特許第6384290号(P6384290)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6384290
(24)【登録日】2018年8月17日
(45)【発行日】2018年9月5日
(54)【発明の名称】作業車両
(51)【国際特許分類】
   B60K 17/348 20060101AFI20180827BHJP
   B60K 17/28 20060101ALI20180827BHJP
【FI】
   B60K17/348 A
   B60K17/28 C
   B60K17/28 D
【請求項の数】4
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2014-238997(P2014-238997)
(22)【出願日】2014年11月26日
(65)【公開番号】特開2016-97932(P2016-97932A)
(43)【公開日】2016年5月30日
【審査請求日】2017年9月15日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000000125
【氏名又は名称】井関農機株式会社
(72)【発明者】
【氏名】小山 浩二
【審査官】 前田 浩
(56)【参考文献】
【文献】 特開平9−132045(JP,A)
【文献】 特開2011−230636(JP,A)
【文献】 特開2013−11335(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60K 17/348
B60K 17/28
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
機体後部に作業機を装着し、ミッションケース(8)から後方へ突出するPTO出力軸(10)で作業機を駆動する作業車両において、ミッションケース(8)を構成する複数のケースのうち、最前部に構成される第1ケース(8a)内の前側に設けるメインクラッチ(105)でエンジン出力軸(4)に連結するミッション入力軸(12)の下方に、前後進クラッチ(17)を挟んで正転伝動筒(11)と逆転伝動筒(18)を遊嵌した第一伝動軸(14)と、前記正転伝動筒(11)の回転を入力ギヤ(24)で受けて出力ギヤ(27)で逆転伝動筒(18)に逆回転を伝動するアイドル伝動筒(23)を遊嵌した第二伝動軸(25)を設け、アイドル伝動筒(23)の入力ギヤ(24)と出力ギヤ(27)の間隔内の下方に一部が入り込む状態で前輪(2)の四輪駆動クラッチ(82a)と前輪増速クラッチ(82b)を配置し、四輪駆動クラッチ(82a)と前輪増速クラッチ(82b)を第1ケース(8a)に内装したことを特徴とする作業車両。
【請求項2】
第二伝動軸(25)の後部にPTO正逆クラッチ(26)とPTOクラッチ(31)を設け、前後進クラッチ(17)とPTO正逆クラッチ(26)とPTOクラッチ(31)を第1ケース(8a)に内装したことを特徴とする請求項1に記載の作業車両。
【請求項3】
第1ケース(8a)の後部に伝動軸を軸支する第2ケース(8b)を設け、さらに第2ケース(8b)の後部に主変速機構(34)と副変速機構(73)を内装する第3ケース(8c)を設けたことを特徴とする請求項2に記載の作業車両。
【請求項4】
第3ケース(8c)の後部にPTO出力軸(10)を変速するPTO変速機構(113)を内装する第4ケース(8d)を連結したことを特徴とする請求項3に記載の作業車両。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、前後輪を駆動して走行する土木作業機やトラクター等の作業車両に関する。
【背景技術】
【0002】
作業車両は、機体の前部に搭載したエンジンの動力を機体の前後中央に設けるミッションケース内の動力伝動装置で変速して前輪と後輪及びPTO出力軸を駆動するようにしている。
【0003】
