(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6383672
(24)【登録日】2018年8月10日
(45)【発行日】2018年8月29日
(54)【発明の名称】乗客コンベアのゲートローラ清掃装置
(51)【国際特許分類】
B66B 31/00 20060101AFI20180820BHJP
B66B 23/24 20060101ALI20180820BHJP
B08B 1/00 20060101ALI20180820BHJP
【FI】
B66B31/00 F
B66B23/24 C
B08B1/00
【請求項の数】8
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2015-9716(P2015-9716)
(22)【出願日】2015年1月21日
(65)【公開番号】特開2016-132552(P2016-132552A)
(43)【公開日】2016年7月25日
【審査請求日】2017年3月7日
(73)【特許権者】
【識別番号】000232955
【氏名又は名称】株式会社日立ビルシステム
(74)【代理人】
【識別番号】110000442
【氏名又は名称】特許業務法人 武和国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】櫛田 建
【審査官】
岡崎 克彦
(56)【参考文献】
【文献】
実開平01−090781(JP,U)
【文献】
実開昭57−133953(JP,U)
【文献】
特開2011−015622(JP,A)
【文献】
特開平11−314780(JP,A)
【文献】
実開昭57−135564(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B08B 1/00
B66B 21/00−31/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
移動手摺のターミナル部に配置されたゲートローラを回転させる駆動ローラと、この駆動ローラによって回転する前記ゲートローラに接触し、前記ゲートローラに付着したごみを除去する清掃具とを備えた乗客コンベアのゲートローラ清掃装置において、
前記駆動ローラと前記清掃具とが収納される枠体と、
前記枠体の、前記移動手摺の走行方向と直交する方向の両側部にそれぞれ取り付けられる一対の側板と、
前記駆動ローラを位置決めする位置決め部と、を備え、
前記駆動ローラは、前記ゲートローラのうちの隣り合う第1ゲートローラと第2ゲートローラとを同時に回転させる1つのローラから成り、
前記清掃具は、前記駆動ローラを挟むように配置され、前記第1ゲートローラに付着したごみを清掃する第1清掃具と、前記第2ゲートローラに付着したごみを清掃する第2清掃具とから成り、
前記位置決め部は、前記一対の側板のそれぞれに形成され、前記第1ゲートローラ及び前記第2ゲートローラを含む前記ゲートローラを支持するフレームの先端部が嵌入する切り欠き部から成り、前記駆動ローラを、前記第1ゲートローラと前記第2ゲートローラとに接触するように位置決めすることを特徴とする乗客コンベアのゲートローラ清掃装置。
【請求項2】
請求項1に記載の乗客コンベアのゲートローラ清掃装置において、
前記第1清掃具を前記第1ゲートローラに押圧し、前記第2清掃具を前記第2ゲートローラに押圧する押圧手段をさらに備えたことを特徴とする乗客コンベアのゲートローラ清掃装置。
【請求項3】
請求項2に記載の乗客コンベアのゲートローラ清掃装置において、
前記駆動ローラの回転軸を回転駆動する回転駆動手段をさらに備え、
前記枠体は、前記駆動ローラの前記回転軸を突出させる穴を有し、前記駆動ローラと、前記第1清掃具と、前記第2清掃具と、前記押圧手段と、を収納することを特徴とする乗客コンベアのゲートローラ清掃装置。
【請求項4】
請求項2に記載の乗客コンベアのゲートローラ清掃装置において、
前記枠体内に移動可能に配置され、前記第1清掃具及び前記第2清掃具を保持する保持部をさらに備え、
前記押圧手段は、一端が前記枠体に係着され、他端が前記保持部に係着されるばねから成ることを特徴とする乗客コンベアのゲートローラ清掃装置。
【請求項5】
請求項4に記載の乗客コンベアのゲートローラ清掃装置において、
前記枠体に形成したボルト穴に相対的移動可能に係着され、前記ばねが装着されるボルトと、
前記ボルトに螺合し、前記保持部の前記ボルトの先端方向への動きを規制するナットと、をさらに備えたことを特徴とする乗客コンベアのゲートローラ清掃装置。
【請求項6】
