特許第6384230号(P6384230)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6384230楽音制御装置、電子楽器、楽音制御方法及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6384230
(24)【登録日】2018年8月17日
(45)【発行日】2018年9月5日
(54)【発明の名称】楽音制御装置、電子楽器、楽音制御方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G10H 1/18 20060101AFI20180827BHJP
   H04R 3/00 20060101ALI20180827BHJP
【FI】
   G10H1/18 Z
   H04R3/00
【請求項の数】8
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2014-191834(P2014-191834)
(22)【出願日】2014年9月19日
(65)【公開番号】特開2016-62037(P2016-62037A)
(43)【公開日】2016年4月25日
【審査請求日】2017年9月8日
(73)【特許権者】
【識別番号】000001443
【氏名又は名称】カシオ計算機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100106002
【弁理士】
【氏名又は名称】正林 真之
(74)【代理人】
【識別番号】100120891
【弁理士】
【氏名又は名称】林 一好
(74)【代理人】
【識別番号】100126000
【弁理士】
【氏名又は名称】岩池 満
(72)【発明者】
【氏名】森山 修
【審査官】 上田 雄
(56)【参考文献】
【文献】 特開2004−212763(JP,A)
【文献】 特開平07−121174(JP,A)
【文献】 特開2008−083625(JP,A)
【文献】 特開平08−292767(JP,A)
【文献】 特開昭59−22410(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G10H 1/00−7/12
H04R 3/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基準位置を含む予め定められた操作範囲内で移動可能な操作子と、
前記操作範囲のうち前記基準位置から一の方向の側にある範囲に前記操作子が操作されている場合に、前記操作子の前記一の方向への操作に対応して、前記操作子に割り当てられているパラメータの値を変化させると共に、前記一の方向とは異なる他の方向への操作に対しては、前記パラメータの値を変化させないように制御するパラメータ制御手段と、
を備える楽音制御装置。
【請求項2】
前記パラメータ制御手段は、前記操作子により前記基準位置を跨ぐ操作が行われた際に、前記操作子が前記基準位置で予め設定された時間以上停止していない場合は、当該基準位置を跨いだ以降の操作に対して、前記パラメータの値が変化しないように制御する、請求項1に記載の楽音制御装置。
【請求項3】
前記パラメータ制御手段は、前記操作子により前記基準位置を跨ぐ操作が行われた際に、前記操作子をいずれか一方の方向に操作させた後、任意の位置で設定された時間以上停止していない場合は、当該操作とは反対の方向への操作に対して、前記パラメータの値を変化させない一方、前記任意の位置で前記設定された時間以上停止させた場合は、前記基準位置を跨いだ以降の操作に対して、前記パラメータの値を変化させるように制御する、請求項1に記載の楽音制御装置。
【請求項4】
前記パラメータ制御手段は、前記操作子が前記基準位置を含む予め設定された範囲に停止された場合、前記基準位置で停止されたと判定する、請求項1または2に記載の楽音制御装置。
【請求項5】
前記パラメータ制御手段は、前記範囲の大きさを前記操作子の操作状態に応じて変化させる、請求項4に記載の楽音制御装置。
【請求項6】
請求項1から5のいずれかに記載の楽音制御装置と、
前記楽音制御装置によって制御された楽音を出力する楽音出力手段と、
を備える電子楽器。
【請求項7】
基準位置を含む予め定められた操作範囲内で移動可能な操作子を備える楽音制御装置に用いられる楽音制御方法であって、前記楽音制御装置は、
前記操作範囲のうち前記基準位置から一の方向の側にある範囲に前記操作子が操作されている場合に、前記操作子の前記一の方向への操作に対応して、前記操作子に割り当てられているパラメータの値を変化させると共に、前記一の方向とは異なる他の方向への操作に対しては、前記パラメータの値を変化させないように制御する、楽音制御方法。
【請求項8】
基準位置を含む予め定められた操作範囲内で移動可能な操作子を備える楽音制御装置として用いられるコンピュータに、
