送信側端末および受信側端末と、前記送信側端末および前記受信側端末と通信可能なサーバとを備え、表示媒体に表示された情報コードを用いて前記受信側端末に所定の情報を伝達する情報伝達システムであって、
前記情報コードには、固有の識別情報が記録されており、
前記送信側端末は、
前記受信側端末を送信先として選択する選択手段と、
前記所定の情報を入力するための入力手段と、
前記情報コードを撮像する送信側撮像手段と、
前記送信側撮像手段の撮像に応じて取得された前記固有の識別情報と、前記選択手段により選択された送信先に関する送信先情報と、前記入力手段により入力された前記所定の情報とを前記サーバに送信する送信側送信手段と、
を備え、
前記受信側端末は、
前記情報コードを撮像する受信側撮像手段と、
当該受信側端末を特定する受信側端末情報を、前記受信側撮像手段にて前記情報コードが撮像された画像データまたは当該画像データから読み取られた前記固有の識別情報とともに前記サーバに送信する受信側送信手段と、
前記受信側送信手段による送信に応じて前記サーバから受信した前記所定の情報に基づく制御を行う制御手段と、
を備え、
前記サーバは、
前記送信側端末から受信した前記固有の識別情報と前記送信先情報と前記所定の情報とが関連付けて記憶される記憶手段と、
前記受信側端末から受信した情報から得られる前記固有の識別情報と前記受信側端末情報に対応する前記送信先情報とが前記記憶手段に記憶されている伝達許可状態であるか否かについて判定する判定手段と、
前記判定手段により前記伝達許可状態であると判定されると、前記受信した前記受信側端末情報に対応する前記送信先情報に関連付けられて前記記憶手段に記憶される前記所定の情報を前記受信側端末に送信し、前記判定手段により前記伝達許可状態でないと判定されると、前記所定の情報と異なる情報を前記受信側端末に送信するサーバ側送信手段と、
を備えることを特徴とする情報伝達システム。
前記サーバは、前記受信側端末からの指示または通知に応じて、当該受信側端末の前記受信側端末情報に対応して前記記憶手段に記憶されている情報を消去する消去手段を備えることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の情報伝達システム。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記特許文献1に開示される構成では、受取人と異なる第三者であっても、受取人用メッセージカードに付された受取用の2次元コードを読み取ることで、オリジナルメッセージを読むことができる。そうすると、第三者に読まれたくないオリジナルメッセージがサーバに登録されていると、第三者を介さずに受取人用メッセージカードを受取人に直接渡す必要があり、利便性が悪いという問題が生じる。また、受取人用メッセージカードを受取人に渡した後であっても、その受取人用メッセージカードの受取用の2次元コードが第三者によって読み取り可能な状態になると、オリジナルメッセージが第三者によって読まれてしまう可能性がある。
【0005】
本発明は、上述した課題を解決するためになされたものであり、その目的とするところは、表示媒体に表示された情報コードを利用した情報伝達であっても第三者への情報漏洩を防止し得る情報伝達システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、特許請求の範囲の請求項1に記載の発明は、送信側端末(20)および受信側端末(30)と、前記送信側端末および前記受信側端末と通信可能なサーバ(11)とを備え、表示媒体(M)に表示された情報コード(C)を用いて前記受信側端末に所定の情報を伝達する情報伝達システム(10)であって、前記情報コードには、固有の識別情報が記録されており、前記送信側端末は、前記受信側端末を送信先として選択する選択手段(21,24)と、前記所定の情報を入力するための入力手段(21,24)と、前記情報コードを撮像する送信側撮像手段(22)と、前記送信側撮像手段の撮像に応じて取得された前記固有の識別情報と、前記選択手段により選択された送信先に関する送信先情報と、前記入力手段により入力された前記所定の情報とを前記サーバに送信する送信側送信手段(26)と、を備え、前記受信側端末は、前記情報コードを撮像する受信側撮像手段(32)と、当該受信側端末を特定する受信側端末情報を、前記受信側撮像手段にて
前記情報コードが撮像された画像データまたは当該画像データから読み取られた前記固有の識別情報とともに前記サーバに送信する受信側送信手段(36)と、前記受信側送信手段による送信に応じて前記サーバから受信した前記所定の情報に基づく制御を行う制御手段(31,33)と、を備え、前記サーバは、前記送信側端末から受信した前記固有の識別情報と前記送信先情報と前記所定の情報とが関連付けて記憶される記憶手段(14)と、前記受信側端末から受信した情報から得られる前記固有の識別情報と前記受信側端末情報に対応する前記送信先情報とが前記記憶手段に記憶されている伝達許可状態であるか否かについて判定する判定手段(12)と、前記判定手段により前記伝達許可状態であると判定されると、前記受信した前記受信側端末情報に対応する前記送信先情報に関連付けられて前記記憶手段に記憶される前記所定の情報を前記受信側端末に送信し、前記判定手段により前記伝達許可状態でないと判定されると、前記所定の情報と異なる情報を前記受信側端末に送信するサーバ側送信手段(16)と、を備えることを特徴とする。
なお、上記各括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものである。
【発明の効果】
【0007】
