(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記表示制御部は、前記中間値インジケータと前記測定値インジケータとの表示位置の距離に応じて、前記測定値表示領域の配色を変化させることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の測定結果表示装置。
前記表示制御部は、前記中間値インジケータと前記測定値インジケータとの表示位置の距離に応じて、前記測定値表示領域を線形に変化させることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の測定結果表示装置。
前記表示制御部は、前記測定値が前記測定項目に応じた許容範囲内にない場合には、前記測定値が該許容範囲内にある場合と比較して大きく異なるように、前記測定値表示領域を変化させることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載の測定結果表示装置。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、このような従来の技術は、測定器によって測定された各測定項目の測定値と閾値などの許容値との間に、どの程度の差異があるのかを判別可能な状態で一覧させることができないといった課題があった。
【0005】
本発明は、このような課題を解決するためになされたもので、測定器によって測定された各測定項目の測定値と許容値との間に、どの程度の差異があるのかを判別可能な状態で一覧させることができる測定結果表示装置及び測定結果表示方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の測定結果表示装置は、測定器(10)による複数の測定項目の測定結果を表示装置(12)にグラフィカルに表示させる測定結果表示装置において、前記複数の測定項目の測定結果をそれぞれ表す複数の測定結果画像(20)を前記表示装置に配列して表示させる表示制御部(13)と、前記測定項目に応じた許容上限値及び許容下限値が記憶された記憶部(11)と、を備え、前記表示制御部は、前記測定結果画像として、所定の広さを持つ囲まれた領域であって、当該領域内の一部領域を他の領域と差別化表示して測定値表示領域(27)として表示させ、この測定値表示領域の広さを所定の基準位置を始点に法則性を持って増減させることにより前記測定器によって測定された測定値の増減が表現可能とされた枠領域(24)と、前記許容上限値と前記許容下限値の中間値を表すインジケータであって、前記所定の基準位置に表わされる中間値インジケータ(26)と、前記許容上限値または前記許容下限値のいずれか一方の許容値を表すインジケータであって、前記中間値インジケータから前記測定値表示領域の増減方向に所定距離離れた位置に表わされる許容値インジケータ(28)とを表示させ、また、前記測定値表示領域の増減端である測定値インジケータ(23)の位置を、前記中間値インジケータと前記許容値インジケータに対して前記測定値から定まる位置に設定し、さらに、前記中間値インジケータと前記測定値インジケータとの前記測定値表示領域の増減方向における距離に応じて、前記測定値表示領域の表示を変化させる構成を有している。
【0007】
この構成により、本発明の測定結果表示装置は、測定結果画像における予め定められた表示位置に中間値インジケータ、及び許容値を示す位置としての許容値インジケータを配置し、許容値インジケータの表示位置と、測定器によって測定された測定値とから算出される表示位置に測定値インジケータを配置し、中間値インジケータと測定値インジケータとの表示位置の差に応じて、測定値表示領域の表示態様を決定するため、測定器によって測定された各測定項目の測定値と許容値との間にどの程度の差異があるのかを、視覚的に判別可能な状態で一覧させることができる。
【0008】
また、本発明の測定結果表示装置は、測定結果画像において、中間値インジケータから許容上限値及び許容下限値のいずれか一方の許容値側を表示装置に表示させるため、中間値インジケータから許容上限値側と許容下限値側の双方を表示装置に表示させるよりも、高い解像度で測定結果を表示装置に表示させることができる。
【0009】
なお、前記表示制御部は、前記測定結果画像として、前記枠領域を矩形状とし、当該矩形の所定の一辺を前記中間値インジケータとし、当該中間値インジケータと所定距離離れた位置に平行に表わす線を前記許容値インジケータとし、前記測定値表示領域を、前記所定の一辺を始点として前記許容値インジケータと交差する方向に増減させるようにしてもよい。
