(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施形態の例を、図面を参照して具体的に説明する。参照される各図において、同一の部分には同一の符号を付し、同一の部分に関する重複する説明を原則として省略する。なお、本明細書では、記述の簡略化上、情報、信号、物理量又は部材等を参照する記号又は符号を記すことによって、該記号又は符号に対応する情報、信号、物理量又は部材等の名称を省略又は略記することがある。
【0012】
本発明に係る遊技機に好適な実施形態を詳細に説明する。本実施形態では、本発明に係る遊技機を、旧第一種に属する遊技機(所謂デジパチ)に適用している。
【0013】
<<遊技機の基本構成>>
図1は、本実施形態に係る遊技機100の正面図である。
図1を参照して遊技機100の基本構成を説明する。遊技機100は、遊技盤101を含む他、
図1に示された各構成部材を備える。なお、上下左右とは、特に記述無き限り、遊技機100及び遊技盤101に正対する遊技者から見た上下左右を指す。上下方向も左右方向も遊技盤101の盤面に平行である。上下方向は鉛直方向に平行であり、左右方向は水平方向に平行である。また特に記述無き限り、前方とは、遊技機100及び遊技盤101に正対する遊技者に対して近い方を指し、後方は、特に記述無き限り、遊技機100及び遊技盤101に正対する遊技者に対して遠い方を指す。
【0014】
遊技機100は、パチンコ遊技機であって、遊技施設に配置された島構造体に取り付けられる外枠10と、外枠10に対して開閉自在に取り付けられる内枠11と、内枠11に対して開閉自在に取り付けられる扉枠12と、を備える。扉枠12には、後述する遊技領域103のほぼ全域を前方(遊技者側)から視認することができるように、透明性を有するガラス板が嵌め込まれて成る窓部12aが形成されている。遊技盤101は内枠11に対して着脱可能に取り付けられる。遊技盤101の下部位置には、遊技球を発射するための発射部が配置されている(発射部の詳細構造は図示せず)。
【0015】
発射部の駆動により上方に発射された遊技球は、レール102a及び102b間を上昇して遊技盤101の上部位置に達した後、遊技盤101に形成された遊技領域103内を落下(流下)するようになっている。遊技領域103には、複数の釘(不図示)が設けられており、この釘によって遊技球は不特定な方向に移動方向を変化させながら落下する。また、遊技盤101において、遊技領域103における遊技球の落下経路には、遊技球の落下方向を変化させる風車(不図示)や、第1始動口105、第2始動口106、電動チューリップ107、ゲート108、大入賞口111及び普通入賞口112が設置される。遊技盤101の略中央部分には、装飾図柄を含む各種の演出画像を表示可能な、液晶ディスプレイパネル等から成る画像表示部104が配置される。
【0016】
始動口105及び106は、画像表示部104の下方に設置され、それぞれに遊技球が通過可能(入賞可能)な始動領域を形成する。所定の第1始動条件又は第2始動条件が成立することによって特図判定(大当たり遊技を行うか否か等の判定)を受けるための権利が取得される。第1、第2始動条件は、それぞれ、始動口105、106に遊技球が入賞することによって成立する。また、遊技機100は、始動口105又は106に入賞した遊技球を検出すると、所定個数(例えば3個)の遊技球を払い出す。始動口105、106、大入賞口111又は普通入賞口112に対する遊技球の入賞に起因して払い出される遊技球を賞球とも呼ぶ。なお、入賞を入球と読み替えても良い。
【0017】
第2始動口106の近傍に、電動チューリップ107が設けられる。電動チューリップ107は、遊技球を第2始動口106へ入賞し難くさせる閉状態(閉口した状態)と、閉状態よりも遊技球を第2始動口106へ入賞しやすくさせる開状態(開放した状態)の内の、どちらかの状態をとる。実質的には、電動チューリップ107が閉状態であるとき、遊技球の第2始動口106への入賞は不可能であり、電動チューリップ107が開状態であるときにのみ、遊技球の第2始動口106への入賞が可能となる。電動チューリップ107が開状態となることを、電動チューリップ107の開放とも言う。電動チューリップ107は、画像表示部104の右側に配置されたゲート108を遊技球が通過したことにより行われる普図判定の結果に基づいて開放される。
【0018】
第1始動口105及び第2始動口106の右側には大入賞口111が設けられる。大入賞口111も、電動チューリップ107のように開閉動作が可能となっており、遊技球を大入賞口111へ入賞し難くさせる閉状態(閉口した状態)と、閉状態よりも遊技球を大入賞口111へ入賞しやすくさせる開状態(開放した状態)の内の、どちらかの状態をとる。実質的には、大入賞口111が閉状態であるとき、遊技球の大入賞口111への入賞は不可能であり、大入賞口111が開状態であるときにのみ、遊技球の大入賞口111への入賞が可能となる。大入賞口111が開状態となることを、大入賞口111の開放とも言う。大入賞口111は、通常、閉鎖されており、大当たりに当選した場合に、所定条件(例えば、30秒経過又は遊技球10個の入賞)を満たすまで開状態となるラウンド遊技を所定回数(例えば16回)だけ繰り返す。遊技機100は、大入賞口111に入賞した遊技球を検出すると、所定個数(例えば14個)の賞球を払い出す。
【0019】
画像表示部104の側方や下方などには、1以上の普通入賞口112が設置される。遊技機100は、普通入賞口112への入賞を検出した場合には所定個数(例えば5個)の賞球を払い出す。遊技領域103の最下部には、第1始動口105、第2始動口106、大入賞口111及び普通入賞口112の何れにも入賞しなかった遊技球を回収する回収口113が設けられている。遊技盤101の右下部分には情報表示部114が設けられている。なお、遊技盤101上の各構成部品の設置位置を任意に変更可能である。
【0020】
扉枠12において、その外周部分には、任意の演出に用いられるスピーカ115(スピーカ115a、115b及び115cを含む)、演出ライト部116及び枠可動役物117が組み込まれている。演出に用いられる可動役物は、遊技盤101上にも設けられている。本実施形態において遊技盤101上には盤可動役物130が設けられる。また、扉枠12において、右下位置には操作ハンドル119が配置されている。操作ハンドル119は遊技者側に突出するような形状を有しており、その外周部には発射指示部材120が設けられている。発射指示部材120は、操作ハンドル119により回転可能に支持されている。遊技者は遊技球を発射させる場合、発射指示部材120を時計回りに回転させる。このとき、発射指示部材120を回転させる角度により、遊技者は遊技球の発射強度を調整できるようになっている。扉枠12において遊技領域103の下方には、演出ボタン121及び十字キー122の他、遊技球の収容及び送出に利用される上皿(打球供給皿)123、上皿レバー124、下皿(余剰球受皿)125及び下皿レバー126などが設けられている。演出ボタン121及び十字キー122は、遊技者からの操作の入力を受ける操作入力部(操作受付部又は操作部と呼んでも良い)を構成している。
【0021】
特図判定の結果は特別図柄によって示され、普図判定の結果は普通図柄によって示される。特別図柄として第1及び第2特別図柄が存在する。第1始動条件の成立に基づく特図判定の権利は所定数(ここでは4とする)を上限として保留され、その保留された権利の個数を保留情報数U1と呼ぶ。第2始動条件の成立に基づく特図判定の権利は所定数(ここでは4とする)を上限として保留され、その保留された権利の個数を保留情報数U2と呼ぶ。遊技球がゲート108を通過したことによる普図判定の権利は、所定数(ここでは4とする)を上限として保留され、その保留された権利の個数を保留情報数U3と呼ぶ。
【0022】
情報表示部114は、第1及び第2特別図柄を表示する特別図柄表示部、普通図柄を表示する普通図柄表示部、保留情報数U1〜U3を表示する保留表示部、ラウンド数表示部及び右打ち表示部を備えており、各表示部をLED(Light Emitting Diode)表示器にて形成することができる。
【0023】
<<遊技機の基本動作>>
次に、遊技機100の基本動作について説明する。遊技機100は、第1又は第2始動条件の成立により特図判定用情報を取得し、特図判定用情報に基づいて特図判定を行う。特図判定用情報の取得は、特図判定の権利の取得に相当する。特図判定は、大当たりに当選したか否か(大当たりに当選したか、或いはハズレであるか)の判定を含む。なお、大当たりの当選を大当たりの発生と表現することがある(後述の小当たりについても同様)。また、或る特図判定用情報が大当たりに当選していることを、当該特図判定用情報が大当たりであるなどと表現することもある(後述の小当たりについても同様)。第1、第2始動条件の成立により取得された特図判定用情報に基づく特図判定を行うと、遊技機100は、それぞれ、第1、第2特別図柄を所定時間だけ変動表示させた後、特図判定の結果を示す態様で第1、第2特別図柄を停止表示させる。
【0024】
遊技機100は、特別図柄(第1又は第2特別図柄)を変動表示させると、それに合わせて画像表示部104上で装飾図柄を変動表示させ、特別図柄の停止表示に合わせて装飾図柄を停止表示させる。画像表示部104に表示される装飾図柄は、第1〜第3装飾図柄を含み、各装飾図柄には数値又は記号等が対応付けられている。例えば、大当たりが発生して大当たりを示す態様で特別図柄を停止表示させた場合には、大当たりを示す態様で(例えば「7・7・7」といったいわゆるゾロ目)で第1〜第3装飾図柄を停止表示させる。この際、発生した大当たりの種類に応じ、停止表示される第1〜第3装飾図柄の組み合わせが異なっていて良い。特図判定の結果がハズレの場合(即ち、大当たりに当選していない場合)、第1〜第3装飾図柄を、例えば、ハズレを示す所謂バラケ目で停止させる。バラケ目とは、第1〜第3装飾図柄の内の2つ又は3つが、互いに非共通の図柄とされている状態を指す。
【0025】
大当たりを示す態様で特別図柄を停止表示させると、遊技機100は、大当たり遊技状態となる。大当たり遊技状態では、大入賞口111を開放させるラウンド遊技を、当選した大当たりの種類に応じたラウンド分(例えば16ラウンド分)実行する大当たり遊技が行われる。大入賞口111の開放中に遊技球が大入賞口111へ入賞すると、遊技機100は所定個数の賞球を払い出す。大当たり遊技状態は、大当たり遊技が終了することによって終了する。大入賞口111の開放を伴う遊技(大当たり遊技を含み、後述の小当たり遊技を含みうる)は、大入賞口111への遊技球の入賞によって賞球を得られる機会が与えられるため、大入賞口111の開放を伴わない遊技(例えば、通常遊技状態における遊技)よりも遊技者にとって有利である、と言える。ここにおける有利とは、大入賞口111の開放に伴い、遊技者がより多くの賞球を得やすい(得られる賞球の期待値が大きい)ことを意味する。
【0026】
大当たり遊技中において特図判定は行われない。大当たり遊技状態では、右打ちによって遊技が行われる。右打ちとは、遊技領域103の内、遊技領域103を左右に分断する中心線の右側の遊技領域に遊技球が打ち出されることを指す。これに対し、左打ちとは、遊技領域103の内、上記中心線の左側の遊技領域に遊技球が打ち出されることを指す。左打ちでは、第1始動口105に対して遊技球を入賞させることができるが、第2始動口106及び大入賞口111に対して遊技球を入賞させることができないように遊技盤101が形成されている。右打ちでは、第2始動口106及び大入賞口111に対して遊技球を入賞させることができるが、第1始動口105に対して遊技球を入賞させることができないように遊技盤101が形成されている。また、ゲート108は、遊技領域103における右側領域であって、且つ、大入賞口111の上方に配置されている。故に、左打ちでは、ゲート108に対して遊技球を通過させることができず、右打ちによる遊技球のみがゲート108を通過しうる。
【0027】
大当たり遊技の終了後、遊技機100は特図判定を行う状態へ復帰する。この際、遊技機100の遊技状態が変更されうる。
【0028】
<<遊技機の遊技状態>>
遊技機100は、大入賞口111の開放を伴う遊技状態(大当たり遊技状態を含む)を除いて、低確率非電サポ遊技状態(通常遊技状態)、低確率電サポ遊技状態、高確率非電サポ遊技状態、及び、高確率電サポ遊技状態の内の何れかの遊技状態をとり得て良い。遊技機100の初期状態における遊技状態は、低確率非電サポ遊技状態である。遊技盤101の背面に設けられたRAMクリアスイッチを用いて遊技機100の遊技情報を初期化することで、遊技機100は初期状態となる。
【0029】
低確率非電サポ遊技状態及び低確率電サポ遊技状態は低確率遊技状態に属する。高確率非電サポ遊技状態及び高確率電サポ遊技状態は高確率遊技状態に属する。特図判定にて大当たりに当選したと判定される確率は、低確率遊技状態においてよりも高確率遊技状態においての方が高い。故に、大当たりの当選し易さ(大当たり遊技の行われ易さ)に関して高確率遊技状態は低確率遊技状態よりも遊技者に有利である。
【0030】
低確率電サポ遊技状態及び高確率電サポ遊技状態は、電サポ遊技状態に属する。電サポ遊技状態において、遊技機100は、電動チューリップ107の開閉を伴う遊技サポート機能(以下「電サポ」という)を付与する(即ち電サポを発動させる)。電サポが付与されたとき、そうでない時と比べて、普通図柄の変動時間の短縮、普図判定における普図当たりの当選確率の増加(従って、電動チューリップ107の開放頻度の増加)、及び、電動チューリップ107の開放時間の増加が図られ、結果、電サポ遊技状態では、電サポが付与されない非電サポ遊技状態に比べて、第2始動口106へ遊技球が入賞しやすくなる。電サポ遊技状態では、上述した右打ちによって遊技が行われ、特図判定の契機は主として第2始動口106への入賞となる。
【0031】
低確率非電サポ遊技状態及び高確率非電サポ遊技状態は、電サポが付与されない非電サポ遊技状態に属する。非電サポ遊技状態では、上述した左打ちによって遊技が行われ、特図判定の契機は主として第1始動口105への入賞となる。上述の説明からも理解されるように、電サポ遊技状態は非電サポ遊技状態よりも相対的に始動条件(第2始動条件)が成立しやすい遊技状態である。従って、始動条件の成立しやすさに関して電サポ遊技状態は非電サポ遊技状態よりも遊技者に有利である。
【0032】
<<遊技機の内部構成>>
図2を参照して、遊技機100の内部構成を説明する。
図2は、遊技機100内の、制御に関わる部分のブロック図である。
図2に示す如く、遊技機100に設けられた制御部400は、遊技の進行を制御する主制御部401と、賞球の払い出しを制御する賞球制御部402と、演出内容を制御する演出制御部403とを備えている。制御部400の他、
図2に示される各構成要素が遊技機100に設けられる。
【0033】
[1.主制御部]
主制御部401は、メインCPU(Central Processing Unit)411と、メインROM(Read Only Memory)412と、メインRAM(Random Access Memory)413を備える。メインROM412には、テーブルTAt、TZt、THt及びDKtを含むテーブル群などが格納され、メインRAM413には、記憶領域413a及び413bを含む記憶領域群などが設けられている。
【0034】
また、主制御部401には、遊技球を検出する各種スイッチ(以下「SW」と略すことがある)が接続されている。具体的には
図3に示すように、主制御部401には、第1始動口105、第2始動口106、大入賞口111、普通入賞口112へ入賞した遊技球を検出する第1始動口SW414a、第2始動口SW414b、大入賞口SW416、普通入賞口SW417と、ゲート108を通過した遊技球を検出するゲートSW415とが接続されており、各SWの検出結果を示す検出信号が主制御部401へ送られる。
【0035】
また、主制御部401には、遊技盤101上の電動役物を駆動させる各種ソレノイドが接続されている。具体的には
図3に示すように、主制御部401には、電動チューリップ107を開閉動作させる電動チューリップソレノイド420と、大入賞口111を開閉動作させる大入賞口ソレノイド421が接続されている。主制御部401は、普図判定の結果に基づき電動チューリップソレノイド420を用いて電動チューリップ107の開閉動作を実現し、特図判定の結果に基づき大入賞口ソレノイド421を用いて大入賞口111の開閉動作を実現する。また、主制御部401には、情報表示部114が接続される。主制御部401は、特図判定の結果、普図判定の結果並びに保留情報数U1、U2及びU3に基づき情報表示部114の表示制御を行う。
【0036】
[1−1.メイン処理]
図3を参照し、主制御部401が行う主だった処理を列記する。遊技機100へ電力が供給されると、メインCPU411によりメイン処理が実行される。メイン処理では、主制御部401内の各種デバイスの初期設定処理及びバックアップ情報の生成処理などを行い、それらの処理結果をメインRAM413に記憶させる。
【0037】
[1−2.タイマ割込処理]
メインCPU411は、メイン処理にて設定された周期(例えば数ミリ秒又はそれ以下の周期)で、メイン処理に対しタイマ割込処理を割り込み実行する(
図4参照)。タイマ割込処理において、メインCPU411は、乱数更新処理、スイッチ処理、特別図柄処理、普通図柄処理、電動役物制御処理、賞球処理及び出力処理を順次実行する。
【0038】
[1−2−1.乱数更新処理]
主制御部401には、特図当たり乱数をカウントする特図当たり乱数カウンタC1、特図図柄乱数をカウントする特図図柄乱数カウンタC2、特図変動パターン乱数をカウントする特図変動パターン乱数カウンタC3、普図当たり乱数をカウントする普図当たり乱数カウンタC4及び普図図柄乱数をカウントする普図図柄乱数カウンタC5が設けられており、乱数更新処理においては、各乱数カウンタのカウント値に「1」を加算することで各乱数カウンタのカウント値を更新する。乱数カウンタC1〜C5のそれぞれにおいて、カウンタのカウント値が所定の上限値を超えたときには、当該カウンタのカウント値を「0」に戻し、その後、同様のカウントアップを行う。なお、本実施形態における任意の乱数は、特に記述無き限り、整数値のみをとる。
【0039】
[1−2−2.スイッチ処理]
スイッチ処理を説明する(
図4参照)。スイッチ処理において、メインCPU411は、始動口スイッチ処理、ゲートスイッチ処理、大入賞口スイッチ処理及び普通入賞口スイッチ処理を順次実行する。
【0040】
始動口スイッチ処理において、メインCPU411は、始動口SW414a及びSW414bを用い、始動口105又は106への遊技球の入賞が検出されたタイミング(即ち、第1又は第2始動条件の成立タイミング)でカウンタC1〜C3のカウント値を取得し、取得したカウンタC1〜C3のカウント値を特図当たり乱数、特図図柄乱数及び特図変動パターン乱数として含んだ特図判定用情報を特図判定用情報記憶領域413aに記憶させる。記憶領域413aは、第1始動条件の成立に基づく特図判定用情報及び第2始動条件の成立に基づく特図判定用情報のそれぞれを、所定数を上限として記憶することができる。ここでは、その所定数が4であるとする。従って、記憶領域413aは、最大8つまでの特図判定用情報を記憶することができる。記憶領域413a内における、第1、第2始動条件の成立を契機とした特図判定用情報の個数が、それぞれ、上記の保留情報数U1、U2に相当する。また、記憶領域413aに記憶された各特図判定用情報に対し、特図判定を受けるための優先順位が設定されている。基本的に、時間的に先に取得された特図判定用情報に対しより高い優先順位が設定される。但し、第1始動条件の成立によって取得された特図判定用情報と比べ、第2始動条件の成立によって取得された特図判定用情報に対し、より高い優先順位が設定されるものとする。始動口スイッチ処理の中で実行される事前判定処理については後述する。
【0041】
ゲートスイッチ処理において、メインCPU411は、ゲート108への遊技球の通過が検出されたタイミングでカウンタC4及びC5のカウント値を取得し、取得したカウンタC4及びC5のカウント値を普図当たり乱数及び普図図柄乱数として含んだ普図判定用情報を普図判定用情報記憶領域413bに記憶させる。記憶領域413bは、所定数を上限として普図判定用情報を記憶することができる。ここでは、その所定数が4であるとする。記憶領域413b内における普図判定用情報の個数が上記の保留情報数U3に相当する。記憶領域413bに記憶された各普図判定用情報に対し普図判定を受けるための優先順位が設定されている。時間的に先に取得された普図判定用情報に対しより高い優先順位が設定される。
