特許第6383838号(P6383838)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6383838情報処理装置、情報処理方法及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6383838
(24)【登録日】2018年8月10日
(45)【発行日】2018年8月29日
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 30/02 20120101AFI20180820BHJP
【FI】
   G06Q30/02 382
【請求項の数】9
【全頁数】18
(21)【出願番号】特願2017-109458(P2017-109458)
(22)【出願日】2017年6月1日
【審査請求日】2017年6月1日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】500453821
【氏名又は名称】デジタル・アドバタイジング・コンソーシアム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100108855
【弁理士】
【氏名又は名称】蔵田 昌俊
(74)【代理人】
【識別番号】100103034
【弁理士】
【氏名又は名称】野河 信久
(74)【代理人】
【識別番号】100153051
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100179062
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 正
(74)【代理人】
【識別番号】100189913
【弁理士】
【氏名又は名称】鵜飼 健
(74)【代理人】
【識別番号】100199565
【弁理士】
【氏名又は名称】飯野 茂
(72)【発明者】
【氏名】砂田 和宏
【審査官】 岸 健司
(56)【参考文献】
【文献】 特開2009−134770(JP,A)
【文献】 特開2013−122771(JP,A)
【文献】 特開2006−011767(JP,A)
【文献】 特表2013−540300(JP,A)
【文献】 特開2014−174883(JP,A)
【文献】 特開2010−277360(JP,A)
【文献】 特開2013−016102(JP,A)
【文献】 特開2001−134577(JP,A)
【文献】 特開2017−016287(JP,A)
【文献】 特開2014−164620(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00−99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
広告に接する場所及び前記広告が表示される期間を示す広告情報を格納する記憶部と、
ユーザの移動履歴を取得する取得部と、
前記移動履歴と広告情報とに基づいて前記ユーザが前記広告に接したかを判定する判定部と、
を備え、
前記移動履歴は、時系列での前記ユーザの座標を示し、
前記判定部は、前記移動履歴に基づいて前記場所に進入した日時と前記場所から退去した日時との間の滞在期間を特定し、前記滞在期間と前記広告が表示される期間とに重なり合いがある場合に、前記ユーザが前記広告に接したと判定する、
情報処理装置。
【請求項2】
前記移動履歴は、GPSを用いて取得される座標を示す、
前記請求項に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記広告情報は、前記ユーザが前記広告に接する領域を示し、
前記判定部は、前記ユーザが移動したルートの少なくとも一部と前記領域とが重なる場合に、前記ユーザが前記広告に接したと判定する、
前記請求項1又は2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記判定部が前記広告に接したと判定したユーザのクラスタを生成するクラスタ生成部をさらに備える、
前記請求項1乃至の何れか1項に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記クラスタのユーザに対する前記広告の効果を測定する測定部をさらに備える、
前記請求項に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記記憶部は、ユーザの属性を示す登録情報を格納し、
前記クラスタから所定の属性を有するユーザのサブクラスタを生成するサブクラスタ生成部をさらに備え、
前記測定部は、前記サブクラスタのユーザに対する前記広告の効果を測定する、
前記請求項に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記測定部は、前記クラスタのユーザが所持する端末のアクセスログに基づいて前記広告の効果を測定する、
前記請求項5又は6に記載の情報処理装置。
【請求項8】
プロセッサが実行する情報処理方法であって、
ユーザの移動履歴を取得し、
前記移動履歴と広告に接する場所及び前記広告が表示される期間を示す広告情報とに基づいて前記ユーザが前記広告に接したかを判定し、
前記移動履歴は、時系列での前記ユーザの座標を示し、
前記判定することは、前記移動履歴に基づいて前記場所に進入した日時と前記場所から退去した日時との間の滞在期間を特定し、前記滞在期間と前記広告が表示される期間とに重なり合いがある場合に、前記ユーザが前記広告に接したと判定する、
情報処理方法。
【請求項9】
プロセッサに、
ユーザの移動履歴を取得させ、
前記移動履歴と広告に接する場所及び前記広告が表示される期間を示す広告情報とに基づいて前記ユーザが前記広告に接したかを判定させ、
