶接により取り付けてある。また、取付部21には、ネジ棒30aの挿通口(図示せず)が開口している。
【0031】
そして、変位計10の両端部に予め取り付けた係止部30cをネジ棒30aに挿通し、ネジ棒30aにナット30bを取り付けることにより、変位計10の端部を固定部30に固定する。係止部30cを円環状に形成し、予め変位計10の両端部に取り付けておくことにより、基台20に対する変位計10の着脱を容易に行うことができる。このため、変位計10の再利用を容易に行うことができるとともに、万が一、変位計10が故障した場合には、当該故障した変位計10の取り替えを容易に行うことができる。なお、固定部30は上述した形状に限られず、変位計10の端部を取付部21に固定することができれば、どのような形状であってもよい。
【0032】
<他の実施形態>
図1〜3を用いて説明した実施形態は、断面コ字状の基台20(取付部21)を用いているが、基台20の形状はこれに限られるものではなく、隣り合う一組の基台20の一方をそれぞれ共有するように、第1の変位計群を構成する各変位計10と、第2の変位計群を構成する各変位計10を取り付けることができ、さらに変位計測方向の横断面において両者が重なり合わないように取付位置をずらすことができれば、どのような形状であってもよい。
【0033】
例えば、構造物面に平行な平板により取付部を形成し、取付部の上面及び下面に、それぞれ第1の変位計群を構成する各変位計10と、第2の変位計群を構成する各変位計10を取り付けてもよいし、上面又は下面の同一面において、取付位置をずらして第1の変位計群を構成する各変位計10と、第2の変位計群を構成する各変位計10を取り付けてもよい。
【0034】
また、構造物面に垂直な平板により取付部を形成し、取付部の両側面に、それぞれ第1の変位計群を構成する各変位計10と、第2の変位計群を構成する各変位計10を取り付けてもよいし、いずれか片側の側面において、取付位置をずらして第1の変位計群を構成する各変位計10と、第2の変位計群を構成する各変位計10を取り付けてもよい。
【0035】
また、取付部を断面L字状に形成し、変位計測方向の横断面において第1の変位計群を構成する各変位計10と、第2の変位計群を構成する各変位計10が重なり合わないように取付位置をずらしてもよい。
【0036】
<従来の技術との比較>
本発明の変位計10の取付具は、一般に普及している電気式変位計をそのまま使用することができ、さらに、変位計10の長さの制約を受けることなく、変位計10の長さ以下の区間の変位を測定することができる。すなわち、本発明の変位計10の取付具は、構造が単純であるため安価に製作することができる。さらに、変位計10の取付方法も簡単であり、一般的に変位計測に用いる治具以外に、なんら特殊な部材を必要としない。
【符号の説明】
【0037】
10 変位計(10a、10b、10c:第1の変位計群/10A、10B、10C:第2の変位計群、10x:オフセットした変位計)
11 本体部
12 移動部
20 基台
21 取付部
22 ターゲット部
22a ネジ棒
22b ナット
30 固定部
30a ネジ棒
30b ナット
30c 係止部