特許第6383813号(P6383813)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6383813
(24)【登録日】2018年8月10日
(45)【発行日】2018年8月29日
(54)【発明の名称】圧縮発熱検出器及びその方法
(51)【国際特許分類】
   G01N 3/00 20060101AFI20180820BHJP
   G01N 3/32 20060101ALI20180820BHJP
【FI】
   G01N3/00 K
   G01N3/32 N
【請求項の数】15
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2016-574188(P2016-574188)
(86)(22)【出願日】2014年7月22日
(65)【公表番号】特表2017-518508(P2017-518508A)
(43)【公表日】2017年7月6日
(86)【国際出願番号】CN2014082684
(87)【国際公開番号】WO2015192437
(87)【国際公開日】20151223
【審査請求日】2016年12月15日
(31)【優先権主張番号】201410268592.5
(32)【優先日】2014年6月16日
(33)【優先権主張国】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】516378460
【氏名又は名称】イヴ ラバー インスティテュート カンパニー リミテッド
【氏名又は名称原語表記】EVE RUBBER INSTITUTE CO., LTD.
(74)【代理人】
【識別番号】110000729
【氏名又は名称】特許業務法人 ユニアス国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ワン、モン−チアオ
(72)【発明者】
【氏名】タイ、トーイン
(72)【発明者】
【氏名】ウー、ポンチャン
(72)【発明者】
【氏名】リウ、シーチエ
【審査官】 伊藤 昭治
(56)【参考文献】
【文献】 特開平08−285753(JP,A)
【文献】 米国特許第05959215(US,A)
【文献】 特開平07−270294(JP,A)
【文献】 特開平06−281606(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01N 3/00 − 3/62
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
圧縮発熱検出器であって、それは1セット又は複数セットの検出ユニットを含み、該検出ユニットはゴム試料を高調波圧縮する垂直圧縮装置、前記圧縮に伴う永久ひずみに対する補償を行う垂直補償装置及び前記ゴム試料のコア部中心温度センサ同期装置を含み、
前記コア部中心温度センサ同期装置は、ゴム試料の圧縮動作に同期し、
前記垂直圧縮装置及び垂直補償装置がトップフレーム(8)にそれぞれ固定され、
ゴム試料(73)の下部を支持する中間サポート(82)と、この中間サポート(82)と受け板(26)の間に設けられる第1の遷移カラム(63)および圧力センサ(61)を含み、
前記コア部中心温度センサ同期装置が第1の遷移カラム(63)と同じまたは類似の力学的性質を有する第2の遷移カラム(67)及び圧力センサ(61)と同じまたは類似の力学的性質を有する受圧ブロック(65)を介して垂直圧縮装置の押さえ板(18)と垂直補償装置の受け板(26)との間に取り付けられ、
前記押さえ板(18)はゴム試料(73)を上部から押さえて圧縮するものであり、
前記受け板(26)はゴム試料(73)の圧縮力を受けるものであり、
前記第1の遷移カラム(63)および第2の遷移カラム(67)は、垂直補償装置が動作するときに、それぞれ圧力センサ(61)および受圧ブロック(65)とともに連動して垂直方向に動作が可能であり、
前記圧力センサ(61)は、垂直補償装置を動作させたときの前記ゴム試料に対する圧力値を検出するものであり、
第2の遷移カラム(67)はちょうど中間サポート(82)の穴を貫通するが、ゴム試料(73)の圧縮応力試験に対する圧力センサ(61)の正確性に影響を与えず、
前記垂直圧縮装置はゴム試料を高調波圧縮動作させる圧縮モータ(13)、ゴム試料の圧縮ストロークを調節するストローク調節機構(16)、前記圧縮モータ(13)の出力軸に連結された連結ロッド(15)、2本の長いガイドシャフト(17)、前記連結ロッド(15)の上端と2本の長いガイドシャフト(17)の下端を連結する端部連結部品(14)、及び2本の長いガイドシャフト(17)の上端に連結される押さえ板(18)を含み、
前記2本の長いガイドシャフト(17)は前記中間サポート(82)により垂直移動がガイドされ、前記圧縮モータ(13)を駆動して前記押さえ板(18)によりゴム試料を高調波圧縮させるものであり、