この作業車両の動力伝動装置は、例えば、特開2004−69028号公報に記載の如く、ミッションケースに内蔵した遊星ギヤ式油圧変速装置や油圧式リバーサ機構でエンジンの動力を変速して後輪に伝動し、さらに前輪増速機構を介して前輪に伝動する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2004−69028号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
作業車両がトラクタの場合は、機体の後部にロータリ作業機を装着して耕耘作業を行うので、作業時にロータリ作業機の駆動反力で機体の前部が浮き上がらないように機体の前部を重くするためのバランスウエイトを機体前部に装着するが、バランスウエイトの装着は走行負荷を増大して、燃料消費率が悪くなる。
【0006】
そこで、本発明では、作業車両の中心部に設けるミッションケース内の各種動力伝動機構の配置を考慮して、ミッションケースの前側が重くなるようにして機体の前後バランスを前寄りにすることで、機体の前部に設けているバランスウエイトを無くしたり小さくしたりしてもロータリ作業等の作業が行えるようにすることを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記本発明の課題は、次の技術手段により解決される。
請求項1に記載の発明は、機体後部に作業機を装着し、ミッションケース8から後方へ突出するPTO出力軸10で作業機を駆動する作業車両において、ミッションケース8を構成する複数のケースのうち、最前部に構成される第1ケース8a内の前側に設けるメインクラッチ105でエンジン出力軸4に連結するミッション入力軸12の下方に、前後進クラッチ17を挟んで正転伝動筒11と逆転伝動筒18を遊嵌した第一伝動軸14と、前記正転伝動筒11の回転を入力ギヤ24で受けて出力ギヤ27で逆転伝動筒18に逆回転を伝動するアイドル伝動筒23を遊嵌した第二伝動軸25を設け、アイドル伝動筒23の入力ギヤ24と出力ギヤ27の間隔内の下方に一部が入り込む状態で前輪2の四輪駆動クラッチ82aと前輪増速クラッチ82bを配置し、四輪駆動クラッチ82aと前輪増速クラッチ82bを第1ケース8aに内装したことを特徴とする作業車両の構成とする。
【0008】
請求項2に記載の発明は、第二伝動軸25の後部にPTO正逆クラッチ26とPTOクラッチ31を設け、前後進クラッチ17とPTO正逆クラッチ26とPTOクラッチ31を第1ケース8aに内装したことを特徴とする請求項1に記載の作業車両の構成とする。
【0009】
請求項3に記載の発明は、第1ケース8aの後部に伝動軸を軸支する第2ケース8bを設け、さらに第2ケース8bの後部に主変速機構34と副変速機構73を内装する第3ケース8cを設けたことを特徴とする請求項2に記載の作業車両の構成とする。
【0010】
請求項4に記載の発明は、第3ケース8cの後部にPTO出力軸10を変速するPTO変速機構113を内装する第4ケース8dを連結したことを特徴とする請求項3に記載の作業車両の構成とする。
【発明の効果】
【0011】
請求項1に記載の発明で、第一伝動軸14と第二伝動軸25の下部でアイドル伝動筒23の入力ギヤ24と出力ギヤ27の間隔内であって、ミッションケース8の最前部に構成される第1ケース8a内に重量の重い四輪駆動クラッチ82aと前輪増速クラッチ82bを配置するので、伝動機構を内装するミッションケースの前側が重くなって、このミッションケース8を装着する作業車両の前側が重くなって、従来の機体前部に取り付けるバランスウエイトが不要になったり、軽く出来たりするようになる。
【0012】
また、四輪駆動クラッチ82aと前輪増速クラッチ82bを前後進クラッチ17の下方に集めることで、動力伝動機構を内装するミッションケースの前後長を短く出来る。
請求項2に記載の発明で、請求項1の効果に加えて、前後進クラッチ17とPTO正逆クラッチ26とPTOクラッチ31を第1ケース8aに内装したので、複数のクラッチが伝動機構の前に集中して、伝動機構を内装するミッションケース8の前側がより重くなり、各クラッチを個別のケースで覆う場合よりも部品点数が減り、廉価な構成となる。
