(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
口金部と、前記口金部に続く芯管部と、前記芯管部を覆うソケットとを有する金属製の継手金具と非金属製のホースとを、前記ホースを前記芯管部に被せ前記ホースの上から前記ソケットを加締めて連結し、前記継手金具の前記口金部を装置側に連結した状態で前記ホースに作用する力を測定する測定装置であって、
前記加締められた前記ソケットの箇所であって互いに間隔をおいた複数箇所に着脱可能に取着される複数の磁石と、
前記複数の磁石の前記ソケットの箇所に取着された箇所と反対側の箇所に取着されたひずみゲージと、
前記ひずみゲージによって検出されるひずみに基づいて前記力を測定する測定部と、
を備えることを特徴とする測定装置。
金属製のベローズの端部に、前記ベローズから突設された金属製のパイプ部と前記パイプ部の端部に設けられた金属製のフランジ部とからなる連結部が設けられ、前記フランジが装置側に連結された状態で前記パイプ部に作用する力を測定する測定装置であって、
前記パイプ部の外周面の互いに間隔をおいた複数箇所に着脱可能に取着される複数の磁石と、
前記複数の磁石の前記パイプ部の外周面に取着された箇所と反対側の箇所に取着されたひずみゲージと、
前記ひずみゲージによって検出されるひずみに基づいて前記力を測定する測定部と、
を備えることを特徴とする測定装置。
【発明を実施するための形態】
【0008】
(第1の実施の形態)
次に本実施の形態の測定装置について説明する。
第1の実施の形態では、継手金具が端部に連結されたホースに作用する力を測定する測定装置の場合について説明する。
まず、継手金具について説明する。
図1に示すように、継手金具10は金属製のニップル12と金属製のソケット14とを備えている。
ニップル12は、同軸上に並べられた口金部16と、ソケット加締め用凹部18と、芯管部20とを備え、それら口金部16、ソケット加締め用凹部18、芯管部20の軸心上に流体送給用の孔22が貫設されている。
口金部16は、機器側に着脱可能に連結される部分であり、同軸上に並べられた基部24とスパナ掛け部26とを備え、本実施の形態では、雄型の口金部16となっている。
基部24は、機器側の雌ねじに結合される箇所であり、その外周面が雄ねじ部2402となっている。
スパナ掛け部26は、基部24の端部に六角柱状に設けられている。
なお、口金部16の構成は様々であり、口金部16の基部24に雄ねじ部2402を設ける代わりに、雌ねじ部を有する袋ナットを基部24に回転可能に設けた雌型の口金部など多種のものが存在するが、本発明は、口金部16の構成の如何に拘わらず、従来公知の様々なニップル12を備える継手金具10に適用可能である。
【0009】
ソケット加締め用凹部18は、口金部16と同軸上に設けられている。
本実施の形態では、基部24と反対に位置するスパナ掛け部26の箇所に対向して鍔部28が設けられ、ソケット加締め用凹部18は、鍔部28とスパナ掛け部26との間に周方向全周に連続して設けられている。
【0010】
芯管部20は、口金部16と反対に位置するソケット加締め用凹部18に繋がる箇所に口金部16と同軸上に設けられホース2の端部が連結される部分である。
なお、図中、符号2002は、芯管部20の軸方向に間隔をおいた複数箇所に周方向全周に連続して形成されたホース抜け止め用の複数の凹部を示す。複数の凹部2002は無くてもよい。また、ホース2の構成は上記の構成に限定されず従来公知の様々な構造のホースであってよい。
【0011】
ソケット14は、磁石が吸着し得る金属製で円筒状を呈している。
ソケット14は、芯管部20上にソケット14が被せられ、ソケット14の口金部16側の端部1402がソケット加締め用凹部18に加締められることでニップル12に取り付けられている。
ソケット14がニップル12に取り付けられた状態で、ソケット14のうち端部1402を除く部分は、芯管部20と同軸上で芯管部20の半径方向外側に位置する筒状部1404となっている。
【0012】
ホース2の端部が挿入される環状空間Sは、芯管部20の外周面と筒状部1404の内周面との間に形成されている。
環状空間Sは、それら芯管部20と筒状部1404の軸方向の一端が開口部とされ、他端は鍔部28とソケット14の端部1402により閉塞されている。
【0013】
ホース2は、ゴム製であり可撓性を有している。
ホース2は、例えば、内面ゴム層と、内面ゴム層の外側に形成された補強層と、補強層の外側に形成された外面ゴム層とを備えている。