【0042】
大入賞口スイッチ処理において、メインCPU411は、大入賞口111に入賞した遊技球を大入賞口SW416により検出する。普通入賞口スイッチ処理において、メインCPU411は、普通入賞口112に入賞した遊技球を普通入賞口SW417により検出する。
【0043】
[1−2−3.特別図柄処理]
特別図柄処理において、メインCPU411は、特図判定用情報記憶領域413aに記憶されている特図判定用情報の内、優先順位が最も高く設定された特図判定用情報を判定対象TTとして取得し、判定対象TTに対して特図判定を実行する。この際、判定対象TTとなった特図判定用情報は記憶領域413aから消去される。特図判定は特図当たり判定、特図図柄判定及び特図変動パターン判定から成る。そして、特別図柄処理では、特図変動パターン判定により選択された特図変動パターンが示す変動時間だけ特別図柄の変動表示を行った後、特図当たり判定及び特図図柄判定の判定結果を示す態様で特別図柄を停止させる。特図判定の結果をメインRAM413に記憶させることができる。なお、特別図柄処理において、記憶領域413aに特図判定用情報が記憶されていない場合には、特図判定が行われることなく特別図柄処理を終える。また、特別図柄の変動表示が行われているとき及び大入賞口111の開放を伴う遊技が行われているときにも、特図判定は行われない。
【0044】
メインCPU411は、特別図柄の変動表示を開始する際、特図判定の結果を含む変動開始コマンドをメインRAM413に設定することを通じて演出制御部403に対し変動演出の実行開始を指示し、特別図柄の変動を停止する際、変動停止コマンドをメインRAM413に設定することを通じて演出制御部403に対し変動演出の実行終了を指示する。RAM413に設定されたこれらのコマンドは、後述の出力処理(
図3参照)において演出制御部403に出力される。
【0045】
図4を参照し、低確率特図当たり判定テーブルTAt1及び高確率特図当たり判定テーブルTAt2を含む特図当たり判定テーブルTAtを用いて、特図当たり判定が行われる。テーブルTAt1及びTAt2のそれぞれは、大当たりに対応付けられた所定の判定値を有して構成される。メインCPU411は、特図当たり判定時に、高確率遊技フラグがOFFに設定されていた場合にはテーブルTAt1を用いて特図当たり判定を行い、高確率遊技フラグがONに設定されていた場合にはテーブルTAt2を用いて特図当たり判定を行う。そして、メインCPU411は、判定対象TTの特図当たり乱数が大当たりに対応づけられた判定値と一致した場合には大当たりに当選したと判定し、そうでない場合にはハズレである(即ち大当たりに当選していない)と判定する。遊技機100の遊技状態は、高確率遊技フラグがONであるときに高確率遊技状態であり、高確率遊技フラグがOFFであるときに低確率遊技状態である。ここでは、大当たりの当選確率(即ち大当たり遊技を行うと判定される確率)が、低確率遊技状態、高確率遊技状態において、それぞれ、1/300、1/30となるように、特図当たり判定テーブルTAtが形成されているものとする。
【0046】
また、小当たりが発生し得るように遊技機100が形成されていても良く、この場合、メインCPU411は特図当たり判定において小当たりの当落も判定する。小当たりは、大当たりではなく、通常のハズレ(小当たり以外のハズレ)とは異なる態様の特別図柄で表される特定のハズレである。メインCPU411は、判定対象TTの特図当たり乱数が小当たりに対応づけられた判定値と一致した場合に小当たりに当選したと判定する。例えば、高確率遊技フラグのON/OFFに依存せず、小当たりの当選確率を1/399とすることができる。
【0047】
特図図柄判定において、メインCPU411は、特図図柄判定テーブルTZtと判定対象TTの特図図柄乱数とを比較し、比較結果に基づいて、特別図柄をどのような図柄で停止させるかを判定する。大当たりには複数の種類が存在し、大当たりの当選時においては、当該比較結果に基づいて大当たりの種類が判定されることになる。
【0048】
特図変動パターン判定において、特図変動パターンテーブルTHtと判定対象TTの特図当たり乱数、特図図柄乱数及び特図変動パターン乱数とに基づき、判定対象TTに対する特図変動パターンを判定する。特図変動パターンの判定は特図変動パターンの選択又は設定と同義である。特図変動パターンテーブルTHtには複数の特図変動パターンが含まれており、特図変動パターン判定において判定対象TTに対する1つの特図変動パターンが選択される。各特図変動パターンは、特別図柄の変動態様を定義したものであり、例えば、特別図柄の変動時間(特別図柄の変動表示が行われる時間の長さ)を定義している。
【0049】
[始動口スイッチ処理の中の事前判定処理]
また、始動口スイッチ処理の中でメインCPU411は事前判定処理を実行する(
図4参照)。事前判定処理において、メインCPU411は、特図判定用情報記憶領域413aに記憶されて保留されることとなる特図判定用情報を事前判定対象として設定し、事前判定対象に対して特図当たり判定、特図図柄判定及び特図変動パターン判定を順次実行する。事前判定対象に対する特図当たり判定、特図図柄判定及び特図変動パターン判定(これらの判定を総称して事前判定とも称する)の方法は、判定対象TTに対するそれらの方法と同じである。事前判定の結果はメインRAM413に記憶される。事前判定の結果は保留増加コマンド(事前判定コマンドとも称せられる)に含められ、保留増加コマンドがメインRAM413に設定されて、後述の出力処理にて演出制御部403に送信される。保留増加コマンドには、事前判定の結果の他、保留情報数U1及びU2のどちらが増加したのかを示す情報が含まれる。或る特図判定用情報に対する事前判定処理は、その特図判定用情報が取得されたときに、それが記憶領域413aに記憶される前に始動口スイッチ処理の中で実行される。故に、任意の特図判定用情報に対する事前判定は、その特図判定用情報に対して特図判定が実行される前に実行される。故に、任意の特図判定用情報に対する事前判定は、その特図判定用情報に対して特図判定が実行される前に実行される。
【0050】
[1−2−4.普通図柄処理]
普通図柄処理(
図3参照)を説明する。普通図柄処理において、メインCPU411は、普図判定用情報記憶領域413b内で最も優先順位を高く設定された普図判定用情報を普図判定対象FFとして取得して、メインROM412内の普図判定用テーブルと普図判定対象FFなどに基づき、普図当たり判定、普図図柄判定及び普図変動パターン判定から成る普図判定を実行し、普図判定の結果に基づいて普通図柄の変動表示及び停止表示を行わせる。普図判定対象FFとなった普図判定用情報は記憶領域413bから消去される。なお、普通図柄処理において、記憶領域413bに普図判定用情報が記憶されていない場合には、普図判定が行われることなく普通図柄処理を終える。また、普通図柄の変動表示が行われているとき及び電動チューリップ107を開放させる遊技(補助遊技)が行われているときにも、普図判定は行われない。普図当たり判定では、普図当たりに当選したか否かが判定される。普図当たりに当選した場合、普図図柄判定により普図当たりの種類が判定される。普図当たりには、長開放当たりと短開放当たりとがある。電動チューリップ107が開状態とされる時間は、長開放当たりの方が短開放当たりよりも長い。メインCPU411は、普図変動パターン判定の結果に基づく変動時間だけ普通図柄の変動表示を行った後、普図当たり判定及び普図図柄判定の結果を示す態様で普通図柄を停止表示させる。
【0051】
[1−2−5.電動役物制御処理]
電動役物制御処理(
図3参照)では、大入賞口処理及び電チュー処理が順次実行される。大入賞口処理では、特図判定の結果が大当たりの当選を示しているときに、大当たりの種類に応じた大入賞口開放パターンを用いて大入賞口111が開閉動作される。大入賞口開放パターンテーブルDKtには、大入賞口111の開放態様を定義した大入賞口開放パターンが大当たりの種類ごとに格納されている。小当たりが発生し得るように遊技機100が形成されている場合、小当たり用の大入賞口開放パターンも大入賞口開放パターンテーブルDKtに格納され、特図判定の結果が小当たりの当選を示しているときには小当たり用の大入賞口開放パターンを用いて大入賞口111が開閉動作される。メインCPU411は、テーブルDKtを参照して大入賞口処理を実現する。
【0052】
大入賞口111の開放を伴う大当たり遊技は、大当たりを示す態様で特別図柄が停止表示された後に開始される。大当たり遊技では、大入賞口111の開放時間が規定最大開放時間(所定時間;例えば30秒)に達するまで又は大入賞口111への遊技球の入賞数が所定値(例えば10個)に達するまで大入賞口111を開放させるラウンド遊技が、所定のインターバル期間(換言すればインターバル時間)を隔ててRmax回実行される。従って、大当たり遊技はRmax分のラウンド遊技を含んで構成されると考えることができる。Rmaxは、大当たりの種類に応じたラウンド数を表す。そして、最後のラウンド遊技が終了してから所定のエンディング期間(換言すればエンディング時間;例えば5秒)が経過すると、特図判定が実行可能な遊技状態に復帰する。
【0053】
また、大当たり遊技の実行中又は大当たり遊技の後、大入賞口処理の中で遊技状態設定処理(
図3参照)が実行される。遊技状態設定処理において、メインCPU411は、メインRAM413に記憶された、高確率遊技フラグ及び電サポ遊技フラグを含む各種遊技フラグの状態を設定する。上述したように、遊技機100の遊技状態は、高確率遊技フラグがONであるときに高確率遊技状態であり、高確率遊技フラグがOFFであるときに低確率遊技状態である。遊技機100の遊技状態は、電サポ遊技フラグがONであるときに電サポ遊技状態であり、電サポ遊技フラグがOFFであるときに非電サポ遊技状態である。大当たりの発生に応答して実行される大入賞口処理中の遊技状態設定処理では、大当たり発生時の遊技状態や発生した大当たりの種類などに応じて、高確率遊技フラグ及び電サポ遊技フラグのON/OFFが設定される他、高確率遊技状態が維持される特別図柄の残りの変動回数を示す高確率遊技残回数X及び電サポ遊技状態が維持される特別図柄の残りの変動回数を示す電サポ遊技残回数JがメインRAM413に設定される。
【0054】
遊技状態設定処理にて設定された高確率遊技残回数Xは、“X≧1”であるとき特図判定が1回実行されるごとに“1”だけ減算され、“X=0”となると高確率遊技フラグにOFFが設定されて遊技機100の遊技状態は低確率遊技状態となる。遊技状態設定処理にて設定された電サポ遊技残回数Jは、“J≧1”であるとき特図判定が1回実行されるごとに“1”だけ減算され、“J=0”となると電サポ遊技フラグにOFFが設定されて遊技機100の遊技状態は非電サポ遊技状態となる。ただし、特図判定の実行によりJ=1からJ=0となった後、当該特図判定の結果を示す態様で特別図柄が停止表示されるまでは電サポ遊技状態を維持し、該停止表示後に非電サポ遊技状態とすることができる。遊技機100の初期状態において、高確率遊技フラグ及び電サポ遊技フラグはOFFであり且つ回数X及びJには“0”が設定されている。
【0055】
なお、小当たりに当選した場合も、大入賞口111の開放を伴う遊技(これを小当たり遊技という)が実行されるが、主制御部401は、小当たりの当選を契機として遊技機100の遊技状態(大当たりの当選確率及び電サポ付与の有無)を変化させない。つまり、小当たりの当選の前後間で遊技機100の遊技状態(大当たりの当選確率及び電サポ付与の有無)は変化しない。小当たり遊技では、例えば、大入賞口111のショート開放時間(例えば0.2秒)による開放が複数回繰り返される。
【0056】
電チュー処理において、メインCPU411は、普図判定の結果に基づき電動チューリップ107を開閉動作させる。普図当たりに当選した場合に、所定時間、電動チューリップ107が開状態とされる。
【0057】
[1−2−6.賞球処理]
賞球処理において、メインCPU411は、第1始動口105、第2始動口106、大入賞口111、普通入賞口112の各入賞口への入賞に対して所定個数の賞球を払い出させるための払い出し指示を賞球コマンドとしてメインRAM413に設定する。
【0058】
[1−2−7.出力処理]
出力処理において、メインCPU411は、メインRAM413に記憶又は設定された情報(上述の各コマンドを含む)などを、主制御部401に接続された各制御部(賞球制御部402及び演出制御部403を含む)に対して出力する。賞球に関するコマンドは賞球制御部402に出力され、演出に関するコマンドは演出制御部403に出力される。出力処理において、メインCPU411は自身が認識又は保持している任意の情報(例えば、電サポ遊技フラグ及び高確率遊技フラグの状態を示す情報)を演出制御部403に伝達できても良い。出力処理の終了によってタイマ割込処理も終了し、タイマ割込処理の終了によってメインCPU411が実行する処理はメイン処理に戻る(
図3参照)。
【0059】
また、
図2に示すように、主制御部401には盤用外部情報端子基板491が接続されており、主制御部401は、メインRAM413内の記憶内容を示す情報を、基板491を通じて外部(例えば遊技施設のホールコンピュータ)に出力することができる。
【0060】
[2.賞球制御部]
賞球制御部402(
図2参照)は、CPU、ROM及びRAMを備えて構成され、主制御部401からの払い出し指示(賞球コマンド)に基づき、払出部429を用いて賞球の払い出しを行う。賞球制御部402には、遊技球を検出する各種SWが接続されている。具体的には
図2に示すように、賞球制御部402には、所定位置の遊技球を検出する定位置検出SW424と、払い出した遊技球を検出する払出球検出SW425と、上皿123内に遊技球があるかを検出する球有り検出SW426と、上皿123及び下皿125が遊技球で満たされていることをそれぞれに検出する満タン検出SW427が接続されており、各SWの検出結果を示す検出信号が賞球制御部402へ送られる。賞球制御部402は、主制御部401から出力された払い出し指示や、SW424〜427から入力される検出信号に基づき、賞球を払い出したり、賞球の払い出しをやめたりする。また、賞球制御部402はSW424〜427からの検出信号を主制御部401へ出力しても良い。
【0061】
また、賞球制御部402には、発射部428が接続される。賞球制御部402は、発射部428に対する遊技球の発射の操作(遊技者による操作)を検出して遊技球の発射を制御する。発射部428は、遊技のための遊技球を発射するものであり、遊技者による遊技操作を検出するセンサと、遊技球を発射させるソレノイドなどを備える。賞球制御部402は、発射部428のセンサにより遊技操作を検出すると、検出された遊技操作に対応してソレノイド等を駆動させて遊技球を間欠的に発射させ、遊技盤101の遊技領域103に遊技球を打ち出す。また、賞球制御部402には枠用外部情報端子基板492が接続されており、賞球制御部402が取り扱う各種情報を、基板492を通じて外部に出力することができる。
【0062】
[3.演出制御部]
演出制御部403は、サブCPU431、サブROM432及びサブRAM433を備えて構成される(
図2参照)。演出制御部403は、画像表示部104の表示制御やスピーカ115の音声出力制御を行う画像/音声制御部(不図示)と、演出ライト部116及び遊技盤101上の盤ランプ135の点灯制御並びに枠可動役物117及び盤可動役物130の駆動制御を行うランプ制御部(不図示)などを備える。また、演出制御部403には、遊技者からの操作を受け付ける演出ボタン121及び十字キー122が接続されている。演出制御部403は、演出ボタン121及び十字キー122に対する遊技者からの入力操作内容に応じた演出を行うことができる。
【0063】
演出制御部403は、変動演出を含む任意の演出を、演出実現要素(演出手段)を用いて実現する。即ち、演出制御部403は、演出実現要素を制御することで演出実現要素に所望の演出を行わせる(この表現における演出の主体は演出実現要素であるが、本実施形態の説明では、主として、演出制御部403が演出の主体であると捉える)。演出実現要素は、画像表示部104、スピーカ115、演出ライト部116、枠可動役物117、演出ボタン121、盤ランプ135及び盤可動役物130の全部又は一部を含む。変動演出は、特別図柄の変動表示中において演出制御部403により実行される演出を指し、特図判定の判定結果を示唆する演出を含む。特別図柄の変動開始時又は特別図柄の変動終了時において演出制御部403により実行される演出も変動演出に含まれると解することも可能である。なお、演出による示唆、報知、告知又は通知等は、特に記述無き限り、遊技者に対するものと考えて良い。また、特に記述無き限り、演出制御部403の制御による任意の画像及び図柄(装飾図柄等)の表示は、画像表示部104におけるそれらの表示を指し、音、音声の出力とはスピーカ115からの音、音声の出力を指す。
【0064】
図5を参照し、演出制御部403が行う主だった処理を列記する。演出制御部403へ電力が供給されると、サブCPU431により演出メイン処理が実行される。演出メイン処理では、演出制御部403内の各種デバイスの初期設定などを行って設定結果をサブRAM433に記憶させる。サブCPU431は、演出メイン処理にて設定された周期で、演出メイン処理に対し演出タイマ割込処理を割り込み実行する。演出タイマ割込処理において、サブCPU431は、演出用乱数更新処理、コマンド受信処理及び操作受付処理を順次実行する。
【0065】
演出制御部403には、演出用乱数をカウントする演出用乱数カウンタが設けられており、演出用乱数更新処理においては、演出用乱数カウンタのカウント値に「1」を加算することで演出用乱数カウンタのカウント値を更新する。演出用乱数カウンタにおいて、カウント値が所定の上限値を超えたときには、当該カウント値を「0」に戻し、その後、同様のカウントアップを行う。演出用乱数カウンタのカウント値を、各種演出で利用される演出用乱数の値として参照することができる。
【0066】
コマンド受信処理において、サブCPU431は、特図演出処理、普図演出処理及び当たり演出処理を実行する。
【0067】
特図演出処理は、演出開始処理及び演出終了処理を含む。サブCPU431は、主制御部401からの変動開始コマンドの受信に応答して演出開始処理を実行することで変動演出を開始した後、主制御部401からの変動停止コマンドの受信に応答して演出終了処理を実行することで変動演出を終了する。演出開始処理には変動演出内容決定処理が内包される。変動演出内容決定処理において、サブCPU431は、演出用乱数や主制御部401より受信したコマンド等に基づき変動演出の内容を決定する。具体的には例えば、各々に変動演出の内容を定義した複数の変動演出パターン(特図変動演出パターン)を含む変動演出パターンテーブル(特図変動演出パターンテーブル)が予めサブROM432に格納されており、変動演出内容決定処理において、変動開始コマンド等に基づき、当該変動演出パターンテーブルから1つの変動演出パターンを選択及び判定することで変動演出の内容を決定する。
【0068】
また、サブCPU431は、主制御部401から保留増加コマンドを受信したとき、コマンド受信処理において、保留増加コマンドに基づく情報をサブRAM433に記憶すると共に保留増加処理を行う。保留増加処理では、事前判定対象に対応する保留画像を画像表示部104に追加表示する。事前判定対象に対応する保留画像は、後に、その事前判定対象が判定対象TTとなって変動開始コマンドが受信された際に、画像表示部104から消去される又は特定の表示位置にシフトされる。サブCPU431は、保留増加コマンドに基づき、事前判定対象についての先読み予告演出を行うこともできる。
【0069】
普図演出処理(
図5参照)は、主制御部401から普通図柄に関するコマンドが受信された場合に、サブCPU431により実行される。普通図柄の変動開始時及び終了時において主制御部401から普通図柄に関するコマンドが演出制御部403に送信される。普図演出処理では、普通図柄の変動時における普図演出が実行される。
【0070】
当たり演出処理(
