(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記第1フランジの根本から先端までの最大の長さ、および、前記第2フランジの根本から先端までの最大の長さの少なくとも一方は、前記トレーの天面の最大の幅よりも長い
請求項1に記載のパッケージ。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
パッケージの袋の大きさは、主として、トレーを適切に収容できるか否かという点、および、袋の製造に使用する材料に無駄が生じないか否かという点から設定される。一方、本願発明者は、パッケージの製造のために使用される材料をより一層少なくするためには、パッケージの一部分である袋だけではなく、パッケージ全体の構造を見直すことが好ましいと考えた。
【0005】
本発明の目的は、製造のために使用される材料が少なくなるパッケージを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
〔1〕本パッケージの独立した一形態によれば、内容物が載せられるトレー、および、前記トレーを包装する袋を含むパッケージであって、前記トレーが、収容部、第1フランジ、および、第2フランジを含み、前記第1フランジが、前記収容部の側壁の一部に形成され、前記第2フランジが、前記収容部の側壁のうちの前記第1フランジが形成されている前記一部と対向する一部に形成され、前記第1フランジと分離または連続した構造を有し、前記袋が、前記側壁の天面にシールされていることにより、前記収容部の開口部が前記袋により閉塞されている。
【0007】
本パッケージによれば、袋が、トレーを収容し、かつ、収容部の開口部を閉塞している。すなわち、袋は、トレーを包装する役割、および、収容部の開口部をシールする役割を持つ。このため、収容部の開口部がシートによりシールされ、さらに、この収容部が袋により包装されたパッケージと比較して、使用する材料が少なくなる。
【0008】
本パッケージによれば、さらに次の効果が得られる。本パッケージが加熱されたとき、収容部に収容されている食品等の内容物から水蒸気が発生する。収容部の開口部が、袋により閉塞されているため、内容物から水蒸気が発生したとき、収容部の内部の圧力が次第に上昇する。収容部の内部の圧力が上昇することにより、袋のうちの収容部を閉塞している部分が膨張する。このため、袋と天面とがシールされた部分に、シールを剥離させようとする力が作用する。
【0009】
そして、この力により、袋と天面とがシールされた部分の一部が剥離する。これにより、収容部の内部に閉じこめられていた水蒸気が、袋の内部におけるトレーの外部に流れる。このため、袋の内部の圧力が上昇する。
【0010】
袋の内部の圧力が上昇することにより、袋と天面とがシールされた部分に、第2種てこの原理に基づく力が作用する。ここでの第2種てこは、第1フランジ側および第2フランジ側の少なくとも一方において、次のように形成される。
【0011】
袋のうちの第1フランジまたは第2フランジと面する部分が、袋の内部の圧力を受けることにより、力点を形成する。第1フランジまたは第2フランジの先端が、袋の膨張にともない袋の一部と接触することにより、支点を形成する。第1フランジまたは第2フランジの根本付近に存在する天面と袋とがシールされた部分が、シールを剥離させようとする力を受けることにより、作用点を形成する。
【0012】
このため、第1フランジおよび第2フランジが形成されていない場合と比較して、袋と天面とがシールされた部分が、パッケージの加熱により剥離しやすくなる。このため、袋からトレーが取り出しにくい状況が生じにくくなる。
【0013】
〔2〕前記パッケージに従属する一形態によれば、前記第1フランジの根本から先端までの長さ、および、前記第2フランジの根本から先端までの長さの少なくとも一方が、前記天面の幅よりも長い。
【0014】