請求項3に記載の乗客コンベアのゲートローラ清掃装置において、
前記枠体は、取っ手を備え、
前記回転駆動手段は、電動ドリルから成ることを特徴とする乗客コンベアのゲートローラ清掃装置。
【請求項7】
請求項1〜6のいずれか1項に記載の乗客コンベアのゲートローラ清掃装置において、
前記ゲートローラを支持するフレームは、前記ゲートローラを挟むように位置する前記ゲートローラを回転自在に支持する第1支持部と第2支持部とを有し、
前記第1清掃具及び前記第2清掃具のそれぞれは、清掃に用いられるブラシを有し、
前記第1清掃具及び前記第2清掃具それぞれの前記ブラシの先端の、前記移動手摺の走行方向と直交する方向の幅寸法は、前記第1ゲートローラ及び前記第2ゲートローラを含む前記ゲートローラの幅寸法以上で、前記フレームの前記第1支持部と前記第2支持部との間隔よりも小さい寸法であることを特徴とする乗客コンベアのゲートローラ清掃装置。
【請求項8】
請求項1〜7のいずれか1項に記載の乗客コンベアのゲートローラ清掃装置において、
前記枠体は、前記駆動ローラを目視可能な窓を備えることを特徴とする乗客コンベアのゲートローラ清掃装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エスカレータ、電動道路等の乗客コンベアに備えられる移動手摺が反転するターミナル部に設けられたゲートローラを、清掃する際に用いられる乗客コンベアのゲートローラ清掃装置に関する。
【背景技術】
【0002】
この種の従来技術が特許文献1に開示されている。この特許文献1に開示された従来技術は、エスカレータの移動手摺のターミナル部に設けられ、移動手摺の裏面に接触する1つのゲートローラを回転させる駆動ローラと、この駆動ローラを駆動するモータと、駆動ローラによって回転するゲートローラに接触し、そのゲートローラに付着したごみを除去する清掃具とを備えている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】実開昭57−135564号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
前述した従来技術は、モータによって駆動ローラを回転させることにより1つのゲートローラのみを清掃するものである。すなわち、複数設けられたゲートローラ毎に駆動ローラと清掃具を移動させて清掃することが必要になる。このために従来技術は、ゲートローラの清掃作業に時間がかかり、ゲートローラの清掃作業能率の向上を見込めなかった。これに伴って従来技術は、ゲートローラの清掃作業に要する費用が高くなりやすかった。
【0005】
本発明は、前述した従来技術における実情からなされたもので、その目的は、複数のゲートローラを同時に清掃することができる乗客コンベアのゲートローラ清掃装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記目的を達成するために、本発明に係る乗客コンベアのゲートローラ清掃装置は、移動手摺のターミナル部に配置されたゲートローラを回転させる駆動ローラと、この駆動ローラによって回転する前記ゲートローラに接触し、前記ゲートローラに付着したごみを除去する清掃具とを備えた乗客コンベアのゲートローラ清掃装置において、
前記駆動ローラと前記清掃具とが収納される枠体と、前記枠体の、前記移動手摺の走行方向と直交する方向の両側部にそれぞれ取り付けられる一対の側板と、前記駆動ローラを位置決めする位置決め部と、を備え、前記駆動ローラは、前記ゲートローラのうちの隣り合う第1ゲートローラと第2ゲートローラ
とを同時に回転させる1つのローラから成り、前記清掃具は、前記駆動ローラを挟むように配置され、前記第1ゲートローラに付着したごみを清掃する第1清掃具と、前記第2ゲートローラに付着したごみを清掃する第2清掃具とから成り、
前記位置決め部は、前記一対の側板のそれぞれに形成され、前記第1ゲートローラ及び前記第2ゲートローラを含む前記ゲートローラを支持するフレームの先端部が嵌入する切り欠き部から成り、前記駆動ローラを、前記第1ゲートローラと前記第2ゲートローラ
とに接触するように位置決めす
ることを特徴としている。
【発明の効果】
【0007】
本発明に係る乗客コンベアのゲートローラ清掃装置は、1つの駆動ローラによって、隣り合う第1ゲートローラと第2ゲートローラとを同時に回転させ、第1ゲートローラに付着したごみを第1清掃具で除去でき、第2ゲートローラに付着したごみを第2清掃具で除去できる。すなわち本発明は、複数のゲートローラを同時に清掃することができ、ゲートローラ全体を短時間で清掃でき、従来に比べてゲートローラの清掃作業能率を向上させることができる。これにより本発明は、ゲートローラの清掃に要する費用を従来よりも安く抑えることができる。
