特許第6383742号(P6383742)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6383742
(24)【登録日】2018年8月10日
(45)【発行日】2018年8月29日
(54)【発明の名称】基板チャック装置
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/683 20060101AFI20180820BHJP
   H01L 21/306 20060101ALI20180820BHJP
【FI】
   H01L21/68 N
   H01L21/306 J
【請求項の数】3
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2016-28557(P2016-28557)
(22)【出願日】2016年2月18日
(65)【公開番号】特開2017-147354(P2017-147354A)
(43)【公開日】2017年8月24日
【審査請求日】2018年6月15日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】509311322
【氏名又は名称】株式会社ソフ.エンジニアリング
(74)【代理人】
【識別番号】100105784
【弁理士】
【氏名又は名称】橘 和之
(72)【発明者】
【氏名】久保 和樹
【審査官】 内田 正和
(56)【参考文献】
【文献】 特許第5345507(JP,B2)
【文献】 特開2015−188010(JP,A)
【文献】 特開平11−111822(JP,A)
【文献】 特開平6−291030(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/683
H01L 21/027
H01L 21/304
H01L 21/306
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
液体容器内に貯蔵した液体に基板を浸漬させて所定の処理を行うようになされた基板処理装置に用いられる基板チャック装置であって、
上記液体容器内を上下に移動可能になされたステージと、
上記ステージ上に設けられ、上記基板を載置する載置台と、
上記載置台に対して回動可能に取り付けられた回動部材と、
上記液体容器の底面または底面近くの側面に立設された当接部材とを備え、
上記回動部材の回動支点より外側部分は、上記ステージが下方に移動して上記液体容器の底面に近づいたときに上記当接部材と接触し、上記当接部材に押されて上方へ回動する一方、上記ステージが上方に移動して上記液体容器の底面から離間したときに上記当接部材から離れて下方へ回動するようになされ、
上記回動部材の上記外側部分が上方へ回動したときに、上記回動部材の回動支点より内側部分が下方へ回動し、当該内側部分の先端がチャック位置へ移動する一方、上記回動部材の上記外側部分が下方へ回動したときに、上記回動部材の上記内側部分が上方へ回動し、当該内側部分の先端がアンチャック位置へ移動するようになされていることを特徴とする基板チャック装置。
【請求項2】
上記回動部材の上記外側部分の重量が、上記回動部材の上記内側部分の重量よりも重くなるように構成されていることを特徴とする請求項1に記載の基板チャック装置。
【請求項3】
上記載置台は、上記ステージ上の複数箇所に設けられ、
上記回動部材は、上記複数箇所の載置台に対してそれぞれ回動可能に取り付けられ、
上記当接部材は、上記液体容器の底面の複数箇所に立設されたピンにより構成されていることを特徴とする請求項1または2に記載の基板チャック装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、基板チャック装置に関し、特に、基板を液体に浸漬させて所定の処理を行うようになされた基板処理装置において、基板を保持するための構成に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、半導体のシリコン等の基板を液体に浸漬させて所定の処理を行うようになされた基板処理装置が提供されている。当該基板処理装置の一例として、リフトオフ装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。リフトオフ装置は、基板上に回路パターンを生成するに際して、基板を液体に浸漬させるなどのウェット環境において、基板に付着した被覆物であるフォトレジストおよびこのフォトレジスト上に成膜された金属膜を基板から除去するための装置である。
【0003】