前記移動履歴は、時系列での前記ユーザの座標を示し、
前記判定させることは、前記移動履歴に基づいて前記場所に進入した日時と前記場所から退去した日時との間の滞在期間を特定させ、前記滞在期間と前記広告が表示される期間とに重なり合いがある場合に、前記ユーザが前記広告に接したと判定させる、
プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、広告の効果測定を行う情報処理装置、情報処理方法及びプログラムに関連する。
【背景技術】
【0002】
広告主は、紙又はデジタルサイネージなどの媒体を野外に設置して広告を提示することがある。広告主は、そのような野外に設置される広告(野外広告)の効果を測定するため、野外広告に接したユーザを特定する必要がある。従来、広告主は、アンケート調査などを行って野外広告に接したユーザを特定する。
【0003】
しかしながら、アンケート調査などのアナログな手法では、アンケートに協力したユーザからしか野外広告に接したユーザを抽出することがでないという課題がある。
【0004】
そのため、野外広告に接したユーザを効果的に特定する手法が望まれる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2016−24386号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記の課題を解決するため、広告に接したユーザを効果的に特定することができる情報処理装置、情報処理方法及びプログラムを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
実施形態によれば、情報処理装置は、記憶部と、取得部と、判定部と、を備える。記憶部は、広告に接する場所を示す広告情報を格納する。取得部は、ユーザの移動履歴を取得する。判定部は、前記移動履歴と広告情報とに基づいて前記ユーザが前記広告に接したかを判定する。
【発明の効果】
【0008】
実施形態によれば、サーバ装置は、ユーザの移動履歴に基づいて野外広告に接する場所を通過したユーザを特定することができる。また、サーバ装置は、移動履歴を交通機関のサーバ又はユーザの端末などから収集することができる。その結果、サーバ装置は、アンケートなどの手法を用いることなく、野外広告に接したユーザを特定することができる。
【0009】
また、サーバ装置は、ユーザの移動履歴に基づいて野外広告に接したユーザのクラスタを生成することができる。また、サーバ装置は、クラスタから所定の属性を有するユーザのサブクラスタを生成することができる。サーバ装置は、サブクラスタのユーザに対する野外広告の効果を測定することができる。その結果、サーバ装置は、野外広告に接し、かつ、所定の属性を有するユーザに対する効果を測定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1図1は、第1実施形態に係る広告システムの構成例を概略的に示す図である。
図2図2は、第1実施形態に係るサーバ装置の構成例を概略的に示すブロック図である。
図3図3は、第1実施形態に係る広告情報の構成例を示す図である。
図4図4は、第1実施形態に係る広告情報の構成例を示す図である。
図5図5は、第1実施形態に係る登録情報の構成例を示す図である。
図6図6は、第1実施形態に係る移動履歴の構成例を示す図である。
図7図7は、第1実施形態に係るサーバ装置の動作例を示すフローチャートである。
図8図8は、第2実施形態に係る広告情報の構成例を示す図である。
図9図9は、第2実施形態に係る領域情報の構成例を示す図である。
図10図10は、第2実施形態に係る領域情報の構成例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、実施形態について、図面を参照して説明する。
(第1実施形態)
実施形態に係る広告システムは、野外に設置される広告(野外広告)に接したユーザのクラスタを生成する。野外広告は、野外の所定の場所に設置される。たとえば、野外広告は、電車内における中吊り若しくはデジタルサイネージ、駅のホームに設置されるデジタルサイネージ、又は、ビルなどに設置される看板若しくはデジタルサイネージなどである。野外広告は、ポスター若しくはステッカーなど紙媒体であってもよいし、ディスプレイなどから構成されるデジタルサイネージであってもよい。野外広告の設置場所又は媒体は、特定の構成に限定されるものではない。
【0012】
図1は、実施形態に係る広告システム1の構成例を示すブロック図である。図1が示すように、広告システム1は、サーバ装置10、媒体20及び端末30などから構成される。なお、広告システム1は、図1に示すような構成の他に必要に応じた構成を具備したり、特定の構成を除外したりしてもよい。
【0013】
サーバ装置10(情報処理装置)は、野外広告の効果を測定する。サーバ装置10は、野外広告が表示される日時とユーザが当該野外広告に接する場所とを示す広告情報を保持する。また、サーバ装置10は、ユーザの位置と当該位置に居た日時とを示す移動履歴を取得する。サーバ装置10は、広告情報及び移動履歴に基づいて野外広告に接したユーザをクラスタ化する。また、サーバ装置10は、クラスタ化されたユーザの行動などに基づいて野外広告の効果を測定する。サーバ装置10の構成については、後に詳述する。
【0014】
媒体20は、野外広告を表示する媒体である。たとえば、媒体20は、不特定多数のユーザが認識することができる野外に設置される。
前述の通り、媒体20は、ポスター若しくはステッカーなどの紙媒体、又は、ディスプレイなどから構成されるデジタルサイネージなどであってもよい。
【0015】