前記操作範囲のうち前記基準位置から一の方向の側にある範囲に前記操作子が操作されている場合に、前記操作子の前記一の方向への操作に対応して、前記操作子に割り当てられているパラメータの値を変化させると共に、前記一の方向とは異なる他の方向への操作に対しては、前記パラメータの値を変化させないように制御するパラメータ制御ステップを実行させる、プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、楽音制御装置、電子楽器、楽音制御方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、シンセサイザーやミキサー等の楽音制御装置において、スライダーや回転ボリューム等の操作子によって、使用されるパラメータを調整可能なものが知られている。
また、このような楽音制御装置において、共通の操作子によって、複数種類のパラメータを調整可能としたものがある。
例えば、特許文献1に記載されたパラメータ編集装置では、表示された複数種類のパラメータのうち、選択された種類のパラメータを、操作が検出された操作子に割り当て、検出された操作に応じて、割り当てられた種類のパラメータの値を変更させている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平03-126074号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、極性を有する操作子(即ち、回転角度に制限のある回転操作子やスライダー等の操作子)によってパラメータを調整する場合、操作子が可動範囲内において指し示している値にパラメータの値が設定される。そのため、操作子に割り当てるパラメータを切り替えた際に、操作子が指し示している値にパラメータの設定値(音量等)が急激に変化する状況が発生し得る。
なお、極性を有さない操作子(ロータリーエンコーダーを備える無限回転可能な操作子等)は、実装コストが高くなることから容易には採用できない。
即ち、従来の技術においては、複数種類のパラメータを共通の操作子で適切に操作する機能を低コストに実現することが困難であった。
【0005】
本発明は、このような状況に鑑みてなされたものであり、複数種類のパラメータを共通の操作子で適切に操作する機能を低コストに実現することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、本発明の一態様の楽音制御装置は、
基準位置を含む予め定められた操作範囲内で移動可能な操作子と、
前記操作範囲のうち前記基準位置から一の方向の側にある範囲に前記操作子が操作されている場合に、前記操作子の前記一の方向への操作に対応して、前記操作子に割り当てられているパラメータの値を変化させると共に、前記一の方向とは異なる他の方向への操作に対しては、前記パラメータの値を変化させないように制御するパラメータ制御手段と、
を備える。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、複数種類のパラメータを共通の操作子で適切に操作する機能を低コストに実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明の一実施形態に係る楽音制御装置の外観構成を示す模式図である。
図2】本発明の一実施形態に係る楽音制御装置のハードウェアの構成を示すブロック図である。
図3】回転操作子の機能を示す模式図であり、図3(A)は回転操作子の回転範囲を示す図、図3(B)は回転操作子が操作された状態の一例を示す模式図である。
図4】CPUが実行するメインフローの流れを説明するフローチャートである。
図5】第1実施形態における回転操作子の周期処理の流れを説明するフローチャートである。
図6】第2実施形態における回転操作子の周期処理の流れを説明するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施形態について、図面を用いて説明する。
[第1実施形態]
[構成]
図1は、本発明の一実施形態に係る楽音制御装置1の外観構成を示す模式図である。
また、図2は、本発明の一実施形態に係る楽音制御装置1のハードウェアの構成を示すブロック図である。
楽音制御装置1は、例えば楽音にスクラッチ操作を行ったり、エフェクトを付与したりする、いわゆるターンテーブルやDJミキサーの機能を電子的な処理で実現した電子機器である。
図1及び図2において、楽音制御装置1は、CPU(Central Processing Unit)11と、ROM(Read Only Memory)12と、RAM(Random Access Memory)13と、バス14と、入出力インターフェース15と、外部インターフェース部16と、入力部17と、出力部18と、記憶部19と、通信部20と、ドライブ21と、を備えている。
【0010】
CPU11は、ROM12に記録されているプログラム、または、記憶部19からRAM13にロードされたプログラムに従って各種の処理を実行する。
【0011】
RAM13には、CPU11が各種の処理を実行する上において必要なデータ等も適宜記憶される。
【0012】
CPU11、ROM12及びRAM13は、バス14を介して相互に接続されている。このバス14にはまた、入出力インターフェース15も接続されている。入出力インターフェース15には、外部インターフェース部16、入力部17、出力部18、記憶部19、通信部20及びドライブ21が接続されている。
【0013】
