(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0017】
(第一実施形態)
以下、本発明による固体酸化物形燃料電池システムの第一実施形態について説明する。
図1に示すように、この固体酸化物形燃料電池システムは、発電ユニット10および貯湯槽21を備えている。発電ユニット10は、固体酸化物形燃料電池モジュール11、熱交換器12、インバータ装置13、水タンク14、および制御装置15を備えている。
【0018】
固体酸化物形燃料電池モジュール11は、後述するように固体酸化物形燃料電池スタック30を少なくとも含んで構成されるものである。固体酸化物形燃料電池モジュール11は、改質用原料、改質水およびカソードエアが供給されている。具体的には、固体酸化物形燃料電池モジュール11は、一端が供給源Gsに接続されて改質用原料が供給される改質用原料供給管11aの他端が接続されている。改質用原料供給管11aは、原料ポンプ11a1が設けられている。さらに、固体酸化物形燃料電池モジュール11は、一端が水タンク14に接続されて改質水が供給される水供給管11bの他端が接続されている。水供給管11bは、改質水ポンプ11b1が設けられている。さらに、固体酸化物形燃料電池モジュール11は、一端がカソードエアブロワ11c1に接続されてカソードエアが供給されるカソードエア供給管11cの他端が接続されている。
【0019】
熱交換器12は、固体酸化物形燃料電池モジュール11から排気される燃焼排ガスが供給されるとともに貯湯槽21からの貯湯水が供給され、燃焼排ガスと貯湯水とが熱交換する熱交換器である。具体的には、貯湯槽21は、貯湯水を貯湯するものであり、貯湯水が循環する(図にて矢印の方向に循環する)貯湯水循環ライン22が接続されている。貯湯水循環ライン22上には、下端から上端に向かって順番に貯湯水循環ポンプ22aおよび熱交換器12が配設されている。熱交換器12は、固体酸化物形燃料電池モジュール11からの排気管11dが接続(貫設)されている。熱交換器12は、水タンク14に接続されている凝縮水供給管12aが接続されている。
【0020】
熱交換器12において、固体酸化物形燃料電池モジュール11からの燃焼排ガスは、排気管11dを通って熱交換器12内に導入され、貯湯水との間で熱交換が行われ凝縮されるとともに冷却される。凝縮後の燃焼排ガスは排気管11dを通って外部に排出される。また、凝縮された凝縮水は、凝縮水供給管12aを通って水タンク14に供給される。なお、水タンク14は、凝縮水をイオン交換樹脂によって純水化するようになっている。
【0021】
上述した熱交換器12、貯湯槽21および貯湯水循環ライン22から、排熱回収システム20が構成されている。排熱回収システム20は、固体酸化物形燃料電池モジュール11の排熱を貯湯水に回収して蓄える。
【0022】
さらに、インバータ装置13(電力変換装置に相当する)は、固体酸化物形燃料電池スタック30から出力される直流電圧を入力し所定の交流電圧に変換して、交流の系統電源16aおよび外部電力負荷16c(例えば電化製品)に接続されている電源ライン16bに出力する。また、インバータ装置13は、系統電源16aからの交流電圧を電源ライン16bを介して入力し所定の直流電圧に変換して補機(各ポンプ、ブロワなど)や制御装置15に出力する。なお、制御装置15は、補機を駆動して固体酸化物形燃料電池システムの運転を制御する。
【0023】
固体酸化物形燃料電池モジュール11は、
図2に示すように、固体酸化物形燃料電池スタック30、蒸発部40、および改質部50を備えている。固体酸化物形燃料電池スタック30は、ベース部材31、断熱部材32、固体酸化物形燃料電池円筒セル33(固体酸化物形燃料電池筒状セルに相当する)、接続部材34、カバー35、アノードガスマニホールド36、およびカソードガスマニホールド37を備えている。
【0024】
ベース部材31は、金属材(例えば、フェライト系ステンレス鋼、オーステナイト系ステンレス鋼、クロム−鉄−イットリア合金などが用いられるが、特にフェライト系ステンレス鋼が好適である。)で方形状の板状に形成されている。ベース部材31の上面には、断熱部材32が設けられている。断熱部材32は、後述する燃焼部60側である他端側と一端側とを断熱する。さらに断熱部材32は、ベース部材31と、固体酸化物形燃料電池円筒セル33および接続部材34とを絶縁する。断熱部材32は、絶縁性、断熱性および柔軟性(弾性)を有する材料(例えば、シリカを主成分とし炭化ケイ素やアルミナなどを副成分とする材料、またはアルミナ、マグネシア、シリカあるいはそれらの混合材料を原料としたセラミック)で方形状の板状に形成されている。断熱部材32は、ベース部材31側の温度が所定温度以下となるように、厚みおよび材料が決定されている。所定温度は、シール部材31bの耐熱温度以下であることが望ましい。本実施形態では、シール部材31bは柔軟性のあるシリコーン系のシール材料であり、その耐熱温度は例えば200℃である。
断熱部材32は、ベース部材31の中央部、すなわち固体酸化物形燃料電池円筒セル33の立設範囲に配置されている。この立設範囲に複数の貫通穴32aが形成されている。断熱部材32は柔軟性を有しているため、貫通穴32aを固体酸化物形燃料電池円筒セル33より若干小径としても、固体酸化物形燃料電池円筒セル33を貫通穴32aに圧入することが可能となる。
断熱部材32は、ベース部材31の上面に当接して設置されている。断熱部材32の上面には、接続部材34の少なくとも一部が当接して設置されている。断熱部材32は、接続部材34の高さ方向(固体酸化物形燃料電池円筒セル33の長手方向に沿った方向)の位置決め用治具として使用されている。
【0025】
固体酸化物形燃料電池円筒セル33は、固体酸化物形燃料電池円筒状に形成されたセルである。固体酸化物形燃料電池円筒セル33は、基本的には、径方向に内側から順番に積層された燃料極層33a、電解質層33b、反応防止層(図示省略)および空気極層33cから構成されている。反応防止層は、例えば、GDC(ガドリニウムドープセリア)、YDC(イットリアドープセリア)、SDC(サマリウムドープセリア)等の希土類をドープしたセリア混合体を用いている。燃料極層33aは、筒状に形成され燃料および酸化剤ガス(本実施形態では空気)のうちいずれか一方が一端側(下端側)から他端側(上端側)に向けて流通する内側電極層である。空気極層33cは、燃料極層33aの外側に積層され燃料および酸化剤ガスのうちいずれか他方が一端側から他端側に向けて流通する外側電極層である。電解質層33bは、燃料極層33a(内側電極層)と空気極層33c(外側電極層)との間に積層されている。
