(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記第3連続シート(W7)の一方の面には、前記隣り合う本体部(5)間において前記長手方向(L)に沿って延びる複数の粘着層(8)が予め前記搬送方向(F)に断続的に形成され、前記分離工程(S8)において、複数の粘着層のうちの1つの粘着層(8)を前記搬送方向(F)に交差する方向に延びる仮想のウイング切断線(15)に沿ってウイングシート(7)が次々に切断されることで、前記1つの粘着層(8)が互いに隣り合うウイングシート(7)の双方に分割して割り当てられる、請求項1または請求項2に記載の製造方法。
【発明の概要】
【0004】
前記JP2001−145659Aは、ウイング付き吸収性物品を製造する方法として、液透過性のトップシートと液不透過性のバックシートとの間に吸収体を挟み込んで積層体を形成し、この積層体をウイング付き吸収性物品の外形形状に沿って切り出す方法を開示している。
この先行技術は、所定幅の積層体からウイング付き吸収性物品を切り出す際に、ウイングのない部分でウイングの突出長さに応じたカットロスが生じることから、製品がコストアップする要因となる。
【0005】
一方、前記JP04−300547Aは、連続した積層体からウイング付き吸収性物品を切り出す際、隣接する吸収性物品を交互に逆向とすることで、製造工程においてウイングの周囲に生じるカットロスを低減してコストを低く抑える方法を開示している。
【0006】
しかし、この先行技術においても、依然としてウイングの周囲にかなりのカットロスを生じるのは避けられない。また、この先行技術では、ウイングの形成位置が限定されるため、例えば吸収性物品の全長の中央部やその近傍など、ウイングを任意の位置に設けることができない。
【0007】
さらに、前記両先行技術では、ウイングが本体部とともに前記積層体から切り出され、そのため、ウイングが本体部と同じ素材で形成される。したがって、ウイングを任意の素材で形成できない問題がある。
たとえば、前記積層体は通常、液透過性のトップシートと液不透過性のバックシートとを備えており、前記ウイングがこの積層体からなる場合は、ウイングの剛性が高い。このため、この吸収性物品を装着する際、ウイングが折り曲げられにくいうえ、折目等での肌触りが劣化する場合がある。
【0008】
本発明の目的は、材料に生じる無駄を少なく抑えて効率よく生産できるうえ、ウイングの素材や形成位置を任意に設定できる、ウイング付き吸収性物品とその製造方法を提供することである。
【0009】
本発明のウイング付き吸収性物品は、液透過性のトップシート(2)と液不透過性のバックシート(3)との間に吸収体(4)が配置された本体部(5)と、この本体部(5)の長手方向(L)に延びる一対の側縁(1S)から前記長手方向(L)に交差する側方(X)に向かって突出される一対のウイング(6)とを備え、
前記一対のウイング(6)のうちの一方のウイング(6)から他方のウイング(6)まで連続したウイングシート(7)で前記一対のウイング(6)が形成され、
前記ウイングシート(7)は前記バックシート(3)とは別のシートで構成され、
前記ウイングシート(7)の肌面(70)が前記バックシート(3)の非肌面(31)に固定されている。
【0010】
前記両ウイングは、前記本体部とは別体の一連のウイングシートからなり、そのため、本体部の長手方向の長さとは無関係にこの長手方向に対し所定のウイング幅を有しておればよく、前記ウイングの幅の寸法は本体部の前記長手方向の長さよりもかなり短くても良い。
【0011】
したがって、本体部にウイングを形成する際、前記従来技術と異なり、ウイングの周囲に生じるカットロスがないか、或いは、カットロスが大幅に低減される。その結果、材料の無駄が少なく、効率の良い生産が可能となる。
【0012】
前記両ウイングは前記本体部とは別体のウイングシートからなり、そのため、本体部の所望の位置に固定できる。しかも、これらの両ウイングは一連のウイングシートからなるため、バックシートに広い範囲において接合できる。したがって、吸収性物品を下着のクロッチ部に取り付けるためにウイングを折り曲げる際に、ウイングシートとバックシートとの接合部分が不用意に外れる虞がない。