図8A図8Gは、特許文献1に記載されたリフトオフ処理の動作を示す図である。まず、図8Aに示すように、図示しないローダー(ローディング機構)によって基板SSをステージ100上に載置する。次に、図8Bに示すように、内側バルブ18を閉じて、給液ノズル201から剥離液体PLを液体容器14に供給し、モータ13を駆動してステージ100を下げることにより、ステージ100上に載置された基板SSを剥離液体PL中に浸漬させる。
【0004】
そして、図8Cに示すように、基板SSが剥離液体PL中に浸漬された状態で、ホーン型等の超音波発生器202の超音波照射部から剥離液体PLを介して基板SSに対して超音波を照射することにより、基板SS上の金属膜の殆ど全てとフォトレジストとを基板SSから除去する。このとき、超音波発生器202を基板SSの表面に沿って矢印Aのように平行移動させると同時に、基板SSを矢印Bのように低速で回転させ、基板SSの全面に超音波を照射するようにする。また、外側バルブ19は、液体容器14から溢れ出てくる剥離液体PLを排液するために開けておく。
【0005】
基板SS上の金属膜の殆ど全てとフォトレジストとを基板SSから除去できたら、図8Dに示すように、ステージ100を上方へ移動させ、内側バルブ18を開けて剥離液体PLを液体容器14から排液する。このとき外側バルブ19は閉じるが、開けたままの状態であっても良い。
【0006】
その後、図8Eに示すように、金属膜の殆ど全てとフォトレジストとが除去された状態の基板SSに対して、リンス液供給ノズル203からリンス液を基板SSに吹き付けるリンス洗浄を行うことにより、基板SSに残存しているフォトレジストを除去する。このとき、リンス液供給ノズル203を基板SSの表面に沿って矢印Aのように平行移動させると同時に、基板SSを矢印Bのように中速で回転させることにより、基板SSの全面にリンス液を吹き付けるようにする。
【0007】
基板SSに残存しているフォトレジストを基板SSから除去できたら、図8Fに示すように、基板SSの表面に対して浄化した気体を気体供給ノズル204から吹き付けすることで、基板SSを乾燥させる。このとき、気体供給ノズル204を基板SSの表面に沿って矢印Aのように平行移動させると同時に、基板SSを矢印Bのように高速で回転させることにより、基板SSの全面に気体を吹き付けて乾燥を行うようにする。最後に、図8Gに示すように、図示しないアンローダー(アンローディング機構)によって基板SSをステージ100上から取り外して一連のリフトオフ処理を終了する。
【0008】
しかしながら、この特許文献1に記載のリフトオフ装置は、ステージ100上に基板SSを単に載置するだけの構成をとっているため、図8Cに示すように基板SSを剥離液体PLに浸漬させて金属膜の除去処理を行うときに、基板SSがステージ100から離れて剥離液体PL内を浮遊してしまうという問題があった。
【0009】
これに対して、基板の浮き上がりを防止可能にしたチャック装置が知られている(例えば、特許文献2参照)。特許文献2の図8および図12.Aは、可動チャック部材412の爪部421により基板9が保持された状態を示す。この保持状態において、爪部421は、基板9にチャックする。爪部421は、ベース部422上に固定される。ベース部422は、回動軸401を中心として回動可能に支持される。
【0010】
一方、図11および図12.Bは、基板9の爪部421による保持が解除された状態を示す。基板9の保持が解除される際には、シリンダ313により、当接部311がアーム314と共に移動して上昇し、可動チャック部材412のレバー部423を当接部311が押すと、可動チャック部材412が回動軸401を中心に回動し、爪部421が径方向外方へと移動する。これにより、可動チャック部材412の位置がチャック位置からアンチャック位置へと変更される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】特許第5345507号公報
【特許文献2】特開2015−188010号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
上記特許文献2に記載の可動チャック部材412を用いれば、これをチャック位置に移動させることにより、基板9の浮遊を防止することができる。しかしながら、特許文献2において、チャックとアンチャックとを切り替えるためには、シリンダ313、アーム314、当接部311を含む移動機構312といった複雑な構造が必要となり、またこれらを駆動するための動力も必要になる。そのため、装置の製造コストおよび稼動コストが増加してしまうという問題があった。
【0013】
