特許第6383886号(P6383886)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6383886開封装置、服薬管理システム、および薬剤供給装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6383886
(24)【登録日】2018年8月10日
(45)【発行日】2018年8月29日
(54)【発明の名称】開封装置、服薬管理システム、および薬剤供給装置
(51)【国際特許分類】
   A61J 7/00 20060101AFI20180820BHJP
   B65B 69/00 20060101ALI20180820BHJP
   G06Q 50/22 20180101ALI20180820BHJP
   B26D 7/26 20060101ALI20180820BHJP
   B26D 5/34 20060101ALI20180820BHJP
   B26B 27/00 20060101ALN20180820BHJP
【FI】
   A61J7/00 L
   B65B69/00 B
   G06Q50/22
   B26D7/26
   B26D5/34 A
   !B26B27/00 E
【請求項の数】7
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2018-6905(P2018-6905)
(22)【出願日】2018年1月19日
【審査請求日】2018年3月22日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000207551
【氏名又は名称】株式会社SCREENホールディングス
(74)【代理人】
【識別番号】100135013
【弁理士】
【氏名又は名称】西田 隆美
(72)【発明者】
【氏名】生藤 邦夫
(72)【発明者】
【氏名】内田 直樹
【審査官】 小林 睦
(56)【参考文献】
【文献】 特開2016−214823(JP,A)
【文献】 特表2005−523748(JP,A)
【文献】 特開2007−197027(JP,A)
【文献】 特開2013−183952(JP,A)
【文献】 特開2012−139317(JP,A)
【文献】 特開2009−050672(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61J 7/00
A61J 7/04
B65B 69/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の薬剤が一包化された包装を開封するための開封装置であって、
ユーザが、服用しようとする薬剤の前記包装をセット可能であり、
前記ユーザによりセットされた前記包装に付されたコードを読み取る読み取り部と、
前記包装を開封する開封部と、
各部を制御する制御部と、
を有し、
前記制御部は、
前記読み取り部が読み込んだ前記コードに含まれる薬剤の種類および服用日時が適正であるか否かを判断するコード認証部と、
前記開封部を、前記包装の切断が可能である切断可能状態と待機状態とに切り替える開封制御部と、
を有し、
前記開封制御部は、前記コード認証部が前記コードを適正であると判断した場合に限り、前記開封部を前記切断可能状態とする、開封装置。
【請求項2】
請求項1に記載の開封装置であって、
前記コードは、前記包装の表面に印刷された、数字、バーコード、および2次元コードのいずれかを含む、開封装置。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載の開封装置であって、
前記開封部は、
移動可能な刃部と前記刃部を受ける刃受け部とを有するカッターと、
前記包装と前記カッターとを相対的に移動させる移動部と、
を含み、
前記切断可能状態において、前記刃部が前記包装に接触するとともに、前記移動部が前記包装と前記カッターとを相対的に移動させる、開封装置。
【請求項4】
請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の開封装置であって、
無線または有線によって外部と通信する通信部
をさらに有し、
前記通信部を介して前記制御部へと薬剤情報が入力され、
前記コード認証部は、前記薬剤情報に基づいて、前記コードが適正であるか否かを判断する、開封装置。
【請求項5】
一包化された薬剤の服用状況を管理するための服薬管理システムであって、
複数の薬剤が一包化された包装を開封するための開封装置と、
前記開封装置と通信可能な管理装置と、
を備え、
前記開封装置は、
前記包装に付されたコードを読み取る読み取り部と、
前記包装を開封する開封部と、
