特許第6383797号(P6383797)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6383797NAT64プレフィックスの処理方法、ネットワーク機器及びDHCPv6サーバー
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6383797
(24)【登録日】2018年8月10日
(45)【発行日】2018年8月29日
(54)【発明の名称】NAT64プレフィックスの処理方法、ネットワーク機器及びDHCPv6サーバー
(51)【国際特許分類】
   H04L 12/749 20130101AFI20180820BHJP
【FI】
   H04L12/749
【請求項の数】12
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2016-554390(P2016-554390)
(86)(22)【出願日】2014年7月22日
(65)【公表番号】特表2017-506856(P2017-506856A)
(43)【公表日】2017年3月9日
(86)【国際出願番号】CN2014082756
(87)【国際公開番号】WO2015127751
(87)【国際公開日】20150903
【審査請求日】2016年10月13日
(31)【優先権主張番号】201410073817.1
(32)【優先日】2014年2月28日
(33)【優先権主張国】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】509024525
【氏名又は名称】ゼットティーイー コーポレーション
【氏名又は名称原語表記】ZTE CORPORATION
(74)【代理人】
【識別番号】110002066
【氏名又は名称】特許業務法人筒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ワン,ツイ
(72)【発明者】
【氏名】メン,ウェイ
【審査官】 野元 久道
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2013/067884(WO,A1)
【文献】 欧州特許出願公開第02413544(EP,A1)
【文献】 山村 剛久,ネットワーク最先端講座,日経NETWORK,日本,日経BP社 ,2012年 7月28日,第148号,p.90〜93
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04L 12/749
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
各ネットワーク配置情報選択肢に対応する合成インターネットプロトコルバージョン6(IPv6)プレフィックスを取得することと、
動的ホスト構成プロトコルのIPv6バージョン(DHCPv6)サーバーに、一つ又は複数の前記合成IPv6プレフィックスの選択肢が載せられたDHCPv6メッセージを送信することと、を含み、
前記DHCPv6メッセージに載せられた合成IPv6プレフィックスの選択肢に、異なるタイプ値とプレフィックス値が異なるインターネットプロトコルバージョン4(IPv4)サーバーに対応することが定義されているNAT64プレフィックスの処理方法。
【請求項2】
前記DHCPv6メッセージに載せられた合成IPv6プレフィックスの選択肢に、保留のフィールド値がデフォルトである場合、全てのIPv4 サーバーが同一の合成IPv6プレフィックスを使用することを表す選択肢が定義されている請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記DHCPv6メッセージが、選択肢を追加して前記合成IPv6プレフィックスを載せたDHCPv6中継転送メッセージを含む請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記DHCPv6サーバーから送信されたDHCPv6メッセージを受信し、該DHCPv6メッセージがDHCPv6中継応答メッセージを含み、該メッセージに載せられた各ネットワークパラメーターはいずれもIPv6アドレス又は/及び合成後のIPv6アドレスであって、
前記DHCPv6中継応答メッセージをDHCPv6 Replyメッセージに処理してIPv6ユーザ側機器に送信する請求項1乃至の中のいずれかに記載の方法。
【請求項5】
各ネットワーク配置情報選択肢に対応する合成インターネットプロトコルバージョン6(IPv6)プレフィックスを取得するように構成される取得手段と、
