【実施例1】
【0040】
図1及び
図2を使用して、気泡微細化ユニット2及び微細気泡発生装置3の構成を説明する。
水中に散気管35を配置し、送気ポンプ33により送られてくる気体(空気)を導くため、散気管35に送気管34を接続する。
【0041】
散気管35より水中に放出された第一次気泡16が気泡微細化ユニット2の気泡吸込口22から取り込まれ易いように、散気管35の位置を気泡吸込口22より低い位置に配置する。散気管35は水槽1の床面に配置しても良いが、気泡吸込口22との位置関係を安定化するために水中ポンプ設置台に棚(図示せず)を取付けてその上に設置しても良い。
【0042】
また、散気管35から放出される第一次気泡16の拡散を防ぎ、効率よく気泡吸込み口35に導くために適宜気泡飛散防止壁40を設ける。
【0043】
気泡微細化ユニット2は水槽1内の養殖用水11と共に気泡21を吸込み、その内部で撹拌して微細気泡26を発生させ、微細気泡放出口25から放出する。
【0044】
更に気泡を微細化する必要がある場合や均一な微細気泡を必要とする場合は気泡微細化ユニット2を複数台直列接続することで実現できる。ただ、この場合気泡微細化ユニット2を単に並べるのではなく、バブルの性質を考慮し、
図2に示す様に高さに差をつけると効果的である。
【0045】
直列に接続された複数台の気泡微細化ユニット2は、バブルの流れる順に、第一次気泡微細化ユニット31、第二次気泡微細化ユニット32・・・と名づける。散気管35より放出された第一次気泡16を、第一次気泡微細ユニットの気泡吸い込み口22から取り込み、第一次気泡微細化ユニット31内で撹拌して、第二次気泡17を発生させて、第二次気泡放出口38より水域中へ放出するが、第二次気泡微細化ユニット32は前記第二次気泡17を気泡吸込み口22より取り込み、第二次気泡微細化ユニット32内で撹拌して、第三次微細気泡18を発生させて、第三次気泡放出口39より水域中に放出する。
【0046】
前記微細気泡発生装置内3に更に微細気泡水備蓄室37を備え、第一次気泡微細化ユニット31から放出される微細気泡水を気泡水備蓄室37導入し備蓄し、第二次気泡微細化ユニット32の気泡吸い込み口22を、第一の微細気泡発生装置31の第二次気泡放出口38より高い位置に配する。
【0047】
第一次気泡微細化ユニット31の気泡放出口38より放出された、前記第二次気泡17が衝突する位置に気泡受け板36を配する。微細気泡を衝突させる事と比較的大き目の微細気泡はそのまま上昇し、比較的小さめの気泡は上昇せずに漂うという性質を利用して大きさで選別する。
比較的小さめな気泡は、微細気泡水備蓄室37に蓄積された後、下部に設けた、備蓄気泡放出口41より放出される。
一方比較的大き目の気泡は第一の水中ポンプの微細気泡放出口より高い位置に配された第二次気泡微細化ユニット32の吸込み口より吸込まれ、内部で撹拌され、更に気泡が微細化される。この気泡を第三次気泡18とする。
【0048】
図3に第一の実施として、例微生物ろ過装置を用いた水生生物養殖装置に本願発明の微細気泡発生装置5を応用した例を示す。
この例では水槽1の床を傾斜させてあり、その低部に微細気泡発生装置3が設置されている。
これは水槽1内の水生生物の排泄物や残滓14のうち斜面に沿って下降して来たものに対して微細気泡を付着させ、浮揚しやすくするためである。
【0049】
図4に第二の実施例を示す。水槽1内に養殖用水11と微生物ろ過装置4とオーバーフローパイプ12を設置する。 オーバーフローパイプ12は鉛直に配置し、その下端は水槽1を貫通させてある。
そして上端は水槽1内の最高水位の高さにあわせそれ以上水位が上がらない様にする。
微細気泡が付着した排泄物や残滓は養殖用水11の表面に浮き上がり、オーバーフローパイプ12へ養殖水とともに流れ込む。流れ込んだ水は途中で残滓フィルタ56を通し排泄物や残滓を濾し取った後下部水槽62に流入させる しかし、オーバーフローパイプ12は必ずしも水槽1を貫通しなくてもよく、オーバーフロー水の排出口の高さはオーバーフローパイプ12全体の最下端に位置すればよい。
