(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6383758
(24)【登録日】2018年8月10日
(45)【発行日】2018年8月29日
(54)【発明の名称】ペットフード及びペットフードの製造方法
(51)【国際特許分類】
A23K 50/48 20160101AFI20180820BHJP
A23K 40/30 20160101ALI20180820BHJP
A23K 10/20 20160101ALI20180820BHJP
A23K 20/163 20160101ALI20180820BHJP
【FI】
A23K50/48
A23K40/30 Z
A23K10/20
A23K20/163
【請求項の数】3
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2016-124142(P2016-124142)
(22)【出願日】2016年6月23日
(65)【公開番号】特開2017-225399(P2017-225399A)
(43)【公開日】2017年12月28日
【審査請求日】2016年12月28日
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】596038881
【氏名又は名称】いなば食品株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002022
【氏名又は名称】特許業務法人コスモ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】稲葉 敦央
【審査官】
田中 洋介
(56)【参考文献】
【文献】
特表2009−540839(JP,A)
【文献】
登録実用新案第3040634(JP,U)
【文献】
特開平11−253109(JP,A)
【文献】
特開2001−095503(JP,A)
【文献】
特開2010−057380(JP,A)
【文献】
国際公開第2016/058017(WO,A1)
【文献】
特開2012−147729(JP,A)
【文献】
シーバデュオ 12ヶ月までの子ねこ用(200g),URL,https://www.soukai.com/P8160900/p.html?utm_source=kakaku.com_a&utm_medium=referral
【文献】
シーバ (Sheba) デュオ 12ヶ月までの子ねこ用 200g(20g×10袋入) 子猫用 ,2012年 3月 9日,URL,https://www.amazon.co.jp/%E3%82%B7%E3%83%BC%E3%83%90-Sheba-12%E3%83%B6%E6%9C%88%E3%81%BE%E3%81%A7%E3%81%AE%E5%AD%90%E3%81%AD%E3%81%93%E7%94%A8-200g-20g%C3%9710%E8%A2%8B%E5%85%A5/dp/B007IVCT4E
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A23K 10/00−50/90
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ささみ肉を主成分とし、増粘剤、調味料、酵母エキス、オリゴ糖、を加えて混練し、棒状体形状に形成して焼き入れを行うことにより水分量を60質量%乃至80質量%とした外包食材の内部に、マグロ肉又はささみ肉を主成分とし、畜肉エキス又は魚介エキス、及び増粘剤を添加して水分量を75質量%乃至85質量%としたゼリー状の内部食材を充填した二層構造とし、直径を10mm余りとし、長さを10cm前後とする円柱棒状体形状であることを特徴とするペットフード。
【請求項2】
棒状体形状の前記ペットフードの1本毎をレトルトパウチにより梱包したことを特徴とする請求項1に記載したペットフード。
【請求項3】
ささみ肉を主成分として、増粘剤、調味料、酵母エキス、オリゴ糖、及び、水を加えて混練し、水分量を70質量%乃至90質量%のペースト状とする外部食品材を生成し、
また、マグロ肉又はささみ肉を主成分とし、畜肉エキス又は魚介エキス、増粘剤、ビタミン、緑茶エキス、水を加えて粉砕混練することにより水分量を80質量%乃至90質量%の液体状とした内部食液を生成し、