【0008】
また本発明は、位置決め部によって駆動ローラを、第1ゲートローラと第2ゲートローラに接触するように容易に位置決めすることができる。これにより本発明は、第1ゲートローラと第2ゲートローラを含むゲートローラの清掃作業の能率を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本発明に係る乗客コンベアのゲートローラ清掃装置の一実施形態を用いてゲートローラを清掃する状態を示す側面図である。
【
図2】本実施形態に係る乗客コンベアのゲートローラ清掃装置の一部を省略して示した側面図である。
【
図3】本実施形態に係る乗客コンベアのゲートローラ清掃装置の一部を省略して示した正面図である。
【
図4】本実施形態に係る乗客コンベアのゲートローラ清掃装置の平面図である。
【
図5】本実施形態に備えられる第1清掃具を示す図で、(a)図は平面図、(b)図は側面図、(c)図は正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明に係る乗客コンベアのゲートローラ清掃装置の実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0011】
本発明に係るゲートローラ清掃装置が用いられる乗客コンベアは、例えばエスカレータである。エスカレータの上階床乗場、及び下階床乗場のそれぞれの移動手摺が反転する
図1に示すターミナル部1には、同
図1では図示省略した移動手摺の裏面に接触する複数のゲートローラ2が設けられている。このゲートローラ2には経時的にごみが付着する。また、これらのごみは、移動手摺による圧接で固化する傾向にある。本実施形態に係るゲートローラ清掃装置は、ゲートローラ2に付着したごみを除去する際に用いられる。
【0012】
本実施形態に係るゲートローラ清掃装置は、
図1,2に示すように、ゲートローラ2を回転させる駆動ローラ3を備えている。この駆動ローラ3は、複数のゲートローラ2のうちの隣り合う第1ゲートローラ2Aと第2ゲートローラ2Bの双方に接触し、同時に回転させる1つのローラから成っている。
【0013】
駆動ローラ3によって回転するゲートローラ2に接触し、ゲートローラ2に付着したごみを除去する清掃具は、駆動ローラ3を挟むように配置され、第1ゲートローラ2Aに付着したごみを清掃する第1清掃具4と、第2ゲートローラ2Bに付着したごみを清掃する第2清掃具5とから成っている。
【0014】
図5に示すように、第1清掃具4は、一対の穴4a1が形成されたベース部材4aと、このベース部材4aに固定した支持部4bと、この支持部4bに支持されたステンレス製のブラシ4cとを備えている。第2清掃具5も第1清掃具4と同じ構成となっている。
【0015】
図2に示すように、駆動ローラ3を、第1ゲートローラ2Aと第2ゲートローラ2Bの双方に接触するように位置決めした際に、第1清掃具4のブラシ4cの先端が第1ゲートローラ2Aの頂部2A1に接触するように、また第2清掃具5のブラシ5cの先端が第2ゲートローラ2Bの頂部2B1に接触するように、これらの第1清掃具4及び第2清掃具5を配置してある。
【0016】
また本実施形態は、駆動ローラ
3を、第1ゲートローラ2Aと第2ゲートローラ2Bに接触するように位置決めする位置決め部を備えている。この位置決め部については後述する。
【0017】
また本実施形態は、第1清掃具4を第1ゲートローラ2Aに押圧し、第2清掃具5を第2ゲートローラ2Bに押圧する押圧手段を備えている。この押圧手段についても後述する。
【0018】
また本実施形態は、
図2〜4に示すように、駆動ローラ3と、第1清掃具4及び第2清掃具5と、前述の押圧手段が収納される、例えば馬具である鞍のような全体形状をした枠体7を備えている。
【0019】
この枠体7は、駆動ローラ3の回転軸3aを突出させる穴7aを有している。駆動ローラ3の回転軸3aには、この回転軸3aを回転駆動させる回転駆動手段、例えば図示しない電動ドリルが連結されるようになっている。
【0020】
また本実施形態は、図示しない移動手摺の走行方向と直交する方向に位置する枠体7の両側部のそれぞれに取り付けられる例えばアクリル板から成る一対の側板8を備えている。
【0021】
前述した位置決め部は、
図3に示すように、一対の側板8のそれぞれに形成され、第1ゲートローラ2A及び第2ゲートローラ2Bを支持するフレーム9の先端部が嵌入する切り欠き部10から成っている。
【0022】