前記開封装置内の各部を制御する制御部と、
を有し、
前記開封装置には、ユーザが、服用しようとする薬剤の前記包装をセット可能であり、
前記読み取り部は、前記ユーザによりセットされた前記包装に付された前記コードを読み取り、
前記制御部は、
前記読み取り部が読み込んだ前記コードが適正であるか否かを判断するコード認証部と、
前記開封部を、前記包装の切断が可能である切断可能状態と待機状態とに切り替える開封制御部と、
を有し、
前記管理装置は、前記制御部へ薬剤情報を入力し、
前記コード認証部は、前記薬剤情報に基づいて、前記コードに含まれる薬剤の種類および服用日時が適正であるか否かを判断し、
前記開封制御部は、前記コード認証部が前記コードを適正であると判断した場合に限り、前記開封部を切断可能状態とする、服薬管理システム。
【請求項6】
請求項5に記載の服薬管理システムであって、
前記制御部は、前記コード認証部の判断内容と、前記開封部による開封の有無とを、前記管理装置へ送信する、服薬管理システム。
【請求項7】
複数の薬剤が一包化された包装を開封して内部の薬剤を供給するための薬剤供給装置であって、
複数の前記包装を収容する収容部と、
前記包装を開封する開封部と、
前記収容部から前記開封部へと前記包装を移送させる移送部と、
前記移送部により移送される前記包装に付されたコードを読み取る読み取り部と、
各部を制御する制御部と、
を有し、
前記制御部は、
前記移送部に前記包装の移送を行わせる移送制御部と、
前記読み取り部が読み込んだ前記コードが適正であるか否かを判断するコード認証部と、
前記開封部を、前記包装を切断する切断状態と待機状態とに切り替える開封制御部と、
を有し、
ユーザによって前記制御部に対して開封動作を行う旨の指令が入力されると、前記移送部による前記包装の移送が実行され、
前記移送部により前記包装の前記コードが前記読み取り部に達すると前記コード認証部が判断を行い、
前記開封制御部は、前記コード認証部が前記コードに含まれる薬剤の種類および服用日時を適正であると判断した場合に限り、前記開封部を前記切断状態とする、薬剤供給装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の薬剤が一包化された包装を開封するための開封装置、当該開封装置を含む服薬管理システム、および、当該開封装置を備えた薬剤供給装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、高齢化に伴って、定期的な服薬を行う患者の数が増えている。多くの高齢者が、定期的に通院し、複数種類の薬剤(内服薬)を処方されている。このように、複数種類の薬剤を服用する場合、薬剤の種類によって服用すべきタイミングや数量が異なるため、飲み忘れや、重複服用が生じることがある。
【0003】
そこで、処方箋薬局などでは、同じタイミングに服用すべき薬剤を1つの閉じられた包装(袋)内にまとめる「一包化」が行われている。これにより、同じタイミングに服用すべき薬剤を過不足なく服用しやすくなる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2012−6641号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
一包化の包装は、丈夫であると人の手で開封することが困難であるとともに、開封時に中の薬剤が飛び散る虞がある。一方、一包化の包装が丈夫でないと、開封しようとしていないときに破れてしまう虞がある。そこで、従来、薬剤の包装を開封するための装置が開発されている(例えば、特許文献1)。
【0006】
また、薬剤が一包化されている場合であっても、患者が、開封すべきでない包装を開封して、中の薬剤を服用してしまうことが有り得る。例えば、朝食後に薬を服用する際に、誤って昼食後に飲むべき薬剤の包装を開封して、中の薬剤を服用してしまうことが有り得る。
【0007】
本発明は、このような事情に鑑みなされたものであり、薬剤の包装を開封するための装置を用いて、一包化された薬剤の誤服用を抑制する技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するため、本願の第1発明は、複数の薬剤が一包化された包装を開封するための開封装置であって、ユーザが、服用しようとする薬剤の前記包装をセット可能であり、前記ユーザによりセットされた前記包装に付されたコードを読み取る読み取り部と、前記包装を開封する開封部と、各部を制御する制御部と、を有し、前記制御部は、前記読み取り部が読み込んだ前記コードに含まれる薬剤の種類および服用日時が適正であるか否かを判断するコード認証部と、前記開封部を、前記包装の切断が可能である切断可能状態と待機状態とに切り替える開封制御部と、を有し、前記開封制御部は、前記コード認証部が前記コードを適正であると判断した場合に限り、前記開封部を前記切断可能状態とする。
