(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0103】
[1.パチンコ機の全体構造]
本発明の一実施形態であるパチンコ機1について、図面を参照して詳細に説明する。まず、
図1乃至
図9を参照して本実施形態のパチンコ機1の全体構成について説明する。
図1は本発明の一実施形態であるパチンコ機の正面図である。
図2はパチンコ機の右側面図であり、
図3はパチンコ機の平面図であり、
図4はパチンコ機の背面図である。
図5はパチンコ機を前から見た斜視図であり、
図6はパチンコ機を後ろから見た斜視図である。
図7は本体枠から扉枠を開放させると共に、外枠から本体枠を開放させた状態で前から見たパチンコ機の斜視図である。
図8はパチンコ機を扉枠、遊技盤、本体枠、及び外枠に分解して前から見た分解斜視図であり、
図9はパチンコ機を扉枠、遊技盤、本体枠、及び外枠に分解して後ろから見た分解斜視図である。
【0104】
本実施形態のパチンコ機1は、遊技ホールの島設備(図示しない)に設置される枠状の外枠2と、外枠2の前面を開閉可能に閉鎖する扉枠3と、扉枠3を開閉可能に支持していると共に外枠2に開閉可能に取付けられている本体枠4と、本体枠4に前側から着脱可能に取付けられると共に扉枠3を通して遊技者側から視認可能とされ遊技者によって遊技球が打込まれる遊技領域5aを有した遊技盤5と、を備えている。
【0105】
パチンコ機1の外枠2は、
図8及び
図9等に示すように、上下に離間しており左右に延びている上枠部材10及び下枠部材20と、上枠部材10及び下枠部材20の両端同士を連結しており上下に延びている左枠部材30及び右枠部材40と、を備えている。上枠部材10、下枠部材20、左枠部材30、及び右枠部材40は、前後の幅が同じ幅に形成されている。また、上枠部材10及び下枠部材20の左右の長さに対して、左枠部材30及び右枠部材40の上下の長さが、長く形成されている。
【0106】
また、外枠2は、左枠部材30及び右枠部材40の下端同士を連結し下枠部材20の前側に取付けられる幕板部材50と、上枠部材10の正面視左端部側に取付けられている外枠側上ヒンジ部材60と、幕板部材50の正面視左端側上部と左枠部材30とに取付けられている外枠側下ヒンジ部材70と、を備えている。外枠2の外枠側上ヒンジ部材60と外枠側下ヒンジ部材70とによって、本体枠4及び扉枠3が開閉可能に取付けられている。
【0107】
パチンコ機1の扉枠3は、正面視の外形が四角形で前後に貫通している貫通口111を有した枠状の扉枠ベースユニット100と、扉枠ベースユニット100の前面下部に取付けられ遊技球を貯留可能な上皿201及び下皿202を有した皿ユニット200と、扉枠ベースユニット100の前面上部に取付けられるトップユニット350と、扉枠ベースユニット100の前面左部に取付けられる左サイドユニット400と、扉枠ベースユニット100の前面右部に取付けられる右サイドユニット450と、扉枠ベースユニット100の前面右下部に皿ユニット200を貫通して取付けられ上皿201に貯留された遊技球を遊技盤5の遊技領域内へ打込むために遊技者が操作可能なハンドルユニット500と、扉枠ベースユニット100の後面下部に取付けられ遊技領域内へ打ち損じた遊技球を受けて皿ユニット200の下皿202へ排出するファールカバーユニット520と、扉枠ベースユニット100の後面下部に取付けられ上皿201の遊技球を球発射装置680へ送るための球送りユニット540と、扉枠ベースユニット100の後面に取付けられ貫通口111を閉鎖するガラスユニット560と、ガラスユニット560の後面下部を覆う防犯カバー580と、を備えている。
【0108】
パチンコ機1の本体枠4は、一部が外枠2の枠内に挿入可能とされると共に遊技盤5の外周を支持可能とされた枠状の本体枠ベース600と、本体枠ベース600の正面視左側の上下両端に取付けられ外枠2の外枠側上ヒンジ部材60及び外枠側下ヒンジ部材70に夫々回転可能に取付けられると共に扉枠3の扉枠側上ヒンジ部材140及び扉枠側下ヒンジ部材150が夫々回転可能に取付けられる本体枠側上ヒンジ部材620及び本体枠側下ヒンジ部材640と、本体枠ベース600の正面視左側面に取付けられる補強フレーム660と、本体枠ベース600の前面下部に取付けられており遊技盤5の遊技領域5a内に遊技球を打込むための球発射装置680と、本体枠ベースの正面視右側面に取付けられており外枠2と本体枠4、及び扉枠3と本体枠4の間を施錠する施錠ユニット700と、本体枠ベース600の正面視上辺及び左辺に沿って後側に取付けられており遊技者側へ遊技球を払出す逆L字状の払出ユニット800と、本体枠ベース600の後面下部に取付けられている基板ユニット900と、本体枠ベース600の後側に開閉可能に取付けられ本体枠ベース600に取付けられた遊技盤5の後側を覆う裏カバー980と、を備えている。
【0109】
本体枠4の払出ユニット800は、本体枠ベース600の後側に取付けられる逆L字状の払出ユニットベース801と、払出ユニットベース801の上部に取付けられており上方へ開放された左右に延びた箱状で図示しない島設備から供給される遊技球を貯留する球タンク802と、球タンク802の下側で払出ユニットベース801に取付けられており球タンク802内の遊技球を正面視左方向へ誘導する左右に延びたタンクレール803と、払出ユニットベース801における正面視左側上部の後面に取付けられタンクレール803からの遊技球を蛇行状に下方へ誘導する球誘導ユニット820と、球誘導ユニット820の下側で払出ユニットベース801から着脱可能に取付けられており球誘導ユニット820により誘導された遊技球を払出制御基板ボックス950に収容された払出制御基板951(
図95を参照)からの指示に基づいて一つずつ払出す払出装置830と、払出ユニットベース801の後面に取付けられ払出装置830によって払出された遊技球を下方へ誘導すると共に皿ユニット200における上皿201での遊技球の貯留状態に応じて遊技球を通常放出口又は満タン放出口の何れかから放出させる上部満タン球経路ユニット850と、払出ユニットベース801の下端に取付けられ上部満タン球経路ユニット850の通常放出口から放出された遊技球を前方へ誘導して前端から扉枠3の貫通球通路526へ誘導する通常誘導路及び満タン放出口から放出された遊技球を前方へ誘導して前端から扉枠3の満タン球受口530へ誘導する満タン誘導路を有した下部満タン球経路ユニット860と、を備えている。
【0110】
本体枠4の基板ユニット900は、本体枠ベース600の後側に取付けられる基板ユニットベース910と、基板ユニットベース910の正面視左側で本体枠ベース600の後側に取付けられ内部に低音用のスピーカ921を有したスピーカユニット920と、基板ユニットベース910の後側で正面視右側に取付けられ内部に電源基板が収容されている電源基板ボックス930と、スピーカユニット920の後側に取付けられており内部にインターフェイス制御基板が収容されているインターフェイス制御基板ボックス940と、電源基板ボックス930及びインターフェイス制御基板ボックス940に跨って取付けられており内部に遊技球の払出しを制御する払出制御基板951が収容された払出制御基板ボックス950と、を備えている。
【0111】
パチンコ機1の遊技盤5は、
図8及び
図9等に示すように、遊技球が打込まれる遊技領域5aの外周を区画し球発射装置680から発射された遊技球を遊技領域5aの上部に案内する外レール1001及び内レール1002を有した前構成部材1000と、前構成部材1000の後側に取付けられると共に遊技領域5aの後端を区画する平板状の遊技パネル1100と、遊技パネル1100の後側の下部に取付けられており上方に開放された箱状の基板ホルダ1200と、基板ホルダ1200の後側に取付けられておりパチンコ機1の遊技を制御するための主制御基板1310を有している主制御ユニット1300と、遊技パネル1100の前側で遊技領域5a内に取付けられ遊技領域5a内に打込まれた遊技球を受入可能な複数の入賞口を有した表ユニット(図示は省略)と、基板ボックス1200の上側で遊技パネル1100の後側に取付けられている裏ユニット3000と、を備えている。
【0112】
本実施形態のパチンコ機1は、上皿201に遊技球を貯留した状態で、遊技者がハンドルレバー504を回転操作すると、球発射装置680によってハンドルレバー504の回転角度に応じた強さで遊技球が遊技盤5の遊技領域5a内へ打込まれる。そして、遊技領域5a内に打込まれた遊技球が、図示しない入賞口に受入れられると、受入れられた入賞口に応じて、所定数の遊技球が払出装置830によって上皿201に払出される。この遊技球の払出しによって遊技者の興趣を高めることができるため、上皿201内の遊技球を遊技領域5a内へ打込ませることができ、遊技者に遊技を楽しませることができる。
【0113】
[2.外枠の全体構成]
パチンコ機1の外枠2について、
図10乃至
図15を参照して説明する。
図10はパチンコ機における外枠の正面図であり、
図11は外枠の右側面図である。また、
図12は外枠を前から見た斜視図であり、
図13は外枠を後ろから見た斜視図である。
図14は、外枠を分解して前から見た分解斜視図である。
図15は(a)は外枠における外枠側上ヒンジ部材の部位を左枠部材を省略して下側から見た斜視図であり、(b)は(a)を分解して示す分解斜視図である。外枠2は、遊技ホール等のパチンコ機1が設置される島設備(図示は省略)に取付けられるものである。
【0114】
外枠2は、図示するように、上下に離間しており左右に延びている上枠部材10及び下枠部材20と、上枠部材10及び下枠部材20の両端同士を連結しており上下に延びている左枠部材30及び右枠部材40と、を備えている。上枠部材10、下枠部材20、左枠部材30、及び右枠部材40は、前後の幅が同じ幅に形成されている。また、上枠部材10及び下枠部材20の左右の長さに対して、左枠部材30及び右枠部材40の上下の長さが、長く形成されている。また、外枠2は、上枠部材10及び下枠部材20の左右両端面と、左枠部材30及び右枠部材40の左右方向の外側を向いた側面とが、同一面となるように組立てられている。
【0115】
また、外枠2は、上枠部材10の正面視左端部側に取付けられている外枠側上ヒンジ部材60と、外枠側上ヒンジ部材60の下面に取付けられているロック部材66と、幕板部材50の正面視左端側上部と左枠部材30とに取付けられている外枠側下ヒンジ部材70と、を備えている。外枠2の外枠側上ヒンジ部材60と外枠側下ヒンジ部材70とによって、本体枠4及び扉枠3を開閉可能に取付けることができる。
【0116】
また、外枠2は、左枠部材30及び右枠部材40の下端同士を連結し下枠部材20の前側に取付けられる幕板部材50と、幕板部材50の後側に取付けられていると共に両端が左枠部材30及び右枠部材40に夫々取付けられる幕板補強部材80と、幕板部材50の上面における左右中央から左寄りの位置に取付けられている平板状の左滑り部材81と、幕板部材50の上面における右端付近の位置に取付けられている平板状の右滑り部材82と、を備えている。幕板補強部材80は、中実の部材(例えば、木材、合板、等)によって形成されており、下枠部材20、左枠部材30、及び右枠部材40に、取付けられている。
【0117】
更に、外枠2は、上枠部材10と左枠部材30、上枠部材10と右枠部材40、下枠部材20と左枠部材30、及び下枠部材20と右枠部材40を、夫々連結している連結部材85を備えている。また、外枠2は、右枠部材40の内側(左側面側)に取付けられており後述する施錠ユニット700の外枠用鉤703が係止される上鉤掛部材90及び下鉤掛部材91を、備えている。
【0118】
[2−1.上枠部材]
外枠2の上枠部材10は、所定厚さの無垢(中実)の材料(例えば、木材、合板、等)によって形成されている。この上枠部材10は、左右両端における前後方向の中央に、上下に貫通しており左右方向中央側へ窪んだ係合切欠部11を備えている。この係合切欠部11内には、連結部材85の後述する左上連結部材85A及び右上連結部材85Bの上横固定部87が取付けられる。また、上枠部材10は、正面視左側端部の上面と前面に、一般面よりも窪んだ取付段部12を備えている。この取付段部12には、外枠側上ヒンジ部材60が取付けられる。
【0119】
[2−2.下枠部材]
外枠2の下枠部材20は、所定厚さの無垢(中実)の材料(例えば、木材、合板、等)によって形成されている。この下枠部材20は、左右の長さ及び上下の厚さが、上枠部材10の左右の長さ及び上下の厚さと同じ寸法に形成されていると共に、前後の幅が、上枠部材10の前後の幅よりも長く形成されている。下枠部材20は、左右両端における前後方向の中央よりも後側寄りの位置に、上下に貫通しており左右方向中央側へ窪んだ係合切欠部21を備えている。この係合切欠部21内には、連結部材85の後述する左下連結部材85C及び右下連結部材85Dの下横固定部88が取付けられる。
【0120】
また、下枠部材20は、左右両端の前面から後方へ窪んだ前端切欠部22を備えている。下枠部材20において、前端切欠部22の後端から下枠部材20の後面までの前後方向の幅が、上枠部材10の前後方向の幅と同じ寸法に形成されている。この下枠部材20は、外枠2に組立てた状態で、左右の前端切欠部22同士の間の部位が、幕板部材50内に挿入される。
【0121】
[2−3.左枠部材及び右枠部材]
外枠2の左枠部材30及び右枠部材40は、一定の断面形状で上下に延びており、アルミ合金等の金属の押出形材によって形成されている。左枠部材20及び右枠部材40は、平面視において互いに対称の形状に形成されている。左枠部材30及び右枠部材40は、外枠2として組立てた時に、左右方向の外側となる側面において、前後方向中央に対して後寄りの位置から後端付近までの間に、内側へ窪んだ凹部31,41と、凹部31,41の反対側の側面から膨出しており内部が空洞に形成されている突出部32,42と、を備えている。この左枠部材30及び右枠部材40は、突出部32,42によって、強度・剛性が高められている。また、突出部32,42内には、連結部材85の後述する左上連結部材85A及び右上連結部材85Bの後側の下横固定部88が挿入されて取付けられる。
【0122】
また、左枠部材30及び右枠部材40は、表面に上下に延びた複数の溝が形成されている。この複数の溝によって、パチンコ機1を遊技ホール等の島設備に設置したり運搬したりする等の際に、作業者の指掛りとなってパチンコ機1を持ち易くすることができると共に、パチンコ機1の外観の意匠性を高めることとができる。
【0123】
[2−4.幕板部材]
外枠2の幕板部材50は、後側が開放された箱状に形成されている。幕板部材50は、上面における正面視左端付近に後方へ平板状に延出している後方延出部51と、後方延出部51の左端から遊技球が通過可能な大きさでU字状に切欠かれており上下に貫通している左排出孔52と、後方延出部51における左排出孔52の右側において遊技球が通過可能な大きさで上下に貫通している右排出孔53と、後方延出部51の後端を含む幕板部材50の上面の後端から上方へ平板状に延出している立壁部54と、立壁部54の上端付近から前方へ膨出しており前面が上方へ向かうに従って後方へ向かうように傾斜している返し部55と、を備えている。
【0124】
幕板部材50は、後方延出部51の前側の上面と、後方延出部51の上面とに、外枠側下ヒンジ部材70が載置されるように、外枠側下ヒンジ部材70の後述する水平部71が取付けられる。また、幕板部材50の左排出孔52は、外枠2に組立てた状態で外枠側下ヒンジ部材60の後述する排出孔74と一致する位置に形成されている。また、右排出孔53は、外枠に組立てた状態で外枠側下ヒンジ部材60よりも右側となる位置に形成されている。右排出孔53は、左排出孔52よりも大きく形成されている(
図18等を参照)。
【0125】
また、幕板部材50は、後方延出部51よりも右側の上面が、前端側が低くなるように傾斜している。また、幕板部材50は、上面における後方延出部51よりも右側の部位に左滑り部材81を取付けるための左取付部56と、上面における右端付近に右滑り部材82を取付けるための右取付部57と、を備えている。幕板部材50は、上面に、左滑り部材81及び右滑り部材82を介して本体枠3の下面が載置される。
【0126】
この幕板部材50は、図示するように、前面に浅いレリーフ状の装飾が形成されている。また、幕板部材50は、図示は省略するが、箱状の内部が複数のリブによって格子状に仕切られており、強度・剛性が高められている。また、幕板部材50は、幕板補強部材80の前側半分を、内部に収容可能に形成されている。
【0127】
[2−5.外枠側上ヒンジ部材]
外枠2の外枠側上ヒンジ部材60は、図示するように、水平に延びた平板状で外形が四角形の上固定部61と、上固定部61の前端から前方へ延出している平板状の前方延出部62と、前方延出部62の右端から前方へ向かうに従って前方延出部62の左右中央へ延びており上下に貫通している軸受溝63と、上固定部61の平面視左辺から下方へ延びている平板状の横固定部64と、前方延出部62の左端から前端を周って軸受溝63が開口している部位までの端辺から下方へ延びており横固定部64と連続している平板状の垂下部65と、を備えている(
図15(b)等を参照)。
【0128】
外枠側上ヒンジ部材60は、外枠2が組立てられた状態で、上固定部61が、上枠部材10の取付段部12の上面に載置されており、図示しないビスによって固定されている。また、前方延出部62は、上枠部材10の前端よりも前方へ延出している。また、横固定部64は、左枠部材30の外側側面の凹部31内に上側から挿入された状態で、ビスによって左枠部材30に固定されている。
【0129】
この外枠側上ヒンジ部材60は、軸受溝63内に本体枠側上ヒンジ部材620の本体枠上ヒンジピン622を挿入させることで、外枠側下ヒンジ部材70と協働して本体枠4を開閉可能に支持することができる。この外枠側上ヒンジ部材60は、金属板をプレス成型により屈曲させて形成されている。
【0130】
[2−6.ロック部材]
外枠2のロック部材66は、
図15に示すように、左右が所定幅で前後に延びている帯板状のロック本体66aと、ロック本体66aの後端から右方へ突出している操作部66bと、ロック本体66aの後端から左方へ延びた後に斜め左前方へ延びている弾性変形可能な棒状の弾性部66cと、ロック本体66aの後端付近で上下に貫通している取付孔66dと、を備えている。このロック部材66は、合成樹脂によって形成されている。ロック部材66は、取付ビス67によって、外枠側上ヒンジ部材60における前方延出部62の下面に回動可能に取付けられる。
【0131】
このロック部材66は、取付孔66dを通して、ロック本体66aの後端が、外枠側上ヒンジ部材60の前方延出部62における軸受溝63よりも後側の位置に取付けられる。また、ロック部材66を外枠側上ヒンジ部材60に取付けた状態では、ロック本体66aが、平面視で軸受溝63を遮ることができると共に、前端付近の右側面が、外枠側上ヒンジ部材60の垂下部65における軸受溝63の開口まで延びている部位と当接可能となるように前方へ延びている(
図17を参照)。
【0132】
また、ロック本体66aの後端から左方へ延びている弾性部66cの先端は、外枠側上ヒンジ部材60における垂下部65の内周面に当接している。このロック部材66は、弾性部66cの付勢力によって取付孔66dを中心に、前端が左方へ回動する方向に付勢されている。従って、通常の状態では、ロック部材66のロック本体66aの前端付近の右側面が、垂下部65に当接している(
図17を参照)。この状態では、軸受溝63におけるロック本体66aよりも前側の部位に、本体枠側上ヒンジ部材620の後述する本体枠上ヒンジピン622を収容可能な空間が形成される。
【0133】
このロック部材66は、操作部66bを操作することで、弾性部66cの付勢力に抗してロック本体66aを回動させることができる。そして、操作部66bの操作によって、ロック本体66aを、その前端が左方へ移動する方向へ回動させることで、平面視において軸受溝63からロック本体66aを後退させることができ、軸受溝63が全通している状態とすることができる。これにより、軸受溝63内に本体枠上ヒンジピン622を挿入したり、軸受溝63内から本体枠上ヒンジピン622を外したりすることができる。
【0134】
[2−7.外枠側下ヒンジ部材]
外枠2の外枠側下ヒンジ部材70は、図示するように、水平に延びている平板状の水平部71と、水平部71の左辺において前後方向中央よりも後側の部位から上方へ立上がっている平板状の立上り部72と、水平部71の前端付近から上方へ突出している外枠下ヒンジピン73と、水平部71を上下に貫通しており遊技球が一つのみ通過可能な大きさの排出孔74と、を備えている。この外枠側下ヒンジ部材70は、金属板をプレス成型により屈曲させて形成されている。
【0135】
外枠側下ヒンジ部材70の水平部71は、平面視において、左辺を底辺とした台形に形成されている。外枠下ヒンジピン73は、円柱状で、上下方向中央よりも上部が、上端が窄まった円錐台状に形成されている。この外枠下ヒンジピン73は、水平部71の前端付近における左寄りの位置に取付けられている。排出孔74は、水平部71において、立上り部72の前後方向中央の部位と接し、水平部71の左辺から右方へ逆U字状に延びるように形成されている。この排出孔74は、幕板部材50の左排出孔52と、略同じ大きさに形成されている。
【0136】
外枠側下ヒンジ部材70は、外枠2が組立てられた状態では、水平部71が、幕板部材50の左端付近の上面と後方延出部51上に載置されており、水平部71が、幕板部材50の上面を貫通する図示しないビスによって幕板補強部材80に固定されている。また、外枠2が組立てられた状態では、立上り部72が、左枠部材30の内側側面における突出部32よりも前側の部位に、図示しないビスによって取付けられている。この外枠側下ヒンジ部材70は、外枠下ヒンジピン73を、本体枠4の本体枠側下ヒンジ部材640における本体枠用下ヒンジ孔(図示は省略)に挿通させることで、外枠側上ヒンジ部材60と協働して本体枠4を開閉可能に取付けることができる。
【0137】
また、外枠2が組立てられた状態では、排出孔74が、幕板部材50の左排出孔52と一致している。これにより、水平部71上の遊技球を、排出孔74及び左排出孔52を通して、幕板部材50の後側へ落下(排出)させることができる。詳述すると、外枠2に対して本体枠4を閉じる時に、外枠2と本体枠4との間に落下した遊技球が、本体枠4が閉じられるのに従って、外枠2と本体枠4との間が徐々に狭くなることから、間隔が広い後方側へ転動とすることとなり、排出孔74から排出させることができる。この際に、排出孔74が、パチンコ機1に組立てた状態で、外枠2に対して本体枠4を閉じた時に、本体枠4の後端と略同じとなる位置に形成されているため、外枠2と本体枠4との間に落下した遊技球を、排出孔74から排出させることで本体枠4よりも後側へ転動するのを阻止し易くすることができ、外枠側下ヒンジ部材70の部位に遊技球が留まり難くすることができる。
【0138】
[2−8.連結部材]
外枠2の連結部材85は、上枠部材10と左枠部材30とを連結する左上連結部材85Aと、上枠部材10と右枠部材40とを連結する右上連結部材85Bと、下枠部材20と左枠部材30とを連結する左下連結部材85Cと、下枠部材20と右枠部材40とを連結する右下連結部材85Dと、がある。
【0139】
連結部材85は、水平に延びた平板状の水平固定部86と、水平固定部86の左右側辺の何れか一方から上方へ延出している平板状の上横固定部87と、水平固定部86における上横固定部87が延出している部位と同じ側から下方へ延出している平板状の下横固定部88と、を備えている。この連結部材85は、平板状の金属板を屈曲させて形成されている。
【0140】
左上連結部材85A及び右上連結部材85Bでは、水平固定部86の前後方向の中央から上横固定部87が上方へ延出していると共に、上横固定部87の前後両側から下横固定部88が下方へ延出している。つまり、左上連結部材85A及び右上連結部材85Bでは、下横固定部88が前後に離間して二つ備えられている。左上連結部材85A及び右上連結部材85Bの水平固定部86は、上枠部材10の下面に当接した状態で上枠部材10に固定される。また、左上連結部材85A及び右上連結部材85Bの上横固定部87は、上枠部材10の係合切欠部11内に挿入されて、上枠部材10の左右方向の端部に固定される。また、左上連結部材85A及び右上連結部材85Bの前側の下横固定部88は、左枠部材30又は右枠部材40突出部32,42よりも前側の内側側面に固定される。更に、左上連結部材85A及び右上連結部材85Bの後側の下横固定部88は、左枠部材30又は右枠部材40突出部32,42内に挿入されて外側側面から捩じ込まれるビスにより左枠部材30又は右枠部材40に固定される。
【0141】
左下連結部材85C及び右下連結部材85Dでは、上横固定部87の後端が、水平固定部86の後端よりも後方へ突出していると共に、上横固定部87の水平固定部86よりも後方へ突出している部位の下端から下横固定部88が水平固定部86よりも下方へ延出している。また、左下連結部材85C及び右下連結部材85Dでは、上横固定部87の後端から水平固定部86と同じ側へ突出している屈曲部89を更に備えている。左下連結部材85C及び右下連結部材85Dの水平固定部86は、下枠部材20の上面に当接した状態で固定される。また、左下連結部材85C及び右下連結部材85Dの上横固定部87は、左枠部材30又は右枠部材40の突出部32,42よりも前側の内側側面に固定される。更に、左下連結部材85C及び右下連結部材85Dの下横固定部88は、下枠部材20の係合切欠部21内に挿入されて下枠部材20の左右方向の端部面に固定される。
【0142】
[2−9.外枠側上ヒンジ部材のロック機構]
次に、本実施形態のパチンコ機1の外枠2において、外枠側上ヒンジ部材60におけるロック部材66による本体枠4の本体枠側上ヒンジ部材620に対するロック機構について、
図16及び
図17を参照して説明する。
図16は(a)は外枠の外枠側上ヒンジ部材に対して本体枠の本体枠側上ヒンジ部材が取外されている状態を拡大して示す斜視図であり、(b)は外側上ヒンジ部材に本体側上ヒンジ部材が取付けられている状態を拡大して示す斜視図である。
図17は外枠におけるロック部材の作用を示す説明図である。
【0143】
外枠2におけるロック部材66は、外枠側上ヒンジ部材60の前方延出部62に取付けた状態(通常の状態)では、弾性部66cの先端が垂下部65の内周面と当接しており、ロック本体66aがく字状に屈曲した軸受溝63の一部を閉塞するようになっていると共に、ロック本体66aの先端部分が、軸受溝63の最深部分を閉塞した状態とはならず、軸受溝63の最深部分に本体枠4の本体枠側上ヒンジ部材620の本体枠上ヒンジピン622を挿入可能な空間が形成された状態となっている。
【0144】
本実施形態における外枠側上ヒンジ部材60とロック部材66とを用いた本体枠上ヒンジピン622の支持機構は、本体枠上ヒンジピン622が軸受溝63の最深部分に挿入されてロック本体66aの前端の右側面が、右側の垂下部65と接近している状態(この状態ではロック本体66aの前端の右側面と右側の垂下部65との間に僅かな隙間があり当接した状態となっていない)である通常の軸支状態においては、屈曲している軸受溝63の最深部分に位置する本体枠上ヒンジピン622とロック本体63の前端面との夫々の中心が斜め方向にずれて対向した状態となっている。
【0145】
そして、この通常の軸支状態においては、重量のある本体枠4を軸支している本体枠上ヒンジピン622が軸受溝63の前端部分に当接した状態となっているので、本体枠上ヒンジピン622からロック部材66aの前端面への負荷がほとんどかかっていない。つまり、ロック部材66の弾性部66cに対し負荷がかかっていない状態となっている。なお、ロック本体66aの前端面が円弧状に形成されているため、ロック部材66を回動させるために操作部66bを回動操作した時に、ロック部材66がスムーズに回動するようになっている。また、図示では、ロック本体66aの前端面の円弧中心が、取付孔66dの中心(ロック部材66の回転中心)とされている。
【0146】
従って、本体枠上ヒンジピン622がく字状に形成された軸受溝63の傾斜に沿って抜ける方向に作用力Fがかかって、ロック本体66aの円弧状の前端面に当接したとき、その作用力Fを、本体枠上ヒンジピン622と円弧状の前端面との当接部分に作用する分力F1(ロック本体66aの前端面の円弧の法線方向)と、本体枠上ヒンジピン622と軸受溝63の一側内面との当接部分に作用する分力F2と、に分けたときに、分力F1の方向が取付孔66d(取付ビス67)の中心(ロック部材66の回転中心)を向くため、ロック部材66のロック本体66aの前端が、右側の垂下部65から離れる方向に回転させるモーメントが働かず、本体枠上ヒンジピン622がロック部材66のロック本体66aの前端部と軸受溝63の一側内面との間に挟持された状態が保持される。
【0147】
このため、通常の軸支状態、或は、本体枠上ヒンジピン622の作用力がロック部材66にかかった状態でも、ロック部材66の弾性部66cに常時負荷がかからず、合成樹脂で一体形成される弾性部66cのクリープによる塑性変形を防止し、長期間に亘って本体枠上ヒンジピン622の軸受溝63からの脱落を防止することができる。なお、仮に無理な力がかかってロック部材66のロック本体66aの前端部が右方へ移動する方向へ回転させられても、ロック本体66aの前端右側面が垂下部65に当接してそれ以上回転しないので、ロック部材66が前方延出部62の外側にはみ出ないようになっている。
【0148】
なお、ロック本体66aの前端面の形状は円弧状でなくても、上記した分力F1の作用により回転モーメントが生じない位置又はロック部材66をその前端部が前方突出部62の外側に向って回転させる回転モーメントが生ずる位置にロック部材66の回転中心(取付ビス67により固定される軸)を位置させることにより、常時ロック部材66の弾性部66cに対しても負荷がかかることはないし、ロック部材66が回転してもロック本体66aの前端の右側面が垂下部65に当接するだけであるため、ロック部材66が前方延出部62の外側にはみ出ることもない。
【0149】
外枠側上ヒンジ部材60の軸受溝63に、本体枠側上ヒンジ部材620の本体枠上ヒンジピン622を支持させる場合は、軸受溝63の開放されている側から軸受溝63内に本体枠上ヒンジピン622を挿入する。軸受溝63内に本体枠上ヒンジピン622を挿入すると、ロック部材66のロック本体66aの右側面に本体枠上ヒンジピン622が当接し、弾性部66cの付勢力に抗してロック本体66aの前端が左方へ移動するようにロック部材66が取付ビス67を中心に回動する。これにより、軸受溝63を閉鎖していたロック本体66aが後退して軸受溝63が開放され、軸受溝63の最深部(前端)へ本体枠上ヒンジピン622を移動させることができるようになる。
【0150】
そして、軸受溝63の最深部に本体枠上ヒンジピン622を移動させると、本体枠上ヒンジピン622とロック部材66のロック本体66aとの当接が解除され、弾性部66cの付勢力によってロック本体66aの前端が右方へ移動するようにロック部材66が回動し、ロック部材66が通常の状態に復帰する。これにより、本体枠上ヒンジピン622が、軸受溝63内におけるロック本体66aの前端よりも前側の空間に収容された状態となり、本体枠上ヒンジピン622が、軸受溝63の最深部において回動可能な状態で保持(ロック)された状態となる。
【0151】
軸受溝63内から本体枠上ヒンジピン622を取外す場合は、ロック部材66の操作部66bを操作して、ロック本体66aの前端が左方へ移動するようにロック部材66を回動させ、弾性部66cの付勢力に抗して軸受溝63からロック本体66aを後退させる。これにより、軸受溝63の最深部と開口部とが連通した状態となり、軸受溝63から本体枠上ヒンジピン622を取外すことができる。
【0152】
[2−10.外枠側下ヒンジ部材の部位における防犯機構と球噛み防止機構]
本実施形態のパチンコ機1における外枠2の外枠側下ヒンジ部材70の部位における防犯機構と外枠2と本体枠4との間に遊技球が挟まれるのを防止するための球噛み防止機構について、
図18を参照して説明する。
図18(a)は
図1におけるA−A断面図であり、(b)は(a)において外枠に対して扉枠と共に本体枠を開いた状態を示す断面図である。
【0153】
外枠2は、組立てた状態では、幕板部材50の上面における正面視左端部に外枠側下ヒンジ部材70が取付けられている。外枠側下ヒンジ部材70の水平部71は、幕板部材50の上面の左端付近と後方延出部51の上面とに載置された状態で取付けられている。この幕板部材50には、上面の後端から上方へ立上がっている立壁部54を備えている。これにより、外枠側下ヒンジ部材70と本体枠側下ヒンジ部材640との間の隙間を通して、本体枠4(パチンコ機1)の後側へピアノ線等の不正な工具を侵入させようとしても、不正な工具の先端が幕板部材50の上面の後端から上方へ延出している立壁部54に当接するため、不正な工具がこれ以上後側へ挿入されるのを阻止することができ、外枠側下ヒンジ部材70の部位を介して不正行為が行われるのを防止することができる。
【0154】
また、立壁部54の上端に、前方へ延出している返し部55を備えているため、立壁部54に当接した不正な工具が上方へ曲がった場合、返し部55によって不正な工具の先端を更に前方へ折返させることができるため、本体枠4の後側に不正な工具が侵入させられるのを阻止することができ、外枠側下ヒンジ部材70の部位を介して不正行為が行われるのを確実に阻止することができる。
【0155】
ところで、幕板部材50の上面の後端に上方へ延出している立壁部54を備えるようにした場合、
図18(b)に示すように、外枠2に対して本体枠4を開いている状態で、遊技球が外枠側下ヒンジ部材70(水平部71)上に落下した場合、水平部71上の遊技球が、立壁部54の存在によって水平部71の後端から後方へ排出されないため、外枠2と本体枠4との間に挟まれてしまう虞がある。これに対して、本実施形態では、外枠側下ヒンジ部材70の水平部71と、幕板部材50の後方延出部51とに、遊技球が通過可能な排出孔74、右排出孔52、及び左排出孔53を備えているため、外枠側下ヒンジ部材70の水平部71上の遊技球を、排出孔74等から下方へ排出することができ、外枠2と本体枠4との間に遊技球が挟まれるのを低減させることができる。
【0156】
従って、外枠2と本体枠4との間に遊技球が挟まれることで、外枠側下ヒンジ部材70の周りが破損したり、本体枠4が正常な状態で閉まらずに外枠2と本体枠4との間に隙間ができてしまい、その隙間を使って不正行為が行われてしまったりするのを防止することができる。
【0157】
[3.扉枠の全体構成]
パチンコ機1の扉枠3について、
図19乃至
図25を参照して説明する。
図19はパチンコ機における扉枠の正面図であり、
図20は扉枠の背面図である。
図21は扉枠を右前から見た斜視図であり、
図22は扉枠を左前から見た斜視図であり、
図23は扉枠を後ろから見た斜視図である。
図24は扉枠を主な部材毎に分解して前から見た分解斜視図であり、
図25は扉枠を主な部材毎に分解して後ろから見た分解斜視図である。
【0158】
扉枠3は、正面視の外形が四角形で枠状の扉枠ベースユニット100と、扉枠ベースユニット100の前面下部に取付けられる皿ユニット200と、扉枠ベースユニット100の前面上部に取付けられるトップユニット350と、扉枠ベースユニット100の前面左部に取付けられる左サイドユニット400と、扉枠ベースユニット100の前面右部に取付けられる右サイドユニット450と、扉枠ベースユニット100の前面右下部に皿ユニット200を貫通して取付けられるハンドルユニット500と、を備えている。
【0159】
また、扉枠3は、扉枠ベースユニット100の後面下部に取付けられるファールカバーユニット520と、扉枠ベースユニット100の後面下部に取付けられる球送りユニット540と、扉枠ベースユニット100の後面に取付けられ貫通口111を閉鎖するガラスユニット560と、ガラスユニット560の後面下部を覆う防犯カバー580と、を備えている。
【0160】
扉枠3の扉枠ベースユニット100は、
図24及び
図25に等に示すように、外形が縦長の長方形で前後に貫通している貫通口111を有した板状の扉枠ベース110と、扉枠ベース110の前面で正面視右下隅に取付けられておりハンドルユニット500を取付けるための筒状のハンドル取付部材120と、扉枠ベース110の後側に取付けられている枠状の補強ユニット130と、補強ユニット130の正面視左端側の上下両端に取付けられており前方へ突出して本体枠4の本体枠側上ヒンジ部材620及び本体枠側下ヒンジ部材640に回転可能に取付けられる扉枠側上ヒンジ部材140及び扉枠側下ヒンジ部材150と、扉枠ベース110の後側に回動可能に取付けられておりガラスユニット560を着脱可能に取付けるためのガラスユニット取付部材160と、を備えている。
【0161】
扉枠3の皿ユニット200は、詳細は後述するが、上下に列設されており前方へ膨出しており遊技球を貯留可能な上皿201及び下皿202と、上皿201及び下皿202が取付けられていると共に扉枠ベースユニット100の前面に取付けられる板状の皿ユニットベース210と、上皿201の前側で皿ユニットベース210に取付けられ画像を表示可能な上皿液晶表示装置244、遊技者が操作可能なタッチパネル246及び上皿演出ボタン257を有している演出操作ユニット220と、上皿201及び下皿202を前側から覆う皿ユニットカバー260と、正面視上皿201の右側に配置されており遊技状態に応じて回転する扉右下回転体270Aを有している扉右下演出ユニット270と、扉右下演出ユニット270を前側から覆う透明な演出ユニットカバー300と、上皿201に貯留されている遊技球を下皿202へ抜くための上皿球抜きユニット310と、下皿202に貯留されている遊技球を下方へ抜くための下皿球抜きユニット320と、遊技ホールの島設備においてパチンコ機1と隣接して配置される球貸機(図示は省略する。CRユニットとも称す)を操作するための球貸操作ユニット330と、皿ユニットベース210の上部に取付けられており発光装飾可能な上皿トップ装飾部材340と、を主に備えている。
【0162】
扉枠3のトップユニット350は、
図24及び
図25等に示すように、扉枠ベースユニット100の前面において上辺に沿って取付けられる一部が透光性を有したユニットベース360と、ユニットベース360の前面で左右の中央に取付けられており前方へ膨出している透光性を有したトップ装飾部材370と、トップ装飾部材370内に取付けられており高音域のサウンドを出力するトップスピーカ(図示は省略)と、ユニットベース360の後側に取付けられており前面に複数のLEDが取付けられている扉枠上装飾基板380と、を備えている。
【0163】
扉枠3の左サイドユニット400は、
図24及び
図25等に示すように、扉枠ベースユニット100の前面で貫通口111の左側外周縁に沿って取付けられる平板状のユニットベース410と、ユニットベース410の前面に取付けられており上端がトップユニット350のトップ装飾部材370の左端まで延びている透光性を有した左サイド装飾部材420と、左サイド装飾部材420の前側で正面視扉枠3の左上隅となる位置に取付けられており左スピーカ(図示は省略)を有した左スピーカユニット430と、ユニットベース410の後側に取付けられており前面に複数のLEDが取付けられた扉枠左装飾基板440と、を備えている。
【0164】
扉枠3の右サイドユニット450は、
図24及び
図25等に示すように、扉枠ベースユニット100の前面で貫通口111の右側外周縁に沿って取付けられる平板状のユニットベース460と、ユニットベース460の前側に取付けられており上端がトップユニット350のトップ装飾部材370の右端まで延びている透光性を有した右サイド装飾部材470と、右サイド装飾部材470の前面で正面視扉枠3の右上隅となる位置に取付けられており右スピーカ(図示は省略)を有した右スピーカユニット480と、ユニットベース460と右サイド装飾部材470との間に取付けられており前面に複数のLEDが取付けられた扉枠右装飾基板(図示は省略)と、を備えている。
【0165】
扉枠3のハンドルユニット500は、
図24及び