請求項1の発明では、送信側端末にて、送信側撮像手段の撮像に応じて取得された固有の識別情報と、選択手段により選択された送信先に関する送信先情報と、入力手段により入力された所定の情報とが、送信側送信手段によりサーバに送信される。また、受信側端末にて、受信側端末情報が受信側撮像手段にて撮像された画像データまたは当該画像データから読み取られた固有の識別情報とともに受信側送信手段によりサーバに送信され、この送信に応じてサーバから受信した所定の情報に基づく制御が制御手段により行われる。そして、サーバにて、送信側端末から受信した固有の識別情報と送信先情報と所定の情報とが関連付けて記憶手段に記憶され、受信側端末から受信側端末情報等を受信した際に、判定手段により伝達許可状態であると判定されると、受信した受信側端末情報に対応する送信先情報に関連付けられて記憶手段に記憶される所定の情報が受信側端末に送信され、判定手段により伝達許可状態でないと判定されると、所定の情報と異なる情報が受信側端末に送信される。
【0008】
これにより、送信先と異なる第三者が受信側端末と異なる端末を用いて表示媒体に表示された情報コードを読み取っても、適切な受信側端末情報をサーバに送信できないので、サーバでは判定手段により伝達許可状態であると判定されことはない。したがって、第三者の端末では記憶手段に記憶されている所定の情報をサーバから受信することができないので、表示媒体に表示された情報コードを利用した情報伝達であっても第三者への情報漏洩を防止することができる。
【0009】
請求項2の発明では、送信側端末にて、送信側撮像手段の撮像に応じて取得された固有の識別情報と、選択手段により選択された複数の送信先に関する複数の送信先情報と、入力手段により入力された所定の情報とが、送信側送信手段によりサーバに送信される。そして、サーバにて、送信側送信手段から受信した固有の識別情報と複数の送信先情報と所定の情報とが関連付けられて記憶手段に記憶される。
【0010】
このため、選択手段により選択された複数の送信先にて、記憶手段に記憶されている所定の情報をそれぞれサーバから受信することができる。これにより、第三者への情報漏洩を防止しつつ、複数の送信先に対して同じ情報を伝達することができる。
【0011】
請求項3の発明では、送信側端末にて、送信側撮像手段の撮像に応じて取得された固有の識別情報と、選択手段により選択された複数の送信先に関する複数の送信先情報と、入力手段により送信先ごとにそれぞれ入力された複数の所定の情報とが、送信側送信手段によりサーバに送信される。そして、サーバにて、送信側送信手段から受信した固有の識別情報と複数の送信先情報と複数の所定の情報とが関連付けられて記憶手段に記憶される。
【0012】
これにより、サーバの記憶手段には、1つの固有の識別情報に対して、一対の送信先情報および所定の情報が複数組関連付けられて記憶されることとなるので、1つの情報コードを利用して情報を伝達する場合でも、送信先ごとに異なる情報を伝達することができる。
【0013】
請求項4の発明では、送信側端末にて、固有の識別情報、送信先情報および所定の情報に加えて送信側端末情報が送信側送信手段によりサーバに送信される。そして、サーバにて、判定手段により伝達許可状態であると判定されると、受信した受信側端末情報に対応する送信先情報に関連付けられて記憶手段に記憶される全てまたは一部の所定の情報が、サーバ側送信手段により関連する送信側端末情報とともに受信側端末に送信される。
【0014】
このため、1つの情報コードを利用して複数の送信側(送信元)が送信側端末を用いて個別に所定の情報をサーバに記憶する場合でも、受信側(送信先)では、全てまたは一部の所定の情報を受信することができる。これにより、1つの情報コードを利用して複数の送信元が1人の送信先に対してそれぞれ所定の情報を伝達することができる。特に、送信側端末情報も送信されるため、どの送信元がどの情報を伝達しているかを容易に把握することができる。
【0015】
請求項5の発明では、サーバは、受信側端末からの指示または通知に応じて、当該受信側端末の受信側端末情報に対応して記憶手段に記憶されている情報を消去する消去手段を備えている。
【0016】
これにより、所定の情報に基づく処理を終えたことで不要となった所定の情報を受信側端末からの消去指示や既読通知に応じて記憶手段から消去できるので、所定の情報等の秘匿性を向上させ、第三者への情報漏洩を確実に防止することができる。
【0017】
請求項6の発明では、情報コードは、公開領域と、暗号化キーに基づいて暗号化された暗号データが記録される非公開領域とを備えており、固有の識別情報は、非公開領域に記録されている。
【0018】
このように、固有の識別情報を情報コードの非公開領域に記録することで、暗号化キーを有しない端末では固有の識別情報を読み取ることができないので、固有の識別情報の秘匿性を向上させ、第三者への情報漏洩を確実に防止することができる。
【発明を実施するための形態】
【0020】
[第1実施形態]
以下、本発明に係る情報伝達システムを具現化した第1実施形態について、図面を参照して説明する。
図1は、第1実施形態に係る情報伝達システム10を概念的に説明する説明図である。
本実施形態に係る情報伝達システム10は、情報伝達用の表示媒体Mに表示された情報コードCを用いて、送信側端末20からサーバ11を介して受信側端末30に所定の情報を伝達するシステムである。より詳細には、情報伝達システム10は、送信側端末20の所有者(送信者)が情報コードCを用いてサーバ11に登録したオリジナルメッセージ等の第三者に秘匿したい所定の情報(以下、秘匿情報ともいう)を、受信側端末30の所有者(受信者)がその情報コードCを用いて取得できるように構成されている。
【0021】