【0026】
燃料極層33aは、例えば、NiやFeなどの触媒金属とY、Sc、Ceなどの希土類元素から選ばれる少なくとも1種をドープした安定化ジルコニアとの混合体、NiやFeなどの触媒金属とGdやY、Smなどの希土類元素から少なくとも1種をドープしたセリアとの混合体、NiやFeなどの触媒金属とSr、Mg、Co、Fe、Cuから選ばれる少なくとも1種をドープしたランタンガレートとの混合体の少なくとも1種から形成されている。
【0027】
電解質層33bは、例えばY、Sc、Ceなどの希土類元素から選ばれる少なくとも1種をドープした安定化ジルコニア、GdやY、Smなどの希土類元素から少なくとも1種をドープしたセリア、NiとSr、Mg、Co、Fe、Cuから選ばれる少なくとも1種をドープしたランタンガレートの少なくとも1種から形成される。
【0028】
空気極層33cは、例えば、Sr、Caから選ばれた少なくとも1種をドープしたランタンマンガナイト、Sr、Co、Ni、Cuから選ばれた少なくとも1種をドープしたランタンフェライト、Sr、Fe、Ni、Cuから選ばれた少なくとも1種をドープしたランタンコバルタイト、Sr、Feから選ばれた少なくとも1種をドープしたバリウムコバルタイト、銀、銀−パラジウム合金、白金などの少なくとも1種から形成される。
【0029】
固体酸化物形燃料電池円筒セル33は、
図4に示すように、2つのタイプから構成されている。一方の第一タイプ33−A(
図4にて右側に示す)は、空気極層33cの他端側(上端側)に第一空気極層被接続部33c1(第一外側電極層被接続部に相当する)が形成されるとともに燃料極層33aの一端側(下端側)に第一燃料極層被接続部33a1(第一内側電極層被接続部に相当する)が形成されている。第一燃料極層被接続部33a1の部位には、電解質層33bおよび空気極層33cは形成されておらず、燃料極層33aのみが設けられている。この第一燃料極層被接続部33a1が、燃料極層33a(内側電極層)の一部が露出されている露出部である。
【0030】
他方の第2タイプ33−B(
図4にて左側に示す)は、燃料極層33aの他端側に第二燃料極層被接続部33a2(第二内側電極層被接続部に相当する)が形成されるとともに空気極層33cの一端側に第二空気極層被接続部33c2(第二外側電極層被接続部)が形成されている。第二燃料極層被接続部33a2の部位には、電解質層33bおよび空気極層33cは形成されておらず、燃料極層33aのみが設けられている。
なお、両タイプ33−A,33−Bの一端側であって、第一燃料極層被接続部33a1および第二空気極層被接続部33c2より一端側には、空気極層33cが形成されていない。また、本実施形態では、固体酸化物形燃料電池円筒セル33は固体酸化物形燃料電池円筒形に形成されているが、筒状であれば、断面方形に形成するようにしてもよい。
【0031】
固体酸化物形燃料電池円筒セル33の形成方法は、特に限定されないが、例えば、押し出し、プレス、鋳込み等の方法で内側電極層を形成し、逐次、電解質および外側電極層を印刷、ディッピング、スラリーコート等の方法で製膜することによって形成することができる。これらの方法により、固体酸化物形燃料電池円筒セル33は、径方向の内側から燃料極層33a、電解質層33bおよび空気極層33cの順に、既述の電極材料が層状に積層され、製膜の段階で応じてマスキングを行うことで、上述の燃料極層33aが露出する部位や電解質層33bが露出する部位が形成される。また、局所的に製膜を行うことで、任意の部分の径を変えて作製することも可能である。
【0032】
図5に示すように、複数の固体酸化物形燃料電池円筒セル33は、ベース部材31および断熱部材32を貫通して立設されている。断熱部材32には、固体酸化物形燃料電池円筒セル33の外径より若干小径の貫通穴32aが複数形成されている。各固体酸化物形燃料電池円筒セル33は対応する貫通穴32aに圧入されており、各固体酸化物形燃料電池円筒セル33の外周壁面は、貫通穴32aの内周面に密着している。ベース部材31には、固体酸化物形燃料電池円筒セル33の外径より若干大径の貫通穴31aが複数形成されている。各固体酸化物形燃料電池円筒セル33は対応する貫通穴31aに挿入されている。ベース部材31の貫通穴31aと固体酸化物形燃料電池円筒セル33との間は、シール部材31bでシールされている。シール部材31bは、シリコーン系のシール材で形成されている。
電気的に隣り合う第一タイプの固体酸化物形燃料電池円筒セル33−Aと第二タイプの固体酸化物形燃料電池円筒セル33−Bは、
図2に示すように、長手方向の取り付け向きが逆となるようにベース部材31に配設されている。
【0033】
接続部材34は、複数の固体酸化物形燃料電池円筒セル33を電気的に直列接続する。具体的には、接続部材34は、電気的に隣り合う2つの固体酸化物形燃料電池円筒セル33(すなわち第一タイプの固体酸化物形燃料電池円筒セル33−Aと第2タイプの固体酸化物形燃料電池円筒セル33−B)の、他端側(上端側)の電極層被接続部同士または一端側(下端側)の電極層被接続部同士を電気的に接続する。
主として
図5に示すように、一端側(下端側)の接続部材34は、第一燃料極層被接続部33a1と第二空気極層被接続部33c2とを接続する。
図5,6に示すように、接続部材34は、第一接続部34a、第二接続部34bおよび連結部34cを備えている。第一接続部34aは、第一燃料極層被接続部33a1(または第二燃料極層被接続部33a2:内側電極層被接続部に相当する)と電気的に接続される。第二接続部34bは、第二空気極層被接続部33c2(または第一空気極層被接続部33c1:外側電極層被接続部)と接続される。連結部34cは、第一接続部34aと第二接続部34bとを連結する。
【0034】
