特許第6384420号(P6384420)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6384420シート端部に棒状部材を固定するための固定具を用いた固定方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6384420
(24)【登録日】2018年8月17日
(45)【発行日】2018年9月5日
(54)【発明の名称】シート端部に棒状部材を固定するための固定具を用いた固定方法
(51)【国際特許分類】
   E06B 9/17 20060101AFI20180827BHJP
   E04F 10/02 20060101ALI20180827BHJP
   A47H 23/01 20060101ALI20180827BHJP
【FI】
   E06B9/17 U
   E04F10/02
   A47H23/01 B
【請求項の数】1
【全頁数】7
(21)【出願番号】特願2015-150152(P2015-150152)
(22)【出願日】2015年7月29日
(65)【公開番号】特開2017-31585(P2017-31585A)
(43)【公開日】2017年2月9日
【審査請求日】2016年9月12日
(73)【特許権者】
【識別番号】506173606
【氏名又は名称】有限会社トラッド
(72)【発明者】
【氏名】松本 裕多
【審査官】 兼丸 弘道
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許出願公開第2002/0059985(US,A1)
【文献】 特開2014−059132(JP,A)
【文献】 特開2002−213158(JP,A)
【文献】 特開2004−293173(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E06B 9/17
E06B 9/40−9/50
E06B 9/24−9/388
A47H 23/01
E04F 10/00−10/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
片方に膨出する膨出部とその一端側が板状に延出する挟持片とからなる一対の固定片を、膨出部が外側に向くように配置させて内側に棒状部材を収納できる収納空間を形成すると共に、一対の挟持片がシートを挟持するように開放位置から挟持位置まで開閉自在となるように他端側の接合部で接合一体化されている固定具を用いて棒状部材にシート端部を固定する方法であって、シート端部を棒状部材に巻きつけて折り返すと共に、固定具の一対の膨出部が形成する収納空間に前記棒状部材を当該棒状部材に巻き付けたシート全体が膨出部の内側に密着するように収納すると共に、シートの重複部を固定具の一対の挟持片で表裏から挟持して固定し、固定具を覆うようにして固定金具で固定具の挟持部を固定することを特徴とする棒状部材にシート端部を固定する固定方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、織物等の柔軟性のあるシートの端部に棒状部材を固定するための固定具用いた固定方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
古来より、暑い夏場を快適に暮らすための先人の知恵として、家屋の軒先からすだれを吊るしたり、壁面によしずやたてすを立て掛けたりして、直射日光を遮り風通しを良くする方法が用いられてきた。最近では、エアコンが普及してきたものの、窓ガラスから室内に日光が差し込むことで室温が上昇し、エアコンの冷房能力が不足したり、電力消費が増えるという問題が生じるため、窓際で直射日光を遮ることのできるこれらの日よけ類も見直されてきているが、天然材料のために耐久性に劣るという問題があった。
【0003】
それに対して、近年では、耐久性の高い工業製品である織物等のシートを用いたオーニング、シェード、洋風たてす、洋風すだれ、ロールスクリーン等が用いられるようになっており、通気性の良い織物を用いることで風通しを良くし、遮光性や遮熱性の高い繊維等を用いることで、さらに、室内への熱の侵入を防止することもできる。
【0004】
また、これらの工業製品は家屋の壁面だけでなく、金属製屋根を用いた工場の屋根上やカーポートに用いることもでき、炎天下での工場内や車内の温度上昇が防止できる。また、エアコンはヒートポンプの原理により、室内の熱を冷媒を介して外部に放出するため、室外機に直射日光が当たり温度が上昇すると冷房効率が低下して、より多くの電力を消費するので、最近では、冷房機能の向上を図るために、エアコン用の日よけとして使用されるようになった。
【0005】