本実施形態では、情報伝達用の表示媒体Mに表示される情報コードCとして、公開領域と、暗号化キーに基づいて暗号化された暗号データが記録された非公開領域とを有する一部非公開コードが採用されている。本実施形態における情報コードCでは、公開領域には公開可能な情報が記録されており、非公開領域にはシリアル番号等、他の情報コードと識別するための固有の識別情報が記録されている。すなわち、暗号化キーを有しない通常の情報コード読取装置では、公開領域に記録される公開情報のみ光学的に読み取ることができ、非公開領域に記録される固有の識別情報を読み取ることができない。
【0022】
まず、送信側端末20および受信側端末30の構成について、
図2および
図3を参照して説明する。なお、
図2は、
図1の送信側端末20を概略的に例示するブロック図である。
図3は、
図1の受信側端末30を概略的に例示するブロック図である。
送信側端末20は、情報処理機能を有する携帯型通信装置(例えば携帯電話機等)として構成されるものであり、
図2に示すように、CPUからなる制御部21、受光センサ(例えば、C−MOSエリアセンサ、CCDエリアセンサ等)を備えたカメラとして構成される撮像部22、液晶表示器などからなる表示部23、各種操作キー(図示略)によって構成される操作部24、ROM,RAM、不揮発性メモリなどからなる記憶部25、インターネット等の通信網を介してサーバ11等の外部機器と通信可能な通信インターフェースとして構成される通信部26などを備えている。
【0023】
上述のように構成される送信側端末20の記憶部25には、秘匿情報送信処理に関するアプリケーションプログラムが制御部21により実行可能に予め格納されており、このアプリケーションプログラムが実行されることで、受信者に対して送信したい秘匿情報をサーバ11に登録することができる。この秘匿情報送信処理の詳細な説明については後述する。
【0024】
また、
図3に示すように、受信側端末30は、上記送信側端末20と同様に機能する、制御部31、撮像部32、表示部33、操作部34、記憶部35および通信部36などを備えるように構成されている。そして、この受信側端末30の記憶部35には、秘匿情報受信処理に関するアプリケーションプログラムが制御部31により実行可能に予め格納されており、このアプリケーションプログラムが実行されることで、受信者は、送信者がサーバ11に登録した秘匿情報を取得することができる。この秘匿情報受信処理の詳細な説明については後述する。
【0025】
次に、サーバ11の構成について、
図4を参照して説明する。なお、
図4は、
図1のサーバ11を概略的に例示するブロック図である。
サーバ11は、例えばコンピュータとして構成され、
図4に示すように、CPU等からなる制御部12、液晶モニタ等として構成される表示部13、ROM、RAM、HDD等からなる記憶部14、マウスやキーボード等として構成される操作部15、インターネット等の通信網を介して送信側端末20や受信側端末30等の外部機器と通信可能な通信インターフェースとして構成される通信部16などを備えている。なお、記憶部14は、「記憶手段」の一例に相当し、通信部16は、「サーバ側送信手段」の一例に相当し得る。
【0026】
このサーバ11の記憶部14には、情報コードCをデコードするためのデコード処理に関するアプリケーションプログラムが制御部12により実行可能に予め格納されている。また、記憶部14には、情報コードCの非公開領域に記録された情報を解読するための暗号化キーが予め記憶されている。このため、サーバ11は、送信側端末20等から後述するコード画像データを受信すると、このコード画像データに含まれる情報コードを上記暗号化キーを用いたデコード方法によりデコードし、そのデコード結果等をその端末に対して送信するデコードサーバとして機能する。
【0027】
また、このサーバ11の記憶部14には、送信側端末20から受信した情報を登録する登録処理に関するアプリケーションプログラムと正当な要求に応じて登録済の情報を送信する登録情報送信処理に関するアプリケーションプログラムとが制御部12により実行可能に予め格納されている。このため、サーバ11は、上記登録処理により送信側端末20から受信した秘匿情報等を記憶部14のデータベースに登録し、上記登録情報送信処理により正当な要求を行う受信側端末30に対して登録済の秘匿情報等を送信するメッセージサーバとして機能する。
【0028】
次に、上述のように構成される情報伝達システム10を利用して秘匿情報を送信側端末20から受信側端末30に送信する場合について、
図5〜
図7を参照して説明する。なお、
図5は、第1実施形態において送信側端末20の制御部21にて行われる秘匿情報送信処理の流れを例示するフローチャートである。
図6は、第1実施形態において受信側端末30の制御部31にて行われる秘匿情報受信処理の流れを例示するフローチャートである。
図7は、第1実施形態においてサーバ11の制御部12にて行われる登録情報送信処理の流れを例示するフローチャートである。
【0029】
以下の説明では、情報伝達用の表示媒体Mとして誕生日カードを購入等により入手した送信者が、秘匿情報としてオリジナルメッセージを、誕生日カードに表示された情報コードCを利用して受信者に伝達する場合について説明する。この場合、情報コードCの公開領域には、「誕生日おめでとう」等の固定メッセージが記録されているものとする。また、送信者および受信者は、他の複数の利用者とともに所定のグループに属しており、送信先を特定するための各利用者のユーザIDが予め記憶部25に記憶されているものとする。
【0030】
(秘匿情報送信処理)
まず、送信者が送信側端末20を用いて秘匿情報をサーバ11に登録する際に、送信側端末20の制御部21にて行われる秘匿情報送信処理について、
図5のフローチャートを参照して説明する。
操作部24に対する所定の操作によりアプリケーションプログラムが実行されて秘匿情報送信処理が開始されると、