前記垂直補償装置は圧縮に伴う永久ひずみに対する補償動作を行う補償モータ(21)、前記受け板(26)の垂直移動をガイドする2本の短いガイドシャフト(28)、補償モータ(21)の出力軸と連結されるリードスクリュー(24)、リードスクリュー(24)の回転により垂直移動するリードスクリューナット(25)、リードスクリューナット(25)に接続される前記受け板(26)及び前記中間サポート(82)を含み、
前記補償モータ(21)を駆動して前記受け板(26)の垂直移動でゴム試料を圧縮することで前記補償動作を行うものであり、
前記コア部中心温度センサ同期装置はコア部中心温度センサ(72)、センサ固定用リング(78)、センサ固定用リング(78)の上下に配置されるロアスプリング(76)およびアッパスプリング(77)、ロアスプリング(76)を下部から保持するスプリングベース(74)、及びアッパスプリング(77)を上部から保持するスプリングトップシート(75)、を含む圧縮発熱検出器。
【請求項2】
該圧縮発熱検出器は1セット又は複数セットの独立に運転可能な検出ユニットを含み、1つ又は複数のゴム試料に対して圧縮発熱検出を同時に行うことができ、同じ試料又は異なる試料が同じ試験条件又は異なる試験条件下で圧縮発熱対比試験を行うことを実現することを特徴とする請求項1に記載の圧縮発熱検出器。
【請求項3】
検出ユニットが2セットであることを特徴とする請求項1又は2に記載の圧縮発熱検出器。
【請求項4】
ゴム試料が2つであることを特徴とする請求項3に記載の圧縮発熱検出器。
【請求項5】
第2の遷移カラム(67)と第1の遷移カラム(63)の材料及び直径寸法が同じであることを特徴とする請求項1又は2に記載の圧縮発熱検出器。
【請求項6】
受圧ブロック(65)と圧力センサ(61)の材料及び形状が同じであることを特徴とする請求項1又は2に記載の圧縮発熱検出器。
【請求項7】
前記ストローク調節機構(16)は偏心原理を採用し、ボルト(161、166)、ダブルナット(162、165)、スライダ(163)及び偏心回転テーブル(164)を含み、ボルト(161、166)を調節することによって、スライダ(163)を偏心回転テーブル(164)の内部にスライドさせることで押さえ板(18)の圧縮ストロークを変更することを特徴とする請求項1に記載の圧縮発熱検出器。
【請求項8】
前記リードスクリュー(24)はカップリング(29)を介して補償モータ(21)の出力軸に直接接続され、受け板(26)はリードスクリューナット(25)に直接接続され、且つ2本の短いガイドシャフト(28)によってガイドされ、補償モータ(21)が回転する場合、リードスクリュー(24)の回転により、リードスクリューナット(25)及び受け板(26)を2本の短いガイドシャフト(28)の垂直方向に沿って移動させ、補償機能を実現することを特徴とする請求項1に記載の圧縮発熱検出器。
【請求項9】
前記垂直補償装置はゴム試料(73)の圧縮歪み又は圧縮応力に垂直方向の補償を行うことができ、即ち試験はゴム試料(73)の圧縮歪み及び圧縮応力を同時に測定することができ、試料を一定の圧縮応力の状況下で行わせ、且つその圧縮歪みの試験における変化を測定することができ、試料を一定の圧縮歪みの状況下で行わせ、且つその圧縮応力の試験における変化を測定することもできることを特徴とする請求項1に記載の圧縮発熱検出器。
【請求項10】
ゴム試料(73)に与えられた予荷重及び垂直補償装置の移動は圧力センサ(61)によって検出され且つ制御され、圧力センサ(61)が第1の遷移カラム(63)を介してゴム試料の中間サポート(82)と受け板(26)との間に取り付けられ、試料が一定の圧縮応力の状況下で行い、且つその圧縮歪みの試験における変化を測定する場合、試験に伴い、ゴム試料(73)は圧縮永久歪みが生じる場合、圧力センサ(61)によって検出される圧縮応力が小さくなり、この場合に、補償モータ(21)の起動を制御し、圧縮歪みに対する垂直方向の補償を実現し、それにより圧縮応力が不変であることを保証し、ゴム試料(73)の圧縮歪みの垂直補償量は変位センサ(51)及び誘導ブロック(52)の検出によって取得され、試料が一定の圧縮歪みの状況下で行い、且つその圧縮応力の試験における変化を測定する場合、圧縮歪み量は変位センサ(51)及び誘導ブロック(52)の検出によって制御され、圧縮応力は圧力センサ(61)によって検出されることを特徴とする請求項に記載の圧縮発熱検出器。
【請求項11】
試料室の温度、試料の底部温度及び試料のコア部中心温度を同時に検出することができることを特徴とする請求項1に記載の圧縮発熱検出器。
【請求項12】
試料室の温度は室内温度センサによって測定され、前記室内温度センサが操作室内に取り付けられ、操作室内の温度変化をリアルタイムに監視することができることを特徴とする請求項11に記載の圧縮発熱検出器。