前記外部食品材を中空の棒状体形状とすると共に中空棒状体形状の前記外部食品材の中空部に前記内部食液を充填するように成形し、焼き入れ及び保冷処理を行うことにより、外部食品材を、水分量が60質量%乃至80質量%とされた直径を10mm余りとする棒状体形状の外包食材とし、この外包食材の内部に前記内部食液を水分量が75質量%乃至85質量%とされたゼリー状の内部食材として内包させ、長さを10cm前後としたペットフードとすることを特徴とするペットフードの製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ペットにとって極めて嗜好性の高いペットフードであって飼い主がペットに与え易いペットフードと、このペットフードの製造方法に関するものです。
【背景技術】
【0002】
今日、犬や猫などのペットは、屋内で人間の家族と同様に扱われることが多くなり、ペットフードが飼い主とペットとのコミュニケーションの手段に用いられることがあります。
【0003】
そして、ペットフードは、ペットにとっての嗜好性を高めるため、加熱処理をしたペーストを使用するなど(例えば特許文献1)、種々の工夫が行われているものです。
【0004】
また、嗜好性を損なうことなく、肥満を防止する工夫(例えば特許文献2)が行われることや、猫や幼犬などのように咀嚼力の弱いペットに適したペットフードとする工夫(例えば特許文献3)なども行われているものです。
【0005】
更に本件出願人は、水分を多く含み、粘性を有する液体状であって、猫や小型犬にとって嗜好性が極めて高い間食(おやつ)としてのペットフードを製造販売しており、このペットフードは、間食としての1回分を飽きることなく食し、完食の後に更にこのペットフードを要求するような仕草をすることが多々あるものです。
【0006】
この間食(おやつ)としてのペットフードは、当該ペットフードと水のみの摂取ではペットにとって必要な栄養成分を充足することはできませんが、嗜好性の高い材料を用いて嗜好性の極めて高いペットフードとすることにより、ペットが指示や命令に従った時の褒美として、少量だけを与えることが多いペットフードです。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2012−147729号
【特許文献2】特開2008−161135号
【特許文献3】特開2016−049075号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
上述の様に、嗜好性を損なうことなく、ペットの健康にも適したペットフードは種々のものが提供されているも、飼い主がペットフードをペットに与えることにより、ペットが飼い主にペットフードを更に要求して親近感を表現し、このペットの態度により、飼い主も安心感や親近感、愛情を感じとることができるようなペットフードは、極僅かしか存在しませんでした。
【0009】
また、本件出願人が製造販売している間食として液体状のペットフードは、包装用袋容器から他の樹脂製容器や皿等に移せば短時間で完食し、更に包装用袋容器に残存するペットフードを食することがあり、包装用袋容器に付着又は残存するペットフードをペットが食するとき、包装用袋容器の破片を誤って食べることもありました。
【0010】
本発明は、このような問題点を解決し、嗜好性が高く、ペットフードを与える際にペットが喜び、親近感をペットが表現することが多く、且つ、安心して飼い主が手から直接にペットに与えることができるペットフードを提供するものです。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明に係るペットフードは、ささみ肉を主成分とし、増粘剤、調味料、酵母エキス、オリゴ糖、を加えて混練し、棒状体形状に形成して焼き入れを行うことにより水分量を60質量%乃至80質量%とした外包食材の内部に、マグロ肉やささみ肉を主成分とし、畜肉エキス又は魚介エキス、及び増粘剤を添加して水分量を75質量%乃至85質量%としたゼリー状の内部食材を充填した二層構造とされることを特徴とするものです。
【0012】
そして、このペットフードは、直径を10mm余りとし、長さを10cm前後とする円柱棒状体と
するものです。
【0013】
また、円柱棒状の前記ペットフードの1本毎をレトルトパウチにより梱包するものです。
【0014】