本パッケージによれば、第1フランジの根本から先端までの長さが天面の幅よりも長い場合、そのような長さの関係が形成されていない場合と比較して、第2種てこにおける力点と支点との距離が長くなる。また、第2フランジの根本から先端までの長さが天面の幅よりも長い場合、同様に第2種てこにおける力点と支点との距離が長くなる。このため、袋と天面とがシールされた部分がより剥離しやすくなる。
【0015】
〔3〕前記パッケージに従属する一形態によれば、前記袋の一部を切り取るきっかけを与える切取部分が、前記袋に形成され、前記第1フランジまたは前記第2フランジが、前記袋の一部に面している。
【0016】
本パッケージが加熱されたとき、第1フランジまたは第2フランジは、トレーに形成されている収容部よりも温度が高くなりにくい。このため、使用者は、第1フランジまたは第2フランジを掴んでトレーを袋から取り出すことにより、トレーを引き出す作業時に手に熱さを感じにくい。このため、パッケージとしては、袋が開口されたときに、使用者が掴みやすい箇所に第1フランジまたは第2フランジが存在していることが好ましい。
【0017】
本パッケージによれば、切取部分を介して袋の一部が切り取られたとき、袋に開口が形成される。一方、第1フランジまたは第2フランジは、袋の一部が切り取られる前の状態において袋の一部と面している。このため、袋に開口が形成されたとき、第1フランジまたは第2フランジが開口を介して袋の外部に臨む。このため、使用者が第1フランジまたは第2フランジを掴みやすくなる。
【0018】
〔4〕前記パッケージに従属する一形態によれば、前記第1フランジの天面が、前記第1フランジの根本に存在する前記側壁の天面よりも前記収容部の底側に形成されていることにより、前記第1フランジの天面と前記側壁の天面との間に段差が形成された構造である第1段差構造、および、前記第2フランジの天面が、前記第2フランジの根本に存在する前記側壁の天面よりも前記収容部の底側に形成されていることにより、前記第2フランジの天面と前記側壁の天面との間に段差が形成された構造である第2段差構造の少なくとも一方を含む。
【0019】
第1段差構造が含まれない場合、袋と側壁の天面との間から流れ出た水蒸気により、第1フランジが袋と密着するおそれがある。また、第2段差構造が含まれない場合、袋と側壁の天面との間から流れ出た水蒸気により、第2フランジが袋と密着するおそれがある。第1フランジまたは第2フランジに袋が密着した場合、第2種てこが形成されにくくなる。このため、第2種てこの原理に基づく力により、袋と天面とがシールされた部分を剥離させる効果が得られにくくなる。
【0020】
本パッケージによれば、第1段差構造および第2段差構造の少なくとも一方が含まれるため、第1フランジおよび第2フランジの少なくとも一方が、袋と密着しにくい。このため、第2種てこの原理に基づく力により、袋と天面とがシールされた部分を剥離させる効果が得られやすい。
【0021】
〔5〕前記パッケージに従属する一形態によれば、平面視における前記収容部の形状が四角形状であり、前記第1フランジが、前記収容部の一辺に形成され、前記第2フランジが、前記収容部の一辺に対向する一辺に形成されている。
【0022】
〔6〕前記パッケージに従属する一形態によれば、前記内容物としての食品が、前記トレーに載せられている。
【発明の効果】
【0023】
本パッケージによれば、製造のために使用される材料が少なくなる。
【発明を実施するための形態】
【0025】
図1を参照して、パッケージ1の構成について説明する。
パッケージ1は、複数の構成要素の集合体であり、一例として、袋10およびトレー20を含む。袋10は、内部にトレー20を収容する役割を持つ。袋10は、互いに重ね合わせられた2枚の積層シートの縁がヒートシールされることにより、形成されている。
図1における袋10の縁のドットは、積層シート同士がヒートシールされた部分である外シール部14を示している。
【0026】
外シール部14のシール強度は、任意のシール強度を持ち得る。外シール部14のシール強度の好ましい範囲の一例は、8N/15mm以上かつ13N/15mm以下である。本パッケージ1の外シール部14のシール強度は、9N/15mmである。