図5参照)は、主制御部401から当たり演出に関するコマンドが受信された場合にサブCPU431により実行される。即ち例えば、判定対象TTが大当たり又は小当たりに当選していて大当たり又は小当たりを示す態様で特別図柄及び装飾図柄の停止表示が行われると、当たり演出に関するコマンドが主制御部401から演出制御部403に送信され、サブCPU431は該コマンドの受信結果に基づき大当たり遊技中又は小当たり遊技中に行われるべき当たり演出を実行する。
【0071】
操作受付処理(
図5参照)において、サブCPU431は、演出ボタン121又は十字キー122からの信号に基づき、遊技者による演出ボタン121又は十字キー122への操作状態(操作の入力有無及び操作の内容)を認識する。演出制御部403は、認識された操作状態に応じた演出を行うことができる。
【0072】
<<大当たりの種類>>
図6は、本実施形態で想定される大当たりの種類を示す図である。本実施形態では、大当たりの種類として特A、特B、通A、特C、特D及び通Bがある。特A、通A、特C及び通Bのラウンド数は7であり、特B及び特Dのラウンド数は16である。ラウンド数が大きいほど、大当たり遊技において大入賞口111への入賞により得ることのできる賞球数が多いため、遊技者にとって、より有利である。第1特別図柄についての特図当たり判定において(第1始動条件の成立に基づく特図当たり判定において)、大当たりに当選したとき、その大当たりが、特A、特B、通Aとなる割合は、それぞれ、60%、5%、35%である。第2特別図柄についての特図当たり判定において(第2始動条件の成立に基づく特図当たり判定において)、大当たりに当選したとき、その大当たりが、特C、特D、通Bとなる割合は、それぞれ、30%、35%、35%である。第1、第2特別図柄についての大当たりの種類が上述した割合で定まるように、特図図柄判定テーブルTZtが形成される。
【0073】
特A〜特Dの何れかの大当たり遊技の終了後、メインCPU411は、遊技機100の遊技状態を高確率電サポ遊技状態に設定し、その後、次回の大当たり(即ち、直前に発生した大当たりから見て次の大当たり)が発生することなく、特別図柄の変動回数(即ち特別図柄が変動表示を介して変動停止した回数)が高確率付与回数以上且つ電サポ付与回数以上になると、遊技機100の遊技状態を低確率非電サポ遊技状態に設定する。
【0074】
高確率付与回数とは、高確率遊技状態が維持される特別図柄の変動回数を指す。つまり、或る大当たりに関し、大当たり遊技の終了後において、特別図柄がi
k回分だけ変動する間、遊技状態が高確率遊技状態とされ且つ特別図柄がi
k回分だけ変動した後は低確率遊技状態とされるとき、当該大当たりに対応する高確率付与回数はi
k回である(i
kは整数)。低確率遊技状態と比べて高確率遊技状態では大当たりが発生しやすくなるため、高確率付与回数が多いほど遊技者にとって有利である。
【0075】
電サポ付与回数とは、電サポ遊技状態が維持される特別図柄の変動回数を指す。つまり、或る大当たりに関し、大当たり遊技の終了後において、特別図柄がi
d回分だけ変動する間、遊技状態が電サポ遊技状態とされ且つ特別図柄がi
d回分だけ変動した後は非電サポ遊技状態とされるとき、当該大当たりに対応する電サポ付与回数はi
d回である(i
dは整数)。非電サポ遊技状態と比べて電サポ遊技状態では始動条件が成立し易くなるため、電サポ付与回数が多いほど遊技者にとって有利である。
【0076】
特A〜特Dの大当たりに対する高確率付与回数及び電サポ付与回数は共に10000回である(
図6参照)。故に、特A〜特Dの何れかの大当たり遊技の終了後、他の大当たりが発生することなく、特別図柄の変動回数が10000回に達すると(換言すれば特図判定が10000回行われると)、遊技機100の遊技状態は高確率電サポ遊技状態から低確率非電サポ遊技状態に移行せしめられる。但し、高確率遊技状態における大当たりの当選確率は “1/30”であるため、特A〜特Dの何れかの大当たり遊技の終了後は、実質的に、次回の大当たりの当選まで、高確率電サポ遊技状態が維持されると言える。
【0077】
通A又は通Bの大当たり遊技の終了後、メインCPU411は、特別図柄が所定の電サポ付与回数分だけ変動するまで、遊技機100の遊技状態を低確率電サポ遊技状態に設定し、特別図柄が所定の電サポ付与回数分だけ変動した後は、遊技機100の遊技状態を低確率非電サポ遊技状態(即ち通常遊技状態)に設定する。但し、通A又は通Bの大当たり遊技の終了後、次回の大当たりに当選した場合には、その次回に当選した大当たりの種類に応じ、次回の大当たり遊技の終了後の遊技状態が設定される。例えば、通A又は通Bの大当たり遊技の終了後、特別図柄の第1変動目で特Aの大当たりに当選したならば、特Aの大当たり遊技の終了後、遊技機100の遊技状態は高確率電サポ遊技状態に設定される。通A及び通Bの大当たりに対する電サポ付与回数は20回である。また、通A又は通Bの大当たり遊技後は高確率遊技状態とならずに低確率電サポ遊技状態とされるのであるから、通A及び通Bの大当たりに対する高確率付与回数は0回である。
【0078】
特A、特B、特C又は特Dの大当たりに伴う遊技状態設定処理では、高確率遊技フラグ及び電サポ遊技フラグが共にONとされ且つ高確率遊技残回数X及び電サポ遊技残回数Jに共に「10000」が設定される。
【0079】
通A又は通Bの大当たりに伴う遊技状態設定処理では、高確率遊技フラグがOFFとされる一方で電サポ遊技フラグがONとされ且つ高確率遊技残回数Xに「0」が設定される一方で電サポ遊技残回数Jに「20」が設定される。
【0080】
つまり、或る大当たりに伴って実行される遊技状態設定処理にて設定される高確率遊技残回数X及び電サポ遊技残回数Jは、それぞれ、当該大当たりに対応する高確率付与回数及び電サポ付与回数(
図6参照)と一致している。
【0081】
図6から分かるように、第2始動条件の成立による特図図柄判定は、第1始動条件の成立による特図図柄判定よりも遊技者にとって相対的に有利なものとなっている(即ち、より多くの賞球を得やすい)。ここにおける相対的に有利とは、第2始動条件の成立に基づき実行される大当たり遊技において大入賞口111への入賞により得られる賞球数の期待値が、第1始動条件の成立に基づき実行される大当たり遊技において大入賞口111への入賞により得られる賞球数の期待値よりも大きいことを意味する。“大当たり遊技において大入賞口111への入賞により得られる賞球数の期待値”を、大当たり遊技におけるラウンド数の期待値、又は、大当たり遊技における大入賞口111の総開放時間の最大値の期待値に読み替えても良い。
【0082】
<<遊技機の動作について>>
次に、演出制御部403が行うことのできる幾つかの演出の流れなどについて説明する。以下では、説明の具体化及び明確化のため、特に記述無き限り、遊技機100の遊技状態が低確率非電サポ遊技状態であって且つ判定対象TTは第1始動条件の成立に基づいて取得された特図判定用情報であると想定する。但し、遊技機100の遊技状態が低確率非電サポ遊技状態と異なる場合においても、また判定対象TTが第2始動条件の成立に基づいて取得された特図判定用情報である場合においても、以下に示す各種演出を実行可能である。
【0083】
演出制御部403は、変動演出において、特別図柄の変動表示の開始に同期して第1〜第n装飾図柄の変動表示を開始した後、特別図柄の変動表示の停止に同期して判定対象TTの特図判定の結果に応じた態様で第1〜第n装飾図柄の変動表示を停止させる。ここでnは、通常、2以上の任意の整数であるが、“n=1”でありうる。以下では、特に記述無き限り、n=3であるとする。
【0084】
図7に示す如く、画像表示部104の表示領域内の中央には、第1〜第3装飾図柄が表示される。第1〜第3装飾図柄は、左図柄SZL、右図柄SZR及び中図柄SZCから成る。画像表示部104には、左図柄(第1装飾図柄)SZLが表示される左図柄表示領域、右図柄(第2装飾図柄)SLRが表示される右図柄表示領域及び中図柄(第3装飾図柄)SZCが表示される中図柄表示領域が設定される。左、右及び中図柄表示領域の内、画像表示部104に正対する遊技者から見て、左図柄表示領域が最も左に位置し、右図柄表示領域が最も右に位置する。
【0085】
[保留画像、当該権利画像の表示]
図7に示す如く、画像表示部104の表示領域内の下側領域には、5つの位置HP
0〜HP
4が設定されている。任意の整数iについて、位置HP
i+1は位置HP
iの左側に隣接している。演出制御部403は、位置HP
1〜HP
4に1つずつ保留画像を表示することができる。また、演出制御部403は、変動演出において位置HP
0に当該権利画像を表示することができる。以下では、第2始動条件の成立に基づく保留情報数U2はゼロであると仮定し、第1始動条件の成立に基づく保留情報数U1が0、1、2、3又は4であると考える。但し、以下に示す方法を第2始動条件の成立に基づく保留画像及び当該権利画像に対して適用することもできる。
【0086】
1つの保留画像は、或る1つの特図判定用情報が特図判定用情報記憶領域413aに記憶されていること、即ち、その特図判定用情報に対する特図判定(特別図柄処理における特図判定)の権利が保留されていることを示す画像である。保留されていた特図判定用情報に対して特図判定が行われることを“消化”と表現する。また、保留されている特図判定用情報又は保留画像を単に“保留”と称することもある。
【0087】
或る注目した1つの特図判定用情報が判定対象TTとなって該注目した特図判定用情報に対して特図判定(特別図柄処理における特図判定)が行われた後においても、即ち該注目した特図判定用情報に対する特図判定の権利が消化された後においても、その権利に応じた画像を位置HP
0に表示することができ、その画像を当該権利画像(保0画像)と呼ぶ。注目した特図判定用情報に対する当該権利画像は、該注目した特図判定用情報に対する変動演出が行われているときに位置HP
0に表示され、変動演出の終了前に又は変動演出の終了時に位置HP
0から消去される(即ち非表示とされる)。以下では、当該権利画像は、変動演出の終了直前まで位置HP
0に表示され、変動演出の終了時に位置HP
0から消去されるものとする。
【0088】
図7に、変動演出が行われているときに、位置HP
1〜HP
4のそれぞれに保留画像が表示されていると共に位置HP
0に当該権利画像が表示されている様子を示す。以下では、位置HP
1、HP
2、HP
3、HP
4に表示された保留画像を、それぞれ、保1画像、保2画像、保3画像、保4画像と呼ぶ。保1〜保4画像を第1〜第4保留画像と呼んでも良い。また、当該権利画像は、特図判定用情報に対する特図判定の権利が保留されていることを示す画像ではないが、保1画像に対応する特図判定用情報が判定対象TTとなったときに、保1画像が位置HP
0にシフトして表示されるものである。そのため、説明の便宜上、当該権利画像を疑似保留画像又は保0画像とも呼び、保0画像(疑似保留画像)〜保4画像の何れかを又は保0画像〜保4画像を総称して保X画像と呼ぶ場合がある。
【0089】
画像表示部104において、保留画像は、より右側に表示されているものから順に消化される。より正確には、画像表示部104においてより右側に表示されている保留画像に対応する特図判定用情報から順に消化される。従って例えば、第1始動条件の4回の順次成立により第1〜第4特図判定用情報が第1、第2、第3、第4特図判定用情報の順番で取得され、これによって特図判定用情報記憶領域413aに第1〜第4特図判定用情報が記憶されたことを想定すると、第1、第2、第3、第4特図判定用情報に対応する保留画像としてそれぞれ保1画像、保2画像、保3画像、保4画像が表示されることになる。演出制御部403は、保留増加コマンドを受信したときに実行される保留増加処理において、位置HP
1〜HP
4の何れかに対して1つの保留画像を追加表示する。保留情報数U1が(i−1)からiに増加したことを示す保留増加コマンドが受信されたとき、保留増加処理において、位置HP
iに1つの保留画像が追加表示される(iは整数)。
【0090】
図8を参照し、保X画像の態様として複数の態様があり、保X画像は複数の態様の何れかにて表示される。ここでは、その複数の態様が、互いに異なる第1〜第4態様から成ると考える。保X画像における態様の相違又は変化は、保X画像の色、形状、模様などの相違又は変化を含むが、ここでは、色の相違又は変化が態様の相違又は変化に相当すると考える。更に説明の具体化のため、第1、第2、第3、第4態様の保X画像は、それぞれ、白の保X画像(白を基調とした色を持つ円形画像)、青の保X画像(青を基調とした色を持つ円形画像)、緑の保X画像(緑を基調とした色を持つ円形画像)、赤の保X画像(赤を基調とした色を持つ円形画像)であるとする。なお、青、緑、赤の保留画像を総称して色保留画像とも称する。
【0091】
白、青、緑及び赤の保X画像の内、保X画像に対応付けられた信頼度は、赤の保X画像において最も高く、緑の保X画像において2番目に高く、青の保X画像において3番目に高く、白の保X画像において最も低い。従って、青、緑及び赤の保X画像の表示は、保X画像に対応する特図判定用情報の大当たりの期待度が、白の保X画像の表示よりも高いことを示唆する演出と言える。また、演出制御部403は、保留増加コマンドに基づき、事前判定対象についての保留画像として、青、緑及び赤の保X画像の表示を行う。
【0092】
[リーチ演出]
演出制御部403は、変動演出において、第1〜第n装飾図柄の内、第1〜第(n−1)装飾図柄の変動表示を共通の図柄にて仮停止させた後、リーチ演出を行うことができる。なお、第1〜第(n−1)装飾図柄の変動表示を共通の図柄にて仮停止させた態様を、リーチ目の態様とする。ここでは、説明の具体化のため、第1及び第2装飾図柄が左図柄及び右図柄であると考える。そうすると、演出制御部403は、左図柄及び右図柄の変動表示を共通の図柄にて仮停止させた後、リーチ演出を行うことができる。
【0093】
装飾図柄の仮停止とは、厳密には装飾図柄を停止させていないが、遊技者に対しては、装飾図柄が停止したと認識させることが可能な態様で装飾図柄を画像表示部104上で微変動させる装飾図柄の変動表示態様である。具体的には例えば、第i装飾図柄を数字“2”が記された図柄にて仮停止させるとは、第i装飾図柄が数字“2”が記された図柄であることを遊技者が認識できるように、数字“2”が記された図柄を第i装飾図柄として画像表示部104における所定表示領域内で振動させつつ所定時間以上継続表示させることを意味する(iは整数)。
【0094】
リーチ演出は、判定対象TTに対する大当たり遊技の実行の期待度が所定期待度KT
REFよりも高いことを示唆する演出である。大当たり遊技の実行の期待度(以下、大当たりの期待度とも言う)とは、注目した1つの特図判定用情報(ここでは判定対象TT)が大当たりに当選している確率(可能性)を表す。注目した1つの特図判定用情報に対して特定の演出が行われるのであれば、当該特図判定用情報に対する大当たりの期待度は、その特定の演出に対する大当たりの期待度(その特定の演出が割り当てられた特図判定用情報が大当たりに当選している確率)とも言える。所定期待度KT
REFは、予め定められた0以上且つ1未満の期待度であれば良く、例えば、大当たりの当選確率として予め定められた確率OTKを示す、又は、その確率OTKよりも大きな所定値(例えば、確率OTKの5倍)を示す。確率OTKは、特図判定が低確率遊技状態で行われたならば“1/300”であり、特図判定が高確率遊技状態で行われたならば“10/300”である(
図4参照)。変動演出において、リーチ演出の実行は、リーチ演出の非実行よりも判定対象TTの大当たりの期待度が高いことを示唆している、と考えても良い。
【0095】
図9を参照し、リーチ演出を含む変動演出では、第1〜第3装飾図柄(
図9のSZL、SZR、SZCに相当)の変動表示の開始後、任意の演出を経て、第1及び第2装飾図柄を共通の図柄(
図9では数字「2」の図柄)にて揃えた状態で仮停止させ、その後、所定のリーチ演出を行う。リーチ演出では、例えば、遊技上の課題(主人公キャラクタが遊技上の敵キャラクタを倒す課題など)が発生し、その課題が達成されるか否かを示す演出が実行される。リーチ演出が行われる前において、第1及び第2装飾図柄を共通の図柄にて仮停止させる際、遊技者が第1及び第2装飾図柄を視認しやすいように第1及び第2装飾図柄が所定の大サイズで仮停止される。リーチ演出の実行中には、リーチ演出を見やすくするために共通の図柄にて揃えられた縮小サイズの第1及び第2装飾図柄が、例えば画像表示部104の左上隅及び(又は)右下隅で仮停止せしめられる(縮小サイズは上記大サイズよりも小さい)。リーチ演出の実行中、第3装飾図柄を縮小サイズで変動表示(第1及び第2装飾図柄よりも高速な変動表示)させるようにしても良い。
【0096】
判定対象TTが何れかの大当たりに当選している場合、遊技上の課題が達成される様子を表す演出(例えば主人公キャラクタが敵キャラクタに勝利する様子を表す動画像の表示)が行われると共に大サイズの第1〜第3装飾図柄がゾロ目の態様にて画像表示部104の中央付近に仮停止表示され、変動停止コマンドを受信すると大サイズの第1〜第3装飾図柄がゾロ目の態様にて停止表示される。これに対し、判定対象TTがハズレである場合、遊技上の課題が達成されない様子を表す演出(例えば主人公キャラクタが敵キャラクタに敗北する様子を表す動画像の表示)が行われると共に大サイズの第1〜第3装飾図柄が非ゾロ目の態様にて画像表示部104の中央付近に仮停止表示され、変動停止コマンドを受信すると大サイズの第1〜第3装飾図柄が非ゾロ目の態様にて停止表示される。
【0097】
ゾロ目とは、所定の有効ライン上において第1〜第3装飾図柄が共通の図柄で揃えられている状態(即ち大当たりを示す第1〜第3装飾図柄の組み合わせ)を指す。ゾロ目による第1〜第3装飾図柄の停止表示は大当たりの告知に相当する。これに対し、非ゾロ目とは、所定の有効ライン上において第1〜第3装飾図柄が共通の図柄で揃えられていない状態を指す。非ゾロ目による第1〜第3装飾図柄の停止表示はハズレの告知に相当する。すなわち、変動演出において、ゾロ目の態様にて大サイズの第1〜第3装飾図柄を停止する演出は、大当たりを告知する演出である。また、非ゾロ目の態様にて大サイズの第1〜第3装飾図柄を停止する演出は、ハズレを告知する演出である。
【0098】
図9に示すリーチ演出はリーチ演出の一例に過ぎない。遊技機100では、互いに内容が異なる複数のリーチ演出を実行してもよい。リーチ演出は、遊技状態が特別な遊技状態(特別遊技状態)である大当たり遊技状態になる可能性が高いことを示唆する特別演出の一つである。
【0099】
[大当たりの期待度(信頼度)]
或る1つの特図判定用情報Q
1に対して実行される演出Q
2は、大当たりの期待度を示唆しうる。任意の1つの特図判定用情報Q
1に関して、特図当たり判定の結果が“ハズレ”であって且つ特図判定用情報Q
1に対して演出Q
2が実行される確率を“r”で表し、特図当たり判定の結果が“大当たり”であって且つ特図判定用情報Q
1に対して演出Q
2が実行される確率を“v”で表す。そうすると、特図判定用情報Q
1の大当たりの期待度及び演出Q
2が示唆する大当たりの期待度は、期待度算出式“(100×v/(r+v))[%]”にて表される。
【0100】
演出Q
2は、特図判定用情報Q
1に対する特図判定の結果に基づき、特図判定用情報Q
1に対応する特別図柄の変動中に行われる当該予告演出でありうるし、特図判定用情報Q
1に対する事前判定の結果に基づき、特図判定用情報Q
1に対応する特別図柄の変動開始前に行われる先読み予告演出でありうる。また、大当たりの期待度は、大当たりの信頼度又は単に信頼度と称されることもある。
【0101】
[当落演出及び大当たり確定演出]
図10(a)〜(d)を参照し、当落演出及び大当たり確定演出について説明する。まず、当落演出について説明する。当落演出は、判定対象の特図判定の結果が、大当たりである(当選している)又はハズレである(落選している)ことのいずれかを遊技者に示唆する演出である。
【0102】
図10(a)に示すように、演出制御部403は、変動表示中の第1〜第3装飾図柄の内、第1装飾図柄SZL及び第2装飾図柄SZRを共通の図柄(ここでは、数字の2)にて仮停止させる、すなわち、リーチ目で仮停止させる。
【0103】
判定対象TTの特図判定の結果が大当たりである(当選している)場合、演出制御部403は、変動停止コマンドの受信に基づいて、第1〜第3装飾図柄をゾロ目の態様で停止表示する(
図10(b)参照)。
【0104】