【0009】
本願の第2発明は、第1発明の開封装置であって、前記コードは、前記包装の表面に印刷された、数字、バーコード、および2次元コードのいずれかを含む。
【0010】
本願の第3発明は、第1発明または第2発明の開封装置であって、前記開封部は、移動可能な刃部と前記刃部を受ける刃受け部とを有するカッターと、前記包装と前記カッターとを相対的に移動させる移動部と、を含み、前記切断可能状態において、前記刃部が前記包装に接触するとともに、前記移動部が前記包装と前記カッターとを相対的に移動させる。
【0011】
本願の第4発明は、第1発明ないし第3発明のいずれかの開封装置であって、無線または有線によって外部と通信する通信部をさらに有し、前記通信部を介して前記制御部へと薬剤情報が入力され、前記コード認証部は、前記薬剤情報に基づいて、前記コードが適正であるか否かを判断する。
【0012】
本願の第5発明は、一包化された薬剤の服用状況を管理するための服薬管理システムであって、複数の薬剤が一包化された包装を開封するための開封装置と、前記開封装置と通信可能な管理装置と、を備え、前記開封装置は、前記包装に付されたコードを読み取る読み取り部と、前記包装を開封する開封部と、前記開封装置内の各部を制御する制御部と、を有し、前記開封装置には、ユーザが、服用しようとする薬剤の前記包装をセット可能であり、前記読み取り部は、前記ユーザによりセットされた前記包装に付された前記コードを読み取り、前記制御部は、前記読み取り部が読み込んだ前記コードが適正であるか否かを判断するコード認証部と、前記開封部を、前記包装の切断が可能である切断可能状態と待機状態とに切り替える開封制御部と、を有し、前記管理装置は、前記制御部へ薬剤情報を入力し、前記コード認証部は、前記薬剤情報に基づいて、前記コードに含まれる薬剤の種類および服用日時が適正であるか否かを判断し、前記開封制御部は、前記コード認証部が前記コードを適正であると判断した場合に限り、前記開封部を切断可能状態とする。
【0013】
本願の第6発明は、第5発明の服薬管理システムであって、前記制御部は、前記コード認証部の判断内容と、前記開封部による開封の有無とを、前記管理装置へ送信する。
【0014】
本願の第7発明は、複数の薬剤が一包化された包装を開封して内部の薬剤を供給するための薬剤供給装置であって、複数の前記包装を収容する収容部と、前記包装を開封する開封部と、前記収容部から前記開封部へと前記包装を移送させる移送部と、前記移送部により移送される前記包装に付されたコードを読み取る読み取り部と、各部を制御する制御部と、を有し、前記制御部は、前記移送部に前記包装の移送を行わせる移送制御部と、前記読み取り部が読み込んだ前記コードが適正であるか否かを判断するコード認証部と、前記開封部を、前記包装を切断する切断状態と待機状態とに切り替える開封制御部と、を有し、ユーザによって前記制御部に対して開封動作を行う旨の指令が入力されると、前記移送部による前記包装の移送が実行され、前記移送部により前記包装の前記コードが前記読み取り部に達すると前記コード認証部が判断を行い、前記開封制御部は、前記コード認証部が前記コードに含まれる薬剤の種類および服用日時を適正であると判断した場合に限り、前記開封部を前記切断状態とする。
【発明の効果】
【0015】
本願の第1発明ないし第7発明によれば、予め決められた薬剤の包装しか開封できない。これにより、一包化された薬剤の誤服用を抑制できる。
【0016】
特に、本願の第2発明によれば、包装の表面に、服薬管理のためのコードを、容易に付すことができる。
【0017】
特に、本願の第4発明および第5発明によれば、開封装置自体に、薬剤情報データを入力するための操作部を設ける必要が無い。これにより、開封装置の大型化を抑制しつつ、薬剤情報データの入力を行うことができる。
【0018】
特に、本願の第6発明によれば、開封装置から管理装置へとコード認証部の判断内容等の情報をフィードバックすることにより、薬剤の飲み間違いを抑制するだけでなく、ユーザの薬剤の服用状況を管理できる。
【0019】
特に、本願の第7発明によれば、病院や介護施設などにおいて、一包化された薬剤の誤服用を抑制しつつ、薬剤を供給できる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】服薬管理システムの概略図である。
図2】服薬管理システムの機能ブロック図である。
図3】一包化された薬剤包装の一例を示した図である。
図4】開封時における開封装置の概略断面図である。
図5】開封時における開封装置の概略断面図である。
図6】開封時における開封装置の概略断面図である。