【0050】
水槽1内に養殖する水生生物13を入れる。
微細気泡発生装置3により発生した微細気泡19は水槽1内に拡散され、養殖水の酸素濃度を上げ、養殖生物13のみではなく、微生物ろ過に用いる上昇水フィルタ51及び下降水フィルタ52内に定着させた微生物、特に好気性微生物を活性化して水中のアンモニア及び亜硝酸を硝化する能力を著しく高める。
【0051】
上昇水フィルタ51及び下降水フィルタ52には多孔質の石材に硝化菌を定着させたものを用いることが多いが、硝化菌が定着可能なものなら、たとえば活性炭やカーボン繊維など他のものも使用可能である。
【0052】
毒性の強いアンモニアが硝化されると養殖水は長期に使用できるが、それでも徐々に酸性化する傾向がある。
そのためにPH調整剤を水中に投入すると良い。
また水中のカルシウムが減少するという問題も生じる。
このためにカルシウム補給剤も投入すると、これが水中に溶出されるとPHがアルカリの方に向かう。
【0053】
PH調整剤として、またカルシウム補給剤として炭酸カルシウムの結晶を水中に投入する。
炭酸カルシウムの結晶の一種にアラゴナイトがある。これは貝が化石化したもので養殖水が酸性化すると水中に溶け出すことでカルシウムの補給になると共にPH調整効果(水の酸性化を防ぐ)がある。
【0054】
また、アラゴナイトは多孔質の素材である。微生物はろ材に根を張っているわけではないので、一時的に表面で繁殖しても水流や気泡の流れで容易に流されてしまう。多孔質の物質に定着する微生物はその孔径が微生物の大きさに合ったものになる。そうであれば多孔質ろ材に生息している微生物は孔の中からでは容易に流されないので定着し易い。
その点アラゴナイトやゼオライトは水質ろ過に使用する微生物に適した穴径をもっている。同じ炭酸カルシウムの結晶体であるカルサイト(方解石)は容易に水に溶け出さないのでこの用途には向かない。
【0055】
そして、孔の中に微生物を定着させるには酸素を孔の中まで十分に届ける必要がある。
しかし、気泡の径が大きいと穴の中に気泡が入り込めず、穴の中のバクテリアに十分酸素が供給されない。そのために微細気泡を微生物ろ過装置に供給することは従来のように散気管で水中に気泡放出する方法だけでは不十分である。微細気泡はろ材の孔の中の微生物に直接酸素を届けることができると共に水中酸素濃度を画期的に高めるので、更に微生物の活性化に図れる。
【0056】
更に微生物の活性化を効果的に行うためには、微細気泡発生装置の気泡放出口17又は18に直接送泡パイプを接続して、微細気泡を上昇水フィルタ又は下降水フィルタに直接送りと届ける方法をとることが出来る。
このとき、微細気泡発生装置の気泡放出口17と送泡パイプ63の間に水中ポンプ53を挿入すれば、確実に微細気泡水を微生物に送り込むことができる。
同じ炭酸カルシウムの結晶体であるカルサイト(方解石)は容易に水に溶け出さないのでこの用途には向かない。
【0057】
微生物ろ過は、養殖生物13の排出するアンモニア成分と餌の残滓が水中へ蓄積されるのを防ぐためである。アンモニアは一般に好気性微生物により亜硝酸へ変換され、そこで生じた亜硝酸は更に好気性微生物により硝酸塩に変換される。一般に硝酸塩は植物の肥料としても有効なもので、アンモニアのような毒性は無い。
この変換は一般に硝化といわれているが、微細気泡により微生物を活性化すると硝化作用を強めることができる。
【0058】
また水槽による養殖で、本発明のように水を浄化しながら使用すると、水換えを少なくて済む。
これは陸上で海洋生物を養殖するときなど非常に有効であるが、長期間水換えをしないと水中のカルシウム成分が不足がちになるとともに水が酸性化してくるという問題も発生してくる。