なお、本発明において「肌面」とは吸収性物品の着用時において装着者の肌面に直接的または間接的に対面する面をいい、「非肌面」とは前記肌面とは反対の面をいう。
【0013】
本発明において、「固定」とは少なくとも付着を含む概念である。本明細書において「付着」とは、固着という言葉に置き換えてもよく、概念的には容易に取り外しができないように接合されていることを意味する。また、具体的には、「付着」とは、接着、溶着または縫合(縫着)などの手段や、これらの2以上の手段を組み合わせて接合することを意味する。
【0014】
前記ウイングシートは、前記トップシートや、このトップシートおよびバックシートの積層体と同じ素材で構成することも可能である。しかし、前記ウイングシートは前記本体部とは別体であり、前記バックシートの素材やトップシートおよびバックシートの積層体の素材に限定されず、これらとは異なる任意の素材で構成することができる。
例えば、前記ウイングシートに柔らかな素材の不織布を用いることで肌触りを良好にすることができる。また、通気性に優れる材料を用いて蒸れ防止を高めることができる。或いは、液不透過性材料を用いることで液漏れを一層高めることができる。さらに、このウイングシートはバックシートとは別部材であり、そのため、このウイングシートに模様や着色など種々の装飾を施すことも可能である。
【0015】
本発明において複数の前記ウイング付吸収性物品を連続的に製造する1つの製造方法は、前記トップシート(2)を形成する第1連続シート(W2)を連続的に供給するトップシート供給工程(S1)と、
前記複数の吸収性物品における個々の吸収体(4)を間欠的に供給する吸収体供給工程(S2)と、
前記バックシート(3)を形成する第2連続シート(W3)を連続的に供給するバックシート供給工程(S3)と、
前記複数の吸収体(4)を前記両連続シート(W2)、(W3)の間に挟み込んだ状態で前記両連続シート(W2)、(W3)を互いに接合して連続積層体(11)を形成する積層工程(S4)と、
前記連続積層体(11)の先端部分を切断して本体部(5)を次々に得る本体部形成工程(S5)と、
前記ウイングシート(7)を形成する第3連続シート(W7)を連続的に供給するウイングシート供給工程(S6)と、
前記本体部形成工程(S5)において得られた本体部(5)を、前記長手方向(L)が前記第3連続シート(W7)の搬送方向(F)に交差する状態で、かつ、互いに隣り合う本体部(5)同士が前記搬送方向(F)に所定間隔を隔てている状態で、前記第3連続シート(W7)上に配置して前記第3連続シート(W7)に前記本体部(5)のバックシート(3)を固定させる接合工程(S7)と、
前記互いに隣り合う本体部(5)の間において前記第3連続シート(W7)を切断して次々と前記吸収性物品を得る分離工程(S8)と、を含む。
【0016】
この1つの製造方法においては、前記接合工程でウイングシートを形成する第3連続シートに固定された先行の本体部が、隣り合う後続の本体部と所定間隔を隔てて配置される。前記分離工程において、前記第3連続シートが前記本体部同士の間において切断されることにより、ウイングが本体部から延出された状態でウイング付き吸収性物品が個分けされる。
【0017】
前記ウイングシートはトップシートとは反対側のバックシートの表面、つまり、バックシートの非肌面側に固定される。吸収性物品の装着時に前記ウイングシートのウイングが折り返されて下着のクロッチ部の外側に粘着される。そのため、前記分離工程で切断される前のウイングシート(第3連続シート)には、隣り合う本体部の間に粘着剤層が予め形成されるのが好ましい。
【0018】
この場合、より好ましくは、前記分離工程においてこの粘着剤層を横断するウイング切断線に沿って第3連続シートを切断する。これにより、本体部同士の間の1つの粘着剤層は、互いに隣接する一対のウイングシートに分割して割り当てられる。
【0019】
本発明において、別の製造方法は、前記トップシート(2)を形成する第1連続シート(W2)を連続的に供給するトップシート供給工程(S1)と、