【0013】
請求項3に記載の発明で、請求項2の効果に加えて、第3ケース8cに主変速機構34と副変速機構73を集中配置して、コンパクトな構成となって組立工数を削減できる。
請求項4に記載の発明で、請求項3の効果に加えて、第1ケース8aや第3ケース8cにPTO変速機構113を内装することなく第4ケース8dに内装したので、該第1ケース8aや第3ケース8cが大きくならない。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本発明の作業車両として示すトラクターの全体側面図である。
図2】ミッションケース内の動力伝動線図である。
図3】ミッションケースの側断面図である。
図4】ミッションケースの前部側断面図である。
図5】ミッションケースの正断面図である。
図6】PTO変速クラッチの側面図である。
図7】別実施例のミッションケースの一部側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
作業車両の一例としてトラクターにおける実施例を以下に説明する。
なお、本明細書において作業車両の前進方向に向かって左右方向をそれぞれ左、右といい、前進方向を前、後進方向を後という。
【0016】
トラクター1は、図1に示す如く、機体の前後部に左右一対の前輪2,2と左右一対の後輪3,3を備え、機体の前部に搭載したエンジン5のエンジン出力軸4の回転をミッションケース8内の変速装置によって作業に適した回転速度に減速して、これら前輪2,2と後輪3,3及びPTO出力軸10に伝えるように構成し、機体の後輪3上に設ける操縦席6に作業者が座ってステアリングハンドル7等の操縦装置を操作して走行するようにしている。
【0017】
トラクター1の機体後部には、ロータリ作業機115等を装着するヒッチ9を設け、ミッションケース8から後方へ突出するPTO出力軸10でロータリ作業115機等の各種作業機を駆動するようにしている。機体の前部にはバランスウエイト19を取り付けて、作業中に機体の前側が浮き上がらないようにする。
【0018】
図2は、ミッションケース8内の動力伝動線図で、エンジン出力軸4に装着するメインクラッチ105を介してミッション入力軸12にエンジン5の駆動力を伝動する。
ミッション入力軸12の下方に第一伝動軸14を軸支し、この第一伝動軸14には、固着したクラッチギヤ16に係合する前後進クラッチ17を前後に挟んで正転伝動筒11と逆転伝動筒18を遊嵌し、正転伝動筒11に固着の第1ギヤ15がミッション入力軸12に固着の入力ギヤ13と噛み合って伝動している。
【0019】
第一伝動軸14の真下側に並設して第二伝動軸25を設け、この第二伝動軸25にアイドル伝動筒23が遊嵌し、アイドル伝動筒23に固着の第3ギヤ(入力ギヤ)24が正転伝動筒11に固着の第2ギヤ20に噛み合い、アイドル伝動筒23を回転し、アイドル伝動筒23に固着の第4ギヤ(出力ギヤ)27が第一アイドル軸28に固着のアイドルギヤ29を介して逆転伝動筒18に固着の第5ギヤ21と噛み合うことで逆転伝動筒18を正転伝動筒11とは逆に回転駆動している。従って、前後進クラッチ17を正転伝動筒11に係合するとクラッチギヤ16を介して第一伝動軸14が正転し、前後進クラッチ17を逆転伝動筒18に係合するとクラッチギヤ16を介して第一伝動軸14が逆転する。
【0020】
第二伝動軸25の後部には正逆クラッチギヤ25aを固着し、この正逆クラッチギヤ25aに噛み合う正逆クラッチ26を設けると共に、前記逆転伝動筒18の第6ギヤ22と噛み合う逆転ギヤ30を有する逆転ギヤ筒30aを第二伝動軸25に遊嵌し、正逆クラッチ26をアイドル伝動筒23に係合すると第二伝動軸25が正転し、逆転ギヤ筒30aに係合すると第二伝動軸25が逆転する。第二伝動軸25の後端には第一PTO軸36を係脱するPTOクラッチ31を装着している。このPTOクラッチ31は、操縦席6の近傍に設けるPTOスイッチのオンで駆動接続してPTO出力軸10を駆動し、ヒッチ9のリフトアームを上方回動してロータリ作業機115等を上昇すると駆動を切ってPTO出力軸10の駆動を停止する。