動的ホスト構成プロトコルのIPv6バージョン(DHCPv6)サーバーに、一つ又は複数の前記合成IPv6プレフィックスの選択肢が載せられたDHCPv6メッセージを送信するように構成される送信手段と、を含み、
前記送信手段から送信されるDHCPv6メッセージに載せられた合成IPv6プレフィックスの選択肢に、異なるタイプ値とプレフィックス値が異なるインターネットプロトコルバージョン4(IPv4)サーバーに対応することが定義されているネットワーク機器。
【請求項6】
前記送信手段から送信されるDHCPv6メッセージに載せられた合成IPv6プレフィックスの選択肢に、保留のフィールド値デフォルトである場合、全てのIPv4サーバーが同一の合成IPv6プレフィックスを使用することを表す選択肢が定義されている請求項に記載のネットワーク機器。
【請求項7】
前記送信手段から送信されるDHCPv6メッセージが、選択肢を追加して前記合成IPv6プレフィックスを載せたDHCPv6中継転送メッセージを含む請求項に記載のネットワーク機器。
【請求項8】
前記DHCPv6サーバーから送信されたDHCPv6メッセージを受信するように構成される受信手段をさらに含み、該DHCPv6メッセージがDHCPv6中継応答メッセージを含み、該メッセージに載せられた各ネットワークパラメーターはいずれもIPv6アドレス又は/及び合成後のIPv6アドレスであって、
前記送信手段はさらに、前記DHCPv6中継応答メッセージをDHCPv6 Replyメッセージに処理してIPv6ユーザ側機器に送信するように構成される請求項乃至中のいずれかに記載のネットワーク機器。
【請求項9】
動的ホスト構成プロトコルのIPv6バージョン(DHCPv6)サーバーが、中間機器からの合成IPv6プレフィックスの選択肢が載せられたDHCPv6メッセージを受信することと、ここで、前記DHCPv6メッセージに載せられた合成IPv6プレフィックスの選択肢に、異なるタイプ値とプレフィックス値が異なるインターネットプロトコルバージョン4(IPv4)サーバーに対応することが定義されていて、
前記合成IPv6プレフィックスの選択肢と取得した対応するインターネットプロトコルバージョン4(IPv4)サーバーのIPv4アドレスに基づいて、対応するIPv6アドレスを合成することと、
前記IPv6アドレスを各ネットワーク配置情報選択肢中のパラメーターとして中間機器又はユーザ側機器に送信することと、を含むNAT64プレフィックスの処理方法。
【請求項10】
前記DHCPv6サーバーが中間機器からのDHCPv6メッセージを受信した後、
前記合成IPv6プレフィックスを記憶することをさらに含む請求項に記載の方法。
【請求項11】
合成IPv6プレフィックスの選択肢が載せられた中間機器からのDHCPv6メッセージを受信するように構成される受信手段と、ここで、前記DHCPv6メッセージに載せられた合成IPv6プレフィックスの選択肢に、異なるタイプ値とプレフィックス値が異なるインターネットプロトコルバージョン4(IPv4)サーバーに対応することが定義されていて、
前記合成IPv6プレフィックスの選択肢と取得した対応するインターネットプロトコルバージョン4(IPv4)サーバーのIPv4アドレスに基づいて、対応するIPv6アドレスを合成するように構成される合成手段と、
前記IPv6アドレスを各ネットワーク配置情報選択肢のパラメーターとして中間機器又はユーザ側機器に送信するように構成される送信手段と、を含む動的ホスト構成プロトコルのIPv6バージョン(DHCPv6)サーバー。
【請求項12】
前記合成IPv6プレフィックスを記憶するように構成される記憶手段をさらに含む請求項1に記載のDHCPv6サーバー。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、NAT64プレフィックスの処理方法、ネットワーク機器及びDHCPv6サーバーに関するものである。
【背景技術】
【0002】
現在、既存技術におけるネットワークアドレス変換(Network Address Translation、NATと略称)は広域通信網(WAN)アクセス技術に属され、私的な(保留)アドレスを合法的なインターネットプロトコル(IP)アドレスに変換する変換技術で、各種のインターネットアクセス方式と各種のネットワークに汎用されている。NATによるとIPアドレスが乏しい問題を解決できる。
【0003】
IPv4(インターネットプロトコルバージョン4)アドレスリソースが尽きてしまい、IPv6(インターネットプロトコルバージョン6)ネットワークを逐次に配置することに伴って、ネットワークに存在する大面積のIPv4ネットワークと新しく確立されたIPv6ネットワークは、通信事業者にIPv6/IPv4が共存する際の各種のIPv6ネットワークとIPv4ネットワークとの間の相互アクセス問題を解決することを求めている。NAT64技術とDNS64技術は、このような場合においてIPv6とIPv4の相互アクセス問題を解決する実用性のある技術である。
