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特許6383752マルチタワーモジュール式飲料分配システム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6383752
(24)【登録日】2018年8月10日
(45)【発行日】2018年8月29日
(54)【発明の名称】マルチタワーモジュール式飲料分配システム
(51)【国際特許分類】
   B67D 1/06 20060101AFI20180820BHJP
【FI】
   B67D1/06
【請求項の数】44
【全頁数】21
(21)【出願番号】特願2016-96280(P2016-96280)
(22)【出願日】2016年5月12日
(62)【分割の表示】特願2014-512853(P2014-512853)の分割
【原出願日】2012年5月2日
(65)【公開番号】特開2016-137947(P2016-137947A)
(43)【公開日】2016年8月4日
【審査請求日】2016年6月13日
(31)【優先権主張番号】13/116,266
(32)【優先日】2011年5月26日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】593203701
【氏名又は名称】ペプシコ,インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】PepsiCo Inc.
(74)【代理人】
【識別番号】100073184
【弁理士】
【氏名又は名称】柳田 征史
(74)【代理人】
【識別番号】100090468
【弁理士】
【氏名又は名称】佐久間 剛
(72)【発明者】
【氏名】スティーヴン ティー ジャージー
(72)【発明者】
【氏名】ウィリアム ダブリュー セギート
(72)【発明者】
【氏名】トム シーゲル
(72)【発明者】
【氏名】エディー カリ
(72)【発明者】
【氏名】ジョセフ ボッグス
(72)【発明者】
【氏名】ロバート バルスタッド
【審査官】 北村 一
(56)【参考文献】
【文献】 特表平06−508089(JP,A)
【文献】 欧州特許出願公開第01627849(EP,A1)
【文献】 特開平08−156997(JP,A)
【文献】 特表2003−528781(JP,A)
【文献】 特表2009−528960(JP,A)
【文献】 特表2011−500108(JP,A)
【文献】 特表2010−538399(JP,A)
【文献】 米国特許第05913454(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B67D 1/00− 3/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1のカウンターにある第1のタワーの少なくとも第1の分配ヘッド、第2のカウンターにある第2のタワーの少なくとも第2の分配ヘッド、前記第1及び第2のカウンターから離れて位置する運搬ユニット、及び前記運搬ユニットから前記第1及び第2のカウンターまで伸長する配管を有するマルチタワーモジュール式分配システムであって
前記第1及び第2のカウンターが互いに離れ、前記運搬ユニットが、複数の飲料成分供給源を有する集中成分システムを含み、該集中成分システムが、前記第1のカウンターにおいて第1の飲料を分配するため及び前記第2のカウンターにおいて第2の飲料を分配するための配管に飲料成分を供給するよう構成され、前記配管が、主要微量管束を有し、該主要微量管束が、少なくとも2つの別個の飲料成分ラインを有し、前記システムが、ソーシャルメディアシステムと連絡するよう構成され、ソーシャルメディアシステムから伝えられた顧客の好みに従って前記第1のカウンターで第1の飲料を分配するよう構成される、
ことを特徴とする、マルチタワーモジュール式分配システム。
【請求項2】
前記配管が、前記運搬ユニットから、直列または平行の前記第1のカウンターおよび前記第2のカウンターに飲料成分を供給するよう構成されることを特徴とする請求項1記載のマルチタワーモジュール式分配システム。
【請求項3】
前記第1の分配ヘッドに対応する少なくとも1つの第1の分量ユニット、及び前記第2の分配ヘッドに対応する第2の分量ユニットをさらに有し、前記第1の分量ユニットが、前記運搬ユニットから前記主要微量管束を介して第1の飲料成分を受け取り、所定量の前記第1の飲料成分を前記第1の分配ヘッドに投与するよう構成され、前記第2の分量ユニットが、前記運搬ユニットから第2の飲料成分を受け取り、所定量の前記第2の飲料成分を前記第2の分配ヘッドに投与するよう構成されることを特徴とする請求項1記載のマルチタワーモジュール式分配システム。
【請求項4】
前記第1及び第2の分量ユニットが前記カウンターの下に位置することを特徴とする請求項3記載のマルチタワーモジュール式分配システム。
【請求項5】
前記第1の分量ユニットが、第1のタワー微量管束を介して適切な量の各飲料成分を供給し、該第1のタワー微量管束が、各ラインが特定の飲料成分に各ラインが対応する複数の別個のラインを有することを特徴とする請求項3記載のマルチタワーモジュール式分配システム。
【請求項6】
前記運搬ユニットが水処理システムを有し、該水処理システムを出る際に少なくとも1つの所定の特徴を有するように、前記水処理システムに入る水を処理するよう該水処理システムが構成されることを特徴とする請求項5記載のマルチタワーモジュール式分配システム。
【請求項7】
前記水処理システムを出る際の水の少なくとも1つの所定の特徴が、前記水処理システムに入る水の温度よりも低い温度であることを特徴とする請求項6記載のマルチタワーモジュール式分配システム。
【請求項8】
前記水処理システムを出る際の水の少なくとも1つの所定の特徴が、前記水処理システムに入る水の温度よりも高い温度であることを特徴とする請求項6記載のマルチタワーモジュール式分配システム。
【請求項9】
前記主要微量管束が、前記水処理システムから前記第1の分量ユニットまでのラインを有することを特徴とする請求項6記載のマルチタワーモジュール式分配システム。
【請求項10】
前記運搬ユニットが、製氷機を有することを特徴とする請求項6記載のマルチタワーモジュール式分配システム。
【請求項11】
前記主要微量管束が、前記製氷機から前記第1の分量ユニットまでのラインを有することを特徴とする請求項10記載のマルチタワーモジュール式分配システム。
【請求項12】
