特許第6383755号(P6383755)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6383755透明プラスチック基材及びプラスチックレンズ
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6383755
(24)【登録日】2018年8月10日
(45)【発行日】2018年8月29日
(54)【発明の名称】透明プラスチック基材及びプラスチックレンズ
(51)【国際特許分類】
   G02C 7/00 20060101AFI20180820BHJP
   C08K 5/3475 20060101ALI20180820BHJP
   C08L 75/00 20060101ALI20180820BHJP
   G02B 1/11 20150101ALI20180820BHJP
   G02B 1/14 20150101ALI20180820BHJP
【FI】
   G02C7/00
   C08K5/3475
   C08L75/00
   G02B1/11
   G02B1/14
【請求項の数】6
【全頁数】20
(21)【出願番号】特願2016-104709(P2016-104709)
(22)【出願日】2016年5月25日
(62)【分割の表示】特願2015-539442(P2015-539442)の分割
【原出願日】2014年9月29日
(65)【公開番号】特開2016-148877(P2016-148877A)
(43)【公開日】2016年8月18日
【審査請求日】2016年5月26日
【審判番号】不服2017-8300(P2017-8300/J1)
【審判請求日】2017年6月7日
(31)【優先権主張番号】特願2013-205517(P2013-205517)
(32)【優先日】2013年9月30日
(33)【優先権主張国】JP
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】509333807
【氏名又は名称】ホヤ レンズ タイランド リミテッド
【氏名又は名称原語表記】HOYA Lens Thailand Ltd
(74)【代理人】
【識別番号】100078732
【弁理士】
【氏名又は名称】大谷 保
(72)【発明者】
【氏名】上坂 昌久
(72)【発明者】
【氏名】田崎 奈津美
【合議体】
【審判長】 大熊 幸治
【審判官】 橋本 栄和
【審判官】 近野 光知
(56)【参考文献】
【文献】 特開平11−295502(JP,A)
【文献】 国際公開第2008/029994(WO,A1)
【文献】 中国特許出願公開第101712742(CN,A)
【文献】 中国特許出願公開第101712743(CN,A)
【文献】 特開2012−173704(JP,A)
【文献】 特開平5−105772(JP,A)
【文献】 特開平8−208792(JP,A)
【文献】 国際公開第2015/046540(WO,A1)
【文献】 特開2016−186083(JP,A)
【文献】 特開2016−157146(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C08L75/00-75/16
C08K3/00-13/08
G02B1/00-1/12
G02C7/00-7/10
C08G18/00-18/87
CA(STN)
REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記一般式(1−1)で表されるベンゾトリアゾール化合物を、透明プラスチック基材を形成する樹脂成分100質量部に対して0.10〜2.00質量部含み、透明プラスチック基材を形成する樹脂成分が、ビス(イソシアナートメチル)ベンゼン、並びに、1,2−ビス(2−メルカプトエチルチオ)−3−メルカプトプロパン、ビス(メルカプトメチル)−3,6,9−トリチア−1,11−ウンデカンジチオール、及びビス(1,3−ジメルカプト−2−プロピル)スルフィドから選ばれる少なくとも1種の脂肪族チオールを反応させてなる(チオ)ウレタン樹脂である透明プラスチック基材と、
硬化被膜、プライマー層、反射防止膜、及び撥水膜から選ばれる少なくとも1種の機能層(ただし、偏光層を除く)と、のみからなり、波長410nmの光のカット率が50%以上であるプラスチックレンズ。
【化1】

(式中、R1は、炭素数1〜3のアルキル基又は炭素数1〜3のアルコキシ基を表し、mは0又は1の整数である。R2は、炭素数1〜12のアルキル基又は炭素数1〜12のアルコキシ基を表す。mが1の場合、R1とR2は、同一でも異なっていてもよい。)
【請求項2】
前記ベンゾトリアゾール化合物が、2−(3−tert−ブチル−2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)−5−クロロ−2H−ベンゾトリアゾール、2−(3−tert−ブチル−2−ヒドロキシ−5−エチルフェニル)−5−クロロ−2H−ベンゾトリアゾール、2−(4−エトキシ−2−ヒドロキシフェニル)−5−クロロ−2H−ベンゾトリアゾール、及び2−(4−ブトキシ−2−ヒドロキシフェニル)−5−クロロ−2H−ベンゾトリアゾールから選ばれる少なくとも一種である請求項1に記載のプラスチックレンズ。
【請求項3】
前記ベンゾトリアゾール化合物が、2−(3−tert−ブチル−2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)―5−クロロ―2H−ベンゾトリアゾール及び2−(3−tert−ブチル−2−ヒドロキシ−5−エチルフェニル)―5−クロロ―2H−ベンゾトリアゾールから選ばれる少なくとも一種である、請求項1又は2に記載のプラスチックレンズ。
【請求項4】
380〜500nmの波長域の光線カット率が35%以上である請求項1〜3のいずれか一項に記載のプラスチックレンズ。
【請求項5】
前記硬化被膜が、有機ケイ素化合物、酸化スズ、酸化ケイ素、酸化ジルコニウム、及び酸化チタンから選ばれる少なくとも1種の微粒子状無機物を含有するコーティング液を硬化してなるものである請求項1〜4のいずれか一項に記載のプラスチックレンズ。
【請求項6】
眼鏡用である、請求項1〜5のいずれか一項に記載のプラスチックレンズ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、透明プラスチック基材、プラスチックレンズ、及び透明プラスチック部材に関し、特に青色光のカット率が高い透明プラスチック基材及びプラスチックレンズに関するものである。
【背景技術】
【0002】
透明プラスチック基材及びプラスチックレンズにおいて、青色領域(380〜500nmの波長域)の光線をカットすることにより、眩しさが低減され、視認性、コントラストが向上する。また、目の健康に対して、青色領域(380〜500nm)の光線はエネルギーが強いため、網膜などの損傷の原因になると言われている。青色光による損傷を「ブルーライトハザード」といい、特に低波長側の380〜420nm近辺が最も危険であり、この領域の光をカットすることが望ましいと言われている。
このような問題を解決するため、例えば、特許文献1には、プラスチック部材の凸面上に配設された多層膜を備え、その多層膜は、400〜500nmの波長範囲における平均反射率が2〜10%であるレンズが提案されている。しかしながら、このレンズでは、青色光のカット率を測定すると、30%前後であった。
また、特許文献2には、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤を含有し、光線カット率を高めたレンズ用重合性組成物が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2012−093689号公報