図25等に示すように、扉枠ベースユニット100のハンドル取付部材120に取付けられるハンドル本体502と、ハンドル本体502に回動可能に取付けられており遊技者が回動操作可能なハンドルレバー504と、ハンドルレバー504の前側からハンドル本体502に取付けられておりハンドル本体502と協働してハンドルレバー504を回動可能に支持しているハンドルカバー506と、を備えている。また、ハンドルユニット500は、図示は省略するが、ハンドル本体502内に取付けられておりハンドルレバー504の回転角度を検知するハンドル操作センサ507(
図95を参照)と、ハンドル本体502に取付けられており遊技者が操作可能なストップボタンと、ハンドル本体502内に取付けられており遊技者とハンドルレバー504との接触を検知する接触検知センサ509(
図95を参照)と、を備えている。
【0166】
扉枠3のファールカバーユニット520は、
図24、
図25、及び
図54乃至
図56等に示すように、扉枠ベースユニット100の後側に取付けられ前側が開放された浅い箱状のユニット本体522と、ユニット本体522の前面に取付けられている平板状の蓋部材524と、を主に備えている。ファールカバーユニット520は、正面視左上隅において前後に貫通しており本体枠4の下部満タン球経路ユニット860の通常誘導路と皿ユニット200の上皿球供給口210aとを連通させる貫通球通路526と、貫通球通路526の正面視右側で後方へ向かって開口しており本体枠4の下部満タン球経路ユニット860の満タン誘導路と連通可能な満タン球受口528と、満タン球受口528の正面視右側で上方へ向かって開口しており本体枠4の球発射装置680により発射されにも関わらず遊技領域5a内へ到達しなかった遊技球(ファール球)を受けるファール球受口530と、正面視右下隅で前方へ向かって開口しており満タン球受口528及びファール球受口530に受入れられた遊技球を放出すると共に皿ユニット200の下皿球供給口210cと連通する球放出口532と、を備えている。
【0167】
扉枠3の球送りユニット540は、
図24及び
図25等に示すように、左右に延びており後側が開放された箱状のユニット本体542と、ユニット本体542の後側に取付けられており前側が開放された箱状でファールカバーユニット520の正面視右側で扉枠ベースユニット100の後側に着脱可能に取付けられるユニットカバー544と、前方へ向かって開口しており皿ユニット200の上皿201に貯留されている遊技球が進入する球進入口546と、球進入口546に進入した遊技球を放出可能とされており後方へ向かって開口している球放出口548と、球進入口546に進入した遊技球を排出可能とされており球進入口546の下側で前方へ向かって開口している球排出口550と、を備えている。また、球送りユニット540は、図示は省略するが、球進入口546から進入した遊技球を一つずつ球放出口548から放出させるための球送りソレノイド551(
図95を参照)と、球進入口546から進入した遊技球を球放出口548側又は球排出口550側の何れかに切換える切換機構と、を備えている。
【0168】
扉枠3のガラスユニット560は、
図24及び
図25等に示すように、扉枠ベースユニット100の貫通口111よりも大きい枠状のユニット枠562と、ユニット枠562の前後両側に取付けられておりユニット枠562の枠内を閉鎖する一対のガラス板564と、を備えている。
【0169】
[3−1.皿ユニットの全体構成]
扉枠3の皿ユニット200について、
図26乃至
図41を参照して詳細に説明する。
図26は扉枠の皿ユニットを前から見た斜視図であり、
図27は皿ユニットを後ろから見た斜視図である。
図28は皿ユニットを主な部材毎に分解して前から見た分解斜視図であり、
図29は皿ユニットを主な部材毎に分解して後ろから見た分解斜視図である。
図30(a)は皿ユニットの演出操作ユニットを前から見た斜視図であり、(b)は演出操作ユニットを後ろから見た斜視図である。
図31は演出操作ユニットを主な部材毎に分解して上から見た斜視図であり、
図32は演出操作ユニットを主な部材毎に分解して下から見た分解斜視図である。
図33は演出操作ユニットの取付ベースユニットを分解して上から見た分解斜視図であり、
図34は取付ベースユニットを分解して下から見た分解斜視図である。
【0170】
また、
図35は演出操作ユニットのタッチユニットを分解して上から見た分解斜視図であり、
図36はタッチユニットを分解して下から見た分解斜視図である。
図37は演出操作ユニットのボタンユニットを分解して上から見た分解斜視図であり、
図38はボタンユニットを分解して下から見た分解斜視図である。
図39は皿ユニットの平面図であり、
図40は
図39におけるB−B断面において演出操作ユニットの部位を拡大して示す断面図であり、
図41は
図39におけるC−C断面において演出操作ユニットの部位を拡大して示す断面図である。
【0171】
更に、
図42(a)は皿ユニットの扉右下演出ユニットの正面図であり、(b)は扉右下演出ユニットの右側面図であり、
図43(a)は扉右下演出ユニットを前から見た斜視図であり、(b)は扉右下演出ユニットを後ろから見た斜視図である。
図44は、
図42(b)の扉右下演出ユニットにおけるD−D断面図である。
図45は扉右下演出ユニットを分解して前から見た分解斜視図であり、
図46は扉右下演出ユニットを分解して後ろから見た分解斜視図である。
図47は扉右下演出ユニットの回転体内部ユニットを分解して前から見た分解斜視図であり、
図48は回転体内部ユニットを分解して後ろから見た分解斜視図である。
図49(a)は扉右下演出ユニットの扉右下回転体が前を向いた状態の正面図であり、(b)は扉右下回転体が後ろを向いた状態の正面図である。
【0172】
また、
図50(a)は皿ユニットの上皿球抜きユニットを皿ユニットベースに取付けた状態で前から見た斜視図であり、(b)は上皿球抜きユニットを皿ユニットベースに取付けた状態で後ろから見た斜視図である。
図51は上皿球抜きユニットを分解して前から見た分解斜視図であり、
図52は上皿球抜きユニットを分解して後ろから見た分解斜視図である。また、
図53(a)は皿ユニットの下皿球抜きユニットを前から見た斜視図であり、(b)下皿球抜きユニットを分解して前から見た分解斜視図である。
【0173】
皿ユニット200は、扉枠ベースユニット100から前方へ膨出している。この皿ユニット200は、払出装置830から払出され遊技領域5a内に打込むための遊技球を貯留する上皿201と、上皿201の下側に配置されており上皿201から供給される遊技球を貯留可能な下皿202と、を備えている。また、皿ユニット200は、扉枠ベースユニット100に取付けられる平板状の皿ユニットベース210と、皿ユニットベース210の前面上部に取付けられると共に左右中央より左側が前方へ大きく膨出しており上皿201を形成している上皿本体212と、皿ユニットベース210の前面下部で左右中央に取付けられると共に前方へ大きく膨出しており下皿202を形成している下皿本体214と、を備えている。
【0174】
また、皿ユニット200は、上皿本体212の前側及び皿ユニットベース210の前面に取付けられる演出操作ユニット220と、上皿本体212、下皿本体214、及び演出操作ユニットの前側及び下側を覆い皿ユニットベース210の前面に取付けられる皿ユニットカバー260と、演出操作ユニット220の右側に配置されており皿ユニットベース210の前面右部に取付けられる扉右下演出ユニット270と、扉右下演出ユニット270の前側を覆い皿ユニットベース210の前面に取付けられる演出ユニットカバー300と、皿ユニットベース210を前後から挟むように取付けられており上皿本体212の上皿201内に貯留されている遊技球を下皿202へ抜き取るための上皿球抜きユニット310と、下皿本体214の下側に取付けられており下皿202に貯留されている遊技球を下方へ排出するための下皿球抜きユニット320と、を備えている。
【0175】
更に、皿ユニット200は、演出操作ユニット220の上面に取付けられており遊技ホールの島設備においてパチンコ機1と隣接して配置される球貸機を操作するための球貸操作ユニット330と、皿ユニットベース210の上部に取付けられており発光装飾可能な上皿トップ装飾部材340と、皿ユニットカバー260の後側で皿ユニットベース210の前面左側に取付けられており前方へ向かって光を照射可能な複数のLEDを備えている皿ユニット左装飾基板345と、演出ユニットカバー300の後側且つ扉右下演出ユニット270の下側で皿ユニットベース210の前面右側に取付けられており前方へ向かって光を照射可能な複数のLEDを備えている皿ユニット右装飾基板346と、皿ユニットベース210の後側に取付けられており後述する上皿前装飾基板233、上皿後装飾基板235、上皿液晶基板241、加振装置242、タッチパネル246、演出ボタン装飾基板251、演出ボタン押圧センサ258、扉右下中継基板281、皿ユニット左装飾基板345、及び皿ユニット右装飾基板346と遊技盤5の図示しない周辺制御基板1510との接続を中継する皿ユニット中継基板347と、を備えている。
【0176】
[3−1a.皿ユニットベース]
皿ユニット200の皿ユニットベース210は、
図28及び
図29に示すように、扉枠ベースユニット100の全幅に亘って左右に長く延びている。皿ユニットベース210は、正面視左上隅付近で前後に貫通していると共に後方へ筒状に延びている上皿球供給口210aと、上皿球供給口210aの下側で前後に貫通していると共に上下に延びている複数の長穴からなるスピーカスリット210bと、正面視左右中央の下部において前後に貫通していると共に後方へ筒状に延びている下皿球供給口210cと、下皿球供給口210cの正面視右上側で前後に貫通していると共に上下に延びており上部が上皿本体212の右端に位置する上皿球送り口210dと、を備えている。
【0177】
また、皿ユニットベース210は、上皿球送り口210dの正面視左側で前後に貫通している内周が四角形の透口210eと、透口210eの下辺から前方へ板状に突出している受片210fと、上皿球送り口210dの正面視右上側で前後に貫通している逃し口210gと、正面視右下隅で前後に貫通しており扉枠ベースユニット100のハンドル取付部材120が挿通されるハンドル挿通口210hと、正面視右隅付近で前後に貫通しており施錠ユニット700の鍵シリンダ710が挿通されるシリンダ挿通口210iと、筒状の下皿球供給口210cの正面視右側の側面において後端から前方へ向かって切欠かれている切欠部210jと、を備えている。
【0178】
[3−1b.上皿本体]
皿ユニット200の上皿本体212は、
図28及び
図29に示すように、正面視左右の中央より左側の方が大きく前方へ膨出しており、上方及び後方へ開放された容器状に形成されている。上皿本体212は、正面視右端側に左方及び後方へのみ開放されており遊技球が流通可能な誘導通路部212aを備えている。この上皿本体212は、底面が全体的に右端が低くなるように傾斜している。詳述すると、上皿本体212を皿ユニットベース210に取付けた状態で、上皿本体212の底面が、上皿球供給口210aの下側の位置から上皿球送り口210dの上端から遊技球の外径よりも若干下側の位置へ向かって低くなるように傾斜している。これにより、上皿球供給口210aから前方へ放出された遊技球を、上皿本体212内に受けて貯留することができると共に、受けた遊技球を誘導通路部212aの右端側から上皿球送り口210dへ供給することができる。
【0179】
また、上皿本体212は、底面の後端側で左右の中央から右端付近まで延びている金属製のアース金具212bを備えている。このアース金具212bは、図示は省略するが、電気的に接地(アース)されており、遊技球が接触することで、遊技球に帯電した静電気を除去することができる。
【0180】
[3−1c.下皿本体]
皿ユニット200の下皿本体214は、
図28及び
図29に示すように、前端辺に対して後端辺が長い平面視台形で、上方及び後方が開放された容器状に形成されている。下皿本体214は、底面に上下に貫通しており下皿球抜きユニット320によって閉鎖可能とされている球抜き孔214aを備えており、球抜き孔214aへ向かって低くなるように底面が傾斜している。この下皿本体214は、皿ユニットベース210の下皿球供給口210cから前方へ放出された遊技球を受けて貯留することができると共に、球抜き孔214aから遊技球を皿ユニット200の下方へ排出することができる。
【0181】
[3−1d.演出操作ユニットの全体構成]
皿ユニット200の演出操作ユニット220は、
図30乃至
図32に示すように、正面視左右の中央で皿ユニットベース210及び上皿本体212に取付けられる取付ベースユニット220Aと、取付ベースユニット220Aに取付けられるタッチユニット220Bと、タッチユニット220Bの正面視左側で取付ベースユニット220Aに取付けられるボタンユニット220Cと、タッチユニット220Bと取付ベースユニット220Aとの間に介装される円筒状の複数のダンパ222と、タッチユニット220B及びボタンユニット220Cの外周を上側から覆うように取付ベースユニット220Aに取付けられるユニットカバー224と、取付ベースユニット220Aの正面視右端に取付けられる装飾部材226と、を備えている。
【0182】
演出操作ユニット220のダンパ222は、円筒状に形成されており、外周面における軸方向の中央に溝222aが全周に亘って形成されている。本実施形態におけるダンパ222は、合成ゴムによって形成されている。複数のダンパ222によって、タッチユニット220Bが叩かれた時の衝撃を緩和させて取付ベースユニット220Aや皿ユニットベース210側へ作用する負荷(衝撃)を低減させることができると共に、タッチユニット220Bの後述する加振装置242による振動が、取付ベースユニット220Aや皿ユニットベース210側へ伝達されるのを低減させることができる。
【0183】
[3−1d−1.取付ベースユニット]
演出操作ユニット220の取付ベースユニット220Aは、
図31乃至
図34に示すように、皿ユニットベース210の前面に取付けられ上方が開放された浅い箱状の取付ベース230と、取付ベース230の上側に取付けられると共に後端が上皿本体212の前端に取付けられ上側からタッチユニット200Bを収容可能な上方が開放された浅い箱状のユニットケース231と、ユニットケース231の前端に取付けられる横長の上皿前レンズ部材232と、上皿前レンズ部材232とユニットケース231との間に配置され前面に複数のLEDを備えた上皿前装飾基板233と、上皿前レンズ部材232の前側を覆いユニットカバー224に取付けられる透光性を有した上皿前装飾部材234と、を備えている。
【0184】
また、取付ベースユニット220Aは、ユニットケース231の後端に取付けられており上方へ向かって光を照射可能な複数のLEDを備えた上皿後装飾基板235と、上皿後装飾基板235の上側に配置されユニットカバー224に取付けられる透光性を有した上皿後装飾部材236と、上皿後装飾部材236の前側においてユニットカバー224とユニットケース231とによって挟持され上皿後装飾基板235からの光を導いて上端が線状に発光可能な線状発光レンズ部材237と、上皿後装飾部材236の正面視右側でユニットカバー224に取付けられる筒状のボタン取付部材238と、ボタン取付部材238によって上下にスライド可能に取付けられる上皿球抜きボタン239と、を備えている。
【0185】
取付ベース230は、前後の略中央から前側に、前方へ向かうに従って低くなるように傾斜している平板状の取付側受部230aと、取付側受部230aを貫通しており左右に離間した二つの貫通口230bと、貫通口230bの周縁から下方へ延出している筒状の筒状受部230cと、を備えている。貫通口230bは、内周が四角形に形成されている。筒状受部230cは、下方へ向かうに従って窄まるように角錐筒状に形成されている(
図41を参照)。詳述すると、筒状受部230cは、前側の内周壁が取付側受部230aの面に対して略垂直に延びており、後側の内周壁が取付側受部230aの面に対して下方へ向かうに従って前方へ向かうように傾斜して延びている。また、筒状受部230cは、左右両側の内周壁が取付側受部230aの面の垂直に対して下端(先端)同士が僅かに接近するように傾斜して延びている。
【0186】
ユニットケース231は、上方へ開放されておりタッチユニット220Bを収容可能な収容凹部231aと、収容凹部231aの底面の正面視左右両端付近から夫々前後に離間して一対ずつ上方へ円柱状に突出している横支持ピン231bと、収容凹部231aの底面の前端付近から左右に離間して上方へ円柱状に突出している一対の前支持ピン231cと、収容凹部231aにおいて底面の前後端側の左右中央から上方へ突出している中央支持突起231dと、収容凹部231aの底面の下側から下方へ向かうに従って窄まるように角錐状に突出しており左右に離間した二つの受突部231eと、を備えている。
【0187】
また、ユニットケース231は、収容凹部231aよりも正面視左側で上下に円形に貫通しておりボタンユニット220Cの下部が挿通される挿通孔231fと、上面における挿通孔231fの周りに配置されておりボタンユニット220Cを取付けるためのボタンユニット取付部231gと、収容凹部231aの後側の外周壁において左右に延びていると共に上端から下方へ窪み線状発光レンズ部材237の線状発光部237bが配置される切欠部231hと、を備えている。
【0188】
ユニットケース231の収容凹部231aは、平面視の形状が、左右に延びた四角形と、その四角形の左右両辺から外側へ突出した台形とを組合せた形状に形成されている。また、収容凹部231aは、左右両側の台形の部位の底面に対して、四角形の部位の底面が、下方へ低く形成されている。この収容凹部231aの底面の段差は、ダンパ222の高さ(軸方向の長さ)よりも若干低く形成されている。
【0189】
四つの横支持ピン231bは、収容凹部231aにおける台形の部位の底面から上方へ突出しており、筒状のダンパ222内へ挿入可能に形成されている。また、横支持ピン231bは、上端側に、上端側へ向かうに従って直径が小さくなる円錐台状のテーパ部231iを備えている(
図40を参照)。横支持ピン231bは、収容凹部231aの底面からテーパ部231iの中間までの距離が、ダンパ222の長さと同じとされており、全体がダンパ222よりも長く形成されている。一対の前支持ピン231cは、筒状のダンパ222内へ挿入可能とされており、ダンパ222の半分の長さよりも若干長く形成されている。
【0190】
中央支持突起231dの上端は、収容凹部231aにおける台形の部位の底面と同じ高さまで突出している。受突部231eは、外周が四角形の円錐台状に形成されている。二つの受突部231eは、取付ベース230の二つの貫通口230bと対応した位置に形成されている。受突部231eは、前側の外周壁が収容凹部231aの底面に対して略垂直に延びており、後側の外周壁が収容凹部231aの底面に対して下方へ向かうに従って前方へ向かうように傾斜して延びている。また、受突部231eは、左右両側の外周壁が収容凹部231aの面の垂直に対して下端(先端)同士が僅かに接近するように傾斜して延びている。受突部231eの外周壁の形状は、取付ベース230の筒状受部230cの内周壁の形状と対応している。この受突部231eは、組立てた状態で、下端が取付ベース230の貫通口230a内に挿入されると共に、筒状受部230cの内周壁との間に僅かな隙間が形成される。
【0191】
上皿前装飾部材234は、皿ユニット200が組立てられた状態で、前面が外部に露出する。上皿後装飾基板235は、上皿後装飾部材236を発光装飾させるための複数の装飾用LED235aと、線状発光レンズ部材237を発光装飾させるための複数の周縁用LED235bと、を備えている。
【0192】
線状発光レンズ部材237は、上皿後装飾部材236よりも左右が長く形成されており、上皿後装飾基板235の複数の周縁用LED235bの上側に配置される受光部237aと、受光部237aと連続しユニットケース231の切欠部231hに嵌め込まれる平板状の線状発光部237bと、を備えている。線状発光レンズ部材237は、線状発光部237bをユニットケース231の切欠部231hに嵌め込むことで、線状発光部237aの前面が収容凹部231aの内周壁の一部を形成する。また、線状発光レンズ部材237は、皿ユニット200が組立てられた状態で、線状発光部237bの上端が外部に露出する。この線状発光レンズ部材237は、周縁用LED235bからの光を受光部237aで受光することができ、受光部237aで受光した光を線状発光部237bへ導光して線状発光部237bの上端全体を(線状に)発光させることができる。
【0193】
上皿球抜きボタン239は、ボタン取付部材238によって上下にスライド可能に取付けられ、ボタン取付部材238よりも下方へ延出している延出片239aを備えている。この上皿球抜きボタン239を下方へ押圧することで、上皿球抜きユニット310を動作させて上皿201内に貯留されている遊技球を、上皿201から下皿202へ排出する(抜く)ことができる。
【0194】
取付ベースユニット220Aは、四つの横支持ピン231bと二つの前支持ピン231cに夫々挿入されたダンパ222によって、タッチユニット220Bを弾性的に支持することができる。また、タッチユニット220Bが取付けられるユニットケース231の下方へ突出している二つの受突部231eの外周面と、ユニットケース231の下側で受突部231eの下端が挿入されている取付ベース230の筒状受部の内周面との間に僅かな隙間を形成している。これにより、タッチユニット220B側からユニットケース231が下方へ移動するような力(衝撃)が作用した時に、その力が直ちに取付ベース230の取付側受部230aに伝達されず、ユニットケース231の収容凹部231aの底面が下方へある程度撓んで受突部231eの下端の外周面が筒状受部230cの内周面に当接することで、取付ベース230側へ力が伝達される。つまり、ユニットケース231から取付ベース230へ力を伝達させる際に、ユニットケース231が撓むため、その撓みによって力をある程度減衰させて取付ベース230へ伝達させることができる。
【0195】
また、ユニットケース231の受突部231e及び取付ベース230の筒状受部230cは、それらが形成されている面(タッチユニット220Bの上面と平行な面)に対して傾斜した外周面及び内周面を備えているため、受突部231eから筒状受部230cへ伝達される力の一部が、筒状受部230cが備えられている取付側受部230aの底面に沿った方向へ作用する。これにより、受突部231e(ユニットケース231)側からの力が分散し、取付ベース230に対して一方向へ大きな力が作用するのを回避させることができ、取付ベース230が破損し難くなる。
【0196】
[3−1d−2.タッチユニット]
演出操作ユニット220のタッチユニット220Bは、
図35及び
図36に示すように、上方が開放された浅い箱状の下ケース240と、下ケース240内に上側から取付けられる上皿液晶基板241と、下ケース240内において上皿液晶基板241の左右両外側に配置される一対の加振装置242と、一対の加振装置242及び上皿液晶基板241の上側を覆うと共に下ケース240に取付けられ上方が開放された浅い箱状のベース部材243と、ベース部材243内に上側から挿入され上皿液晶基板241によって制御され画像を表示可能な上皿液晶表示装置244と、上皿液晶表示装置244の外周を覆う薄い金属板からなる枠状のアース金具245と、アース金具245及び上皿液晶表示装置244の上面を覆う透明なタッチパネル246と、タッチパネル246の外周を上側から覆いベース部材243を通して下ケース240に取付けられる枠状の上カバー247と、を備えている。
【0197】
また、タッチユニット220Bは、下ケース240、ベース部材243及び上カバー247を組立てた状態で、それらの後端面において、下ケース240の下端から上カバー247の上端まで上下に延びていると共に、下ケース240等の後端面の左右の略全長に亘って延びており、下ケース240、ベース部材243及び上カバー247の後端面に貼付けられている防水性を有したシート状の防水シール248を備えている。
【0198】
下ケース240は、外形がユニットケース231の収容凹部213aの内形と対応しており、収容凹部213a内に収容可能に形成されている。下ケース240は、左右に延びた長方形状の基板取付部240aと、基板取付部240aの左右両側から夫々台形に突出している平板状の突出部240bと、各突出部240bをダンパ222の外径と同じ内形で上下に貫通していると共に一部が左右方向外側へ開放されており前後に離間して形成された一対のダンパ取付凹部240cと、ダンパ取付凹部240cの内周面から突出しているフランジ部240dと、突出部240bにおける一対のダンパ取付凹部240cの間で基板取付部240a寄りに配置され加振装置242が取付けられる加振装置取付部240eと、を備えている。
【0199】
下ケース240のダンパ取付凹部240cは、平面視の形状がC字状に形成されており、C字の開放されている側からダンパ222を挿入させることができる。また、フランジ部240dは、ダンパ取付凹部240cの上下の略中央で、ダンパ取付凹部240cのC字状の内周面の全周に亘って備えられている。このフランジ部240dは、ダンパ222の溝222a内に挿入可能とされている。
【0200】
加振装置242は、小型の加振駆動モータ242aと、加振駆動モータ242aの回転軸に重心が偏芯して取付けられる錘242bと、を備えている。この加振装置242は、加振駆動モータ242aによって錘242bを回転させることで、振動を発生させることができる。
【0201】
ベース部材243は、上皿液晶表示装置244が上側から挿入され浅い箱状に形成された液晶取付凹部243aと、液晶取付凹部243aの左右両側から外方へ延出している延出部243bと、延出部243bの先端で下ケース240のダンパ取付凹部240cと対応する位置で上下に貫通しており上側が大径に座グリされたネジ孔243cと、ネジ孔243cの下端側に形成されており下端へ向かうに従って直径が大きくなるC面取り状のテーパ部243d(
図40を参照)と、を備えている。
【0202】
ベース部材243のネジ孔243cの下側の内径は、ユニットケース231における横支持ピン231bのテーパ部231iよりも先端側が通過することができると共に、テーパ部231iよりも基端側(下側)が通過することができない大きさに形成されている。
【0203】
タッチパネル246は、衝撃に強く割れ難い強化ガラスと、強化ガラスの上面に備えられた静電容量方式の透明なセンサシートと、強化ガラス及びセンサシートの外周を覆う枠状の保護カバーと、を備えている。
【0204】
タッチユニット220Bは、下ケース240の左右に夫々一対ずつ備えられたダンパ取付凹部240c内に、C字の開放されている側からダンパ222を挿入して、ダンパ222を取付けることができる。この際に、ダンパ取付凹部240cの内周面から突出しているフランジ部240dが、ダンパ222の溝222a内に挿入される。これにより、ダンパ取付凹部240c内のダンパ222が、軸方向へ移動するのが規制される。ダンパ取付凹部240cにダンパ222を取付けた状態では、ダンパ222の上端がベース部材243の延出部243bの下面に当接すると共に、ダンパ222の下端が下ケース240の下端(下面)よりも下方へ突出する。
【0205】
また、タッチユニット220Bは、一対の加振装置242の加振駆動モータ242aが、下ケース240とベース部材243との間に挟持されている。一対の加振装置242は、夫々独立して振動を発生させることができる。
【0206】
また、タッチユニット220Bは、タッチパネル246を通して上皿液晶表示装置244に表示される画像を上側から視認することができる。そして、上皿液晶表示装置244にボタン等の画像を表示させ、遊技者がその画像のボタンを操作するようにタッチパネル246に触れることで、画像のボタンを操作することができる。
【0207】
更に、タッチユニット220Bは、後側の外周面に防止水シール248が貼付けられているため、皿ユニット200上で飲み物等の液体をこぼした時に、その液体がタッチユニット220B内に浸入するのを防止することができ、タッチユニット220Bが液体の浸入によって破損するのを防止することができる。
【0208】
[3−1d−3.ボタンユニット]
演出操作ユニット220のボタンユニット220Cは、
図37及び
図38に示すように、取付ベースユニット220Aにおけるユニットケース231のボタンユニット取付部231gに取付けられる円筒状のユニット本体250と、ユニット本体250の下側に配置され上面にLEDが備えられた演出ボタン装飾基板251と、演出ボタン装飾基板251の下側を覆いユニット本体250の下側に取付けられる基板カバー252と、を備えている。
【0209】
また、ボタンユニット220Cは、ユニット本体250内に上側から上下へスライド可能に挿入される筒状のボタンベース253と、ボタンベース253とユニット本体250との間に配置されボタンベース253を上方へ付勢するバネ部材254と、ボタンベース253内に挿入され演出ボタン装飾基板251のLEDからの光を上方へ導くことが可能な導光部材255と、導光部材255の上側に配置され複数の微小なプリズムを備えたシート状の拡散レンズ部材256と、拡散レンズ部材256の上側を覆いボタンベース253に取付けられる透光性を有した上皿演出ボタン257と、演出ボタン装飾基板251の上面に取付けられておりボタンベース253の下降端への移動を検知する演出ボタン押圧センサ258と、を備えている。
【0210】
ユニット本体250は、外周面の下端から外方へ延出しボタンユニット取付部231gに取付けられる三つの取付片250aと、内周面の下端から内方へ延出しているフランジ状の棚部250bと、内周面に沿って棚部250bを貫通している一対の貫通口250cと、を備えている。
【0211】
ボタンベース253は、棚部250bの内周に挿入される筒状の下筒部253aと、下筒部253aの上端から上方へ向かうに従って直径が大きくなる円錐筒状の上筒部253bと、上筒部253bの上端から下方へ延出しており下端がユニット本体250の貫通口250cを貫通可能とされていると共に下端から外方へ突出しユニット本体250の下面と係合(当接)可能な爪を有する一対の係合爪部253cと、上筒部253bの外周面から上端の外径よりも短く外方へ放射状に突出しており下端がユニット本体250の棚部250bの上面と当接可能な複数の平板状の当接片253dと、下筒部253a及び上筒部253bの外周面から外方へ平板状に延出しており演出ボタン押圧センサ258に検知される検知片253eと、を備えている。
【0212】
バネ部材254は、図示するように、コイルバネとされている。このバネ部材254は、下端がユニット本体250の棚部250bの上面に当接され、上端がボタンベース253における複数の当接片253dによって支持される。
【0213】
導光部材255は、ボタンベース253における上筒部253bの上部に嵌め込まれる円盤状の本体部255aと、本体部255aの下面から下方へボタンベース253の下筒部253aの下端付近まで延びている円柱状の複数の導光部255bと、を備えている。複数の導光部255bは、演出ボタン装飾基板251のLEDと対応するように備えられており、LEDからの光を導いて本体部255aの上面全体から放出させることができる。
【0214】
このボタンユニット220Cは、ボタンベース253、導光部材255、拡散レンズ部材256、及び上皿演出ボタン本体が一体的に組立てられており、それらが一緒にユニット本体250内を上下にスライドすることができる。これらボタンベース253等は、バネ部材254の付勢力によって、上皿演出ボタン257の上面がユニット本体250の上端よりも上方へ突出すると共に、ボタンベース253の一対の係合爪部253cがユニット本体250の下面と係合することで、これ以上の上昇が規制され、上皿演出ボタン257等が上昇端に位置した状態となる。
【0215】
バネ部材254の付勢力に抗して上皿演出ボタン257を下方へ押圧すると、上皿演出ボタン257等が下降し、ボタンベース253の検知片253eが、演出ボタン押圧センサ258によって検知され、上皿演出ボタン257の押圧操作が検知される。上皿演出ボタン257の押圧により、ボタンベース253が下降すると、ボタンベース253の複数の当接片253dの下端が、ユニット本体250の棚部250bの上面に当接し、これ以上の下降が規制され、上皿演出ボタン257等が下降端に位置した状態となる。
【0216】
また、ボタンユニット220Cは、演出ボタン装飾基板251のLEDを発光させることで、上皿演出ボタン257を発光装飾させることができる。演出ボタン装飾基板251のLEDは、フルカラーLEDとされており、上皿演出ボタン257を様々な色に発光装飾させることができる。
【0217】
[3−1d−4.演出操作ユニットの特徴]
本実施形態の演出操作ユニット220は、
図40に示すように、組立てた状態で、タッチユニット220Bの下ケース240のダンパ取付凹部240cに取付けられたダンパ222の下端が、下ケース240の下面よりも下方へ突出していることから、取付ベースユニット220Aのユニットケース231の収容凹部231aの底面と、タッチユニット220Bの下ケース240の下面との間に、隙間が形成される。また、ユニットケース231の四つの横支持ピン231bの先端面(上端面)は、ベース部材243のネジ孔243cの座グリの底面と一致しており、横支持ピン231bに対するタッチユニット220Bの上方へ移動が、横支持ピン231bの上端にねじ込まれたビス227の頭部の平座金によって規制されている。また、横支持ピン231bの上端側に形成されたテーパ部231iと、ベース部材243のネジ孔243cの下端側に形成されたテーパ部243dとは、互いに離間している。
【0218】
また、演出操作ユニット220は、
図41に示すように、ユニットケース231の前支持ピン231cに挿入されているダンパ222の上面は、収容凹部231aの底面における横支持ピン231b側の底面よりも若干上方へ突出している。また、ユニットケース231の収容凹部231aの底面と、下ケース240の下面との間に隙間が形成されていることから、ユニットケース231の前支持ピン231cに挿入されたダンパ222の上面と、下ケース240の下面との間にも隙間が形成されている。また、ユニットケース231の中央支持突起231dの上面と下ケース240の下面との間にも隙間が形成されている。つまり、タッチユニット220Bは、左右両側の横支持ピン231bに挿入されたダンパ222によって、下面が宙に浮いた状態で取付ベースユニット220Aに取付けられている。
【0219】
更に、演出操作ユニット220は、取付ベースユニット220Aの取付ベース230における下方へ窄まる角錐筒状の筒状受部230c内に、上側からタッチユニット220Bが取付けられているユニットケース231における下方へ窄まる角錐状の受突部231eの下端が挿入されている。この筒状受部230cの内周壁と、受突部231eの外周壁との間には、僅かな隙間が形成されている。これにより、通常の状態では、取付ベース230には、ユニットケース231の内側(収容凹部231aの中央側)が宙に浮いた状態で、ユニットケース231の外周付近のみが取付けられている。
【0220】
また、演出操作ユニット220は、
図30等に示すように、タッチユニット220Bにおいて遊技領域5aに近い後側の辺に沿って線状発光レンズ部材237の線状発光部237bの上端が線状(帯状)に露出している。線状発光部237bの上端の長さは、タッチユニット220Bの後辺の長さの約2/3である。このタッチユニット220Bの後辺に沿って露出している線状発光部237bの上端の後側に、上皿後装飾部材236が配置されている。また、上皿後装飾部材236の正面視右側に、上皿球抜きボタン239が配置されている。更に、タッチユニット220Bの正面視左側に、ボタンユニット220Cが配置されている。
【0221】
この演出操作ユニット220は、遊技領域5a内に遊技球を打込むことで変化する遊技状態に応じて、遊技者に対して様々な演出を提示することができる。例えば、タッチユニット220Bの上皿液晶表示装置244に画像を表示させることで、透明なタッチパネル246を通して画像(演出画像)を遊技者に提示して楽しませることができる。
【0222】
この上皿液晶表示装置244に表示される画像として、操作ボタンを模した画像を表示させると共に、タッチパネル246のセンサシート246bによるタッチの検知を受付可能とすることで、遊技者に対して画像の操作ボタンを操作させることができ、タッチパネル246を用いた演出を楽しませることができる。タッチパネル246を用いた演出の際に上皿液晶表示装置244に表示される画像は、操作ボタンに限定するものではなく、様々な画像を表示させることができる。
【0223】
また、演出操作ユニット220では、タッチユニット220Bを複数のダンパ222によってユニットケース231から浮いた状態で支持しているため、遊技状態に応じて加振装置242を動作させることで、タッチユニット220Bを振動させることができる。タッチパネル246を用いた演出の際に、加振装置242によってタッチパネル246(タッチユニット220B)を振動させることで、加振装置242による振動をタッチパネル246に接触している遊技者の指や手等に伝達させて、遊技者に対して画像の操作ボタンを操作しているにも関わらず恰も実体のある操作ボタンを操作しているように錯覚させて驚かせることができ、タッチパネル246と振動による演出を遊技者に楽しませて興趣が低下するのを抑制することができる。
【0224】
更に、演出操作ユニット220では、タッチユニット220Bの正面視左側にボタンユニット220Cを備えているため、遊技状態に応じて遊技者に上皿演出ボタン257を押圧操作させて、上皿演出ボタン257の操作を楽しませることができる。詳述すると、タッチパネル246における画像の操作ボタンでは、タッチパネル246に触れるだけであるため実際の操作ボタンと比較して操作感に欠ける嫌いがあるが、上皿演出ボタン257では現実に押圧操作することができるため、上皿演出ボタン257の操作に違和感を与えてしまうことがなく、上皿演出ボタン257の操作を快適に楽しませることができ、遊技に対する興趣が低下するのを抑制することができる。
【0225】
この演出操作ユニット220は、前方へ膨出している皿ユニット200において上皿201が備えられている部位に配置されているため、タッチユニット220Bやボタンユニット220Cを用いた演出中以外においても、遊技者がタッチユニット220B等を上から叩く虞がある。これに対して、演出操作ユニット220では、タッチユニット220Bをダンパ222によって下側のユニットケース231から浮いた状態で支持しているため、タッチユニット220Bが上から叩かれても、ダンパ222の弾性力によってその衝撃をある程度吸収することができる。詳述すると、タッチユニット220Bが叩かれたり等して上から衝撃(荷重)が作用すると、左右の横支持ピン231bが挿入されているダンパ222に伝達され、タッチユニット220Bが下降しながらダンパ222が圧縮される。横支持ピン231bに支持されたダンパ222が圧縮されることで、タッチユニット220Bからの衝撃が吸収される。
【0226】
そして、更に、衝撃によってタッチユニット220Bが下降すると、下ケース240の下面が前支持ピン231cが挿入されているダンパ222の上端に当接し、タッチユニット220Bの下降に伴って前支持ピン231cに支持されているダンパ222が下方へ圧縮される。これにより、横支持ピン231bに支持されているダンパ222に加えて、前支持ピン231cに支持されているダンパ222によっても、タッチユニット220Bからの衝撃が吸収される。
【0227】
タッチユニット220Bに作用する衝撃によってタッチユニット220Bが更に下降すると、タッチユニット220Bの下ケース240の下面がユニットケース231における収容凹部231aの左右両側の底面と中央支持突起231dの上面とに当接する。これにより、タッチユニット220Bからの衝撃が、複数のダンパ222介さず、タッチユニット220Bからユニットケース231へ直接作用することとなる。
【0228】