外部インターフェース部16は、USB(Universal Serial Bus)あるいはMIDI(Musical Instrument Digital Interface)等の入出力ポートを備え、外部機器との信号の入出力を制御する。
【0014】
入力部17は、回転操作子(ノブ)、スライダー、ボタン及びパッド等で構成され、ユーザの指示操作に応じて各種情報を入力する。具体的には、入力部17は、図1に示すように、エフェクトの強さや種類等、各種パラメータを設定するための回転操作子17aと、回転操作子17aに割り当てるパラメータを選択するための選択ボタン17bとを含んでいる。
図3は、回転操作子17aの機能を示す模式図であり、図3(A)は回転操作子17aの回転範囲を示す図、図3(B)は回転操作子17aが操作された状態の一例を示す模式図である。
図3(A)に示すように、回転操作子17aは、極性を有する回転操作子によって構成され、回転範囲の上限及び下限を有している。即ち、回転操作子17aは、予め定められた操作範囲内で移動可能である。この操作範囲には、中央位置等の基準位置を設定することができる。また、回転操作子17aは、割り当てられたパラメータを調整するための操作を受け付ける。回転操作子17aに対する操作が行われると、回転操作子17aの位置(中央位置等の基準位置からの回転角度)がCPU11に入力され、後述する回転操作子の周期処理に従って、操作量に応じてパラメータが変更される。本実施形態において、回転操作子17aを操作した場合、回転操作子17aが回転された角度の大きさに応じたパラメータの増減が行われる。例えば、基準位置が0度、右方向の操作範囲の最大角度が120度である場合、回転操作子17aを右方向に5度回転させる毎にパラメータが1増加するように設定でき、この場合、パラメータは最大角度まで回転されると24まで増加する。
【0015】
ここで、本実施形態において、図3(B)に示すように、回転操作子17aが操作された場合、基準位置から右側(正側)の操作範囲では、右方向の操作に対してパラメータが変更され、左方向の操作に対してはパラメータが変更されない。同様に、基準位置から左側(負側)の操作範囲では、左方向の操作に対してパラメータが変更され、右方向の操作に対してはパラメータが変更されない。即ち、現在の操作範囲に対応する方向へのパラメータの変更のみが許容される。これにより、ユーザが回転操作子17aを基準位置から所定方向に回転させ、基準位置の方向に戻してから再び所定方向へ回転させると、所定方向への回転角度の積分値に応じたパラメータの値に変更される。例えば、ユーザが回転操作子17aを右方向に90度回転させるとパラメータは18増加し、基準位置に戻すまではパラメータが18のまま保持され、基準位置から再び右方向に60度回転させるとパラメータはさらに12増加して、合計30となる。
ただし、回転操作子17aが基準位置を跨いで操作された場合、基準位置で一定時間(後述する閾値時間Tth)以上、回転操作子17aが停止されていなければ、現在の操作範囲に対応する方向へのパラメータの変更が制限される。一方、回転操作子17aが基準位置で一定時間停止された場合には、上述のように、操作に応じて、現在の操作範囲に対応する方向にパラメータが変更される。これにより、ユーザが回転操作子17aを基準位置に戻す際に、意図せず基準位置を超えて操作した場合でも、無用にパラメータが変更されることを防ぐことができる。
【0016】
選択ボタン17bは、複数種類のパラメータのうち、回転操作子17aに割り当てるパラメータを選択するための操作を受け付ける。選択ボタン17bに対する操作が行われると、選択されたパラメータの種類がCPU11に入力され、回転操作子の周期処理に従って、調整の対象となるパラメータがCPU11によって切り替えられる。本実施形態においては、調整の対象となるパラメータとして例えば、ボリュームや、テンポ、リズムパターンや音色バンク等のリズムや音色等の選択、シーケンサのトラック番号やチャンネル番号の指定、エフェクトの種類を示すエフェクト番号、エフェクトの効果時間や効果の深さ等の各種パラメータ、音符の音程や順番を示すノート番号、データ保存先の番号、等を指定することができる。
【0017】
出力部18は、ディスプレイやスピーカ等で構成され、画像や音声を出力する。例えば、出力部18のディスプレイには、回転操作子17aによって調整するパラメータの種類や値等が表示される。また、出力部18のスピーカからは、エフェクトがかけられた楽音等が出力される。
記憶部19は、ハードディスクあるいはDRAM(Dynamic Random Access Memory)等で構成され、エフェクトを実現するフィルタや、リズムあるいはテンポのデータ等、楽音制御装置1において用いられる各種データを記憶する。
通信部20は、インターネット等を含むネットワークを介して他の装置(図示せず)との間で行う通信を制御する。
【0018】
ドライブ21には、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、あるいは半導体メモリ等よりなる、リムーバブルメディア31が適宜装着される。ドライブ21によってリムーバブルメディア31から読み出されたプログラムは、必要に応じて記憶部19にインストールされる。また、リムーバブルメディア31は、記憶部19に記憶されている各種データも、記憶部19と同様に記憶することができる。