少なくとも前記第1の分配ヘッドが、氷ホッパーから氷を受け取り、他の飲料成分と一緒に所定量で該氷を分配するよう構成されることを特徴とする請求項1記載のマルチタワーモジュール式分配システム。
【請求項13】
前記氷ホッパーが前記カウンターに位置することを特徴とする請求項12記載のマルチタワーモジュール式分配システム。
【請求項14】
前記氷ホッパーが前記カウンターの下に位置することを特徴とする請求項13記載のマルチタワーモジュール式分配システム。
【請求項15】
少なくとも前記第1の分配ヘッドが、少なくとも1つの炭酸水ラインを受け取り、他の飲料成分と一緒に所定量で炭酸水を分配するよう構成されることを特徴とする請求項1記載のマルチタワーモジュール式分配システム。
【請求項16】
前記第1の分配ヘッドおよび前記第2の分配ヘッドがそれぞれ、少なくとも2つの飲料成分を受け取るよう構成され、該少なくとも2つの飲料成分が、フレーバー成分および酸味から成る群より選択されることを特徴とする請求項1記載のマルチタワーモジュール式分配システム。
【請求項17】
1の飲料成分と2の飲料成分とが同じであることを特徴とする請求項1記載のマルチタワーモジュール式分配システム。
【請求項18】
前記第1の分量ユニットが、第1のタワー微量管束を介して前記第1の分配ヘッドに、第1の所定飲料のための適量の各飲料成分を供給するよう構成され、前記第1のタワー微量管束が複数の別個のラインを有し、少なくとも1つのラインが前記第1の所定の飲料の特定の飲料成分に対応し、前記第2の分量ユニットが、第2のタワー微量管束配管を介して前記第2の分配ヘッドに、第2の所定飲料のための適量の各飲料成分を供給するよう構成され、前記第2のタワー微量管束が複数の別個のラインを有し、少なくとも1つのラインが前記第2の所定の飲料の特定の飲料成分に対応することを特徴とする請求項3記載のマルチタワーモジュール式分配システム。
【請求項19】
前記第1の飲料成分と前記第2の飲料成分とが異なることを特徴とする請求項1記載のマルチタワーモジュール式分配システム。
【請求項20】
前記第1の分配ヘッドが、前記主要微量管束配管から氷を分配するよう構成されることを特徴とする請求項10記載のマルチタワーモジュール式分配システム。
【請求項21】
前記主要微量管束配管が、前記第1のタワーに対応する第1の主要微量管束配管及び前記第2のタワーに対応する第2の主要微量管束配管を有することを特徴とする請求項1記載のマルチタワーモジュール式分配システム。
【請求項22】
前記第1のタワーが第1の複数のタワーを有し、該第1の複数のタワーのそれぞれが、対応する分配ヘッド及び対応する分量ユニットを有し、前記第2のタワーが第2の複数のタワーを有し、該第2の複数のタワーのそれぞれが、対応する分配ヘッド及び対応する分量ユニットを有することを特徴とする請求項21記載のマルチタワーモジュール式分配システム。
【請求項23】
第1のカウンターにある少なくとも第1の分配ヘッド、第2のカウンターにある少なくとも第2の分配ヘッド、前記第1のカウンターと前記第2のカウンターから離れて位置する運搬ユニット、および該運搬ユニットから前記第1のカウンターおよび前記第2のカウンターまで伸長する配管を有するマルチタワーモジュール式分配システムであって、
前記第1および第2のカウンターが互いに離れ、前記運搬ユニットが、複数の飲料成分供給源を有する集中成分システムを有し、該集中成分システムが、前記第1のカウンターにおいて複数の飲料を分配するためおよび前記第2のカウンターにおいて複数の飲料を分配するための配管に飲料成分を供給するよう構成され、前記配管が少なくとも1つの主要微量管束を有し、該主要微量管束が、複数の別個の飲料成分ラインを有し、前記システムが、ソーシャルメディアシステムと連絡するよう構成され、ソーシャルメディアシステムから伝えられた顧客の好みに従って前記第1のカウンターで第1の飲料を分配するよう構成される、
ことを特徴とするマルチタワーモジュール式分配システム。
【請求項24】
前記配管が、前記運搬ユニットから、直列または平行の前記第1のカウンターおよび前記第2のカウンターに飲料成分を供給するよう構成されることを特徴とする請求項23記載のマルチタワーモジュール式分配システム。
【請求項25】
第1のカウンターにおいて第1のタワーの少なくとも第1の分配ヘッドを提供する工程、
第2のカウンターにおいて第2のタワーの少なくとも第1の分配ヘッドを提供する工程であって、前記第1及び第2のカウンターが互いに離れている工程、
前記第1及び第2のカウンターから離れて位置する運搬ユニットを提供する工程であって、該運搬ユニットが、複数の飲料成分供給源を有する集中成分システムを含む工程、
前記運搬ユニットから前記第1及び第2のカウンターまで伸長する配管を提供する工程、
前記集中成分システムから飲料成分を前記配管に供給する工程、
ソーシャルメディアシステムから伝えられた顧客の好みに従って前記第1のカウンターで第1の飲料を分配する工程、
を有する分配方法。
【請求項26】
前記配管が、飲料成分を前記運搬ユニットから平行の前記第1及び第2のカウンターに供給するよう構成されることを特徴とする請求項25記載の方法。
【請求項27】
顧客が飲料を購入したいか否かを顧客に問うために前記モジュラー分配システムから所定の距離内で顧客へ問う工程をさらに含むことを特徴とする請求項25記載の方法。
【請求項28】
前記問いが、過去の購入及び同定された好みに基づく顧客の好みに基づくことを特徴とする請求項27記載の方法。
【請求項29】
前記問いが、ユーザの地理的位置に基づくことを特徴とする請求項28記載の方法。
【請求項30】
ソーシャルメディアシステム又はアプリケーションを介して顧客から飲料の注文を受ける工程をさらに含むことを特徴とする請求項25記載の方法。
【請求項31】
前記運搬ユニットから前記第1の分配ヘッドまで前記配管を介して前記第1の分配ヘッドに対応する第1の分量ユニットから所定量の1の飲料成分を分量し、
前記運搬ユニットから前記第1の分配ヘッドまで前記配管を介して前記第2の分配ヘッドに対応する第2の分量ユニットから所定量の2の飲料成分を分量する、
工程をさらに含むことを特徴とする請求項25記載の方法。
【請求項32】
前記配管が、主要微量管束を有することを特徴とする請求項31記載の方法。
【請求項33】
前記第1の分量ユニット及び前記第2の分量ユニットが、前記カウンターの下に位置することを特徴とする請求項31記載の方法。
【請求項34】
前記第1の分量ユニットが、第1のタワー微量管束を介して適切な量の各飲料成分を供給し、該第1のタワー微量管束が、各ラインが特定の飲料成分に各ラインが対応する複数の別個のラインを有することを特徴とする請求項31記載の方法。