一方で、判定対象TTの特図判定の結果がハズレである(落選している)場合、演出制御部403は、変動停止コマンドの受信に基づいて、第1〜第3装飾図柄をバラケ目の態様で停止表示する(
図10(c)参照)。
【0105】
つまり、当落演出は、演出制御部403が、第1装飾図柄SZL及び第2装飾図柄SZRを共通の図柄(ここでは、数字の2)にて仮停止させる、すなわち、リーチ目で仮停止させることで開始される。第1〜第3装飾図柄(SZL、SZR、SZC)をゾロ目の態様で停止表示された場合、判定対象TTの特図判定の結果が大当たりである(当選している)ことを示唆する。第1〜第3装飾図柄(SZL、SZR、SZC)がバラケ目の態様で停止表示された場合、判定対象TTの特図判定の結果がハズレである(落選している)ことを示唆する。そして、当落演出が実行された場合、ゾロ目の態様で停止表示される可能性があるため、遊技者にとって有利な大当たり遊技状態(特別遊技状態)になる可能性が、当落演出が行われない場合よりも高いことを示唆しているといえる。
【0106】
なお、上述の当落演出は、当落演出の1例である。これ以外にも、例えば、
図9に示すように、リーチ演出が、リーチ前半演出と、リーチ後半演出とを含む場合があり、リーチ後半演出において、課題が達成する演出(当選)又は課題を失敗する演出(落選)のいずれかが実行されることで、特図判定結果を示唆する当落演出もある。具体的には、リーチ演出が開始されると主人公キャラクタと敵キャラクタとが格闘する様子を示す動画像を一定時間表示するリーチ前半演出が実行される。そして、その後に、リーチ後半演出である当落演出が実行される。なお、リーチ前半演出からリーチ後半演出に移行するときに、操作演出が実行されてもよい。当落演出としての操作演出は、例えば、演出ボタン121の操作入力に応答し、操作対応演出として課題失敗演出(落選)、課題成功演出(大当たりに当選)のいずれかが行われる。課題失敗演出は、特図判定用情報JJがハズレであることを示唆し、課題成功演出は、特図判定用情報JJが大当たりであることを示唆する。
【0107】
また、
図10(d)に示すように、大当たり確定演出において、演出制御部403は、判定対象TTの特図判定の結果が大当たりのとき、演出制御部403は、第1〜第3装飾図柄(SZL、SZR、SZC)をゾロ目の態様で仮停止させる。そして、演出制御部403は、変動停止コマンドの受信に基づいて、第1〜第3装飾図柄をゾロ目の態様で停止表示してもよい(
図10(b)参照)。
【0108】
なお、
図10(b)に示すように、ゾロ目の態様で停止表示を行うことで、大当たりが確定したことを示唆する。そのため、ゾロ目の態様で停止表示を行うことは、大当たり確定演出であるといえる。また、
図10(d)に示すように、第1〜第3装飾図柄(SZL、SZR、SZC)のゾロ目の態様での仮停止によって、判定対象TTの特図判定の結果が大当たり確定であることを示唆している。そして、大当たり確定演出が実行された場合、大当たりが確定しているので、遊技者によって有利な大当たり遊技(特別遊技状態)になる(可能性100%)であるため、大当たり確定演出は、特別演出である。
【0109】
上述の例では、大当たり確定演出は、当落演出の後半に実行されるものとして記載されているが、これに限定されない。例えば、第1〜第3装飾図柄(SZL、SZR、SZC)が変動表示されている状態から、前触れなく(例えば、リーチ目の態様で仮停止したりすることなく)突然、ゾロ目の態様で停止するような演出も、大当たり確定演出に含み得る。
【0110】
さらに、上述の大当たり確定演出は、大当たり確定演出の一例であり、それ以外の方法で、大当たり確定演出を行うようにしてもよい。例えば、変動演出中において、画像表示部104の一部に、「リーチになれば、大当たり濃厚」等の文字を表示した後に、リーチになったのち、必ず大当たり遊技に突入するような演出も大当たり演出の一つである。
【0111】
また、後述する変動演出において、更新条件が達成される毎に溜まったゲージの色が変化(白→青→緑→赤)し、所定値に到達したときにゲージが虹色になる虹演出が行われる場合がある。虹演出は、大当たり時のみ実行され得るので、この虹演出は大当たり確定演出の一つといえる。
【0112】
(その他の特別演出)
なお、演出制御部403は、第1〜第3装飾図柄(SZL、SZR、SZC)をバラケ目の態様で仮停止させた後、第1〜第3装飾図柄(SZL、SZR、SZC)を停止させることなく、第1〜第3装飾図柄(SZL、SZR、SZC)を、再度、変動させてもよい。このとき、演出制御部403は、変動停止コマンドを受けていない状態、すなわち、変動演出が継続した状態である。このように、第1〜第3装飾図柄(SZL、SZR、SZC)をバラケ目の態様で仮停止した後、図柄の停止を経ずに、変動を再開する、擬似的に連続変動しているように見せかける疑似連演出を行ってもよい。そして、疑似連演出が実行されることで、特別遊技状態になる可能性が高くなる場合、疑似連演出も特別演出とすることが可能である。
【0113】
[昇格演出]
図11(a)〜(e)を参照して、昇格演出について説明する。上述のとおり、特別遊技状態は、遊技者にとって有利な遊技状態である。そのため、特別遊技状態は、大当たり遊技状態に限定されない。例えば、大当たり遊技終了後に移行しうる高確率電サポ遊技状態も、大当たり遊技終了後に移行しうる低確率電サポ遊技状態よりも大当たりに当選しやすいという点で、遊技者にとって有利であるので、特別な遊技状態の一種であると言える。本実施例では、昇格演出について、大当たり遊技終了後における遊技状態を例に、説明する。
【0114】
例えば、低確率非電サポ遊技状態から大当たり遊技状態になった場合、
図6に示す特A、特B及び通Aの大当たりがあるとする。これらの大当たりのいずれに当選しても、大当たり遊技後に、右打ちを継続する電サポ遊技状態になる。そして、特A及び特Bに当選した場合、大当たり遊技後に10000回の特図変動が実行される又は大当たりに当選するまでの間、高確率電サポ遊技状態になる。なお、特図変動とは特別図柄の変動を示す。一方、通Aに当選した場合、大当たり遊技後に、20回の特図変動が実行される又は大当たりに当選するまでの間、低確率電サポ遊技状態になる。そして、特A、通Aの大当たりが7ラウンドであるのに対し、特Bは16ラウンドである。すなわち、大当たりのラウンド数が16ラウンドだった場合、遊技者は、特Bに当選しており、大当たり遊技の後、高確率電サポ遊技状態になることを容易に知り得る。一方、大当たりのラウンド数が7ラウンドだった場合、遊技者は、特Aに当選しているのか通Aに当選しているのか判断がつかない又は付きにくい。
【0115】
図11(a)に示すように、大当たり遊技の後は、右打ちにて遊技が実行される。
図11(a)に示すように、大当たり遊技が終了した後、演出制御部403は、画像表示部104の中央部に、大サイズの第1〜第3装飾図柄(SZL、SZR、SZC)を変動表示するとともに、右上に、右打ち画像(右向きの矢印及び「右打ち」の文字)S2を表示する。
【0116】
図11(b)は、現在の遊技状態が低確率電サポ遊技状態であった場合に、電サポ遊技状態が終了する直前(5回前)の画像表示部104を示す図である。演出制御部403は、電サポ遊技における変動回数が20回に近づくと(例えば、変動回数15回)、電サポ遊技における変動回数が20に到るまでの回数を残りの変動回数として画像表示部104に表示する残回数表示S3の表示を行う。残回数表示S3は、“残り”の文字と、その下に残り回数(
図11(b)では、5)を表示する。そして、演出制御部403は、特別図柄の変動を経るごとに、残回数表示S3の残り回数を減少させる、すなわち、特別図柄の変動回数をカウントダウンする。
【0117】
演出制御部403は、低確率電サポ遊技状態のときに残回数表示S3を画像表示部104に表示するとともに、高確率線サポ遊技状態のときにも或る確率で残回数表示S3を行う。すなわち、演出制御部403が残回数表示S3を行うことで、現在の遊技状態が、低確率電サポ遊技状態である可能性があることを示唆する。なお、大当たりのラウンド数で、高確率電サポ遊技状態であることを認識できる場合、例えば、特Bに当選した場合には、残回数表示S3は行われない。
【0118】
そして、現在の遊技状態が低確率電サポ遊技状態である場合には、残回数表示S3のカウントダウンの終了後、低確率非電サポ遊技状態、すなわち、左打ちによる遊技に戻る。左打ちに戻す場合には左打ちに戻す旨を示す画像が表示される(図示省略)。また、現在の遊技状態が高確率電サポ遊技状態の場合には、右打ちによる遊技が継続される。
【0119】
図11(c)に示すように、右打ちによる20回の特別図柄の変動の終了後、右打ち遊技を継続する場合には、画像表示部104の中央部分に「右打ち継続」の文字画像の表示を行うとともに、画像表示部104の右上に右打ち画像S2の表示を実行する。これらの表示は、現在の遊技状態が高確率電サポ遊技状態であることを示唆している。従って、
図11(c)に示す画像を表示する演出は、現在の遊技状態が低確率電サポ遊技状態である可能性があることを示唆する演出(
図11(b)に示す画像を表示する演出)を経て実行される演出であって、現在の遊技状態が高確率電サポ遊技状態であることを示唆する昇格演出(遊技状態が格上げされたかのように見せかける演出)として機能する。
【0120】
図11(c)に示す画像の表示は、現在の遊技状態が、高確率電サポ遊技状態であることを示唆する演出である。このように、低確率電サポ遊技状態である可能性を示唆する演出に対して、高確率電サポ遊技状態を示唆する演出は、遊技者にとって有利な遊技状態を示唆する演出、すなわち、特別演出といえる。
【0121】
なお、上述の昇格演出は、現在の遊技状態が低確率電サポ遊技状態の可能性があることを示唆する演出から、高確率電サポ遊技状態であることを示唆する演出になっており、遊技状態が格上げされたかのように見せかける演出である。しかしながら、これに限定されない。大当たり遊技中にも昇格演出が行われる場合がある。例えば、特A、特B、通Aの大当たりは、装飾図柄のゾロ目の数字によって、示唆される場合がある。例えば、第1〜第3装飾図柄が1〜9の数字を取り得るとすると、3又は7のゾロ目の場合は、他の数字のゾロ目に比べて、特Bの大当たりの可能性が高いことを示唆し、3又は7以外の奇数のゾロ目の場合は、偶数のゾロ目の場合に比べて、通Aよりも有利な、特A又は特Bの大当たりである可能性が高いことを示唆するとする。
【0122】
図11(d)、(e)を参照して、大当たり遊技中の昇格演出について説明する。例えば、第1〜第3装飾図柄が3又は7以外の奇数のゾロ目の態様で停止表示された後に大当たり遊技状態となったとする。すなわち、現在の大当たり遊技は、7ラウンド、16ラウンドの両方の大当たり遊技の可能性を含み得る。
【0123】
図11(d)に示すように、大当たり遊技中において、画像表示部403は、現在のラウンド数を表示するラウンド数表示S31を行う。当選した大当たりが特A又は通Aの場合、ラウンド数表示S31が7ラウンドを示した後のラウンド終了後に、大当たり遊技が終了され、その後、電サポ遊技状態になる。一方、当選した大当たりが特Bの場合には、ラウンド数表示S31は16ラウンドまで継続される。
【0124】
図11(e)に示すように、当選した大当たりが特Bの場合には、演出制御部403が画像表示部104の中央に、“大当たり継続”の文字を表示するとともに、右上に右打ち画像S2の表示を継続する。この
図11(e)の表示は、遊技者には、16ラウンドの大当たり遊技状態であることを示唆する演出であるといえる。
【0125】
特A、特B及び通Aのいずれの大当たり遊技状態においても、例えば、第1ラウンド〜第7ラウンドにおいて、ラウンド数表示S31の表示を含む共通の当たり演出が実行され、特Bの大当たり遊技状態では、第7ラウンド終了後に、
図11(e)に示す画像の表示を含む特B用当たり演出が実行される。特B用当たり演出が、特A及び通Aの大当たり遊技状態にて実行されることはない。
【0126】
上記共通の当たり演出は、大当たり遊技が7ラウンドである可能性があることを示唆する演出として機能し、特B用当たり演出は、大当たり遊技が16ラウンドであることを示唆する演出として機能する。
【0127】
また、上記共通の当たり演出は、大当たり遊技後に低確率電サポ遊技状態になる可能性があることを示唆する演出として機能し、特B用当たり演出は、大当たり遊技後に高確率として機能するともいえる。そのため、特に、上記共通の当たり演出を経て実行される特B用当たり演出は、昇格演出として機能する。
【0128】
[保留変化演出]
演出制御部403は、保留増加コマンドに含まれる事前判定結果に基づいて、位置HP
1〜HP
4の何れかに表示されている保留画像の表示態様を、期待度の高い色に変化させることが可能である。なお、この保留画像の表示態様を変化させる演出を保留変化演出とする。保留変化演出において、表示態様が変化した保留画像は、変化する前に対して、保留画像に対応する特図判定用情報の大当たりの期待度が高くなるように昇格している。すなわち、保留変化演出は、先読み予告演出であるとともに、期待度が高くなる(昇格する)昇格演出の一種であるといえる。保留画像の色態様は、
図8に示すように、白、青、緑、赤の4態様であり、各色の期待度については、上述のとおりである。
【0129】
1つの特図判定用情報に対して或る色の保留画像を表示した後に、その保留画像の色を信頼度が高まる方向に変化させることも可能であり、そのような変化も事前判定の結果に基づいて実行される。或る特図判定用情報が判定対象TTとなっているときの当該権利画像の表示態様及び当該権利画像の表示態様の変化は、その特図判定用情報に対する事前判定の結果又は特図判定の結果に基づいて決定される。
【0130】
また、保留画像の態様として5種類以上の態様を設定し、赤の保留画像よりも高い信頼度が対応づけられた保留画像の態様(例えば金)を設けても良いが、ここでは、説明の簡略化上、保留画像の態様として第1〜第4態様のみを考える。
【0131】
以上示した“リーチ演出”、“当落演出”、“大当たり確定演出”及び“昇格演出”は、判定対象TTの判定結果に基づく特別演出である。一方で、保留変化演出は、先読み対象の事前判定の結果に基づく、特別演出である。なお、 “当落演出”、“大当たり確定演出”及び“昇格演出”は、事前判定結果に基づく特別演出とすることも可能である。例えば、大当たり確定であることを示唆するような保留画像が存在し、その保留画像を表示する演出は、大当たり確定演出に含みうる。
【0132】
以上、遊技者にとって有利な特別遊技状態になる可能性が高いことを示唆する特別演出について説明したが、これらは、一例にすぎず、これら以外の特別演出が実行されてもよい。
【0133】
[更新演出]
図12を参照し、更新演出について説明する。演出制御部403は、予め決められた更新条件が成立する毎に、進捗量が更新される更新演出を行う場合がある。例えば、更新条件として、演出ボタン121の連続操作(いわゆる、ボタン連打)によって、操作入力の回数が予め決められた値に達すること挙げることができる。なお、
図12において、画像表示部104の中央の下部には、保0画像H0、保1画像H1及び保2画像H2が表示されている。保0画像H0が最も右に表示され、その左に保1画像H1が表示され、さらに保1画像H1の左に保2画像H2が表示されている。また、画像表示部104の右下には、中央部に表示される(大サイズの)第1〜第3装飾図柄(SZL、SZR、SZC)よりも小さいサイズの(縮小された)第1〜第3装飾図柄(S1L、S1R、S1C)が表示されている。縮小された第1〜第3装飾図柄(S1L、S1R、S1C)表示サイズが小さいだけであり、大サイズの第1〜第3装飾図柄と同等の図柄の変動表示が実行される。
【0134】
例えば、更新演出が変動演出中に発生するとして説明する。
図12に示すように、更新演出の開始の際に、演出制御部403は、縮小した第1〜第3装飾図柄を画像表示部104の右下で変動表示するとともに、画像表示部104の中央部分に、更新条件を達成するために遊技者が行う操作の内容を示す操作画像201(ここでは、演出ボタン121の画像2011と「ボタン連打」の文字2012を含む画像であって、演出ボタン121を繰り返し押下する操作(連打)を促す画像)を表示する。また、演出制御部403は、遊技者が行う操作の内容を示す操作画像201の横(
図12では、左横)に更新条件の進捗状態を示す更新表示画像202を表示する。更新表示画像202は、上下方向に配列された合計5個のゲージ203を備えている。
【0135】
演出制御部403は、遊技者による演出ボタン121の操作回数(連打回数)をカウントしている。そして、演出制御部403は、操作回数が、更新条件が成立したと判定するための予め決められた値に到達すると、更新条件が成立した判定して、更新表示画像202の5個のゲージ203を下から所定の色で塗りつぶして表示を変更する。更新表示画像202は、進捗量を示している。そして、新たなゲージ203が塗りつぶされることは、進捗量が更新されていることを示している。そのため、以下の説明では、新たなゲージ203を塗りつぶして表示を変更することを「進捗量の更新」と称する場合がある。すなわち、「進捗量の更新」と記載されている場合には、演出制御部403が、画像表示部104に表示されている更新表示画像202の塗りつぶされていないゲージ203を新たに塗りつぶすことを示している。
【0136】
演出制御部403は、ゲージ203が塗りつぶされる毎に、すなわち、進捗量が更新されるごとに、演出ボタン121の操作回数をリセットし、ゼロからカウントを再開する。そして、更新条件が成立する毎に、色が塗られていないゲージ203を下から順に塗りつぶす。なお、カウント数を継続して使用してもよい。
【0137】
図13(a)、(b)に、1回の更新条件の成立による更新演出の結果を示す。1回の更新条件の成立によって、演出制御部403は、ゲージ203を第1の値である1個塗りつぶして(進捗量を第1の値だけ更新して)もよいし(
図13(a)参照)、第2の値である2個塗りつぶして(進捗量を第2の値だけ更新して)もよい(
図13(b)参照)。なお、ゲージ203を塗りつぶす個数である、第1の値(1個)と第2の値(2個)は、ランダムに決定されてもよいし、ゲージ203の溜まり具合や判定対象TTの判定結果と関連付けて決定されてもよい。進捗量の更新の個数の決定方法については、後述する。
【0138】
また、第1の値は1(個)に限定されず、第2の値は2(個)に限定されない。しかしながら、第2の値は第1の値よりも大きい値であり、ゲージ203の最大数(ここでは、所定値と同じ5)を超えない値である。つまり、更新演出において、進捗量は、1回の更新条件の成立で、所定値に更新される(すなわち、ゲージ203が5個塗りつぶされる)場合があり得る。また、第1の値及び第2の値に加えて、これらの値と異なる第jの値(jは3以上の整数)を備えていてもよい。なお、第jの値は、ゲージ203の最大数(ここでは、所定値と同じ5)を超えない値である。 なお、上述の更新表示画像202は、5個のゲージを有しているが、それに限定されない。5個以下であってもよいし、5個以上であってもよい。
【0139】
更新演出時には、更新表示画像202の5個のゲージ203の全てが塗りつぶされる場合(すなわち、進捗量が所定値に到達する場合)と、更新表示画像202の5個のゲージ203の一部は塗りつぶされない場合(すなわち、進捗量が所定値に到達しない場合)とがあってよい。
【0140】
図14を参照して、他の更新演出について説明する。
図14に示す更新演出では、更新表示画像2021は1つのゲージ2031を有しており、ゲージ2031の内部をバー2032が増加する映像が表示される。進捗バー2032は、いわゆる、プログレスバーであり、現在の更新演出の進捗状況を表示している。
【0141】
進捗バー2032は、表示されていない状態からゲージ2031を満たす状態に増加する。進捗バー2032は、例えば、更新条件が成立する毎に、予め決められた量だけ増加する。例えば、
図14では、進捗バー2032がゲージ2031の半分くらいまで到達している。このことは、更新演出において、進捗量が所定値の約半分に到達していることを示している。進捗バー2032は、更新演出の成立によって、徐々に増加する。
【0142】
上述の更新演出では、更新条件として、演出ボタン121のボタン連打による入力回数が一定回数以上の入力操作が行われることとしているが、これに限定されない。例えば、演出ボタン121の操作状態を維持(いわゆる、ボタンの長押し)することによって、更新条件が成立するものを挙げることができる。