第一接続部34aは、略半筒状(本実施形態では略半円筒状)に形成された第一把持部34a1と、第一把持部34a1とは別部材でありかつ略半筒状(本実施形態では略半円筒状)に形成された第二把持部34a2と、から構成されている。第一把持部34a1と第二把持部34a2は、環状に形成された筒状部材を長手方向(軸方向)に沿って略二分割したものである。第一把持部34a1および第二把持部34a2の内径は、燃料極層33aの外径と同一または若干大きくなるように設定されている。
【0035】
第一把持部34a1の周方向の一端部は、周方向に向けて延設された第一延設部34a3が設けられている。第一把持部34a1の周方向の他端部には、連結部34cの一端が連結されている。連結部34cの他端には、後述する第二接続部34bの第一把持部34b1の一端部が連結されている。なお、上述した、第一接続部34aの第一把持部34a1および第一延設部34a3、連結部34c、ならびに第二接続部34bの第一把持部34b1から、断面略半めがね形状に形成された半めがね形状部41が一体的に形成されている。この半めがね形状部41は、薄板をプレス加工にて成型されている。
また、第一延設部34a3は、第二把持部34a2の周方向の一端部と重なるように配置されている。
【0036】
第二把持部34a2の周方向の他端部は、径方向外方に延設された第二延設部34a4が設けられている。第二延設部34a4は、連結部34cと互いに当接するように形成されている。なお、第二把持部34a2は、薄板をプレス加工にて成型されている。また、第一把持部34a1の第一延設部34a3に代えて、第二把持部34a2の一端部に周方向に延設された第一延設部を設け、この第一延設部が第一把持部34a1の周方向の一端部と重なるように配置されるようにしてもよい。
【0037】
第二接続部34bは、略半筒状(本実施形態では略半円筒状)に形成された第一把持部34b1を備えている。第一把持部34b1は、環状に形成された筒状部材を長手方向(軸方向)に沿って略二分割したものである。第一把持部34b1の内径は、空気極層33cの外径と同一または若干大きくなるように設定されている。
なお、第二接続部34bは、第一接続部34aと同様に第二把持部を設けるようにしてもよい。また、接続部材34は、第一把持部34a1と第二把持部34a2が分離されているタイプでなく、第一把持部34a1と第二把持部34a2とをヒンジ部で連結し、第二把持部34a2が第一把持部34a1に対してヒンジ部回りに相対回転可能な構成とされてもよい。
【0038】
第一接続部34aの第一把持部34a1および第二把持部34a2と、第一燃料極層被接続部33a1とは、導電性接着剤34dにより接続されている。このように、第一接続部34aと固体酸化物形燃料電池円筒セル33の第一燃料極層被接続部33a1とを電気的に接合する部位が導電接合部である。導電性接着剤34dは、例えば、白金、銀、銅あるいは銀−パラジウム合金などの導電性ペーストや導電性セラミックスを用いることができる。導電性セラミックスは、例えば、ABO
3型のペロブスカイト型酸化物を用いることができ、特にAサイトにLaを有する遷移金属型ペロブスカイト型酸化物を用いると良い。その中でも、導電性セラミックスは、比較的低温での電気伝導性が高いランタンコバルタイト系酸化物を用いると好適である。第二接続部34bの第一把持部34b1と第二空気極層被接続部33c2とも、導電性接着剤34dにより接続されている。なお、第一把持部34a1と第二把持部34a2との隙間も、導電性接着剤34dにより接続されている。
【0039】
さらに、第一接続部34aの長手方向の両端(上下両端)は、
図5に示すように、シール材34eにより覆われている。詳しくは、上述した導電接合部(環状)の上端を塞ぐようにシール材34eが環状に塗布されて、環状のシール接合部が形成されている。上述した導電接合部(環状)の下端を塞ぐようにシール材34eが環状に塗布されて、環状のシール接合部が形成されている。また、半めがね形状部41と第二把持部34a2との継ぎ目も、シール材34eにより覆われている。このように、導電性接着剤34dおよびシール材34eによって、半めがね形状部41と第二把持部34a2とが固定され、ひいては、接続部材34と固体酸化物形燃料電池円筒セル33とが接続固定されている。さらに、シール材34eは、第一接続部34aと固体酸化物形燃料電池円筒セル33の第一燃料極層被接続部33a1とを電気的に接合する導電接合部を確実にシールすることができる。
【0040】
なお、シール材は、例えば、ガラス系シール部材である。ガラス系シール部材は、例えば、結晶化ガラスを用いることができる。結晶化ガラスは、例えば、アルミナ(Al
2O
3)、シリカ(SiO
2)等を主成分とする結晶化ガラスを用いることができる。結晶化ガラスは、最初の昇温時に軟化し、軟化した後にさらに昇温すると、結晶化ガラスは、結晶化して、固体酸化物形燃料電池スタック30の作動温度までに固体状態になり、固体状態が維持される。
【0041】
他端側(他端側)の接続部材34も、一端側の接続部材34と同様に構成されており、第二燃料極層被接続部33a2と第一空気極層被接続部33c1とを接続する。また、一端側(断熱部材32側)に位置する接続部材34の下面全体は、断熱部材32の上面に当接している。また、直列に接続された固体酸化物形燃料電池円筒セル33の両端の接続部は、バスバー接続部材38aを介してバスバー38bにそれぞれ接続されている。接続部材34,38aおよびバスバー38bは、例えば、フェライト系ステンレス、ランタンクロマイトなどを用いて形成することができる。
【0042】
なお、第一把持部34a1および第二把持部34a2の内壁面は、燃料極層被接続部33a1に直接当接するように凸部を設けるようにしてもよい。また、第一把持部34a1および第二把持部34a2の内壁面は、このような凸部を設けないで、電解質層33bに直接当接するようにしてもよい。この場合、燃料極層被接続部33a1と内壁面との間には、電解質層33bに厚みと同一の厚みの環状の空間が形成されるが、この空間は導電性接着剤34dで充填される。
【0043】
さらに、接続部材34と固体酸化物形燃料電池円筒セル33との組み付け方法について説明する。最初に、作業者は、上端側および下端側の半めがね形状部41を、開口部を上にして所定位置に載置する。このとき、半めがね形状部41は、接続すべき固体酸化物形燃料電池円筒セル33の本数(例えば、本実施形態では一列分である5本)に相当する数である。所定位置は、第一接続部34aが燃料極層被接続部33a1または33a2に対向する位置である。そして、半めがね形状部41の開口部に導電性接着剤34dを塗布する。