ろ材としてアラゴナイトを使用するとこの点でも好適である。つまり水が酸性化してくると炭酸カルシウムであるアラゴナイトが徐々に水中に溶出してきて養殖水を中和し、酸性化防ぐ。
【0059】
しかし、アラゴナイトは比重が高いため、比較的比重の低い多孔質ゼオライトと混ぜて使用すると作業をするとき楽である。
【0060】
図5に微生物ろ過適用例を示す。上昇水フィルタ51は一定の容器にろ材55として微生物の定着したゼオライトやアラゴナイトを挿入しておく。その底部から微細気泡を加え、微細気泡と水の上昇流を発生させることにより、ろ材55に定着している微生物を活性化すると共に上昇水フィルタ51内の水を交換するという効果もある。
【0061】
更に微生物を活性化するため、下降水フィルタ52は一定容器に挿入されたろ材55に、上から微細気泡を接触させる。このとき下降水フィルタ52の下部から水を吸い出すことにより、ろ材に定着している微生物を活性化すると共に下降水フィルタ52内の水を交換する。
【0062】
この装置は海や河川の中に設置して用いることが可能だが、陸上で養殖用の水槽に用いることも出来る。その場合この装置を養殖水槽内に設置して使用する。
【0063】
更に狭い建屋などに水槽を設置して使用する場合は、前記水槽を上下に複数段に重ねて使用するが、そのときは上部水槽61と下部水槽62間に微細気泡を含んだ水を循環させる必要がある。
【0064】
このときには以下に示す方法が、騒音や振動を発生せずに行える有力な方法である。
前記水槽1を上下に複数段に重ね、相対的に下部に位置する下部水槽62内に微細気泡発生装置3を配置し、微細気泡発生装置3で発生した微細気泡を下部水槽62内に放出するとともに相対的に上部に位置する上部水槽61にも送出するため、送泡パイプ63を設け、送泡パイプ63の先端である上部微細気泡放出口64を前記上部水槽61内に配置する。
送泡パイプの先端である上部微細気泡放出口64は
図3に示す通り上部液槽61内に水平方向に向ける。
【0065】
気泡微細化ユニット2は内に樹脂製の撹拌翼23を使用すると騒音や振動を発生させず緩やかな流れを作り出ことが出来る。
振動と騒音があると水生生物にストレスが加わり、食欲が低下し、成長が止まり、場合によっては死滅する場合があるので、樹脂製の撹拌翼23による穏やかな水流と微細バブルの上昇力効果を用いることにより、別個の揚水ポンプなどを用いなくても、下部水槽62から上部水槽61に、水とバブルを一気に押し上げ循環させることができるため、飼育生物に十分な溶存酸素を含んだ水を上部水槽61に補充するこの方式は有効である。
【0066】
通常はこのような第一次気泡微細化ユニット31を用いるが、より微細な気泡が必要とされる場合などは、第一次微細気泡微細化ユニット31の第二次気泡放出口38より放出される第二次気泡17を更に第二次気泡微細化ユニット32の気泡吸い込み口22から取り込み、第二次微細気泡微細化ユニット32内で攪拌して第三次気泡放出口18より微細気泡を放出する。
【0067】
第二次気泡放出口38より放出された第二次気泡17の中でも、比較的微細な気泡はあまり上昇せずに漂うが比較的大きい気泡はすぐに上昇する傾向にある。従って第一の微細気泡放出口38より高い位置に第二次気泡微細化ユニット32の気泡吸込み口22を高い位置に置くと第二次気泡微細化ユニット32は大きめの気泡を吸込み微細気泡化する働きを担う。
一方第二次気泡微細化ユニット32から放出された気泡のうち微細な気泡はそのまま水域に放出しても微細気泡としての効果は発揮できる。
【0068】
また、第一次気泡微細化ユニット31の第二次気泡放出口と第二次気泡微細化ユニット32の気泡吸い込み口22を囲う、微細気泡水備蓄室37を設けると、第一次気泡微細化ユニット31から放出された微細気泡がいきなり水中に拡散されるのを防ぎ、第二次気泡微細化ユニット32に効率的に気泡を供給できる。