環状空間Sにホース2が挿入され、筒状部1404の内側で芯管部20の外周面はホース2の内面ゴム層の内周面に挿入される。
筒状部1404がその半径方向内側に加締められ、これにより、ホース2の内面ゴム層の内周面の全周がニップル12の外周面の全周に密着された状態で継手金具10がホース2に取着される。
なお、本実施の形態では、筒状部1404の軸方向断面形状がほぼ平坦形状となり、筒状部1404の周方向断面形状が円弧状の曲線で接続された多角形状となるフラット加締めによって筒状部1404が加締められる。しかしながら、筒状部1404の加締め方法は、フラット加締めに限定されず、筒状部1404の軸方向断面形状が波形となるウェーブ加締めなど従来公知の様々な加締め方法が使用可能である。
また、ホース2は、ゴム製の他、合成樹脂製であってもよく、ホース2として従来公知の様々な材料を用いたものが使用可能である。
また、
図1、
図4において、符号1410は筒状部1404が加締められた箇所を示し、符号1412は筒状部1404が加締められていない箇所を示す。
これによりホース2と継手金具10の組立体が得られる。
【0014】
次に、測定装置について説明する。
図2、
図3に示すように、測定装置30は、ひずみゲージ32と、複数の磁石34と、制御装置36と、警報装置38とを含んで構成されている。
図3に示すように、ひずみゲージ32は、3軸ゲージで構成されており、ゲージベース40と、第1〜第3のひずみ受感部42A、42B、42Cとを備えている。
ゲージベース40は、弾性変形可能な薄い平板状を呈しており、本実施の形態では、正方形板状を呈している。
第1のひずみ受感部42Aと第2のひずみ受感部42Bとは、互いの検出方向が直交するようにゲージベース40の上面に形成されており、第3のひずみ受感部42Cは、その検出方向が第1、第2のひずみ受感部42A、42Bの検出方向に対して45度の角度で交差するようにゲージベース40の上面に形成されている。
本実施の形態では、ゲージベース40の互いに直交する2辺のうちの一方の辺と第1のひずみ受感部42Aの検出方向とが平行し、他方の辺と第2のひずみ受感部42Bの検出方向とが平行している。
【0015】
図3、
図5、
図6に示すように、複数の磁石34は、同形同大の立方体状を呈し、底面3402と、底面3402の四辺から起立する4つの側面3404と、4つの側面3404の上端を接続する上面3406とを備え、本実施の形態では、複数の磁石34は8つの磁石34で構成されている。
各磁石34は、それらの上面3406が接着剤あるいは両面粘着テープを介してゲージベース40の下面に重ね合わされて接着されている。
したがって、8つの磁石34は、ひずみゲージ32に一体的に取着されている。
本実施の形態では、平面視した場合、8つの磁石34は、ゲージベース40の四隅の4箇所と、ゲージベース40の四辺の中間部の4箇所とにそれぞれ配置されている。
各磁石34は、ゲージベース40の4辺に対して4つの側面3404をそれぞれ平行させて互いに間隔をおいて配置され、ゲージベース40の四辺に沿って隣り合う磁石34同士の間隔は全て同一となっている。
【0016】
8つの磁石34は、
図4〜
図6に示すように、加締められたソケット14の箇所1410であって互いに間隔をおいた複数箇所に着脱可能に取着される。
すなわち、ひずみゲージ32は、8つの磁石34のソケット14の箇所1410に取着された箇所と反対側の箇所に取着されている。
本実施の形態では、第1のひずみ受感部42Aの検出方向がソケット14の軸方向に沿うと共に、第2のひずみ受感部42Bの検出方向がソケット14の周方向に沿うように、8つの磁石34がソケット14の箇所1410に取着される。
したがって、ソケット14に対してホース2から応力が作用すると、ソケット14は曲げ方向、捻じり方向、あるいはそれら2方向と交差する方向にひずむため、そのひずみに追従して各磁石34も変位する。これにより、各磁石34からゲージベース40に応力が作用してゲージベース40にひずみが発生する。
なお、ソケット14の曲げ方向とはソケット14の軸線を曲げる方向をいい、ソケット14の捻じり方向とはソケット14の周方向をいう。
ゲージベース40のひずみは、第1〜第3のひずみ受感部42A、42B、42Cにより検出される。
すなわち、ソケット14に生じるひずみの方向の如何に拘わらず、第1〜第3のひずみ受感部42A、42B、42Cの何れか、あるいは、全てによってひずみが検出される。