【0004】
以下、NAT64とDNS64の技術原理を簡単に説明する。
【0005】
NAT64は、状態のあるネットワークアドレスとプロトコル変換技術で、通常、IPv6ネットワーク側ユーザを介して発されたIPv4側ネットワークリソースへの接続アクセスのみを支援する。一方、NAT64は手動で静態マッピング関係を配置することで、IPv4ネットワークが主動にIPv6ネットワークへの接続アクセスを発することも支援する。NAT64は、TCP(Transmission Control Protocol:伝送制御プロトコル)、UDP(User Data Protocol:ユーザデータグラムプロトコル)、ICMP(Internet Control Message Protocol:インターネット制御メッセージプロトコル)でのIPv6とIPv4のネットワークアドレスやプロトコルの変換を実現することもできる。
【0006】
DNS64は、主にNAT64に協力し、主にDNS(Domain Name System:ドメイン・ネームシステム)調査情報中のA記録(IPv4アドレス)をAAAA記録(IPv6アドレス)に合成し、合成されたAAAA記録をIPv6側ユーザに返送する。AAAA記録の合成はDNS64にIPv6アドレスの合成に用いられるpref64::/nと略称されるIPv6プレフィックスを予め配置することで行われる。
【0007】
NAT64とDNS64の通常の応用シーンのネットワークを図1に示す。
【0008】
図1において、DNS64 ServerとNAT64 Routerは完全に独立した部分である。その中、64:FF9B::/96はDNS64 pref64::/nの有名なプレフィックスで、DNS64は通常、当該プレフィックスを用いてIPv4アドレスからIPv6アドレスへの合成を行うと認定し、同時に、該プレフィックスはNAT64の変換プレフィックスとして該プレフィックスのトラフィックに整合する際のNAT64変換を実現することもできる。通常、DNS64とNAT64において該プレフィックスはpref64::/nと表され、その中、pref64はIPv6アドレスを合成するためのNAT64プレフィックスを表し、nは該NAT64プレフィックスの長さを表し、該プレフィックスは、有名なプレフィックスを使用する以外、ネットワークを配置する際に実際のネットワーク状況に応じて柔軟に配置することもできる。該プレフィックスの長さは、32、40、48、56、64又は96等の範囲を支援し、各種の長さのプレフィックスの変換ルールも完全に異なっている。
【0009】
図1において、IPv6 Only User(唯一のユーザ)が普通のIPv6ウェブサイトへの接続アクセスを発した場合、トラフィックはIPv6のデフォルトルートに整合して直接にIPv6 Router(ルータ)に転送されて処理される。IPv6 Only Userが接続アクセスを発したのがIPv4単一プロトコルスタックのサーバーである場合、IPv6 Only UserはターゲットIPv4 Serverアドレスに対応するIPv6アドレス情報を取得することができないので、DNS要求をDNS64 Server(サーバー)に送信して、該IPv4 Serverに対応するIPv4アドレス、即ちA記録を調査し、その後、DNS64 Serverがプレフィックスの合成を行って、つまりA記録とpref64::/nをAAAA記録に合成して、IPv6 Only Userに返送する。pref64::/nネットワーク区間のトラフィックはルータによってNAT64 Routerに転送されて、IPv6とIPv4のアドレスやプロトコルの変換を実現し、IPv4ネットワーク中のリソースにアクセスすることができる。
【0010】
図1において、DNS64がNAT64と協力して動作する必要がある場合、DHCPv6(動的ホスト構成プロトコルのIPv6バージョン) Server(サーバー)がDNS64 ServerのIPv6アドレスを送信しなければならない。ネットワークにDNS64が配置されておらず、且つDNSが依然としてIPv4ネットワークに位置する場合、NAT64は独立にIPv6/IPv4相互アクセスを完成することができない。一方、ユーザ側機器はDNS Serverに対応するIPv6アドレスを取得することができず、そして、ユーザ側がDNS Serverに対応するIPv6アドレスを取得したとしても、ユーザ側機器は依然としてターゲットIPv4 Serverに対応するAAAA記録を取得することができないので、NAT64が独立して動作する場合、この場合での問題を解決できる対応する技術案が必要である。