更に、タッチユニット220Bが下降すると、中央支持突起231dからの荷重によってユニットケース231の収容凹部231aの底面が、その中央が下方へ移動するように撓むこととなる。この収容凹部231aの底面の撓みによる弾性力によって、タッチユニット220Bからの衝撃が吸収される。この収容凹部231aの底面が撓むことで、収容凹部231aの底面の下側から下方へ突出している一対の受突部231eが下降する。そして、タッチユニット220Bからの衝撃によって受突部231eが更に下降すると、受突部231eの外周壁の下端側が、取付ベース230の筒状受部230cの内周壁に当接し、タッチユニット220Bからの衝撃が、ユニットケース231から取付ベース230へ伝達されることとなる。
【0229】
受突部231eの外周壁と筒状受部230cの内周壁は、夫々が下方へ窄まる角錐状に形成さていることから、受突部231eから筒状受部230c(取付ベース230側)へ伝達される荷重が、取付ベース230の取付側受部230aの底面に沿った方向と底面に垂直な方向とに分散されて伝達される。このように、タッチユニット220Bに作用した衝撃が、取付ベース230に伝達されるまでに、その衝撃を吸収する構成が幾重にも配置されているため、タッチユニット220Bに作用した衝撃を十分に吸収して緩和させることができ、その衝撃によって、タッチユニット220B、ユニットケース231、取付ベース230等を破損し難くすることができる。
【0230】
また、演出操作ユニット220は、遊技状態に応じて上皿後装飾基板235の周縁用LED235bによりタッチユニット220Bの後側の外周縁に沿って延びている線状発光レンズ部材237の線状発光部237bの上端を線状に発光させることができる。これにより、遊技者の関心をタッチユニット220Bへ引付けることができ、タッチユニット220Bにおける上皿液晶表示装置244に表示される画像や、タッチパネル246を用いたタッチ演出等を楽しませて興趣が低下するのを抑制することができる。
【0231】
また、遊技状態に応じて、上皿後装飾基板235の装飾用LED235aによりタッチパネル220Bの後側(線状発光部237bよりも後側)に配置されている上皿後装飾部材236を発光装飾させることができる。この上皿後装飾部材236を発光装飾させることで、線状発光レンズ部材237の線状発光部237bの発光と同様に、遊技者の関心をタッチユニット220B等の演出操作ユニット220へ引付けることができ、演出操作ユニット220によって提示される演出を楽しませて興趣が低下するのを抑制することができる。
【0232】
更に、上皿液晶基板241や上皿液晶表示装置244を備えたタッチユニット220Bを、取付ベースユニット220Aの取付ベース230とユニットケース231とによって、皿ユニットカバー260の後述する上皿下被覆部262の上面よりも高い位置に配置していると共に、タッチユニット220Bの後側の外周面に防水シール248を貼付けている。これにより、上皿201において、外気に触れることで上皿本体212や遊技球の表面で結露した水(水滴)が、上皿201の下方(上皿下被覆部262上)へ流動しても、タッチユニット220B内へ結露した水が浸入するのを防止することができ、タッチユニット220Bにおいて不具合が発生するのを防止することができる。
【0233】
また、
図41に示すように、上皿後装飾部材236や線状発光レンズ部材237を発光装飾させる上皿後装飾基板235を、上皿201の底面よりも高い位置に配置しているため、上皿201で結露した水滴にさらされることがなく、上皿後装飾基板235においてショートや腐蝕等の不具合が発生するのを防止することができる。
【0234】
[3−1e.皿ユニットカバー]
皿ユニット200の皿ユニットカバー260は、
図26乃至
図29に示すように、左右に延びていると共に、左右の中央が前方へ膨出しており、後方へ開放された殻状に形成されている。皿ユニットカバー260は、左右の略中央で前方へ開口しており後端が皿ユニットベース210によって閉鎖される下皿開口部261と、下皿開口部261の内周壁における天板側(上側)を形成しており上皿本体212及び演出操作ユニット220の下側を覆う上皿下被覆部262と、下皿開口部261の正面視左側に配置されており本体枠4のスピーカユニット920の低音スピーカからの音を透過させるスピーカグリル263と、スピーカグリル263の上側に配置され皿ユニット左装飾基板345によって発光装飾される皿ユニット左装飾部材264と、下皿開口部261の正面視右側に配置されておりハンドルユニット500のハンドル本体502の後部が通過するハンドル口265と、皿ユニットカバー260の底面を形成しており下皿本体214の下側を覆う底板部266と、左右の中央で底板部266を上下に貫通しており下皿球抜きユニット320によって閉鎖される底板開口部267と、を備えている。
【0235】
下皿開口部261は、内周壁の底板側(下側)が下皿本体214によって閉鎖される。スピーカグリル263及び皿ユニット左装飾部材264は、金属板に複数の孔を設けたパンチングメタルによって構成されている。
【0236】
この皿ユニットカバー260は、正面視左側の表面が滑らかな感じに形成されているのに対して、右側の表面がゴツゴツした感じに形成されている。また、正面視の右側は、略全体的に透光性を有している。
【0237】
皿ユニットカバー260は、皿ユニット200に組立てた状態で、タッチユニット220Bの上面と上皿下被覆部262の下面との間が、片手で掴むことが可能な間隔に形成されている。これにより、遊技者が、タッチユニット220Bをタッチ操作する際に、下皿開口部261の上側を掴むことで、タッチする指(手や腕)を安定させることができ、タッチユニット220Bのタッチ操作を行い易くできる。
【0238】
詳述すると、組立てた状態では、タッチユニット220Bの前端上面と上皿下被覆部262の下面との間の厚さが約25mmに、タッチユニット220Bの後端上面と上皿下被覆部262の下面との間の厚さが約50mmに、上皿下被覆部262の前端からタッチユニット220Bの後端までの前後の距離が約60mmに、夫々形成されている。また、タッチユニット220Bの上面が、水平に対して約20度傾斜している。これにより、タッチユニット220Bの上面と上皿下被覆部262の下面との間を、遊技者の手で掴むことができる。
【0239】
[3−1f.扉右下演出ユニット]
皿ユニット200の扉右下演出ユニット270は、
図42乃至
図49に示すように、ハンドルユニット500の上側、且つ、演出操作ユニット200の右側に配置されており、遊技状態に応じて回転すると共に発光装飾する球状の扉右下回転体270Aを備えている。扉右下演出ユニット270は、皿ユニットベース210の前面で逃し口210gを閉鎖するように取付けられ扉右下回転体270Aを回転可能に支持するユニットベース271と、ユニットベース271に取付けられている扉右下駆動モータ272と、扉右下駆動モータ272の回転軸に固定されている駆動ギア273と、駆動ギア273と噛合し扉右下回転体270Aに取付けられている従動ギア274と、従動ギア274を回転可能に支持しておりユニットベース271に取付けられている軸部材275と、を備えている。
【0240】
また、扉右下演出ユニット270は、従動ギア274とは扉右下回転体270Aの反対側に取付けられておりユニットベース271に回転可能に支持されている回転体側軸受部材276と、扉右下回転体270Aの従動ギア274とは反対側をユニットベース271と協働して回転可能に支持しているベース側軸受部材277と、ユニットベース271に取付けられており扉右下回転体270Aの回転位置を検知可能な二つの回転検知センサ278と、扉右下回転体270Aの正面視左側でユニットベース271に取付けられている装飾部材279と、ユニットベース271の後側に取付けられており前面に複数のLEDを備えた扉右下ベース装飾基板280と、ユニットベース271の後側に取付けられており扉右下駆動モータ272、回転検知センサ278、扉右下ベース装飾基板280、及び後述する扉右下回転体装飾基板291と周辺制御基板1510との接続を中継する扉右下中継基板281と、を備えている。
【0241】
扉右下回転体270Aは、外殻を構成し夫々が半球殻状の前外殻部材285及び後外殻部材286と、前外殻部材285と後外殻部材286との間に配置される回転体内部ユニット290と、を備えている。前外殻部材285及び後外殻部材286は、回転軸を中心に半円形状の切欠部285a,286aが夫々形成されている。前外殻部材285は、透光性を有した半球殻状の表面に、金属光沢を有し周方向へ帯状に延びている帯装飾285bと、帯装飾285bの中央に配置されているハート形のハート装飾285cと、を備えている。一方、後外殻部材286は、透光性を有した半球殻状の表面に、金属光沢を有し周方向へ帯状に延びている帯装飾286bを備えている。前外殻部材285と後外殻部材286とを合わせた時に、前外殻部材285の帯装飾285bと後外殻部材286の帯装飾286bとが繋がるように形成されている。
【0242】
回転体内部ユニット290は、
図47及び
図48に示すように、円盤状で両面に複数のLEDが備えられている扉右下回転体装飾基板291と、扉右下回転体装飾基板291の中心に取付けられており扉右下回転体装飾基板291の面に対して垂直に延びており先端が軸部材275に取付けられる円柱状の第一固定軸部材292と、第一固定軸部材292とは扉右下回転体装飾基板291の反対側に取付けられており扉右下回転体装飾基板291の面に対して垂直に延びており先端がユニットベース271及びベース側軸受部材277に取付けられる円筒状の第二固定軸部材293と、を備えている。図示は省略するが、第二固定軸部材293の内部には、扉右下中継基板281と扉右下回転体装飾基板291とを接続する配線コードが挿入されている。
【0243】
また、回転体内部ユニット290は、扉右下回転体装飾基板291の両側に配置されており前外殻部材285及び後外殻部材286の内側に取付けられる平板で円環状の透明なリフレクタベース294と、リフレクタベース294に取付けられており円環状で軸方向外側へ開いた朝顔状の第一リフレクタ295と、第一リフレクタ295の円環内を通してリフレクタベース294に取付けられており中心に六角形の貫通孔296aを有した第二リフレクタ296と、を備えている。第一リフレクタ295及び第二リフレクタ296は、表面に金属光沢を有したメッキ層が備えられており、扉右下回転体装飾基板291からの光を反射させることができる。また、第一リフレクタ295及び第二リフレクタ296には、放射状に延びた平板状のリブが複数備えられている。
【0244】
この回転体内部ユニット290は、扉右下回転体装飾基板291、第一固定軸部材292、及び第二固定軸部材293と、リフレクタベース294、第一リフレクタ295、及び第二リフレクタ296とが、相対回転可能に互いに分離している。
【0245】
ユニットベース271は、扉右下回転体270Aの後側に配置される環状のリング部271aと、リング部271aの外周におけるリング部271aの中心に対して正面視斜め右上の部位から前方へ平板状に突出している第一突出片271bと、リング部271aの外周における第一突出片271bとは反対側の部位から前方へ平板状に突出している第二突出片271cと、第二突出片271cの前端から後方へ向かってU字状に窪み第二固定軸部材293の先端が挿入される軸受溝271dと、を備えている。
【0246】
扉右下駆動モータ272は、第一突出片271bの外側の側面(右側の側面)に、回転軸が貫通した状態で取付けられる。従動ギア274は、駆動ギア273よりも大径に形成されている。軸部材275は、第一突出片271bの前端に取付けられる取付部275aと、取付部275aから筒状に突出している筒状軸部275bと、を備えている。この軸部材275は、筒状軸部275bの外周によって従動ギア274を回転可能に支持できると共に、筒状軸部275bの内周によって第一固定軸部材292の先端を回転不能に支持できる。
【0247】
回転体側軸受部材276は、第二固定軸部材293が回転可能に挿入される軸受孔276aと、外方へ延出している平板状の検知片276bと、を備えている。ベース側軸受部材277は、ユニットベース271における第二突出片271cの前端のU字状の軸受溝271dの開放されている前端側を閉鎖するように、第二突出片271cの前端に取付けられる。二つの回転検知センサ278は、扉右下回転体270Aの回転軸を挟んで対称に第二突出片271cに取付けられる。二つの回転検知センサ275は、扉右下回転体270Aのハート装飾285cが前方を向く回転位置(
図49(a)を参照)と、ハート装飾285cが後方を向く回転位置(
図49(b)を参照)とを、夫々検知することができる。
【0248】
本実施形態の扉右下演出ユニット270は、遊技状態に応じて、扉右下駆動モータ272によって扉右下回転体270Aを回転させることができると共に、ハート装飾285cが前方を向くように停止するか否かで、遊技者に対してチャンスの到来等を示唆することができ、遊技者を楽しませて興趣が低下するのを抑制することができる。
【0249】
また、扉右下演出ユニット270は、扉右下回転体270A内部の扉右下回転体装飾基板291が回転不能に取付けられていることから、扉右下回転体270Aの回転中に、扉右下回転体装飾基板291(のLED)を発光させると、扉右下回転体270Aの回転につれて扉右下回転体装飾基板291から照射される光の位置が移動すると共に、第一リフレクタ295や第二リフレクタ296によって反射誘導される光の方向が変化するため、扉右下回転体装飾基板291のLEDを点滅させなくても、光が点滅しているように扉右下回転体270Aを発光装飾させたり、LEDから多様な色の光を照射することで扉右下回転体270Aを虹色に発光装飾させたりすることができ、遊技者を楽しませることができる。
【0250】
[3−1g.演出ユニットカバー]
皿ユニット200の演出ユニットカバー300は、
図28及び
図29に示すように、扉右下演出ユニット270における球状の扉右下回転体270Aの前側を覆う半球状で透明な回転体カバー部301と、回転体カバー部301の外周に形成されており皿ユニットカバー260の正面視右側の装飾と連続した装飾部302と、回転体カバー部301の下部右側において前後に貫通しており施錠ユニット700の鍵シリンダ710が挿通されるシリンダ挿通口303と、を備えている。
【0251】
演出ユニットカバー300は、全体が後方が開放された容器状で、透光性を有している。この演出ユニットカバー300は、回転体カバー部301の上側が扉右下演出ユニット270の扉右下ベース装飾基板280によって発光装飾されると共に、回転体カバー部301の下側が皿ユニット右装飾基板346によって発光装飾される。
【0252】
[3−1h.上皿球抜きユニット]
皿ユニット200の上皿球抜きユニット310は、
図50乃至
図52に示すように、皿ユニットベース210の透口210e及び受片210fを前側から覆うように皿ユニットベース210の前面に取付けられ後方が開放された縦長箱状で上部に上皿球抜きボタン239の延出片239aが挿通可能な挿通口311aを有しているカバー311と、カバー311内における皿ユニットベース210の透口210eの正面視左上となる位置に取付けられている前ベース部材312と、前ベース部材312によって回転可能に支持されており上皿球抜きボタン239の押圧により回動する押圧伝達部材313と、押圧伝達部材313を上皿球抜きボタン239が上昇する方向へ付勢している第一バネ部材314と、を備えている。
【0253】
また、上皿球抜きユニット310は、皿ユニットベース210の上皿球送り口210dを後側から閉鎖するように皿ユニットベース210の後側に取付けられている後ベース部材315と、後ベース部材315と皿ユニットベース210との間に配置されていると共に後ベース部材315によって昇降可能に取付けられており上側から押圧伝達部材313が接触している上皿球抜きスライダ316と、上皿球抜きスライダ316を上方へ付勢している第二バネ部材317と、を備えている。
【0254】
前ベース部材312は、皿ユニットベース210の前面と平行に延びておりカバー311に取付けられる平板状のベース部312aと、ベース部312aの左右両辺から前方へ平板状に延出している一対の延出片312bと、延出片312bの前端から後方へU字状に凹んだ軸支部312cと、ベース部312aの前面下端付近に備えられており第一バネ部材314の後端が係止される鉤状のバネ係止部(図示は省略)と、を備えている。
【0255】
押圧伝達部材313は、両端が前ベース部材312の一対の軸支部312c内へ回転可能に挿入される横長円柱状の軸部313aと、軸部313aから後方へ平板状に延出している後方延出片313bと、後方延出片313bの上面における正面視左端付近から上方へ平板状に延出しており上皿球抜きボタン239の延出片239cの下端が当接可能な上方延出片313cと、後方延出片313bの下面における正面視右端から下方へ平板状に延出している下方延出片313dと、軸部313aにおける正面視左端付近の下側から下方へ突出しており第一バネ部材314の前端が係止される鉤状のバネ係止部313eと、を備えている。下方延出片313dは、後方へ向かうに従って下方へ延びる三角形に形成されており、下端が上皿球抜きスライダ316と当接可能とされている。
【0256】
後ベース部材315は、皿ユニットベース210の後面と平行に平板状に延びており皿ユニットベース210に取付けられるベース部315aと、ベース部315aの前面で左右に離間して備えられており上皿球抜きスライダ316の左右両端をスライド可能に支持するスライダ支持部315bと、ベース部315aの上端における皿ユニットベース210の上皿球送り口210dの上部と対応する位置に前方へ開口していると共にベース部315aの後側で下方へ開口し遊技球が流通可能な上部入口315cと、を備えている。
【0257】
また、後ベース部材315は、ベース部315aの後側で上部入口315cと連続して下方へ延びていると共に後方へ開放されており下端が後方へ湾曲している第一誘導路315dと、第一誘導路315dの下側から下方へ延びた後に正面視左方へ延びて左端が左方へ開放されており全体が後方へ開放されているL字状の第二誘導路315eと、第二誘導路315eにおける左方へ延びた部位の後端側を閉鎖している平板状の通路蓋315fと、L字状の第二誘導路315eに二辺が囲まれるようにベース部315aを前後に貫通している開口部315gと、ベース部315aの前面から前方へボス状に突出しており第二バネ部材317の上端が係止されるバネ係止部315hと、を備えている。
【0258】
後ベース部材315におけるL字状の第二誘導路315eは、左方へ延びた部位が、左方へ向かうに従って低くなるように傾斜している。この第二誘導路315eの左端は、
図50(b)に示すように、皿ユニットベース210における筒状の下皿球供給口210cの切欠部210jに挿入されており、第二誘導路315eと下皿球供給口210cとが互いに連通している。
【0259】
上皿球抜きスライダ316は、平板状で左右両端が後ベース部材315のスライダ支持部315bにスライド可能に支持されるスライダベース316aと、スライダベース316aの上端における正面視中央より左側から前方へ皿ユニットベース210の透口210eを通って受片210fの上側へ延出し上面に押圧伝達部材313の下方延出片313dの下端が当接可能な伝達片316bと、伝達片316bの下側でスライダベース316aの後側から下方へ向かうに従って後方へ突出している三角状の作動伝達部316cと、スライダベース316aの前面から突出しており第二バネ部材317の下端が係止される鉤状のバネ係止部316dと、を備えている。
【0260】
上皿球抜きユニット310は、皿ユニット200を組立てた状態で、後ベース部材315の上部入口315cが、上皿本体212の誘導通路部212aの正面視右端側となる下端に開口している。これにより、上皿201内の遊技球を、上部入口315cからベース部315aの後側の第一誘導部315dを介して球送りユニット540へ供給することができる。
【0261】
また、上皿球抜きユニット310は、上皿球抜きボタン239を下方へ押圧すると、上皿球抜きボタン239の延出片239aによって押圧伝達部材313が、第一バネ部材314の付勢力に抗して軸部313aを中心に、下方延出片313dの下端が下方へ移動する方向へ回動する。押圧伝達部材313の回動に伴って下方延出片313dの下端が下方へ移動すると、下方延出片313dの下端が当接している上皿球抜きスライダ316の伝達片316bによって上皿球抜きスライダ316が第二バネ部材317の付勢力に抗して下方へスライドする。
【0262】
この上皿球抜きスライダ316が下方へスライドすることで、作動伝達部316cが、球送りユニット540の切換機構を動作させて球送りユニット540内での流路が切換えられて、第一誘導路315d側が第二誘導路315e側と連通した状態となる。これにより、上皿201内の遊技球が、上部入口315c、第一誘導路315d、球送りユニット540、及び第二誘導路315eを通って、下皿球供給口210cから下皿202へ排出され、上皿201内の遊技球を抜くことができる。
【0263】
なお、上皿球抜きボタン239の下方への押圧を解除すると、第一バネ部材314及び第二バネ部材317の付勢力によって、上皿球抜きスライダ316や上皿球抜きボタン239が上昇し、元の状態に復帰することができる。
【0264】
[3−1i.下皿球抜きユニット]
皿ユニット200の下皿球抜きユニット320は、
図53等に示すように、皿ユニットカバー260の底板開口部267を閉鎖するように下皿本体214の下側に取付けられ下皿本体214の球抜き孔214aと一致する開口部321aを有している平板状の下皿球抜きベース321と、下皿球抜きベース321上を左右にスライドし開口部321aを閉鎖可能な平板状のスライド蓋322と、スライド蓋322の前端に取付けられており皿ユニットカバー260の前面から外部へ露出する摘み部323と、スライド蓋322によって開口部321aを閉鎖する方向へスライド蓋322を付勢しているバネ部材324と、バネ部材324の付勢力に抗してスライド蓋322を開口部321aを開放している位置に保持する保持装置325と、を備えている。
【0265】
下皿球抜きベース321の開口部321aは、正面視左右中から右寄りの位置に形成されている。この下皿球抜きベース321は、下皿本体212に取付けることで、下皿球抜きベース321と下皿本体212との間でスライド蓋322を左右へスライド可能に支持することができる。スライド蓋322は、正面視左端側に保持装置325によって保持される保持突起322aを備えている。
【0266】
保持装置325は、下皿球抜きベース321に取付けられる本体325aと、本体325aから開閉可能に突出しており保持突起322aを掴むことができる一対の保持爪325bと、を備えている。保持装置325は、開いている一対の保持爪325aの間に、保持突起322aを挿入して本体325a側へ押圧すると、一対の保持爪325bが閉じて保持突起322aを保持すると共に、一対の保持爪325bが閉じた状態で維持される。この状態で、保持突起322aを本体325a側へ移動させると、一対の保持爪325aが開いた状態となり、保持突起322aの保持が解除される。
【0267】
この下皿球抜きユニット320は、摘み部323(スライド蓋322)が正面視右側へ移動している状態では、開口部321aと下皿本体214の球抜き孔214aとの間にスライド蓋322が位置し、下皿202内の遊技球が、球抜き孔214aから下方へ抜けることがなく、下皿202内に遊技球を貯留させることができる。
【0268】
この状態から、摘み部323を左側へ操作することでスライド蓋322が左方へスライドし、開口部321aと球抜き孔214aとが連通する。これにより、下皿202内の遊技球が球抜き孔214a及び開口部321aを通って皿ユニット200の下方へ抜けるようになり、下皿202内の遊技球を抜くことができる。この際に、スライド蓋322の保持突起322aが、保持装置325の一対の保持爪325bによって保持されるため、摘み部323の操作をやめてもスライド蓋322が開いたままの状態となり、下皿202内の遊技球を抜き続けることができる。
【0269】
スライド蓋322を閉めるには、摘み部323を左側へ僅かに操作すると、一対の保持爪325bが開いて保持突起322aの保持が解除され、バネ部材324の付勢力によってスライド蓋322が右側へスライドして、球抜き孔214aを閉鎖する。このように、下皿球抜きユニット320の摘み部323を操作することで、下皿202に遊技球を貯留させたり、下皿202に貯留された遊技球を抜いたりすることができる。
【0270】
[3−1j.球貸操作ユニット]
皿ユニット200の球貸操作ユニット330は、
図28及び
図29等に示すように、演出操作ユニット220における正面視右端付近の上面に取付けられ透光性を有しているユニットケース331と、ユニットケース331の上面に露出しており遊技者が操作可能な球貸ボタン332と、球貸ボタン332の後側でユニットケース331の上面に露出しており遊技者が操作可能な返却ボタン333と、返却ボタン333の後側でユニットケース331の上面を通して遊技者側から視認可能とされている表示部334と、を備えている。
【0271】
この球貸操作ユニット330は、パチンコ機1に隣接して設けられた球貸機に対して現金やプリペイドカードを投入した上で、球貸ボタン332を押すと、所定数の遊技球を皿ユニット200の上皿201内へ貸出す(払出す)ことができると共に、返却ボタン333を押すと貸出された分の残りを引いた上で投入した現金の残金やプリペイドカードが返却される。また、表示部334には、球貸機に投入した現金やプリペイドカードの残数、或は、球貸機が故障した時のエラーコード等、が表示される。
【0272】
[3−1k.上皿トップ装飾部材]
皿ユニット200の上皿トップ装飾部材340は、
図28及び
図29等に示すように、皿ユニットベース210の上端における左右中央に取付けられ左右に帯状に延びた透光性を有する上皿トップレンズ340aと、上皿トップレンズ340aの下側に取付けられており上面に複数のLEDが取付けられた上皿トップ装飾基板340bと、を備えている。
【0273】
この上皿トップ装飾部材340は、上皿トップ装飾基板340bのLEDを発光させることで、上皿トップレンズ340aを帯状に発光させることができる。この上皿トップ装飾部材340は、演出操作ユニット200の後側に配置されていることから、上皿後装飾部材236や線状発光レンズ部材237等の発光装飾と同様に、上皿トップ装飾部材340を発光装飾させることで、遊技者の関心をタッチユニット220B等の演出操作ユニット220へ引付けることができ、演出操作ユニット220によって提示される演出を楽しませて興趣が低下するのを抑制することができる。
【0274】
[3−1l.皿ユニットの特徴的な作用効果]
本実施形態の皿ユニット200は、遊技領域5aの下側の遊技球を貯留する上皿201を有した皿ユニット200の上面における演出操作ユニット220のタッチユニット220Bに、遊技領域5a内に遊技球を打込むことで変化する遊技状態に応じて上皿液晶表示装置244に画像を表示させる際に、上皿液晶表示装置244の遊技領域5aに近い側の後側の外周縁に沿って帯状の線状発光レンズ部材237、上皿後装飾部材236、及び上皿トップ装飾部材340等を発光させることができるため、遊技者の視線が遊技領域5a内に集中していても、視線(視界)の外側から入る線状発光レンズ部材237等の光に気付くことができ、遊技者の視線(関心)を線状発光レンズ部材237等つまり上皿液晶表示装置244側へ引き付けることができる。従って、上皿液晶表示装置244において、遊技状態に応じて画像等の演出を提示する際に、線状発光レンズ部材237等を発光させることで、遊技者に対して上皿液晶表示装置244による演出の提示に気付かせることができ、上皿液晶表示装置244による演出を楽しませて興趣が低下するのを抑制することができる。
【0275】
また、皿ユニット200に遊技状態に応じて画像を表示可能な上皿液晶表示装置244を備えていることから、チャンスの到来を示唆する画像を表示させるようにした場合、遊技領域5a外に配置されている上皿液晶表示装置244によってチャンスの到来が示唆されることとなるため、遊技者に対して遊技領域5a内での遊技と、遊技領域5a外の上皿液晶表示装置244での演出との両方を気に掛けさせることができる。従って、遊技領域5a内と遊技領域5a外(上皿液晶表示装置244)とを気に掛けさせることで、スピード感のあるタイトな遊技を楽しませることができ、遊技者の興趣が低下するのを抑制することができると共に、上皿液晶表示装置244においてチャンスの到来を示唆する画像を表示する時に、線状発光レンズ部材237等を発光させることで、遊技者を上皿液晶表示装置244に注目させることができ、チャンスの到来を確実に認識させて遊技者を楽しませることができる。この場合、遊技者によっては、遊技領域5a内と遊技領域5a外との両方が気になることで、どちらにも集中できなくなって興趣を低下させてしまう虞があるが、遊技状態(チャンスの到来)に応じて線状発光レンズ部材237等が発光するため、線状発光レンズ部材237等が発光するまでは遊技領域5a内へ集中することができ、遊技領域5a内での遊技を楽しませることができると共に、線状発光レンズ部材237等の発光時には上皿液晶表示装置244での演出を楽しませることができ、遊技にメリハリを付けて飽き難くすることができる。
【0276】
また、遊技領域5aの下側で遊技者側へ膨出した皿ユニット200に上皿液晶表示装置244を備えているため、上皿液晶表示装置244が遊技者から近い位置に配置されることとなる。これにより、本パチンコ機1の正面に位置している遊技者によって上皿液晶表示装置244が隠れ易くなり、上皿液晶表示装置244を隣や後ろの他の遊技者からは見え難くなるため、上皿液晶表示装置244により提示される演出を当該遊技者のみに楽しませることができる。従って、上皿液晶表示装置244による演出を楽しんでいる時に、他の遊技者によって覗かれることで、不快に感じて興趣を低下させてしまうのを低減させることができると共に、上皿液晶表示装置244による演出の提示の際に線状発光レンズ部材237等が発光することで、上皿液晶表示装置244による演出を見逃し難くすることができ、上皿液晶表示装置244による演出を楽しませて興趣が低下するのを抑制することができる。
【0277】
更に、線状発光レンズ部材237等を帯状に発光させるようにしているため、点状に発光させる場合と比較して、線状発光レンズ部材237等の発光を目立ち易くすることができ、遊技者の意識が遊技領域5a内に集中していても、線状発光レンズ部材237等の発光に気付かせ易くすることができ、上皿液晶表示装置244やタッチパネル246等による演出を楽しませて興趣が低下するのを抑制することができる。また、線状発光レンズ部材237等を帯状に発光させるため、他の発光装飾体等の発光とは異なる発光態様となり、発光装飾体等の発光と誤認してしまうのを低減させることができ、確実に線状発光レンズ部材237等の発光に気付かせることができる。
【0278】
また、上皿液晶表示装置244の外周縁のうち遊技領域5aに近い後側の位置に線状発光レンズ部材237等を配置しているため、線状発光レンズ部材237等を発光させた時に、線状発光レンズ部材237等の光を遊技者の視界に入り易くすることができ、線状発光レンズ部材237等の発光に気付かせて上皿液晶表示装置244の演出を楽しませることができる。
【0279】
また、上皿201等を有している皿ユニット200の上面に上皿液晶表示装置244等を有した演出操作ユニット200を備えており、皿ユニット200の上皿201は遊技領域5a内に打込むための遊技球の量を確認するための遊技者がある程度の頻度で視線を向けることから、上皿201へ視線を向けた際に上皿液晶表示装置244や線状発光レンズ部材237等が視界に入り易く、線状発光レンズ部材237の発光に気付き易くなる。また、遊技者が上皿201へある程度の頻度で視線を向けることから、視線を遊技領域5a内から上皿201(上皿液晶表示装置244)へ向け易い。従って、線状発光レンズ部材237等の発光に気付いた時に、即座に視線を上皿液晶表示装置244へ移すことができ、上皿液晶表示装置244により提示される演出を楽しませて興趣が低下するのを抑制することができる。
【0280】
更に、遊技領域5aの下側に演出操作ユニット200を配置しており、下側から遊技者へ線状発光レンズ部材237等からの光が照射されるため、遊技領域5aの上側に配置した場合と比較して、遊技者の目に入り易く線状発光レンズ部材237等の発光に気付かせ易くすることができ、遊技者を上皿液晶表示装置244に確実に注目させることが可能となり、演出操作ユニット200による演出を楽しませて興趣が低下するのを抑制することができる。
【0281】
また、遊技領域5aの左右方向の中央と対応する位置に演出操作ユニット200(上皿液晶表示装置244)を配置しているため、遊技者の視線の中心が遊技領域5a内のどの位置にあっても、線状発光レンズ部材237等からの光に気付き易くすることができ、遊技者を確実に上皿液晶表示装置244へ注目させることが可能となり、演出操作ユニット200による演出を楽しませて興趣が低下するのを抑制することができる。
【0282】
また、演出操作ユニット200にタッチパネル246を備えているため、画像による演出の他に、遊技者にタッチパネル246を操作させる演出も行うことができ、多彩な演出によって遊技者を楽しませることができると共に、遊技者にタッチパネル246を操作させることで、演出に参加させることができ、遊技者に対して能動的に演出を楽しませて興趣が低下するのを抑制することができる。
【0283】
更に、タッチユニット220Bの後側の外周縁に沿って配置された線状発光レンズ部材237(線状発光部237b)が、上皿201における遊技球を球送りユニット540(球発射装置680)へ送る誘導通路部212aに沿って配置されていると共に、誘導通路部212aとの間に上皿球抜きユニット310を動作させる上皿球抜きボタン239を配置されている。つまり、遊技者が遊技に必要な遊技球を確認する場所の近傍に線状発光レンズ部材237が備えられており、遊技中でも遊技者が気にする位置に線状発光レンズ部材237を配置した構成としているため、線状発光レンズ部材237の発光に気付かせることができ、遊技者の関心をタッチユニット220Bに引付けてタッチユニット220Bによる演出(上皿液晶表示装置244による演出画像、タッチパネル246のタッチ操作、等)のタイミングに気付き易くすることができる。
【0284】
また、上皿液晶基板241や上皿液晶表示装置244を備えたタッチユニット220Bを、取付ベースユニット220Aの取付ベース230とユニットケース231とによって、皿ユニットカバー260の上皿下被覆部262の上面よりも高い位置に配置していると共に、タッチユニット220Bの後側の外周面に防水シール248を貼付けているため、上皿201において、外気に触れることで上皿本体212や遊技球の表面で結露した水(水滴)が、上皿201の下方(上皿下被覆部262上)へ流動しても、タッチユニット220B内へ結露した水が浸入するのを防止することができ、タッチユニット220Bにおいて不具合が発生するのを防止することができる。
【0285】
また、
図41に示すように、上皿後装飾部材236や線状発光レンズ部材237を発光装飾させる上皿後装飾基板235を、上皿201の底面よりも高い位置に配置しているため、上皿201で結露した水滴にさらされることがなく、上皿後装飾基板235においてショートや腐蝕等の不具合が発生するのを防止することができる。
【0286】
更に、皿ユニット200の演出操作ユニット220において、加振装置242によってタッチパネル246と上皿液晶表示装置244とを備えたタッチユニット220Bを振動させた際に、タッチユニット220Bが複数(二つ)のダンパ222を挟んで浮いた状態で取付ベースユニット220Aのユニットケース231に取付けられているため、タッチユニット220B(加振装置242)の振動がダンパ222によって吸収・減衰されて取付ベースユニット220Aに伝わることとなり、取付ベースユニット220Aの振動を低減させることができる。従って、タッチユニット220Bのタッチパネル246をタッチ操作した際に、加振装置242によってタッチユニット220Bを振動させると、タッチユニット220Bのみが振動することとなるため、遊技者に対してタッチユニット220Bのタッチパネル246の操作感を十分に付与することができ、遊技者にタッチパネル246のタッチ操作を楽しませて興趣が低下するのを抑制することができる。
【0287】
また、加振装置242によってタッチユニット220Bを振動させることができるため、遊技者に対してタッチパネル246の操作感の他に、タッチユニット220Bの振動によって驚かせたり、タッチパネル246を操作するタイミングを示唆したりすることができ、タッチユニット220Bのタッチパネル246による操作演出を楽しませて興趣が低下するのを抑制することができる。
【0288】
更に、タッチユニット220Bを複数のダンパ222によって下側から支持しているため、タッチユニット220Bを上側から叩いたり強く押したりしてタッチユニット220Bに衝撃や荷重等が加えられても、ダンパ222によってその衝撃等を吸収することが可能となるため、衝撃等によってタッチユニット220Bや取付ベースユニット220A等が破損してしまうのを低減させることができ、タッチユニット220B等の破損により遊技が中断することで遊技者の興趣が低下してしまうのを抑制することができる。
【0289】
また、タッチユニット220Bの操作する部位をタッチパネル246としていることから、遊技者が操作する際には、ボタンを押圧操作する場合と比較して、タッチパネル246に触れている時間が長くなるため、タッチパネル246に触れた時に加振装置242でタッチユニット220Bを振動させると、その振動を遊技者の指(手)に確実に伝達させることができる。従って、遊技者の指が振動することでタッチパネル246を操作していることを遊技者に実感させることができるため、十分な操作感を付与することができ、遊技者にタッチパネル246の操作を楽しませて興趣が低下するのを抑制することができる。
【0290】
また、タッチユニット220Bの上皿液晶表示装置244に表示される画像を変更することで、タッチ操作(ボタン)の種類を簡単に変更することができ、多様な演出に対応することが可能となり、多様な演出によって遊技者を飽き難くして興趣が低下するのを抑制することができる。更に、タッチユニット220Bにタッチパネル246を備えているため、従来の押圧ボタンと比較して、タッチ、タップ(シングルタップ、ダブルタップ)、ドラッグ、フリック、ピンチ(ピンチアウト、ピンチイン)、スワイプ、タッチアンドホールド、等の様々な操作を行うことができる。これにより、より多彩な操作演出を行うことができ、遊技者を楽しませて興趣が低下するのを抑制することができる。
【0291】
更に、タッチユニット220Bを、取付ベースユニット220A(ユニットケース231)に対して上方へ移動不能且つ下方へ移動可能に取付けるようにしており、複数のダンパ222の弾性力(付勢力)によってタッチユニット220Bが上側の移動端に押し付けられた状態となるため、タッチパネル246の操作中にタッチユニット220Bを動き難くすることができ、タッチパネル246の操作を的確に行い易くすることができる。また、タッチユニット220Bが動き難くなることから、遊技者に対してタッチユニット220Bが動かないものであると思わせることができ、動かないと思っていたタッチユニット220Bが遊技状態に応じて加振装置242により振動することで遊技者を驚かせることができ、遊技者を楽しませて興趣が低下するのを抑制することができる。
【0292】
また、互いに離間した複数の加振装置242によってタッチユニット220Bを振動させるようにしているため、例えば、タッチパネル246において遊技者が操作する部位に近い位置の加振装置242を駆動させることで、強い振動を伝達させることができる。従って、タッチパネル246において、遊技者が操作すべき位置と異なる位置を操作した場合、遊技者に伝達される振動が異なることとなるため、遊技者に対して、操作を間違えていることを知らせることが可能となり、遊技者に対して正しい操作を行わせることができ、タッチパネル246を用いた操作演出を楽しませて興趣が低下するのを抑制することができる。
【0293】