【0143】
図15を参照して、更新演出の他の例について説明する。更新演出は、演出ボタン121に操作に基づくものだけとは限らない。例えば、
図15に示す更新演出では、画像表示部104の上部から下部に向かって、更新演出用画像204(ここでは、星型の画像)が落下する演出(あおり演出)が実行される。そして、更新演出用画像204が落下する演出が実行される毎に、更新条件の成立とする。そして、更新条件が成立する毎に、画像表示部104の左側に表示された更新表示画像205の5個のアイテム206が1(第1の値)又は2(第2の値)ずつ貯留される。
図15に示す更新演出では、更新表示画像205を星形とし、5個のアイテム206を貯留することで、星形が完成される。なお、
図15に示す演出の場合も、進捗量は、第1の値又は第2の値のいずれかの値で更新されてよいし、第1の値及び第2の値のいずれか選択された方で更新されてよい。
【0144】
なお、
図15に示す更新演出では、演出制御部403は、更新演出を行うとき、更新演出に使用する画像(
図12の場合、遊技者が行う操作の操作画像201と更新表示画像202、
図15の場合、更新演出用画像204と更新表示画像205)、縮小した第1〜第3装飾図柄及び保留画像を画像表示部104に表示するが、これに限定されず、これらの画像と同時に遊技上の別の演出で使用される画像(例えば、遊技上のストーリの動画像等)を表示してもよい。別の演出は、更新演出と重ならない位置で表示してもよいし、更新演出の背後に表示されていてもよい。ここで、「背後に表示」とは、画像表示部104に表示されるが、遊技者から見て或る画像の背後に位置するように表示する場合も含む。また、盤可動役物130に画像表示部が設けられており、画像表示部104の前方に移動させた盤可動役物130の画像表示部で更新演出を行い、盤可動役物130の背後の画像表示部104に別の演出を表示するような場合も含む。
【0145】
上述した、更新演出は更新演出の一例に過ぎない。遊技機100では、互いに内容が異なる複数の更新演出を実行してもよい。また、上述の更新演出は、変動演出中に発生するものとしているが、これに限定されない。例えば、大当たり遊技中に実行されてもよいし、先読み予告演出中に実行されてもよい。また、上述した更新演出では、進捗量の表示方法として、ゲージが0の状態から増加するものとしているが、これに限定されない。例えば、満タン状態のゲージからゲージが0になることで、進捗量が所定値に到達したとしてもよい。このように、進捗量が減少する場合には、所定値は、0である。また、減少する場合において、所定値は、0に限定されず、0よりも大きい値(量)であってもよい。このように、所定値を0よりも大きい値(量)とすることで、後述する、SPリーチやSPSPリーチが実行される可能性があることを示唆することが可能である。
【0146】
上述した遊技機100の構成及び動作等を基本とする複数の実施例を、以下に説明する。なお、矛盾無き限り、以下に述べる複数の実施例の内、任意の実施例に記載した事項を、他の任意の実施例に適用することもできる(即ち複数の実施例の内の任意の2以上の実施例を組み合わせることも可能である)。
【0147】
(第1実施例)
図面を参照し、本発明にかかる遊技機100の動作について説明する。以下では、説明の具体化及び明確化のため、特に記述無き限り、遊技機100の遊技状態が低確率非電サポ遊技状態であって且つ判定対象TTは第1始動条件の成立に基づいて取得された特図判定用情報であると想定する。そして、大当たり遊技状態は、大入賞口111の開放を伴わない遊技状態(例えば、低確率非電サポ遊技状態)よりも、遊技者にとって有利な遊技状態であり、特別遊技状態とする。そして、リーチ演出は、特別遊技状態になる可能性が高いことを示唆する演出であり、ここでは、特別演出とする。
【0148】
図16に示される状況α1を考える。任意の整数iに関し、タイミングT
A(i+1)はタイミングT
Aiよりも後のタイミングであるとする。状況α1では、装飾図柄の変動演出中に更新演出及びリーチ演出が行われる。タイミングT
A10にて演出制御部403は、主制御部401からの判定対象TTの特図判定の結果を含む変動開始コマンドに応答して、変動演出を開始する。演出制御部403は、画像表示部104の中央部分に大サイズの第1〜第3装飾図柄(SZL、SZR、SZC)の変動表示を開始する。なお、タイミングT
A10で開始された、1つの特図判定用情報に対する1つの変動演出は、後述のタイミングT
A70にて終了する。
【0149】
タイミングT
A20にて、演出制御部403は、画像表示部104の右下に、縮小サイズの第1〜第3装飾図柄(S1L、S1R、S1C)の変動表示を行う。この時、画像表示部104の中央部分で変動表示していた大サイズの第1〜第3装飾図柄(SZL、SZR、SZC)を消去する。なお、大サイズの第1〜第3の総小図柄の消去は、縮小した第1〜第3装飾図柄の変動表示の開始と同時であってもよいし、画像表示部104の右下にて縮小した第1〜第3装飾図柄の変動表示を開始した後であってもよい。画像表示部104上で、装飾図柄の変動表示の切り替えは、装飾図柄の変動表示が行われない期間が発生しなければよい。
【0150】
そして、演出制御部403は、画像表示部104に更新条件の成立のために遊技者が行う操作画像201及び更新表示画像202を表示する。演出制御部403は、遊技者による演出ボタン121の操作回数をカウントしている。
【0151】
遊技者による演出ボタン121の操作回数が予め決めた回数に到達すると、演出制御部403は、更新表示画像202の最も下のゲージ203を塗りつぶして、更新表示画像202の表示を更新する(
図13参照)。すなわち、進捗量の更新を行う。本実施例では、1回の更新条件の成立で、第1の値である1個のゲージ203が塗りつぶされるものとする。しかしながら、1回の更新条件の成立で塗りつぶされるゲージ203は、第1の値である1個に限定されず、第2の値である2個であってもよい。また、第1の値又は第2の値がランダム又はある条件に従って決定され、決定された値の数だけゲージ203が塗りつぶされるようにしてもよい。
【0152】
演出制御部403は、進捗量が更新される毎に、演出ボタン121の操作回数のカウント数をリセットし、再度、ゼロからカウントを開始する。なお、演出制御部403は、更新表示画像202のゲージ203を下から1個ずつ塗りつぶす。そして、演出制御部403は、タイミングT
A30において、5個のゲージ203の全てが塗りつぶされた更新表示画像202の表示に更新する。すなわち、タイミングT
A30において、進捗量が、所定値(ここでは、5)に到達し、演出制御部403は、更新演出を終了する(
図16参照)。
【0153】
更新演出は、遊技者に対して、リーチ演出が行われる可能性があることを示唆する演出である。更新演出において、更新表示画像202のゲージ203がすべて塗りつぶされた(進捗量が所定値に到達した)場合、ゲージ203のすべては塗りつぶされない(進捗量が所定値に到達しない)場合に比べて、リーチ演出が行われ易い、すなわち、リーチ演出が行われる可能性が高いことを示唆する。なお、本実施例では、進捗量の所定値は、進捗量がとり得る最大値としているが、最大値ではなく、最大値に到達する手前の値に設定されていてもよい。
【0154】
タイミングT
A40において、演出制御部403は、画像表示部104に更新条件の成立のために遊技者が行う操作画像201及び更新表示画像202を消去する。それと同時に、大サイズの第1〜第3装飾図柄の内、第1及び第2装飾図柄を同じ図柄(ここでは、数字の2)で仮停止させる。そして、演出制御部403は、タイミングT
A50にて、リーチ演出を実行する、すなわち、リーチ演出が開始される。
【0155】
リーチ演出は、判定対象TTの特図判定結果を示唆する示唆画像を含む演出である。主人公キャラクタ画像1110と敵キャラクタ画像1120とが戦うリーチ演出であり、主人公キャラクタ画像1110と敵キャラクタ画像1120とが、示唆画像である。
【0156】
リーチ演出が開始されると、演出制御部403は、画像表示部104の中央部分に表示していた大サイズの第1〜第3装飾図柄(SZL、SZR、SZC)を消去する。演出制御部403は、遊技者が視認容易な画像表示部104の右下で、縮小した第1〜第3装飾図柄を変動表示する。なお、縮小した第1及び第2装飾図柄は、仮停止状態で表示される。
【0157】
タイミングT
A60にて、演出制御部403は、リーチ演出を終了する。状況α1では、リーチ演出は、遊技上の課題が達成される様子を表す演出であり、リーチ演出の終了時において、画像表示部104には、遊技上の課題達成の画像(主人公キャラクタが敵キャラクタを倒した状態)が表示される。リーチ演出が遊技上の課題が達成される様子を表す、すなわち、大当たりを示唆しており、演出制御部403は、リーチ演出終了後のタイミングT
A70にて、変動停止コマンドの受信に基づいて、画像表示部104の中央部分に大サイズの第1〜第3装飾図柄(SZL、SZR、SZC)を、大当たりを示す態様(ゾロ目の態様)にて停止表示させる。演出制御部403は、大サイズの第1〜第3装飾図柄(SZL、SZR、SZC)の表示を行うときに、縮小した第1〜第3装飾図柄を消去する。この後、大当たり遊技が開始される。つまり、タイミングT
A70で変動演出が終了する。
【0158】
以上のように、状況α1では、タイミングT
A20にて、更新演出が開始されるとともに、タイミングT
A30で更新演出が終了したときに、更新演出において表示される更新表示画像202のゲージ203が5個すべて塗りつぶされる(進捗量が所定値に到達する)。
【0159】
図17を参照し、
図16に示す状況α1を基準として、タイミングT
A31にて更新演出が終了したときに、更新表示画像202のゲージ203の一部(ここでは、2個)塗りつぶされずに残ったとする(以下、
図17に示す状況を状況α2とする)。状況α2において、更新演出は、進捗量が所定値に到達しない演出である。また、状況α2において、任意の整数iに関し、タイミングT
A(i+1)はタイミングT
Aiよりも後のタイミングであるとする。また、状況α1とα2とは別の状況であり、状況α1の各タイミングと状況α2の各タイミングとの間には、特に記載がない限り、関連はないものとする。
【0160】
図17に示す状況α2において、演出制御部403は、タイミングT
A31にて、更新表示画像202の塗りつぶされていないゲージ203が残っている状態(全てのゲージ203が塗りつぶされているわけではない状態)で、更新演出を終了する。状況α2に関し、更新演出の実行中において、更新表示画像202の塗りつぶされていないゲージ203が残っている状態(全てのゲージ203が塗りつぶされているわけではない状態)で、それ以上は更新条件が成立せず、又は、更新条件の成立状態の如何によらず(例えば、更新条件が演出ボタン121への層ンさ入力で成立する場合にあっては、演出ボタン121への入力操作状況に依らず)、更新演出を終了する。そして、演出制御部403は、リーチ演出を実行せずに、変動停止コマンドに基づいてタイミングT
A71にて、大サイズの第1〜第3装飾図柄(SZL、SZR、SZC)を非ゾロ目の態様で停止表示する。この後、演出制御部403は現在の画像H0を消去する。また、主制御部401は、特図判定用情報記憶領域413aに記憶されている特図判定用情報を判定対象TTとして取得し、判定対象TTに対して特図判定を実行する。
【0161】
そして、タイミングT
A90にて、演出制御部403は、主制御部401からの特図判定用情報の特図判定の結果を含む変動開始コマンドに基づき、位置HP
1に表示されている保1画像H1を、位置HP
0にシフトさせて表示する。また、演出制御部403は、変動開始コマンドに基づいて、装飾図柄の変動を開始する(タイミングT
A80)。
【0162】
なお、状況α1では、更新演出において進捗量が所定値に到達した後、リーチ演出が開始されており、状況α2では、更新演出において進捗量が所定値に到達せず、リーチ演出も開始されない。更新演出において、進捗量が所定値に到達したとき、必ずリーチ演出(特別演出)が行われるようにしてもよいし、リーチ演出が行われる場合と行われない場合とがあり得るようにしてもよい。例えば、更新演出において進捗量が所定値に到達した後、リーチ演出が開始されない場合があってもよい。また、更新演出において、進捗量が所定値に到達しなかったとき、常にリーチ演出(特別演出)が行われることが無いようにしてもよいし、リーチ演出が行われる場合と行われない場合とがあり得るようにしてもよい。更新演出において進捗量が所定値に到達した場合、進捗量が所定値に到達しなかった場合に比べて、リーチ演出(特別演出)が実行される可能性が高い。換言すると、更新演出で進捗量が所定値に到達した後にリーチ演出(特別演出)が実行される確率は、更新演出で進捗量が所定値に到達しなかった後にリーチ演出(特別演出)が実行される確率よりも高い。また、更新演出で進捗量が所定値に到達した後にリーチ演出(特別演出)が実行される確率は、進捗量が所定値に到達した後にリーチ演出(特別演出)が行われない確率よりも高いと良い。
【0163】
演出制御部403は、更新演出を実行することなく、リーチ演出を行ってもよい。更新演出は、特別演出であるリーチ演出が行われる可能性があることを示唆する演出である。更新演出が実行されるか否かは、リーチ演出が実行される可能性があることを示唆するものであって、更新演出の有無と、その後実行されるリーチ演出が示唆する、大当たりの期待度とは無関係であってもよいし関係していてもよい。例えば、更新演出における進捗量の所定値への到達した後に実行されるリーチ演出は、更新演出を実行せずにリーチ演出が実行された場合に比べて、期待度が高くて(低くて)もよい。
【0164】
以上、演出制御部403が、更新演出及びリーチ演出を含む変動演出、更新演出を含みリーチ演出を含まない変動演出及び更新演出を含まずリーチ演出を含む変動演出を実行する場合について説明している。実際には、演出制御部403が、更新演出及びリーチ演出を含まない変動演出等を実行する場合もある。そこで、本実施例の特図変動パターンについて説明する。
【0165】
図18は、特図変動パターンテーブルTHtに含められた特図変動パターンテーブルTHt_aを示している。なお、説明を容易にするため、変動演出にリーチ演出を含む場合、いずれのリーチ演出も同じものとする。
【0166】
特図変動パターンテーブルTHt_aは、特図変動パターンTHp_a11〜THp_a16及びTHp_a21〜THp_a26を含む。特図変動パターンTHp_a11〜THp_a16にて定義される特別図柄の変動時間は、それぞれ、5秒、20秒、20秒、40秒、60秒、60秒である。特図変動パターンTHp_a21〜THp_a26にて定義される特別図柄の変動時間は、それぞれ、5秒、20秒、20秒、40秒、60秒、60秒である。
【0167】
また、判定対象TTに対する特図判定の結果がハズレを示す場合、特図変動パターン乱数等を用い、特図変動パターンTHp_a11〜THp_a16が、それぞれ、70%、18%、0.1%、7.9%、0.2%、3%の確率で選択されるように、且つ、判定対象TTに対する特図判定の結果が特A〜特D、通A又は通Bの大当たりを示す場合、特図変動パターン乱数等を用い、特図変動パターンTHp_a21〜THp_a26が、それぞれ、2%、3%、4%、28%、1%、62%の確率で選択されるように、テーブルTHt_aが形成されている。特図変動パターンテーブルTHt_aは、リーチ演出の有無、更新演出の有無、更新演出時の進捗量の所定値に到達したか否かで、変動演出の内容を規定しているテーブルである。
【0168】
演出制御部403は、特図判定の結果を示す情報を含んだ変動開始コマンドを受信すると、その情報に基づいて変動演出の内容を決定し、決定した内容の変動演出を実行する。具体的には、例えば、各々に変動演出の内容を定義した複数の変動演出パターン(特図変動演出パターン)を含む変動演出パターンテーブル(特図変動演出パターンテーブル)が予めサブROM432に格納されており、変動開始コマンド等に基づき、当該変動演出パターンテーブルから1つの変動演出パターンを選択することで変動演出の内容が決定される。
【0169】
図18には、各特図変動パターンに対応する変動演出の概要が、便宜上、示されている。なお、実際には、変動演出の内容を示すデータは、特図変動パターンテーブルTHt_aに含まれている訳ではなく、サブROM432内に格納されている。
【0170】
判定対象TTに対し特図変動パターンTHp_a11が選択されているとき、演出制御部403は、判定対象TTに対する変動演出において、更新演出及びリーチ演出を含まないノーマルハズレ演出を実行する。判定対象TTに対し特図変動パターンTHp_a12が選択されているとき、演出制御部403は、判定対象TTに対する変動演出において、更新演出を行うが更新演出において進捗量が所定値に到達せず、リーチ演出も行わない、所定値未到達リーチ無しハズレ演出を行う。また、特図変動パターンTHp_a13が選択されているとき、演出制御部403は、判定対象TTに対する変動演出において、更新演出を行い、更新演出において進捗量が所定値に到達するが、リーチ演出を行わない、所定値到達リーチ無しハズレ演出を行う。また、特図変動パターンTHp_a14が選択されているとき、演出制御部403は、判定対象TTに対する変動演出において、更新演出は行わないがリーチ演出を行う、リーチのみハズレ演出を行う。また、特図変動パターンTHp_a15が選択されているとき、演出制御部403は、判定対象TTに対する変動演出において、更新演出を行うが更新演出において進捗量が所定値に到達せず、リーチ演出を行う、所定値未到達リーチ有りハズレ演出を行う。さらに、特図変動パターンTHp_a16が選択されているとき、演出制御部403は、判定対象TTに対する変動演出において、更新演出を行い、更新演出において進捗量が所定値に到達し、リーチ演出を行う、所定値到達リーチ有りハズレ演出を行う。リーチ有りハズレ演出では、対応するリーチ演出を実行した後、ハズレを示す態様(非ゾロ目の態様)で第1〜第3装飾図柄を停止表示させる。
【0171】
判定対象TTに対し特図変動パターンTHp_a21が選択されているとき、演出制御部403は、当該判定対象TTに対する変動演出において、リーチ演出を含まないノーマル当たり演出を実行する。判定対象TTに対し特図変動パターンTHp_a22が選択されているとき、更新演出を行うが更新演出において進捗量が所定値に到達せず、リーチ演出も行わない、所定値未到達リーチ無し当たり演出を行う。また、特図変動パターンTHp_a23が選択されているとき、演出制御部403は、判定対象TTに対する変動演出において、更新演出を行い、更新演出において進捗量が所定値に到達するが、リーチ演出を行わない、所定値到達リーチ無し当たり演出を行う。また、特図変動パターンTHp_a24が選択されているとき、演出制御部403は、判定対象TTに対する変動演出において、更新演出は行わないがリーチ演出を行う、リーチのみ当たり演出を行う。また、特図変動パターンTHp_a25が選択されているとき、演出制御部403は、判定対象TTに対する変動演出において、更新演出を行うが更新演出において進捗量が所定値に到達せず、リーチ演出を行う、所定値未到達リーチ有り当たり演出を行う。さらに、特図変動パターンTHp_a26が選択されているとき、演出制御部403は、判定対象TTに対する変動演出において、更新演出を行い、更新演出において進捗量が所定値に到達し、リーチ演出を行う、所定値到達リーチ有り当たり演出を行う。リーチ有り当たり演出では、対応するリーチ演出を実行した後、大当たりを示す態様(ゾロ目の態様)で第1〜第3装飾図柄を停止表示させる。
【0172】
特図変動パターンTHp_a16が選択されているとき、演出制御部403は、更新演出を行い、更新演出において進捗量が所定値に到達した後、リーチ演出を実行する所定値到達リーチ有りハズレ演出を実行する。判定対象TTがハズレの場合において、特図変動パターンTHp_a16が選択される確率は3%である。また、特図変動パターンTHp_a13が選択されているとき、演出制御部403は、更新演出を行い、進捗量が所定値に到達した後、リーチ演出を実行しない所定値到達リーチ無しハズレ演出を実行する。判定対象TTがハズレの場合において、特図変動パターンTHp_a13が選択される確率は0.1%である。すなわち、判定対象TTの判定結果がハズレである場合において、更新演出において進捗量が所定値に到達した後にリーチ演出が行われる確率は、進捗量が所定値に到達したにもかかわらずリーチ演出が行われない確率よりも高い。