【0011】
現在、PCP(ポート制御プロトコル)方式でNAT64のpref64::/nを取得する技術案であるdraft−ietf−pcp−nat64−prefix64−04があって、該技術案はPCPプロトコルを拡張してPREFIX64 Optionを増加することで、PCP Client(ユーザ側)がNAT64−Controlled PCP Serverからpref64::/n、IPv6 Suffix及びIPv4 Prefix List等の情報を取得するようにする。しかし、該技術案によると、ユーザとNAT64機器がPCPプロトコルを活性化することが必要であるが、PCPプロトコル自体がネットワーク中の個人PCにPCP Clientとして汎用されていない状況で、PCPプロトコルを支援するように個人PCにて操作システムをアップグレードしなければならず、普及しようとすると、カバー範囲が広く、大変難しいことである。
【0012】
さらに、図1において、DNS64 Serverを配置してNAT64と協力して動作させることで、元のDNS Serverが依然とIPv4ネットワークに配置されている問題を解決することができる。しかし、既存のIPv4ネットワークの場合、DNSサーバー以外に、シスログサーバー、Cookieサーバー、リソース位置測位サーバー、戦略濾過サーバー等の対応するサーバーもあって、これらのサーバーのパラメーターは全てDHCPv4選択肢によってIPv4ユーザ側機器に伝送される。そして、IPv6−Onlyユーザ側機器が如何にIPv4ネットワーク中の各ネットワークパラメーターを取得するかについては、IPv6−Onlyユーザ側機器が各IPv4サーバーのIPv6アドレスを取得できるように、通常の解決案が開示されていない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
本発明が解決しようとする技術課題は、IPv4サーバーを支援する合成IPv6プレフィックスが最終的に、IPv6/IPv4ネットワークの相互交換中に一部のサーバーが依然としてIPv4ネットワークに配置されていることによる各種の問題を解決することのできるNAT64プレフィックスの処理方法、ネットワーク機器及びDHCPv6サーバーを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上記技術課題を解決するため、本発明は、各ネットワーク配置情報選択肢に対応する合成インターネットプロトコルバージョン6(IPv6)プレフィックスを取得することと、動的ホスト構成プロトコルのIPv6バージョン(DHCPv6)サーバーに、一つ又は複数の前記合成IPv6プレフィックスの選択肢が載せられたDHCPv6メッセージを送信することと、を含むNAT64プレフィックスの処理方法を提供する。
【0015】
ここで、上記方法はさらに、前記DHCPv6メッセージに載せられた合成IPv6プレフィックスの選択肢に、異なるタイプ値とプレフィックス値が異なるインターネットプロトコルバージョン4(IPv4)サーバーに対応することが定義されている特徴を有する。
【0016】
ここで、上記方法はさらに、前記DHCPv6メッセージに載せられた合成IPv6プレフィックスの選択肢に、保留のフィールド値がデフォルトである場合、全てのIPv4 サーバーが同一の合成IPv6プレフィックスを使用することを表す選択肢が定義されている特徴を有する。
【0017】
ここで、上記方法はさらに、前記DHCPv6メッセージが、選択肢を追加して前記合成IPv6プレフィックスを載せたDHCPv6中継転送メッセージを含む特徴を有する。
【0018】
ここで、上記方法はさらに、前記DHCPv6サーバーから送信されたDHCPv6メッセージを受信し、該DHCPv6メッセージがDHCPv6中継応答メッセージを含み、該メッセージに載せられた各ネットワークパラメーターはいずれもIPv6アドレス又は/及び合成後のIPv6アドレスであって、前記DHCPv6中継応答メッセージをDHCPv6 Replyメッセージに処理してIPv6ユーザ側機器に送信する特徴を有する。
【0019】
上記問題を解決するため、本発明は、各ネットワーク配置情報選択肢に対応する合成インターネットプロトコルバージョン6(IPv6)プレフィックスを取得するように構成される取得手段と、動的ホスト構成プロトコルのIPv6バージョン(DHCPv6)サーバーに、一つ又は複数の前記合成IPv6プレフィックスの選択肢が載せられたDHCPv6メッセージを送信するように構成される送信手段と、を含むネットワーク機器をさらに提供する。
【0020】