【請求項13】
試料の底部温度は底部温度センサ(71)によって測定され、前記底部温度センサ(71)は斜め上45度方向に沿って試料の中間サポート(82)に取り付けられ、前記底部温度センサ(71)のプローブはちょうどゴム試料(73)の底部と接触し、且つ圧縮過程におけるゴム試料(73)底部の温度変化をリアルタイムに監視することを特徴とする請求項11に記載の圧縮発熱検出器。
【請求項14】
コア部中心温度センサ(72)はゴム試料(73)の圧縮歪みに伴い、垂直方向に同期振動し、水平方向における位置が変わらず、それによりコア部中心温度センサ(72)のプローブがずっとゴム試料(73)の中心位置に位置することを保証し、且つ圧縮過程におけるゴム試料(73)のコア部中心の温度変化をリアルタイムに監視することを特徴とする請求項11に記載の圧縮発熱検出器。
【請求項15】
請求項1−14のいずれかの圧縮発熱検出器で試料を検査する方法であって、試料が一定の圧縮応力の状況下で行い、且つその圧縮歪みの試験における変化を測定する場合、まず押さえ板(18)を最も高い位置に置き、且つ予め穿孔されたゴム試料(73)を恒温の試料室に入れ、コア部中心温度センサ(72)のプローブをちょうどゴム試料(73)の中心位置に位置させ、次にソフトウェアに予荷重の大きさ及び圧縮周波数のパラメータを設定し、温度が平衡に達すると、補償モータ(21)が起動し始め、受け板(26)及びゴム試料(73)を垂直方向に沿って上へ移動させ、圧縮歪みが発生し、且つ圧力センサ(61)によって圧力値の大きさを検出し、圧力値が予め設定した予荷重値に達した場合、補償モータ(21)は作動を停止し、圧縮モータ(13)が起動し、圧縮試験を開始し、圧縮に伴い、ゴム試料(73)は一定の圧縮永久歪みが発生し、圧力センサ(61)によって検出された圧縮過程における最小圧力値が小さくなることを引き起こし、補償モータ(21)の起動を制御し、垂直補償移動を実現し、予荷重が元の設定値に再度戻ると、補償量は変位センサ(51)及び誘導ブロック(52)のフィードバックによって取得することができ、全体の圧縮過程において、圧縮時間に伴う圧縮歪み、試料のコア部中心温度及び試料の底部温度の変化を試験し、
試料が一定の圧縮応力の状況下で行い、且つその圧縮応力の試験における変化を測定する場合、まず押さえ板(18)を最も高い位置に置き、且つ予め穿孔されたゴム試料(73)を恒温の試料室に入れ、コア部中心温度センサ(72)のプローブをちょうどゴム試料(73)の中心位置に位置させ、次にソフトウェアに予め決められた歪みの大きさ及び圧縮周波数のパラメータを設定し、温度が平衡に達すると、補償モータ(21)が起動し始め、受け板(26)及びゴム試料(73)を垂直方向に沿って上へ移動させ、圧縮永久歪みが発生し、予め決められた圧縮永久歪み量に達すると、補償モータ(21)は作動を停止し、圧縮モータ(13)が起動し、圧縮試験を開始し、圧縮に伴い、ゴム試料(73)は一定の圧縮永久歪みが発生し、圧力センサ(61)によって検出された圧縮応力が次第に小さくなることを引き起こし、試料は同じ圧縮歪みが発生した場合、圧縮時間に伴う圧縮応力、試料のコア部中心温度及び試料の底部温度の変化を試験するというステップを含む方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は圧縮発熱検出器及びその方法に関し、特にゴムの動的繰返し荷重又は歪みでの発熱現象を検出するための装置及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ゴムの動的繰返し荷重での発熱現象は、常に研究者が気遣う指標である。実際の応用において、各種のタイヤ及びコンベアベルトの高速運転における内部発熱、減衰、防音材及びその構造の粘弾性減衰作用は、いずれも材料ヒステリシス効果によるエネルギー損失分析に関する。
【0003】
車輪が回転する場合、タイヤに作用する一部の車両重量及び路面による車輪の衝撃荷重は、タイヤを繰返し圧縮変形に耐えさせ、圧縮変形に消耗されるパワーは、大部分が熱に変換される。ほとんどのタイヤの材料(ゴム及び化学繊維など)は熱の不良な導体であるため、熱量が発散しにくく、カーカスの内部温度を素早く上昇させる。試験によって、タイヤの内部温度はタイヤの荷重及び速度の積と正比例する。速度が速いほど、荷重が大きくなり、温度の上昇が速くなる。
【0004】
Goodrichゴム圧縮発熱試験装置は1つの不活性テコシステムで試料に一定の圧縮荷重を与え、且つ1つの伝送システムで試料に所定の振幅を有する周期的高周波圧縮を与え、室温又は室温より高い条件下で試料の一定時間内の圧縮疲労による温度上昇及び疲労寿命を測定する。硬度が30〜85IRHDの加硫ゴムに適用される。