【特許文献2】特開2008−056854号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、青色光のカット率が高い透明プラスチック基材、それを有するプラスチックレンズ、及び透明プラスチック部材を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明者らは前記目的を達成するため鋭意検討した結果、透明プラスチック基材に、共鳴効果を付与する基を含む特定構造のベンゾトリアゾール化合物からなる紫外線吸収剤を加えることにより、前記の目的を達成することを見出し本発明に至った。
すなわち、本発明は、下記[1]〜[3]を提供するものである。
[1]下記式(1)で表されるベンゾトリアゾール化合物を含む透明プラスチック基材。
【化1】

(式中、Rは、炭素数1〜3のアルキル基又は炭素数1〜3のアルコキシ基を表し、mは0又は1の整数である。Rは、炭素数1〜12のアルキル基又は炭素数1〜12のアルコキシ基を表す。Rは、水素原子、又は炭素数1〜8の2価の炭化水素基を表し、nは該Rの価数であり、1又は2である。mが1の場合、RとRは、同一でも異なっていてもよい。Xは、共鳴効果を付与する基を表す。)
[2]上記[1]に記載の透明プラスチック基材を有するプラスチックレンズ。
[3]上記式(1)で表されるベンゾトリアゾール化合物を含む透明プラスチック部材。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、青色光のカット率が高い透明プラスチック基材、それを有するプラスチックレンズ、及び透明プラスチック部材を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0007】
本発明の透明プラスチック基材は、紫外線吸収剤として、式(1)で示されるベンゾトリアゾール化合物を含む。
【化2】
【0008】
式(1)において、Xは、共鳴効果を付与する基を表す。共鳴効果を付与する基がベンゾトリアゾール環上に存在することにより青色光のカット率が高くなると推察される。
Xの置換位置は、好ましくはトリアゾール環の5位である。
Xの例としては、塩素原子、臭素原子、フッ素原子、ヨウ素原子、スルホ基、カルボキシ基、ニトリル基、アルコキシ基、ヒドロキシ基、アミノ基が挙げられ、これらの中でも、塩素原子、臭素原子、フッ素原子が好ましく、塩素原子がより好ましい。
式(1)において、Rは、炭素数1〜12のアルキル基又は炭素数1〜12のアルコキシ基を表し、アルキル基及びアルコキシ基のそれぞれについて、炭素数1〜8が好ましく、炭素数2〜8がより好ましく、炭素数4〜8がさらに好ましい。
アルキル基及びアルコキシ基は、分岐であっても直鎖であってもよい。アルキル基及びアルコキシ基の中でも、アルキル基が好ましい。
アルキル基の例としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、iso−プロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、へプチル基、n−オクチル基、1,1,3,3−テトラメチルブチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基等が挙げられ、これらの中でも、n−プロピル基、iso−プロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、及び1,1,3,3−テトラメチルブチル基から選ばれる少なくとも1種が好ましく、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、及び1,1,3,3−テトラメチルブチル基がより好ましく、tert−ブチル基が更に好ましい。
アルコキシ基の例としては、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基、ペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基、へプチルオキシ基、オクチルオキシ基、ノニルオキシ基、デシルオキシ基、ウンデシルオキシ基、ドデシルオキシ基が挙げられ、これらの中でもブトキシ基、又はエトキシ基が好ましい。
式(1)において、Rの置換位置は、ベンゾトリアゾリル基の置換位置を基準として、3位,4位又は5位が好ましい。
【0009】
式(1)において、Rは、炭素数1〜3のアルキル基又は炭素数1〜3のアルコキシ基を表し、これらの具体例としては、前記Rで挙げた例のうち炭素数が適合するものが挙げられる。これらの中でもメチル基又はエチル基が好ましい。Rがこのような基である場合、優れた青色光カット率を有する。また、Rの炭素数が4以上の場合(例えば、2−(3,5−ジ−t−ブチル−2−ヒドロキシフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール)、難分解性化合物のため、環境負荷が大きく、人体への影響も懸念されることから、製造禁止物質に指定されることもあるが、上記式(1)の化合物は比較的容易に分解することができ、環境負荷や人体への影響が小さいという利点もある。
式(1)において、mは0又は1の整数を表す。
式(1)において、Rの置換位置は、ベンゾトリアゾリル基の置換位置を基準として、5位が好ましい。
【0010】
式(1)において、R3は、水素原子、又は炭素数1〜8の2価の炭化水素基を表す。これらの中でも水素原子が好ましい。
3の炭化水素基は、脂肪族炭化水素基、又は芳香族炭化水素基が挙げられる。
3の炭化水素基は、炭素数1〜8が好ましく、炭素数1〜3がより好ましい。
3の2価の炭化水素基の例は、メタンジイル基、エタンジイル基、プロパンジイル基、ベンゼンジイル基、トルエンジイル基等が挙げられ、これらの中でもメタンジイル基が好ましい。
nは該Rの価数であり、1又は2である。
式(1)において、Rの置換位置は、ベンゾトリアゾリル基の置換位置を基準として、3位が好ましい。
【0011】
3は、好ましくは水素原子であり、この場合nは1である。
トリアゾール化合物は、好ましくは、下記式(1−1)で示される化合物である。
【0012】
【化3】

式中、R、R、mは前述の例示及び好ましい態様と同様である。
【0013】
前記式(1)で表されるベンゾトリアゾール化合物の具体例としては、メチレンビス[3−(5−クロロ−2−ベンゾトリアゾリル)−5−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)−2−ヒドロキシフェニル]、メチレンビス[3−(5−クロロ−2−ベンゾトリアゾリル)−5−(tert−ブチル)−2−ヒドロキシフェニル]、メチレンビス[3−(5−クロロ−2−ベンゾトリアゾリル)−5−tert−ブチル−2−ヒドロキシフェニル]、メチレンビス[3−(5−クロロ−2−ベンゾトリアゾリル)−5−tert−ブチル−2−ヒドロキシフェニル]、メチレンビス[3−(5−クロロ−2−ベンゾトリアゾリル)−5−エトキシ−2−ヒドロキシフェニル]、フェニレンビス[3−(5−クロロ−2−ベンゾトリアゾリル)−5−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)−2−ヒドロキシフェニル]、及び下記式(1−1)で表されるベンゾトリアゾール化合物の具体例が挙げられる。
【0014】