そして、このペットフードの製造方法としては、ささみ肉を主成分として、増粘剤、調味料、酵母エキス、オリゴ糖、及び、水を加えて混練し、水分量を70質量%乃至90質量%のペースト状とする外部食品材を生成し、また、マグロ肉やささみ肉を主成分とし、畜肉エキス又は魚介エキス、増粘剤、ビタミン、緑茶エキス、水を加えて粉砕混練することにより水分量を80質量%乃至90質量%の液体状とした内部食液を生成し、前記外部食品材を中空の棒状体形状とすると共に中空棒状体形状の前記外部食品材の中空部に前記内部食液を充填するように成形し、焼き入れ及び保冷処理を行うことにより、外部食品材を、水分量が60質量%乃至80質量%とされた
直径を10mm余りとする棒状体形状の外包食材とし、この外包食材の内部に前記内部食液を水分量が75質量%乃至85質量%のゼリー状の内部食材として
内包させ、長さを10cm前後としたペットフードを製造するものです。
【発明の効果】
【0015】
本発明に係るペットフードは、ささみ肉やマグロ肉である猫や小型犬が好む食材を主成分としており、また、水分を多く含み且つ内部にゼリー状としたペットフードを包み込んでいるため、猫や小型犬にとって食し易く、且つ、指でつかむことが可能であり、袋容器等に当該ペットフードを残さないように全量を取り出すことが容易であって、ペットフードだけを安心して飼い主の手から直接に食べさせることができる嗜好性の高いペットフードとすることができるものです。
【0016】
そして、このペットフードを、直径が10mm余り、長さが10cm前後の棒形状とすることにより、飼い主が指で摘んで直接ペットに与えることができ、ペットとの親近感を感じることが容易に可能となるペットフードです。
【0017】
また、このペットフードは、棒状のペットフードを1本毎にレトルトパウチに密封してレトルト処理を施しているため、保存料を添加することなく一定の長期保存を可能とし、嗜好性を低下させることのない保存可能なペットフードとしているものです。
【0018】
そして、外部食品材をとしてはささみ肉を主成分としたペースト状の食材を生成し、内部食液としてはマグロ肉又はささみ肉を主成分としつつ畜肉エキス等を添加した液体状の食材を生成し、ペースト状の外部食品材を中空円筒状に形成しつつ内部空間に液体状の内部食液を充填するため、液体状の内部食液を外部食品材で包むことが容易であり、この棒状体形状のペットフードに焼き入れを行うことにより、棒形状を維持する外包食材とし、且つ、増粘剤を添加した内部食液を保冷処理によりゼリー状として、外部食材の内側に内包させることを容易に可能とするものです。
【0019】
このため、外包食材と内部食材に用いる材料及び当該ペットフードの形状により、犬や猫が食し易く、且つ、嗜好性が高いペットフードを容易に製造することができるものです。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図3】本発明に係るペットフードの製造工程の概略を示す図。
【
図4】本発明に係るペットフードの袋詰め状態を示す図。
【
図5】本発明に係るペットフードの他の実施例における断面を示す図。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
本発明に係るペットフードの実施の形態は、
図1及び
図2に示すように、棒状形状とされるペットフード10であって、パイプ状の外包食材11の中にゼリー状の内部食材15が充填された二層構造とされるものです。
【0022】
この内部食材15は、マグロ肉やささみ肉を主原料とし、添加物として、カニエキスやホタテエキスなどの魚介エキス又はチキンエキスなどの畜肉エキス、増粘剤としての加工でん粉、等を加え、水分量を75乃至85質量%のゼリー状とされたものです。
【0023】
この内部食材15は、主原料のマグロ肉やささみ肉に、添加物としての、カニエキスやホタテエキスなどの魚介エキス又はチキンエキスなどの畜肉エキス、増粘剤としての加工でん粉、ビタミン、緑茶エキス、等を所定の配合比に合わせて添加し、主原料に添加物を混合する配合処理101を前処理として行い、水分量を80乃至90質量%とするように水を加えてマグロやささみの肉を粉砕しつつ添加物と混合する粉砕混練処理103を行うことにより、多少の粘性を有する液体状又は木目細かな流動性の高いペースト状とされた内部食液を用いているものです。
【0024】
そして、液体状の内部食液を円筒パイプ形状の外包食材11の内部に充填した後、焼き入れ処理125や冷却保冷処理129等を行い、水分量が80乃至90質量%であった内部食液を水分量が75乃至85質量%とされたゼリー状の内部食材15として外包食材11の中に充填したペットフード10とするものです。
【0025】