【0021】
前記第一伝動軸14の後端には第1連結スリーブ32を介して第三伝動軸33を連結する。この第三伝動軸33の後端に固着する第7ギヤ35を、第三伝動軸33に並設して第二伝動軸25の軸後方に軸支する第一PTO軸36に遊嵌した第一主伝動筒37の変速第一ギヤ38と噛み合わせて伝動している。
【0022】
第一主伝動筒37には第二主伝動筒39を遊嵌し、さらに第二主伝動筒39に第三主伝動筒42を遊嵌し、第一主伝動筒37の後端に主クラッチギヤ44を固着して主クラッチ45を噛み合わせている。
【0023】
第二主伝動筒39には第8ギヤ40と第9ギヤ41、第三主伝動筒42には第10ギヤ43と第11ギヤ46を固着し、第三伝動軸33の第7ギヤ35へ軸支する第四伝動軸50に遊嵌したギヤ伝動筒47の第12ギヤ48と第8ギヤ40、第13ギヤ49と第10ギヤ43を噛み合わせている。
【0024】
第一主伝動筒37の後部に第四主伝動筒51を第一PTO軸36に遊嵌している。この第四主伝動筒51には第14ギヤ52と第15ギヤ53と第16ギヤ54を固着し、第五主伝動筒55を遊嵌している。第五主伝動筒55には第17ギヤ56と第18ギヤ57を形成し、第18ギヤ57をギヤ伝動筒47の第19ギヤ58と噛み合わせ、第15ギヤ53をギヤ伝動筒47の第20ギヤ59と噛み合わせている。
【0025】
第一主伝動筒37と第二主伝動筒39と第三主伝動筒42と第五主伝動筒55の各ギヤとギヤ伝動筒47の各ギヤの組み合わせで、1速から4速までの主変速機構34を構成し、主クラッチ45を第11ギヤ46に係合すると1速、第9ギヤ41に係合すると2速、第14ギヤ52に係合すると3速、第17ギヤ56に係合すると4速となる。
【0026】
変速されて伝動される第四主伝動筒51の回転は、第16ギヤ54から第四伝動軸50に遊嵌した第六伝動筒60の第21ギヤ61に伝動する。第六伝動筒60に固着の第22ギヤ62はアイドル軸72に遊嵌したアイドル伝動筒64の第23ギヤ63に噛み合い、アイドル伝動筒64に第24ギヤ65を固着している。
【0027】
第六伝動筒60と前記ギヤ伝動筒47との間にサブクラッチ66を第四伝動軸50に係合して設け、このサブクラッチ66をギヤ伝動筒47に係合すると高速、第六伝動筒60に係合すると低速、サブクラッチ66の第25ギヤ67をアイドル伝動筒64の第24ギヤ65と係合すると極低速の三段に変速して副変速機構73を構成する。
【0028】
副変速機構73で変速された第四伝動軸50の回転は、軸後端の小べベルギヤ69から後横軸71の大べベルギヤ70に伝動され、後横軸71の第27ギヤ74から第28ギヤ75を経て後輪3を装着する後輪軸76を駆動する。
【0029】
さらに、第四伝動軸50の回転は、第26ギヤ68から第四主伝動筒51に遊嵌した第29ギヤ77を経て第一前輪駆動軸79の第30ギヤ78に伝動する。
第一前輪駆動軸79が四輪駆動クラッチ82aと前輪増速クラッチ82bを装着する第二前輪駆動軸81に第2連結スリーブ80で連結し、四輪駆動クラッチ82aと前輪増速クラッチ82bから第2連結スリーブ88で第三前駆動軸89に連結する。
【0030】
四輪駆動クラッチ82aと前輪増速クラッチ82bは、アイドル軸83との間に増速ギヤ84,85と微減速ギヤ86,87を噛み合せ、挟まれた状態で、前記アイドル伝動筒23の入力ギヤ(第3ギヤ)24と出力ギヤ(第4ギヤ)27の間に入り込んだ状態にしている。
【0031】
第三前駆動軸89の回転は、前横軸92と前縦軸93を経て、前輪2を装着する前輪軸94に伝動する。