ここで、上記ネットワーク機器はさらに、前記送信手段から送信されるDHCPv6メッセージに載せられた合成IPv6プレフィックスの選択肢に、異なるタイプ値とプレフィックス値が異なるインターネットプロトコルバージョン4(IPv4)サーバーに対応することが定義されている特徴を有する。
【0021】
ここで、上記ネットワーク機器はさらに、前記送信手段から送信されるDHCPv6メッセージに載せられた合成IPv6プレフィックスの選択肢に、保留のフィールド値デフォルトである場合、全てのIPv4サーバーが同一の合成IPv6プレフィックスを使用することを表す選択肢が定義されている特徴を有する。
【0022】
ここで、上記ネットワーク機器はさらに、前記送信手段から送信されるDHCPv6メッセージが、選択肢を追加して前記合成IPv6プレフィックスを載せたDHCPv6中継転送メッセージを含む特徴を有する。
【0023】
ここで、上記ネットワーク機器はさらに、前記DHCPv6サーバーから送信されたDHCPv6メッセージを受信するように構成される受信手段をさらに含み、該DHCPv6メッセージはDHCPv6中継応答メッセージを含み、該メッセージに載せられた各ネットワークパラメーターはいずれもIPv6アドレス又は/及び合成後のIPv6アドレスであって、
前記送信手段はさらに、前記DHCPv6中継応答メッセージをDHCPv6 Replyメッセージに処理してIPv6ユーザ側機器に送信するように構成される特徴を有する。
【0024】
上記問題を解決するため、本発明はさらに、動的ホスト構成プロトコルのIPv6バージョン(DHCPv6)サーバーが、中間機器からの合成IPv6プレフィックスの選択肢が載せられたDHCPv6メッセージを受信することと、前記合成IPv6プレフィックスの選択肢と取得した対応するインターネットプロトコルバージョン4(IPv4)サーバーのIPv4アドレスに基づいて、対応するIPv6アドレスを合成することと、前記IPv6アドレスを各ネットワーク配置情報選択肢中のパラメーターとして中間機器又はユーザ側機器に送信することと、を含むNAT64プレフィックスの処理方法を提供する。
【0025】
ここで、上記方法はさらに、前記DHCPv6サーバーが中間機器からのDHCPv6メッセージを受信した後、前記合成IPv6プレフィックスを記憶することをさらに含む特徴を有する。
【0026】
上記問題を解決するため、本発明はさらに、合成IPv6プレフィックスの選択肢が載せられた中間機器からのDHCPv6メッセージを受信するように構成される受信手段と、前記合成IPv6プレフィックスの選択肢と取得した対応するインターネットプロトコルバージョン4(IPv4)サーバーのIPv4アドレスに基づいて、対応するIPv6アドレスを合成するように構成される合成手段と、前記IPv6アドレスを各ネットワーク配置情報選択肢のパラメーターとして中間機器又はユーザ側機器に送信するように構成される送信手段と、を含む動的ホスト構成プロトコルのIPv6バージョン(DHCPv6)サーバーを提供する。
【0027】
ここで、上記DHCPv6サーバーは、前記合成IPv6プレフィックスを記憶するように構成される記憶手段をさらに含む。
【0028】
上述のように、本発明によるとNAT64プレフィックスの処理方法、ネットワーク機器及びDHCPv6サーバーを提供し、IPv6/IPv4ネットワークの相互交換中に一部のサーバーが依然としてIPv4ネットワークに配置されていることによる各種の問題を解決し、ネットワーク中の配置を減少し、同時に、NAT64業務アップグレード又は後で全部IPv6ネットワークにアップグレードする時、ネットワーク配置を柔軟に調節し、ネットワーク維持の複雑度を低減し、維持を簡略化できる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
本発明の実施例中の技術案を一層明確に説明するため、以下、実施例で必要な図面を簡単に説明し、ここで、以下の説明及び図面は本発明の一部の実施例に過ぎず、本願の一部を構成し、本発明を不当に限定するものではないことは言うまでもないことである。
図1】既存技術のNAT64とDNS64の応用シーンネットワークを示す図である。
図2】本発明の実施例の中間機器がNAT64プレフィックスを処理する方法を示すフローチャートである。
図3】本発明の実施例のDHCPv6サーバーがNAT64プレフィックスを処理する方法を示すフローチャートである。
図4】本発明の実施例のNAT64プレフィックスを処理するシステムを示す図である。
図5】本発明の実施例のDHCPv6メッセージに合成IPv6プレフィックス選択肢が載せられたメッセージフォーマットを示す図である。
図6】本発明の実施例のIPv4 DNS ServerのIPv6アドレスの合成を示すフローチャートである。