しかし、これらのシートはすだれやよしず等とは異なり、柔軟性があるために、畳んだり巻き上げたりすることができ、曲線部分でも容易に沿わせることができる反面、それ自体では自立することができない。そこで、特許文献1には、遮光性幕体を自立する支柱に取り付けた洋風たてすが開示されている。これを庇状に飛び出した天井と床の間に突っ張らせて立て掛けることで日よけ効果が得られる。
【0006】
特許文献2に示すロールスクリーンでは、スクリーンの下縁に係止材を介してウェイトバーを設けることで、布が真直ぐに張られた状態で吊るすことができる。さらに、特許文献3では、エアコン室外機に直射日光が当たらないように天井部分を覆う日よけとして、シートの両端を支持杆で引っ張り、日よけの屋根を形成する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2007−9656号公報
【特許文献2】実開平5−71399号公報
【特許文献3】特開2014−59132号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
これらのシートを支柱等の棒状部材に固定する方法としては、例えば、特許文献3の図8に記載されているように、シートの上下端を筒状に折り曲げてかつ折り曲げ部を縫製して筒状部を形成し、パイプ部材(棒状部材)を筒状部に挿通することにより行われているが、日除け屋根の出に合わせて現場でシートを所要の寸法に切断し、切断端面を筒状に折り曲げて縫製し棒状部材に固定する場合、縫製に手間がかかると共に、手縫で精度よく強固に縫製するには、熟練した技術が必要となり、容易に実施することができない。
【0009】
本発明は斯かる点に鑑みてなされたものであり、その目的は、柔軟性のあるシートに簡単かつ強固に棒状部材を固定するために用いる固定具とそれを用いた固定方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記の目的の達成のため、請求項1に記載の発明による棒状部材にシート端部を固定するための固定具を用いた固定方法は、片方に膨出する膨出部とその一端側が板状に延出する挟持片とからなる一対の固定片を、膨出部が外側に向くように配置させて内側に棒状部材を収納できる収納空間を形成すると共に、一対の挟持片がシートを挟持するように開放位置から挟持位置まで開閉自在となるように他端側の接合部で接合一体化されている固定具を用いて棒状部材にシート端部を固定する方法であって、シート端部を棒状部材に巻きつけて折り返すと共に、固定具の一対の膨出部が形成する収納空間に前記棒状部材を当該棒状部材に巻き付けたシート全体が膨出部の内側に密着するように収納すると共に、シートの重複部を固定具の一対の挟持片で表裏から挟持して固定し、固定具を覆うようにして固定金具で固定具の挟持部を固定することを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、棒状部材にシート端部を固定する固定具は、片方に膨出する膨出部とその一端側が板状に延出する挟持片とからなる一対の固定を、膨出部が外側に向くように配置させて内側に棒状部材を収納できる収納空間を形成すると共に、一対の挟持片が棒状部材に巻き付けたシートの重複部を挟持するように開放位置から挟持位置まで開閉自在となるように他端側の接合部が接合一体化されているので、収納空間に棒状部材を容易に収納することができる。
【0012】
また、この固定具を用いた固定方法によると、棒状部材に巻きつけられたシート全体を膨出部の内側に密着させると共に、シート端部を棒状部材に巻きつけて折り返して得られるシートの重複部を、前記固定具の一対の挟持片で表裏から挟持することにより、現場での縫製作業も不要で棒状部材にシート端部を容易に固定することができると共に、シートを傷つけることなく棒状部材とシートの解体も容易に行うことができ、再利用することができる。
【0013】
さらに、固定具を覆うようにして固定金具で挟持部を固定することにより、棒状部材にシート端部を確実かつ強固に固定でき、また容易に取り外すことができ、シートに孔を開ける等傷つけることもないので、再利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】固定具の側面図である。
図2】(A)固定具が閉じた状態(B)固定具が開いた状態
図3】固定具の斜視図
図4】金具の斜視図
図5】シート端部を棒状部材に固定した状態を示す斜視図
図6】シート端部を棒状部材に固定した状態を示す側面図
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。以下の実施形態の説明は、本質的に例示に過ぎず、本発明、その適用物或いはその用途を制限することを意図するものでは全くない。
【0016】
図1は本発明の固定具の側面図で、図3は斜視図を示す。固定具1は、樹脂または金属からなり、例えばポリカーボネイトで成形されている。
【0017】