前記式(1−1)で表されるベンゾトリアゾール化合物の具体例としては、2−(3−tert−ブチル−2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)−5−クロロ−2H−ベンゾトリアゾール、2−(3−tert−ブチル−2−ヒドロキシ−5−エチルフェニル)−5−クロロ−2H−ベンゾトリアゾール、5−クロロ−2−(3,5−ジメチル−2−ヒドロキシフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール、5−クロロ−2−(3,5−ジエチル−2−ヒドロキシフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール、5−クロロ−2−(2−ヒドロキシ−4−メトキシフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール、5−クロロ−2−(4−エトキシ−2−ヒドロキシフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール、2−(4−ブトキシ−2−ヒドロキシフェニル)−5−クロロ−2H−ベンゾトリアゾール、及び5−クロロ−2−(2−ヒドロキシ−4−オクチルオキシフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール等が挙げられる。
【0015】
これらの中でも、2−(3−tert−ブチル−2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)−5−クロロ−2H−ベンゾトリアゾール、2−(3−tert−ブチル−2−ヒドロキシ−5−エチルフェニル)−5−クロロ−2H−ベンゾトリアゾール、5−クロロ−2−(4−エトキシ−2−ヒドロキシフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール、及び2−(4−ブトキシ−2−ヒドロキシフェニル)−5−クロロ−2H−ベンゾトリアゾールが好ましい。
【0016】
本発明の透明プラスチック基材は、透明プラスチック基材を形成する樹脂成分(モノマー及び/又は重合体)100質量部に対して前記ベンゾトリアゾール化合物を0.05〜3.00質量部の範囲で使用することが好ましく、より好ましくは0.05〜2.50質量部、さらに好ましくは0.10〜2.00質量部、さらに好ましくは0.30〜2.00質量部である。前記ベンゾトリアゾール化合物の添加量は、樹脂成分の種類や所望の紫外線吸収特性等によって異なる。
前記透明プラスチック基材を形成する樹脂成分は、(チオ)ウレタン樹脂、エピスルフィド樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリアミド樹脂、アクリル樹脂、ビニル樹脂及びポリエステル樹脂からなる群から選ばれる少なくとも一種であることが好ましく、前記透明プラスチック基材がプラスチックレンズである場合は(チオ)ウレタン樹脂及び/又はエピスルフィド樹脂であることがより好ましい。
(チオ)ウレタン樹脂とは、ウレタン樹脂及びチオウレタン樹脂から選ばれる少なくとも1種を意味する。
【0017】
本発明において、(チオ)ウレタン樹脂を形成するモノマーは、ポリチオウレタンレンズ又はポリウレタンレンズを作製するための原料モノマーであり、具体的には、ポリイソシアナート化合物とポリチオール化合物との組み合わせ、ポリイソシアナート化合物とポリオール化合物との組み合わせより得られるものを挙げることができる。
【0018】
前記ポリイソシアナート化合物としては、特に限定されず、その具体例としては、ビス(イソシアナートメチル)シクロヘキサン、ビス(イソシアナートメチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプタン、水添2,6−トリレンジイソシアナート、水添メタ及びパラフェニレンジイソシアナート、水添2,4−トリレンジイソシアナート、水添ジフェニルメタンジイソシアナート、水添メタキシリレンジイソシアナート、水添パラキシリレンジイソシアナート、イソホロンジイソシアナート等の脂環族イソシアナート化合物;メタ及びパラフェニレンジイソシアナート、2,6−トリレンジイソシアナート、2,4−トリレンジイソシアナート、4,4' −ジフェニルメタンジイソシアナート、メタ及びパラキシリレンジイソシアナート〔ビス(イソシアナートメチル)ベンゼン〕、メタ及びパラテトラメチルキシリレンジイソシアナート、2,6−ナフタリンジイソシアナート、1,5−ナフタリンジイソシアナート、ヘキサメチレンジイソシアナート、オクタメチレンジイソシアナート、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアナート、テトラメチレンジイソシアナート、ヘキサメチレンジイソシアナートのビュウレット反応生成物、ヘキサメチレンジイソシアナートの3量体、リジンジイソシアナート、リジントリイソシアナート、1,6,11−ウンデカントリイソシアナート、トリフェニルメタントリイソシアナート等の脂環又は芳香環を有していないイソシアナート化合物;ジフェニルジスルフィド−4,4' −ジイソシアナート、2,2' −ジメチルジフェニルジスルフィド−5,5' −ジイソシアナート、3,3' −ジメチルジフェニルジスルフィド−5,5' −ジイソシアナート、3,3' −ジメチルジフェニルジスルフィド−6,6' −ジイソシアナート、4,4' −ジメチルジフェニルジスルフィド−5,5' −ジイソシアナート、3,3' −ジメトキシジフェニルジスルフィド−4,4' −ジイソシアナート、4,4' −ジメトキシジフェニルジスルフィド−3,3' −ジイソシアナート、ジフェニルスルホン−4,4' −ジイソシアナート、ジフェニルスルホン−3,3' −ジイソシアナート、ベンジリデンスルホン−4,4' −ジイソシアナート、ジフェニルメタンスルホン−4,4' −ジイソシアナート、4−メチルジフェニルメタンスルホン−2,4' −ジイソシアナート、4,4' −ジメトキシジフェニルスルホン−3,3' −ジイソシアナート、3,3' −ジメトキシ−4,4'−ジイソシアナトジベンジルスルホン、4,4' −ジメチルジフェニルスルホン−3,3' −ジイソシアナート、4,4' −ジ−tert−ブチルジフェニルスルホン−3,3' −ジイソシアナート、4,4' −ジメトキシベンゼンエチレンジスルホン−3,3' −ジイソシアナート、4,4' −ジクロロジフェニルスルホン−3,3' −ジイソシアナート、4−メチル−3−イソシアナトベンゼンスルホニル−4' −イソシアナトフェノールエステル、4−メトキシ−3−イソシアナトベンゼンスルホニル−4' −イソシアナトフェノールエステル、4−メチル−3−イソシアナトベンゼンスルホニルアニリド−3' −メチル−4' −イソシアナート、ジベンゼンスルホニル−エチレンジアミン−4,4' −ジイソシアナート、4,4' −ジメトキシベンゼンスルホニル−エチレンジアミン−3,3' −ジイソシアナート、4−メチル−3−イソシアナトベンゼンスルホニルアニリド−4−メチル−3' −イソシアナート、チオフェン−2,5−ジイソシアナート、チオフェン−2,5−ジイソシアナトメチル、1,4−ジチアン−2,5−ジイソシアナート、1,4−ジチアン−2,5−ジイソシアナトメチル、1,4−ジチアン−2,3−ジイソシアナトメチル、1,4−ジチアン−2−イソシアナトメチル−5−イソシアナトプロピル、1,3−ジチオラン−4,5−ジイソシアナート、1,3−ジチオラン−4,5−ジイソシアナトメチル、1,3−ジチオラン−2−メチル−4,5−ジイソシアナトメチル、1,3−ジチオラン−2,2−ジイソシアナトエチル、テトラヒドロチオフェン−2,5−ジイソシアナート、テトラヒドロチオフェン−2,5−ジイソシアナトメチル、テトラヒドロチオフェン−2,5−ジイソシアナトエチル、テトラヒドロチオフェン−3,4−ジイソシアナトメチル等の硫黄含有イソシアナ−ト化合物を挙げることができる。これらの中でも、脂環族イソシアナート化合物が好ましい。