また、媒体20は、ビル又は店舗などの建造物内に設置されてもよい。また、媒体20は、ビルなどの建造物の屋上又は壁面に設置されてもよい。また、媒体20は、電車、モノレール、バス、船舶又は航空機などの交通機関内に設置されるものであってもよい。媒体20の構成は、特定の構成に限定されるものではない。
ここでは、媒体20は、電車内に設置されるデジタルサイネージ、又は、駅のホームに設置されるデジタルサイネージであるものとする。
【0016】
端末30は、ユーザが所持する端末である。たとえば、端末30は、携帯可能な電子装置である。たとえば、端末30は、フューチャーフォン、スマートフォン、ノートPC、タブレットPC又はウェアラブル端末などである。なお、端末30は、ディスクトップPCであってもよい。
【0017】
端末30は、野外広告が目的とするコンバージョンを行うことができるものであってもよい。たとえば、野外広告のコンバージョンが商品の購入である場合、端末30は、当該商品を購入するサイトなどを表示し必要な情報を取得する。また、野外広告がアプリのインストール又は起動である場合、端末30は、当該アプリをインストール又は起動する。なお、コンバージョンの内容は、特定の構成に限定されるものではない。
【0018】
次に、サーバ装置10について説明する。
図2は、サーバ装置10の構成例を示すブロック図である。
図2が示す構成例において、サーバ装置10は、プロセッサ11、ROM12、RAM13、NVM14、通信部15、操作部16及び表示部17などを備える。これらの各部は、データバスを介して互いに接続される。なお、サーバ装置10は、図2が示すような構成の他に必要に応じた構成を具備したり、特定の構成を除外したりしてもよい。
【0019】
プロセッサ11は、サーバ装置10全体の動作を制御する機能を有する。プロセッサ11は、内部キャッシュおよび各種のインターフェースなどを備えてもよい。プロセッサ11は、内部メモリ、ROM12又はNVM14が予め記憶するプログラムを実行することにより種々の処理を実現する。
【0020】
なお、プロセッサ11がプログラムを実行することにより実現する各種の機能のうちの一部は、ハードウエア回路により実現されるものであってもよい。この場合、プロセッサ11は、ハードウエア回路により実行される機能を制御する。
【0021】
ROM12は、制御プログラム及び制御データなどが予め記憶された不揮発性のメモリである。ROM12に記憶される制御プログラム及び制御データは、サーバ装置10の仕様に応じて予め組み込まれる。ROM12は、たとえば、サーバ装置10の回路基板を制御するプログラム(たとえば、BIOS)などを格納する。
【0022】
RAM13は、揮発性のメモリである。RAM13は、プロセッサ11の処理中のデータなどを一時的に格納する。RAM13は、プロセッサ11からの命令に基づき種々のアプリケーションプログラムを格納する。また、RAM13は、アプリケーションプログラムの実行に必要なデータ及びアプリケーションプログラムの実行結果などを格納してもよい。
【0023】
NVM14(記憶部)は、データの書き込み及び書き換えが可能な不揮発性のメモリである。NVM14は、たとえば、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)、EEPROM(登録商標)又はフラッシュメモリなどから構成される。NVM14は、サーバ装置10の運用用途に応じて制御プログラム、アプリケーション及び種々のデータなどを格納する。
NVM14は、広告情報を格納する記憶領域14a及び登録情報を格納する記憶領域14bを備える。広告情報及び登録情報については、後に詳述する。
【0024】
通信部15は、インターネットなどの通信網を通じて外部装置とデータを送受信するためのインターフェースである。通信部15は、たとえば、LAN接続をサポートするインターフェースである。
【0025】
操作部16は、オペレータから種々の操作の入力を受け付ける。操作部16は、受け付けた操作を示す信号をプロセッサ11へ送信する。たとえば、操作部16は、キーボード、テンキー及びタッチパネルから構成される。
【0026】
表示部17は、プロセッサ11の制御により種々の情報を表示する。たとえば、表示部17は、液晶モニタから構成される。なお、操作部16がタッチパネルなどで構成される場合、表示部17は、操作部16と一体的に形成されてもよい。
【0027】
次に、広告情報について説明する。
広告情報は、媒体20が表示する広告(野外広告)と当該広告が表示される日時及びユーザが当該広告に接する場所とを示す情報から構成される。ここでは、記憶領域14aは、車両内のデジタルサイネージに表示される広告に関する広告情報21と駅のホームに設置されるデジタルサイネージに表示される広告に関する広告情報22とを格納する。
【0028】
まず、広告情報21について説明する。
広告情報21は、車両内のデジタルサイネージに表示される広告と当該広告が表示される日時及び車両(ユーザが当該広告に接する場所)とを示す。
図3は、広告情報21の構成例を示す。
図3が示すように、広告情報21は、「広告」、「日時」及び「車両」を対応付けて格納する。
【0029】
「広告」は、広告を示す。たとえば、「広告」は、広告の名称又は識別番号など広告を特定する情報である。
【0030】
「日時」は、広告が表示される日時を示す。たとえば、「日時」は、広告が表示される期間を示す。図3が示す例では、「日時」は、日付及び時刻によって広告が表示される期間を特定する。なお、「日時」は、日付によって広告が表示される期間を特定するものであってもよい。
【0031】
「車両」は、広告を表示するデジタルサイネージが設置される車両を示す。ここでは、「車両」は、複数の車両を組成した編成を示す。また、編成ごとに表示される広告が設定されるものとする。
【0032】