【0044】
次に、半めがね形状部41の開口部に固体酸化物形燃料電池円筒セル33を載置する。このとき、第一接続部34aが燃料極層被接続部33a1または33a2に対向するように載置される。また、接続すべき全ての固体酸化物形燃料電池円筒セル33の下端を揃えるのが好ましい。さらに、内側に導電性接着剤34dを塗布した第二把持部34a2を固体酸化物形燃料電池円筒セル33に載置する。このとき、第二把持部34a2は半めがね形状部41に位置合わせされている。
【0045】
そして、第一接続部34aと固体酸化物形燃料電池円筒セル33の第一燃料極層被接続部33a1とを電気的に接合する導電接合部の上下を、シール材34eでシールする。さらに、半めがね形状部41と第二把持部34a2との継ぎ目も、シール材34eでシールする。
【0046】
カバー35は、
図2に示すように、ベース部材31の上面に取り付けられている。カバー35は、下方に開口する開口部を有する箱状に形成されている。カバー35とベース部材31との間に形成された密閉された空間R1には、固体酸化物形燃料電池円筒セル33の上部、蒸発部40および改質部50が収容されている。カバー35の開口部には、外方に向けて形成されたフランジ35aが形成されており、フランジ35aがベース部材31の上面に当接されて、ベース部材31にネジ35bによりねじ止め固定されている。カバー35の天井部には排気口35cが形成されており、燃焼排ガスが排気口35cを通って排気される。
【0047】
アノードガスマニホールド36は、ベース部材31の下面に取り付けられている。アノードガスマニホールド36は、上方に開口する開口部を有する箱状に形成されている。アノードガスマニホールド36とベース部材31との間に形成された密閉された空間には、固体酸化物形燃料電池円筒セル33の下部が収容されている。アノードガスマニホールド36内には、金属製の支持板36aが設けられている。固体酸化物形燃料電池円筒セル33の下端面(一端面)が支持板36aに当接して配設されるため、固体酸化物形燃料電池円筒セル33は長手方向に位置決めされる。固体酸化物形燃料電池円筒セル33をベース部材31に組み付ける際に、固体酸化物形燃料電池円筒セル33の一端を支持板36aに当接させることで、固体酸化物形燃料電池円筒セル33をより確実に長手方向に位置決めすることができる。よって、固体酸化物形燃料電池円筒セル33のベース部材31に対する組付性をより向上することができる。
【0048】
なお、支持板36aと固体酸化物形燃料電池円筒セル33との間には、両部材36a,33を絶縁する絶縁板36bが設けられている。また、支持板36aおよび絶縁板36bの固体酸化物形燃料電池円筒セル33に対応する位置(
図2にて矢印位置)には、アノードガスが通過する貫通穴36a1,36b1(
図5参照)がそれぞれ形成されている。また、アノードガスマニホールド36には、一端が改質部50に接続されてアノードガスが供給されるアノードガス供給管36cが接続されている。
【0049】
カソードガスマニホールド37は、空間R1内に設けられている。カソードガスマニホールド37は、断熱部材32より上方に突出している固体酸化物形燃料電池円筒セル33の下方に配設されている。カソードガスマニホールド37は、断熱部材32の周囲に配設されている。カソードガスマニホールド37の上部には、上方に向けてカソードガスが流出する流出孔(
図2にて矢印位置)が複数形成されている。カソードガスマニホールド37には、カソードガスが供給されるカソードガス供給管37aが接続されている。
【0050】
蒸発部40は、後述する燃焼ガスにより加熱されて、供給された改質水を蒸発させて水蒸気を生成するとともに、供給された改質用原料を予熱するものである。蒸発部40は、このように生成された水蒸気と予熱された改質用原料を混合して改質部50に供給するものである。改質用原料としては天然ガス、LPガスなどの改質用気体燃料、灯油、ガソリン、メタノールなどの改質用液体燃料があり、本実施形態においては天然ガスにて説明する。
【0051】
蒸発部40には、一端(下端)が水タンク14に接続された水供給管11bの他端が接続されている。また、蒸発部40には、一端が供給源Gsに接続された改質用原料供給管11aが接続されている。供給源Gsは、例えば都市ガスのガス供給管、LPガスのガスボンベである。
【0052】
改質部50は、上述した燃焼ガスにより加熱されて水蒸気改質反応に必要な熱が供給されることで、蒸発部40から供給された混合ガス(改質用原料、水蒸気)から改質ガスを生成して導出するものである。改質部50内には、触媒(例えば、RuまたはNi系の触媒)が充填されており、混合ガスが触媒によって反応し改質されて水素ガスと一酸化炭素などを含んだガスが生成されている(いわゆる水蒸気改質反応)。改質ガスは、水素、一酸化炭素、二酸化炭素、水蒸気、未改質の天然ガス(メタンガス)、改質に使用されなかった改質水(水蒸気)を含んでいる。このように、改質部50は改質用原料(原燃料)と改質水とから改質ガス(燃料)を生成して固体酸化物形燃料電池スタック30に供給する。なお、水蒸気改質反応は吸熱反応である。
【0053】
燃焼部60は、各固体酸化物形燃料電池円筒セル33と蒸発部40および改質部50との間に設けられている。燃焼部60は、固体酸化物形燃料電池円筒セル33からのアノードオフガス(燃料オフガス)と固体酸化物形燃料電池円筒セル33からのカソードオフガス(酸化剤オフガス)とが燃焼されて改質部50を加熱する。
【0054】