【0010】
また、前記表示制御部は、前記測定結果画像として、前記枠領域を円状とし、当該円状とした前記枠領域を取り囲んで囲み線領域(29)をさらに表示させ、前記測定値表示領域を、前記円状の枠領域の所定の半径位置を前記所定の基準位置として円グラフ状に増減させ、前記囲み線領域の一方端を前記中間値インジケータとして前記所定の半径位置に並べて配置するとともに、前記囲み線領域における前記中間値インジケータから円周方向に所定距離離れた位置を前記許容値インジケータに設定するようにしてもよい。
【0011】
また、前記表示制御部は、前記中間値インジケータと前記測定値インジケータとの表示位置の距離に応じて、前記測定値表示領域の配色を変化させるようにしてもよい。
【0012】
この構成により、本発明の測定結果表示装置は、測定器によって測定された測定値が許容範囲内にあるか否かを測定値表示領域の配色により視認させることができる。
【0013】
また、前記表示制御部は、前記中間値インジケータと前記測定値インジケータとの表示位置の距離に応じて、前記測定値表示領域を線形に変化させるようにしてもよい。
【0014】
この構成により、本発明の測定結果表示装置は、測定器によって測定された測定値がどの程度中間値から離れているかを測定値表示領域の配色により視認させることができる。
【0015】
また、前記表示制御部は、前記測定値が前記測定項目に応じた許容範囲内にない場合には、前記測定値が該許容範囲内にある場合と比較して大きく異なるように、前記測定値表示領域を変化させるようにしてもよい。
【0016】
この構成により、本発明の測定結果表示装置は、測定器によって測定された測定値が許容範囲内にない場合には、測定器によって測定された測定値が許容範囲内にある場合と比較して大きく異なるように、測定値表示領域の表示態様を決定するため、測定器によって測定された測定値が許容範囲内にあるか否かを測定値表示領域の変化により視認させることができる。
【0017】
また、本発明の測定結果表示方法は、測定結果表示装置を用いて、測定器(10)による複数の測定項目の測定結果を表示装置(12)にグラフィカルに表示させる測定結果表示方法において、前記複数の測定項目の測定結果をそれぞれ表す複数の測定結果画像(20)を前記表示装置に配列して表示させる表示制御ステップを有し、前記測定結果表示装置は、前記測定項目に応じた許容上限値及び許容下限値が記憶された記憶部(11)を備え、前記表示制御ステップでは、前記測定結果画像として、所定の広さを持つ囲まれた領域であって、当該領域内の一部領域を他の領域と差別化表示して測定値表示領域(27)として表示させ、この測定値表示領域の広さを所定の基準位置を始点に法則性を持って増減させることにより前記測定器によって測定された測定値の増減が表現可能とされた枠領域(24)と、前記許容上限値と前記許容下限値の中間値を表すインジケータであって、前記所定の基準位置に表わされる中間値インジケータ(26)と、前記許容上限値または前記許容下限値のいずれか一方の許容値を表すインジケータであって、前記中間値インジケータから前記測定値表示領域の増減方向に所定距離離れた位置に表わされる許容値インジケータ(28)とを表示させ、また、前記測定値表示領域の増減端である測定値インジケータ(23)の位置を、前記中間値インジケータと前記許容値インジケータに対して前記測定値から定まる位置に設定し、さらに、前記中間値インジケータと前記測定値インジケータとの前記測定値表示領域の増減方向における距離に応じて、前記測定値表示領域の表示を変化させる。
【0018】
このように、本発明の測定結果表示方法は、測定結果画像における予め定められた表示位置に中間値インジケータ、及び許容値を示す位置としての許容値インジケータを配置し、許容値インジケータの表示位置と、測定器によって測定された測定値とから算出される表示位置に測定値インジケータを配置し、中間値インジケータと測定値インジケータとの表示位置の差に応じて、測定値表示領域の表示態様を決定するため、測定器によって測定された各測定項目の測定値と許容値との間にどの程度の差異があるのかを、視覚的に判別可能な状態で一覧させることができる。
【0019】
また、本発明の測定結果表示方法は、測定結果画像において、中間値インジケータから許容上限値及び許容下限値のいずれか一方の許容値側を表示装置に表示させるため、中間値インジケータから許容上限値側と許容下限値側の双方を表示装置に表示させるよりも、高い解像度で測定結果を表示装置に表示させることができる。
【発明の効果】
【0020】