図3が示す例では、たとえば、広告情報21は、車両Aのデジタルサイネージに4月1日6:00〜11:59までの間に広告Aが表示されることを示す。
【0033】
次に、広告情報22について説明する。
広告情報22は、駅に設置されるデジタルサイネージに表示される広告と当該広告が表示される日時及び駅(ユーザが当該広告に接する場所)とを示す。
【0034】
図4は、広告情報22の構成例を示す。
図4が示すように、広告情報22は、「広告」、「日時」及び「駅」を対応付けて格納する。
【0035】
「広告」及び「日時」は、前述の通りである。
【0036】
「駅」は、広告を表示するデジタルサイネージが設置される駅を示す。たとえば、「駅」は、駅名又は識別番号など駅を特定する情報である。
【0037】
図4が示す例では、たとえば、広告情報22は、駅Aのデジタルサイネージに4月1日6:00〜10:59までの間に広告Gが表示されることを示す。
【0038】
なお、広告情報の構成は、特定の構成に限定されるものではない。
【0039】
広告情報は、予め記憶領域14aに格納される。たとえば、プロセッサ11は、操作部16を通じてオペレータから広告情報を取得してもよい。また、プロセッサ11は、通信部15を通じて外部装置から広告情報を取得してもよい。広告情報は、適宜更新されてもよい。
【0040】
次に、登録情報について説明する。
登録情報は、広告に接したユーザのクラスタを生成するため、広告に接したか判定されるユーザに関する情報である。ここでは、登録情報は、ユーザの属性及び「メールアドレス」を示す。
【0041】
図5は、登録情報の構成例を示す。図5が示すように、登録情報は、ユーザの属性と「メールアドレス」とを対応付けて格納する。登録情報は、ユーザの属性として、「ユーザID」、「性別」、「生年月日」、「職業」、「年収」、「居住地」及び「勤務地」などを格納する。なお、登録情報は、図5が示すような構成の他に必要に応じた構成を具備したり、特定の構成を除外したりしてもよい。
【0042】
「ユーザID」は、ユーザを特定する識別子である。たとえば、「ユーザID」は、文字列、数値又はそれらの組合せである。ここでは、「ユーザID」は、数値である。
【0043】
「性別」は、ユーザの性別を示す。
「生年月日」は、ユーザの生年月日を示す。なお、登録情報は、「生年月日」の代わりにユーザの年齢を示す「年齢」を備えてもよい。
【0044】
「職業」は、ユーザの職業を示す。
「年収」は、ユーザの年収を示す。
「居住地」は、ユーザの居住地を示す。
「勤務地」は、ユーザの勤務地を示す。
「メールアドレス」は、ユーザのメールアドレスを示す。
【0045】
図5が示す例では、たとえば、登録情報は、「0001」のユーザの「性別」、「生年月日」、「職業」、「年収」、「居住地」、「勤務地」及び「メールアドレス」がそれぞれ「男性」、「1990年5月12日」、「会社員」、「○○円」、「△△区」、「○○区」及び「aaa@bbb」であることを示す。
なお、登録情報の構成は、特定の構成に限定されるものではない。
【0046】
登録情報は、予め記憶領域14bに格納される。たとえば、プロセッサ11は、操作部16を通じてオペレータから登録情報を取得してもよい。また、プロセッサ11は、通信部15を通じて外部装置から登録情報を取得してもよい。登録情報は、適宜更新されてもよい。
たとえば、プロセッサ11は、ユーザからのオプトインによって登録情報を生成し適宜更新する。
【0047】
次に、サーバ装置10のプロセッサ11が実現する機能について説明する。以下の機能は、プロセッサ11がNVM14などに格納されるプログラムを実行することで実現される。
【0048】
まず、プロセッサ11は、ユーザの位置(ユーザが所持する端末の位置)と当該位置に居た日時(当該位置に対応付けられた日時)とを示す移動履歴を取得する機能を有する(取得部)。ここでは、移動履歴は、ユーザがICカード(ユーザが所持する端末)などを用いて利用した電車の利用履歴である。たとえば、移動履歴は、公共交通機関共通乗車カードなどの利用履歴である。
【0049】
図6は、移動履歴の構成例を示す。図6が示すように、移動履歴は、「ユーザID」、「乗車駅」、「乗車日時」、「降車駅」及び「降車日時」などから構成される。
【0050】
「ユーザID」は、前述の通りである。
【0051】
「乗車駅」は、「ユーザID」が示すユーザが乗車した駅を示す。
「乗車日時」は、「ユーザID」が示すユーザが「乗車駅」に入場した日時を示す。
「降車駅」は、「ユーザID」が示すユーザが降車した駅を示す。
「降車日時」は、「ユーザID」が示すユーザが「降車駅」から出場した日時を示す。
【0052】
図6が示す例では、たとえば、移動履歴は、「0001」のユーザの「乗車駅」、「乗車日時」、「降車駅」及び「降車日時」がそれぞれ「A駅」、「4月1日9:00」、「B駅」及び「4月1日10:00」であることを示す。
【0053】
なお、移動履歴は、適宜他の要素を追加してもよい。移動履歴の構成は、特定の構成に限定されるものではない。
たとえば、プロセッサ11は、通信部15を通じて外部装置から移動履歴を取得する。たとえば、プロセッサ11は、鉄道会社などのサーバから移動履歴を取得する。
【0054】
また、プロセッサ11は、接したユーザのクラスタを生成する広告に対応する広告情報を取得する機能を有する。
プロセッサ11は、接したユーザのクラスタを生成する広告を設定する。たとえば、プロセッサ11は、操作部16を通じて、接したユーザのクラスタを生成する広告を設定する操作の入力を受け付ける。
【0055】
接したユーザのクラスタを生成する広告を設定すると、プロセッサ11は、記憶領域14aから、当該広告に対応する広告情報を取得する。たとえば、接したユーザのクラスタを生成する広告として「広告A」を特定した場合、プロセッサ11は、記憶領域14aから、「広告A」に対応する広告情報21(「広告A」、「4月1日6:00〜11:59」及び「車両A」)を取得する。