本発明は、このような問題を解決するために成されたものであり、簡単な構造で、動力を使わずにチャックとアンチャックとを切り替えることができるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上記した課題を解決するために、本発明では、液体容器内を上下に移動可能になされたステージ上に基板の載置台を設けるとともに、当該載置台に対して回動可能になされた回動部材を設ける一方、液体容器の底面または底面近くの側面に当接部材を立設する。そして、回動部材の回動支点より外側部分は、ステージが下方に移動して液体容器の底面に近づいたときに当接部材に押されて上方へ回動する一方、ステージが上方に移動して液体容器の底面から離間したときには下方へ回動するようにしている。また、回動部材の外側部分が上方へ回動したときに、回動部材の回動支点より内側部分が下方へ回動し、当該内側部分の先端がチャック位置へ移動する一方、回動部材の外側部分が下方へ回動したときに、回動部材の内側部分が上方へ回動し、当該内側部分の先端がアンチャック位置へ移動するようにしている。
【発明の効果】
【0015】
上記のように構成した本発明によれば、ステージの上下動に伴って、回動部材の外側部分が当接部材に当接または離間することによって回動部材が回動し、それによって回動部材の内側部分の先端がチャック位置またはアンチャック位置へ移動することになる。これにより、動力を使わずに、また動力を回動部材に伝えるような移動機構といった複雑な構造を持たせることなく、チャックとアンチャックとを切り替えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】本実施形態による基板チャック装置が実装された基板処理装置の一例であるリフトオフ装置の側断面構成例を示す図である。
図2】本実施形態によるステージの平面構成例を示す図である。
図3】本実施形態による基板チャック装置を拡大して示す構成図である。
図4】載置台に基板を載置して、回動部材をチャック位置に移動させた状態を真上からみた平面図である。
図5】本実施形態によるステージの変形例を示す図である。
図6】本実施形態による当接部材の変形例を示す図である。
図7】本実施形態による当接部材の変形例を示す図である。
図8A】従来のリフトオフ処理の例(基板ローディング)を示す図である。
図8B】従来のリフトオフ処理の例(給液)を示す図である。
図8C】従来のリフトオフ処理の例(金属膜除去)を示す図である。
図8D】従来のリフトオフ処理の例(排液)を示す図である。
図8E】従来のリフトオフ処理の例(フォトレジスト除去)を示す図である。
図8F】従来のリフトオフ処理の例(乾燥)を示す図である。
図8G】従来のリフトオフ処理の例(基板アンローディング)を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。図1は、本実施形態による基板チャック装置が実装された基板処理装置の一例であるリフトオフ装置の側断面構成例を示す図である。本実施形態のリフトオフ装置は、平板状の基板SS上に回路等のパターンを生成する際に、当該基板SSからフォトレジストおよびその上に成膜された金属膜(以下、両者をまとめて被覆物という)を、回路パターン部分を除いてウェット環境で除去するものである。
【0018】
本実施形態のリフトオフ装置では、2段階の液体処理でリフトオフ処理を行うことにより、基板SSから被覆物を除去する。1段階目では、フォトレジストに対して溶解性の有るNMP等の剥離液体PLに基板SSを浸漬させた状態で強力な超音波を照射することによって、金属膜の殆ど全てとフォトレジストとを除去する。2段階目では、剥離液体PLに対して溶解性のある溶解性液体を用いることによって、基板SSに残存している剥離液体PLを除去する。
【0019】
なお、図1に示すリフトオフ装置は、特許文献1に示されるものであり、図8A図8Gに示した符号と同一の符号を付したものは同一の機能を有するものである。よって、ここでは詳細な説明を省略し、本実施形態の基板チャック装置に関連する部分のみを重点的に説明する。
【0020】
図1に示すように、本実施形態のリフトオフ装置は、基板SSを載置するステージ10と、剥離液体PLを収容する液体容器14とを備えている。
【0021】
ステージ10は、その表面に対して垂直な方向の駆動軸12により支持されており、駆動軸12はシール軸受11により軸支されている。そして、駆動軸12は、モータ13によって上下方向に平行移動するとともに、水平方向に回転するようになっている。これにより、ステージ10は、モータ13の駆動により液体容器14内を上下方向に平行移動するとともに、駆動軸12を中心として水平方向に回転する。
【0022】
図1のように、ステージ10を液体容器14の上縁よりも下方に移動させることにより、ステージ10上に載置された基板SSを剥離液体PL中に浸漬させることが可能である。なお、液体容器14の外側には、フード15が設けられている。このフード15は、液体容器14から溢れ出た剥離液体PLを外側配管17に導くとともに、リンス液供給ノズル203より吐出されたリンス液が、基板SSの回転に伴い発生した遠心力の影響で水平方向に液体容器14の外に飛び出すのを防ぐためのものである。