【0005】
通常の圧縮発熱装置の原理は図1に示すように、試料の中心線からテコ支点3までの距離は127±0.5mmであり、荷重重り5の中心線からテコ支点3までの距離は288±0.5mmである。試料は荷重の作用下で、上押さえ板によって往復圧縮させ、且つゴムの内部抵抗により発熱する。試料が受けられた圧縮荷重はバランステコの平衡補償原理を採用し、且つテコ平衡調整装置6でテコの平衡を維持する。その機械モデルは図2のように示す。試験過程において試料の寸法は熱膨脹と冷収縮変化、又は圧縮永久歪みが発生し、試料の高さが変化するが、装置は試料の形状高さ寸法の過渡的変化を記録できず、装置は予荷重静的力の恒常を過渡制御及び保持できず、且つ動的力も影響されて変動が発生し、データは試験に伴ってますます不正確になり、不安定になり、再現性も比較的悪い。且つ、通常の圧縮発熱装置の周波数(回転数調節)、試験温度はいずれも単一で、固定するもので、試料の動的歪み(即ち上押さえ板のストローク)も一定であり、いずれも異なる周波数、温度、動的歪み条件下で圧縮発熱試験を行うことができず、機能が単一である。
【0006】
現在、市場における圧縮発熱装置の欠点は以下のとおりである。
【0007】
1.図3に示すように、バランステコの平衡補償試料の下表面は、テコ支点が試料支持点と重なり合わないため、前、後重りの重量の差によってテコが一定の角度aの傾斜を生じる場合、試料の下表面が圧力に耐える上表面に平行ではないことを引き起こし、車輪が車体重力に耐えるモデル、車体圧縮に周期的に耐えることと偏差があり、実験条件下で実際の動作状態を正確にシミュレーションすることができない。
【0008】
2.補償値は正確でない。圧縮は垂直方向で、補償は傾斜方向である。同様に、図3に示すように、ゴム資料が受けられる圧縮は垂直方向であるが、テコによって生じる補償は傾斜方向であり、補償方向と垂直圧縮方向との間がα夾角を形成する。
【0009】
3.コア部の中心温度をリアルタイムに測定することができない。コア部の中心温度はゴム材料を繰り返し圧縮して熱量を生じる真の反映である。市場においてリアルタイムに測定可能なのは基本的に機器の内部環境温度又は試料表面(例えば底部)温度であり、圧縮試験を停止してこそ、試料のコア部の中心温度を測定することができる。しかし、この際に針状の温度センサがゴム試料に挿入された場合、その温度と試料内部の実際の温度との相違が比較的大きいため、試験結果に誤差を発生させる。
【0010】
4.機器は1つの試料温度しか測定できない。
【0011】
5.一部のメーカーは試料の内部温度をリアルタイムに測定することもでき、試料の中間位置を穿孔し、温度測定ワイヤを入れて又は試料を製造する際に温度測定ワイヤを試料の中間に加硫する方法をよく採用する。試料の穿孔にとって、孔が小さく、温度測定導線が比較的柔らかければ、試料内に「入れる」ことができず、穿孔が大きすぎると、試料の圧縮過程における破損を引き起こすとともに、試験過程において、高周波振動及び試料変形などのため、温度測定ワイヤが試料から出て且つ中心点からずらさせ、コア部の中心温度を正確に反映できず、図4のように示す。温度測定ワイヤ1を試料内に加硫することにとって、加硫過程において温度測定点がずっと試料の最も中心位置に位置することを保証することもできない。
【0012】
6.現在、日本の上島社により製造された圧縮発熱機器は試料のコア部の中心温度をリアルタイムに測定することができる。具体的な方法は、機器は1セットの温度センサ挿入装置を含み、針状の温度センサをゴム試料の頂部から試料内部の中心位置に垂直に挿入し、且つコンピュータがフィードバックされた情報に基づいて温度センサの挿入深さを制御することができる。試験を開始する前に、針状の温度センサを試料の頂部から試料の中心部に挿入する。試験中に、試料の高さは時間とともに変化し、高さ変化の測定値に基づき、コンピュータにフィードバックし、コンピュータによって温度センサ挿入装置動作を制御し、それによって針状の温度センサの挿入位置を調節し、それをずっと試料の中心位置に置かせる。この方法は構造が複雑で、且つ圧縮過程において温度センサのプローブとゴム試料との間に摩擦現象が存在し、装置の信頼性及び操作性並びに試験結果の正確性に一定の影響を及ぼす。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
従来の機器に存在する上記問題に対し、本発明は新型ゴム材料用圧縮発熱検出器及びその方法を提供し、従来の技術の欠点を克服する。
【課題を解決するための手段】
【0014】