上述した第一実施形態によれば、固体酸化物形燃料電池スタック30は、ベース部材31と、ベース部材31を貫通して該ベース部材31に立設されて、筒状に形成され燃料が流通する燃料極層33a(内側電極層)と、燃料極層33aの外側に積層され酸化剤ガス(空気)が流通する空気極層33c(外側電極層)と、燃料極層33aと空気極層33cとの間に積層された電解質層33bと、を備えた複数の固体酸化物形燃料電池円筒セル33(固体酸化物形燃料電池筒状セル)と、複数の固体酸化物形燃料電池円筒セル33を電気的に直列接続する金属材で形成された複数の接続部材34と、を備えた固体酸化物形燃料電池スタックである。固体酸化物形燃料電池円筒セル33は、燃料極層33aの一部は露出されており、燃料極層33aの一部の露出部に燃料極層被接続部33a1(内側電極層被接続部)が形成されるとともに、空気極層33cに空気極層被接続部33c2(外側電極層被接続部)が形成されており、接続部材34は、燃料極層被接続部33a1と電気的に接続される第一接続部34aと、空気極層被接続部33c2と電気的に接続される第二接続部34bと、第一接続部34aと第二接続部34bとを連結する連結部34cと、を備え、第一接続部34aおよび第二接続部34bの少なくともいずれか一方は、被接続部に取り付けられる前後において、一方の内形が固体酸化物形燃料電池円筒セル33の径方向に変形可能な構造となるように形成されている。
【0055】
これによれば、接続部材34の第一接続部34aおよび第二接続部34bが固体酸化物形燃料電池円筒セル33の被接続部に取り付けられる前には、第一接続部34aおよび第二接続部34bの内形寸法を固体酸化物形燃料電池円筒セル33の外形寸法より大きくすることができる。その結果、接続部材34を固体酸化物形燃料電池円筒セル33に組み付ける際に、組み付け作業によって生じる固体酸化物形燃料電池円筒セル33の表面の損傷を抑制することができる。さらに、接続部材34の第一接続部34aおよび第二接続部34bが固体酸化物形燃料電池円筒セル33の被接続部に取り付けられた後には、第一接続部34aおよび第二接続部34bの各内壁面が各固体酸化物形燃料電池円筒セル33の外壁面にそれぞれ当接可能となる。その結果、接続部材34と固体酸化物形燃料電池円筒セル33とは、電気的に直接接続されるか、あるいは導電接続部を介して接続される。すなわち、第一接続部34aおよび第二接続部34bと固体酸化物形燃料電池円筒セル33との隙間は小さく低減することができ、導電接続部は従来に比してその厚みを小さく抑制することができる。よって、接続部材34と固体酸化物形燃料電池円筒セル33との間の電気抵抗を小さく抑制することができる。したがって、固体酸化物形燃料電池スタック30において、固体酸化物形燃料電池円筒セル33と接続部材34とを接続するにあたって、組付性と導電性との両立を図ることができる。
【0056】
また、第一接続部34aおよび第二接続部34bの少なくともいずれか一方は、略半筒状に形成された第一把持部34a1と、第一把持部34a1とは別部材でありかつ略半筒状に形成された第二把持部34a2と、から構成されている。
これによれば、第一把持部34a1と第二把持部34a2とが、固体酸化物形燃料電池円筒セル33を挟むように組み付けられる。すなわち、接続部材34の第一接続部34aおよび第二接続部34bが固体酸化物形燃料電池円筒セル33の被接続部(例えば、燃料極層被接続部33a1)に取り付けられる前には、第一把持部34a1と第二把持部34a2とは離れた位置にあり、被接続部に取り付けられた後には、第一把持部34a1と第二把持部34a2とは被接続部を把持する位置にある。したがって、接続部材34を固体酸化物形燃料電池円筒セル33に組み付ける際に、組み付け作業によって生じる固体酸化物形燃料電池円筒セル33の表面の損傷を抑制することができる。さらに、接続部材34と固体酸化物形燃料電池円筒セル33との間の電気抵抗を小さく抑制することができる。したがって、固体酸化物形燃料電池スタック30において、固体酸化物形燃料電池円筒セル33と接続部材34とを接続するにあたって、簡単な構造によって組付性と導電性との両立を図ることができる。
【0057】
さらに、第一接続部34aは、2部品(半めがね形状部41および第二把持部34a2)で構成されているため、熱膨張収縮時の固体酸化物形燃料電池円筒セル33の挙動に対して第一接続部34aが変形しやすくなる(特に径方向に変形しやすい)。第一接続部34aが変形しやすくなると、固体酸化物形燃料電池円筒セル33の膨張収縮による応力を第一接続部34aが吸収できるため、固体酸化物形燃料電池円筒セル33にかかる応力を緩和でき、熱挙動に対する信頼性が向上する。
【0058】
また、第一把持部34a1の周方向の一端部と第二把持部34a2の周方向の一端部のうちいずれか一方は、周方向に延設され、第一把持部34a1と第二把持部34a2とは一方にて重なっている。
これによれば、第一把持部34a1と第二把持部34a2とが重なる部分を設けることにより、接続部材34と固体酸化物形燃料電池円筒セル33との導電部の面積(導電面積)をより多く稼ぐことができる。その結果、より導電性を向上させることができる。
【0059】
また、固体酸化物形燃料電池モジュール11は、固体酸化物形燃料電池スタック30と、固体酸化物形燃料電池スタック30の燃焼ガスにより加熱され、供給された改質水を蒸発させて水蒸気を生成するとともに供給された改質用燃料を予熱する蒸発部40と、蒸発部40から供給された水蒸気と改質用燃料の混合ガスとから燃料である改質ガスを生成する改質部50と、を備えている。これによれば、固体酸化物形燃料電池モジュール11は、上述した固体酸化物形燃料電池スタック30に係る作用・効果を得ることができる。
【0060】
また、固体酸化物形燃料電池システムは、発電ユニット10と、貯湯水を貯湯する貯湯槽21と、を備えている固体酸化物形燃料電池システムであって、発電ユニット10は、固体酸化物形燃料電池モジュール11と、固体酸化物形燃料電池モジュール11から排気される燃焼排ガスと貯湯槽21から供給される貯湯水との間で熱交換を行い、燃焼排ガスを凝縮して凝縮水を排出する熱交換器12と、熱交換器12から排出される凝縮水を純水化する水タンク14と、補機を駆動して固体酸化物形燃料電池システムの運転を制御する制御装置15と、少なくとも固体酸化物形燃料電池モジュール11から出力される直流電力を交流電力に変換して交流の系統電源に接続されている電源ラインに出力するインバータ装置13(電力変換装置)と、を備えている。これによれば、固体酸化物形燃料電池システムは、上述した固体酸化物形燃料電池スタック30に係る作用・効果を得ることができる。
【0061】
なお、上述した実施形態においては、内側電極層を燃料極層33aとし、外側電極層を空気極層33cとしたが、内側電極層を空気(酸化剤ガス)が流通する空気極層33cとし、外側電極層を燃料が流通する燃料極層33aとするようにしてもよい。