【0017】
制御装置36は、CPUと、制御プログラムなどを格納するROMと、ワーキングエリアを提供するRAMと、インターフェース部などがバスによって接続されたマイクロコンピュータによって構成されている。
インターフェース部は、第1〜第3のひずみ受感部42A、42B、42Cとの間でインターフェースをとると共に、警報装置38との間でインターフェースをとるものである。
CPUは、制御プログラムを実行することにより、測定部44と、判定部46と、報知部48を実現する。
【0018】
測定部44は、ひずみゲージ32によって検出されるひずみに基づいて力を測定するものである。
本実施の形態では、測定部44は、第1〜第3のひずみ受感部42A、42B、42Cでそれぞれ検出されたひずみに基づいて、ソケット14に作用する力の方向を曲げ方向と捻じり方向との2つに分解して、それぞれの方向に作用する力の大きさを測定する。
【0019】
判定部46は、測定された力が予め定められたしきい値を超えたか否かを判定するものである。
本実施の形態では、曲げ方向の力に対応する第1のしきい値と、捻じり方向の力に対応する第2のしきい値とが予め設定されている。
【0020】
報知部48は、判定部46により測定された力がしきい値を超えた場合に警報装置38を制御して警報を報知するものである。
本実施の形態では、曲げ方向の力が第1のしきい値を超えるという条件、および、捻じり方向の力が第2のしきい値を超えるという条件の2つの条件の少なくとも1つの条件が満たされた場合に、報知部48は、警報装置38に対して警報の報知を実行させるための警報情報を供給する。
具体的には、報知部48は、曲げ方向の力が第1のしきい値を超えた場合には第1の警報情報を警報装置38に供給し、捻じり方向の力が第2のしきい値を超えた場合には第2の警報情報を警報装置38に供給する。また、報知部48は、曲げ方向の力が第1のしきい値を超え、かつ、捻じり方向の力が第2のしきい値を超えた場合には第3の警報情報を警報装置38に供給する。
【0021】
本実施の形態では、警報装置38は、警報音を発生するスピーカー、点灯あるいは点滅することで警報を報知する警告灯、文字やアイコンによる警告表示を行なうディスプレイの少なくとも1つを備えている。
警報装置38は、報知部48から供給された第1〜第3の警報情報に対応してそれぞれ異なる警報を報知する。
例えば、第1〜第3の警報情報に対応してスピーカーから3種類の異なる警報音を発生する。あるいは、第1〜第3の警報情報に対応して3種類の異なる点灯色で警告灯を点灯させる。あるいは、第1〜第3の警報情報に対応して何れの方向の力がしきい値を超えたのかをディスプレイにより文字やアイコンで警告表示させる。
なお、このような音声、点灯色、文字やアイコンなどの形態は上述のものに限定されず従来公知の様々な形態が使用可能である。
【0022】
次に、測定装置30の使用方法について
図8のフローチャートを参照して説明する。
まず、
図7に示すように、作業者は、ホース2の一端に連結された継手金具10の口金部16を装置50側の継手金具52に連結する(ステップS10)。
次いで、
図4〜
図6に示すように、作業者は、ひずみゲージ32が取着された複数の磁石34をソケット14の加締められた箇所1410に取着する(ステップS12)。
複数の磁石34のソケット14の加締められた箇所1410への取着は、第1のひずみ受感部42Aの検出方向をソケット14の軸方向に沿わせると共に、第2のひずみ受感部42Bの検出方向をソケット14の周方向に沿わせた状態で行なう。
次に、作業者は、ホース2の他端を引き回して他の装置に連結するなどの配管作業を行なう(ステップS14)。
この際、配管作業に伴って、曲げ方向の力や捻じり方向の力がホース2に作用し、それらの力がホース2からソケット14に伝達され、ソケット14の加締められた箇所1410にひずみが発生する。
【0023】
測定部44は、ひずみゲージ32で測定されたひずみに応じてソケット14の箇所に作用する力を測定する(ステップS16)。
判定部46は、測定された力がしきい値を超えたか否かを判定する(ステップS18)。測定された力がしきい値を超えていなければ、ステップS16に戻る。
測定された力がしきい値を超えていれば、判定結果に応じた警報情報を警報装置38に供給する(ステップS20)。