前記圧縮発熱検出器であって、1セット又は複数セット(最も好ましくは2セットである)の検出ユニットを含み、該検出ユニットは垂直圧縮装置、垂直補償装置及びコア部中心温度センサ同期装置を含み、前記垂直圧縮装置及び垂直補償装置がトップフレームにそれぞれ固定され、前記コア部中心温度センサ同期装置が第1の遷移カラムと同じまたは類似の力学的性質(最も好ましくは第1の遷移カラムと同じ材料、同じ直径寸法である)を有する第2の遷移カラム及び圧力センサと同じまたは類似の力学的性質(最も好ましくは圧力センサと同じ材料、同じ形状である)を有する受圧ブロックを介して垂直圧縮装置の押さえ板と垂直補償装置の受け板との間に取り付けられ、第2の遷移カラムはちょうど中間サポートの穴を貫通するが、ゴム試料の圧縮応力試験に対する圧力センサの正確性に影響を与えず、前記垂直圧縮装置は圧縮モータ、ストローク調節機構、連結ロッド、端部連結部品、2本の長いガイドシャフト及び押さえ板を含み、前記垂直補償装置は補償モータ、2本の短いガイドシャフト、リードスクリュー、リードスクリューナット、受け板及び中間サポートを含み、前記コア部中心温度センサ同期装置はコア部中心温度センサ、スプリングベース、スプリングトップシート、ロアスプリング、アッパスプリング及びセンサ固定用リングを含む。
【0015】
好ましくは、該圧縮発熱検出器は1セット又は複数セット(最も好ましくは2セットである)の独立に運転可能な検出ユニットを含み、1つ又は複数(最も好ましくは2つである)のゴム試料に対して圧縮発熱検出を同時に行うことができる。
【0016】
上記解決手段において、垂直圧縮装置はゴム試料に対して垂直方向の圧縮を行うことができる。
【0017】
上記解決手段において、圧縮モータはストローク調節機構、連結ロッド、端部連結部品、及び長いガイドシャフトで押さえ板を駆動してゴム試料を圧縮する。
【0018】
上記解決手段において、ストローク調節機構は偏心原理(これに限定されるものではない)を採用し、ボルト、ダブルナット、スライダ及び偏心回転テーブルを含む。
【0019】
上記解決手段において、押さえ板の垂直圧縮ストロークはストローク調節機構によって制御され、且つボルトを調節することによって圧縮ストロークを変更することができる。
【0020】
上記解決手段において、垂直補償装置はゴム試料の圧縮永久歪みに対して垂直方向の補償を行うことができる。
【0021】
上記解決手段において、ゴム試料に与えられた予荷重及び垂直補償装置の移動は圧力センサによって検出され且つ制御され、圧力センサは第1の遷移カラムを介してゴム試料の中間サポートと受け板との間に取り付けられ、圧力値の大きさを検出することによって補償モータの起動と停止を制御し、それによって与えられた予荷重及び垂直補償機能を実現する。
【0022】
上記解決手段において、リードスクリューはカップリングを介して補償モータの出力軸に直接接続され、受け板はリードスクリューナットに直接接続され、且つ2本の短いガイドシャフトによってガイドされ、補償モータが回転する場合、リードスクリューの回転により、リードスクリューナット及び受け板を2本の短いガイドシャフトの垂直方向に沿って移動させ、補償機能を実現する。
【0023】
上記解決手段において、垂直補償装置の補償量は変位センサ及び誘導ブロックによって検出され且つ制御され、変位センサがトップフレームに取り付けられ、固定され、誘導ブロックが受け板に取り付けられ、受け板とともに垂直方向に沿って移動する。
【0024】
上記解決手段において、試料室の温度、試料の底部温度及び試料のコア部の中心温度を同時に検出することができる。
【0025】
上記解決手段において、試料室の温度は室内温度センサによって測定され、前記室内温度センサが操作室内に取り付けられ、操作室内の環境温度をリアルタイムに監視することができる。
【0026】
上記解決手段において、試料の底部温度は底部温度センサによって測定され、前記底部温度センサは斜め上45度方向に沿って試料の中間サポートに取り付けられ、温度センサのプローブはちょうどゴム試料の底部と接触し、且つ圧縮過程におけるゴム試料底部の温度変化をリアルタイムに監視する。
【0027】
上記解決手段において、コア部中心温度センサはゴム試料の圧縮歪みに伴い、垂直方向に同期振動し、水平方向における位置が変わらず、それによりコア部中心温度センサのプローブがずっとゴム試料の中心位置に位置することを実現し、且つ圧縮過程におけるゴム試料のコア部中心の温度変化をリアルタイムに監視する。
【0028】