前記複数の吸収性物品における個々の吸収体(4)を間欠的に供給する吸収体供給工程(S2)と、
前記バックシート(3)を形成する第2連続シート(W3)を連続的に供給するバックシート供給工程(S3)と、
前記複数の吸収体(4)を前記両連続シート(W2)、(W3)の間に挟み込んだ状態で前記両連続シート(W2)、(W3)を互いに接合して連続積層体(11)を形成する積層工程(S4)と、
前記連続積層体(11)の先端部分を切断して本体部(5)を次々に得る本体部形成工程(S5)と、
前記ウイングシート(7)を形成する第3連続シート(W7)を連続的に搬送するウイングシート搬送工程(S11)と、
前記第3連続シート(W7)を前記搬送方向(F)に交差する方向に延びる仮想の切断ライン(15)に沿って切断して前記ウイングシート(7)を次々に形成する切断工程(S13)と、
前記各ウイングシート(7)の長手方向(X)が前記各本体部(5)の前記長手方向(L)と交差する状態で、前記各ウイングシート(7)を前記連続積層体(11)の前記各バックシート(3)となる部位、あるいは前記各バックシート(3)に固定する接合工程(S14)と、を含む。
【0020】
この別の製造方法においては、前記搬送方向(F)に交差する方向に延びる前記切断ライン(15)に沿って切断されて細長い所定の形状に形成されたウイングシートが本体部とは別に形成される。このウイングシートが連続積層体(11)の前記バックシート(3)となる部位、あるいはバックシートに固定される。これにより、たとえば、吸収性物品においてウイングが本体部から突出した状態となる。
前記ウイングシートは、特定の形状に限定されず、例えば長方形であるとウイングシートを形成する際にカットロスを生じることがなく、また、角部にアールを形成するなど、長方形以外の形状であってもよい。
前記ウイングシートは、展開された姿勢で前記連続積層体またはバックシートに固定されてもよいが、本体部の幅よりも短い寸法に折り畳まれた姿勢であってもよい。
【0021】
すなわち、好ましくは、前記別の製造方法は、前記ウイングシート搬送工程(S11)において連続的に搬送される第3連続シート(W7)を、前記第3連続シート(W7)の両側縁に沿った仮想の折曲げ線(17)において折り曲げることで前記第3連続シート(W7)を折り畳む折曲げ工程(S12)を更に含み、
前記切断工程(S13)において、前記両側縁が折り畳まれた前記第3連続シート(W7)を前記搬送方向に交差する方向に延びる切断線に沿って切断することで、前記ウイングシート(7)の各ウイング(6)部分が折り畳まれたウイングシート(7)が形成される。
前記折畳み姿勢のウイングシートは、折り畳まれた部分を使用時等に開くことで、両端のウイングが本体部の側方へ延出(突出)された状態となる。
【0022】
前記接合工程において前記ウイングシートをバックシートに固定する場合、この固定は本体部形成工程の前後のいずれにおいて実行されてもよい。
即ち、前記ウイングシートを前記連続積層体に配置して重ね合わせて、前記接合工程を実行した後に前記本体部形成工程を実行してもよい。または、本体部形成工程において連続積層体から切断された本体部のバックシートにウイングシートを接合してもよい。或いは、前記ウイングシートと前記本体部形成工程で個分けされた本体部とのうちの、いずれか一方をキャリアシートに配置して搬送して、その上に他方を重ね合わせて前記接合工程を実行してもよい。なお、ウイングシートや本体部を搬送するためのキャリアシートは、ウイング付き吸収性物品の包装用シートを兼用することができる。
【0023】
本発明の本体部形成工程において、前記連続積層体は、前記本体部の外形形状に沿って切り出すように切断してもよい。また、前記連続積層体は隣り合う吸収体同士の間で切断されると、カットロスが無く、或いは、カットロスが大幅に低減される。
一方、本発明において、前記本体部の形状は、平面視が長方形であってもよく、或いは、台形状であってもよい。前記本体部が台形状である場合は、前記接合工程において、互いに隣り合う本体部が互いに同形同大で、かつ、互いに180度回転された姿勢に設定されることで、カットロスを無くすことができる。