図5のステップS101に示す送信先選択処理がなされる。この処理は、上述した所定のグループに属するいずれかの利用者を送信先として選択するためのものであり、操作部24の操作に応じて送信先として選択された受信者のユーザIDが送信先IDとして設定される。なお、送信先を選択するための操作としては、例えば、表示部13に画面表示されるプルダウン等による選択方法を採用することができる。また、上記送信先選択処理を実行する制御部21および操作部24は、「選択手段」の一例に相当し、送信先IDは、「送信先情報」の一例に相当し得る。
【0031】
次に、ステップS103に示す秘匿情報入力処理がなされる。この処理では、送信者による操作部24の操作等に応じてオリジナルメッセージが秘匿情報として入力される。なお、上記秘匿情報入力処理を実行する制御部21および操作部24は、「入力手段」の一例に相当し得る。
【0032】
続いて、ステップS105に示す撮像処理がなされ、送信者により誕生日カードの情報コードCに対して撮像部22が向けられた状態で操作部24に対して撮像用の操作がなされることで、情報コードCを含めた画像データがコード画像データとして生成される。なお、上記撮像処理を実行する制御部21および撮像部22は、「送信側撮像手段」の一例に相当し得る。
【0033】
上述のようにコード画像データが生成されると、ステップS107に示すサーバデコード処理がなされる。この処理では、サーバ11に対して上述のように生成されたコード画像データを送信することで、サーバ11から情報コードCのデコード結果である固有の識別情報かデコード失敗に関する情報が受信される。情報コードCを適切に撮像できていないためにデコードが失敗していると、ステップS109にてNoと判定されて、再度ステップS105からの処理がなされる。
【0034】
一方、サーバ11でのデコードが成功していることからサーバ11から固有の識別情報が受信されると(S109でYes)、ステップS111に示す送信処理がなされる。この処理では、サーバ11から取得した固有の識別情報に加えて、ステップS101にて選択された送信先IDと、ステップS103にて入力された秘匿情報とが、通信部26によりサーバ11に送信される。なお、上記送信処理を実行する制御部21および通信部26は、「送信側送信手段」の一例に相当し得る。
【0035】
サーバ11では、送信側端末20から固有の識別情報、送信先IDおよび秘匿情報が受信されることで、制御部12により上記登録処理がなされ、受信した固有の識別情報、送信先IDおよび秘匿情報が関連付けられて記憶部14のデータベースに登録される。
【0036】
(秘匿情報受信処理)
次に、送信者から誕生日カード(表示媒体M)を受け取った受信者が受信側端末30を用いて情報コードCを撮像した際に、制御部31にて行われる秘匿情報受信処理について、
図6のフローチャートを参照して説明する。
操作部34に対する所定の操作によりアプリケーションプログラムが実行されて秘匿情報受信処理が開始されると、
図6のステップS201に示す撮像処理がなされ、受信者により誕生日カードの情報コードCに対して撮像部32が向けられた状態で操作部34に対して撮像用の操作がなされることで、情報コードCを含めた画像がコード画像データとして生成される。なお、上記撮像処理を実行する制御部31および撮像部32は、「受信側撮像手段」の一例に相当し得る。
【0037】
上述のようにコード画像データが生成されると、ステップS203に示す画像データ等送信処理がなされ、上述のように生成されたコード画像データと受信者のユーザIDとが、通信部36によりサーバ11に対して送信される。なお、上記画像データ等送信処理を実行する制御部31および通信部36は、「受信側送信手段」の一例に相当し、受信者のユーザIDは、「受信側端末情報」の一例に相当し得る。
【0038】
上記画像データ等送信処理によるユーザID等の送信に応じてサーバ11にて後述する登録情報送信処理が実行されることでサーバ11からデータを受信すると、ステップS205にて受信データに秘匿情報が含まれているか否かについて判定される。
【0039】
受信者がその受信側端末30を用いて情報コードCを撮像していることから受信データに秘匿情報が含まれていると(S205でYes)、ステップS207に示す秘匿情報表示処理がなされる。この処理では、秘匿情報であるオリジナルメッセージが表示部33に表示される。これにより、受信者は、送信者からのオリジナルメッセージを見ることができる。なお、上記秘匿情報表示処理を実行する制御部31および表示部33は、「制御手段」の一例に相当し得る。
【0040】
一方、上記所定のグループの利用者のうち受信者と異なる利用者が誕生日カードの情報コードCを撮像している場合には、後述するように受信データに秘匿情報が含まれないため(S205でNo)、ステップS209に示す伝達不可状態表示処理がなされる。この処理では、サーバ11から後述するように受信した伝達不可情報に基づいて、秘匿情報を伝達することが不可である状態を示す情報が表示部33に表示され、秘匿情報が表示されることはない。なお、上記ステップS205に示す判定処理にてNoと判定される場合には、上記伝達不可状態表示処理において、秘匿情報を伝達することが不可である状態を示す情報を表示することに限らず、単に秘匿情報と異なる情報を表示等するようにしてもよい。
【0041】
また、第三者が誕生日カードの情報コードCを暗号化キーを有しない通常の情報コード読取装置を用いて撮像している場合には、公開情報のみが読み取られる。この場合には、固有の識別情報が読み取られることもなく、秘匿情報が表示されることもない。
【0042】
(登録情報送信処理)
次に、サーバ11において受信側端末30からコード画像データおよび受信者のユーザIDを受信することで制御部12にて行われる登録情報送信処理について、