【0019】
前記ポリチオール化合物としては、メタンジチオール、1,2−エタンジチオール、1,1−プロパンジチオール、1,2−プロパンジチオール、1,3−プロパンジチオール、2,2−プロパンジチオール、1,6−ヘキサンジチオール、1,2,3−プロパントリチオール、テトラキス(メルカプトメチル)メタン、1,1−シクロヘキサンジチオール、1,2−シクロヘキサンジチオール、2,2−ジメチルプロパン−1,3−ジチオール、3,4−ジメトキシブタン−1,2−ジチオール、2−メチルシクロヘキサン−2,3−ジチオール、1,1−ビス(メルカプトメチル)シクロヘキサン、チオリンゴ酸ビス(2−メルカプトエチルエステル)、2,3−ジメルカプトコハク酸(2−メルカプトエチルエステル)、2,3−ジメルカプト−1−プロパノール(2−メルカプトアセテート)、2,3−ジメルカプト−1−プロパノール(3−メルカプトアセテート)、ジエチレングリコールビス(2−メルカプトアセテート)、ジエチレングリコールビス(3−メルカプトプロピオネート)、1,2−ジメルカプトプロピルメチルエーテル、2,3−ジメルカプトプロピルメチルエーテル、2,2−ビス(メルカプトメチル)−1,3−プロパンジチオール、ビス(2−メルカプトエチル)エーテル、エチレングリコールビス(2−メルカプトアセテート)、エチレングリコールビス(3−メルカプトプロピオネート)、トリメチロールプロパントリス(2−メルカプトアセテート)、トリメチロールプロパントリス(3−メルカプトプロピオネート)、ペンタエリスリトールテトラキス(2−メルカプトアセテート)、ペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトプロピオネート)、1,2−ビス(2−メルカプトエチルチオ)−3−メルカプトプロパン等の脂肪族チオール;1,2−ジメルカプトベンゼン、1,3−ジメルカプトベンゼン、1,4−ジメルカプトベンゼン、1,2−ビス(メルカプトメチル)ベンゼン、1,3−ビス(メルカプトメチル)ベンゼン、1,4−ビス(メルカプトメチル)ベンゼン、1,3−ビス(メルカプトエチル)ベンゼン、1,4−ビス(メルカプトエチル)ベンゼン、1,2−ビス(メルカプトメトキシ)ベンゼン、1,3−ビス(メルカプトメトキシ)ベンゼン、1,4−ビス(メルカプトメトキシ)ベンゼン、1,2−ビス(メルカプトエトキシ)ベンゼン、1,3−ビス(メルカプトエトキシ)ベンゼン、1,4−ビス(メルカプトエトキシ)ベンゼン、1,2,3−トリメルカプトベンゼン、1,2,4−トリメルカプトベンゼン、1,3,5−トリメルカプトベンゼン、1,2,3−トリス(メルカプトメチル)ベンゼン、1,2,4−トリス(メルカプトメチル)ベンゼン、1,3,5−トリス(メルカプトメチル)ベンゼン、1,2,3−トリス(メルカプトエチル)ベンゼン、1,2,4−トリス(メルカプトエチル)ベンゼン、1,3,5−トリス(メルカプトエチル)ベンゼン、1,2,3−トリス(メルカプトメトキシ)ベンゼン、1,2,4−トリス(メルカプトメトキシ)ベンゼン、1,3,5−トリス(メルカプトメトキシ)ベンゼン、1,2,3−トリス(メルカプトエトキシ)ベンゼン、1,2,4−トリス(メルカプトエトキシ)ベンゼン、1,3,5−トリス(メルカプトエトキシ)ベンゼン、1,2,3,4−テトラメルカプトベンゼン、1,2,3,5−テトラメルカプトベンゼン、1,2,4,5−テトラメルカプトベンゼン、1,2,3,4−テトラキス(メルカプトメチル)ベンゼン、1,2,3,5−テトラキス(メルカプトメチル)ベンゼン、1,2,4,5−テトラキス(メルカプトメチル)ベンゼン、1,2,3,4−テトラキス(メルカプトエチル)ベンゼン、1,2,3,5−テトラキス(メルカプトエチル)ベンゼン、1,2,4,5−テトラキス(メルカプトエチル)ベンゼン、1,2,3,4−テトラキス(メルカプトエチル)ベンゼン、1,2,3,5−テトラキス(メルカプトメトキシ)ベンゼン、1,2,4,5−テトラキス(メルカプトメトキシ)ベンゼン、1,2,3,4−テトラキス(メルカプトエトキシ)ベンゼン、1,2,3,5−テトラキス(メルカプトエトキシ)ベンゼン、1,2,4,5−テトラキス(メルカプトエトキシ)ベンゼン、2,2'−ジメルカプトビフェニル、4,4' −ジメルカプトビフェニル、4,4' −ジメルカプトビベンジル、2,5−トルエンジチオール、3,4−トルエンジチオール、1,4−ナフタレンジチオール、1,5−ナフタレンジチオール、2,6−ナフタレンジチオール、2,7−ナフタレンジチオール、2,4−ジメチルベンゼン−1,3−ジチオール、4,5−ジメチルベンゼン−1,3−ジチオール、9,10−アントラセンジメタンチオール、1,3−ジ(p−メトキシフェニル)プロパン−2,2−ジチオール、1,3−ジフェニルプロパン−2,2−ジチオール、フェニルメタン−1,1−ジチオール、2,4−ジ(p−メルカプトフェニル)ペンタン等の芳香族チオール;2,5−ジクロロベンゼン−1,3−ジチオール、1,3−ジ(p−クロロフェニル)プロパン−2,2−ジチオール、3,4,5−トリブロム−1,2−ジメルカプトベンゼン、2,3,4,6−テトラクロル−1,5−ビス(メルカプトメチル)ベンゼン等の塩素置換体、臭素置換体等のハロゲン置換芳香族チオール;1,2−ビス(メルカプトメチルチオ)ベンゼン、1,3−ビス(メルカプトメチルチオ)ベンゼン、1,4−ビス(メルカプトメチルチオ)ベンゼン、1,2−ビス(メルカプトエチルチオ)ベンゼン、1,3−ビス(メルカプトエチルチオ)ベンゼン、1,4−ビス(メルカプトエチルチオ)ベンゼン、1,2,3−トリス(メルカプトメチルチオ)ベンゼン、1,2,4−トリス(メルカプトメチルチオ)ベンゼン、1,3,5−トリス(メルカプトメチルチオ)ベンゼン、1,2,3−トリス(メルカプトエチルチオ)ベンゼン、1,2,4−トリス(メルカプトエチルチオ)ベンゼン、1,3,5−トリス(メルカプトエチルチオ)ベンゼン、1,2,3,4−テトラキス(メルカプトメチルチオ)ベンゼン、1,2,3,5−テトラキス(メルカプトメチルチオ)ベンゼン、1,2,4,5−テトラキス(メルカプトメチルチオ)ベンゼン、1,2,3,4−テトラキス(メルカプトエチルチオ)ベンゼン、1,2,3,5−テトラキス(メルカプトエチルチオ)ベンゼン、1,2,4,5−テトラキス(メルカプトエチルチオ)ベンゼン等、及びこれらの核アルキル化物等のメルカプト基以外に硫黄原子を含有する芳香族チオール;ビス(メルカプトメチル)スルフィド、ビス(メルカプトエチル)スルフィド、ビス(メルカプトプロピル)スルフィド、ビス(メルカプトメチルチオ)メタン、ビス(2−メルカプトエチルチオ)メタン、ビス(3−メルカプトプロピルチオ)メタン、1,2−ビス(メルカプトメチルチオ)エタン、1,2−ビス(2−メルカプトエチルチオ)エタン、1,2−ビス(3−メルカプトプロピルチオ)エタン、1,3−ビス(メルカプトメチルチオ)プロパン、1,3−ビス(2−メルカプトエチルチオ)プロパン、1,3−ビス(3−メルカプトプロピルチオ)プロパン、1,2−ビス(2−メルカプトエチルチオ)−3−メルカプトプロパン、2−メルカプトエチルチオ−1,3−プロパンジチオール、1,2,3−トリス(メルカプトメチルチオ)プロパン、1,2,3−トリス(2−メルカプトエチルチオ)プロパン、1,2,3−トリス(3−メルカプトプロピルチオ)プロパン、テトラキス(メルカプトメチルチオメチル)メタン、テトラキス(2−メルカプトエチルチオメチル)メタン、テトラキス(3−メルカプトプロピルチオメチル)メタン、ビス(2,3−ジメルカプトプロピル)スルフィド、2,5−ジメルカプト−1,4−ジチアン、ビス(メルカプトメチル)ジスルフィド、ビス(メルカプトエチル)ジスルフィド、ビス(メルカプトプロピル)ジスルフィド等、及びこれらのチオグリコール酸及びメルカプトプロピオン