【実施例】
【0029】
以下、本発明について実施例を挙げて具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。下記実施例及び比較例において、試験シートの減臭性・消臭性、及び臭気吸着性能の回復効果は下記の試験方法により測定し、評価した。
1)減臭性・消臭性
容積5LのTEDLAR(登録商標)バッグを4個用意し、各々のバッグに濃度1
0ppmに調整した個々の化学物質ガス、アンモニア、イソ吉草酸、硫化水素、トル
エンを各々3L封入し、10cm×10cmサイズの試験シートを、試験シートの
表裏面ともバッグ内壁に触れないようにアンモニアバッグ内に固定し、60分後の
アンモニアガス濃度を測定し、この試験シートを次にイソ吉草酸バッグ内に固定し
60分後のイソ吉草酸ガス濃度を測定し、この試験シートを次に硫化水素バッグ内
に固定し、60分後の硫化水素ガス濃度を測定し、この試験シートを次にトルエン
バッグ内に固定し、60分後のトルエンガス濃度を測定した。
2)臭気吸着性能の回復効果
2−1)10cm×10cmサイズの試験シートを容積5LのTEDLAR(登録
商標)バッグに入れ、試験シートの表裏面ともバッグ内壁に触れないようバッグ内
に固定し、濃度100ppmに調整したアンモニアガスを3L封入したバッグ内環境
に60分間晒し、10分毎にアンモニアガス濃度を検知管で測定し1回目の減臭曲
線を描いた。取出した試験シートを新たなTEDLAR(登録商標)バッグに入れ、
1回目の試験同様濃度100ppmに調整したアンモニアガスを3L封入したバッグ
内環境に120分間晒し、10分、30分、60分、120分毎にアンモニアガス
濃度を検知管で測定し2回目の減臭曲線を描いた。同様に3回目の試験を繰り返し
3回目の減臭曲線を描いた。
2−2)3回目の試験を終えた試験シートを5Lの水道水を入れたバット内に浸漬
した状態で20℃×60分間静置し水洗処理した。次に取出した試験シートを80
℃設定のギアーオーブン(電気ヒーター)内に吊るして30分間の熱風加熱処理を
行った。この水洗〜加熱処理を行った試験シートを、再度容積5LのTEDLAR
(登録商標)バッグに入れ、試験シートの表裏面ともバッグ内壁に触れないようバ
ッグ内に固定し、濃度100ppmに調整したアンモニアガスを3L封入したバッグ
内環境に120分間晒し、10分、30分、60分、120分毎にアンモニアガス
濃度を検知管で測定し4回目(再生処理後)の減臭曲線を描き、1〜3回目の減臭
曲線と比較した。
2−3)上記1)試験と同じ要領で、連続で4種のガスに対しての減臭試験を行い
、回復の処理を施した後(2−2処理後)の減臭曲線と、初回の減臭曲線との比較
を行った。
【0030】
[実施例1]
1)
コーテッドヤーン(1)
ポリエステル(PET)のマルチフィラメント糸条500d(555dtex)を下記軟質塩化ビニル樹脂ペーストゾル組成物[配合1]の液浴中にディッピングして軟質塩化ビニル樹脂ペーストゾル組成物をマルチフィラメント糸条の全周に被覆した後、180℃でゲル化処理して熱可塑性樹脂組成物被覆層A(合成ゼオライト及び二酸化珪素の含有量14.2質量%)を形成してピンク色に着色したコーテッドヤーン(1)を得た。
〔配合1〕軟質塩化ビニル樹脂ペーストゾル組成物(熱可塑性樹脂組成物被覆層A)
乳化重合ポリ塩化ビニル樹脂(重合度1700) 100質量部
1,2−シクロヘキサンジカルボン酸ジイソノニル(可塑剤) 70質量部
※商品名:ヘキサモールDINCH(BASF社製)
エポキシ化大豆油(可塑剤) 5質量部
バリウム/亜鉛複合安定剤 2質量部
合成ゼオライト(平均粒子径5μm) 15質量部
二酸化珪素(平均粒子径1μm) 15質量部
アゾジカルボアミド(化学発泡剤) 4質量部
ベンゾトリアゾール(紫外線吸収剤) 0.3質量部
酸化チタン(白顔料) 2質量部
キナクリドンレッド(赤顔料) 1質量部
2)