【0173】
また、特図変動パターンTHp_a26が選択されているとき、演出制御部403は、更新演出を行い、更新演出において進捗量が所定値に到達した後、リーチ演出を実行する所定値到達リーチ有り当たり演出を実行する。判定対象TTの判定結果が大当たりである場合において、特図変動パターンTHp_a26が選択される確率は62%である。また、特図変動パターンTHp_a23が選択されているとき、演出制御部403は、更新演出を行い、進捗量が所定値に到達した後、リーチ演出を実行しない所定値到達リーチ無し当たり演出を実行する。判定対象TTの判定結果が大当たりである場合において、特図変動パターンTHp_a23が選択される確率は4%である。すなわち、判定対象TTの判定結果が大当たりである場合において、更新演出において進捗量が所定値に到達した後にリーチ演出が行われる確率は、進捗量が所定値に到達した後にリーチ演出が行われない確率よりも高い。
【0174】
なお、特図変動パターンTHp_a12、THp_a15、THp_a22及びTHp_a25が選択されているときに関し、「更新演出において進捗量が所定値に到達せず」とは、更新演出の実行中において、進捗量が所定値より小さな或る値に到達すると、それ以上は、更新条件が成立しないこと、又は、更新条件の成立状態の如何によらず(例えば、更新条件が演出ボタン121の操作入力で成立する場合にあっては、演出ボタン121への入力操作状況に依らず)進捗量が増加しないことを意味する。
【0175】
低確率遊技状態において、大当たりに当選する確率は、1/300である。すなわち、判定対象TTの特図判定の結果が、大当たりである確率は、1/300であり、ハズレである確率は、299/300である。そのため、判定対象TTの特図判定の結果に基づいて、演出制御部403が所定値到達リーチ有りハズレ演出を実行する(特図変動パターンTHp_a16が選択される)確率は、(3/100)×(299/300)=0.0299、すなわち、2.99%である。一方、判定対象TTの特図判定の結果に基づいて、演出制御部403が所定値到達リーチ無し当たり演出を実行する(特図変動パターンTHp_a23が選択される)確率は、(4/100)×(1/300)≒0.000133、すなわち、0.0133%である。
【0176】
また、同じく低確率遊技状態において、判定対象TTの特図判定の結果に基づいて、演出制御部403が所定値到達リーチ無しハズレ演出を実行する(特図変動パターンTHp_a13が選択される)確率は、(0.1/100)×(299/300)≒0.000997、すなわち、0.0997%である。一方、判定対象TTの特図判定の結果に基づいて、演出制御部403が所定値到達リーチ有り当たり演出を実行する(特図変動パターンTHp_a26が選択される)確率は、(62/100)×(1/300)≒0.00207、すなわち、0.207%である。判定対象TTの特図判定の結果に基づいて、演出制御部403が、所定値到達リーチ有りハズレ演出、所定値到達リーチ有り当たり演出、所定値到達リーチ無しハズレ演出及び所定値到達リーチ無し当たり演出を実行する確率は、それぞれ、2.99%、0.207%、0.0997%及び0.0133%である。
【0177】
高確率遊技状態において、大当たりに当選する確率は、1/30である。すなわち、判定対象TTの特図判定の結果が、大当たりである確率は、1/30であり、ハズレである確率は、29/30である。そのため、判定対象TTの特図判定の結果に基づいて、演出制御部403が所定値到達リーチ有りハズレ演出を実行する(特図変動パターンTHp_a16が選択される)確率は、(3/10)×(29/30)=0.029、すなわち、2.9%である。一方、判定対象TTの特図判定の結果に基づいて、演出制御部403が所定値到達リーチ無し当たり演出を実行する(特図変動パターンTHp_a23が選択される)確率は、(4/100)×(1/30)≒0.00133、すなわち、0.133%である。
【0178】
また、同じく高確率遊技状態において、判定対象TTの特図判定の結果に基づいて、演出制御部403が所定値到達リーチ無しハズレ演出を実行する(特図変動パターンTHp_a13が選択される)確率は、(0.1/10)×(29/30)≒0.000967、すなわち、0.0967%である。一方、判定対象TTの特図判定の結果に基づいて、演出制御部403が所定値到達リーチ有り当たり演出を実行する(特図変動パターンTHp_a26が選択される)確率は、(62/100)×(1/30)≒0.0207、すなわち、2.07%である。判定対象TTの特図判定の結果に基づいて、演出制御部403が、所定値到達リーチ有りハズレ演出、所定値到達リーチ有り当たり演出、所定値到達リーチ無しハズレ演出及び所定値到達リーチ無し当たり演出を実行する確率は、それぞれ、2.9%、2.07%、0.0967%及び0.133%である。
【0179】
以上のことから、低確率遊技状態又は高確率遊技状態にかかわらず、判定対象TTの特図判定の結果に基づいて演出制御部403が実行する演出において、更新演出で進捗量が所定値に到達した場合、リーチ演出が発生する確率はリーチ演出が発生しない確率よりも高い。このことは、判定対象の特図判定の結果が大当たり及びハズレに関係なく成り立っている。
【0180】
また、判定対象TTの判定結果がハズレの場合において、更新演出で進捗量が所定値に到達した後リーチ演出が行われる確率は、所定値到達リーチ無しハズレ演出(特図変動パターンTHp_a13)が選択される確率と所定値到達リーチ有りハズレ演出(特図変動パターンTHp_a16)が選択される確率とから求められる。すなわち、判定対象TTの判定結果がハズレの場合において、更新演出で進捗量が所定値に到達した後リーチ演出が行われる確率は、18/(0.1+3)≒0.968(96.8%)である。一方、更新演出で進捗量が所定値に到達しない後リーチ演出が行われる確率は、所定値未到達リーチ無しハズレ演出(特図変動パターンTHp_a12)が選択される確率と所定値未到達リーチ有りハズレ演出(特図変動パターンTHp_a15)が選択される確率とから求められる。すなわち、判定対象TTの判定結果がハズレの場合において、更新演出で進捗量が所定値に到達しなかった後リーチ演出が行われる確率は、1/(18+1)≒0.0526(5.26%)である。
【0181】
さらに、判定対象TTの判定結果が大当たりの場合において、更新演出で進捗量が所定値に到達した後リーチ演出が行われる確率は、所定値到達リーチ無し当たり演出(特図変動パターンTHp_a23)が選択される確率と所定値到達リーチ有り当たり演出(特図変動パターンTHp_a26)が選択される確率とから求められる。すなわち、判定対象TTの判定結果が大当たりの場合において、更新演出で進捗量が所定値に到達した後リーチ演出が行われる確率は、62/(4+62)≒0.939(93.9%)である。一方、更新演出で進捗量が所定値に到達しない後リーチ演出が行われる確率は、所定値未到達リーチ無しハズレ演出(特図変動パターンTHp_a22)が選択される確率と所定値未到達リーチ有りハズレ演出(特図変動パターンTHp_a25)が選択される確率とから求められる。すなわち、判定対象TTの判定結果が大当たりの場合において、更新演出で進捗量が所定値に到達しなかった後リーチ演出が行われる確率は、1/(3+1)=0.25(25%)である。
【0182】
以上のことから、判定対象TTの判定結果がハズレ及び大当たりのいずれの場合においても、リーチ演出は、更新演出で進捗量が所定値に到達したとき、更新演出で進捗量が所定値に到達しないときよりも実行されやすいといえる。
【0183】
図18に示す特図変動パターンテーブルTHt_aは、特図変動パターンテーブルの一例であり、これら以外のハズレ又は大当たりの特図変動パターンを含んでいてもよい。
【0184】
本実施例では、更新演出において、演出制御部403は、遊技者による演出ボタン121の操作回数が、更新条件が成立したと判定するための予め決められた値に到達したとき、更新条件が成立したと判定する。例えば、演出制御部403は、進捗量にかかわらず操作回数が15回(予め決められた値)に到達する毎に更新条件が成立したと判定してもよい。また、更新条件が成立したと判定するための予め決められた値として、現在の進捗量によって変更してもよい。例えば、更新条件が成立したと判定するための予め決められた値を、現在の進捗量が、0のとき15回、1のときに15回、2のとき20回、3のとき20回、4のとき30回、といったように現在の進捗量によって変化させてもよい。なお、更新条件が成立したと判定するための予め決められた値は、現在の進捗量が大きいほど小さくてもよい。また、更新条件が成立したと判定するための予め決められた値は、更新演出の終了期間までの時間と現在の進捗量によって決定されるものであってもよい。さらには、更新演出が実行されるとともに進捗量が所定値まで到達する場合と、更新演出が実行されるが進捗量は所定値まで到達しない場合とで、更新条件が成立したと判定するための予め決められた値を異なる値としてもよい。例えば、更新演出は実行されるが進捗量は所定値に到達しない演出パターンの場合、更新条件が成立したと判定するための予め決められた値を、遊技者による演出ボタン121の操作回数が到達できない値(例えば、1000回)に設定することで、演出制御部403は、進捗量が所定値に到達しない更新演出を実行可能である。
【0185】
また、遊技者が演出ボタン121を全く操作しない場合でも、更新演出終了時に、進捗量を所定値まで更新するようにしてもよい。
【0186】
(第2実施例)
図19を参照し、第2実施例について説明する。なお、第2実施例では、1回の更新条件の成立によって、更新表示画像202のゲージ203の塗りつぶす個数、すなわち、進捗量が更新される量が、1個(第1の値)の場合と、2個(第2の値)の場合とがある点において、第1実施例と異なっている。それ以外の点は、第1実施例と同じである。そのため、第2実施例において第1実施例と同じ部分には、同じ符号を用いるとともに同じ部分の詳細な説明は省略する。
【0187】
更新演出における更新表示画像のゲージ203の塗りつぶし個数の決定について説明する。
図19は、更新表示画像202が表示された画像表示部104を並べて示した図である。
図19では、便宜上、各更新表示画像が表示された画像表示部104を、更新表示Pr0〜Pr5としている。例えば、更新表示Pr0は、ゲージ203が全く塗りつぶされていない、すなわち、進捗量が更新されていない状態を示している。そして、
図19では、下に行くほど進捗量が更新されていることを示している。そして、更新表示Pr5は、進捗量が所定値(ここでは、5)に到達していることを示している。
【0188】
上述のとおり、更新表示画像のゲージ203は、1回の更新条件の成立によって、1個(第1の値)又は2個(第2の値)塗りつぶされる。そして、1回の更新条件の成立によって、演出制御部403は、確率x1(%)でゲージ203を1個塗りつぶし(進捗量を第1の値で更新し)、確率x2(%)で、ゲージ203を2個塗りつぶす(進捗量を第2の値で更新する)。このとき、x1(%)+x2(%)=100(%)が成り立つ。ここで想定される確率x1(%)及びx2(%)はそれぞれ、「0」よりも大きい、ただし、確率x1(%)又はx2(%)のいずれか一方を「0」とすることも可能である。
【0189】
このように、1回の更新条件が成立したときに、演出制御部403が、更新表示画像のゲージ203を1個又は2個の何れかで塗りつぶすようにすることで、更新演出の進捗量の更新の仕方にバリエーションを持たすことができる。これにより、遊技者の興趣性を高めることが可能である。
【0190】
(変形例1)
図20を参照し、変形例について説明する。
図20は、1回の更新条件の成立時におけるゲージ203を1個塗りつぶす(進捗量を第1の値で更新する)確率とゲージ203を2個塗りつぶす(進捗量を第2の値で更新する)確率とが、現在の塗りつぶされているゲージ203の数(すなわち、現在の進捗量)によって、変動する点で、
図19に示す更新表示画像とは異なる。
【0191】
図20に示すように、更新表示Pr0及びPr1のとき、すなわち、進捗量を示す塗りつぶされたゲージ203の数が0又は1のとき、進捗量が第1の特定値とする。第1の特定値は、進捗量の数を示しており、その値は、“0”又は“1”である。また、更新表示Pr2及びPr3のとき、すなわち、進捗量を示す塗りつぶされたゲージ203の数が2又は3のとき、進捗量が第2の特定値とする。第2の特定値は、進捗量の数を示しており、その値は、“2”又は“3”である。
【0192】
例えば、更新表示Pr0のように進捗量が“0”のとき、更新条件の成立によって、演出制御部403は、ゲージ203を1個塗りつぶす(進捗量を第1の値だけ更新する)又は2個塗りつぶす(進捗量を第2の値だけ更新する)ことができる。更新表示Pr0において、ゲージ203を1個塗りつぶすことで更新表示Pr1に更新される。また、更新表示Pr0において、ゲージ203を2個塗りつぶすことで更新表示Pr2に更新される。
【0193】
上述のとおり、更新表示画像のゲージ203は、1個(第1の値)又は2個(第2の値)塗りつぶされる。そして、進捗量が第1の特定値にあるとき、更新条件の成立によって、演出制御部403は、確率x11(%)でゲージ203を1個塗りつぶし(進捗量を第1の値で更新し)、確率x12(%)で、ゲージ203を2個塗りつぶす(進捗量を第2の値で更新する)。また、進捗量が第2の特定値にあるとき、更新条件の成立によって、演出制御部403は、確率x21(%)でゲージ203を1個塗りつぶし(進捗量を第1の値で更新し)、確率x22(%)で、ゲージ203を2個塗りつぶす(進捗量を第2の値で更新する)。このとき、x11(%)+x12(%)=100(%)、x21(%)+x22(%)=100(%)が成り立つ。
【0194】
また、進捗量が第1の特定値のときと進捗量が第2の特定値のときとで、ゲージ203を2個塗りつぶす(進捗量を第2の値更新する)確率は、異なっている。すなわち、確率x12(%)と、確率x22(%)には、x12(%)>x22(%)又はx12(%)<x22(%)のいずれかの関係が成り立っている。
【0195】
例えば、x12(%)>x22(%)の場合、進捗量が第1の特定値のとき進捗量が第2の特定値のときに比べて、更新条件の成立によって、演出制御部403が、ゲージ203を2個塗りつぶす(進捗量を第2の値だけ更新する)確率が高くなる。また、x12(%)<x22(%)の場合、進捗量が第2の特定値のとき進捗量が第1の特定値のときに比べて、更新条件の成立によって、演出制御部403が、ゲージ203を2個塗りつぶす(進捗量を第2の値だけ更新する)確率が高くなる。
【0196】
例えば、更新演出の進捗量が第2の特定値のときに進捗量が第1の特定値のときに比べて、進捗量が第2の値で更新されやすい場合、遊技者は、更新演出の開始直後は進捗量の更新がゆっくりで、進捗量が所定値に近づくにしたがって、早くなると認識しやすい。更新演出の進捗量が第1の特定値のときに進捗量が第2の特定値のときに比べて、進捗量が第2の値で更新されやすい場合、遊技者は、更新演出の開始直後は進捗量の更新が早く進み、進捗量が所定値に近づくにしたがって更新がゆっくりになると認識しやすい。このように、進捗量が第2の値で更新される確率を、進捗量の更新状態(ゲージ203が塗りつぶされている個数)で変更することで、演出の幅を広げることができ、遊技者が遊技に飽きにくくなる。
【0197】
(変形例2)
そして、遊技者が、更新演出の開始直後は進捗量の更新が早く進み、進捗量が所定値に近づくにしたがって更新がゆっくりなるとより認識しやすくするために、進捗量が第2の特定値のときに進捗量を第1の値だけ更新する確率x21(%)と、進捗量が第2の特定値のときに進捗量を第2の値だけ更新する確率x22(%)とは、x21(%)>>x22(%)としてもよい。これにより、進捗量が第2の特定値のときに、進捗量は第2の値だけ更新され難くなる。また、確率x22は、0又は略0であってもよい。これにより、進捗量が第2の特定値のときに、進捗量は第2の値だけ更新されるのを制限することが可能である。
【0198】
また、
図19、20に示す更新表示Pr4のように、塗りつぶされているゲージ203の個数が4個のとき、すなわち、所定値に対して第1の値だけ少ないとき、塗りつぶし可能なゲージ203の個数(更新可能な進捗量の値)は、1個、すなわち、第1の値である。そのため、更新表示Pr4のときに、更新条件が成立したときには、ゲージ203を塗りつぶす個数は、必ず1個である、つまり、第1の値が選択される確率が100(%)である。すなわち、進捗量が所定の値に到達するために第1の値だけたりないときに、更新条件の成立によって、演出制御部403は、100(%)の確率で、ゲージ203を1個塗りつぶす(進捗量を第1の値で更新する)。
【0199】
なお、ここで想定される確率x11(%)、x12(%)、x21(%)及びx22(%)は、それぞれ、「0」よりも大きい。ただし、確率x11(%)及びx12(%)のいずれか一方を「0」とすることは可能であるし、これに代えて又はこれと共に、確率x21(%)及びx22(%)のいずれか一方を「0」とすることも可能である。
【0200】
(第3実施例)
図21を参照して、第3実施例について説明する。第3実施例では、リーチ演出が実行されるときには、ゲージ203が1個又は2個塗りつぶされる、すなわち、第1の値又は第2の値で進捗量が更新される。また、リーチ演出が実行されないときには、ゲージ203が2個塗りつぶされにくい、すなわち、リーチ演出が実行される場合に比べてリーチ演出が実行されない場合には第2の値で進捗量が更新されにくい点で第2実施例と異なっている。それ以外の点は、第2実施例と同じである。そのため、第3実施例において第2実施例と同じ部分には、同じ符号を用いるとともに同じ部分の詳細な説明は省略する。なお、本実施例では、
図20に示す進捗量の更新状態をリーチ演出が実行される場合として説明し、
図21に示す進捗量の更新状態をリーチ演出が実行されない場合として説明する。
【0201】
図20に示すように、リーチ演出が実行される場合において、ゲージ203が2個塗りつぶされる、すなわち、第2の値で進捗量が更新される確率は、進捗量が第1の特定値のときにx12(%)であり、進捗量が第2の特定値のときにx22(%)である。なお、リーチ演出が実行される場合において、第1の値で進捗量が更新される確率は、進捗量が第1の特定値のときにx11(%)であり、進捗量が第2の特定値のときにx21(%)である。
【0202】
図21に示すように、リーチ演出が実行されない場合において、第2の値で進捗量が更新される確率は、進捗量が第1の特定値のときにx12S(%)であり、進捗量が第2の特定値のときにx22S(%)である。なお、リーチ演出が実行されない場合において、第1の値で進捗量が更新される確率は、進捗量が第1の特定値のときにx11S(%)であり、進捗量が第2の特定値のときにx21S(%)である。x11S(%)+x12S(%)=100(%)、x21S(%)+x22S(%)=100(%)である。
【0203】
そして、本実施例において、リーチ演出が実行されるときには、第1の値及び第2の値で進捗量を更新し、リーチ演出が実行されないときには、リーチ演出が実行される場合に比べて第2の値で進捗量を更新されにくい。リーチ演出が実行されない場合には、リーチ演出が実行される場合に比べて第2の値で進捗量を更新されにくくするため、確率x12(%)、x22(%)、x12S(%)及びx22S(%)は、次の関係が成り立つように決定される。
x12(%)>>x12S(%)及び(又は)x22(%)>>x22S(%)
【0204】
また、リーチ演出が実行されないときには、進捗量を第2の値で更新しないようにしてもよい。その場合、x12S(%)=0(%)及びx22S(%)=0(%)である。
【0205】
例えば、判定対象TTに対して、更新演出及びリーチ演出を行う特図変動パターン(例えば、
図18に示す特図判定パターンテーブルTHt_aにおいて、特図判定パターンTHp_a15、THp_a16、THp_a25及びTHp_a26)が選択されているときには、演出制御部403は、確率x12(%)及びx22(%)で第2の値で進捗量を更新する。また、判定対象TTに対して、更新演出を行うがリーチ演出を行わない特図変動パターン(例えば、