【0056】
また、接したユーザのクラスタを生成する広告として「広告G」を特定した場合、プロセッサ11は、記憶領域14aから、「広告G」に対応する広告情報22(「広告G」、「4月1日6:00〜10:59」及び「駅A」)を取得する。
【0057】
また、プロセッサ11は、広告に対応する広告情報と移動履歴とに基づいて、当該広告に接した(又は、接した可能性のある)ユーザ(たとえば、ユーザID)のクラスタを生成する機能を有する(クラスタ生成部)。
【0058】
まず、プロセッサ11は、ユーザが広告に接したかを判定する(判定部)。なお、この「判定」を「推定」又は「予測」等と読み替えても良い。
たとえば、プロセッサ11は、ユーザが媒体20に接したかを判定する。即ち、プロセッサ11は、ユーザの位置が、広告情報が示す「ユーザが当該広告に接する場所」に含まれるかを判定する。ユーザの位置が、広告情報が示す「ユーザが当該広告に接する場所」に含まれると判定すると、プロセッサ11は、ユーザが媒体20に接した日時に媒体20が当該広告を表示していたかを判定する。即ち、プロセッサ11は、ユーザが媒体に接した日時と広告情報の「日時」との間に重なり合いがあるか判定する。ユーザが媒体に接した日時と広告情報の「日時」との間に重なり合いがあると判定すると、プロセッサ11は、ユーザが当該広告に接したと判定する。ユーザが広告に接したと判定すると、プロセッサ11は、当該ユーザを当該広告に接触したユーザのクラスタに分類する。
【0059】
まず、プロセッサ11が広告情報21を取得した場合について説明する。
プロセッサ11は、記憶領域14aからあるユーザの「乗車駅」、「乗車日時」、「降車駅」及び「降車日時」を取得する。プロセッサ11は、「乗車駅」及び「降車駅」からユーザが乗車した車両(車両の編成)を特定する。たとえば、プロセッサ11は、「乗車駅」から「降車駅」までの路線を走行する車両をユーザが乗車した車両として特定する。
【0060】
ユーザが乗車した車両を特定すると、プロセッサ11は、ユーザが乗車した車両が、広告情報21が示す「車両」と一致するか判定する。両者が一致すると判定すると、プロセッサ11は、ユーザが移動したルート上に広告情報が示す「ユーザが当該広告に接する場所」があると判定する。
【0061】
ユーザが移動したルート上に広告情報が示す「ユーザが当該広告に接する場所」があると判定すると、プロセッサ11は、「乗車日時」と「降車日時」とに基づいてユーザが車両に乗車した期間を特定する。ユーザが車両に乗車した期間を特定すると、プロセッサ11は、ユーザが車両に乗車した期間と広告情報21が示す「日時」とに間に重なり合いがあるか判定する。
【0062】
ユーザが車両に乗車した期間と広告情報21が示す「日時」との間に重なり合いがあると判定すると、プロセッサ11は、ユーザが媒体に接した日時と広告情報21が示す「日時」と重なり合いがあると判定する。ユーザが媒体に接した日時と広告情報21の「日時」と重なり合いがあると判定すると、プロセッサ11は、当該ユーザを当該広告に接触したユーザのクラスタに分類する。
【0063】
次に、プロセッサ11が広告情報22を取得した場合について説明する。
プロセッサ11は、記憶領域14aからあるユーザの「乗車駅」、「乗車日時」、「降車駅」及び「降車日時」を取得する。プロセッサ11は、ユーザが利用した駅として「乗車駅」及び「降車駅」を特定する。なお、プロセッサ11は、「乗車駅」から「降車駅」に移動する途中に乗換駅がある場合には、乗換駅もユーザが利用した駅として特定してもよい。
【0064】
ユーザが利用した駅を特定すると、プロセッサ11は、ユーザが利用した駅の少なくとも1つが、広告情報22が示す「駅」と一致するか判定する。両者が一致すると判定すると、プロセッサ11は、ユーザが移動したルート上に広告情報が示す「ユーザが当該広告に接する場所」があると判定する。
【0065】
ユーザが移動したルート上に広告情報が示す「ユーザが当該広告に接する場所」があると判定すると、プロセッサ11は、「乗車日時」又は「降車日時」が、広告情報22が示す「日時」に含まれるか判定する。たとえば、「乗車駅」と広告の場所とが一致した場合、プロセッサ11は、「乗車日時」が、広告情報22が示す「日時」に含まれるか判定する。また、「降車駅」と広告の場所とが一致した場合、プロセッサ11は、「降車日時」が、広告情報22が示す「日時」に含まれるか判定する。
【0066】
なお、乗換駅と広告の場所とが一致した場合、プロセッサ11は、「乗車日時」から乗換駅までの移動時間を算出して乗換駅にユーザが居た日時を特定してもよい。プロセッサ11は、特定された日時が、広告情報22が示す「日時」に含まれるか判定してもよい。
【0067】
「乗車日時」又は「降車日時」が、広告情報の「日時」に含まれると判定すると、プロセッサ11は、ユーザが媒体に接した日時と広告情報の「日時」と重なり合いがあると判定する。ユーザが媒体に接した日時と広告情報の「日時」と重なり合いがあると判定すると、プロセッサ11は、当該ユーザを当該広告に接触したユーザのクラスタに分類する。
【0068】
プロセッサ11は、移動履歴を参照して各ユーザがクラスタに分類されるかを判定し、当該広告に接したユーザのクラスタを生成する。
【0069】
また、プロセッサ11は、ユーザの属性に基づいてクラスタからサブクラスタを生成する機能を有する(サブクラスタ生成部)。即ち、プロセッサ11は、広告の効果を測定したいユーザの属性を設定し、当該属性を有するユーザのサブクラスタを生成する。

プロセッサ11は、広告の効果を測定したいユーザの属性を設定する。たとえば、プロセッサ11は、操作部16を通じて、広告の効果を測定したいユーザの属性を設定する操作の入力を受け付ける。たとえば、プロセッサ11は、属性として、「女性」の入力を受け付ける。