コーテッドヤーン(2)
ポリエステル(PET)のマルチフィラメント糸条500d(555dtex)を下記軟質塩化ビニル樹脂ペーストゾル組成物[配合2]の液浴中にディッピングして軟質塩化ビニル樹脂ペーストゾル組成物をマルチフィラメント糸条の全周に被覆した後、180℃でゲル化処理して熱可塑性樹脂組成物被覆層B(合成ゼオライト及び酸化亜鉛の含有量14.2質量%)を形成してライトブルーに着色したコーテッドヤーン(2)を得た。
〔配合2〕軟質塩化ビニル樹脂ペーストゾル組成物(熱可塑性樹脂組成物被覆層B)
乳化重合ポリ塩化ビニル樹脂(重合度1700) 100質量部
1,2−シクロヘキサンジカルボン酸ジイソノニル(可塑剤) 70質量部
※商品名:ヘキサモールDINCH(BASF社製)
エポキシ化大豆油(可塑剤) 5質量部
バリウム/亜鉛複合安定剤 2質量部
合成ゼオライト(平均粒子径5μm) 20質量部
酸化亜鉛(平均粒子径1μm) 10質量部
アゾジカルボアミド(化学発泡剤) 4質量部
ベンゾトリアゾール(紫外線吸収剤) 0.3質量部
酸化チタン(白顔料) 2質量部
フタロシアニンブルー(青顔料) 1質量部
3)
メッシュシート
コーテッドヤーン(1)の2本引揃を経糸、コーテッドヤーン(2)の2本引揃を緯糸として、経糸(2本引揃)打込密度13本/1インチ、緯糸(2本引揃)打込密度13本/1インチ、コーテッドヤーン(1):コーテッドヤーン(2)の併用比率が1:1、空隙率28%、質量460g/m
2のバスケット織メッシュシート(外観はピンクとライトブルーの混在の2/2ななこ織柄)を得た。次にこのメッシュシートを180℃で3分間熱処理を施し、化学発泡剤の熱分解ガス生成による発泡気泡痕(12体積%)を形成すると同時に、バスケット織の織り交点を熱融着して接着して織り組織が固定された本発明のメッシュシートを得た。
【0031】
[実施例2]
実施例1の配合2に用いた酸化亜鉛(金属酸化物:平均粒子径1μm)10質量部を酸化アルミニウム(金属酸化物:平均粒子径1μm)10質量部に置き換え、コーテッドヤーン(2)の配合の一部を変更した以外は実施例1と同様にして、実施例1と同規格のメッシュシート(空隙率28%、質量461g/m
2)を得た。
【0032】
[実施例3]
1)
コーテッドヤーン(1)
ポリエステル(PET)のマルチフィラメント糸条500d(555dtex)を下記ポリウレタン樹脂組成物[配合3]の液浴中にディッピングしてポリウレタン樹脂組成物をマルチフィラメント糸条の全周に被覆した後、120℃で乾燥処理して熱可塑性樹脂組成物被覆層A(合成ゼオライト及び二酸化珪素の含有量27.5質量%)を形成してピンク色に着色したコーテッドヤーン(1)を得た。
〔配合3〕ポリウレタン樹脂組成物(熱可塑性樹脂組成物被覆層A)
ポリウレタン樹脂エマルジョン(固形分40質量%) 100質量部
合成ゼオライト(平均粒子径5μm) 8質量部
二酸化珪素(平均粒子径1μm) 8質量部
アゾジカルボアミド(化学発泡剤) 2質量部
ベンゾトリアゾール(紫外線吸収剤) 0.3質量部
酸化チタン(白顔料) 1質量部
キナクリドンレッド(赤顔料) 0.5質量部
2)
コーテッドヤーン(2)
ポリエステル(PET)のマルチフィラメント糸条500d(555dtex)を下記ポリウレタン樹脂組成物[配合4]の液浴中にディッピングしてポリウレタン樹脂組成物をマルチフィラメント糸条の全周に被覆した後、120℃で乾燥処理して熱可塑性樹脂組成物被覆層B(合成ゼオライト及び酸化亜鉛の含有量27.5質量%)を形成してライトブルー色に着色したコーテッドヤーン(2)を得た。
〔配合4〕ポリウレタン樹脂組成物(熱可塑性樹脂組成物被覆層B)
ポリウレタン樹脂エマルジョン(固形分40質量%) 100質量部
合成ゼオライト(平均粒子径5μm) 8質量部
酸化亜鉛(平均粒子径1μm) 8質量部
アゾジカルボアミド(化学発泡剤) 2質量部