本発明は、測定器によって測定された各測定項目の測定値と許容値との間にどの程度の差異があるのかを、視覚的に判別可能な状態で一覧させることができる測定結果表示装置及び測定結果表示方法を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して説明する。なお、本実施の形態においては、光スペクトラムアナライザ装置に本発明の測定結果表示装置を適用した例について説明する。
【0023】
図1に示すように、光スペクトラムアナライザ装置1は、光ケーブル2を介して入力された光信号の各種測定項目を測定する測定器としての測定部10と、測定部10の測定項目に応じた許容上限値及び許容下限値が記憶された記憶部11と、表示装置としての表示部12と、測定部10による複数の測定項目の測定結果をそれぞれ表す複数の測定結果画像を表示部12に配列して表示させる表示制御部13と、測定項目、並びに、記憶部11に記憶された各測定項目に応じた許容上限値及び許容下限値などを設定させる設定部14とを含んで構成される。
【0024】
本実施の形態における光スペクトラムアナライザ装置1は、光ケーブル2を介して入力された光信号のスペクトル波形を取得するための光学モジュールが設けられたコンピュータ装置(不図示)によって構成される。このコンピュータ装置は、CPU(Central Processing Unit)と、ROM(Read Only Memory)と、RAM(Random Access Memory)と、ハードディスク装置やフラッシュメモリなどの不揮発性記憶媒体とを有する。
【0025】
このコンピュータ装置のROM及び不揮発性記憶媒体には、コンピュータ装置を光スペクトラムアナライザ装置1として機能させるためのプログラムが格納されている。すなわち、CPUがRAMを作業領域としてROM及び不揮発性記憶媒体に格納されたプログラムを実行することにより、当該コンピュータ装置は、光スペクトラムアナライザ装置1として機能する。
【0026】
本実施の形態において、測定部10及び表示制御部13は、CPUによって構成される。なお、測定部10は、FPGA(Field-programmable gate array)や集積回路などの他のデバイスによって構成してもよい。
【0027】
記憶部11は、RAM又は不揮発性記憶媒体などの記憶媒体によって構成される。表示部12は、当該コンピュータ装置に一体、又は、着脱可能に設けられた表示装置によって構成される。設定部14は、当該コンピュータ装置に一体、又は、着脱可能に設けられたキーボード装置やポインティングデバイスなどの入力装置によって構成される。
【0028】
測定部10は、光ケーブル2を介して入力された光信号に対して、「Power」(光信号のパワーレベル[dBm])、「OSNR」(Optical Signal to Noise Ratio、信号/ノイズ比[dB])、「Noise」(ノイズのパワーレベル[dBm])、「Δλ」(波長のシフト量[nm])及び「BW 3dB」(パワーの最大値から3dB低いレベルの波長幅[nm])などの各種測定項目の測定値を、波長(λ)ごとに掃引しながら解析することにより測定し、記憶部11を構成する記憶媒体などに各種測定項目の測定値を格納するようになっている。
【0029】
記憶部11には、各種測定項目に応じた許容上限値及び許容下限値などの許容値が記憶されている。ここで、測定項目によっては、許容値として許容上限値又は許容下限値が規定されない測定項目がある。
【0030】
例えば、「OSNR」は、許容下限値が規定されるが、許容上限値が規定されない。逆に、「BW 3dB」は、許容上限値が規定されるが、許容下限値が規定されない。このため、記憶部11には、各種測定項目の許容上限値及び許容下限値が有効であるか否かを示すフラグが格納されている。
【0031】
なお、各種測定項目に応じた許容上限値及び許容下限値は、後述するように表示制御部13によって参照されるため、有効であるか否かに関わらず、記憶部11に記憶されている。
【0032】
例えば、許容上限値が有効であり、許容下限値が無効である場合には、測定項目に応じた定数を許容上限値に対して減算した値が許容下限値として記憶部11に記憶されている。また、許容上限値が無効であり、許容下限値が有効である場合には、測定項目に応じた定数を許容下限値に対して加算した値が許容上限値として記憶部11に記憶されている。
【0033】
なお、各種測定項目に応じた許容上限値及び許容下限値、並びに、これら許容上限値及び許容下限値が有効であるか否かを示すフラグは、設定部14によって、不揮発性記憶媒体などに記憶された複数のプリセットの中から選択できるようにしてもよいし、あるいは個別に入力できるようにしてもよい。
【0034】