【0019】
[動作]
次に、楽音制御装置1の動作を説明する。
[メインフロー]
まず、図4を参照して、CPU11が実行するメインフローについて説明する。
図4は、CPU11が実行するメインフローの流れを説明するフローチャートである。
メインフローは、楽音制御装置1の電源ONと共に起動される。
【0020】
ステップS1において、CPU11は、楽音制御装置1の初期化処理を行う。具体的には、CPU11は、RAM13や外部インターフェース部16等を初期化する。
ステップS2において、CPU11は、楽音制御装置1の基本的な処理(各種スイッチの確認、発音の制御あるいは楽音の記録等を含む処理)を実行する。
【0021】
ステップS3において、CPU11は、回転操作子17aにおいて調整の対象となるパラメータを割り当てる。このとき、CPU11は、調整の対象として前回設定されていたパラメータを回転操作子17aに割り当てたり、ユーザによって選択されたパラメータを回転操作子17aに割り当てたりする。
【0022】
ステップS4において、CPU11は、回転操作子の周期処理(図5参照)を実行する。
ステップS5において、CPU11は、楽音制御装置1の動作を終了させる操作が行われたか否かの判定を行う。例えば、CPU11は、楽音制御装置1の電源をOFFとする操作が行われたか否かの判定を行う。
楽音制御装置1の動作を終了させる操作が行われていない場合、ステップS5においてNOと判定されて、処理はステップS2に移行する。
一方、楽音制御装置1の動作を終了させる操作が行われた場合、ステップS5においてYESと判定されて、メインフローは終了となる。
【0023】
[回転操作子の周期処理]
次に、メインフローのステップS4において実行される回転操作子の周期処理について説明する。
図5は、回転操作子の周期処理の流れを説明するフローチャートである。
ステップS11において、CPU11は、回転操作子17aの現在の位置(基準位置からの回転角度)を取得する。
ステップS12において、CPU11は、回転操作子17aの現在の位置が基準位置であるか否かの判定を行う。
回転操作子17aの現在の位置が基準位置である場合、ステップS12においてYESと判定されて、処理はステップS13に移行する。
一方、回転操作子17aの現在の位置が基準位置でない場合、ステップS12においてNOと判定されて、処理はステップS17に移行する。
【0024】
ステップS13において、CPU11は、回転操作子17aの前回の位置が基準位置であったか否かの判定を行う。
回転操作子17aの前回の位置が基準位置でない場合、ステップS13においてNOと判定されて、処理はステップS14に移行する。
一方、回転操作子17aの前回の位置が基準位置である場合、ステップS13においてYESと判定されて、処理はステップS15に移行する。
【0025】
ステップS14において、CPU11は、変数Tに現在時刻を設定する。変数Tは、経過時間を計時するために用いられる。
ステップS15において、CPU11は、現在時刻と変数Tに設定された時刻との差が予め設定された閾値時間Tth以上となったか否かの判定を行う。
現在時刻と変数Tに設定された時刻との差が予め設定された閾値時間Tth以上となっていない場合、ステップS15においてNOと判定されて、処理はメインフローに戻る。
一方、現在時刻と変数Tにセットされた時刻との差が予め設定された閾値時間Tth以上となっている場合、ステップS15においてYESと判定されて、処理はステップS16に移行する。
【0026】
ステップS16において、CPU11は、変数Fにゼロを設定する。変数Fは、回転操作子17aの操作に対して許容されるパラメータの変更の状態を示している。具体的には、変数Fがゼロの場合、パラメータは回転操作子17aの現在の操作範囲に応じて増加及び減少の両方が許容される。また、変数Fが1の場合、パラメータは増加のみが許容される。一方、変数Fが−1の場合、パラメータは減少のみが許容される。
ステップS16の後、処理はメインフローに戻る。
【0027】
ステップS17において、CPU11は、回転操作子17aの現在の位置が前回の位置よりも基準位置から離れる方向に変化したか否かの判定を行う。
回転操作子17aの現在の位置が前回の位置よりも基準位置から離れる方向に変化していない場合、ステップS17においてNOと判定されて、処理はメインフローに戻る。これは、回転操作子17aの現在の位置が基準位置から右側(正側)の操作範囲にあって、左方向に操作された場合と、回転操作子17aの現在の位置が基準位置から左側(負側)の操作範囲にあって、右方向に操作された場合には、パラメータの増減が行われないことを意味している。
一方、回転操作子17aの現在の位置が前回の位置よりも基準位置から離れる方向に変化した場合、ステップS17においてYESと判定されて、処理はステップS18に移行する。
【0028】
ステップS18において、CPU11は、回転操作子17aの現在の位置が基準位置から右側(正側)であるか否かの判定を行う。
回転操作子17aの現在の位置が基準位置から右側(正側)である場合、ステップS18においてYESと判定されて、処理はステップS19に移行する。