また、外包食材11は、ささみ肉を主原料とし、添加物として、加工でん粉、調味料、酵母エキス、オリゴ糖、等を加え、更に水を加えて混練し、水分量が70乃至90質量%のペースト状とされた外部食品材に焼き入れ処理125及び冷却保冷処理129等を行ったものです。
【0026】
この外包食材11は、主原料のささみ肉に、増粘剤としての加工でん粉、調味料、酵母エキス、オリゴ糖、等を所定の配合比に基づいて添加し、水を加える配合処理110を行い、肉片の切断及び添加物との混練を行う混合処理113を行って水分量を70乃至90質量%としたペースト状の外部食品材を用い、この外部食品材に焼き入れ処理125等を行って外包食材11の水分量を60乃至80質量%としているものです。
【0027】
そして、このペットフード10は、ペースト状の外部食品材をパイプ状に押し出すと共に、このパイプ状とした中空円筒状の外部食品材の中空部に内部食液を充填する二重押し出しの処理121を行って棒状体形状に形成し、外部食品材により直径が12mm程度の円柱棒状体形状としたものです。
【0028】
尚、外部食品材により形成する外包食材11(ペットフード10)の形状は、真円円柱棒状体形状に限ることなく、角柱形状に近い中空棒状体形状や扁平楕円形状などの中空棒状体とした円柱棒状体形状とするものです。
【0029】
そして、この内部食液を中空部に含んだパイプ状の外部食品材に、蒸気を用いて加熱処理123を施し、更に、焼き入れ処理125を行って外部食品材の水分を60乃至80質量%程度とした外包食材11とし、内部食液の水分を75乃至85質量%程度として流動性を有するペースト状とするものです。
【0030】
そして、加熱処理123及び焼き入れ処理125により多少固くなった棒状体形状の外部食品材を10cm程度の長さに切断する切断処理127を施し、冷蔵庫に入れる冷却保冷処理129を行って放冷し、主原料に増粘剤を添加した液体状の内部食液をゼリー状とするものです。
【0031】
このように、外包食材11は、切断粉砕したささみ肉に増粘剤等を添加し、焼き入れ処理125を行っているため、水分量を60乃至80質量%程度としつつ、粘弾性、保形性等を有して棒状体形状を維持することができるものです。
【0032】
尚、加熱処理123に際しては、蒸気を用いた加熱に限るものでなく、ヒーターによる加熱、赤外線による加熱等、種々の過熱手段を用いることができ、焼き入れ処理125と合わせて外包食材11としての固さや水分量、風味などの調整を行うものです。
【0033】
そして、この内部に内部食材15を封入した外包食材11であって、棒状に形成されたペットフード10を1本ごとにレトルトパウチに充填する袋詰め131を行い、レトルト殺菌処理133を行うものです。
【0034】
従って、保存料を添加することなく、一定の長期保存が可能となり、保存料を添加しないため、嗜好性を損なうことなく、猫や小型犬、子犬などのペットに適したペットフード10とすることができるものです。
【0035】
また、外包食材11及び内部食材15共に水分量が多く、猫や小型犬、子犬などが食べ易く、内部にゼリー状の内部食材15を含有して外部を外包食材11としたペットフード10は、包装用袋容器に残存さないようにペットフード10の全量を容易に取り出すことができ、保形性を有する外包食材11を指で摘んでペットに与えることが可能であり、ペットが好んで食するペットフード10とすることができるものです。
【0036】
そして、このペットフード10は、直径を10mm余りとする10乃至12mm程度とし、長さを10cm程度の棒状体形状としているため、飼い主が指で摘んでペットに与えることが容易であり、猫や小型犬、子犬又は幼犬が前足で当該ペットフード10やペットフード10を掴んでいる飼い主の手を挟むのに適した大きさ及び形状です。
【0037】
このため、飼い主がペットフード10を持っている手や指をペットが両前足で掴むようにして当該ペットフード10を食している様子を身近に観察することができ、また、飼い主が当該ペットフード10を直接指で掴む又は手に乗せることにより、ペットフードの包装用袋容器等のペットフード10以外のものをペットに誤って食べさせることがなく、安心してペットとの親近感、愛情を深めることができるものです。
【0038】
尚、このペットフード10は、1本が約9gであって、内部食材15を3乃至4g程度としているものです。
【0039】
更に、内部食材15には緑茶エキスを添加しており、糞尿の悪臭を消すことができ、屋内で飼育する愛玩動物である猫や小型犬などに適したペットフード10とすることができるものです。