【0027】
2つのノッチ11が、袋10の外シール部14に形成されている。ガイド線12が、袋10のうちの2つのノッチ11の間に形成されている。2つのノッチ11のそれぞれ、およびガイド線12は、それぞれ切取部分を形成している。
【0028】
袋10を形成する積層シートの構造(図示略)は、一例として、最外層、中間層、および、最内層が積層された3層構造である。最外層の材料の一例は、ポリエチレンテレフタレートである。中間層は、一例として、印刷層、第1接着層、低密度ポリエチレン層、および、第2接着層が積層された構造を有している。中間層は、最外層と最内層とを互いに接着させる機能を有する。印刷層は、外面に絵柄および商品説明のテキスト等が印刷される。第1接着層は、印刷層の内側に形成されている。低密度ポリエチレン層は、第1接着層の内側に形成されている。第2接着層は、低密度ポリエチレン層の内側に形成されている。
【0029】
最内層は、第2接着層の内側に形成されている。最内層の材料の一例は、混合樹脂である。混合樹脂は、直鎖状低密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、および、ポリブテン−1を含む。混合樹脂に含まれる直鎖状低密度ポリエチレンの割合の一例は、20重量%である。混合樹脂に含まれる低密度ポリエチレンの割合の一例は、60重量%である。混合樹脂の一例は、ポリブテン−1を20重量%含んでいる。
【0030】
図2を参照してトレー20の構成について説明する。
トレー20は、収容部30およびフランジ40を含む。収容部30およびフランジ40は、それぞれ、1つの物体であるトレー20の一部分を構成している。トレー20は、混合樹脂を真空成形することにより形成されている。混合樹脂は、一例として、ポリプロピレンおよびタルクを含む。混合樹脂に含まれるポリプロピレンの割合の一例は、70重量%である。混合樹脂に含まれるタルクの割合の一例は、30重量%である。
【0031】
収容部30は、側壁31、底壁32、および、開口部33を含む。側壁31、底壁32、および、開口部33は、それぞれ、1つの物体である収容部30の一部分を構成している。側壁31および底壁32は、収容空間34を形成している。内容物100の一例であるシューマイは、底壁32上に載せられていることにより、収容空間34に収容されている。
【0032】
側壁31の天面31Aの幅である天面幅寸法LTは、側壁31の全周にわたり概ね一定の長さを持つ。天面31Aは、全周にわたり袋10の内面とヒートシールされている。このため、開口部33が袋10の一部により閉塞されている。
図1における天面31Aのドットは、天面31Aおよび袋10の内面が互いにヒートシールされた部分である内シール部15を示している。
【0033】
内シール部15のシール強度は、任意のシール強度を持ち得る。内シール部15のシール強度の好ましい範囲の一例は、6N/15mm以上かつ10N/15mm以下である。本パッケージ1の内シール部15のシール強度は、6N/15mmである。
【0034】
図3は、単体のトレー20の平面図を示している。
底壁32は、内面に凹凸加工された部分、底壁凸部32A、および、外面に凹凸加工された部分を含む。内面に凹凸加工された部分は、収容空間34側に向けて突出した多数の微小な凸を含む。この部分は、内容物100(
図1参照)の滑り止めとしての役割を持つ。底壁凸部32Aは、収容空間34側に向けて突出した1つの大きな凸部である。底壁凸部32Aは、内容物100(
図1参照)に水分および油分を付着させにくくする役割を持つ。外面に凹凸加工された部分は、トレー20の設置面側に向けて突出した多数の微小な凸を含む。この部分は、トレー20の設置面に存在する水分を底壁32の外面に付着させにくくする役割を持つ。
【0035】