【0062】
(第二実施形態)
以下、本発明による固体酸化物形燃料電池システムの第二実施形態について
図7−9を参照して説明する。第二実施形態に係る固体酸化物形燃料電池システムの固体酸化物形燃料電池スタックは、接続部材の形状が異なる。第二実施形態に係る接続部材134の第一接続部134aおよび第二接続部134bの少なくともいずれか一方は、断面略C字状に形成されて、径方向に伸縮可能に形成されている。なお、第一実施形態と同様に構成されるものは、同一符号を付してその説明を省略する。
【0063】
具体的には、
図7,8に示すように、接続部材134は、第一実施形態の接続部材34と同様に、第一接続部134a、第二接続部134bおよび連結部134cを備えている。第一接続部134aおよび第二接続部134bは、断面略C字状に形成されている。第一接続部134aおよび第二接続部134bの周方向の各一端部(
図8にて上方向の一端部)は、134dの両端にそれぞれ連結されている。
【0064】
第一接続部134aは、周方向に沿って外方に向けて凸設された複数の凸部134a1が形成されている。本実施形態では、凸部134a1は所定角度(例えば90度)間隔で3つ設けられている。第二接続部134bは、第一接続部134aと同様に、周方向に沿って外方に向けて凸設された複数の凸部134b1が形成されている。
【0065】
第一接続部134aは、
図7に示すように、固体酸化物形燃料電池円筒セル33の長手方向の下端に拡開部134a2が形成されている。拡開部134a2は、先端に行くにしたがって拡開するように形成されている。拡開部134a2は、第一接続部134aの下端の全周に亘って設けられている。第二接続部134bは、第一接続部134aと同様に、拡開部134b2が形成されている。拡開部134a2,134b2は、第一および第二接続部134a,134bの下端だけでなく、上下両端に設けるようにしてもよく、上端のみに設けるようにしてもよい。
【0066】
図8に示すように、断面略C字状に形成された第一接続部134aおよび第二接続部134bは、径方向内側に向けて付勢された状態で各固体酸化物形燃料電池円筒セル33をそれぞれ把持するように組み付けられている。第一接続部134aは、導電性接着剤134dにより固体酸化物形燃料電池円筒セル33(燃料極層被接続部33a1)に電気的に接続されている。この電気的に接続された導電接合部は、周方向に沿って複数個所(例えば4箇所)設けられている。このとき、導電接合部は、凸部134a1を避けて設けるのが望ましい。凸部134a1は、導電性接着剤134dの端部が外側に膨張したときのバッファとして機能するため、導電性接着剤134dの圧縮応力を緩和する効果がある。
【0067】
また、導電性接着剤134dは、第一接続部134aおよび第二接続部134bの内壁面の所定部位に予め塗布されている。膜厚は、数十μmが望ましく、本実施形態では10μmである。導電性接着剤134dは、焼成前の予備乾燥状態であり、接続部材134を固体酸化物形燃料電池円筒セル33に組み付けた後の焼成工程にて接続部材134と固体酸化物形燃料電池円筒セル33とを接着させる。
第二接続部134bは、第一接続部134aと同様に、導電性接着剤134dにより固体酸化物形燃料電池円筒セル33(空気極層被接続部33c2)に電気的に接続されている。
【0068】
なお、導電接合部の固体酸化物形燃料電池円筒セル33の長手方向の上下両側には、シール接合部が形成されるのが望ましい。特に第一接続部134aにシール接合部(上述した環状のシール接合部)が形成されるのが望ましい。さらに、第一接続部134aおよび第二接続部134bの周方向の開口部も、シール材により覆うのが望ましい。
【0069】
上述した接続部材134は、金属材(例えば、フェライト系ステンレス鋼(700℃などの高温環境下における耐食性を確保するために、Crを18重量%以上含むものが望ましい))の薄板(一枚の金属板)をプレス加工にて成型されている。接続部材134は、応力(外力)を加えるとひずみが生じるが、除荷すれば元の寸法に戻る弾性変形をする。すなわち、接続部材134は、応力が加えられていないときには、
図9にて実線で示すように、固体酸化物形燃料電池円筒セル33の外径(
図9にて一点破線で示す)より小径(小形)に設定されている。このときの状態が元状態である。
【0070】
元状態にある第一接続部134aおよび第二接続部134bは、径方向内側に向かう付勢力に抗して径方向外方に向けて拡開されて拡開状態となる(
図9にて破線で示す)。拡開状態は、第一接続部134a(第二接続部134b)の内形寸法が固体酸化物形燃料電池円筒セル33の外形寸法より大きい状態である。接続部材134が固体酸化物形燃料電池円筒セル33の被接続部(例えば燃料極層被接続部33a1および空気極層被接続部33c2)に取り付けられる前には、第一接続部134aおよび第二接続部134bは拡開状態に拡開される。
接続部材134が固体酸化物形燃料電池円筒セル33の被接続部に取り付けられた後には、第一接続部134aおよび第二接続部134bは、径方向内側に向けて付勢され弾性変形をするため、被接続部に当接して該被接続部を把持する当接状態にある(
図8参照)。当接状態にある第一接続部134aおよび第二接続部134bは、元状態より大形(大径)である。
【0071】
さらに、接続部材134と固体酸化物形燃料電池円筒セル33との組み付け方法について説明する。最初に、作業者は、導電性接着剤134dを第一接続部134aおよび第二接続部134bの内壁面の所定部位に予め塗布する(コーティングする)。導電性接着剤134dは、焼成前の予備乾燥状態である。
次に、接続部材134を固体酸化物形燃料電池円筒セル33に挿入して所定位置に位置決めする。このとき、第一接続部134aおよび第二接続部134bは、元状態から拡開されて拡開状態である。その結果、挿入する際に、第一接続部134aおよび第二接続部134bが固体酸化物形燃料電池円筒セル33に当接するのを抑制することができ、固体酸化物形燃料電池円筒セル33の表面が損傷するのを抑制することができる。なお、シール接合部を設ける場合には、シール材を所定部位に塗布する。