なお、本体部の一対の側縁が曲線で定義される場合、両側縁が互いに回転対称の形状であると、前記カットロスを無くすことができる。
【0024】
本発明において、前記吸収体は前記トップシートとバックシートとで覆われる形状であればよく、任意の形状を採用することができる。例えば、前記吸収体が本体部の外形に沿った形状であると、トップシートとバックシートとで覆い易いうえ、収容量を多くできる。しかし、装着性等を考慮して、前記吸収体の形状は本体部の外形と異なっていてもよい。
なお、本発明において「交差」とは、直交しているのが好ましい。しかし、特定の角度には限定されず、例えば90度近傍の85度〜95度程度の任意の角度の交差を含む概念である。
【実施例】
【0026】
本発明は、添付の図面を参考にした以下の好適な実施例の説明からより明瞭に理解されるであろう。しかし、実施例および図面は単なる図示および説明のためのものであり、本発明の範囲を定めるために利用されるべきものではない。本発明の範囲は請求の範囲によってのみ定まる。添付図面において、複数の図面における同一の部品番号は、同一または相当部分を示す。
【0027】
以下、本発明のウイング付き吸収性物品の第1実施例を図面に基づき説明する。
図1Aおよび
図1Bに示すように、本ウイング付き吸収性物品(1)は、液透過性のトップシート(2)と液不透過性のバックシート(3)との間に吸収体(4)が配置された本体部(5)と、一対のウイング(6)とを備える。前記一対のウイング(6)は前記本体部(5)の各側縁(1S)からそれぞれ側方(X)へ突出する。前記吸収性物品(1)は前記吸収性物品(1)の長手方向(L)に延びる中心線(CL)を対象軸として線対称の構造となっている。
図1Bに示すように、前記本体部(5) において前記トップシート(2)および前記バックシート(3)の側方(X)(幅方向)の側縁が互いに溶着されてシールされている。なお、各シート同士が付着された部位には××が付されている。
前記各両ウイング(6)は、前記本体部(5)とは別体のウイングシート(7)から形成されている。前記ウイングシート(7)は各両ウイング(6)のうちの一方のウイング(6)から他方のウイング(6)まで連続しており、各ウイング(6)の非肌面にはそれぞれ網点で示す粘着層(8)が形成されている。
前記ウイングシート(7)の肌面(70)が前記バックシート(3)の非肌面(31)に固定されている。
本吸収性物品(1)の使用の際には、下着のクロッチ部の肌面に配置された本吸収性物品(1)の前記各ウイング(6)を前記クロッチ部の外側(非肌面)に向かって折り返し、その折り返し部における前記粘着層(8)が前記クロッチ部の外側に粘着されることで、吸収性物品(1)が下着の所定位置に安定して装着される。
【0028】
前記トップシート(2)は液透過性であればよく、好ましくは有孔または無孔の不織布や多孔性プラスチックシートなどが好適に用いられ、吸収体(4)の表面を覆っている。前記不織布を構成する素材繊維としては、合成繊維の他、再生繊維、綿等の天然繊維を採用することができ、スパンレース法やサーマルボンド法など、公知の加工法によって得られた不織布を用いることができる。
【0029】
前記バックシート(3)は、吸収体に吸収された体液が外部へ漏れ出ない程度の液不透過性を備えておればよい。たとえば、ポリオレフィン系樹脂シートのほか、ポリエチレンシート等に不織布を積層したラミネート不織布などが用いられ、近年は、ムレ防止の観点から透湿性を有するものが好ましく使用される。
【0030】
前記吸収体(4)は、フラッフパルプやエアレイド不織布等で形成されるが、吸水性の高分子ポリマーが含まれていてもよい。装着者から排出された経血等の体液は、トップシート(2)を通して吸収体(4)に吸収される。
【0031】
前記ウイングシート(7)は、吸収性物品(1)の使用時においてウイング(6)の折り返し部を下着のクロッチ部の外側に前記粘着層(8)を介して粘着して吸収性物品(1)を安定良く支持できるものであればよく、その素材は限定されない。