図18に示す特図判定パターンテーブルTHt_aにおいて、特図判定パターンTHp_a12、THp_a13、THp_a22及びTHp_a23)が選択されているときには、演出制御部403は、確率x12S(%)及びx22S(%)で第2の値で進捗量が更新される。
【0206】
このように、リーチ演出が実行されないときに、進捗量が第2の値で更新されない又は更新されにくくすることで、遊技者は、更新演出が行われているときに、進捗量が第2の値で更新されたことからリーチ演出が実行されやすいことを認識するため、遊技者を遊技に集中させることができる。また、上述のように、進捗量が所定値まで到達することでリーチ演出が実行されやすいため、進捗量が第1の値だけで更新される場合であっても、遊技者を遊技に集中させることができる。
【0207】
なお、本実施例において、「リーチ演出が実行される場合」を「リーチ演出が実行される可能性が高い場合」と読み替え、且つ、「リーチ演出が実行されない場合」を「リーチ演出が実行される可能性が低い場合」と読み替えることも可能である。
【0208】
なお、本実施例では、進捗量が第1の特定値のときと第2の特定値のときとの両方で、リーチ演出が行われやすい場合と行われにくい場合とに分けて、進捗量が第2の値で更新される確率を設定しているが、これに限定されない。例えば、進捗量が第1の特定値のときには、リーチ演出の実行の有無にかかわらず、進捗量が第2の値で更新される確率を同じ確率とし、進捗量が第2の特定値のときに、リーチ演出の実行の有無によって、進捗量が第2の値で更新される確率を異なる確率としてもよい。
【0209】
この場合、確率x12(%)、x22(%)、x12S(%)及びx22S(%)は次のような関係が成り立つように、決定されてよい。
X12(%)=x12S(%)、x22(%)>>x22S(%)≒0(又は=0)
【0210】
(第4実施例)
図22を参照して、第4実施例について説明する。更新演出において、更新条件が成立した場合に塗りつぶされていないゲージ203が新たに塗りつぶされない、すなわち、進捗量を更新しないことがあり得る点で、第2実施例と異なる。それ以外の点は、第2実施例と同じである。そのため、第4実施例において第2実施例と同じ部分には、同じ符号を用いるとともに同じ部分の詳細な説明は省略する。
【0211】
図22は、更新演出時は、画像表示部104に表示される更新表示画像を並べて示した図である。
図22に示すように、進捗量が第1の特定値のときに、更新条件の成立によって、演出制御部403は、確率x101(%)でゲージ203を1個塗りつぶし(進捗量を第1の値で更新し)、確率x102(%)で、ゲージ203を2個塗りつぶし(進捗量を第2の値で更新し)、確率x100(%)で、ゲージ203を塗りつぶさない(進捗量を更新しない)。
【0212】
図22に示すように、進捗量が第2の特定値のときに、更新条件の成立によって、演出制御部403は、確率x201(%)でゲージ203を1個塗りつぶし(進捗量を第1の値で更新し)、確率x202(%)で、ゲージ203を2個塗りつぶし(進捗量を第2の値で更新し)、確率x200(%)で、ゲージ203を塗りつぶさない(進捗量を更新しない)。
【0213】
図22に示すように、進捗量が4のときには、塗りつぶすことが可能なゲージ203が1個だけである。そのため、進捗量が4のときに、更新条件の成立によって、演出制御部403は、確率x211(%)でゲージ203を1個塗りつぶし(進捗量を第1の値で更新し)、確率x210(%)で、ゲージ203を塗りつぶさない(進捗量を更新しない)。なお、ゲージ203を2個塗りつぶす(進捗量を第2の値で更新する)確率は0(%)であると解することもできる。
【0214】
そして、確率x101(%)、x102(%)及びx100(%)は、次の関係が成り立つように決定されている。
x101(%)+x102(%)+x100(%)=100(%)、x101(%)≠0(%)、x102(%)≠0(%)、x100(%)≠0(%)
【0215】
また、確率x201(%)、x202(%)及びx200(%)は、次の関係が成り立つように決定されている。
x201(%)+x202(%)+x200(%)=100(%)、x201(%)≠0(%)、x202(%)≠0(%)、x200(%)≠0(%)
【0216】
さらに、確率x211(%)及びx210(%)は、次の関係が成り立つように決定されている。
x211(%)+x210(%)=100(%)、x211(%)≠0(%)、x210(%)≠0(%)
【0217】
なお、第2の値が2以外の値に設定されている場合もある。その場合、現在の進捗量と所定値との差が第2の値未満であるとき、進捗量を第2の値で更新する確率は、0(%)とすることも可能である。例えば、第2の値が3であるとすると、所定値(5)との差が第2の値(3)未満となるのは、進捗量が3又は4のときである。そのため、現在の進捗量が3以上(3又は4)のときには、進捗量を第2の値で更新する確率を0(%)とする。
【0218】
このように、更新演出において更新条件が成立した場合でも、演出制御部403が進捗量を更新しない場合を含みうることで、遊技者の演出ボタン121の操作回数にかかわらず、更新演出の長さを一定の長さとすることが可能である。例えば、遊技者による演出ボタン121の連打が速いとき、更新条件が成立しても進捗量の更新を行わない場合を組み合わせることで、進捗量が所定値に達するときを更新演出の終了時に、合わせることが可能である。このとき、進捗量が所定値に到達したときに、演出が切り替わる(更新演出が終了する)ため、演出の興趣性を高めることができる。
【0219】
なお、確率x100(%)と確率x200(%)とは、異なる値であってもよい。例えば、x100(%)>x200(%)であってもよいし、x100(%)<x200(%)であってもよい。
【0220】
なお、進捗量が4のときに、第2の値で更新する場合、上述の実施例では、第2の値で更新する確率を0(%)としているが、これに限定されない。例えば、第2の特定値と同じ確率を利用し、更新条件の成立によって、更新しない以外が選択されたときには、演出制御部403は、所定値を第1の値で更新するようにしてもよい。また、現在の進捗量と所定値との差が、第2の値よりも小さい場合がある。このような場合、更新条件の成立によって、更新しない以外が選択されたときには、演出制御部403は、第1の値で更新を行うとしてもよい。
【0221】
本実施例では、進捗量を第1の値で更新される確率と第2の値で更新される確率とを、現在の進捗量によって変更しているが、これに限定されず、現在の進捗量にかかわらず、進捗量を第1の値で更新される確率と第2の値で更新される確率とを、それぞれ一定の値としてもよい。また、進捗量を第1の値で更新する場合と第2の値で更新する場合とがあるが、これに限定されず、1つの値(例えば、第1の値)ずつ更新されるようにしてもよい。さらには、特別演出であるリーチ演出が実行される場合とされない場合とで、進捗量が第1の値で更新される確率、進捗量が第2の値で更新される確率及び進捗量が更新される確率の一部又はすべてを異なる確率としてもよい。
【0222】
例えば、リーチ演出が実行されない場合には、更新表示Pr3のときの進捗量が第2の値で更新される確率x202≒0(%)とし、更新表示Pr4のときの進捗量が第1の値で更新される確率x211≒0(%)としてもよい。このようにすることで、リーチ演出が実行されない場合には、進捗量を所定値に到達させにくくすることができる。
【0223】
(変形例1)
また、例えば、リーチ演出が実行されない場合には、更新表示Pr3のときの進捗量が第2の値で更新される確率x202を0(%)とし、更新表示Pr4のときの進捗量が第1の値で更新される確率x211を0(%)としてもよい。このようにすることで、リーチ演出が実行されない場合には、進捗量を所定値に到達させないようにすることができる。
【0224】
これにより、リーチ演出が実行されない場合において、演出制御部403は、更新条件が成立した場合であっても、進捗量を所定の量まで更新させることはない。一方で、リーチ演出が行われるときには、演出制御部403は、更新条件の成立によって、進捗量が所定値まで更新させることが可能である。このように、確率x202及びx211を0(%)とすることで、リーチ演出が実行される場合における確率x202及びx211を0(%)より大きくするとともに、リーチ演出が実行されない場合における確率x202及びx211を0(%)にすることで、リーチ演出が実行される場合には、更新演出において、進捗量を所定値まで更新可能であるとともに、リーチ演出が実行されない場合において、進捗量を所定値まで更新させないようにすることができる。
【0225】
なお、進捗量が所定値まで更新されてもリーチ演出が行われない場合が含まれてよい。この場合、進捗量が所定値まで更新されたときには、リーチ演出が実行され易い、すなわち、リーチ演出が実行されない場合よりも、リーチ演出が実行される場合の方が選択される確率が高い。
【0226】
また、更新演出は、一定時間が経過することで終了するものであり、判定対象TTに対して、リーチ演出(特別演出)が行われる場合において、更新演出が終了する直前に、塗りつぶされていないゲージ203の数にかかわらず、すべてのゲージ203が塗りつぶされるようにする、すなわち、更新演出が終了する直前に進捗量を所定値に到達させることができる。これにより、演出制御部403は、更新演出において、リーチ演出が行われないときには、進捗量が所定値に到達しないようにし、リーチ演出が行われるときには、進捗量が所定値に到達するようにできる。なお、本変形例において「リーチ演出が行われないとき」を「リーチ演出が行われ難いとき」と読み替え、「リーチ演出が行われるとき」を「リーチ演出が行われやすいとき」と読み替えてもよい。
【0227】
(変形例2)
図23を参照して、進捗量の更新のさらに他の方法について説明する。
図23は、翻字変形例にかかり、画像表示部104に表示される更新表示画像202を並べて示した図である。なお、本変形例では、
図20に示すように、ゲージ203の塗りつぶしは1個又は2個ずつ、すなわち、進捗量の更新が第1の値又は第2の値ずつ行われるものとする。
【0228】
図23に示すように、現在の進捗量が0〜2のとき、更新条件の成立によって、演出制御部403は、確率x31(%)で進捗量を第1の値で更新し、確率x32(%)で第2の値で更新する。なお、x31(%)+x32(%)=100(%)である。ここで想定される確率x31(%)及びx32(%)はそれぞれ、「0」よりも大きい。ただし、確率x31(%)及びx32(%)のいずれか一方を「0」とすることも可能である。また、現在の進捗量が所定量(3)のときには、更新条件の成立によって進捗量を更新しない場合が含まれる。現在の進捗量が所定量のとき、更新条件の成立によって、演出制御部403は、確率x300(%)で進捗量を更新せず、確率x301(%)で進捗量を第1の値で更新し、確率x302(%)で進捗量を第2の値で更新する。なお、x300(%)+x301(%)+x302(%)=100(%)である。ここで想定される確率x300(%)、x301(%)及びx302(%)はそれぞれ、「0」よりも大きい。ただし、確率x300(%)、x301(%)及びx302(%)の少なくとも一つを「0」とすることも可能である。
【0229】
本変形例では、所定値との差が第2の値となるように所定量を設定しているが、所定値との差が第1の値となるように所定量を設定してもよい。また、所定値との差が第1の値となる第1所定量と第2の値となる第2所定量の両方で進捗量の更新を行わない場合を含んでよい。
【0230】
また、第1の値で更新される確率と、第2の値で更新される確率とを現在の進捗量によって、変更するようにしてもよい。このとき、所定量(第1所定量及び第2所定量のいずれか一方又は両方を含む)のときにだけ、更新を行わない場合を含むものである。
【0231】
また、上述の各実施例において、更新演出において、1回の更新条件の成立に基づいて、進捗量を所定値まで更新するようにしてもよい。
【0232】
(第5実施例)
図24(a)〜(c)を参照し、更新演出における更新表示画像202のゲージ203の塗りつぶしの他の例について説明する。
図24(a)〜(c)に示す更新演出では、7個のゲージ203を備えている。そして、
図24(a)に示すように、本実施例の更新演出では、所定値が5個であり、更新演出において更新表示画像202のゲージ203が5個塗りつぶされた場合(すなわち、進捗量が所定値に到達した場合)には、上述したリーチ演出(以下、通常リーチ演出とする)が実行されやすくなる。
【0233】
また、
図24(b)に示すように、更新演出において、更新表示画像202のゲージ203が6個塗りつぶされた場合(すなわち、進捗量が所定値+1に到達した場合)には、通常リーチ演出が実行される場合に比べて、判定対象TTが大当たりである期待度が高いことを示唆するリーチ演出(以下、SPリーチ演出とする)が実行されやすい。なお、
図24(b)に示すように、SPリーチ演出では、示唆画像における主人公キャラ1110と主人公の味方キャラ1111が表示されることで、通常リーチとは異なる演出としているが、遊技上の課題(例えば、主人公キャラクタが敵キャラクタに勝利すること)は同じである。
【0234】
さらに、
図24(c)に示すように、更新演出において、更新表示画像202のゲージ203が7個塗りつぶされた場合(すなわち、進捗量が所定値+2に到達した場合)には、SPリーチ演出が実行される場合に比べて、判定対象TTが大当たりである期待度が高いリーチ演出(以下、SPSPリーチ演出とする)が実行されやすい。なお、
図24(c)に示すように、SPSPリーチ演出では、示唆画像における主人公キャラ1110と主人公の味方キャラ1111が2人表示されることで、通常リーチとは異なる演出としているが、遊技上の課題(例えば、主人公キャラクタが敵キャラクタに勝利すること)は同じである。
【0235】
演出制御部403は、判定対象TTに対する特図判定の結果に基づきリーチ演出を実行する場合、判定対象TTが大当たりであれば、リーチ演出として通常リーチ演出よりもSPリーチ演出が実行される確率が高く且つSPリーチ演出よりもSPSPリーチ演出が実行される確率がさらに高くなるように、及び、判定対象TTがハズレであればリーチ演出として通常リーチ演出よりもSPリーチ演出が実行される確率が低く且つSPリーチ演出よりもSPSPリーチ演出が実行される確率がさらに低くなるように、リーチ演出の種類を決定すると良い。
【0236】
本実施例に示す更新演出では、進捗量が所定値に到達する又は所定値を超える(本実施例では、進捗量が所定値になる又は所定値以上になる)ことで、特別演出であるリーチ演出が実行される可能性が高いことを示唆する。そして、演出制御部403が、判定対象TTが大当たりである期待度が異なるリーチ演出(通常リーチ演出、SPリーチ演出、SPSPリーチ演出)を実行可能であり、更新演出における進捗量が所定値の先の値に到達可能としており、所定値を超える値に到達することで、通常リーチ演出よりも大当たりの期待度が高い、SPリーチ演出或いはSPSPリーチ演出が実行されやすいことを示唆する。
【0237】
更新演出は、開始から一定時間経過することで終了するものであり、例えば、進捗量が所定値に到達した後でも、さらにその上、すなわち、所定値+1(ここでは、6)、所定値+2(ここでは、7)に更新される。これにより、遊技者による演出ボタン121の操作によって、更新演出が終了する前に進捗量が所定値に到達した場合であっても、その後、さらに進捗量が更新され得るので、遊技者の意識を更新演出に向け続けることが可能である。
【0238】
具体的には、例えば、変動演出において、
更新演出を実行した上でリーチ演出として通常リーチ演出を実行する場合には、更新演出において進捗量が所定値(ここでは、5)に到達するが、所定値+1(ここでは、6)に到達せず、
更新演出を実行した上でリーチ演出としてSPリーチ演出を実行する場合には、更新演出において進捗量が所定値+1(ここでは、6)に到達するが、所定値+2(ここでは、7)に到達せず、
更新演出を実行した上でリーチ演出としてSPSPリーチ演出を実行する場合には、更新演出において進捗量が所定値+2(ここでは、7)に到達するようにすると良い。
【0239】
ここで、所定値+1(ここでは、6)に到達せずとは、更新演出の実行中において、進捗量が所定値に到達すると、それ以上は更新条件が成立しないこと、或いは、更新条件の成立状態の如何にかかわらず(更新条件が演出ボタン121への操作入力で成立する場合にあっては、演出ボタン121の入力操作状況にかかわらず)進捗量が増加しないことを意味する。同様に、所定値+2(ここでは、7)に到達せずとは、更新演出の実行中において、進捗量が所定値+1(ここでは、6)に到達すると、それ以上は更新条件が成立しないこと、或いは、更新条件の成立状態の如何にかかわらず(更新条件が演出ボタン121への操作入力で成立する場合にあっては、演出ボタン121の入力操作状況にかかわらず)進捗量が増加しないことを意味する。
【0240】
或いは、例えば、変動演出において、
更新演出を実行した上でリーチ演出として通常リーチ演出を実行する場合には、更新演出において進捗量が所定値(ここでは、5)に到達するが、リーチ演出としてSPリーチ演出又はSPSPリーチ演出を実行する場合よりも、更新演出において進捗量が、所定値+1(ここでは、6)に到達し難く(到達確率は、0%よりも大きい)、
更新演出を実行した上でリーチ演出としてSPリーチ演出を実行する場合には、更新演出において進捗量が所定値+1(ここでは、6)に到達するが、リーチ演出としてSPSPリーチ演出を実行する場合よりも、更新演出において進捗量が、所定値+2(ここでは、7)に到達し難くしてもよい(到達確率は、0%よりも大きい)。
【0241】
更新演出を実行した上でリーチ演出として通常リーチ演出を実行する場合には、更新演出を実行した上で得リーチ演出としてSPリーチ演出又はSPSPリーチ演出を実行する場合よりも、更新演出において進捗量が所定値+1(ここでは、6)に到達し難くする方法としては、更新演出の実行中において、進捗量が所定値に到達すると、それ以上は、後者の場合よりも前者の場合において更新条件を成立させ難くする、或いは、更新条件の成立状態の如何にかかわらず(更新条件が演出ボタン121の操作入力で成立する場合にあっては、演出ボタン121の入力操作状況にかかわらず)後者の場合よりも前者の場合において、進捗量を増加させにくくすることを意味する。更新演出において、進捗量が、所定値+2(ここでは、7)に到達し難くする方法も同様である。
【0242】
なお、進捗量の最大値が7の場合、進捗量が6のときに第2の値で更新しないようしている。すなわち、本実施例では、現在の進捗量と最大値との差が第2の値未満のとき、進捗量を第2の値で更新しない。
【0243】
また、更新演出において、1回の更新条件の成立に基づいて、進捗量を所定値+1または最大値まで更新するようにしてもよい。
【0244】
(第6実施例)
上述の第1〜第5実施例では、特別遊技状態である大当たり遊技状態になる可能性が高いことを示唆する特別演出としてリーチ演出を挙げている。しかしながら、特別演出はリーチ演出に限定されない。特別遊技状態になるか否かを示唆する当落演出、特別遊技状態になることが確定していることを示唆する大当たり確定演出も特別演出に含まれる。演出制御部403はそこで、本実施例において、当落演出が実施される可能性があることを示唆する更新演出を、当落演出の前に実行する。以下に、本実施例について詳細に説明する。
【0245】
図25を参照し、
図16に示す状況α1を基準として、タイミングT
A41にて当落演出が実行される(以下、
図25に示す状況を状況α3とする)。状況α3において、任意の整数iに関し、タイミングT
A(i+1)はタイミングT
Aiよりも後のタイミングであるとする。また、状況α1、状況α2、状況α3とは別の状況であり、状況α1及び状況α2の各タイミングと状況α3の各タイミングとの間には、特に記載がない限り、関連はないものとする。
【0246】
図25に示すように、状況α3では、タイミングT
A30までは状況α1と同じであり、タイミングT
A30の後のタイミングT
A41において、演出制御部403は、画像表示部104に更新条件の成立のために遊技者が行う操作画像201及び更新表示画像202を消去する。演出制御部403は、それと同時に、大サイズの第1〜第3装飾図柄の内、第1及び第2装飾図柄を同じ図柄(ここでは、数字の2)で仮停止させる。すなわち、演出制御部は、第1及び第2装飾図柄をリーチ目の態様で仮停止表示させる。なお、タイミングT