一方、回転操作子17aの現在の位置が基準位置から左側(負側)である場合、ステップS18においてNOと判定されて、処理はステップS23に移行する。
【0029】
ステップS19において、CPU11は、変数Fがゼロであるか否かの判定を行う。
変数Fがゼロである場合、ステップS19においてYESと判定されて、処理はステップS20に移行する。
一方、変数Fがゼロでない場合、ステップS19においてNOと判定されて、処理はステップS21に移行する。
【0030】
ステップS20において、CPU11は、変数Fに1を設定する。
ステップS21において、CPU11は、変数Fがゼロより大きいか否かの判定を行う。
変数Fがゼロより大きい場合、ステップS21においてYESと判定されて、処理はステップS22に移行する。
一方、変数Fがゼロ以下である場合、ステップS21においてNOと判定されて、処理はメインフローに戻る。
【0031】
ステップS22において、CPU11は、回転操作子17aの現在の位置と前回の位置との差に応じて、パラメータの値を増減させる。即ち、回転操作子17aの現在の位置が、基準位置から右側(正側)の操作範囲の場合、上述のステップS19〜ステップS21での変数Fの値の処理によって、右方向の操作に対してのみパラメータが変更されることとなる。一方、基準位置から左側(負側)の操作範囲にある場合は、後述するステップS23〜ステップS25における変数Fの値の処理により、左方向の操作に対してのみパラメータが変更されることとなる。
ステップS22の後、処理はメインフローに戻る。
【0032】
ステップS23において、CPU11は、変数Fがゼロであるか否かの判定を行う。
変数Fがゼロである場合、ステップS23においてYESと判定されて、処理はステップS24に移行する。
一方、変数Fがゼロでない場合、ステップS23においてNOと判定されて、処理はステップS25に移行する。
【0033】
ステップS24において、CPU11は、変数Fに−1を設定する。
ステップS25において、CPU11は、変数Fがゼロより小さいか否かの判定を行う。
変数Fがゼロより小さい場合、ステップS25においてYESと判定されて、処理はステップS22に移行する。
一方、変数Fがゼロ以上である場合、ステップS25においてNOと判定されて、処理はメインフローに戻る。
【0034】
このような処理が行われる結果、楽音制御装置1においては、回転操作子17aが操作された場合、基準位置から右側(正側)の操作範囲では、右方向の操作に対してパラメータが変更され、左方向の操作に対してはパラメータが変更されない。また、基準位置から左側(負側)の操作範囲では、左方向の操作に対してパラメータが変更され、右方向の操作に対してはパラメータが変更されない。
これにより、ユーザが回転操作子17aを基準位置から所定方向に回転させ、基準位置の方向に戻してから再び所定方向へ回転させると、所定方向への回転角度の積分値に応じたパラメータの値に変更される。
そのため、調整の対象となるパラメータが切り替えられる場合においても、回転操作子17aによってパラメータを適切に操作することが可能となる。
したがって、複数種類のパラメータを共通の操作子で適切に操作する機能を低コストに実現することが可能となる。
また、楽音制御装置1においては、回転操作子17aが操作された後、基準位置で閾値時間Tth以上の停止が行われた場合には、回転操作子17aの右方向及び左方向のいずれの操作に対しても、現在の操作範囲に対応する方向にパラメータが増加及び減少される状態となる。これに対し、回転操作子17aが操作された後、基準位置で閾値時間Tth以上の停止が行われていない場合には、変数Fについては従前の値を保持するため、回転操作子17aの操作に対して、変数Fで許容される方向への操作に応じたパラメータの変更のみが有効とされ、逆方向への操作に応じたパラメータ変更が制限される。即ち、回転操作子17aが右方向(正側)に操作されている場合であっても、従前からの変数Fの値がF>0でなければパラメータの増加が許容されない(ステップS21:NO)。反対に、回転操作子17aが左方向(負側)に操作されている場合であっても、従前からの変数Fの値がF<0でなければパラメータは減少が許容されない(ステップS25:NO)。
これにより、ユーザが回転操作子17aを基準位置に戻す際に、意図せず基準位置を超えて操作した場合でも、無用にパラメータが変更されることを防ぐことができる。
【0035】
[第2実施形態]
次に、本発明の第2実施形態について説明する。
第2実施形態における楽音制御装置1は、第1実施形態における図4のメインフローのうち、回転操作子の周期処理の内容が異なっている。
したがって、以下、第1実施形態と異なる部分である回転操作子の周期処理について説明する。
【0036】
図6は、第2実施形態における回転操作子の周期処理の流れを説明するフローチャートである。
図6において、ステップS11及びステップS17〜ステップS25の処理は、第1実施形態における図5と同様である。
ステップS112において、CPU11は、回転操作子17aの現在の位置が前回の位置と同一であるか否かの判定を行う。
回転操作子17aの現在の位置が前回の位置と同一でない場合、ステップS112においてNOと判定されて、処理はステップS113に移行する。