酸のエステル、ヒドロキシメチルスルフィドビス(2−メルカプトアセテート)、ヒドロキシメチルスルフィドビス(3−メルカプトプロピオネート)、ヒドロキシエチルスルフィドビス(2−メルカプトアセテート)、ヒドロキシエチルスルフィドビス(3−メルカプトプロピオネート)、ヒドロキシプロピルスルフィドビス(2−メルカプトアセテート)、ヒドロキシプロピルスルフィドビス(3−メルカプトプロピオネート)、ヒドロキシメチルジスルフィドビス(2−メルカプトアセテート)、ヒドロキシメチルジスルフィドビス(3−メルカプトプロピオネート)、ヒドロキシエチルジスルフィドビス(2−メルカプトアセテート)、ヒドロキシエチルジスルフィドビス(3−メルカプトプロピオネート)、ヒドロキシプロピルジスルフィドビス(2−メルカプトアセテート)、ヒドロキシプロピルジスルフィドビス(3−メルカプトプロピオネート)、2−メルカプトエチルエーテルビス(2−メルカプトアセテート)、2−メルカプトエチルエーテルビス(3−メルカプトプロピオネート)、1,4−ジチアン−2,5−ジオールビス(2−メルカプトアセテート)、1,4−ジチアン−2,5−ジオールビス(3−メルカプトプロピオネート)、チオグリコール酸(2−メルカプトエチルエステル)、チオジプロピオン酸ビス(2−メルカプトエチルエステル)、4,4' −チオジブチル酸ビス(2−メルカプトエチルエステル)、ジチオジグリコール酸ビス(2−メルカプトエチルエステル)、ジチオジプロピオン酸ビス(2−メルカプトエチルエステル)、4,4' −ジチオジブチル酸ビス(2−メルカプトエチルエステル)、チオジグリコール酸ビス(2,3−ジメルカプトプロピルエステル)、チオジプロピオン酸ビス(2,3−ジメルカプトプロピルエステル)、ジチオジグリコール酸ビス(2,3−ジメルカプトプロピルエステル)、ジチオジプロピオン酸ビス(2,3−ジメルカプトプロピルエステル)、4−メルカプトメチル−3,6−ジチアオクタン−1,8−ジチオール、ビス(メルカプトメチル)−3,6,9−トリチア−1,11−ウンデカンジチオール、ビス(1,3−ジメルカプト−2−プロピル)スルフィド等のメルカプト基以外に硫黄原子を含有する脂肪族チオール;3,4−チオフェンジチオール、テトラヒドロチオフェン−2,5−ジメルカプトメチル、2,5−ジメルカプト−1,3,4−チアジアゾール、2,5−ジメルカプト−1,4−ジチアン、2,5−ジメルカプトメチル−1,4−ジチアン等のメルカプト基以外に硫黄原子を含有する複素環化合物などが挙げられる。
【0020】
前記ポリオール化合物としては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ブチレングリコール、ネオペンチルグリコール、グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ブタントリオール、1,2−メチルグルコサイド、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、トリペンタエリスリトール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレート、シクロブタンジオール、シクロペンタンジオール、シクロヘキサンジオール、シクロヘプタンジオール、シクロオクタンジオール、ビシクロ[4.3.0]−ノナンジオール、ジシクロヘキサンジオール、トリシクロ[5.3.1.1]ドデカンジオール、スピロ[3.4]オクタンジオール、ブチルシクロヘキサンジオール等の脂肪族ポリオール;ジヒドロキシナフタレン、トリヒドロキシナフタレン、テトラヒドロキシナフタレン、ジヒドロキシベンゼン、ベンゼントリオール、トリヒドロキシフェナントレン、ビスフェノールA、ビスフェノールF、キシリレングリコール、テトラブロムビスフェノールA等の芳香族ポリオール及びそれらとエチレンオキサイドやプロピレンオキサイドなどのアルキレンオキサイドとの付加反応生成物;ビス−〔4−(ヒドロキシエトキシ)フェニル〕スルフィド、ビス−〔4−(2−ヒドロキシプロポキシ)フェニル〕スルフィド、ビス−〔4−(2,3−ジヒドロキシプロポキシ)フェニル〕スルフィド、ビス−〔4−(4−ヒドロキシシクロヘキシロキシ)フェニル〕スルフィド、ビス−〔2−メチル−4−(ヒドロキシエトキシ)−6−ブチルフェニル〕スルフィド及びこれらの化合物に水酸基1個当たり平均3分子以下のエチレンオキシド及び/又はプロピレンオキシドが付加された化合物;ジ−(2−ヒドロキシエチル)スルフィド、1,2−ビス−(2−ヒドロキシエチルメルカプト)エタン、ビス(2−ヒドロキシエチル)ジスルフィド、1,4−ジチアン−2,5−ジオール、ビス(2,3−ジヒドロキシプロピル)スルフィド、テトラキス(4−ヒドロキシ−2−チアブチル)メタン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホン(商品名ビスフェノールS)、テトラブロモビスフェノールS、テトラメチルビスフェノールS、4,4' −チオビス(6−tert−ブチル−3−メチルフェノール)、1,3−ビス(2−ヒドロキシエチルチオエチル)−シクロヘキサン等の硫黄原子を含有したポリオールなどが挙げられる。
【0021】
また、前記(チオ)ウレタン樹脂を形成するモノマーは、従来より知られており、このモノマーを開示をしている具体的な公知刊行物としては、例えば、特開昭58−127914号公報、特開昭57−136601号公報、特開平01−163012号公報、特開平03−236386号公報、特開平03−281312号公報、特開平04−159275号公報、特開平05−148340号公報、特開平06−065193号公報、特開平06−256459号公報、特開平06−313801号公報、特開平06−192250号公報、特開平07−063902号公報、特開平07−104101号公報、特開平07−118263号公報、特開平07−118390号公報、特開平07−316250号公報、特開昭60−199016号公報、特開昭60−217229号公報、特開昭62−236818号公報、特開昭62−255901号公報、特開昭62−267316号公報、特開昭63−130615号公報、特開昭63−130614号公報、特開昭63−046213号公報、特開昭63−245421号公報、特開昭63−265201号公報、特開平01−090167号公報、特開平01−090168号公報、特開平01−090169号公報、特開平01−090170号公報、特開平01−096208号公報、特開平01−152019号公報、特開平01−045611号公報、特開平01−213601号公報、特開平01−026622号公報、特開平01−054021号公報、特開平01−311118号公報、特開平01−295201号公報、特開平01−302202号公報、特開平02−153302号公報、特開平01−295202号公報、特開平02−802号公報、特開平02−036216号公報、特開平02−058517号公報、特開平02−167330号公報、特開平02−270859号公報、特開平03−84031号公報、特開平03−084021号公報、特開平03−124722号公報、特開平04−78801号公報、特開平04−117353号公報、特開平04−117354号公報、特開平04−256558号公報、特開平05−78441号公報、特開平05−273401号公報、特開平05−093801号公報、特開平05−080201号公報、特開平05−297201号公報、特開平05−320301号公報、特開平05−208950号公報、特開平06−072989号公報、特開平06−256342号公報、特開平06−122748号公報、特開平07−165859号公報、特開平07−118357号公報、特開平07−242722号公報、特開平07−247335号公報、特開平07−252341号公報、特開平08−73732号公報、特開平08−092345号公報、 特開平07−228659号公報、特開平08−3267号公報、特開平07−252207号公報、特開平07−324118号公報、特開平09−208651号公報などが挙げられる。これらの公報に開示されているポリイソシアナート化合物、ポリオ−ル化合物、ポリチオ−ル化合物は、本発明でいう(チオ)ウレタン系のモノマーに該当する。また、さらに、これらのモノマーに、耐熱性、屈折率等の物性を変質させるために、例えば後述するエピスルフィド樹脂を形成するモノマーの他、ジエチレングリコールアリルカーボネート等の他のモノマーを添加することも可能である。