そして、接続部材134と固体酸化物形燃料電池円筒セル33を焼成し、接続部材134と固体酸化物形燃料電池円筒セル33との間に導電接合部(およびシール接合部)を形成し、電気的接続と機械的固定を行う。
【0072】
上述した説明から明らかなように、本第二実施形態に係る固体酸化物形燃料電池スタック30においては、接続部材134の第一接続部134aおよび第二接続部134bの少なくともいずれか一方は、断面略C字状に形成されて、径方向に伸縮可能に形成されている。
これによれば、断面略C字状に形成された第一接続部134aおよび第二接続部134bが、径方向内側に向けて付勢された状態で固体酸化物形燃料電池円筒セル33(固体酸化物形燃料電池筒状セル)を把持するように組み付けられる。すなわち、接続部材134の第一接続部134aおよび第二接続部134bが固体酸化物形燃料電池円筒セルル33の被接続部に取り付けられる前には、第一接続部134aおよび第二接続部134bは付勢力に抗して拡開されて拡開状態(第一接続部134aおよび第二接続部134bの内形寸法が固体酸化物形燃料電池円筒セル33の外形寸法より大きい状態)にされる。被接続部に取り付けられた後には、第一接続部134aおよび第二接続部134bは被接続部に当接して把持する当接状態にある。したがって、接続部材134を固体酸化物形燃料電池円筒セル33に組み付ける際に、組み付け作業によって生じる固体酸化物形燃料電池円筒セル33の表面の損傷を抑制することができる。さらに、接続部材134と固体酸化物形燃料電池円筒セル33との間の電気抵抗を小さく抑制することができる。したがって、固体酸化物形燃料電池スタック30において、固体酸化物形燃料電池円筒セル33と接続部材134とを接続するにあたって、簡単な構造によって組付性と導電性との両立を図ることができる。
【0073】
さらに、接続部材134が固体酸化物形燃料電池円筒セル33に接触した(隙間がほぼ0の)状態で組み付けることができる。よって、固体酸化物形燃料電池円筒セル33と接続部材134との隙間がないため、従来技術において必要であった接続部材134と固体酸化物形燃料電池円筒セル33との比較的広い隙間(固体酸化物形燃料電池円筒セル33と接続部材134との寸法公差、寸法ばらつきに起因する)に導電性接着剤を充填する充填工程が不要となる。また、本実施形態によれば、固体酸化物形燃料電池円筒セル33への組付前に接続部材134の内壁面に塗布されている導電性接着剤の膜厚は10μm〜50μm程度で構成できるため、導電性接着剤の薄膜化による信頼性が向上する(電気抵抗が抑制される)。また、従来と比べて、導電性接着剤の使用量が削減できるため低コスト化が可能となる。さらに、接続部材134は、1枚の金属板で構成することが可能となる。よって、従来技術では形状が複雑であるため、コスト高になる傾向にあったが、形状が単純化できプレス加工などを用いたコスト低減が可能となる。
【0074】
また、第一接続部134aおよび第二接続部134bの少なくともいずれか一方は、周方向に沿って外方に向けて凸設された複数の凸部134a1,134b1がさらに形成されている。
これによれば、温度が変化したときに、固体酸化物形燃料電池円筒セル33と第一接続部134aおよび第二接続部134bの熱膨張率の違いによって生じる固体酸化物形燃料電池円筒セル33と第一接続部134aおよび第二接続部134bとの境界面の応力が、凸部134a1,134b1に吸収されて緩和される。
【0075】
また、第一接続部134aおよび第二接続部134bの少なくともいずれか一方は、固体酸化物形燃料電池円筒セル33の長手方向の両端部のうち少なくともいずれか一方に、端に行くにしたがって拡開する拡開部134a2,134b2が形成されている。
これによれば、第一接続部134aおよび第二接続部134bを固体酸化物形燃料電池円筒セル33に組み付ける際に、拡開部134a2,134b2から挿入することで、より確実に損傷を抑制することができる。
【0076】
(第三実施形態)
以下、本発明による固体酸化物形燃料電池システムの第三実施形態について
図10−12を参照して説明する。第三実施形態に係る固体酸化物形燃料電池システムの固体酸化物形燃料電池スタックは、接続部材の接続対象が異なる。第三実施形態に係る接続部材は、同一の内側電極層33a(または外側電極層33c)を接続している。なお、第一実施形態と同様に構成されるものは、同一符号を付してその説明を省略する。
【0077】
本第三実施形態の固体酸化物形燃料電池スタックは、複数(例えば3本)の固体酸化物形燃料電池円筒セル233と、プラス電極用の接続部材234と、マイナス極用の接続部材334とを備えている。固体酸化物形燃料電池円筒セル233は、両端部の燃料極層33aが露出されてその露出部に燃料極層被接続部233a1が形成されている。両燃料極層被接続部233a1,233a1の間の空気極層33cには、空気極層被接続部233c1が形成されている。
【0078】
プラス電極用の接続部材234は、複数の接続部を備えている。具体的には、プラス電極用の接続部材234は、第一接続部234a、第二接続部234bおよび第三接続部234cを備えている。第一接続部234aは、
図11に示すように、上記第一接続部34aと同様に、第一把持部234a1と第二把持部234a2とから構成されている。第二接続部234bおよび第三接続部234cも、第一把持部234b1と第二把持部234b2とから、第一把持部234c1と第二把持部234c2とから構成されている。
【0079】
第一把持部234a1、第一把持部234b1および第一把持部234c1は、連結部234dによって連結されている。このように、直列に連結された第一把持部234a1、連結部234d、第一把持部234b1、連結部234dおよび第一把持部234c1から、複数の断面略半円形状が連結された半円状連結体241が一体的に形成されている。この半円状連結体241は、薄板(1枚の金属板)をプレス加工にて成型されている。
【0080】
プラス電極用の接続部材234は、隣り合う複数の固体酸化物形燃料電池円筒セル233の空気極層被接続部233c1を電気的に接続する。すなわち、プラス電極用の接続部材234の第一接続部234a、第二接続部234bおよび第三接続部234cは、隣り合う複数の固体酸化物形燃料電池円筒セル233の各空気極層被接続部233c1に接続されている。
【0081】