また本実施形態は、枠体7内に移動可能に配置され、第1清掃具4及び第2清掃具5を保持する保持部、例えば保持板11を備えている。前述した押圧手段は、一端が枠体7に係着され、他端が保持板11に係着されるばね6から成っている。このばね6は、移動手摺の走行方向に対して前側位置に一対、後側位置に一対、合計4つ設けてある。
【0023】
図2,3に示すように、前述した第1清掃具4は、ベース部材4aの一対の穴4a1のそれぞれに挿入される2本のねじ20、及びこれらのねじ20に螺合するナット22によって保持板11に固定してある。同様に、第2清掃具5は、ベース部材5aの一対の穴のそれぞれに挿入される2本のねじ21、及びこれらのねじ21に螺合するナット23によって保持板11に固定してある。
【0024】
また本実施形態は、枠体7に形成したボルト穴、及び枠体7上に配置したブッシュ12に形成したボルト穴に挿入され、前述したばね6がそれぞれ個別に装着される4本のボルト13と、これらのボルト13に螺合し、保持板11のボルト13の先端方向への動きを規制するナット14とを備えている。
【0025】
また本実施形態は、
図1,2,4等に示すように、枠体7に取っ手を備え、この取っ手は第1取っ手15と第2取っ手16から成っている。これらの第1取っ手15と第2取っ手16は、例えば移動手摺の走行方向に沿うように延設し、作業者が片手を広げて把持可能な所定の間隔で配置してある。
【0026】
図3に示すように、前述した第1ゲートローラ2A、第2ゲートローラ2Bを含むゲートローラ2を支持するフレーム9の先端部は、ゲートローラ2B(2A,2)を挟むように位置する第1支持部9aと第2支持部9bを有している。
【0027】
また本実施形態は、同
図3に示すように、第1清掃具4及び第2清掃具5それぞれのブラシ4c,5cの先端の、図示しない移動手摺の走行方向と直交する方向の幅寸法を、第1ゲートローラ2A及び第2ゲートローラ2Bを含むゲートローラ2の幅寸法以上で、フレーム9の第1支持部9aと第2支持部9bとの間隔よりも小さい寸法に設定してある。
【0028】
また本実施形態は、
図4に示すように、枠体7に、駆動ローラ3を目視可能な窓17を設けてある。
【0029】
このように構成した本実施形態に係るゲートローラ清掃装置を用いて、ゲートローラ2を清掃する際には、第1取っ手15と第2取っ手16を片手で把持して、一対の側板8のそれぞれの切り欠き部10に、フレーム9の第1支持部9a、第2支持部9bそれぞれの先端部を嵌入させるようにして、フレーム9上に
図1に示すように枠体7を配置する。
【0030】
これにより、駆動ローラ3が隣り合う第1ゲートローラ2Aと第2ゲートローラ2Bに同時に接触するように位置決めされる。これに伴い、第1清掃具4のブラシ4cの先端が第1ゲートローラ2Aの頂部2A1に接触し、第2清掃具5のブラシ5cの先端が第2ゲートローラ2Bの頂部2B1に接触する。
【0031】
この間、第1取っ手
15及び第2取っ手
16を把持して枠体7を押し下げる力によってばね6が圧縮し、ボルト13は枠体7から上方に相対的に移動して突出する。また、ばね6の力が保持板11を介して第1清掃具4のブラシ4c、及び第2清掃具5のブラシ5cに伝えられ、ブラシ4cが第1ゲートローラ2Aの頂部2A1に圧接し、ブラシ5cが第2ゲートローラ2Bの頂部に圧接する。
【0032】
この状態で、
図3,4に示すように、枠体7の貫通穴7aから突出している駆動ローラ3の回転軸3aに、図示しない電動ドリルを連結し、この電動ドリルを作動させることによって駆動ローラ3の回転軸3aが回転駆動する。これにより、駆動ローラ
3が回転し、この駆動ローラ
3に接触する第1ゲートローラ2Aと第2ゲートローラ2Bとが同時に回転する。
【0033】
第1ゲートローラ2Aの回転により、この第1ゲートローラ2Aに付着し、例えば固化していたごみは、第1ゲートローラ2Aに圧接する第1清掃具4のブラシ4cによって削り取られ、このブラシ4cに付着する。すなわちブラシ4cに取り込まれる。同様に、第2ゲートローラ2Bの回転により、この第2ゲートローラ2Bに付着し、例えば固化していたごみは、第2ゲートローラ2Bに圧接する第2清掃具5のブラシ5cによって削り取られ、このブラシ5cに付着する。
【0034】
このように、第1ゲートローラ2Aに付着していたごみは、第1清掃具4のブラシ4cに取り込まれることにより除去され、第2ゲートローラ2Bに付着していたごみは、第2清掃具5のブラシ5cに取り込まれることにより除去される。
【0035】
以下、ゲートローラ2に含まれる他のゲートローラに対しても同様に、隣り合うゲートローラ毎に清掃することができる。
【0036】