【請求項35】
前記第1の分配ヘッドおよび前記第2の分配ヘッドがそれぞれ、フレーバー成分および酸味から成る群より選択される少なくとも2つの飲料成分を受け取るよう構成されることを特徴とする請求項25記載の方法。
【請求項36】
前記第1の飲料成分と前記第2の飲料成分とが同じであることを特徴とする請求項31記載の方法。
【請求項37】
第1のカウンターにある第1のタワーの少なくとも第1の分配ヘッド、
第2のカウンターにある第2のタワーの少なくとも第2の分配ヘッドであり、前記第1及び第2のカウンターが互いに離れる第2の分配ヘッド、
前記第1及び第2のカウンターから離れて位置する運搬ユニットであって、複数の飲料成分供給源を有する集中成分システムを含む運搬ユニット、及び
前記運搬ユニットから前記第1及び第2のカウンターまで伸長する配管、
を有するマルチタワーモジュール式分配システムであって、
前記集中成分システムが、前記第1のカウンターにおいて第1の飲料を分配するため及び前記第2のカウンターにおいて第2の飲料を分配するための配管に飲料成分を供給するよう構成され、
前記システムが、ソーシャルメディアシステムと連絡するよう構成され、ソーシャルメディアシステムから伝えられた顧客の好みに従って前記第1のカウンターで第1の飲料を分配するよう構成される、
ことを特徴とする、マルチタワーモジュール式分配システム。
【請求項38】
前記システムが、顧客が飲料を購入したいか否かを顧客に問うために前記モジュラー分配システムから所定の距離内で顧客へ問うよう構成されることを特徴とする請求項37記載のシステム。
【請求項39】
前記問いが、過去の購入及び同定された好みに基づく顧客の好みに基づくことを特徴とする請求項38記載のシステム。
【請求項40】
前記問いが、ユーザの地理的位置に基づくことを特徴とする請求項38記載のシステム
【請求項41】
ソーシャルメディアシステム又はアプリケーションを介して顧客から飲料の注文を受ける工程をさらに含むことを特徴とする請求項37記載のシステム。
【請求項42】
前記システムが、顧客を認識し、該顧客がギフト又はプロモーションの資格があるか特定し、前記問いが、前記ギフト又はプロモーションの特定に基づくことを特徴とする請求項38記載のシステム。
【請求項43】
前記問いが、前記顧客による過去の飲料の注文に基づくことを特徴とする請求項38記載のシステム
【請求項44】
前記第1又は第2のタワーの前記分配ヘッドが、過去の分配機であることを特徴とする請求項37記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【関連出願】
【0001】
本出願は、ここに参照することによりその全開示が引用される、「マルチタワーモジュール式分配システム」と題された、2011年5月26日に出願された米国特許出願第13/116,266号に優先権を主張する。
【技術分野】
【0002】
本開示は、概して、例えばレストラン(ファストフードレストランを含む)、映画館、コンビニエンスストア、ガソリンスタンド、および他の娯楽および/または外食施設のための、飲料を分配するための方法およびモジュール式飲料分配システムに関する。
【背景技術】
【0003】
例えばレストラン、映画館および他の娯楽および/または外食施設のための様々の飲料分配機は、通常、「ドロップイン(drop in)」分配装置またはカウンタートップ型分配装置のいずれかを有する。ドロップイン分配装置において、分配装置は、内蔵型であり、カウンタートップの開口に入れられてもよい。カウンタートップ型分配装置において、分配装置は、カウンタートップ上に配置される。従来の飲料分配機において、分配ヘッドは、特定の飲料シロップの分配ヘッドへの供給専用の単一のパイプを介して特定の飲料シロップ供給源に連結され、特定の飲料シロップ供給源は通常、カウンタートップの近く、すなわち、カウンタートップの直下またはカウンタートップの直上に配置される。
【0004】
ユーザは通常、選択された飲料の表記の下にカップを置き、ボタンを押すかまたはカップを分配レバーに対して押して分配機を作動させ、ボタンまたはレバーから圧力が取り除かれるまで、選択された飲料に対応する分配ヘッドからカップの中に選択された飲料が供給される。
【0005】
従来の飲料分配機は通常、それぞれのカウンターに位置するフレーバー供給源を有する飲料の分配に限られる。したがって、従来の飲料分配機で利用できる飲料の数は通常限られる。例えば、従来の飲料分配機で通常利用できる飲料は、通常のコーラ飲料、ダイエットコーラ飲料、レモン−ライムフレーバーの炭酸飲料または他のフルーツ−フレーバー飲料(例えばオレンジフレーバー炭酸飲料および/またはルートビア)のような1つまたは複数の非コーラ炭酸飲料、および、紅茶および/またはレモネードのような1つ以上の非炭酸飲料である。
【0006】
従来の分配機は通常、消費者が購入したいと思う特注の飲料、例えば、チェリー、バニラ、レモンまたはライム等のフレーバーのコーラや、レモン、オレンジ、ピーチ、ラズベリー等のフレーバーの紅茶、あるいは、1さじ以上の甘味料(砂糖、あるいは他の栄養甘味料または非栄養甘味料)を入れた紅茶を、単一の分配ヘッドからユーザが出すまたは受け取ることができるように構成されていない。
【0007】
従来の分配機は通常、カウンターでフレーバー源の供給または補給を必要とする。
【0008】
従来の分配機は通常、各特定の飲料について専用の分配ヘッドを必要とする。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
従来の飲料分配機および方法における制限および不便のない飲料分配システムが必要とされる。
【課題を解決するための手段】
【0010】
したがって、マルチタワーモジュール式分配システムが提供される。
【0011】
ある態様において、マルチタワー分配システムは、カウンターにある少なくとも第1の分配ヘッドおよび第2の分配ヘッド、カウンターから離れて位置する運搬ユニット、および運搬ユニットからカウンターまで伸長する配管を有する。運搬ユニットは、複数の飲料成分供給源を有する集中成分システムを有してもよい。集中成分システムは、カウンターにおいて第1の飲料を分配するための配管に飲料成分を供給するよう構成されてもよい。配管は、主要微量管束を有し、主要微量管束は少なくとも2つの別個の飲料成分ラインを有してもよい。
【0012】