フランジ40は、側壁31の上部の外周の全周にわたり形成されている。フランジ40は、第1フランジ41、第2フランジ42、および、2つの中間フランジ43を含む。第1フランジ41、第2フランジ42、および、2つの中間フランジ43は、それぞれ、環状のフランジであるフランジ40の一部分を構成している。
【0036】
第1フランジ41は、長手方向に延びる一対の側壁31の一方から、トレー20の短手方向の外方に向けて突出している。第1フランジ41は、外シール部14の一部に面している(
図1参照)。凸部41Bが。第1フランジ41に形成されている。凸部41Bは、トレー20の上方に向けて突出している。凸部41Bは、使用者が指をかけるための役割を持つ。
【0037】
第1フランジ41は、天面41Aに滑り止め加工が施されている。天面41Aは、側壁31の天面31Aよりも底壁32側に形成されている。このため、
図4に示されるとおり、第1段差構造である段差部35が、天面41Aと天面31Aとの間に形成されている。
【0038】
第1フランジ41の根本から先端までの長さである第1フランジ寸法FAは、一例として、次の側面から設定されることが好ましい。第1フランジ寸法FAが短い場合、第1フランジ41の先端が第2種てこの支点を形成したときにおいて、支点と力点との距離が短くなる。このため、第2種てこの原理に基づいて作用点に作用する力が、好ましい大きさを持ちにくい。一方、第1フランジ寸法FAが長い場合、パッケージ1のサイズが過度に大きくなるおそれがある。これらの事項から、第1フランジ寸法FAは、第2種てこの原理に基づいて、作用点に好ましい大きさの力が作用し、かつ、パッケージ1が好ましいサイズを取り得る範囲に含まれることが好ましい。
【0039】
段差部35の高さ、すなわち、天面41Aと天面31Aとの距離である第1段差寸法LAは、一例として、次の側面から設定されることが好ましい。第1段差寸法LAが短い場合、天面41Aが袋10の内面に接触しやすくなる。パッケージ1が加熱されるときに天面41Aが袋10の内面に接触している場合、第1フランジ41の先端が第2種てこの支点を形成しにくい。一方、第1段差寸法LAが長い場合、パッケージ1が加熱されたときに天面41Aが袋10の内面に接触しにくい。このため、第1フランジ41の先端が第2種てこの支点を形成しにくい。これらの事項から、第1段差寸法LAは、第1フランジ41の先端が第2種てこの支点を形成しやすい範囲に含まれることが好ましい。
【0040】
第2フランジ42は、長手方向に延びる一対の側壁31の他方から、トレー20の短手方向の外方に向けて突出している。第2フランジ42は、天面42Aに滑り止め加工が施されている。天面42Aは、側壁31の天面31Aよりも底壁32側に形成されている。このため、
図4に示されるとおり、第2段差構造である段差部36が、天面42Aと天面31Aとの間に形成されている。
【0041】
第2フランジ42の根本から先端までの長さである第2フランジ寸法FBは、第1フランジ寸法FAと同じ設計思想に基づいて設定されることが好ましい。段差部36の高さ、すなわち、天面42Aと天面31Aとの距離である第2段差寸法LBは、第1段差寸法LAと同じ設計思想に基づいて設定されることが好ましい。
【0042】
中間フランジ43の一方は、短手方向に延びる一対の側壁31の一方から、トレー20の短手方向の外方に向けて突出している。この中間フランジ43は、第1フランジ41の一方の端と第2フランジ42の一方の端とを互いに連結している。
【0043】
中間フランジ43の他方は、短手方向に延びる一対の側壁31の他方から、トレー20の短手方向の外方に向けて突出している。この中間フランジ43は、第1フランジ41の他方の端と第2フランジ42の他方の端とを互いに連結している。
【0044】
フランジ40の各寸法の具体例について説明する。
第1フランジ寸法FAは、一例として、第1段差寸法LAおよび天面幅寸法LTよりも長い。第2フランジ寸法FBは、一例として、第2段差寸法LBおよび天面幅寸法LTよりも長い。本パッケージ1によれば、第1フランジ寸法FAおよび第2フランジ寸法FBが、互いに同じ長さを持つ。
【0045】