すなわち、測定された曲げ方向の力が第1のしきい値を超えたと判定した場合は、第1の警報情報を警報装置38に供給し、測定された捻じり方向の力が第2のしきい値を超えたと判定した場合は第2の警報情報を警報装置38に供給する。また、測定された曲げ方向の力が第1のしきい値を超え、かつ、測定された捻じり方向の力が第2のしきい値を超えたと判定した場合は第3の警報情報を警報装置38に供給する。
警報装置38は、供給された警報情報に応じて警報を報知し(ステップS22)、ステップS16に戻る。
【0024】
したがって、配管作業中に警報装置38から警報が報知されなかった場合は、作業者は、ホース2に加わる力がしきい値を下回っており、配管作業が適切になされたことを認識することができる。
また、配管作業中に警報装置38から警報が報知された場合は、作業者は、ホース2に加わる曲げ方向、あるいは、捻じり方向の力が過大であることを認識し、ホース2に加わる曲げ方向、あるいは、捻じり方向の力が軽減されるようにホース2の引き回しをやりなおす。
ホース2の引き回しをやり直すことで、ホース2に加わる力がしきい値を下回ると、警報装置38からの警報の報知が停止されるため、作業者は、配管作業が適切になされたことを認識することができる。
【0025】
以上説明したように、本実施の形態によれば、加締められたソケット14の互いに間隔をおいた複数箇所に複数の磁石34を取着し、複数の磁石34のソケット14の箇所1410に取着された箇所と反対側の箇所に取着されたひずみゲージ32によって検出されるひずみに基づいてホース2に作用する力を測定するようにした。
したがって、ホース2の長さの長短の如何に拘わらず、ホース2に作用する力を簡単かつ確実に測定することができ、ホース2に無理な力が作用しないように配管作業を行なう上で有利となる。
そのため、ホース2および各継手金具10に対して無理な力が加わり続けることがなく、ホース2および継手金具10の耐久性の向上を図る上で有利となる。
また、従来のように、ホース2の外周面に印刷されているホース2の品番やメーカー名などの文字の変形度合いを目安にしてホース2に無理な力が加わらないように注意を払いつつ配管作業を行う必要がない。
そのため、ホース2を配管する場所が狭く、ホース2の外周面の文字を視認し難い場合であっても、ホース2に無理な力がかからないように配管作業を行なうことができ、配管作業の効率化を図る上で有利となる。
【0026】
また、本実施の形態では、ひずみゲージ32は、ゲージベース40と、ゲージベース40に設けられたひずみ受感部42A、42B、42Cとを備え、ゲージベース40が複数の磁石34の前記反対側の箇所に取着されるので、ひずみゲージ32の複数の磁石34への取着を簡単かつ確実に行なう上で有利となる。
【0027】
また、本実施の形態では、ひずみゲージ32を3軸ゲージとしたので、加締められたソケット14の箇所1410にホース2から作用する曲げ方向および捻じり方向の力をそれぞれ個別に測定することができる。
したがって、ホース2に作用する力の方向を認識して配管作業を行なうことができるため、ホース2に無理な力がかからないように配管作業を行なう上でより有利となり、配管作業の効率化を図る上でより一層有利となる。
なお、ひずみゲージ32は、互いに検出方向が90度異なる2つのひずみ受感部を備えていれば、加締められたソケット14の箇所1410にホース2から作用する曲げ方向および捻じり方向の力をそれぞれ個別に測定することができる。
しかしながら、本実施の形態のようにひずみゲージ32を3軸ゲージで構成すれば、加締められたソケット14の箇所1410にホース2から作用する様々な方向の力を測定することができ、ホース2に作用する力を正確に測定する上でより一層有利となる。そのため、ホース2に無理な力がかからないように配管作業を行なう上でより一層有利となり、配管作業の効率化を図る上でより一層有利となる。
【0028】
また、本実施の形態では、測定された力が予め定められたしきい値を超えた場合に警報装置38から警報を報知するようにしたので、作業者に対してホース2に無理な力が作用しているか否かを簡単かつ確実に報知できる。
したがって、ホース2に無理な力がかからないように配管作業を行なう上でより有利となり、配管作業の効率化を図る上でより一層有利となる。
【0029】
なお、実施の形態では、測定装置30が判定部46、報知部48、警報装置38を備えるものである場合について説明した。
しかしながら、これら判定部46、報知部48、警報装置38を省き、測定部44で測定されたホース2に加わる力を数値で表示する表示部を設けるようにしてもよい。