【0023】
図2は、本実施形態によるステージ10の平面構成例を示す図である。図2に示すように、本実施形態のステージ10は、中央から4方向に延伸するアーム21を備えている。4つのアーム21は互いに90度の角度を成す方向に延伸しており、真上から見て十字状になっている。
【0024】
これら4つのアーム21のそれぞれには、基板の一例である基板SSを載置する載置台22と、当該載置台22に対して回動可能に取り付けられた回動部材23とが設けられている。すなわち、本実施形態では、ステージ10上の複数箇所に載置台22が設けられるとともに、複数箇所の載置台22に対してそれぞれ回動可能23が取り付けられている。載置台22および回動部材23は、アーム21の先端付近に設けられている。
【0025】
図1に示すように、液体容器14の底面には、当接部材20が立設されている。この当接部材20は、ステージ10が回転を停止して下方へ移動したときに、回動部材23と当接する。本実施形態では、当接部材20は、液体容器14の底面の複数箇所に立設された棒状のピンにより構成されている。また、アーム21の先端側には、当接部材20を通すための穴24が開けられている。
【0026】
本実施形態では、ステージ10の回転を停止させたとき、アーム21が所定のホームポジションに位置するように制御する。液体容器14の底面に立設された4つの当接部材20は、アーム21がホームポジションに停止しているときに、穴24に対向する位置に設けられている。
【0027】
図3は、本実施形態による基板チャック装置を拡大して示す構成図である。図3に示すように、載置台22は、上面の内周側に凹部31が設けられている。載置台22に載置される基板SSのエッジがこの凹部31に嵌められるようになっている。十字状に設けられた4つのアーム21の先端付近にある載置台22がそれぞれこの凹部31を有することにより、載置された基板SSの水平方向のズレを抑制することができるようになっている。
【0028】
回動部材23は、回転軸32によって載置台22に対して回動可能に取り付けられている。すなわち、回動部材23は、この回転軸32を回動支点として回動可能に構成されている。回動部材23は、回転軸32より外側部分23aの重量が、回転軸32より内側部分23bの重量よりも重くなるように構成されている。これにより、回動部材23は、外力を受けない定常状態では、図3(a)に示すように、回動部材23の外側部分23aが下方へ回動し、内側部分23bが上方へ回動した状態となっている。
【0029】
回動部材23の回転軸32より外側部分23aは、ステージ10が下方に移動して液体容器14の底面に近づいたときに、図3(b)のように当接部材20と接触し、当接部材20に押されて上方へ回動する。このとき、回転軸32より内側部分23bは下方へ回動する。内側部分23bは、下方へ回動した状態(チャック位置)で先端が凹部31側に突出する長さに設定されている。
【0030】
図4は、載置台22に基板SSを載置して、回動部材23をチャック位置に移動させた状態を真上からみた平面図である。回動部材23の内側部分23bの先端が、載置台22の凹部31に載置された基板SSのエッジを上方から覆うようになされている。これにより、凹部31に載置された基板SSの上方への浮き上がりを抑制することができるようになっている。
【0031】
なお、回動部材23の内側部分23bが下方へ回動して、内側部分23bの先端がチャック位置に移動したとき、凹部31の底面と内側部分23bの先端との距離は、載置する基板SSの厚さよりも大きくてもよい。
【0032】
一方、ステージ10が上方に移動して液体容器14の底面から離間すると、回動部材23の回転軸32より外側部分23aは当接部材20から離れて、図3(a)のように下方へ回動する。このとき、回転軸32より内側部分23bは上方へ回動し、当該内側部分23bの先端がアンチャック位置へ移動する。これにより、凹部31に対する基板SSのロード/アンロードを行うことができるようになっている。
【0033】
以上詳しく説明したように、本実施形態では、液体容器14内を上下に移動可能になされたステージ10上に基板SSの載置台22を設けるとともに、当該載置台22に対して回動可能になされた回動部材23を設ける一方、液体容器14の底面に当接部材20を立設している。そして、回動部材23の回動支点より外側部分23aは、ステージ10が下方に移動して液体容器14の底面に近づいたときに当接部材20に押されて上方へ回動する一方、ステージ10が上方に移動して液体容器14の底面から離間したときには下方へ回動するようにしている。また、回動部材23の外側部分23aが上方へ回動したときに、回動部材23の回動支点より内側部分23bが下方へ回動し、当該内側部分23bの先端がチャック位置へ移動する一方、回動部材23の外側部分23aが下方へ回動したときに、回動部材23の内側部分23bが上方へ回動し、当該内側部分23bの先端がアンチャック位置へ移動するようにしている。