【0070】
ユーザの属性を設定すると、プロセッサ11は、登録情報を参照して、クラスタから当該属性を有するユーザのサブクラスタを生成する。プロセッサ11は、登録情報を参照して、クラスタに分類されたあるユーザの属性を取得する。当該ユーザの属性を取得すると、プロセッサ11は、ユーザの属性がサブクラスタを生成するための属性と一致するか判定する。両者が一致すると判定すると、プロセッサ11は、当該ユーザをサブクラスタに分類する。たとえば、プロセッサ11は、「性別」が「女性」であるユーザをサブクラスタに分類する。
【0071】
プロセッサ11は、クラスタに分類された各ユーザについて同様の動作を行い、サブクラスタを生成する。サブクラスタは、広告に接し、かつ、所定の属性を有するユーザのクラスタである。
【0072】
なお、サブクラスタは、複数の属性のいずれか又は何れも有するユーザのクラスタであってもよい。サブクラスタを生成する条件は、特定の構成に限定されるものではない。
【0073】
また、プロセッサ11は、サブクラスタに分類されたユーザに対する広告の効果を測定する機能を有する(測定部)。
たとえば、プロセッサ11は、登録情報を参照してサブクラスタに分類されたユーザのメールアドレスを取得する。プロセッサ11は、所定のタイミングで取得されたメールアドレスに広告に関するアンケートを送信する。
【0074】
アンケートは、広告の効果を測定するための質問事項を含む。たとえば、アンケートは、広告を見たか、広告の感想、広告によって生じた商品などの印象(商品を欲しくなったかなど)、又は、広告に関連するコンバージョンを行ったか、などの質問事項を含む。
【0075】
たとえば、アンケートは、Webサイト上で回答するものである。プロセッサ11は、アンケートを回答するためのWebサイトのURLを含むメールを送信する。
【0076】
プロセッサ11は、アンケート結果を取得して、広告の効果を測定する。たとえば、プロセッサ11は、アンケートの各質問事項に対する回答を集計して、広告の効果を測定する。なお、他の外部装置がアンケートの結果を取得して広告の効果を測定してもよい。
【0077】
また、プロセッサ11は、サブクラスタに分類されたユーザが所持する端末30のアクセスログに基づいて広告の効果を測定してもよい。
たとえば、プロセッサ11は、他の外部装置などからサブクラスタに分類されたユーザが所持する端末30のアクセスログを取得する。アクセスログは、端末30がインターネットを通じてサーバ(Webサーバなど)などにアクセスした履歴である。
【0078】
プロセッサ11は、アクセスログに基づいてユーザが広告のコンバージョンを行ったか判定する。たとえば、コンバージョンが商品の購入である場合、プロセッサ11は、ユーザが広告に接した後に、ユーザが当該商品を購入するWebサイトなどから当該商品を購入したか判定する。
【0079】
また、コンバージョンがアプリのインストールである場合、プロセッサ11は、ユーザが広告に接した後に、ユーザの端末30が所定のサーバからアプリをダウンロードしたかを判定する。
【0080】
また、コンバージョンがアプリの起動である場合、プロセッサ11は、ユーザが広告に接した後に、ユーザの端末30がアプリの起動によって生じるアクセスがあるかを判定する。たとえば、プロセッサ11は、アプリ起動時にアクセスするサーバへのアクセスログがあるか判定する。
【0081】
プロセッサ11は、サブクラスタの各ユーザがコンバージョンを行ったか判定する。プロセッサ11は、行われたコンバージョンの個数をカウントする。
【0082】
プロセッサ11は、サブクラスタに分類されるユーザの数とコンバージョンとの個数とに基づいて、広告に接したユーザがコンバージョンを行う確率であるコンバージョン率を算出する。プロセッサ11は、コンバージョン率を広告の効果として取得する。
【0083】
なお、プロセッサ11が広告の成果を測定する方法は、特定の方法に限定されるものではない。
【0084】
次に、サーバ装置10の動作例について説明する。
図7は、サーバ装置10の動作例について説明するためのフローチャートである。
まず、サーバ装置10のプロセッサ11は、移動履歴を取得する(S11)。移動履歴を取得すると、プロセッサ11は、接したユーザのクラスタを生成する広告を設定する(S12)。
【0085】
広告を設定すると、プロセッサ11は、記憶領域14aから、当該広告に対応する広告情報を取得する(S13)。広告情報を取得すると、プロセッサ11は、移動履歴及び広告情報に基づいて、当該広告に接したユーザのクラスタを生成する(S14)。
【0086】
クラスタを生成すると、プロセッサ11は、広告の効果を測定する対象となるユーザの属性を設定する(S15)。属性を設定すると、プロセッサ11は、クラスタから当該属性を有するユーザのサブクラスタを生成する(S16)。
【0087】
サブクラスタを生成すると、プロセッサ11は、サブクラスタのユーザに対する広告の効果を測定する(S17)。広告の効果を測定すると、プロセッサ11は、動作を終了する。
【0088】
なお、プロセッサ11は、「ユーザが当該広告に接する場所」に基づいてクラスタを生成してもよい。たとえば、媒体20が継続的に同じ広告を表示する場合、プロセッサ11は、「ユーザが当該広告に接する場所」に基づいてクラスタを生成する。即ち、プロセッサ11は、ユーザの移動ルート上に「ユーザが当該広告に接する場所」があれば、当該ユーザをクラスタに分類する。
【0089】
また、プロセッサ11は、サブクラスタを生成しなくともよい。プロセッサ11は、クラスタに分類されるユーザに対する広告の効果を測定してもよい。
【0090】