この場合、作業者は表示部に表示される数値をリアルタイムで視認することができるため、ホース2に無理な力が作用しないように配管作業を行なう上で有利となる。
しかしながら、本実施の形態のようにすれば、作業者は、警報装置38から報知される警報に注意を払うだけで済むため、作業性の向上を図る上でより有利となる。
【0030】
(第2の実施の形態)
次に、第2の実施の形態について
図9を参照して説明する。
第2の実施の形態は、測定装置30が金属製のパイプ54の端部5402が装置50側に連結された状態でパイプ54に作用する力を測定する点が第1の実施の形態と異なっている。
なお、以下の実施の形態では、第1の実施の形態と同様の部分、部材については第1の実施の形態と同一の符号を付してその説明を省略する。
図9に示すように、パイプ54は、磁石34が吸着し得る金属製である。
パイプ54の端部5402には、連結部56を構成する金属製のフランジ部5602が設けられている。
フランジ部5602は、例えば環板状を呈し、周方向に間隔をおいて不図示の複数のねじ挿通孔がフランジ部5602の厚さ方向に貫通形成されている。
フランジ部5602のパイプ54と反対側には環板状のパイプ側取り付け面5604が形成されている。
装置50には、パイプ54との間で流体を流通させるための不図示の開口と、この開口の周囲に形成されフランジ部5602と連結するための環板状の取付座58とが設けられている。
取付座58には、前記の各ねじ挿通孔に対応した箇所に不図示のねじ孔が形成されている。
パイプ54は、パイプ側取り付け面5604を環板状のシール部材60を介して装置50側の取付座58に重ね合わせた状態で、前記の各ねじ挿通孔を挿通したねじ62が前記ねじ孔に螺合することで装置50側と連結される。
【0031】
図2を流用して説明すると、第1の実施の形態と同様に、測定装置30は、複数の磁石34、ひずみゲージ32と、制御装置36と、警報装置38とを含んで構成されている。
図9に示すように、複数の磁石34は、連結部56の近傍のパイプ54の外周面5410の互いに間隔をおいた複数箇所に着脱可能に取着され、第1の実施の形態と同様に8つの磁石34で構成されている。
ひずみゲージ32は、第1の実施の形態と同様に3軸ゲージで構成されており、8つの磁石34のパイプ54の外周面5410に取着された箇所と反対側の箇所に取着されている。
本実施の形態では、第1のひずみ受感部42Aの検出方向がパイプ54の軸方向に沿うと共に、第2のひずみ受感部42Bの検出方向がパイプ54の周方向に沿うように、8つの磁石34がパイプ54の外周面5410の箇所に取着される。
制御装置36、警報装置38は、第1の実施の形態と同様に構成されている。
【0032】
次に、測定装置30の使用方法について
図10のフローチャートを参照して説明する。
まず、作業者は、パイプ54の連結部56を装置50側の取付座58に連結する(ステップS30)。
次いで、作業者は、ひずみゲージ32が取着された複数の磁石34を連結部56の近傍のパイプ54の外周面5410の互いに間隔をおいた複数箇所に取着する(ステップS32)。
複数の磁石34の連結部56の近傍のパイプ54の外周面5410の箇所への取着は、第1のひずみ受感部42Aの検出方向をパイプ54の軸方向に沿わせると共に、第2のひずみ受感部42Bの検出方向をパイプ54の周方向に沿わせた状態で行なう。
次に、作業者は、パイプ54の他端を他の装置に連結するなどの配管作業を行なう(ステップS34)。
この際、配管作業に伴って、曲げ方向の力や捻じり方向の力がパイプ54に作用し、それらの力が連結部56の近傍のパイプ54に伝達され、連結部56の近傍のパイプ54の外周面5410の箇所にひずみが発生する。
【0033】
測定部44は、ひずみゲージ32で測定されたひずみに応じてパイプ54の外周面5410の箇所に作用する力を測定する(ステップS36)。
判定部46は、測定された力がしきい値を超えたか否かを判定する(ステップS38)。測定された力がしきい値を超えていなければ、ステップS36に戻る。
測定された力がしきい値を超えていれば、判定結果に応じた警報情報を警報装置38に供給する(ステップS40)。なお、警報情報は、第1の実施の形態と同様に第1〜第3の警報情報で構成されている。
警報装置38は、供給された警報情報に応じて警報を報知し(ステップS42)、ステップS36に戻る。
【0034】