前記第一PTO軸36は、第3連結スリーブ95で第二PTO軸96に連結し、第二PTO軸96に固着の第1PTOギヤ99とPTO出力軸10に遊嵌した第2PTOギヤ101に噛み合っている。図6に示す如く、PTO出力軸10にはPTO変速クラッチ100をスライド可能にスプライン嵌合し、シフトロッド106に設けるシフトアーム107をスライドしてPTO変速クラッチ100を移動して変速する。シフトアーム107をシフトロッド106の変速溝106aに位置決めするボール108は圧縮バネ109で押圧しているが、二か所の変速溝106aにそれぞれ弱い圧縮バネ109でボール108が係合するようにすると、変速し易くチェンジ抜けし難くすることが出来る。
【0032】
第2PTOギヤ101は、ニードル110とカラー112と二個の座金111でPTO出力軸10に回転可能に支持している。図6(a)はPTO1速、図6(b)はPTO2速、図6(c)はPTO3速を示している。
【0033】
PTO変速クラッチ100が後部の第2PTOギヤ101のドリル加工による円筒ギヤクラッチ部に係合することで1速、PTO変速クラッチ100の第1変速ギヤ103が第二PTO軸96の前後中間部に形成する第2PTOギヤ98と噛み合うことで2速、PTO変速クラッチ100の第2変速ギヤ102が第二PTO軸96の前部に形成する第3PTOギヤ97と噛み合うことで3速に変速して、PTO出力軸10を駆動する。PTO出力軸10のスプライン部には、所定間隔で周方向の溝を設けてチェンジ抜けし難い。なお、第2PTOギヤ101の円筒ギヤクラッチ部は精密鍛造加工にすると廉価に出来る。なお、PTO変速クラッチ100のスプライン穴は前後中間部を抜いてスプライン部の接触面圧を上げてチェンジ抜けし難くする。
【0034】
図3は、ミッションケース8側断面図で、前から第1ケース8aと、第2ケース8bと、第3ケース8cと、第4ケース8dを一体的に連結して構成している。また、図5に示す如く、ミッション入力軸12の真下に第一伝動軸14、さらにその下に第二前輪駆動軸81を配置し、第二伝動軸25と第一アイドル軸28が第二伝動軸25の下で左右に配置している。
【0035】
第1ケース8aの前1/3位置にメインクラッチ105を配置し、第1ケース8aの中央に前後進クラッチ17と四輪駆動クラッチ82aと前輪増速クラッチ82bを配置し、第1ケース8aの後1/3位置にPTOクラッチ31を配置して、図4に示す如く、第1ケース8aの前から1/3位置の仕切り壁8eにミッション入力軸12と第一伝動軸14と第二伝動軸25と第一アイドル軸28を軸支し、第2ケース8bに第三伝動軸33と第一PTO軸36を軸支し、第3ケース8cに主変速機構34と副変速機構73を内装し、第4ケース8dに後横軸71とPTO変速機構113を内装しPTO出力軸10を軸支している。第1ケース8aの前後進クラッチ17の上方にはクラッチ切換軸121を軸支している。
【0036】
図7は、前後進クラッチ17を油圧切換えクラッチとした実施例で、前後進クラッチ17を軸支する第一伝動軸14の連結ブラケット117と第1ケース8aの外側に取り付ける給油プラグ119を給油軸118で連結し、これらの内部に給油路120a,120b,120cを連通して、油圧装置の圧油供給路を給油プラグ119に接続して圧油を前後進クラッチ17に供給する構成である。
【0037】
なお、四輪駆動クラッチ82aと前輪増速クラッチ82bも前後進クラッチ17と同一の油圧クラッチを使って共用化することで、廉価にミッションケースを構成出来る。
【符号の説明】
【0038】
4 エンジン出力軸
5 エンジン
8 ミッションケース
8a 第1ケース
8b 第2ケース
8c 第3ケース
8d 第4ケース
10 PTO出力軸
11 前進伝動筒
12 ミッション入力軸
14 第一伝動軸
17 前後進クラッチ
18 逆転伝動筒
24 入力ギヤ(第3ギヤ)
25 第二伝動軸
26 PTO正逆クラッチ
27 出力ギヤ(第4ギヤ)
31 PTOクラッチ
34 主変速機構
50 第四伝動軸
73 副変速機構
79 第一前輪駆動軸
81 第二前輪駆動軸
82a 四輪駆動クラッチ
82b 前輪増速クラッチ
105 メインクラッチ
113 PTO変速機構
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7