また、プロセッサ11は、バス、モノレール、船舶又は航空機など、電車以外の交通機関の利用履歴を移動履歴としてクラスタを生成してもよい。たとえば、プロセッサ11は、交通機関の駅又は車両に表示される広告に関する広告情報と利用履歴とに基づいてクラスタを生成する。
(第2実施形態)
次に、第2実施形態について説明する。
第2実施形態に係る広告システム1は、ユーザの座標に基づいてユーザが広告に接したかを判定する点で第1実施形態のそれと異なる。従って、他の要素については同一の符号を付して詳細な説明を省略する。
【0091】
端末30は、携帯可能な電子装置である。たとえば、端末30は、フューチャーフォン、スマートフォン、タブレットPC、ノートPC又はウェアラブル端末などである。
【0092】
端末30は、自身の位置(座標)を取得する。たとえば、端末30は、所定のアプリによって自身の位置を時系列で取得する。たとえば、端末30は、GPSによってグローバルな座標(経度及び緯度)を取得する。端末30は、GPSによって得られた座標を時系列で格納する。
【0093】
なお、端末30は、セルラー通信の複数の基地局からの通信電波を用いて自身の位置を取得するものであってもよい。また、端末30は、自身の位置として3次元での座標を取得するものであってもよい。
【0094】
端末30は、時系列で取得した自身の位置を移動履歴としてサーバ装置10へ送信する。ここでは、移動履歴は、時系列での端末30(ユーザ)の座標である。たとえば、端末30は、所定のタイミングでサーバ装置10へ移動履歴を送信してもよい。また、端末30は、サーバ装置10からのリクエストに対して移動履歴を送信してもよい。
【0095】
また、記憶領域14aは、広告情報23を格納する。広告情報23は、ビルなどの建造物の壁面若しくは屋上又は路肩などに設置される広告に関連する。
【0096】
広告情報23は、デジタルサイネージに表示される広告と当該広告が表示される日時とユーザが当該広告に接する領域(ユーザが当該広告に接する場所)とを示す。
【0097】
図8は、広告情報23の構成例について説明する。
図8が示すように、広告情報23は、「広告」、「日時」及び「領域情報」を対応付けて格納する。
「広告」及び「日時」は、前述の通りである。
【0098】
「領域情報」は、ユーザが広告に接する領域を示す。即ち、「領域情報」は、ユーザが滞在すると当該広告に接したと判定される領域を示す。
【0099】
図9は、領域情報の構成例を示す。
図9が示すように、領域情報は、領域41を示す。領域41は、ユーザが滞在すると当該広告に接したと判定される領域である。
【0100】
領域41は、広告を表示する媒体20の位置に基づいて設定される。図9が示す例では、領域41は、媒体20を中心とした円型に設定される。領域41の半径は、媒体20が表示する広告を視認することができる距離などに基づく。たとえば、領域41の半径は、媒体20の大きさが大きいほど、大きくなる。また、領域41の半径は、媒体20が設置される高さに基づいてもよい。たとえば、領域41の半径は、媒体20が設置される高さが高いほど、大きくなる。
【0101】
図10は、領域情報の他の構成例を示す。
図10が示すように、領域情報は、領域42を示す。
【0102】
領域42は、広告を表示する媒体20の位置及び向きに基づいて設定される。図10が示す例では、媒体20は、矢印の方向に広告を表示する。たとえば、媒体20は、矢印の方向に向いたディスプレイなどから構成される。
【0103】
図10が示すように、領域42は、媒体20から矢印方向に進んだ位置を中心とした円型に設定される。領域41の半径と同様に、領域42の半径は、媒体20が表示する広告を視認することができる距離などに基づく。
【0104】
なお、領域41及び42は、円型でなくともよい。領域41及び42は、楕円形、矩形、又は多角形などであってもよい。領域41及び42の形状及び大きさは、特定の構成に限定されるものではない。
【0105】
次に、プロセッサ11が実現する機能について説明する。以下の機能は、プロセッサ11がNVM14などに格納されるプログラムを実行することで実現される。
【0106】
まず、プロセッサ11は、端末30からの移動履歴を取得する機能を有する。
たとえば、プロセッサ11は、通信部15を通じて端末30から移動履歴を取得する。プロセッサ11は、所定のタイミングで送信する移動履歴を受信してもよい。また、プロセッサ11は、端末30に対して移動履歴を取得するリクエストを送信し、リクエストに対するレスポンスとして移動履歴を受信してもよい。
【0107】
また、プロセッサ11は、端末30の移動履歴を管理する外部装置から移動履歴を取得してもよい。
【0108】
また、プロセッサ11は、接したユーザのクラスタを生成する広告に対応する広告情報を取得する機能を有する。
プロセッサ11は、接したユーザのクラスタを生成する広告を設定する。たとえば、プロセッサ11は、操作部16を通じて、接したユーザのクラスタを生成する広告を設定する操作の入力を受け付ける。
【0109】
接したユーザのクラスタを生成する広告を設定すると、プロセッサ11は、記憶領域14aから、当該広告に対応する広告情報23を取得する。
【0110】
また、プロセッサ11は、接したユーザのクラスタを生成する広告情報と移動履歴とに基づいて、当該広告に接触した(又は、接触した可能性のある)ユーザ(たとえば、ユーザID)のクラスタを生成する機能を有する。
【0111】
たとえば、プロセッサ11は、ユーザが媒体20に接したかを判定する。即ち、プロセッサ11は、ユーザの位置が、広告情報が示す「ユーザが当該広告に接する場所」に含まれるかを判定する。ユーザの位置が、広告情報が示す「ユーザが当該広告に接する場所」に含まれると判定すると、プロセッサ11は、ユーザが媒体20に接した日時に媒体20が当該広告を表示していたかを判定する。即ち、プロセッサ11は、ユーザが媒体に接した日時と広告情報の「日時」と重なり合いがあるか判定する。ユーザが媒体に接した日時と広告情報の「日時」と重なり合いがあると判定すると、プロセッサ11は、当該ユーザを当該広告に接触したユーザのクラスタに分類する。
