【実施例】
【0036】
以下の例示的な実施例は、非限定的であるよう意図される。
【0037】
例1
0.45gの50%NaOH溶液、2.28gの脱イオン水、及び0.50gのCBV720Y−ゼオライト粉末(Zeolyst International、SiO
2/Al
2O
3モル比=30)を、テフロン(登録商標)ライナー中で一緒に混合した。その後、1.08gの19%ジメチルDABCO水酸化物溶液を、混合物に添加した。その後、テフロンライナーを封じ、スチールParrオートクレーブ内に置いた。オートクレーブを、対流式オーブン内のスピットに置き、135℃で4日間加熱した。オートクレーブを取り外し、室温まで冷却させた。その後、固体を濾過によって回収し、脱イオン水で十分に洗浄し、95℃で乾燥した。
【0038】
結果として生じる分子ふるい生成物を、粉末XRD及びSEMによって分析した。結果として生じる粉末XRDパターンを
図1に示し、生成物が、純粋なESV骨格型分子ふるいであることを示す。
図2は、生成物のSEM画像であり、結晶の均一な領域を示す。
【0039】
生成物は、ICP元素分析によって測定した際、7.67のSiO
2/Al
2O
3モル比を有した。
【0040】
例2
0.87gの50%NaOH溶液、6.87gの脱イオン水、及び1.00gのCBV720Y−ゼオライト粉末(Zeolyst International、SiO
2/Al
2O
3モル比=30)を、テフロン(登録商標)ライナー中で一緒に混合した。その後、2.18gの19%ジメチルDABCO水酸化物溶液を、混合物に添加した。その後、テフロンライナーを封じ、スチールParrオートクレーブ内に置いた。オートクレーブを、対流式オーブン内のスピットに置き、150℃で4日間加熱した。オートクレーブを取り外し、室温まで冷却させた。その後、固体を濾過によって回収し、脱イオン水で十分に洗浄し、95℃で乾燥した。
【0041】
この調製の生成物は、粉末XRD分析によって純粋なESV骨格型分子ふるいであると同定された。
【0042】
生成物は、ICP元素分析によって測定した際、8.74のSiO
2/Al
2O
3モル比を有した。
【0043】
例3
0.50gの50%NaOH溶液、4.50gの脱イオン水、及び0.50gのCBV720Y−ゼオライト粉末(Zeolyst International、SiO
2/Al
2O
3モル比=30)を、テフロン(登録商標)ライナー中で一緒に混合した。その後、1.10gの19%ジメチルDABCO水酸化物溶液を、混合物に添加した。その後、テフロンライナーを封じ、スチールParrオートクレーブ内に置いた。オートクレーブを、対流式オーブン内のスピットに置き、135℃で4日間加熱した。オートクレーブを取り外し、室温まで冷却させた。その後、固体を濾過によって回収し、脱イオン水で十分に洗浄し、95℃で乾燥した。
【0044】
この調製の生成物は、粉末XRD分析によって純粋なESV骨格型分子ふるいであると同定された。
【0045】
生成物は、ICP元素分析によって測定した際、8.21のSiO
2/Al
2O
3モル比を有した。
【0046】
例4
0.40gの50%NaOH溶液、1.05gの脱イオン水、及び0.51gのCBV720Y−ゼオライト粉末(Zeolyst International、SiO
2/Al
2O
3モル比=30)を、テフロン(登録商標)ライナー中で一緒に混合した。その後、1.09gの19%ジメチルDABCO水酸化物溶液を、混合物に添加した。その後、テフロンライナーを封じ、スチールParrオートクレーブ内に置いた。オートクレーブを、対流式オーブン内のスピットに置き、135℃で4日間加熱した。オートクレーブを取り外し、室温まで冷却させた。その後、固体を濾過によって回収し、脱イオン水で十分に洗浄し、95℃で乾燥した。
【0047】
この調製の生成物は、粉末XRD分析によって純粋なESV骨格型分子ふるいであると同定された。
【0048】
生成物は、ICP元素分析によって測定した際、8.03のSiO
2/Al
2O
3モル比を有した。
【0049】
例5
0.51gの50%NaOH溶液、2.25gの脱イオン水、及び0.50gのCBV720Y−ゼオライト粉末(Zeolyst International、SiO
2/Al
2O