表示制御部13は、例えば、
図2に示すように、記憶部11などに記憶された複数の測定項目の測定結果をそれぞれ表す複数の測定結果画像20を同一の大きさで表示部12に配列して測定結果画像一覧100の形で表示させるようになっている。ここでは、縦方向が各種測定項目、横方向がλでの一覧になっている。なお、以下の説明は測定結果画像一覧100中の1つの測定結果画像20を用いて説明していく。
【0035】
図3に示すように、各測定結果画像20は、主に測定結果を表す枠状の枠領域としての表示可能領域24と、測定項目に応じて記憶部11に記憶された許容上限値及び許容下限値をそれぞれ表す許容上限値インジケータ21及び許容下限値インジケータ22と、測定部10によって測定された測定値を表す測定値インジケータ23とを含む。
【0036】
表示制御部13は、測定結果画像20における予め定められた表示位置に許容上限値インジケータ21及び許容下限値インジケータ22を配置する。この許容上限値インジケータ21と許容下限値インジケータ22の表示位置は、各測定結果画像20間で共通している。また、表示制御部13は、許容上限値及び許容下限値と、許容上限値インジケータ21及び許容下限値インジケータ22の表示位置と、測定部10によって測定された測定値と、から算出される表示位置に測定値インジケータ23を配置する。
【0037】
すなわち、表示制御部13は、許容上限値インジケータ21及び許容下限値インジケータ22の表示位置に対する相対的な表示位置に測定値インジケータ23を配置する。具体的には、許容上限値をVu、許容下限値をVbとし、許容上限値インジケータ21の表示位置をYu、許容下限値インジケータ22の表示位置をYbとし(ここでの表示位置とは表示可能領域24の縦方向における位置を指す。以下のYmも同じ。)、測定部10によって測定された測定値をVmとすると、表示制御部13は、以下の式にしたがって、測定値インジケータ23の表示位置Ymを算出する。
【0038】
Ym={(Vm−Vb)/(Vu−Vb)}×(Yu−Yb)+Yb
【0039】
つまり、表示可能領域24の縦方向を1次元グラフの軸方向と見立て、許容上限値インジケータ21と許容下限値インジケータ22の表示位置に対して相対する位置に測定値インジケータ23を表示したものである。
【0040】
表示制御部13は、
図3に示したように、許容上限値インジケータ21、許容下限値インジケータ22及び測定値インジケータ23の各インジケータが示す位置が明確に判別できる態様であれば、線、矢印又は多角形などのいかなる態様で各インジケータを表示してもよい。例えば、
図3においては、表示制御部13は、許容上限値インジケータ21及び許容下限値インジケータ22を三角形で表示可能領域24外に表示し、測定値インジケータ23を所定の線幅を持つ線で表示している。
【0041】
これに対し、表示制御部13は、例えば、
図4に示すように、許容上限値インジケータ21と許容下限値インジケータ22を表示可能領域24内にそれぞれ線で表示するようにしてもよい。
【0042】
表示制御部13は、測定部10によって測定された測定値が測定項目に応じた許容範囲内にあるか否かを測定値インジケータ23の表示可能領域24の配色で表す。例えば、表示制御部13は、
図5に示すように、測定部10によって測定された測定値が許容範囲内にある場合には、OKを示す意味合いとしての緑色で表示可能領域24を配色し(
図5(a))、測定値が許容範囲内にない場合には、警告を示す意味合いとしての赤色で表示可能領域24を配色する(
図5(b))。
【0043】
ここで、表示制御部13は、各測定結果に対して記憶部11に格納された許容上限値及び許容下限値並びに各種測定項目の許容上限値及び許容下限値が有効であるか否かを示すフラグに基づいて、各種測定項目に応じた許容範囲を特定する。
【0044】
すなわち、許容上限値及び許容下限値が有効であることを各フラグが示す場合には、表示制御部13は、許容上限値と許容下限値との間を許容範囲とする。許容上限値が有効であり、許容下限値が有効でないことを各フラグが示す場合には、表示制御部13は、許容上限値以下を許容範囲とする。許容上限値が有効でなく、許容下限値が有効であることを各フラグが示す場合には、表示制御部13は、許容下限値以上を許容範囲とする。
【0045】
これに伴い、表示制御部13は、許容上限値及び許容下限値のうちいずれか一方が有効でない許容値である場合には、許容上限値又は許容下限値のうち有効でない許容値を表すインジケータ21または22を表示部12に表示させないようになっている。
【0046】
具体的には、許容上限値が有効であり、許容下限値が有効でないことを各フラグが示す場合には、表示制御部13は、