ある態様において、マルチタワーモジュール式分配システムは、第1のカウンターにある少なくとも第1の分配ヘッド、第2のカウンターにある少なくとも第2の分配ヘッド、互いに離れた第1および第2のカウンター、第1のカウンターと第2のカウンターから離れて位置する運搬ユニット、および運搬ユニットから第1のカウンターおよび第2のカウンターまで伸長する配管を有してもよい。運搬ユニットは、複数の飲料成分供給源を有する集中成分システムを含んでもよい。集中成分システムは、第1のカウンターにおいて第1の飲料を分配するため、および第2のカウンターにおいて第2の飲料を分配するための配管に、飲料成分を供給するよう構成されてもよい。配管は、主要微量管束を有し、主要微量管束は少なくとも2つの別個の飲料成分ラインを有してもよい。
【0013】
ある態様において、マルチタワーモジュール式分配システムは、第1のカウンターにある複数の分配ヘッド、第2のカウンターにある複数の分配ヘッド、互いに離れた第1および第2のカウンター、第1のカウンターと第2のカウンターから離れて位置する運搬ユニット、および運搬ユニットから第1のカウンターおよび第2のカウンターまで伸長する配管を有してもよい。運搬ユニットは、複数の飲料成分供給源を有する集中成分システムを有してもよく、集中成分システムは、第1のカウンターにおいて複数の飲料を分配するためのおよび第2のカウンターにおいて複数の飲料を分配するための配管に飲料成分を供給するよう構成され、配管は少なくとも1つの主要微量管束を有し、主要微量管束は複数の別個の飲料成分ラインを有する。
【0014】
本開示の上記および他の態様、特徴および利点は、添付の図面と関連して参照される、例示された実施の形態の以下の詳細な説明から明らかであろう。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本開示の様々の態様によるモジュール式分配システムの実施の形態の概略図
図2】本開示の様々の態様による中央リンク成分システムの実施の形態
図3】主要微量管束の実施の形態の透視図
図4】本開示の様々の態様による分量ユニットの実施の形態
図5】本開示の様々の態様によるタワー微量管束の実施の形態
図6】本開示の様々の態様によるモジュール式分配システムの別の実施の形態
図7】本開示の様々の態様による集中成分システムの実施の形態
図8A】本開示の様々の態様による飲料成分のためのカートリッジの実施の形態
図8B】本開示の様々の態様による飲料成分のためのカートリッジの実施の形態
図9】本開示の様々の態様による単一のカウンターにおいて追加の分配ヘッドを追加した図1の実施の形態
図10】本開示の様々の態様による追加の分配ヘッドを有する追加のカウンターを追加した図1の実施の形態
図11】本開示の様々の態様による各カウンターにおいて追加の分配ヘッドを追加した図10の実施の形態
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下に説明される実施の形態は、冷たいおよび温かい飲料を含むがこれに限定されず、Pepsi−Cola(登録商標)のようなPepsiCoブランドのついた名前で知られる飲料を含むがこれに限定されない、様々の飲料を形成するために使用されてもよい。
【0017】
図1を参照すると、本開示のモジュール式分配システムのある実施の形態が説明される。
【0018】
図1を参照すると、モジュール式分配システム10は、カウンター位置14において複数の分配ヘッド12、およびカウンター位置14から離れて位置する運搬ユニット16を有してもよい。配管18は、運搬ユニット16からカウンター位置14まで伸長してもよい。
【0019】
図1および図2を参照すると、運搬ユニット16は、飲料成分24、26、28、30、32、34、36、38、40、42、44、46、48、50、52、54、56、58、60、62、64、66、68、70、72、74、76、78、80、82、84、86、88、90、92、および94の複数の供給源22を有する集中成分システム20を有してもよい。図1および2は、飲料成分94が飲料成分92の隣に配置されてもよいこと、および飲料成分94がパイプ98の開口96中に流れ込んでもよいことを示す。以下により詳細に説明されるように、パイプ98は配管18を有するパイプの1つでもよい。集中成分システム20は、1つ以上の飲料について94を介して分配ヘッド12に飲料成分24を供給してもよい。図9は、単一のカウンター14において追加の分配ヘッド912Aおよび912Bを追加した、図1の実施の形態を示す。図10は、追加の分配ヘッド1012Aを有する追加のカウンター114および追加の分配ヘッド1024Aを有する追加のカウンター214を追加した、図1の実施の形態を示す。分配ヘッドの少なくとも1つは、ドライブスルーの受取り窓のための分配ヘッドでもよい。図10のカウンターは直列のカウンターを示すが、当業者であれば、カウンターは、例えば別個の微量管束が運搬ユニット16から各カウンターに向かうように、平行に構成されてもよいことが分かるであろう。図11は、図9および図10に示される様々の実施の形態を示し、カウンター14において分配ヘッド12、912A、および912B(主要微量管束18を介して飲料成分を供給され得る)、カウンター114において分配ヘッド1012A、1012B、および1012C(主要微量管束18Aを介して飲料成分を供給され得る)、およびカウンター214において分配ヘッド1024A、1024B、および1024(主要微量管束18Bを介して飲料成分を供給され得る)を示すことが分かるであろう。図11におけるカウンターは平行のカウンターを示すが、当業者であれば、カウンターは、例えば単一の主要微量管束18が運搬ユニット16から直列の各カウンター14、114および124に飲料成分を供給するように、直列に構成されてもよいことが分かるであろう。少なくとも1つのカウンターは、ドライブスルー窓専用に飲料を供給する分配ヘッドを有してもよい。当業者であれば、このシステムは、異なる分配タワー13、913、915、1013、1015、1017、1113、1115および1117に位置する異なる分配ヘッドに供給される同じまたは異なる飲料成分を有してもよいことが分かるであろう。
【0020】
集中成分システム20は、1つのカウンター位置14に位置する分配ヘッド12の数よりも多い数の飲料について94を介して飲料成分24を供給してもよい。図10に示されるように、集中成分システム20は、ドライブスルー窓用のカウンター位置214を含むがそれに限定されない、互いに離れているカウンター位置14、114、214に位置する分配ヘッドに飲料を供給してもよい。集中成分システム20は、カウンター位置14、114、214から離れた位置100、例えば、好ましくは少なくとも1つのカウンター位置から見ることができないバックルーム102に配置されてもよい。好ましい実施の形態において、集中成分システムは、カウンター位置で販売機を使用するおよび/または飲料を購入する顧客または消費者に見えない。