【0022】
本発明において、エピスルフィド樹脂を形成するモノマーとは、エピチオ構造を形成するモノマーともいい、エピスルフィド基(エピチオ基)を有するモノマー又は該モノマーを含んだ混合モノマーを指称する。ここで、エピスルフィド基を有するモノマーの具体例としては、1,3及び1,4−ビス(β−エピチオプロピルチオ)シクロヘキサン、1,3及び1,4−ビス(β−エピチオプロピルチオメチル)シクロヘキサン、ビス〔4−(β−エピチオプロピルチオ)シクロヘキシル〕メタン、2,2−ビス〔4−(β−エピチオプロピルチオ)シクロヘキシル〕プロパン、ビス〔4−(β−エピチオプロピルチオ)シクロヘキシル〕スルフィド等の脂環族骨格を有するエピスルフィド化合物;1,3及び1,4−ビス(β−エピチオプロピルチオ)ベンゼン、1,3及び1,4−ビス(β−エピチオプロピルチオメチル)ベンゼン、ビス〔4−(β−エピチオプロピルチオ)フェニル〕メタン、2,2−ビス〔4−(β−エピチオプロピルチオ)フェニル〕プロパン、ビス〔4−(β−エピチオプロピルチオ)フェニル〕スルフィド、ビス〔4−(β−エピチオプロピルチオ)フェニル〕スルフィン、4,4−ビス(β−エピチオプロピルチオ)ビフェニル等の芳香族骨格を有するエピスルフィド化合物;2,5−ビス(β−エピチオプロピルチオメチル)−1,4−ジチアン、2,5−ビス(β−エピチオプロピルチオエチルチオメチル)−1,4−ジチアン、2,5−ビス(β−エピチオプロピルチオエチル)−1,4−ジチアン、2,3、5−トリ(β−エピチオプロピルチオエチル)−1,4−ジチアン等のジチアン環骨格を有するエピスルフィド化合物;2−(2−β−エピチオプロピルチオエチルチオ)−1,3−ビス(β−エピチオプロピルチオ)プロパン、1,2−ビス〔(2−β−エピチオプロピルチオエチル)チオ〕−3−(β−エピチオプロピルチオ)プロパン、テトラキス(β−エピチオプロピルチオメチル)メタン、1,1,1−トリス(β−エピチオプロピルチオメチル)プロパン、ビス−(β−エピチオプロピル)スルフィド等の脂肪族骨格を有するエピスルフィド化合物などが挙げられる。
【0023】
エピスルフィド樹脂を形成するモノマーは従来より知られており、公報の具体例としては、特開平09−071580号公報、特開平09−110979号公報、特開平09−255781号公報、特開平03−081320号公報、特開平11−140070号公報、特開平11−183702号公報、特開平11−189592号公報、特開平11−180977号公報、特再平01−810575号公報等が挙げられる。これらの公報に開示されているエピスルフィド系モノマーは、本発明におけるエピスルフィド系モノマーに該当するものであることはいうまでもない。勿論、耐衝撃性、加工性等のレンズ物性を変質させるため、例えば前述した(チオ)ウレタン樹脂を形成するモノマー等の他の透明プラスチック基材モノマーを添加することも可能である。
【0024】
また、本発明においては、任意成分として、前記(チオ)ウレタン樹脂及び/又はエピスルフィド樹脂を形成するモノマーに、ジエチレングリコールビスアリルカーボネート系のモノマーを添加することができる。
このジエチレングリコールビスアリルカーボネート系のモノマーとして、ジエチレングリコールビスアリルカーボネート単独、及びジエチレングリコールビスアリルカーボネートと共重合可能なモノマーとの混合モノマーが該当する。その共重合体可能なモノマーの具体例としては、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、クロルスチレン、クロルメチルスチレン、ジビニルベンゼン等の芳香族ビニル化合物;メチル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、n−ヘキシル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、メトキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、3−クロロ−2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、ベンジルメタクリレート等のモノ(メタ)アクリレート類;2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3−フェノキシ−2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート等のヒドロキシ基を有するモノ(メタ)アクリレート類;エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,3−ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−1,3−ジ(メタ)アクリロキシプロパン、2,2−ビス〔4−((メタ)アクリロキシエトキシ)フェニル〕プロパン、2,2−ビス〔4−((メタ)アクリロキシ・ジエトキシ)フェニル〕プロパン、2,2−ビス〔4−((メタ)アクリロキシ・ポリエトキシ)フェニル〕プロパン等のジ(メタ)アクリレート類;トリメチロールプロパントリメタクリレート、テトラメチロールメタントリメタクリレート等のトリ(メタ)アクリレート類;テトラメチロールメタンテトラ(メタ)アクリレート等のテトラ(メタ)アクリレート類〔ただし、本明細書中の(メタ)アクリレートは、メタクリレート又はアクリレートを意味する〕;ジアリルフタレート、ジアリルイソフタレート、ジアリルテレフタレートなどが挙げられる。
【0025】
本発明の透明プラスチック基材において、チオウレタン構造を形成するモノマーを主成分として使用する場合には、原料モノマー全体の質量を1としたとき、原料モノマーとなるポリイソシアナート化合物とポリチオール化合物との合計質量が、0.6以上である原料から重合されることが好ましい。
また、エピスルフィド樹脂を形成するモノマーを主成分として使用する場合には、原料モノマー全体の質量を1としたとき、原料モノマーとなるエピスルフィド基を有する化合物の量が、0.6以上である原料から重合されることが好ましい。
【0026】
本発明の透明プラスチック基材の製造方法としては、前記式(1)から選ばれる1種以上のベンゾトリアゾール化合物を、例えば、(チオ)ウレタン樹脂及び/又はエピスルフィド樹脂を形成するモノマーに添加混合した後、該モノマーを重合する方法が挙げられる。原料モノマーの重合方法は、特に限定されるものではないが、通常、注型重合が採用される。すなわち、前記式(1)から選ばれる1種以上のベンゾトリアゾール化合物と、上述の原料モノマーとを混合した後、この混合液をレンズ成型用鋳型中に注入し、通常−20℃〜150℃の間で加熱することにより透明プラスチック基材が得られる。
【0027】
他の本発明の透明プラスチック基材の製造方法としては、前記式(1)から選ばれる1種以上のベンゾトリアゾール化合物と適当な界面活性剤を水に溶解又は分散させた液に、透明プラスチック基材を浸漬させ、ベンゾトリアゾール化合物を透明プラスチック基材中に滲入させることにより透明プラスチック基材を得ることができる。