一方、回転操作子17aの現在の位置が前回の位置と同一である場合、ステップS112においてYESと判定されて、処理はステップS114に移行する。
【0037】
ステップS113において、CPU11は、変数Tに現在時刻を設定する。
ステップS113の後、処理はステップS17に移行する。
ステップS114において、CPU11は、現在時刻と変数Tに設定された時刻との差が予め設定された閾値時間Tth以上となったか否かの判定を行う。
現在時刻と変数Tに設定された時刻との差が予め設定された閾値時間Tth以上となっていない場合、ステップS114においてNOと判定されて、処理はメインフローに戻る。
一方、現在時刻と変数Tにセットされた時刻との差が予め設定された閾値時間Tth以上となっている場合、ステップS114においてYESと判定されて、処理はステップS115に移行する。
ステップS115において、CPU11は、変数Fにゼロを設定する。
ステップS115の後、処理はメインフローに戻る。
【0038】
このような処理が行われる結果、楽音制御装置1においては、回転操作子17aが操作されると、基準位置から右側(正側)の操作範囲では、右方向の操作に対してパラメータが変更され、左方向の操作に対してはパラメータが変更されない。また、基準位置から左側(負側)の操作範囲では、左方向の操作に対してパラメータが変更され、右方向の操作に対してはパラメータが変更されない。従って、基準位置からある一の方向に回転操作子を操作した後、再度基準位置まで戻した場合は、その基準位置まで戻している間(基準位置に近づく方向に操作している間)はパラメータは変更されない。そして、基準位置に至るより前に再度基準位置から離れる方向に操作した場合(基準位置から右側(正側)の操作範囲では、右方向の操作、基準位置から左側(負側)の操作範囲では、左方向の操作)には、再度パラメータは変更される。また、本実施形態では、回転操作子17aが操作された後、任意の位置で一定時間(閾値時間Tth)以上停止すると、変数Fに0が設定される。すると、その後に上記任意の位置から基準位置まで戻し、さらに基準位置を超えて反対側へ操作された場合には、基準位置を超えた時点から、パラメータが逆方向に変更される。
即ち、第1実施形態では、基準位置で閾値時間Tth以上の停止を行うことで、回転操作子17aの操作に対して、パラメータの変更が制限されない状態となったのに対し、本実施形態では、基準位置に限らずとも、いずれかの位置で閾値時間Tth以上の停止を行うことで、回転操作子17aの操作に対して、基準位置を超えて現在の操作範囲と反対の方向に操作された場合でも、パラメータの変更が制限されない状態となる。
これにより、ユーザが回転操作子17aを、基準位置に限らず任意の位置で停止させることで、その後基準位置を超えて反対の方向に操作した場合のパラメータの変更が制限されない状態とすることができる。
【0039】
なお、上述の実施形態では、回転操作子17aの基準位置として、回転範囲の中央位置を例に挙げたが、これに限られない。例えば、回転操作子17aの基準位置は、回転範囲の上限あるいは下限とすることができる。この場合、回転操作子17aの操作に応じて、パラメータの値は増加するのみ、あるいは、減少するのみの変化となる。
また、上述の実施形態では、回転操作子17aに本発明を適用する場合を例に挙げたが、これに限られない。例えば、スライダー等、他の形状の操作子に本発明を適用することとしてもよい。
【0040】
また、上述の実施形態では、回転操作子17aが回転された角度の大きさに応じたパラメータの増減が行われる場合を例に挙げて説明した。これに対し、回転操作子17aが回転された角速度に応じたパラメータの増減が行われるものとしてもよい。例えば、回転操作子17aを基準位置から右方向に15度回転させる場合に、5度/秒の角速度で回転させた場合にはパラメータを15増加させ、10度/秒の角速度で回転させた場合にはパラメータを30増加させること等が可能である。
また、回転操作子17aの回転範囲における位置に応じたパラメータの増減が行われるものとしてもよい。例えば、回転操作子17aを基準位置から右方向に5度回転させた場合にはパラメータを1増加させ、回転操作子17aを基準位置から右方向に50度の位置から5度回転させた場合にはパラメータを10増加させること等が可能である。
【0041】
また、上述の実施形態において、回転操作子17aの構成をセンタークリック機能(基準位置において回転の抵抗が高まる機能)を有するものとし、基準位置で回転が停止しやすいものとすることができる。
また、上述の実施形態において、基準位置の判定を行うに際しては、基準位置を含む一定の幅を持った範囲(例えば正側及び負側それぞれに10度の範囲等)を基準位置とみなすことにより、いわゆる「遊び」を持たせることが可能となり、基準位置における回転操作子17aの停止操作を容易に行うことが可能となる。
さらに、基準位置のいわゆる「遊び」の範囲を状況に応じて変化させることができる。例えば、変数Fがゼロの状態(パラメータの変更に制限がない状態)における基準位置の「遊び」の範囲よりも、変数Fがゼロ以外の状態(パラメータの変更に制限がある場合)における基準位置の「遊び」の範囲を大きくすることができる。これにより、ユーザが回転操作子17aを基準位置に戻す操作を行う場合に、基準位置として判定される範囲を拡大することができ、ユーザが回転操作子17aを基準位置に戻す意図を適確に反映させることが可能となる。