図7】開封時における開封装置の概略上面図である。
図8】開封時における開封装置の概略上面図である。
図9】服薬管理システムを用いた服薬管理の流れを示したフローチャートである。
図10】開封装置を用いた開封処理の流れを示したフローチャートである。
図11】変形例に係る服薬管理システムの概略図である。
図12】変形例に係る服薬管理システムの機能ブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しつつ説明する。なお、以下の説明では、上下方向を示して説明を行っているが、本発明に係る開封装置は、どのような向きで使用されてもよい。
【0022】
<1.服薬管理システム>
はじめに、本発明の一実施形態に係る服薬管理システム1について、図面を参照しつつ説明する。図1は、服薬管理システム1の概略図である。図2は、服薬管理システム1の機能ブロック図である。図3は、一包化された薬剤の包装9の一例を示した図である。図4図6は、開封時における開封装置2の概略断面図である。図7および図8は、開封時の開封装置2の概略上面図である。
【0023】
この服薬管理システム1は、一包化された薬剤の服用状況を管理するためのシステムである。図1および図2に示すように、服薬管理システム1は、開封装置2と、管理装置3とを備える。開封装置2は、複数の薬剤が一包化された包装9を開封するための装置である。管理装置3は、開封すべき包装9を指定するとともに、開封装置2による包装9の開封状況を管理するための装置である。管理装置3と開封装置2とは、有線または無線によって通信可能である。
【0024】
開封装置2は、図1および図4図8に示すように、把持部21と、作用部22と、通知部23とを有する。把持部21は、ユーザが開封装置2を使用する際に把持する部位である。
【0025】
作用部22は、上側作用部221と下側作用部222とを有する。上側作用部221と下側作用部222は、それらの間に包装9の端部が進入可能な間隔を空けて、上下に配置される。上側作用部221は、把持部21および下側作用部222に対して、上下方向に移動する。これにより、上側作用部221と下側作用部222との間に、包装9の端部を進入させて保持することができる。開封装置1は、このように、上側作用部221と下側作用部222との間に包装9の端部を保持した状態で開封処理を行う。
【0026】
上側作用部221の上下方向の移動は、手動で行われてもよいし、自動で行われてもよい。本実施形態では、開封装置2の上面に設けられた開閉ボタン24を押すことにより、上側作用部221が下方へ移動したり、上方へ移動したりする。なお、上側作用部221と下側作用部222との間に包装9が配置されたと認識されると自動的に上側作用部221が下方へ移動する構成であってもよい。
【0027】
通知部23は、後述する制御部50からの信号に従って、所定の音声を発することにより、ユーザにエラー等の情報を通知する。
【0028】
また、図2に示すように、開封装置2は、読み取り部41と、カッター42と、移動部43と、通信部44と、制御部50とを有する。
【0029】
読み取り部41は、薬剤の包装9に付されたコード90を読み取る。図4図6に示すように、本実施形態の読み取り部41は、作用部22の上側作用部221の下面に設けられる。本実施形態では、包装9の表面に、コード90としてバーコードが付されている。このため、読み取り部41として、例えば、CCDスキャン方式のバーコードリーダが用いられる。なお、読み取り部41として、レーザスキャン方式、イメージセンシング方式、およびリニアイメージセンシング方式等の他の種類のバーコードリーダが用いられてもよい。
【0030】
なお、コード90は、包装9の表面に付された文字や、QRコード(登録商標)等の2次元コードであってもよい。コード90として、包装9に印刷されたバーコード等を用いることにより、包装9に容易にコード90を付すことができる。
【0031】
ただし、コード90は、包装9に付された磁気ストライプやICチップであってもよい。
【0032】
カッター42は、包装9を切断するための部位である。図6に示すように、カッター42は、上側作用部221の下面から下方へと移動可能な刃部421と、刃部421を受ける刃受け部422とを有する。刃受け部422は、下側作用部222の上面に設けられた溝である。ただし、下側作用部222に刃部421が設けられ、上側作用部221に刃受け部222が設けられてもよい。
【0033】
移動部43(図2参照)は、包装9とカッター42とを相対的に移動させる機構である。本実施形態の移動部43は、包装9を開封装置2に対して図8中に矢印で示す移動方向に移動させる。カッター42の刃部421を下方へ移動させつつ、移動部43により包装9とカッター42とを相対的に移動させることにより、包装9の端部を切断して開封することができる。すなわち、本実施形態では、カッター42と移動部43とによって、包装9を開封する開封部40が構成される。