本実施形態によれば、前述したように、1つの駆動ローラ3によって、隣り合う第1ゲートローラ2Aと第2ゲートローラ2Bとを同時に回転させ、第1ゲートローラ2Aに付着したごみを第1清掃具4で除去でき、第2ゲートローラ2Bに付着したごみを第2清掃具5で除去できる。すなわち本実施形態は、複数のゲートローラ2A,2Bを同時に清掃することができ、ゲートローラ2の全体を短時間で清掃でき、このゲートローラ2の清掃作業能率を向上させることができる。これに伴って本実施形態は、ゲートローラ2の清掃に要する費用を安く抑えることができる。
【0037】
また本実施形態は、側板8に設けた位置決め部、すなわち切り欠き部10によって駆動ローラ3を、第1ゲートローラ2Aと第2ゲートローラ2Bに接触するように容易に位置決めすることができる。これによっても本実施形態は、第1ゲートローラ2A及び第2ゲートローラ2Bを含むゲートローラ2の清掃作業の能率を向上させることができる。
【0038】
また本実施形態は、第1清掃具4を第1ゲートローラ2Aに押圧し、第2清掃具5を第2ゲートローラ2Bに押圧するばね6を備えたことから、ゲートローラ2A,2Bのそれぞれに付着したごみを強い力で削り取るようにして除去することができる。これによって本実施形態は、優れた清掃性能を確保することができる。
【0039】
また本実施形態は、保持板11によって枠体7内に第1清掃具4及び第2清掃具5を安定した状態で配置することができる。また、ばね6で保持板11を押圧することにより、清掃具4,5をゲートローラ2A,2Bの対応するものに確実に押圧させることができる。
【0040】
また本実施形態は、側板8の切り欠き部10を介して駆動ローラ3を第1ゲートローラ2A及び第2ゲートローラ2Bに接触するように位置決めした際に、第1清掃具4のブラシ4cの先端が第1ゲートローラ2Aの頂部2A1に接触し、第2清掃具5のブラシ5cの先端が第2ゲートローラ2Bの頂部2B1に接触することから、ばね6の力を第1清掃具4のブラシ4cと第1ゲートローラ2Aの頂部2A1との接触部に、またばね6の力を第2清掃具5のブラシ5cと第2ゲートローラ2Bの頂部2B1との接触部に、それぞれ伝達力のロスを抑えながら確実に伝えて、第1ゲートローラ2A及び第2ゲートローラ2Bを、ブラシ4c,5cで押圧しながら清掃することができる。このことによっても優れた清掃性能を確保することができる。
【0041】
また本実施形態は、駆動ローラ3の回転軸3aを枠体7の貫通穴7aから突出させてあるので、この駆動ローラ3の回転軸3aに図示しない電動ドリルを容易に連結することができる。また、駆動ローラ3を回転駆動する回転駆動手段が、入手が容易な図示しない電動ドリルから成ることから、この点でも実用性に富む。
【0042】
また本実施形態は、駆動ローラ3を第1ゲートローラ2Aと第2ゲートローラ2Bに接触するように位置決めする位置決め部を、側板8に設けた切り欠き部10によって構成したことから、この位置決め部を簡単に設けることができ、この点でも実用性に富む。
【0043】
また本実施形態は、第1清掃具4のブラシ4c、及び第2清掃具5のブラシ5cの先端の幅寸法を、第1ゲートローラ2A及び第2ゲートローラ2Bを含むゲートローラ2の幅寸法以上で、フレーム9の第1支持部9aと第2支持部9bとの間隔よりも小さい寸法に設定してあることから、第1ゲートローラ2A及び第2ゲートローラ2Bを含むゲートローラ2を確実に清掃することができる。また、清掃具4,5のブラシ4c,5cによるフレーム9の損傷を抑制することができる。また、清掃具4,5の小型化を実現させることができる。
【0044】
また本実施形態は、第1取っ手15及び第2取っ手16を把持することにより、枠体7をばね6の力に抗して容易に押圧することができる。このように取っ手15,16を設けたことによって、優れた清掃性能の確保に貢献する。
【0045】
また本実施形態は、枠体7に、駆動ローラ3を目視可能な窓17を設けたことから、第1ゲートローラ2A及び第2ゲートローラ2Bを含むゲートローラ2の清掃時における駆動ローラ3の回転状態を容易に確認することができる。これにより精度の高い清掃が可能となる。
【符号の説明】
【0046】
1 ターミナル部
2 ゲートローラ
2A 第1ゲートローラ
2B 第2ゲートローラ
3 駆動ローラ
3a 回転軸
4 第1清掃具
4c ブラシ
5 第2清掃具
5c ブラシ
6 ばね(押圧手段)
7 枠体
7a 貫通穴
8 側板
9 フレーム
9a 第1支持部
9b 第2支持部
10 切り欠き部(位置決め部)
11 保持板(保持部)
13 ボルト
14 ナット
15 第1取っ手
16 第2取っ手
17 窓