【0112】
プロセッサ11は、移動履歴に基づいて、広告情報23の領域情報が示す領域内にユーザが滞在したか判定する。たとえば、プロセッサ11は、移動履歴からユーザのルートを生成し、ルートと領域情報が示す領域とが重なるかを判定する。
【0113】
広告情報23の領域情報が示す領域内にユーザが滞在したと判定すると、プロセッサ11は、ユーザが移動したルート上に広告情報が示す「ユーザが当該広告に接する場所」があると判定する。
【0114】
ユーザが移動したルート上に広告情報が示す「ユーザが当該広告に接する場所」があると判定すると、プロセッサ11は、移動履歴に基づいて、ユーザが当該領域内に滞在した期間を特定する。たとえば、プロセッサ11は、ユーザが当該領域に進入した日時と当該領域から退去した日時との期間を当該領域に滞在した期間と特定する。ユーザが当該領域内に滞在した期間を特定すると、プロセッサ11は、当該期間と広告情報の「日時」との間に重なり合いがあるか判定する。
【0115】
当該期間と広告情報の「日時」との間に重なり合いがあると判定すると、プロセッサ11は、ユーザが媒体に接した日時と広告情報の「日時」と重なり合いがあると判定する。ユーザが媒体に接した日時と広告情報の「日時」と重なり合いがあると判定すると、プロセッサ11は、当該ユーザを当該広告に接触したユーザのクラスタに分類する。
【0116】
プロセッサ11は、移動履歴を参照して各ユーザがクラスタに分類されるかを判定し、当該広告に接したユーザのクラスタを生成する。
【0117】
サーバ装置10の動作例については、第1実施形態のそれと同様であるため説明を省略する。
【0118】
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で種々に変形することが可能である。また、各実施形態は適宜組み合わせて実施してもよく、その場合組み合わせた効果が得られる。更に、上記実施形態には種々の発明が含まれており、開示される複数の構成要件から選択された組み合わせにより種々の発明が抽出され得る。例えば、実施形態に示される全構成要件からいくつかの構成要件が削除されても、課題が解決でき、効果が得られる場合には、この構成要件が削除された構成が発明として抽出され得る。
以下に本件出願当初の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
[C1]
広告に接する場所を示す広告情報を格納する記憶部と、
ユーザの移動履歴を取得する取得部と、
前記移動履歴と広告情報とに基づいて前記ユーザが前記広告に接したかを判定する判定部と、
を備える情報処理装置。
[C2]
前記広告情報は、前記広告が表示される期間を示し、
前記移動履歴は、前記ユーザが所持する端末の位置と前記位置に対応付けられた日時とを示し、
前記判定部は、前記位置が前記場所に含まれ前記日時が前記期間に含まれる場合に、前記ユーザが前記広告に接したと判定する、
前記C1に記載の情報処理装置。
[C3]
前記広告情報は、交通機関の車両又は駅に設置される広告に関連し、
前記移動履歴は、前記交通機関の利用履歴である、
前記C1又は2に記載の情報処理装置。
[C4]
前記広告情報は、前記ユーザが前記広告に接する領域を示し、
前記移動履歴は、前記ユーザの位置を示し、
前記判定部は、前記ユーザが移動したルートの少なくとも一部と前記領域とが重なる場合に、前記ユーザが前記広告に接したと判定する、
前記C1又は2に記載の情報処理装置。
[C5]
前記判定部が前記広告に接したと判定したユーザのクラスタを生成するクラスタ生成部をさらに備える、
前記C1乃至4の何れか1項に記載の情報処理装置。
[C6]
前記クラスタのユーザに対する前記広告の効果を測定する測定部をさらに備える、前記C5に記載の情報処理装置。
[C7]
前記記憶部は、ユーザの属性を示す登録情報を格納し、
前記クラスタから所定の属性を有するユーザのサブクラスタを生成するサブクラスタ生成部をさらに備え、
前記測定部は、前記サブクラスタのユーザに対する前記広告の効果を測定する、前記C6に記載の情報処理装置。
[C8]
前記測定部は、前記クラスタのユーザが所持する端末のアクセスログに基づいて前記広告の効果を測定する、
前記C6又は7に記載の情報処理装置。
[C9]
ユーザの移動履歴を取得し、
前記移動履歴と広告に接する場所を示す広告情報とに基づいて前記ユーザが前記広告に接したかを判定する、
情報処理方法。
[C10]
プロセッサに、
ユーザの移動履歴を取得させ、
前記移動履歴と広告に接する場所を示す広告情報とに基づいて前記ユーザが前記広告に接したかを判定させる、
プログラム。
【符号の説明】
【0119】
1…広告システム、10…サーバ装置、11…プロセッサ、14…NVM、14a及び14b…記憶領域、20…媒体、21乃至23…広告情報、30…端末、41及び42…領域。
【要約】      (修正有)
【課題】広告の効果を測定する技術に関し、広告に接したユーザを効果的に特定することができる情報処理装置、情報処理方法及びプログラムを提供する。
【解決手段】情報処理装置(サーバ)は、記憶部と、取得部と、判定部と、を備える。記憶部は、広告に接する場所を示す広告情報を格納する。取得部は、ユーザの移動履歴を取得する。判定部は、前記移動履歴と広告情報とに基づいて前記ユーザが媒体に表示される前記広告に接したかを判定する。
【選択図】図1
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10