3モル比=30)を、テフロン(登録商標)ライナー中で一緒に混合した。その後、1.09gの19%ジメチルDABCO水酸化物溶液を、混合物に添加した。その後、テフロンライナーを封じ、スチールParrオートクレーブ内に置いた。オートクレーブを、対流式オーブン内のスピットに置き、135℃で4日間加熱した。オートクレーブを取り外し、室温まで冷却させた。その後、固体を濾過によって回収し、脱イオン水で十分に洗浄し、95℃で乾燥した。
【0050】
この調製の生成物は、粉末XRD分析によってESV骨格型分子ふるい及び少量のANA骨格型分子ふるいの混合物であると同定された。
【0051】
例6
1.90gの50%NaOH溶液、5.14gの脱イオン水、及び5.00gのLZ−210Y−ゼオライト粉末(SiO
2/Al
2O
3モル比=13)を、テフロン(登録商標)ライナー中で一緒に混合した。その後、14.89gの19%ジメチルDABCO水酸化物溶液を、混合物に添加した。最後に、6.11gの38.5%ケイ酸ナトリウム溶液を、混合物に添加し、ゲルを均一になるまで撹拌した。その後、テフロンライナーを封じ、スチールParrオートクレーブ内に置いた。オートクレーブを、対流式オーブン内のスピットに置き、150℃で6日間加熱した。オートクレーブを取り外し、室温まで冷却させた。その後、固体を濾過によって回収し、脱イオン水で十分に洗浄し、95℃で乾燥した。
【0052】
この調製の生成物は、粉末XRD分析によってESV骨格型分子ふるい及びANA骨格型分子ふるいの混合物であると同定された。
【0053】
例7
0.38gの50%NaOH溶液、2.02gの脱イオン水、及び0.51gのCBV720Y−ゼオライト粉末(Zeolyst International、SiO
2/Al
2O
3モル比=30)を、テフロン(登録商標)ライナー中で一緒に混合した。その後、1.45gの19%ジメチルDABCO水酸化物溶液を、混合物に添加した。その後、テフロンライナーを封じ、スチールParrオートクレーブ内に置いた。オートクレーブを、対流式オーブン内のスピットに置き、135℃で4日間加熱した。オートクレーブを取り外し、室温まで冷却させた。その後、固体を濾過によって回収し、脱イオン水で十分に洗浄し、95℃で乾燥した。
【0054】
この調製の生成物は、粉末XRD分析によってESV骨格型分子ふるい及び少量のLEV骨格型分子ふるいの混合物であると同定された。
【0055】
例8
2.39gの50%NaOH溶液、6.78gの脱イオン水、及び4.00gのLZ−210Y−ゼオライト粉末(SiO
2/Al
2O
3モル比=13)を、テフロン(登録商標)ライナー中で一緒に混合した。その後、11.17gの19%ジメチルDABCO水酸化物溶液を、混合物に添加した。最後に、8.37gの38.5%ケイ酸ナトリウム溶液を、混合物に添加し、ゲルを均一になるまで撹拌した。その後、テフロンライナーを封じ、スチールParrオートクレーブ内に置いた。オートクレーブを、対流式オーブン内のスピットに置き、150℃で7日間加熱した。オートクレーブを取り外し、室温まで冷却させた。その後、固体を濾過によって回収し、脱イオン水で十分に洗浄し、95℃で乾燥した。
【0056】
この調製の生成物は、粉末XRD分析によってESV骨格型分子ふるい及びLEV骨格型分子ふるいの混合物であると同定された。
【0057】
例9
1.45gの50%NaOH溶液、2.46gの脱イオン水、及び0.49gの50%アルミニウム水酸化物溶液(Barcroft(商標)USP 0250)を、テフロン(登録商標)ライナー中で一緒に混合した。その後、5.55gの19%ジメチルDABCO水酸化物溶液を、混合物に添加した。最後に、6.00gのコロイダルシリカ(LUDOX(登録商標)AS−40)を、混合物に添加し、ゲルを均一になるまで撹拌した。その後、テフロンライナーを封じ、スチールParrオートクレーブ内に置いた。オートクレーブを、対流式オーブン内のスピットに置き、170℃で7日間加熱した。オートクレーブを取り外し、室温まで冷却させた。その後、固体を濾過によって回収し、脱イオン水で十分に洗浄し、95℃で乾燥した。
【0058】
この調製の生成物は、粉末XRD分析によってESV骨格型分子ふるい、ANA骨格型分子ふるい、及びMOR骨格型分子ふるいの混合物であると同定された。
【0059】
例10
SSZ−102のか焼
例1の合成したままの分子ふるい生成物を、空気流において1℃/分の速度で540℃まで加熱するマッフル炉内でか焼し、540℃で5時間保持し、冷却し、その後、粉末XRDによって分析した。
【0060】