図7】本発明の実施例のIPv4 シスログサーバーのIPv6アドレスの合成を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0030】
DHCPv6プロトコルはユーザ側機器にIPv6アドレス、IPv6プレフィックス及び他のネットワーク情報を割り当てする方法を設計したもので、その中、他のネットワーク情報はDNSサーバー、シスログサーバー、Cookieサーバー、リソース位置測位サーバー、戦略サーバー等を含む。他のネットワーク情報サーバーがIPv4ネットワークに配置されている場合、対応するIPv6プレフィックスで対応するIPv4サーバーに対応するIPv6アドレスを合成しなければならない。ここで、それぞれのIPv6プレフィックスは同じであることができれば、異なることもでき、ここではこれらのIPv6プレフィックスを合成IPv6プレフィックスと称する。
【0031】
本発明の目的、技術案とメリットを一層明確にするため、以下、図面を結合して本発明の実施例を詳しく説明する。尚、矛盾しない限り、本願の実施例及び実施例中の特徴は互いに任意に結合することができ、以下の実施例に限定されない。
【0032】
図2は本発明の実施例の中間機器がNAT64プレフィックスを処理する方法を示すフローチャートで、図2に示すように、該方法は以下のステップを含む。
【0033】
中間機器BRAS(Broadband Remote Access Server:ブロードバンドアクセスサーバー)/NAT64が、各ネットワーク配置情報選択肢に対応する合成IPv6プレフィックスを取得する(ステップS11)。
【0034】
中間機器が、動的ホスト構成プロトコルのIPv6バージョン(DHCPv6)サーバーにDHCPv6メッセージを送信し(ステップS12)、DHCPv6メッセージに一つ又は複数の合成IPv6プレフィックスの選択肢が載せられる。
【0035】
中間機器が、DHCPv6サーバーから送信されるDHCPv6メッセージを受信することもでき(ステップS13)、該DHCPv6メッセージはDHCPv6 Relay−Reply(中継応答)メッセージを含み、該メッセージに載せられた各ネットワークパラメーターはいずれもIPv6アドレス又は/及び合成後のIPv6アドレスである。
【0036】
中間機器が、DHCPv6 Relay−ReplyメッセージをDHCPv6 Replyメッセージに処理してIPv6ユーザ側機器に送信する(ステップS14)。
【0037】
図3は本発明の実施例のDHCPv6サーバーがNAT64プレフィックスを処理する方法を示すフローチャートで、図3に示すように、該方法は以下のステップを含む。
【0038】
DHCPv6サーバーが、中間機器からのDHCPv6メッセージを受信し(ステップS21)、DHCPv6メッセージに合成IPv6プレフィックスの選択肢が載せられる。
【0039】
DHCPv6サーバーが、合成IPv6プレフィックスの選択肢と取得し対応するインターネットプロトコルバージョン4(IPv4)サーバーのIPv4アドレスに基づいて、対応するIPv6アドレスを合成する(ステップS22)。
【0040】
DHCPv6サーバーが、IPv6アドレスを各ネットワーク配置情報選択肢中のパラメーターとして中間機器又はユーザ側機器に送信する(ステップS23)。
【0041】
上記技術案によると、DHCPv6プロトコル中の選択肢を拡張することで、基本的なIPv6アドレスの自動配置を完成するとともに、IPv6アドレスの自動合成を完成する。これにより、汎用のIPv6−Onlyユーザ側によるIPv4ネットワークサーバーへのアクセス問題を解決し、維持の複雑度を低減し、純IPv6への遷移の便宜性を増加できる。
【0042】
図4は本発明の実施例に係わるNAT64プレフィックスを処理するシステムを示す図で、図4に示すように、該システムは、
DHCPv6 Relay(中継)中間機器(即ち、ネットワーク機器)として、各ネットワーク配置情報選択肢に対応する合成IPv6プレフィックスを取得し、取得した合成IPv6プレフィックス情報をDHCPv6メッセージの新しく追加された選択肢に付加してDHCPv6サーバー側機器に送信するように構成されるBRAS/NAT64機器を含み、
ここで、ネットワーク機器は、
各ネットワーク配置情報選択肢に対応する合成IPv6プレフィックスを取得するように構成される取得手段と、
DHCPv6サーバーに、一つ又は複数の合成IPv6プレフィックスの選択肢が載せられたDHCPv6メッセージを送信するように構成される送信手段と、を含むことができる。
【0043】
一好適な実施例において、ネットワーク機器はさらに、