固定具1は、構造的に片方に膨出する膨出部12とその一端側が板状に延出する挟持片13とからなる固定片11を二つ一対にして、膨出部が外側に向くように配置させると共に、他端側の接合部14が接合された状態で一体化されている。これによって、内部に棒状部材3を収納できる収納空間15が形成される。
【0018】
また、図2に示すように固定具1は接合部14により、(a)の閉じた状態と(b)の開いた状態との間で、自在に開閉することができるので、棒状部材3を収納空間15に出し入れすることができる。この例では、接合部14の外側に溝を設けて他の部分よりも細くして折曲がりやすくしているが、例えば、接合部14のみを軟質樹脂にして柔軟性をもたせることもできる。
【0019】
図4は本発明の固定金具4の斜視図を示す。固定金具4は、樹脂または金属からなり、例えばステンレス鋼で成形されており、固定具1の上から外嵌し固定具1を介してシート2を棒状部材3に固定するものである。固定金具4は、基本的に固定具1と同様の構造を有しており、膨出押さえ部42と挟持片押さえ部43と金具結合部14からなる固定金具片41を二つ一対にして、結合部44を例えばボルトナット等で固定する。また、固定方法はこれに限らず、金具結合部44をばねで結合したり、弾性のある材料で二つの固定金具片41を一体的に形成することで、挟持片押さえ部43が閉じ方向に付勢力を有して挟持片13を押さえる。図4に示されるように、固定金具片41には強化突部45が外側に向かって設けられ、固定金具片41が変形しないように配慮しているので、固定具1を介して棒状部材にシート端部を確実かつ強固に固定することができる。
【0020】
次に、これらの部品を用いて日よけのスクリーン(シート)にウェイトバー(棒状部材)を固定する方法を説明する。
【0021】
図5はシート端部を棒状部材に固定した状態を示す斜視図、図6は側面図である。
幅30cm程度から180cmの所定幅のシート2の端部を棒状部材3に巻きつけて折り返し、奥行き約数cmの重複部21を設け、固定具1の挟持片13を開放して収納空間15にシート2を巻きつけた棒状部材3を嵌め込んで、挟持片13を閉じてシートの重複部21を表裏両面から挟持する。さらに、固定金具4をその上から嵌め込み金具結合部44をボルトナットで締結することで、挟持片押さえ部43で挟持片13を押さえて、シートの重複部21が動かないように固定する。
【0022】
この方法によれば、重複部21を縫製する必要がなく、手間なく誰でも簡単にシート端部の処理をしてシート端部に棒状部材を固定できると共に、解体することも容易に行える。また、重複部21を寸法の調整代としてあるていど余裕を持たせておけば、シートに孔を開ける等傷つけることもない工法なので、シート長さの若干の寸法調整等のように部材の再利用も容易に行える。
【0023】
さらに、シートとして通気性を良くするために目の粗い織物を用いた場合の端部からのほつれを防止することができるので、シートをピント張った状態を保持できる。なお、ここでは、シートの一端側のみ棒状部材との固定方法を説明したが、もう一端側についても棒状部材とシートの固定は全く同様なので説明を省略する。
【0024】
固定具1は、適宜必要な位置に設ければ良く、シート2の幅寸法にもよるが、両端部と中央部の適宜位置にシートが浮き上がらない程度(数十cm間隔)に設ければ良い。本発明の場合は固定具1の幅寸法が約30cmとなっているが、樹脂の押し出し成形で長い部材を製造し適宜寸法に切断して使用することもできる。シート2の幅は、棒状部材3の長さと同等でも良いし、シート幅を狭くして複数枚を棒状部材に固定することもできる。特に、日よけ等の屋外設置時には、風によるアオリなどに対応するためにシート幅を30cm程度とする事で、強風によりあおられた場合でも、固定具が外れる危険性も低くすることができる。例えば、長さ180cmの棒状部材3に幅30cmのシート2を6枚取り付けてもよい。
【0025】
なお、固定金具4を用いずに、例えば、固定具1の挟持片13を直接ボルトナットで締結することもできるが、この場合は、シートの一部にボルト等を通す孔を開けなければならないので、シート2と棒状部材3を解体して再利用することは難しい。また、再利用を考えないのであれば、固定具1とシート2を接着することも可能である。
【産業上の利用可能性】
【0026】
本発明は、取り付け取り外しが容易にできる固定具を用いて棒状部材シート端部を固定し固定具を覆うようにして固定金具で固定具の挟持部を固定することができ、どのようなシートでも適用できるので、極めて有用で産業上の利用可能性が高い。
【符号の説明】
【0027】
1 固定具
11 固定片
12 膨出部
13 挟持片
14 接合部
2 シート
21 重複部
3 棒状部材
4 固定金具
41 固定金具片
42 膨出押さえ部
43 挟持片押さえ部
44 金具結合部44

図1
図2
図3
図4
図5
図6