【0034】
通信部44(図2参照)は、無線または有線によって外部と通信するための機構である。通信部44には、例えば、開封装置2の筐体内に収容可能なUSBコネクタが用いられる。通信部44としてUSBコネクタを用いれば、パーソナルコンピュータである後述の管理制御部30に、通信部44を介して開封装置2を直接接続可能である。
【0035】
なお、通信部44は、管理装置3とデータの送受信を行うことが可能であればよく、その通信規格はUSBに限られない。また、通信部44は、インターネットを介して管理装置3との間でデータの送受信を行うものであってもよい。
【0036】
制御部50は、開封装置2内の各部を動作制御するための手段である。本実施形態の制御部50は、マイクロコントローラによって構成される。なお、制御部50は、CPU等の演算処理部、RAM等のメモリおよびハードディスクやSDカード等の記憶部により構成されてもよい。また、制御部50は、電気回路によって構成されてもよい。制御部50は、通知部23、開閉ボタン24、読み取り部41、カッター42、移動部43および通信部44と、それぞれ電気的に接続されている。
【0037】
制御部50は、図2に示すように、動作制御上実現される処理部として、コード認証部51と、開封制御部52とを有する。
【0038】
コード認証部51は、読み取り部41により読み取られたコード90が適正であるか否かを判断する。開封処理の前には、予め、通信部44を介して管理装置3から制御部50へ薬剤情報が入力される。コード認証部51は、当該薬剤情報に基づいて、コード90が適正であるか否かを判断する。コード認証部51は、コード90が適正であると判断すると、開封制御部52に開封指令を与える。一方、コード認証部51は、コード90が不適正であると判断すると、通知部23にエラーを通知させる。
【0039】
開封制御部52は、開封部40を切断可能状態と待機状態とに切り替える。開封部40が待機状態である場合、カッター42の刃部421が上側作用部221の内部に収容されるとともに、移動部43の動作が停止される。一方、開封部40が切断可能状態である場合、カッター42の刃部421が下方へと移動して刃部421の先端が刃受け部422内に配置されるとともに、移動部43が駆動する。
【0040】
開封制御部52は、コード認証部51からの開封指令に従って、開封部40を待機状態から切断可能状態へ切り替える。すなわち、開封制御部52は、コード認証部51がコード90が適正であると判断した場合に限り、開封部40を切断可能状態とする。
【0041】
管理装置3は、開封装置2と有線または無線によって通信可能な装置である。本実施形態の管理装置3は、パーソナルコンピュータにより構成される管理制御部30と、ディスプレイ31、キーボード32およびマウス33等の周辺機器とにより構成される。なお、管理装置3には、タブレット端末やスマートフォンなどの他の装置や、専用の装置が用いられてもよい。
【0042】
管理制御部30は、図2中に概念的に示した様に、CPU等の演算処理部301、RAM等のメモリ302、および、ハードディスクメモリやSDカード等の記憶部303により構成される。記憶部303内には、管理装置3の各処理を実行するためのプログラムPおよびデータDが記憶されている。
【0043】
<2.服薬管理の流れ>
次に、服薬管理システム1を用いた服薬管理の流れについて図9および図10を参照しつつ説明する。図9は、服薬管理システム1を用いた服薬管理の流れを示したフローチャートである。図10は、開封装置2を用いた開封処理の流れを示したフローチャートである。
【0044】
服薬管理を行う場合、まず、開封装置2と管理装置3とを、通信可能に接続する。そして、図9に示すように、管理装置3の管理制御部30から開封装置2の制御部50へ、薬剤情報を入力する(ステップS1)。薬剤情報には、例えば、服用すべき薬剤の包装9に付されたコード90と、コード90に対応する服用日および服用時間などの情報とが含まれる。
【0045】
そして、薬剤情報が入力された開封装置2を用いて、開封処理を行う(ステップS2)。その後、再び、開封装置2と管理装置3とを接続し、開封装置2内に記憶された開封情報を、管理装置3へ送信する(ステップS3)。開封情報には、例えば、コード認証部の判断内容および判断日時と、開封動作の有無とが含まれる。
【0046】
このように、この服薬管理システム1では、開封情報を管理装置3へフィードバックする。これにより、ユーザによる薬剤の服用状況を、管理装置3において管理できる。
【0047】