第1フランジ寸法FAおよび第2フランジ寸法FBは、それぞれ、任意の長さを持ち得る。第1フランジ寸法FAおよび第2フランジ寸法FBの好ましい範囲の一例は、10mm以上かつ30mm以下である。本パッケージ1の各フランジ寸法FA,FBは、20mmである。
【0046】
中間フランジ43の根本から先端までの長さであるフランジ中間寸法FCは、第1フランジ寸法FA、第2フランジ寸法FB、および、天面幅寸法LTよりも短い。フランジ中間寸法FCは、任意の長さを持ち得る。フランジ中間寸法FCの好ましい範囲の一例は、各フランジ寸法FA,FBの好ましい範囲における下限以下の範囲に含まれる。
【0047】
図5〜
図10を参照して、パッケージ1の使用方法について説明する。
パッケージ1が加熱されることにより、内容物100から水蒸気が発生する。収容部30の開口部33が袋10の一部により閉塞されているため、水蒸気が発生することにより、
図5に示されるように、開口部33を閉塞する袋10の一部が膨張し、収容空間34の圧力である収容部内圧が上昇する。一方、袋10の内部におけるトレー20の外部の圧力は、実質的に変化しない。
【0048】
収容部内圧の上昇にともない、内シール部15を剥離させる力が増加する。そして、内シール部15の一部が剥離したとき、収容空間34の水蒸気が収容空間34の外部に流れる。このため、
図6に示されるとおり、袋10における内シール部15と外シール部14との間の部分も膨張し、袋10の内部の圧力である袋内圧が上昇しはじめる。なお、
図6は、収容部内圧の上昇により、
図6に示される断面以外のいずれかの箇所において、内シール部15の一部が剥離した状態を示している。また、
図6は、
図5と比較して、第1フランジ41に面する袋10の一部、および、第2フランジ42に面する袋10の一部がより大きく膨張した状態を示している。
【0049】
袋内圧が上昇することにより、内シール部15に、第2種てこの原理に基づく力が作用する。ここでの第2種てこは、第1フランジ41側において、次のように形成される。なお、第2フランジ42側においても同様に第2種てこが形成される。
【0050】
袋10のうちの第1フランジ41と面する部分が、袋内圧を受けることにより、力点を形成する。第1フランジ41の先端が、袋10の膨張にともない袋10の一部と接触することにより、支点を形成する。第1フランジ41の根本付近に存在する内シール部15が、シールを剥離させようとする力を受けることにより、作用点を形成する。
【0051】
第2種てこの原理に基づく力が内シール部15に作用することにより、一例として、内シール部15の全部が剥離する。このため、
図7に示されるとおり、トレー20が袋10から完全に分離され、重力により、パッケージ1の設置面である電子レンジの皿(図示略)上に存在する袋10の内面上に落下する。
【0052】
袋内圧がさらに上昇することにより、
図8に示されるとおり、外シール部14の一部が剥離する。
図8は、一例として、外シール部14のうちの第1フランジ41と面する部分が剥離した状態を示している。外シール部14の一部が剥離することにより、水蒸気が袋10の外部に流れる。このため、袋内圧の上昇にともない外シール部14が急激に剥離し、剥離にともない大きな音が発生することが抑制される。
【0053】
パッケージ1の加熱が終了した後、使用者は、袋10の外シール部14を掴んで加熱されたパッケージ1を電子レンジの外に取り出す。そして、使用者は、ノッチ11およびガイド線12に沿って袋10の一部を切り取る。このため、
図9に示されるとおり、袋10に開口13が形成される。
【0054】
第1フランジ41は、袋10の一部がノッチ11およびガイド線12に沿って切り取られる前の状態において、この袋10の一部と面している。このため、開口13が開口されたとき、第1フランジ41が開口13を介して袋10の外部を臨む。
【0055】
このため、使用者が第1フランジ41を掴みやすい。
図10に示されるとおり、使用者により第1フランジ41が掴まれたトレー20は、使用者により引きずられながら袋10の外部に取り出される。