【0021】
集中成分システム20は、様々の飲料の調製における微量分量のための複数の高濃縮成分を有してもよい。限定の目的ではなく、例えば、図1、2、および3は、24から94まで36の飲料成分を図示する。各飲料成分24から94は、カートリッジまたは保存容器112に保存されてもよい。図8Aおよび8Bに示されるように、カートリッジ112は、飲料成分で満たされたバッグ116を有してもよい。各カートリッジ112は、複数の供給源22の集団を含む他の全てのカートリッジ112に保存される成分と異なる成分を保存してもよい。
【0022】
集中成分システム20は、複数の甘味料118および120を有してもよい。甘味料118は栄養甘味料でもよく、甘味料120は非栄養甘味料でもよい。
【0023】
運搬ユニット16は、栄養甘味料118を有する栄養甘味料カートリッジまたは容器122、およびポンプライン124中の対応する栄養甘味料、栄養甘味料ポンプ126、および栄養甘味料排出ポンプライン302を有する。
【0024】
運搬ユニット16は、非栄養甘味料120を含んでもよい非栄養甘味料カートリッジまたは容器128、およびポンプライン130中の対応する非栄養甘味料、非栄養ポンプ132、および非栄養甘味料排出ポンプライン304を有してもよい。
【0025】
配管18を介して運搬ユニット16から分配ヘッド12へ、ポンプ126は栄養甘味料118をポンプで供給してもよく、ポンプ132は非栄養甘味料120をポンプで供給してもよい。
【0026】
他のポンプ(図示せず)を使用して、配管18を介して運搬ユニット16から分配ヘッド12へ、94を介して飲料成分24をポンプで供給してもよい。
【0027】
別のポンプ(図示せず)を使用して、配管18を介して運搬ユニット16から分配ヘッド12へ水をポンプで供給してもよい。運搬ユニット16は、水処理システム134を有してもよい。水処理システム134を使用して水を処理してもよい。例えば、水処理システム134を使用して、冷たい飲料のために水を所望の温度に冷却してもよい。第2の水処理(図示せず)を使用して、温かい飲料のために水を所望の温度に加熱してもよい。水処理システムと関連して使用される水処理システムにより提供される水の温度範囲は、凍結のわずかに下(例えばスラリーまたは半解けの製品を作成または調製するため)から華氏約180度(摂氏約82.22度)(例えばコーヒーまたは紅茶のような温かい飲料を作成または調製するため)まででもよい。水処理システムは、味を改良し、香りを減らし、および/または塩素を減らす、任意の適切な水処理システムでもよい。水処理システムは、逆浸透(RO)を含むがこれに限定されず、システムを介して水の品質をほぼ純水に改良する任意の適切な水処理システムでもよい。以下により詳細に説明されるように、処理水は水処理システムからのものであり、集中成分システムからの少なくとも1つの飲料成分をカウンター位置14に提供してもよい。ある飲料について、集中成分システム20から提供される飲料成分に対する水処理システム134からの水の割合は、質量で約200対1でもよい。ある実施の形態において、最小限の成分は、約200:1、または約75:1、または約40:1(例えば、フレーバーまたは酸味の形態で)でもよく、非栄養甘味料について約40:1、および非栄養甘味料について約6:1でもよい。ベース飲料を、約4つの流れ、例えば、水、甘味料、フレーバー、および酸味で調製してもよい。ここに参照することによりその全内容が引用される、2010年2月9日に出願された米国特許出願第12/703、048に開示されるように、追加の流れを加えて、トップノート(top notes)、例えばチェリーフレーバーまたはカロリーを低減するための甘味料混合物を提供してもよい。
【0028】
別のポンプ(図示せず)を使用して、配管18を介して運搬ユニット16から分配ヘッド12に氷をポンプで供給してもよい。ある好ましい実施の形態において、運搬ユニット16は、製氷機136を有してもよい。
【0029】
図3に示されるように、配管または主要微量管束18は、外側パイプ138、およびより小さい内側パイプ140の管束を有してもよい。内側パイプ140は、飲料成分フレーバーライン324、326、328、330、332、334、336、338、340、342、344、346、348、350、352、354、356、および358を有してもよい。内側パイプ140は、飲料成分酸味ライン360、362、364、366、368、370、372、374、376、378、380、382、384、386、388、390、392、および394を有してもよい。
【0030】
飲料成分フレーバーライン324は飲料成分24に対応し、飲料成分フレーバーライン326は飲料成分26に対応する、等である。以下の表1は、飲料成分とラインとの対応関係を特定する。
【0031】
【表1-1】
【0032】
【表1-2】
【0033】
図3は、水排出ライン396、水返送ライン398、氷ライン306、栄養甘味料排出ポンプライン302、および非栄養甘味料排出ポンプライン304を示す。水返送ライン398は、分配ヘッド12から分配されない水が循環して運搬ユニット16に戻り、冷水が運搬ユニット16から分量ユニット400に供給されることを可能にする。これによって、水返送ライン398中の水が、前に冷却されていない水よりも所望の温度に近くなるので、省エネに役立つ。温水排出ラインおよび温水返送ラインを提供してもよい。温水排出ライン(図示せず)を使用して、分配ヘッド12から分配されない水が循環して運搬ユニット16に戻り、温水が運搬ユニットから分量ユニット64に供給されることを可能にする。これによって、温水返送ライン中の水が、前に加熱されていない水よりも所望の温度に近くなるので、省エネに役立つ。氷ライン306は、管束において最大のラインでもよい。水排出ライン396および水返送ライン398は、ほぼ同じ直径、例えば約3/8インチ(約0.95cm)の直径のラインでもよい。栄養甘味料排出ポンプライン302は、非栄養甘味料排出ポンプライン304とほぼ同じまたはわずかに大きい直径を有してもよい。例えば、栄養甘味料ラインは約3/8インチ(約0.95cm)の直径を有し、非栄養甘味料ラインは約1/4インチ(約0.64cm)の直径を有してもよい。甘味料ラインは、任意の所望の数、例えば4つの異なる甘味料ラインを有してもよい。