前記吸収体(4)は前記バックシート(3)で覆われており、吸収体(4)から液漏れを生じる虞がなく、ウイングシート(7)を形成する素材はバックシート(3)を形成する素材とは異なる素材を用いることができる。例えば、ウイングシート(7)に、柔らかな素材の不織布を用いると、肌触りが良好になり、通気性に優れた材料を用いると蒸れ防止の機能が高まる。
しかし、本発明ではウイングシート(7)にバックシート(3)のような液不透過性材料を用いることもでき、この場合には、吸収体(4)からの液漏れを一層高めることができるだろう。
【0032】
前記トップシート(2)と吸収体(4)との間には、図示しない拡散シートが配置されていてもよい。この拡散シートは、例えば親水化処理された不織布により形成されてもよい。これにより、トップシート(2)側から流入した体液が吸収体(4)の表面上に広がり、吸収体(4)に速やかに吸収される。
【0033】
前記吸収体(4)とバックシート(3)との間には、例えばティッシュまたは不織布により形成された、図示しない吸収体用キャリアシートが配置されていてもよい。この吸収体用キャリアシートは、製造工程において連続したウエブ状であり、このキャリアシート上に吸収体(4)が間欠的に配置されて搬送される。
【0034】
本第1実施例では、前記本体部(5)は平面視で台形に形成されており、長手方向(L)の一方の端部は他方の端部よりも広幅となっている。この広幅の端部が身体の後ろ側に配置され、かつ、狭幅の端部が身体の前側に配置されて装着者に装着される。
このウイング付き吸収性物品(1)は、本体部(5)の広幅の端部側で装着者の尻部側を良好に覆うことができ、しかも、中間部の幅は過剰に広くなく、良好なフィット性が得られるだろう。
図1Aに示すように、前記吸収体(4)は本体部(5)の外形に沿った、略台形状に形成されている。この吸収体(4)は広い面積を備えており、この吸収体(4)に体液が素早く多量に吸収・保持される。なお、本発明では、前記本体部(5)や吸収体(4)の形状は必ずしも台形もしくは略台形である必要はなく、例えば平面視が長方形や他の任意の形状であってもよい。
【0035】
本第1実施例では、前記ウイングシート(7)の側方(X)における各側縁が、例えばZ字状または逆Z字状に屈曲しており、前記長手方向(L)におけるウイングシート(7)の一方の側縁(74)が他方の側縁(73)よりも大きくなるようにウイングシート(7)が形成されている。
ウイングシート(7)の長手方向(L)の幅はウイング(6)の略2倍の幅を備えている。すなわち、前記ウイングシート(7)は、前記一方の側縁(74)から前記ウイングシート(7)の中心までの長さ(72)(前記ウイング(6)の前記長手方向(L)の幅)と前記他方の側縁(75)から前記ウイングシート(7)の中心までの長さ(71)とが等しくなるように形成されている。このため、ウイングシート(7)をバックシート(3)にしっかりと固定できて好ましい。
なお、本発明では、長手方向(L)におけるウイングシートの幅はウイングの所定幅と同じ幅寸法を備えたものであってもよく、また、ウイング切断線は、例えばウイングシートと直交する直線等であってもよい。
また、本実施例では前記ウイングシート(7)を本体部(5)の長手方向(L)の中央部に配置したが、前記ウイングシート(7)を前記本体部(5)の長手方向(L)の上下のいずれかにズラして配置してもよい。
【0036】
次に、前記吸収性物品(1)の製造方法の第1実施例について説明する。
図2に示すように、本実施例は、トップシート供給工程(S1)と、吸収体供給工程(S2)と、バックシート供給工程(S3)と、積層工程(S4)と、本体部形成工程(S5)と、ウイングシート供給工程(S6)と、接合工程(S7)と、分離工程(S8)とを備える。
【0037】
前記バックシート供給工程(S3)では、前記バックシート(3)を形成する連続ウエブ(第2連続シートの一例)(W3)が連続的に供給される。
前記吸収体供給工程(S2)では、複数の吸収体(4)が前記連続ウエブ(W3)のウエブ上に間欠供給装置(9)で間欠的に供給される。本供給工程(S2)において、互いに隣り合う吸収体(4)は、先行する吸収体(4)に対し後続の吸収体(4)が同形同大で180°回転された状態となるように配置される。