ベンゾトリアゾール(紫外線吸収剤) 0.3質量部
酸化チタン(白顔料) 1質量部
フタロシアニンブルー(青顔料) 0.5質量部
3)
メッシュシート
コーテッドヤーン(1)の2本引揃を経糸、コーテッドヤーン(2)の2本引揃を緯糸として、経糸(2本引揃)打込密度13本/1インチ、緯糸(2本引揃)打込密度13本/1インチ、コーテッドヤーン(1):コーテッドヤーン(2)の併用比率が1:1、空隙率30%、質量416g/m
2のバスケット織メッシュシート(外観はピンクとライトブルーの混在の2/2ななこ織柄)を得た。次にこのメッシュシートを180℃で3分間熱処理を施し、化学発泡剤の熱分解ガス生成による発泡気泡痕(9体積%)を形成すると同時に、バスケット織の織り交点を熱融着して接着して織り組織が固定された本発明のメッシュシートを得た。
【0033】
[実施例4]
1)
コーテッドヤーン(1)
ポリエステル(PET)のマルチフィラメント糸条500d(555dtex)を下記アクリル樹脂組成物[配合5]の液浴中にディッピングしてアクリル樹脂組成物をマルチフィラメント糸条の全周に被覆した後、120℃で乾燥処理して熱可塑性樹脂組成物被覆層A(合成ゼオライト及び二酸化珪素の含有量27.5質量%)を形成してピンク色に着色したコーテッドヤーン(1)を得た。
〔配合5〕アクリル樹脂組成物(熱可塑性樹脂組成物被覆層A)
アクリル樹脂エマルジョン(固形分40質量%) 100質量部
合成ゼオライト(平均粒子径5μm) 8質量部
二酸化珪素(平均粒子径1μm) 8質量部
アゾジカルボアミド(化学発泡剤) 2質量部
ベンゾトリアゾール(紫外線吸収剤) 0.3質量部
酸化チタン(白顔料) 1質量部
キナクリドンレッド(赤顔料) 0.5質量部
2)
コーテッドヤーン(2)
ポリエステル(PET)のマルチフィラメント糸条500d(555dtex)を下記アクリル樹脂組成物[配合6]の液浴中にディッピングしてアクリル樹脂組成物をマルチフィラメント糸条の全周に被覆した後、120℃で乾燥処理して熱可塑性樹脂組成物被覆層B(合成ゼオライト及び酸化アルミニウムの含有量27.5質量%)を形成してライトブルー色に着色したコーテッドヤーン(2)を得た。
〔配合6〕アクリル樹脂組成物(熱可塑性樹脂組成物被覆層B)
アクリル樹脂エマルジョン(固形分40質量%) 100質量部
合成ゼオライト(平均粒子径5μm) 8質量部
酸化アルミニウム(平均粒子径1μm) 8質量部
アゾジカルボアミド(化学発泡剤) 2質量部
ベンゾトリアゾール(紫外線吸収剤) 0.3質量部
酸化チタン(白顔料) 1質量部
フタロシアニンブルー(青顔料) 0.5質量部
3)
メッシュシート
コーテッドヤーン(1)の2本引揃を経糸、コーテッドヤーン(2)の2本引揃を緯糸として、経糸(2本引揃)打込密度13本/1インチ、緯糸(2本引揃)打込密度13本/1インチ、コーテッドヤーン(1):コーテッドヤーン(2)の併用比率が1:1、空隙率30%、質量413g/m
2のバスケット織メッシュシート(外観はピンクとライトブルーの混在の2/2ななこ織柄)を得た。次にこのメッシュシートを180℃で3分間熱処理を施し、化学発泡剤の熱分解ガス生成による発泡気泡痕(9体積%)を形成すると同時に、バスケット織の織り交点を熱融着して接着して織り組織が固定された本発明のメッシュシートを得た。
【0034】
[実施例5]
実施例1で用いたコーテッドヤーン(1)1本と、コーテッドヤーン(2)1本を引揃たものを軸糸とし、経糸(2本引揃)打込密度11本/1インチ、バイアス糸(2本引揃)打込密度11本/1インチ、コーテッドヤーン(1):コーテッドヤーン(2)の併用比率が1:1、空隙率25%、質量513g/m
2の三軸バスケット織メッシュシート(外観はピンクとライトブルーの混在の2/2/2ななこ織柄)を得た。次にこのメッシュシートを180℃で3分間熱処理を施し、化学発泡剤の熱分解ガス生成による発泡気泡痕(12体積%)を形成すると同時に、バスケット織の織り交点を熱融着して接着して織り組織が固定された本発明のメッシュシートを得た。