図6(a1)、(a2)に示すように、許容上限値インジケータ21を表示状態にし、許容下限値インジケータ22を非表示状態にする。なお、本図は
図5と同じくそれぞれOKと警告の状態を表わしている。
【0047】
許容上限値が有効でなく、許容下限値が有効であることを各フラグが示す場合には、表示制御部13は、
図6(b1)、(b2)に示すように、許容上限値インジケータ21を非表示状態にし、許容下限値インジケータ22を表示状態にする。こちらも同じくOKと警告の状態をそれぞれ表わしている。
【0048】
また、
図7(a)、(b)に示すように、表示制御部13は、測定部10によって測定された測定値が測定項目に応じた許容範囲内にあるか否かを、表示可能領域24全体での色表示に代えて測定値インジケータ23の配色で表すようにしてもよい。こちらも同じくそれぞれOKと警告の状態を表わしている。
【0049】
さらに、
図8(a)、(b)に示すように、表示制御部13は、各測定結果画像20に判定結果表示器25をさらに含むようにし、測定部10によって測定された測定値が測定項目に応じた許容範囲内にあるか否かを、表示可能領域24全体での色表示に代えて判定結果表示器25の配色で表すようにしてもよい。こちらも同じくそれぞれOKと警告の状態を表わしている。
【0050】
なお、測定値インジケータ23が表される表示可能領域24は、
図3ないし
図8に示したような矩形に限られるものではない。例えば、
図9に示すように、表示可能領域24を横方向配置として矩形から変形させた扇形状としてもよい。これは、後述する実施形態についても同様である。
【0051】
なお、表示可能領域24、測定器インジケータ23、および判定結果表示器25の色表示の変化を、後述する実施形態のように線形に変化させるようにしてもよい。
【0052】
上述した説明において、表示制御部13は、許容上限値インジケータ21、許容下限値インジケータ22及び測定値インジケータ23の表示位置によって、複数の測定項目の測定結果に対して、各測定項目の測定値と許容上限値及び許容下限値との間に、どの程度の差異があるのかを一覧させるようにしていたが、各測定項目の測定値と許容上限値及び許容下限値との間にどの程度の差異があるのかを、測定結果画像20の特定の領域の配色により一覧させるようにしてもよい。
【0053】
例えば、
図10に示すように、表示制御部13は、表示可能領域24を横方向配置とし、測定項目に応じて記憶部11に記憶された許容上限値及び許容下限値の中間値を表す中間値インジケータ26を、予め定められた位置、具体的には、許容上限値インジケータ21と許容下限値インジケータ22との中間位置に更に配置する。各インジケータは表示可能領域24を縦方向に横断した線状で表示されており、そして中間値インジケータ26と測定値インジケータ23とで挟まれる領域である測定値表示領域27を色付けする。
【0054】
表示制御部13は、中間値インジケータ26と測定値インジケータ23との表示位置の距離に応じて、測定値表示領域27の配色を線形に変化させる。つまり、表示可能領域24の横方向を1次元グラフの軸方向と見立て、許容上限値インジケータ21と許容下限値インジケータ22の表示位置に対して相対する位置に測定値インジケータ23を表示し、さらに中間値インジケータ26と測定値インジケータ23とで挟まれる領域(測定値表示領域27)の色を、測定値インジケータ23の表示位置に伴って変化させるようにしたものである。
【0055】
例えば、表示制御部13は、中間値インジケータ26と測定値インジケータ23との表示位置の距離が0に近い場合には、測定値表示領域27を緑色で配色し、中間値インジケータ26と測定値インジケータ23との表示位置の距離が大きくなるにつれて、緑色から黄色に徐々に変化するように測定値表示領域27を配色する。
【0056】
具体的には、中間値インジケータ26と測定値インジケータ23との表示位置の距離が0に近い場合には、RGB=(0,255,0)で測定値表示領域27を配色し、中間値インジケータ26と測定値インジケータ23との表示位置の距離に応じて測定値表示領域27のR成分を設定して、測定値インジケータ23と許容上限値インジケータ21又は許容下限値インジケータ22との表示位置との距離が0に到達した場合には、RGB=(255,255,0)で測定値表示領域27を配色する。
【0057】
図10では、(a)から(d)に向かって徐々に中間値インジケータ26と測定値インジケータ23との表示位置の距離が大きくなる態様を示している。当該距離が0に近い場合には測定値表示領域27は緑色となっており((a))、当該距離が徐々に大きくなると測定値表示領域27は黄緑色→黄色と徐々に変化し((b)→(c))、当該距離がさらに大きくなって許容下限値インジケータ22を超えると測定値表示領域27は赤色に変化する((d))。