【0056】
パッケージ1によれば、以下の作用および効果が得られる。
(1)袋10が、トレー20を収容し、かつ、収容部30の開口部33を閉塞している。すなわち、袋10は、トレー20を包装する役割、および、収容部30の開口部33をシールする役割を持つ。このため、収容部30の開口部33がシートによりシールされ、この収容部30が袋により包装された仮想のパッケージと比較して、使用する材料が少なくなる。
【0057】
(2)第1フランジ41および第2フランジ42の少なくとも一方が、第2種てこの支点を形成し得る。このため、これらのフランジが形成されていない場合と比較して、内シール部15が、パッケージ1の加熱により剥離しやすくなる。このため、袋10からトレー20が取り出しにくい状況が生じにくくなる。
【0058】
(3)第1フランジ寸法FAおよび第2フランジ寸法FBが、天面幅寸法LTよりも長い。このため、そのような長さの関係が形成されていない場合と比較して、第2種てこにおける力点と支点との距離が長くなる。このため、内シール部15がより剥離しやすくなる。
【0059】
(4)パッケージ1が加熱されたとき、第1フランジ41および第2フランジ42は、トレー20の収容部30よりも温度が高くなりにくい。このため、使用者は、第1フランジ41または第2フランジ42を掴んでトレー20を袋から取り出すことにより、トレー20を引き出す作業時に手に熱さを感じにくい。このため、パッケージ1としては、袋10に開口13が形成されたときに、使用者が掴みやすい箇所に第1フランジ41または第2フランジ42が存在していることが好ましい。
【0060】
パッケージ1によれば、切取部分であるノッチ11およびガイド線12を介して袋10の一部が切り取られたとき、袋10に開口13が形成される。一方、第1フランジ41は、袋10の一部が切り取られる前の状態において、同一部と面している。このため、袋10に開口13が形成されたとき、第1フランジ41が開口13を介して袋10の外部に臨む。このため、使用者が第1フランジ41を掴みやすくなる。
【0061】
(5)第1段差構造が含まれない場合、袋10と側壁31の天面31Aとの間から流れ出た水蒸気により、第1フランジ41が袋10と密着するおそれがある。また、第2段差構造が含まれない場合、袋10と側壁31の天面31Aとの間から流れ出た水蒸気により、第2フランジ42が袋10と密着するおそれがある。第1フランジ41または第2フランジ42に袋10が密着した場合、第2種てこが形成されにくくなる。このため、第2種てこの原理に基づく力により、袋10と天面31Aとがシールされた部分を剥離させる効果が得られにくくなる。
【0062】
本パッケージによれば、第1段差構造および第2段差構造が含まれるため、第1フランジ41および第2フランジ42が、袋10と密着しにくい。このため、第2種てこの原理に基づく力により、袋10と天面31Aとがシールされた部分を剥離させる効果が得られやすい。
【0063】
(6)側壁31の天面31Aの全周が、袋10の内面とシールされている。このため、そのようにシールされていない場合と比較して、収容部30から内容物100が漏れにくい。
【0064】
(7)パッケージ1において、内シール部15のシール強度が、外シール部14のシール強度よりも低い。このため、内シール部15のシール強度が、外シール部14のシール強度よりも高い構成と比較して、袋10が天面31Aから剥離しやすい。このため、パッケージ1の加熱の終了後において袋10と天面31Aとがシールされていることを抑制できる。
【0065】
(8)袋10は、天面31Aとのシール強度が高くなるにつれて、天面31Aから剥離しにくくなる。パッケージ1は、袋10が天面31Aから剥離するとき、音を発生することがある。この音は、袋10が天面31Aから剥離するときの収容部内圧が高いときほど大きくなる。
【0066】