前記トップシート供給工程(S1)では、前記トップシート(2)を形成する連続ウエブ(W2)(第1連続シートの一例)が前記連続ウエブ(W3)および吸収体(4)の上方へ連続的に供給される。
【0038】
次に、前記積層工程(S4)において、前記連続ウエブ(W2,W3)が、前記吸収体(4)をその間に挟み込んだ状態で接合装置(10)により互いに接合されて、連続積層体(11)が形成される。
その後、前記本体部形成工程(S5)において、前記連続積層体(11)の先端部が、切断装置(12)により、隣り合う吸収体(4)同士の間での所定の切断線(13)に沿って切断され、個々の本体部(5)が次々に個分けされる。
前記切断線(13)は本体部(5)の長手方向(L)に対して傾斜しており、先行する本体部(5)を個分けする際は第1の方向に傾斜しており、後続の本体部(5)を個分けする際は前記第1の方向とは逆の第2の方向に傾斜している。
【0039】
前記ウイングシート供給工程(S6)では、前記ウイングシート(7)を形成する連続ウエブ(W7)(第3連続シートの一例)が連続的に供給される。
次に、前記接合工程(S7)において、前記個分けされた本体部(5)がこの連続ウエブ(W7)に重ね合わされ、ウイング接合装置(14)により本体部(5)のバックシート(3)が連続ウエブ(W7)に固定される。このとき、前記本体部(5)は、その長手方向(L)が前記連続ウエブ(W7)の供給方向(F)と直交する姿勢であり、且つ互いに隣り合う本体部(5)は所定間隔を隔てて、互いに180度反転した姿勢で搬送される。
すなわち、前記連続ウエブ(W7)の一方の側縁側において、1つの本体部(5)の広幅端部と別の本体部(5)の狭幅端部とが交互に繰り返すように前記本体部(5)が配置される。
【0040】
図2および
図3に示すように、前記連続ウエブ(W7)の一方の面(B)において前記隣り合う本体部(5)同士の間には、連続ウエブ(W7)の幅方向(W)に沿って■離紙で保護された粘着層(8)が形成されている。
前記分離工程(S8)では、前記隣り合う本体部(5)の間で前記連続ウエブ(W7)が、前記粘着層(8)を横切るウイング切断線(15)に沿って、ウイングシート切断装置(18)により切断される。これにより、粘着層(8)を備えたウイング(6)が本体部(5)の両側縁部にそれぞれ形成されるとともに、ウイング付き吸収性物品(1)が個分けされる。
前記分離工程(S8)において、各ウイングシート(7)が凸状の形状となるように吸収性物品(1)が個分けされる。すなわち、1つの先行する凸状のウイングシート(7)に対し後続する凸状のウイングシート(7)の姿勢が180°回転された姿勢となるように連続ウエブ(W7)が切断される。換言すれば、連続ウエブ(W7)の側縁において、先行するウイングシート(7)の広幅の端部(74)と後続のウイングシート(7)の狭幅の端部(73)とが交互に繰り返すように連続ウエブ(W7)が切断される。
【0041】
前記連続ウエブ(W7)の切断の際、本実施例ではウイング(6)の角部に丸みを持たせてあるので、僅かなカットロスが生じる。しかし、本発明では、ウイング(6)の角部の丸みを省略することで、カットロスが生じないように前記連続ウエブ(W7)を切断することも可能である。
【0042】
なお、
図3に示すように、前記トップシート(2)の表面(装着者の肌面側)には、両側縁に沿って一対の立体カフ(16)(サイドシートともいう)が設けられていてもよい。この立体カフ(16)は、例えば撥水性または疎水性の不織布で形成され、立体的に立ち上がることで体液の横漏れが防止される。
【0043】
図4は本発明の吸収性物品の第2実施例を示す。
本実施例のウイング付き吸収性物品(1)は、前記第1実施例と同様、液透過性のトップシート(2)と液不透過性のバックシート(3)との間に吸収体(4)が配置された本体部(5)と、本体部(5)とは別体の前記バックシート(3)に固定された一連のウイングシート(7)とを備えており、このウイングシート(7)の両端部にそれぞれウイング(6)が形成されている。
【0044】