上記圧縮発熱検出器で試料を検出する方法であって、以下のステップを含む。試料が一定の圧縮応力の状況下で行い、且つその圧縮歪みの試験における変化を測定する場合、まず押さえ板を最も高い位置に置き、且つ予め穿孔されたゴム試料を恒温の試料室に入れ、コア部中心温度センサのプローブをちょうどゴム試料の中心位置に位置させ、次にソフトウェアに予荷重の大きさ及び圧縮周波数などのパラメータを設定し、温度が平衡に達すると、補償モータが起動し始め、受け板及びゴム試料を垂直方向に沿って上へ移動させ、圧縮歪みが発生し、且つ圧力センサによって圧力値の大きさを検出し、圧力値が予め設定した予荷重値に達した場合、補償モータは移動を停止し、圧縮モータが起動し、圧縮試験を開始し、圧縮に伴い、ゴム試料は一定の圧縮永久歪みが発生し、圧力センサによって検出された圧縮過程における最小圧力値、即ち予荷重が小さくなることを引き起こし、この時に補償モータの起動を制御し、垂直補償移動を実現し、予荷重が元の設定値に再度戻ると、補償量は変位センサ及び誘導ブロックのフィードバックによって取得することができ、全体の圧縮過程において、圧縮時間に伴う圧縮歪み、試料のコア部中心温度及び試料の底部温度の変化を試験する。
【0029】
試料が一定の圧縮応力の状況下で行い、且つその圧縮応力が試験における変化を測定する場合、まず押さえ板を最も高い位置に置き、且つ予め穿孔されたゴム試料を恒温の試料室に入れ、コア部中心温度センサのプローブをちょうどゴム試料の中心位置に位置させ、次にソフトウェアに予め決められた歪みの大きさ及び圧縮周波数などのパラメータを設定し、温度が平衡に達すると、補償モータが起動し始め、受け板及びゴム試料を垂直方向に沿って上へ移動させ、圧縮永久歪みが発生し、予め決められた圧縮歪み量に達すると、補償モータは移動を停止し、圧縮モータが起動し、圧縮試験を開始し、圧縮に伴い、ゴム試料は一定の圧縮永久歪みが発生し、圧力センサによって検出された圧縮応力が次第に小さくなることを引き起こし、試料は同じ圧縮歪みが発生した場合、圧縮時間に伴う圧縮応力、試料のコア部中心温度及び試料の底部温度の変化を試験する。
【発明の効果】
【0030】
本発明の圧縮発熱検出器は以下の利点を有する。
(1)垂直方向の圧縮
図9に示すように、圧縮モータの出力軸は1つのストローク調節機構、連結ロッド、端部連結部品を介して2本の長いガイドシャフトに接続され、モータを起動したとガイドシャフトを垂直方向に沿って移動させ、それによって押さえ板が垂直方向に沿って上下往復移動することを実現し、ゴム試料を圧縮し、且つ圧力センサで圧縮荷重を検出する。
【0031】
(2)垂直方向の補償
一定時間試験した後、ゴム試料は一定程度の圧縮永久歪みが生じ、試験データを正確にさせるために、補償モータ及びリードスクリュー構造でゴム試料の圧縮永久歪みを補償し、構造原理は図5、11に示すとおりである。ゴム試料は中間サポート、遷移カラム、圧力センサ及び受け板を介してリードスクリューナットに接続される。補償モータがカップリングでリードスクリューを回転させる場合、リードスクリューナット及び受け板でゴム試料を駆動して垂直方向に沿って微小な変位を実現することができ、これでゴム試料の圧縮永久歪み量を補償する。
【0032】
ゴム試料の圧縮方向及び補償方向がずっと垂直方向であるため、試料の下表面と圧力に耐える上表面もずっと平行であり、実際の動作状態を正確にシミュレーションすることができる。
【0033】
(3)試料のコア部の中心温度及び試料の底部温度を同時に検出することができ、温度センサを置く位置は図9に示すとおりである。
【0034】
コア部中心温度センサ同期装置は、コア部中心温度センサ、スプリングトップシート、スプリングベース、アッパスプリング、ロアスプリング及び温度センサ固定用リングを含む。同期装置全体は第1の遷移カラムと同じまたは類似の力学的性質(最も好ましくは第1の遷移カラムと同じ材料、同じ直径寸法である)を有する第2の遷移カラム及び圧力センサと同じまたは類似の力学的性質(最も好ましくは圧力センサと同じ材料、同じ形状である)を有する受圧ブロックを介して垂直圧縮装置の押さえ板と垂直補償装置の受け板との間に取り付けられ、第2の遷移カラムはちょうど中間サポートの穴を貫通するが、ゴム試料の圧縮応力試験に対する圧力センサの正確性に影響を与えない。
【0035】
スプリング同期装置全体の高さは上、下断熱板の高さと同じであり、ゴム試料は圧縮歪みが発生する場合、上、下スプリングは同様な歪みが発生し、スプリング同期装置の中部に位置する温度センサは圧縮過程において垂直方向がずっとゴム試料の中心位置に位置する。温度センサとセンサ固定用リングとの間はねじ山によって接続固定され、圧縮過程において、水平方向が変わらない。そのため全体の実験過程において、ゴム試料がいくら変形しても、コア部中心温度センサのエンドポイントはずっとゴム試料の中心位置に位置する。構造原理は図12に示すとおりである。
【0036】
底部温度センサはねじ山によって斜め上45°方向に沿って試料の中間サポートに接続固定され、ゴム試料の下断熱板及び下受け板に対応する位置に穿孔し、底部温度センサのプローブを突き出し、ちょうどゴム試料の底部と接触させれば、圧縮過程におけるゴム試料底部の温度変化をリアルタイムに監視することができる。構造原理は図14に示すとおりである。
【図面の簡単な説明】
【0037】
図1】従来の圧縮発熱装置の動作原理図である