また、互いに離間した複数の加振装置242を備えているため、各加振装置242の振動の周波数や強さ等を適宜制御することで、タッチパネル246の任意の位置で共振現象を発生させることができる。従って、遊技者が操作した任意の位置で共振現象が発生するように各加振装置242を制御することで、より一層の操作感を付与したり、遊技者を大いに驚かせたりすることができ、遊技者を楽しませて興趣が低下するのを抑制することができる。
【0294】
更に、タッチユニット220Bが上側から叩かれたり強く押されたりしてタッチユニット220Bに衝撃や荷重等が作用した場合、タッチユニット220Bの左右両端側がダンパ222を挟んでユニットケース231に取付けられているため、ダンパ222とタッチユニット220Bの撓りとによって上側からの衝撃等をある程度吸収して(減衰させて)ユニットケース231側へ伝達させることができる。また、ユニットケース231側では、ユニットケース231の外縁が下側の取付ベース230に取付けられているため、ユニットケース231を介したタッチユニット220B側からの衝撃や荷重等を、取付ベース230に対して広く分散させて伝達させることができる。この際に、ユニットケース231の下面から下方へ突出した受突部231eの外周壁と、取付ベース230の取付側受部230aの底面において受突部231eが挿入されている筒状受部230cの内周壁との間に隙間が形成されているため、タッチユニット220Bからの衝撃や荷重等によって、ユニットケース231が下方へ撓んだ後に、受突部231eと筒状受部230cとが当接してユニットケース231から取付ベース230へ衝撃等が伝達されることとなり、ユニットケース231の撓みによって、衝撃等が更に減衰された状態で取付ベース230に伝達される。この受突部231eの外周壁と筒状受部230cの内周壁は、下方へ窄まっているため、受突部231eと筒状受部230cとが当接すると、受突部231e(ユニットケース231)側からの衝撃や荷重等が、取付ベース230の取付側受部230aの底面に対して斜め方向へ伝達され、取付ベース230の取付側受部230aの底面に垂直な方向と底面に沿った方向とに分解されることとなり、取付ベース230を撓ませようする底面に垂直な方向(下方向)の力が小さくなって取付ベース230側へ伝達される。従って、タッチユニット220Bが上側から叩かれたり強く押されたりしても、複数のダンパ222、ユニットケース231、取付ベース230によって、その衝撃等を効果的に減衰させることができ、タッチユニット220Bや取付ベースユニット220Aが破損するのを抑制することができる。
【0295】
[3−2.ファールカバーユニット]
扉枠3のファールカバーユニット520について、
図54乃至
図56を参照して詳細に説明する。
図54(a)は扉枠のファールカバーユニットを前から見た斜視図であり、(b)はファールカバーユニットを後ろから見た斜視図である。また、
図55(a)はファールカバーユニットを蓋部材を外して前から見た分解斜視図であり、(b)はファールカバーユニットを蓋部材を外して後ろから見た分解斜視図である。更に、
図56は、蓋部材を外した状態のファールカバーユニットの正面図である。
【0296】
本実施形態のファールカバーユニット520は、図示するように、扉枠ベースユニット100の後側に取付けられ前側が開放された浅い箱状のユニット本体522と、ユニット本体522の前面に取付けられている平板状の蓋部材524と、を備えている。ファールカバーユニット520は、正面視左上隅において前後に貫通しており本体枠4の下部満タン球経路ユニット860の通常誘導路861と皿ユニット200の上皿球供給口210aとを連通させる貫通球通路526と、貫通球通路526の正面視右側で後方へ向かって開口しており本体枠4の下部満タン球経路ユニット860の満タン誘導路862と連通可能な満タン球受口528と、を備えている。
【0297】
また、ファールカバーユニット520は、満タン球受口528の正面視右側で上方へ向かって開口しており本体枠4の球発射装置680により発射されにも関わらず遊技領域5a内へ到達しなかった遊技球(ファール球)を受けるファール球受口530と、正面視右下隅で前方へ向かって開口しており満タン球受口528及びファール球受口530に受入れられた遊技球を放出すると共に皿ユニット200の下皿球供給口210cと連通する球放出口532と、を備えている。
【0298】
更に、ファールカバーユニット520は、ユニット本体522及び蓋部材524とによって、満タン球受口528及びファール球受口530と球放出口532との間に形成されており所定量の遊技球を貯留可能な広さを有している貯留通路533と、貯留通路533の内壁の一部を構成しており下端が回動可能にユニット本体522に取付けられている平板状の可動片534と、可動片534の貯留通路533から遠ざかる方向への回動を検知する満タン検知センサ535と、可動片534を貯留通路533の中心側へ付勢しているバネ536と、を備えている。
【0299】
このファールカバーユニット520は、皿ユニット200の下皿202内が遊技球で一杯になって、球放出口532から遊技球が下皿202側へ放出されなく無くると、貯留通路533内にある程度の数の遊技球を貯留することができる。そして、貯留通路533内にある程度の数の遊技球が貯留されると、遊技球の重さによって可動片534の上端が貯留通路533から遠ざかる方向へ移動するように可動片534が回動し、その回動が満タン検知センサ535によって検知される。これにより、下皿202が遊技球で満タンになっていると判断することができるため、満タン検知センサ535により満タンが検知されると、これ以上の遊技球の払出しを停止させると共に、その旨を遊技者や遊技ホールの係員等に報知して、下皿202の満タンを解消させるように促すことができる。
【0300】
また、ファールカバーユニット520は、ユニット本体522の後側で貫通球通路526の下側に取付けられており、本体枠4の後述する払出ユニット800における下部満タン球経路ユニット860の誘導路開閉扉863の作動突部863eが当接可能な扉開閉当接部537を備えている(
図79を参照)。扉開閉当接部537は、後面が下方へ向かうに従って前方へ移動するように傾斜している。この扉開閉当接部537は、本体枠4に対して扉枠3を閉じると、誘導路扉部材863の作動突部863eが当接するように形成されている。この扉開閉当接部537に誘導路開閉部863の作動突部863eが当接することで、誘導路扉部材863が回動して通常誘導路861及び満タン誘導路862の下流端(前側開口)を開放させることができる。
【0301】
[4.本体枠の全体構成]
本実施形態のパチンコ機1における本体枠4について、
図57乃至
図60を参照して説明する。
図57は本体枠を前から見た斜視図であり、
図58は本体枠を後ろから見た斜視図である。また、
図59は本体枠を主な部材毎に分解して前から見た分解斜視図であり、
図60は本体枠を主な部材毎に分解して後ろから見た分解斜視図である。本実施形態の本体枠4は、図示するように、前方が開放された箱状に形成されており、内部に遊技盤5が着脱可能に収容される。この本体枠4は、正面左辺側前端の上下において、遊技ホールの島設備に取付けられる枠状の外枠2に開閉可能に取付けられると共に、開放された前面側が閉鎖されるように扉枠3が開閉可能に取付けられるものである。
【0302】
本実施形態の本体枠4は、一部が外枠2の枠内に挿入可能とされると共に遊技盤5の外周を支持可能とされた枠状の本体枠ベース600と、本体枠ベース600の正面視左側の上下両端に取付けられ外枠2の外枠側上ヒンジ部材60及び外枠側下ヒンジ部材70に夫々回転可能に取付けられると共に扉枠3の扉枠側上ヒンジ部材140及び扉枠側下ヒンジ部材150が夫々回転可能に取付けられる本体枠側上ヒンジ部材620及び本体枠側下ヒンジ部材640と、本体枠ベース600の正面視左側面に取付けられる補強フレーム660と、を備えている。
【0303】
また、本体枠4は、本体枠ベース600の前面下部に取付けられており遊技盤5の遊技領域5a内に遊技球を打込むための球発射装置680と、本体枠ベースの正面視右側面に取付けられており外枠2と本体枠4、及び扉枠3と本体枠4の間を施錠する施錠ユニット700と、本体枠ベース600の正面視上辺及び左辺に沿って後側に取付けられており遊技者側へ遊技球を払出す逆L字状の払出ユニット800と、本体枠ベース600の後面下部に取付けられている基板ユニット900と、本体枠ベース600の後側に開閉可能に取付けられ本体枠ベース600に取付けられた遊技盤5の後側を覆う裏カバー980と、を備えている。
【0304】
[4−1.本体枠ベース]
本実施形態における本体枠4の本体枠ベース600は、
図57乃至
図60に示すように、正面視の形状が上下に延びた長方形に形成されている。この本体枠ベース600は、上端よりやや下側の位置から全高の約3/4の高さの範囲で前後に貫通しており遊技盤5が前側から挿入される遊技盤挿入口601と、遊技盤挿入口601の下辺を形成しており遊技盤5が載置される遊技盤載置部602と、遊技盤載置部602の左右方向中央から上方へ突出しており遊技盤5の下端の左右及び後方への移動を規制する遊技盤規制部603と、を備えている。
【0305】
また、本体枠4は、遊技盤載置部602の正面視右下側に形成されている球発射装置680を取付けるための発射装置取付部604と、発射装置取付部604の正面視右側で前後に貫通しており施錠ユニット700の鍵シリンダ710が挿通されるシリンダ挿通口605と、遊技盤載置部602の正面視左右中央から左寄り下側で前後に貫通しており基板ユニット900の低音スピーカを前方へ臨ませる接続用開口部606と、遊技盤載置部602の正面視左下側で前後に貫通しており基板ユニット900におけるスピーカユニット920を前方へ臨ませる円形状のスピーカ用開口部607と、を備えている。
【0306】
更に、本体枠4は、遊技盤挿入口601の正面視右辺から後方へ板状に延出しており、右側面に施錠ユニット700が取付けられると共に、後端に裏カバー980が回動可能に取付けられる後方延出部608を備えている。また、本体枠4は、後面における正面視左端の上下両端部付近に形成されており、本体枠側上ヒンジ部材620及び本体枠側下ヒンジ部材640を取付けるための上ヒンジ取付部609及び下ヒンジ取付部610を備えている。
【0307】
また、本体枠4は、接続用開口部606を開閉可能に閉鎖する開口カバー615と、遊技盤載置部602の正面視左右中央より左側でやや下側の位置に回動可能に取付けられ、遊技盤挿通口601に挿通された遊技盤5の前方への移動を規制可能な遊技盤ロック部材616と、を備えている。
【0308】
[4−2.本体枠側上ヒンジ部材及び本体枠側下ヒンジ部材]
本実施形態における本体枠4の本体枠側上ヒンジ部材620と本体枠側下ヒンジ部材640について、
図46乃至
図49を参照して説明する。この本体枠側上ヒンジ部材620及び本体枠側下ヒンジ部材640は、本体枠4の上ヒンジ取付部609及び下ヒンジ取付部610に取付けられるものである。
【0309】
本体枠側上ヒンジ部材620は、水平に延びた平板状の板材の後部が下方へL字状に折り曲げられている上ヒンジ本体621と、上ヒンジ本体621の前端から上方へ円柱状に突出しており外枠側上ヒンジ部材60に軸支される本体枠上ヒンジピン622と、本体枠上ヒンジピン622の正面視左側で上ヒンジ本体621を貫通しており扉枠側上ヒンジ部材140を軸支するための扉枠用上ヒンジ孔623と、を備えている。本体枠側上ヒンジ部材620は、上ヒンジ本体621における下方へ折り曲げられた部位が、本体枠4の上ヒンジ取付部609に取付けられる。
【0310】
本体枠側下ヒンジ部材640は、水平に延びた平板状の板材の後部が上方へL字状に折り曲げられている下ヒンジ第一本体641と、下ヒンジ第一本体641の前端で上下に貫通しており外枠2の外枠側下ヒンジ部材70に軸支される外枠用下ヒンジ孔(図示は省略)と、下ヒンジ第一本体641の上側に配置されており水平に延びた平板状の板材の後部が上方へL字状に折り曲げられて下ヒンジ第二本体643と、下ヒンジ第二本体643の前端で上下に貫通しており扉枠3の扉枠側下ヒンジ部材150を軸支するための扉枠用下ヒンジ孔644と、下ヒンジ第二本体643の水平に延びている部位における扉枠用下ヒンジ孔644よりも後側で左端から上方へ延出しており扉枠3の回動範囲を規制するための規制片645と、を備えている。
【0311】
下ヒンジ第二本体643は、水平に延びた部位が、下ヒンジ第一本体641の水平に延びた部位の上側に一定の間隔を開けた状態で、上方へ折り曲げられた部位が下ヒンジ第一本体641の上方へ折り曲げられた部位の前面に当接している。この本体側下ヒンジ部材640は、下ヒンジ第一本体641及び下ヒンジ第二本体643の上方へ折り曲げられた部位が、本体枠4の下ヒンジ取付部610に取付けられる。
【0312】
[4−3.補強フレーム]
本実施形態における本体枠4の補強フレーム660について、
図46乃至
図49を参照して説明する。補強フレーム660は、本体枠ベース600の左側面に取付けられるものである。この補強フレーム660は、平面視の断面形状が、右側が開放されたコ字状に形成されており、一定の断面形状で上下に延びている。また、補強フレーム660には、前端から右方へ延びている部位の後側に、本体枠ベース600の遊技盤挿入口601に挿入された遊技盤5が前方及び上下に移動するのを規制する左位置決め部材661が、上下に離間して一組取付けられている。
【0313】
この補強フレーム660によって本体枠ベース600のヒンジ側(正面視左側)を補強することができると共に、外枠2と本体枠4の間を通した左側からの本体枠4内(遊技盤5)への不正な工具の差し込みを防止することができる。
【0314】
[4−4.球発射装置]
本実施形態における本体枠4の球発射装置680について、
図57、
図59及び
図60を参照して説明する。球発射装置680は、皿ユニット200の上皿201に貯留されている遊技球を、本体枠4に取付けられた遊技盤5の遊技領域5a内に打込むための装置である。この球発射装置680は、扉枠3の前面右下隅のハンドルユニット500のハンドルレバー504の回動角度に応じて、遊技球の打込強さが変化する。
【0315】
球発射装置680は、本体枠ベース600の発射装置取付部604に取付けられる平板状の発射ベース681と、発射ベース681の正面視右部の後面に取付けられており回動軸が発射ベース681を貫通して前方へ延出しているロータリーソレノイドからなる発射ソレノイド682と、発射ソレノイド682の回転軸に基端が取付けられている打球槌683と、打球槌683の先端付近から左斜め上方へ延出するように発射ベース681の前面に取付けられており遊技球が転動可能な発射レール684と、を備えている。
【0316】
この球発射装置680は、扉枠3の球送りユニット540から遊技球が発射レール684の上面右端に供給されるようになっており、発射レール684の上面右端に遊技球が供給されている状態で、ハンドルレバー504を回動操作すると、その回動操作角度に応じた強さで発射ソレノイド682が駆動して、打球槌683により遊技球を打球する。そして、打球槌683により打たれた遊技球は、発射レール684を通って遊技盤5の外レール1001及び内レール1002に案内されて遊技領域5a内に打込まれる。
【0317】
なお、遊技球の打込強さ等の関係で、打球した遊技球が遊技領域5a内に到達しなかった場合は、発射レール684と遊技盤5(外レール1001及び内レール1002)との間から、下方のファールカバーユニット520のファール球受口530へ落下し、ファールカバーユニット520内を通って下皿202に排出される。
【0318】
[4−5.施錠ユニット]
本実施形態における本体枠4の施錠ユニット700について、
図57乃至
図60を参照して説明する。本実施形態の施錠ユニット700は、本体枠4に取付けられ、本体枠4と扉枠3、本体枠4と外枠2、との間を施錠することができる。施錠ユニット700は、本体枠ベース600の後方延出部608の右側面に取付けられ上下に延びているユニットベース701と、ユニットベース701から前方へ突出しており扉枠3と係止可能な複数の扉枠用鉤702と、ユニットベース701から後方へ突出しており外枠2と係止可能な複数の外枠用鉤703と、ユニットベース701の下部にから前方に円柱状に突出しており前側から挿入した開錠鍵の回動方向に応じて扉枠用鉤702又は外枠用鉤703の何れかの係止を開錠させる鍵シリンダ710と、を備えている。
【0319】
[4−6.払出ユニット]
本実施形態における本体枠4の払出ユニット800について、
図61乃至
図72を参照して説明する。
図61は払出ユニットを前から見た斜視図であり、
図62は払出ユニットを後ろから見た斜視図である。また、
図63は払出ユニットを主な構成毎に分解して前から見た分解斜視図であり、
図64は払出ユニットを主な構成毎に分解して後ろから見た分解斜視図である。また、
図65(a)は払出ユニットの球誘導ユニットを前から見た斜視図であり、(b)は球誘導ユニットを後ろから見た斜視図である。更に、
図66は、球誘導ユニットの分解斜視図である。また、
図67(a)は払出ユニットの払出装置を前から見た斜視図であり、(b)は払出装置を後ろから見た斜視図である。また、
図68は払出装置を分解して前から見た分解斜視図であり、
図69は払出装置を分解して後ろから見た分解斜視図である。更に、
図70(a)は払出装置の正面図であり、(b)は(a)におけるE−E線で切断した断面図である。また、
図71(a)は払出装置において球抜き可動片により球抜き通路を閉鎖した状態を示す説明図であり、(b)は球抜き可動片により球抜き通路を開放した状態を示す説明図である。
図72は、払出装置における払出羽根の部位を拡大して示す説明図である。
【0320】
また、
図73(a)は払出ユニットにおける上部満タン球経路ユニットを前から見た斜視図であり、(b)は上部満タン球経路ユニットを後ろから見た斜視図である。また、
図74(a)は上部満タン球経路ユニットを分解して前から見た分解斜視図であり、(b)は上部満タン球経路ユニットを分解して後ろから見た分解斜視図である。更に、
図75(a)は払出ユニットにおける下部満タン球経路ユニットを前から見た斜視図であり、(b)は下部満タン球経路ユニットを後ろから見た斜視図である。また、
図76は下部満タン球経路ユニットを分解して前から見た分解斜視図であり、
図77は下部満タン球経路ユニットを分解して後ろから見た分解斜視図である。更に、
図78(a)は下部満タン球経路ユニットにおいて誘導路開閉扉が閉じている状態を示す説明図であり、(b)は誘導路開閉扉が開いている状態を示す説明図である。また、
図79は、扉枠のファールカバーユニットと下部満タン球経路ユニットとの関係を示す説明図である。
図80は、払出ユニットにおける遊技球の流れを示す説明図である。
【0321】
本実施形態の払出ユニット800は、
図61及び
図62等に示すように、本体枠ベース600の後側に取付けられる逆L字状の払出ユニットベース801と、払出ユニットベース801の上部に取付けられており上方へ開放された左右に延びた箱状で図示しない遊技ホールの島設備から供給される遊技球を貯留する球タンク802と、球タンク802の下側で払出ユニットベース801に取付けられており球タンク802内の遊技球を正面視左方向へ誘導する左右に延びたタンクレール803と、を備えている。タンクレール803内では、遊技球を左方へ誘導させながら、上方から揺動可能に垂下している球均し部材804(
図80を参照)によって、前後二列に整列させる。
【0322】
また、払出ユニット800は、払出ユニットベース801における正面視左側上部の後面に取付けられタンクレール803からの遊技球を蛇行状に下方へ誘導する球誘導ユニット820と、球誘導ユニット820の下側で払出ユニットベース801から着脱可能に取付けられており球誘導ユニット820により誘導された遊技球を払出制御基板ボックス950に収容された払出制御基板951からの指示に基づいて一つずつ払出す払出装置830と、を備えている。タンクレール803から払出装置830までは、遊技球が二列で流通し、払出装置830からは、遊技球が一つずつ払出される。
【0323】
更に、払出ユニット800は、払出ユニットベース801の後面に取付けられ払出装置830によって払出された遊技球を下方へ誘導すると共に皿ユニット200における上皿201での遊技球の貯留状態に応じて遊技球を通常放出口850d又は満タン放出口850eの何れかから放出させる上部満タン球経路ユニット850と、払出ユニットベース801の下端に取付けられ上部満タン球経路ユニット850の通常放出口850dから放出された遊技球を前方へ誘導して前端から扉枠3の貫通球通路526へ誘導する通常誘導路861、満タン放出口850eから放出された遊技球を前方へ誘導して前端から扉枠3の満タン球受口530へ誘導する満タン誘導路862、及び通常誘導路861及び満タン誘導路862の前端開口を本体枠4に対する扉枠3の開閉に応じて開閉する誘導路開閉扉863、を有した下部満タン球経路ユニット860と、を備えている。
【0324】
[4−6a.球誘導ユニット]
本実施形態における払出ユニット800の球誘導ユニット820について、
図65及び
図66を参照して説明する。球誘導ユニット820は、上下に延びており後側が開放された箱状の前ケース821と、前ケース821の後側に取付けられており前側が開放された箱状の後ケース822と、前ケース821と後ケース822との間に取付けられており前ケース821と後ケース822と間を仕切る平板状の仕切板823と、仕切板823を貫通して前後両端が前ケース821及び後レース822に取付けられている棒状の軸部材824と、軸部材824によって回動可能に取付けられており前ケース内及び後ケース内に夫々配置されている一対の可動片部材前825及び可動片部材後826と、前ケース821内に取付けられており一対の可動片部材前825及び可動片部材後826の回動位置を検知可能な球切れ検知センサ827と、を備えている。
【0325】
前ケース821は、右側面の上部において遊技球が通過可能に開口している球誘導入口821aと、底面の左右方向中央よりも右寄りの位置で遊技球が通過可能に開口している球誘導出口821bと、球誘導入口821aと球誘導出口821bとを連通しており遊技球が流通可能な誘導通路821cと、を備えている。誘導通路821cは、球誘導入口821aから左端付近まで水平に対して小さい角度で低くなるように斜めに延びている導入部821dと、導入部821dから前ケース821の左辺に沿って高さの中央付近まで下方へ真っ直ぐ延びている検知部821eと、検知部821dから前ケース821の左右の幅で蛇行状に延びている蛇行部821fと、で構成されている。また、前ケース821は、誘導通路821cにおける検知部821eの正面視右側の壁に切欠部821gを備えている。
【0326】
後ケース822は、右側面の上部において遊技球が通過可能に開口している球誘導入口822aと、底面の左右方向中央よりも右寄りの位置で遊技球が通過可能に開口している球誘導出口822bと、球誘導入口822aと球誘導出口822bとを連通しており遊技球が流通可能な誘導通路822cと、を備えている。誘導通路822cは、球誘導入口822aから左端付近まで水平に対して小さい角度で低くなるように斜めに延びている導入部822dと、導入部822dから後ケース822の左辺に沿って高さの中央付近まで下方へ真っ直ぐ延びている検知部822eと、検知部822dから後ケース822の左右の幅で蛇行状に延びている蛇行部822fと、で構成されている。また、後ケース822は、誘導通路822cにおける検知部822eの正面視右側の壁に切欠部822gを備えている。
【0327】
この後ケース822は、前ケース821に対して左右に略対称に形成されており、球誘導ユニット820を組立てた状態で、誘導通路821cと誘導通路822cとが前後に一致するように形成されている。
【0328】
軸部材824は、前ケース821及び後ケース822における切欠部821g,822gの上端の下側且つ誘導通路821c,822cの外側の位置に前後の端部が取付けられている。
【0329】
可動片部材前825は、上下に延びた平板状の可動片825aと、可動片825aの右側の面の上端で前後に貫通しており軸部材824が挿通される軸孔825bと、可動片825aの上端から可動片825aの右面に対して直角に右方向へ延びている延出部825cと、延出部825cと可動片825aとを連結しており軸孔825bを中心に扇状に延びている連結部825dと、延出部825cの上部及び連結部825dの外周の中央付近から外方へ夫々突出しており前後に貫通している貫通孔を有した錘取付部825eと、延出部825cの右側先端から外方へ平板状に延出しており球切れ検知センサ827により検知可能な検知片825fと、連結部825dの外周における可動片825aに近い位置から外方へ平板状に延出しているストッパ片825gと、を備えている。
【0330】
この可動片部材前825は、軸孔825bに軸部材824を通すと、その自重によって、連結部825dの外周から突出している錘取付部825eが、軸孔825bの直下に位置するように回動し、可動片825aが軸孔825bの部位から斜め下方へ延出した状態となる。従って、球誘導ユニット820を組立てた状態では、連結部825dが前ケース821の切欠部821gに挿通されて、可動片825aの下端が誘導通路821c内に突出した状態となると共に、ストッパ片825gが誘導通路821c(検知部821e)の外壁に当接した状態となる。このストッパ片825gが誘導通路821cの外壁に当接することで、可動片825aの下端が、誘導通路821c内へ突出する方向(正面視左方向)へこれ以上回動するのが規制される。また、可動片部材前825は、可動片825aの下端を、誘導通路821cの壁に接近させる方向(正面視右方向)へ回動させると、可動片825aの左側の面が、誘導通路821cの内面と一致する。この状態では、可動片部材前825の検知片825fは、球切れ検知センサ827に対して非検知の状態となる。つまり、誘導通路821c内に遊技球がある時は、球切れ検知センサ827が非検知となる。
【0331】
可動片部材後826は、上下に延びた平板状の可動片826aと、可動片826aの右側の面の上端で前後に貫通しており軸部材824が挿通される軸孔826bと、可動片826aの上端から可動片826aの右面に対して直角に右方向へ延びている延出部826cと、延出部826cと可動片826aとを連結しており軸孔826bを中心に扇状に延びている連結部826dと、延出部826cの上部及び連結部826dの外周の中央付近から外方へ夫々突出しており前後に貫通している貫通孔を有した錘取付部826eと、延出部826cの右側先端から外方へ平板状に延出しており球切れ検知センサ827により検知可能な検知片826fと、連結部826dの外周における可動片826aに近い位置から外方へ平板状に延出しているストッパ片826gと、を備えている。
【0332】
この可動片部材後826は、軸孔826bに軸部材824を通すと、その自重によって、連結部826dの外周から突出している錘取付部826eが、軸孔826bの直下に位置するように回動し、可動片826aが軸孔826bの部位から斜め下方へ延出した状態となる。従って、球誘導ユニット820を組立てた状態では、連結部826dが後ケース822の切欠部822gに挿通されて、可動片826aの下端が誘導通路822c内に突出した状態となると共に、ストッパ片826gが誘導通路822c(検知部822e)の外壁に当接した状態となる。このストッパ片826gが誘導通路822cの外壁に当接することで、可動片826aの下端が、誘導通路822c内へ突出する方向(正面視左方向)へこれ以上回動するのが規制される。また、可動片部材前826は、可動片826aの下端を、誘導通路822cの壁に接近させる方向(正面視右方向)へ回動させると、可動片826aの左側の面が、誘導通路822cの内面と一致する。この状態では、可動片部材前826の検知片826fは、球切れ検知センサ827に対して非検知の状態となる。つまり、誘導通路822c内に遊技球がある時は、球切れ検知センサ827が非検知となる。
【0333】
本実施形態の球誘導ユニット820は、タンクレール803によって複数の遊技球が前後に夫々一列で並ばされた状態で供給され、複数の遊技球が一列に並んだ状態で、前ケース821及び後ケース822によって、前後に二列の状態で下方の払出装置830へ誘導することができる(
図80を参照)。この際に、前ケース821と後ケース822とは仕切板823によって仕切られているため、夫々の誘導通路821c,822cを流通する遊技球が、互いに干渉し合うことはなく、良好に流通することができる。
【0334】
また、球誘導ユニット820の誘導通路821c,822c内を遊技球が流通すると、遊技球が可動片部材前825及び可動片部材後826の可動片825a,826aに当接し、可動片825a,826aが誘導通路821c,822cの壁面と一致する方向へ可動片部材前825及び可動片部材後826が回動する。これにより、可動片部材前825及び可動片部材後826の検知片825f,826fが球切れ検知センサ827に対して非検知の状態となり、誘導通路821c,822c内に遊技球があることが判る。
【0335】
そして、球誘導ユニット820の下流側の払出装置830により遊技球の払出し等が行われると、誘導通路821c,822c内の遊技球が下流へ流れることとなる。誘導通路821c,822c内を遊技球が流れると、導入部821d,822dを流れる遊技球の勢いが強くなり、導入部821d,822dを流れた遊技球が、検知部821e,822eの上部で可動片825a,826a側へ跳ね返り、可動片825a,826aに当接することとなる。この遊技球の当接により、可動片825a,826aが振動することとなるため、その振動により可動片825a,826aと誘導通路821c,822cの切欠部821g,822gとの間に挟まれたり侵入したりした埃やゴミ等を除去することができ、自重等によって可動片825,826aが良好に回動できるようになる。
【0336】
また、球誘導ユニット820は、各誘導通路821c,822c内を流通する遊技球を夫々別々の可動片部材前825及び可動片部材826によって検知するようにしていると共に、可動片部材前825及び可動片部材後826の夫々の検知片825f,826fを一つの球切れ検知センサ827で検知するようにしているため、何れかの誘導通路821c,822c内の遊技球がなくなると、可動片部材前825又は可動片部材後826の可動片825a,826aが誘導通路821c,822c内へ突出するように回動し、遊技球のなくなった側の検知片825f,826fが球切れ検知センサ827で検知される。従って、遊技球の球切れを早期に検知することができるため、速やかに遊技球を補充させることができ、遊技が中断する時間を可及的に短くすることで、遊技者の興趣の低下を抑制することができる。
【0337】
更に、可動片部材前825及び可動片部材後826の錘取付部825e,826eに、錘として金属ビスを捩じ込んで取付けることで、可動片部材前825及び可動片部材後826と錘の重量とによって、可動片825a,826aの下端側を、誘導通路821c,822c内に突出する方向へ回動させ易くすることができる。また、可動片825a,826aの上端を誘導通路821c,822cの外側で回動可能に取付けて、下端側が誘導通路821c,822c内に突出するようにしているため、誘導通路821c,822c内の埃やゴミ等が、可動片825a,826aの上端や下端に付着することがない。従って、可動片825a,826aが誘導通路821c,822cの壁側に回動しても、可動片825a,826aの下端と壁との間に埃やゴミ等が噛み込むことはないため、自重等によって良好に回動することができ、可動片825a,826aが回動しなくなるような不具合の発生を抑制することができる。
【0338】
このように、本実施形態の球誘導ユニット820は、自重によって下端側が遊技球の流通する誘導通路821c,822c内へ突出する可動片部材前825及び可動片部材後826の可動片825a,826aにおいて、遊技球と当接する面の反対側の錘取付部825e,826eに金属ビスからなる錘を取付けることで、可動片部材前825及び可動片部材826の自重と錘の重量とによって、可動片825a,826aの下端側を誘導通路821c,822c内に回動(突出)させ易くすることができる。また、可動片825a,826aの上端を誘導通路822cの外側で回動可能に取付けて、下端側が誘導通路821c,822c内に突出するようにしているため、誘導通路821c,822c内の埃やゴミ等が、可動片825a,826aの上端や下端に付着することがない。従って、可動片825a,826aが誘導通路821c,822cの壁側に回動しても、可動片825a,826aの下端と壁との間に埃やゴミ等が噛み込むことはないため、自重等によって良好に回動することができ、可動片825a,826(可動片部材前825及び可動片部材後826)が回動しなくなるような不具合の発生を抑制することができる。
【0339】
また、錘としての金属ビスを、貫通孔とされた錘取付部825e,826eに捩じ込んで取付けるため、可動片部材前825及び可動片部材後826が頻繁に回動しても、錘が可動片部材前825及び可動片部材後826(錘取付部825e,826e)から外れることがなく、長期に亘って可動片部材前825及び可動片部材後826を良好な状態に維持することができる。また、錘取付部825e,826eに金属ビスを捩じ込むだけで、可動片部材前825及び可動片部材後826に錘を容易に取付けることができるため、錘の取付けの手間を簡略化することができ、パチンコ機1の組立てに係るコストを低減させることができる。
【0340】
更に、誘導通路821c,822c内において可動片825a,825cが内部に突出する部位よりも上流側に、可動片825a,825cへ向かって遊技球を誘導させる導入部822dを備えていることから、誘導通路821c,822c内を遊技球が流れることで、遊技球が可動片825a,826aに当接するため、遊技球の当接によって可動片825a,826aを振動させることができる。従って、可動片825a,826aの振動により、可動片825a,826aと誘導通路821c,822cの壁との間に挟まれたり侵入したりした埃やゴミ等を除去することができ、自重等によって可動片部材前825及び可動片部材後826が良好に回動するようにできる。
【0341】
従って、可動片部材前825及び可動片部材後826を良好に回動させることができるため、誘導通路821c,822c内の遊技球の状態(有無)を確実に検知させることができ、遊技球の誤検知等による不具合の発生を抑制させることができる。また、払出装置830へ供給される遊技球が誘導通路821c,822c内からなくなっても、可動片825a,826aを介して確実に誘導通路821c,822c内の有無を検知することができるため、速やかに遊技球を補充させることができ、遊技が中断する時間を可及的に短くすることで、遊技者の興趣の低下を抑制することができる。
【0342】
[4−6b.払出装置]
本実施形態における払出ユニット800の払出装置830について、
図67乃至
図72を参照して説明する。払出装置830は、後側が開放されている箱状で、上面における左右方向中央に遊技球が通過可能に開口している払出入口831a、底面における正面視左端付近で遊技球が通過可能に開口している払出出口831b、底面における正面視右端付近で遊技球が通過可能に開口している球抜き出口831c、払出入口831aと払出出口831bとを連通しており遊技球が流通可能な払出通路831d、及び払出通路831dの途中から分岐して球抜き出口831cと連通しており遊技球が流通可能な球抜き通路831e、を有している前箱831と、前箱831の後側に取付けられており前側が開放されている箱状で、上面における左右方向中央に遊技球が通過可能に開口している払出入口832a、底面における正面視左端付近で遊技球が通過可能に開口している払出出口832b、底面における正面視右端付近で遊技球が通過可能に開口している球抜き出口832c、払出入口832aと払出出口832bとを連通しており遊技球が流通可能な払出通路832d、及び払出通路832dの途中から分岐して球抜き出口832cと連通しており遊技球が流通可能な球抜き通路832e、を有している後箱832、を備えている。
【0343】
また、払出装置830は、前箱831の前側に取付けられており後側が開放されている浅い箱状の前カバー833と、前箱831内に取付けられており回転軸が前箱831を貫通して前カバー833内に延出している払出モータ834と、払出モータ834の回転軸に取付けられている駆動ギア835と、駆動ギア835と噛合しており前箱831と前カバー833とで回転可能に取付けられている平歯車状の中間ギア836と、中間ギア836と噛合している従動ギア837と、従動ギア837が回転可能に貫通しており前端が前カバー833に取付けられていると共に後端が前箱831を貫通して後箱832に取付けられている軸部材838と、軸部材837を貫通して回転可能に取付けられていると共に前箱831及び後箱832の払出通路831d,832d内に配置されており従動ギア837と一体回転する払出羽根839と、前箱831と後箱832との間に取付けられており払出羽根839の回転を検知する羽根回転検知センサ840と、を備えている。
【0344】
更に、払出装置830は、前箱831と後箱832の間に取付けられており前箱831の払出通路831dと後箱832の払出通路832dとを仕切る平板状の仕切板841と、前箱831と後箱832との間に取付けられており払出羽根839の回転により払出されて払出出口831b,832bから放出される遊技球を検知する払出検知センサ842と、払出通路831d,832dと球抜き通路831e,832eとが分岐している部位で前箱831と後箱832とによって回動可能に取付けられており球抜き通路831e,832eを閉鎖可能な球抜き可動片843と、前箱831及び後箱832の正面視右側面上部で上下にスライド可能に取付けられており球抜き可動片843を回動可能又は回動不能とする球抜きレバー844と、を備えている。
【0345】
前箱831の払出通路831dは、払出入口831aから球抜き出口831cへ向かうように正面視右下へ斜めに延び、前箱831の全高に対して上面から約1/3の高さのところで下方へ垂直に延びるように折れ曲がり、全高の中央付近で左方へ略水平に延びるように曲がった後に、前箱831の左右の幅に対して左端から約1/3のところで再び下方へ垂直に延びるように折れ曲がっており、前箱831の全高に対して底面から約1/4の高さのところで払出出口831bの直上へ位置するようにクランク状に折れ曲がって払出出口831bへ垂直に延びている。払出通路831d内のクランク状に折れ曲がっている部位に払出羽根839が配置される。
【0346】
一方、球抜き通路831eは、払出通路831dにおいて払出入口831aから右下へ斜めに延びている部位を更に延長する形態で、前箱831の全高に対して上面から約1/3の高さから中央付近の高さまでの間で分岐している。
【0347】
また、前箱831は、払出通路831d内の払出出口831bへ向かって垂直に延びている部位において下方へ向かうに従って後方へ突出している誘導棚831fと、正面視右側面の上部に形成されており球抜きレバー844を上下にスライド可能に取付けるためのレバー取付部831gと、を備えている。
【0348】
後箱832の払出通路832dは、払出入口832aから球抜き出口832cへ向かうように正面視右下へ斜めに延び、後箱832の全高に対して上面から約1/3の高さのところで下方へ垂直に延びるように折れ曲がり、全高の中央付近で左方へ略水平に延びるように曲がった後に、後箱832の左右の幅に対して左端から約1/3のところで再び下方へ垂直に延びるように折れ曲がっており、後箱832の全高に対して底面から約1/4の高さのところで払出出口832bの直上へ位置するようにクランク状に折れ曲がって払出出口832bへ垂直に延びている。払出通路832d内のクランク状に折れ曲がっている部位に払出羽根839が配置される。
【0349】
一方、球抜き通路832eは、払出通路832dにおいて払出入口832aから右下へ斜めに延びている部位を更に延長する形態で、後箱832の全高に対して上面から約1/3の高さから中央付近の高さまでの間で分岐している。
【0350】
また、後箱832は、払出通路832d内の払出出口832bへ向かって垂直に延びている部位において下方へ向かうに従って前方へ突出している誘導棚832fと、正面視右側面の上部に形成されており球抜きレバー844を上下にスライド可能に取付けるためのレバー取付部832gと、を備えている。