【0035】
[実施例6]
実施例1で用いたコーテッドヤーン(1)1本と、実施例2で用いたコーテッドヤーン(2)1本を引揃たものを軸糸とし、経糸(2本引揃)打込密度11本/1インチ、バイアス糸(2本引揃)打込密度11本/1インチ、コーテッドヤーン(1):コーテッドヤーン(2)の併用比率が1:1、空隙率25%、質量516g/m
2の三軸バスケット織メッシュシート(外観はピンクとライトブルーの混在の2/2/2ななこ織柄)を得た。次にこのメッシュシートを180℃で3分間熱処理を施し、化学発泡剤の熱分解ガス生成による発泡気泡痕(12体積%)を形成すると同時に、バスケット織の織り交点を熱融着して接着して織り組織が固定された本発明のメッシュシートを得た。
【0036】
[実施例7]
実施例3で用いたコーテッドヤーン(1)1本と、コーテッドヤーン(2)1本を引揃たものを軸糸とし、経糸(2本引揃)打込密度11本/1インチ、バイアス糸(2本引揃)打込密度11本/1インチ、コーテッドヤーン(1):コーテッドヤーン(2)の併用比率が1:1、空隙率26%、質量455g/m
2の三軸バスケット織メッシュシート(外観はピンクとライトブルーの混在の2/2/2ななこ織柄)を得た。次にこのメッシュシートを180℃で3分間熱処理を施し、化学発泡剤の熱分解ガス生成による発泡気泡痕(9体積%)を形成すると同時に、バスケット織の織り交点を熱融着して接着して織り組織が固定された本発明のメッシュシートを得た。
【0037】
[実施例8]
実施例4で用いたコーテッドヤーン(1)1本と、コーテッドヤーン(2)1本を引揃たものを軸糸とし、経糸(2本引揃)打込密度11本/1インチ、バイアス糸(2本引揃)打込密度11本/1インチ、コーテッドヤーン(1):コーテッドヤーン(2)の併用比率が1:1、空隙率26%、質量457g/m
2の三軸バスケット織メッシュシート(外観はピンクとライトブルーの混在の2/2/2ななこ織柄)を得た。次にこのメッシュシートを180℃で3分間熱処理を施し、化学発泡剤の熱分解ガス生成による発泡気泡痕(9体積%)を形成すると同時に、バスケット織の織り交点を熱融着して接着して織り組織が固定された本発明のメッシュシートを得た。
【0038】
実施例1〜8のメッシュシートは、二酸化珪素及びゼオライトを質量比1:1とする混合粒子を14.2〜27.5質量%含む熱可塑性樹脂組成物層Aで被覆したコーテッドヤーン(1)、及び(酸化亜鉛または酸化アルミニウム)及びゼオライトを質量比1:1〜1:2とする混合粒子を14.2〜27.5質量%含む熱可塑性樹脂組成物層Bで被覆したコーテッドヤーン(2)を1〜1の本数比率で併用して製織された製織交点を有するバスケット織メッシュシート、及び三軸バスケット織メッシュシートであり、コーテッドヤーン(1)とコーテッドヤーン(2)とに、各々二酸化珪素粒子及び金属酸化物(酸化亜鉛または酸化アルミニウム)を振り分け、熱可塑性樹脂組成物層内に同時にこれらが混在しないように設計したことによって、各々のコーテッドヤーンが塩基性悪臭と酸性悪臭を選択的、かつ効率的に吸着する役割を担い、二酸化珪素粒子と金属酸化物粒子とが共存することで、塩基性悪臭と酸性悪臭との吸着効率を互いに阻害したりするような障害を回避できること、また両者のコーテッドヤーン双方にゼオライト粒子を含有することでシンナーやトルエンなどの有機溶剤、ホルムアルデヒドなどの揮発性化学物質臭などに対して吸着性を有するので、臭気成分全般(VOC含む)に対して長期間バランス良く濃度を減少させる減臭効果、及び経時的に人間の感知限界濃度に引き下げる消臭効果を有するメッシュシートが得られること、さらに減臭効果が飽和状態となっても、(熱)水洗、ヒーター加熱、及び天日干し、の単独、または併用の処理によって臭気吸着率を初期の50%以上に容易に回復できることなどの特徴が確認された。