以上のステップS1〜S3は、服薬のタイミング毎に行われる。ただし、ステップS1の薬剤情報の入力およびステップS3の開封情報の送信は、服薬の時間間隔よりも長い一定期間(例えば1週間)毎に行われてもよい。
【0048】
次に、ステップS2の開封処理の流れについて説明する。開封処理を行うときには、図10に示すように、まず、服用しようとする薬剤の包装9を開封装置2にセットする(ステップS21)。具体的には、ユーザが、上側作用部221と下側作用部222との第二包装9の端部を挿入するとともに、包装9のコード90を読み取り部41と対向する位置に配置して、開閉ボタン24を押す。これにより、上側作用部221および下側作用部222によって、包装9の端部が挟み込まれる。
【0049】
包装9が開封装置2にセットされると、読み取り部41がコード90を読み取る(ステップS22)。そして、コード認証部51が、読み取られたコード90が適正であるか否かを判断する(ステップS23)。具体的には、コード認証部51は、コード90の内容に含まれる薬剤の種類および服用日時が、予め入力された薬剤情報のうちで現在の服用日時に該当するものと一致するか否かを判断する。
【0050】
ステップS23において、コード90が適正であると判断すると、コード認証部51は、開封制御部52に開封指令を与える。これにより、開封制御部52が開封部40を切断可能状態に切り替えて、開封動作を実行させる(ステップS24)。その後、制御部50は、ステップS2の開封処理を終了する。ユーザは、開封された包装9の中の薬剤を服用する。
【0051】
一方、ステップS23において、コード認証部51から読み取られたコード90が適正でないと判断すると、制御部50は、通知部23にエラーを通知させる(ステップS25)。エラーの通知方法としては、例えば、単に警告音を発するものであってもよいし、日付・時間帯等の何が異なっているかを音声によって通知するものであってもよい。また、通知部23が表示機能を有する場合、文字または画像を表示することによって通知を行ってもよい。ステップS25のエラー通知後、制御部50は、ステップS2の開封処理を終了する。
【0052】
このように、この服薬管理システム1を用いれば、予め決められた薬剤の包装9しか開封できない。したがって、ユーザは、予め決められた薬剤の包装9のみを開封できる。これにより、開封すべき包装9と、開封すべきでない包装9とを区別するユーザの判断負担が軽減される。すなわち、薬剤の包装を開封するための開封装置2を用いて、一包化された薬剤の誤服用を抑制できる。
【0053】
また、本実施形態では、開封装置2が通信部44を介して管理装置3と通信できる。このため、開封装置2自体に、薬剤情報データを入力するための操作部を設ける必要が無い。これにより、開封装置2の大型化を抑制しつつ、薬剤情報データの入力を行うことができる。
【0054】
<3.変形例>
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は、上記の実施形態に限定されるものではない。
【0055】
図11は、一変形例に係る服薬管理システム1Aの概略図である。図12は、図11の例の服薬管理システム1Aの制御ブロック図である。図11の例の服薬管理システム1Aは、薬剤供給装置2Aと管理装置3Aとを含む。管理装置3Aは、上記の実施形態の管理装置3と同等であるため、説明を省略する。
【0056】
薬剤供給装置2Aは、複数の薬剤が一包化された包装9を開封して、内部の薬剤を供給するための装置である。図11および図12に示すように、薬剤供給装置2Aは、通知ランプ230Aを含む通知部23A、収容部25A、指令ボタン26A、皿部27A、読み取り部41A、カッター42Aを含む開封部40A、通信部44A、移送部45Aおよび制御部50Aを有する。制御部50Aは、薬剤供給装置2A内の各部を制御する。制御部50Aは、コード認証部51A、開封制御部52Aおよび移送制御部53Aを有する。
【0057】
通知部23Aは、予め入力された服用時間になると、通知ランプ230Aを発光させて、服用時間であることをユーザに通知する。なお、通知部23Aは、音声等の光以外の方法によって服用時間であることをユーザに通知してもよい。収容部25Aは、複数の包装9Aを収容する。図11の例では、複数の包装9Aがシート状に連なったものが収容部25Aに収容されている。指令ボタン26Aは、ユーザが薬剤を服用する際に押すことにより、制御部50Aに対して開封動作を行う旨の指令を入力する。皿部27Aには、開封部40Aにより開封された包装9に収容されていた薬剤が載置される。
【0058】