本実施例において、前記両ウイング(6)は折曲げ線(17)において折り曲げられた折畳み姿勢(C)にされている。前記吸収性物品(1)の使用時等に、当該折り畳まれたウイングシート(7)を前記折曲げ線(17)を中心に開くように展開することで、仮想線に示すように両端のウイング(6)が本体部(5)の側方へ突出された展開姿勢(D)となる。その他の構成は前記第1実施例と同様であり、同様に作用するので説明を省略する。
【0045】
次に、吸収性物品(1)の製造方法の第2実施例(前記第2実施例の吸収性物品(1)を製造する方法)について説明する。
図5に示すように、本第2実施例は、トップシート供給工程(S1)と、吸収体供給工程(S2)と、バックシート供給工程(S3)と、積層工程(S4)と、本体部形成工程(S5)とウイングシート供給工程(S11)と、折曲げ工程(S12)と、切断工程(S13)と、接合工程(S14)とを備える。
【0046】
前記トップシート供給工程(S1)と、吸収体供給工程(S2)と、バックシート供給工程(S3)と、積層工程(S4)と、本体部形成工程(S5)は、それぞれ前記製造方法の第1実施例と同様に構成され、同様に実行される。ただし、前記製造方法の第1実施例とは異なり、吸収体供給工程(S2)において、複数の前記吸収体(4)がトップシート(2)を形成する連続ウエブ(W2)上に間欠的に供給される。
その後、バックシート供給工程(S3)において、前記バックシート(3) を形成する連続ウエブ(W3)(第2連続シートの一例)が前記トップシートを形成する連続ウエブ(W2)および吸収体(4)の上方に連続的に供給される。
【0047】
前記製造方法の第1実施例と異なり、前記ウイングシート供給工程(S11)において供給されるウイングシート(7)を形成する連続ウエブ(W3)(第3連続シートの一例)は、前記折曲げ工程(S12)において、折曲げ装置(21)により同連続ウエブ(W7)ウエブの両側縁に沿った折曲げ線(17)で折り曲げられる(折り畳まれる)。
すなわち、搬送方向(F)に交差する方向に連続ウエブ(W7)の両側縁がウイングシート(7)の中央に向かって折り曲げられる。なお、前記折曲げ線(17)の外側には、連続ウエブ(W7)の両側縁に沿って、■離紙で保護された網点で示す粘着層(8)が形成してある。
そして、前記折り曲げられた連続ウエブ(W7)は、前記切断工程(S13)において、ウイングシート切断装置(18)により搬送方向(F)に交差する方向に延びるウイング切断線(15)に沿って切断され、折畳み姿勢(C)のウイング(6)を備えた細長いウイングシート(7)が形成される。
【0048】
次に、前記接合工程(S14)において、前記ウイングシート(7)は、前記ウイングシート(7)の長手方向(X)が前記本体部(5)の長手方向(L)と交差する状態で、ウイング接合装置(14)によりバックシート(3) を形成する前記連続ウエブ(W3)上に固定される。すなわち、ウイングシート(7)は前記切断工程(S13)において切断された後、90度姿勢を変えて連続ウエブ(W3)上に配置される。前記ウイングシート(7)は前記吸収体(4)の長手方向(L)の中央に配置される。
前記本体部形成工程(S5)において、隣り合う吸収体(4)の間および隣り合うウイングシート(7)の間で前記連続積層体(11)が前記本体部(5)に対して斜めに切断されることにより、本体部(5)にウイングシート(7)が固定されたウイング付き吸収性物品(1)が次々に個分けされる。
なお、本実施例において、本体部形成工程(S5)により形成された個々の前記本体部(5)に前記ウイングシート(7)を配置してもよい。
本第2実施例の製造方法のその他の工程は、前記製造方法の第1実施例と同様であり、同様に実行されるので説明を省略する。
【0049】
以下、本発明の製造方法の第3実施例について
図6に基づき説明する。
本第3実施例は、前記第2実施例と同様、トップシート供給工程(S1)と、吸収体供給工程(S2)と、バックシート供給工程(S3)と、積層工程(S4)と、本体部形成工程(S5)とを備え、さらにウイングシート供給工程(S11)と、折曲げ工程(S12)と、切断工程(S13)と、接合工程(S14)とを備える。