【0028】
また、前記式(1)で表されるベンゾトリアゾール化合物と、透明プラスチック基材の原料モノマーとの混合液には、特開平07−063902号公報、特開平07−104101号公報、特開平09−208621号公報、特開平09−255781号公報等に記載されている重合触媒、特開平01−163012号公報、特開平03−281312号公報等に記載されている内部離型剤、酸化防止剤、蛍光増白剤、ブルーイング剤等の助剤を必要に応じて添加することができる。また、本発明で得られる透明プラスチック基材は、着色剤を用いて染色処理を行うことができる。
【0029】
本発明の透明プラスチック部材は、式(1)で表されるベンゾトリアゾール化合物を含み、例えば、機能層を有し、好ましくは、透明プラスチック基材と、機能層とを有する。
本発明の透明プラスチック部材は、好ましくはプラスチックレンズであり、より好ましくは眼鏡用プラスチックレンズである。
機能層としては、例えば、硬化被膜、プライマー層、反射防止膜及び撥水膜から選ばれる少なくとも1種が挙げられる。
すなわち、耐擦傷性向上のため、有機ケイ素化合物、酸化スズ、酸化ケイ素、酸化ジルコニウム、酸化チタン等の微粒子状無機物等を有するコーティング液を用いて硬化被膜を透明プラスチック基材上に形成することができる。また、耐衝撃性を向上させるためにポリウレタンを主成分とするプライマー層を設けることができる。さらに、反射防止の性能を付与するために、酸化ケイ素、二酸化チタン、酸化ジルコニウム、酸化タンタル等を用いて反射防止膜を施すこともできる。また、撥水性向上のため、フッ素原子を有する有機ケイ素化合物を用いて撥水膜を反射防止膜上に施すことができる。
【0030】
本発明の透明プラスチック部材では、式(1)で表されるベンゾトリアゾール化合物が含有される部位は特に限定されず、当該ベンゾトリアゾール化合物が、機能層、又は、前記透明プラスチック基材のいずれに含まれていてもよい。より具体的には、ベンゾトリアゾール化合物は、上記透明プラスチック基材、硬化被膜、プライマー層、反射防止膜、撥水膜のいずれに含有されていてもよい。
式(1)で表されるベンゾトリアゾール化合物は、好ましくは透明プラスチック基材に含有される。
なお、機能層中にベンゾトリアゾール化合物が含有される透明プラスチック部材の製造方法としては、前記式(1)から選ばれる1種以上のベンゾトリアゾール化合物と上記樹脂成分、必要に応じて溶剤等を混合した組成物を調製し、この組成物をプラスチックレンズ基材の少なくとも一方の表面に塗布し、硬化させて機能層を形成することにより透明プラスチック部材を得ることができる。
【0031】
本発明の透明プラスチック部材(又は透明プラスチック基材)は、380〜500nmの青色領域の光線カット率が35%以上であると好ましく、40%以上であるとより好ましく、また、特に限定されないが、例えば、60%以下が好ましく、50%以下が好ましい。
また、波長410nmの光のカット率は、50%以上であると好ましく、60%以上であるとより好ましい。
本発明において透明とは、透き通っていて向こう側が視認できることをいう。
本発明の透明プラスチック基材の400〜700nmの波長域における光線透過率は、好ましくは70%以上、より好ましくは80%以上、さらに好ましくは90%以上である。
【実施例】
【0032】
以下、本発明を具体的に説明するために実施例を挙げて説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。なお、透明プラスチック部材としてプラスチックレンズを例示する。製造したプラスチックレンズの物性は次の方法により求めた。
【0033】
(1)青色領域(380〜500nmの波長域)の光線カット率の測定
波長380〜500nmの透過率を分光光度計(U−4100,日立製作所(株) 製)を用いて測定し、10nm毎の透過率(T)から、下記式にて青色光カット率を計算した。
【数1】
【0034】
(2)410nmカット率の測定
分光光度計を用いて410nmの波長における光線透過率を測定し、下記式により光線カット率を計算した。
光線カット率(%)=100−(410nm透過率)
【0035】
実施例1
レンズ原料モノマーとして、ビス(イソシアナートメチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプタン 50.28質量部に、触媒としてジメチルチンジクロライド0.06質量部、離型剤として酸性リン酸エステルJP−506H(城北化学工業(株)製)を0.15質量部、紫外線吸収剤として2−(3−tert−ブチル−2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)−5−クロロ−2H−ベンゾトリアゾール1.90質量部を添加し撹拌混合した後、さらにレンズ原料としてペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトプロピオネート)25.50質量部、1,2−ビス(2−メルカプトエチルチオ)−3−メルカプトプロパン 24.22質量部を添加し、10mmHgの減圧下で30分間攪拌混合してレンズ用モノマー組成物を調製した。ついで、このレンズ用モノマー組成物を、予め準備したガラス製モールドと樹脂製ガスケットからなるレンズ成型用鋳型(0.00D、肉厚1.6mmに設定)の中に注入し、電気炉中で20℃〜120℃まで24時間かけて重合を行った。重合終了後、ガスケット及びモールドを取り外した後、120℃で2時間熱処理して透明プラスチックレンズを得た。
得られたレンズについて、波長410nmでのカット率及び青色光のカット率を測定した結果を表1に示す。
【0036】
実施例2〜7及び比較例1〜2
実施例1において、レンズ原料モノマー及び紫外線吸収剤の種類と量を表1に記載のように変えた以外は同様にして、透明プラスチックレンズを得た。
得られたレンズについて、波長410nmでのカット率及び青色光のカット率を測定した結果を表1に示す。
【0037】
実施例8
レンズ原料モノマーとして、ビス−(β−エピチオプロピル)スルフィド93.00質量部、2−ヒドロキシエチルメタクリレート1.00質量部、紫外線吸収剤として2−(3−tertブチル−2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)−5−クロロ−2H−ベンゾトリアゾール0.40質量部添加し、攪拌混合した後、さらにn−ブチルチオグリコレート6.00質量部と、触媒としてテトラ−n−ブチルホスホニュウムブロマイド0.05質量部を添加し、10mmHgの減圧下で3分間攪拌混合し、レンズ用モノマー組成物を調製した。ついで、このレンズ用モノマー組成物を、予め準備したガラス製モールドと樹脂製ガスケットからなるレンズ成型用鋳型(0.00D、肉厚1.6mmに設定)の中に注入し、電気炉中で20℃〜100℃まで20時間かけて重合を行った。重合終了後、ガスケット及びモールドを取り外した後、110℃で1時間熱処理して透明プラスチックレンズを得た。
得られたレンズについて、波長410nmでのカット率及び青色光のカット率を測定した結果を表1に示す。
【0038】
実施例9
レンズ原料モノマーとして、メチルメタクリレート90.00質量部、エチレングリコールジメタクリレート10.00質量部、紫外線吸収剤として2−(3−tertブチル−2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)−5−クロロ−2H−ベンゾトリアゾール1.00質量部、熱重合開始剤としてアゾビスイソブチルニトリルを0.10質量部混合し、室温でよく攪拌した後、50mmHgに減圧して10分間脱気した。ついで、このレンズ用モノマー組成物を、予め準備したガラス製モールドと樹脂製ガスケットからなるレンズ成型用鋳型(0.00D、肉厚1.6mmに設定)の中に注入し、電気炉中で40℃〜85℃まで24時間かけて重合を行った。重合終了後、ガスケット及びモールドを取り外した後、100℃で2時間熱処理して透明プラスチックレンズを得た。