A41における、画像表示部104の表示画像は、状況α1のタイミングT
A40における画像表示部104の表示画像と同じである。
【0247】
その後、演出制御部403は、所定の演出を実行した後、タイミングT
A72において、変動停止コマンドの受信に応答して、第1〜第3装飾図柄(SZL、SZR、SZC)をゾロ目の態様(ここでは、2のゾロ目)で停止表示する。なお、タイミングT
A72の画像表示部104の表示画像は、状況α1における、タイミングT
A70の画像表示部104の表示画像と同じであり、その後、大当たり遊技が実行される。
【0248】
このように、更新演出は、特別演出である当落演出が実行される可能性があることを、示唆する演出となっている。なお、上述の例では、演出制御部403は、タイミングT
A30にて進捗量を所定値に到達させているが、到達させなくてもよい。なお、進捗量が所定値に到達しても当落演出が実行されない場合もあり、進捗量が所定値に到達しなくても当落演出が実行される場合もあり得る。そして、進捗量が所定値に到達した場合には、進捗量が所定値に到達しない場合よりも当落演出が実行されやすくてよい。また、当落演出が実行される場合に進捗量が所定値に到達可能であり、当落演出が実行されない場合には、進捗量が所定値に到達しないようにしてもよい。
【0249】
(変形例)
本変形例において、演出制御部403は、大当たり確定演出が実施される可能性があることを示唆する更新演出を、大当たり確定演出の前に実行する。以下に、本実施例について詳細に説明する。
【0250】
図26を参照し、
図25に示す状況α3を基準として、タイミングT
A10にて変動演出が開始された後、所定の演出を経て、タイミングT
A42にて第1装飾図柄及び第2装飾図柄が同図柄で仮停止され、その後、更新演出が実行される(以下、
図26に示す状況を状況α4とする)。状況α4において、任意の整数iに関し、タイミングT
A(i+1)はタイミングT
Aiよりも後のタイミングであるとする。また、状況α1〜状況α3と状況α4とは別の状況であり、状況α1〜状況α3の各タイミングと状況α4の各タイミングとの間には、特に記載がない限り、関連はないものとする。
【0251】
図26に示すように、状況α4において、演出制御部403は、状況α3と同じくタイミングT
A10にて、演出制御部403は、第1〜第3装飾図柄の変動表示を開始する。そして、その後のタイミングT
A42にて、演出制御部403は、大サイズの第1〜第3装飾図柄の内、第1及び第2装飾図柄を同じ図柄(ここでは、数字の2)で仮停止させる。タイミングT
A42の画像表示部104の表示画像は、
図25に示す状況α3のタイミングT
A41の画像表示部104の表示画像と同じである。
【0252】
演出制御部403は、タイミングT
A43にて、更新演出を開始する。そして、タイミングT
A44にて、進捗量が所定値に到達した状態で、更新演出を終了する。その後、演出制御部403は、タイミングT
A45にて、第1〜第3装飾図柄をゾロ目の態様(ここでは、数字の2)で仮停止させる。すなわち、演出制御部403は、タイミングT
A45において、大当たり遊技の実行が確定されたことを示唆する特別演出である、大当たり確定演出を実行する。
【0253】
その後、演出制御部403は、所定の演出を実行した後、タイミングT
A73において、変動停止コマンドの受信に応答して、第1〜第3装飾図柄(SZL、SZR、SZC)をゾロ目の態様(ここでは、2のゾロ目)で停止表示する。なお、タイミングT
A73は、状況α1における、タイミングT
A70と同じであり、その後、大当たり遊技が実行される。
【0254】
このように、更新演出は、特別演出である大当たり確定演出が実行される可能性があることを、示唆する演出となっている。なお、上述の例では、演出制御部403は、タイミングT
A44にて進捗量を所定値に到達させているが、到達させなくてもよい。なお、進捗量が所定値に到達しても大当たり確定演出が実行されない場合もあり、進捗量が所定値に到達しなくても大当たり確定演出が実行される場合もあり得る。そして、進捗量が所定値に到達した場合には、進捗量が所定値に到達しない場合よりも大当たり確定演出が実行されやすくてよい。また、大当たり確定演出が実行される場合に、進捗量が所定値に到達可能であり、大当たり確定演出が実行されない場合には、進捗量が所定値に到達しないようにしてもよい。
【0255】
(第7実施例)
特別演出には、昇格演出も含まれる。演出制御部403はそこで、本実施例では、昇格演出が実行される可能性があることを示唆するため、昇格演出が実行される前に更新演出を実行する。以下に、本実施例について詳細に説明する。
【0256】
図27に示される状況β1を考える。任意の整数iに関し、タイミングT
B(i+1)はタイミングT
Biよりも後のタイミングであるとする。任意の整数iに関し、タイミングT
B(i+1)はタイミングT
Biよりも後のタイミングであるとする。状況β1は、低確率非電サポ遊技状態から
図6の特A又は通Aの大当たり遊技を実行した後、電サポ遊技状態に切り替わったものとする。タイミングT
B10にて、遊技機100は、右打ちを継続して行うとともに第2始動条件の成立に基づく特図判定を行う遊技状態、すなわち、電サポ遊技状態に突入する。このとき、演出制御部403は、画像表示部104の中央に大サイズの第1〜第3装飾図柄(SZL、SZR、SZC)を変動表示する。また、同時に、演出制御部403は、画像表示部104の右上に、右打ち画像S2を表示する。
【0257】
そして、タイミングT
B20にて、電サポ遊技状態における特図変動の回数が15回となると、演出制御部403は、画像表示部104の右端に、残回数表示S3を実行する。なお、残回数とは、現在の遊技状態が、低確率電サポ遊技状態である場合の右打ちによる遊技の終了までの回数である。タイミングT
B30で電サポ遊技状態における特図変動の回数が20回となると、演出制御部403は、画像表示部104の右端の残回数表示S3を0回にする。その後、タイミングT
B40にて、更新演出が開始され、タイミングT
B50にて、進捗量が所定値まで到達した状態で更新演出が終了する。その後、タイミングT
B60にて、昇格演出が実行されて、右打ち継続の表示と共に、右打ちによる遊技、すなわち、高確率電サポ遊技が確定する。
【0258】
このように、更新演出は、電サポ遊技中において、特別演出である昇格演出が実行される可能性があることを、示唆する演出となっている。なお、上述の例では、演出制御部403は、タイミングT
B50にて進捗量を所定値に到達させているが、到達させなくてもよい。なお、進捗量が所定値に到達しても昇格演出が実行されない場合もあり、進捗量が所定値に到達しなくても昇格演出が実行される場合もあり得る。そして、進捗量が所定値に到達した場合には、進捗量が所定値に到達しない場合よりも昇格演出が実行されやすくてよい。また、昇格演出が実行される場合、進捗量が所定値に到達可能であり、昇格演出が実行されない場合には、進捗量が所定値に到達しないようにしてもよい。
【0259】
(第8実施例)
演出制御部403は、主制御部401からの保留増加コマンドを受信すると、事前判定の結果に基づいて、先読み予告演出を行うことが可能である。そして、先読み予告演出には、保留画像(保1画像〜保4画像の少なくとも一つ)の表示態様を変化させる演出である、保留変化演出が含まれている。そこで、本実施例では、更新演出を行った後に、保留変化演出を実行する。以下に、本実施例について詳細に説明する。なお、本実施例の更新演出は、第1実施例〜第7実施例の更新演出と異なる部分がある。その部分については、別途図面を参照して説明する。
【0260】
図28に示される状況γ1を考える。任意の整数iに関し、タイミングT
C(i+1)はタイミングT
Ciよりも後のタイミングであるとする。任意の整数iに関し、タイミングT
C(i+1)はタイミングT
Ciよりも後のタイミングであるとする。また、特図判定用情報J3に対する事前判定の結果を示す情報を含んだ保留増加コマンドに基づき、演出制御部403は、特図判定用情報J3に対応する保留画像を保留画像H3とし、且つ、特図判定用情報J3を先読み対象として保留変化演出を行う場合について説明する。なお、保留変化演出は、先読み対象である特図判定用情報J3の大当たりの期待度(先読み対象が大当たり遊技を行うと判定されることになる期待度)が所定期待度KT
REFよりも高いことを示唆する演出であり、保留画像H3に対応する特図判定用情報J3への事前判定の結果が、大当たりに当選している可能性が高いことを示唆する特別演出の一つである。
【0261】
特別図柄の変動表示中に(従って装飾図柄の変動表示中に)、特図判定用情報記憶領域413aに特図判定用情報J1が記憶された後に特図判定用情報J2が記憶され、更にその後、タイミングT
C10にて特図判定用情報J3が記憶されたとする。
【0262】
画像H1〜H3は、それぞれ、特図判定用情報J1〜J3についての保X画像を表している。また、画像H0はタイミングT
C10での当該権利画像(保0画像)である。タイミングT
C10においては、画像H1〜H3は、夫々、保1画像〜保3画像(
図7参照)である。
【0263】
タイミングT
C20にて、当該権利画像H0に対応する特図判定用情報に対してハズレの態様で特別図柄が停止表示された(従って装飾図柄もバラケ目の態様で停止表示された)後、タイミングT
C30にて特図判定用情報J1が判定対象TTとなり、保1画像であった画像H1が当該権利画像として、位置HP
0に表示される。このとき、演出制御部403は画像H2を位置HP
1に画像H3を位置HP
2にそれぞれ移動させて表示する。そして、特図判定用情報J1に対する特別図柄の変動表示が開始される際、装飾図柄の変動表示を含む変更演出が実行される。
【0264】
図29に示すように、演出制御部403は、変動している大サイズの第1〜第3装飾図柄(SZL、SZR、SZC)と、小型の操作画像201、更新表示画像202及びゲージ203とを同時に表示して更新演出を行っている。
【0265】
タイミングT
C40にて、演出制御部403は、進捗量が所定値に到達した状態で更新演出を終了する。そして、タイミングT
C50にて、演出制御部403は、保留変化演出を実行することで、保留画像H3の表示の態様(ここでは、色)を変化させる。ここでは、保留画像H3の色が、白から青に変化している。保留画像H3の色が白から青に変化することで、保留画像H3に対応する特図判定用情報J3への事前判定の結果が、変化する前に比べて大当たりに当選している可能性が高いことを示唆する。なお、保留画像の色は、期待度が低い方から高い方に白から青、緑又は赤に、青から緑又は赤に、緑から赤に変化するものとする。その後、情報J1、J2、J3に対する特別図柄の変動表示及び装飾図柄の変動表示が順次行われる。
【0266】
このように、更新演出は先読み予告演出である保留変化演出が実行される可能性があることを示唆する演出として実行され得る。本実施例において、タイミングT
C40にて、進捗量が所定値に到達しているが、進捗量が所定値に到達しない場合も含み得る。また、タイミングT
C50にて、保留画像H3の表示態様が変化しているが変化しない場合も含み得る。そして、更新演出において進捗量が所定値に到達した場合、進捗量が所定値に到達しない場合に比べて、保留変化演出が実行されやすい。なお、保留変化演出が実行されるときに、進捗量が所定値に到達可能であり、保留変化演出が実行されないときには、進捗量が所定値の到達しないようにしてもよい。
【0267】
<<発明の考察>>
上述の実施形態にて具現化された発明について考察する。
【0268】
本発明の一側面に係る遊技機100は、遊技者に有利な特別遊技状態にするか否かの判定(判定対象TT/先読み判定対象J1、J2、J3等)を行う判定手段と、所定の演出を実行可能な演出実行手段403と、備え、前記演出実行手段403は、前記判定の結果に基づいて、前記特別遊技状態(例えば、通常遊技状態に対する大当たり遊技状態、低確率遊技状態に対する高確率遊技状態、非電サポ遊技状態に対する電サポ遊技状態等)になる可能性が高いことを示唆する特別演出(例えば、リーチ演出、当落演出、大当たり確定演出、昇格演出、保留変化演出等)を実行可能であり、前記特別演出が実行される可能性があることを示唆する演出であって、所定の更新条件(あおり演出(
図15)/ボタン操作図(13、
図14等))が成立するごとに、進捗量(アイテム206/ゲージ203)を更新させることが可能な更新演出(連打ゲージ、アイテム貯留)を実行可能にし、前記更新演出において、前記進捗量を所定値まで又は所定値を超えて更新させるときと、前記進捗量を前記所定値まで更新させないときとがあり、前記更新条件が成立した場合、前記進捗量を第1の値だけ更新させるときと、前記第1の値よりも大きい第2の値だけ更新させるときとがあり、前記進捗量が前記所定値まで又は所定値を超えて更新されたときは、前記特別演出が実行されやすいことを特徴とする。
【0269】
更新演出において、進捗量を更新する値として、第1の値と第2の値のいずれかで更新するため、遊技者から見て、進捗量の更新のされ方に変化があり、遊技者の意識を更新演出に向けやすい。また、更新演出において進捗量が所定値まで更新された時は、更新されないときに比べて、特別演出が実行されやすいため、遊技者を更新演出に集中させることが可能である。これにより、遊技者によって、興趣性が高い遊技を提供することが可能である。
【0270】
例えば、遊技機100において、前記進捗量が、第1の特定値(進捗量が、0〜1)のときと、前記第1の特定値よりも大きい第2の特定値(2〜3)のときとで、前記進捗量を前記第2の値だけ更新される確率が異なる(
図20参照)。
【0271】
このように、現在の進捗量によって、進捗量を第1の値で更新する確率と第2の値で更新する確率を変える場合、例えば、更新演出の進捗量が第2の特定値のときに進捗量が第1の特定値のときに比べて、進捗量が第2の値で更新されやすい場合、遊技者は、更新演出の開始直後は進捗量の更新がゆっくりで、進捗量が所定値に近づくにしたがって、早くなると認識しやすい。更新演出の進捗量が第1の特定値のときに進捗量が第2の特定値のときに比べて、進捗量が第2の値で更新されやすい場合、遊技者は、更新演出の開始直後は進捗量の更新が早く進み、進捗量が所定値に近づくにしたがって更新がゆっくりなると認識しやすい。このように、進捗量が第2の特定値で更新される確率を、進捗量の更新状態で変更することで、演出の幅を広げることができ、遊技者が遊技に飽きにくくなる。
【0272】
例えば、遊技機100において、前記演出実行手段は、前記更新条件が成立した場合、前記進捗量が、前記第1の特定値のときは、前記進捗量を前記第1の値だけ又は前記第2の値だけ更新させるときがあり、前記進捗量が、第2の特定値のときは、前記進捗量を前記第2の値だけ更新させることを制限するようにしてもよい。
【0273】
これにより、進捗量が所定値に近づいた時には、進捗量がゆっくり更新されるので、更新演出が開始されてすぐに、進捗量が所定値に到達してしまうのを抑制できる。これにより、更新演出の途中で遊技者が飽きにくくなる。
【0274】
本発明の一側面に係る遊技機100は、遊技者に有利な特別遊技状態(大当たり/確変)にするか否かの判定を行う判定手段と、所定の演出を実行可能な演出実行手段403と、備え、前記演出実行手段403は、前記判定の結果に基づいて、前記特別遊技状態になる可能性が高いことを示唆する特別演出(リーチ演出/大当たり確定演出/当落演出/昇格演出)を実行可能であり、前記特別演出が実行される可能性があることを示唆する演出であって、所定の更新条件(あおり演出/ボタン操作)が成立するごとに、進捗量(アイテム/ゲージ)を更新させることが可能な更新演出(アイテム貯留/連打ゲージ)を実行可能にし、前記更新演出において、前記進捗量を所定値まで又は所定値(5/7個)を超えてまで更新させるときと、前記進捗量を前記所定値まで更新させないときとがあり、前記更新条件が成立した場合、前記進捗量を第1の値(1個)だけ更新させるときと、前記第1の値よりも大きい第2の値(2〜3個/5〜7個)だけ更新させるときとがあり、前記特別演出が実行される場合に前記進捗量を前記第2の値だけ更新させることが可能であり、前記特別演出が実行されない場合に前記進捗量を前記第2の値だけ更新させず、前記進捗量が前記所定値まで又は所定値を超えて更新されたときは、前記特別演出が実行されやすいことを特徴とする(
図21参照)。
【0275】
第2の値で更新される場合には、特別演出が実行されやすいため、更新演出において、進捗量が第2の値で更新された時には、特別演出への期待が高まる。これにより、遊技機の興趣性の向上を図ることができる。
【0276】
本発明の一側面に係る遊技機100は、遊技者に有利な特別遊技状態(大当たり/確変)にするか否かの判定を行う判定手段と、所定の演出を実行可能な演出実行手段と、備え、前記演出実行手段は、前記判定の結果に基づいて、前記特別遊技状態になる可能性が高いことを示唆する特別演出(リーチ演出/大当たり確定演出/当落演出/昇格演出)を実行可能であり、前記特別演出が実行される可能性を示唆する演出であって、所定の更新条件(あおり演出/ボタン操作)が成立するごとに、進捗量(アイテム/ゲージ)を更新させることが可能な更新演出(アイテム貯留/連打ゲージ)を実行可能にし、前記更新条件が成立した場合、前記進捗量を更新させるときと、前記更新させないときとがあることを特徴とする(
図22参照)。
【0277】
更新条件が成立しても、進捗量を更新させない場合があることで、更新演出の開始直後に所定値に到達してしまうのを防ぐことができる。また、進捗量が更新されない場合には、更新条件が成立した場合でも、進捗量を所定値まで到達させないようにすることができる。これにより、更新演出が終了するまで、遊技者の注意を更新演出に向けさせることが可能である。これにより、遊技機の興趣性の向上を図ることができる。
【0278】
例えば、遊技機100において、前記演出実行手段は、前記進捗量が所定量のときに前記更新条件が成立した場合、前記特別演出が実行されても実行されなくても、前記進捗量を更新させないときがある(
図23参照)。
【0279】
これにより、更新演出において進捗量に遊技上の意味付けをしておき、所定量で更新させないときが含まれるようにすることで、所定量のときに更新させない場合に、遊技上のストーリが異なる展開になるような演出を実行することも可能である。
【0280】
例えば、遊技機100において、前記進捗量が第1の特定値(0〜1)のときと、前記第1の特定値よりも大きい第2の特定値(2〜3)のときとで、前記進捗量が更新されない確率が互いに異なる(第1の特定値の方が低い/高い)。
【0281】
これにより、進捗量が第1の特定値のときと第2の特定値のときとで、進捗量が更新される速さを変更することが可能である。例えば、第1の特定値とき、第2の特定値のときに比べて、更新されない確率が高い場合、進捗量は、第1の特定値の間、ゆっくり更新される。このように、更新演出中で、進捗量が更新される速さを変更することで、演出の幅を広げることができ、遊技者が遊技に飽きにくくなる。
【0282】
例えば、遊技機100において、前記演出実行手段は、前記進捗量を所定値(5/7個)まで又は所定値(5/7個)を超えて更新させるときと、前記進捗量を前記所定値まで更新させないときとがあり、前記更新条件が成立した場合、前記進捗量を第1の値(1個)だけ更新させるときと、前記第1の値よりも大きい第2の値(2〜3個)だけ更新させるときとがあり、前記進捗量が前記所定値まで又は所定値を超えて更新されたときは、前記特別演出が実行されやすい。
【0283】
これにより、更新演出の幅を広げることができ、遊技者が遊技に飽きにくくなる。
【0284】
<<変形等>>
本発明の実施形態は、特許請求の範囲に示された技術的思想の範囲内において、適宜、種々の変更が可能である。以上の実施形態は、あくまでも、本発明の実施形態の例であって、本発明ないし各構成要件の用語の意義は、以上の実施形態に記載されたものに制限されるものではない。上述の説明文中に示した具体的な数値は、単なる例示であって、当然の如く、それらを様々な数値に変更することができる。
【0285】
また、本発明を、パチンコ遊技機に分類されない、スロットマシンなどの他の遊技機に適用しても良い。パチンコ遊技機では、遊技媒体として遊技球が用いられるが、スロットマシンではコインが遊技媒体として用いられる。