したがって、配管作業中に警報装置38から警報が報知されなかった場合は、作業者は、パイプ54に加わる力がしきい値を下回っており、配管作業が適切になされたことを認識することができる。
また、配管作業中に警報装置38から警報が報知された場合は、作業者は、パイプ54に加わる曲げ方向、あるいは、捻じり方向の力が過大であることを認識し、パイプ54に加わる曲げ方向、あるいは、捻じり方向の力が軽減されるように配管作業をやりなおす。
パイプ54の配管作業をやり直すことで、パイプ54に加わる力がしきい値を下回ると、警報装置38からの警報の報知が停止されるため、作業者は、配管作業が適切になされたことを認識することができる。
【0035】
以上説明したように、第2の実施の形態によれば、連結部56近傍のパイプ54の外周面5410の互いに間隔をおいた複数箇所に複数の磁石34を取着し、複数の磁石34のパイプ54の外周面5410に取着された箇所と反対側の箇所に取着されたひずみゲージ32によって検出されるひずみに基づいてパイプ54に作用する力を測定するようにした。
したがって、パイプ54に作用する力を簡単かつ確実に測定することができ、パイプ54に無理な力が作用しないように配管作業を行なう上で有利となる。
そのため、パイプ54および連結部56に対して無理な力が加わり続けることがなく、パイプ54および連結部56の耐久性の向上を図る上で有利となる。
【0036】
また、第2の実施の形態においても、第1の実施の形態と同様に、ひずみゲージ32は、ゲージベース40と、ゲージベース40に設けられたひずみ受感部42A、42B、42Cとを備え、ゲージベース40が複数の磁石34の前記反対側の箇所に取着されるので、ひずみゲージ32の複数の磁石34への取着を簡単かつ確実に行なう上で有利となる。
【0037】
また、第2の実施の形態においても、第1の実施の形態と同様に、ひずみゲージ32を3軸ゲージとしたので、連結部56近傍のパイプ54の外周面5410の箇所にパイプ54から作用する曲げ方向および捻じり方向の力をそれぞれ個別に測定することができる。
したがって、パイプ54に作用する力の方向を認識して配管作業を行なうことができるため、パイプ54に無理な力がかからないように配管作業を行なう上でより有利となり、配管作業の効率化を図る上でより一層有利となる。
なお、ひずみゲージ32は、互いに検出方向が90度異なる2つのひずみ受感部を備えていれば、連結部56近傍のパイプ54の外周面5410の箇所にパイプ54から作用する曲げ方向および捻じり方向の力をそれぞれ個別に測定することができる。
しかしながら、本実施の形態のようにひずみゲージ32を3軸ゲージで構成すれば、連結部56近傍のパイプ54の外周面5410の箇所にパイプ54から作用する様々な方向の力を測定することができ、パイプ54に作用する力を正確に測定する上でより一層有利となる。そのため、パイプ54に無理な力がかからないように配管作業を行なう上でより一層有利となり、配管作業の効率化を図る上でより一層有利となる。
【0038】
また、第2の実施の形態においても、第1の実施の形態と同様に、測定された力が予め定められたしきい値を超えた場合に警報装置38から警報を報知するようにしたので、作業者に対してパイプ54に無理な力が作用しているか否かを簡単かつ確実に報知できる。
したがって、パイプ54に無理な力がかからないように配管作業を行なう上でより有利となり、配管作業の効率化を図る上でより一層有利となる。
【0039】
なお、第2の実施の形態において、判定部46、報知部48、警報装置38を省き、測定部44で測定されたパイプ54に加わる力を数値で表示する表示部を設けるようにしてもよいが、第2の実施の形態のようにすれば、作業者は、警報装置38から報知される警報に注意を払うだけで済むため、作業性の向上を図る上でより有利となる。
【0040】
(第3の実施の形態)
次に、第3の実施の形態について
図11を参照して説明する。
第3の実施の形態は、測定装置30が金属製のベローズ66の端部に設けられた連結部70を装置50側に連結した状態でベローズ66に作用する力を測定する点が第1の実施の形態と異なっている。
図11に示すように、可撓管64は、ベローズ66と、ブレードカバー68と、連結部70とを含んで構成されている。
ベローズ66は、金属製であり、伸縮自在で可撓性を有する蛇腹円筒状を呈するベローズ本体6602と、ベローズ本体6602の両端に接続された均一外径の円筒部6604とを備えている。