この点、パッケージ1においては、袋10と天面31Aとのシール強度が、袋10の外縁のシール強度よりも低い。このため、袋10と天面31Aとのシール強度が、袋10の外縁のシール強度よりも高い構成と比較して、袋10が天面31Aから剥離するときの収容部内圧が小さい。このため、袋10が天面31Aから剥離するときの音が小さくなる。
【0067】
(9)パッケージ1が加熱されることにより、内容物100から発生した水蒸気は、袋10の底に溜まる。このため、袋10の底とトレー20の底壁32とが水分により密着することがある。袋10の底と底壁32とが密着している場合、トレー20が袋10から取り出しにくくなる。
【0068】
パッケージ1においては、底壁32の外側の表面に凹凸加工が施されているため、袋10の底に水分が存在しているとき、袋10の底と底壁32とが密着しにくい。このため、パッケージ1は、袋10からトレー20が取り出しにくくなるおそれが低減される。
【0069】
(10)パッケージ1は、特開2011−240954号公報が開示しているパッケージ(以下、「比較パッケージ」と称する)に対して有利な効果を有する。比較パッケージは、トレーおよびトレーシールを有する。トレーシールは、トレーの開口を閉塞している。
【0070】
比較パッケージは、商品の説明等を記載できる範囲が、トレーシールの面積に限定されている。すなわち、比較パッケージは、トレーの開口が形成されている範囲以上に商品の説明等を記載することが難しい。
【0071】
一方、パッケージ1は、トレー20を包んでいる袋10に商品の説明等を記載することができる。このため、パッケージ1は、開口部33が形成されている範囲よりも広い範囲に商品の説明等を記載することができる。
【0072】
なお、本パッケージが取り得る具体的な形態は、上記実施形態に例示された形態に限定されない。本パッケージは、本発明の目的が達成される範囲において、上記実施形態とは異なる各種の形態を取り得る。以下に示される上記実施形態の変形例は、本パッケージが取り得る各種の形態の一例である。
【0073】
・実施形態のトレー20の変形例によれば、フランジ40に代えて、互いに分離した複数のフランジが形成される。複数のフランジの一例は、第1変形フランジおよび第2変形フランジである。第1変形フランジは、第1フランジ41に準じた構造を有する。第2変形フランジは、第2フランジ42に準じた構造を有する。各変形フランジの長手方向の寸法の好ましい範囲は、収容部30の長手方向の寸法以下、かつ、収容部30の長手方向の寸法の30%以上である。
【0074】
・上記変形例のトレー20は、さらに次のように変形し得る。すなわち、第1および第2変形フランジに加えて、第3および第4変形フランジが形成される。第3および第4変形フランジは、中間フランジ43に準じた構造を有し、かつ、第1および第2変形フランジと連続していない。
【0075】
・実施形態のトレー20の変形例によれば、第1フランジ寸法FAおよび第2フランジ寸法FBの少なくとも一方が、天面幅寸法LTよりも短い。
・実施形態のトレー20の変形例によれば、第1フランジ寸法FAおよび第2フランジ寸法FBが互いに異なる。この場合、袋10の開口13に臨む第1フランジ41の長さである第1フランジ寸法FAが、第2フランジ寸法FBよりも長いことが好ましい。
【0076】
・実施形態の第1フランジ41の変形例によれば、トレー20の高さ方向における天面41Aの位置が、側壁31の天面31Aと等しい、または、天面31Aよりも高い。なお、第2フランジ42についても同様の変形が成立する。
【0077】
・実施形態の収容部30の変形例によれば、平面視における収容部30の形状が正方形、円形、または、これらの形状に類似する形状である。
・実施形態の側壁31の変形例によれば、天面31Aの一部が袋10とシールされていない。天面31Aおよび袋10が互いにシールされない部分の大きさは、内容物100がトレー20の外部にこぼれない範囲において選択されることが好ましい。
【0078】
・実施形態の袋10の変形例によれば、ノッチ11およびガイド線12の少なくとも一方が省略される。