【0042】
以上のように構成される楽音制御装置1は、回転操作子17aと、CPU11とを備える。
回転操作子17aは、基準位置を含む予め定められた操作範囲内で移動可能である。
CPU11は、操作範囲のうち基準位置から一の方向の側にある範囲に回転操作子17aが操作されている場合に、回転操作子17aの一の方向への操作に対応して、回転操作子17aに割り当てられているパラメータの値を変化させると共に、一の方向とは異なる他の方向への操作に対しては、パラメータの値を変化させないように制御する。
これにより、回転操作子17aを基準位置から所定方向に回転させ、基準位置の方向に戻してから再び所定方向へ回転させると、所定方向への回転角度の積分値に応じたパラメータの値に変更される。
そのため、調整の対象となるパラメータが切り替えられる場合においても、回転操作子17aによってパラメータを適切に操作することが可能となる。
したがって、複数種類のパラメータを共通の操作子で適切に操作する機能を低コストに実現することが可能となる。
【0043】
また、CPU11は、回転操作子17aの基準位置を跨ぐ操作に対して、回転操作子17aが基準位置で予め設定された時間以上停止されていない場合、回転操作子17aが基準位置を超えて反対側で操作されても、パラメータの値が変化しないように制御する。
これにより、操作子を基準位置に戻す際に、意図せず基準位置を超えて操作した場合でも、無用にパラメータが変更されることを防ぐことができる。
【0044】
また、CPU11は、回転操作子17aにより基準位置を跨ぐ操作が行われた際に、回転操作子17aをいずれか一方の方向に操作させた後、基準位置に限らず任意の位置で設定された時間以上停止させた場合は、その後に基準位置を超えて現在の操作範囲と反対の方向に操作された場合でも、パラメータの変更が制限されない状態となる。
これにより、ユーザが回転操作子17aを、基準位置に限らず任意の位置で停止させることで、その後基準位置を超えて反対の方向に操作した場合のパラメータの変更が制限されない状態とすることができる。
【0045】
また、CPU11は、回転操作子17aが基準位置を含む予め設定された範囲に停止された場合、基準位置で停止されたと判定する。
これにより、基準位置における操作子の停止操作を容易に行うことが可能となる。
【0046】
また、CPU11は、基準位置を含む予め設定された範囲の大きさを回転操作子17aの操作状態に応じて変化させる。
これにより、ユーザが操作子を基準位置に戻す操作を行う場合に、基準位置として判定される範囲を拡大すること等ができる。
したがって、ユーザによる操作子を基準位置に戻す意図を適確に反映させることが可能となる。
【0047】
また、本発明を適用した電子楽器は、楽音制御装置1によって制御された楽音を出力する。
したがって、電子楽器において複数種類のパラメータを共通の操作子で適切に操作する機能を低コストに実現することが可能となる。
【0048】
なお、本発明は、上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものである。
例えば、上述の実施形態で説明した回転操作子17aを操作して、例えば、「A→B→C→・・・」と変化するようなカーソルを用いて、文字入力を行う際の文字選択を行う場合にも、本発明は適用可能である。
【0049】
上述の実施形態では、本発明が適用される楽音制御装置1として、いわゆるターンテーブルやDJミキサーの機能を電子的な処理で実現した電子機器を例に挙げて説明したが、特にこれに限定されない。
例えば、本発明は、パラメータの調整機能を有する電子機器一般に適用することができる。具体的には、例えば、本発明は、キーボードや電子ピアノや電子ギター等の電子楽器、ミキサー、エフェクター、イコライザー等に適用可能である。
【0050】
上述した一連の処理は、ハードウェアにより実行させることもできるし、ソフトウェアにより実行させることもできる。
換言すると、上述の機能的構成は例示に過ぎず、特に限定されない。即ち、上述した一連の処理を全体として実行できる機能が楽音制御装置1に備えられていれば足り、この機能を実現するためにどのような機能ブロックを用いるのかは特に上述の例に限定されない。
また、1つの機能ブロックは、ハードウェア単体で構成してもよいし、ソフトウェア単体で構成してもよいし、それらの組み合わせで構成してもよい。
【0051】
一連の処理をソフトウェアにより実行させる場合には、そのソフトウェアを構成するプログラムが、コンピュータ等にネットワークや記録媒体からインストールされる。
コンピュータは、専用のハードウェアに組み込まれているコンピュータであってもよい。また、コンピュータは、各種のプログラムをインストールすることで、各種の機能を実行することが可能なコンピュータ、例えば汎用のパーソナルコンピュータであってもよい。
【0052】