【0058】
なお、線形に変化させる色成分は上述したものに限るものではなく、他の色成分でも良いことは言うまでも無い。また明度又は彩度などの他の要素を変化させるようにしてもよい。
【0059】
表示制御部13は、測定部10によって測定された測定値が測定項目に応じた許容範囲内にない場合には、許容範囲内にある場合と比較して大きく異なるように、つまりは範囲外となっていることを操作者が識別しやすいように、測定値表示領域27の配色とするのが好ましい。例えば、上述した例において、表示制御部13は、測定部10によって測定された測定値が許容範囲内にない場合には、赤色、すなわち、RGB=(255,0,0)で測定値表示領域27を配色する。
【0060】
また、本実施の形態においては、表示制御部13が、中間値インジケータ26と測定値インジケータ23との表示位置の距離に応じて、測定値表示領域27の配色を特定の色成分(上述した例では、R成分)を徐々に変化させる例を説明したが、中間値インジケータ26と測定値インジケータ23との表示位置の距離に応じて段階的に変化させるようにしてもよい。例えば、測定値インジケータ23が、中間値インジケータ26の近傍にある場合には緑色、許容上限値インジケータ21又は許容下限値インジケータ22の近傍になった場合には黄緑色、許容上限値インジケータ21又は許容下限値インジケータ22に到達する直前で黄色、到達した以降は赤色、のようにしてもよい。
【0061】
なお、本実施の形態において、測定値=中間値となって測定値表示領域27が発生しない場合には、中間値インジケータ26の背後に中間値インジケータ26よりも太い線を表示させ、当該太線を緑色で表示させて認識させるようにしてもよい。
【0062】
上述した説明において、表示制御部13は、許容上限値及び許容下限値を表す許容上限値インジケータ21及び許容下限値インジケータ22を共に含んだ測定結果画像20を表示部12に表示させるようにしていた。しかし、測定部10によって測定された測定値は、中間値より許容上限値側又は許容下限値側のいずれか一方側に必ず片寄る(ただし測定値=中間値である場合は除く)。
【0063】
このため、
図11に示すように、表示制御部13は、測定項目に応じて記憶部11に記憶された許容上限値及び許容下限値のいずれか一方の許容値を表す許容値インジケータ28と、中間値インジケータ26と、測定値インジケータ23と、を含む測定結果画像20を表示部12に表示させるようにしてもよい。つまりは、
図10で説明した態様において、片寄った側のみを表示させるようにしたものである。
【0064】
図11(a1)〜(a4)は、許容下限値側のみを表示させるようにした態様である。この場合は、表示可能領域24の右辺が中間値インジケータ26をなす。この右辺から所定距離離れた位置に、許容下限値インジケータ22としての許容値インジケータ28を表示させる。(a1)から(a4)に向かうにしたがい、測定値がマイナス方向に徐々に増加している状態を示す。換言すれば、基準位置としての右辺を始点として測定値表示領域27の広さが左方向に徐々に広くなっている。
【0065】
一方、
図11(b1)〜(b4)は、許容上限値側のみを表示させるようにした態様であり、この場合は表示可能領域24の左辺が中間値インジケータ26をなす。この左辺から所定距離離れた位置に、許容上限値インジケータ21としての許容値インジケータ28を表示させる。(b1)から(b4)に向かうにしたがい、測定値がプラス方向に徐々に増加している状態を示す。
【0066】
測定値インジケータ23の位置は、前述した実施態様と同様の考え方で、中間値インジケータ26(右辺または左辺)と許容値インジケータ28の位置と測定値とから定める。
【0067】
この
図11に示した表示例においても、
図10に示した例と同様に、表示制御部13は、中間値インジケータ26と測定値インジケータ23との表示位置の差に応じて、中間値インジケータ26と測定値インジケータ23との間の測定値表示領域27の配色を決定する。
【0068】
なお、本実施の形態において、測定値=中間値となって測定値表示領域27が生じない場合には、中間値インジケータ26である右辺または左辺の背後に当該辺よりも太い線を表示させ、当該太線を緑色で表示するようにしてもよい。
【0069】
図11の態様の変形態様を
図12に示す。本態様では、表示可能領域24を円状とし、この表示可能領域24を取り囲む囲み線領域29を新たに設けている。この囲み線領域29は、円中心から離れる方向に所定幅を有している。