図7のフローチャートを参照して説明する。
送信側端末20や受信側端末30などの端末から画像データを含めたデータを受信すると、
図7のステップS301に示すデコード処理がなされる。この処理では、受信した画像データに含まれる情報コードに対して記憶部14に記憶されている上記暗号化キーを用いたデコード方法で解読するための処理がなされる。このデコード処理が失敗すると(S303でNo)、ステップS305に示す報知処理がなされ、デコードが失敗した旨がデータを送信した端末に対して送信されて報知される。
【0043】
一方、受信者が受信側端末30を用いて誕生日カードの情報コードCを撮像していることからデコードが成功して固有の識別情報が取得されると(S303でYes)、ステップS307に示す判定がなされ、受信データにユーザIDが含まれているか否かについて判定される。ここで、受信データにユーザIDが含まれていない場合には(S307でNo)、ステップS309に示すデコード結果送信処理がなされ、デコード結果を含めた情報が上記画像データを送信した端末に対して送信される。例えば、上記ステップS107に示すサーバデコード処理により送信側端末20からデコード可能なコード画像データが送信されている場合には、受信データにユーザIDが含まれていないため(S307でNo)、上記デコード結果送信処理によりデコード結果として上記固有の識別情報を含めた情報が送信側端末20に送信される。
【0044】
一方、受信側端末30から上述のように受信者のユーザIDとコード画像データとを受信している場合には(S307でYes)、ステップS311に示す判定処理がなされ、受信したユーザIDと上記ステップS301にて取得された固有の識別情報との双方に一致する送信先IDおよび固有の識別情報が関連して記憶部14のデータベースに登録されている伝達許可状態であるか否かについて判定される。なお、上記ステップS311に示す判定処理を実行する制御部12は、「判定手段」の一例に相当し得る。
【0045】
ここで、受信したユーザIDと取得された固有の識別情報との双方に一致する送信先IDおよび固有の識別情報がデータベースに関連して登録されていることから伝達許可状態であると判定されると(S311でYes)、ステップS313に示す秘匿情報送信処理がなされる。この処理では、受信したユーザIDに一致する送信先IDに対応してデータベースに登録されている秘匿情報が、その受信側端末30に対して送信される。
【0046】
一方、上記所定のグループの利用者のうち受信者と異なる利用者が誕生日カードの情報コードCを撮像している場合していることからそのユーザIDをコード画像データとともに受信している場合には、受信したユーザIDに一致する送信先IDが登録されていないため、伝達許可状態でないとして、ステップS311でNoと判定される。この場合には、ステップS315に示す伝達不可情報送信処理がなされ、秘匿情報と異なる情報として、秘匿情報を伝達することが不可であることを示す伝達不可情報がその受信側端末30に対して送信される。
【0047】
以上説明したように、本実施形態に係る情報伝達システム10では、送信側端末20にて、情報コードCの撮像に応じて取得された固有の識別情報と、上記送信先選択処理(S101)により選択された送信先ID(送信先情報)と、上記秘匿情報入力処理(S103)により入力された秘匿情報(所定の情報)とが、上記送信処理(S111)によりサーバ11に送信される。また、受信側端末30にて、ユーザID(受信側端末情報)がコード画像データとともに上記画像データ等送信処理(S203)によりサーバ11に送信され、この送信に応じてサーバ11から受信した秘匿情報が表示部33に表示される。そして、サーバ11にて、送信側端末20から受信した固有の識別情報と送信先IDと秘匿情報とが関連付けて記憶部14のデータベースに記憶され、受信側端末30からユーザID等を受信した際に、伝達許可状態であると判定されると(S311でYes)、受信したユーザIDに対応する送信先IDに関連付けられて記憶部14のデータベースに記憶される秘匿情報が受信側端末30に送信され、伝達許可状態でないと判定されると(S311でNo)、伝達不可情報が受信側端末30に送信される。
【0048】
これにより、送信先と異なる第三者が受信側端末30と異なる端末を用いて表示媒体Mに表示された情報コードCを読み取っても、適切なユーザIDをサーバ11に送信できないので、サーバ11では伝達許可状態であると判定されことはない。したがって、第三者の端末では記憶部14のデータベースに記憶されている秘匿情報をサーバ11から受信することができないので、表示媒体Mに表示された情報コードCを利用した情報伝達であっても第三者への情報漏洩を防止することができる。
【0049】
例えば、上述したように情報伝達用の表示媒体Mとして情報コードCが表示された誕生日カードを採用する場合には、物理的な用紙に贈りたい相手だけが読めるオリジナルメッセージを後からでも添えることができる。また、情報伝達用の表示媒体Mの主旨に合わせて、情報コードCの公開領域に「入学おめでとう」、「ご結婚おめでとうございます」、「引越ししました」等の固定メッセージが記録される場合でも、上述のようにサーバ11にオリジナルメッセージを登録することで、物理的な用紙に贈りたい相手だけが読めるオリジナルメッセージを添えることができる。
【0050】
特に、情報伝達用の表示媒体Mに表示される情報コードCは、公開領域と、暗号化キーに基づいて暗号化された暗号データが記録される非公開領域とを備えており、固有の識別情報は、非公開領域に記録されている。
【0051】
このように、固有の識別情報を情報コードCの非公開領域に記録することで、暗号化キーを有しない端末では固有の識別情報を読み取ることができないので、固有の識別情報の秘匿性を向上させ、第三者への情報漏洩を確実に防止することができる。