開封部40Aは、カッター42Aを含む。読み取り部41Aおよび通信部44Aは、上記の実施形態の読み取り部41および通信部44と同等であるため、説明を省略する。移送部45Aは、収容部25Aから開封部40Aへと包装9Aを移送させる。読み取り部41Aは、移送部45Aにより移送される包装9Aに付されたコードを読み取る。コード認証部51Aは、読み取り部41Aにより読み取られたコードが適正であるか否かを判断する。開封制御部52Aは、開封部40Aを切断状態と待機状態とに切り替える。開封部40Aが切断状態となると、包装9Aが切断されて開封される。そして、開封された包装9Aの内部に収容されていた薬剤は、皿部27Aに載置される。移送制御部53Aは、移送部45Aに移送の動作を実行させる。
【0059】
薬剤供給装置2Aにおいて、ユーザが指令ボタン26Aを押すと、移送制御部53Aからの指令により、移送部45Aが包装9Aの移送を実行する。そして、最も下流側に配置された包装9Aのコードが読み取り部41に達すると、読み取り部41Aはコードを読み取る。そして、コード認証部51Aが、読み取られたコードが適正であるか否かについての判断を行う。開封制御部52Aは、コード認証部51Aがコードが適正であると判断した場合に限り、開封部40Aを切断状態とする。これにより、最も下流側の包装9が切断・開封され、皿部27Aの上に当該包装9内に収容されていた薬剤が載置される。コード認証部51Aがコードが適正でないと判断した場合、包装9の開封はされず、通知部23Aがエラーを通知する。
【0060】
このような薬剤供給装置2Aを用いれば、ユーザは適正な薬剤を服用できる。例えば、服用時間でない時間にユーザが指令ボタン26Aを押した場合や、セットされた包装9Aの順番が間違っている場合であっても、ユーザが間違った薬剤を服用することを抑制できる。薬剤供給装置2Aは、例えば、病院の入院病棟や介護施設において利用される。このような薬剤供給装置2Aを用いれば、介護者等の手間を軽減しつつ、患者や被介護者による薬剤の誤服用を抑制できる。
【0061】
また、上記の実施形態では、開封装置の開封部は、切断可能状態になると、自動で包装を切断したが、本発明はこの限りではない。開封部は、例えば、待機状態においては、刃部が収容状態でロックがかかっている一方、切断可能状態になると、当該ロックが外れるものであってもよい。この場合、例えば、ユーザが手動で刃部を動かして包装を切断すればよい。
【0062】
また、上記の実施形態では、複数のユーザが同じ開封装置を用いる場合については記載されていない。しかしながら、1つの開封装置を複数のユーザが用いてもよい。その場合、例えば、開封装置にユーザ切替ボタンを設けたり、指紋認証部を設けたりするなど、開封装置がどのユーザが使用しているかの判断を入力するための機構を有する必要がある。
【0063】
また、上記の実施形態では、予め開封装置に薬剤情報が入力されたが、本発明はこの限りではない。例えば、コードに日付および服用時間帯の情報が含まれており、開封装置が当該日付および服薬時間帯が現在の日時と一致するか否かを判断してもよい。このように、詳しい薬剤情報の入力を省略し、日付および服用時間帯のみに基づいて、薬剤の誤服用を抑制する構成であってもよい。
【0064】
また、上記の実施形態では、全ての包装内に、それぞれ複数の薬剤が含まれていたが、本発明はこの限りではない。少なくとも一部の包装内に複数の薬剤が含まれていれば、一部の包装内に単一の薬剤のみが含まれていてもよい。
【0065】
また、上記の実施形態や変形例に登場した各要素を、矛盾が生じない範囲で、適宜に組み合わせてもよい。
【符号の説明】
【0066】
1,1A 服薬管理システム
2 開封装置
2A 薬剤供給装置
3,3A 管理装置
9,9A 包装
23,23A 通知部
25A 収容部
40,40A 開封部
41,41A 読み取り部
44,44A 通信部
45A 移送部
50,50A 制御部
51,51A コード認証部
52,52A 開封制御部
53A 移送制御部
90 コード
【要約】
【課題】薬剤の包装を開封するための装置を用いて、一包化された薬剤の誤服用を抑制できる技術を提供する。
【解決手段】この開封装置1は、複数の薬剤が一包化された包装を開封するための装置であって、包装に付されたコードを読み取る読み取り部41と、包装を開封する開封部40と、各部を制御する制御部50とを有する。制御部50は、読み取り部41が読み込んだコードが適正であるか否かを判断するコード認証部51と、開封部40を切断可能状態と待機状態とに切り替える開封制御部52とを有する。開封制御部52は、コード認証部51が前記コードを適正であると判断した場合に限り、開封部40を切断可能状態とする。これにより、適正な薬剤の包装のみを開封可能である。
【選択図】図2
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12