円筒部6604の両端は、円筒部6604の内周側に位置する内側リング72と、円筒部6604の外周側に位置する外側リング74とで挟まれ、それら円筒部6604の両端と、内側リング72と、外側リング74とは抵抗溶接により一体的に接合されている。
ブレードカバー68は、金属製のワイヤーを編組した円筒状を呈し、ベローズ本体6602の外周の全域をベローズ66の全長にわたって覆っており、可撓性を有している。
ブレードカバー68は、それらの両端が各外側リング74の外周面に対して加締めリング76を介して加締め固定されることでベローズ66に取着され、ブレードカバー68は、ベローズ本体6602の外周面に対して離間して配置されている。
【0041】
連結部70は、ベローズ66の両端にそれぞれ設けられ、パイプ部7002と、フランジ部7004とを備えている。
パイプ部7002は、磁石34が吸着し得る金属製であり、ベローズ66の両端の円筒部6604から突設された円筒状を呈している。
詳細には、パイプ部7002は、内側リング72および外側リング74が溶接されたベローズ66の円筒部6604に対して溶接されることでベローズ66に一体的に接合されている。
フランジ部7004は、金属製であり、パイプ部7002の端部に設けられている。
フランジ部7004は、例えば環板状を呈し、周方向に間隔をおいて不図示の複数のねじ挿通孔がフランジ部7004の厚さ方向に貫通形成されている。
フランジ部7004のパイプ部7002と反対側には環板状の可撓管側取り付け面7010が形成されている。
装置50には、可撓管64との間で流体を流通させるための不図示の開口と、この開口の周囲に形成されフランジ部7004と連結するための環板状の取付座78とが設けられている。
取付座78には、前記の各ねじ挿通孔に対応した箇所に不図示のねじ孔が形成されている。
可撓管64は、可撓管側取り付け面7010を環板状のシール部材80を介して装置50側の取付座78に重ね合わせた状態で、各ねじ挿通孔を挿通したねじ82がねじ孔に螺合することで装置50側と連結される。
【0042】
図2を流用して説明すると、第1の実施の形態と同様に、測定装置30は、複数の磁石34、ひずみゲージ32と、制御装置36と、警報装置38とを含んで構成されている。
複数の磁石34は、パイプ部7002の外周面の互いに間隔をおいた複数箇所に着脱可能に取着され、第1の実施の形態と同様に8つの磁石34で構成されている。
ひずみゲージ32は、第1の実施の形態と同様に3軸ゲージで構成され、8つの磁石34のパイプ部7002の外周面7020に取着された箇所と反対側の箇所に取着されている。
本実施の形態では、第1のひずみ受感部42Aの検出方向がパイプ部7002の軸方向に沿うと共に、第2のひずみ受感部42Bの検出方向がパイプ部7002の周方向に沿うように、8つの磁石34がパイプ部7002の外周面7020の箇所に取着される。
制御装置36、警報装置38は、第1の実施の形態と同様に構成されている。
【0043】
次に、測定装置30の使用方法について
図12のフローチャートを参照して説明する。
まず、
図12に示すように、作業者は、可撓管64の一方の端部の連結部70のフランジ部7004を装置50側の取付座78に連結する(ステップS50)。
次いで、作業者は、ひずみゲージ32が取着された複数の磁石34をパイプ部7002の外周面7020の互いに間隔をおいた複数箇所に取着する(ステップS52)。
複数の磁石34のパイプ部7002の外周面7020の箇所への取着は、第1のひずみ受感部42Aの検出方向をパイプ部7002の軸方向に沿わせると共に、第2のひずみ受感部42Bの検出方向をパイプ部7002の周方向に沿わせた状態で行なう。
【0044】
次に、作業者は、可撓管64の他方の端部の連結部70を可撓管64とは別のパイプあるいは他の装置に連結するなどの配管作業を行なう(ステップS54)。なお、
図11では、可撓管64の他方の端部の連結部70のフランジ部7004を可撓管64とは別のパイプ84のフランジ部8402にシール部材80を介して連結した場合を例示している。
この際、配管作業に伴って、曲げ方向の力や捻じり方向の力がベローズ66に作用し、それらの力によりパイプ部7002の外周面7020の箇所にひずみが発生する。
この際、配管作業に伴って、曲げ方向の力や捻じり方向の力がベローズ66に作用し、それらの力がパイプ部7002に伝達され、パイプ部7002の外周面7020の箇所にひずみが発生する。
【0045】