【0052】
なお、本実施形態の変形例として、送信側端末20および受信側端末30は、暗号化キーが予め記憶部等に記憶されていることで、情報コードCを上記暗号化キーを用いたデコード方法によりデコードして固有の識別情報を直接取得可能に構成されてもよい。この構成は後述する他の実施形態にも適用することができる。この場合には、サーバ11に対して送信側端末20によりコード画像データが送信されることなく直接固有の識別情報が送信先IDおよび秘匿情報とともに送信される。また、サーバ11に対して受信側端末30により直接固有の識別情報が受信者のユーザIDとともに送信される。そして、サーバ11により、記憶部14に記憶される送信先IDに一致するユーザIDが対応する固有の識別情報とともに受信された場合に、その受信側端末30に対して対応する秘匿情報が送信される。
【0053】
[第2実施形態]
次に、本発明の第2実施形態に係る情報伝達システムについて、以下に説明する。
本第2実施形態では、1人の送信者が複数の受信者に対して同じ秘匿情報を伝達する点が主に上記第1実施形態と異なる。このため、第1実施形態と実質的に同様の構成部分には同一符号を付して説明を省略する。
【0054】
情報伝達用の表示媒体Mが用いられる環境などによっては、1つの情報コードCを用いて、秘匿情報を、1人の受信者にのみ伝達したい場合だけでなく、上記所定のグループに属する利用者のうちの数人に伝達したい場合もある。そこで、本実施形態に係る情報伝達システムでは、1人の送信者が複数の受信者に対して同じ秘匿情報を伝達可能となるように、送信側端末20の制御部21にて秘匿情報送信処理が実行される。
【0055】
具体的には、上記ステップS101における送信先選択処理において1または2以上の送信先(送信先ID)が選択され、上記ステップS111における送信処理において選択された1または2以上の送信先IDが固有の識別情報および秘匿情報とともにサーバ11に送信される。そして、サーバ11にて、送信側端末20から受信した1または2以上の送信先IDと固有の識別情報および秘匿情報とが関連付けられて記憶部14に記憶される。
【0056】
このため、上記送信先選択処理により選択された1または2以上の送信先となる受信者は、サーバ11の記憶部14に記憶されている秘匿情報をそれぞれサーバ11から受信することができる。これにより、第三者への情報漏洩を防止しつつ、1つの表示媒体Mを用いて複数の送信先に対して同じ情報を伝達することができる。
【0057】
[第3実施形態]
次に、本発明の第3実施形態に係る情報伝達システムについて、
図8を用いて説明する。なお、
図8は、第3実施形態において送信側端末20の制御部21にて行われる秘匿情報送信処理の流れを例示するフローチャートである。
本第3実施形態では、1人の送信者が複数の受信者に対してそれぞれ異なる秘匿情報を伝達する点が主に上記第1実施形態と異なる。このため、第1実施形態と実質的に同様の構成部分には同一符号を付して説明を省略する。
【0058】
情報伝達用の表示媒体Mが用いられる環境などによっては、1人の受信者にのみ秘匿情報を伝達したい場合だけでなく、上記所定のグループに属する利用者のうちの数人に対してそれぞれ異なる情報を伝達したい場合もある。例えば、情報コードCが表示される名刺を情報伝達用の表示媒体Mとするとき、名刺を手渡した人毎に情報コードCから読み取れる内容を変更したい場合がある。
【0059】
そこで、本実施形態に係る情報伝達システム10では、1人の送信者が複数の受信者に対してそれぞれ異なる秘匿情報を伝達可能となるように、送信側端末20の制御部21にて秘匿情報送信処理が実行される。
【0060】
以下、本実施形態における秘匿情報送信処理について、
図8のフローチャートを参照して説明する。
操作部24に対する所定の操作によりアプリケーションプログラムが実行されて秘匿情報送信処理が開始されると、
図8のステップS101に示す送信先選択処理がなされ、操作部24の操作に応じて送信先として選択された1つの受信者のユーザIDが送信先IDとして設定される。続いて、ステップS103に示す秘匿情報入力処理がなされ、その受信者に伝達したい秘匿情報が入力される。
【0061】
次に、ステップS104に示す判定処理がなされ、送信先選択完了であるか否かについて判定され、操作部24の操作に応じて送信先選択完了でないと判定されると(S104でNo)、再度上記ステップS101からの処理が繰り返される。すなわち、この繰り返し処理により、複数の送信先の選択とその送信先ごとの秘匿情報の入力とを行うことができる。
【0062】
操作部24の操作に応じて送信先選択完了であると判定されると(S104でYes)、ステップS105に示す撮像処理にて情報コードCを含めた画像データがコード画像データとして生成され、そのサーバデコードが成功すると(S109でYes)、ステップS111aに示す送信処理がなされる。この処理では、複数組の送信先IDおよび秘匿情報と固有の識別情報とが、通信部26によりサーバ11に送信される。
【0063】
サーバ11では、複数組の送信先IDおよび秘匿情報と固有の識別情報とが受信されることで、制御部12により上記登録処理がなされ、受信した複数組の送信先IDおよび秘匿情報と固有の識別情報とが関連付けられて記憶部14のデータベースに登録される。
【0064】
また、サーバ11は、上記登録情報送信処理にて伝達許可状態であると判定されたユーザIDに対して、そのユーザIDに一致する送信先IDと組みになる秘匿情報を、その受信側端末30に送信する。これにより、送信者が送信先として選択した1人の受信者は、その受信側端末30により上記第1実施形態と同様に秘匿情報受信処理を行うことで、その受信者のために送信者が入力した秘匿情報を見ることができる。