【0351】
前箱831及び裏箱832の払出通路831d,832dと球抜き通路831e,832eは、同じ形状に形成されている。払出通路831d,832dは、払出羽根839が配置されている部位の上流までが仕切板841によって仕切られている。また、誘導棚831f,832fと払出出口831b,832bとの間に、払出検知センサ842が取付けられている。つまり、前箱831の払出通路831dを流通した遊技球と、後箱832の払出通路832dを流通した遊技球とは、夫々の誘導棚831f,832fによって前箱831と後箱832との前後の境界付近に寄せられて、一つの払出検知センサ842により検知される。
【0352】
従動ギア837は、中間ギア836と噛合する平歯車状のギア部837aと、ギア部837aの後面から周方向へ60度の角度の間隔で放射状に突出しており羽根回転検知センサ840によって検知可能な複数の検知片837bと、ギア部837aの中心から後方へ円筒状に突出していると共に後端の周面に凹凸が形成されており払出羽根839と連結可能な連結部837cと、を備えている。
【0353】
払出羽根839は、前後に円筒状に延びており軸部材838が挿通されるベース筒部839aと、ベース筒部839aの前端から周方向に一定間隔でベース筒部839aの軸直角方向へ突出している複数(三つ)の前羽根839bと、ベース筒部839aの後端から前羽根839bとは互い違いとなるように周方向に一定間隔でベース筒部839aの軸直角方向へ突出している複数(三つ)の後羽根839cと、ベース筒部839aの前端から前方へ筒状に突出していると共に前端の周面に従動ギア837の連結部387cと連結可能な凹凸が形成されている被連結部839dと、を備えている。
【0354】
払出羽根839の前羽根839b及び後羽根839cは、周方向へ120度の角度の間隔で夫々三つずつ備えられており、互い違いとなるように、前羽根839bに対して後羽根839cが、周方向へ60度の角度でオフセットして外方へ延出している。本実施形態の払出羽根839は、三つの前羽根839b(後羽根839c)同士の間が中心側へ窪んだ円弧によって結ばれており、その円弧の直径が遊技球の直径と同じか若干大きい。これにより、前羽根839b(後羽根839c)同士の間には、遊技球が一つのみ収容することが可能な球収容部839eが形成されている。
【0355】
また、三つの前羽根839b及び後羽根839cは、ベース筒部839aの軸を中心としたそれらの外周の直径D1が、遊技球の外径の1〜1.4倍に形成されている。また、前羽根839b(後羽根839c)同士の間の円弧の部位(球収容部839e)におけるベース筒部839aの軸に最も接近した部位までの、ベース筒部839aの軸を中心とした直径D2は、遊技球の外径の約0.3〜0.4倍に形成されている(
図72を参照)。つまり、前羽根839b及び後羽根839cの外周から球収容部839eの最も凹んだ部位までの深さ[(直径D1−直径D2)/2]が、遊技球の外径の0.1〜0.4倍とされている。
【0356】
従って、前羽根839b(後羽根839c)同士の間の円弧の部位(球収容部839e)により、遊技球の外周の約3/10(1/4〜1/3の間)を保持することができる。換言すると、遊技球の外径の約1/5(1/7〜1/4)の深さを収容することができる。これにより、払出通路831d,832d内の遊技球を、速やかに前羽根839b(後羽根839c)同士の間(球収容部839e)に収容することができる。
【0357】
本実施形態の払出羽根839は、払出装置830を組立てた状態で、前羽根839bが前箱831の払出通路831d内に、後羽根839cが後箱832の払出通路832d内に位置し、夫々の払出通路831d,832d内の遊技球を、夫々払出すことができる。また、払出羽根839は、払出通路831d,832dにおいて、前箱821及び後箱832の全高の中央よりも下側でクランク状に折れ曲がっている部位に配置されている。詳しくは、払出通路831d,832dにおいて、前箱821及び後箱832の全高の中央付近から下方へ垂直に延びている部位の直下に、払出羽根839の回転中心が位置している。そして、払出通路831d,832dのクランク状に折れ曲がっている部位では、払出羽根839から遠い側の壁(内壁)が、払出羽根839の回転中心を中心とし、前羽根839b及び後羽根839cの外周から遊技球の外径よりも小さい距離Sだけ離れた円弧状に形成されている(
図61を参照)。なお、本実施形態では、距離Sが、遊技球の外径の0.7〜0.9倍とされている。換言すると、球収容部839eの最も凹んだ部位から払出通路831d,832dの円弧状に形成されている部位までの距離が、遊技球の外径の1.03〜1.1倍とされている。
【0358】
これにより、払出装置830は、払出羽根839上に流下してきた遊技球が、前羽根839b,839cの外周に当接すると、払出通路831d,832dのクランク状に折れ曲がっている部位を通ることができず、払出出口831b,832bから下方へ放出されることはない。一方、遊技球が、球収容部839eに収容されると、払出羽根839の回転と共に移動し、払出通路831d,832dのクランク状に折れ曲がっている部位を通ることができ、払出出口831b,832bから下方へ放出される。
【0359】
また、払出装置830では、前羽根839b及び後羽根839cの直径D1を、遊技球の外径の約1.2〜1.4倍とすると共に、球収容部839eにより遊技球の外径の1/7〜1/4の深さを収容するようにしているため、払出羽根839の外径を可及的に小さくしつつ、遊技球の収容にかかる時間を短くすることができる。これにより、払出羽根839を速く回転させても、球収容部839eに遊技球を収容させて、払出出口831b,832b側へ送ることができる。従って、従来よりも単位時間当りの遊技球の払出数を多くすることができ、遊技球の払出しにかかる時間を短縮することができる。
【0360】
球抜き可動片843は、上下及び前後に板状に延びており下部が折れ曲がって正面視く字状に形成されている本体部843aと、本体部843aの上端で前後に筒状に延びており両端が夫々前箱831及び後箱832に回動可能に取付けられる軸筒部843bと、本体部843aのく字状に折れ曲がっている外側面の上部から突出している突出部843cと、本体部843cのく字状に折れ曲がっている下部において前後に貫通している貫通孔からなる錘取付部843d(
図71を参照)と、を備えている。
【0361】
球抜き可動片843は、払出装置830を組立てた状態では、本体部843aの下部が正面視斜め左下へ延びるような向きで、上端の軸筒部843bが、前箱831及び後箱832の払出通路831d,832dにおいて、払出入口831a,832aから正面視右下へ斜めに延びている部位で、且つ、下方へ折れ曲がる部位よりもやや上側の正面視右側の壁の外側の位置で、回動可能に取付けられている。
【0362】
本実施形態の払出装置830は、通常の状態では、球抜きレバー844を下方へスライドさせた状態としており、球抜きレバー844の下部が球抜き可動片843の突出部843cに正面視右側から当接している。これにより、球抜き可動片843は、正面視反時計回りへの回動が規制されている(
図71(a)を参照)。
【0363】
この通常の状態では、球抜き可動片843のく字状に折れ曲がっている本体部843aにおいて、曲がっている部位よりも上側が垂直に延びていると共に、曲がっている部位の下側が正面視斜め左下へ延びている。そして、本体部843aの下端は、払出通路831d,832dと球抜き通路831e,832eとが分岐している部位の近傍に位置している。従って、球抜き可動片843(本体部843a)によって、球抜き通路831e,832eを閉鎖していると共に、本体部843aの左側を向いた面が、払出通路831d,832dの一部の壁を形成している。
【0364】
本実施形態の球抜き可動片843は、通常の状態において、球抜き可動片843の重心が、軸筒部843bの中心を通る垂直線の正面視左側に位置するように形成されており、自重によって正面視反時計回りに回転させようとする力が作用しているが、球抜きレバー844によって反時計回りへの回動が規制されているため、通常の状態が維持される。
【0365】
通常の状態から、球抜きレバー844を上方へスライドさせると、球抜きレバー844の下部が、球抜き可動片843の突出部843cから離れ、球抜き可動片843の正面視反時計回りへの回動の規制が解除される。従って、球抜き可動片843は、重心が軸筒部843bの直下へ位置するように、自重によって反時計回りへ回動することとなる。なお、球抜き可動片843は、本体部843aの下部の右側側面が、前箱831及び後箱832の右側面を形成している部材の左面に当接するまで、反時計回りに回動することができる(
図60(b)を参照)。これにより、球抜き通路831e,832eが開放された状態となり、払出入口831a,832aから進入した遊技球が、払出通路831d,832dの途中で、球抜き可動片843の本体部843aに当接して球抜き可動片843を正面視反時計回りへ回動させて球抜き通路831e,832eを開放し、開放された球抜き通路831e,832eを流通して球抜き出口831c,832cから下方へ放出されることとなる。
【0366】
本実施形態では、球抜き可動片843に錘取付部843dを備えているため、この錘取付部843dに金属ビスからなる錘を捩じ込んで取付けることで、球抜きレバー844を上方へスライドさせて、正面視反時計回りへの回動の規制を解除した時に、球抜き可動片843の自重と錘の重量とによって、球抜き可動片843の下端を球抜き通路381e,832e内へ突出する方向へ(正面視反時計回りに)回動させ易くすることができる。
【0367】
また、球抜きレバー844を下方へスライドさせて球抜き通路831e,832eを閉鎖している通常の状態において、払出入口831a,832aから進入した遊技球が、球抜き可動片843の本体部843aに当接するようにしているため、遊技球の当接によって球抜き可動片843を振動させることができる。従って、球抜き可動片843の下端と球抜き通路831e,832eの内面との間に挟まれたり侵入したりした埃やゴミ等を、球抜き可動片843の振動によって除去することができ、埃やゴミ等を噛み込んで球抜き可動片843が回動できなくなるのを防止することができる。
【0368】
また、錘としての金属ビスを、貫通孔とされた錘取付部843dに捩じ込んで取付けることができるため、球抜き可動片843が頻繁に回動しても、錘が球抜き可動片843(錘取付部843d)から外れることがなく、長期に亘って球抜き可動片843を良好な状態に維持することができる。また、錘取付部843dに金属ビスを捩じ込むだけで、球抜き可動片843に錘を容易に取付けることができるため、錘の取付けの手間を簡略化することができ、パチンコ機1の組立てに係るコストを低減させることができる。
【0369】
ところで、球抜き可動片843によって球抜き通路831e,832eを長期に亘って閉鎖していると、球抜き可動片843の回転軸に微細な埃が付着したり回転軸が錆びたりして、球抜き可動片843が回動し辛くなることがある。これに対して、本実施形態では、払出入口831a,832aから進入した遊技球が、球抜き可動片843の本体部843aに当接するようにしているため、球抜き可動片843により球抜き通路831e,832eを閉鎖している状態から、閉鎖を解除する球抜きレバー844を上方へスライドさせてロックを外した時に、遊技球が球抜き可動片843に当接することで、その当接の衝撃によって球抜き可動片843を回動させることができ、球抜き通路831e,832eを確実に開放させることができる。
【0370】
従って、球抜きレバー844を操作して球抜き通路831e,832eを開放させる際に、球抜き可動片843が良好に回動することができるため、遊技球の抜取り作業を確実に行うことができ、メンテナンス等の際の作業性を良くすることができる。
【0371】
[4−6c.上部満タン球経路ユニット]
本実施形態における払出ユニット800の上部満タン球経路ユニット850について、
図73及び
図74を参照して詳細に説明する。上部満タン球経路ユニット850は、払出ユニットベース801において、払出装置830の下側の位置に取付けられるものである。この上部満タン球経路ユニット850は、払出ユニットベース801に取付けられ後側が開放された箱状の上部満タンベース851と、上部満タンベース851の後側に取付けられており前側が開放された箱状の上部満タンカバー852と、上部満タンカバー852の後側に回転可能に取付けられており払出装置830を上方へ押圧可能な払出装置押圧部材853と、を備えている。
【0372】
また、上部満タン球経路ユニット850は、上面における正面視左右中央から左側の部位で遊技球が通過可能に上方へ開口している上部払出球受口850aと、上面における正面視左右中央から右側の部位で遊技球が通過可能に上方へ開口している上部球抜き入口850bと、上部満タンベース851と上部満タンカバー852との間に形成されており上部払出球受口850aに受けられた遊技球が流通する所定広さの上部球貯留通路850cと、上部球貯留通路850cの下端における上部払出球受口850aの直下の部位で下方へ開口している通常放出口850dと、上部球貯留通路850cの下端における通常放出口850dを除いた部位で下方へ開口している満タン放出口850eと、通常放出口850dと満タン放出口850eとの間から上方へ突出しており上部球貯留通路850c内の下部を左右に仕切っている仕切片850fと、を備えている。
【0373】
また、上部満タン球経路ユニット850は、上部球抜き入口850bから進入した遊技球を下方へ誘導する上部球抜き通路850gと、上部球抜き通路850gの下端で下方へ向かって開口している上部球抜き出口850hと、を備えている。この上部満タン球経路ユニット850は、正面視で左側から、通常放出口850d、満タン放出口850e、上部球抜き出口850hが順に並んで下方へ開口している。また、上部満タン球経路ユニット850は、上部満タンベース851の右端に裏カバー980を取付けるための裏カバー取付部854を備えている。
【0374】
この上部満タン球経路ユニット850は、払出ユニット800に組立てた状態で、上部払出球受口850aが、払出装置830の払出出口831bの直下に位置していると共に、上部球抜き入口850bが、払出装置830の球抜き出口831cの直下に位置している。また、上部満タン球経路ユニット850は、払出ユニット800に組立てた状態で、通常放出口850d、満タン放出口850e、及び上部球抜き出口850hは、下部満タン球経路ユニット860の通常誘導路861、満タン誘導路862、及び下部球抜き誘導路865の夫々後端開口の直上に夫々開口している(
図80を参照)。
【0375】
上部満タン球経路ユニット850は、払出装置830によって払出されて払出出口831bから下方へ放出された遊技球が、上部払出球受口850aから上部球貯留通路850c内へ進入する。上部球貯留通路850cの下端の通常放出口850dが閉鎖されていない状態では、上部払出球受口850aから上部球貯留通路850c内へ進入した遊技球が、上部払出球受口850aの直下に開口している通常放出口850dから放出される。
【0376】
扉枠3の上皿201内が遊技球で満たされて遊技球を貯留させることができなくなり、更に、下部満タン球経路ユニット860の通常誘導路861内が遊技球で満たされると、通常放出口850dが閉鎖された状態となる。この状態で上部球貯留通路850c内に遊技球が進入すると、通常放出口850dの上側に貯留される。そして、通常放出口850dの上側に貯留されている遊技球の量が、仕切片850fよりも高くなると、新たに上部球貯留通路850c内に進入してきた遊技球は、仕切片850fを乗り越えて満タン放出口850eから下方へ放出されることとなり、下部満タン球経路ユニット860の満タン誘導路862を通って下皿202に送られることとなる。
【0377】
このように、上部満タン球経路ユニット850は、払出装置830から払出された遊技球を、扉枠3における上皿201での遊技球の貯留量に応じて、自動的に上皿201から下皿202へ振分けることができる。
【0378】
[4−6d.下部満タン球経路ユニット]
本実施形態における払出ユニット800の下部満タン球経路ユニット860について、
図75乃至
図79を参照して詳細に説明する。下部満タン球経路ユニット860は、払出ユニットベース801における上部満タン球経路ユニット850の下側に取付けられるものである。下部満タン球経路ユニット860は、上部満タン球経路ユニット850の通常放出口850dから放出された遊技球を前方へ誘導して前端から扉枠3の貫通球通路526へ誘導する通常誘導路861と、上部満タン球経路ユニット850の満タン放出口850eから放出された遊技球を前方へ誘導して前端から扉枠3の満タン球受口530へ誘導する満タン誘導路862と、通常誘導路861及び満タン誘導路862の前端開口を本体枠4に対する扉枠3の開閉に応じて開閉する誘導路開閉扉863と、誘導路開閉扉863を通常誘導路861及び満タン誘導路862の前端開口を閉鎖する方向へ付勢している閉鎖バネ864と、を備えている。
【0379】
また、下部満タン球経路ユニット860は、上部満タン球経路ユニット850の上部球抜き出口850hから放出された遊技球を前方へ誘導し前後方向の中央右端から基板ユニット900の基板ユニットベース910上へ放出する下部球抜き誘導路865を、備えている。
【0380】
下部満タン球経路ユニット860は、通常誘導路861、満タン誘導路862、及び下部球抜き誘導路865が、正面視において、左側から順に右側へ並んでいる。これら通常誘導路861、満タン誘導路862、及び下部球抜き誘導路865は、後端が上方へ向かって開口している。また、通常誘導路861、及び満タン誘導路862は、左右に遊技球が複数並ぶ幅で、前端側が低くなるように本体枠4の前端付近まで前方へ延びている。更に、満タン誘導路862は、通常誘導路861よりも低い位置で前方へ延びている。これら通常誘導路861、満タン誘導路862、及び下部球抜き誘導路865は、図示するように、上下に分割可能な上ケース866及び下ケース867によって形成されている。
【0381】
誘導路開閉扉863は、下ケース867の前端における通常誘導路861と満タン誘導路862との間の部位に、回動可能に取付けられており、閉鎖バネ864によって正面視時計回りの方向へ付勢されている。更に詳述すると、下部満タン球経路ユニット860の前端において、正面視で通常誘導路861の前端開口の右側に開口している満タン誘導路862は、通常誘導路861に対して一つの遊技球の高さ分低い位置に配置されている。そして、誘導路開閉扉863は、通常誘導路861の下側で、且つ、満タン誘導路862の左側の位置で、前後に延びた軸周りに対して回動可能に取付けられている。
【0382】
誘導路開閉扉863は、回転可能に取付けられる円盤状の基部863aと、基部863aから斜め左上側に平板状に延びており通常誘導路861の前端開口を閉鎖可能な第一扉板部863bと、基部863aから右側に平板状に延びており満タン誘導路862の前端開口を閉鎖可能な第二扉板部863cと、基部863aから斜め左下側に平板状に延びている延出部863dと、延出部863dの先端部前面から前方へ突出しており扉枠3におけるファールカバーユニット520の扉開閉当接部537と当接可能な作動突部863eと、を備えている。
【0383】
ここで、通常誘導路861及び満タン誘導路862の前端開口を閉鎖するとは、開口を密閉する必要はなく、遊技球が通過不能となれば良いことである。作動突部863eは、正面視の形状が、基部863aを中心とした短い円弧状に形成されており、前端面が、反時計回りの方向の端部側へ近付くに従って前方へ突出するように傾斜している。
【0384】
誘導路開閉扉863は、閉鎖バネ864によって正面視時計回りの方向へ付勢されており、第二扉板部863cが、下カバー867の前端における満タン誘導路862の前端開口の下側から前方へ突出しているボス部867aに当接することで、時計回りの方向への回動が規制される。
【0385】
本実施形態の下部満タン球経路ユニット860は、パチンコ機1を組立てた状態で、前端が、扉枠3のファールカバーユニット520における貫通球通路526、満タン球受口530、及び扉開閉当接部537と対向する位置に取付けられている(
図79を参照)。そして、誘導路開閉扉863は、本体枠4に対して扉枠3が開いている状態では、作動突部863eに何も当接していないため、誘導路開閉扉863は閉鎖バネ864の付勢力によって、正面視時計回りの方向へ回動させられ、第二扉板部863cが下ケース867のボス部867aに当接した状態で停止する。この状態では、第一扉板部863bと第二扉板部863cが、通常誘導路861と満タン誘導路862の前端開口の前面に位置しており、前端開口を閉鎖している(
図78(a)を参照)。従って、この状態では、通常誘導路861及び満タン誘導路862内の遊技球が、前端開口から前方へ移動することができず、扉枠3を開けても、通常誘導路861や満タン誘導路862から遊技球がこぼれることはない。
【0386】
そして、本体枠4に対して扉枠3を閉じると、誘導路開閉扉863の作動突部863eの前端面に、扉枠3におけるファールカバーユニット520の扉開閉当接部537が当接し、作動突部863eの前端面の傾斜によって、閉鎖バネ864の付勢力に抗して誘導路開閉扉863を正面視反時計回りの方向へ回動させようとする力が作用する。これにより、通常誘導路861及び満タン誘導路862の前端開口を閉鎖していた第一扉板部863bと第二扉板部863cが、前端開口から離れる方向へ回動し、通常誘導路861及び満タン誘導路862の前端開口が開放された状態となる(
図78(b)を参照)。この状態では、図示するように、第一扉板部863bが通常誘導路861の前端開口の下側に、第二扉板部863cが満タン誘導路862の前端開口の上側に位置している。
【0387】
この通常誘導路861及び満タン誘導路862の前端開口を開放させた状態では、本体枠4に対して扉枠3が完全に閉じられた状態となっていると共に、通常誘導路861及び満タン誘導路862の前端開口の前側に、扉枠3におけるファールカバーユニット520の貫通球通路526及び満タン球受口528が位置しており、通常誘導路861及び満タン誘導路862側から、貫通球通路526及び満タン球受口528側へ遊技球を受渡すことができる。
【0388】
このように、通常誘導路861及び満タン誘導路862の前端開口を上下方向に異ならせると共に、誘導路開閉扉863を回動させることで通常誘導路861及び満タン誘導路862の前端開口を開閉させるようにしているため、誘導路開閉扉863の動作範囲を可及的に狭くすることができ、通常誘導路861及び満タン誘導路862の開閉機構を小型化することができる。従って、相対的に他の部材のためのスペースを広くすることができ、パチンコ機1の内部空間をより有効活用することができる。
【0389】
本実施形態の払出ユニット800は、扉枠3の上皿201が遊技球で一杯になり、上皿201へ遊技球を放出することができなくなった状態で、払出装置830から更に多くの遊技球が払出されると、下部満タン球経路ユニット860の通常誘導路861内が遊技球で一杯になるまで遊技球を貯留することができる。そして、通常誘導路861が遊技球で一杯になった状態で払出装置830から更に遊技球が払出されると、上部満タン球経路ユニット850の上部球貯留通路850c内において、遊技球が通常放出口850dよりも上側に留って仕切片850fを超えると、満タン放出口850e側へ流通するようになり、満タン放出口850eから、下部満タン球経路ユニット860の満タン誘導路862、ファールカバーユニット520を通って下皿202へ遊技球の払出しが自動的に切換えられる。その後、払出装置830から更に遊技球が払出されて、上皿201に加えて下皿202も遊技球で一杯になって下皿202へ遊技球を供給することができなくなると、ファールカバーユニット520の貯留通路533内に遊技球が貯留される。そして、貯留通路533内に遊技球が貯留されることで可動片534が回動して満タン検知センサ535により検知されると、上皿201及び下皿202が遊技球で満タンであることが報知されると共に、満タン検知センサ535による可動片534の検知が解除されるまで払出装置830による遊技球の払出しが一時的に停止される。
【0390】
なお、満タン検知センサ535による可動片534の検知に対する払出装置830による遊技球の払出しの停止を、例えば、ファールカバーユニット520の貯留通路533内に可動片534が検知されるまで遊技球が貯留されている状態で、その上流側の貯留通路533、下部満タン球経路ユニット860の満タン誘導路862、及び上部満タン球経路ユニット850の上部球貯留通路850c内を満たすことが可能な数の遊技球が払出されると、払出装置830による遊技球の払出しを停止させるようにしても良い。これにより、従来のパチンコ機よりも多くの遊技球を貯留することができるため、大当り遊技中等の多くの遊技球が払出される遊技状態において、遊技球の払出しによって上皿201や下皿202が遊技球で一杯になることに対して気に掛ける必要を低減させることができ、遊技者を大当り遊技に専念させて楽しませることができる。
【0391】
[4−7.基板ユニット]
本実施形態における本体枠4の基板ユニット900について、
図57乃至
図60を参照して説明する。本体枠4の基板ユニット900は、本体枠ベース600の後側に取付けられる基板ユニットベース910と、基板ユニットベース910の正面視左側で本体枠ベース600の後側に取付けられ内部に低音スピーカを有したスピーカユニット920と、基板ユニットベース910の後側で正面視右側に取付けられ内部に電源基板が収容されている電源基板ボックス930と、スピーカユニット920の後側に取付けられており内部にインターフェイス制御基板が収容されているインターフェイス制御基板ボックス940と、電源基板ボックス930及びインターフェイス制御基板ボックス940に跨って取付けられており内部に遊技球の払出しを制御する払出制御基板951が収容された払出制御基板ボックス950と、を備えている。
【0392】
払出制御基板ボックス950内に収容された払出制御基板951によって、払出装置830が制御されている。
【0393】
[5.遊技盤の全体構成]
次に、パチンコ機1の遊技盤5の全体構成について、
図81乃至
図85を参照して詳細に説明する。
図81は、遊技盤の正面図である。
図82は遊技盤の前から見た斜視図であり、
図83は遊技盤を後ろから見た斜視図である。
図84は遊技盤を主な構成毎に分解して前から見た分解斜視図であり、
図85は遊技盤を主な構成毎に分解して後ろから見た分解斜視図である。
【0394】
本実施形態の遊技盤5は、遊技者がハンドルユニット500のハンドルレバー504を操作することで遊技球が打込まれる遊技領域5aを有している。また、遊技盤5は、遊技領域5aの外周を区画し外形が正面視略四角形状とされた前構成部材1000と、前構成部材1000の後側に取付けられており遊技領域5aの後端を区画する板状の遊技パネル1100と、遊技パネル1100の後側下部に取付けられている基板ホルダ1200と、基板ホルダ1200の後面に取付けられており遊技球を遊技領域5a内へ打込むことで行われる遊技内容を制御する主制御基板1310(
図90及び
図95を参照)を有している主制御ユニット1300と、を備えている。遊技パネル1100の前面において遊技領域5a内となる部位には、遊技球と当接する複数の障害釘が所定のゲージ配列で植設されている(図示は省略)。
【0395】
また、遊技盤5は、主制御基板1310からの制御信号に基づいて遊技状況を表示し前構成部材1000の左下隅に遊技者側へ視認可能に取付けられている機能表示ユニット1400と、遊技パネル1100の後側に取付けられている周辺制御ユニット1500と、正面視において遊技領域5aの中央に配置されており所定の演出画像を表示可能な中央表示装置1600と、遊技パネル1100の前面に取付けられる表ユニット2000と、遊技パネル1100の後面に取付けられる裏ユニット3000と、を更に備えている。裏ユニット3000の後側に、周辺制御ユニット1500が取付けられている。
【0396】
遊技パネル1100は、外周が枠状の前構成部材1000の内周よりもやや大きく形成されていると共に透明な平板状のパネル板1110と、パネル板1110の外周を保持しており前構成部材1000の後側に取付けられると共に後面に裏ユニット3000が取付けられる枠状のパネルホルダ1120と、を備えている。
【0397】
表ユニット2000は、遊技領域5a内に打込まれた遊技球を受入可能としており常時開口している複数の一般入賞口2001と、複数の一般入賞口2001とは遊技領域5a内の異なる位置で遊技球を受入可能に常時開口している第一始動口2002と、遊技領域5a内の所定位置に取付けられており遊技球の通過を検知するゲート部2003と、遊技球がゲート部2003を通過することにより抽選される普通抽選結果に応じて遊技球の受入れが可能となる第二始動口2004と、第一始動口2002又は第二始動口2004への遊技球の受入れにより抽選される第一特別抽選結果又は第二特別抽選結果に応じて何れかにおいて遊技球の受入れが可能となる大入賞口2005と、を備えている。
【0398】
また、表ユニット2000は、技領域5a内の左右方向中央でアウト口1111の直上に取付けられており第一始動口2002を有している始動口ユニット2100と、始動口ユニット2100の正面視左方で内レール1002に沿って取付けられており二つの一般入賞口2001を有しているサイドユニット下2200と、サイドユニット下2200の正面視左端上方に取付けられており一つの一般入賞口2001を有しているサイドユニット上2300と、始動口ユニット2100の右方に取付けられており大入賞口2005を有しているアタッカユニット2400と、遊技領域5a内の略中央に取付けられており一つの一般入賞口2001、ゲート部2003、及び第二始動口2004を有している枠状のセンター役物2500と、を備えている。
【0399】
裏ユニット3000は、パネルホルダ1120の後面に取付けられ前方が開放されている箱状の裏箱(図示は省略)と、裏箱の前面下部に取付けられている裏前下演出ユニット3100と、裏箱内の中央に取付けられている動画投射ユニット3200と、裏箱内に取付けられており演出動画(演出画像)が投射される第一動画表示体3301及び第二動画表示体3302を有している裏中央演出ユニット3300と、裏箱内の左上に取付けられている裏左上演出ユニット3400と、裏箱内の前面付近の上部に取付けられている裏前演出ユニット3500と、裏箱内の上部で左右方向中央に取付けられている裏上演出ユニット3600と、裏箱の後側に取付けられている第一駆動基板3020及び第二駆動基板3021と、を備えている。
【0400】
また、周辺制御ユニット1500は、裏ユニット3000の裏箱の後面に取付けられている。また、本実施形態の中央表示装置1600は、裏ユニット3000の動画投射ユニット3200と、裏中央演出ユニット3300(第一動画表示体3301)とで構成されている。
【0401】
[5−1.前構成部材]
次に、前構成部材1000について、
図81乃至
図85を参照して説明する。前構成部材1000は、正面視の外形が略正方形とされ、内形が略円形状に前後方向へ貫通しており、内形の内周によって遊技領域5aの外周を区画している。この前構成部材1000は、正面視で左右方向中央から左寄りの下端から時計回りの周方向へ沿って円弧状に延び正面視左右方向中央上端を通り過ぎて右斜め上部まで延びた外レール1001と、外レール1001に略沿って前構成部材1000の内側に配置され正面視左右方向中央下部から正面視左斜め上部まで円弧状に延びた内レール1002と、内レール1002の下端の正面視右側で遊技領域5aの最も低くなった位置に形成されており後方へ向かって低くなるように傾斜しているアウト誘導部1003と、を備えている。
【0402】
また、前構成部材1000は、アウト誘導部1003の正面視右端から前構成部材1000の右辺付近まで右端側が僅かに高くなるように直線状に傾斜している右下レール1004と、右下レール1004の右端から前構成部材1000の右辺に沿って外レール1001の上端の下側まで延びており上部が前構成部材1000の内側へ湾曲している右レール1005と、右レール1005の上端と外レール1001の上端とを繋いでおり外レール1001に沿って転動して来た遊技球が当接する衝止部1006と、を備えている。
【0403】
また、前構成部材1000は、内レール1002の上端に回動可能に軸支され、外レール1001との間を閉鎖するように内レール1002の上端から上方へ延出した閉鎖位置と正面視時計回りの方向へ回動して外レール1001との間を開放した開放位置との間でのみ回動可能とされると共に閉鎖位置側へ復帰するように図示しないバネによって付勢された逆流防止部材1007を、備えている。
【0404】
[5−2.遊技パネル]
次に、遊技パネル1100について、
図81乃至
図85を参照して説明する。遊技パネル1100は、外周が枠状の前構成部材1000の内周よりもやや大きく形成されていると共に透明な合成樹脂で形成されている平板状のパネル板1110と、パネル板1110の外周を保持しており前構成部材1000の後側に取付けられると共に後面に裏ユニット3000が取付けられる枠状のパネルホルダ1120と、を備えている。遊技パネル1100のパネル板1110は、遊技領域5a内において最も低い位置となる部位に前後に貫通しているアウト口1111が形成されている。また、パネル板1110には、前後に貫通しており表ユニット2000を取付けるための取付口1112(
図84及び
図85等を参照)が複数形成されている。
【0405】
パネルホルダ1120は、パネル板1110を後側から着脱可能に保持している。また、パネルホルダ1120は、裏ユニット3000を取付けるための取付孔と、位置決め孔とが後面に複数形成されている。
【0406】
遊技パネル1100を前構成部材1000の後側に取付けた状態では、前構成部材1000のアウト誘導部1003の後側にパネル板1110のアウト口1111が開口した状態となる。これにより、遊技領域5aの下端へ流下した遊技球が、アウト誘導部1003によって後側のアウト口1111へ誘導され、アウト口1111を通って遊技パネル1100の後側へ排出させることができる。
【0407】
[5−3.基板ホルダ]
次に、基板ホルダ1200について、
図82乃至
図85を参照して説明する。基板ホルダ1200は、上方及び前方が開放された横長の箱状に形成されており、底面が左右方向中央へ向かって低くなるように傾斜している。この基板ホルダ1200は、遊技盤5に組立てた状態では、遊技パネル1100の後側に取付けられている裏ユニット3000の下部を下側から覆うことができる。これにより、アウト口1111を通って遊技パネル1100の後側へ排出された遊技球、及び、表ユニット2000及び裏ユニット3000から下方へ排出された遊技球、を全て受けることができ、底面に形成された排出部1201(
図84を参照)から下方へ排出させることができる。
【0408】
[5−4.主制御基板ユニット]
次に、主制御ユニット1300について、
図82乃至
図85、
図90及び
図95を参照して説明する。主制御ユニット1300は、基板ホルダ1200の後面に着脱可能に取付けられている。この主制御ユニット1300は、遊技内容及び遊技球の払出し等を制御する主制御基板1310と、主制御基板1310を収容しており基板ホルダ1200に取付けられる主制御基板ボックス1320と、を備えている。
【0409】
主制御基板ボックス1320は、複数の封印機構を備えており、一つの封印機構を用いて主制御基板ボックス1320を閉じると、次に、主制御基板ボックス1320を開けるためにはその封印機構を破壊する必要があり、主制御基板ボックス1320の開閉の痕跡を残すことができる。従って、開閉の痕跡を見ることで、主制御基板ボックス1320の不正な開閉を発見することができ、主制御基板1310への不正行為に対する抑止力が高められている。
【0410】
[5−5.機能表示ユニット]
次に、機能表示ユニット1400について、
図81及び82を参照して説明する。機能表示ユニット1400は、
図81等に示すように、遊技領域5aの外側で前構成部材1000の左下隅に取付けられている。この機能表示ユニット1400は、遊技盤5をパチンコ機1に組立てた状態で、扉枠3の貫通口111を通して前方(遊技者側)から視認することができる(
図1を参照)。この機能表示ユニット1400は、主制御基板1310からの制御信号に基き複数のLEDを用いて、遊技状態(遊技状況)や、普通抽選結果や特別抽選結果等を表示するものである。
【0411】
機能表示ユニット1400は、詳細な図示は省略するが、遊技状態を表示する一つのLEDからなる状態表示器と、ゲート部2003に対する遊技球の通過により抽選される普通抽選結果を表示する二つのLEDからなる普通図柄表示器と、ゲート部2003に対する遊技球の通過に係る保留数を表示する二つのLEDからなる普通保留表示器と、第一始動口2002への遊技球の受入れにより抽選された第一特別抽選結果を表示する八つのLEDからなる第一特別図柄表示器と、第一始動口2002への遊技球の受入れに係る保留数を表示する二つのLEDからなる第一特別保留数表示器と、第二始動口2004への遊技球の受入れにより抽選された第二特別抽選結果を表示する八つのLEDからなる第二特別図柄表示器と、第二始動口2004への遊技球の受入れに係る保留数を表示する二つのLEDからなる第二特別保留数表示器と、第一特別抽選結果又は第二特別抽選結果が「大当り」等の時に、大入賞口2005の開閉パターンの繰返し回数(ラウンド数)を表示する二つのLEDからなるラウンド表示器と、を主に備えている。
【0412】
この機能表示ユニット1400では、備えられているLEDを、適宜、点灯、消灯、及び、点滅、等させることにより、保留数や図柄等を表示することができる。
【0413】
[5−6.周辺制御ユニット]
次に、周辺制御ユニット1500について、
図83及び
図85を参照して説明する。周辺制御ユニット1500は、裏ユニット3000の図示しない裏箱の後面に取付けられている。周辺制御ユニット1500は、主制御基板1310からの制御信号に基いて遊技者に提示する演出を制御する周辺制御基板1510(
図90及び
図95を参照)と、収容している周辺制御基板ボックス1520と、を備えている。周辺制御基板1510は、発光演出、サウンド演出、及び可動演出、等を制御するための周辺制御部1511と、演出画像を制御するための演出表示制御部1512と、を備えている(
図95を参照)。
【0414】
[5−7.表ユニットの全体構成]
次に、表ユニット2000について、
図81、
図82、
図84、及び
図85を参照して説明する。遊技盤5の表ユニット2000は、遊技パネル1100のパネル板1110に、前方から取付けられており、前端がパネル板1110の前面よりも前方へ突出していると共に、後端が取付口1112を貫通してパネル板1110の後面よりも後方へ突出している。本実施形態の表ユニット2000は、遊技領域5a内に打込まれた遊技球を受入可能としており常時開口している複数の一般入賞口2001と、複数の一般入賞口2001とは遊技領域5a内の異なる位置で遊技球を受入可能に常時開口している第一始動口2002と、遊技領域5a内の所定位置に取付けられており遊技球の通過を検知するゲート部2003と、遊技球がゲート部2003を通過することにより抽選される普通抽選結果に応じて遊技球の受入れが可能となる第二始動口2004と、第一始動口2002又は第二始動口2004への遊技球の受入れにより抽選される第一特別抽選結果又は第二特別抽選結果に応じて遊技球の受入れが可能となる大入賞口2005と、を備えている。
【0415】
複数(ここでは四つ)の一般入賞口2001は、遊技領域5a内の下部に配置されている。第一始動口2002は、遊技領域5a内の左右方向中央でアウト口1111の直上に配置されている。ゲート部2003は、遊技領域5a内における右部で上下方向略中央に配置されている。第二始動口2004は、ゲート部2003の直下から正面視右寄りに配置されている。大入賞口2005は、ゲート部2003及び第二始動口2004の下方で遊技領域5a内の下端部付近に配置されている。
【0416】