測定部44は、ひずみゲージ32で測定されたひずみに応じてパイプ部7002の外周面7020の箇所に作用する力を測定する(ステップS56)。
判定部46は、測定された力がしきい値を超えたか否かを判定する(ステップS58)。測定された力がしきい値を超えていなければ、ステップS56に戻る。
測定された力がしきい値を超えていれば、判定結果に応じた警報情報を警報装置38に供給する(ステップS60)。なお、警報情報は、第1の実施の形態と同様に第1〜第3の警報情報で構成されている。
警報装置38は、供給された警報情報に応じて警報を報知し(ステップS62)、ステップS56に戻る。
【0046】
したがって、配管作業中に警報装置38から警報が報知されなかった場合は、作業者は、ベローズ66に加わる力がしきい値を下回っており、配管作業が適切になされたことを認識することができる。
また、配管作業中に警報装置38から警報が報知された場合は、作業者は、ベローズ66に加わる曲げ方向、あるいは、捻じり方向の力が過大であることを認識し、ベローズ66に加わる曲げ方向、あるいは、捻じり方向の力が軽減されるように配管作業をやりなおす。
可撓管64の配管作業をやり直すことで、ベローズ66に加わる力がしきい値を下回ると、警報装置38からの警報の報知が停止されるため、作業者は、配管作業が適切になされたことを認識することができる。
【0047】
以上説明したように、第3の実施の形態によれば、パイプ部7002の外周面7020の互いに間隔をおいた複数箇所に複数の磁石34を取着し、複数の磁石34のパイプ部7002の外周面7020に取着された箇所と反対側の箇所に取着されたひずみゲージ32によって検出されるひずみに基づいてベローズ66に作用する力を測定するようにした。
したがって、ベローズ66に作用する力を簡単かつ確実に測定することができ、ベローズ66に無理な力が作用しないように配管作業を行なう上で有利となる。
そのため、ベローズ66および連結部70に対して無理な力が加わり続けることがなく、可撓管64におけるベローズ66および連結部70の耐久性の向上を図る上で有利となる。
【0048】
また、第3の実施の形態においても、第1、第2の実施の形態と同様に、ひずみゲージ32は、ゲージベース40と、ゲージベース40に設けられたひずみ受感部42A、42B、42Cとを備え、ゲージベース40が複数の磁石34の前記反対側の箇所に取着されるので、ひずみゲージ32の複数の磁石34への取着を簡単かつ確実に行なう上で有利となる。
【0049】
また、第3の実施の形態においても、第1、第2の実施の形態と同様に、ひずみゲージ32を3軸ゲージとしたので、パイプ部7002の外周面7020の箇所にベローズ66から作用する曲げ方向および捻じり方向の力をそれぞれ個別に測定することができる。
したがって、ベローズ66に作用する力の方向を認識して配管作業を行なうことができるため、ベローズ66に無理な力がかからないように配管作業を行なう上でより有利となり、配管作業の効率化を図る上でより一層有利となる。
なお、ひずみゲージ32は、互いに検出方向が90度異なる2つのひずみ受感部を備えていれば、パイプ部7002の外周面7020の箇所にベローズ66から作用する曲げ方向および捻じり方向の力をそれぞれ個別に測定することができる。
しかしながら、本実施の形態のようにひずみゲージ32を3軸ゲージで構成すれば、パイプ部7002の外周面7020の箇所にベローズ66から作用する様々な方向の力を測定することができ、ベローズ66に作用する力を正確に測定する上でより一層有利となる。そのため、ベローズ66に無理な力がかからないように配管作業を行なう上でより一層有利となり、配管作業の効率化を図る上でより一層有利となる。
【0050】
また、第3の実施の形態においても、第1、第2の実施の形態と同様に、測定された力が予め定められたしきい値を超えた場合に警報装置38から警報を報知するようにしたので、作業者に対してベローズ66に無理な力が作用しているか否かを簡単かつ確実に報知できる。
したがって、ベローズ66に無理な力がかからないように配管作業を行なう上でより有利となり、配管作業の効率化を図る上でより一層有利となる。
【0051】
なお、第3の実施の形態において、判定部46、報知部48、警報装置38を省き、測定部44で測定されたベローズ66に加わる力を数値で表示する表示部を設けるようにしてもよいが、第3の実施の形態のようにすれば、作業者は、警報装置38から報知される警報に注意を払うだけで済むため、作業性の向上を図る上でより有利となる。