【0034】
図4に示されるように、分量ユニット400は、カウンター位置14において分配ヘッド12を有する分配タワー402を有してもよい。分量ユニット400は、氷ホッパー404を有してもよい。分量ユニット404は、圧力下で液体を受け取り、適量に分けて所望の飲料を提供してもよい。飲料成分の分量は、約0.1ccから約17ccまでの間でもよい。ある実施の形態において、分量は、栄養甘味料について約0.5ccから17ccまでの間でよい。分量は、図4に示されるようなスライディング・ベーン・ポンプにより、または他の適切な容量型ポンプ、ギアポンプ、ピストンポンプ、揺動ポンプ、またはダイヤフラムポンプにより行ってもよい(図示せず)。ポンプは、パルス幅調節を介して調節され、ストロークされまたはステップされて、飲料を形成するために適切な量の成分を供給してもよい。当業者であれば、コンピュータまたは目的内蔵電子機器のような知能装置を使用して供給を調節できることが分かるであろう。
【0035】
図5に示されるように、分配タワー402は、タワー微量管束406を有してもよい。図示される実施の形態において、タワー微量管束406は、氷ライン500、9つの炭酸水ライン502、504、506、508、510、512、514、516、518、9つの非炭酸水ライン520、522、524、526、528、530、532、534、536(例えば冷水回路から要求に応じて再循環または生成されてもよい1つを含む)、18のフレーバーライン538、539、540、541、542、543、544、545、546、547、548、549、550、551、552、553、554、555、18の酸味ライン556、558、559、560、561、562、563、564、565、566、567、568、569、570、571、572、573、574、栄養甘味料ライン576、および非栄養甘味料ライン578を有してもよい。タワー微量管束406は、スロットおよび配管を含む任意の適切な被覆加工を有してもよい。
【0036】
甘味料のような飲料成分は、微量管束を介して送られてより良好に混合されてもよい。甘味料をカップの底に落とし、消費者がカップの飲料の上の部分を飲むと甘味料の味がしない、従来の3/8インチ(約0.95cm)内径または1/4インチ(約0.64cm)内径のパイプを使用する代わりに、本開示は、より小さな微少管を使用してより良く混合し、複数の分配点(比較成分で同様の速度で噴入する)を有することを可能にし、飲料全体に亘ってより多くの分配を可能にする。
【0037】
モジュール式分配システムは、中央酸味およびフレーバーシステムだけでなく、地元の乳製品および/またはジュースシステムを有してもよい。したがって、例えばレモンジュースおよび/またはライムジュースを入れたコーラのように、飲料はジュースを入れて調製してもよい。冷たいフラペチーノまたは温かいコーヒーのような飲料は、乳製品、例えば牛乳またはクリームを入れて調製してもよい。
【0038】
モジュール式分配システムは、集中成分システムまたは運搬ユニットを依然として使用しながら、追加の飲料を分配するために既存のタワーに追加の分配ヘッドを追加することができる。そのような既存のタワーは、ドライブアップ(drive up)システムまたは店内システムに存在してもよい。
【0039】
モジュール式分配システムは、ドライブアップ用途のための高速充填システムを有してもよい。
【0040】
モジュール式分配システムは、成分カートリッジで使用するための交換バッグを有してもよい。
【0041】
モジュール式分配システムは、例えば分配タワー66におけるボタンの自動消毒をする、自動消毒システムを有してもよい。消毒システムは、消毒カートリッジ、例えば成分カートリッジを交換する消毒カートリッジを含んでもよい。当業者であれば、システムの一部を動かなくして消毒サイクルを行ってもよいことが分かるであろう。例えば、消毒のカートリッジ認識を有するロックアウト機構を提供して、意図的でない飲料分配を防止してもよい。消毒のカートリッジ認識を有するロックアウト機構は、機械的および電気的代理機能性を有してもよい。
【0042】
モジュール式分配システムは、甘味料タイプにおける連動装置を有してもよい。
【0043】
モジュール式分配システムは、ソーシャルメディアシステムまたはアプリケーションを有してもよく、および/またはそれと通じてもよい。例えば、消費者のモバイル機器がモジュール式分配システムにつながるセンサから所定の距離内にある場合、消費者に飲料を購入したいか否かを問うメッセージが消費者のモバイル機器に送られてもよい。あるいは、または同時に、消費者に飲料を購入したいか否かを問うメッセージがカウンター位置に表示されてもよい。ソーシャルメディアシステムまたはアプリケーションは、消費者の過去の購入および/または判明した好みに基づいて、消費者の好みをモジュール式分配システムにダウンロードしてもよい。したがって、モジュール式分配システムおよび/またはソーシャルメディアシステムまたはアプリケーションは、消費者のモバイル機器がモジュール式分配システムのセンサから所定の距離内にある場合に特定の消費者に問いかけてもよい。
【0044】
モジュール式分配システムはまた、レストラン、映画館、他の娯楽施設、および飲料の製造メーカおよび/または流通業者を含むがこれに限定されない、飲料の販売者のソーシャルメディアシステムまたはアプリケーションを含むがそれに限定されない、ソーシャルメディアシステムまたはアプリケーションを介して、消費者から飲料の注文を受け取ってもよい。消費者は、カウンターに到着する前に飲料を注文し、消費者がカウンターに到着する時またはそれに近い時までに、飲料がカップに準備および配置されるようにしてもよい。あるいは、消費者がカウンターに到着する時またはそれに近い時までに、消費者が補充をできるように、カップ位置およびRFID識別子を準備および利用可能にしてもよい。例えば、ここに参照することによりその全内容が引用される、2010年2月11日に出願され、2010年8月12日に米国特許出願公開第2010/0200110として公開された、米国特許出願第12/704,217号参照。このシステムは、待ち時間、注文時間、および飲料調製時間を短縮することにより、消費者および飲料販売者の両方にとって時間を節約する。
【0045】
したがって、本システムは、個人を認識し、当該個人にどの飲料またはどの種類の飲料を提供するかに関してある程度の決定をしてもよい。本システムは、飲料が過去に個人により注文されたか、あるいは個人がソーシャルメディアシステムまたはアプリケーションで好みとして飲料を特定した場合には、システムの従来の提案、例えばコーラ飲料にオレンジジュースを入れたもの、を変更してもよい。