得られたレンズについて、波長410nmでのカット率及び青色光のカット率を測定した結果を表1に示す。
【0039】
実施例10
常法によりビスフェノールAとホスゲンを界面重合法で重合して得たポリカーボネート樹脂粉粒体100質量部に、紫外線吸収剤として2−(3−tertブチル−2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)−5−クロロ−2H−ベンゾトリアゾール1.00質量部添加し、タンブラーにて充分混合した後に、30mmΦベント式二軸押出成形機により温度290℃、真空度4.7kPaでペレット化した。次いで、得られたペレットを用いて射出圧縮成形を行い、透明プラスチックレンズを得た。
得られたレンズについて、波長410nmでのカット率及び青色光のカット率を測定した結果を表1に示す。
【0040】
比較例3
実施例8において、紫外線吸収剤として、2−(2−ヒドロキシ−4−オクチルオキシフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール0.40質量部用いた以外は同様にして透明プラスチックレンズを得た。
得られたレンズについて、波長410nmでのカット率及び青色光のカット率を測定した結果を表1に示す。
【0041】
【表1】
【0042】
表中に示した各種モノマー若しくは樹脂、及び紫外線吸収剤は以下のとおりである。
(モノマー又は樹脂)
M−1:ビス(イソシアナートメチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプタン
M−2:ペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトプロピオネート)
M−3:1,2−ビス(2−メルカプトエチルチオ)―3−メルカプトプロパン
M−4:ビス(イソシアナートメチル)ベンゼン
M−5:ビス(イソシアナートメチル)シクロヘキサン
M−6:ペンタエリスリトールテトラキスメルカプトアセテート
M−7:2,5−ビスメルカプトメチル−1,4−ジチアン
M−8:ビス(β−エピチオプロピル)スルフィド
M−9:2−ヒドロキシエチルメタクリレート
M−10:n−ブチルチオグリコレート
M−11:メチルメタクリレート
M−12:エチレングリコールジメタクリレート
M−13:ポリカーボネート樹脂
(紫外線吸収剤)
U−1:2−(3−tert−ブチル−2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)―5−クロロ―2H−ベンゾトリアゾール
U−2:2−(3−tert−ブチル−2−ヒドロキシ−5−エチルフェニル)―5−クロロ―2H−ベンゾトリアゾール
U−3:2−(4−エトキシ―2−ヒドロキシフェニル)―5−クロロ―2H−ベンゾトリアゾール
U−4:2−(4−ブトキシ―2−ヒドロキシフェニル)―5−クロロ―2H−ベンゾトリアゾール
U−5:2−(2−ヒドロキシ−4−オクチルオキシフェニル)―2H−ベンゾトリアゾール
【0043】
本実施例では、プラスチックレンズでの実施例を示したが、例えばパソコンや携帯電話、スマートフォン等の画面側に式(1)で表されるベンゾトリアゾール化合物を添加した透明プラスチック部材を設けても、同様の効果を得ることが出来る。
【0044】
本明細書においては、以下の発明を開示する。
<1> 下記式(1)で表されるベンゾトリアゾール化合物を含む透明プラスチック基材。
【化4】

(式中、Rは、炭素数1〜3のアルキル基又は炭素数1〜3のアルコキシ基を表し、mは0又は1の整数である。Rは、炭素数1〜12のアルキル基又は炭素数1〜12のアルコキシ基を表す。Rは、水素原子、又は炭素数1〜8の2価の炭化水素基を表し、nは該Rの価数であり、1又は2である。mが1の場合、RとRは、同一でも異なっていてもよい。Xは、共鳴効果を付与する基を表す。)
<2> 前記ベンゾトリアゾール化合物のXが、塩素原子、臭素原子、フッ素原子、ヨウ素原子、スルホ基、カルボキシ基、ニトリル基、アルコキシ基、ヒドロキシ基及びアミノ基からなる群から選ばれる少なくとも一種である、<1>に記載の透明プラスチック基材。
<3> 前記ベンゾトリアゾール化合物が、下記一般式(1−1)で表される、<1>又は<2>に記載の透明プラスチック基材。
【化5】

(式中、Rは、炭素数1〜3のアルキル基又は炭素数1〜3のアルコキシ基を表し、mは0又は1の整数である。Rは、炭素数1〜12のアルキル基又は炭素数1〜12のアルコキシ基を表す。mが1の場合、RとRは、同一でも異なっていてもよい。)
<4> 透明プラスチック基材を形成する樹脂成分100質量部に対して、前記ベンゾトリアゾール化合物を0.05〜3.00質量部添加してなる<1>〜<3>のいずれかに記載の透明プラスチック基材。
<5> 前記ベンゾトリアゾール化合物が、2−(3−tert−ブチル−2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)−5−クロロ−2H−ベンゾトリアゾール、2−(3−tert−ブチル−2−ヒドロキシ−5−エチルフェニル)−5−クロロ−2H−ベンゾトリアゾール、2−(4−エトキシ−2−ヒドロキシフェニル)−5−クロロ−2H−ベンゾトリアゾール、及び2−(4−ブトキシ−2−ヒドロキシフェニル)−5−クロロ−2H−ベンゾトリアゾールから選ばれる少なくとも一種である<1>〜<4>のいずれかに記載の透明プラスチック基材。
<6> 380〜500nmの波長域の光線カット率が35%以上である<1>〜<5>のいずれかに記載の透明プラスチック基材。
<7> 波長410nmの光のカット率が50%以上である<1>〜<6>のいずれかに記載の透明プラスチック基材。
<8> 透明プラスチック基材を形成する樹脂成分が、(チオ)ウレタン樹脂、エピスルフィド樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリアミド樹脂、アクリル樹脂、ビニル樹脂及びポリエステル樹脂からなる群から選ばれる少なくとも一種である、<1>〜<7>のいずれかに記載の透明プラスチック基材。
<9> <1>〜<8>のいずれかに記載の透明プラスチック基材を有するプラスチックレンズ。
<10> <9>に記載の透明プラスチック基材を有するプラスチックレンズであって、前記透明プラスチック基材を形成する樹脂成分が、(チオ)ウレタン樹脂及び/又はエピスルフィド樹脂であるプラスチックレンズ。
<11> 前記透明プラスチック基材を形成するモノマーが、脂肪族ポリイソシアナート化合物及び/又は脂環族ポリイソシアナート化合物と、ポリチオール化合物との組み合わせである、<10>に記載のプラスチックレンズ。
<12> 下記式(1)で表されるベンゾトリアゾール化合物を含む透明プラスチック部材。
【化6】

(式中、Rは、炭素数1〜3のアルキル基又は炭素数1〜3のアルコキシ基を表し、mは0又は1の整数である。Rは、炭素数1〜12のアルキル基又は炭素数1〜12のアルコキシ基を表す。Rは、水素原子、又は炭素数1〜8の2価の炭化水素基を表し、nは該Rの価数であり、1又は2である。mが1の場合、RとRは、同一でも異なっていてもよい。Xは、共鳴効果を付与する基を表す。)
<13> 透明プラスチック基材と、機能層とを有し、前記式(1)で表されるベンゾトリアゾール化合物が、前記透明プラスチック基材又は機能層のいずれかに含まれる、<12>に記載の透明プラスチック部材。