図2】従来の圧縮発熱装置の力学モデルである
図3】試料の上、下表面が平行ではない模式図である
図4】温度測定ワイヤの位置変化模式図である
図5】本発明の圧縮発熱検出器の斜視図である
図6】本発明の圧縮発熱検出器の正面図である
図7】本発明の圧縮発熱検出器の平面図である
図8】本発明の圧縮発熱検出器の左側正面図である
図9】本発明の圧縮発熱検出器の垂直圧縮原理図である
図10】本発明の圧縮発熱検出器のストローク調節原理図である
図11】本発明の圧縮発熱検出器の垂直補償原理図である
図12】本発明の圧縮発熱検出器のコア部中心温度センサ同期装置の構造模式図である
図13】本発明の圧縮発熱検出器のコア部中心温度センサ同期装置の構造分解模式図である
図14】本発明の圧縮発熱検出器の底部温度センサの位置断面模式図である
【発明を実施するための形態】
【0038】
本発明は1セット又は複数セット(最も好ましくは2セットである)の独立に運転可能な検出ユニットを含み、各独立した検出ユニットは1セットの垂直圧縮装置、1セットの垂直補償装置及びコア部中心温度センサ同期装置を含む。
【0039】
図6に示すように、そのうちの1セットの検出ユニットを例とし、垂直圧縮装置及び垂直補償装置がトップフレーム8にそれぞれ固定され、垂直圧縮装置の長いガイドシャフト17はトップフレーム8に対応する穴に沿って垂直ガイドを行い、垂直補償装置のリードスクリュー下軸受け箱23、上軸受け箱27がトップフレーム8にそれぞれ固定され、同様に、2本の短いガイドシャフト28もトップフレーム8にそれぞれ固定され、コア部中心温度センサ同期装置が垂直圧縮装置の押さえ板18と垂直補償装置の受け板26との間に取り付けられる。
【0040】
図5〜9に示すように、そのうちの1セットの垂直圧縮装置を例とし、ベース11、圧縮モータブラケット12、圧縮モータ13、端部連結部品14、連結ロッド15、ストローク調節機構16、長いガイドシャフト17、押さえ板18などの機構を含み、ここで、圧縮モータ13が圧縮モータブラケット12に取り付けられ、且つベース11に固定され、圧縮モータ13の出力軸が1つのストローク調節機構16及び連結ロッド15を介して端部連結部品14に接続され、長いガイドシャフト17の両端が端部連結部品14及び押さえ板18にそれぞれ接続され、圧縮モータを起動して回転させる場合、長いガイドシャフト17が垂直方向に沿って往復移動することを実現することができ、更に押さえ板18を駆動してゴム試料を圧縮する。
【0041】
図5〜8、11に示すように、そのうちの1セットの垂直補償装置を例とし、補償モータ21、補償モータブラケット22、リードスクリュー下軸受け箱23、リードスクリュー24、リードスクリューナット25、受け板26、リードスクリュー上軸受け箱27、短いガイドシャフト28、カップリング29などの機構を含み、補償モータ21が補償モータブラケット22を介して装置のトップフレーム8に接続され、補償モータ出力軸がカップリング29を介してリードスクリュー24に直接接続され、リードスクリューナット25が受け板26に接続され、且つ2本の短いガイドシャフト28によって垂直ガイドを行い、補償モータ21を起動して回転させる場合、リードスクリュー24を回転させ、リードスクリューナット25の作用により、受け板26が垂直方向に沿って直線運動することを実現することができ、且つゴム試料73の圧縮歪みに補償を行い、垂直補償装置の補償量は変位センサ51及び誘導ブロック52によって検出され且つ制御され、変位センサ51がトップフレーム8に取り付けられ、固定され、誘導ブロック52が受け板26に取り付けられ、受け板26とともに垂直方向に沿って上下移動する。本発明はボールリードスクリュー及びリードスクリューナット構造を採用し、通常のスクリュー及びナットで代えることもでき、同様に垂直補償の機能を実現することができる。
【0042】
図9に示すように、押さえ板18は長いガイドシャフト17とともに垂直往復移動し、ゴム試料73に対する高周波圧縮を実現することができ、押さえ板18の圧縮ストロークはストローク調節機構16の偏心距離eによって決まり、両者間の関係が圧縮ストローク=2eであるため、ストローク調節機構16の偏心距離eを変更することによって押さえ板18の圧縮ストロークを調節することができる。
【0043】
図10に示すように、ストローク調節機構16の偏心距離eの調節原理図である。ストローク調節機構16はボルト161、166、ダブルナット162、165、スライダ163及び偏心回転テーブル164などの構造からなる。ボルト161及び166を調節することにより、スライダ163を偏心回転テーブル164の内部にスライドさせ、それによって一定量の偏心距離eを生じさせ、偏心距離eを調節した後、ダブルナット162及び165をしっかり締め、偏心距離eを固定し、且つ振動による偏心距離eの変化を効果的に防止できる。