【0070】
図12(a)、(b)は許容上限値側を表示させた態様である。測定値表示領域27は円グラフ状に増減表示されるようになっており、12時の半径位置から時計回りにその広さが増減する。測定値表示領域27の始点位置に合わせて囲み線領域29の始点端が配置され、これが中間値インジケータ26をなす。そして中間値インジケータ26から円周方向に所定角度で所定距離離れた位置に区切りを設け、これが許容上限値インジケータ21としての許容値インジケータ28をなす。
【0071】
囲み線領域29の終点端は、表示可能領域24の全周に到達する手前まで延びている。この12時の位置から左側に空間が存在することで、
図12(a)、(b)が許容上限値側を表示させた態様であることが読み取れるようになっている。
図12(c)は許容下限値側を表示させた態様である。この場合は(a)、(b)と勝手違いの表示になっている。そして
図11の態様と同様に、測定値表示領域27の移動端である測定値インジケータ23と中間値インジケータ26との距離(この場合は円周上の距離)によって、測定値表示領域27の表示が変化する。
【0072】
なお、本実施の形態において、測定値=中間値となって測定値表示領域27が発生しない場合には、測定値表示領域27の始点となるべき半径位置を太線表示として当該太線を緑色で表示するようにしてもよい。
【0073】
また、
図3ないし
図8に示した各測定結果画像20に対して、表示制御部13は、測定部10によって測定された測定値を表す文字列を含めるようにしてもよい。
【0074】
また、全ての実施の形態における測定結果表示方法は、表示制御ステップを有し、表示制御ステップは、表示制御部13によって実行される。
【0075】
また、全ての実施の形態において、
図2に示したように測定結果画像一覧100を構成する測定結果画像20を全て同一の大きさとする必要は無い。全体を俯瞰する意味では同一の方が好ましいが、重要測定項目は大きく表示する等の変更を制限するものではない。
【0076】
以上に説明したように、本実施の形態は、測定結果画像20における予め定められた表示位置に中間値インジケータ26及び許容値インジケータ28を配置し、許容値インジケータ28の表示位置と、測定部10によって測定された測定値とから算出される表示位置に測定値インジケータ23を配置し、中間値インジケータ26と測定値インジケータ23との表示位置の差に応じて、測定値表示領域27の表示態様を決定するため、測定部10によって測定された各測定項目の測定値と許容値との間にどの程度の差異があるのかを、視覚的に判別可能な状態で一覧させることができる。
【0077】
また、本実施の形態は、測定結果画像20において、中間値インジケータ26から許容上限値及び許容下限値のいずれか一方の許容値側を表示部12に表示させるため、中間値インジケータ26から許容上限値側と許容下限値側の双方を表示部12に表示させるよりも、高い解像度で測定結果を表示部12に表示させることができる。
【0078】
また、本実施の形態は、中間値インジケータ26と測定値インジケータ23との表示位置の距離に応じて、測定値表示領域27の配色を変化させるため、測定部10によって測定された測定値が許容範囲内にあるか否かを測定値表示領域27の配色により視認させることができる。
【0079】
また、本実施の形態は、中間値インジケータ26と測定値インジケータ23との表示位置の距離に応じて、測定値表示領域27を線形に変化させるため、測定部10によって測定された測定値がどの程度中間値から離れているかを測定値表示領域27の配色により視認させることができる。
【0080】
また、本実施の形態は、測定部10によって測定された測定値が許容範囲内にない場合には、測定部10によって測定された測定値が許容範囲内にある場合と比較して大きく異なるように、測定値表示領域27の表示態様を決定するため、測定部10によって測定された測定値が許容範囲内にあるか否かを測定値表示領域27の変化により視認させることができる。
【0081】
なお、本実施の形態においては、光スペクトラムアナライザ装置に本発明の測定結果表示装置を適用した例について説明したが、本発明の測定結果表示装置は、ロジックアナライザ装置やスペクトラムアナライザ装置などの他の測定装置にも適用することができる。
【0082】
以上、本発明の実施の形態を開示したが、当業者によっては本発明の範囲を逸脱することなく変更が加えられうることは明白である。すべてのこのような修正及び等価物が特許請求の範囲に記載された請求項に含まれることが意図されている。