【0065】
以上説明したように、本実施形態に係る情報伝達システム10では、送信側端末20にて、情報コードCの撮像に応じて取得された固有の識別情報と、上記送信先選択処理(S101)により選択された複数の送信先ID(送信先情報)と、上記秘匿情報入力処理(S103)によりにより送信先ごとにそれぞれ入力された複数の秘匿情報(所定の情報)とが、上記送信処理(S111a)によりサーバ11に送信される。そして、サーバ11にて、送信側端末20から受信した固有の識別情報と複数の送信先IDと複数の秘匿情報とが関連付けられて記憶部14に記憶される。
【0066】
これにより、サーバ11の記憶部14には、1つの固有の識別情報に対して、一対の送信先IDおよび秘匿情報が複数組関連付けられて記憶されることとなるので、1つの情報コードCを利用して情報を伝達する場合でも、送信先ごとに異なる情報を伝達することができる。
【0067】
例えば、上述したような表示媒体Mとして名刺を採用する場合でも、名刺を渡した者(送信者)は、名刺を受取った者のうちの数人(受信者)に対して、それぞれメッセージを伝えることができる。また、名刺を受取った受信者は、自分宛に登録されたメッセージを確認することができる。また、送信者にとっては意図する受信者のみにメッセージを伝え、第三者にはそのメッセージを秘匿することができる。
【0068】
本実施形態に係る情報伝達用の表示媒体Mは、上述した名刺に限らず、クリスマスカードや花束に添えるカード、年賀状などでも採用でき、その場合でも第三者にはそのメッセージを秘匿することができる。
【0069】
[第4実施形態]
次に、本発明の第4実施形態に係る情報伝達システムについて、以下に説明する。
本第4実施形態では、複数の送信者が1人の受信者に対してそれぞれ異なる秘匿情報を伝達する点が主に上記第1実施形態と異なる。このため、第1実施形態と実質的に同様の構成部分には同一符号を付して説明を省略する。
【0070】
情報伝達用の表示媒体Mが用いられる環境などによっては、1人の受信者にのみ秘匿情報を伝達したい場合だけでなく、上記所定のグループに属する利用者のうちの数人が他の1人に対してそれぞれ異なる情報を伝達したい場合もある。例えば、情報コードCが表示される寄せ書き用紙を情報伝達用の表示媒体Mとするとき、寄せ書き者のそれぞれが寄せ書きのメッセージを第三者に見せずに受信者だけに伝えたい場合がある。
【0071】
そこで、本実施形態に係る情報伝達システム10では、複数の送信者が1人の受信者に対してそれぞれ異なる秘匿情報を伝達可能となるように、送信側端末20にて秘匿情報送信処理がなされ、受信側端末30にて秘匿情報受信処理がなされ、サーバ11にて登録処理および登録情報送信処理がなされる。
【0072】
具体的には、送信側端末20の制御部21にて行われる秘匿情報送信処理では、上記第1実施形態と同様に、上記送信先選択処理により送信先IDが選択され、上記秘匿情報入力処理により秘匿情報が入力され、情報コードCの撮像に応じて固有の識別情報が取得されると、ステップS111に示す送信処理がなされる。本実施形態では、この処理に応じて、固有の識別情報、送信先IDおよび秘匿情報に加えて、送信側端末20を特定する送信側端末情報として当該送信側端末20のユーザIDが送信元IDとしてサーバ11に送信される。
【0073】
サーバ11では、送信側端末20から固有の識別情報、送信先ID、秘匿情報および送信元IDが受信されることで、制御部12により上記登録処理がなされ、受信した固有の識別情報、送信先ID、秘匿情報および送信元IDが関連付けられて記憶部14のデータベースに登録される。また、別の送信者の送信側端末20から固有の識別情報、送信先ID、秘匿情報および送信元IDが受信されても、この受信データも同様に関連付けられて記憶部14のデータベースに登録される。
【0074】
また、サーバ11では、制御部12にて行われる登録情報送信処理がなされることで、受信側端末30から受信者のユーザIDとともに受信したコード画像データに含まれる情報コードCのデコードが成功し(S303でYes)、受信したユーザIDとデコードにより取得した固有の識別情報とに一致する送信先IDと固有の識別情報が関連して記憶部14のデータベースに登録されていることから伝達許可状態であると判定されると(S307,S311でYes)、ステップS313に示す送信処理がなされる。本実施形態における送信処理では、上記一致する送信先IDおよび固有の識別情報に関連付けられる複数組の秘匿情報および送信元IDの全てが、その受信側端末30に対して送信される。
【0075】
次に、寄せ書き(表示媒体M)を受け取った受信者が受信側端末30を用いて情報コードCを撮像した際に、制御部31にて行われる秘匿情報受信処理について説明する。
上記第1実施形態と同様に、コード画像データおよび受信者のユーザIDがサーバ11に送信されると、複数組の秘匿情報および送信元IDが受信されて(S205でYes)、ステップS207に示す秘匿情報表示処理がなされる。
【0076】
本実施形態における秘匿情報表示処理では、表示部33に、複数の秘匿情報を受信したこと示す情報が表示されるととともに、送信元IDが選択可能に表示される。そして、いずれかの送信元IDが選択されることで、その選択された送信元IDに対応する秘匿情報が表示部33に表示される。これにより、受信者は、その寄せ書きの情報コードCを撮像することで、その情報コードCを用いてサーバ11に登録された全ての秘匿情報を見ることができる。
【0077】
以上説明したように、本実施形態に係る情報伝達システム10では、送信側端末20にて、固有の識別情報、送信先IDおよび秘匿情報に加えて送信元IDがサーバ11に送信される。そして、サーバ11にて、伝達許可状態であると判定されると、受信したユーザIDに対応する送信先IDに関連付けられて記憶部14に記憶される全ての秘匿情報が、関連する送信元IDとともに受信側端末30に送信される。