DHCPv6サーバーから送信されたDHCPv6メッセージを受信するように構成される受信手段と、該DHCPv6メッセージはDHCPv6 Relay−Replyメッセージを含み、該メッセージに載せられた各ネットワークパラメーターはいずれもIPv6アドレス又は/及び合成後のIPv6アドレスであって、
DHCPv6 Relay−ReplyメッセージをDHCPv6 Replyメッセージに処理してIPv6ユーザ側機器に送信するように構成される送信手段と、を含むことができる。
【0044】
DHCPv6サーバー機器は、DHCPv6 Serverとして、受信した合成IPv6プレフィックス選択肢を記憶し、また対応するIPv4 ServerのIPv4アドレスと合成し、合成後のIPv6アドレスを各ネットワーク配置情報選択肢として、DHCPv6メッセージによってBRAS/NAT64中間機器に送信するように構成される。
【0045】
ここで、DHCPv6サーバーは、
合成IPv6プレフィックスの選択肢が載せられた中間機器からのDHCPv6メッセージを受信するように構成される受信手段と、
合成IPv6プレフィックスの選択肢と取得した対応するIPv4サーバーのIPv4アドレスに基づいて、対応するIPv6アドレスを合成するように構成される合成手段と、
IPv6アドレスを各ネットワーク配置情報選択肢のパラメーターとして、中間機器又はユーザ側機器に送信するように構成される送信手段と、を含むことができる。
【0046】
一好適な実施例において、DHCPv6サーバーはさらに、
合成IPv6プレフィックスを記憶するように構成される記憶手段を含むことができる。
【0047】
図5は本発明の実施例のDHCPv6メッセージに合成IPv6プレフィックス選択肢が載せられたメッセージフォーマットを示す図であり、その中、
option−code(選択肢コード)フィールドは、合成IPv6プレフィックスに対応する符号化値を表し、
Rsv(保留の)フィールドは、デフォルトである場合、基地局全体が同一の合成IPv6プレフィックスを使用することを表し、
Type(タイプ)フィールドは、例えばDNS(Domain Name System:ドメイン・ネームシステム)Server、Cookie Server等のIPv4 Serverタイプを表し、異なるTypeフィールドは異なるIPv4 Serverタイプを表し、DHCPv6 Serverでの対応するIPv4 ServerによるIPv6アドレスの合成に用いられ、
Option−lenフィールドは、option−valueの長さを表し、
Option−valueフィールドは、対応するTypeが使用する合成IPv6プレフィックスを表し、
異なるIPv4 Serverが異なるIPv6プレフィックスを使用する際、DHCPv6メッセージに複数の合成IPv6プレフィックス選択肢を載せなければならない。
【0048】
図6は本発明の実施例のIPv4 DNS Serverの IPv6アドレスの合成を示すフローチャートで、図6に示すように、以下のステップを含むことができる。
【0049】
中間機器BRAS/NAT64が、IPv6ユーザ側機器から送信されたDHCPv6 Request(要求)メッセージ又はDHCPv6 Information−request(情報要求)メッセージを受信し、DNS Serverの合成IPv6プレフィックス2001:db8:122::/96を追加して、メッセージ全体をDHCPv6 Relay−Forward(中継転送)メッセージにパケット化してDHCPv6サーバー側機器に送信する(ステップS402)。
【0050】
DHCPv6サーバー側機器が、中間機器から送信されたDHCPv6 Relay−Forwardメッセージを受信し、メッセージ中の合成IPv6プレフィックス選択肢中のIPv6プレフィックス2001:db8:122::/96を抽出し、また対応するDNS ServerのIPv4アドレス172.1.1.1を取得して、IPv6アドレス:2001:db8:122::172.1.1を合成する(ステップS404)。
【0051】
DHCPv6サーバー側機器が、合成後のDNS ServerのIPv6アドレスをネットワーク配置情報選択肢として、DHCPv6 Relay−Reply(中継応答)メッセージによってBRAS/NAT64中間機器BRAS/NAT64に送信する(ステップS406)。
【0052】
中間機器BRAS/NAT64が、DHCPv6サーバー側機器から送信された、IPv6 DNS Serverアドレスが載せられたDHCPv6 Relay−Replyメッセージを受信し、対応するIPv6 DNS ServerのIPv6アドレスが載せられたDHCPv6 Replyメッセージに処理してIPv6ユーザ側機器に送信する(ステップS408)。
【0053】