また、表ユニット2000は、技領域5a内の左右方向中央でアウト口1111の直上に取付けられており第一始動口2002を有している始動口ユニット2100と、始動口ユニット2100の正面視左方で内レール1002に沿って取付けられており二つの一般入賞口2001を有しているサイドユニット下2200と、サイドユニット下2200の正面視左端上方に取付けられており一つの一般入賞口2001を有しているサイドユニット上2300と、始動口ユニット2100の右方に取付けられており大入賞口2005を有しているアタッカユニット2400と、遊技領域5a内の略中央に取付けられており一つの一般入賞口2001、ゲート部2003、及び第二始動口2004を有している枠状のセンター役物2500と、を備えている。
【0417】
[5−7a.始動口ユニット]
次に、表ユニット2000の始動口ユニット2100について、
図81等を参照して説明する。始動口ユニット2100は、遊技領域5a内において、左右方向中央の下端部付近でアウト口1111の直上に配置されており、パネル板1110に前方から取付けられている。この始動口ユニット2100は、第一始動口2002を有している。
【0418】
始動口ユニット2100は、パネル板1110の前面に取付けられる平板状のユニットベース2101と、ユニットベース2101から前方へ突出しており第一始動口2002を形成している球受部2102と、ユニットベース2101の後側に配置され第一始動口2002に受入れられた遊技球を下方へ誘導する球誘導部2103と、を備えている。
【0419】
球受部2102は、上方及び後方が開放された容器状に形成されており、第一始動口2002として上方からの遊技球を受けて後方へ誘導させることができる。球誘導部2103は、球受部2102と略同じ高さから下方に延びており、球受部2102の後方となる前面上部が前方に開口していると共に、下端が下方に開口している。この球誘導部2103は、遊技パネル1110の後側に配置される。第一始動口2002に受入れられた遊技球は、遊技パネル1110の後側で第一始動口センサ2011(
図95を参照)に検知されて下方に排出される。
【0420】
[5−7b.サイドユニット下]
次に、表ユニット2000のサイドユニット下2200について、
図81等を参照して説明する。サイドユニット下2200は、遊技領域5a内において、始動口ユニット2100の左方で内レール1002に沿って延びており、パネル板1110に前方から取付けられている。サイドユニット下2200は、二つの一般入賞口2001を有している。
【0421】
このサイドユニット下2200は、パネル板1110の前面に取付けられ内レール1002に沿うように円弧状に延びている平板状のユニットベース2201と、ユニットベース2201の前面下部の上縁付近から前方に突出しており二つの一般入賞口2001を形成している下突出部2202と、ユニットベース2201の前面上部から前方に突出している上突出部2203と、を備えている。
【0422】
ユニットベース2201は、正面視左方へ向かうに従って高くなるように円弧状に延びている。下突出部2202は、上面に、遊技球が転動可能とされており正面視右端が低くなるように傾斜している棚部2202aを備えており、棚部2202aの左右両端の下側に夫々一般入賞口2001が開口している。棚部2202aの正面視左端下側の一般入賞口2001は、斜め左上方へ向かって開口している。また、棚部2202aの正面視右端下側の一般入賞口2001は、右方で若干上方へ向かって開口している。上突出部2203は、上面に、遊技球が転動可能とされており正面視右端が低くなるように傾斜している棚部2203aを備えている。
【0423】
サイドユニット下2200は、遊技パネル1100(パネル板1110)に取付けた状態で、上突出部2203の棚部2203aの左端が内レール1002に近接しており、内レール1002に沿って流下してきた遊技球を、棚部2203aで受けて、中央側へ誘導させることができる。また、サイドユニット下2200は、二つの一般入賞口2001に受入れられた遊技球を、パネル板1112の後方へ誘導することができる。そして、パネル板1112の後方に誘導された遊技球は、一般入賞口センサ2010(
図95を参照)により検知されて下方に排出される。
【0424】
[5−7c.サイドユニット上]
次に、表ユニット2000のサイドユニット上2300について、
図81等を参照して説明する。サイドユニット上2300は、遊技領域5a内において、サイドユニット下2200の正面視左上方で上下方向中央からやや下寄りに前方からパネル板1110に取付けられており、内レール1002に沿って上下に延びている。サイドユニット上2300は、一つの一般入賞口2001を有している。
【0425】
このサイドユニット上2300は、パネル板1110の前面に取付けられ内レール1002に沿うように延びている平板状のユニットベース2301と、ユニットベース2301の前面下部の右端付近から前方に突出しており一つの一般入賞口2001を形成している球受部2302と、球受部2302よりも正面視左方でユニットベース2301の前面上部から前方に突出している突出部2303と、を備えている。
【0426】
ユニットベース2301は、上下に延びていると共に、下部が正面視右方へ延出しており、全体が略L字形状に形成されている。球受部2302は、上方及び後方が開放された容器状に形成されており、一般入賞口2001として上方からの遊技球を受けて後方へ誘導させることができる。突出部2303は、上面に、遊技球が転動可能とされており正面視右端が低くなるように傾斜している棚部2303aを備えている。
【0427】
サイドユニット上2300は、遊技パネル1100(パネル板1110)に取付けた状態で、突出部2303の左端が内レール1002に近接しており、内レール1002に沿って流下してきた遊技球を、棚部2303aにより右方へ誘導させることができる。また、サイドユニット上2300は、一般入賞口2001に受入れられた遊技球を、パネル板1112の後方へ誘導することができる。そして、パネル板1112の後方に誘導された遊技球は、一般入賞口センサ2010(
図95を参照)により検知されて下方に排出される。
【0428】
[5−7d.アタッカユニット]
次に、表ユニット2000のアタッカユニット2400について、
図81等を参照して説明する。アタッカユニット2400は、遊技領域5a内において、正面視右下隅に配置されており、パネル板1110に前方から取付けられている。このアタッカユニット2400は、左右に延びた大入賞口2005を、有している。
【0429】
アタッカユニット2400は、パネル板1110の前面に取付けられる平板状のユニットベース(図示は省略)と、ユニットベースの後面に取付けられ前面に左右に延びた長方形の大入賞口2005が開口しているユニットケース2402と、大入賞口2005を開閉可能としユニットケース2402に回動可能に取付けられている横長長方形で平板状の大入賞口扉部材2403と、ユニットケース2402内に取付けられており遊技状態に応じて大入賞口扉部材2403を開閉駆動させるアタッカソレノイド2404と、ユニットケース2402に取付けられており大入賞口2005に受入れられた遊技球を検知する大入賞口センサ2013(
図95を参照)と、を備えている。
【0430】
大入賞口2005は、前方へ向かって開口している。この大入賞口2005を開閉可能な大入賞口扉部材2403は、下辺の左右両端部がユニットケース2402によって回動可能に取付けられており、上辺が前方且つ下方へ移動するように回動させることで大入賞口2005を閉状態から開状態とすることができる。
【0431】
アタッカユニット2400は、アタッカソレノイド2404が非通電の通常の状態では、大入賞口扉部材2403が直立して大入賞口2005を閉鎖している。そして、アタッカソレノイド2404が遊技状態に応じて通電されると、上辺が前方且つ下方へ移動するように大入賞口扉部材2403が回動して、上辺が下辺よりもやや上方へ位置した状態となる。つまり、大入賞口扉部材2403が、大入賞口2005の下辺から前方へ向かって高くなるように傾斜した状態となる。
【0432】
この状態で大入賞口2005の前方を遊技球が流下して大入賞口扉部材2403に当接すると、大入賞口扉部材2403の傾斜により流通方向が下方から後方へと変化し、大入賞口2005に受入れられることとなる。そして、大入賞口2005に受入れられた遊技球は、大入賞口センサ2013により検知された後に、ユニットケース2402の下面から下方へ排出される。
【0433】
[5−7e.センター役物]
次に、表ユニット2000のセンター役物2500について、主に
図81、
図82、
図84、及び
図85等を参照して説明する。センター役物2500は、遊技領域5a内において、始動口ユニット2100、サイドユニット下2200、及びアタッカユニット2400よりも上方で正面視略中央でやや上寄りに配置されており、遊技パネル1100のパネル板1110の前面に取付けられている。センター役物2500は、枠状に形成されており、枠内を通して遊技パネル1100の後方に配置され演出画像等が投射表示される第一動画表示体3301や第二動画表示体3302等を前方から視認することができる。センター役物2500は、一つの一般入賞口2001、ゲート部2003、及び第二始動口2004を有している。
【0434】
センター役物2500は、パネル板1112の中央で大きく開口している取付口1112の周縁に沿ってパネル板1110の前面に当接する平板枠状のフランジ部2511と、フランジ部2511から前方へ突出しており枠内への遊技球の浸入を阻止する前周壁部2512と、フランジ部2511から後方へ突出して取付口1112内に挿入される後周壁部2513と、を有している枠状のセンターベース2510を備えている。
【0435】
センターベース2510の前周壁部2512は、下辺の一部を除いてフランジ部2511の略全周に亘って形成されている。前周壁部2512は、上辺における左右方向中央からやや左寄りの位置が最も高くなっている。
【0436】
センター役物2500は、ゲート部2003がセンターベース2510の前周壁部2512において正面視中央からやや下寄りの外側に配置されており、このゲート部2003を通過した遊技球を検知するゲートセンサ2515を備えている。また、センター役物2500は、一般入賞口2001がゲート部2003の正面視左下方となる前周壁部2512の外周面で開口している。センター役物2500の一般入賞口2001に受入れられた遊技球は、遊技パネル1110の後側で一般入賞口センサ2010に検知されて、下方に排出される。
【0437】
更に、センター役物2500は、第二始動口2004がその一般入賞口2001の直下となる前周壁部2512の外周面で開口しており、第二始動口2004を開閉可能に閉鎖している始動口扉部材2516と、始動口扉部材2516を開閉駆動させるための始動口ソレノイド2517(
図95を参照)と、第二始動口2004に受入れられた遊技球を検知する第二始動口センサ2012(
図95を参照)と、を備えている。
【0438】
始動口扉部材2516は、下端が前後に延びた軸周りに回動可能に取付けられており、先端が上方に位置した立上った状態で第二始動口2004を閉鎖し、そこから時計回りの方向に回動することで、先端が右方に位置して左方に向かうに従って低くなるように略水平に近い状態で第二始動口2004を開放して遊技球が受入可能となる。また、始動口扉部材2516は、第二始動口2004を開放している状態では、先端がゲート部2003の直下よりも右方に位置している。これにより、第二始動口2004が開放されている(受入可能な)時に、ゲート部2003を通過した遊技球が、始動口扉部材2516の上面に当接することとなり、その遊技球が始動口扉部材2516により左方へ案内されて、極めて高い確率で第二始動口2004に受入れられる。なお、第二始動口2004に受入れられた遊技球は、第二始動口センサ2012に検知されて、遊技パネル1110の後側で下方に排出される。
【0439】
また、センター役物2500は、センターベース2510の前周壁部2512において正面視左辺下部の外周面で遊技領域5a内の遊技球が進入可能に開口しているワープ入口2520と、ワープ入口2520に進入した遊技球をセンターベース2510のフランジ部2511の前面且つ枠内で下辺の正面視左端付近へ誘導するワープ通路2521と、ワープ通路2521の下流端で遊技球が通過可能に開口しているワープ出口2522と、ワープ出口2522から放出された遊技球が転動可能とされておりセンターベース2510の枠内で下辺に沿って左右に延びていると共に供給された遊技球を遊技領域5a内へ放出するステージ部2530と、を備えている。
【0440】
ステージ部2530は、上流側から順に、第一ステージ2531、第二ステージ2532、及び第三ステージ2533の三つのステージを有している。第一ステージ2531は、左右両端が高く遊技領域5aの左右方向中央に対応する部位の左右両側が最も低くなるように湾曲しており、最も低くなっている部位の間が若干高くなるように膨出している。つまり、第一ステージ2531は、緩い傾斜のW字形状に形成されている。この第一ステージ2531の正面視左端にワープ出口2522が開口している。また、第一ステージ2531は、遊技領域5aの左右方向中央に対応する部位に形成されており後方へ向かって低くなると共に左右に若干広がる扇状の第一中央誘導部と、最も低くなっている二つの部位に夫々形成されており前方へ向かって低くなると共に左右へ広がる扇状の第一サイド誘導部と、を備えている。
【0441】
第二ステージ2532は、第一ステージ2531の後方且つ下方に配置されており、左右両端が第一ステージ2531における中央両側の最も低くなっている部位よりも若干外側まで延びている。第二ステージ2532は、左右方向中央が高くなるゆるい傾斜の山形状に形成されている。この第二ステージ2532は、左右方向中央で上下に貫通している中央孔と、左右両端で上下に貫通しているサイド孔と、を備えている。中央孔は、第一ステージ2531の第一中央誘導部の真後ろに位置しており、二つのサイド孔は、第一ステージ2531の第一サイド誘導部の真後ろから外側寄りに位置している。第二ステージ2532は、フランジ部2511よりも後方、つまり、パネル板1110の前面よりも後方に配置されている。
【0442】
第三ステージ2533は、第二ステージ2532の直下に配置されており、左右の長さが第二ステージ2532と略同じ長さに形成されている。第三ステージ2533は、左右両端が高く左右方向中央の左右両側が最も低くなるように湾曲していると共に、最も低くなっている部位の間が若干高くなるように膨出しており、第一ステージ2531と同様に緩い傾斜のW字形状に形成されている。第三ステージ2533は、左右方向中央に形成されており前端から後方へ切欠かれている第三中央誘導部と、最も低くなっている二つの部位に夫々形成されており前方へ向かって低くなると共に左右へ広がる扇状の第三サイド誘導部と、を備えている。第三中央誘導部は、第二ステージ2532の中央孔の直下に位置しており、二つの第三誘導部は、第二ステージ2532のサイド孔の直下から夫々中央寄りに位置している。
【0443】
このステージ部2530は、遊技盤5を組立てた状態では、ワープ出口2522から供給された遊技球が、第一ステージ2531、第二ステージ2532、及び第三ステージ2533を転動し、最後の第三ステージ2533から遊技領域5a内に放出される。また、ステージ部2530は、遊技盤5を組立てた状態では、第三中央部の直下に第一始動口2002が位置しており、第三中央部から遊技領域5a内へ放出された遊技球が、極めて高い確率で第一始動口2002に受入れられる。
【0444】
センター役物2500は、遊技盤5に組立てた状態で、遊技領域5aの右上隅において、前周壁部2512の外周面と遊技領域5aの内周面との間に、遊技球が一つのみ流通可能な幅の隙間が形成される。そして、センター役物2500の正面視右側を流通するように遊技球を打込む(所謂、右打ちする)と、遊技領域5aの内周面との間の隙間を通ってゲート部2003の直上に放出され、高い確率でゲート部2003を通過させることができる。
【0445】
[5−8.裏ユニットの全体構成]
次に、遊技盤5における裏ユニット3000の全体構成について、主に
図86乃至
図90を参照して詳細に説明する。
図86は裏ユニットを前から見た斜視図であり、
図87は裏ユニットを後ろから見た斜視図である。
図88は裏ユニットを主な構成毎に分解して前から見た分解斜視図であり、
図89は裏ユニットを主な構成毎に分解して後ろから見た分解斜視図である。
図90は、
図81においてF−F線で切断した断面図である。裏ユニット3000は、遊技パネル1100におけるパネルホルダ1120の後面に取付けられている。また、裏ユニット3000の後側に周辺制御ユニット1500が取付けられている。
【0446】
裏ユニット3000は、パネルホルダ1120の後面に取付けられ前方が開放されている箱状の裏箱(図示は省略)と、裏箱の前面下部に取付けられ遊技領域5a内におけるセンター役物2500から下側の領域の後方を装飾する裏前下演出ユニット3100と、裏箱内の中央に取付けられ前方に向かって演出動画を投射可能な動画投射ユニット3200と、裏箱内に取付けられており動画投射ユニット3200により演出動画が投射される第一動画表示体3301及び第二動画表示体3302を有していると共に第一動画表示体3301と第二動画表示体3302とを互いに差換える裏中央演出ユニット3300と、裏箱内の左上に取付けられている裏左上演出ユニット3400と、裏箱内の前面付近の上部に取付けられている裏前演出ユニット3500と、裏箱内の上部で左右方向中央に取付けられている裏上演出ユニット3600と、裏箱の後側に取付けられている第一駆動基板3020及び第二駆動基板3021と、を備えている。
【0447】
本実施形態では、動画投射ユニット3200と裏中央演出ユニット3300とで、遊技状態に応じて所定の演出画像を表示可能な中央表示装置1600を構成している。
【0448】
[5−8a.裏前下演出ユニット]
次に、裏ユニット3000の裏前下演出ユニット3100について、
図86等を参照して説明する。裏前下演出ユニット3100は、裏箱の前端付近に取付けられている。裏前下演出ユニット3100は、透明なパネル板1110の後方で正面視センター役物2500の下方に配置されており、前方に向かって様々な色の光を照射することができ、遊技領域5a内におけるセンター役物2500の下方を発光装飾させることができる。これにより、透明なパネル板1110を通して裏前下演出ユニット3100によりも後方を視認し辛くしている。
【0449】
裏前下演出ユニット3100は、遊技領域5a内において正面視ゲート部2003及び第二始動口2004付近の後方を装飾する右中装飾部3110と、右中装飾部3110の下方でアタッカユニット2400の後方を装飾する右下装飾部3120と、右下装飾部3120の左方で始動口ユニット2100とアタッカユニット2400との間の領域の後方を装飾する中下装飾部3130と、センター役物2500の下方の左側を装飾する左下装飾部3140と、を備えている。
【0450】
[5−8b.動画投射ユニット]
次に、裏ユニット3000の動画投射ユニット3200について、
図86等を参照して説明する。動画投射ユニット3200は、裏箱内の中央に取付けられており、後述する第一動画表示体3301又は第二動画表示体3302を介して所定の演出動画を表示させることができ、中央表示装置1600の一部を構成している。動画投射ユニット3200は、裏箱内に取付けられるユニットベース3201と、ユニットベース3201の下部に取付けられている箱状の本体ケース3202と、本体ケース3202内に収容されており上方に向かって演出動画を投射可能な投射装置3203と、投射装置3203の上方に配置されており投射装置3203から上方に投射された光を前方に反射させる反射板3204と、反射板3204が取付けられていると共にユニットベース3201の上部に取付けられており前方に開放されている箱状で透光性を有しない暗箱3205と、本体ケース3202内に取付けられており投射装置3203を駆動する投射装置駆動基板3206と、本体ケース3202に取付けられている冷却ファン3207と、を備えている。
【0451】
ユニットベース3201は、金属板を屈曲させて形成されている。本体ケース3202は、左右に延びた直方体状に形成されており、左右両端と、上面の左端付近に開口が形成されている。投射装置3203は、液晶プロジェクタである。この投射装置3203は、出力レンズが本体ケース3202の上面の開口から臨むように、本体ケース3202内に取付けられている。
図90に示すように、投射装置3203は、上方へ向かう光軸(二点鎖線で示す)が、垂直線に対してやや後方に傾くように取付けられている。
【0452】
反射板3204は、平板状の鏡である。この反射板3204は、投射装置3203からの斜め上後ろに向かう光軸を水平方向に反射させることができる角度に取付けられている。この反射板3204により、投射装置3203から投射される光を、前方へ向かわせることができる。
【0453】
暗箱3205は、前端に横長の長方形の前端開口3208を有しており、前端開口3208の四つの辺から後方に延びている夫々の外周面が、後方へ向かうに従って中央に向かうように夫々傾斜している。つまり、暗箱3203は、前端開口3208を底面としたペントルーフ状に形成されている。そして、暗箱3203の前端開口3208の上辺から後方且つ下方に延びている外周面に、反射板3204が取付けられている。また、暗箱3203は、前端開口3208の下辺とその下辺から後方へ延びている外周面とが、左右方向の中央において下方へ向かって窄まるような角錐状に下方に凹んでいると共に、下方に向かって開口している。この下方に開口している部位から、本体ケース3202の上面の開口を通して投射装置3203の出力レンズが臨むことができる。
【0454】
投射装置駆動基板3206は、周辺制御基板1510(演出表示制御部1512)と投射装置3203との間に接続されている。冷却ファン3207は、本体ケース3202の左右両端の開口に夫々取付けられている。つまり、本例の動画投射ユニット3200では、二つの冷却ファン3207を備えている。これら冷却ファン3207により、投射装置3203から出る熱を、暗箱3205よりも左右両外側へ排出することができ、投射装置3203からの熱による陽炎の発生を抑制している。
【0455】
この動画投射ユニット3200は、投射装置3203から上方へ向かう光を、反射板3204により前方へ向かわせることにより、暗箱3205の前端開口3208の前方に、演出画像(演出動画)を表示させることが可能な画像投射領域を形成している。また、動画投射ユニット3200は、投射装置3203の光軸を上方でやや後方へ向けた上で、反射板3204により前方へ反射させるようにしているため、前後方向の奥行を大きくすることなく、投射装置3203から暗箱3205の前端開口3208の前方までの距離を長くすることができ、画像投射領域をより広くすることができる。つまり、より広い表示画面を実現している。
【0456】
動画投射ユニット3200は、遊技盤5を組立てた状態では、暗箱3205の前端開口3208が、正面視遊技領域5aの略中央でセンター役物2500の枠内に位置している。従って、前端開口3208の前方に位置した第一動画表示体3301等に演出画像を投射させることで、遊技領域の中央に液晶表示装置を備えた従来のパチンコ機と同様に、遊技領域5aの中央で演出画像を表示させることができる。また、動画投射ユニット3200は、暗箱3205により演出画像等が投射される第一動画表示体3301等の後方を暗くすることができるため、第一動画表示体3301等に投射された演出画像等が後方からの光によって見辛くなるのを抑制することができ、表示される演出画像等を見易くすることができる。
【0457】
[5−8c.裏中央演出ユニット]
次に、裏ユニット3000の裏中央演出ユニット3300について、
図86等を参照して説明する。裏中央演出ユニット3300は、動画投射ユニット3200と協働して所定の演出画像を表示させることができ、中央表示装置1600の一部を構成している。裏中央演出ユニット3300は、裏箱内に取付けられており、動画投射ユニット3200よりも前方に配置されると共に動画投射ユニット3200により演出画像が投射される第一動画表示体3301及び第二動画表示体3302と、第一動画表示体3301及び第二動画表示体3302を正面視で互いに交差する方向に同時に移動させて夫々の位置を入替える差替装置3310と、を備えている。裏中央演出ユニット3300は、第一動画表示体3301よりも前方に、第二動画表示体3302が配置されている。
【0458】
第一動画表示体3301及び第二動画表示体3302は、夫々板状の透過型スクリーンにより形成されている。第一動画表示体3301及び第二動画表示体3302に用いている透過型スクリーンは、図示は省略するが、透光性を有する基板部と、基板部の片面に備えられている光拡散層と、を有している。基板部は、限定するものではないが、透明又は透光性を有した合成樹脂、又はガラス、により形成されている。光拡散層は、限定するものではないが、酸化ケイ素、酸化チタン、アクリル樹脂、ポリスチレン樹脂、シリコン樹脂、硫酸バリウム、等の微粒子を含んでおり、それら微粒子が透明な合成樹脂内に分散、或は、透明な合成樹脂やガラス等の表面に塗布、されている。
【0459】
第一動画表示体3301及び第二動画表示体3302に用いる透過型スクリーンについて更に詳述すると、透過型スクリーンは、色相、彩度、明度、及び透明度、を異ならせることにより、投射された演出画像の見え方(表示態様)が異なったものとなる。具体的には、透過型スクリーンにおいて、赤色、青色、黄色、等の色相を有するようにした場合、その着色された色と同じ色の光と白色光とが最も透過し易いため、その色を強調した表示となる。また、色の鮮やかさ(彩度)を低くすると全体的にグレーがかった色あせた感じの表示となる。また、明度を高くすると全体が明るくなり、低くすると全体が暗くなる。更に、透明度を高くすると、後方が透けて見える表示となる。このようなことから、例えば、透光性を有した(透明ではない)乳白色の透過型スクリーンの場合、全体が明るく色のハッキリした演出画像を表示することができる。また、透光性を有する黒味を帯びた透過型スクリーンの場合、演出画像の黒い部分が乳白色のものよりも強調されてより黒く表示されるようになりコントラストの強調された演出画像を表示することができる。更に、透明度の高い透過型スクリーンの場合、後方が透けて見えるようになると共に、投射装置3203の光源の光が強く見えるようになる。
【0460】
また、透過型スクリーンでは、光を分散させるための微粒子の平均粒子径を変えることで、表示される演出画像の解像度を、荒く見せたり、きめ細かく見せたりすることができる。更に、透過型スクリーンでは、鏡面のような表面の他に、演出的形状とは別にシボ加工を施した表面としても良い。透過型スクリーンの表面にシボ加工を施すことで、投射表示される演出画像に対して、いかにも映写機で所定の壁に映写しているような独特の雰囲気の表示を行うことができる。なお、シボ(皺)としては、「皮模様」、「梨地模様」、「木目模様」、「岩目模様」、「砂目模様」、「布地模様」、「幾何学模様」、等が挙げられる。
【0461】
本実施形態では、第一動画表示体3301及び第二動画表示体3302に用いている透過型スクリーンは、透光性を有する黒味を帯びた透過型スクリーンであり、動画投射ユニット3200から演出画像が投射されると、鮮明且つ良好なコントラストで演出画像を表示させることができる。
【0462】
なお、第一動画表示体3301及び第二動画表示体3302において、用いる透過型スクリーンの、色相、彩度、明度、及び透明度、の少なくとも一つを異ならせても良い。これにより、第一動画表示体3301と第二動画表示体3302とが差替えられると、表示されていた演出画像の色合いや鮮やかさ等の見え方が物理的に変化するため、従来のパチンコ機のメイン表示装置において色等を異ならせて表示させた場合と比較して、明らかに表示が異なった(例えば、変色した)演出画像を遊技者に見せて驚かせることができ、遊技者に強いインパクトを与えることができる。また、仮に、演出画像を表示せていない状態で第一動画表示体3301と第二動画表示体3302とを差替えた場合、第一動画表示体3301と第二動画表示体3302との表面の色等が異なることから、遊技領域5a内の色等が変化するため、遊技者の関心を遊技領域5a内に強く引き付けることができる。また、この場合、投射装置3203において投射する演出画像の色合い等を変えなくても、第一動画表示体3301と第二動画表示体3302とを差替えるだけで、表示される演出画像の色合い等を変更することができるため、周辺制御基板1510における演出画像の表示制御に係る負荷の増加を抑制させることができる。
【0463】
第一動画表示体3301は、液晶表示装置の表示画面と同様の平板状で、横長矩形状の表示画面を一つの平面で形成している。第二動画表示体3302は、第一動画表示体3301の形状が物理的に変化した演出的形状に形成されている。具体的には、横長矩形状の平板に対して、左右方向中央に上辺から下辺付近まで切欠いた切欠部3302aを有する形状に形成されている。つまり、第二動画表示体3302は、第一動画表示体3301が後述する裏左上演出ユニット3400の裏左上装飾体3410により切られたような形状に形成されている。
【0464】
差替装置3310は、第一動画表示体3301を支持する第一フレーム3311と、第二動画表示体3302を支持する第二フレーム3312と、裏箱内における動画投射ユニット3200の右方に取付けられており第一フレーム3311及び第二フレーム3312の右端側を夫々昇降させる昇降機構3320と、裏箱内における動画投射ユニット3200の左方に取付けられており第一フレーム3311及び第二フレーム3312の左端側を夫々昇降可能に支持しているガイド機構3350と、を備えている。
【0465】
第一フレーム3311は、第一動画表示体3301よりも左右両外側に延出している部位から夫々後方に延びた一対の脚部3311aを有している。第二フレーム3312は、第二動画表示体3302よりも左右両外側に延出している部位から夫々後方に延びた一対の脚部3312aを有している。第二フレーム3312は、左右両端が、第一フレーム3311の左右両端よりも夫々外方へ延出していると共に、一対の脚部3312aが、第一フレーム3311の脚部3311aよりも後方へ長く延出している。
【0466】
昇降機構3320は、上下に延びており裏箱内に取付けられる駆動ベース3321と、駆動ベース3321の上部後面に取付けられており回転軸が駆動ベース3321を貫通して前方に突出している裏中央駆動モータ3322と、裏中央駆動モータ3322の回転軸に取付けられているモータギア3323と、モータギア3323の正面視左下に噛合しており駆動ベース3321に回転可能に取付けられている第一駆動ギア3324と、第一駆動ギア3324と一体回転する第一駆動プーリ3325と、駆動ベース3321の下部前面における第一駆動プーリ3325の直下で回転可能に取付けられている第一従動プーリ3326と、第一駆動プーリ3325及び第一従動プーリ3326に巻き掛けられ第一フレーム3311の右側の脚部3311aの後端が取付けられる第一ベルト3327と、を備えている。
【0467】
また、昇降機構3320は、モータギア3323の正面視右下に噛合しており駆動ベース3321に回転可能に取付けられている第二駆動ギア3328と、第二駆動ギア3328と一体回転する第二駆動プーリ3329と、駆動ベース3321の下部前面における第二駆動プーリ3329の直下で回転可能に取付けられている第二従動プーリ3330と、第二駆動プーリ3329及び第二従動プーリ3330に巻き掛けられ第二フレーム3312の右側の脚部3312aの後端が取付けられる第二ベルト3331と、を備えている。
【0468】
第一フレーム3311の右側の脚部3311aは、第一駆動プーリ3325と第一従動プーリ3326とに巻き掛けられている第一ベルト3327における平行に上下に延びている部位のうち、正面視右側の部位に取付けられている。第二フレーム3312の右側の脚部3312aは、第二駆動プーリ3329と第二従動プーリ3330とに巻き掛けられている第二ベルト3331における平行に上下に延びている部位のうち、正面視左側の部位に取付けられている。
【0469】
ガイド機構3350は、上下に延びており裏箱内に取付けられるガイドベース3351と、ガイドベース3351に上下両端が取付けられており第一フレーム3311の左側の脚部3311aの後端が摺動可能に取付けられる円柱状の第一ガイドシャフト3352と、第一ガイドシャフト3352の正面視左方でガイドベース3351に上下両端が取付けられており第二フレーム3312の左側の脚部3312aの後端が摺動可能に取付けられる円柱状の第二ガイドシャフト3353と、を備えている。
【0470】
この差替装置3310は、昇降機構3320の第一ベルト3327及び第二ベルト3331と、ガイド機構3350の第一ガイドシャフト3352及び第二ガイドシャフト3353とが、夫々前後方向の位置が略同一の位置に配置されており、題意フレーム3311の脚部3311aと第二フレーム3312の脚部3312aの長さの違いから、第一フレーム3311に取付けられた第一動画表示体3301より、第二フレーム3312に取付けられた第二動画表示体3302が前方に位置する。
【0471】
また、差替装置3310は、モータギア3323と噛合している第一駆動ギア3324と第二駆動ギア3328とが同じ直径であるのに対して、第一駆動ギア3324と一体回転する第一駆動プーリ3325の直径が、第二駆動ギア3328と一体回転する第二駆動プーリ3329の直径よりも若干大きく形成されている。従って、裏中央駆動モータ3322により回転させられる第一駆動ギア3324、第二駆動ギア3328、第一駆動プーリ3325、及び第二駆動プーリ3329は、夫々同じ回転数で回転するものの、第一駆動プーリ325に巻き掛けられた第一ベルト3327は、第二駆動プーリ3329に巻き掛けられた第二ベルト3331よりも若干速く周回する。
【0472】
裏中央演出ユニット3300は、通常の状態では、第一動画表示体3301が上昇端に位置していると共に、第二動画表示体3302が下降端に位置しており、第一動画表示体3301と第二動画表示体3302とが正面視で上下に並んでいる。この通常の状態では、上昇端に位置している第一動画表示体3301が、動画投射ユニット3200の前端開口3208の前方を閉鎖するように位置している(
図90等参照)。これにより、投射装置3203から投射された後に反射板3204で前方へ反射した演出画像が、第一動画表示体3301の後面に投射(投影)され、第一動画表示体3301に演出画像が映し出されることとなる。そして、第一動画表示体3301に投射された演出画像が、透光性を有する第一動画表示体3301を透過して遊技者側(前方)から見えることとなる。
【0473】
この通常の状態から、遊技状態に応じて裏中央駆動モータ3322が駆動されて、モータギア3323が正面視反時計回りの方向に回転すると、モータギア3323と夫々直接噛合している第一駆動ギア3324及び第二駆動ギア3328が夫々時計回りの方向に回転する。第一駆動ギア3324及び第二駆動ギア3328が時計回りの方向に回転すると、第一ベルト3327及び第二ベルト3331も夫々時計回りの方向に周回することとなる。この際に、第一動画装飾体3301が取付けられている第一フレーム3311の右側の脚部3311aが、第一ベルト3327の下方へ向かって周回している右側の部位に取付けられているため、第一フレーム3311を介して第一動画表示体3301が下方に移動することとなる。一方、第二動画表示体3302が取付けられている第二フレーム3312の右側の脚部3312aが、第二ベルト3331の上方へ向かって周回している左側の部位に取付けられているため、第二フレーム3312を介して第二動画表示体3302が上方に移動することとなる。つまり、第一動画表示体3301と第二動画表示体3302とが互いに交差するように同時に昇降する。
【0474】
そして、第一動画表示体3301が下降端に位置すると共に、第二動画表示体3302が上昇端に位置すると、裏中央駆動モータ3322の回転駆動が停止し、第一動画表示体3301及び第二動画表示体3302の昇降移動が停止する。この状態では、第二動画表示体3302、第一動画表示体3301の順で上下に並んでおり、投射装置3203から投射された演出画像が、第二動画表示体3302の後面に投射(投影)されることとなる(
図93及び
図94を参照)。つまり、動画投射ユニット3200の投射領域に対して、第一動画表示体3301が第二動画表示体3302に差替えられた状態(差替状態)となる。
【0475】
なお、裏中央駆動モータ3322の回転駆動による第一動画表示体3301と第二動画表示体3302との差替えでは、第一動画表示体3301を昇降させるための第一ベルト3327が巻き掛けられた第一駆動プーリ3325の直径が、第二動画表示体3302を昇降させるための第二ベルト3331が巻き掛けられた第二駆動プーリ3329の直径よりも若干大きく(大径に)形成されているため、第一ベルト3327の方が第二ベルト3331よりも若干速く周回する。つまり、第一動画表示体3301の方が第二動画表示体3302よりも若干速く移動(昇降)すると共に、第一動画表示体3301の方が第二動画表示体3302よりも上下方向の移動距離(昇降距離)が若干長い。これにより、第一動画表示体3301と第二動画表示体3302とで動きの感じが異なることとなるため、第一動画表示体3301と第二動画表示体3302との差替えの動きに気付かせ易くすることができ、第一動画表示体3301及び第二動画表示体3302に遊技者を注目させることができる。また、通常の状態から、第一動画表示体3301と第二動画表示体3302とを差替えた時に、第一動画表示体3301を正面視遊技領域5aの略中央から第二動画表示体3302よりも下方に離れた位置となり、第一動画表示体3301を目立ち難くして相対的に第二動画表示体3302を目立たせることができる。
【0476】
第一動画表示体3301が第二動画表示体3302に差替えられた差替状態で、動画投射ユニット3200の投射装置3203から演出画像が投射されることにより、演出的形状に形成されている第二動画表示体3302に演出画像が表示される。投射装置3203から第二動画表示体3302へ向かって投射された光は、第二動画表示体3302における切欠部3302aの部位では、何も存在しないため、仮に切欠部3302aの部位に向かって演出画像を投射しても、切欠部3302aの部位には何も表示されない。
【0477】
第一動画表示体3301及び第二動画表示体3302を差替状態から通常の状態に戻すには、裏中央駆動モータ3322によりモータギア3323を上記とは逆の正面視時計回りの方向に回転駆動させることで、上記と逆の動きをして、通常の状態に復帰させることができる。なお、第一動画表示体3301及び第二動画表示体3302は、夫々下降端に位置している状態では、遊技者側からは殆ど視認することはできない。
【0478】
[5−8d.裏左上演出ユニット]
次に、裏ユニット3000の裏左上演出ユニット3400について、
図88等を参照して説明する。裏左上演出ユニット3400は、裏箱内の正面視左上に取付けられている。裏左上演出ユニット3400は、刀を模した裏左上装飾体3410と、裏左上装飾体3410を遊技状態に応じて回動させる裏左上駆動機構3420と、を備えている。
【0479】
裏左上演出ユニット3400の裏左上装飾体3410は、刀を模した形状に形成されており、刀の柄側となる基端部が、裏左上駆動機構3420に前後に延びた軸周りに回転可能に取付けられている。この裏左上装飾体3410は、先端へ向かう途中から前方に向かうように斜めに折れて延びている。
【0480】
裏左上演出ユニット3400の裏左上駆動機構3420は、裏箱内に取付けられ、裏左上装飾体3410を前後に延びた軸周りに対して回動可能に取付けているユニットベース3421と、ユニットベース3421の後面に取付けられており裏左上装飾体3410を回動させる裏左上駆動モータ3422と、を備えている。
【0481】
この裏左上演出ユニット3400は、遊技盤5に組立てた状態では、裏中央演出ユニット3300の第一動画表示体3301及び第二動画表示体3302よりも後方に位置していると共に、裏左上装飾体3410の前方へ折れ曲がった先端が第二動画表示体3302よりも前方に突出している。