【0039】
【表1】
【0040】
[比較例1]
ポリエステル(PET)のマルチフィラメント糸条500d(555dtex)2本引揃を経糸、及び緯糸として経糸・緯糸各々の打込密度13本(2本引揃)/1インチとするバスケット織物(空隙率30%、質量175g/m
2)を基布に用い、この基布を被覆する熱可塑性樹脂組成物被覆層として下記配合7の軟質ポリ塩化ビニル樹脂ペーストゾル組成物を調製し、配合7のペーストゾルの液浴中に基布を浸漬し、基布を引き上げると同時にマングルロールで圧搾して付着ゾルを含浸被覆した後、180℃でゲル化処理して熱可塑性樹脂組成物被覆層を形成して全体がピンク色に着色されたメッシュシートを得た。この被覆層の付着量は285g/m
2、メッシュシートの空隙率は28%、熱可塑性樹脂被覆層には気泡痕を12体積%含み、二酸化珪素と酸化亜鉛、及びゼオライトとによる混合粒子を14.2質量%含むものであった。
〔配合7〕軟質塩化ビニル樹脂ペーストゾル組成物
乳化重合ポリ塩化ビニル樹脂(重合度1700) 100質量部
1,2−シクロヘキサンジカルボン酸ジイソノニル(可塑剤) 70質量部
※商品名:ヘキサモールDINCH(BASF社製)
エポキシ化大豆油(可塑剤) 5質量部
バリウム/亜鉛複合安定剤 2質量部
合成ゼオライト(平均粒子径5μm) 10質量部
二酸化珪素(平均粒子径1μm) 10質量部
酸化亜鉛(金属酸化物:平均粒子径1μm) 10質量部
アゾジカルボアミド(化学発泡剤) 4質量部
ベンゾトリアゾール(紫外線吸収剤) 0.3質量部
酸化チタン(白顔料) 2質量部
キナクリドンレッド(赤顔料) 1質量部
【0041】
[比較例2]
実施例1のコーテッドヤーン(1)の熱可塑性樹脂組成物層Aの〔配合1〕に用いた二酸化珪素(平均粒子径1μm)15質量部を、白竹炭(平均粒子径1μm)15質量部に置換し、また実施例1のコーテッドヤーン(2)の熱可塑性樹脂組成物層Bの〔配合2〕に用いた酸化亜鉛(平均粒子径1μm)10質量部を、鉄電気石:NaFe
3Al
6(BO
3)
3Si
6O
18(OH)
4(平均粒子径1μm)10質量部に置換した以外は実施例1と同様として、コーテッドヤーン(1)の2本引揃を経糸、コーテッドヤーン(2)の2本引揃を緯糸として、経糸(2本引揃)打込密度13本/1インチ、緯糸(2本引揃)打込密度13本/1インチ、コーテッドヤーン(1):コーテッドヤーン(2)の併用比率が1:1、空隙率28%、質量460g/m
2のバスケット織メッシュシート(外観はピンクとライトブルーの混在の2/2ななこ織柄)を得た。次にこのメッシュシートを180℃で3分間熱処理を施し、化学発泡剤の熱分解ガス生成による発泡気泡痕(12体積%)を形成すると同時に、バスケット織の織り交点を熱融着して接着して織り組織が固定された本発明のメッシュシートを得た。
【0042】
比較例1のメッシュシートは同一熱可塑性樹脂組成物層内に二酸化珪素粒子と金属酸化物(酸化亜鉛または酸化アルミニウム)が混在したことによって、アンモニアのような塩基性悪臭を先に吸着してしまうと、次いでイソ吉草酸のような酸性悪臭の吸着を試みても、実施例のような本来の減臭効果が得られず、次いで同様に硫化水素での吸着を試みても、実施例のような本来の減臭効果が得られず、最後にトルエンの吸着については実施例レベルの減臭効果を発現していたが、比較例1のメッシュシートでは生活臭全般に対する減臭効果や消臭効果が不十分であることが明らかであった。また比較例1のメッシュシートは回復処理で減臭効果が初期の50%以上回復するものであったが、初期の減臭性能自体が悪いガスが2種類存在することで、その回復使用の価値を認めないものであった。また比較例2のメッシュシートは4種類の臭気成分ガスの吸着に対して、実施例1〜8のメッシュシートの減臭効果よりも劣っており、しかも吸着効果の回復性にも乏しいものであった。
【0043】
【表2】