【0044】
図5、11に示すように、圧力センサ61が遷移カラム63を介してゴム試料の中間サポート82と受け板26との間に取り付けられ、試験を開始する前に、押さえ板18を最も高い位置に置き、予荷重を設定した後、補償モータ21によって受け板26、ゴム試料の中間サポート82及びゴム試料73を上へ移動させ、ゴム試料73を押して予変形を生じさせ、予荷重を与える。予荷重値の大きさは圧力センサ61によって検出され、予め設定された予荷重値に達した後、補償モータ21は動作を停止し、圧縮モータ13を起動し、ゴム試料73を圧縮し始める。全体の高周波圧縮の過程において、押さえ板18とゴム試料73はずっと接触状態にあり、離脱が発生しない。そのため、圧力センサ61によって検出された圧力値は変動を呈し、波の谷の最小値は即ち予荷重値である。ゴム試料73は圧縮永久歪みが発生した後、押さえ板18の圧縮ストロークが不変であるため、圧力センサ61によって検出された圧力最小値(即ち予荷重値)は小さくなり、この時に補償モータ21の起動を制御し、受け板26を上へ移動させ、ゴム試料73が発生した圧縮永久歪みを補償する。予荷重値が初期設定値に再度戻ると、補償モータ21は動作を停止し、一次補償動作を完成する。補償量は変位センサ51及び誘導ブロック52によって検出されて得られる。
【0045】
図12に示すように、コア部中心温度センサ同期装置であって、コア部中心温度センサ72、スプリングベース74、スプリングトップシート75、ロアスプリング76、アッパスプリング77、センサ固定用リング78などからなり、この構造の分解模式図は図13に示すとおりである。圧縮試験を開始する前に、ゴム試料73を中心位置に沿って穿孔し、且つコア部中心温度センサ72のプローブ部分をゴム試料73の中心穴に挿入すれば、ゴム試料73のコア部中心温度を測定することができる。この同期装置において、アッパスプリング77及びロアスプリング76はまったく同じで、圧縮振動過程において、上、下2つのスプリングの圧縮歪みがまったく同じであることを保証でき、センサ固定用リング78及びセンサ72を垂直方向にずっとゴム試料73の中心位置に位置させることができる。センサ固定用リング78がスプリングトップシート75及びスプリングベース74のガイドアーム円筒外部にスリーブされ、コア部中心温度センサの末端にM4雄ねじが付き、スプリングベース74及び固定用リング78を貫通した後、1つのM4ナットでしっかり締めれば圧縮振動過程において、コア部中心温度センサが水平方向に変位しないことを保証することができ、且つゴム試料73のコア部中心温度をずっと検出する。
【0046】
コア部中心温度センサ同期装置が遷移カラム63と同じまたは類似の力学的性質(最も好ましくは遷移カラム63と同じ材料、同じ直径寸法である)を有する遷移カラム67及び圧力センサ61と同じまたは類似の力学的性質(最も好ましくは圧力センサ61と同じ材料、同じ形状である)を有する受圧ブロック65を介して垂直圧縮装置の押さえ板18と垂直補償装置の受け板26との間に取り付けられ、スプリングベース74の底部と試料の下断熱板81の底部とは同じ水平に位置し、受け板26が上下移動する場合に、アッパスプリング77及びロアスプリング76の歪み及びゴム試料73の歪みを完全に同期させることを保証し、遷移カラム67はちょうど中間サポート82の穴を貫通するが、ゴム試料73の圧縮応力試験に対する圧力センサ61の正確性に影響を与えない。
【0047】
圧縮過程において、ゴム試料73が金属(又は熱伝導率が良好な材料)と完全に接触すれば、圧縮による熱量は外部に伝達し、試験結果に影響を与える。そのため、本発明において、断熱板80、81は断熱性が良好で且つ硬度が高い材料(例えばフェノール樹脂材料であるがこれに限定されるものではない)で断熱を行い、高硬度を有し、圧縮量に影響を及ぼさず、良好な耐熱性を有し、温度の測定に影響を及ぼさない。
【0048】
図9に示すように、底部温度センサ71はねじ山によって斜め上45°方向に沿ってゴム試料の中間サポート82に接続固定され、その詳細な位置断面図は図14に示すとおりであり、ゴム試料の中間サポート82に対応する位置にM4雌ねじ穴が設計され、下断熱板81及び下受け板79に対応する位置に1つの細長い孔が設計され、底部温度センサ71をねじ山によってゴム試料の中間サポート82に固定する場合、底部温度センサのプローブはちょうど下断熱板81及び下受け板79の細長い孔を通過し、ゴム試料の底部と接触すれば、圧縮過程におけるゴム試料底部の温度変化をリアルタイムに監視することができる。図13に示すように、底部温度センサの構造はコア部中心温度センサの構造と類似する。
図1
図2
図3
図4(a)】
図4(b)】
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14