【0482】
裏左上演出ユニット3400は、通常の状態では、裏左上装飾体3410が左右に延びた状態となっている。この状態では、裏左上装飾体3410が、その全体が裏中央演出ユニット3300の暗箱3205の前端開口3208の上辺よりも上方に位置していると共に、裏前演出ユニット3500の裏前装飾体3510の後方に位置しており、遊技者側から視認不能となっている(
図91を参照)。
【0483】
この通常の状態(退避位置の状態)で、遊技状態に応じて裏左上駆動モータ3422が駆動されると、裏左上装飾体3420が、その基端部を中心に先端が下方へ向かうように前後方向に延びた軸周りに所定角度(本例では45度)回動し、その先端が正面視で裏中央演出ユニット3300の裏箱3205の前端開口3208の上辺よりも下方で遊技領域5aの略中央に位置した状態(出現位置の状態)となる。
【0484】
裏左上演出ユニット3400は、上述したように、裏左上装飾体3410の先端側が第二動画表示体3302よりも前方に突出するように折れ曲がっているため、第一動画表示体3301が上昇端に位置している状態では、第一動画表示体3301に当接することから、裏左上装飾体3410を出現位置に回動させることはできない、一方、第二動画表示体3302が上昇端に位置している状態(差替状態)で、裏左上装飾体3410を出現位置に回動させると、裏左上装飾体3410の先端側が第二動画表示体3302の切欠部3302a内に挿入された状態となり、切欠部3302aを通して裏左上装飾体3410の先端が前方に突出した状態となる(
図91及び
図92を参照)。
【0485】
従って、第二動画表示体3302の切欠部3302aに挿入されている裏左上装飾体3410により、第一動画表示体3301が刀を模した裏左上装飾体3410に切りつけられたように見せることができる。
【0486】
なお、裏左上装飾体3410が出現位置の状態で、裏左上駆動モータ3422を上記とは逆方向に回転駆動させることで、裏左上装飾体3410を通常の状態に復帰させることができる。
【0487】
[5−8e.裏前演出ユニット]
次に、裏ユニット3000の裏前演出ユニット3500について、
図86等を参照に説明する。裏前演出ユニット3500は、裏箱内における裏中央演出ユニット3300よりも前方の上部に取付けられる。裏前演出ユニット3500は、パチンコ機1のコンセプトに沿った所定のロゴを有し左右に延びている裏前装飾体3510と、裏前装飾体3510を遊技状態に応じて昇降駆動させる裏前駆動機構3520と、を備えている。
【0488】
裏前装飾体3510は、左右の長さが、第一動画表示体3301の左右方向の長さの約2/3の長さに形成されている。裏前装飾体3510は、内部に複数のLEDを有しており、遊技状態に応じて発光装飾させることができる。
【0489】
裏前駆動機構3520は、裏箱内における裏中央演出ユニット3300の昇降機構3320の前方に取付けられる右ベース3521と、右ベース3521の後面上部に取付けられている裏前駆動モータ3522と、裏前駆動モータ3522により昇降駆動されると共に右ベース3521の前面に上下に移動可能に取付けられており裏前装飾体3510の右端が取付けられる右アーム3523と、裏箱内における裏中央演出ユニット3300のガイド機構3350の左方に取付けられる左ベース3524と、左ベース3524の前面に上下に移動可能に取付けられており裏前装飾体3510の左端が取付けられる左アーム3525と、を備えている。
【0490】
裏前演出ユニット3500は、通常の状態では、裏前装飾体3510が上昇端に位置している。この状態では、
図81等に示すように、裏前装飾体3510は、センター役物2500の枠内に臨み、その下端が第一動画表示体3301の上辺よりも若干下方に位置するのみで、略全体が第一動画表示体3301の上方に位置している。この通常の状態で、裏前駆動モータ3522を所定方向に回転駆動させることで、裏前装飾体3510が、正面視遊技領域5aの中央から下寄りの下降端の位置まで下方に移動する(
図91を参照)。
【0491】
なお、裏前装飾体3510を下降端の位置から通常の上昇端の位置に復帰させるには、裏前駆動モータ3522を上記とは逆方向に回転駆動させることで、上方に移動させて通常の状態に復帰させることができる。
【0492】
裏前演出ユニット3500の裏前装飾体3510は、第一動画表示体3301及び第二動画表示体3302よりも前方に配置されており、上下に移動させることで、第一動画表示体3301や第二動画表示体3302の前面を遮ることができる。
【0493】
[5−8f.裏上演出ユニット]
次に、裏ユニット3000の裏上演出ユニット3600について、
図88等を参照して説明する。裏上演出ユニット3600は、裏箱内における裏中央演出ユニット3300の上方に取付けられている。裏上演出ユニット3600は、所定のキャラクタ等を立体的に模した透光性を有する裏上装飾体3601と、裏上装飾体3601の後側に取付けられており前面に複数のLEDが実装されている裏上装飾基板3602と、を備えている。
【0494】
この裏上演出ユニット3600は、裏上装飾基板3602のLEDを適宜発光させることにより、裏上装飾体3601を発光装飾させることができる。また、裏上演出ユニット3600は、通常の状態では、裏上装飾体3601の前方に、裏左上演出ユニット3400の裏左上装飾体3410と、裏前演出ユニット3500の裏前装飾体3510とが位置しており、遊技者側からは視認することができない(
図91(a)を参照)。そして、裏前装飾体3510が下降端へ移動すると共に、裏左上装飾体3410が出現位置へ回動すると、遊技者側から視認できるようになる(
図91(b)を参照)。
【0495】
[5−9.遊技盤における演出]
次に、本実施形態の遊技盤5による主な演出について、主に
図91乃至
図94を参照して説明する。
図91(a)は通常の状態を示す遊技盤の正面図であり、(b)は第一動画表示体を第二動画表示体に差替えると共に裏左上装飾体を出現位置に回動させ、裏前装飾体を下降端に移動させた状態を示す遊技盤の正面図である。
図92(a)は動画投射ユニット、裏中央演出ユニット、裏左上演出ユニット、及び裏前演出ユニットを通常の状態で示す斜視図であり、(b)は(a)の状態から第一動画表示体を第二動画表示体に差替えると共に裏左上装飾体を出現位置に回動させ、裏前装飾体を下降端に移動させた状態を示す斜視図である。
図93(a)は動画投射ユニット及び裏中央演出ユニットを通常の状態で示す正面図であり、(b)は(a)において第一動画表示体と第二動画表示体とを差替えた状態で示す正面図である。
図94(a)は
図93においてG−G線で切断した断面図であり、(b)は(a)の状態から第一動画表示体と第二動画表示体とを差替えている途中の状態を示す断面図であり、(c)は
図93においてH−H線で切断した断面図である。
【0496】
本実施形態の遊技盤5は、
図81等に示すように、通常の状態では、センター役物2500の枠内を通して後方に配置されている裏中央演出ユニット3300の第一動画表示体3301の表面(中央表示装置1600の表示画面)を、遊技者側から良好に視認することができる。つまり、第一動画表示体3301に投射表示される演出画像を良好に視認することができる。また、通常の状態では、裏前演出ユニット3500の裏前装飾体3510が上昇しており、その後方に裏左上演出ユニット3400の裏左上装飾体3410が位置している。従って、通常の状態では、裏中央演出ユニット3300の第二動画表示体3302、裏左上演出ユニット3400の裏左上装飾体3410、及び裏上演出ユニット3600の裏上装飾体3601が、遊技者側から視認不能となっている。
【0497】
この遊技盤5は、通常の状態から、第一始動口2002や第二始動口2004に遊技球が受入れられることで抽選される第一特別抽選結果や第二特別抽選結果に応じて、動画投射ユニット3200、裏中央演出ユニット3300、裏左上演出ユニット3400、及び裏前演出ユニット3500、を用いて様々な表示演出を含めた可動演出を行うことができる。
【0498】
具体的には、例えば、裏中央演出ユニット3300の第一動画表示体3301に、動画投射ユニット3200から所定の演出画像を投射して、第一動画表示体3301により演出画像を表示している状態で、裏前演出ユニット3500の裏前駆動モータ3522を駆動させて、裏前装飾体3510を上昇端の位置から下方へ移動させる。この裏前装飾体3510の下方への移動の開始と略同時に、裏中央演出ユニット3300の裏中央駆動モータ3322を駆動させて、第一動画表示体3301と第二動画表示体3302とを差替える。この第一動画表示体3301と第二動画表示体3302との差替えは、裏前装飾体3510が下降端に到達するよりも速く行うことが望ましい。
【0499】
また、裏中央演出ユニット3300における第一動画表示体3301と第二動画表示体3302との差替えの際に、裏左上演出ユニット3400の裏左上駆動モータ3422を駆動させて、裏左上装飾体3410の先端側の下端が第一動画表示体3301の上辺を下方に押圧するような感じで、裏左上装飾体3410を回動させる。そして、裏前装飾体3510が下降端に到達するのと略同時、或は、若干遅れて、裏左上装飾体3400を出現位置に位置され、裏左上装飾体3400の先端を第二動画表示体3302の後方から切欠部3302aを通して前方に突出させた状態とする。
【0500】
上記のような動きをさせることにより、当初は一枚の平板であった表示画面が、裏左上装飾体3410により摸されている刀によって、切られて突き破られたかのように、遊技者を錯覚させることができる。つまり、従来のパチンコ機では有りえない液晶表示装置の表示画面自体が物理的に切り裂かれたような演出を、遊技者に提示することができ、遊技者に対して強いインパクトを与えることができる。
【0501】
この可動演出では、第一動画表示体3301と第二動画表示体3302とを差替える際に、これらの前面を遮るように裏前装飾体3510を移動(下降)させているため、裏前装飾体3510の動きにより第一動画表示体3301と第二動画表示体3302との差替えを隠すことができ、遊技者に対して第一動画表示体3301が第二動画表示体3302に差替えられたのを気付かせ難くすることができる。これにより、演出画像が投射表示される表示画面の物理的な形状の変化に対するインパクトをより高めることができ、遊技者を大いに驚かせて楽しませることができる。
【0502】
また、上記の可動演出の際に、第二動画表示体3302にキャラクタ等が切られたような演出画像を投射することで、表示画面に表示されているキャラクタ等が、刀を模した裏左上装飾体3410によって物理的に切られたような演出を遊技者に見せることができ、遊技者に対して極めて強いインパクトを与えることができる。この際に、裏左上装飾体3410を上方で回動させて第二動画表示体3302の切欠部3302a内に挿入させているため、裏左上装飾体3410の一部が第二動画表示体3302の切欠部3302aを除いた部位の後方に位置することはなく、動画投射ユニット3200から投射される光による裏上装飾体3410の影が第二動画表示体3302に映ることはない。従って、第二動画表示体3302に良好な状態で演出画像を投射表示させることができる。
【0503】
また、この際に、動画投射ユニット3200の投射装置3203からは、第二動画表示体3302の切欠部3302aの部位に光が投射されないようにすることが望ましい。これにより、切欠部3302a内に挿入された裏左上装飾体3410が、投射される光により遊技者側から逆光になって見辛くなるのを防止することができる。
【0504】
更に、第一動画表示体3301と第二動画表示体3302とを差替える際に、第一動画表示体3301と第二動画表示体3302とが互いに交差するように同時に昇降するため、
図94(b)に示すように、第一動画表示体3301と第二動画表示体3302とが差替わる途中では、第一動画表示体3301及び第二動画表示体3302の何れもが、それらの一部が投射装置3203からの演出画像の投射領域の範囲内(前端開口3208の前方)に位置している。これにより、投射装置3203から演出画像(演出動画)を投射させたままの状態で、第一動画表示体3301と第二動画表示体3302とを差替えた場合、投射装置3203から投射される演出画像が、第一動画表示体3301及び第二動画表示体3302の何れかに、必ず投射されることとなるため、差替えの際に演出画像の表示が一瞬でも途切れたりすることはなく、継続して演出画像を表示させることができる。
【0505】
そのため、投射装置3203から投射する演出画像(演出動画)として、第一始動口2002や第二始動口2004への遊技球の受入れにより抽選された第一特別抽選結果や第二特別抽選結果を示唆するための演出画像(複数の特別対応図柄(特別図柄やそれに対応した図柄を含む図柄)からなる複数(例えば三つ)の図柄列を、変動表示(「回転」とも言う)させた後に、順次停止表示させて、停止表示された特別対応図柄の組合せにより、遊技者に対して抽選された第一特別抽選結果や第二特別抽選結果を示唆する演出画像)を表示中に、第一動画表示体3301と第二動画表示体3302とを差替えても、第一動画表示体3301及び第二動画表示体3302の何れかに、特別対応図柄の表示を途切れさせることなく表示させ続けることができる。従って、特別対応図柄が見えなくなることで遊技者に不信感を与えてしまうのを防止することができ、遊技者を安心させて遊技を楽しませることができる。また、特別対応図柄を表示させ続けることができるため、従来のパチンコ機におけるメイン表示装置と同じ表示機能を持たせることができると共に、動画投射ユニット3200と裏中央演出ユニット3300とで構成された中央表示装置1600が、従来のパチンコ機におけるメイン表示装置であることを遊技者に確実に認識させることができる。
【0506】
更に詳述すると、第一動画表示体3301と第二動画表示体3302とを差替えている途中において、第一動画表示体3301と第二動画表示体3302とが前後に重なる部位に、投射装置3203から特別対応図柄を投射させると、奥側の第一動画表示体3301に特別対応図柄が表示され、その表示された特別対応図柄が、手前側の第二動画表示体3302を通して、遊技者側から視認できることとなる。この際に、第二動画表示体3302に用いられる部材(透過型スクリーン)の透光性の度合いによっては、特別対応図柄が見辛くなることもある。そこで、投射装置3203側では、投射する特別対応図柄の部位に対して、その他の部位を黒く光らせたり、その他の部位の光量を相対的に少なくしたり、することにより、特別対応図柄或は特別対応図柄とその他の部位とのコントラストを強くしている。これにより、第一動画表示体3301に表示されている特別対応図柄が、第二動画表示体3302を通しても、遊技者側から十分に認識できる。そして、第一動画表示体3301と第二動画表示体3302とが差替わると、投射装置3203からの特別対応図柄が、第二動画表示体3302に直接投射されることとなり、第二動画表示体3302において特別対応図柄が鮮明に表示されることとなる。従って、第一動画表示体3301と第二動画表示体3302とを差替えても、特別対応図柄の表示が途中で見えなくなることはなく、上述した作用効果を奏することができる。
【0507】
なお、
図94(c)に示すように、第一動画表示体3301と第二動画表示体3302とを差替えて、第一動画表示体3301を下降端の位置に移動させた状態でも、第一動画表示体3301の上部が動画投射ユニット3200の前端開口3208の前方に位置している。つまり、第一動画表示体3301を下降端に位置させた状態でも、第一動画表示体3301の上部(上端付近)が、投射装置3203からの演出画像の投射領域内に位置しているため、第一動画表示体3301の一部(上部)に演出画像を表示させることができる。また、第一動画表示体3301が下降端に位置している時に、演出画像が表示される領域の一部よりも上方に、上昇端に位置している第二動画表示体3302の下端が位置しているため、第二動画表示体3302の下端よりも下側に、第一動画表示体3301の一部(上部)が遊技者側に臨むこととなる。従って、第一動画表示体3301が下降端の時に遊技者側から臨む部位に、特別対応図柄を投射して表示させることで、第一動画表示体3301と第二動画表示体3302とを差替えても、第一動画表示体3301に特別対応図柄が遊技者側から視認可能に表示され続けることとなるため、これによっても特別対応図柄の表示が途中で見えなくなることはなく、上述した作用効果を奏することができる。
【0508】
[6.制御構成]
次に、パチンコ機1の各種制御を行う制御構成について、
図95を参照して説明する。
図95は、パチンコ機の制御構成を概略的に示すブロック図である。パチンコ機1の主な制御構成は、図示するように、遊技機5に取付けられる主制御基板1310及び周辺制御基板1510と、本体枠4に取付けられる払出制御基板951と、から構成されており、夫々の制御が分担されている。主制御基板1310は、遊技動作(遊技の進行)を制御する。周辺制御基板1510は、主制御基板1310からのコマンドに基いて遊技中の各種演出を制御する周辺制御部1511と、周辺制御部1511からのコマンドに基いて中央表示装置1600や上皿液晶表示装置244等での演出画像の表示を制御する演出表示制御部1512と、を備えている。払出制御基板951は、遊技球の払出し等を制御する払出制御部952と、ハンドルレバー504の回転操作による遊技球の発射を制御する発射制御部953と、を備えている。
【0509】
[6−1.主制御基板]
遊技の進行を制御する主制御基板1310は、詳細な図示は省略するが、各種処理プログラムや各種コマンドを記憶するROMや一時的にデータを記憶するRAM等が内蔵されるマイクロプロセッサである主制御MPUと、入出力デバイス(I/Oデバイス)としての主制御I/Oポートと、各種検出スイッチからの検出信号が入力される主制御入力回路と、各種ソレノイドを駆動するための主制御ソレノイド駆動回路と、主制御MPUに内蔵されているRAMに記憶された情報を完全に消去するためのRAMクリアスイッチと、を備えている。主制御MPUは、その内蔵されたROMやRAMのほかに、その動作(システム)を監視するウォッチドックタイマや不正を防止するための機能等も内蔵されている。
【0510】
主制御基板1310の主制御MPUは、第一始動口2002に受入れられた遊技球を検出する第一始動口センサ2011、第二始動口2004に受入れられた遊技球を検出する第二始動口センサ2012、一般入賞口2001に受入れられた遊技球を検出する一般入賞口センサ2010、ゲート部2003を通過した遊技球を検知するゲートセンサ2515、大入賞口2005に受入れられた遊技球を検知する大入賞口センサ2013、及び遊技領域5a内における不正な磁気を検知する磁気検出センサ、等からの検出信号が夫々主制御I/Oポートを介して入力される。
【0511】
主制御MPUは、これらの検出信号に基づいて、主制御I/Oポートから主制御ソレノイド駆動回路に制御信号を出力することにより、始動口ソレノイド2517、アタッカソレノイド2404に駆動信号を出力したり、主制御I/Oポートから機能表示ユニット1400の第一特別図柄表示器、第二特別図柄表示器、第一特別図柄記憶表示器、第二特別図柄記憶表示器、普通図柄表示器、普通図柄記憶表示器、遊技状態表示器、ラウンド表示器、等に駆動信号を出力したりする。
【0512】
なお、本実施形態おいて、第一始動口センサ2011、第二始動口センサ2012、ゲートセンサ2515、及び大入賞口センサ2013には、非接触タイプの電磁式の近接スイッチを用いているのに対して、一般入賞口センサ2010には、接触タイプのON/OFF動作式のメカニカルスイッチを用いている。これは、遊技球が、第一始動口2002や第二始動口2004に頻繁に入球すると共に、ゲート部2003を頻繁に通過するため、第一始動口センサ2011、第二始動口センサ2012、及びゲートセンサ2515による遊技球の検出も頻繁に発生する。このため、第一始動口センサ2011、第二始動口センサ2012、及びゲートセンサ2515には、耐久性が高く寿命の長い近接スイッチを用いている。また、遊技者にとって有利となる有利遊技状態(「大当り」遊技、等)が発生すると、大入賞口2005が開放されて遊技球が頻繁に入球するため、大入賞口センサ2013による遊技球の検出も頻繁に発生する。このため、大入賞口センサ2013にも、耐久性が高く寿命の長い近接スイッチを用いている。これに対して、遊技球が頻繁に入球しない一般入賞口2001には、一般入賞口センサ2010による検出も頻繁に発生しない。このため、一般入賞口センサ2010には、近接スイッチより寿命が短いメカニカルスイッチを用いている。
【0513】
また、主制御MPUは、遊技に関する各種情報(遊技情報)及び払出しに関する各種コマンド等を払出制御基板951に送信したり、この払出制御基板951からのパチンコ機1の状態に関する各種コマンド等を受信したりする。更に、主制御MPUは、遊技演出の制御に関する各種コマンド及びパチンコ機1の状態に関する各種コマンドを、主制御I/Oポートを介して周辺制御基板1510の周辺制御部1511に送信したりする。なお、主制御MPUは、その詳細な説明は後述するが、払出制御基板951からパチンコ機1の状態に関する各種コマンドを受信すると、これらの各種コマンドを整形して周辺制御部1511に送信する。
【0514】
主制御基板1310には、詳細な説明は後述するが、電源基板ボックス930内の電源基板から各種電圧が供給されている。この主制御基板1310に各種電圧を供給する電源基板は、電源遮断時にでも所定時間、主制御基板1310に電力を供給するためのバックアップ電源としての電気二重層キャパシタ(以下、単に「キャパシタ」と記載する。)を備えている。このキャパシタにより主制御MPUは、電源遮断時にでも電源断時処理において各種情報をRAMに記憶することができる。この記憶した各種情報は、電源投入時に主制御基板1310のRAMクリアスイッチが操作されると、RAMから完全に消去(クリア)される。このRAMクリアスイッチの操作信号(検出信号)は、払出制御基板951にも出力される。
【0515】
また、主制御基板1310には、停電監視回路が設けられている。この停電監視回路は、電源基板から供給される各種電圧の低下を監視しており、それらの電圧が停電予告電圧以下となると、停電予告として停電予告信号を出力する。この停電予告信号は、主制御I/Oポートを介して主制御MPUに入力される他に、払出制御基板951等にも出力されている。
【0516】
[6−2.払出制御基板]
遊技球の払出し等を制御する払出制御基板951は、詳細な図示は省略するが、払出しに関する各種制御を行う払出制御部952と、発射ソレノイド682による発射制御を行うとともに、球送りソレノイド551による球送り制御を行う発射制御部953と、パチンコ機1の状態を表示するエラーLED表示器と、エラーLED表示器に表示されているエラーを解除するためのエラー解除スイッチと、球タンク802、タンクレール803、球誘導ユニット820、及び払出装置830内の遊技球を、パチンコ機1の外部へ排出して球抜き動作を開始するための球抜きスイッチと、を備えている。
【0517】
[6−2a.払出制御部]
払出制御基板951における払出しに関する各種制御を行う払出制御部952は、詳細な図示は省略するが、各種処理プログラムや各種コマンドを記憶するROMや一時的にデータを記憶するRAM等が内蔵されるマイクロプロセッサである払出制御MPUと、I/Oデバイスとしての払出制御I/Oポートと、払出制御MPUが正常に動作しているか否かを監視するための外部WDT(外部ウォッチドックタイマ)と、払出装置830の払出モータ834に駆動信号を出力するための払出モータ駆動回路と、払出しに関する各種検出スイッチからの検出信号が入力される払出制御入力回路と、を備えている。払出制御MPUには、その内蔵されたROMやRAMのほかに、不正を防止するため機能等も内蔵されている。
【0518】
払出制御部952の払出制御MPUは、主制御基板1310からの遊技に関する各種情報(遊技情報)及び払い出しに関する各種コマンドを払出制御I/Oポートを介してシリアル方式で受信したり、主制御基板1310からのRAMクリアスイッチの操作信号(検出信号)が払出制御I/Oポートを介して入力されたりする他に、満タン検知センサ535からの検出信号が入力されたり、球切れ検知センサ827、払出検知センサ842、及び羽根回転検知センサ840からの検出信号が入力される。
【0519】
払出装置830の球切れ検知センサ827、払出検知センサ842、及び羽根回転検知センサ840からの検出信号は、払出制御入力回路に入力され、払出制御I/Oポートを介して払出制御MPUに入力される。
【0520】
また、本体枠4に対する扉枠3の開放を検出する扉枠開放スイッチ、及び外枠2に対する本体枠4の開放を検出する本体枠開放スイッチからの検出信号は、払出制御入力回路に入力され、払出制御I/Oポートを介して払出制御MPUに入力される。
【0521】
また、ファールカバーユニット520の満タン検知センサ535からの検出信号は、払出制御入力回路に入力され、払出制御I/Oポートを介して払出制御MPUに入力される。
【0522】
払出制御MPUは、払出モータ834を駆動するための駆動信号を、払出制御I/Oを介して払出モータ834に出力したり、パチンコ機1の状態をエラーLED表示器に表示するための信号を、払出制御I/Oポートを介してエラーLED表示器に出力したり、パチンコ機1の状態を示すためのコマンドを、払出制御I/Oポートを介して主制御基板1310にシリアル方式で送信したり、実際に払出した遊技球の球数を払出制御I/Oポートを介して外部端子板に出力したりする。この外部端子板は、遊技ホール側に設置されたホールコンピュータに接続されている。このホールコンピュータは、パチンコ機1が払出した遊技球の球数やパチンコ機1の遊技情報等を把握することにより遊技者の遊技を監視している。
【0523】
エラーLED表示器は、セグメント表示器であり、英数字や図形等を表示してパチンコ機1の状態を表示している。エラーLED表示器が表示して報知する内容としては、次のようなものがある。例えば、図形「−」が表示されているときには「正常」である旨を報知し、数字「0」が表示されているときには「接続異常」である旨(具体的には、主制御基板1310と払出制御基板951との基板間の電気的な接続に異常が生じている旨)を報知し、数字「1」が表示されているときには「球切れ」である旨(具体的には、球切れ検知センサ827からの検出信号に基づいて払出装置830内に遊技球がない旨)を報知し、数字「2」が表示されているときには「球がみ」である旨(具体的には、羽根回転検知センサ840からの検出信号に基づいて払出装置830の払出通路381d,382dにおいて払出羽根839と遊技球とがかみ合って払出羽根839が回転困難となっている旨)を報知し、数字「3」が表示されているときには「計数スイッチエラー」である旨(具体的には、払出検知センサ842からの検出信号に基づいて払出検知センサ842に不具合が生じている旨)を報知し、数字「5」が表示されているときには「リトライエラー」である旨(具体的には、払出し動作のリトライ回数が予め設定された上限値に達した旨)を報知し、数字「6」が表示されているときには「満タン」である旨(具体的には、満タン検知センサ535からの検出信号に基づいてファールカバーユニット520内に貯留された遊技球で満タンである旨)を報知し、数字「7」が表示されているときには「CR未接続」である旨(払出制御基板951からCRユニットまでに亘るいずれかにおいて電気的な接続が切断されている旨)を報知し、数字「9」が表示されているときには「ストック中」である旨(具体的には、まだ払出していない遊技球の球数が予め定めた球数に達している旨)を報知している。
【0524】
球貸ボタン332からの遊技球の球貸要求信号、及び返却ボタン333からのプリペイドカードの返却要求信号は、CRユニットに入力される。CRユニットは、球貸要求信号に従って貸し出す遊技球の球数を指定した信号を、払出制御基板951にシリアル方式で送信し、この信号が払出制御I/Oポートで受信されて払出制御MPUに入力される。またCRユニットは、貸出した遊技球の球数に応じて挿入されたプリペイドカードの残度を更新するとともに、その残度を表示部334に表示するための信号を出力し、この信号が表示部334に入力されて表示される。
【0525】
[6−2b.発射制御部]
発射ソレノイド682による発射制御と、球送りソレノイド551による球送制御と、を行う発射制御部953は、詳細に図示は省略するが、発射に関する各種検出スイッチからの検出信号が入力される発射制御入力回路と、定時間毎にクロック信号を出力する発振回路と、このクロック信号に基づいて遊技球を遊技領域5aに向かって打ち出すための発射基準パルスを出力する発射タイミング制御回路と、この発射基準パルスに基づいて発射ソレノイド682に駆動信号を出力する発射ソレノイド駆動回路と、発射基準パルスに基づいて球送りソレノイド551に駆動信号を出力する球送りソレノイド駆動回路と、を備えている。発射タイミング制御回路は、発振回路からのクロック信号に基づいて、1分当たり100個の遊技球が遊技領域5aに向かって打ち出されるよう発射基準パルスを生成して発射ソレノイド駆動回路に出力するとともに、発射基準パルスを所定数倍した球送基準パルスを生成して球送りソレノイド駆動回路に出力する。
【0526】
ハンドルユニット500関係では、ハンドルレバー504に手のひらや指が触れているか否かを検出する接触検知センサ509、及び遊技者の意志によって遊技球の打ち出しを強制的に停止するか否かを検出するストップボタンからの検出信号は、発射制御入力回路に入力された後に、発射タイミング制御回路に入力される。またCRユニットとCRユニット接続端子板とが電気的に接続されると、CR接続信号として発射制御入力回路に入力され、発射タイミング制御回路に入力される。ハンドルレバー504の回転位置に応じて遊技球を遊技領域5aに向かって打ち出す強度を電気的に調節するハンドル操作センサ507からの信号は、発射ソレノイド駆動回路に入力され。
【0527】
この発射ソレノイド駆動回路は、ハンドル操作センサ507からの信号に基づいて、ハンドルレバー504の回転位置に見合う打ち出し強度で遊技球を遊技領域5aに向かって打ち出すための駆動電流を、発射基準パルスが入力されたことを契機として、発射ソレノイド682に出力する。一方、球送りソレノイド駆動回路は、球送基準パルスが入力されたことを契機として、球送りソレノイド551に一定電流を出力することにより、皿ユニット200の上皿201に貯留された遊技球を球送りユニット540内に1球受入れ、その球送基準パルスの入力が終了したことを契機として、その一定電流の出力を停止することにより受入れた遊技球を打球発射装置680側へ送る。このように、発射ソレノイド駆動回路から発射ソレノイド682に出力される駆動電流は可変に制御されるのに対して、球送りソレノイド駆動回路から球送りソレノイド551に出力される駆動電流は一定に制御されている。
【0528】
なお、払出制御基板951に各種電圧を供給する電源基板は、電源遮断時にでも所定時間、払出制御基板1310に電力を供給するためのバックアップ電源としてのキャパシタを備えている。このキャパシタにより払出制御MPUは、電源遮断時にでも電源断時処理において各種情報を払出制御基板951のRAMに記憶することができる。この記憶した各種情報は、電源投入時に主制御基板1310のRAMクリアスイッチが操作されると、払出制御基板951のRAMから完全に消去(クリア)される。
【0529】
[6−3.周辺制御基板]
周辺制御基板1510は、
図95に示すように、主制御基板1310からのコマンドに基づいて演出制御を行う周辺制御部1511と、この周辺制御部1511からの制御データに基づいて中央表示装置1600や上皿液晶表示装置244の描画制御を行う演出表示制御部1512と、を備えている。
【0530】
[6−3a.周辺制御部]
周辺制御基板1510における演出制御を行う周辺制御部1511は、詳細な図示は省略するが、マイクロプロセッサとしての周辺制御MPUと、各種処理プログラムや各種コマンドを記憶する周辺制御ROMと、高音質の演奏を行う音源ICと、この音源ICが参照する音楽及び効果音等の音情報が記憶されている音ROMと、を備えている。
【0531】
周辺制御MPUは、パラレルI/Oポート、シリアルI/Oポート等を複数内蔵しており、主制御基板1310から各種コマンドを受信すると、この各種コマンドに基づいて、遊技盤5の各装飾基板に設けられたカラーLED等への点灯信号、点滅信号又は階調点灯信号を出力するための遊技盤側発光データをランプ駆動基板用シリアルI/Oポートから第一駆動基板3020及び第二駆動基板3021に送信したり、遊技盤5に設けられた各種演出ユニットを作動させる駆動モータへの駆動信号を出力するための遊技盤側駆動データを遊技盤装飾駆動基板用シリアルI/Oポートから第一駆動基板3020及び第二駆動基板3021に送信したり、扉枠3に設けられた加振装置242や扉右下駆動モータ272等の電気的駆動源への駆動信号を出力するための扉側駆動データと、扉枠3の各装飾基板に設けられたカラーLED等への点灯信号、点滅信号又は階調点灯信号を出力するための扉側発光データと、から構成される扉側駆動発光データを枠装飾駆動基板用シリアルI/Oポートから扉枠3側に送信したり、中央表示装置1600や上皿液晶表示装置244に表示させる画面を示す制御データ(表示コマンド)を液晶制御部用シリアルI/Oポートから演出表示制御部1512に送信したり、するほかに、音ROMから音情報を抽出するための制御信号(音コマンド)を音源ICに出力したりする。
【0532】
遊技盤5に設けられた各種演出ユニットの位置を検出するための各種位置検出センサからの検出信号は、裏箱の後面に取付けられた第一駆動基板3020及び第二駆動基板3021を介して周辺制御MPUに入力されている。また、扉枠3に設けられた演出操作ユニット220のタッチパネル246、演出ボタン押圧センサ258からの検出信号は、周辺制御MPUに入力されている。
【0533】
また周辺制御MPUは、演出表示制御部1512が正常に動作している旨を伝える信号(動作信号)が演出表示制御部1512から入力されており、この動作信号に基づいて演出表示制御部1512の動作を監視している。
【0534】
音源ICは、周辺制御MPUからの制御データ(音コマンド)に基づいて音ROMから音情報を抽出し、扉枠3や本体枠4等に設けられたスピーカ921等から各種演出に合せた音楽及び効果音等が流れるように制御を行う。なお、周辺制御基板1510が収容された周辺制御基板ボックス1520から後方へ突出しているボリュームを回転操作することで、音量を調整することができるようになっている。本実施形態では、扉枠3側の複数のスピーカと本体枠4の低音用のスピーカ921とに、音情報としての音響信号(例えば、2chステレオ信号、4chステレオ信号、2.1chサラウンド信号、或いは、4.1chサラウンド信号、等)を送ることで、従来よりも臨場感のある音響効果(音響演出)を提示することができる。
【0535】
なお、周辺制御部1511は、周辺制御MPUに内蔵された内蔵WDT(ウォッチドックタイマ)のほかに、図示しない、外部WDT(ウォッチドックタイマ)も備えており、周辺制御MPUは、内蔵WDTと外部WDTとを併用して自身のシステムが暴走しているか否かを診断している。
【0536】
この周辺制御MPUから演出表示制御部1512に出力される表示コマンドはシリアル入出力ポートにより行われ、本実施形態では、ビットレート(単位時間あたりに送信できるデータの大きさ)として19.2キロ(k)ビーピーエス(bits per second、以下、「bps」と記載する)が設定されている。一方、周辺制御MPUから裏箱の後面に取付けられた第一駆動基板3020及び第二駆動基板3021に出力される、初期データ、扉枠側点灯点滅コマンド、遊技盤側点灯点滅コマンド、可動体駆動コマンド、表示コマンドと異なる複数のシリアル入出力ポートにより行われ、本実施形態では、ビットレートとして250kbpsが設定されている。
【0537】
この第一駆動基板3020及び第二駆動基板3021は、受信した扉枠側点灯点滅コマンドに基いた点灯信号又は点滅信号を、扉枠3に備えられた各装飾基板のLEDに出力したり、受信した遊技盤側点灯点滅コマンドに基いた点灯信号又は点滅信号を遊技盤5に備えられた各装飾基板のLEDに出力したりする。
【0538】
また、第一駆動基板3020及び第二駆動基板3021は、受信した駆動コマンドに基いた駆動信号を、扉枠3に備えられた加振装置242及び扉右下駆動モータ272や、遊技盤5に備えられた各駆動モータ等に出力したりする。
【0539】
[6−4.演出表示制御部]
次に、周辺制御基板1510における中央表示装置1600や上皿液晶表示装置244の描画制御を行う演出表示制御部1512は、詳細な図示は省略するが、マイクロプロセッサとしての表示制御MPUと、各種処理プログラム、各種コマンド及び各種データを記憶する表示制御ROMと、中央表示装置1600や上皿液晶表示装置244を表示制御するVDP(Video Display Processorの略)と、中央表示装置1600や上皿液晶表示装置244に表示される画面の各種データを記憶する画像ROMと、この画像ROMに記憶されている各種データが転送されてコピーされる画像RAMと、を備えている。
【0540】
この表示制御MPUは、パラレルI/Oポート、シリアルI/Oポート等を内蔵しており、周辺制御部1511からの制御データ(表示コマンド)に基づいてVDPを制御して中央表示装置1600や上皿液晶表示装置244の描画制御を行っている。なお、表示制御MPUは、正常に動作していると、その旨を伝える動作信号を周辺制御部1511に出力する。また表示制御MPUは、VDPから実行中信号が入力されており、この実行中信号の出力が16msごとに停止されたことを契機として、割り込み処理を行っている。
【0541】
表示制御ROMは、中央表示装置1600や上皿液晶表示装置244に描画する画面を生成するための各種プログラムのほかに、周辺制御部1511からの制御データ(表示コマンド)と対応するスケジュールデータ、その制御データ(表示コマンド)と対応する非常駐領域転送スケジュールデータ等を複数記憶している。スケジュールデータは、画面の構成を規定する画面データが時系列に配列されて構成されており、中央表示装置1600や上皿液晶表示装置244に描画する画面の順序が規定されている。非常駐領域転送スケジュールデータは、画像ROMに記憶されている各種データを画像RAMの非常駐領域に転送する際に、その順序を規定する非常駐領域転送データが時系列に配列されて構成されている。この非常駐領域転送データは、スケジュールデータの進行に従って中央表示装置1600や上皿液晶表示装置244に描画される画面データを、前もって、画像ROMから画像RAMの非常駐領域に各種データを転送する順序が規定されている。
【0542】
表示制御MPUは、周辺制御部1511からの制御データ(表示コマンド)と対応するスケジュールデータの先頭の画面データを表示制御ROMから抽出してVDPに出力した後に、先頭の画面データに続く画面データを表示制御ROMから抽出してVDPに出力する。このように、表示制御MPUは、スケジュールデータに時系列に配列された画面データを、先頭の画面データから1つずつ表示制御ROMから抽出してVDPに出力する。
【0543】
VDPは、表示制御MPUから出力された画面データが入力されると、この入力された画面データに基づいて画像RAMからスプライトデータを抽出して中央表示装置1600や上皿液晶表示装置244に表示する描画データを生成し、この生成した描画データを、中央表示装置1600や上皿液晶表示装置244に出力する。またVDPは、中央表示装置1600や上皿液晶表示装置244が、表示制御MPUからの画面データを受入れないときに、その旨を伝える実行中信号を表示制御MPUに出力する。なお、VDPは、ラインバッファ方式が採用されている。この「ラインバッファ方式」とは、中央表示装置1600や上皿液晶表示装置244の左右方向を描画する1ライン分の描画データをラインバッファに保持し、このラインバッファに保持した1ライン分の描画データを、中央表示装置1600や上皿液晶表示装置244に出力する方式である。
【0544】