前記製造方法の第2実施例では、前記ウイングシート(7)を、直接、連続積層体(11)の連続ウエブ(W3)に固定した。しかし、本第3実施例では、連続ウエブ(W7)から個分けしたウイングシート(7)をキャリアシートに配置して、当該ウイングシート(7)に対して連続積層体から個分けした本体部のバックシートを固定してもよい。
【0050】
本第3実施例における前記トップシート供給工程(S1)と、吸収体供給工程(S2)と、バックシート供給工程(S3)と、積層工程(S4)と、本体部形成工程(S5)は、それぞれ、前記製造方法の第1実施例と同様に実行される。本第3実施例におけるウイングシート供給工程(S11)と、折曲げ工程(S12)と、切断工程(S13)は、それぞれ、前記製造方法の第2実施例と同様に実行される。
【0051】
本第3実施例では、前記第2実施例と異なり、切断工程(S13)において形成されたウイングシート(7)が、ウイング用キャリアシート(20)に所定間隔をあけて配置され、間欠的に搬送される。
具体的には、前記切断工程(S13)において連続ウエブ(W7)から切断されたウイングシート(7)の姿勢が90度回転されて、かつ、裏表が逆になった状態でウイング用キャリアシート(20)上に前記ウイングシート(7)が間欠的に配置される。すなわち、折り畳まれたウイング(6)の端部がウイング用キャリアシート(20)と対面した状態でウイングシート(7)が配置される。
前記接合工程(S14)において、前記本体部形成工程(S5)で個分けされた各本体部(5)が、前記ウイング用キャリアシート(20)上の各ウイングシート (7)に重ね合わされる。前記ウイングシート (7)がウイング接合装置(14)により本体部(5)のバックシート(3)に固定されて、ウイング付き吸収性物品(1)が生成される。
【0052】
なお、前記ウイング用キャリアシート(20)は、ウイング付き吸収性物品(1)の包装用シートとして用いることができる。この場合、前記接合工程(S14)を経たのち、図示しない包装工程において、ウイング用キャリアシート(20)の両側縁が折り畳まれてウイング付き吸収性物品(1)が包まれ、そのウイング付き吸収性物品(1)の周囲がシールされたのちに切断されて、包装されたウイング付き吸収性物品(1)が個分けされる。
【0053】
前記第3実施例では、ウイングシート(7)をキャリアシート(20)上に配置した後に本体部(5)をウイングシート(7)およびウイング用キャリアシート(20)上に配置した。しかし、本実施例において、個分けされた本体部(5)をキャリアシート(20)上に配置した後に、その本体部(5)の上にウイングシート(7)を重ね合わせて固定してもよい。この場合、前記切断工程(S13)において切断したウイングシート(7)の裏表を逆にせず、前記第2実施例と同様、本体部(5)のバックシートに前記ウイングシート(7)を重ね合わせる。
また、この第3実施例ではウイングシートを折り畳み姿勢でキャリアシート上に配置して搬送した。しかし、本発明では、展開姿勢のウイングシートをキャリアシート上に配置して搬送し、このウイングシートに本体部を重ね合わせてバックシートと固定してもよい。
【0054】
前記各実施例で説明したウイング付き吸収性物品やその製造方法は、本発明の技術的思想を具体化するために例示したものであり、各部材の形状や寸法、素材、製造手順などをこの実施形態のものに限定するものではなく、本発明の特許請求の範囲内において種々の変更および修正を加え得るものである。
【0055】
例えば、前記各実施例では、本体部を台形状に形成し、吸収体を略台形状に形成した。しかし、本発明では、本体部を長方形など、他の形状に形成してもよく、吸収体も本体部とは異なる形状に形成したものであってもよい。
また、前記吸収体供給工程において、第1実施例や第3実施例ではバックシートを形成する連続ウエブ上に吸収体を間欠的に配置し、第2実施例ではトップシートを形成する連続ウエブ上に吸収体を間欠的に配置した。しかし、本発明では、図示しないキャリアシート上に吸収体を間欠的に配置して供給するものであってもよい。
したがって、そのような変更および修正は、請求の範囲から定まる本発明の範囲内のものと解釈される。