マイナス極用の接続部材334は、プラス極用の接続部材234と同様に、複数の接続部を備えている。具体的には、マイナス極用の接続部材334は、第一接続部334a、第二接続部334bおよび第三接続部334cを備えている。第一接続部334aは、
図12に示すように、上記第一接続部34aと同様に、第一把持部334a1と第二把持部334a2とから構成されている。第二接続部334bおよび第三接続部334cも、第一把持部334b1と第二把持部334b2とから、第一把持部334c1と第二把持部334c2とから構成されている。
【0082】
第一把持部334a1、第一把持部334b1および第一把持部334c1は、連結部334dによって連結されている。このように、直列に連結された第一把持部334a1、連結部334d、第一把持部334b1、連結部334dおよび第一把持部334c1から、複数の断面略半円形状が連結された半円状連結体341が一体的に形成されている。この半円状連結体341は、薄板(1枚の金属板)をプレス加工にて成型されている。
【0083】
上端側のマイナス電極用の接続部材334は、隣り合う複数の固体酸化物形燃料電池円筒セル233の燃料極層被接続部233a1を電気的に接続する。すなわち、マイナス電極用の接続部材334の第一接続部334a、第二接続部334bおよび第三接続部334cは、隣り合う複数の固体酸化物形燃料電池円筒セル233の各燃料極層被接続部233a1に接続されている。下端側のマイナス電極用の接続部材334は、隣り合う複数の固体酸化物形燃料電池円筒セル233の燃料極層被接続部233a2を電気的に接続する。すなわち、マイナス電極用の接続部材334の第一接続部334a、第二接続部334bおよび第三接続部334cは、隣り合う複数の固体酸化物形燃料電池円筒セル233の各燃料極層被接続部233a2に接続されている。
【0084】
本第三実施形態によれば、固体酸化物形燃料電池スタック30は、ベース部材31と、ベース部材31を貫通して該ベース部材31に立設されて、筒状に形成され燃料が流通する燃料極層33a(内側電極層)と、燃料極層33aの外側に積層され酸化剤ガスが流通する空気極層33c(外側電極層)と、燃料極層33aと空気極層33cとの間に積層された電解質層33bと、を備えた複数の固体酸化物形燃料電池円筒セル233(固体酸化物形燃料電池筒状セル)と、複数の固体酸化物形燃料電池円筒セル233を電気的に接続する金属材で形成された複数の接続部材234,334と、を備えた固体酸化物形燃料電池スタックである。固体酸化物形燃料電池円筒セル233は、燃料極層33aに燃料極層被接続部233a1,233a2が形成されるとともに、空気極層33cに外側電極層被接続部が形成されており、接続部材234,334は、互いに隣り合う固体酸化物形燃料電池円筒セル233のうち一方の燃料極層被接続部233a1,233a2または空気極被接続部233c1と電気的に接続される第一接続部234a1,334a1と、互いに隣り合う固体酸化物形燃料電池円筒セル233のうち他方の燃料極層被接続部233a1,233a2または空気極被接続部233c1と電気的に接続される第二接続部234b1,334b1と、第一接続部234a1,334a1と第二接続部234b1,334b1とを連結する連結部234dと、を少なくとも備え、第一接続部234a1,334a1および第二接続部234b1,334b1の少なくともいずれか一方は、被接続部に取り付けられる前後において、一方の内形が固体酸化物形燃料電池円筒セル233の径方向に変形可能な構造となるように形成されている。
これによれば、接続部材234,334の第一接続部234a1,334a1および第二接続部234b1,334b1が固体酸化物形燃料電池円筒セル233の被接続部に取り付けられる前には、第一接続部234a1,334a1および第二接続部234b1,334b1(他の接続部も)の内形寸法を固体酸化物形燃料電池円筒セル233の外形寸法より大きくすることができる。その結果、接続部材234,334を固体酸化物形燃料電池円筒セル233に組み付ける際に、組み付け作業によって生じる固体酸化物形燃料電池円筒セル233の表面の損傷を抑制することができる。さらに、接続部材234,334の第一接続部234a1,334a1および第二接続部234b1,334b1(他の接続部も)が固体酸化物形燃料電池円筒セル233の被接続部に取り付けられた後には、第一接続部234a1,334a1および第二接続部234b1,334b1の各内壁面が各固体酸化物形燃料電池円筒セル233の外壁面にそれぞれ当接可能となる。その結果、接続部材234,334と固体酸化物形燃料電池円筒セル233とは、電気的に直接接続されるか、あるいは導電接続部を介して接続される。すなわち、第一接続部234a1,334a1および第二接続部234b1,334b1と固体酸化物形燃料電池円筒セル233との隙間は小さく低減することができ、導電接続部は従来に比してその厚みを小さく抑制することができる。よって、接続部材234,334と固体酸化物形燃料電池円筒セル233との間の電気抵抗を小さく抑制することができる。したがって、固体酸化物形燃料電池スタックにおいて、固体酸化物形燃料電池円筒セル233と接続部材234,334とを接続するにあたって、組付性と導電性との両立を図ることができる。
【0085】
半円状連結体241は、接続すべき固体酸化物形燃料電池円筒セル233の個数に応じて半円状の把持部を設けるようにしてもよいが、接続すべき固体酸化物形燃料電池円筒セル233の個数より少ない把持部を設けるようにしてもよい。
半円状連結体241を一方のみに設けるのではなく、2つの半円状連結体241により挟持するような構造としてもよい。半円状連結体241の代わりに、上述した半めがね形状部41を複数直列に並べるとともに、反対側にも、上述した半めがね形状部41を複数直列に並べるとともに固体酸化物形燃料電池円筒セル233一個だけ並設方向にずらして互い違いに並べるようにしてもよい。
【0086】
なお、プラス電極用(マイナス電極用)の接続部材の各接続部を、上述した第二実施形態と同様に、断面略C字状に形成して径方向に伸縮可能に形成するようにしてもよい。この場合、複数(例えば3個以上)の接続部は、Ω字状に並べられ連結されている。接続部の各開口部は、接続部の連結方向に沿って伸縮するようになっている。