このようなプログラムを含む記録媒体は、ユーザにプログラムを提供するために装置本体とは別に配布される図2のリムーバブルメディア31により構成されるだけでなく、装置本体に予め組み込まれた状態でユーザに提供される記録媒体等で構成されることとしてもよい。リムーバブルメディア31は、例えば、磁気ディスク(フロッピディスクを含む)、光ディスク、または光磁気ディスク等により構成される。光ディスクは、例えば、CD−ROM(Compact Disk−Read Only Memory),DVD(Digital Versatile Disk),Blu−ray(登録商標) Disc(ブルーレイディスク)等により構成される。光磁気ディスクは、MD(Mini−Disk)等により構成される。また、装置本体に予め組み込まれた状態でユーザに提供される記録媒体は、例えば、プログラムが記録されている図2のROM12や、図2の記憶部19に含まれるハードディスク等で構成される。
【0053】
なお、本明細書において、記録媒体に記録されるプログラムを記述するステップは、その順序に沿って時系列的に行われる処理はもちろん、必ずしも時系列的に処理されなくとも、並列的あるいは個別に実行される処理をも含むものである。
【0054】
以上、本発明のいくつかの実施形態について説明したが、これらの実施形態は、例示に過ぎず、本発明の技術的範囲を限定するものではない。本発明はその他の様々な実施形態を取ることが可能であり、さらに、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、省略や置換等種々の変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、本明細書等に記載された発明の範囲や要旨に含まれると共に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【0055】
以下に、本願の出願当初の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
[付記1]
基準位置を含む予め定められた操作範囲内で移動可能な操作子と、
前記操作範囲のうち前記基準位置から一の方向の側にある範囲に前記操作子が操作されている場合に、前記操作子の前記一の方向への操作に対応して、前記操作子に割り当てられているパラメータの値を変化させると共に、前記一の方向とは異なる他の方向への操作に対しては、前記パラメータの値を変化させないように制御するパラメータ制御手段と、
を備える楽音制御装置。
[付記2]
前記パラメータ制御手段は、前記操作子により前記基準位置を跨ぐ操作が行われた際に、前記操作子が前記基準位置で予め設定された時間以上停止していない場合は、当該基準位置を跨いだ以降の操作に対して、前記パラメータの値が変化しないように制御する、付記1に記載の楽音制御装置。
[付記3]
前記パラメータ制御手段は、前記操作子により前記基準位置を跨ぐ操作が行われた際に、前記操作子をいずれか一方の方向に操作させた後、任意の位置で設定された時間以上停止していない場合は、当該操作とは反対の方向への操作に対して、前記パラメータの値を変化させない一方、前記任意の位置で前記設定された時間以上停止させた場合は、前記基準位置を跨いだ以降の操作に対して、前記パラメータの値を変化させるように制御する、付記1に記載の楽音制御装置。
[付記4]
前記パラメータ制御手段は、前記操作子が前記基準位置を含む予め設定された範囲に停止された場合、前記基準位置で停止されたと判定する、付記1または2に記載の楽音制御装置。
[付記5]
前記パラメータ制御手段は、前記範囲の大きさを前記操作子の操作状態に応じて変化させる、付記4に記載の楽音制御装置。
[付記6]
付記1から5のいずれかに記載の楽音制御装置と、
前記楽音制御装置によって制御された楽音を出力する楽音出力手段と、
を備える電子楽器。
[付記7]
基準位置を含む予め定められた操作範囲内で移動可能な操作子を備える楽音制御装置に用いられる楽音制御方法であって、前記楽音制御装置は、
前記操作範囲のうち前記基準位置から一の方向の側にある範囲に前記操作子が操作されている場合に、前記操作子の前記一の方向への操作に対応して、前記操作子に割り当てられているパラメータの値を変化させると共に、前記一の方向とは異なる他の方向への操作に対しては、前記パラメータの値を変化させないように制御する、楽音制御方法。
[付記8]
基準位置を含む予め定められた操作範囲内で移動可能な操作子を備える楽音制御装置として用いられるコンピュータに、
前記操作範囲のうち前記基準位置から一の方向の側にある範囲に前記操作子が操作されている場合に、前記操作子の前記一の方向への操作に対応して、前記操作子に割り当てられているパラメータの値を変化させると共に、前記一の方向とは異なる他の方向への操作に対しては、前記パラメータの値を変化させないように制御するパラメータ制御ステップを実行させる、プログラム。
【符号の説明】
【0056】
1・・・楽音制御装置,11・・・CPU,12・・・ROM,13・・・RAM,14・・・バス,15・・・入出力インターフェース,16・・・外部インターフェース部,17・・・入力部,17a・・・回転操作子,17b・・・選択ボタン,18・・・出力部,19・・・記憶部,20・・・通信部,21・・・ドライブ,31・・・リムーバブルメディア
図1
図2
図3
図4
図5
図6