【0046】
さらに、本システムはある存在から別の存在へ与えられたギフトまたはプロモーションを処理してもよい。限定的ではなく例として、本システムは、個人を認識し、当該個人がギフトを受け取ったかまたはプロモーションをもらう資格があるかを決定し、無料の飲料または値引きした飲料のようなギフトまたはプロモーションを受け取るか否かを当該個人に問うてもよい。
【0047】
本システムは、ユーザがセンサに触れずにセンサで飲料を注文できるように、ジェスチャーインターフェースを提供してもよい。
【0048】
本システムはまた、一吹きの水流、ぬぐい取り動作ディスプレイ、および紫外線LEDを含むがこれに限定されない、消毒スクリーンディスプレイを提供してもよい。
【0049】
本システムは、販売される銘柄に基づいて様々の価格をユーザに提供してもよく、例えば、本システムは、カップの大きさに基づいてユーザがどの製品を受け取るかを特定してもよい。
【0050】
本システムは、電話またはWi−Fi、ブルートゥース(登録商標)または他の適切な連絡システムを介して、ユーザのモバイル機器(例えば携帯端末、携帯電話、またはスマートフォン)を通してユーザがドライブアップ位置に乗り入れることを可能にし、ユーザにいる場所を知らせ、ユーザにメニューを表示してもよく、また、注文品を受け取るための専門のドライブアップラインをユーザに提供してもよい。
【0051】
本システムは、制限された道路標識使用のために広告用の地理的位置を考慮に入れてもよい。
【0052】
本システムは、例えばドリップを調節する微量投与、およびポンプの廃液側の観察のための様々の液流経路のための設計を提供してもよい。
【0053】
高速充填は、カップの底からの高速充填を可能にするシステムを含んでもよい。
【0054】
分量ユニットを使用してオンデマンドの炭酸化をしてもよい。
【0055】
図6および7は、本開示の他の態様を示す。運搬ユニット600は、前に説明された運搬ユニット16に類似してもよい。運搬ユニット600は、水処理システム134を含んでもよい。運搬ユニット600は、必要に応じて、前に説明された製氷機136のような氷システム(図示せず)を含んでもよい。
【0056】
運搬ユニット600は、中央成分システムまたは中央再構成ファクトリー602を含んでもよく、これらは前に説明された中央成分システム20に類似してもよい。
【0057】
中央再構成ファクトリーシステム602は、管束606を使用して1つ以上の従来のまたは過去の分配機604A、604B、および604Cに連結されてもよい。中央再構成ファクトリーシステム602と過去の分配機との間の連結または結合は、管束ポンプ入口結合において裏手の部屋で行われてもよい。図6に示されるように、中央再構成ファクトリーシステム602は、複数の飲料成分を含んでもよい。図6において、中央再構成ファクトリーシステム602は、28の飲料成分608、610、612、614、616、618、620、622、624、626、628、630、632、634、636、638、640、642、644、646を含む。これらの飲料成分は、飲料フレーバー成分および酸味から成る群より選択されてもよい。運搬ユニット600は、1つ以上の混合チャンバを含んでもよい。図6において、運搬ユニット600は、混合チャンバ648、650、652、654および656、および所望であれば追加の混合チャンバを含む。混合チャンバ648は、過去の分配機604A、604B、および/または604Cにおいてノズル分配機658および660に対応してもよく、混合チャンバ650は、過去の分配機604A、604B、および/または604Cにおいてノズル分配機662に対応してもよく、混合チャンバ652は、過去の分配機604A、604B、および/または604Cにおいてノズル分配機664に対応してもよく、混合チャンバ654は、過去の分配機604A、604B、および/または604Cにおいてノズル分配機666に対応してもよく、混合チャンバ656は、過去の分配機604A、604B、および/または604Cにおいてノズル分配機658に対応してもよい。過去の分配機604A、604B、および/または604Cにおいてノズル分配機670、672、674、および678に対応するように、追加の混合チャンバ(図示せず)を運搬ユニット600に提供してもよい。
【0058】
前に説明されたカートリッジ112、または本開示の以前は飲料分配カウンターに通常配置されていた箱入りバッグタイプの容器から、混合チャンバへ飲料成分を供給してもよい。
【0059】
ペプシ−コーラ(登録商標)のような任意のペプシコのブランドネームの下で知られる飲料を形成するように、シロップおよび他の飲料成分はペプシコ社により提供される任意のものを含んでもよい。シロップおよび他の飲料成分は、カートリッジ112または他の供給容器からポンプ(図示せず)により混合チャンバへ要望に応じて送り込まれてもよい。これらのポンプは、タンク671または673からCOガス引込ライン675を介して供給されるCOにより駆動されてもよい。これらのポンプは、従来のシロップポンプ、例えばBIPポンプを有してもよい。
【0060】
各混合チャンバは、過去の分配機604A、604B、および/または604Cのノズルに提供される特定の飲料に対応してもよい。図6に示される実施の形態において、飲料、例えば通常のペプシ−コーラ(登録商標)の飲料は、混合チャンバ648中で形成されてもよい。混合チャンバ648への入口は、水供給ライン680、甘味料供給ライン682、酸味供給ライン684、およびフレーバー供給ライン686を有してもよい。混合チャンバ648は、飲料排出ライン688を有してもよい。混合チャンバ648に供給される甘味料、酸味、およびフレーバー成分は、例えば飲料成分対水の割合が質量で約200対1で、混合チャンバ648に供給される前に水と混合される高濃縮量の成分でもよい。水供給ライン680からの水と混合された後、飲料排出ライン688において混合チャンバ648から出る混合物は、飲料成分対水の割合が質量で約5対1でもよい。水処理システム679から混合チャンバへ水を供給してもよい。
【0061】
甘味料ライン682は、栄養甘味料および/または非栄養甘味料を混合チャンバへ供給してもよい。甘味料ライン682は、前に説明されたように、栄養甘味料ポンプライン302または非栄養甘味料ポンプ排出ライン304のいずれかでもよい。
【0062】