図3は、上部が例10で調製されたか焼されたSSZ−102であり、下部が例1で調製された合成したままのSSZ−102である、2つのX線回折パターンの比較を示す。粉末XRDパターンは、材料が、有機SDAを除去するためにか焼された後も安定なままであることを意味する。
【0061】
本明細書及び添付の特許請求の範囲の目的について、別途示されない限り、本明細書及び特許請求の範囲で使用される量、百分率または比率、及び他の数値を表す全ての数は、全ての場合おいて、用語「約」によって修飾されているものとして理解されるべきである。したがって、そうでないことが示されない限り、本明細書及び添付の特許請求の範囲に記載される数値パラメーターは、得ようとする望ましい特性に応じて変化し得る近似値である。本明細書及び添付の特許請求の範囲で使用されるような単数形「1つの(a)」、「1つの(an)」、及び「前記(the)」は、明確かつ一義的に1つの参照対象に限定されない限り、複数の参照を含むことに留意されたい。本明細書で使用される場合、用語「含む(include)」及びその文法的変形は、リスト内の項目群の記述が、リストされた項目群に置換または追加され得る他の類似項目群を排除しないように、非限定的であるよう意図される。本明細書で使用される場合、用語「含む(comprising)」は、その用語に続いて明記される要素またはステップを含むことを意味するが、そのような要素またはステップは網羅的ではなく、実施形態は、他の要素またはステップを含み得る。
【0062】
別途明記されない限り、個々の成分または複数成分の混合物が選択され得る、要素、材料、または他の成分の属の記述は、リストされた成分群及びそれらの混合物の全ての可能な下位の属の組み合わせを含むよう意図される。
【0063】
特許性のある範囲は、特許請求の範囲によって定義され、当業者に想起される他の例を含み得る。そのような他の例は、それらが、特許請求の範囲の文字通りの文言と異ならない構成要素を有する場合か、または特許請求の範囲の文字通りの文言と実質的でない相違を有する等価な構成要素を含む場合、特許請求の範囲の範囲内であることが意図される。本明細書と矛盾しない限度において、本明細書で言及される全ての引用は、参照により本明細書に組み込まれる。
本発明に包含され得る諸態様は、以下のとおりである。
[1].
ESV骨格トポロジーを有し、5〜12のSiO2/Al2O3モル比を有する結晶性分子ふるいであって、そのか焼形態で、実質的に以下の表に示されるようなX線回折パターンを有する、結晶性分子ふるい。
[2].
5〜10のSiO2/Al2O3モル比を有する、上記[1]項に記載の分子ふるい。
[3].
ESV骨格トポロジーを有し、合成したまま及びその無水状態で、モル比換算で、以下のような組成を有する、結晶性分子ふるいであって、
Qは、N,N’−ジメチル−1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタンジカチオンであり、Mは、周期表の1族及び2族の元素から成る群から選択される、結晶性分子ふるい。
[4].
前記分子ふるいは、合成したまま及びその無水状態で、モル比換算で、以下のような組成を有する、上記[3]項に記載の分子ふるい。
[5].
ESV骨格トポロジーを有する結晶性分子ふるいを調製するための方法であって、
(a)以下を含有する反応混合物を調製すること、
(1)ケイ素の少なくとも1つの供給源、
(2)アルミニウムの少なくとも1つの供給源、
(3)前記周期表の1族及び2族から選択される元素の少なくとも1つの供給源、
(4)水酸化物イオン、
(5)N,N’−ジメチル−1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタンジカチオン、及び
(6)水、
ならびに、
(b)前記反応混合物を、前記分子ふるいの結晶を形成するのに十分な結晶化条件に供すること
を含む、上記方法。
[6].
前記分子ふるいは、モル比換算で、以下を含む反応混合物から調製され、
Mは、周期表の1族及び2族の元素から成る群から選択され、Qは、N,N’−ジメチル−1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタンジカチオンである、上記[5]項に記載の方法。
[7].
前記分子ふるいは、モル比換算で、以下を含む反応混合物から調製され、
Mは、周期表の1族及び2族の元素から成る群から選択され、Qは、N,N’−ジメチル−1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタンジカチオンである、上記[5]項に記載の方法。