中間機器BRAS/NAT64上の各IPv6プレフィックスが更新される場合、主動にDHCPv6 Relay−ForwardメッセージをDHCPv6サーバー側機器に送信して、サーバー側機器に記憶された対応するプレフィックス情報を更新することが好ましい。
【0054】
異なる中間機器BRAS/NAT64が同一のIPv4 Serverを対象として、異なる合成IPv6プレフィックスを使用することができれば、同一の合成IPv6プレフィックスを使用することもでき、いずれも実際のネットワーク配置状況に応じて決められる。
【0055】
図7は本発明の実施例のIPv4シスログサーバーのIPv6アドレスの合成を示すフローチャートで、図7に示すように、以下のステップを含むことができる。
【0056】
中間機器BRAS/NAT64が、IPv6ユーザ側機器から送信されたDHCPv6 Requestメッセージ又はDHCPv6 Solicitメッセージ又はDHCPv6 Information−requestメッセージを受信し、シスログサーバーの合成IPv6プレフィックス2002:db8:122::/96を追加して、メッセージ全体をDHCPv6 Relay−Forwardメッセージにパケット化してDHCPv6サーバー側機器に送信する(ステップS502)。
【0057】
DHCPv6サーバー側機器が、中間機器から送信されたDHCPv6 Relay−Forwardメッセージを受信し、メッセージ中の合成IPv6プレフィックス選択肢中のIPv6プレフィックス2002:db8:122::/96を抽出し、また対応するシスログサーバーのIPv4アドレス73.1.1.1を取得して、IPv6アドレス:2002:db8:122::73.1.1を合成する(ステップS504)。
【0058】
DHCPv6サーバー側機器が、合成後のシスログサーバーのIPv6アドレスをネットワーク配置情報選択肢として、DHCPv6 Relay−Replyメッセージによって、BRAS/NAT64中間機器BRAS/NAT64に送信する(ステップS506)。
【0059】
中間機器BRAS/NAT64が、DHCPv6サーバー側機器から送信された、IPv6 シスログサーバーアドレスが載せられたDHCPv6 Relay−Replyメッセージを受信し、対応するIPv6シスログサーバーアドレスが載せられたDHCPv6 Replyメッセージに処理してIPv6ユーザ側機器に送信する(ステップS508)。
【0060】
中間機器BRAS/NAT64上の各IPv6プレフィックスが更新された場合、主動にDHCPv6 Relay−ForwardメッセージをDHCPv6サーバー側機器に送信して、サーバー側機器に記憶された対応するプレフィックス情報を更新することが好ましい。
【0061】
異なる中間機器BRAS/NAT64は同一のIPv4 Serverを対象として、異なる合成IPv6プレフィックスを使用することができれば、同一の合成IPv6プレフィックスを使用することもでき、いずれも実際のネットワーク配置状況に応じて決められる。
【0062】
上記実施例は本発明の一具体的な実施例に過ぎず、また、該技術案を他の各種の応用シーンに応用することもでき、ここでは説明を省略する。
【0063】
上記した方法の全部又は一部のステップをプログラムによりハードウェアに命令を送信することで完成することができ、前記プログラムを、例えばリードオンリーメモリ、磁気ディスク又は光ディスク等のコンピュータが読み取り可能な記憶媒体に記憶することができることは当業者にとって明らかなことである。また、上記実施例の全部又は一部のステップを一つ又は複数の集積回路によって実現することも可能である。対応して、上記実施例中の各手段/ユニットをハードウェアの形態で実現できれば、ソフトウェアの機能手段の形態で実現することもできる。本発明は特定のハードウェアとソフトウェアの結合に限定されない。
【0064】
以上は、本発明の好適な実施例に過ぎず、本発明は他の様々な実施例があることもできる。当業者は本発明の精神や実質から離脱せずに本発明に基づいて様々な改善や変形が可能であるが、このような対応する改善や変形は全て本発明の保護範囲内に含まれる。
【産業上の利用可能性】
【0065】
上述のように、上記実施例及び好適な実施形態によると、IPv6/IPv4ネットワークの相互交換中に一部のサーバーが依然としてIPv4ネットワークに配置されていることによる各種の問題を解決できるとともに、ネットワーク中の配置を減少し、同時に、NAT64業務アップグレード又は後で全部IPv6ネットワークにアップグレードする時、ネットワーク配置を柔軟に調節し、ネットワーク維持の複雑度を低減し、維持を簡略化できる。
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図7