【0034】
このように構成した本実施形態の基板チャック装置によれば、リフトオフ処理を実行する際のステージ10の上下動に伴って、回動部材23の外側部分23aが当接部材20に当接または離間することによって回動部材23が回動し、それによって回動部材23の内側部分23bの先端がチャック位置またはアンチャック位置へ移動することになる。これにより、動力を使わずに、また動力を回動部材23に伝えるような移動機構といった複雑な構造を持たせることなく、チャックとアンチャックとを切り替えることができる。
【0035】
なお、上記実施形態では、十字状に成した4つのアーム21によりステージ10を構成し、4つのアーム21のそれぞれに対して基板SSの載置台22を設ける例について説明したが、本発明はこれに限定されない。例えば、アーム21の数を2つまたは5つ以上としてもよい。
【0036】
または、アーム21の構造ではなく、図5に示すように、ステージ10’を円盤状とし、その外周に沿ってリング状の載置台22’を設ける構成としてもよい。この場合、載置台22’の4箇所に凹状の窪みを設け、その窪みに回転軸32を通して、回動部材23を取り付けることが可能である。
【0037】
また、上記実施形態では、4つの載置台22に対して4つの回動部材23を取り付ける構成について説明したが、本発明はこれに限定されない。例えば、載置台22よりも少ない数だけ回動部材23を設けるようにしてもよい。例えば、4つの載置台22のうち、対向する位置にある2つの載置台22に対してのみ回動部材23を取り付けるようにしてもよい。あるいは、4つのうち1つの載置台22に対してのみ回動部材23を取り付けるようにしてもよい。
【0038】
また、上記実施形態では、液体容器14の底面からピン状の当接部材20を立設させる例について説明したが、本発明はこれに限定されない。例えば、図6に示すように、液体容器14の底面近くの側面からピン状または平面状等の当接部材20’を立設させるようにしてもよい。
【0039】
また、上記実施形態では、液体容器14の底面に当節部材20を固定的に立設する例について説明したが、本発明はこれに限定されない。例えば、図7に示すように、液体容器14の底面と当接部材20の端部との間をバネ25で連結したり、当接部材20の一部を弾性体にしたりして、当接部材20を上下方向に可動または可変となるように構成してもよい。このようにすれば、載置台22に載置する基板SSの厚さが異なる場合にも、回動部材23の外側部分23aにより一定の押し圧で基板SSを損傷なく抑え込むようにすることが可能となる。
【0040】
また、上記実施形態では、回動部材23の外側部分23aの重量が、回動部材23の内側部分23bの重量よりも重くなるように構成する例について説明したが、本発明はこれに限定されない。例えば、外側部分23aが当接部材20に押されていない状態、つまり外力が加えられていない定常状態において、外側部分23aが下方へ回動するようにコイルバネ等で付勢する構成としてもよい。なお、上記実施形態によれば、回動部材23の外側部分23aと内側部分23bとの重量バランスだけで、定常状態において外側部分23aが下方へ回動するようにすることができるので、部品点数を少なくして構成を簡素化できるという点で好ましい。
【0041】
また、上記実施形態では、液体容器14内に貯蔵した液体に基板SSを浸漬させてリフトオフ処理を行うようになされたリフトオフ装置に本発明の基板チャック装置を適用する例について説明したが、適用例はこれに限定されない。液体容器内に貯蔵した液体に基板を浸漬させて所定の処理を行うようになされた基板処理装置であれば、何れにも適用することが可能である。
【0042】
その他、上記実施形態は、何れも本発明を実施するにあたっての具体化の一例を示したものに過ぎず、これによって本発明の技術的範囲が限定的に解釈されてはならないものである。すなわち、本発明はその要旨、またはその主要な特徴から逸脱することなく、様々な形で実施することができる。
【符号の説明】
【0043】
10 ステージ
21 アーム
22,22’ 載置台
23 回動部材
23a 回動部材の外側部分
23b 回動部材の内側部分
31 凹部
32 回転軸
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8A
図8B
図8C
図8D
図8E
図8F
図8G