【0040】
そして、このペットフード10は、
図4(A)に示すように、1本毎にレトルトパウチ21に封入されたペットフード10の複数本を包装袋25に収納する、又は、
図4(B)に示すように、1本毎に封入するようにして各ペットフード10の間にミシン目等の破断線23を設けたレトルトパウチ21として複数本を収納することにより、1本毎にレトルトパウチ21に密封されたペットフード10としているため、1回分ごとにレトルトパウチ21を開封し、ペットに与えつつ、他の残りとするペットフード10の保存性を損なうことがないものです。
【0041】
また、1本の量が、9グラム程度の量であるため、間食として食するのに適した量であり、ペットが食べ飽きることがなく、追加を要求することのある程度の分量であって、ペットが喜んで楽しく食し、追加を求めるペットの動作表現によりペットとの親近感やペットへの愛着を高めることができるものです。
【0042】
そして、このペットフード10を製造するに際しては、内部食材15の材料として、煮沸又は蒸したささみ肉又はマグロ肉をフレーカーにより細断し、この細断したささみ肉又はマグロ肉と略等しい重量の水を加え、数質量%の畜肉エキス又は魚介エキス及び調味料と、数質量%の増粘剤としての加工でん粉と、1質量%以下の増粘多糖類、ビタミン、緑茶エキスを混練しつつ、細断した肉を更に粉砕してゲル化可能な液体状とするものです。
【0043】
このように、煮沸した鶏ささみ肉又は蒸したマグロ肉に対して水分を多く加えつつ増粘剤を僅かに加え、粉砕混練処理103を行って多少の粘性を有する液体状又は流動性の高いペースト状のゲル化可能な内部食液として、この内部食液をウエットタイプに近いペースト状の外部食品材により包み込むことを可能としているものです。
【0044】
このマグロ肉としては、頭とヒレを除去した鮪や鰹を蒸した後、鱗や皮、骨、血合い肉を除去した鮪鰹ロインを用いるものです。
【0045】
そして、外部食品材は、生の鶏ささみ肉をサイレントカッターにより細断し、このささみ肉に対して5質量%乃至6質量%程度の鶏油又は植物性油脂及び5質量%乃至6質量%程度のかつお又は鰹節、数質量%程度の水、1質量%程度のオリゴ糖等の糖類、1質量%未満の酵母エキスや粉末卵白、アミノ酸等の調味料、増粘剤を加えて混練し、高い粘度を有するペースト状のとするものです。
【0046】
従って、この生の鶏ささみ肉を主成分として粘度を有するペースト状とした外部食品材は、押し出し成型により中空円筒状に容易に形成することができ、内部に液体状の内部食液を包み込み、焼き入れ処理125等の加熱により棒形状を維持可能とすることができるものです。
【0047】
そして、焼き入れ処理125により 香ばしさを加えることができ、また、焼き入れ処理125により、外部食品材に含まれる油脂分がペットフード10の表面に集約され、嗜好性を高めることができるものです。
【0048】
また、液体状の内部食液は、冷却されることによりゼリー状の内部食材15とされ、外包食材11の内側に保持されるものです。
【0049】
このように、外包食材11は直径が10乃至12mm前後の棒状体形状であって、猫や小型犬、子犬、幼犬にも食し易い形状であり、内部にゼリー状の内部食材15を含んでいてもレトルトパウチ21などの包装用袋容器にペットフード10の残渣を残すことなく容易に全量を取り出すことができ、包装用袋容器に残るペットフードをペットが舐めることをなくし、袋容器の破片を誤食させることを防止できるものです。
【0050】
そして、香ばしさを有し、外包食材11の内部に充填された内部食材15はゼリー状で食べ易さを有し、且つ、指で摘んで直接に与えることができ、主食ではなく間食として適量を与えることができるため、ペットが喜んで食するのみでなく、ペットに食欲を残させて飼い主に親密性を訴えさせることの可能なペットフード10とすることができるものです。
【0051】
尚、
図5に示すように、切断時にパイプ状の外部食品材の上方部分と下方部分とを、切断部で相互に密着させて内部食液を外部食品材の内部に封入したペットフード10とすることもあるものです。
【符号の説明】
【0052】
10 ペットフード
11 外包食材(外部食品材) 15 内部食材(内部食液)
21 レトルトパウチ 23 破断線
25 包装袋
101 配合処理 103 粉砕混合処理
111 配合処理 113 混合処理
121 二重押し出し 123 加熱処理
125 焼き入れ処理 127 切断処理
129 冷却保冷処理
131 袋詰め 133 レトルト殺菌