画像ROMには、極めて多くのスプライトデータが記憶されており、その容量が大きくなっている。画像ROMの容量が大きくなると、つまり、中央表示装置1600や上皿液晶表示装置244に描画するスプライトの数が多くなると、画像ROMのアクセス速度が無視できなくなり、中央表示装置1600や上皿液晶表示装置244に描画する速度に影響することとなる。そこで、本実施形態では、アクセス速度の速い画像RAMに、画像ROMに記憶されているスプライトデータを転送してコピーし、この画像RAMからスプライトデータを抽出している。なお、スプライトデータは、スプライトをビットマップ形式に展開する前のデータである基データであり、圧縮された状態で画像ROMに記憶されている。
【0545】
ここで、「スプライト」について説明すると、「スプライト」とは、中央表示装置1600や上皿液晶表示装置244に、纏まった単位として表示されるイメージである。例えば、中央表示装置1600や上皿液晶表示装置244に、種々の人物(キャラクタ)を表示させる場合には、夫々の人物を描くためのデータを「スプライト」と呼ぶ。これにより、中央表示装置1600や上皿液晶表示装置244に複数人の人物を表示させる場合には、複数のスプライトを用いることとなる。また人物のほかに、背景を構成する家、山、道路等もスプライトであり、背景全体を1つのスプライトとすることもできる。これらのスプライトは、画面に配置される位置やスプライト同士が重なる場合の上下関係(以下、「スプライトの重ね合わせの順序」と記載する。)が設定されて中央表示装置1600や上皿液晶表示装置244に描画される。
【0546】
なお、スプライトは縦横それぞれ64画素の矩形領域を複数張り合わせて構成されている。この矩形領域を描くためのデータを「スプライトキャラクタ」と呼ぶ。小さなスプライトの場合には1つのスプライトキャラクタを用いて表現することができるし、人物など比較的大きいスプライトの場合には、例えば横2×縦3などで配置した合計6個のスプライトキャラクタを用いて表現することができる。背景のように更に大きいスプライトの場合には更に多数のスプライトキャラクタを用いて表現することができる。このように、スプライトキャラクタの数及び配置は、スプライトごとに任意に指定することができるようになっている。
【0547】
中央表示装置1600や上皿液晶表示装置244は、その正面から見て左から右に向かって順次、画素に沿った一方向に画素ごとの表示状態を設定する主走査と、その一方向と交差する方向に主走査を繰り返し行う副走査と、によって駆動される。中央表示装置1600や上皿液晶表示装置244は、演出表示制御部1512から出力された1ライン分の描画データが入力されると、主走査として中央表示装置1600や上皿液晶表示装置244の正面から見て左から右に向かって順次、1ライン分の画素にそれぞれ出力する。そして1ライン分の出力が完了すると、中央表示装置1600や上皿液晶表示装置244は、副走査として直下のラインに移行し、同様に次ライン分の描画データが入力されると、この次ライン分の描画データに基づいて主走査として中央表示装置1600や上皿液晶表示装置244の正面から見て左から右に向かって順次、1ライン分の画素にそれぞれ出力する。
【0548】
[7.遊技内容]
次に、本実施形態のパチンコ機1による遊技内容について、主に
図81及び
図95等を参照して説明する。
図95は、パチンコ機の制御構成を概略的に示すブロック図である。本実施形態のパチンコ機1は、扉枠3の前面右下隅に配置されたハンドルユニット500のハンドルレバー504を遊技者が回転操作することで、皿ユニット200の上皿201に貯留された遊技球が、遊技盤5における外レール1001と内レール1002との間を通って遊技領域5a内の上部へと打ち込まれて、遊技球による遊技が開始される。遊技領域5a内の上部へ打ち込まれた遊技球は、その打込強さによってセンター役物2500の左側、或いは、右側の何れかを流下する。なお、遊技球の打込み強さは、ハンドルレバー504の回転量によって調整することができ、時計回りの方向へ回転させるほど強く打込むことができ、連続で一分間に最大100個の遊技球、つまり、0.6秒間隔で遊技球を打込むことができる。
【0549】
また、遊技領域5a内には、適宜位置に所定のゲージ配列で複数の障害釘(図示は省略)が遊技パネル1100(パネル板1110)の前面に植設されており、遊技球が障害釘に当接することで、遊技球の流下速度が抑制されると共に、遊技球に様々な動きが付与されて、その動きを楽しませられるようになっている。また、遊技領域5a内には、障害釘の他に、遊技球の当接により回転する風車(図示は省略)が適宜位置に備えられている。
【0550】
センター役物2500の上部へ打込まれた遊技球は、センター役物2500の前周壁部2512の外周面のうち、最も高くなった部位よりも正面視左側へ進入すると、図示しない複数の障害釘に当接しながら、センター役物2500よりも左側の領域を流下することとなる。そして、センター役物2500の左側の領域を流下する遊技球が、センター役物2500の前周壁部2512の外周面に開口しているワープ入口2520に進入すると、ワープ通路2521を通ってセンター役物2500の枠内に開口しているワープ出口2522からステージ部2530に供給される。
【0551】
ワープ出口2522からステージ部2530に供給された遊技球は、初めに第一ステージ2531に供給され、第一ステージ2531上を転動して左右に行ったり来たりして、左右方向中央の第一中央誘導部、又は、その左右にある第一サイド誘導部の何れかから後方に放出される。第一ステージ2531の第一中央誘導部から後方に遊技球が放出されると、第二ステージ2532の左右方向中央の中央孔を通って第三ステージ2533の第三中央誘導部上に落下し、その第三中央誘導部から遊技領域5a内に放出される。この第三ステージ2533の第三中央誘導部は、始動口ユニット2100の第一始動口2002の直上に位置していることから、第三誘導部から放出された遊技球は、高い確率で第一始動口2002に受入れられる。この第一始動口2002に遊技球が受入れられると、主制御基板1310及び払出制御基板951を介して払出装置830から所定数(例えば、3個)の遊技球が、上皿201に払出される。
【0552】
第一ステージ2531を転動している遊技球が、左右方向中央に向かいながら第一サイド誘導部から後方に放出されると、左右方向中央へ向かう勢いにより第二ステージ2532上を中央へ向かって登るように転動し、中央孔に進入すると、第三ステージ2533の第三誘導部から遊技領域5a内に放出される。一方、第一ステージ2531を転動している遊技球が、左右方向外方に向かいながら第一サイド誘導部から後方に放出されると、その外方に向かう勢いにより第二ステージ2532上を外方に向かって転動し左右の端部にあるサイド孔に進入し、第三ステージ2533の最も高くなっている左右の端部上に供給される。そして、第二ステージ2532のサイド孔から第三ステージ2533に供給された遊技球は、第三ステージ2533上を左右に転動し、第三中央誘導部又は第三サイド誘導部の何れかから遊技領域5a内に放出される。
【0553】
センター役物2500のステージ部2530から遊技領域5a内に放出された遊技球は、始動口ユニット2100の第一始動口2002や、サイドユニット下2200の一般入賞口2001等に受入れられる可能性がある。そして、一般入賞口2001に遊技球が受入れられると、主制御基板1310及び払出制御基板951を介して払出装置830から所定数(例えば、10個)の遊技球が、上皿201に払出される。
【0554】
ところで、センター役物2500の左側へ流下した遊技球が、ワープ入口2520に進入しなかった場合、サイドユニット上2300の棚部2303aや、サイドユニット下2200の棚部2202a,2203a等により左右方向中央側へ寄せられ、一般入賞口2001や第一始動口2002等に受入れられる可能性がある。
【0555】
一方、遊技領域5a内においてセンター役物2500の上部に打込まれた遊技球が、センター役物2500の前周壁部2512の外周面の最も高くなった部位よりも右側に進入する(打込まれる)と、ゲート部2003の直上に放出される。これにより、センター役物2500の右側を流下するように打込まれた(右打ちされた)遊技球は、高い確率でゲート部2003を通過する。そして、ゲート部2003を通過した遊技球は、センター役物2500の一般入賞口2001及び第二始動口2004の右方を通り、更に、大入賞口2005の前方を通って右下レール1004上へ流下し、右下レール1004に案内されてアウト口1111から遊技領域5a外へ排出される。
【0556】
従って、大入賞口2005が開いている時に、右打ちを行うと、高い確率で大入賞口2005に受入れられる。なお、ゲート部2003の左方を遊技球が流下すると、センター役物2500の一般入賞口2001に受入れられる可能性がある。
【0557】
ゲート部2003を遊技球が通過してゲートセンサ2515により検知されると、主制御基板1310において普通抽選が行われ、抽選された普通抽選結果が「普通当り」の場合、始動口扉部材2516が所定時間(例えば、0.3〜10秒)の間、正面視時計回りの方向に回動して第二始動口2004を開状態とする。始動口扉部材2516が回動して第二始動口2004を開放している状態では、その先端がゲート部2003の直下よりも右方に位置しているため、この時に、遊技球がゲート部2003を通過すると始動口扉部材2516の上面に当接することとなり、その遊技球が始動口扉部材2516により左方へ案内されて、極めて高い確率で第二始動口2004に受入れられる。第二始動口2004に遊技球が受入れられると、主制御基板1310及び払出制御基板951を介して払出装置830から所定数(例えば、4個)の遊技球が、上皿201に払出される。
【0558】
本実施形態では、ゲート部2003を遊技球が通過することで行われる普通抽選において、普通抽選を開始してから普通抽選結果を示唆するまでにある程度の時間を設定している(例えば、0.01〜60秒、普通変動時間とも称す)。この普通抽選結果の示唆は、遊技盤5の機能表示ユニット1400に表示される。第二始動口2004では、普通変動時間の経過後に始動口扉部材2516が回動して開状態となる。
【0559】
また、遊技球がゲート部2003を通過してから普通抽選結果が示唆されるまでの間に、遊技球がゲート部2003を通過すると、普通抽選結果の示唆を開始することができないため、普通抽選結果の示唆の開始を、先の普通抽選結果の示唆が終了するまで保留するようにしている。また、普通抽選結果の保留数は、4つまでを上限とし、それ以上については、ゲート部2003を遊技球が通過しても、保留せずに破棄している。これにより、保留が貯まることで遊技ホール側の負担の増加を抑制している。
【0560】
本実施形態のパチンコ機1は、第一始動口2002及び第二始動口2004に遊技球が受入れられると、主制御基板1310において、遊技者に有利な有利遊技状態(例えば、「大当り」、「中当り」、「小当り」、「確率変動当り」、「時間短縮当り」、等)を発生させる特別抽選結果の抽選が行われる。そして、抽選された特別抽選結果を、所定時間(例えば、0.1〜360秒、特別変動時間とも称す)かけて遊技者に示唆する。なお、第一始動口2002及び第二始動口2004に遊技球が受入れられることで抽選される特別抽選結果には、「ハズレ」、「小当り」、「2R大当り」、「15R大当り」、「確変(確率変更)当り」、「時短(時間短縮)当り」、「確変時短当り」、「確変時短無し当り」、等がある。
【0561】
第一始動口2002及び第二始動口2004への遊技球の受入れにより抽選された特別抽選結果(第一特別抽選結果及び第二特別抽選結果)が、有利遊技状態を発生させる特別抽選結果の場合、特別変動時間の経過後に、アタッカユニット2400の大入賞口扉部材2403が、抽選された特別抽選結果に応じた開閉パターンで開閉動作し、大入賞口2005に遊技球を受入れさせることができるようになる。この大入賞口2005が開状態の時に、大入賞口2005に遊技球が受入れられると、主制御基板1310及び払出基板によって払出装置830から所定数(例えば、10個、又は、13個)の遊技球が、上皿201に払出される。従って、大入賞口扉部材2403が所定パターンで開閉動作している時に、大入賞口2005に遊技球を受入れさせることで、多くの遊技球を払出させることができ、遊技者を楽しませることができる。
【0562】
特別抽選結果が「小当り」の場合、大入賞口扉部材2403が、所定短時間(例えば、0.2秒〜0.6秒の間)の間、開状態となって閉鎖する開閉パターンを複数回(例えば、2回)繰返す。一方、特別抽選結果が「大当り」の場合、大入賞口扉部材2403が、開状態となった後に、所定時間(例えば、約30秒)経過、或いは、大入賞口2005への所定個数(例えば、10個)の遊技球の受入れ、の何れかの条件が充足すると、大入賞口扉部材2403を閉状態とする開閉パターン(一回の開閉パターンを1ラウンドと称す)を、所定回数(所定ラウンド数)繰返す。例えば、「2R大当り」であれば2ラウンド、「15R大当り」であれば15ラウンド、夫々繰返して、遊技者に有利な有利遊技状態を発生させる。
【0563】
なお、「大当り」では、大当り遊技の終了後に、「大当り」等の特別抽選結果が抽選される確率を変更(「確変当り」)したり、特別抽選結果を示唆する演出画像の表示時間を変更(「時短当り」)したりする「当り」がある。
【0564】
本実施形態では、第一始動口2002及び第二始動口2004への遊技球の受入れにより特別抽選の開始から抽選された特別抽選結果が示唆されるまでの間に、第一始動口2002及び第二始動口2004に遊技球が受入れられると、特別抽選結果の示唆を開始することができないため、先に抽選された特別抽選結果の示唆が完了するまで、特別抽選結果の示唆の開始が保留される。この保留される特別抽選結果の保留数は、第一始動口2002及び第二始動口2004に対して、夫々4つまでを上限とし、それ以上については、第一始動口2002及び第二始動口2004に遊技球が受入れられても特別抽選結果を保留せずに、破棄している。これにより、保留が貯まることで遊技ホール側の負担の増加を抑制している。
【0565】
この特別抽選結果の示唆は、機能表示ユニット1400と中央表示装置1600(動画投射ユニット3200及び裏中央演出ユニット3300)とで行われる。機能表示ユニット1400では、主制御基板1310によって直接制御されて特別抽選結果の示唆が行われる。機能表示ユニット1400での特別抽選結果の示唆は、複数のLEDを、点灯・消灯を繰返して所定時間点滅させ、その後に、点灯しているLEDの組み合わせによって特別抽選結果を示唆する。
【0566】
一方、中央表示装置1600では、主制御基板1310からの制御信号に基いて、周辺制御基板1510によって間接的に制御され演出画像として特別抽選結果の示唆が行われる。中央表示装置1600での特別抽選結果を示唆する演出画像は、複数の図柄からなる図柄列を、左右方向へ三つ並べて表示した状態で、各図柄列を変動させ、変動表示されている図柄列を順次停止表示させ、停止表示される三つの図柄列の図柄が、特別抽選結果と対応した組み合わせとなるように夫々の図柄列が停止表示される。特別抽選結果が「ハズレ」以外の場合は、三つの図柄列が停止して各図柄が停止表示された後に、特別抽選結果を示唆する確定画像が中央表示装置1600に表示されて、抽選された特別抽選結果に応じた有利遊技状態(例えば、小当り遊技、大当り遊技、等)が発生する。
【0567】
なお、機能表示ユニット1400での特別抽選結果を示唆する時間(LEDの点滅時間(変動時間))と、中央表示装置1600での特別抽選結果を示唆する時間(図柄列が変動して確定画像が表示されるまでの時間)とは、異なっており、機能表示ユニット1400の方が短い時間に設定されている。
【0568】
また、周辺制御基板1510では、中央表示装置1600による特別抽選結果を示唆するための演出画像の表示の他に、抽選された特別抽選結果に応じて、裏前下演出ユニット3100、動画投射ユニット3200、裏中央演出ユニット3300、裏左上演出ユニット3400、裏前演出ユニット3500、裏上演出ユニット3600、等を適宜用いて、発光演出、可動演出、表示演出、等を行うことが可能であり、各種の演出によっても遊技者を楽しませることができ、遊技者の遊技に対する興趣が低下するのを抑制することができる。
【0569】
[8.本実施形態と本発明の関係]
本実施形態の表ユニット2000における第一始動口2002及び第二始動口2004は本発明の始動口に、本実施形態におけるセンター役物2500の枠内は本発明の視認可能領域に、本実施形態における裏ユニット3000の動画投射ユニット3200は本発明の動画投射装置に、夫々相当している。
【0570】
[9.本実施形態の特徴的な作用効果]
このように、本実施例体のパチンコ機1によると、通常の遊技状態では、正面視遊技領域5a内略中央のセンター役物2500の枠内である視認可能領域内の後方に、裏中央演出ユニット3300の差替装置3310によって位置させられている平板状の第一動画表示体3301に動画投射ユニット3200の投射装置3203から演出動画(演出画像)が投射されて表示される。この第一動画表示体3301には、第一始動口2002や第二始動口2004への遊技球の受入れにより抽選された第一特別抽選結果や第二特別抽選結果を示唆する演出動画(特別対応図柄からなる複数の図柄列が変動表示された後に停止表示される演出動画)も表示される。従って、従来のパチンコ機においてセンター役物の枠内を通して演出動画を表示するメイン表示装置と同様に、センター役物2500の枠内(視認可能領域内)を通して見える第一動画表示体3301に演出動画が表示されることから、遊技者に対して、第一動画表示体3301が従来のパチンコ機におけるメイン表示装置に相当するものであることを自然に認識させることができ、第一動画表示体3301に表示される演出動画に違和感を与えることなく楽しませることができる。この通常の状態では、第一動画表示体3301とは異なる演出的形状として切欠部3302aが形成されている第二動画表示体3302が、差替装置3310によって正面視センター役物2500の枠外(視認可能領域外)である遊技領域5aの下部に位置させられており、遊技者側から視認不能となっている。そして、第一始動口2002や第二始動口2004への遊技球の受入れにより抽選された第一特別抽選結果や第二特別抽選結果に応じて、正面視視認可能領域内(センター役物2500の枠内)に位置し演出動画を表示している第一動画表示体3301が下方に移動すると同時に、正面視視認可能領域外である遊技領域5aの下部に位置している第二動画表示体3302が上方の正面視視認可能領域内(センター役物2500の枠内)に移動し、第一動画表示体3301が演出的形状に形成された(切欠部3302aを有することで)形状の異なる第二動画表示体3302と差替わると共に、第二動画表示体3302に投射装置3203から演出動画が投射されて引き続き演出動画が表示される。従って、第一動画表示体3301に、例えばキャラクタがバトルしているような演出動画を表示させ、キャラクタが技を決めた時に、第一動画表示体3301と第二動画表示体3302とを同時に移動させると共に、差替えられた第二動画表示体3302に続きの演出動画を表示させることで、第一動画表示体3301と第二動画表示体3302とが短時間で差替えられることとなることから、遊技者に対して、恰もキャラクタのバトルによって第一動画表示体3301が第二動画表示体3302の形状に変形してしまったように強く錯覚させることができる。これにより、メイン表示装置の表示画面が物理的に変形すると言う従来のパチンコ機では有りえないような演出を遊技者に見せることができると共に、第一動画表示体3301の差替えと演出画像とによるコラボレーションにより一連のストーリを有した連続的な演出を遊技者に提示することができるため、遊技者に対して強いインパクトを与えることができ、遊技に対する興趣の低下を抑制させることができる。
【0571】
また、第一動画表示体3301と第二動画表示体3302とを差替える際に、第一動画表示体3301の方を第二動画表示体3302よりも速く移動させており夫々の移動速度が異なることから、同時に移動させて差替えた時に、第一動画表示体3301と第二動画表示体3302とで動きの感じが異なることとなるため、第一動画表示体3301と第二動画表示体3302との差替えの動きに気付かせ易くすることができ、第一動画表示体3301及び第二動画表示体3302に遊技者を注目させることができると共に、第一動画表示体3301と第二動画表示体3302とが互いに異なる動きをすることで遊技者を楽しませることができ、遊技に対する興趣の低下を抑制させることができる。
【0572】
更に、第一動画表示体3301と第二動画表示体3302とを互いに異なる前後方向の位置に支持しているため、互いの移動先に相手が存在しないことから、第一動画表示体3301と第二動画表示体3302とを問題なく同時に移動させることができ、上述した作用効果を確実に奏することができる。
【0573】
また、差替装置3310により、第一動画表示体3301及び第二動画表示体3302を正面視遊技領域5aの略中央とそれよりも下部との間で同時に上下方向に移動させて差替えるようにしているため、左右方向に移動させて差替えるようにした場合と比較して、パチンコ機1内において第一動画表示体3301と第二動画表示体3302と差替えるためのスペースを確保し易くすることができ、相対的に第一動画表示体3301及び第二動画表示体3302を大きくすることができる。従って、第一動画表示体3301及び第二動画表示体3302を可及的に大きくすることができるため、従来のパチンコ機におけるメイン表示装置と遜色のない大きさで第一動画表示体3301に演出動画を表示させることができ、遊技者に対して違和感を与えることなく演出動画を楽しませることができると共に、大型の変形した第二動画表示体3302と第二動画表示体3302に表示される演出動画とにより遊技領域5a内を目立たせることができ、遊技者の関心を強く引き付けられる訴求力の高いパチンコ機1とすることができる。
【0574】
また、第一動画表示体3301と第二動画表示体3302とを互いに異なる前後方向の位置に支持していると共に、第一動画表示体3301と第二動画表示体3302とを、正面視において遊技領域5aの略中央の位置と下部の位置との間で夫々移動させて差替えるようにしているため、パチンコ機1内における第一動画表示体3301及び第二動画表示体3302に係るスペースを可及的に小さくすることができ、差替装置3310をコンパクトなものとすることができると共に、正面視遊技領域5aの略中央よりも外方の位置における下方を除いた位置に、裏左上装飾体3410等を備えるスペースを確保することができ、裏左上装飾体3410等を備えることでより多彩な演出を提示して飽き難いパチンコ機1とすることができる。
【0575】
更に、本実施例体のパチンコ機1によると、第一動画表示体3301と第二動画表示体3302とを互いに異なる上下方向に移動させて差替えるようにしているため、演出動画を表示させたままの状態で差替えると、一方から他方に向かって場面を切換える一般的なワイプとは異なる場面転換を遊技者に見せることができ、第一動画表示体3301と第二動画表示体3302に表示される演出動画を楽しませて興趣の低下を抑制させることができる。
【0576】
また、第一動画表示体3301と第二動画表示体3302とを差替える際に、第一動画表示体3301は下方へ移動し、第二動画表示体3302は上方に移動することとなるため、第二動画表示体3302が上方に移動することでせり上がってくるような感じに見せて遊技者に対して期待感を抱かせることができ、遊技者に何か良いことがあるのではないかと思わせて興趣の低下を抑制させることができる。
【0577】
また、一つの裏中央駆動モータ3322によって第一動画表示体3301と第二動画表示体3302の二つを移動させるようにしているため、第一動画表示体3301の差替えに係る周辺制御基板1510での制御の負荷を軽減させることができ、過負荷により意図しない演出が行われて遊技者に不快な思いをさせてしまうのを抑制させることができると共に、各種演出を快適に制御して所望の演出を確実に実行させることができ、遊技者を楽しませて遊技に対する興趣の低下を抑制させることができる。
【0578】
更に、第一動画表示体3301を第二動画表示体3302に差替える際に、第一動画表示体3301よりも上方に位置していた裏左上装飾体3410を、その先端側が正面視遊技領域5aの中央に向かって移動するように回動させ、その先端が第一動画表示体3301と差替えられた第二動画表示体3302の切欠部3302aを貫通して前方に位置した状態とする。これにより、第一動画表示体3301が第二動画表示体3302に差替えられると、演出動画を表示している表示体(表示画面)の形状が変わると共に裏左上装飾体3410の先端が切欠部3302aを貫通して第二動画表示体3302の前方に移動する(現れる)ため、遊技者に対して、裏左上装飾体3410によって第一動画表示体3301が変形して第二動画表示体3302になったように錯覚させることができる。詳述すると、裏左上装飾体3410はアイテムとして刀を模した形状としており、その刀を持ったキャラクタがバトルしているような演出動画を第一動画表示体3301に表示させ、キャラクタが刀を振って切付けた瞬間に、第一動画表示体3301を第二動画表示体3302と差替えると同時に、裏左上装飾体3410を切欠部3302aの開放されている部位を通して第二動画表示体3302の切欠部3302aを貫通している状態に回動させると共に、第二動画表示体3302に刀によって切られた相手のキャラクタの演出動画を表示させることで、遊技者に対して、恰も、キャラクタの持っていた刀(裏左上装飾体3410)が画面から飛び出してきて第二動画表示体3302に表示されているキャラクタを画面ごと切付けて切断したかのように強く錯覚させることができ、第一動画表示体3301と第二動画表示体3302との差替え、裏左上装飾体3410の移動、及び演出画像とによるコラボレーションによる一連のストーリを有した連続的な演出を遊技者に提示することができる。このように、演出動画の表示中に、メイン表示装置の形状が裏左上装飾体3410により物理的に変形すると言う従来のパチンコ機では有りえないような演出を遊技者に見せることができるため、遊技者に対して強いインパクトを与えることができ、遊技に対する興趣の低下を抑制させることができる。
【0579】
また、移動前(通常の状態)では、裏左上装飾体3410が遊技者側から視認することができず、第一動画表示体3301が第二動画表示体3302と差替えられる際に第二動画表示体3302の切欠部3302aを貫通するように裏左上装飾体3410が回動すると、そこで初めて裏左上装飾体3410が遊技者側から視認可能となるため、遊技者に対して、裏左上装飾体3410が突然現れて第一動画表示体3301を切断したように強く錯覚させることができ、遊技者に強いインパクトを与えて上述した作用効果をより奏し易くすることができる。
【0580】
更に、本実施形態のパチンコ機1によると、裏前装飾体3510を可動させると、遊技者を裏前装飾体3510(遊技領域5a内)に注目させることができるため、例えば、第一動画表示体3301を第二動画表示体3302と差替える前に、裏前装飾体3510を可動させることで遊技者を遊技領域5a内に注目させた状態とし、その状態で第一動画表示体3301を第二動画表示体3302に差替えることで、差替えによる演出を楽しませることができ、上記と同様の作用効果を発揮させることができる。従って、抽選された第一特別抽選結果や第二特別抽選結果に応じて裏前装飾体3510が可動すると、その次に、第一動画表示体3301が差替わるか否かによって遊技者をワクワク・ドキドキさせることができ、遊技者を楽しませて興趣の低下を抑制させることができる。
【0581】
また、裏左上装飾体3410や裏前装飾体3510を、第一動画表示体3301を間にして第二動画表示体3302とは反対側に配置するようにしており、パチンコ機1におけるこの部位では裏左上装飾体3410や裏前装飾体3510を配置するスペースが確保し易いため、裏左上装飾体3410や裏前装飾体3510を確実に備えることができると共に、スペースが確保し易くなることから裏左上装飾体3410や裏前装飾体3510を相対的に大きくして目立たせることができ、上述した作用効果を奏するパチンコ機1の構成を構築し易くすることができる。
【0582】
また、一つの投射装置3203を用いて第一動画表示体3301及び第二動画表示体3302に演出動画を表示させるようにしているため、液晶表示装置や有機EL表示装置等を用いて演出動画を夫々に表示する場合と比較して、第一動画表示体3301及び第二動画表示体3302に係る構成を簡単なものとすることができる。詳述すると、投射装置3203からの演出動画の投射により第一動画表示体3301や第二動画表示体3302に演出動画が表示されるようにしているため、第一動画表示体3301及び第二動画表示体3302を液晶表示装置の液晶パネルとした場合と比較して、第一動画表示体3301及び第二動画表示体3302の後側にバックライトを備える必要がなく、第一動画表示体3301及び第二動画表示体3302の厚さを可及的に薄くして簡単な構成とすることができる。従って、第一動画表示体3301及び第二動画表示体3302の前後方向の厚さが薄くなるため、第一動画表示体3301と第二動画表示体3302とを互いに異なる前後方向の位置に配置することができ、上述した作用効果を確実に奏することができる。また、第一動画表示体3301及び第二動画表示体3302を薄くできることで、パチンコ機1内における第一動画表示体3301及び第二動画表示体3302の占めるスペースが大きくなるのを抑制することが可能となり、裏左上装飾体3410や裏前装飾体3510等の配置用のスペースを相対的に確保し易くなり、裏左上装飾体3410や裏前装飾体3510を確実に備えることができると共に、スペースが確保し易くなることから裏左上装飾体3410や裏前装飾体3510を相対的に大きくして目立たせることができ、遊技者に対する訴求力の高いパチンコ機1とすることができる。
【0583】
また、裏前装飾体3510を、第一動画表示体3301及び第二動画表示体3302よりも前方に位置させているため、遊技者側から目立つこととなり、遊技者の関心を裏前装飾体3510に強く引き付けることができ、裏前装飾体3510の動きや装飾等で遊技者を楽しませて興趣の低下を抑制させることができると共に、裏前装飾体3510の後方の第一動画表示体3301や第二動画表示体3302にも遊技者を注目させることができ、第一動画表示体3301の差替演出を楽しませることができる。また、このような場合、裏前装飾体3510が演出動画よりも前方に位置しているため、第一動画表示体3301又は第二動画表示体3302に、投射装置3203からの光りによる裏前装飾体3510の影が映ることはなく、演出動画を良好に表示させて楽しませることができる。
【0584】
更に、第一動画表示体3301や第二動画表示体3302に後方から前方に向かって演出動画を投射して表示させるようにしているため、第一動画表示体3301及び第二動画表示体3302の前方に、動画を投射するための機構を配置する必要がなく、第一動画表示体3301及び第二動画表示体3302よりも前側、つまり、遊技領域5a内を相対的に広く使用することができ、第一動画表示体3301及び第二動画表示体3302の前方で裏左上装飾体3410や裏前装飾体3510を可動させ易くすることができると共に、第一動画表示体3301及び第二動画表示体3302の前方で裏左上装飾体3410や裏前装飾体3510を可動させるようにした場合にその裏左上装飾体3410や裏前装飾体3510を可及的に大きくして目立たせることができ、上述した作用効果を奏するパチンコ機1の構成を構築し易くすることができる。
【0585】
また、裏左上装飾体3410や裏前装飾体3510を、投射装置3203からの光の投射による影が、第一動画表示体3301及び第二動画表示体3302に映らない形状に形成しており、投射装置3203からの光が裏左上装飾体3410や裏前装飾体3510に当っても、その影が第一動画表示体3301や第二動画表示体3302に映らないため、第一動画表示体3301や第二動画表示体3302に良好な状態で演出動画を表示させることができ、遊技者に演出動画を楽しませることができると共に、裏左上装飾体3410を可動させる前の状態でもその影が第一動画表示体3301や第二動画表示体3302に映らないことから遊技者に対して裏左上装飾体3410の存在に気付かせ難くすることができるため、裏左上装飾体3410を可動させた時の意外性を強くすることができ、遊技者に強いインパクトを与えて遊技に対する興趣の低下を抑制させることができる。
【0586】
更に、本実施形態のパチンコ機1によると、差替装置3310により第一動画表示体3301と第二動画表示体3302とを差替える際に、第一特別抽選結果や第二特別抽選結果を示唆する演出動画を途切れさせることなく第一動画表示体3301及び第二動画表示体3302の何れかに表示させ続けているため、特別対応図柄が見えなくなることはなく、特別対応図柄が見えなくなることで遊技者に不信感を与えるのを防止することができ、遊技者を安心させて遊技を楽しませることができる。
【0587】
また、第二動画表示体3302を演出的形状(刀で切欠かれたような形状)に形成しているため、第一特別抽選結果や第二特別抽選結果に応じて差替装置3310により第一動画表示体3301を第二動画表示体3302に差替えると、遊技者に対して、平板状の第一動画表示体3301が変形して第二動画表示体3302になったように錯覚させ易くすることができ、遊技者を大いに驚かせることができる。詳述すると、例えば、第一動画表示体3301を第二動画表示体3302に差替える際に、第一動画表示体3301に、第一動画表示体3301が変形するようなキャラクタ同士の刀によるバトルの演出動画を表示させ、キャラクタの決め技が決まった瞬間に第二動画表示体3302と差替えることで、恰もそのキャラクタによって第一動画表示体3301が切付けられて(変形して)第二動画表示体3302の形状になってしまったように見せることができるため、第一動画表示体3301の差替えと演出画像とによるコラボレーションにより、一連のストーリを有した連続的な演出を遊技者に提示することができると共に、遊技者に対して強いインパクトを与えることができ、遊技者を楽しませて遊技に対する興趣の低下を抑制させることができる。
【0588】
更に、第一動画表示体3301を演出的形状に形成した第二動画表示体3302に差替えており、従来のパチンコ機のメイン表示装置の表示画面において異形の黒枠の画像を表示させて表示画面に変化を付与させるようにした場合と比較して、表示画面の物理的な形状が変わるため、遊技者に対して強いインパクトを与えることができ、遊技者に対して何か良いことがあるのではないかと思わせて遊技に対する期待感を高めさせることができる。
【0589】
また、第二動画表示体3302を、投射装置3203からの演出動画の投射により演出動画を表示させることができるようにしていることから、第二動画表示体3302を液晶パネルや有機ELパネル等のように表示画面自体が演出動画を表示させることができるものとした場合と比較して、第二動画表示体3302の形状に対する制約が小さくなるため、第二動画表示体3302の形状をより自由で奇抜な形状とすることができ、液晶パネル等を用いた従来のパチンコ機では有り得なかった形状の第二動画表示体3302に演出動画を表示させることで、遊技者に対して極めて強いインパクトを与えることができる。
【0590】
更に、第一動画表示体3301や第二動画表示体3302に後方から演出動画を投射して表示するようにしており、遊技者に対して第一動画表示体3301や第二動画表示体3302を透過した透過光により演出動画を見せることとなるため、前方から投射して反射光により演出動画を見せるようにした場合と比較して、遊技者側から別の光が第一動画表示体3301や第二動画表示体3302に当った場合でも、演出動画が見辛くならず、見易い演出動画の表示により遊技者を楽しませることができると共に、遊技機を設置する遊技ホール内の明るさ等の設置条件が緩和され、様々な遊技ホールにおいて本遊技機を問題なく設置することができる。
【0591】
また、第一動画表示体3301や第二動画表示体3302に後方から前方に向かって演出動画を投射して表示するようにしており、遊技状態に応じて差替装置3310により第一動画表示体3301と第二動画表示体3302とを差替える際に、投射装置3203から演出動画を投射したままの状態、つまり、演出動画を第一動画表示体3301に表示させたままの状態で、第一動画表示体3301を第二動画表示体3302と差替えると、第一動画表示体3301が差替わる瞬間、投射装置3203からの光がパチンコ機1前方の遊技者に届いて遊技者の目が一瞬眩むこととなり、第一動画表示体3301が差替わる瞬間を判り難くすることができる。従って、遊技者に対して第一動画表示体3301が本当に物理的に変形して第二動画表示体3302の形状になったように錯覚させ易くすることができるため、遊技者に強いインパクトを与えることができ、上述した作用効果を確実に奏するパチンコ機1とすることができる。
【0592】
以上、本発明について好適な実施形態を挙げて説明したが、本発明はこれらの実施形態に限定されるものではなく、以下に示すように、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、種々の改良及び設計の変更が可能である。
【0593】
すなわち、上記の実施形態では、遊技機としてパチンコ機1に適用したものを示したが、これに限定するものではなく、パチスロ機や、パチンコ機とパチスロ機とを融合させてなる遊技機に、適用しても良く、この場合でも、上記と同様の作用効果を奏することができる。
【0594】
また、上記の実施形態では、第一動画表示体3301を一つの第二動画表示体3302と差替えるものを示したが、これに限定するものではなく、第二動画表示体3302とは形状(演出的形状)の異なる動画表示体を少なくとも一つ更に備えるようにし、第一動画表示体3301を、第二動画表示体3302〜第n動画表示体(第nの「n」は三以上の整数)の何れかと差替えるようにしても良い。
【0595】
また、上記の実施形態では、第二動画表示体3302が揺動し難いものを示したが、これに限定するものではなく、第二動画表示体3302を揺動可能としても良い。これにより、第一動画表示体3301を第二動画表示体3302に差替えた時の慣性力や振動等により、差替えられた後でも第二動画表示体3302が暫く揺動することとなるため、第二動画表示体3302に投射されている演出動画も物理的にゆらゆらと揺動させることができる。従って、従来のパチンコ機においてメイン表示装置の表示画面に揺れている演出動画を表示させている場合と比較して、表示画面(第二動画表示体3302)そのものが物理的にゆらゆらと揺れているのが明らかに判るため、従来のパチンコ機では成し得なかった演出を遊技者に提示することができ、遊技者に強いインパクトを与えることができる。
【0596】
更に、上記の実施形態では、裏中央演出ユニット3300の第一動画表示体3301と第二動画表示体3302との何れにも、透光性を有する黒味を帯びた同じ透過型スクリーンを用いたものを示したが、これに限定するものではなく、第一動画表示体3301及び第二動画表示体3302に夫々用いる透過型スクリーンの、色相、彩度、明度、及び透明度、の少なくとも一つを異ならせても良い。これにより、第一動画表示体3301と第二動画表示体3302とが差替えられると、表示されていた演出画像の色合いや鮮やかさ等の見え方が物理的に変化するため、従来のパチンコ機のメイン表示装置において色等を異ならせて表示させた場合と比較して、明らかに表示が異なった(例えば、変色した)演出画像を遊技者に見せて驚かせることができ、遊技者に強いインパクトを与えることができる。また、仮に、演出画像を表示せていない状態で第一動画表示体3301と第二動画表示体3302とを差替えた場合、第一動画表示体3301と第二動画表示体3302との表面の色等が異なることから、遊技領域5a内の色等が変化するため、遊技者の関心を遊技領域5a内に強く引き付けることができる。また、この場合、投射装置3203において投射する演出画像の色合い等を変えなくても、第一動画表示体3301と第二動画表示体3302とを差替えるだけで、表示される演出画像の色合い等を変更することができるため、周辺制御基板1510における演出画像の表示制御に係る負荷の増加を抑制させることができる。