【0078】
このため、1つの情報コードCを利用して複数の送信者(送信元)が送信側端末20を用いて個別に秘匿情報をサーバ11に記憶する場合でも、受信者(送信先)では、全ての秘匿情報を受信することができる。これにより、1つの情報コードCを利用して複数の送信元が1人の送信先に対してそれぞれ秘匿情報を伝達することができる。特に、送信元IDも送信されるため、受信者は、どの送信元がどの情報を伝達しているかを容易に把握することができる。さらに、寄せ書きなどの表示媒体Mを多数人で回覧する場合でも、オリジナルメッセージ等の秘匿情報を第三者に対して秘匿することができる。
【0079】
なお、上記送信処理では、受信側端末30に対して、一致する送信先IDおよび固有の識別情報に関連付けられる複数組の秘匿情報および送信元IDの全てが送信されることに限らず、日時条件などの送信に関する制約条件等を設けることで、一致する送信先IDおよび固有の識別情報に関連付けられる複数組の秘匿情報および送信元IDの一部が送信されてもよい。
【0080】
[第5実施形態]
次に、本発明の第5実施形態に係る情報伝達システムについて、
図9を用いて説明する。なお、
図9は、第5実施形態において受信側端末30の制御部31にて行われる秘匿情報受信処理の流れを例示するフローチャートである。
本第5実施形態では、既読の秘匿情報をサーバ11から消去する点が主に上記第1実施形態と異なる。このため、第1実施形態と実質的に同様の構成部分には同一符号を付して説明を省略する。
【0081】
本実施形態において受信側端末30の制御部31にて実施される秘匿情報受信処理では、表示した秘匿情報を読んだ受信者の指示(要求)に応じて、その秘匿情報がサーバ11の記憶部14から消去される。これにより、秘匿情報の秘匿性をさらに向上させるだけでなく、その表示媒体Mの情報コードCを再利用して他の秘匿情報を伝達することができる。
【0082】
以下、本実施形態における秘匿情報受信処理について、
図9のフローチャートを参照して説明する。
受信側端末30において、上記第1実施形態と同様に、コード画像データおよび受信者のユーザIDをサーバ11に送信することで秘匿情報が受信されると(
図9のS205でYes)、ステップS207に示す秘匿情報表示処理がなされ、秘匿情報が表示部33に表示される。
【0083】
次に、ステップS211に示す判定処理にて、秘匿情報を消去する指示がなされたか否かについて判定され、操作部24の操作に応じて秘匿情報を消去する指示がなされると(S211でYes)、ステップS213に示す消去指示送信処理がなされる。この処理では、受信した秘匿情報を消去する消去指示が受信者のユーザIDおよび秘匿情報とともにサーバ11に対して送信される。
【0084】
サーバ11では、受信側端末30から上記消去指示が受信者のユーザIDおよび秘匿情報とともに受信されると、制御部12によりこの秘匿情報に関連する情報が記憶部14のデータベースから消去される。なお、消去指示に応じて記憶部14に記憶されている関連情報を消去する処理を行う制御部12は、「消去手段」の一例に相当し得る。
【0085】
これにより、秘匿情報の表示処理を終えたことで不要となった秘匿情報を受信側端末30からの消去指示に応じて記憶部14から消去できるので、秘匿情報等の秘匿性を向上させ、第三者への情報漏洩を確実に防止することができる。
【0086】
なお、受信側端末30では、秘匿情報を消去する指示を受信者に求めることなく、上記秘匿情報表示処理(S207)の後に表示完了などを示す既読通知を受信者のユーザIDおよび秘匿情報とともにサーバ11に対して送信してもよい。この場合、サーバ11では、受信側端末30からの上記既読通知の受信に応じて、この秘匿情報に関連する情報が記憶部14のデータベースから消去される。このように受信者の要望にかかわらず既読の秘匿情報を記憶部14のデータベースから強制的に消去してもよい。
【0087】
なお、既読の秘匿情報をサーバ11から消去可能な本実施形態の特徴的構成は、他の実施形態にも適用することができる。
【0088】
[他の実施形態]
なお、本発明は上記各実施形態および変形例に限定されるものではなく、例えば、以下のように具体化してもよい。
(1)情報伝達用の表示媒体Mに表示される情報コードCは、一部非公開コードとして構成されることに限らず、暗号化キーを有しない一般の情報コード読取装置でも読み取り可能なコードとして構成されてもよい。この場合、情報コードCは、固有の識別情報のみをコード化するか、固定メッセージに固有の識別情報を加えるようにコード化して構成される。この場合には、サーバ11に対して送信側端末20によりコード画像データが送信されることなく直接固有の識別情報を送信先IDおよび秘匿情報とともに送信することができる。また、サーバ11に対して受信側端末30により直接固有の識別情報を受信者のユーザIDとともに送信することができる。そして、サーバ11により、記憶部14に記憶される送信先IDに一致するユーザIDが対応する固有の識別情報とともに受信された場合に、その受信側端末30に対して対応する秘匿情報が送信される。このように情報コードCが構成される場合でも、第三者には固有の識別情報が読み取られるだけで秘匿情報が表示されることもないので、秘匿情報の秘匿性を確保することができる。
【0089】
(2)受信側端末30の制御部21にて実施される秘匿情報受信処理では、上記ステップS207に示す秘匿情報表示処理に代えて、例えば、受信した秘匿情報を起動用のパスワードとして他のプログラムを起動させるなど、受信した秘匿情報に基づく制御を行ってもよい。