本開示の態様が、図9、10および11に示される。図9は、マルチタワーモジュール式分配システムを示し、このシステムは、カウンターにおいて第1の分配ヘッドおよび第2の分配ヘッド、カウンターから離れて位置する運搬ユニット、および運搬ユニットからカウンターまで伸長する配管を有してもよい。運搬ユニットは、複数の飲料成分供給源を有する集中成分システムを有してもよい。集中成分システムは、カウンターにおいて第1の飲料を分配するために配管に飲料成分を供給するよう構成されてもよい。配管は、主要微量管束を有してもよい。主要微量管束は、少なくとも2つの別個の飲料成分ラインを有してもよい。
【0063】
少なくとも第1の分配ヘッドに対応する少なくとも1つの分量ユニットを提供してもよい。分量ユニットは、運搬ユニットから飲料成分を受け取り、所定量の飲料成分を第1の分配ヘッドに投与するよう構成されてもよい。
【0064】
分量ユニットは、カウンターに位置してもよい。分量ユニットは、カウンターの下に位置してもよい。
【0065】
分量ユニットは、タワー微量管束を介して適量の各飲料成分を供給してもよく、タワー微量管束は、各ラインが特定の飲料成分に対応する複数の別個のラインを有する。
【0066】
運搬ユニットは、水処理システムを含んでもよく、水処理システムは、水処理システムに入る水が水処理システムを出る際に少なくとも1つの所定の特徴を有するように水を処理するよう構成される。
【0067】
水処理システムを出る際の水の少なくとも1つの所定の特徴は、水処理システムに入る水の温度より低い温度でもよい。
【0068】
水処理システムを出る際の水の少なくとも1つの所定の特徴は、水処理システムに入る水の温度より高い温度でもよい。
【0069】
主要微量管束は、水処理システムから分量ユニットまでのラインを有してもよい。
【0070】
運搬ユニットは、製氷機を有してもよい。主要微量管束は、製氷機から分量ユニットまでのラインを有してもよい。
【0071】
少なくとも第1の分配ヘッドは、氷ホッパーからの氷を受け取り、他の飲料成分と一緒に所定量の氷を分配するよう構成されてもよい。氷ホッパーは、カウンターに位置してもよい。氷ホッパーは、カウンターの下に位置してもよい。
【0072】
少なくとも第1の分配ヘッドは、少なくとも1つの炭酸水ラインを受け取り、他の飲料成分と一緒に所定量の炭酸水を分配するよう構成されてもよい。
【0073】
第1の分配ヘッドおよび第2の分配ヘッドは、少なくとも2つの飲料成分を互いに受け取るよう構成されてもよく、少なくとも2つの飲料成分は、フレーバー成分および酸味から成る群より選択される。
【0074】
マルチタワーモジュール式分配システムは、第1の分配ヘッドに対応する少なくとも第1の分量ユニット、および第2の分配ヘッドに対応する第2の分量ユニットを有してもよい。第1の分量ユニットは、運搬ユニットから第1の飲料成分を受け取り、所定量の第1の飲料成分を第1の分配ヘッドに投与するよう構成されてもよい。第2の分量ユニットは、運搬ユニットから第2の飲料成分を受け取り、所定量の第2の飲料成分を第2の分配ヘッドに投与するよう構成されてもよい。第1の飲料成分および第2の飲料成分は、同じでも異なってもよい。
【0075】
第1の分量ユニットは、第1のタワー微量管束を介して第1の分配ヘッドに、第1の所定の飲料のための適量の各飲料成分を供給するよう構成されてもよく、第1のタワー微量管束は複数の別個のラインを有し、少なくとも1つのラインが第1の所定の飲料の特定の飲料成分に対応する。第2の分量ユニットは、第2のタワー微量管束を介して第2の分配ヘッドに、第2の所定の飲料のための適量の各飲料成分を供給するよう構成されてもよく、第2のタワー微量管束は複数の別個のラインを有し、少なくとも1つのラインが第2の所定の飲料の特定の飲料成分に対応する。第1の所定の飲料および第2の所定の飲料は、同じでも異なってもよい。
【0076】
ある態様において、および図10にさらに示されるように、マルチタワーモジュール式分配システムは、第1のカウンターにおいて少なくとも第1の分配ヘッド、および第2のカウンターにおいて少なくとも第2の分配ヘッドを有してもよい。第1および第2のカウンターは、互いに離れてもよい。運搬ユニットは、第1のカウンターおよび第2のカウンターから離れて位置してもよい。配管は、運搬ユニットから第1のカウンターおよび第2のカウンターまで伸長してもよい。運搬ユニットは、複数の飲料成分供給源を有する集中成分システムを有してもよい。集中成分システムは、第1のカウンターにおいて第1の飲料を分配するため、および第2のカウンターにおいて第2の飲料を分配するための配管に、飲料成分を供給するよう構成されてもよい。配管は主要微量管束を有してもよい。主要微量管束は、少なくとも2つの別個の飲料成分ラインを有してもよい。第1の飲料および第2の飲料は、同じでも異なってもよい。
【0077】
配管は、運搬ユニットから、直列または平行の第1のカウンターおよび第2のカウンターに飲料成分を供給するよう構成されてもよい。少なくとも第1のカウンターは、少なくとも追加の分配ヘッドを有してもよい。
【0078】
図11に示されるように、マルチタワーモジュール式分配システムは、第1のカウンターにおいて複数の分配ヘッド、第2のカウンターにおいて複数の分配ヘッドを有してもよく、第1および第2のカウンターは互いに離れ、運搬ユニットは第1のカウンターおよび第2のカウンターから離れて位置し、配管は運搬ユニットから第1のカウンターおよび第2のカウンターまで伸長する。運搬ユニットは、複数の飲料成分供給源を有する集中成分システムを有してもよく、集中成分システムは、第1のカウンターにおいて複数の飲料を分配するためおよび第2のカウンターにおいて複数の飲料を分配するための配管に飲料成分を供給するよう構成され、配管は、少なくとも1つの主要微量管束を有し、主要微量管束は、複数の別個の飲料成分ラインを有する。配管は、運搬ユニットから、直接または平行の第1のカウンターおよび第2のカウンターに飲料成分を供給するよう構成されてもよい。
【0079】
本発明は、図面の実施の形態を参照して記載および説明されてきたが、本発明の特徴は、発明の範囲から著しく逸脱せずに、修正、変更、変化または置換できることが理解されるべきである。例えば、特定の用途に適合するように様々の構成要素の寸法、数、サイズおよび形を変えてもよい。したがって、ここに説明および記載される特定の実施の形態は、説明の目的のためのみであり、本発明は以下の請求項およびその均等物によるものを除き制限されない。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8A
図8B
図9
図10
図11